説明

遊技機

【課題】背景画像の表示制御を斬新なものとした遊技機を提供すること。
【解決手段】或る立体モデル1550の周りを一周する経路を想定しこの想定した経路に沿って適宜の間隔でカメラ1500によって取得した複数の画像情報からなる画像情報群を格納しておき、この格納しておいた画像情報群から画像情報を順次取り出して特別図柄表示装置100に表示させるので、或る立体モデル1550の周りを一周するように背景画像が表示され斬新な背景画像表示制御を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所要の画像を表示可能な表示装置を備え、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の遊技機例えば第1種仕様のパチンコ機にあっては、特別図柄始動口に遊技球が入賞すると図柄変動表示を行ない、最終的に大当り抽選結果を特別図柄の表示で通知するように構成されている。そして、この図柄変動中には様々な表示演出が行なわれる。例えば図柄の変動速度や変動方向を変更したり、図柄の背景画像が変化するようにしたりする等様々なものが提案されている。特に最近ではCG技術を利用して視覚効果がより優れた表示演出を行うことによって遊技者を楽しませている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のこの種の表示演出、特に背景画像の演出にあっては、背景画像を単に横、縦等の所定方向に移動したり、新たな表示画像に順次切り替え制御する等、演出効果に乏しいものであった。
【0003】本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、背景画像の表示制御を斬新なものとした遊技機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、所要の画像を表示可能な表示装置を備え、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機において、或る立体モデルの周りを一周する経路を想定しこの想定した経路に沿って適宜の間隔で取得した複数の画像情報からなる画像情報群を格納する格納手段と、前記格納手段が格納する前記画像情報群から画像情報を順次取り出して前記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とするようにした。
【0005】この発明においては、或る立体モデルの周りを一周する経路を想定しこの想定した経路に沿って適宜間隔で取得した複数の画像情報からなる画像情報群を格納しておき、この格納しておいた画像情報群から画像情報を順次取り出して表示装置に表示させるので、或る立体モデルの周りを一周するように背景画像が表示され斬新な背景画像表示制御を実現することができる。
【0006】前記表示制御手段は、更に前記画像情報を前記表示装置に表示させる際にキャラクタ画像を合成表示するようにしても良い。
【0007】そして、前記表示制御手段を所定遊技状態が生起されたことに応答して起動する起動制御手段を備えたり、また、前記表示制御手段を所定遊技状態が生起される可能性があることを報知するタイミングで起動する起動制御手段を備えたりするようにしても良い。また、前記格納手段は、前記想定経路上に置かれた特定キャラクタを含む前記或る立体モデルに対してズームアップするようにして取得したズームアップ画像情報群を更に格納し、前記表示制御手段は、更に、所定遊技状態が生起されたことに応答して、前記ズームアップ画像情報を順次取り出して前記表示装置に表示させる構成とすることもできる。
【0008】なお、このような動作はコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムを記録しておき、CPUがこの記録媒体に記録したプログラムを読み取って実行することによって実現できる。このような記録媒体としては、ROM、半導体IC等の半導体記録媒体、DVDROM、CDROM等の光記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、光磁気記録媒体等のデジタルコンテンツの書き込み及び読出しが可能な各種の記録媒体が挙げられる。また、このプログラムを所定の情報処理装置から通信網を介して遊技機にダウンロードしてインストールするようにしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。先ず遊技機の一般的な構成や動作を説明してから、本発明の特徴部の動作を説明することによって本発明の理解の容易化を図る。
【0010】図1は遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアを有していて、各表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタによる図柄で構成される識別情報が変動表示可能である特別図柄表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されていて、この特別図柄始動口104の両側には普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。
【0011】さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、普通図柄表示装置108、アウト口114がこの順で配設されており、さらに、特別図柄始動口104の両斜め上方にはランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
【0012】そして、特別図柄始動口104に遊技球が入賞されて乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおいて少なくとも1つの識別情報の変動表示が開始されその後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
【0013】また、普通図柄作動ゲート102が遊技球の通過を検出すると、乱数抽選が行われこの抽選された乱数が小当り値である時には、普通図柄表示装置108の表示部を所定パターン(例えば「7」や「3」)に表示させ、その後に、開閉部材120が開状態となって遊技球が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われこの抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおける変動表示が開始されその後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り状態(特別遊技状態)となる。一方、入賞されない打球はアウト口114を介して排出される。なお、図示しないハンドルを操作することに応じて不図示の発射装置が遊技球を遊技盤10上に到達させるように構成されていて、遊技球は遊技盤10上の様々な方向に転動されながら下方向へと流下される。
【0014】図2はこのような遊技の進行状況に応じた遊技動作制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。遊技動作制御を統括する主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載している。この主制御部200は、特別図柄表示装置100を制御するための各種のコマンド等(後述する)を含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202および一連の遊技動作制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等の遊技動作制御プログラムを格納するROM201と、ワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて一体型のワンチップマイコンとなっている。主制御部200が所定周期(例えば4(msec))でこの遊技動作制御プログラムを繰り返して実行することによって遊技動作制御が行われることになり、主制御部200は遊技動作制御を統括している。
【0015】主制御部200には、入力ポート210を介して複数のスイッチ群のそれぞれからの検出信号を受信可能に構成されている。即ち、主制御部200は、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技球の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技球のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、および、大入賞口106の内部に設けられ遊技球の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308等のスイッチ群が接続され、主制御部200は各スイッチからの遊技球検出に対応した検出信号を受信可能に構成されている。
【0016】また、主制御部200には、出力ポート215を介して複数の周辺装置を制御可能に接続されている。より具体的には、主制御部200には、特別図柄やキャラクタを表示する表示部を3つ有して夫々を独立して可変表示可能でLCD等で実現される特別図柄表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、例えば7セグメント表示デバイスで実現される普通図柄表示装置108、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、および、大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302等の周辺装置群が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0017】そして、主制御部200は、特に特別図柄表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっていて、特別図柄表示装置100は受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。さらに主制御部200から特別図柄表示装置100へコマンドを送信するのみの一方向通信による通信形態を採っている。
【0018】また、主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212と所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されていて、さらに、リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
【0019】さて、図12に示すように、主制御部200から特別図柄表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっており、図6乃至図9は、主制御部200側のROM201のコマンドデータテーブル領域202や特別図柄表示装置100側のプログラムROM1040にに格納された表示制御用コマンドデータの一部を示している。
【0020】図6乃至図9に示すように、表示制御用のコマンドには、「特別図柄を変動させるとともに、変動パターンを指定するためのコマンド(第1のコマンド)」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄を停止させるためのコマンド(第3のコマンド)」がある。なお、第1のコマンドは図柄をどのようなパターンで変動表示させるか、キャラクタ画像をどのようなパターンで表示演出させるか等を定める変動パターンを指定する情報を含んだコマンドとなっている。主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったときこれらの5つのコマンドを1回の変動表示制御における所定のタイミングで特別図柄表示装置100に送信する。
【0021】図3は特別図柄表示装置100のブロック構成図である。特別図柄表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120とを有して構成されている。
【0022】図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有している。また、キャラクタデータは特定圧縮方法で圧縮処理された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
【0023】そして、特別図柄表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
【0024】また、図5はコマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)から成っている。この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機としてモード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機としてイベント(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して特別図柄表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
【0025】次に、先ず、主制御部200や特別図柄表示装置100のCPU1020が行う通常の制御動作を図10(遊技動作制御のゼネラルフローチャート)や図11を参照して説明し、その後、本発明の特徴的な動作について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は主制御部200がROM201に格納されている図示しない遊技制御プログラムを実行することによって行われる。より具体的には、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行され、この一連の処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0026】先ず、図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
【0027】ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
【0028】次に、ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート210を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
【0029】次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
【0030】そして、ステップS180において、普通図柄表示装置108の表示制御に必要なデータをRAM203の所定領域に格納すると共に、特別図柄表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は遊技動作制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
【0031】次に、ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御し、次いで、ステップS220において、図示しない賞球払出装置に払出し動作を行わせるための制御情報を出力するための賞球セット処理を実行する。さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技動作状態に対応させて効果音発生制御を行うためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
【0032】次に、ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、特別図柄表示装置100に対して、先ずストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、特別図柄表示装置100には例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され受信することになる。
【0033】ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技動作制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新等が挙げられる。
【0034】次に、コマンドを受け取った特別図柄表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行いステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
【0035】ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
【0036】次に、ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータを、プログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
【0037】次に、ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
【0038】そして、出力許可フラグが「1」でない場合(No)にはステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す一方、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)にはステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力する。画像処理用LSI1060はこれに応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して展開し、展開された画像データはビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、特別図柄表示装置100における設定された表示位置において設定された速度での図柄変動表示の表示等が行われる。
【0039】図13、図14はそれぞれ主制御部200から特別図柄表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、および、送信コマンドの説明図である。これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、先ず「図柄変動を開始させるとともに変動パターンを指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(■)を送信する。
【0040】一方、第1のコマンド(■)を受信した特別図柄表示装置100のCPU1020は、変動速度変化等の細かな表示制御を行って一連の変動表示制御を行い、第3のコマンド(■)の受信を契機として変動表示制御を終了させてから、受信した第2のコマンド(■、■、■)で指定された停止図柄での停止表示を行って特別図柄抽選結果を表示する。このようにCPU1020はVDP1060を駆動制御することによってLCDパネル1120の表示画面上に所要の画像表示を行うように構成されている。
【0041】(本発明の特徴部)図15、図16は背景画像作成手法の模式的説明図である。図15に示すようにこの例では立体モデル1550の周囲を一周するように経路が設定されていて、この経路は区間A、B、C、…に分けられている。なお、図面右側には経路や区間を図示していないが実際にはこの経路は立体モデル1550の周りを一周するように設定されている。
【0042】区間Aは直線経路であり、カメラ1500を適宜のアングルで設定して符号x1に示すように図面左方向に適宜の間隔で区間Aの経路に沿って移動させながら立体モデル1550の画像情報を取得していく。次の区間Bは点Xを中心とする円弧状の経路であり、カメラ1500を符号x2、x3で示すように点Xを中心とするように区間Bの経路に沿って適宜のアングルで適宜の距離だけ移動させながら順次、立体モデル1550の画像情報を取得していく。なお、図16は図15における矢視Y−Yの図面である。
【0043】さらに区間Cは直線経路であり、カメラ1500を適宜のアングルで設定して符号x4に示すように図面右方向に適宜の間隔で区間Cの経路に沿って移動させながら立体モデル1550の画像情報を取得していく。なお、符号1510、1520はキャラクタを示しており実際にはこれを置かずに立体モデル1550の画像情報を取得していく。そしてカメラ1500の移動による立体モデル1550の画像情報の取得が、立体モデル1550の周りに設けたこれを一周する経路の始点位置まで戻って来た時点で画像情報の取得を終了する。
【0044】かくして立体モデル1550の周りに設定した経路に沿った経路一周分の画像情報が得られることになる。
【0045】このようにして得られた画像情報は図3の特別図柄表示装置100のプログラムROM1040が記憶する画像データテーブル1700に格納される。図17はこの画像データテーブル1700の説明図である。画像データテーブル1700は区間とこの区間における画像情報群とを対応付けて格納している。図17の例では区間A、B、C、…が格納され、区間Aに対しては画像データGA1、GA2、…が対応付けて格納されている。同様に区間Bに対しては画像データGB1、GB2、…が対応付けて格納され、さらに区間Cに対しては画像データGC1、GC2、…が対応付けて格納されている。
【0046】なお、図15に示す経路は直線と円弧状部より成るものであるが、このようなきれいな経路でなくても立体モデル1550の周りを一周するものであればいかなる形状の経路も採用し得る。また、区間も適宜設定し得るし各区間におけるかメラ1500の移動距離も適宜設定し得る。
【0047】(動作)次に図18を参照して動作を説明する。特別図柄表示装置1000のCPU1020は第2のコマンドにおいて指定される左図柄と中図柄が同じであると判定した場合にはステップS1800においてリーチ状態であるとして以下の表示制御を起動する。一方これ以外の場合(No)即ちリーチ状態でない場合にはステップS1800においてウエイト状態となる。
【0048】ステップS1810においてはCPU1020はVDP1060を駆動制御して所要の表示制御をLCDパネル1120を用いた行う。CPU1020は画像データテーブル1700の格納内容を参照して、先ず区間Aから画像データGA1、GA2、…を順次取り出してVDP1060を駆動制御してLCDパネル1120の表示画面上に表示させる。同様にして区間B、C、…に対応する画像ジデータを順次取り出してはVDP1060を駆動制御してLCDパネル1120の表示画面上に表示させる。そしてCPU1020はキャラクタ1510、1520を画像データに合成させて表示する。かくしてこの表示制御を繰り返し行えばキャラクタ1510、1520があたかも立体モデル1550の周りの経路を循環的に移動しているような表示演出が行われる。
【0049】図19はLCDパネル1120の表示画面1121の具体例の説明図である。表示画面1121には経路1900に描かれていて、画像データの表示制御によって背景画像があたかも符号Yで示すようにキャラクタ1510、1520に向かっているように表示される。逆にキャラクタ1510、1520はY方向とは反対方向のX方向に経路1900に沿って移動するような表示演出が実現される。
【0050】したがってこの動作例によれば、或る立体モデル1550の周りを一周する経路を想定しこの想定した経路に沿って適宜の間隔で取得した複数の画像情報からなる画像情報群を格納しておき、この格納しておいた画像情報群から画像情報を順次取り出して特別図柄表示装置100に表示させるので、或る立体モデル1550の周りを一周するように背景画像がエンドレスに表示され斬新な背景画像表示制御を実現することができる。
【0051】また、CPU1020は更に画像情報を特別図柄表示装置100に表示させる際にキャラクタ画像11510、1520を合成表示するので一層演出効果が増す。そして、所定遊技状態が生起されたこと、例えばリーチ状態になったことに応答してこのような表示制御を起動するようにしているので、所定の遊技状態が生起されたことが把握容易になると共に、その際の演出効果も一層増す。
【0052】(他の動作例1)上記表示制御を所定遊技状態が到来する可能性を報知するタイミングで行うようにすることもできる。例えば大当りが生起される可能性が高い変動パターンが送信されてきた場合には大当り可能性が高いことを報知すべく、上述したような背景画像の表示制御を実行する。なおこの場合に必ずしも大当りが到来するとは限らない。この動作例によれば、斬新は報知演出によって所定の遊技状態が到来する可能性を報知することが可能になる。
【0053】(他の動作例2)この他の動作例2においては、想定された経路のいずれかの区間における適宜の場所において、図20に示すようにカメラ1500の高さをキャラクタ1510、1520と同程度に高さに設定し、これを水平方向(符号X方向)に移動してキャラクタ1510、1520を含む立体モデル1550がズームアップされた画像をX方向における適宜の間隔で取得してこれをズームアップ画像情報群として画像データテーブル1700に格納しておくものとする。
【0054】図21のステップS2100において総てのリーチの内でも特定リーチ(例えば左図柄、中図柄「77」リーチ)が生起されたか否かをCPU1020が判定する。特定リーチが生起されていないと判定した場合(No)には以下の動作をスキップして動作を終える。一方、特定リーチが生起されたと判定した場合(Yes)にはステップS2110に移行して、画像データテーブル1700から順次、ズームアップ画像情報を獲得してはこれをLCDパネル1120の表示画面1121上に表示させていく。
【0055】この結果、図19と比較して分かるように図22に示すようにキャラクタ1510、1520および背景画像がズームアップされる。この後、リーチアクションが行われ停止図柄表示が行われて大当り抽選結果が表示されることになる。
【0056】したがってこの他の動作例2によれば、想定経路上に置かれたキャラクタ1510、1520を含む立体モデル1550に対してズームアップするようにして取得したズームアップ画像情報群を画像データテーブル1700に格納しておき、CPU1020が特定リーチが生起されたことに応答してズームアップ画像情報を順次取り出して特別図柄表示装置100に表示させるので斬新なリーチ演出を実現できる。なお、ズームアップ画像情報群を取得する場所は想定経路のいずれの点においても良い。
【0057】以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。例えば、立体モデル1550の周りに一周するように設定される経路の形状を適宜変更すること、等が挙げられる。
【0058】なお、以上の説明では、遊技機としてパチンコ機を例にとり説明してきたが、パチスロ機はもちろんのこと、遊技媒体を用いた遊技を行う他の遊技機に対しても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、或る立体モデルの周りを一周するように背景画像が表示され斬新な背景画像表示制御を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤10の模式的な説明図である。
【図2】遊技機の制御ブロック図である。
【図3】特別図柄表示装置100のブロック構成図である。
【図4】キャラクタROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。
【図5】コマンド送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図7】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図8】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図9】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図10】遊技機の遊技制御動作を説明するためのゼネラルフローチャートである。
【図11】特別図柄表示装置100のCPU1020の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンドのデータ構造の説明図である。
【図13】図柄表示のためのコマンド送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】コマンド送信の説明図である。
【図15】背景画像作成手法の説明図である。
【図16】背景画像作成手法の説明図である。
【図17】画像データテーブル1700の説明図である。
【図18】動作を説明するフローチャートである。
【図19】表示画面1121の説明図である。
【図20】他の動作例2の説明図である。
【図21】他の動作例2を説明するフローチャートである。
【図22】表示画面1121の説明図である。
【符号の説明】
10 遊技盤
100 特別図柄表示装置
102 普通図柄作動ゲート
104 特別図柄始動口
106 大入賞口
110 ランプ表示装置
112 ランプ表示装置
114 アウト口
116 効果音発生装置
120 開閉部材
200 主制御部
201 ROM
202 コマンドデータテーブル領域
203 RAM
210 入力ポート
215 出力ポート
308 大入賞口スイッチ
1020 CPU
1040 プログラムROM
1060 画像処理用LSI
1080 ビデオRAM
1090 RAM
1100 LCDパネル用インターフェイス回路
1120 LCDパネル
1180 キャラクタROM
1700 画像データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 所要の画像を表示可能な表示装置を備え、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機において、或る立体モデルの周りを一周する経路を想定しこの想定した経路に沿って適宜の間隔で取得した複数の画像情報からなる画像情報群を格納する格納手段と、前記格納手段が格納する前記画像情報群から画像情報を順次取り出して前記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】 請求項1に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、前記画像情報を前記表示装置に表示させる際にキャラクタ画像を合成表示することを特徴とする遊技機。
【請求項3】 請求項1および2の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記表示制御手段を所定遊技状態が生起されたことに応答して起動する起動制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項4】 請求項1および2の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記表示制御手段を所定遊技状態が生起される可能性があることを報知するタイミングで起動する起動制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】 請求項1に記載の遊技機において、前記格納手段は、前記想定経路上に置かれた特定キャラクタを含む前記或る立体モデルに対してズームアップするようにして取得したズームアップ画像情報群を更に格納し、前記表示制御手段は、更に、所定遊技状態が生起されたことに応答して、前記ズームアップ画像情報を順次取り出して前記表示装置に表示させることを特徴とする遊技機。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2003−181019(P2003−181019A)
【公開日】平成15年7月2日(2003.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−380282(P2001−380282)
【出願日】平成13年12月13日(2001.12.13)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】