説明

遊技機用発光装置

【課題】遊技者に光源の発光する様子を視認させることなく発光演出を行うことができる遊技機用発光装置を提供する。
【解決手段】平面部112bと曲面部112aとを有した中空の略半円柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される構成体112を具備する可動装飾部材110であって、構成体112の内部で平面部112bと曲面部112aとの間に配置される基板114と、基板114における曲面部112aと対向する側の面に配置されて曲面部112a側へ向けて光を照射するLED115と、平面部112bに形成されて光を透過可能な領域である透光部112cと、を具備して、LED115から照射された光は、曲面部112aにより反射されて透光部112cを通って外方へ向けて出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光演出を行う遊技機用発光装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光演出を行う遊技機用発光装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の遊技機用発光装置は、2つの曲面部を有した中空の略円柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される発光部材(演出役物)と、当該発光部材の内部であって2つの曲面部間に配置される光源(ランプ)と、を具備している。
【0004】
このように構成された遊技機用発光装置において、光源を発光させながら発光部材を回転させることで、2つの曲面部を交互に遊技者側へ向けるとともに、当該2つの曲面部の隙間を介して光源の光を遊技者側へ照射する演出(発光演出)を行うことができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機用発光装置においては、2つの曲面部の内面は鏡面となっているため、光源から照射された光によって、当該2つの曲面部の外面(より詳細には、2つの曲面部の外面に施されたキャラクタ)を発光させるような演出を行うことはできなかった。
【0006】
また、2つの曲面部の外面(より詳細には、2つの曲面部の外面に施されたキャラクタ)を発光させるために、当該2つの曲面部に光を透過可能な領域を形成したとしても、当該2つの曲面部が遊技者側に向けられた際に、当該光を透過可能な領域を介して光源の発光する様子を遊技者が視認することとなり、当該遊技者に不快感を与えるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−253678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、軸心回りに回転可能に軸支される発光部材において、従来にない発光演出を行うことができるとともに、遊技者に光源の発光する様子を視認させることなく当該発光演出を行うことができる遊技機用発光装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、平面部と曲面部とを有した中空の略半円柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される発光部材を具備する遊技機用発光装置であって、前記発光部材の内部で前記平面部と前記曲面部との間に配置される基板と、前記基板における前記曲面部と対向する側の面に配置されて前記曲面部側へ向けて光を照射する光源と、前記平面部に形成されて光を透過可能な領域である平面部側透過領域と、を具備して、前記光源から照射された光は、前記曲面部により反射されて前記平面部側透過領域を通って外方へ向けて出射される、ことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2においては、前記曲面部に形成されて光を透過可能な領域である曲面部側透過領域を具備して、前記光源から照射された光は、前記曲面部により反射されて前記平面部側透過領域を通って外方へ向けて出射されると共に、前記曲面部側透過領域を通って外方へ向けて出射される、ことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3においては、中空の略柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される発光部材を具備する遊技機用発光装置であって、前記発光部材の内部において、当該発光部材の回転にかかわらず板面が一定方向を向くように配置される基板と、前記基板における遊技者と対向しない側の面に配置されて、遊技者側と反対側へ向けて光を照射する光源と、前記発光部材のうち遊技者と対向する側の面に形成されて光を透過可能な領域である透過領域と、を具備して、前記光源から照射された光は、前記発光部材のうち遊技者と対向しない側の面により反射されて前記透過領域を通って外方へ向けて出射される、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、発光部材の平面部を遊技者側に向けた状態で光源から光を照射した場合、平面部側透過領域が発光する演出(発光演出)を行うことができるとともに、遊技者側から見ると光源が基板の背後に隠れているため、当該遊技者に平面部側透過領域を介して光源の発光する様子を視認させることなく当該発光演出を行うことができる。
【0015】
請求項2においては、光源から照射された光を、平面部に形成された平面部側透過領域からだけでなく、曲面部に形成された曲面部側透過領域からも外方へと照射することができ、平面部側透過領域及び曲面部側透過領域を発光させる演出(発光演出)を行うことができる。
【0016】
請求項3においては、光源から光を照射した場合、透過領域が発光する演出(発光演出)を行うことができるとともに、遊技者側から見ると光源が基板の背後に隠れているため、当該遊技者に透過領域を介して光源の発光する様子を視認させることなく当該発光演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の全体的な構成を示した正面図。
【図2】同じく、遊技機の窓枠が開放された状態を示した前方斜視図。
【図3】同じく、遊技盤を示した正面図。
【図4】同じく、遊技板を示した正面図。
【図5】第一の実施形態に係る可動役物装置の前方斜視図。
【図6】同じく正面図。
【図7】同じく側面図。
【図8】(a)可動役物装置の上部を示した平面図。(b)同じく下部を示した平面断面図。
【図9】可動役物装置の配置を示した正面図。
【図10】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図11】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図12】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図13】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図14】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図15】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図16】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図17】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図18】可動役物装置の摺動動作の態様を示した側面図。
【図19】可動役物装置の上部の回転動作の態様を示した平面図。
【図20】同じく回転動作が終了した様子を示した平面図。
【図21】出現状態において回転動作が終了した可動役物装置の様子を示した前方斜視図。
【図22】同じく可動役物装置の遊技盤における位置関係を示した正面図。
【図23】第二の実施形態に係る可動役物装置の前方斜視図。
【図24】駆動機構を示す分解前方斜視図。
【図25】第二の実施形態に係る可動役物装置の正面図。
【図26】同じく側面図。
【図27】(a)可動役物装置の上部を示した平面図。(b)同じく下部を示した平面断面図。
【図28】可動役物装置の配置を示した正面図。
【図29】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図30】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図31】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図32】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図33】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図34】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図35】可動役物装置の摺動動作の態様を示した正面図。
【図36】(a)可動役物装置の上部の摺動動作の態様を示した平面図。(b)可動役物装置の下部の摺動動作の態様を示した平面断面図。
【図37】可動役物装置の回転動作の態様を示した正面図。
【図38】可動役物装置の上部の回転動作の態様を示した平面図。
【図39】可動役物装置の回転動作の態様を示した正面図。
【図40】可動役物装置の上部の回転動作の態様を示した平面図。
【図41】構成体の曲面部が前方に向けられている際の、可動装飾部材を示す正面図。
【図42】図41におけるA−A断面図。
【図43】構成体の平面部が前方に向けられている際の、可動装飾部材を示す正面図。
【図44】図43におけるB−B断面図。
【図45】(a)構成体の曲面部が前方に向けられている際の発光演出の様子を示す平面断面図。(b)構成体の平面部が前方に向けられている際の発光演出の様子を示す平面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明に係る遊技機用発光装置の一実施形態である可動装飾部材110を具備する遊技機1の全体的な構成について、図1から図3を用いて説明する。
なお、以下の説明では、遊技機1を遊技者から見て、手前側を遊技機1の前側とし、奥側を遊技機1の後側として、前後方向を規定する。また、遊技機1を遊技者から見て、左手側を遊技機1の左側とし、右手側を遊技機1の右側として、左右方向を規定する。
【0019】
遊技機1は、図1から図3が示すように、主として、外枠2と、中枠3と、窓枠4と、により構成される枠体に、各種の遊技部品が取り付けられて形成される。
【0020】
外枠2は、遊技機1の外郭を成し、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。外枠2は、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置される。外枠2には、中枠3が設けられる。
【0021】
中枠3は、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。中枠3は、外枠2の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。中枠3には、窓枠4と、下皿ユニット5と、遊技盤6と、が設けられる。
【0022】
窓枠4は、中央が開口された略平板状に形成される枠体である。窓枠4は、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。窓枠4は、中枠3の前側の開口部にヒンジ部材を介して回動可能に支持される。窓枠4の中央には、正面視で略円形状の窓枠開口部7が形成される。窓枠開口部7は、透明板19により被覆される。窓枠開口部7の下部には、発射前の遊技球が貯溜される上皿8が配設される。窓枠開口部7の左右上方には、スピーカ9がそれぞれ配設される。
【0023】
下皿ユニット5は、中枠3の下部であって窓枠4の下方に取り付けられる。下皿ユニット5の中央には、上皿8から溢れた遊技球が貯溜される下皿17が配設される。下皿ユニット5の右部であって下皿17の右方には、発射ハンドル18が配設される。発射ハンドル18は、上皿8に貯溜された遊技球を発射可能に構成される。
【0024】
遊技盤6は、遊技球が転動する領域である遊技領域25が形成される部材である。遊技盤6は、窓枠4の後方であって、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。遊技盤6は、中枠3に着脱可能に取り付けられる。なお、遊技盤6の遊技領域25は、窓枠4の窓枠開口部7の後方に配置され、前方から透明板19を介して視認可能に構成される。
【0025】
次に、遊技盤6の構成について、図3及び図4を用いてさらに詳細に説明する。
【0026】
遊技盤6は、図3及び図4に示すように、遊技板10と、ガイドレール11と、センター役物12と、図柄表示装置13と、可変入賞装置14と、大入賞装置15と、アウト口16と、可動役物装置100等により構成される。
【0027】
遊技板10は、四隅が適宜に切り欠けられた略平板状に形成される部材である。遊技板10には、遊技盤6を構成する各種の遊技部品が取り付けられる。遊技板10は、アクリル樹脂やポリカーボネート(PC)等の透過性を有する部材によって形成される。
遊技板10には、センター挿通孔21、始動入賞挿通孔22、大入賞挿通孔23、アウト口孔24等の複数の孔が、遊技板10を前後方向に貫通して形成される。センター挿通孔21は、遊技板10の中央から上部に渡って配置される。また、始動入賞挿通孔22は、遊技板10の中央下部であってセンター挿通孔21の下方に配置される。また、大入賞挿通孔23は、遊技板10の右部であってセンター挿通孔21の下方に配置される。また、アウト口孔24は、遊技板10の中央下部であって始動入賞挿通孔22の下方に配置される。
【0028】
ガイドレール11は、略円弧帯状に形成される部材である。ガイドレール11は、遊技板10に、前方へ向けて立ち上がり状に取り付けられる。ガイドレール11は、正面視で略円形状を形成するように配置される。なお、遊技板10においてガイドレール11によって略円形状に形成された内側の領域が、遊技球が転動する領域である遊技領域25として構成される。
【0029】
側方装飾部材としてのセンター役物12は、その外観により遊技板10を装飾する部材である。センター役物12は正面視で略環状であって、その中央にセンター開口部27が前後方向に貫通して形成される。センター役物12は、遊技板10のセンター挿通孔21に前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。
【0030】
図柄表示装置13は、前方を臨むように配設された表示画面としての液晶画面26に図柄や数字等の変動(図柄遊技)を表示するように構成される装置である。図柄表示装置13は、遊技板10の後方に配置される。より詳細には、図柄表示装置13の液晶画面26が、遊技板10に取り付けられたセンター役物12のセンター開口部27の後方に配置される。これによって、前方からセンター開口部27を介して液晶画面26に表示される図柄遊技を視認することができる。
【0031】
可変入賞装置14は、所定の作動条件に応じて左右一対の可動片28が開閉作動し、始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)可能な開放状態と入球(入賞)不能な閉塞状態とに切り替え可能に構成される装置である。可変入賞装置14は、遊技領域25の中央下部であって図柄表示装置13の下方に配置される。可変入賞装置14は、遊技板10の始動入賞挿通孔22に前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。なお、可変入賞装置14は、前記開放状態において始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0032】
大入賞装置15は、所定の大当たり抽選により大当たりが選択されると、大入賞口15aを開放して遊技球が入球(入賞)可能に構成される装置である。大入賞装置15は、遊技領域25の右部であって図柄表示装置13の下方に配置される。大入賞装置15は、遊技板10の大入賞挿通孔23に前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。なお、大入賞装置15は、開放した大入賞口15aに遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0033】
アウト口16は、遊技領域25を転動する遊技球が、大入賞口15aや始動入賞口14a等の各入賞口に入球(入賞)しなかった場合に、最終的に流入する開口部である。アウト口16は、遊技領域25の最下部に配置される。アウト口16は、遊技板10のアウト口孔24を用いて形成される。なお、アウト口16に流入した遊技球は、遊技機1が設置されたパチンコホール等の遊技場側に回収される。
【0034】
次に、第一の実施形態に係る可動役物装置100の構成について詳細に説明する。
【0035】
図5から図9までに示す可動役物装置100は、液晶画面26に表示される図柄遊技に応じて可動し、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与えるためのものである。可動役物装置100は、前後方向において、センター役物12と液晶画面26との間、すなわちセンター役物12よりも後方であって液晶画面26よりも前方に配置される。可動役物装置100は、主として可動装飾部材110と、回転機構120と、摺動機構130と、により構成される。
【0036】
図5から図8までに示す可動装飾部材110は、本発明に係る遊技機用発光装置の一実施形態であり、長手方向を上下方向に向けて左右に並べられた複数(本実施形態においては3つ)の管を模した構造体である。可動装飾部材110は、主として、枠体111と、構成体112・112・・・と、回転軸113・113・・・と、により構成される。
【0037】
枠体111は、正面視において中央部が前後方向に開口された略矩形枠状の部材である。枠体111は長手方向を上下方向に向けて配置される。
【0038】
構成体112・112・・・は、管を模した部材である。構成体112・112・・・は長手方向を上下方向に向けて配置される。構成体112は、略円柱状の部材の後部を切り欠いたような平面視略半円形状(半円柱状)となるように、立体的な部材として形成される。構成体112・112・・・は、左右方向に等間隔に3つ並べた状態で、枠体111の開口部内に配置される。
【0039】
回転軸113・113・・・は、構成体112・112・・・を回転可能に支持するものである。回転軸113・113・・・は、各構成体112・112・・・の上下両端部からそれぞれ上下方向に突出するように固定される。各構成体112・112・・・の上端に固定された回転軸113・113・・・は、枠体111の上部を貫通した状態で当該枠体111に回転可能に支持される。各構成体112・112・・・の下端に固定された回転軸113・113・・・は、枠体111の下部に回転可能に支持される。
【0040】
回転機構120は、可動装飾部材110の構成体112・112・・・を回転させるものである。回転機構120は、主として、回転ピニオン121・121・・・と、回転ラック122と、回転モータ123と、により構成される。
【0041】
回転ピニオン121・121・・・は、枠体111の上方において、各構成体112・112・・・の上端に固定された回転軸113・113・・・の上端に固定される。
【0042】
回転ラック122は、回転ピニオン121・121・・・の後方から当該回転ピニオン121・121・・・とそれぞれ噛合するように配置される。
【0043】
回転モータ123は、構成体112・112・・・を回転させるための駆動源となるものである。回転モータ123は、最も右側に配置される回転ピニオン121の上方に配置される。回転モータ123の出力軸は、最も右側に配置される回転ピニオン121に上方から固定される。
【0044】
上述の回転モータ123は、図示せぬ取付部材を介して可動装飾部材110(より詳細には、枠体111)に支持される。また、上述の回転ラック122は、図示せぬ取付部材を介して可動装飾部材110(より詳細には、枠体111)に左右方向に摺動可能となるように支持される。
【0045】
摺動機構130は、可動装飾部材110を左右方向に摺動させるものである。摺動機構130は、主として、ガイド軸131・131と、摺動ラック132と、摺動ピニオン133と、摺動モータ134と、レール135と、により構成される。
【0046】
ガイド軸131・131は、枠体111の下面の左右両端部近傍から下方に突出するように固定される。ガイド軸131・131は、左右方向に並べて配置される。
【0047】
摺動ラック132は、その歯を下方に向けられた状態で、ガイド軸131・131の下端に固定される。
【0048】
摺動ピニオン133は、軸線方向を前後方向に向け、摺動ラック132の下方から当該摺動ラック132と噛合するように配置される。摺動ピニオン133は、その軸線方向に所定以上の長さを有するように形成される。
【0049】
摺動モータ134は、可動装飾部材110を摺動させるための駆動源となるものである。摺動モータ134は、摺動ピニオン133の後方に配置される。摺動モータ134の出力軸は、摺動ピニオン133に後方から固定される。
【0050】
レール135は、可動装飾部材110が摺動する際に、当該可動装飾部材110を所定の位置に案内するものである。レール135は、矩形板状の部材で構成される。レール135は、その板面を上下方向に向けた状態で、可動装飾部材110(枠体111)の下方かつ摺動ラック132の上方に配置される。レール135には、その板面を上下方向に貫通する案内溝135a・135aが形成される。案内溝135a・135aには、それぞれガイド軸131・131が挿通される。
【0051】
2つの案内溝135a・135aは同一形状となるように形成される。案内溝135aは、ガイド軸131・131の直径よりも若干大きい幅(前後方向の幅)を持つ概ね左右方向に長い長孔であり、その左右中途部において屈曲するように形成される。より詳細には、案内溝135aの右端部近傍は左右方向に延びる直線状に形成され、左右中央部近傍は左方に向かうにつれて斜め前方に延びる直線状に形成され、左端部近傍は再び左右方向に延びる直線状に形成される。これによって、案内溝135aの左端部近傍は、案内溝135aの右端部近傍よりも前方に位置することになる。2つの案内溝135a・135aは、レール135上において、左右方向に並べて配置される。当該案内溝135a・135aの間隔は、ガイド軸131・131の間隔と同一となるように配置される。
【0052】
図5から図9までに示す状態においては、可動役物装置100のガイド軸131・131は、案内溝135a・135aの右端部近傍に位置している。この状態は、可動装飾部材110が最も右側に位置している状態であり、当該可動装飾部材110の略全体がセンター役物12の右端部の背後に位置している。この状態を、以下では単に「待機状態」と記す。このように、待機状態における可動装飾部材110が配置される位置(待機位置)は、センター役物12の配置位置の背後に位置し、当該センター役物12の配置位置と重複していない。また、待機状態においては、可動装飾部材110はセンター役物12の右端部の背後に位置しているため、遊技機1の正面にいる遊技者から当該可動装飾部材110を視認し難い。また、待機状態においては、可動装飾部材110は液晶画面26の右側方に位置しているため、液晶画面26の略全体が前方に向かって露出した状態(前方から視認可能な状態)となる(図3参照)。
【0053】
次に、図10から図18までを用いて、上述の如く構成された可動役物装置100の可動装飾部材110が摺動する様子について説明する。
【0054】
図10及び図11に示すように、摺動モータ134を駆動させ、摺動ピニオン133を正面視反時計回りに回転させると、当該摺動ピニオン133と噛合した摺動ラック132が左方へと移動する。これによって、ガイド軸131・131を介して当該摺動ラック132に連結された可動装飾部材110も左方へと摺動する。
【0055】
この際、ガイド軸131・131はレール135の案内溝135a・135aに沿うように摺動する。可動装飾部材110が待機状態の近傍にある場合は、ガイド軸131・131は案内溝135a・135aの右端部近傍において案内されているため、当該ガイド軸131・131は左方に向かって摺動する。したがって、可動装飾部材110も左方に向かって摺動する。可動装飾部材110が左方に摺動すると、センター役物12から可動装飾部材110の左端部が露出し始める。またこれと同時に、可動装飾部材110が液晶画面26の右端部を前方から隠すことになり、当該液晶画面26の露出部分が減ることになる。
【0056】
図12及び図13に示すように、摺動モータ134をさらに駆動させると、摺動ラック132はさらに左方へと移動する。この際、レール135の案内溝135a・135aは左方に向かうにつれて前方に延びるように屈曲されているため、ガイド軸131・131も左方に向かうにつれて前方へ移動するように摺動する。したがって、可動装飾部材110も左方に向かうにつれて前方へ移動するように摺動する。
【0057】
このように、可動装飾部材110は、ある程度の距離だけ左方に移動した時点から、徐々に前方に移動するように摺動する。これによって、センター役物12との接触を避けるように移動しながら、可動装飾部材110と液晶画面26との間のスペース(前後方向の間隔)を大きく確保することができる。
【0058】
また、この場合摺動ラック132も前方へ移動するが、摺動ピニオン133はその軸線方向(前後方向)に所定以上の長さを有するように形成されているため、摺動ラック132が前方へ移動しても、当該摺動ラック132と摺動ピニオン133とは噛合したままであり、摺動モータ134の駆動力を摺動ラック132に伝達し続けることができる。
【0059】
図14及び図15に示すように、摺動モータ134をさらに駆動させると、摺動ラック132はさらに左方へと移動する。この際、レール135の案内溝135a・135aの左端部近傍は左方に延びるように形成されているため、ガイド軸131・131は前方に移動することなく左方に向かって摺動する。したがって、可動装飾部材110も左方に向かって摺動する。
【0060】
図16から図18までに示すように、摺動モータ134をさらに駆動させ、ガイド軸131・131が案内溝135a・135aの左端部に到達した時点で、当該摺動モータ134の駆動を停止させる。この状態は、可動装飾部材110が最も左側に位置している状態であり、当該可動装飾部材110の略全体がセンター役物12から露出している。この状態を、以下では単に「出現状態」と記す。出現状態においては、可動装飾部材110はセンター役物12から露出しているため、遊技者から視認されることができ、当該遊技者に印象(インパクト)を与えることができる。また、出現状態においては、可動装飾部材110は液晶画面26の右端部の前方に位置しているため、当該液晶画面26の右端部は当該可動装飾部材110によって覆われ、遊技者から視認し難い。すなわち、可動装飾部材110によって液晶画面26の露出部分を減少させることができる。
【0061】
また、図18に示すように、出現状態における可動装飾部材110は、待機状態(図18における二点鎖線)よりも前方に位置している。詳述すると、可動装飾部材110を待機状態から出現状態まで移動させる場合、当該可動装飾部材110はまず左方に移動した後、左斜め前方に移動し、最後に再び左方に移動する。これによって、出現状態においては、液晶画面26と可動装飾部材110との間のスペースを大きく確保することができる。
【0062】
このように可動装飾部材110を移動させることで、遊技機1の各部材間の限られたスペースを利用して、遊技者に印象を与える可動役物装置100を配置することができる。具体的には、待機状態においては、液晶画面26とセンター役物12との間の限られたスペース(待機位置)に可動装飾部材110を配置し、出現状態においては、センター役物12と干渉しない範囲で可動装飾部材110を前方に移動させた状態で当該可動装飾部材110を配置することができる。これによって、液晶画面26と干渉することなく後述するような構成体112・112・・・の回転の演出を行う等、遊技機1のスペースを有効に利用することができる。
【0063】
一方、上述とは逆方向に摺動モータ134を駆動させ、摺動ピニオン133を正面視反時計回りに回転させると、可動装飾部材110を出現状態から待機状態まで摺動させることができる。この場合の動作態様は、上述の待機状態から出現状態までの動作態様が単に逆になるだけであるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
次に、図19から図22までを用いて、上述の如く構成された可動役物装置100の構成体112・112・・・が回転する様子について説明する。なお、構成体112・112・・・は、出現状態において回転されるものとする。
【0065】
図19に示すように、回転モータ123を駆動させ、最も右側に配置された回転ピニオン121を平面視時計回りに回転させると、当該回転ピニオン121と噛合した回転ラック122が右方へと移動する。回転ラック122が右方へと移動すると、当該回転ラック122と噛合している他の回転ピニオン121・121も平面視時計回りに回転する。これによって、回転ピニオン121・121・・・に連結された構成体112・112・・・も平面視時計回りに回転する。
【0066】
この際、前述の如く、出現状態においては液晶画面26と可動装飾部材110との間のスペースを大きく確保している。より詳細には、液晶画面26と可動装飾部材110(具体的には、回転軸113の軸心)との間のスペース(本実施形態においては、図19における長さW)は、構成体112・112・・・が回転する際の最大回転半径、つまり平面視で各構成体112の回転中心となる回転軸113の軸心と、その軸心から最も離間する前記各構成体112の外縁と、を結んだ長さ(本実施形態においては、図19における長さR)よりも、大きくしている。このような構成によって、構成体112・112・・・が回転しても当該構成体112・112・・・と液晶画面26とが接触するのを防止することができる。
【0067】
図20に示すように、回転モータ123をさらに駆動させ、構成体112・112・・・が180度回転した時点で、当該回転モータ123の駆動を停止させる。これによって、図20から図22までに示すように、構成体112・112・・・の裏面にあたる平面部分が前方を向くことになる。当該構成体112・112・・・の平面部分に、文字や模様等の装飾を施しておくことで、当該構成体112・112・・・の回転によって遊技者に印象(インパクト)を与えることができる。
このように、可動装飾部材110は、液晶画面26の露出部分を減少させるとともに、構成体112・112・・・の回転によって出現状態における可動装飾部材110の装飾を遊技者に対して複数種類(本実施形態では、2種類)視認可能として演出のバリエーションを増やしている。
【0068】
一方、上述とは逆方向に回転モータ123を駆動させ、回転ピニオン121を平面視反時計回りに回転させると、再び構成体112・112・・・の平面部分を後方に向けることができる。
【0069】
以上の如く、本実施形態に係る遊技機1は、
図柄遊技を表示する液晶画面26(表示画面)と、
液晶画面26の側方に設けられるセンター役物12(側方装飾部材)と、
液晶画面26の側方かつセンター役物12の後方から、液晶画面26の前方にかけて設けられるレール135と、
複数の構成体112・112・・・を具備し、レール135に沿って移動可能な可動装飾部材110と、
を備え、
可動装飾部材110を移動させて液晶画面26の露出状態を変更する演出を行う遊技機1において、
複数の構成体112・112・・・は、レール135上においてその場で回転可能であって、
レール135は、可動装飾部材110を、当該可動装飾部材110が液晶画面26の側方に位置する場合よりも液晶画面26の前方に位置する場合のほうが前方に位置するように案内するように形成されていることを特徴とするものである。
【0070】
このように構成することにより、可動装飾部材110により液晶画面26の露出状態を変更する演出を行う遊技機1において、可動装飾部材110が立体的な部材である構成体112・112・・・を各構成体として形成されている。また、液晶画面26の前方で各構成体112を反転させて裏面を遊技者に視認可能として演出のバリエーションを増やすことができるとともに、液晶画面26の側方における可動装飾部材110の待機位置を、液晶画面26の側方に配設されるセンター役物12の配置位置と重複しない位置とすることができる。
【0071】
なお、側方装飾部材は、本実施形態に係るセンター役物12に限るものではなく、その他遊技機1を構成する部材であっても良い。
また、可動装飾部材110の構成は本実施形態に係るものに限らず、遊技者に印象(インパクト)を与えることができる構成であれば良い。
また、構成体112の形状は本実施形態に係るものに限らず、円柱状、三角柱状等であっても良い。例えば、構成体112を三角柱状に形成すれば、3つの側面それぞれに異なる図柄を設けることで、遊技者に3パターンの図柄を視認させることができる。また、各構成体112の形状や大きさは、それぞれ異なっていてもよい。
また、回転機構120の構成は本実施形態に係るものに限らず、構成体112・112・・・を回転させることができる機構であれば良い。
また、摺動機構130の構成は本実施形態に係るものに限らず、可動装飾部材110を上述の如く概ね左右方向に移動させることができるものであれば良い。
また、レール135に形成される案内溝135aの形状は本実施形態に係るものに限らず、可動装飾部材110と他の部材とが干渉しないように当該可動装飾部材110を案内することが可能な形状であれば良い。すなわち、他の部材(本実施形態においてはセンター役物12及び液晶画面26)の形状や配置関係に応じて適宜案内溝135aの形状を決定すれば良い。
【0072】
以下では、図23から図39までを用いて、第二の実施形態に係る可動役物装置100の構成について説明する。
【0073】
なお、第二の実施形態に係る可動役物装置100が、第一の実施形態に係る可動役物装置100と異なる点は、回転機構120及び摺動機構130に替えて、駆動機構150を具備する点である。よって以下では、第二の実施形態に係る可動役物装置100の部材のうち、第一の実施形態に係る可動役物装置100と同様の構成の部材(可動装飾部材110)には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0074】
第二の実施形態に係る可動役物装置100は、主として可動装飾部材110と、駆動機構150と、により構成される。
【0075】
図23から図26までに示す可動装飾部材110は、長手方向を上下方向に向けて左右に並べられた複数(本実施形態においては3つ)の管を模した構造体である。第二の実施形態に係る可動装飾部材110は、第一の実施形態に係る可動装飾部材110と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0076】
図23から図27までに示す駆動機構150は、可動装飾部材110を左右方向に摺動させると共に、可動装飾部材110の構成体112・112・・・を回転させるものである。駆動機構150は、主として、ガイド軸151・151と、レール152と、係合部材153と、回転ピニオン154・154・・・と、回転ラック155と、摺動用部材156と、回転用部材157と、回転用ギヤ158と、摺動用ギヤ159と、駆動ギヤ160と、駆動モータ161と、により構成される。
なお、以下では説明の便宜上、駆動モータ161は図23にのみ図示している。また、図27(a)においては回転用ギヤ158、摺動用ギヤ159及び駆動ギヤ160の図示を省略している。
【0077】
ガイド軸151・151は、枠体111の下面の左右両端部近傍から下方に突出するように固定される。ガイド軸151・151は、第一の実施形態に係るガイド軸131・131と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0078】
レール152は、可動装飾部材110が摺動する際に、当該可動装飾部材110を所定の位置に案内するものである。レール152及び当該レール152に形成される案内溝152a・152aは、第一の実施形態に係るレール135及び当該レール135に形成される案内溝135a・135aと同様の構成であるため、説明を省略する。
案内溝152a・152aには、それぞれガイド軸151・151が挿通される。
【0079】
係合部材153は、可動装飾部材110を後述する摺動用部材156に係合させるためのものである。係合部材153は、主として脚部153a・153aと、上板153bと、係合軸153c・153cと、により構成される。
【0080】
脚部153a・153aは、略矩形板状の部材であり、その板面を左右方向に向けた状態で、枠体111の上面の左右両端部にそれぞれ立設される。
【0081】
上板153bは、略矩形板状の部材であり、その板面を上下方向に向けた状態で、2つの脚部153a・153aの上端に固定される。
【0082】
係合軸153c・153cは、上板153bの上面から上方に突出するように固定される。係合軸153c・153cは、左右方向に並べて配置される。
【0083】
回転ピニオン154・154・・・は、枠体111の上方において、各構成体112・112・・・の上端に固定された回転軸113・113・・・の上端に固定される。
【0084】
回転ラック155は、回転ピニオン154・154・・・の後方から当該回転ピニオン154・154・・・とそれぞれ噛合するように配置される。回転ラック155は、可動装飾部材110に対して相対的に左右方向に摺動可能となるように、かつ相対的に前後方向及び上下方向に摺動不能となるように、適宜支持される。回転ラック155には、係合部155aが形成される。
【0085】
係合部155aは、矩形板状の部分であり、長手方向を上下方向に向けた状態で、回転ラック155の上面の左右中途部に立設される。
【0086】
摺動用部材156は、可動装飾部材110を左右方向に摺動させるためのものである。摺動用部材156は、複数の板状部分を組み合わせて構成される。摺動用部材156は、可動装飾部材110の枠体111の概ね上方に配置され、遊技盤6に対して左右方向に摺動可能となるように適宜支持される。摺動用部材156には、係合部156a・156a、ラック部156b、当接部156c及び案内孔156dが形成される。
【0087】
係合部156a・156aは、摺動用部材156の右前端部に形成される板状部分を、前端部から後方に向かって所定以上の長さだけ切欠いて形成される。係合部156a・156aは、左右方向に並べて配置され、当該係合部156a・156a間の距離は、係合軸153c・153c間の距離と同一となるように配置される。当該係合部156a・156aには、それぞれ係合部材153の係合軸153c・153cが挿通される。
【0088】
ラック部156bは、摺動用部材156の左上端部から右上端部近傍まで形成される。
【0089】
当接部156cは、摺動用部材156の右上端部(ラック部156bの右隣)に形成される。当接部156cは、正面視(図26等参照)において所定の曲率を有する凹部である。
【0090】
案内孔156dは、摺動用部材156の右端部近傍において、当該摺動用部材156を前後方向に貫通するように形成される。案内孔156dは、左右方向に長い長孔となるように形成される。
【0091】
回転用部材157は、可動装飾部材110の構成体112・112・・・を回転させるためのものである。回転用部材157は、複数の板状部分を組み合わせて構成される。回転用部材157は、摺動用部材156の概ね後方に配置され、遊技盤6に対して左右方向に摺動可能となるように適宜支持される。回転用部材157には、係合部157a、ラック部157b及び案内部157cが形成される。
【0092】
係合部157aは、回転用部材157の右下端部において、左右一対の板状部分が前方に向かって立設されることにより構成される。当該係合部157aは、前後方向に所定以上の長さを有するように形成される。当該係合部157aには、回転ラック155の係合部155aが挿通される。
【0093】
ラック部157bは、回転用部材157の左上端部から右上端部まで形成される。回転用部材157のラック部157bの歯の形状は、摺動用部材156のラック部156bの歯と同一形状となるように形成される。
【0094】
案内部157cは、回転用部材157の右端部近傍において、板状部分が前方に向かって立設されることにより構成される。当該案内部157cは、摺動用部材156の後方から当該摺動用部材156の案内孔156dに挿通されることにより、当該案内孔156dによって左右方向に案内される。
【0095】
回転用ギヤ158は、回転用部材157を左右方向に摺動させるためのものである。回転用ギヤ158は、その軸線を前後方向に向けた状態で回転用部材157の上方に配置され、当該回転用部材157のラック部157bに歯合される。回転用ギヤ158は、遊技盤6に対して適宜回転可能に支持される。
回転用ギヤ158には、当該回転用ギヤ158の中心から前方に向かってボス部158aが突設される。
【0096】
摺動用ギヤ159は、摺動用部材156を左右方向に摺動させるためのものである。摺動用ギヤ159は、その軸線を前後方向に向けた状態で回転用ギヤ158の前方かつ摺動用部材156の上方に配置され、当該摺動用部材156のラック部156bに歯合される。摺動用ギヤ159の歯の形状は、回転用ギヤ158と歯と同一形状となるように形成される。摺動用ギヤ159の中心には、後方から回転用ギヤ158のボス部158aが挿通され、当該ボス部158a(回転用ギヤ158)に対して相対回転不能となるように固定される。摺動用ギヤ159には、欠歯部159aが形成される。
欠歯部159aは、摺動用ギヤ159の外周の一部分であり、ギヤの歯が形成されない部分である。欠歯部159aにおいては、摺動用ギヤ159の外周は正面視(図25等参照)円弧状となるように形成される。
【0097】
駆動ギヤ160は、その軸線方向を前後方向に向けた状態で回転用ギヤ158の左方に配置され、当該回転用ギヤ158と歯合される。
【0098】
図23に示す駆動モータ161は、可動装飾部材110を摺動させると共に、当該可動装飾部材110の構成体112・112・・・を回転させるための駆動源となるものである。駆動モータ161は、駆動ギヤ160の前方に配置され、当該駆動モータ161の出力軸は、駆動ギヤ160に固定される。駆動モータ161は、遊技盤6に対して適宜固定される。
【0099】
図23から図28までに示す状態においては、可動役物装置100のガイド軸151・151は、案内溝152a・152aの右端部近傍に位置している。この状態は、可動装飾部材110が最も右側に位置している状態であり、当該可動装飾部材110の略全体がセンター役物12の右端部の背後に位置している。この状態を、以下では単に「待機状態」と記す。このように、待機状態における可動装飾部材110が配置される位置(待機位置)は、センター役物12の配置位置の背後に位置し、当該センター役物12の配置位置と重複していない。また、待機状態においては、可動装飾部材110はセンター役物12の右端部の背後に位置しているため、遊技機1の正面にいる遊技者から当該可動装飾部材110を視認し難い。また、待機状態においては、可動装飾部材110は液晶画面26の右側方に位置しているため、液晶画面26の略全体が前方に向かって露出した状態(前方から視認可能な状態)となる(図3参照)。
【0100】
次に、図29から図36までを用いて、上述の如く構成された第二の実施形態に係る可動役物装置100の可動装飾部材110が摺動する様子について説明する。
【0101】
図29及び図30に示すように、駆動モータ161(図23参照)を駆動させ、駆動ギヤ160を正面視反時計回りに回転させると、当該駆動ギヤ160と歯合した回転用ギヤ158及び当該回転用ギヤ158に固定された摺動用ギヤ159は正面視時計回りに回転する。回転用ギヤ158及び摺動用ギヤ159が正面視時計回りに回転すると、当該回転用ギヤ158及び摺動用ギヤ159と歯合した回転用部材157及び摺動用部材156がそれぞれ左方向へと移動(摺動)する。
【0102】
摺動用部材156が左方向へ移動すると、当該摺動用部材156の係合部156a・156aに挿通された係合軸153c・153cを介して係合部材153も左方向へと移動し、ひいては可動装飾部材110全体も左方向へと移動する。
【0103】
この際、ガイド軸151・151はレール152の案内溝152a・152aに沿うように摺動する。可動装飾部材110が待機状態の近傍にある場合は、ガイド軸151・151は案内溝152a・152aの右端部近傍において案内されているため、当該ガイド軸151・151は左方に向かって摺動する。したがって、可動装飾部材110も左方に向かって摺動する。可動装飾部材110が左方に摺動すると、センター役物12から可動装飾部材110の左端部が露出し始める。またこれと同時に、可動装飾部材110が液晶画面26の右端部を前方から隠すことになり、当該液晶画面26の露出部分が減ることになる。
【0104】
また、回転用部材157が左方向へ移動すると、当該回転用部材157の係合部157aに挿通された係合部155aを介して回転ラック155も左方向へと移動する。
【0105】
この際、回転ラック155は可動装飾部材110と同じ速さで左方向へと移動するため、回転ラック155と回転ピニオン154・154・・・は相対的に移動することはなく、回転ピニオン154・154・・・が回転することはない。
【0106】
図31及び図32に示すように、駆動モータ161(図23参照)をさらに駆動させると、摺動用部材156及び回転用部材157はさらに左方へと移動する。この際、レール152の案内溝152a・152aは左方に向かうにつれて前方に延びるように屈曲されているため、ガイド軸151・151も左方に向かうにつれて前方へ移動するように摺動する。したがって、可動装飾部材110も左方に向かうにつれて前方へ移動するように摺動する。
【0107】
このように、可動装飾部材110は、ある程度の距離だけ左方に移動した時点から、徐々に前方に移動するように摺動する。これによって、センター役物12との接触を避けるように移動しながら、可動装飾部材110と液晶画面26との間のスペース(前後方向の間隔)を大きく確保することができる。
【0108】
また、この場合、可動装飾部材110と共に係合部材153及び回転ラック155も前方へ移動するが、摺動用部材156の係合部156a・156a及び回転用部材157の係合部157aは前後方向に所定以上の長さを有するように形成されているため、当該係合部156a・156a及び係合部157aと係合部材153の係合軸153c・153c及び回転ラック155の係合部155aとは、それぞれ係合したままであり、当該摺動用部材156及び回転用部材157と共に係合部材153及び回転ラック155を左方へ移動させ続けることができる。
【0109】
図33及び図34に示すように、駆動モータ161(図23参照)をさらに駆動させると、摺動用部材156及び回転用部材157はさらに左方へと移動する。この際、レール152の案内溝152a・152aの左端部近傍は左方に延びるように形成されているため、ガイド軸151・151は前方に移動することなく左方に向かって摺動する。したがって、可動装飾部材110も左方に向かって摺動する。
【0110】
図35及び図36に示すように、駆動モータ161(図23参照)をさらに駆動させ、ガイド軸151・151が案内溝152a・152aの左端部に到達した状態は、可動装飾部材110が最も左側に位置している状態であり、当該可動装飾部材110の略全体がセンター役物12から露出している。この状態を、以下では単に「出現状態」と記す。出現状態においては、可動装飾部材110はセンター役物12から露出しているため、遊技者から視認されることができ、当該遊技者に印象(インパクト)を与えることができる。また、出現状態においては、可動装飾部材110は液晶画面26の右端部の前方に位置しているため、当該液晶画面26の右端部は当該可動装飾部材110によって覆われ、遊技者から視認し難い。すなわち、可動装飾部材110によって液晶画面26の露出部分を減少させることができる。
【0111】
また、出現状態における可動装飾部材110は、待機状態よりも前方に位置している。詳述すると、可動装飾部材110を待機状態から出現状態まで移動させる場合、当該可動装飾部材110はまず左方に移動した後、左斜め前方に移動し、最後に再び左方に移動する。これによって、出現状態においては、液晶画面26と可動装飾部材110との間のスペースを大きく確保することができる。
【0112】
このように可動装飾部材110を移動させることで、遊技機1の各部材間の限られたスペースを利用して、遊技者に印象を与える可動役物装置100を配置することができる。具体的には、待機状態においては、液晶画面26とセンター役物12との間の限られたスペース(待機位置)に可動装飾部材110を配置し、出現状態においては、センター役物12と干渉しない範囲で可動装飾部材110を前方に移動させた状態で当該可動装飾部材110を配置することができる。これによって、液晶画面26と干渉することなく後述するような構成体112・112・・・の回転の演出を行う等、遊技機1のスペースを有効に利用することができる。
【0113】
次に、図37から図40までを用いて、上述の如く構成された可動役物装置100の構成体112・112・・・が回転する様子について説明する。
【0114】
図37に示すように、上述の出現状態から駆動モータ161(図23参照)をさらに駆動させ、回転用ギヤ158及び摺動用ギヤ159を正面視時計回りに回転させると、回転用ギヤ158と歯合した回転用部材157は左方向へと移動(摺動)する。回転用部材157が左方向へ移動すると、当該回転用部材157の係合部157aに挿通された係合部155aを介して回転ラック155も左方向へと移動する。
【0115】
一方、出現状態からさらに摺動用ギヤ159を正面視時計回りに回転させると、摺動用ギヤ159の欠歯部159aと摺動用部材156の当接部156cとが当接することになる。この状態においては、摺動用ギヤ159の歯と摺動用部材156のラック部156bとは歯合しておらず、当該摺動用ギヤ159と摺動用部材156とは相対的に摺動可能となるため、摺動用ギヤ159が回転しても、摺動用部材156は左方へ移動(摺動)することはない。したがって、係合部材153及び可動装飾部材110も左方へ移動することはない。
【0116】
上述の如く、可動装飾部材110は左方へ移動せず、当該可動装飾部材110に対して回転ラック155のみが相対的に左方へと移動するため、図38に示すように、当該回転ラック155と噛合している回転ピニオン154・154・・・が平面視反時計回りに回転する。これによって、回転ピニオン154・154・・・に連結された構成体112・112・・・も平面視反時計回りに回転する。
【0117】
この際、前述の如く、出現状態においては液晶画面26と可動装飾部材110との間のスペースを大きく確保している。このような構成によって、構成体112・112・・・が回転しても当該構成体112・112・・・と液晶画面26とが接触するのを防止することができる。
【0118】
図39に示すように、駆動モータ161(図23参照)をさらに駆動させ、構成体112・112・・・が180度回転した時点で、当該駆動モータ161の駆動を停止させる。これによって、図39及び図40に示すように、構成体112・112・・・の裏面にあたる平面部分が前方を向くことになる。当該構成体112・112・・・の平面部分に、文字や模様等の装飾を施しておくことで、当該構成体112・112・・・の回転によって遊技者に印象(インパクト)を与えることができる。
このように、可動装飾部材110は、液晶画面26の露出部分を減少させるとともに、構成体112・112・・・の回転によって出現状態における可動装飾部材110の装飾を遊技者に対して複数種類(本実施形態では、2種類)視認可能として演出のバリエーションを増やしている。
【0119】
なお、上述とは逆方向に駆動モータ161を駆動させることで、再び構成体112・112・・・の平面部分を後方に向けたり、可動装飾部材110を出現状態から待機状態へと戻したりすることができる。
また、可動装飾部材110が待機状態から出現状態に変化した時点(図35及び図36参照)で駆動モータ161の駆動を停止させることで、構成体112・112・・・を回転させることなく可動装飾部材110を出現させる(遊技者に視認可能な位置に移動させる)演出を行うこともできる。
【0120】
上述の如く駆動機構150を構成することによって、1つの駆動モータ161(駆動源)を駆動させるだけで、可動装飾部材110を左右方向に摺動させる運動と、構成体112・112・・・を回転させる運動と、を行うことができる。
【0121】
以下では、図41から図44までを用いて、本発明に係る遊技機用発光装置の一実施形態である可動装飾部材110の構成について、より詳細に説明する。
【0122】
可動装飾部材110は、主として、枠体111と、構成体112・112・・・と、回転軸113・113・・・と、基板114・114・・・と、LED115・115・・・と、により構成される。
なお、枠体111及び回転軸113・113・・・の構成は前述の通りであるため、以下では説明を省略する。
【0123】
構成体112・112・・・は、本発明に係る発光部材の一実施形態であり、前述の如く、略円柱状の部材の一側部を切り欠いたような平面視略半円形状(略半円柱状)となるように、立体的な部材として形成される。すなわち、構成体112には、曲面部112aと平面部112bとを有することになる。
【0124】
曲面部112aは、構成体112を構成する面のうち、平面断面視(図42及び図44参照)円弧状となるように形成される面である。曲面部112aは、光を透過する部材で形成されるとともに、全体に亘って光拡散剤が混入される。これによって、曲面部112aに照射された光は、様々な方向に反射されると共に、当該曲面部112aを透過して様々な方向に照射(出射)される。また、曲面部112aには、所定の模様等が適宜施される。
なお、本実施形態においては、曲面部112a全体が、本発明に係る曲面部側透過領域の一実施形態である。
【0125】
平面部112bは、構成体112を構成する面のうち、平面断面視(図42及び図44参照)直線状となるように形成される面である。平面部112bは、平面断面視における曲面部112aの一端と他端とを連結するように配置される。このように、構成体112は、曲面部112a及び平面部112bによって中空となるように構成される。平面部112bの一部には、透光部112cが形成される。
【0126】
透光部112cは、本発明に係る平面部側透過領域の一実施形態であり、光を透過する(透光性を有する)部材で形成される。3つの構成体112・112・・・にそれぞれ形成された透光部112c・112c・・・は、左右方向に3つ並べられた構成体112・112・・・が、その平面部112b・112b・・・を前方に向けた際(図43参照)に、正面視において所定の文字(本実施形態においては、「勝利」の2文字)を形作るような形状となるように形成される。
平面部112bのうち、透光部112c以外の部分は、光を透過しない部材で形成される。
【0127】
構成体112・112・・・は、前述の如く、回転軸113・113によって当該回転軸113・113の軸心回りに回転可能に支持されている。
【0128】
基板114・114・・・は、略矩形板状に形成され、長手方向を上下方向に向け、かつ構成体112の平面部112bと平行となるように各構成体112の内部(中空部分)に配置される。
なお、基板114の短手方向(図41から図45までにおける左右方向)は所定以上の長さを有するため、平面断面視(図42及び図44参照)において構成体112の曲面部112a近傍に配置しようとすると、当該曲面部112aと干渉(接触)してしまう。このため、基板114は平面断面視において構成体112の曲面部112a近傍に配置することができない。よって、基板114は平面断面視において構成体112の平面部112b近傍(構成体112の内部のうち、平面部112b側に偏った位置)に配置される。
【0129】
LED115・115・・・は、本発明に係る光源の一実施形態である。LED115・115・・・は、基板114の曲面部112aと対向する側の面に、当該基板114の長手方向(上下方向)に7つ並べて配置される。LED115・115・・・は、当該LED115・115・・・が配置された基板114の板面に対して略垂直方向に向かって光を照射する、いわゆるトップビュー方式のLEDである。すなわち、LED115・115・・・は、構成体112の曲面部112aに向けて光を照射することになる。
【0130】
以下では、図41から図45までを用いて、可動装飾部材110による発光演出の様子について説明する。
なお、図45には、3つの構成体112・112・・・のうち、中央に配置された構成体112の平面断面図のみを拡大して図示している。
【0131】
まず、図45(a)に示すように、構成体112が、曲面部112aを前方(遊技者側)に向けて配置されている場合(図41及び図42に示す状態)について説明する。
【0132】
この状態において、LED115・115・・・が点灯されると、当該LED115・115・・・から構成体112の曲面部112aへと光が照射される。曲面部112aへと照射された光は、当該曲面部112aを通って構成体112の外方へと照射(出射)される。この際、曲面部112aには光拡散剤が混入されているため、LED115・115・・・からの光は当該曲面部112a内で様々な方向に屈折及び反射を繰り返して十分に拡散され、当該光は曲面部112aの略全体から外方へと出射されることになり、遊技者からは構成体112の曲面部112a全体が略均一に発光している様子が視認できる。
【0133】
なおこの場合、LED115・115・・・からの光の一部は曲面部112aにおいて反射して、構成体112の平面部112b(より詳細には、平面部112bに形成された透光部112c)に照射され、透光部112cを発光させることになるが、平面部112bは後方に向けられているため、遊技者が当該透光部112cが発光している様子を視認することはない。
【0134】
次に、図45(b)に示すように、構成体112が、平面部112bを前方(遊技者側)に向けて配置されている場合(図43及び図44に示す状態)について説明する。
【0135】
この状態において、LED115・115・・・が点灯されると、当該LED115・115・・・から構成体112の曲面部112aへと光が照射される。曲面部112aへと照射された光は、当該曲面部112aの表面(構成体112の内側の面)や、当該曲面部112aの内部で様々な方向に反射され、平面部112bへと照射される。平面部112bへと照射された光のうち、透光部112cに照射された光は、当該透光部112cを通って構成体112の外方へと照射(出射)される。これによって、遊技者からは平面部112bのうち透光部112cのみが発光している様子が視認できる。すなわち、3つの構成体112・112・・・の透光部112c・112c・・・によって形作られる「勝利」の文字が発光している様子を遊技者に視認させることができる。
【0136】
このように、LED115・115・・・(基板114)と構成体112の平面部112bとは近接しているものの、遊技者側(前方)から見るとLED115・115・・・が基板114の背後に隠れているため、当該LED115・115・・・からの光は平面部112bの透光部112cに直接照射されることはなく、曲面部112a等において様々な方向に反射されて十分に拡散された後に間接的に照射される。このため、遊技者は、透光部112cを介してLED115・115・・・の発光する様子(すなわち、構成体112の内部における1点(LED115が配置されている位置)のみが強く発光している様子)を視認することはなく、透光部112c全体が略均一に発光している様子を視認させることができる。
【0137】
なお、この場合、LED115・115・・・からの光の一部は曲面部112aを通って構成体112の外方へと照射(出射)され、当該曲面部112aを発光させることになるが、曲面部112aは後方に向けられているため、遊技者が当該曲面部112aが発光している様子を視認することはない。
【0138】
以上の如く、本実施形態に係る可動装飾部材110(遊技機用発光装置)は、
平面部112bと曲面部112aとを有した中空の略半円柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される構成体112(発光部材)を具備する可動装飾部材110であって、
構成体112の内部で平面部112bと曲面部112aとの間に配置される基板114と、
基板114における曲面部112aと対向する側の面に配置されて曲面部112a側へ向けて光を照射するLED115(光源)と、
平面部112bに形成されて光を透過可能な領域である透光部112c(平面部側透過領域)と、
を具備して、
LED115から照射された光は、曲面部112aにより反射されて透光部112cを通って外方へ向けて出射される、
ことを特徴とするものである。
【0139】
このように構成することにより、構成体112の平面部112bを遊技者側に向けた状態でLED115から光を照射した場合、透光部112cが発光する演出(発光演出)を行うことができるとともに、遊技者側から見るとLED115が基板114の背後に隠れているため、当該遊技者に透光部112cを介してLED115の発光する様子を視認させることなく当該発光演出を行うことができる。
したがって、遊技者に、構成体112・112・・・の内部において、当該構成体112・112・・・に形成された装飾(本実施形態では、透光部112cによって形作られる「勝利」の文字)と関連性のないような点(LED115・115・・・)が発光している様子を視認させることがないため、当該遊技者に不快感を与えることがない。
【0140】
また、本実施形態に係る可動装飾部材110は、
曲面部112aに形成されて光を透過可能な領域である曲面部側透過領域(本実施形態においては、曲面部112a全体)を具備して、
LED115から照射された光は、曲面部112aにより反射されて透光部112cを通って外方へ向けて出射されると共に、曲面部112aを通って外方へ向けて出射される、
ことを特徴とするものである。
【0141】
このように構成することにより、LED115から照射された光を、平面部112bに形成された透光部112cからだけでなく、曲面部112aからも外方へと照射することができ、透光部112c及び曲面部112aを発光させる演出(発光演出)を行うことができる。
このようにして、一方(曲面部112a)に向かって光を照射するLED115・115・・・を用いて、2つの方向へ光を照射することができ、ひいては2つの面(曲面部112a及び平面部112bの透光部112c)を発光させる演出(発光演出)を行うことができる。
【0142】
なお、本実施形態においては、曲面部112a全体が曲面部側透過領域であるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、平面部112bにおける透光部112cと同様に、曲面部112aのうちの一部のみを、透光性を有する部材で形成することも可能である。この場合、当該透光性を有する部材で構成される部分が、本発明に係る曲面部側透過領域となる。
また、本実施形態においては、平面部112bに形成された透光部112cを透光性を有する部材で形成し、本発明に係る平面部側透過領域であるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、曲面部112aと同様に、平面部112b全体を、透光性を有する部材で形成することも可能である。この場合、平面部112b全体が、本発明に係る平面部側透過領域となる。
また、透光部112cによって形作られるのは、本実施形態の如く「勝利」の文字に限るものではなく、その他の文字や図形、記号等であっても良い。
また、本実施形態においては、LED115・115・・・は各基板114に7つ配置されるものとしたが、LED115・115・・・の個数はこれに限定するものではない。
【0143】
なお、本実施形態においては、本発明に係る発光部材の一実施形態である構成体112の形状は、曲面部112aと平面部112bとを有する中空の略半円柱状に限るものではない。例えば、複数の平面部のみからなる中空の略角柱状(例えば、四角柱状や六角柱状など)、複数の曲面部のみからなる中空の柱状、1つの曲面部のみからなる中空の円柱状(円筒状)等であっても良い。
【0144】
また、本実施形態においては、構成体112の内部に配置された基板114は、当該構成体112とともに回転するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、構成体112の回転にかかわらず基板114の板面が一定方向を向くように配置され、当該基板114における遊技者と対向しない側(後側)の面にLED115・115・・・(光源)が配置され、当該LED115・115・・・からの光は常に構成体112の後側の面(遊技者と対向しない側の面)により反射されて、当該構成体112の遊技者側の面に形成された透過領域(光を透過可能な領域)を通って外方へ向けて出射される構成とすることも可能である。
このように構成することによって、遊技者側から見るとLED115・115・・・が常に基板114の背後に隠れているため、当該遊技者に前記透過領域を介して光源の発光する様子を視認させることなく発光演出を行うことができる。
【符号の説明】
【0145】
1:遊技機,100:可動役物装置,110:可動装飾部材,111:枠体,112:構成体,112a:曲面部,112b:平面部,112c:透光部,113:回転軸,114:基板,115:LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面部と曲面部とを有した中空の略半円柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される発光部材を具備する遊技機用発光装置であって、
前記発光部材の内部で前記平面部と前記曲面部との間に配置される基板と、
前記基板における前記曲面部と対向する側の面に配置されて前記曲面部側へ向けて光を照射する光源と、
前記平面部に形成されて光を透過可能な領域である平面部側透過領域と、
を具備して、
前記光源から照射された光は、前記曲面部により反射されて前記平面部側透過領域を通って外方へ向けて出射される、
ことを特徴とする遊技機用発光装置。
【請求項2】
前記曲面部に形成されて光を透過可能な領域である曲面部側透過領域を具備して、
前記光源から照射された光は、前記曲面部により反射されて前記平面部側透過領域を通って外方へ向けて出射されると共に、前記曲面部側透過領域を通って外方へ向けて出射される、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機用発光装置。
【請求項3】
中空の略柱形状であって軸心回りに回転可能に軸支される発光部材を具備する遊技機用発光装置であって、
前記発光部材の内部において、当該発光部材の回転にかかわらず板面が一定方向を向くように配置される基板と、
前記基板における遊技者と対向しない側の面に配置されて、遊技者側と反対側へ向けて光を照射する光源と、
前記発光部材のうち遊技者と対向する側の面に形成されて光を透過可能な領域である透過領域と、
を具備して、
前記光源から照射された光は、前記発光部材のうち遊技者と対向しない側の面により反射されて前記透過領域を通って外方へ向けて出射される、
ことを特徴とする遊技機用発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2013−111205(P2013−111205A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259656(P2011−259656)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】