説明

遊技機のスイッチ装置

【課題】押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返すことによるスイッチ装置の動作不良を確実に防止できるようにし、スイッチ装置の信頼性を大幅に向上させることができるようにする。
【解決手段】押しボタン本体41と連動して移動するスイッチ片41bがスイッチを構成するフォトセンサ45の発光部と受光部との間を遮光するようにしたスイッチ装置であって、フォトセンサ45の背面側を覆うカバー44に開口部44bを設けるとともに、背面ケース48に開口部48aを設け、開口部44b及び開口部48aを介して、フォトセンサ45の発光部と受光部との間を清掃できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押しボタン本体の押し込み操作により、遊技機における所定の機能を果たす遊技機のスイッチ装置に係るものであり、詳しくは、押し込み操作を長期間に渡って繰り返すことによるスイッチ装置の動作不良を確実に防止できるようにした技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるスロットマシンには、従来から、図柄を表示した複数のリールの回転をそれぞれ停止させるためのストップスイッチが備えられている。このストップスイッチは、一般的に、押しボタン本体の押し込み操作によって作動するようになっており、押しボタン本体を押し込むと、例えば、スイッチを構成するフォトセンサの発光部と受光部との間が遮光されてスイッチとして機能し、それぞれのリールの回転を停止させるようになっている。
【0003】
また、このストップスイッチには、一般的に、発光ダイオード等の発光体が内蔵されている。そして、この発光ダイオード等を点灯させ、点灯状態をストップスイッチの外部から視認できるようにすることで、スロットマシンの遊技者に、ストップスイッチが操作可能なことを知らせるようにしている。
【0004】
そのため、スロットマシンの遊技者がそれぞれの押しボタン本体を任意のタイミングで押し込むと、スイッチが機能することとなり、例えば、各ストップスイッチに内蔵された発光ダイオード等の発光体が点灯状態から消灯状態に変化するとともに、各ストップスイッチに対応するリールが停止制御される。そして、もし、停止したリールの図柄の表示結果がビッグボーナス入賞等を発生するものであれば、スロットマシンの遊技効果ランプが点滅等する。
【0005】
このように、ストップスイッチは、スロットマシンの遊技を行う際に必ず使用するものであるから、その使用頻度は非常に高い。また、遊技者は、遊技中に興奮して押しボタン本体を強く押すことがあるので、ストップスイッチは、非常に過酷な使用環境下にあると言える。そこで、ストップスイッチは、耐久性を高くして、強度的な問題が生じないようにしておく必要がある。
【0006】
一方、ストップスイッチの押しボタン本体の内部には、上記した通り、発光ダイオード等の発光体が配置されている。そして、発光ダイオード等の発光体の視認性を確保するためには、例えば、押しボタン本体を透明樹脂で形成し、しかも、押しボタン本体の表面部の樹脂の厚さを薄くすることが有効である。ところが、樹脂の厚さを薄くすると、押しボタン本体の強度が弱くなるという問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、ストップスイッチの強度を損なうことなく、ストップスイッチに内蔵された発光ダイオード等の発光体の視認性を向上させるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−288062号公報
【0008】
上記の特許文献1に記載の技術によれば、ストップスイッチが操作可能なことを遊技者に知らせるための発光ダイオードを押しボタン本体の周囲に配置し、これを点灯させたときに押しボタン本体が光るようにしている。そのため、押しボタン本体の表面部の樹脂を薄くする必要がなくなるので、押しボタン本体の強度を損なうことなく、視認性を向上させることができる。
【0009】
次に、ストップスイッチは、強度だけでなく、その大きさにも配慮する必要がある。すなわち、各ストップスイッチは、複数のリールに対応するようにそれぞれ配置される必要があり、メダル投入口やスタートスイッチとの位置関係もあるので、強度面を考慮して大型化するとしても、その大きさには、自ずと限度が生ずる。
【0010】
また、複数のストップスイッチをそれぞれ別個に設けるとすると、各ストップスイッチを個別に組み付ける必要が生ずるので、スロットマシンの生産性を悪化させてしまう。そのため、各ストップスイッチは、各リールに対応するように並べた状態で、1つにまとめて取り扱うことが好ましい。
【0011】
そこで、3つのリールの回転をそれぞれ停止させるための3つのストップスイッチをユニット化する技術が知られている。すなわち、1つのユニット基板と、3つの押しボタン本体を摺動可能に支持する1つのユニットボックスと、このユニットボックスの前面側を覆う装飾部材とを備えるようにした技術であり、ユニット基板に、各スイッチを構成する3つのフォトセンサや、各ストップスイッチが操作可能なことを遊技者に知らせるための3つの発光ダイオードを配置したストップスイッチユニットである(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献2】特開2000−185131号公報
【0012】
上記の特許文献2に記載の技術によれば、3つのストップスイッチがユニット化されているので、スロットマシンに対する各ストップスイッチの組付け作業が非常に容易なものとなる。また、ストップスイッチユニットをスロットマシンの前面側に設置するだけで、3つのリールに対応するように、3つの押しボタン本体が位置決めされて配置されるようになる。
【0013】
そして、それぞれの押しボタン本体を装飾部材側からユニット基板側に向けて押し込めば、各押しボタン本体と連動して移動するスイッチ片が各フォトセンサの発光部と受光部との間を遮光する。すると、それぞれのストップスイッチが作動することとなり、そのストップスイッチの発光ダイオードが点灯状態から消灯状態に変化するとともに、押し込まれた押しボタン本体と対応する位置にあるリールの回転が停止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記の特許文献1に記載の技術は、押しボタン本体の強度を損なうことなく、発光ダイオードの視認性を向上させることができるに過ぎないのであって、上記の特許文献1には、押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返すことによる動作不良の防止について、何ら開示されていない。
【0015】
また、上記の特許文献2に記載の技術は、3つのストップスイッチをユニット化することにより、各ストップスイッチの組付け作業や各押しボタン本体の配置作業を容易にすることはできるが、上記の特許文献2には、特許文献1と同様に、押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返すことによる動作不良の防止について、何ら開示されていない。
【0016】
すなわち、押しボタン本体の押し込み操作が長期間に渡って繰り返されると、透明樹脂で形成された押しボタン本体と、同じく樹脂製のユニットボックスとの摺動部分が擦れ、樹脂粉が発生するようになる。この樹脂粉は、ストップスイッチの内部に滞留することとなり、フォトセンサの発光部と受光部との間にも入り込む。すると、樹脂粉によって発光部と受光部との間が遮光され、押しボタン本体を押し込まなくてもストップスイッチが作動した状態となってしまう。
【0017】
そのため、押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返すと、ストップスイッチの動作不良が発生することとなり、その結果、スロットマシンの適正な遊技が妨げられてしまう。
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2には、このような問題について、全く開示がないのである。
【0018】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返すことによるスイッチ装置の動作不良を確実に防止できるようにし、スイッチ装置の信頼性を大幅に向上させることが可能な遊技機のスイッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
請求項1の発明は、枠体と、押し込み操作によって前記枠体の内面を摺動可能な押しボタン本体と、前記枠体の奥部側に押し込まれた前記押しボタン本体を初期位置に復帰させる弾性部材と、前記押しボタン本体と連動して移動するスイッチ片と、前記スイッチ片との相互作用によってスイッチを構成するスイッチ本体とを備え、前記押しボタン本体の押し込み操作により、遊技機における所定の機能を果たす遊技機のスイッチ装置であって、前記スイッチ本体の背面側を覆うカバーと、前記カバーに設けられた開口部とを備え、前記開口部を介して、前記スイッチ片と前記スイッチ本体との相互作用部分が清掃可能に形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機のスイッチ装置において、前記開口部は、開閉可能な蓋体を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機のスイッチ装置において、前記スイッチ本体は、発光部と受光部とからなるフォトセンサであり、前記スイッチ片は、前記フォトセンサの前記発光部と前記受光部との間を遮断する遮光部材であることを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機のスイッチ装置において、前記スイッチ本体は、離間した一対の電極であり、前記スイッチ片は、両前記電極の間を導通させる導電部材であることを特徴とする。
【0023】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遊技機のスイッチ装置において、前記遊技機は、図柄を表示したリールを有するスロットマシンであり、前記押しボタン本体は、前記リールの回転を停止させるためのボタンであることを特徴とする。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遊技機のスイッチ装置において、前記遊技機は、図柄変動表示装置を有する弾球遊技機であり、前記押しボタン本体は、前記図柄変動表示装置に表示された図柄の変動を停止させるためのボタンであることを特徴とする。
【0025】
上記の各発明において、スイッチ装置は、押しボタン本体と連動して移動するスイッチ片と、このスイッチ片との相互作用によってスイッチを構成するスイッチ本体とを備えている。また、スイッチ本体の背面側を覆うカバーは、開口部を備えている。そして、この開口部を介して、スイッチ片とスイッチ本体との相互作用部分が清掃可能に形成されている。
【0026】
そのため、スイッチ装置の内部に、樹脂粉やほこり等の異物が存在することとなり、この異物がスイッチを構成するスイッチ片とスイッチ本体との相互作用部分に入り込んだとしても、カバーの開口部を介して、スイッチ片とスイッチ本体との相互作用部分が清掃できるようになり、異物を排除できることとなる。その結果、押し込み操作が長期間に渡って繰り返されても、スイッチ装置の動作不良が確実に防止される。
【0027】
なお、カバーの開口部は、スイッチ片とスイッチ本体との相互作用部分を清掃するために必要となるものであるが、清掃時以外は、開口部から逆に異物が侵入することも考えられる。そこで、開口部に開閉可能な蓋体を備えるようにし、清掃時のみ蓋体を開けるようにすることが好ましい。
【0028】
ところで、スイッチ装置を構成するスイッチ本体は、発光部と受光部とからなるフォトセンサとすることができる。なお、この場合のスイッチ片は、フォトセンサの発光部と受光部との間を遮断する遮光部材である。
また、スイッチ本体は、離間した一対の電極とすることもできる。なお、この場合のスイッチ片は、両前記電極の間を導通させる導電部材である。
【0029】
ここで、このようなスイッチ装置を適用する遊技機は、図柄を表示したリールを有するスロットマシンであっても、図柄変動表示装置を有する弾球遊技機であっても良い。そして、スロットマシンの場合の押しボタン本体は、リールの回転を停止させるためのボタンとし、弾球遊技機の場合の押しボタン本体は、図柄変動表示装置に表示された図柄の変動を停止させるためのボタンとすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の遊技機のスイッチ装置によれば、スイッチ本体の背面側を覆うカバーの開口部を介して、スイッチ片とスイッチ本体との相互作用部分が清掃可能となっているので、押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返しても、スイッチ装置の動作不良を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、本発明の遊技機のスイッチ装置を適用した遊技機として、図柄を表示したリールを有するスロットマシンを例に挙げて説明する。
【0032】
図1は、本発明の遊技機のスイッチ装置を適用したスロットマシン10の表面側(遊技者側)を示す正面図である。
図1に示すように、スロットマシン10には、フロントパネル21が設けられ、このフロントパネル21の向かって右下側に、スロットマシン10の遊技を行うためのメダルを投入するメダル投入口22が設けられている。
【0033】
また、スロットマシン10の筐体の内部であって、フロントパネル21の後方には、3つのリール31が設けられている。ここで、各リール31は、それぞれリング状のものであり、その外周面には、複数の入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが貼られている。なお、1つのリール31には、21個の複数種類の図柄が等間隔で配列されており、各リール31ごとに異なった図柄配列がなされている。
【0034】
これらのリール31の中心部には、それぞれステッピングモータ(図示せず)が連結されており、各ステッピングモータの駆動によって各リール31がそれぞれ回転する。そのため、各リール31の回転により、各リール31上の図柄がフロントパネル21内で上下方向に移動表示され、フロントパネル21からは、各リール31の外周面にある一部の図柄が見えるようになっている。
【0035】
そして、フロントパネル21の左下側に、各リール31のスタートスイッチ23が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ23は、遊技者が操作するレバーであり、遊技者がこのスタートスイッチ23のレバー操作を行うことによって各ステッピングモータが駆動され、各リール31の回転が始まる。
【0036】
一方、フロントパネル21の中央下側には、本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチユニット40が設けられている。ストップスイッチユニット40は、各リール31ごとに独立して3つ並設された押しボタン本体41を備えており、遊技者が各押しボタン本体41の押し込み操作を行うことによってそれぞれのリール31の回転が停止する。
【0037】
このように、図1に示すスロットマシン10は、メダル投入口22にメダルを投入し、スタートスイッチ23のレバー操作を行うことによって各リール31の回転が始動する。そして、遊技者がストップスイッチユニット40の各押しボタン本体41の押し込み操作を行うことによって各リール31の回転が停止し、停止した各リール31の図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときに入賞となり、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。
【0038】
次に、本発明の遊技機のスイッチ装置の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図2は、本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチユニット40を示す分解斜視図であり、第1実施形態を示す図である。
【0039】
図2に示すように、第1実施形態のストップスイッチユニット40は、3つの押しボタン本体41をすべて1つのユニットボックス42(本発明における枠体に相当するもの)に組み込むことにより、3つのストップスイッチを1つにまとめてユニット化したものである。
【0040】
すなわち、ストップスイッチユニット40は、図1に示すスロットマシン10の各リール31の回転を停止させるためのストップスイッチである。そして、このストップスイッチユニット40は、1つのユニットボックス42と、押し込み操作によってユニットボックス42の内面を摺動可能な3つの押しボタン本体41と、ユニットボックス42の奥部側に押し込まれた各押しボタン本体41をそれぞれ初期位置に復帰させるための3つのコイルバネ43(本発明における弾性部材に相当するもの)と、フォトセンサ45(本発明におけるスイッチ本体に相当するもの)や発光ダイオード46等が実装された1つのユニット基板44(本発明におけるカバーに相当するもの)とを備えている。
【0041】
ここで、ストップスイッチユニット40を構成するユニットボックス42は、図2に示すように、スロットマシン10(図1参照)の筐体に対する取付け部42aが一体化されたものである。この取付け部42aは、3つの押しボタン本体41を取り囲む装飾部材ともなっており、この取付け部42aをスロットマシン10(図1参照)の筐体にネジ止めするだけで、図1に示すように、ストップスイッチユニット40がスロットマシン10の前面側に設置される。
【0042】
そのため、図2に示すストップスイッチユニット40は、ユニットボックス42の取付け部42aにより、スロットマシン10(図1参照)に対する組付け作業が非常に容易なものとなっている。そして、このストップスイッチユニット40をスロットマシン10の前面側に設置するだけで、3つの押しボタン本体41が3つのリール31に対応するように位置決めされて配置される。
【0043】
また、ユニットボックス42は、3つの押しボタン本体41及び3つのコイルバネ43をそれぞれ取り付けるための3つの挿入部42bを有している。そして、各挿入部42bに各コイルバネ43を挿入すると、各コイルバネ43は、各挿入部42bに内挿された状態で保持される。
【0044】
この状態でさらに、各挿入部42bに各押しボタン本体41を挿入すると、各コイルバネ43は、各押しボタン本体41に内挿されて縮められ、各押しボタン本体41の抜け防止突起41aがそれぞれユニットボックス42の各挿入部42bと嵌合する。そのため、各押しボタン本体41は、各コイルバネ43を圧縮した状態でユニットボックス42から抜けなくなる。
【0045】
一方、ユニット基板44のユニットボックス42側には、3つのフォトセンサ45及び3つの発光ダイオード46がそれぞれ各押しボタン本体41に対応するように実装されている。そして、ユニット基板44の2つの取付孔44aによってユニット基板44をユニットボックス42にネジ止めすると、各フォトセンサ45及び各発光ダイオード46は、ユニットボックス42の各挿入部42bの内部にそれぞれ配置されるようになる。
【0046】
ここで特に、各フォトセンサ45の位置は、各押しボタン本体41と一体の各スイッチ片41bと対応するようになっている。そのため、押しボタン本体41をコイルバネ43の反発力に対抗して押し込めば、その押しボタン本体41のスイッチ片41bが対応するフォトセンサ45の発光部と受光部との間を遮光し、スイッチとなる。
【0047】
また、ユニット基板44には、3つの開口部44bが形成されている。各開口部44bは、3つのフォトセンサ45に対応して設けられており、各フォトセンサ45の発光部と受光部との間に、綿棒等の清掃部材を差し込むことができるようになっている。
【0048】
さらに、ユニット基板44には、各フォトセンサ45及び各発光ダイオード46への配線をすべて集約し、スロットマシン10(図1参照)の制御基板と電気的に接続するためのコネクタ47が設けられている。
【0049】
このコネクタ47によってユニット基板44と接続される制御基板は、スロットマシン10(図1参照)の遊技の進行その他を統括制御するものであり、メインCPU、プログラムROM、及び制御用RAM等を搭載している。なお、メインCPUは、制御基板の制御をつかさどるものであり、プログラムROMは、遊技に必要なプログラムやデータ等を記憶しておくものであり、制御用RAMは、メインCPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶等するものである。
【0050】
そして、制御基板の指令によって3つの発光ダイオード46がすべて点灯状態となり、この点灯状態は、透明樹脂製の各押しボタン本体41を通して外部から視認できるようになっている。そのため、スロットマシン10(図1参照)の遊技者は、ストップスイッチユニット40が操作可能なことを知ることができる。
【0051】
図3は、第1実施形態のストップスイッチユニット40において、スイッチを構成するフォトセンサ45の周辺部を示す斜視図及び正面図である。
図3に示すように、フォトセンサ45は、発光部45aと受光部45bとが対向したものであり、初期状態において、発光部45aから発せられる光を受光部45bで受けるようになっている。
【0052】
ここで、ストップスイッチユニット40においては、押しボタン本体41(図2参照)と一体のスイッチ片41bが発光部45aと受光部45bとの遮光部材となっており、スイッチ片41bとフォトセンサ45との相互作用によってスイッチが構成される。
【0053】
すなわち、押しボタン本体41(図2参照)が押し込まれ、スイッチ片41bが 図3(a)に示す矢印のように移動すると、フォトセンサ45の発光部45aと受光部45bとの間にスイッチ片41bが入り込み、発光部45aから発せられた光がスイッチ片41bによって遮断され、受光部45bが光を受けられない状態となる。その結果、フォトセンサ45がスイッチとして機能する。
【0054】
そして、フォトセンサ45の発光部45aと受光部45bとの間がスイッチ片41bによって遮光されていない図3に示す状態では、制御基板の指令によって3つの発光ダイオード46(図2参照)がすべて点灯している。そのため、遊技者は、ストップスイッチユニット40が操作可能状態であることを知ることができる。
【0055】
このような操作可能状態において、スロットマシン10(図1参照)の遊技者がそれぞれの押しボタン本体41(図2参照)を任意のタイミングで押すと、その押しボタン本体41は、コイルバネ43(図2参照)の反発力に対抗して押し込まれることとなり、押しボタン本体41と一体のスイッチ片41bが連動して移動し、スイッチ片41bが対応するフォトセンサ45の発光部45aと受光部45bとの間を遮断する遮光部材となり、リール31(図1参照)のストップスイッチとなる。
【0056】
すると、スロットマシン10(図1参照)の制御基板の制御により、押し込まれた押しボタン本体41と対応する発光ダイオード46が点灯状態から消灯状態に変化するとともに、その押しボタン本体41と対応するリール31(図1参照)の回転が停止することとなる。
【0057】
また、図3(b)に示すように、ユニット基板44におけるフォトセンサ45の発光部45aと受光部45bとの間の部分には、開口部44bが形成されている。そのため、この開口部44bを介して、発光部45aと受光部45bとの間に綿棒等の清掃部材を差し込むことができ、フォトセンサ45を清掃することができる。
【0058】
図4は、第1実施形態のストップスイッチユニット40を示す部分断面図であり、押しボタン本体41とユニットボックス42との関係を示す図である。
図4に示すように、押しボタン本体41は、コイルバネ43を介してユニットボックス42に取り付けられている。そして、圧縮された状態のコイルバネ43の反発力により、押しボタン本体41の表面は、ユニットボックス42から突出することとなり、これが押しボタン本体41の初期位置となっている。
【0059】
図4に示す初期位置において、突出した押しボタン本体41をユニットボックス42の奥部側に押し込むと、押しボタン本体41は、ユニットボックス42の挿入部42bの内面を摺動し、押しボタン本体41の段部41cとユニットボックス42の段部42cとが当接するまで押し込まれる。
【0060】
一方、押しボタン本体41の押し込みをやめると、圧縮されているコイルバネ43の反発力により、押しボタン本体41がユニットボックス42の挿入部42bの内面を逆方向に摺動し、押しボタン本体41は、図4に示す初期位置に復帰する。
【0061】
このように、押しボタン本体41は、押し込み操作が繰り返されるたびに、ユニットボックス42の挿入部42bの内面を摺動しながら往復する。そのため、透明樹脂で形成された押しボタン本体41と、同じく樹脂(ABS樹脂)製のユニットボックス42の挿入部42bとの摺動部分が擦れることとなり、押し込み操作が長期間に渡って繰り返されると、樹脂粉が発生するようになる。そして、この樹脂粉は、ユニットボックス42の内部に滞留し、フォトセンサ45(図3参照)のスイッチ機能に悪影響を及ぼす。
【0062】
すなわち、図3に示すフォトセンサ45の発光部45aと受光部45bとの間にまで樹脂粉が入り込み、この樹脂粉が発光部45aから発せられた光を遮断することで、あたかもスイッチ片41bが発光部45aと受光部45bとの間に入り込んだようになる。すると、押しボタン本体41を押し込んでいないにもかかわらず、押しボタン本体41が押し込まれたと同じ状態となってしまうのである。
【0063】
そこで、第1実施形態のストップスイッチユニット40においては、フォトセンサ45の発光部45aから発せられた光が樹脂粉によって遮断されることがないように、発光部45aと受光部45bとの間を清掃して樹脂粉を排除すべく、ユニット基板44に開口部44bが形成されている。
【0064】
図5は、第1実施形態のストップスイッチユニット40を示す部分断面図であり、押しボタン本体41のスイッチ片41bとフォトセンサ45との関係を示す図である。
図5に示すように、ユニットボックス42の内面には、押しボタン本体41が挿入されている。また、ユニットボックス42の背面側には、フォトセンサ45及び発光ダイオード46が実装されたユニット基板44が取り付けられている。さらに、ユニット基板44は、背面ケース48で覆われている。
【0065】
図5に示すストップスイッチユニット40において、押しボタン本体41には、スイッチ片41bが一体化されている。そのため、押しボタン本体41の押し込み操作により、スイッチ片41bが連動して移動する。なお、図5は、押しボタン本体41を途中まで押し込んだ状態を示しており、スイッチ片41bとフォトセンサ45とが一部重なった状態となっている。
【0066】
ここで、図5に示すように、ユニット基板44には開口部44bが設けられ、背面ケース48にも開口部48aが設けられている。この開口部44b及び開口部48aは、フォトセンサ45の発光部と受光部との間の部分に形成されており、開口部44b及び開口部48aを介して、フォトセンサ45の発光部と受光部との間に綿棒等の清掃部材を差し込むことができるようになっている。
【0067】
そのため、第1実施形態のストップスイッチユニット40は、フォトセンサ45の発光部と受光部との間に、樹脂粉やほこり等の異物が入り込んだとしても、フォトセンサ45を清掃することができ、フォトセンサ45の発光部と受光部との間の異物を排除することができる。
【0068】
したがって、第1実施形態のストップスイッチユニット40によれば、押しボタン本体41の押し込み操作が長期間に渡って繰り返され、樹脂粉が発生するようになったとしても、フォトセンサ45の発光部と受光部との間は、必要に応じて、適宜清掃することができる。その結果、ストップスイッチユニット40の動作不良を確実に防止することができる。
【0069】
(第2実施形態)
図6は、本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチ40を示す断面図であり、第2実施形態を示す図である。なお、図6は、押しボタン本体41を途中まで押し込まれた状態を示しており、スイッチ片41bとフォトセンサ45とが一部重なった状態となっている。
【0070】
図6に示す第2実施形態のストップスイッチ40は、1つのボックス42(本発明における枠体に相当するもの)ごとに1つの押しボタン本体41を組み込んだものであり、ストップスイッチをユニット化していない点が第1実施形態と異なる。
【0071】
すなわち、図6に示すように、ボックス42の内面には、押しボタン本体41が挿入されている。そして、この押しボタン本体41は、透明樹脂からなるボタンカバー50で覆われている。また、ユニットボックス42の背面側には、フォトセンサ45及び発光ダイオード46が実装されたユニット基板44が取り付けられている。さらに、ユニット基板44は、背面ケース48で覆われている。
【0072】
図6に示すストップスイッチ40において、押しボタン本体41には、スイッチ片41bが一体化されている。そのため、ボックス42に対して押しボタン本体41が押し込まれると、スイッチ片41bが連動して移動する。そして、このスイッチ片41bとの相互作用によってスイッチを構成するフォトセンサ45の下側には、開口部44b及び開口部48aが形成されている。
【0073】
この開口部44b及び開口部48aは、図5に示す第1実施形態のストップスイッチユニット40の開口部44b及び開口部48aと全く同様に、フォトセンサ45の発光部と受光部との間の部分に形成されており、開口部44b及び開口部48aから綿棒等の清掃部材を差し込むことにより、フォトセンサ45の発光部や受光部に付着した樹脂粉を取り除くことができる。
【0074】
したがって、第2実施形態のストップスイッチ40も第1実施形態のストップスイッチユニット40と同様に、押しボタン本体41の押し込みが長期間に渡って繰り返され、樹脂粉が発生するようになったとしても、フォトセンサ45の発光部と受光部との間は、清掃部材によって繰り返し清掃することができるので、ストップスイッチ40の動作不良が確実に防止される。
【0075】
(第3実施形態)
図7は、本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチ40を示す断面図であり、第3実施形態を示す図である。なお、図7は、押しボタン本体41が途中まで押し込まれた状態を示しており、スイッチ片41bとフォトセンサ45とが一部重なった状態となっている。
【0076】
図7に示す第3実施形態のストップスイッチ40は、図6に示す第2実施形態のストップスイッチ40と同様に、1つのボックス42(本発明における枠体に相当するもの)ごとに1つの押しボタン本体41を組み込んだものである。
【0077】
しかし、図7に示す第3実施形態のストップスイッチ40におけるユニット基板44には、発光ダイオード46と、離間した一対の電極53(本発明におけるスイッチ本体に相当するもの)が実装されており、このユニット基板44がユニットボックス42の背面側に取り付けられるとともに、背面ケース48でユニット基板44が覆われる。
【0078】
また、押しボタン本体41と一体のスイッチ片41bの先端部には、両電極53の間を導通させる導電部材54が取り付けられている。したがって、ボタンカバー50が押し込まれ、それによって押しボタン本体41のスイッチ片41bが移動すると、両電極53の間に導電部材54が入り込み、導通状態となることによってスイッチが作動する。
【0079】
ところが、ボタンカバー50の押し込み操作の繰り返しによって発生した樹脂粉が両電極53や導電部材54に付着すると、導電部材54が両電極53の間に入り込んだとしても、導通状態とならなくなってしまう。そのため、樹脂粉によってスイッチが正常に作動しなくなることが考えられる。
【0080】
ここで、第3実施形態のストップスイッチ40においては、両電極53の下側に、開口部44b及び開口部48aが形成されている。すなわち、開口部44b及び開口部48aは、両電極53の間の部分に形成されており、開口部44b及び開口部48aから綿棒等の清掃部材を差し込むことにより、両電極53の間に付着した樹脂粉を取り除くことができる。
【0081】
このように、第3実施形態のストップスイッチ40は、離間した一対の電極53間に、樹脂粉やほこり等の異物が入り込んだとしても、両電極53の間は、清掃部材によって繰り返し清掃することが可能なので、簡単に異物を排除することができる。
【0082】
また、第3実施形態のストップスイッチ40においては、背面ケース48の開口部48aに、蓋体51が備えられている。そして、この蓋体51は、ヒンジ52によって開閉可能となっている。そのため、蓋体51を閉めておくことにより、開口部48aから逆に異物が侵入する事態を防止することができる。
【0083】
したがって、第3実施形態のストップスイッチ40によれば、ボタンカバー50の押し込み操作が長期間に渡って繰り返され、樹脂粉が発生するようになったとしても、必要に応じて蓋体51を開けて、両電極53の間を清掃することができる。その結果、ストップスイッチ40の動作不良を確実に防止することができる。
【0084】
以上、本発明の3つの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)上述した実施形態の遊技機のスイッチ装置は、遊技機の1つとして、図柄を表示した3つのリール31を有するスロットマシン10に適用した例を示したが、このようなスロットマシン10には限られない。すなわち、図柄変動表示装置を有する弾球遊技機、アレンジボール、雀球遊技機等の種々の遊技機にも広く適用することができる。
【0085】
(2)上述した各実施形態では、遊技機のスイッチ装置としてストップスイッチユニット40又はストップスイッチ40を例に挙げたが、これに限られることなく、遊技機に使用するスイッチ装置であれば、いかなるものであっても良い。例えば、スタートスイッチ23等であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の遊技機のスイッチ装置は、押しボタン本体の押し込み操作を長期間に渡って繰り返すことによるスイッチ装置の動作不良を確実に防止することができる。そのため、スロットマシン、弾球遊技機、アレンジボール、雀球遊技機等の種々の遊技機に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の遊技機のスイッチ装置を適用したスロットマシン10の表面側(遊技者側)を示す正面図である。
【図2】本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチユニット40を示す分解斜視図であり、第1実施形態を示す図である。
【図3】第1実施形態のストップスイッチユニット40において、スイッチを構成するフォトセンサ45の周辺部を示す斜視図及び正面図である。
【図4】第1実施形態のストップスイッチユニット40を示す部分断面図であり、押しボタン本体41とユニットボックス42との関係を示す図である。
【図5】第1実施形態のストップスイッチユニット40を示す部分断面図であり、押しボタン本体41のスイッチ片41bとフォトセンサ45との関係を示す図である。
【図6】本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチ40を示す断面図であり、第2実施形態を示す図である。
【図7】本発明の遊技機のスイッチ装置に相当するストップスイッチ40を示す断面図であり、第3実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10 スロットマシン(遊技機)
21 フロントパネル
22 メダル投入口
23 スタートスイッチ
31 リール
40 ストップスイッチユニット、ストップスイッチ(スイッチ装置)
41 押しボタン本体
41a 抜け防止突起
41b スイッチ片
41c 段部
42 ユニットボックス、ボックス(枠体)
42a 取付け部
42b 挿入部
42c 段部
43 コイルバネ(弾性部材)
44 ユニット基板(カバー)
44a 取付孔
44b 開口部
45 フォトセンサ(スイッチ本体)
45a 発光部
45b 受光部
46 発光ダイオード
47 コネクタ
48 背面ケース
48a 開口部
50 ボタンカバー
51 蓋体
52 ヒンジ
53 電極(スイッチ本体)
54 導電部材(スイッチ本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、
押し込み操作によって前記枠体の内面を摺動可能な押しボタン本体と、
前記枠体の奥部側に押し込まれた前記押しボタン本体を初期位置に復帰させる弾性部材と、
前記押しボタン本体と連動して移動するスイッチ片と、
前記スイッチ片との相互作用によってスイッチを構成するスイッチ本体と
を備え、
前記押しボタン本体の押し込み操作により、遊技機における所定の機能を果たす遊技機のスイッチ装置であって、
前記スイッチ本体の背面側を覆うカバーと、
前記カバーに設けられた開口部とを備え、
前記開口部を介して、前記スイッチ片と前記スイッチ本体との相互作用部分が清掃可能に形成されている
ことを特徴とする遊技機のスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機のスイッチ装置において、
前記開口部は、開閉可能な蓋体を備える
ことを特徴とする遊技機のスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遊技機のスイッチ装置において、
前記スイッチ本体は、発光部と受光部とからなるフォトセンサであり、
前記スイッチ片は、前記フォトセンサの前記発光部と前記受光部との間を遮断する遮光部材である
ことを特徴とする遊技機のスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の遊技機のスイッチ装置において、
前記スイッチ本体は、離間した一対の電極であり、
前記スイッチ片は、両前記電極の間を導通させる導電部材である
ことを特徴とする遊技機のスイッチ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遊技機のスイッチ装置において、
前記遊技機は、図柄を表示したリールを有するスロットマシンであり、
前記押しボタン本体は、前記リールの回転を停止させるためのボタンである
ことを特徴とする遊技機のスイッチ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遊技機のスイッチ装置において、
前記遊技機は、図柄変動表示装置を有する弾球遊技機であり、
前記押しボタン本体は、前記図柄変動表示装置に表示された図柄の変動を停止させるためのボタンである
ことを特徴とする遊技機のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−107962(P2006−107962A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294180(P2004−294180)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】