説明

遊技機の球発射機構

【課題】遊技機を設置する島設備との干渉を容易に避けることができ、メンテナンスの作業効率が悪化することを防止することができる遊技機の球発射機構を提供すること。
【解決手段】遊技機の球発射機構5は、遊技機における本体枠2に配設して、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射させるものである。球発射機構5は、ベース板51に対する後面側に、遊技球を打ち出す打球槌52を配設すると共に、ベース板51に対する前面側に、打球槌52に駆動力を与える発射駆動源53を配設してなる。ベース板51は、本体枠2に対して前面側から取り付けた状態にあり、この取付状態において、本体枠2の前面部と当該ベース板51との間に、所定の空間22が形成されるよう構成してある。また、所定の空間22の下部には、この空間22に入った遊技球を、本体枠2の外部へと排出することができる球排出部23が形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機における本体枠に配設して、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射させる球発射機構に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技球を遊技領域へ発射させる球発射装置が設けてあり、この球発射装置は、モータ等の発射駆動源によって打球槌を駆動し、遊技球を発射させるよう構成されている。そして、近年は、球発射装置におけるモータ等が、遊技機を設置する島設備の下部に設けられた球受け箱と干渉することを避けるために、モータ等が遊技機の前側に位置し、打球槌が遊技機の後側に位置する状態で、配設することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1の遊技機においては、取付ベース部材の前側に回転式駆動手段を配置し、取付ベース部材の後側に打球杆を配置して、発射ユニットを構成している。そして、発射ユニットを本体枠の設置面部における支持部に取り付けた際に、設置面部と取付ベース部材との間に発射レール及び打球杆が位置するようにしている。これにより、遊技機を設置する設置枠台に設けた設備(球受け箱)と、回転式駆動手段との干渉を防止することができ、発射ユニットを必要に応じて任意位置に設置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−111361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、打球杆の弾発部の周辺に位置する取付ベース部材の部分を切り欠いて、打球杆の弾発部が露出するようにしている。そのため、メンテナンスを行う際に、意図せず遊技球が本体枠の設置面部と取付ベース部材との間に入り込むおそれがある。この場合、遊技球を排出するために、発射ユニットの全体を本体枠の設置面部から取り外す必要が生じ、作業効率を悪化させる要因となっている。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、遊技機を設置する島設備との干渉を容易に避けることができ、メンテナンスの作業効率が悪化することを防止することができる遊技機の球発射機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技機における本体枠に配設して、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射させる球発射機構であって、
ベース板に対する後面側に、遊技球を打ち出す打球槌を配設すると共に、上記ベース板に対する前面側に、上記打球槌に駆動力を与える発射駆動源を配設してなり、
上記ベース板は、上記本体枠に対して前面側から取り付けた状態にあり、該取付状態において、上記本体枠の前面部と当該ベース板との間に、所定の空間が形成されるよう構成してあり、
該空間に入った遊技球を、上記本体枠の外部へと排出することができる球排出部が形成してあることを特徴とする遊技機の球発射機構にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機の球発射機構は、球発射機構の周辺のメンテナンスを行う際に、その作業効率を低下させないための工夫を行っている。
具体的には、本発明の球発射機構は、ベース板の後面側に打球槌を配設し、ベース板の前面側に発射駆動源を配設して、ベース板を本体枠の前面側から取り付けている。これにより、遊技機を島設備に設置する際に、発射駆動源が島設備の下部に設けられた遊技球回収用球受け皿(球受け箱)と干渉することを避けることができる。
【0009】
また、本体枠の前面部とベース板との間には、所定の空間と、この空間に入った遊技球を本体枠の外部へと排出することができる球排出部とが形成してある。
これにより、球発射機構の周辺のメンテナンスを行う際に、意図せず遊技球が空間内に入ってしまったときでも、ベース板を本体枠から取り外すことなく、当該遊技球を簡単に本体枠の外部へと排出することができる。そのため、メンテナンスの作業効率が悪化することを防止することができる。
【0010】
それ故、本発明の遊技機の球発射機構によれば、遊技機を設置する島設備との干渉を容易に避けることができ、メンテナンスの作業効率が悪化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1における、球発射機構の周辺を遊技機の前面側から見た状態で示す斜視図。
【図2】実施例1における、本体枠に対して球皿パネルを開けた状態を遊技機の前面側から見た状態で示す斜視図。
【図3】実施例1における、本体枠に形成した球排出部の周辺を遊技機の前面側から見た状態で示す斜視図。
【図4】実施例1における、球発射装置をベース板の前面側から見た状態で示す正面図。
【図5】実施例1における、球発射装置をベース板の後面側から見た状態で示す裏面図。
【図6】実施例1における、球発射機構の周辺を示す図で、図1におけるA−A線矢視断面説明図。
【図7】実施例2における、球発射機構の周辺を遊技機の前面側から見た状態で示す斜視図。
【図8】実施例2における、他の球発射機構の周辺を遊技機の前面側から見た状態で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述した本発明の遊技機の球発射機構における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記ベース板には、上記打球槌が待機位置にあるときの打球槌先端部の周辺の前方側を開放する開放切欠が形成してあり、上記ベース板又は上記本体枠には、上記開放切欠を覆って、上記空間へ遊技球が入ることを防止するカバー部材が着脱可能に取り付けてあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、メンテナンスを行う者は、開放切欠を介して打球槌における打球先端部の周辺のメンテナンスを行うことができる。
【0013】
そして、開放切欠にカバー部材が取り付けてあることにより、打球槌における打球先端部の周辺のメンテナンスを行うときのみ、カバー部材を開け、それ以外のときには、カバー部材によって打球槌における打球先端部が露出しないようにしておくことができる。これにより、球発射機構周辺のメンテナンス等を目的として、球発射機構周辺の前方を覆う球皿パネル等を開放した時に、打球先端部に誤って遊技球等が当たってしまうことを確実に防止することができ、打球先端部を保護することができる。また、開放切欠から上記本体枠とベース板との間の所定の空間内に、誤って遊技球が入ったり嵌まり込んだりしてしまうことを確実に防止することができる。
【0014】
また、上記カバー部材には、上記打球槌が待機位置にあるときの打球槌先端部に対向する部位に、遊技球の直径より小さな寸法のメンテナンス用開口穴が形成してあることが好ましい(請求項3)。
この場合には、打球槌における打球先端部の掃除等を行う際に、カバー部材が取り付いた状態において、遊技球の直径より小さな寸法のメンテナンス用開口穴を介して行うことができる。そのため、遊技球の空間内への進入を確実に防止しつつ打球先端部の簡単なメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【実施例】
【0015】
以下に、本発明の遊技機の球発射機構にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例の遊技機1の球発射機構4は、図1に示すごとく、遊技機1における本体枠2に配設して、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射させるものである。球発射機構4は、ベース板51に対する後面側に、遊技球を打ち出す打球槌52を配設すると共に、ベース板51に対する前面側に、打球槌52に駆動力を与える発射駆動源53を配設してなる。ベース板51は、本体枠2に対して前面側から取り付けた状態にあり、この取付状態において、本体枠2の前面部と当該ベース板51との間(詳しくは本体枠2の前面部と打球槌52の後面部との間)に、所定の空間22が形成されるよう構成してある。また、所定の空間22の下部には、この空間22に入った遊技球を、本体枠2の外部へと排出することができる球排出部23が形成してある。
【0016】
以下に、本例の遊技機1の球発射機構4につき、図1〜図6を参照して詳説する。
図2に示すごとく、本例の遊技機1は、パチンコ遊技機である。本体枠2には、遊技領域を形成する遊技盤(図示略)が取り付けてあり、本体枠2の前面側には、打球供給皿及び補助球受皿を設けた球皿パネル3が開閉可能に配設してある。
本体枠2には、打球供給皿が遊技球によって満タン状態になったとき、遊技球を補助球受皿へ流下させるオーバーフロー流路26が形成してある。
【0017】
本例の球発射機構4は、球発射機構4を構成する要素の一つとして設けられ、遊技球を発射させるための機能を有する球発射装置5を、遊技機1における略中央位置(詳しくは中央やや右側位置)に配設してあり、この位置から左斜め上方に向けて遊技球を発射させるよう構成してある。
本体枠2には、球発射装置5から発射される遊技球を遊技盤に向けて導くための発射レール24が、球発射装置5から左斜め上方に向けて形成してある。また、発射レール24の上方端部から延長した位置には、遊技球を遊技盤面上に形成された遊技領域に向けて導くための球ガイド(外レール)25が円弧状に形成されている。そして、球ガイド25の内方位置には、遊技盤面上に遊技領域を区画形成するために設けられた内レール(図示略)が、球ガイド25の円弧形状に相似の形状で配設されている。発射された遊技球は、球ガイド25と内レールとの間の領域を通って遊技領域へと導かれるよう構成されている。
【0018】
そして、発射レール24と球ガイド25との間には、球発射装置5から発射された後、遊技領域に到達せずに球発射装置5の側に戻ってくるファール球を、主ファール球回収流路27へ回収するための入口部271が形成されている。主ファール球回収流路27は、ファール球を打球供給皿へ戻すよう構成されている。
ファール球のほとんどは、主ファール球回収流路27に回収される一方、球発射装置5から発射された発射球(遊技球)とファール球とが衝突したときには、発射球が発射レール24へ逆流するおそれがある。そこで、発射レール24における球発射装置5に近い側の部分には、発射レール24へ逆流した(戻った)ファール球を回収し、オーバーフロー流路26へ合流させるための副ファール球回収流路28が形成してある。
【0019】
図2に示すごとく、本例の発射レール24及び球ガイド25は、略垂直発射方式の場合と異なり、傾斜角度が左斜め上方に向けて緩やかに形成されている。略垂直発射方式の場合には、球発射装置5から発射された遊技球は、球ガイド25に対してその形状に沿うように滑らかに導かれるのではなく、複数回バウンドしながら直接的に遊技領域へ導かれていた。そのため、発射された遊技球が通る球ガイド25と内レールとの間の領域を、若干余裕を持たせて形成する必要性が生じ、その結果、内レールの配置位置をより外方に位置させることが難しくなり、遊技盤の遊技領域の左右方向の拡大を妨げる要因の一つとなっていた。
【0020】
これに対し、本例の球発射装置5から発射された遊技球は、球ガイド25に対してほとんどバウンドせず、球ガイド25に対してその円弧形状に沿うように滑らかに遊技領域へ導かれる。これにより、球ガイド25と内レールとの間の領域をより狭くすることが可能となり、その結果、内レールの配置位置をより外方に位置させることができ、遊技盤の遊技領域の左右方向をより拡大することができる。また、球発射装置5から発射された遊技球に加わる損失を減少させることができ、発射駆動源53の容量を小さくすることができる。
【0021】
図3は、本体枠2に形成した球排出部23の周辺を示す。球排出部23は、ベース板51を取り付けるための本体枠2の取付部21の下端部に、左右両側の外方に向けて下り傾斜するように形成した球排出通路232と、球排出通路232と連通して遊技球をベース板5よりも前方へ排出する球排出口231とを有している。取付部21には、打球槌52が回動可能な状態でベース板51が前面側に取り付けられている。また、取付部21には、意図せず進入した遊技球が、打球槌52等にそのまま載置されることなく、打球槌52の周辺から排出されるための所定の空間22が形成してある。
【0022】
図4、本例の球発射装置5をベース板51の前面側から見た状態を示し、図5は、本例の球発射装置5をベース板51の後面側から見た状態を示す。
打球槌52は、発射駆動源53としてのモータを取り付けた回動中心部522の回りに回動して、打球先端部521によって発射レール24の発射台56に配置された遊技球を打球して発射させるよう構成してある。打球槌52は、回動中心部522から特定の方向へ設けると共に打球先端部521を設けた長アーム部523と、回動中心部522から他の特定の方向へ設けると共に後述する発射用ゴムストッパー55と当接する短アーム部524とによる略「く」の字状の形状で形成されている。図4、図5において、発射台56に配置された遊技球を符号Xで示す。
【0023】
ベース板51には、待機位置501にある打球槌52の長アーム部523に下側から当接して、打球槌52の待機位置を規定する待機用ゴムストッパー54が配設してある。この待機用ゴムストッパー54は、ベース板51の前面側に設けられた待機用ゴムストッパー収納部材541に収納されて位置固定されている。待機用ゴムストッパー収納部材541は、若干回動移動(位置調整)可能なように、取付ビスを用いてベース板51の前面側に配設してある。そして、作業者は、球皿パネル3を本体枠2に対して開けたときには、待機用ゴムストッパー収納部材541の配置位置を微調整することにより、収納されている待機用ゴムストッパー54の配置位置を微調整する。これにより、打球槌52の待機位置(初期位置)を若干変更することによって、打球槌52による遊技球の発射強度の微調整を容易に行うことができる。
また、ベース板51には、遊技球を発射させる打球位置502に回動した打球槌52の短アーム部524に当接して、遊技球を発射する際の回動位置を規定する発射用ゴムストッパー55が配設してある。
【0024】
図1に示すごとく、ベース板51は、本体枠2の取付部21に対して前面側から取り付けた状態にあり、この取付状態において、本体枠2の取付部21の前面部と当該ベース板51との間(詳しくは本体枠2の取付部21の前面部と打球槌52の後面部との間)に、所定の空間22が形成されるよう構成してある。また、本体枠2の取付部21には、ベース板51の後面よりも後方に向けて突出する待機用ゴムストッパー54を収納するための円筒状の収納部233が形成されている。また、所定の空間22の下部には、この空間22に入った遊技球を、本体枠2の外部へと排出することができる球排出部23が形成してある。
【0025】
なお、図6には、本体枠2の取付部21の前面部とベース板51との間に所定の空間22を形成した状態を、側方から見た断面で示す。
また、図1に示すごとく、ベース板51には、打球槌52が待機位置501にあるときの打球先端部521の周辺の前方側を開放する開放切欠511が形成してある。そして、メンテナンスを行う者は、開放切欠511を介して打球槌52における打球先端部521の周辺のメンテナンスを行うことができる。
【0026】
本例の遊技機1の球発射機構4は、球発射機構4の周辺のメンテナンスを行う際に、その作業効率を低下させないための工夫を行っている。
具体的には、本例の球発射装置5は、ベース板51の後面側に打球槌52を配設し、ベース板51の前面側に発射駆動源53を配設して、ベース板51を本体枠2の前面側から取り付けている。これにより、遊技機1を島設備に設置する際に、遊技機1における下部の略中央位置に設けられた球発射装置5の発射駆動源53が島設備の下部に設けられた球受け皿と干渉することを避けることができる。
【0027】
また、本体枠2の前面部とベース板51との間(詳しくは本体枠2の取付部21の前面部と打球槌52の後面部との間)には、所定の空間22が形成されており、空間22の下部には、球排出部23として、上記円筒状の収納部233と連設するように設けられた球排出通路232と球排出口231とが形成されている。
これにより、球皿パネル3を本体枠2に対して開けて、球発射機構4の周辺のメンテナンスを行う際に、意図せず遊技球が空間22内に入ってしまったときでも、ベース板51を本体枠2から取り外すことなく、当該遊技球を簡単に本体枠2の外部へと排出することができる。そのため、メンテナンスの作業効率が悪化することを防止することができる。
【0028】
それ故、本例の遊技機1の球発射機構4によれば、遊技機1を設置する島設備との干渉を容易に避けることができ、メンテナンスの作業効率が悪化することを防止することができる。
【0029】
また、上記打球槌52の長アーム部523や短アーム部524には、後方に向けて下り傾斜する傾斜面を形成することができる。この場合には、長アーム部523上や短アーム部524上に進入した遊技球をそこにそのまま載置することなく、その後方に形成された所定の空間22に向けて適切に流下させることができる。
また、本例の開放切欠511は、ベース板51の右側部に略三角形の扇状に切欠き形成されている。開放切欠511の形状は、上記形状に限定されず打球槌52の先端部521の周辺が前方側に露出されるのであればどのような形状であってもよい。また、ベース板51に特に切欠形状を設けずに、打球槌52の先端部521がベース板51からその外方に突出するような構成にすることもできる。
【0030】
また、ベース板51は、平板形状に形成するだけではなく、例えば端部を後方へ向けて屈曲させた断面略L形状、又は断面略コの字形状に形成することもできる。ベース板51に屈曲形成した部位により、ベース板51の後方に配設した打球槌52等の構成部品を適宜覆うようにすることができる。
また、球排出部23の構造は、進入した遊技球を適切に排出できる構造であればどのような構造にすることもできる。
【0031】
(実施例2)
本例は、ベース板51に設けた開放切欠511に、本体枠2の取付部21に形成された空間22へ遊技球が入ることを防止するカバー部材6を着脱可能に取り付けた種々のバリエーションを示す例である。
カバー部材6は、図7に示すごとく、本体枠2における取付部21に対して回動可能に取り付けることができる。そして、カバー部材6は、開放切欠511を塞いで打球槌52における打球先端部521の周辺を覆う取付位置601と、開放切欠511を開け打球先端部521の周辺を開放する開放位置602とに回動可能にする。
【0032】
また、カバー部材6は、取付部21の上端部に設けた回動支点部61にビス等によって回動可能に取り付けることができる。そして、ビス等による一点締めの状態で取り付けておくことにより、打球槌52における打球先端部521の周辺のメンテナンスを行う際に、開放切欠511を簡単に開ける(打球先端部521を簡単に露出させる)ことができる。また、カバー部材6の表面には、作業者がカバー部材6の開閉操作をし易くするための凹凸部62を設けることができる。
【0033】
また、カバー部材6を透明の樹脂から形成することによって、カバー部材6が取付位置601に取り付いた状態においても、打球先端部521の周辺を視認可能にすることができる。
また、カバー部材6が取付位置601の正規位置に取り付いていないときには、このカバー部材6に球皿パネル3の裏面側の部分が干渉するように構成することができる。これにより、着脱可能にしたカバー部材6の誤配置を容易に認識することができる。
【0034】
カバー部材6と取付部21とは、カバー部材6が取付位置601にあるときに、いずれか一方に設けた凸部と他方に設けた凹部とが係合する構成とすることができる。そして、カバー部材6を開放位置602に回動させるとき、及びカバー部材6を取付位置601に回動復帰させるときには、カバー部材6を弾性変形させて、凸部が凹部における山部分を乗り越えることによって、凸部と凹部との係合解除及び再係合を行うことができる。これにより、カバー部材6を回動させる際のクリック感(取付位置601に回動させたことがわかる感触)を作業者に与えることができ、安定してカバー部材6を取付位置601に維持することができる。
なお、カバー部材6は、回動支点部61に設けたビスの締付け、緩めを行うことによって、本体枠2に対して容易に着脱することができる。
【0035】
本例においては、開放切欠511の周辺を覆うカバー部材6が取り付けてあることにより、打球槌52における打球先端部521の周辺のメンテナンスを行うときのみ、カバー部材6を開け、それ以外のときには、カバー部材6によって打球槌52における打球先端部521が露出しないようにしておくことができる。これにより、メンテナンス等で球皿パネル3を開放した時に、打球先端部521に誤って遊技球等が当たってしまうことを防止することができ、打球先端部521を保護することができる。また、開放切欠511から上記本体枠2とベース板51との間の所定の空間22内に、誤って遊技球が入ったり嵌まり込んだりしてしまうことを防止することができる。
【0036】
また、カバー部材6には、図8に示すごとく、打球槌52が待機位置501にあるときの打球先端部521に対向する部位に、遊技球の直径より小さな寸法のメンテナンス用開口穴63を形成することができる。この場合には、打球槌52における打球先端部521の掃除を、カバー部材6が取り付いた状態において、メンテナンス用開口穴63を介して、筆先、布等を用いて行うことができる。そのため、打球先端部521の簡単なメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
また、カバー部材6は、ビス64等によって本体部の取付部21に対して着脱可能に取り付けることができる。
本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
上記実施例1、2において、上記球排出部23は、遊技球をベース板51よりも前方側に排出するだけでなく、本体枠2の後方側に排出するよう形成することもできる。
また、上記カバー部材6は、弾性変形可能な爪等の係合構造を用いて、本体枠2の取付部21に着脱可能に取り付けることもできる。
また、上記球発射装置5は、遊技機1における略中央位置ではなく、遊技機1における左側又は右側の端部等に配置することもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 遊技機
2 本体枠
21 取付部
22 空間
23 球排出部
3 球皿パネル
4 球発射機構
5 球発射装置
51 ベース板
511 開放切欠
52 打球槌
521 打球先端部
53 発射駆動源
6 カバー部材
61 回動支点部
63 メンテナンス用開口穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機における本体枠に配設して、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射させる球発射機構であって、
ベース板に対する後面側に、遊技球を打ち出す打球槌を配設すると共に、上記ベース板に対する前面側に、上記打球槌に駆動力を与える発射駆動源を配設してなり、
上記ベース板は、上記本体枠に対して前面側から取り付けた状態にあり、該取付状態において、上記本体枠の前面部と当該ベース板との間に、所定の空間が形成されるよう構成してあり、
該空間に入った遊技球を上記本体枠の外部へと排出することができる球排出部が形成してあることを特徴とする遊技機の球発射機構。
【請求項2】
請求項1において、上記ベース板には、上記打球槌が待機位置にあるときの打球槌先端部の周辺の前方側を開放する開放切欠が形成してあり、
上記ベース板又は上記本体枠には、上記開放切欠を覆って、上記空間へ遊技球が入ることを防止するカバー部材が着脱可能に取り付けてあることを特徴とする遊技機の球発射機構。
【請求項3】
請求項2において、上記カバー部材には、上記打球槌が待機位置にあるときの打球槌先端部に対向する部位に、遊技球の直径より小さな寸法のメンテナンス用開口穴が形成してあることを特徴とする遊技機の球発射機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−62435(P2011−62435A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217485(P2009−217485)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(500077959)株式会社MRD (150)
【Fターム(参考)】