説明

遊技機用球送り装置、遊技機用球発射装置、及びそれらを備えた遊技機

【課題】遊技球の供給時に後続球からの球圧を抑えることができ、遊技球をより確実に一球ずつ送り出すことができる構成を提供する。
【解決手段】
遊技機用発射装置10は、遊技機用球送り装置11と打球装置12とを備え、遊技機用球送り装置11には、遊技球を一球ずつ収容する収容部32が複数形成された回転体30が回転可能に設けられている。この回転体30は、いずれかの収容部32が取り込み口56と連通する所定の取り込み位置となったときに取り込み口56を介して上流からの遊技球を一球受け入れ、収容部32に遊技球を受け入れた後に所定角度回動することで、この遊技球を受け入れた収容部32を送り出し口58側に移動させている。そして、遊技球を受け入れた収容部32が送り出し口58と連通する所定の送り出し位置となったときに、当該収容部32に収容された遊技球を、送り出し口58を介して回転体30の外部に送り出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用球送り装置、遊技機用球発射装置、及びそれらを備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技機では、一般的に球発射装置に設けられた打球槌によって遊技球を打球することで遊技球を遊技領域に向けて発射している。この種の球発射装置では構造上及び仕様上、遊技球を一球ずつ発射することが求められており、球発射装置に対して遊技球を送り出す球送り出し装置は、遊技球を一球ずつ確実に供給しうる構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−77904公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
球発射装置に対して遊技球を一球ずつ供給することを課題とする技術としては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。この特許文献1の球送り装置では、流下誘導路(56)の下流側に回転板(60)が回転自在に取り付けられ、この回転板(60)に六個の通過口(62)が形成されている。そして、回転板(60)が一定角度回転する毎に、通過口(62)が流下誘導路(56)の下流側端部と開口部(66)との間に介在してこれらと重なり合い、このときに流下誘導路(56)側からの遊技球が通過して発射装置(18)に供給されるようになっている。なお、ここで用いている括弧内の符号は特許文献1で付されている符号である。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、回転板(60)の前で待機する遊技球に対して後続球からの押圧(球圧)が加えられるため、滞留した遊技球が球噛みや球詰まりを生じやすく、遊技球が発射装置に供給されない虞がある。また、回転板(60)が単に通路を開閉するシャッターとして機能しているため、複数(例えば2個)の遊技球が連なって通過口(62)及び開口部(66)を通過してしまう虞もあり、後続球からの球圧が加えられやすい特許文献1の技術ではこの問題が顕著となる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技球の供給時に後続球からの球圧を抑えることができ、遊技球をより確実に一球ずつ送り出すことができる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上流からの遊技球を取り込むと共に、打球装置に向けて一球ずつ送り出す遊技機用球送り装置であって、所定の中心軸を中心として回転可能に構成されると共に外部からの駆動力を受けて駆動し、且つ前記中心軸の周囲に遊技球を一球ずつ収容する収容部が複数配置されてなる回転体と、前記回転体を回転可能に保持する保持部と、上流からの前記遊技球が通過可能に構成され、前記中心軸回りの周方向所定位置において前記収容部の回転経路に隣接して配置される取り込み口と、前記回転体を挟んで前記取り込み口とは反対側に配置され、前記中心軸回りの周方向における前記取り込み口からずれた位置において前記収容部の回転経路に隣接して配置される送り出し口と、を備えている。
更に、前記回転体は、いずれかの前記収容部が、前記取り込み口と連通する所定の取り込み位置となったときに前記取り込み口を介して上流からの前記遊技球を一球受け入れ、前記収容部に前記遊技球を受け入れた後に所定角度回動することで、前記遊技球を受け入れた前記収容部を前記送り出し口側に移動させ、前記遊技球を受け入れた前記収容部が前記送り出し口と連通する所定の送り出し位置となったときに、前記送り出し口を介して当該収容部に収容される前記遊技球を前記打球装置に向けて前記回転体の外部に送り出すように構成されている。
【0008】
また、本発明において、前記収容部は、前記中心軸の方向の長さが前記遊技球の径よりも大きく且つ前記遊技球の径の1.5倍未満とされていることが望ましい。
【0009】
また、本発明において、前記回転体において、前記収容部と一体的に歯車が形成されていてもよい。そして、この場合、当該回転体の外部に設けられた外部駆動装置からの駆動力を前記歯車によって受けることで前記回転体が回転駆動するように構成されていてもよい。
【0010】
また、本発明において、前記送り出し位置にあるときに前記収容部の底となる部分が、前記送り出し位置において前記取り込み口側よりも前記送り出し口側が低くなるように傾斜していてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記収容部が、前記中心軸の方向に沿って貫通した孔部として構成されていてもよい。そして、この場合、前記取り込み口側の開口が、前記遊技球の径の2倍よりも小さい直径の円形形状をなしていることが望ましい。
【0012】
また、本発明に係る上記遊技機用球送り装置と、前記遊技機用球送り装置によって送られる前記遊技球を保持する遊技球保持部と、前記遊技球保持部に保持される前記遊技球を打球する打球槌と、前記打球槌を駆動する打球槌駆動手段と、を設けることで特徴的な遊技機用発射装置を構成することができる。
【0013】
また、本発明に係る遊技機用球送り装置を設けた上記遊技機用発射装置において、前記打球槌駆動手段の駆動力を前記回転体に伝達する伝達手段を設けてもよい。この場合、前記回転体は、前記伝達手段によって前記打球槌駆動手段の駆動力が伝達されることで回転駆動するように構成されていることが望ましい。
【0014】
また、本発明に係る遊技機用球送り装置を設けた上記遊技機用発射装置において、前記打球槌駆動手段が前記打球槌を回転させるモータによって構成されていてもよい。そして、前記伝達手段が、前記モータの回転力を前記回転体に伝達することで前記回転体を回転させる回転力伝達手段によって構成され、前記回転力伝達手段が、前記打球槌が一回転する毎に、前記収容部による前記遊技球の取り込みから当該収容部からの前記遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるように前記打球槌と前記回転体とを連動させる構成をなしていてもよい。
【0015】
また、本発明に係る上記遊技機用球送り装置又は上記遊技機用発射装置を設けることで特徴的な遊技機を構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、所定の中心軸を中心として回転可能に構成されると共に外部からの駆動力を受けて駆動し、且つ中心軸の周囲に遊技球を一球ずつ収容する収容部が複数配置されてなる回転体と、回転体を回転可能に保持する保持部と、上流からの遊技球が通過可能に構成され、中心軸回りの周方向所定位置において収容部の回転経路に隣接して配置される取り込み口と、中心軸回りの周方向における取り込み口からずれた位置において収容部の回転経路に隣接して配置される送り出し口と、が設けられている。
更に、回転体は、いずれかの収容部が、取り込み口と連通する所定の取り込み位置となったときに取り込み口を介して上流からの遊技球を一球受け入れ、収容部に遊技球を受け入れた後に所定角度回動することで、遊技球を受け入れた収容部を送り出し口側に移動させ、遊技球を受け入れた収容部が送り出し口と連通する所定の送り出し位置となったときに、送り出し口を介して当該収容部に収容される遊技球を回転体の外部に送り出すように構成されている。
このようにすると、遊技球を一球ずつ収容部に受け入れることができ、且つその遊技球を収容部によって送り出し口まで運んで一球ずつ確実に排出できるようになる。特に、収容部に遊技球を一球だけ収容してから送り出し位置に移動させているため、後続の遊技球が複数球連続して収容部に入ってしまうことがなく、また、送り出し口と取り込み口とがずれているため、収容部が送り出し位置に移動したときには、当該収容部に収容される一球の遊技球に対して取り込み口付近に滞留する遊技球からの球圧が加わりにくくなり、遊技球を送り出すときに後続球の影響をより確実に分断できる。従って、遊技球を一球ずつ確実且つ安定的に送り出すことができる。
【0017】
更に、回転体によって遊技球を周方向に移動させる構成としているため、取り込み口と送り出し口とを前後に重なるように配置する必要がなく、取り込み口と送り出し口とが周方向にずれた位置関係で幅広く設計配置することができる。なお、これら取り込み口と送り出し口と配置関係は、回転体の中心軸の配置によって様々に設計することができ、上下方向にずれた関係としたり、横方向にずれた関係としたりすることができる。
【0018】
また、回転体によって取り込み口から送り出し口へ遊技球を移動させる際に収容された遊技球が少なくとも横方向に移動する構成であることが望ましい。このようにすると、回転体の回転に伴って収容部に収容された遊技球が取り込み口付近から移動する際に後続の遊技球(取り込み口付近で滞留する遊技球)を押し戻す量が小さくなり、後続の遊技球に対して収容部内の遊技球からの球圧が加わりにくくなる。
【0019】
また、収容部の中心軸方向の長さを遊技球の径よりも大きくし、且つ遊技球の径の1.5倍未満とすることが望ましい。このようにすると、収容部内に収容された遊技球が中心軸の方向に若干移動しやすくなり、収容部を取り込み位置から送り出し位置へ移動させる際に収容部が滞留する遊技球を上流側に押し戻す力(収容部内の遊技球と収容部外の遊技球とを分断する力)を低減することができる。従って、滞留する遊技球が強く押し戻されにくくなるため、滞留時の挙動が不安定になりにくく、次の収容部が滞留する遊技球を良好に取り込むことができる。
【0020】
また、本発明は、回転体において収容部と一体的に歯車が形成されていてもよい。そして、この場合、回転体の外部に設けられた外部駆動装置からの駆動力を歯車によって受けることで当該回転体が回転駆動するように構成されていることが望ましい。このようにすると、収容部とは別体として歯車を設けずに済むため、部品点数の削減を図ることができる。
【0021】
また、本発明は、送り出し位置にあるときに収容部の底となる部分が、この送り出し位置において、取り込み口側よりも送り出し口側が低くなるように傾斜していることが望ましい。このようにすると、収容部が送り出し位置に至ったときに遊技球を送り出し口側に迅速かつ安定的に送り出すことができる。
【0022】
また、本発明において、前記収容部が、前記中心軸の方向に沿って貫通した孔部として構成されていてもよい。そして、この場合、前記取り込み口側の開口が、前記遊技球の径の2倍よりも小さい直径の円形形状をなしていることが望ましい。このようにすると、2つの遊技球が収容部に同時に入り込むことを防止することができる。また、遊技球があまり早い段階で収容部に入り込みにくくなるため、収容部に収容された遊技球に後続の遊技球からの球圧が加わる時間を短くすることができる。
【0023】
また、本発明に係る上記遊技機用球送り装置と、この遊技機用球送り装置によって送られる遊技球を保持する遊技球保持部と、この遊技球保持部に保持される遊技球を打球する打球槌と、この打球槌を駆動する打球槌駆動手段と、を備えた遊技機用発射装置を構成するとより望ましい。このようにすると、遊技機用球送り装置によって一球ずつ確実に供給し、一球ずつ安定的に打球し得る遊技機用発射装置を実現できる。
【0024】
また、本発明に係る遊技機用球送り装置を設けた上記遊技機用発射装置において、打球槌駆動手段の駆動力を回転体に伝達する伝達手段を設け、伝達手段によって打球槌駆動手段の駆動力が伝達されることで回転体が回転駆動するように構成されていてもよい。このようにすると、打球槌駆動手段を回転体の駆動に用いる外部駆動装置として兼用することができ、部品点数の削減及びコンパクト化を図ることができる。
【0025】
また、本発明に係る遊技機用球送り装置を設けた上記遊技機用発射装置において、打球槌駆動手段が打球槌を回転させるモータによって構成されていてもよい。そして、伝達手段が、モータの回転力を回転体に伝達することで回転体を回転させる回転力伝達手段によって構成され、回転力伝達手段が、打球槌が一回転する毎に、収容部による遊技球の取り込みから当該収容部からの遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるように打球槌と回転体とを連動させる構成をなしていてもよい。
このようにすると、打球槌が一回転する毎に、収容部による遊技球の取り込みから当該遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるため、打球槌の一回転毎に遊技球が一球ずつ確実に送り出されるようになる。
【0026】
また、上記遊技機用発射装置を遊技機に設けることで、上記遊技機用発射装置と同様の効果を奏する遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機を概略的に例示する正面図である。
【図2】図2は、図1の遊技機において、前枠を開いた様子を概略的に示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用発射装置を例示する斜視図である。
【図4】図4は、図3の遊技機用発射装置の分解斜視図である。
【図5】図5は、図3の遊技機用発射装置について、図4とは異なる方向から見た分解斜視図である。
【図6】図6は、図3の遊技機用発射装置の正面図である。
【図7】図7は、図3の遊技機用発射装置の側面図である。
【図8】図8は、図6のA−A断面図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用発射装置において、ケースの一部を取り外した状態を例示する正面図である。
【図10】図10は、図9の構成についての斜視図である。
【図11】図11(A)は、回転体の中心部付近を拡大して示す拡大図であり、図11(B)は、取り込み口付近を拡大して示す断面図である。
【図12】図12は、第1実施形態に係る遊技機用発射装置においていずれかの収容部が取り込み位置となった状態を示す正面図である。
【図13】図13は、図12のB−B断面図である。
【図14】図14は、図12の状態においてケースの一部を取り外した構成を示す正面図である。
【図15】図15は、図14の構成の斜視図である。
【図16】図16は、第1実施形態に係る遊技機用発射装置においていずれかの収容部が送り出し位置となった状態を示す正面図である。
【図17】図17は、図16のC−C断面図である。
【図18】図18は、図16の状態においてケースの一部を取り外した構成を示す正面図である。
【図19】図19は、図18の構成の斜視図である。
【図20】図20は、第1実施形態に係る遊技機用発射装置における打球装置側の構成を示す正面図であり、打球槌が打球位置にあるときの状態を示すものである。
【図21】図21は、図20の構成の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用球送り装置、遊技機用発射装置、及び遊技機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(遊技機の概要)
まず、図1、図2等を参照して遊技機の概要を説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機を概略的に例示する正面図である。また、図2は、図1の遊技機において、前枠を開いた様子を概略的に示す斜視図である。
【0029】
図1、図2に示すように、遊技機1は、パチンコ機として構成されており、外郭を形成する額縁状の外枠2を備え、その外枠2の前側には、一方側がヒンジ2a、2aを介して軸支されると共に、その前面側に向かって片開き可能な構成で内枠3が支持されている。そして、内枠3には、ガイドレール8により遊技領域5aが形成された遊技盤5が装着され、その下方に遊技機用発射装置(以下、単に発射装置ともいう)10が設けられている。また、内枠3の前方側にはガラス枠6及び球皿枠7を備えた前枠4が設けられている。前枠4の一部をなすガラス枠6は、ガラスなどの透明板を備えてなるものであり、ヒンジ2bを介して内枠3に開閉自在に取り付けられている。また、球皿枠7は、ヒンジ2cを介して内枠3に開閉自在に取り付けられており、その前面には遊技球を貯留し、且つ貯留した遊技球を整流して発射装置10に供給する球受皿9が設けられている。また、この球受皿9の右下側には、遊技球の発射力を調節する球発射ハンドル19が設けられている。
【0030】
なお、本明細書において、遊技機1における上下方向とは遊技盤5の盤面に沿う態様で遊技領域5aを遊技球が流下する方向(図1等に示す代表例では鉛直方向)を意味する。また、左右方向とは遊技盤5の盤面に沿う態様で上下方向に直交する方向(図1等に示す代表例では水平方向)を意味する。また、前後方向とは遊技盤5の盤面に直交する方向(図1等に示す代表例では水平方向)を意味し、遊技盤5の遊技者側が前方側であり、遊技盤5の奥側(遊技領域5aの反対側)が後方側である。
【0031】
(発射装置の構成)
次に、発射装置10について詳述する。
まず、図2〜図11を参照し、発射装置の構成を説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る発射装置を例示する斜視図である。図4は、図3の発射装置の分解斜視図である。図5は、図3の発射装置について、図4とは異なる方向から見た分解斜視図である。図6は、図3の発射装置の正面図である。図7は、図3の発射装置の側面図である。図8は、図6のA−A断面図である。図9は、本発明の第1実施形態に係る発射装置において、ケースの一部を取り外した状態を例示する正面図である。図10は、図9の構成についての斜視図である。図11(A)は、回転体の中心部付近を拡大して示す拡大図であり、図11(B)は、取り込み口付近を拡大して示す断面図である。
【0032】
図2、図3に示すように、本実施形態に係る発射装置10は、打球装置12と遊技機用球送り装置(以下、単に球送り装置ともいう)11とを備えている。球送り装置11は、球受皿9(図1)からの遊技球B(図8)を当該球送り装置11に供給するように構成された上流流路100(図8)を通って上流から供給される遊技球B(図8)を一球ずつ取り込むと共に、打球装置12に向けて一球ずつ送り出すものであり、打球装置12は、球送り装置11によって一球ずつ送り出された遊技球B(図20、図21参照)を一球ずつ打球して遊技領域5a(図1)に向けて発射するものである。
【0033】
(打球装置の構成)
図3、図4に示すように、打球装置12は、後述する球送り装置11によって一球ずつ送られる遊技球を保持する断面M字形状の遊技球保持部26(図4)と、遊技球保持部26によって保持される遊技球を打球する打球槌24と、この打球槌24と一体的に回転する歯車22と、打球槌24及び歯車22を所定の回転軸G2を中心として回転させるモータ20とを備えている。
【0034】
遊技球保持部26は、図7、図8、図20、図21に示すように、上下方向に対して傾斜したレールとして構成されており、遊技盤5の盤面方向に沿って配されている。この遊技球保持部26は、前後方向中央部に遊技球の一部が嵌まり込む溝部26aが形成されており、この溝部26aが遊技盤5の盤面方向に沿うように傾斜して配されている。また、図20、図21のように、球送り装置11から後方側に突出する後方突出部17が遊技球保持部26に置かれた遊技球Bの斜め上側を支持しており、これら遊技球保持部26及び後方突出部17の支持によって遊技球Bが発射位置に保持されるようになっている。
【0035】
打球槌24は、図9、図10に示すようにアーム状に構成されており、一端側部分24cがモータ20の駆動軸(回転軸部20a)に固定されている。更にこの一端側部分24cには、モータ20の回転半径方向に沿って延びる延出部24aが連結されており、この延出部24aの先端側には遊技球B(図20、図21)に衝突する衝突部24bが形成されている。この衝突部24bは、延出部24aの先端部付近から周方向に沿って突出しており、後述するモータ20の駆動によりその突出方向側に移動するように回転する構成をなしている。
【0036】
モータ20は、例えば公知のステッピングモータなどによって構成されており、図示しないモータ駆動回路からの電力供給を受けて駆動軸(回転軸部20a)を回転駆動する構成をなしている。このモータ20は、例えばハンドル19(図1等)の回転角度(操作角度)に応じた速度で回転するようにモータ駆動回路及び制御回路(いずれも図示略)によって制御されている。モータ20の駆動軸(回転軸部20a)には、上述の打球槌24及び歯車22が図示しないナットを用いて固定されており、これらが回転軸部20aの駆動に応じて一体的に回転するように構成されている。なお、本実施形態では、モータ20が「外部駆動装置」「打球槌駆動手段」の一例に相当する。
【0037】
歯車22は、例えば公知の平歯車として構成されており、モータ20の回転軸部20aに固定されると共にモータ20の駆動力を受けて回転軸G2を中心として回転する構成をなしている。本実施形態では、歯車22の回転軸G2(即ちモータ20の回転軸)と後述する歯車38の中心軸G1(即ち回転体30の回転軸)とが平行となるように構成されており、歯車22は、回転体30の歯車38に隣接して当該歯車38と噛み合い、回転軸部20aの駆動力を歯車38に伝達するように機能している。なお、本実施形態では、歯車22が「伝達手段」「回転力伝達手段」の一例に相当する。
【0038】
(球送り装置の構成)
次に、球送り装置11について説明する。
図3〜図6に示すように、球送り装置11は、所定の中心軸G1(図6)を中心として回転可能に構成された回転体30と、この回転体30を回転可能に保持するケース50とを備えており、更に、ケース50において、上流側からの遊技球を取り込む取り込み口56(図3、図6)と、回転体30に収容された遊技球を送り出す送り出し口58(図5、図6)とが形成されている。
【0039】
回転体30は、図9、図10に示すように、外形が略円形形態をなすように略円盤状に構成されており、外部からの駆動力を受けて駆動し、中心軸G1中心として回転するように構成されている。この回転体は、図9、図11(A)に示すように、中心軸G1から所定距離離れた位置に複数の収容孔32が形成されており、これら収容孔32が中心軸G1を中心とする周方向に環状に並んで配されている。また、複数(ここでは8つ)の収容孔32は、互いに略同形状で構成されており、各収容孔32は、中心軸G1の方向に沿って貫通した孔部として構成されている。更に具体的には、各収容孔32は略円筒状に形成されると共に内面が略円筒面として構成されており、図11(A)に示すように、それら各内面(円筒面)の中心となる軸(円筒軸)C1〜C8が中心軸G1と略平行となっている。より詳しくは、各収容孔32の内周面は、取り込み口56側よりも送り出し口58側のほうが次第に径が広くなる構成となっており、これにより、収容孔32の底となる部分(底部33)は、取り込み口56側の方が低くなる傾斜構成となっている。
【0040】
また、図9、図11(A)に示すように、8つの収容孔32は、8つのいずれの収容孔32も、中心軸G1までの距離が同一距離となっている。即ち、中心軸G1から各中心軸C1〜C8までの各距離は全て同一となっている。また、8つの収容孔32は、隣り合う収容孔32同士の距離が同一となっており、具体的には、軸C1と軸C2との距離、軸C2と軸C3との距離、軸C3と軸C4との距離、軸C4と軸C5との距離、軸C5と軸C6との距離、軸C6と軸C7との距離、軸C7と軸C8との距離、軸C8と軸C1との距離が全て同一となっている。更に、中心軸G1を含んで各軸C1〜C8を通る仮想面F1〜F8について、隣り合う面同士のなす角度θが全て同一となっている。即ち、仮想面F1と仮想面F2とのなす角度、仮想面F2と仮想面F3とのなす角度、仮想面F3と仮想面F4とのなす角度、仮想面F4と仮想面F5とのなす角度、仮想面F5と仮想面F6とのなす角度、仮想面F6と仮想面F7とのなす角度、仮想面F7と仮想面F8とのなす角度、仮想面F8と仮想面F1とのなす角度が全て同一のθとなっている。このように構成されているため、回転体30が所定角度θ回転する毎に、軸C1〜C8がそれぞれ1つずつずれて隣りの軸の位置に移動し、各収容孔32が隣りの収容孔32の位置に移動するようになっている。
【0041】
また、各収容孔32における取り込み口56側の開口35の径L2は、遊技球Bの径Dの2倍よりも小さい直径の円形形状をなしていることが望ましく(更には遊技球Bの径Dの1.5倍よりも小さい直径の円形形状をなしていることが望ましく)、図11(B)に示す例では、収容孔32の取り込み口56側に設けられた円形の開口35の直径L2が、遊技球Bの径Dとほぼ同じか、遊技球Bの径よりも若干大きい程度で構成されている。
【0042】
また、図11(B)に示すように、各収容孔32は、中心軸G1の方向の長さL1が遊技球Bの径Dよりも大きく且つ遊技球の径Dの1.5倍よりも小さくなるように構成されている。このように構成されているため、各収容孔32には、遊技球Bが一球のみ収容可能となり、二球以上は収容できないようになっている。
【0043】
また、図9、図10に示すように、回転体30には収容孔32と一体的に歯車38が形成されており、当該回転体30の外部に設けられたモータ20からの駆動力をこの歯車38によって受けることでこの歯車38を含んだ回転体30全体が回転駆動するようになっている。歯車38は例えば平歯車として構成されており、上述の歯車22と隣接して配置されると共にこの歯車22と噛み合い、歯車22からの駆動力が歯車伝動によって伝達されて駆動するようになっている。
【0044】
次に、ケース50について説明する。
図3、図6、図7、図8に示すように、ケース50は、回転体30の大部分を覆うように構成されており、回転体30に対して中心軸G1方向の一方側(即ち前方側)に配置される前壁部51と、この前壁部51と対向する後壁部52a(図7、図8)と、回転体30の上方に配置される上壁部52bと、回転体30の下方に配置される下壁部52c(図6〜図8)と、回転体30の一方側(打球装置12とは反対側)の側方に配置される側壁部52d(図6)とを備えている。このケース50は、前壁部51と後壁部52aとが板上に構成されると共に遊技盤5の盤面に沿って略平行に配置されており、ケース全体として薄い厚さの箱状形態をなしている。そして、図3、図7に示すように、一部(打球装置12側の側方)に開口部55が形成されて開口した構成となっている。なお、図4、図5に示すように、後壁部52a、上壁部52b、下壁部52c、側壁部52dは一体的に構成されて第2ケース体52を構成しており、この第2ケース体52に第1ケース体としての前壁部51がねじ等の締結部材91a,91b,91c,91dによって組み付けられるようになっている。
【0045】
このケース50は、回転体30を回転可能に保持する「保持部」として機能しており、具体的には、図4、図5に示すように、回転体30の中心に形成された孔37を貫通する形態で棒状の軸部材39が配されるようになっており、この軸部材39の一端部が前壁部51に形成された挿入孔54a(図5)に挿入されて前壁部51に保持されるようになっており、軸部材39の他端部が後壁部52aに形成された挿入孔54b(図4)に挿入されて後壁部52aに保持されるようになっている。このようにして軸部材39がケース50内において前後方向に延びる形態で保持され、この軸部材39に貫通される回転体30が軸部材39を中心として回転するようになっている。
【0046】
図3、図6、図8に示すように、ケース50の前壁部51には、上流流路100(図8)からの遊技球B(図8)をケース50内に取り込むための取り込み口56が形成されている。この取り込み口56は、前壁部51内を前後に貫通する貫通孔として構成されており、上流からの遊技球B(図8)が通過可能な大きさとなっている。また、取り込み口56は、中心軸G1の回りの周方向所定位置において収容孔32の回転経路に隣接して配置されている。即ち、各収容孔32は、一回転するまでの移動途中に取り込み口56と隣接する位置を通過するようになっており、図13のようにいずれかの収容孔32が取り込み口56と重なり合ったとき(具体的には遊技球Bが通過可能となるように連通する構成で重なったとき)に遊技球Bを収容孔32に導くことができるようになっている。
【0047】
図4〜図6に示すように、ケース50の後壁部52aには、収容孔32に収容された遊技球を排出して打球装置12側に送り出すための送り出し口58が形成されている。図6、に示すように、送り出し口58は、中心軸G1回りの周方向における取り込み口56からずれた位置において、収容孔32の回転経路に隣接して配置されている(図13も参照)。即ち、各収容孔32は、一回転するまでの移動途中に送り出し口58と隣接する位置を通過するようになっており、図13のように、いずれかの収容孔32が送り出し口58と重なり合ったときに(具体的には遊技球Bが通過可能となるように連通する構成で重なったときに)遊技球Bをケース50の外部へ導くことができるようになっている。また、取り込み口56と送り出し口58とのずれ量は、打球装置12が1回転する間の回転体30の回転量分となっており、より詳しくは、打球装置12が1回転する間に各収容孔32が移動する長さ分となっている。
【0048】
(球送り動作)
次に、球送り装置11による球送り動作について説明する。
なお、図12は、第1実施形態に係る発射装置においていずれかの収容部が取り込み位置となった状態を示す正面図であり、図13は、図12のB−B断面図である。図14は、図12の状態においてケースの一部を取り外した構成を示す正面図であり、図15は、図14の構成の斜視図である。また、図16は、第1実施形態に係る発射装置においていずれかの収容部が送り出し位置となった状態を示す正面図であり、図17は、図16のC−C断面図である。図18は、図16の状態においてケースの一部を取り外した構成を示す正面図であり、図19は、図18の構成の斜視図である。
【0049】
上記のように構成される球送り装置11では、まず、図8のように、取り込み口56と収容孔32とがずれた状態のとき、遊技球Bは、その大部分を取り込み口56の外側に配した状態で待機するようになっている。そして、図12、図13に示すように、回転体30の位置が所定の取り込み位置となったとき(即ち、いずれかの収容孔32が取り込み口56と連通して遊技球が通過可能となる回転位置となったとき)に取り込み口56を介して上流流路100(図8)からの遊技球Bを一球受け入れている。そして、図12〜図14のように収容孔32に遊技球Bを受け入れた後に回転体30が所定角度回転させることで、遊技球Bを受け入れた収容孔32を送り出し口58側に移動させることができる。
【0050】
図12〜図14では、取り込み口56での取り込み直後の遊技球Bを符号B1で示し、送り出し口58付近に移動した遊技球を符号B2で示しており、これら図に示すように、取り込み口56にて遊技球Bが取り込まれてから打球槌24が略一回転したときにその遊技球Bを収容する収容孔32が送り出し口58と連通する所定の送り出し位置となるように構成されている。即ち、符号B1の遊技球は、打球槌24がほぼ一回転したときに符号B2で示す位置に移動するようになっており、この位置に達すると、収容孔32に収容される遊技球Bが送り出し口58を介して打球装置12に向けて回転体30の外部に送り出されるようになっている。
【0051】
このような送り出しを実現するため、歯車22と歯車38との歯車伝動が調整されており、図14の例では、打球槌24が一回転する毎に収容孔32による遊技球の取り込みから当該収容孔32からの遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるように打球槌24と回転体30とが連動するようになっている。より具体的には、回転体30に8つの収容孔32が等間隔で環状に設けられ、回転体30が45°回転する毎に、各収容孔32が取り込み位置から送り出し位置に移動するようになっている。このような移動を実現するため、モータ20側の歯車22の歯数は、回転体30側の歯車38の歯数の1/N(但し、Nは収容孔の32の個数であり、図14では「8」)となっている。
【0052】
また、図13に示すように、送り出し位置にあるときに収容孔32の底となる部分(底部33)が、当該送り出し位置において取り込み口56側よりも送り出し口58側が低くなるように傾斜しており、図13の例では、収容孔32が送り出し位置になったときの底部33において前端部33aが最も高く後端部33bが最も低くなっている。そして、前端部33aから後端部33b側に進むにつれて次第に低位置となるように連続的に傾斜している。
【0053】
(打球動作)
次に、打球動作について説明する。図20は、第1実施形態に係る発射装置における打球装置側の構成を示す正面図であり、打球槌が打球位置にあるときの状態を示すものである。図21は、図20の構成の斜視図である。
【0054】
上述したように球送り装置11は、打球槌24が図12〜図15に示す回転位置(いずれかの収容部32が送り出し位置になるときの回転位置)にあるときに遊技球が一球送り出されるようになっており、この回転位置から図16〜図19に示す回転位置となる前に遊技球保持部16上に排出されてこの遊技球保持部26上の所定位置に支持されるようになっている。そして、打球槌24が図16〜図19に示す回転位置となったときには、図20、図21のように打球槌24の衝突部24bが遊技球保持部16上の所定位置に保持される遊技球Bに到達し、この衝突部24bによって打球される。そして、この打球された遊技球Bはガイドレール8(図1)の左端側の部分によって案内されて遊技領域5a内に進入するようになっている。
【0055】
また、図12〜図14に示すように、送り出し位置に到達したいずれかの収容部32から遊技球(符号B2参照)が送り出されるときには、ほぼ同時期或いは若干ずれた時期に、その送り出し位置に到達した収容部32に隣接する次の収容部32内に次の遊技球B1が収容されるようになっている。従って、送り出し位置に到達した収容部32から送り出された遊技球が図20、図21のように打球された後には、打球槌24が再び図12〜図14と同じ回転位置になったとき(即ち遊技球B2が送り出されてから打球槌24が一回転したとき)に当該次の遊技球B1が送り出され、その送り出しから打球槌24が約半周程度回転したときにこの遊技球B1が打球槌24によって打球されることとなる。このような球送り動作、打球動作が一球ずつ確実に行われることで、一球ずつ安定的に発射される。
【0056】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態で用いられる球送り装置11は、所定の中心軸G1を中心として回転可能に構成されると共に外部からの駆動力を受けて駆動し、且つ中心軸G1の周囲に遊技球を一球ずつ収容する収容孔32が複数配置されてなる回転体30と、回転体30を回転可能に保持するケース50(保持部)と、上流からの遊技球が通過可能に構成され、中心軸G1回りの周方向所定位置において収容孔32の回転経路に隣接して配置される取り込み口56と、中心軸G1回りの周方向における取り込み口56からずれた位置において収容孔32の回転経路に隣接して配置される送り出し口58とが設けられている。更に、回転体30は、いずれかの収容孔32が、取り込み口56と連通する所定の取り込み位置となったときに取り込み口56を介して上流からの遊技球を一球受け入れ、収容孔32に遊技球を受け入れた後に所定角度回動することで、遊技球を受け入れた収容孔32を送り出し口58側に移動させ、遊技球を受け入れた収容孔32が送り出し口58と連通する所定の送り出し位置となったときに、送り出し口58を介して当該収容孔32に収容される遊技球を回転体30の外部に送り出すように構成されている。
このようにすると、遊技球を一球ずつ収容孔32に受け入れることができ、且つその遊技球を収容孔32によって送り出し口58まで運んで一球ずつ確実に排出できるようになる。特に、収容孔32に遊技球を一球だけ収容してから送り出し位置に移動させているため、後続の遊技球が複数球連続して収容孔32に入ってしまうことがなく、また、送り出し口58と取り込み口56とがずれているため、遊技球を収容した収容孔32が送り出し位置に移動したときには、当該収容孔32に収容される遊技球に対して取り込み口56付近に滞留する遊技球からの球圧が加わりにくくなり、遊技球を送り出すときに後続球の影響をより確実に分断できる。従って、遊技球を一球ずつ確実且つ安定的に送り出すことができる。
【0057】
また、本実施形態で用いられる球送り装置11は、収容孔32の中心軸G1方向の長さL1(図11(B))を遊技球Bの径Dよりも大きくし、且つ遊技球の径の1.5倍未満としている。このようにすると、収容孔32内に収容された遊技球Bが中心軸G1の方向に若干移動しやすくなり、収容孔32を取り込み位置から送り出し位置へ移動させる際に、収容孔32が送り出し口56付近に滞留する遊技球を上流側に押し戻しにくくなる。従って、送り出し口56付近の遊技球の滞留時の挙動が不安定になりにくく、滞留する遊技球が次の収容孔32内に良好に進入し易くなる。
【0058】
また、本実施形態で用いられる球送り装置11は、回転体30において収容孔32と一体的に歯車38が形成されている。そして、回転体30の外部に設けられたモータ50(外部駆動装置)からの駆動力を歯車38によって受けることで回転体30が回転駆動するように構成されている。このようにすると、収容孔32とは別体として歯車38を設けずに済むため、部品点数の削減を図ることができる。
【0059】
更に、球送り装置11は、送り出し位置にあるときに収容孔32の底となる部分が、この送り出し位置において、取り込み口56側よりも送り出し口58側が低くなるように傾斜している(図13)。このようにすると、収容孔32が送り出し位置に至ったときに遊技球Bを送り出し口58側に迅速かつ安定的に送り出すことができる。
【0060】
また、本実施形態では、中心軸G1の方向に沿って貫通した孔部として収容孔32が構成されており、取り込み口56側の開口35が、遊技球の径の2倍よりも小さい直径の円形形状をなしている(図12等)。このようにすると、2つの遊技球が収容孔32に同時に入り込むことを防止することができる。また、遊技球があまり早い段階で収容孔32に入り込みにくくなるため、収容孔32に収容された遊技球に後続の遊技球からの球圧が加わる時間を短くすることができ、ひいては収容孔32内の遊技球の挙動を安定させると共に当該遊技球への負荷を効果的に低減することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記球送り装置11と、この球送り装置11によって送られる遊技球を保持する遊技球保持部26と、この遊技球保持部26に保持される遊技球を打球する打球槌24と、この打球槌24を駆動するモータ20(打球槌駆動手段)とを備えた発射装置10が設けられている。このようにすると、上述した特徴的な球送り装置11によって一球ずつ確実に供給し、一球ずつ安定的に打球し得る発射装置10を実現できる。
【0062】
また、本実施形態に係る上記発射装置10は、モータ20(打球槌駆動手段)の駆動力を回転体30に伝達する歯車22(伝達手段)が設けられ、この歯車22によってモータ20(打球槌駆動手段)の駆動力が伝達されることで回転体30が回転駆動するようになっている。このようにすると、モータ20(打球槌駆動手段)を回転体30の駆動に兼用することができ、部品点数の削減及びコンパクト化を図ることができる。
【0063】
また、本実施形態に係る発射装置10は、歯車22(回転力伝達手段)及び歯車38の歯車伝動により、打球槌24が一回転する毎に、収容孔32による遊技球の取り込みから当該収容孔32からの遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるように打球槌24と回転体30とを連動させる構成をなしている。このようにすると、打球槌24が一回転する毎に、収容孔32による遊技球の取り込みから当該遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるため、打球槌24の一回転毎に遊技球が一球ずつ確実に送り出されるようになる。
【0064】
また、上記実施形態では、常時歯車22と歯車38とが連携しているため、発射動力源(モータ20)に対する負荷を一定に保つことができる。従って、球送り装置11の駆動によってモータ20の負荷が大きく変動することがなく、打球装置12の駆動を安定的に行うことができ、ひいては発射をより安定させることができる。
【0065】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0066】
上記実施形態では、モータ20の駆動力を歯車伝動によって回転体30に伝達しているが、タイミングベルトなどによって伝達してもよい。
【0067】
また、上記実施形態ではモータ20の駆動力によって回転体30を連続的に回転させているが、段階的に回転させてもよい。例えば、回転体30にラチェット機構を設け、一定角度回転する毎にその回転位置に保持するようにしてもよい。一定角度回転させるためには、例えば、打球槌24における回転軸部20aと衝突部24bとの間の位置に前方側に突出するカム部材を設け、このカム部材が一回転する毎に回転体30に衝突するように構成し、その衝突毎に回転体30を一定角度回転させるようにカム機構を構成すればよい。
【0068】
上記実施形態では、打球槌駆動手段として構成されるモータ20が、回転体に駆動力を与える「外部駆動装置」として兼用される例を示したが、打球槌を駆動する打球槌駆動手段と回転体を駆動する外部駆動手段とを別々の構成としてもよい。
【0069】
上記実施形態では、モータ20の回転軸部20aに固定された歯車22と回転体30の外周部の歯車38とを直接噛み合わせていたが、回転体30のサイズを小さくして歯車22と回転体の歯車38との間に中継の歯車を介在させてもよい。このようにすると、回転体の小型化を図ることができ、ひいては、球送り装置の小型化を図ることができる。
【0070】
上記実施形態では、回転体30の外側に向けて歯車の歯を突出させた外歯車構成としたが、回転体30の内側向きに歯を突出させた内歯車構成としてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…遊技機
10…遊技機用発射装置
11…遊技機用球送り装置
12…打球装置
20…モータ(外部駆動装置、打球槌駆動手段)
22…歯車(伝達手段、回転力伝達手段)
24…打球槌
26…遊技球保持部
30…回転体
32…収容孔(収容部、孔部)
33…底部
35…開口
38…歯車
56…取り込み口
58…送り出し口
G…中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流からの遊技球を取り込むと共に、打球装置に向けて一球ずつ送り出す遊技機用球送り装置であって、
所定の中心軸を中心として回転可能に構成されると共に外部からの駆動力を受けて駆動し、且つ前記中心軸の周囲に遊技球を一球ずつ収容する収容部が複数配置されてなる回転体と、
前記回転体を回転可能に保持する保持部と、
上流からの前記遊技球が通過可能に構成され、前記中心軸回りの周方向所定位置において前記収容部の回転経路に隣接して配置される取り込み口と、
前記回転体を挟んで前記取り込み口とは反対側に配置され、前記中心軸回りの周方向における前記取り込み口からずれた位置において前記収容部の回転経路に隣接して配置される送り出し口と、
を備え、
前記回転体は、
いずれかの前記収容部が、前記取り込み口と連通する所定の取り込み位置となったときに前記取り込み口を介して上流からの前記遊技球を一球受け入れ、
前記収容部に前記遊技球を受け入れた後に所定角度回動することで、前記遊技球を受け入れた前記収容部を前記送り出し口側に移動させ、
前記遊技球を受け入れた前記収容部が前記送り出し口と連通する所定の送り出し位置となったときに、前記送り出し口を介して当該収容部に収容される前記遊技球を前記打球装置に向けて前記回転体の外部に送り出すことを特徴とする遊技機用球送り装置。
【請求項2】
前記収容部は、前記中心軸の方向の長さが前記遊技球の径よりも大きく且つ前記遊技球の径の1.5倍未満とされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用球送り装置。
【請求項3】
前記回転体は、前記収容部と一体的に歯車が形成されており、当該回転体の外部に設けられた外部駆動装置からの駆動力を前記歯車によって受けることで回転駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機用球送り装置。
【請求項4】
前記送り出し位置にあるときに前記収容部の底となる部分が、前記送り出し位置において前記取り込み口側よりも前記送り出し口側が低くなるように傾斜することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機用球送り装置。
【請求項5】
前記収容部は、前記中心軸の方向に沿って貫通した孔部として構成されており、且つ前記取り込み口側の開口が、前記遊技球の径の2倍よりも小さい直径の円形形状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機用球送り装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の遊技機用球送り装置と、
前記遊技機用球送り装置によって送られる前記遊技球を保持する遊技球保持部と、
前記遊技球保持部に保持される前記遊技球を打球する打球槌と、
前記打球槌を駆動する打球槌駆動手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機用発射装置。
【請求項7】
前記打球槌駆動手段の駆動力を前記回転体に伝達する伝達手段を備え、
前記回転体は、前記伝達手段によって前記打球槌駆動手段の駆動力が伝達されることで回転駆動することを特徴とする請求項6に記載の遊技機用発射装置。
【請求項8】
前記打球槌駆動手段は、前記打球槌を回転させるモータからなり、
前記伝達手段は、前記モータの回転力を前記回転体に伝達することで前記回転体を回転させる回転力伝達手段からなり、
前記回転力伝達手段は、前記打球槌が一回転する毎に、前記収容部による前記遊技球の取り込みから当該収容部からの前記遊技球の送り出しまでの供給動作が一回行われるように前記打球槌と前記回転体とを連動させることを特徴とする請求項7に記載の遊技機用発射装置。
【請求項9】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遊技機用球送り装置、又は請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の遊技機用発射装置を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−188988(P2011−188988A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57594(P2010−57594)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(591150270)日本ぱちんこ部品株式会社 (293)
【Fターム(参考)】