説明

遊技システム及び遊技媒体貸出装置

【課題】貸出単価ごとに管理された貯遊技媒体を使って再プレイする時に、遊技者が使いたい貯遊技媒体の貸出単価を指定できるようにする。
【解決手段】遊技機4で使用する遊技媒体について設定された複数の貸出単価ごとに遊技者の貯遊技媒体数を管理し、いずれかの貸出単価の貯遊技媒体を使って遊技媒体を払出し再プレイ可能にした遊技システム1において、前記貸出単価ごとに前記貯遊技媒体数を遊技者に示し、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出単価を指定可能にした再プレイ装置としてのCRユニット6A、6Bを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が貯遊技媒体数を使って遊技媒体の払い出しを受け遊技機での遊技を再プレイ可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店の中には、顧客に会員カードを発行するサービスを行っている店がある。また、この会員カードを利用して、遊技者が遊技を通じて獲得した例えば遊技球やメダルを貯玉・貯メダルとして貯留し、貯玉・貯メダルを使って(引き出して)後日、遊技機での遊技を再プレイ可能にした、いわゆる貯玉・貯メダルサービスを提供する遊技店もある。
【0003】
一方、近年、遊技者に低料金で楽しんでもらえる遊技を提供したいというニーズ等から、例えばパチンコ機を設置したパチンココーナーにおいて、遊技球の貸出単価を4円/玉のコーナーや1円/玉といったように異なる貸出単価に設定したコーナーを併存させた遊技店がある。また、パチスロ機を設置したパチスロコーナーにおいて、遊技メダルの貸出単価を20円/枚や5円/枚などの異なる貸出単価に設定したコーナーを併存させた遊技店もある。
【0004】
複数の貸出単価を設定した遊技店では、貯玉・貯メダルサービスを提供するに際し、一般に、貯玉数・貯メダル数を貸出単価ごとに分けて管理し、貯玉・貯メダルされている貸出単価及び遊技媒体種別と同一の貸出単価及び遊技媒体種別の遊技機に限り、再プレイ時に使用できるようにしている。しかしながら、貯玉・貯メダルを利用可能な遊技機が制限されることは、遊技者にとって不便である。そこで、貯玉・貯メダルの貸出単価の違いにかかわらず、貯玉・貯メダルを使って遊技を楽しめるようにすべく次のような技術が提案されている。すなわち、この技術では、遊技者が再プレイするときには、貸出単価ごとの貯玉数を、それぞれ再プレイするパチンコ機の貸出単価に換算して合算し、その合算した貯玉数を遊技者に表示している。この表示により、遊技者は、所望のパチンコ機での再プレイに利用可能な貯玉数を知り、その貯玉数の範囲で再プレイすることができる。
(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−45362号公報
【特許文献2】特開2009−45363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、貸出単価ごとの貯玉を使用するに際し、どの貸出単価の貯玉を優先的に使用するかは、サービス提供者側が予め設定した優先順位にしたがって行われている。このため、遊技者が使用したい貯玉の貸出単価を選択できず遊技者が意図しない貸出単価の貯玉が使用される、という問題があった。
すなわち、遊技者は、貸出単価が高く設定された遊技機で貯めた貯遊技媒体を貸出単価が低く設定された遊技機で使う、より長く遊技を楽しむことができるものの、従来の技術では、このような楽しみ方ができない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、貸出単価ごとに管理された貯遊技媒体を使って再プレイする時に、遊技者が使いたい貯遊技媒体の貸出単価を指定できる遊技システム及び遊技媒体貸出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技機で使用する遊技媒体について設定された複数の貸出単価ごとに遊技者の貯遊技媒体数を管理し、いずれかの貸出単価の貯遊技媒体を使って遊技媒体を払出し再プレイ可能にした遊技システムにおいて、前記貸出単価ごとに前記貯遊技媒体数を遊技者に示し、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出単価を指定可能にした再プレイ装置を備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記遊技システムにおいて、前記再プレイ装置は、前記遊技者が再プレイする遊技機の貸出単価に基づいて、前記貸出単価ごとの貯遊技媒体数を当該遊技機で利用可能な貯遊技媒体数に換算して示すことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記遊技システムにおいて、前記貯遊技媒体数が前記遊技媒体の種別及び貸出単価に分けて管理され、前記再プレイ装置は、遊技者が再プレイする遊技機で使用される遊技媒体の種別についての貯遊技媒体数と、他の遊技媒体の種別についての貯遊技媒体数とのそれぞれを遊技者に示し指定可能にしたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記遊技システムにおいて、前記再プレイ装置は、前記再プレイに使う遊技媒体が払い出された場合、当該払い出し後の貯遊技媒体数を遊技者に示すことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技機で使用する遊技媒体について設定された複数の貸出単価ごとに遊技者の貯遊技媒体数を管理し、いずれかの貸出単価の貯遊技媒体を使って遊技媒体を払出し再プレイ可能にした遊技システムを備えた遊技店に設けられ、前記遊技機で使用する遊技媒体を遊技者に貸し出す遊技媒体貸出装置において、前記貸出単価ごとに前記貯遊技媒体数を遊技者に示す表示手段と、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出単価を指定する指定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、貸出単価ごとに貯遊技媒体数を遊技者に示し、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体数の貸出単価を指定可能にする構成を備えたため、遊技者は、所望の貸出単価の貯遊技媒体を使って再プレイすることができ、また、意図せぬ貸出単価の貯遊技媒体を使ってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技システム1が設けられた遊技店2の構成を模式的に示す図である。
【図2】パチンコ機及びCRユニットの構成を示す図である。
【図3】CRユニットの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】台別管理データのデータ内容を模式的に示す図である。
【図5】会員カード管理データのデータ内容を模式的に示す図である。
【図6】再プレイ制御部の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】再プレイ時にCRユニットの再プレイ制御部によって実行される処理のフローチャートである。
【図8】CRユニットの表示部の表示例を示す図である。
【図9】CRユニットの表示部の再プレイ時の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、遊技機として、遊技に遊技球を使用するパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と言う)と、遊技メダルを使用する回動式遊技機(以下、「パチスロ機」と言う)とを例にして説明する。
【0016】
図1は本実施形態に係る遊技システム1が設けられた遊技店2の構成を模式的に示す図である。
この図に示すように、遊技店2には、多数のパチンコ機4A及びCRユニット(Card Reader)6Aと、パチスロ機4Bと及びCRユニット6Bと、精算機8が設置され、また、遊技店2の一室には管理室9が設けられている。この管理室9には、プリペイドシステム管理コンピュータ10やホールコンピュータ12、顧客/持玉管理サーバ14等の各種の管理用コンピュータが設置されている。プリペイドシステム管理コンピュータ10は、遊技球の貸し出しに使用されるプリペイド媒体を管理し、ホールコンピュータ12は、パチンコ機4A及びパチスロ機4B(以下、両者を区別する必要がないときは「遊技機」と称し符号4を付す)ごとに入玉、出玉及び差玉を管理する。また、顧客/持玉管理サーバ14は、遊技者(顧客)及び当該遊技者ごとの持玉を管理する。そして、本実施形態では、この顧客/持玉管理サーバ14と、上記CRユニット6A及びCRユニット6Bとを備えて、遊技機4での再プレイを可能にする遊技システム1が構成されている。
【0017】
パチンコ機4Aは、プリペイド媒体を購入、或いは、プリペイド媒体に現金をチャージし、該プリペイド媒体に記録された残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれるパチンコ機である。
CRユニット6Aはプリペイド媒体を読み取る装置であり、各パチンコ機4Aに横並びに設けられている。パチンコ機4Aの間に配置されることからCRユニット6Aは台間機とも称される。各CRユニット6Aは、プリペイド媒体の読取機能に加え、現金の投入に伴いプリペイド媒体を発行する発行する機能を有しており、遊技者は、遊技中にパチンコ機4Aから離れることなくプリペイド媒体を購入できる。各CRユニット6Aは、プリペイドシステム管理コンピュータ10にネットワーク45(図2)を介して通信可能に接続されており、CRユニット6Aで発行されたプリペイド媒体がプリペイドシステム管理コンピュータ10により管理されている。
【0018】
CRユニット6Aが読み取るプリペイド媒体の形状には硬貨形状やカード形状といった任意の形状を採用することができ、この遊技店2では、硬貨形状のプリペイド媒体(以下、「プリペイドコイン」と称し符号50を付す(図2))が用いられている。
各CRユニット6Aは、プリペイドコイン50の残価値を対価に遊技球を貸し出す貸玉装置としても構成されている。
またパチスロ機4Bのそれぞれの横には、プリペイドコイン50の残価値を対価に遊技媒体として遊技メダルを貸し出すCRユニット6Bが配置されている。
なお、この遊技店2では、パチンコ機4A及びパチスロ機4BとCRユニット6A、6Bとを1対1に配置しているが、隣り合う2台のパチンコ機4A又はパチスロ機4Bに対して1台のCRユニット6A又は6Bを配置してもよい。
【0019】
精算機8は、プリペイドコイン50の残価値に応じて現金を払い戻す装置である。精算機8は、上記プリペイドシステム管理コンピュータ10に通信可能に接続されており、プリペイドコイン50が投入された場合には、このプリペイドシステム管理コンピュータ10と通信してプリペイドコイン50の照合等を行った後、残価値に応じた現金を払い戻す。
【0020】
また、この遊技店2では、遊技球や遊技メダルの貸出単価が各遊技機4で共通ではなく、同一の遊技媒体について複数の貸出単価が設定されている。具体的には、遊技球については、4円/玉、2円/玉、1円/玉、及び、0.5円/玉といった貸出単価が設定され、また、遊技メダルについては、20円/枚、及び、5円/枚といった貸出単価が設定されている。そして、遊技店2のパチンココーナー16には、同じ貸出単価のパチンコ機4Aを集めた4円/玉コーナー16A、2円/玉コーナー16B、1円/玉コーナー16C及び0.5円/玉コーナー16Dが設けられている。同様に、スロットコーナー17には、20円/枚コーナー17A、及び、5円/枚コーナー17Bが設けられている。また、各CRユニット6A、6Bには、それぞれが設置されているコーナー16A〜16D、17A、17Bに対応した貸出単価及び遊技媒体種別が設定されている。そして各CRユニット6A、6Bは、プリペイドコイン50の残価値を対価に遊技媒体を貸し出す場合、貸出単価及び貸出個数に基づく金額分の価値をプリペイドコインの残価値から減じ、これにより、各コーナー16A〜16D、17A、17Bに設定した貸出単価に応じた遊技媒体の貸出しが行われる。
【0021】
次いで遊技機4としてパチンコ機4Aを代表して説明する。
図2は、パチンコ機4A及びCRユニット6Aの構成を示す図である。
パチンコ機4Aは、遊技盤20の前面に前面ガラス21を設け、該前面ガラス21を通じて遊技盤20の遊技領域を視認可能に構成したパチンコ機本体22を備えている。遊技盤20には、遊技球が通過する複数の始動口(不図示)や入賞口(不図示)、障害釘(不図示)、図柄を可変表示する可変表示ユニット(不図示)が設けられている。パチンコ機本体22の右下には、遊技球発射ハンドル23が設けられており、該遊技球発射ハンドル23の操作により遊技球が遊技盤20の遊技領域に発射される。パチンコ機4Aは、遊技盤20に発射された遊技球が始動口を通過するごとに当落抽選を行い、図柄の可変表示により当落結果を遊技者に通知する。また、パチンコ機4Aは、当落抽選への当選を契機にして遊技球を遊技者が有利に獲得できる遊技状態である特別遊技状態(例えば入賞口に遊技機球が入りや易くなった状態)に移行する。これにより、遊技者は持玉を増やすることができるようになっている。
【0022】
前面ガラス21の下側には遊技球の排出口(不図示)及び上皿24が設けられている。この上皿24の手前側には、球貸ボタン25、返却ボタン26、及び度数表示部27が設けられている。球貸ボタン25は遊技球の貸し出し操作のためのボタン、返却ボタン26はCRユニット6Aからプリペイドコイン50を排出させるためのボタン、度数表示部27はプリペイドコイン50の残価値を度数表示する表示器である。
球貸ボタン25が操作されると、パチンコ機本体22からCRユニット6Aに対して玉貸要求が送信され、プリペイドコイン50に残価値が存在する限りにおいて、CRユニット6Aからパチンコ機本体22に球貸許可指令が送信され、該パチンコ機本体22から遊技球が上皿24に払い出される。
【0023】
CRユニット6Aは、高額紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を含む各種紙幣を挿入するための紙幣挿入口30、プリペイドコインの残価値の度数表示や貸出金額、その他各種情報を表示する例えば液晶パネルを備える表示部32、プリペイドコイン50を投入するコイン投入口34、プリペイドコインを排出するコイン排出口36、記録媒体としての会員カード38を挿入する会員カード挿入口40、及び、この会員カード38の暗証番号などや各種選択操作を入力する操作キー42が設けられている。会員カード38は、遊技店2を利用する遊技者に対して店側から発行される。この会員カード38には、後に詳述するが、カード固有ID72D(図4)が記録されており、このカード固有ID72Dに遊技者の持玉などの情報を紐付けて顧客/持玉管理サーバ14により管理されている。持玉とは、この会員カード38を所有する遊技者が遊技機4の遊技に追加の貸出料金を支払うことなく利用可能な遊技媒体の持ち数を示す。
【0024】
CRユニット6Aは、紙幣挿入口30から紙幣が挿入されると、紙幣の額面に応じた価値情報を記録したプリペイドコイン50を発行する。このプリペイドコイン50はパチンコ機4Aの返却ボタン26の操作に応じてコイン排出口36から排出される。また、このプリペイドコイン50がコイン投入口34に投入されると、CRユニット6Aは、遊技者に対してプリペイドコイン50の残価値を通知すべく、プリペイドコイン50から残価値を読み取りパチンコ機4Aの度数表示部27に残価値に応じた度数を表示する。
【0025】
図3は、CRユニット6Aの機能的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、CRユニット6Aは、主制御基板51と、紙幣識別部52と、プリペイドコイン保持部54と、媒体R/W部56と、会員カード保持部55と、会員カードR/W部57と、表示/操作部58と、電源部59とを備えている。主制御基板51は各部を中枢的に制御する制御回路(不図示)を備えている。紙幣識別部52は紙幣挿入口30に投入された紙幣の額面を判別し主制御基板51に出力する。プリペイドコイン保持部54はコイン投入口34に投入されたプリペイドコイン50を媒体R/W56に近接した位置で保持する。媒体R/W56は、主制御基板51の制御の下、プリペイドコイン50に残価値等の各種情報を記録し、或いは、情報を読み取る。会員カード保持部55は会員カード挿入口40に挿入された会員カード38を会員カードR/W57に近接した位置で保持する。会員カード媒体R/W57は、主制御基板51の制御の下、会員カード38に対して情報の読み書きを行う。
【0026】
表示/操作部58は、表示装置としての上記表示部32及び操作子としての上記操作キー42を備え、主制御基板51の制御の下、各種情報を表示部32に表示し、また、操作キー42に対する遊技者の操作を主制御基板51に入力する。電源部59は、遊技店2に設けられた外部電源から電力が供給され、各部に所定電圧の電力を供給する。
【0027】
また、CRユニット6Aは、貸出信号中継基板60と、遊技球払出部62と、払出球検出部64と、台別設定記憶部66とを備えている。貸出信号中継基板60は、パチンコ機4AのCRコネクタ基板に信号ケーブル(共に不図示)を介して接続される回路基板である。主制御基板51は、貸出信号中継基板60を介してパチンコ機4Aの間で各種信号を送受する。係る信号には、パチンコ機4AとCRユニット6Aとが互いに通信可能に接続されていることを確認するための接続確認信号や、パチンコ機4Aの球貸ボタン25の操作に応じて出力される遊技球貸出信号などがある。また、この貸出信号中継基板60からパチンコ機4AにはCRコネクタ基板の動作電力であるI/F用電力が供給されている。
【0028】
遊技球払出部62は、主制御基板51の制御の下、球貸ボタン25の操作に応じて遊技球をパチンコ機4Aの上皿24に払い出し、払出球検出部64は、遊技球払出部62が払い出す遊技球数を計数し主制御基板51に出力する。主制御基板51には、払い出し1回当たりの払出個数が設定されており、主制御基板51は、遊技球が所定の払出個数だけ払い出されるように、払出球検出部64の検出に基づいて遊技球払出部62を制御する。
台別設定記憶部66は、パチンコ機4Aに固有の設定を記憶する。例えば、この設定には、遊技店2においてパチンコ機4Aを一意に特定するための台番号や遊技媒体の種別、遊技球の貸出単価がある。
なお、CRユニット6Aは、遊技機4から貸玉の払い出しを行う場合、遊技球払出部62及び払出球検出部64を備える必要はない。また、本実施形態では、後述する持玉に基づく遊技球の貸し出しを上記遊技球払出部62により行うこととしているが、この貸し出しを遊技機4で行う構成としてもよい。この場合において、持玉に基づく遊技球の貸し出し個数は、遊技機4に設定されている、払い出し可能な最小個数単位(例えば3玉や5玉など)の倍数値になるように設定される。
【0029】
またCRユニット6Aは、図3に示すように、獲得球計数部68と、遊技機外部端子信号入力部69とを備えている。獲得球計数部68は、パチンコ機4Aで遊技者が遊技によって獲得した遊技球(以下、「獲得球」と言う)の計数値を、主制御基板51に出力する。具体的には、獲得球計数部68には、パチンコ機4Aごとに設けられた計数器(いわゆる各台計数器)に接続され、当該計数器の計数値が入力される。遊技機外部端子信号入力部69には、パチンコ機4Aに設けられた外部端子(不図示)が出力する信号が入力され、主制御基板51に出力する。遊技機外部端子信号入力部69に入力される信号には、パチンコ機4Aの打出遊技球数(入玉数)や払出賞球数(出玉数)、遊技状態(例えば、特別遊技状態か否かなど)、いわゆる大当たりの当落抽選結果、球詰まり等のエラー信号がある。
上記のようにCRユニット6Aごとに獲得球計数部68を設けることで、複数の貸出単価が混在する場合でも、貸出単価ごとに分けて獲得球を正確に計数可能となる。ただし、遊技球の計数器(いわゆる、ジェットカウンター)を貸出単価ごとに遊技店2に設け、貸出単価ごとに獲得球を計数できる場合には、CRユニット6Aが獲得球計数部68を備える必要はない。
【0030】
またCRユニット6Aは、図3に示すように、外部機器を接続するための外部機器通信用中継基板70を備えている。この外部機器通信用中継基板70は、図示せぬ通信線を介してネットワーク45に接続され、上記プリペイドシステム管理コンピュータ10、ホールコンピュータ12及び顧客/持玉管理サーバ14と主制御基板51が相互に通信可能に接続される。
【0031】
なお、本実施形態のCRユニット6Aは、会員カード38に紐付けて管理されている遊技者の持玉を用いて遊技を再プレイ可能にするための再プレイ制御部90を主制御基板51に備えているが、係る再プレイ制御部90の詳細については、後に詳述する。
また、パチスロ機4Bに対して設置されるCRユニット6Bの基本的な機能的構成は、上記CRユニット6Aと略同様である。
【0032】
ホールコンピュータ12には、遊技機外部端子信号入力部69から入力された信号、すなわち、遊技機4の入玉数(入枚数)や出玉数(出枚数)、遊技状態、大当たりの当落抽選結果、エラー信号などが遊技機4の台番号と対応付けて各CRユニット6A、6Bから送信される。ホールコンピュータ12は、かかる信号を受信することで、遊技機4ごとの差玉(差枚)や、大当たり状況、エラー状況を管理する。さらにホールコンピュータ12には、遊技機4の稼働状況を分析して経営に反映可能にすべく、上記CRユニット6A、6Bから受信する各種信号に基づいて遊技機4ごとに客層や稼働時間を管理するための台別管理データ72が格納されている。
【0033】
図4は、台別管理データ72のデータ内容を模式的に示す図である。
同図に示すように、台別管理データ72には、台番号72Aごとに、遊技機4の機種名72B、貸出料金レート(貸出単価)72C、再プレイ手数料72H、会員カード38のカード固有ID72D、会員種別72E、会員カード38の挿入時刻72F、会員カード38の返却(回収)時刻72Gが記録される。
貸出料金レート72Cは、遊技機4の遊技に使用する遊技媒体の貸出単価を示す。この貸出料金レート72Cには、パチンコ機4Aについては、遊技球1玉当たりの貸玉料金が記録され、パチスロ機4Bについては、遊技メダル1枚当たりの貸メダル料金が記録される。
再プレイ手数料72Hは、遊技者が持玉を利用して再プレイするときの料金αを示す。この再プレイ手数料72Hは、貸出料金レート72Cごと、遊技機4の機種、種別ごと、或いは、いわゆる遊技機島ごとに異なる料金α(α1、α2・・・)を設定することができる。勿論、再プレイ手数料72Hの料金αを「ゼロ」とすることもできる。
カード固有ID72Dは、会員カード38の製造時に一意に付されるIDである。なお、会員カード38のカード固有ID72Dは、遊技店2で会員に貸与(発行)された時点で、会員番号73Bと関連付けて、有効な会員カード38として管理される。会員種別72Eは、会員/非会員(ビジター)が記録されるとともに、会員にあっては、遊技店2がチェーン店である場合に、その店舗の会員を示す「店舗会員」及び姉妹店の会員を示す「姉妹店会員」が分けて記録される。これら会員種別72Eの情報は、カード固有ID72Dと紐付けて顧客/持玉管理サーバ14によって管理されている。
【0034】
会員カード38の挿入時刻72Fは、CRユニット6A、6Bに会員カード38が挿入された時刻を示し、会員カード38の返却(回収)時刻72Gは、CRユニット6A、6Bから会員カード38が排出された時刻を示す。これら挿入時刻72F及び返却時刻72Gと、上記会員種別72Eとに基づいて、各遊技者の遊技時間が把握できる。そして、遊技店2側は、台別管理データ72に基づいて、どういった貸出料金レート72Cの遊技機4が、どういった客層に、どの程度遊技されたかを把握し、経営分析に役立てることができる。
【0035】
プリペイドシステム管理コンピュータ10は、CRユニット6A、6Bが発行するプリペイドコイン50と残価値とを対応付けて管理する。具体的には、プリペイドコイン50には、プリペイドコインIDと、残価値とが内蔵のICに情報化して記録されており、これらの情報がプリペイドシステム管理コンピュータ10で管理されている。
顧客/持玉管理サーバ14は、会員カード38、及び、当該会員カード38を所有する遊技者の持玉を管理するものであり、この顧客/持玉管理サーバ14には、会員カード38及び持玉を管理するための会員カード管理データ73が格納されている。
【0036】
図5は、会員カード管理データ73のデータ内容を模式的に示す図である。
会員カード管理データ73では、上記カード固有ID72Dに遊技者の持玉や会員番号などの情報が紐付けられて管理されている。すなわち、会員カード管理データ73には、上記カード固有ID72D、遊技店2がチェーン店である場合に会員カード38を発行した店舗を示す店番号73A、遊技者の会員番号73B、上記チェーン店である場合に店舗を特定するチェーン店ID73C、遊技者が最後に会員カード38を使用した時刻を記録した最終取引時刻73D、貸出料金レート72C、及び、持玉73Fのそれぞれごとにフィールドが設けられている。
【0037】
また、貸出料金レート72Cのフィールドは、遊技店2がパチンコ機4A及びパチスロ機のそれぞれに設定した複数の貸玉料金レート74A及び貸メダル料金レート74Bごとに設けられている。
また持玉73Fのフィールドには、遊技者が遊技した当日に獲得した遊技球数及び遊技メダル数を管理する当日持玉数75Aのフィールドと、この当日獲得した遊技球及び遊技メダルを含めて遊技者が改めて遊技に利用可能なトータルの遊技球数(以下、「貯玉数」と言う)及び遊技メダル数(以下、「貯メダル数」と言う)の残高を記録する貯遊技媒体数75Bのフィールドが設けられている。これら当日持玉数75Aと貯遊技媒体数75Bのフィールドは、上記パチンコ機4A及びパチスロ機4Bといった遊技機4の種別、及び、それぞれの遊技機4の貸出料金レート72Cごとに設けられている。なお、貯遊技媒体数75Bにおいて、遊技当日の貯玉、貯メダルを区別するフィールドを更に設け当日前の貯玉、貯メダルと分けて管理してもよい。
【0038】
この持玉73Fに関する情報は、CRユニット6A、6Bから会員カード38が排出されるときに、獲得球計数部68での計数値を、当該会員カード38のカード固有ID72D、貸出料金レート72C、及び、遊技機4の種別とともに顧客/持玉管理サーバ14からネットワーク45を通じて取得することで更新される。
【0039】
なお、同図に示す「記録方法RO」は、対応するフィールドの情報が書き換えられることがない(Read Only)ことを示し、「記録方法RW」は、対応するフィールドの情報が適宜更新される(ReWritable)ことを示している。また、会員カード38の不正利用を防止すべく、当該会員カード38に情報を暗号化して記録した場合には、当該暗号化を解除するための暗号鍵もカード固有ID72Dに紐付けて管理される。さらに、会員カード38には、発行時などに、遊技者が設定した暗証番号が設定されており、この暗証番号がカード固有ID72Dと紐付けて顧客/持玉管理サーバ14に管理されている。
【0040】
この遊技システム1においては、顧客/持玉管理サーバ14に管理されている持玉73Fは、遊技者が会員カード38を所望のパチンコ機4A又はパチスロ機4BのCRユニット6A、6Bに挿入することで、持玉73Fの遊技機4の種別及び貸出単価にかかわらず当該CRユニット6A、6Bから引き出して遊技に利用可能になっている。
具体的には、CRユニット6A、6Bは、図3に示すように、会員カード38に紐付いた持玉73Fの全ての情報(全ての遊技機種別及び貸出料金レート72Cについての当日持玉数75A及び貯遊技媒体数75B)を顧客/持玉管理サーバ14から取得し、遊技者に提示する制御を実行する再プレイ制御部90を備えている。そして、CRユニット6A、6Bは、この再プレイ制御部90を備えることで、遊技者に持玉73Fを払い出す再プレイ装置としても機能する。
【0041】
図6は、再プレイ制御部90の機能的構成を示すブロック図である。
再プレイ制御部90は、図6に示すように、カード固有ID特定部91と、持玉取得部92と、貯遊技媒体数換算部93と、持玉表示制御部94と、指定入力部95と、引出要求部96とを備えている。
カード固有ID特定部91は、CRユニット6A、6Bに挿入された会員カード38のカード固有ID72Dを会員カードR/W部57から取得して特定する。持玉取得部92は、カード固有ID72Dに紐付けられた持玉73Fについて顧客/持玉管理サーバ14に問い合わせを行って取得する。
【0042】
貯遊技媒体数換算部93は、持玉73Fのうち、貸出料金レート72Cごとに記録された貯遊技媒体数を、このCRユニット6A、6Bが設けられた遊技機4に遊技店2が設定した貸出料金レート72Cに基づいて、当該遊技機4で利用できる貯遊技媒体数に換算する。例えば4円/玉の貸玉料金レートに対する1000玉の貯玉数を、2円/玉の貸玉料金レートの貯玉数に換算する場合、1000玉×(4円/2円)−α=(2000−α)玉の貯玉数に換算される。この「α」は、図4に示した再プレイ手数料72Hに相当する。
【0043】
遊技機4に設定されている貸出料金レート72Cは、CRユニット6A、6Bの台別設定記憶部66に格納されている。持玉表示制御部94は、貯遊技媒体数の換算値を貸出料金レート72Cごとに表示部32に表示する。指定入力部95は、遊技者が操作キー42の操作で指定再プレイに使用する貯遊技媒体の貸出料金レート72Cを取得する。引出要求部96は、遊技者が指定した貸出料金レート72Cの貯遊技媒体数から再プレイ払出1回分の減算を顧客/持玉管理サーバ14に指示し、当該CRユニット6A、6Bの遊技球払出部62に対しては再プレイ払出1回分の遊技媒体の払出を要求する。これにより、所定個数の遊技媒体がCRユニット6A、6Bから払い出され、これを用いて遊技者が再プレイすることができる。
【0044】
図7は、再プレイ時にCRユニット6A、6Bの再プレイ制御部90によって実行される処理のフローチャートである。
再プレイ制御部90は、例えば電源投入時などの初期化処理時に、遊技機4に設定されている貸出料金レート72Cを台別設定記憶部66から取得し(ステップS1)、会員カード38が挿入されるまで待機する(ステップS2)。なお、台別設定記憶部66に貸出料金に代えて遊技機4の台番号を格納し、当該CRユニット6A、6Bが遊技機4に設定されている貸出料金レート72Cを台番号に基づいてホールコンピュータ12から取得してもよい。
【0045】
会員カード38が挿入されると、再プレイ制御部90は、カード固有ID72Dを取得し(ステップS3)、遊技者が予め設定した暗号番号の入力を受け付ける(ステップS4)。再プレイ制御部90は、カード固有ID72Dに紐付いた暗証番号を顧客/持玉管理サーバ14に問い合わせし、遊技者が入力した暗証番号を照合することで認証を行う(ステップS5)。この認証が正常に終了しなかった場合(ステップS6:N)、再プレイ制御部90は、この認証エラー(暗証番号の入力間違い)の連続発生回数が規定回数以下のときは(ステップS7:Y)、ステップS4に処理手順を戻して、再度、暗証番号の入力を受け付け、また、連続発生回数が規定回数を超えたときには(ステップS7:N)、不正な会員カード38を防止する目的から会員カード38を強制的に排出し(ステップS8)、その後、会員カード38の挿入待ち状態に移行する(ステップS2)。
【0046】
一方、認証が正常に終了した場合(ステップS6:Y)、再プレイ制御部90は、カード固有ID72Dに紐付いた持玉73F(当日持玉数75A及び貯遊技媒体数75B)を全ての貸出料金レート72C及び遊技媒体種別について取得する(ステップS9)。次いで、再プレイ制御部90は、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとに貯遊技媒体数を、遊技機4に設定されている貸出料金レート72Cで換算し、その換算値を表示部32に表示し、これらを遊技者が把握可能にする(ステップS10)。この換算に際しては、再プレイに手数料が設定されている場合には、当該手数料分を含めて換算し表示することになる。その後、再プレイ制御部90は、遊技者の操作、特に、貯遊技媒体を引き出す貸出料金レート72Cの指定操作を待ち受ける(ステップS11)。
【0047】
図8は、CRユニット6A、6Bの表示部32の表示例を示す図である。
CRユニット6A、6Bの表示部32には、通常時には、通常表示画面101が表示されている。図8(A)に示すように、この通常表示画面101には、貸玉料金レート表示欄100A、プリペイドコイン50の残価値及び持玉73Fを表示する貸出可能価値表示欄100B、再プレイボタン100C、指定払出ボタン100D、会員詳細ボタン100E、及び、計数ボタン100Fがそれぞれ表示されている。プリペイドコイン50の残価値としては残金額が表示され、また、持玉73Fとしては当日持玉数75Aと貯遊技媒体数75Bとが各々表示される。これら当日持玉数75A及び貯遊技媒体数75Bには、遊技者の誤認を避けるために、当該CRユニット6に設定されている貸出料金レート72C及び遊技媒体種別のものが表示される。
【0048】
再プレイボタン100Cは、貯玉・貯メダルの引き出し操作のためのボタンであり、指定払出ボタン100Dはプリペイドコイン50の残価値を用いた遊技媒体の貸し出し操作のためのボタンである。また、会員詳細ボタン100Eは、当該会員が操作時点で再プレイ引き出し可能な上限玉数や、当該会員に付与されている来店ポイント等の付加情報の表示操作のためのボタンであり、計数ボタン100Fは、獲得球計数部68の計数値を表示させるためのボタンである。これら再プレイボタン100C、指定払出ボタン100D、会員詳細ボタン100E、及び、計数ボタン100Fは、上記操作キー42を用いて操作する構成であっても、表示部32にタッチパネルを設けて画面タッチ式で操作する構成であってもよい。
【0049】
上述の通り、持玉73Fは、遊技者が当日獲得した当日持玉数75Aと貯遊技媒体数75Bとに分けて管理されている。そして、遊技者が当日持玉数75Aを引き出して遊技を行う場合には、操作キー42に対し所定の操作をする。この操作が行われると、図8(B)に示すように、通常表示画面101において、貸出可能価値表示欄100Bに表示される持玉73Fの情報が当日持玉数75Aに変更される。この表示状態において、操作キー42に対して所定の操作をすると、当日持玉払出口座選択画面102が表示部32に表示される。なお、ここで言う「口座」とは、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとに分けて持玉73F(当日持玉数75A及び貯遊技媒体数75B)を記録したものを指し、本実施形態では図5に示した会員カード管理データ73のフィールドが該当する。
【0050】
この当日持玉払出口座選択画面102には、当日持玉数表示欄100Gが設けられ、この当日持玉数表示欄100Gに、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとに当日持玉数75Aが表示される。この表示では、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとの当日持玉数75Aが、当日持玉数75Aを遊技機4の貸出料金レート72Cに換算した換算値と一緒に表示される。また、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとの当日持玉数75Aが1画面に表示し切れない場合には、当日持玉払出口座選択画面102には、次へボタン100H及び戻るボタン100Iが表示され、これらを操作することで、表示仕切れなかった他の貸出料金レート72C及び遊技媒体種別の当日持玉数75Aを表示可能になっている。そして、遊技者が操作キー42を操作して、いずれかの貸出料金レート72C及び遊技媒体種別の当日持玉数75Aを指定することで、その当日持玉数75Aから遊技媒体が引き出され遊技できるようになっている。
【0051】
図9は、CRユニット6の表示部32における再プレイ時の表示例を示す図である。
遊技者が通常表示画面101で再プレイボタン100Cを操作すると、図9(A)に示すように、再プレイ払出口座選択画面103が表示部32に表示される。この再プレイ払出口座選択画面103には、貯遊技媒体数表示欄100Jが設けられており、この貯遊技媒体数表示欄100Jに、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとに貯遊技媒体数75Bが表示される。この表示では、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとの貯遊技媒体数75Bが、貯遊技媒体数75Bを再プレイ対象の遊技機4の貸出料金レート72Cに換算した換算値と一緒に表示される。これにより、遊技者は、再プレイする遊技機4で利用可能な貯遊技媒体数を貸出料金レート72Cごとに把握し、引き出す貸出料金レート72Cを指定することができる。
【0052】
さて、前掲図7に戻り、再プレイ制御部90は、表示部32に通常表示画面101を表示して操作を待ち受けているときに、遊技者による操作キー42の操作が入力された場合、その操作に対応した処理を実行する。すなわち、再プレイ制御部90は、その操作が再プレイに使用する貯遊技媒体の貸出料金レート72Cを指定する操作(「指定レート貯玉引出し操作」)でなく(ステップS12:N)、かつ、カード排出操作でもない場合(ステップS13:N)、その操作に対応する処理をCRユニット6A、6Bに要求して実行させた後(ステップS14)、処理手順をステップS11に戻し、再び操作を待ち受ける。また、遊技者の操作がカード排出操作であれば(ステップS13:Y)、処理手順をステップS8に戻し、会員カード38を排出し(ステップS8)、会員カード38の挿入を待ち受ける(ステップS2)。
【0053】
一方、遊技者の操作が上記指定レート貯玉引出し操作である場合(ステップS12:Y)、再プレイ制御部90は、遊技者が指定した貸出料金レート72Cの貯遊技媒体数から遊技媒体を引き出すための要求を顧客/持玉管理サーバ14にする(ステップS15)。顧客/持玉管理サーバ14は、かかる要求を受け付けると、遊技者が再プレイする遊技機4の貸出料金レート72C及び1回当たりの払い出し個数と、遊技者が引き出しに指定した貸出料金レート72Cとに基づいて、当該貸出料金レート72Cの貯遊技媒体数から減算すべき貯遊技媒体数を算出する。そして、顧客/持玉管理サーバ14は、この算出値で貯遊技媒体数を減じて貯遊技媒体数の更新を行った後、CRユニット6A、6Bに対し更新OK応答を送信する。また、顧客/持玉管理サーバ14は、遊技者が指定した貸出料金レート72Cの貯遊技媒体数を引き出した場合、遊技者が貸出料金レート72Cを指定した操作に関する履歴データ(図2)を記録する。この履歴データには、遊技者(会員番号やカード固有ID72D)ごとに、持玉73Fの引き出し操作をした日時、引き出し対象に指定した貸出料金レート72Cなどが記録される。履歴データを記録することで、遊技者が持玉73Fを引き出した経緯を失念した場合などに参照して役立てることができる。なお、CRユニット6A、6Bが係る履歴データを記録してもよい。
【0054】
再プレイ制御部90は、上記ステップS15において、貯遊技媒体の引き出し要求の後、一定期間、顧客/持玉管理サーバ14から更新OK応答を待ち受ける。そして、この一定期間内に更新OK応答が受信されなかった場合(ステップS16:N)、再プレイ制御部90は、エラーが生じた旨を表示部32に表示した後、エラー解除を待ち受ける(ステップS18)。再プレイ制御部90がエラー解除を待ち受けている間に、係員などによりエラー原因を特定、除去する作業(例えば通信障害など)が行われ(ステップS18A)、エラー解除操作が行われる(ステップS18B)。このエラー解除操作が行われると、再プレイ制御部90は、ステップS8に処理手順を戻し、会員カード38を排出し(ステップS8)、会員カード38の挿入待ち状態に移行する(ステップS2)。
【0055】
一方、一定期間内に更新OK応答が受信された場合(ステップS16:Y)、再プレイ制御部90は、遊技球払出部62に対して1回分の遊技媒体の払い出しを要求し遊技媒体を払い出させる(ステップS19)。遊技媒体の払い出し処理の間、再プレイ制御部90は、図9(B)に示すように、貯遊技媒体の払い出し動作中である旨を示す貯玉払出通知画面104を表示部32に表示して遊技者が認識可能としている。また、この貯玉払出通知画面104には、貯遊技媒体引出数表示欄100Kが設けられ、この貯遊技媒体引出数表示欄100Kには、遊技者が指定した貸出料金レート72Cの貯遊技媒体数から実際に引き出される(減算される)貯遊技媒体数が表示される。これにより遊技者は、どのくらい貯遊技媒体を使ったかを明確に把握できる。
【0056】
貯遊技媒体の払い出しが完了すると、再プレイ制御部90は、貯遊技媒体引き出し後の貯遊技媒体数を顧客/持玉管理サーバ14から取得し、この値で貯遊技媒体数表示欄100Jの貯遊技媒体数75Bを更新した再プレイ払出口座選択画面103を表示する(ステップS20)。この表示により遊技者は引き出し後の貯遊技媒体数を知ることができるとともに、再プレイ払出口座選択画面103が表示されることから、そのまま貯遊技媒体の引き出し操作ができる。
なお、貯遊技媒体数不足などにより、遊技者が選択した貸出料金レート72C及び遊技媒体種別から貯遊技媒体を引き出せなかった場合には、図9(C)に示すように、その旨を示す表示を表示部32に表示してもよい。また、貯遊技媒体数不足時には、その貸出料金レート72Cを指定するボタンを表示しないようにしてもよいし、当該ボタンをグレーアウトするなどして他と区別して表示し操作できないように(操作を受け付けないように)してもよい。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、貸出料金レート(貸出単価)72Cごとに貯遊技媒体数75Bを表示して遊技者に示し、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出料金レート72Cを指定可能にしたCRユニット6A、6Bを備える構成とした。
この構成により、遊技者は、貸出料金レート72Cごとの貯遊技媒体数の状況をその場で把握できるとともに所望の貸出料金レート72Cの貯遊技媒体を指定して再プレイすることができる。これにより、意図せぬ貸出料金レート72Cの貯遊技媒体を使ってしまうことがない。
【0058】
また、本実施形態では、CRユニット6A、6Bは、遊技者が再プレイする遊技機4の貸出料金レート72Cに基づいて、遊技者が所用する貸出料金レート72Cごとの貯遊技媒体数75Bを当該遊技機4で利用可能な貯遊技媒体数に換算して表示する構成とした。
この構成によれば、遊技者は、どの貸出料金レート72Cごとに、どの程度再プレイ遊技を楽しめるかを誤認することなく明確に把握することができる。
【0059】
また、本実施形態では、CRユニット6A、6Bは、遊技者が再プレイする遊技機4で使用される遊技媒体の種別(例えば遊技球)についての貯遊技媒体数と、他の遊技媒体の種別(例えば遊技メダル)についての貯遊技媒体数とのそれぞれを表示して遊技者に示し指定可能にした。
この構成によれば、遊技者は、貯玉をパチスロ機4Bで使い、また、貯メダルをパチンコ機4Aで使うといったように、貯遊技媒体の遊技媒体種別を気にすることなく貯遊技媒体をパチンコ機4A及びパチスロ機4Bの両方で使うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、CRユニット6A、6Bは、再プレイに使う遊技媒体が払い出された場合、当該払い出し後の貯遊技媒体数75Bを表示して遊技者に示す構成とした。
この構成によれば、遊技者は、再プレイに使った貸出料金レート72Cの貯遊技媒体数75B(すなわち、残高)を確認することができる。
【0061】
また、本実施形態では、遊技機4で使用する遊技媒体を遊技者に貸し出す遊技媒体貸出装置としての構成を備えたCRユニット6A、6Bが、貸出料金レート72Cごとに貯遊技媒体数75Bを遊技者に示す表示部32と、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出料金レート72Cを指定する操作キー42とを備える構成とした。
この構成により、遊技者が遊技媒体の貸し出しを受けるときに、自身の貯遊技媒体数75Bの状況を確認し、当該貯遊技媒体を使って再プレイするか、プリペイドコイン50を使って遊技媒体の貸し出しを受けるかを選択することができる。
【0062】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変形及び応用が可能である。
【0063】
例えば、上述した実施形態において、再プレイ制御部90は、再プレイ時に、貸出料金レート72Cごとの貯遊技媒体数75Bを、遊技媒体の数を単位として換算して表示部32に表示する構成とした。これに限らず、各貯遊技媒体数をプリペイドコイン50の残価値表示と同じ単位(例えば100円分を1度数とした度数表示)に換算して表示してもよい。
【0064】
また例えば、上述した実施形態では、CRユニット6A、6Bに再プレイ装置の構成を持たせたが、これに限らず、再プレイ装置を単体として構成してもよい。
【0065】
また上述した実施形態では、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとに分けて管理した持玉73Fのそれぞれを全て再プレイに利用できるものとして説明したが、これに限らない。すなわち、貸出料金レート72C及び遊技媒体種別ごとの持玉73Fのそれぞれに、再プレイ利用を不可とする条件を予め対応付けて管理してもよい。係る管理は、顧客/持玉管理サーバ14、及び、CRユニット6A、6B(再プレイ装置)のいずれもで行ってもよい。再プレイ利用を不可とする条件としては、例えば特定の遊技媒体種別の間、特定の貸出料金レート72Cの間、遊技機4の貸出料金レート72Cと特定の貸出料金レート72Cの持玉73Fとの組み合わせ、或いは、特定の遊技機4といった各種の条件を設定可能である。
【0066】
上述した実施形態では、遊技者の貯遊技媒体数75Bを含む持玉73Fの管理について、遊技者の持玉73Fを当該遊技者に発行した会員カード38のカード固有ID72Dに紐付けて管理したが、これに限らない。すなわち、遊技者の持玉73Fを紐付ける情報としては、当該遊技者を一意に特定し得る(区別できる)情報であれば任意の情報を用いることができる。例えば、遊技者の生体情報(指紋や瞳の中の虹彩、静脈など)や、遊技者が携帯する機器(以下、「携帯機器」と言う)に記録された情報や携帯機器の付属品に記録された情報を用いることができる。携帯機器としては、例えば携帯電話機や電子決済機能付カード等のカード型ICカード、携帯型PCやPDAといった機器があり得る。また、携帯機器の付属品としては、非接触ICが内蔵されたストラップやキーホルダーなどがあり得る。
また、持玉73Fを紐付ける情報として携帯電話機の情報を用いる場合には、かかる情報として携帯電話番号や携帯電話用の電子メールアドレスを好適に用いることができる。携帯電話用の電子メールアドレスに持玉73Fを紐付ける場合、遊技者の持玉73Fの情報を当該電子メールアドレス宛に送信し携帯電話機で持玉73Fを確認できるようにしてもよい。さらに、携帯電話機から持玉73Fを用いた再プレイの要求を受け付けて可能にしてもよい。また、携帯機器が非接触IC(例えば電子決済機能付ICカードに内蔵されるものと同様なIC)と表示部とを備える場合には、持玉73Fの情報を携帯機器に送信し当該携帯機器の表示部に表示させ、また、当該携帯機器から持玉73Fを用いた再プレイの要求を受け付けて可能にしてもよい。
【0067】
上述した実施形態では、顧客/持玉管理サーバ14が遊技者が所有する会員カード38の情報、及び、遊技者ごとの持玉73Fの両方を管理する構成としたが、これに限らない。すなわち、会員カード38の管理と、遊技者ごとの持玉73Fの管理とを別々のサーバで行ってもよい。このように別々のサーバとすることで、例えば、会員カード38をサーバにあっては、会員やビジター(当日限りの会員)に発行した会員カード38を、当該会員カード38のカード固有ID72Dを主キーとし、この主キーに遊技者の持玉73Fなどの他の情報を紐付けて管理できる。これにより、遊技者の会員登録の有無にかかわらず、会員カード38を通じて、遊技者の持玉73Fを管理することができる。さらに、カード固有ID72Dを主キーとして管理するため、カード固有ID72D(或いは互換性のID)をプリペイド媒体(実施形態ではプリペイドコイン50)に付与することで、当該プリペイド媒体と会員カード38の両方を区別せずに管理することができる。
また、遊技者の持玉73Fを管理するサーバにあっては、会員登録した遊技者の会員番号を主キーとし、この主キーに貯遊技媒体数75Bや各種会員情報を紐付けて管理することができる。すなわち、貯玉・貯メダルサービスを利用可能な、会員登録している遊技者を効率良く管理できる。
【0068】
また上述した実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ機4A及びパチスロ機4Bを例示したが、これに限らず、アレンジボール遊技機やじやん球遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 遊技システム
2 遊技店
4 遊技機
4A パチンコ機
4B パチスロ機
6A、6B CRユニット
12 ホールコンピュータ
14 顧客/持玉管理サーバ
32 表示部
38 会員カード
42 操作キー
50 プリペイドコイン
51 主制御基板
58 表示/操作部
62 遊技球払出部
66 台別設定記憶部
72 台別管理データ
72C 貸出料金レート
73 会員カード管理データ
73F 持玉
75A 当日持玉数
75B 貯遊技媒体数
90 再プレイ制御部
92 持玉取得部
93 貯遊技媒体数換算部
94 持玉表示制御部
95 指定入力部
96 引出要求部
100A 貸玉料金レート表示欄
100B 貸出可能価値表示欄
100C 再プレイボタン
100D 指定払出ボタン
100G 当日持玉数表示欄
100J 貯遊技媒体数表示欄
100K 貯遊技媒体引出数表示欄
102 当日持玉払出口座選択画面
103 再プレイ払出口座選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機で使用する遊技媒体について設定された複数の貸出単価ごとに遊技者の貯遊技媒体数を管理し、いずれかの貸出単価の貯遊技媒体を使って遊技媒体を払出し再プレイ可能にした遊技システムにおいて、
前記貸出単価ごとに前記貯遊技媒体数を遊技者に示し、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出単価を指定可能にした再プレイ装置を備えることを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記再プレイ装置は、前記遊技者が再プレイする遊技機の貸出単価に基づいて、前記貸出単価ごとの貯遊技媒体数を当該遊技機で利用可能な貯遊技媒体数に換算して示すことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記貯遊技媒体数が前記遊技媒体の種別及び貸出単価に分けて管理され、
前記再プレイ装置は、遊技者が再プレイする遊技機で使用される遊技媒体の種別についての貯遊技媒体数と、他の遊技媒体の種別についての貯遊技媒体数とのそれぞれを遊技者に示し指定可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記再プレイ装置は、前記再プレイに使う遊技媒体が払い出された場合、当該払い出し後の貯遊技媒体数を遊技者に示すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技システム。
【請求項5】
遊技機で使用する遊技媒体について設定された複数の貸出単価ごとに遊技者の貯遊技媒体数を管理し、いずれかの貸出単価の貯遊技媒体を使って遊技媒体を払出し再プレイ可能にした遊技システムを備えた遊技店に設けられ、前記遊技機で使用する遊技媒体を遊技者に貸し出す遊技媒体貸出装置において、
前記貸出単価ごとに前記貯遊技媒体数を遊技者に示す表示手段と、当該遊技者が再プレイに使う貯遊技媒体の貸出単価を指定する指定手段とを備えることを特徴とする遊技媒体貸出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−83493(P2011−83493A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239770(P2009−239770)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】