説明

遊技場の管理システム

【課題】遊技機に対する不正行為を防止する、或いは遊技者が18歳未満の場合には遊技を行えないようにすることで遊技場自体の健全化を図る。
【解決手段】遊技者170が遊技場に来店すると、認証装置71に住民台帳のICカード、運転免許証などの認証用カード176を挿入するか、暗証番号を入力することで管理用メダル175の貸し出しを行う。この際、認証用カード176を読み取ることで得られたデータから遊技者が18歳未満であると判定された場合や、入力された暗証番号が登録されていない暗証番号の場合には、管理用メダル175の貸し出しが行われない。この管理用メダル175をCRユニット60に設けられたメダル投入口から投入することで、CRユニット60に紙幣181やプリペイドカード182を挿入することができ、またパチンコ機12において遊技を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンが島設備に設置されたパチンコ店などの遊技場における管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機は、パチンコ店等の遊技場の島設備に設置されている。このようなパチンコ機で遊技を行う場合には、パチンコ機に対応して設けられたCR(カードリーダー)機にプリペイドカードを挿入する、或いはパチンコ機間に設置された球貸出し機や、スロットマシン間に設置されたメダル貸し出し機などに紙幣を投入することで、遊技の際に用いられるパチンコ球やメダルなどの遊技媒体の貸し出しが行われる。この遊技媒体の貸し出しを受けることにより、遊技者は遊技機における遊技を行うことができる。
【0003】
このような遊技機の中には、例えばプリペイドカードに前回の遊技時の残高情報や遊技状態の他に、遊技機の機種或いは遊技を行った日時などを書き込んでおき、次回の遊技の際には、これら情報を読み出した上で、前回の遊技状態から遊技を行えるようにすることが提案されている(特許文献1等)。また、この他に、紙幣などを投入することで、ICカードに記憶されたゲームトークンを増加させる際に、その履歴情報を記録しておき、ICカードに記憶されたゲームトークンが不正に増加された際に履歴情報を参照することで、不正の疑いのあるICカードの利用を阻止することも考案されている(特許文献2等)。
【特許文献1】特開2000−262725号公報
【特許文献2】特開平11−253652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなパチンコ店等の遊技場に設置されるパチンコ機やスロットマシンにおける遊技は、遊技者が18歳以上でないと遊技を行えないようになっている。しかしながら、年齢に関係なくパチンコ店などの遊技場に来店することができ、また紙幣を投入するだけで簡単に遊技を行うことができるという問題がある。また、例えば本人の氏名、住所及び連絡先などを登録用紙に記入してもらい、遊技場の会員登録をしてもらうことも考えられるが、この際、本人を確認するための身分証の提示を行わなくても済むため、登録用紙に記入される情報が偽造されるという問題がある。これによれば、会員情報や、遊技場に設置された監視カメラの映像から不正を行った遊技者を特定しようとしても曖昧な情報しか得ることができず、結果的に不正を行った遊技者を特定するのが難しいという問題がある。このように、遊技者が18歳未満でも遊技が行え、また不正行為が行われても不正を行った遊技者を特定することができないことから、結果的に遊技場自体の健全化を図ることが難しいというのが実情である。
【0005】
また、上述したように、遊技場に設置される遊技機の遊技履歴や、開店時の売り上げはホールコンピュータで管理していることが多い。この場合、遊技機1台の遊技履歴や、開店時の遊技機1台、又は遊技場全体の売り上げを管理することができるが、ある遊技者が遊技を開始した時間や遊技を終了した時間を管理する、又は遊技を行ったときの遊技履歴や遊技における投資金額は管理することが難しいため、結果的に遊技者毎のデータ管理を行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、遊技機に対する不正行為を防止する、或いは遊技者が18歳未満の場合には遊技を行えないようにすることで遊技場自体の健全化を図れるようにするとともに、遊技場に来店する遊技者1人1人の遊技に関与するデータを集計することができるようにした遊技場の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の遊技場の管理システムは、島設備に設置される複数の遊技機と、前記複数の遊技機に対応して設けられ、遊技を行う際に紙幣やカードなどを挿入することで、前記遊技機において使用される遊技媒体の貸し出しを行う貸し出し機と、前記複数の遊技機、又は貸し出し機から出力される情報を管理する管理装置と、を備えた遊技場の管理システムにおいて、前記複数台の遊技機は、遊技を行う際の認証によって貸し出される管理用媒体が投入されることで遊技を行うことが可能となるようにそれぞれ構成されており、前記複数台の遊技機、又は貸し出し機のいずれか一方に、前記管理用媒体を投入する媒体投入口と、前記媒体投入口から投入された前記管理用媒体に記憶された情報の読み取りを行う情報読取部と、を設け、前記管理装置は、前記管理用媒体から読み出された情報と、前記遊技機における遊技履歴とを関連付けて管理することを特徴とする。
【0008】
また、前記遊技機による遊技を終了する際に操作される操作部を備え、前記管理装置は、前記媒体投入口に管理用媒体が投入されてから、前記操作部が操作されるまでの遊技履歴を前記管理用媒体から読み出された情報と関連付けて管理することを特徴とする。
【0009】
また、前記複数台の遊技機、又は貸し出し機のいずれかに設けられた前記媒体投入口から投入された前記管理用媒体を保持する媒体保持部と、前記管理用媒体が媒体投入口から投入されてから、前記操作部が操作されるまでの遊技機における遊技履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された遊技履歴を前記管理用媒体に書き込む情報書込部とを設けるとともに、前記情報書込部によって遊技履歴が書き込まれた管理用媒体を回収するとともに、回収された管理用媒体に記憶された情報を読み出す情報読み出し部を備えた回収装置を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技場の管理システムによれば、本発明の遊技場の管理システムは、島設備に設置される複数の遊技機と、前記複数の遊技機に対応して設けられ、遊技を行う際に紙幣やカードなどを挿入することで、前記遊技機において使用される遊技媒体の貸し出しを行う貸し出し機と、前記複数の遊技機、又は貸し出し機から出力される情報を管理する管理装置と、を備えた遊技場の管理システムにおいて、前記複数台の遊技機は、遊技を行う際の認証によって貸し出される管理用媒体が投入されることで遊技を行うことが可能となるようにそれぞれ構成されており、前記複数台の遊技機、又は貸し出し機のいずれか一方に、前記管理用媒体を投入する媒体投入口と、前記媒体投入口から投入された前記管理用媒体に記憶された情報の読み取りを行う情報読取部と、を設け、前記管理装置は、前記管理用媒体から読み出された情報と、前記遊技機における遊技履歴とを関連付けて管理するから、遊技場に来店する遊技者のうち、例えば18歳未満の遊技者が遊技を行うことができないようにすることができる。また、遊技機における遊技において不正な行為が行われた場合に、遊技者を特定することができるので、不正行為を抑制することができる。これにより、遊技場の健全化を図ることができる。また、遊技者の情報と、遊技者が遊技を行った際の遊技履歴とを遊技者毎に管理することができる。
【0011】
また、前記遊技機による遊技を終了する際に操作される操作部を備え、前記管理装置は、前記媒体投入口に管理用媒体が投入されてから、前記操作部が操作されるまでの遊技履歴を前記管理用媒体から読み出された情報と関連付けて管理するから、遊技が遊技時間や、来店周期などの管理を行うことができる。
【0012】
また、前記複数台の遊技機、又は貸し出し機のいずれかに設けられた前記媒体投入口から投入された前記管理用媒体を保持する媒体保持部と、前記管理用媒体が媒体投入口から投入されてから、前記操作部が操作されるまでの遊技機における遊技履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された遊技履歴を前記管理用媒体に書き込む情報書込部とを設けるとともに、前記情報書込部によって遊技履歴が書き込まれた管理用媒体を回収するとともに、回収された管理用媒体に記憶された情報を読み出す情報読み出し部を備えた回収装置を設けたから、管理装置と、遊技機及び貸し出し機とを接続しなくても遊技者毎の情報管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に示すように、遊技場10には島設備11が複数設けられることによって、遊技場10のフロアが区画されている。詳細は記載しないが、これら島設備11の間には、遊技者や遊技場10の従業員が歩行でき、且つ遊技者が遊技を行うのに充分な空間が確保されている。この島設備11には、例えば10台のパチンコ機(遊技機)12が設置されている。各パチンコ機12は、正面を向いた状態で横一列に並べられた状態となっている。各パチンコ機12には、例えば台番号A〜Jが付与されており、この台番号A〜Jによって各々のパチンコ機12が個別に識別される。この島設備11では、例えば台番号Eのパチンコ機12と、台番号Fのパチンコ機12とが仕切壁11aによって仕切られている。
【0014】
図2に示すように、島設備11に設置されるパチンコ機12は、基体となる本体部材30と、この本体部材30の前面上部に組み付けられる回動自在な前面扉ユニット31と、本体部材30の前面下部に組み付けられる下部ユニット32とから構成される。前面扉ユニット31は、その中央が開口された枠部35と、この枠部35の裏面側に組み付けられ、開口35aを遮蔽するガラス等の透光性を有する部材とから構成されている。なお、前面扉ユニット31が閉じている状態では、遊技の際に遊技領域40を流下する遊技球や、遊技領域40に設けられた構造物は、上記開口35aを遮蔽するガラス(図示せず)を介して視認される。なお、符号36は、本体部材30を遊技場等に固定するための固定枠である。
【0015】
前面扉ユニット31のガラスを介して視認される遊技領域40の略中央には、センター役物41と呼ばれる構造物が設けられている。このセンター役物41の略中央からは、図柄表示装置の表示画面42が露呈されている。このセンター役物41の周縁部には、障害釘や、風車などの構造物が配設されている。また、この他に、遊技領域40には、始動チャッカー43、入賞チャッカー44等の入賞装置等の構造物が配設されている。なお、これら入賞装置については周知であるので、その詳細については省略する。また、遊技領域40には、これら入賞装置の他に、アタッカ45と呼ばれる入賞装置が配設されている。アタッカ45は、例えば始動チャッカー43に遊技球が入賞したときに行われる移行抽選で大当たりとなる場合に、開閉動作が行われる。なお、符号46はアウト口である。
【0016】
下部ユニット32は、供給皿(受け皿)50、装飾パネル51、操作ハンドル52を備えている。供給皿50は、遊技を開始する場合や、遊技領域40を流下する遊技球が、遊技領域40に設けられた入賞装置のいずれかに入賞したときに払い出される遊技球を受容する。なお、符号53は払出し口であり、この払出し口53を介して遊技球が払い出される。装飾パネル51は、パチンコ機12のイメージを示すキャラクターやデザイン、或いは文字などが施されている。
【0017】
操作ハンドル52は、遊技を行う際に操作される。この操作ハンドル52を操作すると図示しない発射装置が駆動し、遊技球の打ち出しが開始される。なお、発射装置における遊技球の打ち出し強さは、操作ハンドル52の操作量に応じて変化する。下部ユニット32であって、装飾パネル51の情報となる箇所には、遊技球の貸し出しを行う際に操作される貸し球ボタン54と、遊技を終了する際に操作される遊技終了ボタン55が設けられている。
【0018】
貸し球ボタン54は、後述するCRユニット60のカード挿入口62から残り度数があるプリペイドカードが挿入された場合や、紙幣挿入口61から紙幣181(図5参照)が投入されることでその操作が有効となる。この状態で貸し球ボタン54が操作されると、パチンコ機12に設けられた払出装置89(図3参照)が駆動し、CRユニット60にて設定された度数分の遊技球を供給皿50に払い出す。
【0019】
遊技終了ボタン(操作部)55は、パチンコ機12における遊技を終了させる際に操作されるボタンである。この遊技終了ボタン55が操作されると、パチンコ機12における遊技の実行ができなくなる。
【0020】
CRユニット(貸し出し機)60は、パチンコ機12における遊技を行う際に、遊技球の貸し出しを行う為に設けられている。このCRユニット60は、島設備11に設置される各パチンコ機12に対応して設置される。このCRユニット60は、その前面60aに、紙幣挿入口61、カード挿入口62、メダル投入口(媒体投入口)63、及び表示部64を備えている。紙幣挿入口61からは、例えば1千、或いは1万円札が挿入可能となる。
【0021】
カード挿入口62は、プリペイドカード182(図5参照)が挿脱自在に挿入される。カード挿入口62から装入されたプリペイドカード182は、CRユニット60の内部に設けられたカードリーダライタ110(図3参照)にセットされる。このプリペイドカード182には、金額相当する度数が記憶されており、例えば1千、2千、3千、5千、1万円の金額に相当する度数のいずれかが記録されている。例えば1千円に相当する度数は「10」である。なお、このプリペイドカード182は遊技場に設けられた販売機で販売されている。本実施形態では、カード挿入口62から装入されるカードとしてプリペイドカード182としているが、これに限定される必要はなく、プリペイドカード182の他に、遊技場にて登録することで得られる会員カードを挿入できるようにしてもよい。
【0022】
メダル投入口63は、後述する認証装置71によって遊技者が特定された(認証された)場合、払い出される管理用メダル(管理用媒体)175(図5参照)を投入するために設けられている。この管理用メダル175をメダル投入口63から投入することで、CRユニット60において紙幣181やプリペイドカード182の挿入が可能となり、またパチンコ機12における遊技が可能となる。なお、表示部64は、プリペイドカード182から読み出された度数、或いは挿入された紙幣181に対する度数、つまり残り度数を表示する他に、貸し球ボタン54を1回操作したときに消費される度数が表示される。なお、貸し球ボタン54を一回操作することで、表示される残り度数の表示が減算表示されていき、例えば残り度数が「0」になると、遊技球の貸し出しを受けることができなくなる。
【0023】
図3、及び図4は、遊技場の管理システムを示す機能ブロック図である。なお、図3では、パチンコ機12及びCRユニット60の電気的構成を詳細に示すものであり、また、図4では、認証装置71及びホールコンピュータ72の電気的構成を詳細に示すものである。なお、パチンコ機12については、本発明に関する箇所についてのみ示してある。遊技場10の管理システム70は、島設備11に設置される複数台のパチンコ機12、各パチンコ機12に対応して設置されるCRユニット60、認証装置71、及びホールコンピュータ72及びメダル回収装置73から構成されており、ホールコンピュータ72に対して、複数台のパチンコ機12、CRユニット60、認証装置71及びメダル回収装置73が電気的に接続されている。
【0024】
パチンコ機12は、パチンコ機12における遊技制御を実行する遊技制御装置75を備えている。この遊技制御装置75は、CPU76、ROM77、RAM78を備えている。CPU76は、ROM77に記憶された遊技制御プログラム79を実行することで、パチンコ機12の遊技制御を行う。
【0025】
ROM77には、上述した遊技制御プログラム79の他に、遊技管理プログラム80や払出数データテーブル81が記憶されている。遊技管理プログラム80は、パチンコ機12にて遊技が行える状態(以下、遊技可能状態)と、遊技を行えない状態(以下、遊技不可状態)との間で切り替えるためのプログラムである。この遊技管理プログラム80は、パチンコ機12に給電が行われることで実行され、この遊技管理プログラム80が実行されると、パチンコ機12は遊技不可状態に設定される。そして、CRユニット60から遊技許可信号が入力されると、パチンコ機12の状態が、遊技不可状態から遊技可能状態に切り替わる。また、遊技可能状態で遊技終了ボタン55が操作されると、パチンコ機12の状態が、遊技可能状態から遊技不可状態に切り替えられる。
【0026】
払出数データテーブル81は、遊技球が入賞したときに払い出される遊技球の払い出し数のデータが、各入賞球検知センサに対応して設けられたテーブルデータから構成される。また、この払出数データテーブル81には、貸球スイッチセンサ91からの貸し球信号が出力されたときに払い出される遊技球の払い出し数のデータを備えている。
【0027】
RAM78は、CPU76によって遊技制御プログラム79や遊技管理プログラム80が実行されたときに発生する変数等のデータや、遊技履歴、或いは大当たりか否かの移行抽選で用いられる乱数データやフラグデータなどが一時的に記憶される。
【0028】
信号送信部82は、ホールコンピュータ72の信号受信部160、及びCRユニット60と電気的に接続されており、例えば大当たり回数、払い出し数等の遊技履歴データをCRユニット60及びホールコンピュータ72に送信するために設けられている。また、信号受信部83は、CRユニット60と電気的に接続されており、CRユニット60からの遊技許可信号が受信される。
【0029】
この遊技制御装置75は、入賞球検知センサ85、始動入賞球検知センサ86、大入賞球検知センサ87と接続されている。入賞球検知センサ85は、入賞チャッカー44の内部に設けられており、入賞チャッカー44に入賞した遊技球が検知されると、その検知信号(入賞信号)が遊技制御装置75のCPU76に出力される。これを受けて、CPU76は、ROM77に記憶された払出数データテーブル81から、実際に払い出しを行う遊技球の払出数データを読み出して、その払出数データを払出回路88に出力する。これを受けて、払出回路88は払出装置89を駆動させ、遊技球の払い出しを実行させる。
【0030】
始動入賞球検知センサ86は、始動チャッカー43の内部に設けられており、始動チャッカー43に入賞した遊技球が検知されると、その検知信号(始動入賞信号)が遊技制御装置75のCPU76に出力される。また、大入賞球検知センサ87は、アタッカ45の内部に設けられており、アタッカ45に入賞した遊技球が検知されると、その検知信号(大入賞信号)が遊技制御装置75のCPU76に出力される。これら検知センサから検知信号が出力されると、CPU76は、ROM77に記憶された払出数データテーブル81から、実際に払い出しを行う遊技球の払出数データを読み出して、その払出数データを払出回路88に出力する。これを受けて、払出回路88は払出装置89を駆動させる。
【0031】
払出球検知センサ90は、払出装置88が駆動することによって払い出される遊技球を検知する。この払出球検知センサ90によって払い出される遊技球が検知されると、その検知信号(払出信号)が、払出回路88と遊技制御装置75とに出力される。払出回路88には、図示しないカウンタが設けられており、払出球検知センサ90からの払出信号が出力されるたびに、その出力数をカウントする。払出回路88には予め遊技制御装置75から払出数データが入力されているから、カウンタのカウント値が、払出数データに到達した場合には、払出回路88は、払出装置89の駆動を停止させる。また、同様にして遊技制御回路75のCPU76は、図示しないカウンタを備えており、払出球検知センサ90からの払出信号がカウントされる。なお、遊技制御回路75のCPU76に向けて払出信号が出力される理由としては、例えば大当たり状態中の各ラウンドを終了させるタイミングを計ることが挙げられる。
【0032】
貸し球スイッチセンサ91は、貸し球ボタン54の内部に設けられており、貸し球ボタン54が押圧操作されることでオンとなり、そのオン信号(以下、貸し球信号)が遊技制御装置75とCRユニット60とに出力される。例えば貸し球信号が遊技制御装置75のCPU76に入力されると、CPU76は払出数データテーブル81から払出数データを読み出して、払出回路88に出力する。これを受けて、払出回路88は払出装置89を駆動させ、遊技球の払い出しを行う。これにより、度数分の遊技球が供給皿50に払い出される。
【0033】
終了スイッチセンサ92は、遊技終了ボタン55の内部に設けられており、遊技終了ボタン55が押圧操作されることでオンとなり、そのオン信号(遊技終了信号)が遊技制御装置70とCRユニット60とに出力される。例えば、この遊技終了信号が遊技制御装置70に出力されると、CPU76は遊技管理プログラム80によって、パチンコ機12の状態を遊技可能状態から遊技不可状態へと切り替える。
【0034】
CRユニット60は、CPU95、ROM96及びRAM97を備えた構成からなる。CPU95は、ROM96に記憶された駆動管理プログラム98を実行することで、CRユニット60の各部の駆動制御を行う。
【0035】
例えば、上述した貸し球スイッチセンサ91からの貸し球信号が入力されると、CPU95は、RAM97に記憶された度数から、貸し球信号の出力数に応じた度数を減算し、RAM97に上書きする。また、このCRユニット60には、パチンコ機12の遊技制御装置70から大当たり回数、払出数等の遊技履歴データが入力されるので、CPU95は、入力された遊技履歴データを新たな遊技履歴データとして、RAM97に記憶する。さらに、終了スイッチセンサ92からの終了信号がCPU95に入力されると、CPU95は、後述するメダルリーダライタ112を駆動させるとともに、RAM97に記憶された遊技履歴データの読み出しを行った後に、読み出した遊技履歴データをメダルリーダライタ112に出力する。その後、メダルリーダライタ112によってこれらデータが管理用メダル175に書き込まれると、メダル保持機構113を駆動して管理用メダル175の保持を解除する。これら処理の後、CPU95は、紙幣挿入部100、カード投入部101の駆動を無効にする。以下では、この状態を投入不可状態として説明する。
【0036】
このCRユニット60は、紙幣挿入部100、カード挿入部101、メダル投入部102を備えている。紙幣挿入部100は、挿入検知センサ107、リーダー108を備えている。挿入検知センサ107は、紙幣挿入口61から紙幣181が投入されたことを検知するために設けられている。また、リーダー108は、挿入検知センサ107からの検知信号を受けて作動し、挿入された紙幣181の真贋判定、及び挿入された紙幣181の種類を読み取る。このリーダー108による読み取りの際に、投入された紙幣181が偽造された紙幣、或いは紙幣と異なるものであると判定された場合には、紙幣投入口61から戻される。一方、投入された紙幣181が正規の紙幣である場合には、図示しない紙幣回収装置によって回収される。なお、投入された紙幣181が正規の紙幣である場合には、リーダー108に読み取られた紙幣181の種類を示すデータがCPU95に出力されるので、CPU95は投入された紙幣181に合わせた度数をRAM97に一時記憶させるとともに、表示部64に表示する。
【0037】
カード挿入部102は、挿入検知センサ109と、カードリーダライタ110とを備えている。挿入検知センサ109は、カード挿入口62から挿入されたプリペイドカード182を検知し、その検知信号をCPU95に出力する。これを受けて、CPU95はカードリーダライタ110を作動させ、挿入されたプリペイドカード182に記憶された度数データを読み出す。この読み出しを行った後、残り度数を表示部64に表示する。また、貸球スイッチセンサ91からの貸し球信号が入力されるたびに、CPU95はカードリーダライタ103を作動させ、プリペイドカード182に減算された度数を書き込む。
【0038】
メダル投入部102は、投入検知センサ111、メダルリーダライタ112及びメダル保持機構113を備えている。投入検知センサ111は、メダル投入口63から投入された管理用メダル175を検知するために設けられている。この投入検知センサ111からの検知信号を受けると、CPU95は、メダル保持機構113を駆動させ、投入された管理用メダル175の保持を実行させた後、メダルリーダライタ112を駆動させる。
【0039】
メダルリーダライタ(情報読取部、情報書込部)112は、管理用メダル175に設けられた記憶部175a(図5参照)に記憶された遊技者を特定する情報(遊技者特定データ)を読み出して、CPU95に出力する。CPU95は時計機能を備えており、CPU95に遊技者特定データが入力されると、CPU95は、メダルリーダライタ112によって管理用メダル175の情報が読み出された時間を遊技開始時間データとして遊技者特定データとともにRAM97に記憶する。また、CPU95は、遊技者特定データと予め記憶されたパチンコ機12の台データとをホールコンピュータ72に出力する。
【0040】
さらに、終了スイッチセンサ82からの終了信号がCPU95に出力された時にもメダルリーダライタ112が駆動される。このとき、CPU95は、終了信号が出力された時間を遊技終了時間としてRAM97に記憶した上で、RAM97に記憶された遊技履歴データ、遊技開始時間データ及び遊技終了時間データを、メダル保持機構113によって保持された管理用メダル175の記憶部175a(図5参照)に書き込む。
【0041】
メダル保持機構(媒体保持部)113は、投入検知センサ111によって管理用メダル175が検知されたことを受けて、投入された管理用メダル175を所定位置に保持する。なお、所定位置とは、メダルリーダライタ112によって、管理用メダル175の記憶部175aに記憶されたデータを読み出せる、又は管理用メダル175の記憶部175aにRAM97に記憶されたデータを書き込める位置である。また、メダルリーダライタ112によって、管理用メダル175の記憶部175aに各データが記憶されると、メダル保持機構113は管理用メダル175の保持を解除し、管理用メダル175をメダル回収装置73に向けて排出する。
【0042】
認証装置71は、遊技場に来店する遊技者が遊技を行う際に管理用メダル175の貸し出しを行う際に用いられる装置である。この認証装置71は、CPU121、ROM122及びRAM123を備えた制御装置120を備え、この制御装置120によって各部が制御される。CPU121は、ROM122に記憶された認証プログラム125を読み出すことによって、例えばカード挿入口180(図5参照)に挿入された認証用カード176(図5参照)から得られるデータを用いて、管理用メダル175の貸し出しを行うか否かを判定する。また、入力操作部131によって入力された暗証番号から、管理用メダル175の貸し出しを行うか否かを判定する。RAM123は、CPU121が認証プログラム125を実行することで算出されるデータや、ホールコンピュータ72から送信されたデータなどが一時記憶される。また、ホールコンピュータ72から送信された暗証番号リストデータが上書きされることによって更新される。
【0043】
信号送信部127は、例えばカード挿入部130に認証用カード176が挿入された場合であって、且つ管理用メダル175の貸し出しを行う判定がCPU121によってなされた場合に、ホールコンピュータ72に暗証番号の発行を指示する旨の信号(以下、発行指示信号)を送信する。同時に、認証用カード176から得られたデータを遊技者データとしてホールコンピュータ72に送信する。また、入力操作部131によって入力された暗証番号によって管理用メダル175の貸し出しを行う判定がされた場合には、暗証番号データをホールコンピュータ72に送信する。
【0044】
信号受信部128は、ホールコンピュータ72によって新たに発行された暗証番号データが受信される。また、この他に、ホールコンピュータ72のデータベース163に登録された暗証番号リストを示す暗証番号リストデータを受信する。また、暗証番号を入力し管理用メダル175の貸し出しを行う場合には、ホールコンピュータ72から暗証番号データに対応する遊技者特定データが認証装置71に送信されるので、この遊技者特定データが信号受信部128によって受信される。
【0045】
この制御装置120には、カード挿入部130、入力操作部131、表示部132、プリンタ133、データ書き込み部134及び払い出し部135が接続される。カード挿入部130は、例えば住民基本台帳のICカード、運転免許証、或いはクレジットカードなど、遊技者本人が特定できる認証用カード176が挿入される。このカード挿入部130は、挿入検知センサ140、リーダー141を備えている。
【0046】
挿入検知センサ140は、認証用カードが挿入されたことを検知し、その検知信号をCPU121に出力する。この検知信号を受けて、CPU121は、リーダー141を作動させる。リーダー141は、認証用カード176に記憶されているデータを読み出しを行う。なお、この認証用カードから読み取られたデータはRAM122に記憶される。このRAM122に記憶されたデータを用いて、CPU121は管理用メダル175の貸し出しを行うか否かを判定する。
【0047】
入力操作部131は、暗証番号の入力の際や、表示部に表示された項目を選択する際に操作される。この入力操作部131としては、テンキーやタッチパネルなどが挙げられる。この入力操作部131によって例えば暗証番号が入力されると、その暗証番号を示す暗証番号データがRAM123に記憶される。表示部132は、暗証番号の入力操作の表示や、選択項目の表示などが行われる。
【0048】
プリンタ133は、暗証番号が発行された場合に、該暗証番号をプリントアウトするために設けられている。データ書き込み部134は、管理用メダル175に設けられた記憶部175aに遊技者データに対応して設けられた遊技者特定データを書き込むために設けられている。払い出し部135は、データ書き込み部134によって遊技者特定データが記憶された管理用メダル175を払い出す。
【0049】
ホールコンピュータ(管理装置)72は、上述したように、遊技場10の島設備11に設置されるパチンコ機12、CRユニット60及び認証装置71とそれぞれ電気的に接続されており、これら装置を統括的に管理する。このホールコンピュータ72は、CPU150、ROM151及びRAM152を備えている。CPU150は、ROM151に記憶された情報管理プログラム155を読み出して、入力される各種データを管理する。
【0050】
信号受信部160はパチンコ機12の遊技制御装置70の信号送信部74と電気的に接続されており、信号送信部82から送信される遊技履歴データを受信する。また、この信号受信部160は、CRユニット60とも電気的に接続されており、CRユニット60から出力される各種データを受信する。CRユニット60から出力される各種データには、遊技者特定データと台データとがあり、これらデータと、パチンコ機12の遊技制御装置75から送信された遊技履歴データとから、不正が行われているか否か、或いは不正が行われている場合には、不正が行われたパチンコ機12と遊技者とを特定し、表示装置162に表示する。
【0051】
また、信号受信部160は、認証装置71と接続されており、この認証装置71から発行信号や、認証装置73から送信された暗証番号データが受信される。
【0052】
また、信号受信部160は、メダル回収装置73と電気的に接続されており、このメダル回収装置73に設けられたリーダー165によって読み取られた遊技者特定データ、遊技履歴データ、遊技開始時間データ及び遊技終了時間データなどのデータが受信される。なお、CPU150は、メダル回収装置73から送信されたデータをRAM152に一時記憶した上で、データベース163を更新処理する。なお、データベース163は、例えば遊技履歴が遊技者毎にまとめられたデータ、或いは各パチンコ機における遊技履歴や、遊技を行った遊技者の統計などのデータ及び遊技場の開店から閉店までの売り上げなどの管理データから構成される。
【0053】
信号送信部161は、新たに発行された暗証番号データや、暗証番号データに基づいた遊技者特定データを認証装置71に送信する。また、この他に、CPU150によって暗証番号リストデータの更新処理が行われた場合には、更新処理された暗証番号リストデータを認証装置71に送信する。
【0054】
メダル回収装置(回収装置)73は、管理用メダル175を回収するために設けられている。このメダル回収装置73は、リーダー(情報読み出し部)165を備えており、回収される管理用メダル175の記憶部175aに書き込まれた各種データを読み出して、ホールコンピュータ72に送信する。なお、図示はしていないが、リーダー165によって各種データが読み取られると、管理用メダル175の記憶部175aに書き込まれているデータが初期化される。
【0055】
次に、本実施形態の作用について図5の説明図、図6及び図7に示すフローチャートを用いて説明する。遊技者170が遊技を行うために、遊技場10に来店すると、まず管理用メダル175の貸し出しを行う。この管理用メダル175の貸し出しは、認証装置71を用いて行われる。図5(A)に示すように、遊技者170が初めて遊技場に来店した場合には、住民台帳のICカード、運転免許証、或いはクレジットカードなど、本人を特定できる認証用カード176を認証装置71のカード挿入口180から挿入する。この挿入によって認証用カード176から遊技者を特定するデータの読み取りを行った後、管理用メダル175の貸し出しを行うか否かの判定が行われる。この判定は、例えば生年月日から得られる年齢に基づいて行われる。例えば18歳以上である場合には暗証番号が発行され、プリンタ133によって暗証番号がプリントされ排出される。暗証番号がプリントされると、認証装置71から遊技者特定データが記憶部175aに書き込まれた管理用メダル175が払い出される。これにより、遊技者は暗証番号がプリントされた用紙と、管理用メダル175とを持って島設備11に設置されたパチンコ機12を選択することになる。一方、18歳未満である場合には、暗証番号の発行、及び管理用メダル175の払い出しが行われない。これにより、18歳未満の遊技者には、遊技を行うことができない。
【0056】
また、以前に遊技場に来店して遊技を行った遊技者170の場合には、認証装置71の入力操作部131を操作して、暗証番号の入力を行う。認証装置71では、入力された暗証番号データとRAM123に記憶された暗証番号リストデータとから、入力された暗証番号データが暗証番号リストデータに登録されているか否かを判定する。例えば入力された暗証番号データが登録された暗証番号データである場合には、暗証番号データがホールコンピュータ72に送信される。これを受けて、ホールコンピュータ72は、暗証番号データに対応する遊技者特定データをデータベース163から読み出した後、該遊技者特定データを認証装置71に送信する。認証装置71が遊技者特定データを受信すると、データ書き込み部134によって該遊技者特定データが管理用メダル175の記憶部175aに書き込まれる。この書き込みの後に、遊技者特定データが記憶された管理用メダル175が払い出される。一方、暗証番号リストデータに登録されていない暗証番号を入力した場合や、既に貸し出し中の管理用メダル175の暗証番号を入力した場合には、管理用メダル175の貸し出しは行われない。これによれは、不正に他の客の暗証番号の使用を防止することができる。なお、暗証番号を忘れた場合には、遊技場10の店員に申し出て、暗証番号を再発行してもらう。
【0057】
図5(B)に示すように、管理用メダル175が貸し出されると、遊技者170は、その管理用メダル175を持って、遊技を実行するパチンコ機12を選択し、CRユニット60に設けられたメダル投入口63から管理用メダル175を投入する。これを受けて、CRユニット60が紙幣181やプリペイドカード182などを挿入することができない、つまり挿入不可状態から、紙幣181やプリペイドカード182の挿入が可能となる、つまり挿入待機状態となる。なお、管理用メダル175をCRユニット60のメダル投入口63から投入すると、管理用メダル175はメダル保持機構113によってCRユニット60の内部に保持される。また、CRユニット60は、メダル保持機構113によって保持された管理用メダル175の記憶部175aに記憶された遊技者特定データと、パチンコ機12の台番号を示す台データとをホールコンピュータ72に送信するとともに、遊技許可信号をパチンコ機12に送信する。これを受けて、パチンコ機12の状態が遊技不可状態から遊技可能状態へと切り替わる。これにより、遊技者は、CRユニット60の紙幣挿入口61から紙幣181を挿入する、或いはカード挿入口62からプリペイドカード182を挿入した後、貸し球ボタン54を操作して遊技球の貸し出しを行う。貸し球ボタン54の操作を受けて、パチンコ機12の払出装置89が駆動し、貸し出される遊技球が供給皿50に排出される。その後、遊技者70は操作ハンドル52を操作して遊技球の打ち出しを行うことで遊技が実行される。
【0058】
この遊技が実行されている際に、遊技球の払い出し数や大当たり回数などの遊技履歴を示す遊技履歴データが、パチンコ機12からCRユニット60及びホールコンピュータ72へと送信される。なお、遊技中にホールコンピュータ72に遊技履歴データが出力されることで遊技中に不正行為が行われているか否か、或いは不正が行われていると判断された場合には、遊技者特定データや台データを参照して、パチンコ機12の台番号や遊技者を特定することができる。これにより、これらデータによって、不正行為が行われたことを示す明確な証拠を得ることができる。
【0059】
遊技者170が遊技を終了する場合には、パチンコ機12に設けられた遊技終了ボタン55を操作する。この遊技終了ボタン55を操作すると、パチンコ機12の状態が、遊技可能状態から遊技不可状態になる。また、遊技終了ボタン55の操作が行われると、CRユニット60は、紙幣181やプリペイドカード182の挿入可能な状態(挿入待機状態)から挿入不可状態となる。また、CRユニット60においては、メダル保持機構113によって保持された管理用メダル175の記憶部175aに、遊技履歴を示す遊技履歴データや、遊技開始時間や遊技終了時間を示すデータが書き込まれる。これらデータが書き込まれた後、メダル保持機構113による管理用メダル175の保持が解除され、メダル回収装置73へと回収される。
【0060】
管理用メダル175がメダル回収装置73によって回収されると、メダル回収装置73に設けられたリーダー165によって、管理用メダル175の記憶部175aに記憶されたデータが読み取られていく。そして読み取られたデータがホールコンピュータ72に送信される。ホールコンピュータ72は、これらデータを用いてデータベース163に更新処理を行う。これにより、例えば遊技履歴データを遊技者毎に管理することができる。なお、遊技者が遊技を行うパチンコ機を変える場合には、再度認証装置において管理用メダル175の貸し出しを受ける必要がある。
【0061】
本実施形態では、遊技終了ボタンを操作したときに管理用メダルに遊技履歴データを記憶させ、管理用メダルをメダル回収装置にて回収したときに、管理用メダルに記憶されたデータを読み出してホストコンピュータに送信するようにしているが、これに限定する必要はなく、例えば、パチンコ機から送信される遊技履歴データを用いて遊技者毎のデータをまとめることで管理することも可能である。この場合、本実施形態との違いは、CRユニットにおいて管理用メダルへ遊技履歴データの書き込みを行わないことと、メダル回収装置において管理用メダルに記憶されたデータの読み取りを行わないことである。以下では、本実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。この場合、図8に示すように、例えば管理用メダル175をCRユニット60に投入したときに、管理用メダル175に記録されている遊技者特定データの読み出しを行った後、管理用メダル175をメダル回収装置73へと回収する。また、CRユニット60では、読み出された遊技者特定データと、管理用メダル175が投入されたCRユニット60に対応するパチンコ機12の台データとをホストコンピュータ72に送信する。ホストコンピュータ72にはパチンコ機12から遊技履歴を示す遊技履歴データが送信されているから、ホストコンピュータ72は遊技者特定データ、台データ及び遊技履歴データを関連付けたデータを作成しRAM152に記憶する。そして、新たなデータが入力されたときにRAM152に記憶されたデータを更新処理する。この場合、遊技終了ボタン55が操作されたときに、遊技終了信号をパチンコ機12からホストコンピュータへ72と送信するようにし、遊技終了信号が出力した時点で、ホストコンピュータ72はRAM152に記憶されたデータをデータベース163に登録することで、データベース163を更新する。
【0062】
本実施形態では、パチンコ機からホールコンピュータに直接遊技履歴データを送信している実施形態としているが、これに限定する必要はなく、パチンコ機からホールコンピュータへ遊技履歴データの送信は行わないようにすることも可能である。
【0063】
本実施形態では、遊技を終了した場合に、管理用メダルをメダル回収装置に直接回収する形態としているが、これに限定する必要はなく、管理用メダルに遊技履歴を書き込んだ後、遊技者に返還する形態であっても良い。この場合、図示はしないが、例えばCRユニットに払い出し口を設け、遊技終了ボタンを操作した場合に、管理用メダルを払い出し口に排出する。遊技者は、払い出された管理用メダルを持って、他のパチンコ機に移動し、管理用メダルをCRユニットのメダル投入口に投入する。これにより、遊技を行うパチンコ機を変える場合に、管理用メダルの貸し出しを行う手間を省くことかできる。この場合、遊技場から帰宅する場合には、遊技場に設けられたメダル回収装置に遊技者が直接投入することで管理用メダルが回収されるようにする。
【0064】
本実施形態では、管理用メダルを投入する投入口、管理用メダルに記録されているデータを読み出す、或いはデータを書き込むメダルリーダライタ、及びメダル保持機構をCRユニットに設けた実施形態としているが、これに限定する必要はなくパチンコ機に設けることも可能である。
【0065】
本実施形態では、パチンコ機を用いた管理システムの例を取り上げているが、遊技場の島設備には、パチンコ機だけではなく、スロットマシンも設置されることから、スロットマシンを用いた管理システムに、本実施形態を適用することも可能である。
【0066】
本実施形態では、遊技場に初めて来店する場合にのみ、認証用カードを認証装置に挿入することで管理用メ樽の貸し出しが行われ、2回目以降の来店の場合には、暗証番号の入力を行うことで管理用メダルの貸し出しが行われる形態としているが、これに限定する必要はなく、2回目以降に来店する場合でも認証用カードを挿入する、或いは認証用カードを挿入した後に暗証番号を入力するで管理用メダルの貸し出しを行うようにすることも可能である。また、この他に、遊技場に初めて来店した時に指紋データを登録しておき、2回目移行に来店したときに指紋認証を行うことで管理用メダルの貸し出しを行えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】遊技場の島設備を示す斜視図である。
【図2】パチンコ機及びCRユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】遊技場の管理システムを示すものであって、パチンコ機及びCRユニットの電気的構成の詳細を示した機能ブロック図である。
【図4】遊技場の管理システムを示すものであって、認証装置及びホストコンピュータの電気的構成の詳細を示した機能ブロック図である。
【図5】遊技を行うまでの流れを示す説明図である。
【図6】認証装置における認証処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】パチンコ機とCRユニットとの状態を示すフローチャートである。
【図8】管理用メダルに遊技履歴データを記憶させない場合の遊技の行うまでの流れを示す説明図である。
【符号の説明】
【0068】
10 遊技場
11 島設備
12 パチンコ機
54 貸し球ボタン
55 遊技終了ボタン(操作部)
60 CRユニット(貸し出し機)
61 紙幣挿入口
62 カード挿入口
63 メダル投入口(媒体投入口)
70 管理システム
71 認証装置
72 ホールコンピュータ(管理装置)
97 RAM(記憶部)
73 メダル回収装置
112 メダルリーダライタ(情報読取部、情報書込部)
113 メダル保持機構(媒体保持部)
165 リーダー(情報読み出し部)
175 管理用メダル(管理用媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
島設備に設置される複数の遊技機と、
前記複数の遊技機に対応して設けられ、遊技を行う際に紙幣やカードなどを挿入することで、前記遊技機において使用される遊技媒体の貸し出しを行う貸し出し機と、
前記複数の遊技機、又は貸し出し機から出力される情報を管理する管理装置と、を備えた遊技場の管理システムにおいて、
前記複数台の遊技機は、遊技を行う際の認証によって貸し出される管理用媒体が投入されることで遊技を行うことが可能となるようにそれぞれ構成されており、
前記複数台の遊技機、又は貸し出し機のいずれか一方に、前記管理用媒体を投入する媒体投入口と、前記媒体投入口から投入された前記管理用媒体に記憶された情報の読み取りを行う情報読取部と、を設け、
前記管理装置は、前記管理用媒体から読み出された情報と、前記遊技機における遊技履歴とを関連付けて管理することを特徴とする遊技場の管理システム。
【請求項2】
前記遊技機による遊技を終了する際に操作される操作部を備え、
前記管理装置は、前記媒体投入口に管理用媒体が投入されてから、前記操作部が操作されるまでの遊技履歴を前記管理用媒体から読み出された情報と関連付けて管理することを特徴とする請求項1記載の遊技場の管理システム。
【請求項3】
前記複数台の遊技機、又は貸し出し機のいずれかに設けられた前記媒体投入口から投入された前記管理用媒体を保持する媒体保持部と、前記管理用媒体が媒体投入口から投入されてから、前記操作部が操作されるまでの遊技機における遊技履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された遊技履歴を前記管理用媒体に書き込む情報書込部とを設けるとともに、
前記情報書込部によって遊技履歴が書き込まれた管理用媒体を回収するとともに、回収された管理用媒体に記憶された情報を読み出す情報読み出し部を備えた回収装置を設けたことを特徴とする請求項2記載の遊技場の管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−319326(P2007−319326A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151459(P2006−151459)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】