説明

遊技メダルの一括投入装置

【課題】遊技メダルの一括投入装置における遊技メダルの詰まりの発生を抑えることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供する。
【解決手段】遊技メダルを受け入れ可能な漏斗状の傾斜壁(310)が設けられた受け入れ投入部(48)と、受け入れ投入部(48)から投入された遊技メダルを受けて一時的に貯留するメダル貯め部(44)と、メダル貯め部(44)に貯留した遊技メダルをメダル貯め部(44)の外方へ移送するベルト(53)を有する移送部(200)とを備えた遊技メダルの一括投入装置(40)であって、受け入れ投入部(48)の傾斜壁(310)の一部を少なくとも振動可能な振動発生装置(300)を備え、振動発生装置(300)は、移送部(200)のベルト(53)を回転させるための駆動モータ(55)の回転駆動力から振動源を得ていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技メダルを纏めて一括して投入可能な遊技メダルの一括投入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スロットマシンなどの遊技メダルを遊技媒体とする遊技機において、効率の良い遊技を行いたいという要請、あるいは、なるべく遊技メダルに手を触れないで遊技を行いたいという要請に基づき、遊技メダルを直接、遊技機に供給可能な遊技機用台間機(メダル貸出機)が考案されている(特許文献1参照)。これには、遊技メダルを案内するメダル通路を有するノズルが形成されている。
また、遊技メダルを一括投入可能な投入口、及び一括投入された遊技メダルを一枚ずつ分離してメダルセレクターに搬送可能な遊技メダルの一括投入装置を有する遊技機(スロットマシン)も考案されている(特許文献2参照)。このメダル投入装置は、一対のローラーに掛け渡したベルトに複数の遊技メダルを纏めて一括して一括投入口から落下させ、ベルト上面に乗っている遊技メダルを逆転ローラーで1枚ずつに分離して送り出すものである。
【0003】
また、特許文献2に記載した遊技メダルの一括投入装置を、特許文献1に示すようなメダル貸出機に設けて、このメダル貸出機から遊技機へ通路を介して投入するように形成することもできる。すなわち、遊技メダルの一括投入装置は、スロットマシン等の遊技機や、かかる遊技機に遊技メダルを貸し出すメダル貸出機のいずれにも装着されるものである。
【特許文献1】特開2003−299868号公報(図1)
【特許文献2】特開2004−121809号公報(図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術に係る一括投入機構を備えたスロットマシンやメダル貸出機では、図17に示すように、複数の遊技メダルを一括して受け入れることができる一括投入装置の漏斗状の受け入れ投入部において、複数の遊技メダルが内部で複雑に組み合わさってブリッジを形成し、詰まってしまう場合があるといった問題点があった。
そこで、請求項に記載された発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1) すなわち、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技メダルの一括投入装置における遊技メダルの詰まりの発生を抑えることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供しようとするものである。
【0005】
更に、請求項1記載の発明は、振動発生装置が、傾斜壁の一部を振動させることにより、傾斜壁でのブリッジの発生を抑え、また、発生したブリッジも解消させることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供しようとするものである。
(請求項2) 請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項2記載の発明は、駆動モータの駆動を駆動源として、伝達部を介して、受け入れ投入部を振動させることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供しようとするものである。
(請求項3) 請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項3記載の発明は、傾斜壁を壁回転軸を中心として揺動させて、振動の動作をさせることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載された発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点) 請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。すなわち、遊技メダルを受け入れ可能な漏斗状の傾斜壁(310)が設けられた受け入れ投入部(48)と、前記受け入れ投入部(48)から投入された遊技メダルを受けて一時的に貯留するメダル貯め部(44)と、前記メダル貯め部(44)に貯留した遊技メダルを前記メダル貯め部(44)の外方へ移送するベルト(53)を有する移送部(200)とを備えた遊技メダルの一括投入装置(40)であって、前記受け入れ投入部(48)の傾斜壁(310)の一部を少なくとも振動可能な振動発生装置(300)を備え、前記振動発生装置(300)は、前記移送部(200)の前記ベルト(53)を回転させるための駆動モータ(55)の回転駆動力から振動源を得ていることを特徴とする。
【0007】
(作用) 本発明に係る遊技メダルの一括投入装置(40)は、受け入れ投入部(48)の傾斜壁(310)の一部を少なくとも振動可能な振動発生装置(300)を備えている。これにより、受け入れ投入部(48)へ複数の遊技メダルを纏めて一度に投入しても、受け入れ投入部(48)内部の傾斜壁(310)で、複数の遊技メダルが複雑に重なって詰まるようなことを回避することができる。また、仮に一時的に詰まったとしても、かかる傾斜壁(310)の振動により、詰まりの発生を直ぐに解消させることができる。
すなわち、受け入れ投入部(48)の内部の傾斜壁(310)で複数の遊技メダルが、複雑に重なりあって、いわゆるブリッジを形成するような状況であっても、受け入れ投入部(48)の傾斜壁(310)の振動により、遊技メダルが振動して、かかるブリッジの発生を抑制するとともに、仮に一時的にブリッジが発生しても、直ぐにブリッジを破壊することができる。結果として、受け入れ投入部(48)内部での遊技メダルの詰まりの発生を抑えることができて、遊技メダルの一括投入装置(40)のメダル詰まりによる不具合の発生を防止することができる。
【0008】
また、振動発生装置(300)は、振動を発生させるための駆動源を、移送部(200)のベルト(53)を回転させるための駆動モータ(55)の回転駆動力から得ている。このため、振動発生装置(300)において、振動を発生させるための駆動源として、別個に、振動発生装置(300)専用の駆動モータを設ける必要がない。これにより、部品の共通化を図ることができて、部品点数を減らし、製造コストの低減化を図ることができる。
そして、振動発生装置(300)の駆動源を、移送部(200)のベルト(53)を回転させるための駆動モータ(55)の回転駆動力としていることにより、かかる駆動モータ(55)のベルト(53)による移送と、振動発生装置(300)の振動との稼働開始タイミング及び稼働終了タイミングを、特別な制御システムを使用することなく、連動させることができる。一般的に、受け入れ投入部(48)へ遊技メダルが投入された場合には、移送部(200)のベルト(53)の駆動も必要とするものである。このため、移送部(200)の駆動開始タイミングや駆動終了タイミングと、振動発生装置(300)の振動発生タイミングや振動終了タイミングとを別個独立に、センサー等を有する制御システム等を特別に設けることなく、両者を連動させることができる。これにより、かかる制御を簡単なものにして、一括投入装置(40)の制御を簡単なものにすることができる。
【0009】
(請求項2)
(特徴点) 請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記振動発生装置(300)は、前記駆動モータ(55)の駆動に連動して、周期的な可動をするように形成され、前記振動発生装置(300)が可動することによって、かかる前記振動発生装置(300)の可動を、前記受け入れ投入部(48)に振動エネルギーとして伝達するための伝達部(600)を備えたことを特徴とする。
なお、ここで、伝達部(600)は、具体的には、図14に示す振動回転体(320)や、図15に示すリンク円板(500)及びリンク棒材(510)や、図16に示す伝達部材(420)等を含む。
【0010】
(作用) 本発明は、駆動モータ(55)の駆動に連動して、振動発生装置(300)が、周期的な可動をする。そして、この振動発生装置(300)の可動を、伝達部(600)が、受け入れ投入部(48)に振動エネルギーとして伝達する。結果として、駆動モータ(55)の駆動を駆動源として、伝達部(600)を介して、受け入れ投入部(48)を振動させることができる。
(請求項3)
(特徴点) 請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記傾斜壁(310)は、基端側を回動可能な壁回転軸(312)で軸支されることにより、予め定められた範囲内で揺動可能に形成され、前記振動発生装置(300)に基づく周期的な可動を、前記伝達部(600)を介して前記傾斜壁(310)に伝達することにより、前記傾斜壁(310)を揺動させて、前記傾斜壁(310)に振動の動作をさせることを特徴とする。
【0011】
(作用) 本発明は、傾斜壁(310)は、その基端側を回動可能な壁回転軸(312)で軸支されている。そして、振動発生装置(300)に基づく周期的な可動を、伝達部(600)を介して、傾斜壁(310)に伝達することにより、傾斜壁(310)を、基端側の壁回転軸(312)を回転の中心として、揺動させる。結果として、傾斜壁(310)に振動の動作をさせることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1) 請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。すなわち、請求項1記載の発明によれば、遊技メダルの一括投入装置における遊技メダルの詰まりの発生を抑えることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供することができる。
更に、請求項1記載の発明によれば、振動発生装置が、傾斜壁の一部を振動させることにより、傾斜壁でのブリッジの発生を抑え、また、発生したブリッジも解消させることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供することができる。
(請求項2) 請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項2記載の発明によれば、駆動モータの駆動を駆動源として、伝達部を介して、受け入れ投入部を振動させることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供することができる。
【0013】
(請求項3) 請求項3記載の発明によれば、上記した請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項3記載の発明によれば、傾斜壁を壁回転軸を中心として揺動させて、振動の動作をさせることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の形態を、メダル貸出機を例に、図面に基づき説明する。
(第1の形態)
(図面の説明)
図1乃至図14は、本発明の第1の形態を示すものである。
図1はメダル移送機構の縦断面図、図2はスロットマシン及びメダル貸出機の外観斜視図、図3はメダル移送機構及びメダル投入口の拡大斜視図、図4は一括投入装置の外観斜視図、図5は一括投入装置の縦断面斜視図、図6は一括投入装置のカバー部材を開いた状態の部分外観斜視図、図7は一括投入装置のカバー部材を開いた状態の部分縦断面図、図8は一括投入装置のメダル取り出し皿を閉じた状態の縦断面図、図9は一括投入装置の詰まり解除ボタンの作動説明図、図10は一括投入装置の開閉板を開いた状態の部分縦断面図、図11は一括投入装置の作動状態の作動説明図、図12は通路部の外観正面図、図13は一括投入開口31の外観斜視図、図14は振動発生装置の縦断面図をそれぞれ示す。
【0015】
本形態におけるメダル貸出機2は、スロットマシン1に隣接して設置され、一台のスロットマシンに一機ずつ対応するように設けられている。
なお、ここで、「前面」や「前方向」や「手前方向」とは、交換作業者(或いは遊技者)が、遊技機Sの正面側の前に遊技機Sの方に顔を向けて座って、或いは、立っているような場合のかかる交換作業者(或いは遊技者)から見た場合の奥から手前への方向を意味する。したがって、前方向や手前方向とは、遊技機Sの奥から正面へ向かう方向を意味する。
また、「背面」や「後方向」や「奥方向」とは、交換作業者(或いは遊技者)が、遊技機Sの正面側に遊技機Sの方を向いて位置しているような場合のかかる交換作業者(或いは遊技者)から見たときの手前から奥への方向を意味する。したがって、後方向とは、遊技機Sの正面から奥(後ろ)へ向かう方向を意味する。また、本明細書における「左方向」や「右方向」等の左右方向も、かかる遊技機Sの前面の方を向いて位置している者から見た場合の右方向や、左方向を意味する。
【0016】
(スロットマシン1)
前記スロットマシン1は、図2に示すように、前面が開口する四角箱状の筐体及びその筐体の正面側に取り付けられた前扉13を有し、正面側には回転リール(図示せず)の図柄を視認可能な図柄表示窓14が形成されている。また、この図柄表示窓14の下方でありスロットマシン1の略中央部は、スタートスイッチやストップスイッチなどの操作手段が設けられる操作部16となっている。そしてこの操作部16の正面右端部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。なお、特に図示しないが、メダル投入口10の下方には、遊技メダルの真贋を判断すると共に投入メダルをカウントするためのメダルセレクターが設けられている。また、スロットマシン1の下部には、払い出しメダルを貯留可能な下皿15が設けられている。
【0017】
ここで、メダル投入口10は、図3に示すように、上方から遊技メダルを1枚ずつ投入可能な上部投入開口11と、上部投入開口11の側方に凹溝状に連通する側方移送通路12とを有している。この側方移送通路12は、上部投入開口11から正面右側(メダル貸出機2側)に延設された樋状の通路であって、後述する投入口導入路60から送られてくる遊技メダルを受け入れ、上部投入開口11に移送するためのものである。
そして、メダル投入口10から遊技メダルを投入し、スタートスイッチの操作により回転リールを回転させ、ストップスイッチの操作により回転リールを停止させ、このとき、複数の回転リールに表示された図柄が所定の位置態様に停止すると入賞となり、所定枚数の遊技メダルが払い出されるように形成されているものである。
【0018】
(メダル貸出機2)
前記メダル貸出機2は、スロットマシン1の側面側に隣接して設置される箱型の装置であって、金銭と引き替えに遊技メダルを貸し出すと共に、貸し出しメダル及び遊技者が投入する遊技メダルをスロットマシン1のメダル投入口10に投入するためのものである。すなわち、メダル貸出機2は、図2に示すように、外箱20と、投入される紙幣を検知及び貯留する紙幣カウンター22と、投入された紙幣に応じて遊技メダルを貸し出すメダル貸し出し部25、具体的には、貸し出しメダル払い出し装置23と、外箱20の正面側に位置して、遊技メダルをスロットマシン1へ移送するメダル移送機構3と、このメダル移送機構3の後述する移送部200のベルト53の回転駆動等を制御する駆動制御手段280とを備えている。
【0019】
前記紙幣カウンター22は、外箱20の正面下方に設けられた紙幣投入口21から投入された紙幣を読み取って、貸し出しメダル払い出し装置23に所定枚数の遊技メダルを払い出させるためのものである。
前記紙幣カウンター22には、図2に示すように、紙幣投入口21に投入された紙幣を検知して、紙幣検知信号を出力する紙幣センサー24を備えている。そして、前記メダル貸し出し部25、具体的には、貸し出しメダル払い出し装置23は、紙幣センサー24からの紙幣検知信号の入力を契機として、遊技メダルを遊技者に貸し出すためのものである。
なお、メダル貸出機2としては、紙幣投入口21及び紙幣カウンター22の他に、硬貨投入口や硬貨カウンター、釣り銭払い出し口などを有していてもよい。また、プリペイドカード投入口とカードリーダーとを有していてもよい。
【0020】
前記メダル貸し出し部25としての貸し出しメダル払い出し装置23は、紙幣センサー24からの紙幣検知信号の入力を契機として、遊技メダルを遊技者に貸し出すためのものである。この貸し出しメダル払い出し装置23は、遊技メダルを払い出すためのいわゆるホッパー装置であり、特に図示しないが、遊技メダルを貯留しておくためのタンクと、このタンクに貯留されている遊技メダルを1枚ずつ排出可能な送り出し円板とを有している。この送り出し円板は、駆動モータに回転可能に軸止されており遊技メダルが入り込み可能な孔が形成されている。そして、この孔に入った遊技メダルを、回転に伴い1枚ずつ装置の外に排出することができるような機構に形成さている。また、貸し出しメダル払い出し装置23には排出メダルをカウントするためのセンサーが設けられていて、所定枚数の遊技メダルを払い出したら駆動モータが停止するように形成されている。
【0021】
(メダル移送機構3)
前記メダル移送機構3は、前記貸し出しメダル払い出し装置23から払い出される遊技メダル、及び遊技者が投入する遊技メダルを、スロットマシン1のメダル投入口10に一括投入するための機構である。
具体的には、メダル移送機構3は、図1及び図3に示すように、大きく分けて、メダル貸出機2の外箱20の正面に取り付けられた本体カバー30と、この本体カバー30の内部に設けられて遊技メダルを送り出すための一括投入装置40(図4)と、前記本体カバー30の正面側に取り付けられて一括投入装置40からの送り出された遊技メダルをスロットマシン1の側方移送通路12へ誘導するための投入口導入路60とを備えている。
【0022】
(本体カバー30)
前記本体カバー30は、図2、図3に示すように、メダル貸出機2の外箱20の正面略中央部から手前側(スロットマシン1を正面から見た場合の手前側)に突出する箱形部材であり、上方に開口する一括投入開口31が形成され、図1に示すように、内部には一括投入装置40が内蔵されている。
また、一括投入開口31の手前側には、図1及び図3に示すように、上面に平坦部を有するカウンター状の張り出し部32が形成されている。この張り出し部32は、一括投入開口31の手前側及び側方に向かって張り出し、上方からみると図13に示すような略U字型に形成されている。そして、この一括投入開口31の周囲には、上から見て、両側部から手前に至るU字状に立設する立設部272が形成されている。一括投入開口31は、後述する本体ブロック41の受け入れ投入部48の落下孔271の上に位置するように設定されてあり、結果として、落下孔271の上方周囲に立設部272が位置するように形成されている。そして、この立設部272には、搬送装置50を作動及び作動停止させるための導電性を有する金属からなるベルト作動スイッチ273としての接触センサー274が敷設されている。したがって、接触センサー274も、立設部272に沿ってU字状に形成されている。そして、張り出し部32の接触センサー274に手を触れることにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動し、張り出し部32の接触センサー274に触れている手を離すことにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動を停止するようになっている。具体的には、ベルト作動スイッチ273を予め定めた特定時間未満、操作すると、3枚の遊技メダルを側方移送通路12へ送り出すとともに、ベルト作動スイッチ273を予め定めた特定時間以上継続して操作すると、3枚を超える枚数の遊技メダルを側方移送通路12へ送り出すように形成されている。
【0023】
そして、本体カバー30の底部奥側には、図8に示すように、一括投入装置40から排出される異物やキャンセルメダルを受け止める排出収納部93を有するメダル取り出し皿90が形成されている。このメダル取り出し皿90は、メダル貸出機2前面の開閉孔85の下に位置して、排出機構80の開閉孔85を開放した際には、開閉孔85を介して受け取ったメダル貯め部44の遊技メダルを、外部から取り出し可能に形成されている。このメダル取り出し皿90は、図8に示すように、皿用ヒンジ95により本体カバー30の底部奥側に上下方向に回動可能に軸支されている。通常は、図8の実線で示すように閉じた状態にしており、排出されるゴミ等を貯留可能に形成され、遊技ホールの管理者がゴミ等を回収する際には、図8の2点鎖線で示すように、手前側に回転させて、手前側から手で簡単に貯留物を取り出すことができるように形成されている。
【0024】
前記張り出し部32の正面側には、ベルト53の作動状態を表示する回転表示部240が形成されている。
(回転表示部240)
前記回転表示部240は、移送部200のベルト53の作動状態と、排出機構80の開閉孔85の開閉状態とを遊技者に向かって表示するためのものである。そして、回転表示部240は、正面から見て右側に位置して青色に発光可能な青色発光部241と、正面から見て左側に位置して赤色に発光可能な赤色発光部242とから形成されている。そして、前記回転表示部240は、図3に示すように、張り出し部32の正面側の遊技者から視認可能な位置に形成されている。この回転表示部240は、青色発光部241及び赤色発光部242の2個の発光体の点灯及び消灯の組み合わせによって、ベルト53及び後述する排出機構80の作動状態を表示するものである。具体的には、この回転表示部240は、移送部200のベルト53の正転(正回転、図1の黒矢印方向)と、逆転(逆回転、図1の黒矢印の逆回転方向)と、開閉孔85の開放を伴うベルト53の逆転(逆回転、図1の黒矢印の逆回転方向)と、作動せずとの4種類の状態を、順に、青色発光部241のみ点灯と、赤色発光部242のみ点灯と、両方点灯と、両方消灯とすることにより区別して外部へ向かって表示するためのものである。
【0025】
(一括投入装置40)
前記一括投入装置40は、前記本体カバー30に内蔵されて、遊技メダルを送り出すための装置である。
前記一括投入装置40は、図1に示すように、前記本体カバー30の内側に設けられる箱状の本体ブロック41と、この本体ブロック41の内部に遊技メダルを搬送する搬送装置50(移送部200)と、搬送装置50の奥側下方に位置して残留した遊技メダル等を排出する排出機構80と、振動により遊技メダルの詰まりを解消するための振動発生装置300とを備えている。
【0026】
(本体ブロック41)
前記本体ブロック41は、図1及び図4に示すように、長さ方向略中央部に、上方に開口する受け入れ投入部48を有している。この受け入れ投入部48は、四角形に開口して遊技メダルを落下させる落下孔271を設けているものである。そして、受け入れ投入部48は、かかる落下孔271の周囲に上方に向かって開口して遊技メダルを受け入れる漏斗状の傾斜壁310を備えている。そして、傾斜壁310のうち、手前側に位置する傾斜壁310は、本体ブロック41の上面に設けたヒンジである壁回転軸312で軸支されることにより、予め定められた範囲内で揺動可能に形成されている。すなわち、予め定めた角度の範囲内で、壁回転軸312により回動可能に軸支されているものである。この壁回転軸312の軸は、本体ブロック41の上面で左右方向に渡されてあり、傾斜壁310を前後方向或いは上下方向に回動可能に形成されている。そして、この傾斜壁310は、後述する振動発生装置300により、前後方向或いは上下方向に振動するように形成されている。すなわち、結果として、受け入れ投入部48を振動させることができるように形成されてあり、受け入れ投入部48でのメダル詰まりの発生を抑えることができるように形成されている。図14に示すように、本体ブロック41の側面からは、傾斜壁310の揺動の上限の位置を決めるための壁ストッパー340が内方に向かって突出している。この壁ストッパー340は、縦断面形状が円形であって、全体形状が棒状に形成されている。また、傾斜壁310の揺動の下限の位置を決めるためには、後述する移動調整弁43の頭部が位置するように設定されている。これらによって、傾斜壁310は、壁ストッパー340と、移動調整弁43との間を揺動可能に形成されているものである。
【0027】
そして、この受け入れ投入部48の奥側には、上方に開口し内部において前記受け入れ投入部48と連通する払い出し通路42が設けられている。図8に示すように、この払い出し通路42の上方に開口した部分に、貸し出しメダル払い出し装置23から貸し出し用の遊技メダルが投入される。
そして、受け入れ投入部48の下方には、受け入れ投入部48或いは払い出し通路42から投入された遊技メダルを一時的に貯留するメダル貯め部44が形成されている。また、本体ブロック41の前方下部には、メダル貯め部44に貯留した遊技メダルを移送するベルト53を有する移送部200(搬送装置50)が内蔵されている。そして、本体ブロック41の正面側は、搬送装置50により送り出された遊技メダルを投入口導入路60に1枚ずつ排出するためのメダル排出部47となっている。そして、前記払い出し通路42を形成する内壁の底部であって、メダル貯め部44の底面に、開閉自在な開閉孔85を有する排出機構80が設けられている。
【0028】
前記受け入れ投入部48は、図1及び図4に示すように、一括投入開口31から投入される遊技メダルを受け入れるための開口であり、開口幅のほぼ中央部に、横方向にわたって設けられた仕切棒100を有している。これは、投入される遊技メダルを、極力同一方向に揃えるためである。すなわち、この仕切棒100があることにより、受け入れ投入部48に遊技メダルが縦向き(遊技メダルの表裏面が左右方向となる向き)で投入されることがないので、ランダムに投入される遊技メダルの向きを、横向き(遊技メダルの表裏面が前後方向となる向き)にして落下させるようになるものである。このように落下した場合には、遊技メダルの向きが揃っているので、受け入れ投入部48の下方に位置する空間であるメダル貯め部44に、遊技メダルが平積みとなるよう貯留させることができ、搬送装置50により搬送しやすくなる。
【0029】
また、図1に示すように、受け入れ投入部48の手前側端部には、搬送装置50の上方空間を、受け入れ投入部48の下方に位置するメダル貯め部44と、メダル貯め部44よりも手前側に位置するメダル戻り部45とに分ける移動調整弁43が取り付けられている。移動調整弁43は、メダル貯め部44からメダル戻り部45へのメダル移動を阻止し、メダル戻り部45からメダル貯め部44へのメダル移動は適宜許容することにより、搬送装置50によるメダル移送をスムーズに行わせるためのものである。
前記払い出し通路42は、メダル貸出機2の貸し出しメダル払い出し装置23から貸し出される遊技メダルを受け入れて、前記メダル貯め部44に誘導するためのものである。払い出し通路42の底面は、奥側から手前側に向かって下り傾斜となっており、傾斜の前端部に開閉板82によって開閉可能な開閉孔85が形成されている。開閉板82が開閉孔85を閉じているときには、メダル貯め部44に遊技メダルが貯留される。そして、開閉板82が開閉孔85から開いた場合、メダル貯め部44又は搬送装置50のベルト53上にあるゴミなどの異物や遊技メダルは、キャンセル開口49から落下する。このキャンセル開口49から落下した異物や遊技メダルは、いったんメダル取り出し皿90に貯留され、図1に示すように、メダル取り出し皿90を手前側に開くことによりそれらを外部に取り出すことができるようになっている。
【0030】
ここで、メダル取り出し皿90は、図1に示すように、皿用ヒンジ95により回動可能にメダル移送機構3の下部に軸支されている。そして、図8に示すように、メダル取り出し皿90を閉じた状態で、内部にキャンセルメダルや異物やゴミ等を貯留可能な排出収納部93が形成される。また、メダル取り出し皿90は、特に図示していないが、自己復帰機構により、開いた後には自動的に閉じるように形成されている。自己復帰機構は、メダル取り出し皿90を閉じる方向に付勢するバネを備えており、メダル取り出し皿90は通常において閉じている。そして、バネの付勢力に抗して開く方向すなわち手前側にメダル取り出し皿90を引き下げることにより、図1又は図3に示すように、メダル取り出し皿90の排出収納部93が開放される。メダル取り出し皿90を開くときには、メダル取り出し皿90を押さえながら排出収納部93に貯留されている遊技メダル等を手で受け止めるようにする。貯留物をすべて排出し終えたら、メダル取り出し皿90から手を離せば、メダル取り出し皿90は自動的に閉まる。もちろん、このメダル取り出し皿90は、かかる自己復帰機構を設けずに、閉じた状態と、開いた状態との2段階の位置で、凹凸部により仮止め可能なものでも良い。
【0031】
更に、このメダル取り出し皿90は、上述したような自己復帰機構や、凹凸部による仮止め機構も有さずに、単に、皿用ヒンジ95によって開閉可能に軸支されているだけで、自重により、開いた状態を維持しているものでも良い。かかるメダル取り出し皿90は、手を押し上げることにより、図8に示すように閉じた状態にすることができる。これにより、正面から向かって右隣の別の遊技機の下側の扉を開放する際、手でメダル取り出し皿90を閉じた状態にして、開放する下扉の邪魔になることを回避することができる。
(移動調整弁43)
前記移動調整弁43は、図5に示すように、両端部から横方向に突出するピン46を有する支持部43Bに方形状の回動板43Aを取り付けた構成となっている。そして、本体ブロック41の両側面に形成された孔に前記ピン46を係合させることにより、ピン46を中心に前後方向に回動可能に形成されている。
【0032】
また、本体ブロック41の内面には、移動調整弁43が垂下した状態で移動調整弁43のメダル戻り部45側に当接するストッパー43Cが突設されている。これにより、移動調整弁43は、垂下状態からメダル貯め部44側へは回動できるが、垂下状態からメダル戻り部45側への回動を阻止される。
そして、前記回動板43Aは、ウレタンなどの弾性部材で形成されており、一定以上の加圧により弾性変形するようになっている。さらに、移動調整弁43は、回動板43Aが垂下状態で、回動板43Aの下端部から後述する搬送装置50のベルト53の上面までの距離が、遊技メダルの直径よりも長くなるように形成してある。これは、回動板43Aの下方を遊技メダルが起立状態でも通過可能とするためである。
【0033】
(搬送装置50(移送部200))
前記搬送装置50(移送部200)は、メダル貯め部44に貯留した遊技メダルを、メダル貯め部44の外方(具体的には、ベルト53を正転させた場合は、ベルト53の手前側のメダル排出部47、或いは、ベルト53を逆転させた場合は、ベルト53の奥側の開閉板82及びキャンセル開口49)へ移送するベルト53を有するものである。この搬送装置50(移送部200)は、本体ブロック41の前方下部に内蔵されており、メダル貯め部44に投入又は払い出された遊技メダルを、水平状態(遊技メダルの表裏面が上下となる状態、すなわち遊技メダルの表面又は裏面が、上方向又は下方向に向かって臨むような状態)で1枚ずつ、投入口導入路60へと送り出すためのものである。具体的には、搬送装置50は、一対のローラー51(手前側ローラー51A及び奥側ローラー51B)と、この手前側ローラー51A及び奥側ローラー51Bの間に掛け渡されたベルト53(移送手段)と、このベルト53の手前側上方に送出間隙54をあけて設置された逆転ローラー52(戻し手段)と、ローラー51,52を回転させるための駆動モータ55と、この駆動モータ55のモータ軸の回転をローラー51,52に伝達するための伝達手段56(図4)とを有している。
【0034】
前記ローラー51は、正面側から見て前後に並列して設けられている。また、前記ベルト53は、二つのローラー51A,51Bに掛け渡された平ベルトであり、表面にはゴム等を被覆して、遊技メダルとの摩擦抵抗を大きくするよう形成してある。そして、図1に示すように、手前側ローラー51Aの方が、奥側ローラー51Bよりも若干高い位置に取り付けられているので、ベルト53の上面は手前側に向かってやや上り傾斜となっており、ローラー51を図1に示す黒矢印(内部が黒色に塗られた矢印)の方向に回転させることにより、ベルト53の上面が手前側に移動するようになっている。
前記ローラー51と逆転ローラー52は、ベルト状の伝達手段56(図4)により同時に回転するようになっている。伝達手段56は、駆動モータ55の駆動軸、手前側ローラー51A、逆転ローラー52にそれぞれ設けられたギヤと、これらの各ギヤを連結するベルトであって、逆転ローラー52はローラー51と同一方向に回転するので、ベルト53の上面の進行方向と、逆転ローラー52の下側面の移動方向とが逆になる。また、前記伝達手段56の調整(直径の異なるギヤの組み合わせ)により、逆転ローラー52の回転速度の方が、ローラー51の回転速度よりも早くなるように形成されている。
【0035】
そして、図1に示すように、逆転ローラー52の下端とベルト53の上面との間には、遊技メダル1枚の厚みよりも大きく、遊技メダル2枚分の厚みよりは小さい送出間隙54が形成されている。このため、遊技メダルが逆転ローラー52の上に複数枚、重なって逆転ローラー52側へ搬送されてくると、一番下の1枚の遊技メダルを残して、2枚目より上の遊技メダルは、逆転する逆転ローラー52によって後方に向かって蹴飛ばされるものである。これにより、ベルト53の上面に乗っている遊技メダルを、1枚ずつ手前側に送り出すとともに、ベルト53の上方であって逆転ローラー52の後方にある遊技メダルをメダル戻り部45に蹴り出すようになっている。
【0036】
なお、本形態における逆転ローラー52には、図5に示すように、断面略台形の撹拌溝58が軸方向に沿って形成されている。撹拌溝58は、溝の端部で遊技メダルを引っ掛けるようにして、ベルト53の上方に積み重なった遊技メダルを効果的に後方に蹴り上げる役割を果たすものである。
ベルト53の前方側は、投入口導入路60のメダル受け口67と近接している。そして、ベルト53の上面に乗っている遊技メダルは、前記送出間隙54を潜ってメダル排出部47から投入口導入路60へと運ばれる。
なお、特に図示していないが、ベルト53から投入口導入路60へ送り出す途中で、逆転ローラー52の取り付け位置を過ぎた後、ベルト53の側方の壁面からベルト53上に向かって突出する突出体を形成しても良い。この突出体は、ベルト53の搬送可能な有効巾を、使用する遊技メダルの直径に合致するように突出させるものである。ベルト53上の遊技メダルが、この突出体に接触することにより、遊技メダルの搬送位置を、所定の位置にすることができる。
【0037】
前記移送部200は、ベルト53を正転(正回転、すなわち図1の黒矢印方向)することにより、遊技メダルを投入口導入路60へ移送させる移送方向と、ベルト53を逆転(逆回転、すなわち図1の黒矢印方向の逆回転方向)することにより、遊技メダルを投入口導入路60とは反対側のメダル貯め部44へ逆送させる逆送方向とのいずれの方向にも遊技メダルを移送可能に形成されている。すなわち、移送部200は、ベルト53を正転させた場合、ベルト53上のものを投入口導入路60へ移送し、ベルト53を逆転させた場合、ベルト53上のものを開閉孔85へ移送するように形成されている。
なお、移送部200のベルト53を逆回転する場合には、逆転ローラー52は、内部機構により回転しないように形成されている。
【0038】
(排出機構80)
前記排出機構80は、上方に突設された略円筒形の可動軸83を通電状態に応じて上下動させるソレノイド81と、一方の端部が前記可動軸83に軸支され、本体ブロック41に固定された固定軸84を支点として上下方向に揺動可能に形成された開閉板82を有している。そして、この開閉板82が固定軸84を中心に回動することにより、開閉孔85を開閉自在に形成するものである。そして、可動軸83が下方に位置しているときには開閉板82が閉じた状態(図1参照)となり、可動軸83が上方に位置しているときには開閉板82が開いた状態(図10参照)となるよう形成されているものである。そして、ソレノイド81の作動で開閉板82を開くことにより、一括投入装置40内部にあるメダルや異物などを、本体ブロック41の底面に形成されたキャンセル開口49から排出させることができるようになっている。排出機構80は、例えば図示しないリセットスイッチの操作により開閉板82が開くように形成することができる。
【0039】
(振動発生装置300)
前記振動発生装置300は、受け入れ投入部48の傾斜壁310の一部を振動可能なものである。もちろん、傾斜壁310の全部を振動させても良いものであり、また、受け入れ投入部48の落下孔271の周囲の壁の全部を振動させるように形成しても良い。そして、この振動発生装置300は、移送部200のベルト53を回転させるための駆動モータ55の回転駆動力から振動源を得ている。すなわち、駆動モータ55の回転駆動力を利用して振動を発生しているものである。そして、この振動発生装置300は、受け入れ投入部48の傾斜壁310の一部を振動可能にしているものである。
【0040】
具体的には、前記振動発生装置300は、駆動モータ55の回転駆動に連動して、振動用ベルト330を介して、周期的な可動(回転運動)をするように形成されている。そして、振動発生装置300が可動することによって、かかる振動発生装置300の可動を、受け入れ投入部48に振動エネルギーとして伝達するための伝達部600としての振動回転体320を備えているものである。
一方、傾斜壁310は、既に説明したように基端側を回動可能な壁回転軸312で軸支されることにより、予め定められた範囲(所定角度範囲)内で揺動可能に形成されている。前記振動発生装置300は、振動発生装置300に基づく周期的な可動を、伝達部600としての振動回転体320を介して傾斜壁310に伝達することにより、傾斜壁310を揺動させて、傾斜壁310に振動の動作をさせるものである。
【0041】
更に、具体的に説明すると、前記振動発生装置300は、図14等に示すように、移送部200のベルト53を回転駆動させるための駆動モータ55のモータ駆動軸57と、手前側の傾斜壁310の下であって、メダル戻り部45の内部の左右方向に渡された円柱状の回転体中心軸321と、この回転体中心軸321の周りに回転可能な三角柱状の伝達部600としての振動回転体320と、モータ駆動軸57及び回転体中心軸321の両者間に掛け渡された振動用ベルト330とを備えている。
前記モータ駆動軸57は、その右側端部に振動用ベルト330を掛けて外れないように、特に図示していないが、振動用ベルト330の幅寸法に適合した凹溝が形成されている。そして、同様に、前記回転体中心軸321の右側端部にも振動用ベルト330を掛けて外れないように、特に図示していないが、振動用ベルト330の幅寸法に適合した凹溝が形成されている。そして、モータ駆動軸57及び回転体中心軸321のかかる凹溝内部の間に振動用ベルト330を掛け渡しているものである。これにより、駆動モータ55のモータ駆動軸57の回転駆動力を、振動用ベルト330を介して、回転体中心軸321に伝達することができる。
【0042】
前記振動回転体320は、縦断面形状が三角形状で、全体として三角柱状に形成され、その中心軸線が左右方向に配置されている。そして、回転体中心軸321の回転により、回転体中心軸321に固定された振動回転体320も、同様に回転するように形成されている。そして、図14に示すように、回転する振動回転体320の三角突部が傾斜壁310の裏面に当たることにより、傾斜壁310を短い周期で揺動することができ、結果として、傾斜壁310を振動させることができる。なお、傾斜壁310は、上方の位置が、壁ストッパー340により制限され、下方の位置が、移動調整弁43の頭部により制限されている。このため、傾斜壁310は、かかる二つの制限の間で、壁回転軸312を回転の中心として揺動し、結果として振動するものである。
【0043】
なお、ここで、前記振動回転体320は、縦断面形状が三角形状に形成されているが、この縦断面形状はこれに限定されるものではなく、他の形状であっても良く、四角形や、五角形や、他の多角形等でも良いものである。結果として、回転中心軸から円周までの半径方向の距離が全周上で異なるような断面形状のものであれば良いものである。
(投入口導入路60)
前記投入口導入路60は、スロットマシン1のメダル投入口10に遊技メダルを導入するために、スロットマシン1のメダル投入口10付近に設けて、スロットマシン1の側方から遊技メダルを前記メダル投入口10へ案内する側方移送通路12に、移送部200から遊技メダルを誘導させるためのものである。すなわち、前記投入口導入路60は、前記搬送装置50から送り出された遊技メダルをスロットマシン1のメダル投入口10に移送するためのものである。
【0044】
前記投入口導入路60は、図1、図6、図7、図8及び図9に示すように、本体カバー30の正面側下部に取り付けられるベース部材62と、このベース部材62の前面側に位置して遊技メダルが通過可能なメダル移送スリットを有する通路部65と、ベース部材62の下端部に設けられたヒンジ63を介して、ベース部材62に回動自在に取り付けられたカバー部材61と、図12に示すように後述する可視部210より視認可能な通路部65を照射可能な発光部220とを備えている。
そして投入口導入路60は、図3に示すように、メダル排出口66がスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12の端部と一直線上に配置されるよう設置される。この場合、メダル排出口66と側方移送通路12の端部とは必ずしも当接、合致する必要は無く、メダル排出口66から排出された遊技メダルが側方移送通路12に移動可能な間隙や高さの誤差があっても構わない。
【0045】
(通路部65)
前記通路部65は、ベルト53から落下してきた遊技メダルを側方移送通路12へ案内するためのものである。前記通路部65は、ベース部材62の手前側に位置する固定板251と、この固定板251の手前側に位置する可動可能な可動板250と、前記固定板251の下部に位置して、遊技メダル1枚の厚みよりも僅かに大きい幅だけ手前側に突出した突出部252とを有している。すなわち、図1に示すように、固定板251と可動板250との間には、突出部252が挟まれて、遊技メダル1枚分の厚さよりやや大きい厚みを有し、遊技メダルの直径よりもやや大きい幅を有することにより、遊技メダルの移送が可能な通路部65が形成されているものである。この通路部65は、固定板251、可動板250及び突出部252により、遊技メダルが通過可能なメダル移送スリットを形成しているものである。
【0046】
前記通路部65は、メダル受け口67からスロットマシン1側に略L字状に屈曲して、その端部がメダル排出口66となっている(図3参照)。すなわち、通路部65は、メダル排出部47から排出された遊技メダルをメダル受け口67から受け入れ、メダル排出口66から1枚ずつ、側方移送通路12を介して、スロットマシン1のメダル投入口10側に向かって排出するようになっている。
(固定板251)
前記固定板251は、ベース部材62の手前側に固定され、正面視で略L字状に形成されているものである。前記固定板251の上端部は、図1に示すように、下方から上方に向かって奥方向に湾曲する湾曲部62Aとなっており、この湾曲部62Aは一括投入装置40のメダル排出部47と連通するメダル受け口67を形成する。
【0047】
(可動板250)
前記可動板250は、固定板251の前面側に位置するものであり、通路部65の手前側の壁を形成するものである。この通路部65の可動板250は、全て透明樹脂から形成されている。この可動板250の側端の上端より僅か下(具体的には、可動板250の全高さのうち、上端から5分の1の位置)には、可動板250の回動可能に軸支する可動板回転軸253が形成されている。そして、この可動板回転軸253には、可動板250の上端を手前側に引っ張り、下端を奥側に引っ張る方向に付勢するバネが形成されている。図9(A)に示すように、常時は、可動板250の下端は、突出部252に当接しているため、可動板250は鉛直方向に立設した状態を保持する。そして、後述する詰まり解除ボタン260が押されると、図9(B)に示すように、詰まり解除ボタン260が可動板250の上部を奥側に押し込むことになり、可動板250は、可動板回転軸253を回転の中心として、上端を奥側、下端を手前側に回転する。これにより、可動板250と、固定板251との間の通路部65の通路内部で遊技メダルが詰まっているような場合、図9(B)に示すように、可動板250の下端と、固定板251との間の隙間が開いて、カバー部材61の詰まりメダル排出口68から外部へ排出される。さらに、可動板250の手前側には、遊技メダルの通過を検知可能な詰まり検知手段230としての通過センサー231が設けられている。
【0048】
(詰まり検知手段230(通過センサー231))
詰まり検知手段230は、いわゆる光センサーからなる通過センサー231であって、通路部65における遊技メダルの通過や、遊技メダルが移動しないことを検知可能なものである。
前記通過センサー231は、光センサーからなり、光を発光する光センサー発光部と、この光センサー発光部から発光して固定板251側に取り付けた反射板(図示せず)に反射した光を受光する光センサー受光部とを備えているものである。可動板250と固定板251との間に遊技メダルが通過することにより或いは遊技メダルが詰まることにより、この光が遮断される状態を検知することができるものである。
【0049】
ここで、通過センサー231は、特に図示しないが、通路部65の通路幅の中心からやや幅方向にずれた位置に設けてあるので、円形の遊技メダルが複数枚、連続した状態で通過しても通過センサー231の検知信号は必ず一定の波形を繰り返すものとなる。従って、メダル貸出機2の制御部においてこの波形を監視することにより、メダル移送の異常を検知することができる。例えば、通過センサー231が遊技メダルを検知し続けている場合には、通路部65の内部で遊技メダルが詰まっていることが想定される。このような場合には、詰まり解除ボタン260を押してメダル詰まりを解消することを促す警報などを行うと好適である。
【0050】
一方、通過センサー231が遊技メダルを一定時間以上検出しない場合には、投入された遊技メダルをすべて送り終えたか、あるいは搬送装置50の内部などでメダル詰まりが発生しているかにより、一括投入装置40が遊技メダルを送り出していない場合、又は可動板250が可動しており通過センサー231の光センサー発光部の光が対向する反射板に当たらず光センサー受光部に届かない場合の、いずれかの場合が想定される。そこで、このような場合には、搬送装置50の駆動モータ55の駆動を停止させたり、或いはベルト53の回転を逆転させるように設定されている。そして、そのようなときに接触センサー274がONとなっても駆動モータ55を駆動させないように制御しているものである。
【0051】
(突出部252)
前記突出部は、通路部65の底を形成し、この突出部252の上を可動板250と固定板251とに挟まれた遊技メダルが、側方移送通路12へ向かって転がっていくように形成されている。
(カバー部材61)
前記カバー部材61は、カバー部材61の下部のヒンジ63を中心として回転可能であるとともに通路部65の前面を覆うものである。
前記ヒンジ63は、カバー部材61と、ベース部材62とを回動可能に軸支可能なものである。図1、図6、図7、図8、図9及び図11に示すように、カバー部材61及びベース部材62の両者が開いてしまうことがないように、カバー部材61をベース部材62側に係止する係止手段290を備えている。この係止手段290は、図7に示すように、カバー部材61の上部裏側に設けたアンカー爪状の係止部291と、投入口導入路60の上方の本体カバー30の下面側に位置して、係止部291のアンカー爪状の部分が係止可能な非係止部292とから形成されている。なお、この係止部291は、図6に示すように、幅方向の中央付近に開口する差し込み片開口部294が形成されている。そして、この係止部291は、軟質樹脂から形成されてあり、弾性変形可能に形成されているものである。
【0052】
前記カバー部材61の後述する詰まり解除ボタン260の上には、図3及び図6に示すように、表裏に開口して、上述した係止手段290の係止状態を解除するための係止解除孔293が形成されている。この係止解除孔293に、帯板状の例えば鍵や棒状等のドライバー等の差し込み片を押し込むことにより、この差し込み片が上述した差し込み片開口部294の上面を下方に向かって押し込む。これにより、押し込まれた差し込み片が、係止部291を下方に向かって弾性変形させて、アンカー爪状の係止部291が、非係止部292から外れる。結果として、係止手段290の係止状態を解除することができる。
なお、このヒンジ63には、カバー部材61を、ベース部材62に閉じる方向に付勢するバネを備えるように形成しても良い。これにより、通常時においてはカバー部材61を閉じるように保持することができる。そして、バネの付勢力に逆らってカバー部材61をベース部材62と反対方向すなわち手前側に回動させることにより、カバー部材61が開く。これは、通路部65の内部で遊技メダルが詰まる等の不具合が生じた場合などに、遊技者が店員を呼ぶことなく自ら詰まりを解消させることができる。カバー部材61を開いて詰まった遊技メダルを取りだした後は、ヒンジ63を中心として、カバー部材61は自動的に回動して閉じた状態に戻る。
【0053】
前記カバー部材61は、通路部65を遊技者側から視認可能な可視部210を備えている。この可視部210は、図2、図3及び図6に示すように、カバー部材61の表裏に貫通する複数の長孔スリット状の貫通孔であって、外部からカバー部材61の奥の通路部65を覗けるように形成されている。図12には、カバー部材61の可視部210の位置と形状とを、通路部65の外観正面図に重ねて描いているものからも明らかなように、この可視部210の長孔スリット状の長尺方向は、通路部65の遊技メダルの移動方向に沿って形成されている。これにより、遊技メダルの移動を視線で追うことができる。なお、本形態では、可視部210は、長孔スリット状に形成したが、特にこれに限定されることはない。具体的には、通路部65の前面側に相当するカバー部材61の部分をガラスや透明樹脂等の透明部材で形成することにより、或いは、多数の小孔を形成すること等により、同様の作用及び効果を得ることができる。そして、カバー部材61の上部には、可動板250を可動させるための詰まり解除ボタン260が形成されている。そして、カバー部材61の下部には、下方に向かって開口する詰まりメダル排出口68が形成されている。この詰まりメダル排出口68は、詰まり解除ボタン260押下により可動板250を可動させて、可動板250と固定板251との間に詰まっていた遊技メダルを外部に排出するために開口しているものである。
【0054】
(詰まり解除ボタン260)
前記詰まり解除ボタン260は、遊技メダルが通路部65で詰まったときに、可動板250の上部を押して可動板250を回動させて、通路部65内部に詰まった遊技メダルを下の詰まりメダル排出口68から排出させるためのものである。
前記詰まり解除ボタン260は、遊技メダルが投入口導入路60を正常に流れている状態では、遊技者による何の操作もされずに、図9(A)に示すように、手前側に突出している状態を維持する。なお、この詰まり解除ボタン260は、内部のバネからなる付勢手段により、手前側に向かって突出する方向にバネの付勢力が加わっている。したがって、手で奥側に押し込んでも自動的に手前側に戻るように形成されている。
【0055】
そして、投入口導入路60の通路部65の内部、例えばメダル受け口67の部分で複数の遊技メダルが詰まった場合、遊技者が、詰まり解除ボタン260を奥側に向かって押し込む。すると、詰まり解除ボタン260は、図9(B)に示すように、手前側に突出していた部分が奥側に向かって押し込まれ、詰まり解除ボタン260の奥側の先端が、可動板250の上部を奥側に向かって押すことになる。これにより、可動板250は、側端中央の水平方向の可動板回転軸253(図12)を中心として回転して、図9(B)に示すように、下方側に向かって開いた状態となる。そして、可動板250と、固定板251との間に詰まっていた遊技メダルが下方に落下し、詰まりメダル排出口68から外部へ向かって排出される。結果として、通路部65での遊技メダルの詰まりを簡単に解除することができるものである。
【0056】
(発光部220)
前記発光部220は、投入口導入路60の内部に位置して、図12に示すように、可視部210より視認可能な通路部65を照射可能な位置に形成されている。この発光部220は、図12に示すように、ベース部材62に固定されたLEDからなるものであって、赤色と、青色との2色の発光が可能なものである。そして、移送部200の作動時に発光部220を青色に発光させ、その発光を可視部210から可視可能に形成してあるものである。そして、可視部210からは、通路部65を通過する遊技メダルを遊技者側から可視可能としたものである。これにより、遊技者は、カバー部材61で覆われた内部にある通路部65を通過する遊技メダルを明るい状態ではっきりと見ることができる。
【0057】
前記発光部220は、詰まり検知手段によりメダル詰まりが検知された場合、メダル詰まりを検知していない正常作動時の発光色とは、異なる発光色で発光させるように形成されている。具体的には、通過センサー231の光検知が、遊技メダルの通過により一時的に遮断されるような場合は、遊技メダルが詰まることなく、正常に通過している場合であって、発光部220は、青色で発光するように形成されている。そして、通過センサー231の光検知が、遊技メダルの詰まりにより、遮断された状態が連続して続いているような場合には、遊技メダルが何らかの不具合により通過センサー231の箇所で詰まっている場合であって、発光部220は、赤色で発光するように形成されている。
【0058】
(遊技メダルの移送)
次に、上記構成を有するメダル移送機構3における遊技メダルの移送過程を、図11に基づき説明する。
まず、一括投入開口31から遊技メダルを投入する。すると、一括投入開口31から受け入れ投入部48へ遊技メダルが落下する。その際、受け入れ投入部48内部において、複数の遊技メダルが複雑に重なりあって、通常ならば、ブリッジを形成するような状況下であっても、振動発生装置300により、振動回転体320が回転して、傾斜壁310を振動させるため、かかるブリッジの発生を抑えることができる。また、一旦形成されたブリッジも簡単に解消する。そして、図11(A)に示すように、遊技メダルはベルト53の後方部上面と開閉板82の上面に積み重なるように落下し、メダル貯め部44に貯留される。また、メダル貸出機2に紙幣を投入した場合には、貸し出しメダル払い出し装置23から遊技メダルが払い出され、払い出し通路42を通ってメダル貯め部44に貯留される。次に、メダル移送機構3の張り出し部32のベルト作動スイッチ273としての接触センサー274を手で触れると、搬送装置50が作動を開始する。すなわち、駆動モータ55が駆動して、ベルト53が前方に回転開始する。
【0059】
ベルト53が移動開始すると、ベルト53の後方部上面に乗っている遊技メダルが前方に移動し、その上方に貯まっているメダルも引きずられて、移動調整弁43の下方を潜ってメダル戻り部45に移動する。ここで、移動調整弁43は、ストッパー43Cに当接することにより、前方(メダル戻り部側)には回動しないので、メダル貯め部44の上部に貯留されている遊技メダルが、一気にメダル戻り部45に雪崩れ込むのを防ぐことができる。
ベルト53により前方に移送された遊技メダルのうち、ベルト53の上面に乗っている遊技メダルは、図11(B)に示すように、ベルト53と逆転ローラー52の下面との間の送出間隙54をすり抜けて、1枚ずつ、メダル排出部47へと移送される。一方、ベルト53の上方に重なっている遊技メダルは、逆転ローラー52と接触することにより、逆転ローラー52に設けられた撹拌溝58に引っかかり、上方後部のメダル戻り部45に蹴り戻される。逆転ローラー52は、ローラー51よりも高速回転しているので、効率よく遊技メダルを蹴り出すことができる。
【0060】
ここで、メダル戻り部45に滞留する遊技メダルの量が多いと、逆転ローラー52によって後方に蹴り出すのに支障をきたし、送出間隙54でメダル詰まりが発生するおそれがある。しかし、移動調整弁43は、後方(メダル貯め部側)に回動可能に取り付けられているので、図11(C)に示すように、メダル戻り部45内の遊技メダルはメダル貯め部44に逆流し、メダル戻り部45の上方に空間が形成される。これにより、逆転ローラー52による遊技メダルの蹴り出しがスムーズに行われるものである。
搬送装置50から送り出された遊技メダルは、メダル排出部47から排出され、投入口導入路60の湾曲部62Aに誘導されつつメダル受け口67に入り、通路部65を通ってメダル排出口66から排出される。メダル排出口66はスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12と位置あわせされているので、遊技メダルはスロットマシン1の側方移送通路12を通って、スロットマシン1のメダル投入口10の上部投入開口11に投入される。
【0061】
ところで、投入された遊技メダルを全て移送し終える前に搬送装置50の作動を停止させた場合(タッチセンサから手を離した場合)には、ベルト53の上面やメダル貯め部44に遊技メダルが残留したままとなる。この場合、遊技を終了するなどにより、残留している遊技メダルをスロットマシン1に投入したくない場合には、所定のリセットスイッチを操作する。すると、図10に示すように、排出機構80のソレノイド81が作動して開閉板82を開くとともに、搬送装置50の駆動モータ55が逆転駆動する。これにより、ベルト53の上面にある遊技メダルは後方に移動し、開閉板82が開くことにより、メダル貯め部44の底部に開口するキャンセル開口49から下方に落下して、メダル取り出し皿90の排出収納部93に収納される。メダル貯め部44に貯留されていた遊技メダルも、同様にキャンセル開口49から落下する。
【0062】
このようにして一括投入装置40から排出された遊技メダルは、メダル取り出し皿90の排出収納部93に貯留されるので、メダル取り出し皿90を手前側に回転させて、排出収納部93の中に貯まった遊技メダルを取り出せばよい。なお、一括投入装置40の内部に、ゴミなどの異物が混入した場合にも、上記したのと同様にして、取り出すことができるのは言うまでもない。
このように、本形態によれば、メダル貸出機2から貸し出される遊技メダルをスロットマシン1に手に持って移動させなくても、あるいはスロットマシン1から入賞により払い出された遊技メダルを、1枚ずつ手でメダル投入口10に投入させなくても、メダル移送機構3によりメダル投入口10に投入することができ、遊技を効率的に行うことができる。また、メダル移送機構3には、移動調整弁43が設けてあるので、一括投入装置40内部でのメダル詰まりを起こしにくく、一括投入装置40から排出するときにメダル詰まりを起こした場合でも、詰まり解除ボタン260を押下して、可動板250を下方側に向かって開くことにより容易にメダル詰まりを解消できる。そして、排出機構80とメダル取り出し皿90を設けてあるので、一括投入装置40内の残留メダルや異物なども容易に取り出すことができる。さらに、搬送装置の逆転ローラー52には撹拌溝58が形成されているので、搬送装置50内部に滞留している遊技メダルを効率よく送り出すことができ、メダル詰まりを防止することができるのである。
【0063】
(駆動制御手段280)
前記駆動制御手段280は、ベルト作動スイッチ273の操作に基づいて、移送部200のベルト53の回転駆動や、排出機構80の開閉孔85の開閉等を制御するためのものである。この駆動制御手段280は、遊技者によるベルト作動スイッチ273としての接触センサー274への接触によって、移送部200のベルト53を作動可能にしているものである。そして、上述したように、移送部200のベルト53を回転駆動させるための駆動モータ55の回転を利用して、振動発生装置300の振動源としているため、移送部200のベルト53の作動に連動して、振動発生装置300による振動壁311の振動が行われる。
【0064】
前記駆動制御手段280は、ベルト作動スイッチ273を予め定めた特定時間t3未満、操作(すなわち、遊技者の指等が、通過センサー231を継続して接触)すると、通過センサー231によって確認される所定枚数の遊技メダルを側方移送路に送り出すとともにその間、振動発生装置300を作動させるように形成されている。そして、駆動制御手段280は、ベルト作動スイッチ273を予め定めた特定時間t3以上継続して操作(すなわち、遊技者の指等が、通過センサー231を継続して接触)すると、通過センサー231によって確認される所定枚数を超える枚数の遊技メダルを側方移送通路12に送り出し続けるとともに、その間、振動発生装置300を作動させるように形成されている。
【0065】
ここで、予め定めた特定時間t3とは、遊技開始の条件としての所定枚数(1回の遊技で投入可能な最大の遊技メダル枚数である3枚)の遊技メダルを側方移送通路12へ移送するに要する時間を意味している。なお、この時間は、予め測定され、記憶されている。したがって、かかる特定時間t3より短い時間だけ、遊技者が接触センサー274に触ると、駆動制御手段280は、最大投入枚数である3枚の遊技メダルを移送部200から側方移送通路12へ移送する。そして、かかる特定時間t3以上、遊技者が接触センサー274に触ると、駆動制御手段280は、3枚を超える枚数の遊技メダルを側方移送通路12へ移送する。具体的には、駆動制御手段280は、かかる特定時間t3以上、遊技者が接触センサー274に触った場合、更に、遊技者が接触センサー274に触っている間だけ、移送部200から遊技メダルを移送するように形成されている。
【0066】
更に、これに加えて、駆動制御手段280は、遊技者が、ベルト作動スイッチ273としての接触センサー274を継続して操作(接触)しても、通路部65の通過センサー231からの遊技メダルの通過の検知が所定時間t6(ここでの所定時間t6とは、予め設定されている特定の時間を意味するものであって、例えば5秒)ない場合、移送部200の回転方向を逆転させるとともに、振動発生装置300の作動も継続して行うように形成されている。
更に、これらに加えて、駆動制御手段280は、遊技者が、ベルト作動スイッチ273としての接触センサー274を継続して操作(接触)しても、通路部65の通過センサー231からの遊技メダルの通過の検知が予め定めた所定時間t7(ここでの所定時間t7とは、予め設定されている特定の時間を意味するものであって、例えば10秒)ない場合、移送部200の作動を停止するとともに振動発生装置300の作動も停止させるように形成されている。なお、ここで、逆転を開始させる所定時間t6よりも、移送部200の全ての作動を停止させる所定時間t7の方が長い時間(t6<t7)に設定されてある。これは、先ず最初に、逆転させて、次に、全ての作動を停止させるためである。
【0067】
更に、これらに加えて、駆動制御手段280は、紙幣センサー24からの紙幣検知信号の入力を契機として、移送部200のベルト53による移送及び振動発生装置300の振動を開始するように形成されている。すなわち、紙幣センサー24からの紙幣検知信号が入力されると、駆動制御手段280は、移送部200のベルト53の回転駆動を開始するとともに振動発生装置300の振動を開始する。
更に、これらに加えて、駆動制御手段280は、メダル貸し出し部25からの貸し出しが終了した後、予め定めた特定時間t1が経過すると移送部200の移送を停止させるとともに振動発生装置300の振動を停止させるように形成されている。これは、具体的には、駆動制御手段280は、通路部65の通過センサー231で遊技メダルの通過を検知した後、その後の遊技メダルの通過を検知することなく、予め定めた特定時間t1経過すると移送部200の移送を停止させる(ベルト53の回転駆動を停止させる)とともに、振動発生装置300の振動発生を停止させることを意味する。したがって、駆動制御手段280は、遊技メダルの通過が通過センサー231で検知されてから、特定時間t1経過すると、当該遊技メダルは、最後の遊技メダルと判断して、ベルト53の回転を停止させるものである。そして、それに伴って、振動発生装置300の振動発生も停止する。
【0068】
更に、これらに加えて、前記駆動制御手段280は、メダル貸出機2の電源をオフ状態よりオン状態にしたときから予め定めた特定時間t4(具体的には、例えば12秒)まで、移送部200のベルト53を逆転させるとともに、振動発生装置300の振動も継続して行うように形成されている。なお、その際、駆動モータ55の回転が逆回転するため、振動用ベルト330の回転も逆回転し、振動回転体320の回転も通常とは逆の方向に回転するが、同様に傾斜壁310を叩いて、振動は同様に発生する。したがって、振動発生装置300の振動発生も同様に作動する。かかる特定時間t4に移送部200のベルト53を逆転させている間、駆動制御手段280の制御命令により、排出機構80は、ソレノイド81を可動させて開閉孔85を開放するように形成されている。遊技ホールにおいて、1日の営業を開始する朝、電源のスイッチをオン状態にしたときに、昨日から朝までにベルト53上に溜まったゴミ等を、メダル取り出し皿90の排出収納部93へ排出するためである。
【0069】
更に、これらに加えて、駆動制御手段280は、メダル貸出機2の電源をオン状態からオフ状態にしたときから予め定めた特定時間t5(具体的には、例えば15秒)まで、移送部200のベルト53を逆転させるとともに振動発生装置300を作動させるように形成されている。したがって、振動発生装置300の振動発生もベルト53の回転駆動と同様に作動する。かかる特定時間t5に移送部200のベルト53を逆転させるとともに振動発生装置300を作動させている間、駆動制御手段280の制御命令により、排出機構80は、ソレノイド81を可動させて開閉孔85を開放するように形成されている。遊技ホールにおいて、1日の営業を終了する深夜、電源のスイッチをオフ状態にしたときに、受け入れ投入部48の内部に詰まった遊技メダル又はゴミ等や、ベルト53上に残った遊技メダルや、故意に投入された吸い殻等のゴミ等を、メダル取り出し皿90の排出収納部93へ排出するためである。
【0070】
なお、特に記述していないが、駆動制御手段280の内部には、複数のタイマー手段と、予め定めた複数の特定時間(t1、t3、t4、t5、t6、t7等)を記憶する記憶手段と、このタイマー手段のタイマー時間が、予め定めた特定時間(t1、t3、t4、t5、t6、t7等)に到達したときに、所定の制御信号を発生させる制御信号発生手段等を備えているものである。
(作用) 本形態に係る遊技メダルの一括投入装置40は、受け入れ投入部48の傾斜壁310を振動可能な振動発生装置300を備えている。この振動発生装置300は、駆動モータ55のモータ駆動軸57が回転することに連動して、振動用ベルト330を介して、回転体中心軸321が回転する。これにより、回転体中心軸321に固定された振動回転体320も回転して、三角形の突部の部分が、傾斜壁310の裏面側を繰り返し、叩く。結果として、傾斜壁310は、上方の制限である壁ストッパー340と、下方の制限である移動調整弁43の頭部との間で、揺動し、結果として、傾斜壁310が振動する。
【0071】
すなわち、駆動モータ55の駆動に連動して、振動発生装置300が、周期的な可動をする。そして、この振動発生装置300の可動を、伝達部600が、受け入れ投入部48に振動エネルギーとして伝達する。結果として、駆動モータ55の駆動を駆動源として、伝達部600を介して、受け入れ投入部48を振動させることができる。そして、傾斜壁310は、その基端側を回動可能な壁回転軸312で軸支されている。そして、振動発生装置300に基づく周期的な可動を、伝達部600としての振動回転体320を介して、傾斜壁310に伝達することにより、傾斜壁310を、基端側の壁回転軸312を回転の中心として、揺動させる。結果として、傾斜壁310に振動の動作をさせることができる。
【0072】
これにより、受け入れ投入部48へ複数の遊技メダルを纏めて一度に投入しても、受け入れ投入部48内部で、複数の遊技メダルが複雑に重なって詰まるようなことを回避することができる。また、仮に一時的に詰まったとしても、かかる傾斜壁310の振動により、詰まりの発生を直ぐに解消させることができる。
すなわち、受け入れ投入部48の内部の傾斜壁310で複数の遊技メダルが、複雑に重なりあって、図17に示すように、遊技メダル同士が、傾斜壁310間にアーチ状に強固に組み合わさった状況、いわゆるブリッジを形成するような状況であっても、受け入れ投入部48の傾斜壁310の振動により、遊技メダルが振動して、かかるブリッジの発生を抑制する。また、仮に一時的にブリッジが発生しても、直ぐにブリッジを破壊することができる。結果として、受け入れ投入部48内部での遊技メダルの詰まりの発生を抑えることができて、遊技メダルの一括投入装置40のメダル詰まりによる不具合の発生を防止することができる。
【0073】
また、振動発生装置300は、振動を発生させるための駆動源を、移送部200のベルト53を回転させるための駆動モータ55の回転駆動力から得ている。このため、振動発生装置300において、振動を発生させるための駆動源として、別個に、振動発生装置300専用の駆動モータを設ける必要がない。これにより、部品の共通化を図ることができて、部品点数を減らし、製造コストの低減化を図ることができる。
そして、振動発生装置300の駆動源を、移送部200のベルト53を回転させるための駆動モータ55の回転駆動力としていることにより、かかる駆動モータ55のベルト53による移送と、振動発生装置300の振動とを、特別な制御システムを使用することなく、連動させることができる。一般的に、受け入れ投入部48へ遊技メダルが投入された場合には、移送部200のベルト53の駆動も必要とするものである。このため、移送部200の駆動開始タイミングや駆動終了タイミングと、振動発生装置300の振動発生タイミングや振動終了タイミングとを別個独立に、センサー等を有する管理制御システムを特別に設けることなく、両者を連動させることができる。これにより、かかる制御を簡単なものにして、一括投入装置40の制御を簡単なものにすることができる。
【0074】
なお、上述した形態では、遊技メダルの一括投入装置40を、メダル貸出機2に設けているが、特にこれに限定されるものではなく、かかる遊技メダルの一括投入装置40を、スロットマシンのメダル投入口10付近に設けて、一括して複数の遊技メダルを直接、投入可能なスロットマシンとしても良いものである。
また、本形態では、遊技者により紙幣投入口21へ投入された紙幣を、紙幣センサー24が当該紙幣を検知して、紙幣検知信号をメダル貸し出し部25及び駆動制御手段280へ出力する。そして、メダル貸し出し部25は、かかる紙幣検知信号の入力を契機として、遊技メダルを払い出し通路42からメダル移送機構3へ払い出す。一方、駆動制御手段280は、かかる紙幣検知信号の入力を契機として、ベルト移送部200のベルト53の移送を開始させる。そして、ベルト53の駆動モータ55の回転駆動に伴って、振動回転体320が回転し、振動発生装置300の作動が開始する。すなわち、遊技メダルがベルト移送部200へ投入されて、何らかの検知センサー等により、当該遊技メダルを検知してからベルト移送部200のベルト53による移送や、受け入れ投入部48の振動発生装置300の作動を開始するのではなく、それよりも、紙幣検知信号の入力という時間的に前の時点で、振動発生装置300による受け入れ投入部48の振動と、ベルト53による移送とが同時に開始される。そして、この受け入れ投入部48の振動は、受け入れ投入部48内部だけに留まるものではなく、かかる振動は、各部材が連結されている限り、伝播するものであって、受け入れ投入部48に隣接する払い出し通路42や、メダル貯め部44にも、略同様の振動を発生させ、振動の影響を及ぼすことができるものである。これにより、遊技メダルが、メダル貸し出し部25からメダル貯め部44へ払い出された(貸し出された)ときには、振動発生装置300による振動は発生しており、受け入れ投入部48及びその周辺の払い出し通路42やメダル貯め部44等にかかる振動が伝達されて、同様に振動を開始している。更に、駆動モータ55は起動されてあり、ベルト53は、既に定常回転で作動中である。このため、メダル貸し出し部25から払い出し通路42を介してメダル貯め部44へ大量の遊技メダルが払い出され(貸し出され)ても、払い出し通路42やメダル貯め部44は既に振動しており、複数の遊技メダルが組み合わさって固まるようなことを回避することができる。また、それに伴って、先頭の遊技メダルから順に、ベルト53で移送されることになり、遊技メダルがベルト53の一箇所に集中して溜まることを回避することができる。これにより、メダル詰まりの原因となる遊技メダルの一箇所への集中を回避することができ、メダル詰まりの発生を抑えることができる。
【0075】
そして、メダル貸し出し部25(具体的には、貸し出しメダル払い出し装置23)からの貸し出しが終了した後、予め定めた特定時間t1経過して、ベルト移送部200の移送及び振動発生装置300の作動を停止している。したがって、紙幣検知信号の入力から、貸し出し終了後の特定時間t1経過までの間だけ、ベルト移送部200のベルト53の移送及び振動発生装置300の作動をすることとなり、実質的に遊技メダルの投入期間だけ振動発生装置300を作動させ、同時にベルト53を作動させることなる。このため、遊技メダルの投入とは関係なく常時、別個独立に、振動発生装置300の作動や、ベルト移送部200のベルト53による移送を行っているようなものと比較して、消費電力を抑え、部品の消耗を抑えることができる。
【0076】
また、本形態では、メダル貸出機2の電源をオフ状態からオン状態にしたときから予め定めた特定時間t4まで、駆動制御手段280は、ベルト移送部200のベルト53を逆転させるとともに、振動発生装置300を作動させる。これにより、遊技ホールにおいて、電源をオフ状態にしていたときに、受け入れ投入部48や、ベルト53上に堆積したゴミや、移送されずに残っていた遊技メダル等を、開閉孔85へ移送させる。そして、排出機構80は、当該ベルト53が逆転するとともに振動発生装置300が作動している間、開閉孔85を開放する。このため、受け入れ投入部48内部やベルト53の上面から開閉孔85へ移送されたゴミや遊技メダル等は、開閉孔85の下のメダル取り出し皿90の内部の排出収納部93へ落下する。遊技ホールの管理者は、このメダル取り出し皿90内部の排出収納部93へ溜まったゴミ等を外部から簡単に回収することができる。これにより、遊技ホールの1日の営業を開始する朝、電源スイッチをオン状態にした際、受け入れ投入部48内部やベルト移送部200のベルト53上に溜まったゴミ等を、メダル取り出し皿90へ排出することができる。結果として、かかるゴミ等が、側方移送通路12や、この側方移送通路12を介してスロットマシン1のメダル投入口10等へ移送されたり、移送通路の途中で詰まるような不具合の発生を防止して、異常作動の原因を排除することができる。
【0077】
一方、メダル貸出機2の電源をオン状態からオフ状態にしたときから予め定めた特定時間t5まで、駆動制御手段280は、ベルト移送部200のベルト53を逆転させるとともに振動発生装置300を作動させる。これにより、遊技ホールにおいて、電源をオン状態にした稼働中に、受け入れ投入部48内部や、その周辺や、ベルト53上等に堆積したゴミや、故意に投入されたタバコの灰や吸い殻や、移送されずに残っていた遊技メダル等を、開閉孔85へ移送させる。そして、排出機構80は、当該ベルト53が逆転するとともに振動発生装置300が作動している間、開閉孔85を開放するため、開閉孔85へ移送されたゴミや遊技メダル等は、開閉孔85の下のメダル取り出し皿90の内部の排出収納部93へ落下する。遊技ホールの管理者は、このメダル取り出し皿90内部の排出収納部93へ溜まったゴミ等を外部から簡単に回収することができる。これにより、遊技ホールの1日の営業が終了した深夜、電源スイッチをオフ状態にした際、受け入れ投入部48内部や、その周辺や、ベルト移送部200のベルト53上に溜まったゴミ等を、メダル取り出し皿90へ排出することができる。結果として、かかるゴミ等が、側方移送通路12や、この側方移送通路12を介してスロットマシン1のメダル投入口10等へ移送されたり、移送通路の途中で詰まるような不具合の発生を防止して、異常作動の原因を排除することができる。
【0078】
(第2の形態)
図15は、第2の形態に係る振動発生装置を示す縦断面図である。
本形態に係る振動発生装置300は、第1の形態と同様に振動発生装置300自体が自ら振動するようなものではなく、リンク機構により、傾斜壁310を振動させるようにしたものである。その他の構成は、第1の形態と同一に形成されている。
具体的には、図15に示すように、回転体中心軸321の正面から向かって左側の端部に円板状のリンク円板500を形成する。なお、この回転体中心軸321の左右方向の長さは、第1の形態に係る回転体中心軸321よりも短くなるように形成されている。そして、このリンク円板500に回動可能に軸支したリンク棒材510の他方の端部を傾斜壁310に回動可能に軸支している。すなわち、伝達部600として、リンク円板500及びリンク棒材510を備えている。そして、モータ駆動軸57が回転して、振動用ベルト330を介して、回転体中心軸321が回転し、リンク円板500が回転する。このリンク円板500の回転に伴って、リンク棒材510が斜め上下方向に揺動することとなり、リンク棒材510に軸支された傾斜壁310も、揺動する。結果として、傾斜壁310を振動させることができる。これにより、第1の形態で説明したものと同様の作用及び効果を奏することができる。
【0079】
(第3の形態)
図16は、第3の形態に係る振動発生装置を示す縦断面図である。
本形態に係る振動発生装置300は、受け入れ投入部48の傾斜壁310に隣接して設けられるとともに、振動発生装置300自体が自ら振動するように形成されているものである。その他の構成は、第1の形態と同一に形成されている。
これは、振動発生装置300の自らの振動を、伝達部600としての伝達部材420により、受け入れ投入部48へ伝達することができて、受け入れ投入部48を振動させることができるようにした遊技メダルの一括投入装置を提供することを目的とするものである。
【0080】
本形態に係る振動発生装置300は、受け入れ投入部48の傾斜壁310に隣接して設けられるとともに、振動発生装置300自体が自ら振動するように形成され、振動発生装置300自らの振動を受け入れ投入部48に伝達するための伝達部材420を備えていることを特徴とする。
前記振動発生装置300は、図16に示すように、それ自信が自ら振動するものであって、回転体の回転中心軸が、その回転中心軸に垂直方向の断面の重心から偏った位置にある偏心回転体400を備えている。そして、伝達部600としての伝達部材420は、図16に示す棒状のものである。
更に、具体的に説明すると、図16に示すように、回転体中心軸321の正面から向かって左側の端部に偏心回転体400を固定している。この偏心回転体400は、その縦断面形状がだ円状であって、全体として棒状に形成されている。そして、この偏心回転体400は、この偏心回転体400の回転体中心軸321に対して直角方向の縦断面形状の重心と、回転体中心軸321の中心軸線とが、ずれるような位置関係になっている。すなわち、回転体中心軸321の中心軸が、偏心回転体400の縦断面の重心から一方に偏った位置を通るように形成されている。そして、回転体中心軸321の中心軸と、傾斜壁310との間には、両者を連結する棒状の伝達部600としての伝達部材420が形成されている。この伝達部材420の一方の端部は、回転体中心軸321の中心に回動可能に軸支されている。そして、伝達部材420の他方の端部は、傾斜壁310に回動可能に軸支されている。この伝達部材420は、振動発生装置300としての偏心回転体400の自らの振動を受け入れ投入部48の傾斜壁310へ伝達するためのものである。
【0081】
そして、本体ブロック41には、全体形状がだ円状であって、回転体中心軸321が入り込んで上下に揺動可能な形状の偏心軸孔410が形成されている。この偏心軸孔410は、長手方向である長軸が、モータ駆動軸57の中心からかかる長軸の中央に対して延ばした直線と直角に交わるように配置されている。そして、偏心軸孔410の短手方向である短軸の長さは、回転体中心軸321が回転可能にはまり込むことができるように、回転体中心軸321の直径より僅かに大きな長さに設定されてある。偏心回転体400が回転すると、偏心回転体400の重心が回転体中心軸321とずれていることにより、回転体中心軸321は、この上下方向に長く延びた偏心軸孔410の内部を上下に短いサイクルで移動を繰り返す。これにより、回転体中心軸321は、偏心軸孔410に沿って、その上下方向に振動する。
【0082】
なお、この偏心回転体400は、上述しただ円形状に限定されるものではなく、回転の中心軸が、縦断面形状の重心とずれた状態で、回転することによって、それ自身が自ら振動するものであれば良いものである。すなわち、偏心回転体400の回転の中心軸が、その偏心回転体400の回転の中心軸に垂直方向の断面の重心から偏った位置にあれば良いものである。
したがって、振動発生装置300としての偏心回転体400が回転することによって、振動発生装置300自体が、自ら振動する。そして、この振動発生装置300の自らの振動を、伝達部材420が受け入れ投入部48の傾斜壁310へ伝達する。これにより、傾斜壁310を壁回転軸312を回転の中心として、揺動させることができ、結果として、傾斜壁310を振動させることができる。これにより、第1の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の形態であって、メダル移送機構を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の形態であって、スロットマシン及びメダル貸出機を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の形態であって、メダル投入口及びメダル移送機構を示す拡大斜視図である。
【図4】本発明の第1の形態であって、一括投入装置を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の第1の形態であって、一括投入装置を示す縦断面斜視図である。
【図6】本発明の第1の形態であって、一括投入装置のカバー部材を開いた状態を示す部分外観斜視図である。
【図7】本発明の第1の形態であって、一括投入装置のカバー部材を開いた状態を示す部分縦断面図である。
【図8】本発明の第1の形態であって、一括投入装置のメダル取り出し皿を閉じた状態を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第1の形態であって、一括投入装置の詰まり解除ボタンを示す作動説明図である。
【図10】本発明の第1の形態であって、一括投入装置の開閉板を開いた状態を示す部分縦断面図である。
【図11】本発明の第1の形態であって、一括投入装置の作動状態を示す作動説明図である。
【図12】本発明の第1の形態であって、通路部を示す外観正面図である。
【図13】本発明の第1の形態であって、一括投入開口を示す外観斜視図である。
【図14】本発明の第1の形態であって、振動発生装置を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第2の形態であって、振動発生装置を示す縦断面図である。
【図16】本発明の第3の形態であって、振動発生装置を示す縦断面図である。
【図17】従来の形態であって、一括投入装置の漏斗状の受け入れ投入部で複数の遊技メダルが組み合わさってブリッジを形成している状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 スロットマシン 2 メダル貸出機
3 メダル移送機構 10 メダル投入口
11 上部投入開口 12 側方移送通路
13 前扉 14 図柄表示窓
15 下皿 16 操作部
20 外箱 21 紙幣投入口
22 紙幣カウンター 23 貸し出しメダル払い出し装置
24 紙幣センサー 25 メダル貸し出し部
30 本体カバー 31 一括投入開口
32 張り出し部 40 一括投入装置
41 本体ブロック 42 払い出し通路
43 移動調整弁 43A 回動板
43B 支持部 43C ストッパー
44 メダル貯め部 45 メダル戻り部
46 ピン 47 メダル排出部
48 受け入れ投入部 49 キャンセル開口
50 搬送装置 51 ローラー
51A 手前側ローラー 51B 奥側ローラー
52 逆転ローラー 53 ベルト
54 送出間隙 55 駆動モータ
56 伝達手段 57 モータ駆動軸
58 撹拌溝 60 投入口導入路
61 カバー部材 62 ベース部材
62A 湾曲部 63 ヒンジ
65 通路部 66 メダル排出口
67 メダル受け口 68 詰まりメダル排出口
80 排出機構 81 ソレノイド
82 開閉板 83 可動軸
84 固定軸 85 開閉孔
90 メダル取り出し皿 91 ケース
93 排出収納部 95 皿用ヒンジ
100 仕切棒 200 移送部
210 可視部 220 発光部
230 詰まり検知手段 231 通過センサー
240 回転表示部 241 青色発光部
242 赤色発光部 250 可動板
251 固定板 252 突出部
253 可動板回転軸 260 詰まり解除ボタン
271 落下孔 272 立設部
273 ベルト作動スイッチ 274 接触センサー
280 駆動制御手段 290 係止手段
291 係止部 292 非係止部
293 係止解除孔 294 差し込み片開口部
300 振動発生装置 310 傾斜壁
311 振動壁 312 壁回転軸
320 振動回転体 321 回転体中心軸
330 振動用ベルト 340 壁ストッパー
400 偏心回転体 410 偏心軸孔
420 伝達部材 500 リンク円板
510 リンク棒材 600 伝達部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技メダルを受け入れ可能な漏斗状の傾斜壁が設けられた受け入れ投入部と、
前記受け入れ投入部から投入された遊技メダルを受けて一時的に貯留するメダル貯め部と、
前記メダル貯め部に貯留した遊技メダルを前記メダル貯め部の外方へ移送するベルトを有する移送部とを備えた遊技メダルの一括投入装置であって、
前記受け入れ投入部の傾斜壁の一部を少なくとも振動可能な振動発生装置を備え、
前記振動発生装置は、前記移送部の前記ベルトを回転させるための駆動モータの回転駆動力から振動源を得ていることを特徴とする遊技メダルの一括投入装置。
【請求項2】
前記振動発生装置は、前記駆動モータの駆動に連動して、周期的な可動をするように形成され、
前記振動発生装置が可動することによって、かかる前記振動発生装置の可動を、前記受け入れ投入部に振動エネルギーとして伝達するための伝達部を備えたことを特徴とする請求項1記載の遊技メダルの一括投入装置。
【請求項3】
前記傾斜壁は、基端側を回動可能な壁回転軸で軸支されることにより、予め定められた範囲内で揺動可能に形成され、
前記振動発生装置に基づく周期的な可動を、前記伝達部を介して前記傾斜壁に伝達することにより、前記傾斜壁を揺動させて、前記傾斜壁に振動の動作をさせることを特徴とする請求項2記載の遊技メダルの一括投入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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