説明

遊技場管理システム

【課題】安価なシステムの構築が可能になるとともに、任意の場所で端末装置の操作が行え、さらには、紛失や盗難に伴う端末装置の不正使用を防止する。
【解決手段】遊技場の複数箇所に設置された所定の遊技装置を管理する遊技場管理システムにおいて、各遊技装置と通信可能に接続され、各遊技装置を制御するセキュリティ管理装置7と、店員に携行されるとともに、セキュリティ管理装置7と無線通信可能に接続して、各遊技装置に対して所定の動作を要求する端末装置10と、を備え、端末装置10は、各遊技装置を特定可能な装置IDと当該端末装置を特定可能な端末IDをセキュリティ管理装置7に送信するにあたり、端末IDの全部又は一部を外部から入力し、セキュリティ管理装置7は、予め記憶された端末IDと、端末装置10から送信される端末IDを照合して一致したときに、装置IDで特定される遊技装置を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場の複数箇所に設置された遊技台、遊技媒体貸出機、呼出ランプ、島金庫、計数機などの遊技装置を管理する遊技場管理システムに関し、特に、これらの遊技装置を店員が携行する端末装置で遠隔制御する遊技場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場の複数箇所に設置された遊技台、遊技媒体貸出機、呼出ランプ、島金庫、計数機などの遊技装置を、店員に携行されるリモコン(赤外線通信方式の端末装置)の操作に基づいて動作させるリモコンシステムが普及している。
【0003】
例えば、特許文献1には、一つのリモコンに、遊技台の開閉管理機能と呼出ランプの点灯管理機能を持たせるリモコンシステムが示されている。このシステムでは、リモコンを遊技台のリモコン受信部に向け、解錠信号と識別信号を送信すると、遊技台の枠が解錠され、また、リモコンを呼出ランプのリモコン受信部に向け、リセット信号と識別信号を送信すると、呼出ランプが消灯されるようになっている。
【0004】
また、特許文献2には、リモコンに出玉照合機能を持たせるリモコンシステムが示されている。このシステムでは、所定の遊技台で獲得された遊技媒体を計数機で計数する際に、リモコンに前記遊技台の台番号を入力して計数機のリモコン受信部へ送信すると、ホールコンピュータが管理している前記遊技台の出玉値と計数機の計数値との照合が行われ、両値の差が所定の許容範囲を超える場合に、不正であると判断して何らかの報知を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−141879号公報
【特許文献2】特開2006−95044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のリモコンシステムでは、管理対象となるすべての遊技装置にリモコン受信部を備えるとともに、動作を要求する遊技装置の近傍でリモコン操作を行う必要があるので、システムが高価になるだけでなく、リモコン操作によって遊技客に不快感を与える可能性があった。例えば、特許文献2のリモコンシステムでは、所定の遊技台で獲得された遊技媒体を計数機で計数する際に、出玉照合を行うためのリモコン操作が、遊技客の目の前で行われることになるので、通常の遊技客にとっては、不正を疑われているように思われ、リモコン操作が不愉快に感じられるおそれがあった。
【0007】
また、従来のリモコンシステムでは、リモコンの複製、紛失、盗難などに対する対策が不十分であり、リモコンが第三者に不正使用される可能性があった。例えば、特許文献1に示されるリモコンは、店員以外の第三者が操作しても、遊技台の枠を解錠することができるので、セキュリティ上の抜け穴となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、安価なシステムの構築が可能になるだけでなく、任意の場所で端末装置の操作が行えるようになり、さらには、複製、紛失、盗難などに伴う端末装置の不正使用を確実に防止することができる遊技場管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明の遊技場管理システムは、遊技場の複数箇所に設置された所定の遊技装置を管理する遊技場管理システムにおいて、各遊技装置と通信可能に接続され、各遊技装置を制御する管理装置と、店員に携行されるとともに、前記管理装置と無線通信可能に接続して、前記各遊技装置に対して所定の動作を要求する端末装置と、を備え、前記端末装置は、各遊技装置を特定可能な装置IDと当該端末装置を特定可能な端末IDを管理装置に送信するID送信手段と、前記端末IDの全部又は一部を外部から入力する端末ID入力手段と、を有し、前記管理装置は、予め記憶された端末IDと、前記端末装置から送信される端末IDを照合して一致したときに、前記装置IDで特定される遊技装置を制御するID照合手段を有する構成としてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端末装置は、無線通信可能に接続される管理装置を介して、各遊技装置に所定の動作を要求するので、各遊技装置にリモコン受信部を設ける必要がなくなり、その結果、安価なシステムの構築が可能になるだけでなく、任意の場所で端末装置の操作が行えるようになる。
また、管理装置は、予め記憶された端末IDと、端末装置から送信される端末IDを照合して一致したときに、装置IDで特定される遊技装置を制御するのであるが、端末装置においては、端末IDの全部又は一部が外部から入力されるようになっているので、端末IDの全部又は一部を知らない第三者の操作は無効とすることができ、その結果、複製、紛失、盗難などに伴う端末装置の不正使用を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る端末装置の操作状態を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る端末装置の揺動操作に対する変換例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る端末装置の端末IDの構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る端末装置から送信される動作要求信号の構成例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る遊技場管理システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る遊技場管理システムの処理手順を示す図7に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技場管理システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、遊技場管理システムの構成を示すブロック図である。
これらの図に示すように、遊技場管理システムは、遊技媒体を用いて遊技するパチンコ機、スロットマシンなどの遊技台1と、遊技台1毎に設置され、店員の呼び出しを行う呼出ランプ2と、遊技台1毎に設置され、遊技媒体の貸し出しを行う遊技媒体貸出機3と、島単位で設置され、遊技媒体貸出機3に投入された現金を収納する島金庫4と、遊技で獲得した遊技媒体を計数する計数機5と、遊技台1の遊技情報を管理するホールコンピュータ6と、各遊技装置の扉開閉管理や出玉照合を行うセキュリティ管理装置(管理装置)7と、これらを通信可能に接続する有線LANなどのネットワーク8と、無線ターミナル9及びネットワーク8を介して、セキュリティ管理装置7と無線通信可能に接続される端末装置10とを備えて構成されている。
【0013】
遊技台1には、外部端子板が設けられており、ここから遊技状態に係る信号が外部出力されるようになっている。例えば、パチンコ機からなる遊技台1は、外部端子板から大当り信号、確変信号、スタート信号、セーフ信号(入賞信号)、アウト信号などを出力し、スロットマシンからなる遊技台1の場合は、外部端子板から大当り信号、メダル投入信号、メダル払出信号などを出力するように構成されている。そして、これらの信号は、ホールコンピュータ6において集計される。
遊技台1には、扉(パチンコ機の金枠や木枠、スロットマシンの前扉などを含む)が設けられており、この扉を開放することにより、台内部のメンテナンスが可能となる。この扉の開閉は、セキュリティ管理装置7が管理しており、セキュリティ管理装置7から所定の解錠信号を受信した場合に、扉の施錠装置が解錠され、扉の開放操作が許可される。
【0014】
呼出ランプ2は、通常、各遊技台1の上方近傍に設置されており、所定の呼び出し操作に応じてランプを点灯又は点滅させる。このランプの消灯は、セキュリティ管理装置7が管理しており、セキュリティ管理装置7から所定の消灯信号を受信した場合に、ランプが消灯される。
なお、呼出ランプ2には、対応する遊技台1の大当り回数、スタート回数などを表示する遊技履歴表示機能が備えられている。
【0015】
遊技媒体貸出機3は、現金やプリペイドカードの投入に応じて、遊技媒体を所定の単価で貸し出すものであり、具体的には、パチンコ玉を貸し出す玉貸機や、メダルを貸し出すメダル貸機で構成されている。遊技媒体貸出機3には、外部端子板が設けられており、ここから遊技媒体の貸出個数又は貸出金額を示す売上信号が出力される。そして、これらの信号は、ホールコンピュータ6において集計される。
また、遊技媒体貸出機3は、投入された現金を一時的に収納する金庫と、金庫を開閉する扉を備えている。この扉の開閉は、セキュリティ管理装置7が管理しており、セキュリティ管理装置7から所定の解錠信号を受信した場合に、扉の施錠装置が解錠され、扉の開放操作が許可される。
【0016】
島金庫4は、紙幣搬送装置などを介して、複数の遊技媒体貸出機3から収集される現金を収納するように構成されている。島金庫4は、施錠装置を備えた扉を有しており、この扉を開放することにより、収納された現金の取り出しが可能になる。この扉の開閉は、セキュリティ管理装置7が管理しており、セキュリティ管理装置7から所定の解錠信号を受信した場合に、扉の施錠装置が解錠され、扉の開放操作が許可される。
【0017】
計数機5は、遊技で獲得した遊技媒体を計数する機能と、計数値を所定の記録媒体(レシート、磁気カード、ICカードなど)に記録する機能と、計数値を表示する機能と、所定の遊技台1の出玉情報を表示する機能とを備えている。この出玉情報の表示制御は、セキュリティ管理装置7で管理されており、ホールコンピュータ6で集計され、セキュリティ管理装置7を介して受信した出玉情報が表示部(液晶ディスプレイなど)に表示される。
【0018】
ホールコンピュータ6は、コンピュータを用いて構成されており、遊技台1や遊技媒体貸出機3から収集した信号を集計し、その表示や保存を行う。
具体的には、各遊技台1における累計大当り回数、累計スタート回数、出玉値(出玉情報)などを集計しており、出玉値は、計数機5における出玉確認に利用される。
なお、パチンコ機の出玉値は、「遊技媒体貸出個数+セーフ数−アウト数」で求めることができ、また、スロットマシンの出玉値は、「遊技媒体貸出個数+メダル払出数−メダル投入数」で求めることができる。
【0019】
セキュリティ管理装置7は、コンピュータを用いて構成されており、端末装置10からの要求に応じて、各遊技装置の制御を行う。
具体的に説明すると、セキュリティ管理装置7は、各端末装置10の端末IDや各遊技装置の装置IDを予め登録するID登録手段と、端末装置10から信号が送信された際に、予め記憶された端末IDと、端末装置10から送信される端末IDを照合し、両者が一致したときに、端末装置10から送信された装置IDで特定される遊技装置を制御するID照合手段とを有する。
【0020】
また、セキュリティ管理装置7は、端末装置10との間で、所定の暗号情報に基づいて、送受する信号を認証する信号認証手段を備えることが好ましい。このようにすることで、第三者による信号の解読が困難になるので、信号を複製したり、信号の一部を改ざんするような不正行為も確実に防止することができる。
さらに、セキュリティ管理装置7は、各遊技装置に所定の動作を要求する要求信号が端末装置10から送信される毎に、暗号情報を新たに生成する暗号情報生成手段を備えることが好ましい。このようにすることで、第三者による信号の解読をより困難にし、セキュリティの更なる向上が図れる。
【0021】
セキュリティ管理装置7には、各制御装置の具体的な制御パターンが、遊技装置の種類毎に予め登録されている。
例えば、装置IDで特定される遊技装置が、遊技媒体貸出機3に投入された現金を収納する金庫(遊技媒体貸出機3及び島金庫4を含む)である場合には、金庫の扉を開放させることができる。
また、装置IDで特定される遊技装置が、遊技媒体を用いて遊技する遊技台1と、遊技で獲得した遊技媒体を計数する計数機5との組み合わせである場合には、その計数機5に、ホールコンピュータ6が管理する前記遊技台1の出玉情報を表示させることができる。
【0022】
図2は、端末装置の操作状態を示す説明図、図3は、端末装置の構成を示すブロック図、図4は、揺動操作の変換例を示す説明図、図5は、端末IDの構成例を示す説明図である。
図2に示される端末装置10は、店員に携行されるとともに、セキュリティ管理装置7と無線通信可能に接続されるリモコン形態の無線通信端末であり、端末IDと制御を要求する遊技装置の装置IDを、無線ターミナル9に送信可能に構成されている。
これにより、これらの端末IDと装置IDが無線ターミナル9に接続されているセキュリティ管理装置7に送信され、セキュリティ管理装置7が、装置IDで特定される遊技装置に対して所定の動作を要求することで、当該遊技装置を制御するようになっている。
【0023】
図3に示すように、端末装置10は、操作部11と、表示部12と、記憶部(固有ID記憶手段)13と、無線通信部14と、人体通信部15と、加速度検出部(揺動検出部)16と、読取部(読取手段)17、制御部18とを備えて構成されている。
操作部11は、要求コード、端末ID、装置IDなどを入力可能なテンキーや、信号の送信を指示する送信ボタンを備えている。
表示部12は、入力文字や認証結果を表示可能な表示デバイスを備えている。
【0024】
また、無線通信部14は、無線ターミナル9を介してセキュリティ管理装置7と無線通信を行う無線通信デバイスであり、例えば、IEEE802.15.4(ZigBee)の規格に適合した無線通信ネットワーク機器を用いて構成される。
この種のネットワーク機器は、ハードウェア固有の物理アドレスであるMACアドレスを記憶し、このMACアドレスで各ネットワーク機器の識別を行っている。
記憶部13は、MACアドレスや、セキュリティ管理装置7から受信した暗号キー(暗号情報)などを記憶する。
【0025】
人体通信部15は、人体通信技術を用いて、店員に携行される端末ID送信装置19とデータ通信を行う。
人体通信とは、人体の表面電界を利用する通信技術であり、送信側は、データ信号を微弱な交流電界に変換して人体の表面に誘起し、受信側は、この電界を検出してデータ信号に変換することにより、データ通信が可能となる。
本実施形態の端末ID送信装置19は、特に図示しないが、ICカードを挿入する挿入部と、ICカードからカードIDを読み取るカードID読取手段と、人体を介して、カードIDを端末装置10に入力する人体通信手段とを備えている。
【0026】
加速度検出部16は、端末装置10が揺動操作されたことを検出するためのもので、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサを用いて構成される。
読取部17は、各遊技装置に付与された装置IDを読み取るためのもので、例えば、各遊技装置にQRコードを用いて装置IDを付与する場合、読取部17はQRコードリーダを用いて構成され、また、各遊技装置にICタグを用いて装置IDを付与する場合、読取部17はICタグリーダを用いて構成される。
【0027】
制御部18は、各遊技装置を特定可能な装置IDと当該端末装置10を特定可能な端末IDをセキュリティ管理装置7に送信するID送信手段と、端末IDの全部又は一部を外部から入力する端末ID入力手段とを備えている。
端末ID入力手段は、操作部11からの手入力データを端末IDの全部又は一部とすることも可能であるが、店員に携行される端末ID送信装置19からの送信データを端末IDの全部又は一部とすることが好ましい。その理由は、各遊技装置に所定の動作を要求する毎に、端末IDの全部又は一部を手入力する必要がなくなり、店員の操作負担が軽減されるからである。
【0028】
端末ID送信装置19は、予め記憶された端末IDの全部又は一部(カードID)を、人体通信を用いて端末装置10に入力することが好ましい。その理由は、人体から離れた状態における端末装置10の操作が無効になり、紛失や盗難に伴う端末装置10の不正使用を確実に防止することができるからである。
なお、端末ID送信装置19と端末装置10との通信は、人体通信に限定されず、様々な通信方式を適用することができる。
【0029】
また、端末ID入力手段は、当該端末装置10が揺動操作されたことを検出し、検出された特定の揺動操作を端末IDに変換するID復号部を備えることができる。例えば、図4に示すように、端末装置10を左から右へ揺動する操作が1回行われると「1」、2回行われると「2」、3回行われると「3」に変換するといった変換ルールを予め定めることにより、端末装置10の揺動操作を端末IDに変換することが可能になる。このようにすると、端末装置10の揺動操作で端末IDの全部又は一部を入力できるので、端末IDをキー入力する場合に比べ、店員の操作負担を軽減することができる。
【0030】
また、ID復号部は、他のデータの入力に利用してもよい。例えば、検出された特定の揺動操作を装置IDに変換する。このようにすると、端末装置10の揺動操作で装置IDを入力できるので、装置IDをキー入力する場合に比べ、店員の操作負担を軽減することができる。
【0031】
制御部18は、セキュリティ管理装置7に端末IDを送信する際、無線通信部14に記憶された固有ID(MACアドレス)を端末IDに含めて送信することが好ましい。例えば、図5に示すように、端末IDとして固有ID及びカードIDを送信する。このようにすると、複製が困難な固有IDを端末IDに含めることにより、複製された端末装置10の不正使用を確実に防止することができる。
そして、セキュリティ管理装置7側では、このような端末IDを予めリモコン番号、所有者名、管理区分などと関連付けて記憶することにより、受信した端末IDに基づいて、端末装置10を認証できるだけでなく、リモコン番号、所有者名、管理区分などを特定することが可能になる。
【0032】
つぎに、端末装置10の操作方法について、図6を参照して説明する。
図6は、端末装置10から送信される動作要求信号の構成例を示す説明図である。
店員は、遊技装置に所定の動作を要求する場合、端末装置10及び端末ID送信装置19を携行するとともに、端末装置10において所定の開始操作(例えば、送信ボタンを押す)を行う。
この操作を検知した端末装置10は、セキュリティ管理装置7に端末ID(固有IDとカードID)を送信し、認証を待つ。
店員は、認証が完了した後、セキュリティ管理装置7に動作要求信号を送信する。
【0033】
例えば、遊技媒体貸出機3が備える金庫の扉を開く場合は、その動作を特定するコード「001」と、遊技媒体貸出機3の装置ID(遊技媒体貸出機3に対応する遊技台1の台番号)を入力して、セキュリティ管理装置7に送信する。ここで、装置IDの入力方法は、キー入力、QRコード入力、端末揺動操作などから任意に選択することができる。
セキュリティ管理装置7は、このような動作要求信号を受信すると、装置IDによって特定される遊技媒体貸出機3に動作要求信号を送信し、金庫の扉を開放させる。
【0034】
また、遊技台1の枠を開く場合は、その動作を特定するコード「002」と、遊技台1の装置ID(遊技台1の台番号)を入力して、セキュリティ管理装置7に送信する。
セキュリティ管理装置7は、このような動作要求信号を受信すると、装置IDによって特定される遊技台1に動作要求信号を送信し、枠を開放させる。
【0035】
また、計数機5に所定の遊技台1の出玉情報を表示させる場合は、その動作を特定するコード「003」と、計数機5の装置IDと、遊技台1の装置IDを入力して、セキュリティ管理装置7に送信する。
セキュリティ管理装置7は、このような動作要求信号を受信すると、装置IDによって特定される遊技台1の出玉情報をホールコンピュータ6から取得するとともに、装置IDによって特定される計数機5に対して、動作要求信号と出玉情報を送信し、計数機5の表示部に前記遊技台1の出玉情報を表示させる。
【0036】
また、呼出ランプ2を消灯させる場合は、その動作を特定するコード「004」と、呼出ランプ2の装置ID(呼出ランプ2に対応する遊技台1の台番号)を入力して、セキュリティ管理装置7に送信する。
セキュリティ管理装置7は、このような動作要求信号を受信すると、装置IDによって特定される呼出ランプ2に動作要求信号を送信し、ランプを消灯させる。
【0037】
また、島金庫4の扉を開く場合は、その動作を特定するコード「005」と、島金庫4の装置IDを入力して、セキュリティ管理装置7に送信する。
セキュリティ管理装置7は、このような動作要求信号を受信すると、装置IDによって特定される島金庫4に動作要求信号を送信し、金庫の扉を開放させる。
【0038】
つぎに、遊技場管理システムの処理手順について、図7と図8を参照して説明する。
図7と図8は、遊技場管理システムの処理手順を示すフローチャートである。
これらの図に示すように、端末装置10において所定の開始操作が行われると、端末装置10は、セキュリティ管理装置7に開始信号を送信するとともに(S101、S102)、接続が確立されている状態を示す認証フラグがセットされているか否かを判断する(S103、S104)。端末装置10は、認証フラグがセットされていないと判断すると、端末ID送信装置19からカードIDを取得するとともに(S105:端末ID入力手段)、端末IDとしてカードIDと固有ID(MACアドレス)をセキュリティ管理装置7に送信する(S106:ID送信手段)。
【0039】
セキュリティ管理装置7は、端末IDを受信すると(S107)、その端末IDが登録されているものと一致するか否かを判断し(S108:ID照合手段)、ここで、一致しないと判断した場合は、端末装置10に対して未承認信号を送信し(S109、S110)、端末装置10による動作要求を拒否する。
また、セキュリティ管理装置7は、端末IDが登録されているものと一致すると判断した場合、認証フラグをセットする(S111)。一方、端末装置10は、未承認信号を所定時間内に受信しないときに、認証フラグをセットする(S112)。これにより、接続が相互に確立する。
そして、セキュリティ管理装置7は、暗号キーを生成し(S113:暗号情報生成手段)、これを端末装置10に送信する(S114、S115)。
【0040】
ここで、店員は、端末装置10に対し、図6に示すような動作要求信号を入力する。図8に示すように、端末装置10は、動作要求信号が入力されると、これを暗号キーで符号化(暗号化)した後、セキュリティ管理装置7に送信する(S116)。
セキュリティ管理装置7は、動作要求信号を受信すると(S117)、暗号キーで復号化処理した後(S118)、正規の要求信号であるか否かを判断する(S119:信号認証手段)。セキュリティ管理装置7は、正規の要求信号ではないと判断すると、ステップS113に戻って暗号キーの生成からやり直す一方、正規の要求信号であると判断すると、装置IDから特定される遊技装置に制御信号を送信する(S120)。
なお、暗号化は、動作要求信号を含む通信データを暗号キーと所定の演算(例えば、XOR演算)を行い符号化したり、暗号キーが指定する通信データの特定のビットを入替えて符号化するなど、種々の手法を採用することができる。
【0041】
遊技装置は、セキュリティ管理装置7から制御信号を受信すると(S121)、制御信号で要求される動作処理を実行した後(S122)、動作完了信号をセキュリティ管理装置7に送信する(S123)。セキュリティ管理装置7は、遊技装置から動作完了信号を受信すると(S124)、端末装置10に制御完了信号を送信し(S125、S126)、この信号を端末装置10が受信した段階で一回の動作要求に係る処理が完了する。また、一連の処理が完了した後は、端末装置10及びセキュリティ管理装置7において、認証時間の経過を判断するとともに(S127、S128)、認証時間が経過した時点で認証フラグをクリアする(S129、S130)。
これにより、再び認証フラグをセットして、接続を確立させた後には、新たな暗号キーにもとづいて上記のやり取りを行うことになることから、セキュリティを向上させることができる。
【0042】
以上のように構成された本実施形態によれば、遊技場の複数箇所に設置された所定の遊技装置を管理する遊技場管理システムにおいて、各遊技装置と通信可能に接続され、各遊技装置を制御するセキュリティ管理装置7と、店員に携行されるとともに、セキュリティ管理装置7と無線通信可能に接続して、各遊技装置に対して所定の動作を要求する端末装置10と、を備え、端末装置10は、各遊技装置を特定可能な装置IDと当該端末装置を特定可能な端末IDをセキュリティ管理装置7に送信するにあたり、端末IDの全部又は一部を外部から入力し、セキュリティ管理装置7は、予め記憶された端末IDと、端末装置10から送信される端末IDを照合して一致したときに、装置IDで特定される遊技装置を制御するように構成される。
【0043】
このようにすると、端末装置10は、無線通信可能に接続されるセキュリティ管理装置7を介して、各遊技装置に所定の動作を要求するので、各遊技装置にリモコン受信部を設ける必要がなくなり、その結果、安価なシステムの構築が可能になるだけでなく、任意の場所で端末装置10の操作が行えるようになる。
【0044】
また、セキュリティ管理装置7は、予め記憶された端末IDと、端末装置10から送信される端末IDを照合して一致したときに、装置IDで特定される遊技装置を制御するのであるが、端末装置10においては、端末IDの全部又は一部が外部から入力されるようになっているので、端末IDの全部又は一部を知らない第三者の操作は無効とすることができ、その結果、複製、紛失、盗難などに伴う端末装置の不正使用を確実に防止できる。
【0045】
また、遊技場管理システムは、店員に携行されるとともに、端末装置10と通信可能に接続され、予め記憶された端末IDの全部又は一部を端末装置10に入力する端末ID送信装置19を備えるので、各遊技装置に所定の動作を要求する毎に、端末IDの全部又は一部を手入力する必要がなくなり、店員の操作負担を軽減することができる。
【0046】
また、端末ID送信装置19は、予め記憶された端末IDの全部又は一部を、人体を介して、端末装置10に入力するので、端末装置10は、人体から離れた状態での操作が無効になり、その結果、紛失や盗難に伴う端末装置10の不正使用をより確実に防止することができる。
【0047】
また、端末装置10は、揺動操作されたことを検出し、検出された特定の揺動操作を端末IDに変換することができるので、端末IDをキー入力する場合に比べ、店員の操作負担を軽減することができる。
【0048】
また、端末装置10は、検出された特定の揺動操作を装置IDに変換することができるので、装置IDをキー入力する場合に比べ、店員の操作負担を軽減することができる。
【0049】
また、端末装置10は、各遊技装置に付与された装置ID(QRコード、ICタグなど)を読み取ることができるので、装置IDをキー入力する場合に比べ、店員の操作負担を軽減することができる。
【0050】
また、端末装置10は、所定の固有IDを記憶し、この固有IDを端末IDに含めて送信するので、複製が困難な固有IDを端末IDに含めることにより、複製された端末装置10の不正使用を確実に防止することができる。
【0051】
また、端末装置10とセキュリティ管理装置7は、所定の暗号情報(暗号キー)に基づいて、送受する信号を認証するので、第三者による信号の解読が困難になり、その結果、信号を複製したり、信号の一部を改ざんするような不正行為も確実に防止することができる。
【0052】
また、セキュリティ管理装置7は、各遊技装置に所定の動作を要求する要求信号が端末装置10から送信される毎に、暗号情報を新たに生成するので、第三者による信号の解読をより困難にし、セキュリティの更なる向上が図れる。
【0053】
また、セキュリティ管理装置7は、装置IDで特定される遊技装置が、遊技媒体貸出機3に投入された現金を収納する金庫である場合に、金庫の扉を開放させるので、金庫の扉開閉管理に本発明を適用し、金庫のセキュリティを向上させることができる。
【0054】
また、セキュリティ管理装置7は、装置IDで特定される遊技装置が、遊技媒体を用いて遊技する遊技台1と、遊技で獲得した遊技媒体を計数する計数機5との組み合わせである場合に、計数機5に、ホールコンピュータ6が管理する前記遊技台1の出玉情報を表示させるので、計数機5に遊技媒体を運ぶ前に端末装置10を操作し、遊技台番号と計数機番号をセキュリティ管理装置7に送信すれば、計数機5の前で端末装置10を操作しなくても、計数機5に遊技台1の出玉情報が表示され、出玉照合を行うことが可能になり、その結果、端末装置10の操作で遊技客に不快感を与える可能性が低減される。
【0055】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、セキュリティ管理装置が本発明の管理装置として機能したが、ホールコンピュータを管理装置としてもよい。
また、本発明の端末装置を、SIMカードを挿抜可能な携帯電話とすることもできる。SIMカードには固有のIDが付与されているため、この固有のIDを外部から入力され、当該携帯電話を特定可能な端末IDとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、遊技場の複数箇所に設置された所定の遊技装置(遊技台、遊技媒体貸出機、呼出ランプ、島金庫、計数機など)を管理する遊技場管理システムに適用できる。
【符号の説明】
【0057】
1 遊技台
2 呼出ランプ
3 遊技媒体貸出機
4 島金庫
5 計数機
6 ホールコンピュータ
7 セキュリティ管理装置
8 ネットワーク
9 無線ターミナル
10 端末装置
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 無線通信部
15 人体通信部
16 加速度検出部
17 読取部
18 制御部
19 端末ID送信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場の複数箇所に設置された所定の遊技装置を管理する遊技場管理システムにおいて、
各遊技装置と通信可能に接続され、各遊技装置を制御する管理装置と、
店員に携行されるとともに、前記管理装置と無線通信可能に接続して、前記各遊技装置に対して所定の動作を要求する端末装置と、を備え、
前記端末装置は、各遊技装置を特定可能な装置IDと当該端末装置を特定可能な端末IDを管理装置に送信するID送信手段と、
前記端末IDの全部又は一部を外部から入力する端末ID入力手段と、を有し、
前記管理装置は、予め記憶された端末IDと、前記端末装置から送信される端末IDを照合して一致したときに、前記装置IDで特定される遊技装置を制御するID照合手段を有することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項2】
店員に携行されるとともに、前記端末装置と通信可能に接続され、予め記憶された前記端末IDの全部又は一部を前記端末ID入力手段に入力する端末ID送信装置を備える請求項1記載の遊技場管理システム。
【請求項3】
前記端末ID送信装置は、前記予め記憶された前記端末IDの全部又は一部を、人体を介して、前記端末ID入力手段に入力する人体通信手段を備える請求項2記載の遊技場管理システム。
【請求項4】
前記端末ID入力手段は、当該端末装置が揺動操作されたことを検出する揺動検出部と、検出された特定の揺動操作を前記端末IDに変換するID復号部とを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。
【請求項5】
前記ID復号部は、検出された特定の揺動操作を前記装置IDに変換する請求項4記載の遊技場管理システム。
【請求項6】
前記各遊技装置に、前記装置IDを付与し、
前記端末装置は、前記各遊技装置から前記装置IDを読取る読取手段を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。
【請求項7】
前記端末装置は、所定の固有IDを記憶する固有ID記憶手段を備え、
前記ID送信手段は、前記固有IDを前記端末IDに含めて送信する請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。
【請求項8】
前記端末装置と前記管理装置は、所定の暗号情報に基づいて、送受する信号を認証する信号認証手段を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記各遊技装置に所定の動作を要求する要求信号が前記端末装置から送信される毎に、前記暗号情報を新たに生成する暗号情報生成手段を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。
【請求項10】
前記管理装置は、前記装置IDで特定される遊技装置が、遊技媒体貸出機に投入された現金を収納する金庫である場合に、前記金庫の扉を開放させる請求項1〜9のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。
【請求項11】
前記管理装置は、前記装置IDで特定される遊技装置が、遊技媒体を用いて遊技する遊技台と、遊技で獲得した遊技媒体を計数する計数機との組み合わせである場合に、前記計数機に、ホールコンピュータが管理する前記遊技台の出玉情報を表示させる請求項1〜10のいずれか一項に記載の遊技場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−233876(P2010−233876A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86297(P2009−86297)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.QRコード
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】