説明

遊技システム及び会員用記録媒体処理方法

【課題】会員用記録媒体を取り忘れた場合に、他の遊技客への悪影響並びに店員の労力を効率良く低減することを課題とする。
【解決手段】台間カード処理機10は、カード収納部15dの最上部の位置に収納されたカードが会員カードであり、該会員カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数が「0」である状態で紙幣を受け付けた場合に、該会員カードを一般カードとして取り扱うための一般カードフラグ「オン」を会員カードに設定するようカード管理装置40に依頼し、遊技店に配設された各機器(台間カード処理機10、景品管理装置60、精算機90)は、受け付けた会員カードに一般カードフラグが設定されている場合には、該会員カードを一般カードとして取り扱い制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店に会員登録した会員が各台装置内に所在する会員用記録媒体を取り忘れた場合に、他の遊技客への悪影響並びに店員の労力を効率良く低減することができる遊技システム及び会員用記録媒体処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店などの遊技店には、パチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す台間カード処理機が遊技機に併設される事が多い。最近では、かかる台間カード処理機に対して遊技媒体数を計数する計数部を設け、この台間カード処理機の計数部で計数した遊技媒体数を持玉数としてカードIDに対応づけて台間カード処理機並びにカード管理装置で管理するとともに、遊技客が台間カード処理機で持玉払出操作を行うことで、かかる持玉数を所定数ずつ払い出す各台計数機付き台間カード処理機が普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
遊技客は、この種の台間カード処理機に現金を投入することで、遊技媒体の貸し出しを受けることができる。遊技客が遊技機の台移動又は遊技を終了するために所定のカード排出操作を行うと、プリペイド価値及び持玉数が関連付けられた一般カードが排出される。このため、遊技客は、一般カードを店員に手渡し、この店員によって景品管理装置に一般カードが挿入されると、持玉数が景品交換処理される。また、遊技客は、一般カードを精算機に挿入することで、一般カードに関連付けられたプリペイド価値を現金に精算することができる。
【0004】
ところで、遊技店に会員登録した遊技客は、かかる一般カードの代わりに会員カードを用いて同様の処理を行うことができる。具体的には、会員が、台間カード処理機に現金を投入する前に会員カードを挿入すれば、貯玉数の場合と同様にプリペイド価値及び持玉数を会員カードに関連付けることができる。また、この会員カードを台間カード処理機から排出し、排出した会員カードを景品管理装置に挿入することにより該会員カードに関連付けられた持玉数を景品交換処理することができる。さらに、会員カードを精算機に挿入することにより、会員カードに関連付けられたプリペイド価値を現金に精算処理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−229111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ある会員が台間カード処理機から会員カードを取り忘れた場合には、会員カードを紛失する問題が生ずるだけではなく、他の遊技客に対する悪影響をもたらすと言う問題が生ずる。他の遊技客にとっては、台間カード処理機内に会員カードが挿入されている事実が分からず、台間カード処理機に一般カードがスタックされている前提で紙幣を挿入してしまう場合があるからである。その結果、ある会員の会員カードに他の遊技客のプリペイド価値や持玉数が関連付けられてしまい、他の遊技客が知らない会員の暗証番号が要求されてしまう。
【0007】
例えば、ある会員Aが遊技機に併設された台間カード処理機に会員カードを挿入した状態で離席及び退店し、その後に会員Aとは別の他の遊技客Bがこの遊技機で遊技を行う場合を考えると、台間カード処理機にスタックされる最上位に会員カードが所在することになる。このような場合に、この会員カードのプリペイド価値及び持玉数が共に零であれば、この遊技機で遊技を行おうとする他の遊技客Bは、台間カード処理機に会員カードが挿入されている事実が分からない。台間カード処理機に会員カードが挿入されている事実を示す表示がなされないためである。
【0008】
したがって、遊技客Bが台間カード処理機に紙幣を挿入すると、この紙幣分のプリペイド価値が会員Aの会員カードに対して関連付けられ、遊技客Bが獲得した持玉数についても会員Aの会員カードに対して関連付けられてしまう。その結果、この遊技客Bが景品交換カウンターに会員カードを持参して持玉数を景品交換しようとすると、遊技客Bが知らない会員Aの暗証番号を要求されてしまう。会員カードを用いた景品交換を行う場合には、暗証番号入力が必要になるためである。また、遊技客Bが会員カードを精算機に挿入してプリペイドカード残高の精算を行おうとした場合にも、会員Aの暗証番号を要求されてしまう。さらに、遊技客Bが台間カード処理機からカードを排出する時点で会員Aの暗証番号が要求される場合もある。
【0009】
このような場合に、当然ながら遊技客Bは会員Aの暗証番号を知らないため、景品交換カウンターの店員が、何らかの方策で会員Aの暗証番号を入手して暗証番号入力する必要が生ずるが、セキュリティの保護対策が講じられている遊技店では、たとえ店員であっても会員の暗証番号を知ることはできない。
【0010】
このため、景品交換カウンターの店員は、操作ログや監視カメラの映像等を確認して状況を確認したうえで、手作業で景品交換処理等を行う必要が生じる結果となり、店員の人的労力を要するとともに、遊技客Bに対して円滑な一連の遊技環境を提供することができない。
【0011】
これらのことから、遊技店に会員登録した会員が台間カード処理機内に所在する会員カードを取り忘れた場合に、いかにして他の遊技客への悪影響を低減するか、いかにして店員の労力を軽減するかが、重要な課題となっている。かかる課題は、会員カードのみならず他の会員用記録媒体を用いる場合にも同様に生ずる課題である。
【0012】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するためになされたものであって、遊技店に会員登録した会員が各台装置内に所在する会員用記録媒体を取り忘れた場合に、他の遊技客への悪影響並びに店員の労力を効率良く低減することができる遊技システム及び会員用記録媒体処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技機に併設され、記録媒体に関連付けられた価値情報の範囲内で遊技可能とするとともに、所定の記録媒体排出操作を受け付けた場合に、内部に収納された記録媒体にその時点の価値情報を関連付けた後に該記録媒体を排出処理する各台装置を含む遊技システムであって、前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱うための一般用記録媒体化情報を会員用記録媒体に関連付けて設定する一般化設定手段を備え、遊技店に配設された各機器は、受け付けた会員用記録媒体に一般用記録媒体化情報が設定されている場合には、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱い制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記価値情報は、プリペイド価値を含み、前記一般化設定手段は、前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられたプリペイド価値が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に前記一般用記録媒体化情報を設定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記価値情報は、持ち遊技媒体数を含み、前記一般化設定手段は、前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた持ち遊技媒体数が所定量以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に前記一般用記録媒体化情報を設定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記各台装置が前記会員用記録媒体を受け付けた場合に、所定のタイミングに暗証情報の入力及び照合を必要とするように設定する不正対策設定手段を備え、前記不正対策設定手段により暗証情報が必要であると設定され、かつ、前記一般記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記所定のタイミングに際して正当な暗証情報の入力を必要としないことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、遊技店に配設された景品管理装置が前記会員用記録媒体を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報を景品交換処理する際に、暗証情報の入力及び照合を必要とするように設定する不正対策設定手段を備え、前記不正対策設定手段により暗証情報が必要であると設定され、かつ、前記一般記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記価値情報の景品交換処理に際して正当な暗証情報の入力を必要とするが、前記一般記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記不正対策設定手段による設定に関わらず、前記価値情報の景品交換処理に際して正当な暗証情報の入力を必要としないことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記景品管理装置は、前記一般用記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を受け付けると、一般用記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を受け付けた旨を報知することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、遊技店に配設された精算機が前記会員用記録媒体を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報を精算処理する際に、暗証情報の入力及び照合を必要とするように設定する不正対策設定手段を備え、前記不正対策設定手段により暗証情報が必要であると設定され、かつ、前記一般記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記価値情報の精算処理に際して正当な暗証情報の入力を必要とするが、前記一般記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記不正対策設定手段による設定に関わらず、前記価値情報の精算処理に際して正当な暗証情報の入力を必要としないことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記精算機は、一般用記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体の精算処理を終えたならば前記価値情報の有無に関わらず該会員用記録媒体を返却処理し、一般用記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体の精算処理を終えたならば残余の価値情報が存在しないことを条件に該会員用記録媒体を装置内部に設けた収納部に収納処理することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、遊技機に併設され、記録媒体に関連付けられた価値情報の範囲内で遊技可能とするとともに、所定の記録媒体排出操作を受け付けた場合に、内部に収納された記録媒体にその時点の価値情報を関連付けた後に該記録媒体を排出処理する各台装置を含む遊技システムの会員用記録媒体処理方法であって、前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱うための一般用記録媒体化情報を会員用記録媒体に関連付けて設定する一般化設定工程と、遊技店に配設された各機器が、受け付けた会員用記録媒体に一般用記録媒体化情報が設定されている場合には、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱い制御する制御工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱うための一般用記録媒体化情報を会員用記録媒体に関連付けて設定し、遊技店に配設された各機器は、受け付けた会員用記録媒体に一般用記録媒体化情報が設定されている場合には、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱い制御するよう構成したので、遊技店に会員登録した会員が各台装置内に所在する会員用記録媒体を取り忘れた場合に、他の遊技客への悪影響並びに店員の労力を効率良く低減することができる。具体的には、各台装置から会員用記録媒体を排出する場合、景品管理装置で持ち遊技媒体数を景品交換処理する場合、精算機でプリペイド価値を精算処理する場合の暗証番号入力を不要にし、また会員用記録媒体の回収を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本実施例に係る遊技システムの概念を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した台間カード処理機の外観構成を示す図である。
【図4】図4は、図3に示したカードユニット部の概略図である。
【図5】図5は、図2に示した台間カード処理機、カード管理装置及び会員管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、図4に示したカード情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、図4に示した会員情報の一例を示す図である。
【図8】図8は、図2に示した景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】図9は、図2に示した精算機の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】図10は、図2に示した台間カード処理機による紙幣受付時の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図2に示した台間カード処理機によるカード排出時の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図2に示した景品管理装置による景品交換の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図2に示した精算機による精算処理手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、会員が会員カードを取り忘れ、その後に会員カードの紛失を届け出た場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、図4に示したカード情報の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技システム及び会員用記録媒体処理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、各台計数機能付きの台間カード処理機を用いた場合を示すこととする。
【実施例】
【0025】
まず、本実施例に係る遊技システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係る遊技システムの概念を説明するための説明図である。ここでは説明の便宜上、会員が取り忘れたプリペイド価値及び持玉数が共に零の会員カードが台間カード処理機10のカード収納部の最上位に残置されていることとする。
【0026】
同図に示すように、プリペイド価値及び持玉数が共に零の会員カードが台間カード処理機10内部に収納されている状態で、他の遊技客が台間カード処理機10に紙幣を挿入すると、この会員カードに一般カードフラグ(請求項1の「一般用記録媒体化情報」に対応)「オン」が設定される。そして、会員カードの一般カードフラグが「オン」になると、該会員カードがその後一般カードとして取り扱われる。
【0027】
具体的には、この会員カードを台間カード処理機10から排出し、景品管理装置60に設けられたリーダライタ70に挿入された場合には、会員カードの利用時に本来要求される暗証番号入力が要求されない。同様に、会員カードを精算機90に送信された場合にも、会員カードの利用時に本来要求される暗証番号入力が要求されない。また、台間カード処理機10から会員カードを排出する際に暗証番号入力を要求する仕組みを採用する場合であっても、会員カードの一般カードフラグが「オン」になると、暗証番号入力は要求されない。
【0028】
このように、本実施例では、一般カードフラグを用いて会員が取り忘れた会員カードを一時的に一般カードとして取り扱うことにより、意図せずに会員カードを利用せねばならない他の遊技客の不都合を解消するとともに、店員による不要な労力を軽減している。
【0029】
ここで、この会員カードは、カードの形状及び記録部分(ICチップ)は一般カードと同じであり、後述するようにカードIDにより一般カードと区別される、また、カード表面の印刷等の外観が一般カードと異なるため、遊技客及び店員の目視により区別することができる。また、会員カードは、各タイミングで正当な暗証番号の入力を必要とするように設定できる。具体的には、あらかじめ所定のタイミング(会員登録時等)で「暗証番号の要否」及び「(必要時のみ)暗証番号」を登録しておき、(1)プリペイド価値や持玉の使用開始時、(2)台間カード処理機10から会員カードを返却する時、(3)プリペイド価値を精算する時、(4)持玉や貯玉を景品交換する時等のうち希望するタイミングに、正当な暗証番号の入力を必要とするように設定できる。なお、本実施例では、説明を簡単にするために、全ての会員カードについて、上記全てのタイミングで暗証番号の照合が必要になるように設定されているものとする。
【0030】
次に、本実施例に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この遊技システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、島端計数機80と、精算機90とが通信回線100を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線100に接続されて遊技島を形成する。また、景品管理装置60にはリーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されて景品カウンターに設置される。
【0031】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
【0032】
この台間カード処理機10には、遊技客が獲得した玉数を計数する各台計数機が設けられている。この各台計数機で計数された玉数は、持玉数として台間カード処理機10内部の記憶部に記憶される。遊技客が所定の持玉払出操作を行うと、この持玉数から所定数が減算処理されるとともに、所定数の玉がノズルを介して遊技機20の上皿に投出される。
【0033】
また、遊技客が、所定のカード返却操作を行うと、台間カード処理機10内部の記憶部に記憶した持玉数がカードに記憶されるとともに、該カードのカードID及び持玉数がカード管理装置40に通知され、その後にカードが排出される。このため、遊技客は、このカードを他の遊技機20に併設された台間カード処理機10に挿入して持玉払出操作を行うことで、他の遊技機で遊技を行うことができる。また、現金の紙幣で遊技を開始する遊技客のために、台間カード処理機10のカード収納部には予め複数枚の一般カードが収納されており、遊技客が所定のカード返却操作を行うと、このカード収納部に収納された最上位の位置に所在する一般カードにプリペイド価値及び持玉数が関連付けられる。
【0034】
台間カード処理機10は、プリペイド価値及び持玉数が共に零の会員カードがカード収納部の最上位に所在する状態で紙幣を受け付けた場合には、この会員カードの一般カードフラグを「オン」にするようカード管理装置40に対して要求する。これにより、この会員カードはその後一般カードとして取り扱われる。
【0035】
台間カード処理機10は、所定のカード排出操作を受け付けた際に、カード収納部に収納された最上位の位置に所在するカードが一般カードである場合には、プリペイド価値及び持玉数を一般カードに格納し、カード管理装置40に一般カードのプリペイド価値及び持玉数の更新指示を行った後に、一般カードを排出する。
【0036】
一方、カード収納部に収納された最上位の位置に所在するカードが会員カードである場合には、該会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、一般カードフラグが「オン」であるか否かを確認する。そして、一般カードフラグが「オフ」である場合には、暗証番号入力を促し、この暗証番号が正しければ、プリペイド価値及び持玉数を会員カードに格納し、カード管理装置40に会員カードのプリペイド価値及び持玉数の更新指示を行った後に、会員カードを排出する。これに対して、一般カードフラグが「オン」である場合には、暗証番号入力を促すことなくプリペイド価値及び持玉数を会員カードに格納し、カード管理装置40に会員カードのプリペイド価値及び持玉数の更新指示を行った後に、会員カードを排出する。
【0037】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値、持玉数及び一般カードフラグ等をカード情報として管理する管理装置である。なお、会員カードについては一般カードフラグの設定対象とされるが、一般カードについては一般カードフラグの設定対象外とされる。
【0038】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカード情報を更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機90からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するプリペイド価値を精算機90に対して通知する。
【0039】
さらに、カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードIDを含む一般カードフラグの変更要求を受け付けたならば、該カードIDの会員カードの一般カードフラグを「オン」にするととともに、その旨が会員管理装置50に対して通知される。なお、この会員カードを回収した店員により所定の操作がなされた場合若しくは閉店処理がなされた場合に、この会員カードの一般カードフラグが「オフ」にされ、その旨が会員管理装置50に対して通知される。
【0040】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号、氏名並びにロックフラグ等を管理する。このロックフラグは、一般カードフラグが「オン」にされた旨の通知を受け付けた時点で設定されるフラグであり、このロックフラグが「オン」になっている間は貯玉の再プレイ及びポイントの利用が禁止される。
【0041】
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、計数玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されている。リーダライタ70は、カードの挿入を受け付けた際に、該カードのカードIDを読み取る装置である。特殊景品払出装置75は、景品管理装置60からの指示に応答して、特殊景品を払い出す装置である。
【0042】
ここで、この景品管理装置60は、リーダライタ70が一般カードを受け付けた場合には、リーダライタ70で読み出した一般カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該一般カードの持玉数を要求する。また、景品管理装置60は、リーダライタ70が会員カードを受け付けた場合には、会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、一般カードフラグが「オン」であるか否かを確認する。そして、一般カードフラグが「オフ」である場合には、暗証番号入力を促し、暗証番号が正しい場合にリーダライタ70で読み出した会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該会員カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。一方、一般カードフラグが「オン」である場合には、暗証番号入力を促すことなくリーダライタ70で読み出した会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該会員カードの持玉数を要求する。
【0043】
島端計数機80は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得した玉数を計数し、計数値をカードに関連付けるか、レシートへ印字して発行したり、会員カードを受け付けて貯玉処理を行う。精算機90は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0044】
ここで、この精算機90は、一般カードの挿入を受け付けた場合には、一般カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該一般カードのプリペイド価値を要求する。また、景品管理装置60は、会員カードを受け付けた場合には、会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、一般カードフラグが「オン」であるか否かを確認する。そして、一般カードフラグが「オフ」である場合には、会員に対して暗証番号入力を促し、暗証番号が正しい場合に会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して該会員カードのプリペイド価値を要求し、精算処理を行う。一方、一般カードフラグが「オン」である場合には、暗証番号入力を促すことなく会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して該会員カードのプリペイド価値を要求し、精算処理を行う。
【0045】
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
【0046】
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカードを受け付けるカードユニット部15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
【0047】
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aと、持玉を払い出す持玉払出ボタン18bとが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10cにより表示制御される。
【0048】
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量が増えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。
【0049】
次に、図3に示した台間カード処理機10のカードユニット部15について、さらに詳細に説明する。図4は、図3に示したカードユニット部15の概略図である。同図(a)には、カードユニット部15を前面側(同図のZ軸の負方向)からみた概略前面図を示し、同図(b)には、カードユニット部15を側面側(同図のYZ平面で切断しX軸の正方向)からみた概略側断面図を示している。
【0050】
同図(b)に示したように、カードユニット部15は、カード搬送部15aと、リーダライタ部15bと、カード収納部15dとを備えている。また、リーダライタ部15bは、アンテナ部15cを有する。カードユニット部15が取り扱うカードは、ICチップを内蔵するいわゆるICカードであり、あらかじめカードIDが記録されるとともに、プリペイド価値及び持玉数が記録されている。なお、カード内にプリペイド価値及び持玉数を記憶する理由は、台間カード処理機10がカード管理装置40と通信できない場合に対応するためであり、通常はカード管理装置40に記憶されたプリペイド価値及び持玉数が正とされる。
【0051】
カード搬送部15aは、遊技店の会員に対して発行される会員カードや一般カードが挿入された場合に、カードを同図のZ軸の正方向へと搬送する。また、カードを排出する場合には、カードを同図のZ軸の負方向へと搬送する。リーダライタ部15bは、カードとのデータ送受信を行うアンテナ部15cを有している。また、リーダライタ部15bは、かかるデータ送受信に際して、カードをアンテナ部15c上に保持する。
【0052】
カード収納部15dは、所定枚数の一般カードを最大10枚程度スタック式で収納でき、開店前には5枚程度収納される。また、持玉データが関連付けられた一般カード又は会員カードが挿入口から挿入された場合には、リーダライタ部15bにてカードIDを読み取り、このカードIDに対応するプリペイド価値及び持玉数をカード管理装置40から受け取り台間カード処理機10内の記憶部に記憶する。この時点で、会員カード又は一般カードと持玉数との関連付けを解消し、関連付けが解消された会員カード又は一般カードは、カード収納部15dの最上位の位置に収納される。
【0053】
また、カード返却ボタン21aが押下操作されたならば、カード収納部15dの最上位の位置に所在するカードがリーダライタ部15bの位置に搬送され、台間カード処理機10内の記憶部に記憶されたプリペイド価値及び持玉数を関連付けた後に、装置外部に排出される。
【0054】
次に、図2に示した台間カード処理機10、カード管理装置40及び会員管理装置50の内部構成について説明する。図5は、図2に示した台間カード処理機10、カード管理装置40及び会員管理装置50の内部構成を示す機能ブロック図である。なお、本発明に係る部位以外の説明については図示省略している。
【0055】
同図に示すように、台間カード処理機10は、通信I/F部10aと、記憶部10bと、制御部10cとを有する。なお、この制御部10cには、計数部17並びに図示しない表示操作部13及び持玉数表示部18a等が接続されており、台間カード処理機10には紙幣挿入口15が設けられている。
【0056】
通信I/F部10aは、カード管理装置40及び会員管理装置50とのデータ通信を行うためのインタフェース部である。記憶部10bは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カードID10b1、プリペイド価値10b2及び持玉数10b3を記憶する。このカードID10b1は、カード収納部15dの最上位の位置に収納されるカードのカードIDである。
【0057】
制御部10cは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、データ管理部10c1、一般カードフラグ処理部10c2及び払出処理部10c3を有する。データ管理部10c1は、記憶部10bに記憶したプリペイド価値10b2及び持玉数10b3を用いて、カードID10b1に対応するプリペイド価値及び持玉数を管理する。
【0058】
具体的には、紙幣挿入口15から紙幣を受け付けた場合には、この紙幣に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10b2に加算処理し、玉貸し操作がなされたならば、貸出玉数分のプリペイド価値をプリペイド価値10b2から減算処理する。また、新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数10b3に加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数10b3から減算処理する。カードを返却する場合には、カードID10b1、プリペイド価値10b2及び持玉数10b3をカード管理装置40に通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40d1の更新指示を行うとともに、カード内にプリペイド価値10b2及び持玉数10b3を書き込んだ後に、該カードを返却処理する。
【0059】
一般カードフラグ処理部10c2は、会員カードに対する一般カードフラグの設定処理を行う処理部である。カード収納部15dの最上位の位置に収納されるカードが会員カードであり、記憶部10bに記憶されるプリペイド価値10b2及び持玉数10b3が共に零である状態で、紙幣挿入口15から紙幣を受け付けたならば、このカードID10b1の一般カードフラグを「オン」にする。具体的には、このカードID10b1を含み一般カードフラグを「オン」にする旨の指示をカード管理装置40に対して通知する。かかる通知に応答して、カード管理装置40は、カード情報40d1内のカードID10b1の一般カードフラグを「オン」にする。
【0060】
払出処理部10c3は、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カードにプリペイド価値10b2があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。なお、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出することになる。
【0061】
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40eとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10及び会員管理装置50とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード情報40d1を記憶する。
【0062】
図6に示すように、この記憶部40dには、カードID、プリペイド価値、持玉数、一般カードフラグ及びカード状態が対応づけられたカード情報40d1が記憶されている。10進数5桁のカードIDの最上位の値が会員カード又は一般カードの種別を示しており、この値が「0」であるカードID(例えば、カードID「00001」)は会員カードを意味し、この値が「1」であるカードID(例えば、カードID「10001」)は一般カードを意味する。
【0063】
また、図6に示した一般カードフラグ「0」は、一般カードフラグが「オフ」の状態を示し、一般カードフラグ「1」は、一般カードフラグが「オン」の状態を示している。さらに、カード状態は、カードが所在する機器の識別ID等を示している。例えば、カードID「00001」は台間カード処理機10の「A101」内に所在し、カードID「00002」は各機器から排出された状態であり、カードID「00003」は台間カード処理機10の「A123」内に所在し、カードID「10002」は精算機90の「B001」内に所在し、カードID「00004」は店側が回収して保管している状況を示している。なお、カード状態に図示した「A」は台間カード処理機10を意味し、「B」は精算機90を意味し、後ろの数字は号機を示す。
【0064】
制御部40eは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40e1を有する。カード情報管理部40e1は、記憶部40dに記憶したカード情報40d1を用いて各カードのプリペイド価値、持玉数及び一般カードフラグ等を管理する。なお、カード情報管理部40e1は、一般カードフラグを「オン」にする場合には、該当するカードIDを会員管理装置50に対して通知する。ロックフラグを立てるためである。
【0065】
次に、会員管理装置50は、入力部50aと、表示部50bと、通信I/F部50cと、記憶部50dと、制御部50eとを有する。入力部50aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部50bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部50cは、台間カード処理機10及びカード管理装置40とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部50dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員情報50d1を記憶する。
【0066】
図7に示すように、この記憶部50dには、カードID、貯玉、ポイント、暗証番号、氏名及びロックフラグ等が対応づけられた会員情報50d1が記憶されている。図7に示したロックフラグ「0(オフ)」は貯玉及びポイントの使用を容認する状態を意味し、ロックフラグ「1(オン)」は貯玉及びポイントの使用を禁止する状態を意味する。
【0067】
制御部50eは、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員情報管理部50e1を有する。会員情報管理部50e1は、記憶部50dに記憶した会員情報50d1を用いて各会員の貯玉及びポイント等を管理する。なお、カード情報管理部40e1からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するロックフラグを「1(オン)」にする。一般カードフラグをオンとした会員カードを一般カードとして取り扱うことに伴って、貯玉及びポイントの使用を制限するためである。
【0068】
次に、図2に示した景品管理装置60の構成について説明する。図8は、図2に示した景品管理装置60の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、景品管理装置60は、景品交換処理を行う店員が視認する液晶パネル等からなる店側表示部60aと、景品交換操作を行うための各種キーが割り付けられた操作部60bと、遊技客に情報を提供するための客側表示部60cと、カード管理装置40等と通信を行うための通信I/F部60dとを有する。また、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶部60eと、景品管理装置60の全体制御を行う制御部60fとを有する。さらに、この景品管理装置60には、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されている。
【0069】
記憶部60eには、景品交換処理に必要となる景品管理データ60e1が格納されている。この景品管理データ60e1は、各景品の景品交換に必要となる交換玉数や、景品の在庫数などのデータからなる。
【0070】
制御部60fは、景品管理部60f1及び景品交換処理部60f2を有する。景品管理部60f1は、記憶部60eに記憶した景品管理データ60e1を用いて景品の管理を行う管理部であり、景品交換処理部60f2は、持玉数や貯玉数を特殊景品又は一般景品に景品交換処理する処理部である。
【0071】
具体的には、この景品交換処理部10f2では、リーダライタ70によりカードIDが読み取られたならば、カード種別(会員カード又は一般カード)を判定するとともに、このカードIDをカード管理装置40に送信して持玉数、プリペイド価値及び一般カードフラグを確認するとともに、一般カードフラグが「オフ」の会員カードについては、会員管理装置50から暗証番号、貯玉数、ポイント数等を取得する。そして、一般カードフラグが「オフ」の会員カードである場合には、リーダライタ70に設けられたタッチパネルから暗証番号の入力を受け付け、この暗証番号の正当性を確認した後に持玉数の景品交換処理を行う。また、貯玉数の景品交換処理あるいはポイントの利用を行うことができる。
【0072】
これに対して、一般カードである場合又は会員カードであるが一般カードフラグが「オン」である場合には、暗証番号入力を要求することなく、持玉数の景品交換処理を行い、その後カードを排出する。
【0073】
このように、この景品管理装置60は、会員カードであっても、一般カードフラグが「オン」である場合には、この会員カードを一般カードとして取り扱うこととしている。なお、一般カードフラグが「オン」であり、かつプリペイド価値が存在しない場合には、景品交換終了後に会員カードを回収させる旨を店側表示部60aに表示する。これにより、会員が忘れた会員カードを回収することができる。なお、この会員カードを回収した店員が所定の操作を行うことで、一般カードフラグを「オフ」にするとともに、カード状態を「回収済」とするようカード管理装置40に要求することができる。
【0074】
次に、図2に示した精算機90の構成について説明する。図9は、図2に示した精算機90の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、精算機90は、遊技客がガイダンスに沿って操作するタッチパネル型液晶パネル等からなる表示操作部90aと、リーダライタ90bと、カード管理装置40等と通信を行うための通信I/F部90cと、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶部90dと、精算機90の全体制御を行う制御部90eと、現金の管理及び投出等を行う現金処理部90fとを有する。
【0075】
制御部90eは、プリペイド価値を現金に精算処理する精算処理部90e1を有する。具体的には、この精算処理部90e1は、リーダライタ90bによりカードIDが読み取られたならば、カード種別(会員カード又は一般カード)を判定するとともに、このカードIDをカード管理装置40に送信して持玉数、プリペイド価値及び一般カードフラグを確認する。その結果、一般カードフラグが「オフ」の会員カードである場合には、表示操作部90aから暗証番号の入力を受け付け、この暗証番号の正当性を確認した後にプリペイド価値の精算処理を行って、該会員カードを返却する。
【0076】
これに対して、一般カードである場合又は会員カードであるが一般カードフラグが「オン」である場合には、暗証番号入力を要求することなく、プリペイド価値の精算処理を行い、その後カードを装置内部に設けられたカード収納部に収納する。ただし、持玉数が存在する場合には、会員カードを返却する。
【0077】
このように、この精算機90は、会員カードであっても、一般カードフラグが「オン」である場合には、この会員カードを一般カードとして取り扱うこととしている。なお、一般カードフラグが「オン」である会員カードを装置内部のカード収納部に収納する場合には、一般カードフラグを「オフ」にするようカード管理装置40に要求することができる。
【0078】
次に、図2に示した台間カード処理機10による紙幣受付時の処理手順について説明する。図10は、図2に示した台間カード処理機10による紙幣受付時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、紙幣が挿入された時点で台間カード処理機10に会員カードが挿入されており、この会員カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数が共に「0」であることを条件に、該会員カードの一般カードフラグを「オン」にする場合を示している。
【0079】
同図に示すように、台間カード処理機10は、紙幣の受付待ちの状態にあり(ステップS101;No)、紙幣挿入口12から紙幣を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、記憶部10bに記憶されたカードID10b1、プリペイド価値10b2及び持玉数10b3を確認する(ステップS102)。
【0080】
そして、このカード収納部15dの最上部の位置に収納されるカードが会員カードであるか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、記憶部10bに記憶したカードID10b1の最上位桁が「1」である場合には一般カードであると判定し、カードID10b1の最上位桁が「0」である場合には会員カードであると判定する。
【0081】
その結果、一般カードであると判定された場合には(ステップS103;No)、ステップS106に移行して、挿入された紙幣分に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10b2に加算して(ステップS106)、処理を終了する。一般カードについては、一般カードフラグを設定する必要がないためである。一方、会員カードであると判定された場合には(ステップS103;Yes)、プリペイド価値10b2及び持玉数10b3が共に「0」であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0082】
その結果、少なくともプリペイド価値10b2又は持玉数10b3が「0」でない場合には(ステップS104;No)、ステップS106に移行して、挿入された紙幣分に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10b2に加算して(ステップS106)、処理を終了する。会員カードにプリペイド価値又は持玉数が関連付けられている場合には、会員が遊技を継続していると考えられるためである。
【0083】
これに対して、プリペイド価値10b2及び持玉数10b3が共に「0」である場合には(ステップS104;Yes)、一般カードフラグを「オン」にするようカード管理装置40に対して通知する(ステップS105)。なお、この通知には、会員カードのカードIDも含まれる。その後、挿入された紙幣分に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10b2に加算して(ステップS106)、処理を終了する。
【0084】
次に、図2に示した台間カード処理機10によるカード排出時の処理手順について説明する。図11は、図2に示した台間カード処理機10によるカード排出時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、会員カードを排出する際に、原則として会員カードの暗証番号入力を要求する場合を示している。
【0085】
同図に示すように、台間カード処理機10は、カード排出操作待ちの状態にある(ステップS201;No)。このカード排出操作とは、遊技客による遊技機20のカード返却ボタン21aの押下操作を意味する。ここで、カード排出操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、カード収納部15dの最上部の位置に収納されるカードが会員カードであるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、記憶部10bに記憶したカードID10b1の最上位桁が「1」である場合には一般カードであると判定し、カードID10b1の最上位桁が「0」である場合には会員カードであると判定する。
【0086】
その結果、一般カードであると判定された場合には(ステップS202;No)、ステップS207に移行して、暗証番号入力を促すことなく後述するカード排出処理を行う。一般カードについては、暗証番号入力が不要だからである。一方、会員カードであると判定された場合には(ステップS202;Yes)、カードID10b1をカード管理装置40に送信して該カードID10b1の一般カードフラグを問い合わせる。
【0087】
そして、カードID10b1の一般カードフラグが「オン」である場合には(ステップS203;No)、ステップS207に移行して、暗証番号入力を促すことなく後述するカード排出処理を行う。一般カードフラグが「オン」の会員カードは、一般カードと同様の取り扱いとするためである。
【0088】
これに対して、カードID10b1の一般カードフラグが「オフ」である場合には(ステップS203;Yes)、暗証番号を受け付け(ステップS204)、受け付けた暗証番号の正当性を検証する。具体的には、カードID10b1及び暗証番号を会員管理装置50に対して送信し、該会員管理装置50による認証結果を受け取る。なお、会員管理装置50の会員情報50d1には、カードIDと暗証番号が記憶されているため、会員管理装置50は、台間カード処理機10からカードID10b1及び暗証番号を受信したならば、暗証番号の正当性を検証して、検証結果を台間カード処理機10に返送する。
【0089】
そして、暗証番号が誤っている場合には(ステップS205)、エラー表示を行った後に(ステップS206)、ステップS204に移行して再度暗証番号を入力するよう遊技客に促す(ステップS204)。なお、所定の回数暗証番号の入力に失敗した場合に、店員に対してエラー通知を行うこともできる。
【0090】
一方、暗証番号が正しい場合には(ステップS205;Yes)、プリペイド価値10b2及び持玉数10b3をカード管理装置40に通知した後(ステップS207)、該プリペイド価値10b2及び持玉数10b3をカード収納部15dの最上部に位置するカードに書き込み(ステップS208)、カードを排出処理することになる。
【0091】
次に、図2に示した景品管理装置60による景品交換の処理手順について説明する。図12は、図2に示した景品管理装置60による景品交換の処理手順を示すフローチャートである。なお、具体的な一般景品又は特殊景品への持玉数の景品交換は、従前の処理と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0092】
同図に示すように、景品管理装置60は、カードの受付待ちの状態にあり(ステップS301;No)、カードを受け付けたならば(ステップS301;Yes)、該カードのカード種別、持玉数、プリペイド価値及び一般カードフラグを確認する(ステップS302)。具体的には、カードから読み出したカードIDの最上位桁が「1」である場合には一般カードであると判定し、カードID10b1の最上位桁が「0」である場合には会員カードであると判定する。また、カードIDをカード管理装置40に通知して、持玉数、プリペイド価値及び一般カードフラグを受信する。
【0093】
その結果、一般カードであると判定された場合には(ステップS303;No)、暗証番号入力を促すことなくステップS308に移行して、該一般カードに関連付けられた持玉数を景品交換処理して(ステップS308)、後述するステップS309以降の処理を行う。
【0094】
これに対して、会員カードであると判定された場合には(ステップS303;Yes)、一般カードフラグの状態を確認する。一般カードフラグが「オン」である場合には(ステップS304;No)、一般カードの場合と同様に、暗証番号入力を促すことなくステップS308に移行して、該会員カードに関連付けられた持玉数を景品交換処理して(ステップS308)、後述するステップS309以降の処理を行う。一般カードフラグが「オン」の会員カードは、一般カードと同様の取り扱いとするためである。
【0095】
一方、一般カードフラグが「オフ」である場合には(ステップS304;No)、暗証番号を受け付け(ステップS305)、受け付けた暗証番号の正当性を検証する。具体的には、カードID及び暗証番号を会員管理装置50に対して送信し、該会員管理装置50による認証結果を受け取る。
【0096】
そして、暗証番号が誤っている場合には(ステップS306;No)、エラー表示を行った後に(ステップS307)、ステップS305に移行して再度暗証番号を入力させる(ステップS305)。なお、所定の回数暗証番号の入力に失敗した場合に、店員に対してエラー通知を行うこともできる。一方、暗証番号が正しい場合には(ステップS306;Yes)、会員カードに関連付けられた持玉数を景品交換処理する(ステップS308)。
【0097】
その後、会員カードであり(ステップS309;Yes)、かつ、一般カードフラグが「オン」である場合には(ステップS310;Yes)、一般カード扱いの会員カードであるために「回収する旨」を強調表示した後(ステップS311)、カードを排出する(ステップS312)。かかる強調表示を視認した店員は、この会員カードを所定の回収位置に回収する。
【0098】
これに対して、会員カードであり(ステップS309;Yes)、かつ、一般カードフラグが「オフ」である場合には(ステップS310;No)、遊技客に会員カードを返却する旨を表示した後(ステップS313)、カードを排出する(ステップS312)。かかる表示を視認した店員は、この会員カードを遊技客に返却する。
【0099】
また、一般カードであり(ステップS309;No)、かつ、残余のプリペイド価値が関連付けられている場合には(ステップS314;No)、ステップS313に移行して、遊技客に会員カードを返却する旨を表示した後(ステップS313)、カードを排出する(ステップS312)。かかる表示を視認した店員は、この会員カードを遊技客に返却する。
【0100】
さらに、一般カードであり(ステップS309;No)、かつ、残余のプリペイド価値が関連付けられていない場合には(ステップS314;Yes)、回収すべき旨を表示して(ステップS315)、カードを排出する(ステップS312)。かかる表示を視認した店員は、この一般カードを会員カードと区別して所定の回収位置に回収する。なお、一般カードフラグが「オフ」の会員カードに限り、貯玉数の景品交換が可能となる。
【0101】
次に、図2に示した精算機90による精算処理手順について説明する。図13は、図2に示した精算機90による精算処理手順を示すフローチャートである。なお、具体的なプリペイド価値から貨幣への精算処理は、従前の処理と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0102】
同図に示すように、精算機90は、カードの受付待ちの状態にあり(ステップS401;No)、カードを受け付けたならば(ステップS401;Yes)、該カードのカード種別、持玉数、プリペイド価値及び一般カードフラグを確認する(ステップS402)。具体的には、カードから読み出したカードIDの最上位桁が「1」である場合には一般カードであると判定し、カードID10b1の最上位桁が「0」である場合には会員カードであると判定する。また、カードIDをカード管理装置40に通知して、持玉数、プリペイド価値及び一般カードフラグを受信する。
【0103】
その結果、一般カードであると判定された場合には(ステップS403;No)、暗証番号入力を促すことなくステップS408に移行して、該一般カードに関連付けられたプリペイド価値を精算処理する(ステップS408)。一般カードの場合には、暗証番号入力が不要だからである。
【0104】
これに対して、会員カードであると判定された場合には(ステップS403;Yes)、一般カードフラグの状態を確認する。一般カードフラグが「オン」である場合には(ステップS404;No)、一般カードの場合と同様に、暗証番号入力を促すことなくステップS408に移行して、該会員カードに関連付けられたプリペイド価値を精算処理する(ステップS408)。一般カードフラグが「オン」の会員カードは、一般カードと同様の取り扱いとするためである。
【0105】
一方、一般カードフラグが「オフ」である場合には(ステップS404;No)、暗証番号を受け付け(ステップS405)、受け付けた暗証番号の正当性を検証する。具体的には、カードID及び暗証番号を会員管理装置50に対して送信し、該会員管理装置50による認証結果を受け取る。
【0106】
そして、暗証番号が誤っている場合には(ステップS406;No)、エラー表示を行った後に(ステップS407)、ステップS405に移行して再度暗証番号を入力させる(ステップS405)。なお、所定の回数暗証番号の入力に失敗した場合に、店員に対してエラー通知を行うこともできる。一方、暗証番号が正しい場合には(ステップS406;Yes)、会員カードに関連付けられたプリペイド価値を精算処理する(ステップS408)。
【0107】
その後、会員カードであり(ステップS409;Yes)、かつ、一般カードフラグが「オン」である状態で(ステップS410;No)、持玉が存在しない場合には(ステップS412;Yes)、カードを所定のカード収納部に回収し(ステップS413)、処理を終了する。会員が取り忘れた可能性が高い一般カードフラグが「オン」の会員カードは回収すべきだからである。
【0108】
一方、持玉が存在する場合には(ステップS412;No)、カードを排出して(ステップS411)、処理を終了する。また、会員カードであり(ステップS409;Yes)、かつ、一般カードフラグが「オフ」である場合には(ステップS410;Yes)、カードを排出して(ステップS411)、処理を終了する。
【0109】
また、一般カードであり(ステップS409;No)、かつ、持玉が存在しない場合には(ステップS412;Yes)、カードを所定のカード収納部に回収し(ステップS413)、処理を終了する。一方、持玉が存在する場合には(ステップS412;No)、カードを排出して(ステップS411)、処理を終了する。
【0110】
次に、会員が会員カードを取り忘れ、その後に会員カードの紛失を届け出た場合の処理手順について説明する。図14は、会員が会員カードを取り忘れ、その後に会員カードの紛失を届け出た場合の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、店員がカード管理装置40を操作して会員カードを検索する場合を説明するが、会員管理装置50又は景品管理装置60等の他の機器から検索することもできる。
【0111】
図14に示すように、会員カードを取り忘れた会員から会員カードの紛失届が提出された場合には、遊技店の店員がカード管理装置40を用いて会員カードの検索操作を行う。具体的には、店員は、検索モードに入った後、会員情報の受け付け待ちの状態(ステップS501;No)のカード管理装置40に会員の氏名等の会員情報を入力し(ステップS501;Yes)、カードIDを特定する(ステップS502)。すなわち、カード管理装置40は、受け付けた会員情報を会員管理装置50に送信して該会員情報に対応するカードIDを受信する。会員管理装置50は、カード管理装置40から会員情報を受信したならば、この会員情報に対応するカードIDをカード管理装置40に対して返信する。
【0112】
その後、カード管理装置40は、カード情報40d1を検索してカードの所在場所を検索する(ステップS503)。例えば、図6に示したカードID「00001」の会員カードを検索すると、識別IDが「A101」の台間カード処理機10内に所在することが分かる。
【0113】
ここで、このカードの一般カードフラグが「オン」である場合には(ステップS504;Yes)、この会員カードがその時点で他の遊技客に使用されていることを意味するため、この会員カードに関連付けられるべき持玉及びプリペイド価値を次の一般カードに移行させた後に(ステップS505)、会員カードを排出する(ステップS506)。一方、このカードの一般カードフラグが「オフ」である場合には(ステップS504;No)、そのまま会員カードを排出する(ステップS506)。
【0114】
これにより、例えば台間カード処理機10にプリペイド価値及び持玉数が存在する場合であっても、この係員操作によりプリペイド価値及び持玉数が共に「0」の会員カードが排出される。なお、この会員カードが排出されたとしても、遊技客は、プリペイド価値及び持玉数を用いて遊技を継続することができ、また次の位置に収納される一般カードにプリペイド価値及び持玉数を関連付けることもできる。なお、会員カードの一般カードフラグが「オフ」である場合には、その時点で他の遊技客が会員カードを使用していないため、店員が該当する機器に赴いて会員カードを回収する。
【0115】
なお、台間カード処理機10から会員カードを排出する場合には、リモコン等の従業員操作によりカード排出を実行することができ、精算機90から会員カードを排出する場合には、カード収納部から会員カードを取り出すことになる。また、回収済みの会員カードは、景品交換カウンタ等に設けられた所定の保管場所から会員カードを取り出すことになる。このようにして回収された会員カードは、その会員番号等を確認して、遊技客に返却される。
【0116】
上述してきたように、本実施例では、台間カード処理機10は、カード収納部15dの最上部の位置に収納されたカードが会員カードであり、該会員カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数が「0」である状態で紙幣を受け付けた場合に、該会員カードを一般カードとして取り扱うための一般カードフラグ「オン」を会員カードに設定するようカード管理装置40に依頼し、遊技店に配設された各機器(台間カード処理機10、景品管理装置60、精算機90)は、受け付けた会員カードに一般カードフラグが設定されている場合には、該会員カードを一般カードとして取り扱い制御するよう構成したので、会員が台間カード処理機10から会員カードを取り忘れた場合に、他の遊技客への悪影響並びに店員の労力を効率良く低減することができる。
【0117】
なお、本実施例では、カード管理装置40が図6に示したカード情報40d1を用いてカードを管理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図15に示したカード情報を用いることもできる。図15に示したカード情報は、カードIDごとに初回フラグを記憶している。この初回フラグとは、遊技店が開店してから初めての入金であるか否かを示すフラグである。この初回フラグが「0(オフ)」であれば、価値が無い状態からの入金であっても、会員本人が紙幣を挿入して遊技を開始した可能性が極めて高い。このため、紙幣が挿入された場合に、プリペイド価値及び持玉数が共に「0」であり、かつ、初回フラグが「1(オン)」である場合に、一般カードフラグを「1(オン)」にすることが可能となる。これにより、会員自身が紙幣を挿入しているのにも関わらず、この会員カードに一般カードフラグ「1(オン)」が設定される状況を回避することができる。なお、初回フラグは、閉店処理時にリセット(全てを「0(オフ)」)にされる。
【0118】
また、台間カード処理機10の記憶部10bに記憶したプリペイド価値10b2及び持玉数10b3が共に「0」になってからの経過時間を計測しておき、紙幣が挿入された場合に、プリペイド価値及び持玉数が共に「0」であり、かつ、上記経過時間が所定の時間以上である場合に、一般カードフラグを「1(オン)」にすることもできる。これにより、会員自身が紙幣を挿入しているのにも関わらず、この会員カードに一般カードフラグ「1(オン)」が設定される状況を回避することができる。
【0119】
さらに、上記実施例では、プリペイド価値及び持玉数が共に「0」であることを一般カードフラグ「1(オン)」の条件としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリペイド価値及び持玉数が共に「所定値未満」であることを条件とすることもできる。遊技客は、全てのプリペイド価値及び持玉数を使い切らずに会員カードを取り忘れるケースも考えられるからである。さらに、プリペイド価値又は持玉数のいずれか一方が「0」又は「所定値未満」であることを一般カードフラグ「1(オン)」の条件とすることもできる。また、プリペイド価値と持玉数を所定の共通単位に換算したうえで合算し、合算値が所定値未満であるか否かによって判定することもできる。具体的には、持玉数を1玉4円で金額換算し、プリペイド価値と合算した金額が500円未満であれば、一般カードフラグを有効化することもできる。
【0120】
また、上記実施例では、遊技店内に配設した機器の一例として、本発明を台間カード処理機10、景品管理装置60及び精算機90に適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード発行機等の他の機器に適用することもできる。さらに、上記実施例では、カード管理装置40と会員管理装置50を別装置とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置40と会員管理装置50を一体化した場合に適用することもできる。
【0121】
また、上記実施例では、各台計数機能付きの台間カード処理機10に本発明を適用する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各台計数機能を有さない台間カード処理機10に本発明を適用することもできる。さらに、上記実施例では、台間カード処理機10が各台計数処理及びカードを用いた玉貸し処理の双方を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各台計数処理とカードを用いた玉貸し処理を別装置で行ういわゆるダブルサンドの場合にも適用することができる。また、上記実施例では、ICカードからなる一般カード及び会員カードを用いた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気カードやICコインを用いた場合に適用することもできる。
【0122】
また、上記実施例では、一般カードフラグを用いる場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般カードとして取り扱うべき会員カードのカードIDを暫定的に特殊なカードIDに変更することで、一般カードとして取り扱うべき会員カードを通常の会員カードと区分することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0123】
以上のように、本発明に係る遊技システム及び会員用記録媒体処理方法は、会員が会員カードを取り忘れた際の他の遊技客への悪影響並びに店員の労力を効率良く低減する場合に適している。
【符号の説明】
【0124】
10 台間カード処理機
10a 通信I/F部
10b 記憶部
10b1 カードID
10b2 プリペイド価値
10b3 持玉数
10c 制御部
10c1 データ管理部
10c2 一般カードフラグ処理
10c3 払出処理部
11 状態表示部
12 紙幣挿入部
13 表示操作部
14 ノズル
15 カードユニット部
15a カード搬送部15a
15b リーダライタ部
15c アンテナ部
15d カード収納部
16 携帯読取部
17 計数部
18 持玉貯留部
18a 持玉数表示部
18b 持玉払出ボタン
20 遊技機
21 上皿
21a カード返却ボタン
22 下皿
30 島コントローラ
40 カード管理装置
40a 入力部
40b 表示部
40c 通信I/F部
40d 記憶部
40d1 カード情報
40e 制御部
40e1 カード情報管理部
50 会員管理装置
50a 入力部
50b 表示部
50c 通信I/F部
50d 記憶部
50d1 会員情報
50e 制御部
50e1 会員情報管理部
60 景品管理装置
70 リーダライタ
75 特殊景品払出装置
80 島端計数機
90 精算機
100 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に併設され、記録媒体に関連付けられた価値情報の範囲内で遊技可能とするとともに、所定の記録媒体排出操作を受け付けた場合に、内部に収納された記録媒体にその時点の価値情報を関連付けた後に該記録媒体を排出処理する各台装置を含む遊技システムであって、
前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱うための一般用記録媒体化情報を会員用記録媒体に関連付けて設定する一般化設定手段を備え、
遊技店に配設された各機器は、
受け付けた会員用記録媒体に一般用記録媒体化情報が設定されている場合には、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱い制御する制御手段を備えた
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記価値情報は、プリペイド価値を含み、
前記一般化設定手段は、前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられたプリペイド価値が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に前記一般用記録媒体化情報を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記価値情報は、持ち遊技媒体数を含み、
前記一般化設定手段は、前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた持ち遊技媒体数が所定量以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に前記一般用記録媒体化情報を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記各台装置が前記会員用記録媒体を受け付けた場合に、所定のタイミングに暗証情報の入力及び照合を必要とするように設定する不正対策設定手段を備え、
前記不正対策設定手段により暗証情報が必要であると設定され、かつ、前記一般記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記所定のタイミングに際して正当な暗証情報の入力を必要としないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項5】
遊技店に配設された景品管理装置が前記会員用記録媒体を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報を景品交換処理する際に、暗証情報の入力及び照合を必要とするように設定する不正対策設定手段を備え、
前記不正対策設定手段により暗証情報が必要であると設定され、かつ、前記一般記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記価値情報の景品交換処理に際して正当な暗証情報の入力を必要とするが、前記一般記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記不正対策設定手段による設定に関わらず、前記価値情報の景品交換処理に際して正当な暗証情報の入力を必要としないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項6】
前記景品管理装置は、前記一般用記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を受け付けると、一般用記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を受け付けた旨を報知することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項7】
遊技店に配設された精算機が前記会員用記録媒体を受け付けた場合に、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報を精算処理する際に、暗証情報の入力及び照合を必要とするように設定する不正対策設定手段を備え、
前記不正対策設定手段により暗証情報が必要であると設定され、かつ、前記一般記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記価値情報の精算処理に際して正当な暗証情報の入力を必要とするが、前記一般記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体を前記各台装置が受け付けたときは、前記不正対策設定手段による設定に関わらず、前記価値情報の精算処理に際して正当な暗証情報の入力を必要としないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項8】
前記精算機は、一般用記録媒体化情報が関連付けられていない会員用記録媒体の精算処理を終えたならば前記価値情報の有無に関わらず該会員用記録媒体を返却処理し、一般用記録媒体化情報が関連付けられた会員用記録媒体の精算処理を終えたならば残余の価値情報が存在しないことを条件に該会員用記録媒体を装置内部に設けた収納部に収納処理することを特徴とする請求項7に記載の遊技システム。
【請求項9】
遊技機に併設され、記録媒体に関連付けられた価値情報の範囲内で遊技可能とするとともに、所定の記録媒体排出操作を受け付けた場合に、内部に収納された記録媒体にその時点の価値情報を関連付けた後に該記録媒体を排出処理する各台装置を含む遊技システムの会員用記録媒体処理方法であって、
前記各台装置に収納された記録媒体が会員用記録媒体であり、該会員用記録媒体に関連付けられた価値情報が所定以下である状態で貨幣を受け付けた場合に、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱うための一般用記録媒体化情報を会員用記録媒体に関連付けて設定する一般化設定工程と、
遊技店に配設された各機器が、受け付けた会員用記録媒体に一般用記録媒体化情報が設定されている場合には、該会員用記録媒体を一般用記録媒体として取り扱い制御する制御工程と
を含んだことを特徴とする会員用記録媒体処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−228440(P2012−228440A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99716(P2011−99716)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】