説明

遊技機、及び遊技システム

【課題】遊技盤の制限を受けずに多彩で多様な表示による表示演出を可能にすること。
【解決手段】パチンコ機本体18に収めた遊技盤16と、当該遊技盤16に遊技球を発射して行われる遊技によって所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選する主制御基板たる遊技機メイン基板40と、前記遊技盤16に設けられるとともに図柄を変動表示し変動停止時の図柄表示によって前記当落抽選の結果を報知する遊技機液晶表示器24と、前記当落抽選の結果に基づいて前記図柄の変動表示の表示演出を制御する演出用サブ基板42とを備えたパチンコ機5において、前記パチンコ機本体18に、前記遊技機液晶表示器24での図柄Zaの変動表示に連動して表示演出を行う表示手段たる液晶表示部66、及び、遊技者が操作可能なタッチパネル96を設け、前記液晶表示部66による表示演出を前記タッチパネル96のタッチ操作に応じて制御する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄を変動させ当該図柄の停止によって抽選結果を遊技者に知らせる遊技機、及び当該遊技機と遊技媒体貸出装置とを備える遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の抽選契機成立時に当落抽選を行い、当選時には、遊技者に有利な特別遊技状態(いわゆる大当遊技状態)に移行する遊技機が知られている。また、この種の遊技機では、1或いは複数の図柄を変動表示する遊技機表示器を備え、変動表示停止時の図柄、或いは図柄の組合せによって抽選結果を遊技者に知らせるようにした遊技機がある。特に近年では、図柄の変動表示の態様に、いわゆるリーチ演出等の演出性を持たせ、当該演出を多様にすることで、遊技の単調化を防止し、また興趣性を高めることが一般的になっている。
【0003】
通常、当選期待度が異なる複数のリーチ種類と、それに対応した複数のリーチ表示パターンと予め用意し、それらを組み合わせて図柄変動表示を演出することで、リーチ演出の多様化が図られている。また近年では、液晶表示器等で構成した遊技機表示器の表示領域を複数に分割し、それぞれの表示領域で異なるリーチ演出を行うことで、リーチ演出に更に多様性を持たせる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−159684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示領域を複数の小表示領域に分割すると、小表示領域で表示できる情報量が少なくなる。このため、小表示領域のリーチ演出を行う際には、それぞれのリーチ演出を順番に全画面に拡大表示することとなり、結局は、1つの表示領域でリーチ演出を行うことと変りが無い。そこで、例えば遊技盤の盤面に複数の液晶表示器を設け、それぞれの液晶表示器でリーチ演出を行う構成とすれば、各液晶表示器で複数のリーチ演出をそれぞれ同時並行し、或いは、各液晶表示器で互いに演出が関連付いたリーチ演出を行うことができ、リーチ演出を多様にすることができる。
しかしながら、遊技盤に複数の液晶表示器を配置することは遊技領域を制限することになるため、結局は、各液晶表示器の表示領域を小さくしなければならず、各液晶表示器に表示できる情報量が制限されてしまうことから、多彩で多様なリーチ演出を表現するには限界があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技盤の制限を受けずに多彩で多様な表示による表示演出を可能にした遊技機、及び遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技機本体に遊技媒体を投入して行われる遊技によって所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選する主制御基板と、図柄を変動表示し変動停止時の図柄表示によって前記当落抽選の結果を報知する遊技機表示器と、前記当落抽選の結果に基づいて前記図柄の変動表示の表示演出を制御するサブ基板とを備えた遊技機において、前記遊技機本体に、前記遊技機表示器での図柄の変動表示に連動して表示演出を行う表示手段、及び、遊技者が操作可能な操作手段を設け、前記表示手段による表示演出を前記操作手段の操作に応じて制御することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記遊技機において、前記遊技機表示器の下側に位置して前記表示手段を配置し、上側の前記遊技機表示器と下側の前記表示手段とのそれぞれで、上下の位置関係において連動する表示演出を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記遊技機において、前記操作手段は、前記表示手段の表示領域へのタッチ操作を受け付けるタッチパネルを備え、前記表示手段の表示領域に、前記遊技機表示器での図柄の変動表示に連動して、前記タッチ操作により操作可能なゲームを表示したことを特徴とする。
【0010】
また上記目的を達成するために、本発明は、上記いずれかに記載の遊技機と、前記遊技機に並設され、前記遊技機からのデータを受信する台間機と、を備え、前記台間機は、前記表示手段の表示を制御する表示制御手段を有するとともに、前記遊技機のサブ基板から前記表示演出に係るデータを前記表示手段を介して取得可能に構成され、前記表示制御手段は、前記表示手段に遊技に係る情報を表示し、前記サブ基板から前記表示演出に係るデータが入力された場合には、当該データに基づいて表示演出を行うことを特徴とする遊技システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技機本体に、遊技機表示器での図柄の変動表示に連動した表示演出を行う表示手段を設ける構成としたため、当該表示手段の表示領域の大きさを遊技盤の遊技領域の制限を受けることなく設定することができる。これにより、大きな表示領域で多彩で多様な表示演出を行うことができるため、図柄表示手段での図柄の変動表示演出の更なる多様化を図ることができる。これに加え、遊技者が操作する操作手段の操作によって表示手段による表示演出を制御する構成としたため、遊技者が表示演出に参加する、いわゆる遊技者参加型の表示演出が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技サービスシステムの全体構成を示す図である。
【図2】遊技システムの機能的構成を示す図である。
【図3】タッチ液晶モジュールでの表示演出に係る主要な機能的構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の2画面を使用した表示演出の一例を示す図である。
【図5】同2画面を使用した表示演出の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及び台間機の一例たるCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
【0014】
サービス提供サーバー群4には、大別すると、ベンダー系に属するベンダー系サーバー群4Aと、データセンター系に属するデータセンター系サーバー群4Bとが含まれており、それぞれがインターネット等の広域網11を介して遊技管理システム3と通信可能に接続されている。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、後述する基板間認証に供される認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))と、出荷先とが後述する遊技機ID管理センターサーバー13Dに送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸し出しに供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、かかる照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。かかるコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
【0015】
データセンター系サーバー群4Bには、コンテンツ配信データセンターサーバー13Aと、プリペイド管理データセンターサーバー13Bと、第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cと、遊技機ID管理センターサーバー13Dと、不正情報監視センターサーバー13Eとが含まれている。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、かかるコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
【0016】
遊技機ID管理センターサーバー13Dは、パチンコ機5の識別情報と、上記遊技機IDと、当該パチンコ機5の出荷先の遊技店舗2とを対応付けたデータを管理し、また照会可能にするサーバーである。すなわち、どの遊技機IDのどのパチンコ機5がどの遊技店舗2に設置されているかが遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理され、また各遊技店舗2から参照可能になる。かかるデータは、遊技機メーカー、販社、或いは中古機業者がパチンコ機5を出荷するごとに遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bから登録され、また遊技店舗2がパチンコ機5を撤去するごとに、対応するパチンコ機5のデータが抹消される。また、データ登録者以外にデータを参照できる者を出荷先の遊技店舗2に限定するために、出荷先の遊技店舗2には、当該出荷先に対応付けられた遊技機IDを参照するためのデータアクセスID及びパスワードが付与されている。遊技店舗2側は、これらを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスすることで、当該遊技店舗2のみが遊技機IDを取得可能になる。
なお、遊技機ID管理センターサーバー13Dの管理データには、他に任意の情報を含めることができ、例えば遊技機メーカー名やパチンコ機5の機種名の情報等を含めても良い。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を照会可能に管理するサーバーである。遊技店舗側は、不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせることで、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを確認できる。
【0017】
次いで、遊技管理システム3を構成する各装置について詳述する。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機である。そして、かかるパチンコ機5と、当該パチンコ機5と通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6と、を備えて遊技システム15が構成されている。この遊技システム15では、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
【0018】
パチンコ機5は、遊技機本体としてのパチンコ機本体18を有し、このパチンコ機本体18に遊技盤(ゲージ盤)16を収め、この遊技盤16の前面に前面ガラス17を設け、該前面ガラス17を通じて遊技盤16の遊技領域16Aを視認可能に構成されている。
遊技盤16の遊技領域16Aは、盤面に発射された遊技球が転動(移動)する領域としてレール部材等(図示せず)で例えば略円形に区画された領域である。この遊技領域16Aには、遊技球通過時に賞球が得られる入賞口として始動入賞口19や他の入賞口20、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー:可変入賞装置)21と、これら始動入賞口19、大入賞口21及び複数の他の入賞口20のいずれにも入賞しなかった遊技球(いわゆるアウト玉)を遊技領域から遊技盤16の裏側に導いて回収する回収口22と、多数の障害釘23と、始動入賞口19への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する遊技機液晶表示器24とがそれぞれ設けられている。始動入賞口19、大入賞口21、及び他の入賞口20に入賞したときの賞球数はそれぞれ異なり、本実施形態では、始動入賞口19が3個、大入賞口21が15個、及び他の入賞口20が10個となっている。
【0019】
パチンコ機本体18の正面には、遊技球の貸出操作用の貸出スイッチ25A、プリペイド媒体14の返却(遊技終了の指示)操作用の返却スイッチ25B、遊技機液晶表示器24での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン25C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域16Aに1発ずつ発射する遊技球発射ハンドル26が設けられている。遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射された遊技球が遊技領域16Aの始動入賞口19を通過したことを抽選契機の成立としてパチンコ機5は当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、変動停止時の図柄表示により当落抽選結果を遊技者に通知する。また本実施形態のパチンコ機5では、当選時に、常閉の大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者が持玉を大幅に増やす機会を得る、遊技者に有利な特別遊技状態(いわゆる大当遊技状態)に移行する。
なお、当落抽選として、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するための権利を発生させることや、賞球払出の条件が成立し易くなる遊技状態(例えば、確率変動遊技状態(いわゆる確変)や時間短縮遊技状態(いわゆる時短))に移行することを抽選しても良い。また当選時に移行する遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態か否かにはかわらず、例えば通常遊技状態(非確率変動遊技状態)への移行を抽選しても良い。
また本実施形態では、始動領域に入賞口を設けて始動入賞口19を構成し、当該始動入賞口19の入賞時に当落抽選を行う構成としたが、この始動領域には、必ずしも入賞口を設ける必要はなく、単なる通過ゲートとして構成しても良い。
【0020】
ここで、このパチンコ機5は、所定個数(例えば25個)の遊技球をパチンコ機本体18に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体18の中で循環利用する封入球式の遊技機として構成されている。具体的には、パチンコ機5は、遊技盤16に発射され、始動入賞口19や大入賞口21、複数の他の入賞口20に入賞した遊技球(いわゆるセーフ玉)及び回収口22に回収された遊技球(いわゆるアウト玉)をそれぞれ遊技盤16の裏側に回収し、発射位置に還流する循環流路(図示せず)を有し、当該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返し遊技領域16Aに発射することで遊技を行うように構成されている。封入球式のパチンコ機5においては、パチンコ機本体18の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体18の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体18の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、かかる上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス17の下)には、図1に示すように、遊技機液晶表示器24の直下に位置してタッチ液晶モジュール27が配設されている。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
【0021】
CRユニット6は、各パチンコ機5の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体14の残価値がゼロでない事を条件に、貸出スイッチ25Aの操作を示す貸出スイッチ押下信号をパチンコ機5から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力する。プリペイド媒体14の残価値は、管理コンピュータ群8(より正確には後述するプリペイド管理サーバー35B)に管理されており、CRユニット6は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群8との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体14の残価値を減じる処理を行う。なお、CRユニット6は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
【0022】
プリペイド媒体14にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン14A及びカード型の会員カード14Bが用いられている。会員カード14Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン14Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体14には、カード会社によって付された、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群8により管理されている。
【0023】
このCRユニット6は、プリペイド媒体14の発行機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口28、ICコイン14Aを投入するコイン投入口29、ICコイン14Aを排出するコイン排出口30、会員カード14Bを挿入する会員カード挿入口31が設けられている。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
【0024】
CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール27に表示し、貸出スイッチ25Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール27に表示する。また、CRユニット6は、返却スイッチ25Bが操作されたときには、プリペイド媒体14を排出するとともに、プリペイド媒体14の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群8に送信し、これにより、CRユニット6から排出されたときのプリペイド媒体14の最終的な残価値が管理コンピュータ群8に記録される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
【0025】
この遊技管理システム3においては、パチンコ機5ごとにデータ表示器34を備えている。データ表示器34は、対応するパチンコ機5の過去営業日の大当たり情報や、当日の大当たり回数、前回大当たりからの図柄変動回数(スタート回数)といった遊技情報を表示する表示パネル34Aを有する。またデータ表示器34には、表示パネル34Aの他にも、遊技場のホールスタッフを呼び出す呼出ボタンや、パチンコ機5の大当たり状態や確率変動遊技状態、時短遊技状態等の所定の遊技状態を報知するランプ等が設けられている。各データ表示器34は、対応するパチンコ機5と通信するCRユニット6に接続され、パチンコ機5が出力する遊技情報をCRユニット6から取得して表示パネル34Aに表示する。
【0026】
管理コンピュータ群8は、遊技台計数管理装置35Aと、プリペイド管理サーバー35Bと、持玉管理サーバー35Cと、会員・景品管理サーバー35Dと、コンテンツサーバー35Eと、遊技機ID管理サーバー35Fとを備えている。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、かかる各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
【0027】
プリペイド管理サーバー35Bは、プリペイド媒体14としてのICコイン14A及び会員カード14Bの各識別情報と残価値を対応付けて記憶し、これらの残価値を管理するサーバーである。CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせ、応答により得られた残価値をタッチ液晶モジュール27に度数表示する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
【0028】
持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を管理するサーバーである。具体的には、持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体14の識別情報とともに店内LAN9を介してCRユニット6から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバー35Cに問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール27に表示する。このときCRユニット6は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール27に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機5に出力するとともに、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバー35Cは、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体14の持玉数を減算更新する。また、CRユニット6は、プリペイド媒体14の排出時には、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバー35Cに記録される。なお、持玉管理サーバー35CとCRユニット6との間の通信障害に備え、遊技者の持玉数をプリペイド媒体14にも記録する構成としても良い。
【0029】
会員・景品管理サーバー35Dは、顧客会員と景品交換の管理をするサーバーである。顧客会員の管理について詳述すると、顧客の氏名や年齢、性別、職業、携帯電話番号、会員番号、サービス利用のための暗証番号、会員カード14Bの識別情報、顧客が遊技場に預けている再遊技可能な遊技媒体数(いわゆる貯玉数)、遊技履歴に係る情報が管理される。顧客会員には、氏名や年齢等を通知して会員登録を済ました顧客のみならず、会員登録をせずに遊技を行う顧客、いわゆるビジター会員も含まれる。すなわち、ビジター会員には当日限り有効の専用の会員カード14Bが発行され、当該会員カード14BをCRユニット6に挿入して遊技を行うこととなる。なお、ビジター会員に対し、会員カード14Bに代えて、上述のICコイン14Aを用いることができ、この場合には、CRユニット6に会員カード14Bを挿入せずともICコイン14Aを投入することで遊技を行う。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、かかる問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
【0030】
また、この遊技管理システム3においては、遊技者が持玉を景品や貯玉に交換可能になされており、会員・景品管理サーバー35Dは、この景品交換の管理機能を有する。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
【0031】
コンテンツサーバー35Eは、上記コンテンツプロバイダーサーバー12D、及び上記コンテンツ配信データセンターサーバー13Aのそれぞれから各種コンテンツを取得し、各CRユニット6に配信する。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のデータアクセスIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
【0032】
図2は、遊技システム15の機能的構成を示す図である。
パチンコ機5は、図2に示すように、主基板(主制御基板)に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。これら遊技機メイン基板40及び払出制御基板41のそれぞれは、開封の痕跡を残すことができる、いわゆる、かしめ構造を有したケース体(図示せず)に封入されている。
遊技機メイン基板40は、入賞に伴う賞球の払出指示や上述の当落抽選をする主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、大入賞口21、始動入賞口19、及び複数の他の入賞口20のそれぞれごとに、大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び複数の他の入賞口入賞検知センサ44Cを備え、入賞時には、対応する大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び複数の他の入賞口入賞検知センサ44Cのいずれかから検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。
なお、遊技盤16には、複数の始動入賞口19が設けられている場合には、それぞれごとに始動入賞口入賞検知センサ44Bが設けられ、また同様に、複数の大入賞口21が設けられている場合には、それぞれごとに大入賞口入賞検知センサ44Aが設けられることとなる。
【0033】
本実施形態では、始動入賞口19、大入賞口21、及び複数の他の入賞口20ごとに賞球数が異なり、遊技機メイン基板40は、始動入賞口19、複数の他の入賞口20及び大入賞口21ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部45を備えている。そして、遊技機メイン基板40は、上記大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び複数の他の入賞口入賞検知センサ44Cにて始動入賞口19、大入賞口21、及び複数の他の入賞口20のいずれかへの入賞が検知されるごとに、当該入賞口に対応する賞球数を入賞口別賞球数記憶部45から読み出し、当該賞球数の賞球払い出しを指示する賞球払出指示信号を払出制御基板41に出力する。
また遊技盤16には、図2及び図3に示すように、大入賞口21、始動入賞口19、及び複数の他の入賞口20のそれぞれごとに、入賞時に点灯して遊技者に通知する発光装置としての大入賞口入賞通知灯46A、始動入賞口入賞通知灯46B、及び複数の他の入賞口入賞通知灯46Cが設けられている。
【0034】
また遊技機メイン基板40は、始動入賞口19への入賞の検知を契機として当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)47に表示する。特賞当選時には、遊技機メイン基板40は遊技状態を特別遊技状態(いわゆる大当たり遊技状態や確率変動状態、時間短縮遊技状態など)に移行させ、特別遊技状態の終了条件成立に伴って通常の遊技状態に移行する。図柄表示部47は、遊技盤16に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部47では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板40が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板40は、遊技盤16の遊技領域16Aに設けた上述の遊技機液晶表示器24や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動表示時間(当落抽選結果の表示タイミング)やリーチ演出の種別等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板42に出力する。さらに遊技機メイン基板40には、パチンコ機本体18に設けられた前面扉の開放等の各種異常情報が払出制御基板41から入力された場合には、音声やランプ、遊技機液晶表示器24などの演出に供する各種の手段を適宜用いて異常を報知する。
【0035】
払出制御基板41は、遊技球の払出及び発射を管理する払出制御CPU41Aを備えた基板であり、CRユニット6との通電状態に基づいて接続状態を監視し、正常に接続されていない(非導通状態)の場合は、遊技球の発射を禁止し、遊技を不能にする。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果を貸出結果信号としてCRユニット6に返信する。
【0036】
また、払出制御基板41には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、回収口22に回収されたアウト玉を検知するアウト玉検知センサ49、発射後に遊技領域16Aに到達しなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサ50、及び、発射された遊技球を検知する1或いは複数の発射球検知センサ51(図示例では1つ)のそれぞれの検知信号が入力される。そして、払出制御基板41は、遊技機メイン基板40から賞球払出指示信号を受けるごと、ファウル玉が検知されるごと、及びCRユニット6から貸出指示信号のいずれかが入力されるごとに発射可能玉数を加算更新し、また発射球検知センサ51の検知信号が入力されるごとに発射可能玉数を減算更新することで発射可能玉数を(すなわち遊技者の持玉数)を管理する。払出制御基板41は、これら賞球発生やセンサ検知によって発射可能玉数を増減するごとに増減結果を示す払出結果信号をCRユニット6に出力し、また、増減結果の発射可能玉数を遊技機管理発射可能玉数表示灯52に外部から視認可能に常時表示する。遊技中の発射可能玉数は、CRユニット6の制御の下、パチンコ機5に設けられたタッチ液晶モジュール27にも表示される。これに加え、遊技機管理発射可能玉数表示灯52を外部から視認可能に設けることで、タッチ液晶モジュール27が故障などしても、遊技者は遊技中の持玉数を把握することができるようになっている。なお、アウト玉検知センサ49及びファウル玉検知センサ50の出力を遊技機メイン基板40に入力し、当該遊技機メイン基板40から払出制御基板41に出力する構成としても良い。また、上記貸出指示は、プリペイド媒体14の残価値を対価とした貸出に限らず、貯玉を用いた再プレイ、持玉の払い出しの利用に基づく指示も含む。このとき、不正防止を目的に1回の貸出あたりの玉数に上限をCRユニット6等に設定することもできる。
【0037】
払出制御基板41が管理する上記発射可能玉数は、遊技終了時に決済される。すなわち、遊技者が遊技を終了すべく、会員カード14Bを返却するために返却スイッチ25Bを操作すると、CRユニット6から発射可能玉数移行要求コマンドが払出制御基板41に出力される。払出制御基板41は、この発射可能玉数移行要求コマンドを受信した場合、発射可能玉数をCRユニット6に価値移行する処理(決済処理)を行い、発射可能玉数をゼロにクリアする。CRユニット6に移行した価値は、当該CRユニット6から持玉管理サーバー35Cに持玉数として出力され、そのパチンコ機5に設定された遊技球の貸出単価とともに記録される。
【0038】
上記発射制御基板43は、発射許可信号が払出制御基板41から入力されている事を条件に遊技球の発射を制御する基板であり、また遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板41に出力する。この発射制御基板43により、図示せぬ発射装置が制御され、遊技球発射ハンドル26の操作量に応じた弾発力で遊技球が発射される。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、パチンコ機5に封入されている遊技球の玉磨機構を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。
さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知信号が入力され、当該検知信号が遊技機メイン基板40に出力されて異常が判定される。
【0039】
演出用サブ基板42は、遊技機メイン基板40の演出指示信号に基づいて、遊技盤16の遊技領域16Aに設けられた遊技機液晶表示器24や図示せぬ音源、台枠ランプを制御して、当落抽選結果に応じた遊技演出を行う回路を搭載した基板であり、遊技機メイン基板40に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板40の当落抽選結果に影響を及ぼす事がないように構成されている。演出用サブ基板42は、遊技機メイン基板40から入力される大当り発生信号、及び演出指示信号等に基づいて遊技機液晶表示器24での図柄の変動表示を制御し、また当該変動表示の表示演出を行う。さらに、演出用サブ基板42は、遊技機液晶表示器24の変動表示に連動して、タッチ液晶モジュール27の液晶表示部66で表示演出を行うように構成されているが、かかる構成については、後述する。
【0040】
パチンコ機5は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板54と、CR基板55と、遊技機搭載暗号基板56とを備え、さらに、パチンコ機本体18には上述したタッチ液晶モジュール27が組み込まれている。
外部端子板54は、遊技情報を示す外部端子出力信号SoutをCRユニット6に一方向に出力する端子板であり、CRユニット6から外部端子板54への信号入力は禁止されている。外部端子板54から出力される遊技情報は、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が管理する情報である。この遊技情報には、パチンコ機5での大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部47での図柄の変動停止を示す図柄停止信号(スタート信号)、賞球数を示す賞球信号、アウト玉数を示すアウト玉信号、ファウル玉数を示すファウル玉信号等が含まれている。この遊技情報をCRユニット6が取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定し、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理し、また、それらの情報を遊技台計数管理装置35Aに出力する。
【0041】
CR基板55は、上記貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ操作信号をCRユニット6に出力する基板である。また、このCR基板55には、度数表示器57及び貸出可能ランプ58が接続されており、CR基板55は、CRユニット6から入力されたプリペイド媒体14の残価値を示す度数を度数表示器57に7セグメント等で表示するとともに、CRユニット6からの貸出許可信号の有無に応じて貸出可能ランプ58を点灯する。
【0042】
遊技機搭載暗号基板56は、パチンコ機5が備える各基板の中で、いわゆる主基板に分類される上記遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれの基板との間で相互認証する認証基板である。この遊技機搭載暗号基板56は、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成されている。この遊技機搭載暗号基板56には、各基板との間で相互認証を実行する専用の半導体チップであるセキュリティチップ(遊技機側認証手段)60Aと、汎用CPU56Aとが実装されている。セキュリティチップ60Aは、遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理されている遊技機IDを認証キーに用いて各基板との間で相互認証を実行する。本実施形態では、相互認証の認証キーに遊技機IDを用いることとしているが、認証キーには、相互認証処理中に基板間で共有可能な値(データ)であれば、上記遊技機IDの他にも任意の値を用いることができる。なお、この相互認証については後述する。
【0043】
この遊技機搭載暗号基板56は、さらに、パチンコ機5とCRユニット6とのシリアル通信インターフェース機能を備え、またセキュリティチップ60Aは所定の暗号キー生成アルゴリズムに基づいて遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する機能と、当該暗号キーを用いて所定の暗号通信方式で通信データを暗号化/復号化する機能とを備える。これによりパチンコ機5とCRユニット6の間の通信データがセキュリティチップ60Aにより暗号化/復号化されて暗号通信が行われる。なお、CRユニット6側では、遊技機ID管理サーバー35Fから取得した遊技機IDに基づいて暗号キーが生成されるが、これについては後述する。
遊技機搭載暗号基板56を通じてパチンコ機5とCRユニット6との間で送受される通信データは、主に、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞れがあるデータであり、例えば、CRユニット6がパチンコ機5に入力する貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)や上記遊技機ID、払出制御基板41が出力する、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出結果信号)、CR基板55がCRユニット6に出力する貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ押下信号などである。また遊技者の貯玉或いは持玉の払出操作はタッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作により行われてCRユニット6に入力される。なお、上記外部端子板54と遊技機搭載暗号基板56を1つの中継基板の上に設けてもよい。
【0044】
上記遊技機IDは、パチンコ機5ごとに固有に割り振られたIDであり、本実施形態では、遊技機メイン基板40に搭載されている主制御CPU40AのCPU固有ID61を用いることとしている。
遊技機メーカーは、パチンコ機5の製造出荷時に、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、認証キーたる遊技機ID(CPU固有ID61)を記録したセキュリティチップ60A、60B、60Cを実装して出荷し、また、遊技機ID管理センターサーバー13Dに、パチンコ機5の識別情報、出荷先、及び遊技機IDを送信して記録し、出荷先の遊技店舗2の遊技機ID管理サーバー35Fから参照可能にする。これらセキュリティチップ60B、60Cは、それぞれ上記遊技機搭載暗号基板56に設けたセキュリティチップ60Aと同じく、遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し、当該暗号キーを用いてセキュリティチップ60A、60B、60Cの間の通信を暗号化/復号化して暗号通信する機能を備えている。
なお、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し暗号通信に用いる構成とした、これに限らず、遊技機ID以外の情報を暗号キー生成のためのシード情報として用いる構成としても良い。この場合、遊技機搭載暗号基板56とCRユニット6との間で共通の暗号キーを用いて暗号通信を可能にするために、暗号キーを生成するためのシード情報を、遊技機メーカーが遊技機ID管理センターサーバー13D、及び遊技機ID管理サーバー35Fを通じてCRユニット6が取得し暗号キーを生成可能にする。
このように、パチンコ機5に設けた各セキュリティチップ60A、60B、60Cが遊技機IDに基づいて生成される暗号キーで暗号通信し、またCRユニット6に設けたセキュリティチップ60Dは遊技機ID管理サーバー35Fから受け取った遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する構成とすることで、暗号キー自体がパチンコ機5及びCRユニット6の間で送受されることがない。
【0045】
パチンコ機5の基板間の相互認証について具体的には、例えばパチンコ機5の毎回の電源投入時に、遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aが主導的に相互認証を行う。すなわち、セキュリティチップ60Aは遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B、及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cのそれぞれに対して認証開始要求を出力する。この認証開始要求を受けて、セキュリティチップ60Bがセキュリティチップ60A、60Cのそれぞれと遊技機IDを交換し、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが受け取った遊技機IDと自身の遊技機IDとに基づいて認証を行うことで相互認証を行う。またセキュリティチップ60Cも同様に、セキュリティチップ60A、60Bと遊技機IDを交換し、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが受け取った遊技機IDと自身の遊技機IDとに基づいて認証を行うことで相互認証を行う。これにより遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の各基板間で相互認証が行われる。そして各セキュリティチップ60B、60Cは認証結果をセキュリティチップ60Aに出力し、当該セキュリティチップ60Aは、セキュリティチップ60A、60B、60Cのそれぞれの認証結果の不成立の有無に基づいてパチンコ機5における基板間の相互認証結果(成立/不成立)を判定しCRユニット6に出力する。このように相互認証においては、遊技機搭載暗号基板56が主導的に行うことで、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の不正改造などを発見し易くできる。
また、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、払出制御基板41とCRユニット6の導通状態を遮断する等して遊技球の発射を禁止することで強制的に遊技不能状態にする。これにより、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正交換された状態での遊技を禁止できる。
【0046】
なお、パチンコ機5の基板間認証を、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが同じCPU固有ID61を保持しているか否かを判定することで行う構成を例示したが、これに限らない。
すなわち、先ず、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41に実装されたそれぞれのセキュリティチップ60A、60B、60Cが正規のものか否かを判定することで、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが正規のものか否かを判定し(正規基板判定)、次いで、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)が正しい組み合わせかを判定する(正規CPU判定)ことで行っても良い。
このように、正規基板判定と正規CPU判定を行うことで、基板の不正交換、並びに、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aの不正交換を確実に検知することができる。
【0047】
セキュリティチップ60A、60B、60Cが正規のものか否かの判定(正規基板判定)は、例えば遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aが、他のセキュリティチップ60B、60Cを認証することで行われる。この認証には任意の認証手法を用いることができる。
また、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)の判定(正規CPU判定)は、遊技機搭載暗号基板56が遊技機メイン基板40にCPU固有ID61の返信を要求するときに、セキュリティチップ60Bに記録されたCPU固有ID61も合せて返信するように要求し、両者を比較し、一致/不一致を判定することにより行われる。この場合には、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれのセキュリティチップ60A、60B、60CにCPU固有ID61を記録する必要はなく、遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60BにのみCPU固有ID61を予め記録しておけば十分である。
【0048】
遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6に出力された相互認証結果は、遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力されるとともに、パチンコ機5に設けたLEDランプ等に直接出力される。このように、相互認証結果をパチンコ機5の外部のみならずパチンコ機5のLEDランプ等にも出力することで、外部との通信線に対する不正行為により、相互認証結果が正常に出力されない場合でも、LEDランプの点灯等で遊技場の管理者にパチンコ機5の相互認証結果を通知することができる。
【0049】
またパチンコ機5においては、遊技機メイン基板40を遊技盤16に取り付け、払出制御基板41をパチンコ機本体18の本体枠に取り付けて構成されている。この構成においては、パチンコ機本体18の本体枠を機種毎に共通に使用し、遊技盤16を機種毎に設けることで複数の機種が構成されており、実際に、遊技店舗2においてパチンコ機5を入れ替える時には、遊技盤16だけを取り替えるという運用が一般的である。このような場合に、パチンコ機本体18に、本来とは異なる他の遊技盤16を誤って取り付けてしまったときであっても、遊技機搭載暗号基板56により遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の相互認証が不成立となることから、作業者は、上記のような誤取付を容易に察知することができ、誤った組み合わせでのパチンコ機5の稼働を防止できる。
【0050】
パチンコ機本体18に組み込まれたタッチ液晶モジュール27は、CRユニット6により制御されて当該CRユニット6の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット6が遊技球貸出装置の装置本体に、タッチ液晶モジュール27が遊技球貸出装置の表示部及び操作部にそれぞれ相当し、これらによって遊技球貸出装置65が構成される。
【0051】
タッチ液晶モジュール27は、遊技球貸出装置65の装置本体たるCRユニット6に互いに通信可能に接続されており、操作手段としてのタッチパネル96(図3)を備えた液晶表示部66を備え、この液晶表示部66の表示画像を制御する画像表示制御信号SgがCRユニット6から入力されている。液晶表示部66に対するタッチ操作は、CRユニット6にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット6にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール27は、パチンコ機5に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット6によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット6に出力されており、CRユニット6の表示部及び操作部として構成されている。
【0052】
また、CRユニット6からタッチ液晶モジュール27には、当該タッチ液晶モジュール27の電力供給線67を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール27は、CRユニット6との間でパチンコ機5を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット6から供給を受ける構成であるため、パチンコ機5が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。
【0053】
CRユニット6は、貸出装置制御基板68と、プリペイド媒体14を読み書きする価値媒体R/W69と、所定の遊技者に対してコンテンツを配信等のサービスを提供すべく遊技者IDを記録した例えば電子決済機能付き携帯電話等に対し遊技者IDを読み書きするID識別媒体R/W70と、紙幣識別機71と、リモコン操作を受け付けるためのリモコン受光部72と、各種異常等を検知するためのセンサ類73と、貸出装置搭載暗号基板74と、電源モジュール75とを備えている。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
【0054】
このCRユニット6には、パチンコ機5との接続コネクタとして、外部端子板54及び遊技機搭載暗号基板56との間の通信線を接続するコネクタCAと、タッチ液晶モジュール27との間の通信線を接続するコネクタCBとが、それぞれ別々に設けられている。
【0055】
貸出装置制御基板68は、制御手段として、各部を制御する主制御用のCPU76Aと、高速I/O(Input/Output)用のCPU76Bとを、それぞれに別々に有している。CPU76Bは、主としてタッチ液晶モジュール27に各種情報を表示するための画像処理や、当該タッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作の受付処理といった、高速なデータのI/Oを要求される処理の制御を主に実行するものである。すなわち、貸出装置制御基板68には、高速I/O部品として、コンテンツサーバー35Eとの通信インターフェースである高速I/F77と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール27に表示するワンセグユニット78と、画像や動画のキャッシュとして機能する画像・動画一時記憶部79と、タッチ液晶モジュール27との間で画像表示制御信号Sgを送受する通信I/Fとである高速通信I/F80と、当該タッチ液晶モジュール27からのタッチ操作入力信号の入力インターフェースであるシリアル通信I/F81とが設けられており、これらがCPU76Bによって制御される。このように画像処理等のデータの高速I/Oが要求される処理用に専用のCPU76Bを設けることで処理の遅延が防止される。
【0056】
また、本実施形態のパチンコ機5では、タッチ液晶モジュール27の液晶表示部66で、パチンコ機5の遊技機液晶表示器24での図柄変動表示に連動した表示演出を行う構成となっており、かかる表示演出のための表示制御を貸出装置制御基板68のCPU76Bが行っている。なお、これについは後述する。
【0057】
2つのCPU76AとCPU76Bとは、それぞれCPU間通信I/F82A、82Bによって相互にデータ通信可能に接続され、連携が図られている。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
【0058】
貸出装置管理持玉数記憶部84は、遊技者の持玉数を記憶する。すなわち、プリペイド媒体14がCRユニット6に投入されたときに、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数が読み出されて貸出装置管理持玉数記憶部84に貸出装置管理持玉数として格納され、またタッチ液晶モジュール27に表示される。この貸出装置管理玉数は、遊技者が持玉を使用するごとに減算更新される。また、この貸出装置管理玉数は、パチンコ機5に記録されている遊技機管理発射可能玉数をパチンコ機5から持玉に移行する操作を遊技者が行った事を契機に加算更新される。本実施形態では、遊技終了のための返却スイッチ25Bの操作を移行操作とみなし、プリペイド媒体14の返却時に、貸出装置管理玉数を遊技機管理発射可能玉数で加算更新し、更新後の貸出装置管理玉数を持玉管理サーバー35Cに通知し、またプリペイド媒体14に記録する。この移行操作に伴い、遊技機管理発射可能玉数は「ゼロ」にクリアされる。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロックについて簡単に説明すると、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
【0059】
再プレイ可能玉数記憶部85は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード14Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、会員・景品管理サーバー35Dから取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、タッチ液晶モジュール27に再プレイ可能玉数として表示され、返却スイッチ25Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部85に記憶されている貯玉数が会員・景品管理サーバー35Dに送信されて記録される。なお、このキャッシュメモリは、その他、各種情報の記憶部87としても用いられる。
【0060】
またCPU76Aは、上記CPU76Bが高速I/O部品を制御したのに対して、それよりも低速で良いI/O部品を制御する。すなわち、貸出装置制御基板68には、店内LAN9を介した管理コンピュータ群8との通信インターフェースであるシリアル通信I/F88と、ホールコンI/F装置36を介した遊技台計数管理装置35Aとの通信インターフェースであるシリアル通信I/F89と、パチンコ機5の外部端子板54との通信インターフェースである入力専用のシリアル通信I/F90と、後述する貸出装置搭載暗号基板74との通信インターフェースであるシリアル通信I/F91とを備え、これらがCPU76Aによって制御されている。
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
【0061】
上記貸出装置搭載暗号基板74は、貸出装置制御基板68との間で相互認証するとともに、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56を介して入出力される通信データを、当該遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aと同様のアルゴリズムで生成した暗号キーで暗号化/復号化する基板であり、セキュリティチップ(貸出装置側認証手段)60Dと、汎用CPU95とを備えている。すなわちセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fからパチンコ機5の遊技機IDを取得し、当該遊技機IDに基づいてパチンコ機5と暗号通信するための暗号キーを生成し、この暗号キーを用いて遊技機搭載暗号基板56との間で暗号通信する。また、貸出装置制御基板68にもセキュリティチップ60Eが搭載されており、これらセキュリティチップ60D、60Eはそれぞれ、相互認証するための所定の認証キーを予め保持する。この認証キーはパチンコ機5の認証キーと同じである必要はない。パチンコ機5のこの貸出装置搭載暗号基板74は、遊技機搭載暗号基板56と同様に、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成されている。
【0062】
貸出装置搭載暗号基板74と遊技機搭載暗号基板56とは、それぞれCRユニット6の電源モジュール75とパチンコ機5の電源とによって駆動されるが、相互間の通信路の電気的ノイズを低減するために、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56をCRユニット6、及びパチンコ機5から電気的に絶縁する構成としても良い。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56の通信路用に供される専用の所定電圧の直流電源をCRユニット6に設ける構成としても良い。また、専用の直流電源に対して、所定電圧を生成するための電力をパチンコ機5側から電力線PLを介して供給する構成としても良い。
【0063】
そして、CRユニット6の電源投入時等の所定のタイミングで、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dが主導的にセキュリティチップ60Eと相互認証を行う。すなわち、セキュリティチップ60Dは貸出装置制御基板68のセキュリティチップ60Eに対して認証開始要求を出力する。この認証開始要求を受けて、セキュリティチップ60Eがセキュリティチップ60Dと認証キーを交換し、セキュリティチップ60D、60Eの両者が受け取った認証キーと自身の認証キーとに基づいて認証を行うことで相互認証を行い、貸出装置搭載暗号基板74が認証結果を遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力する。このとき、貸出装置搭載暗号基板74は、貸出装置制御基板68が不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を遮断する等して強制的に貸出不能状態にする。これにより、貸出装置制御基板68が不正交換された状態での貸出を禁止できる。また、貸出装置搭載暗号基板74が主導的に相互認証を開始することで、貸出装置制御基板68に対する不正が発見し易くなる。
【0064】
ここで、上述の通り、パチンコ機5においても、遊技機搭載暗号基板56の主導によって遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが他の2つの基板間で相互認証を行い、当該相互認証の結果が遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74に出力される。
そしてCRユニット6では、貸出装置搭載暗号基板74と貸出装置制御基板68の間の相互認証結果が成立し貸出可能状態になっているとき、パチンコ機5から相互認証結果として相互認証成立の旨が入力されたことを条件に、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56が装置間の相互認証を行う。このときの装置間の相互認証には、例えば上記遊技機ID(CPU固有ID61)を認証キーに用いることができる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fから取得して保持している遊技機IDを遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aに送信し、当該セキュリティチップ60Aは自身に格納されている遊技機IDを貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dに送信し、各セキュリティチップ60A、60Dは、受信した遊技機IDと、自身が保持する遊技機IDとに基づいて相互に認証する。そして、装置間の相互認証が成立した場合にだけ、遊技球の貸出動作が可能になる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74が遊技機搭載暗号基板56の認証を認めなかった場合(パチンコ機5に不正改造の疑いがある場合)、貸出装置搭載暗号基板74は、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を禁止し、或いはパチンコ機5との導通状態を非導通状態にするなどして、貸出動作を実行不能にする。一方、遊技機搭載暗号基板56が貸出装置搭載暗号基板74の認証を認めなかった場合(CRユニット6に不正改造の疑いがある場合)、遊技機搭載暗号基板56は、CRユニット6への貸出スイッチ25Aのスイッチ押下信号の出力を禁止するなどして貸出動作を実行不能にする。
【0065】
これにより、パチンコ機5、及びCRユニット6のそれぞれでの基板間の相互認証で不正が検知されなかった場合でも、さらにパチンコ機5、及びCRユニット6が装置間で相互に認証することで、不正を確実に見つけ出すことができる。また、パチンコ機5、及びCRユニット6の相互認証が不成立の場合には、遊技球の貸出動作が不能となり、封入球式であるパチンコ機5では遊技機を行うことができなくなるから、パチンコ機5又はCRユニット6に不正改造が行われた状態での遊技を確実に防止することができる。
【0066】
CRユニット6とパチンコ機5の装置間認証を、互いが保持する遊技機IDの正当性を相互に判定することで行う構成を例示したが、これに限らない。すなわち、装置間認証においては、CRユニット6がパチンコ機5の正当性を認証できれば良く、例えば、CRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74が、上記パチンコ機5の基板間認証でも述べた正規CPU判定と同様に、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61と、当該遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60Bに記録されたCPU固有ID61との両者の送信をパチンコ機5に要求し、両者を比較し、一致/不一致を判定することにより当該パチンコ機5の正当性を認証しても良い。このように正規CPU判定をCRユニット6が行うことで装置間認証を行う場合には、この認証により、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aの不正交換や不正改造が判定できることから、パチンコ機5の基板間認証においては、当該正規CPU判定を省略し、セキュリティチップ60A、60B、60Cが正規なものかを判定する上述の正規基板判定だけを行えば良い。さらに、この場合、正規基板判定を、遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aに代えてCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dが主導的に実行し、遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cを認証する構成とすることで、遊技機搭載暗号基板56を省略することもできる。
【0067】
また、CRユニット6が、パチンコ機5の装置間認証を上記正規CPU判定により行う構成とした場合には、よりセキュリティを高めるために、パチンコ機5から受信したCPU固有ID61が、前回の認証成立に取得していたCPU固有ID61と一致しているか否かをCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74、或いは、遊技機ID管理サーバー35Fが判定する構成としても良い。
【0068】
さて、上述の通り、本実施形態のパチンコ機5では、タッチ液晶モジュール27の液晶表示部66で、パチンコ機5の遊技機液晶表示器24の図柄変動表示に連動した表示演出が行われる構成となっており、かかる構成について以下に詳述する。
図3は、タッチ液晶モジュール27での表示演出に係る主要な機能的構成を示すブロック図である。
遊技機メイン基板40は、上述の通り、始動入賞口19への遊技球の入賞を契機に当落抽選を行い、また、遊技盤16の遊技機液晶表示器24に当落抽選の結果を図柄Zaにより表示するために、演出用サブ基板42に大当り発生信号、及び演出指示信号等を送出する。図柄Zaは、遊技機メイン基板40が表示を制御する図柄表示部47で表示される図柄とは異なり、いわゆる装飾図柄と呼ばれるものであり、遊技機液晶表示器24に表示可能であって遊技者が識別可能な図象を有して成り、例えば数字、文字、記号、絵柄、図形、文様、或いはこれらの組み合わせから成る。本実施形態では、図柄Zaは、横一列に並んだ左図柄Za1、中図柄Za2、及び右図柄Za3を有する。そして、遊技機液晶表示器24での変動表示停止時に、これら左図柄Za1、中図柄Za2、及び右図柄Za3に同一のもの(例えば「777」)を表示することで、当落抽選の当選(いわゆる大当たり)を通知し、また、同一でないもの(例えば「767」)を表示することで外れを通知する。
【0069】
上記大当り発生信号は、大当たりの有無(当落抽選結果)を通知する信号であり、当該大当たり信号により大当たり発生が通知された場合には、当該演出用サブ基板42は、図柄Zaの変動表示停止時に、左図柄Za1、中図柄Za2、及び右図柄Za3に同一のものを表示することで大当たり発生を遊技者に通知し、大当たりでない場合には、左図柄Za1、中図柄Za2、及び右図柄Za3の少なくともいずれか1つが異なるように表示することで外れを通知する。
演出指示信号は、図柄Zaの変動表示開始から変動表示停止までの変動表示時間、及び、当該変動表示時の遊技演出パターンを演出用サブ基板42に通知する信号である。遊技機演出パターンには、遊技機液晶表示器24での表示演出の態様を規定した表示演出パターン、音声出力の態様を規定した音声演出パターン、役物可動の態様を規定した役物演出パターン、ランプの点灯/点滅の態様を規定した照明演出パターン等が含まれている。
【0070】
本実施形態では、図柄Zaの変動表示時には、左図柄Za1、右図柄Za3、中図柄Za2の順番で確定表示し、左図柄Za1、及び右図柄Za3に同一のものを表示するときには、中図柄Za2を確定表示するまでの間、中図柄Za2に左図柄Za1、及び右図柄Za3と同一のものが停止するかどうかの期待感を抱かせるための、いわゆるリーチ表示演出と呼ばれる表示演出を行い、興趣性を高めることとしている。このリーチ表示演出には、大当たり発生の期待値等が異なる複数のリーチ演出パターンが予め規定されており、上記演出指示信号ではリーチ演出パターンも指示される。
本実施形態では、リーチ演出パターンには、遊技機液晶表示器24だけを用いてリーチ演出を行う1画面リーチパターンと、遊技機液晶表示器24及びタッチ液晶モジュール27の両方を用いてリーチ演出を行う2画面使用リーチパターンとが規定されている。
【0071】
演出用サブ基板42は、大当り発生信号、及び演出指示信号に基づいて遊技機液晶表示器24の図柄Zaの変動表示を制御する表示制御部42Aと、リーチ演出のための表示データを格納したリーチ演出データメモリ42Bとを備えている。リーチ演出データメモリ42Bには、少なくとも、上記1画面リーチパターンに従ったリーチ演出を行うための1画面リーチデータ42B1と、2画面使用リーチパターンに従ったリーチ演出を行うための2画面使用リーチデータ42B2とが格納されている。2画面使用リーチデータ42B2は、遊技機液晶表示器24の表示画面のデータである遊技機液晶表示器表示画面データFaと、タッチ液晶モジュール27の表示画面のデータであるタッチ液晶モジュール表示画面データFbとをセットにして構成されている。そして、表示制御部42Aは、2画面使用リーチ実行時には、遊技機液晶表示器表示画面データFaを遊技機液晶表示器24に出力するとともに、これと同期してタッチ液晶モジュール表示画面データFbをタッチ液晶モジュール27に演出画像スルー信号Shとして出力する。
なお、演出用サブ基板42は、図柄Zaの表示データや非リーチ演出時の変動表示のための表示データや、音声演出、役物演出、照明演出等のためのデータを格納したメモリ、及び、それらを制御するための制御部を備えている。
【0072】
タッチ液晶モジュール27は、上述した液晶表示部66と、この液晶表示部66の表示面へのタッチ操作を受け付けるタッチパネル96とを備えている。
液晶表示部66は、CRユニット6からの画像表示制御信号Sgに基づいて表示を行うものであり、2画面使用リーチ演出時以外の通常時では、プリペイド媒体14の残度数や持玉数や貯玉数、大当履歴、前回大当たりからのスタート回数(図柄Zaの変動表示回数)といった遊技情報表示画面Ga(図4参照)を表示する。
タッチパネル96は、液晶表示部66の表示面へのタッチ操作を検出すると、かかる操作をタッチ操作入力信号StとしてCRユニット6に出力する。
タッチ液晶モジュール27には、上述の通り、演出用サブ基板42から演出画像スルー信号Shが入力されており、この演出画像スルー信号Shは、そのままCRユニット6に出力される。
【0073】
CRユニット6の貸出装置制御基板68は、タッチ液晶モジュール27の表示を制御する表示制御部97と、タッチ操作を制御するタッチ操作制御部98とを備え、上記CPU76Bや画像・動画一時記憶部79、シリアル通信I/F80、81等のハードウェアにより実現されている。
【0074】
表示制御部97は、2画面使用リーチ実行時以外の通常時においては、図4(A)に示すように、上記遊技情報表示画面Gaを液晶表示部66に表示し、また、タッチ液晶モジュール27を介して演出用サブ基板42から演出画像スルー信号Shを受信した場合には、この演出画像スルー信号Shに基づいて、図4(B)に示すように、2画面使用リーチ演出の表示演出画面Gbをタッチ液晶モジュール27に表示する。本実施形態の2画面使用リーチ演出では、遊技機液晶表示器24で、タッチ液晶モジュール27のミニゲームに参加すべき旨を指示するリーチ画面Gcを表示するとともに、タッチ液晶モジュール27ではミニゲームを表示演出画面Gbとして表示する。このミニゲームは、遊技者の指Uによるタッチ操作だけでゲーム操作が可能な内容のゲームであり、例えばモグラ叩きゲームやパズルゲーム(ジグソーパズルや絵合せゲーム)などが挙げられる。
【0075】
タッチ操作制御部98は、2画面使用リーチが実行されている間、タッチパネル96のタッチ操作に合せてタッチ液晶モジュール27の表示演出画面Gbの表示内容を可変してミニゲームを進行可能にすべく、タッチパネル96から入力されたタッチ操作入力信号Stをタッチ液晶モジュール27を通じて演出用サブ基板42に入力する。演出用サブ基板42は、かかるタッチ操作入力信号Stを受信すると、このミニゲームに対する遊技者のタッチ操作に応じた表示演出画面Gbの表示画面データを2画面使用リーチデータ42B2に基づいて生成し、演出画像スルー信号Shとしてタッチ液晶モジュール27を通じてCRユニット6に出力する。
これにより、タッチ操作によってミニゲームが進行する画面制御が実現され、遊技者がリーチ演出に参加する、いわゆる遊技者参加型のリーチ演出が実現される。
【0076】
タッチ液晶モジュール27でのミニゲームの表示時間、及びミニゲームの勝敗の結果は、遊技機メイン基板40が出力した大当り発生信号、及び演出指示信号によって、2画面使用リーチ演出開始前に既に決定されている。
すなわち、当落抽選に当選している場合には、2画面使用リーチでは、図4(C)に示すように、タッチ液晶モジュール27でのミニゲームに遊技者が勝利でき(勝敗が当落抽選結果に影響を与える事がないため、必ずしもミニゲームに勝利しなくとも良い)、また、遊技機液晶表示器24では図柄Zaの変動表示停止時に、左図柄Za1、右図柄Za3、及び中図柄Za2に同一のものが表示されて大当たり(当選)が遊技者に通知される。
一方、当落抽選に外れている場合には、2画面使用リーチでは、図4(D)に示すように、タッチ液晶モジュール27でのミニゲームに遊技者は如何なる場合も勝利できることはなく、また、遊技機液晶表示器24では図柄Zaの変動表示停止時に、左図柄Za1、右図柄Za3、及び中図柄Za2に同一のものが揃わずに外れが遊技者に通知される。
【0077】
このように本実施形態によれば、パチンコ機本体18に、遊技機液晶表示器24での図柄の変動表示に連動した表示演出を行う表示手段としてのタッチ液晶モジュール27を設ける構成とした。これにより、タッチ液晶モジュール27の液晶表示部66の表示面(表示領域)の大きさを遊技盤16の遊技領域16Aの制限を受けることなく設定することができる。これにより、大きな表示面で多彩で多様な表示演出を行うことが可能となり、遊技機液晶表示器24での図柄Zaの変動表示演出の更なる多様化を図ることができる。
これに加え、遊技者がタッチ液晶モジュール27のタッチ操作に応じてタッチ液晶モジュール27の表示演出が制御されるため、遊技者が表示演出に参加する、いわゆる遊技者参加型の表示演出が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【0078】
特に、遊技機液晶表示器24での図柄Zaの変動表示に連動するタッチ液晶モジュール27での表示演出を、タッチ操作で操作可能なゲームとすることで、当落の通知が成されるまでの単調さを払拭し、また通常、遊技者は、大当りを引き当てるという目的意識を持ってゲームを行うことから、当選通知時には自力で大当りを引き当てたという達成感を与えることができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、遊技球貸出装置65が備える表示部をタッチ液晶モジュール27としてパチンコ機本体18に据え付け固定し、大当り履歴や持玉、プリペイド媒体14の残度数等の遊技情報を表示する構成としたため、遊技者は、パチンコ機5から視線を大きくずらすことなく遊技情報を確認することができる。
さらに、遊技球貸出装置65は、パチンコ機5の演出用サブ基板42から上記ゲーム等の表示演出に係る演出画像スルー信号Shが入力される構成としたため、演出用サブ基板42から演出画像スルー信号Shを受信するための配線を遊技球貸出装置65とパチンコ機5との間で行う必要がなく配線作業が容易となる。
【0080】
さらに、遊技球貸出装置65の表示制御部97は、通常時には遊技情報表示画面Gaを表示して遊技情報を表示するとともに、演出用サブ基板42から演出画像スルー信号Shが入力された場合に、当該演出画像スルー信号Shに基づいて、遊技機液晶表示器24での図柄Zaの変動表示に連動したミニゲーム等の表示演出を行う構成とした。
これにより、遊技球貸出装置65等の台間機が備える表示部を遊技の表示演出に有効に利用することができる。
【0081】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、任意に変形及び応用が可能である。
【0082】
例えば、上述した実施形態では、2画面使用リーチ演出の一例としてモグラ叩きゲームを例示したが、これに限らない。すなわち、遊技盤16に設けた遊技機液晶表示器24の下側に位置してタッチ液晶モジュール27を配置した構成となっているため、これら2つの表示画面の位置関係を利用した表示演出を行っても良い。
例えば図5(A)に示すように、2画面使用リーチ演出として、下側のタッチ液晶モジュール27から上側の遊技機液晶表示器24の所定位置(図示例ターゲット)に図柄Zaが向かうように発射方向を定めるゲームとしても良い。このゲームにおいては、発射方向が所定位置を向いて無い場合には、図5(B)に示すように、遊技機液晶表示器24では図柄Zaがターゲットを逸れて移動する表示演出がなされる。一方、発射方向が所定位置を向いていた場合には、図5(C)に示すように、遊技機液晶表示器24では図柄Zaがターゲットに当る表示演出がなされ、その後、大当たりが通知されることとなる。
【0083】
また上述した実施形態では、遊技機液晶表示器24の図柄Zaの変動表示に連動した表示演出としてリーチ演出を例示したが、これに限らない。すなわち、非リーチ演出時等の通常の図柄Zaの変動表示に連動した表示演出をタッチ液晶モジュール27で行っても良い。かかる表示演出としては、例えば、遊技機液晶表示器24に、チャンス目と呼ばれる所定の図柄Zaの組み合わせが変動表示停止時の確定表示或いは途中表示されたときに、タッチ液晶モジュール27で当落通知まで表示演出を行うようにしても良い。
【0084】
また上述した実施形態では、タッチ液晶モジュール27の表示演出をタッチパネル96のタッチ操作により行う構成を例示したが、これに限らず、タッチ液晶モジュール27に設けたプッシュボタン25Cを操作手段として用いる構成としても良い。
【0085】
また上述した実施形態では、遊技機の一例として封入球式のパチンコ機5を例示したが、これに限らず、パチンコ機5の外部から遊技者が遊技球を例えば上皿から補給して遊技するパチンコ機であっても良い。
さらに、遊技媒体の投入を条件に、所定の抽選契機成立時に当落抽選を行う遊技機であって、図柄を変動表示し変動停止時の図柄表示によって当落抽選の結果を報知する遊技機表示器を遊技機本体に備えた遊技機であれば、任意の遊技機に本発明を適用することができる。かかる遊技機には、例えば、遊技メダルを遊技媒体に使用し、遊技メダルの投入を条件に、操作レバーが操作された時に当落抽選を行い、当落抽選結果を円筒状の回転ドラム型の遊技機表示器によって表示するパチスロ機などが挙げられる。
【符号の説明】
【0086】
5 パチンコ機(遊技機)
6 CRユニット
14 プリペイド媒体
15 遊技システム
16 遊技盤
16A 遊技領域
18 パチンコ機本体(遊技機本体)
19 始動入賞口
24 遊技機液晶表示器(遊技機表示器)
25C プッシュボタン(操作手段)
27 タッチ液晶モジュール
40 遊技機メイン基板(主制御基板)
42 演出用サブ基板(サブ基板)
42B リーチ演出データメモリ
65 遊技球貸出装置(台間機)
66 液晶表示部(表示手段)
68 貸出装置制御基板
97 表示制御部(表示制御手段)
98 タッチ操作制御部
42B1 1画面リーチデータ
42B2 2画面使用リーチデータ
U 指
Fa 遊技機液晶表示器表示画面データ
Fb タッチ液晶モジュール表示画面データ
Ga 遊技情報表示画面
Gb 表示演出画面
Gc リーチ画面
Sg 画像表示制御信号
Sh 演出画像スルー信号
St タッチ操作入力信号
Za 図柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体に遊技媒体を投入して行われる遊技によって所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選する主制御基板と、図柄を変動表示し変動停止時の図柄表示によって前記当落抽選の結果を報知する遊技機表示器と、前記当落抽選の結果に基づいて前記図柄の変動表示の表示演出を制御するサブ基板とを備えた遊技機において、
前記遊技機本体に、前記遊技機表示器での図柄の変動表示に連動して表示演出を行う表示手段、及び、遊技者が操作可能な操作手段を設け、
前記表示手段による表示演出を前記操作手段の操作に応じて制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技機表示器の下側に位置して前記表示手段を配置し、上側の前記遊技機表示器と下側の前記表示手段とのそれぞれで、上下の位置関係において連動する表示演出を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作手段は、前記表示手段の表示領域へのタッチ操作を受け付けるタッチパネルを備え、
前記表示手段の表示領域に、前記遊技機表示器での図柄の変動表示に連動して、前記タッチ操作により操作可能なゲームを表示したことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機と、
前記遊技機に並設され、前記遊技機からのデータを受信する台間機と、を備え、
前記台間機は、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段を有するとともに、前記遊技機のサブ基板から前記表示演出に係るデータを前記表示手段を介して取得可能に構成され、
前記表示制御手段は、前記表示手段に遊技に係る情報を表示し、前記サブ基板から前記表示演出に係るデータが入力された場合には、当該データに基づいて表示演出を行うことを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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