遊技機
【課題】 複数の始動領域のいずれに遊技媒体を入賞させるかということに対する興味を高める。
【解決手段】 単一の第2普通可変入賞球装置に入賞した遊技球は、転動板の振分態様に応じて異なる割合で、左・中・右の始動入賞口のいずれかに振り分けられる。第1普通可変入賞球装置への入賞に基づいて第1可変表示装置による特図ゲームが開始されるときには、高確率状態である場合に、第1確変終了判定テーブル153を用いて確変終了とするか否かを判定する。第2普通可変入賞球装置に入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口のいずれかに進入したことに基づいて第2可変表示装置による特図ゲームが開始されるときには、高確率状態である場合に、第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156のうちで遊技球が進入した始動入賞口に対応するものを用いて、確変終了とするか否かを判定する。
【解決手段】 単一の第2普通可変入賞球装置に入賞した遊技球は、転動板の振分態様に応じて異なる割合で、左・中・右の始動入賞口のいずれかに振り分けられる。第1普通可変入賞球装置への入賞に基づいて第1可変表示装置による特図ゲームが開始されるときには、高確率状態である場合に、第1確変終了判定テーブル153を用いて確変終了とするか否かを判定する。第2普通可変入賞球装置に入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口のいずれかに進入したことに基づいて第2可変表示装置による特図ゲームが開始されるときには、高確率状態である場合に、第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156のうちで遊技球が進入した始動入賞口に対応するものを用いて、確変終了とするか否かを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた第1始動領域にて第1始動検出手段が遊技媒体を検出することにより第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1可変表示手段と、第1始動領域とは異なる第2始動領域にて第2始動検出手段が遊技媒体を検出することにより第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2可変表示手段とを備え、第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったとき、または、第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、さらに、第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果のうちで予め定められた特別表示結果となったとき、または、第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が特別表示結果となったときには、特定遊技状態が終了した後に特定表示結果となる確率が特定遊技状態とは異なる通常遊技状態時よりも高い高確率状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示やスクロール表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームの1つとして行われる特図ゲームは、始動入賞口(始動領域)を通過する遊技球の検出(可変表示の始動条件が成立したこと)に基づいて表示図柄の可変表示を行い、表示図柄の可変表示が完全に停止した際の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。この特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口又はアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。こうした状態を「特定遊技状態」あるいは「大当り遊技状態」という。また、特定遊技状態の終了後に特図ゲームで「大当り」となる確率を通常よりも向上させる確率変動制御(確変制御)や、特図ゲームの実行時間を通常よりも短縮する時間短縮制御(時短制御)等の制御が行われる遊技機も提供されている。
【0004】
こうした確変制御や時短制御等の制御が行われる遊技機としては、特定遊技状態が終了したとき、あるいは特図ゲームにて所定の図柄による「大当り」となったことによる特定遊技状態が終了したとき、所定のサブゲームの結果が所定態様であるときなどに、確変制御等が行われる特別遊技状態となるものが提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
また、同一の遊技領域内に複数の図柄表示装置を設け、表示図柄と同様の役割を担う図柄を各々可変表示可能とした遊技機も提案されている(例えば特許文献2及び特許文献3)。
【特許文献1】特開平9−47549号公報
【特許文献2】特開2001−62080号公報
【特許文献3】特開2001−62081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によると、例えば、所定数の遊技球が弾発されたときや、普通図柄の当りが所定回数発生したとき、普通図柄の変動(始動)回数が所定回数に達したとき、リーチが所定回数出現したときなど、一定の条件が成立したときに特別遊技状態が終了する。
【0007】
また、特許文献2及び特許文献3に開示された技術では、複数の図柄表示装置のいずれかにて所定の図柄(確率変動図柄)が揃って表示された場合に確率変動制御を行い、次の当りを引く確率を高くするように変更する。すなわち、この技術によると、複数の図柄表示装置のいずれかにて確率変動図柄が揃って表示された後、次に複数の図柄表示装置のいずれかにて図柄が揃って表示される当り(「大当り」)となるまで、確率変動制御が行われることになる。
【0008】
このように、特許文献1〜3のいずれに開示された技術によっても、確率変動制御が終了する条件は、複数の図柄表示装置のいずれにより特図ゲームが実行されたかに関わらず、一定の条件とされており、複数の図柄表示装置それぞれに対応して特図ゲームを開始するために遊技球を入賞させる始動領域を複数設置した遊技機における遊技興趣を向上させることが困難であった。
【0009】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、複数の始動領域のいずれに遊技球を入賞させるかということに対する遊技者の興味を高めることにより、遊技興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた第1始動領域(例えば第1普通可変入賞球装置5A)にて第1始動検出手段(例えば第1始動入賞口スイッチ41a)が遊技媒体を検出することにより成立する第1始動条件が成立したこと(ステップS201にてYesと判定されたこと)に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する第1可変表示手段(例えば第1可変表示装置4A)と、前記第1始動領域とは異なる第2始動領域(例えば第2普通可変入賞球装置5B)にて第2始動検出手段(例えば左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41R)が遊技媒体を検出することにより成立する第2始動条件が成立したこと(ステップS209にてYesと判定されたこと)に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する第2可変表示手段(例えば第2可変表示装置4B)とを備え、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば「3」または「7」を示す確定図柄)となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御し、さらに、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうちで予め定められた特別表示結果(例えば「7」を示す確定図柄)となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特別表示結果となったときには、前記特定遊技状態が終了した後に前記特定表示結果となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態時よりも高い高確率状態(例えば確変制御による高確率状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、前記第1始動条件が成立したことに基づいて前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(例えばステップS407における判定)と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定(例えばステップS229における判定)を行う第1事前判定手段(例えばCPU103がステップS110の特別図柄通常処理を実行する部分など)と、前記第2始動条件が成立したことに基づいて前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(例えば第2特別図柄プロセス処理にて行われるステップS407に対応する判定)と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定(例えば第2特別図柄プロセス処理にて行われるステップS229に対応するステップS299の判定)を行う第2事前判定手段(例えばCPU103が第2特別図柄プロセス処理にてステップS110に対応する特別図柄通常処理を実行する部分など)と、前記第1及び第2可変表示手段のいずれかによる識別情報の可変表示の表示結果として前記特別表示結果が導出表示されたことにより前記特定遊技状態に制御された後、前記高確率状態に制御する高確率状態制御手段(例えばCPU103がステップS274またはステップS394にて確変中フラグをオンにセットした後にステップS226、S296にて大当り判定処理を実行する部分など)と、前記高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに、前記第1始動条件が成立したときと前記第2始動条件が成立したときとで異なる割合で、前記高確率状態を終了するか否かを判定する高確率状態終了判定手段(例えばCPU103がステップS225、S295の処理を実行する部分など)と、前記高確率状態終了判定手段により前記高確率状態を終了する旨の判定がなされたときに、前記高確率状態を終了する高確率状態終了手段(例えばCPU103がステップS504、S518の処理を実行する部分など)とを備え、前記高確率状態終了判定手段は、前記第1始動条件の成立に基づく判定(図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いた判定)に比べて前記第2始動条件の成立に基づく判定(図8(B)〜(D)に示す第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156を用いた判定)の方が高い割合で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行い、前記第2事前判定手段は、前記第1事前判定手段によって前記特定表示結果とする旨の判定がなされる割合(図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を用いて「大当り」の判定結果となる割合)よりも高い割合(図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を用いて「大当り」の判定結果となる割合)で、前記特定表示結果とする旨の判定を行う。
【0011】
請求項2に記載の遊技機において、前記第2始動領域は、単一の始動入賞装置(例えば普通可変入賞球装置5B)の内部に設けられて当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体が進入可能な複数の進入領域(例えば左・中・右始動入賞口5L、5C、5R)を含み、前記始動入賞装置は、当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体を前記複数の進入領域のいずれかに振り分けて進入させる遊技媒体振分手段(例えば転動板51、支持部材52、モータ53など)を含み、前記高確率状態終了判定手段は、前記第2始動条件が成立したときに前記複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて異なる割合(例えば図8(B)〜(D)に示す第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156に対応した割合)で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行う。
【0012】
請求項3に記載の遊技機において、前記遊技媒体振分手段は、遊技媒体を振り分ける振分態様によって前記始動入賞装置に入賞した遊技媒体が前記複数の進入領域のそれぞれに進入する割合(例えば図4に示す回転量に対応した入球振分率)を異ならせ、所定の条件が成立したとき(例えば第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときや、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了した後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときなど)に、前記遊技媒体振分手段の振分態様を予め定められた複数種類の振分態様(例えば図9に示す入球振分設定テーブル157における入球振分モード「1」〜「4」)のいずれかに決定する振分態様決定手段(例えばCPU103がステップS302、S352にて入球振分率設定処理を実行する部分など)を備える。
【0013】
請求項4に記載の遊技機においては、前記第1及び第2事前判定手段の判定結果に応じて、前記第1及び第2可変表示手段それぞれにおける識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を予め定められた複数種類の可変表示時間のいずれかに設定する可変表示時間設定手段(例えばCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にて可変表示開始時処理やステップS322の処理を実行する部分など)と、 前記第1及び第2可変表示手段それぞれによる識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの経過時間を計測する時間計測手段(例えば第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122B、及びCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にてステップS242の処理等を実行する部分など)と、前記可変表示時間設定手段によって設定された可変表示時間が経過したか否かを、前記時間計測手段による計測によって判定する計測判定手段(例えばCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にてステップS243等の処理を実行する部分など)と、前記第1可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第1事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させ、前記第2可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第2事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させる導出表示制御手段(例えばCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にてステップS252等の処理を実行する部分など)とを備え、前記時間計測手段は、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示され、かつ、前記第2可変表示手段にて識別情報の可変表示が実行されているときに、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が開始される第1の時点で前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測を中断し、前記第1可変表示手段にて前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点で経過時間の計測を再開する計測中断再開手段(例えばCPU103による第1特別図柄プロセス処理におけるステップS255に応じてCPU112が第2表示制御プロセス処理におけるステップS452に対応する処理にてYesと判定するとともに、CPU103が第2特別図柄プロセス処理におけるステップS241に対応する処理にてYesと判定する部分、及びCPU103による第1特別図柄プロセス処理におけるステップS398の処理に応じてCPU112が第2表示制御プロセス処理におけるステップS454に対応する処理にてYesと判定するとともに、CPU103が第2特別図柄プロセス処理におけるステップS241に対応する処理にてNoと判定する部分など)を含む。
【0014】
請求項5に記載の遊技機においては、前記計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときに、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示が進行しない旨を報知する制御を行う可変表示中断報知制御手段(例えば表示制御基板12のCPU112が第2表示制御プロセス処理にてステップS455に対応する処理を実行することにより、例えば図33(I)に示すような報知情報60Aを第4可変表示装置4Dに表示させる部分など)を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以下に示す効果を有する。
【0016】
請求項1に記載の遊技機によれば、高確率状態終了判定手段において、第1始動条件の成立に基づいて高確率状態を終了する旨の判定を行う割合と、第2始動条件の成立に基づいて高確率状態を終了する旨の判定を行う割合とが異なっていることに加え、第1事前判定手段と第2事前判定手段において、特定表示結果とする旨の判定がなされる割合が異なっている。
これにより遊技者は、特定表示結果とする旨の判定がなされる割合、及び、高確率状態を終了する旨の判定がなされる割合の双方が異なる第1始動条件と第2始動条件のいずれを成立させて第1可変表示手段による識別情報の可変表示と第2可変表示手段による識別情報の可変表示のいずれを行うかを選択することができるので、いずれの始動領域に遊技球を入賞させるかということに対する興味が高まり、遊技興趣を向上させることができる。
【0017】
請求項2に記載の遊技機においては、第2始動領域が単一の始動入賞装置の内部に設けられた複数の進入領域を含み、それら複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて異なる割合で、高確率状態を終了するか否かの判定が行われる。
ここで、第2始動領域にて遊技媒体が検出されたときには第2始動条件が成立し、その第2始動条件の成立に基づいて第2事前判定手段により特定表示結果とするか否かの判定が行われるが、第2事前判定手段は、第1事前判定手段によって特定表示結果とする旨の判定がなされる割合よりも高い割合で特定表示結果とする旨の判定を行うので、第2始動領域に含まれる複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて高確率状態を終了する旨の判定がなされる割合を異ならせることで、遊技内容が変化に富んだものとなり、いずれの始動領域に遊技球を入賞させるかということに対する興味が高められる。
【0018】
請求項3に記載の遊技機において、遊技媒体振分手段は、遊技媒体を振り分ける振分態様によって始動入賞装置に入賞した遊技媒体が複数の進入領域のそれぞれに進入する割合を異ならせている。そして、遊技媒体振分手段の振分態様は、所定の条件が成立したときに、振分態様決定手段によって複数の振分態様のいずれかに決定される。
これにより、所定の条件が成立したことで遊技媒体が各進入領域に進入する割合を変更することができるので、遊技内容に変化を持たせて遊技興趣を向上させることができる。
【0019】
請求項4に記載の遊技機においては、第1可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたときに第2可変表示手段にて識別情報の可変表示が実行されていると、第1可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたことに基づく特定遊技状態が開始される第1の時点で第2可変表示手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測が中断され、当該特定遊技状態が終了した第2の時点で経過時間の計測が再開される。
これにより、第1可変表示手段における識別情報の可変表示の表示結果に基づく特定遊技状態と、第2可変表示手段における識別情報の可変表示の表示結果に基づく特定遊技状態とを競合させないため、遊技者にとって極端に有利になることを防止できる。
【0020】
請求項5に記載の遊技機においては、計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときには可変表示中断報知制御手段により識別情報の可変表示が進行しない旨を報知する制御が行われる。
この報知により遊技者は、識別情報の可変表示が進行しないことを認識することができるので、第1及び第2可変表示手段による識別情報の可変表示が進行しないことに対する不信感を与えることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施例における遊技機としては、LCD等からなる表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機等である。
【0022】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報としての特別図柄を可変表示する第1可変表示装置4Aと第2可変表示装置4Bとが設けられている。第1可変表示装置4Aの下方には、第1可変表示装置4Aにて可変表示される特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示などを行うことができる第3可変表示装置4Cが設けられている。第2可変表示装置4Bの下方には、第2可変表示装置4Bにて可変表示される特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示などを行うことができる第4可変表示装置4Dが設けられている。第3可変表示装置4Cの下方には、第1普通可変入賞球装置(始動入賞口)5Aが配置されている。第4可変表示装置4Dの下方には、第2普通可変入賞球装置5Bが配置されている。さらに、第1普通可変入賞球装置5Aの下方には、第1特別可変入賞球装置(大入賞口)6Aが設けられている。第2普通可変入賞球装置5Bの下方には、第2特別可変入賞球装置(大入賞口)6Bが設けられている。第1及び第2可変表示装置4A、4Bの上部にはそれぞれ、第1及び第2始動入賞記憶表示器7A、7Bが設けられている。
【0023】
第1及び第2可変表示装置4A、4Bは、例えば7セグメントのLED等から構成されている。第1可変表示装置4Aは、第1普通可変入賞球装置5Aへの遊技球の入賞により始動条件(第1始動条件)が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、絵柄等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。第2可変表示装置4Bは、第2普通可変入賞球装置5B内に設けられた複数の始動入賞口5L、5C、5R(図2)のいずれかへの遊技球の入賞により始動条件(第2始動条件)が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、絵柄等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。ここで、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bは、例えば遊技領域内などに設けられた所定の普通図柄表示器による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)で表示結果が所定の当り図柄となったときに、電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御することで、可動翼片を垂直位置としたときに比べて遊技球が入賞しやすくなる。
【0024】
第1及び第2可変表示装置4A、4Bにより行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける確定図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、第1特別可変入賞球装置6Aを開閉させることによる特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。第1可変表示装置4Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、第1特別可変入賞球装置6Aの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開閉サイクルを所定の上限回数(例えば16回)まで繰り返すことができる。
【0025】
他方、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第2特別可変入賞球装置6Bを開閉させることによる大当り遊技状態となる。第2可変表示装置4Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、第2特別可変入賞球装置6Bの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開閉サイクルを所定の上限回数(例えば16回)まで繰り返すことができる。あるいは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときとは異なる所定期間(例えば45秒)あるいは所定個数(例えば15個)の入賞球が発生するまでの期間において第2特別可変入賞球装置6Bが開成され、その後に閉成する開閉サイクルを所定の上限回数(例えば20回)まで繰り返すことができるようにしてもよい。
【0026】
このように、第1可変表示装置4Aと第2可変表示装置4Bでは、互いに異なる始動条件が成立したことに基づいて特図ゲームが開始される。そして、第1可変表示装置4Aにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたとき、及び第2可変表示装置4Bにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにおける開閉動作による大当り遊技状態に制御される。
【0027】
この実施の形態では、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれにおいて、「0」〜「9」を示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示できるものとする。各図柄には「0」〜「9」の図柄番号が付されて配列されており、特別図柄の可変表示が開始されると、例えば7セグメントLEDにおける各セグメントの点滅動作が行われ、図柄番号が「9」又は「0」の特別図柄が表示されると、次に「0」又は「9」の特別図柄が表示される。こうした第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、例えば「3」あるいは「7」を示す特別図柄が確定図柄として停止表示されたときに、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。すなわち、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、「3」あるいは「7」を示す特別図柄が大当り図柄となっている。
【0028】
また、この実施の形態では、「3」を示す特別図柄を通常大当り図柄とし、「7」を示す特別図柄を確変大当り図柄とする。特図ゲームにおける可変表示結果として確変大当り図柄が停止表示されたときは、所定の特別表示結果としての確変大当りとなる。確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、あるいは、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるまで、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率状態となる。この高確率状態では、特図ゲームにおいて可変表示結果として大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されて大当りとなる確率が、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。
【0029】
他方、特図ゲームにおける可変表示結果として通常大当り図柄が停止表示されたときには通常大当りとなる。この通常大当りとなったときには、大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われないため、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。なお、通常大当りとなって大当り遊技状態が終了した後には、その通常大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、または、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるまで、高確率状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となるようにしてもよい。時短制御が行われる時間短縮状態では、各特図ゲームにて大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は通常遊技状態と同一であるが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなるように制御される。
【0030】
高確率状態と時間短縮状態では、普通図柄表示器(図示せず)による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)における可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が当り図柄となる確率が向上する。このときにはさらに、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bにおける可動翼片の傾動時間が通常遊技状態のときよりも長くなるとともに、その傾動回数が通常遊技状態のときよりも増加する。このように、高確率状態や時間短縮状態では、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態となる。ここで、時間短縮状態では、確変制御が行われず、大当り遊技状態となる確率は通常遊技状態のときと同じであるので、高確率状態の方が時間短縮状態よりも遊技者にとって有利である。
【0031】
また、例えば第1可変表示装置4Aでは「0」〜「9」の数字を示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示する一方、第2可変表示装置4Bでは「A」〜「J」のアルファベットを示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示してもよい。あるいは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bの各々が、互いに異なるモチーフに関連する複数種類のキャラクタ図柄を特別図柄として可変表示してもよい。
【0032】
第3及び第4可変表示装置4C、4Dは、例えばLCD等から構成され、例えばそれぞれ3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。具体的な一例として、第3可変表示装置4Cには、左・中・右の可変表示部が配置され、各可変表示部にて、例えば「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が可変表示される一方、第4可変表示装置4Dにも、左・中・右の可変表示部が配置され、各可変表示部にて、例えば「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が可変表示される。あるいは、第4可変表示装置4Dに設けられた左・中・右の各可変表示部では、例えば「A」〜「J」のアルファベットを示す飾り図柄といった、第3可変表示装置4Cにて可変表示される飾り図柄とは異なる種類の飾り図柄が可変表示されてもよい。そして、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、第3可変表示装置4Cにおける左・中・右の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、その後、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示結果として確定図柄が停止表示されるときに、第3可変表示装置4Cにおける左・中・右の各可変表示部にて確定図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが導出表示される。他方、第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、第4可変表示装置4Dにおける左・中・右の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、その後、第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示結果として確定図柄が停止表示されるときに、第4可変表示装置4Dにおける左・中・右の各可変表示部にて確定図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが導出表示される。また、第3及び第4可変表示装置4C、4Dでは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bによる特別図柄の可変表示が行われているときに、様々な演出態様のいずれかによる演出表示を行うことができる。
【0033】
第1普通可変入賞球装置5Aは、図示せぬソレノイドによって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。第1普通可変入賞球装置5Aには、第1始動入賞口スイッチ41a(図5)が配置されており、第1普通可変入賞球装置5Aに対する遊技球の入賞が第1始動入賞口スイッチ41aによって検出されたことに対応して、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する。
【0034】
第2普通可変入賞球装置5Bは、図示せぬソレノイドによって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。第2普通可変入賞球装置5Bの内部には、図2に示すような転動板51が配置されている。転動板51は、例えば中心部が窪んだすり鉢状の形状を有し、第2普通可変入賞球装置5B内に進入した遊技球が転動板51上を旋回しながら転動板51の中心部に向かって転動可能となっている。また、転動板51には、遊技球が通過可能な左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rが形成されている。このような構成により、転動板51は、第2普通可変入賞球装置5Bへの入賞球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けて進入させることができる。第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球のうちで、例えば図2にて矢印a1によって示されるように左始動入賞口5Lに進入した遊技球は、図2にて矢印a4によって示されるように第2始動入賞口スイッチ(左)41Lによって検出される。他方、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球のうちで、例えば図2にて矢印a2によって示されるように中始動入賞口5Cに進入した遊技球は、図2にて矢印a5によって示されるように第2始動入賞口スイッチ(中)41Cによって検出される。また、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球のうちで、例えば図2にて矢印a3によって示されるように右始動入賞口5Rに進入した遊技球は、図2にて矢印a6によって示されるように第2始動入賞口スイッチ(右)41Rによって検出される。
【0035】
図2に示す転動板51は、支持部材52によって第2普通可変入賞球装置5B内にて回転量を変更可能に設置されている。支持部材52は、例えばリンク機構を介してモータ53(図5)に連結されている。図2は、転動板51における回転量が0度(水平)となっている場合を示している。これに対して、図3(A)は転動板51の回転量が左傾5度となっている場合を示し、図3(B)は転動板51の回転量が左傾10度となっている場合を示し、図3(C)は転動板51の回転量が右傾5度となっている場合を示し、図3(D)は転動板51の回転量が右傾10度となっている場合を示している。このように転動板51の回転量を調整して設定することにより、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれに振り分けられて進入するかの割合を示す入球振分率を、変更可能に設定することができる。
【0036】
図4は、転動板51の回転量に応じた入球振分率の設定の一例を示している。図4に示す例では、転動板51の回転量が0度(水平)であるときに、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにも1/3の割合で振り分けられて進入する。これに対して、転動板51の回転量が左傾5度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、5/8の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/4の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、1/8の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。転動板51の回転量が左傾10度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、7/10の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/5の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、1/10の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。転動板51の回転量が右傾5度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、1/8の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/4の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、5/8の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。転動板51の回転量が右傾10度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、1/10の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/5の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、7/10の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。このように、転動板51は、その回転量に応じて異なる複数の振分態様のいずれかにより、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けて進入させることができる。
【0037】
第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bは、図示せぬソレノイドによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を、それぞれ備えて構成されている。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、閉成した状態にある。他方、第1可変表示装置4Aや第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイドによって入賞領域を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにて開閉板が開成しているときに入賞領域に遊技球が入賞した場合には、所定の大入賞口スイッチによって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の賞球の払出が行われる。
【0038】
第1及び第2始動入賞記憶表示器7A、7Bは、例えばLED等から構成されている。第1始動入賞記憶表示器7Aは、第1特図保留記憶部121A(図10)の記憶内容に基づき、第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が進入して第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件)が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第1始動入賞記憶表示器7Aでは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの保留記憶数に対応した個数のLEDが点灯される。また、第2始動入賞記憶表示器7Bは、第2特図保留記憶部121B(図10)の記憶内容に基づき、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設けられた左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに遊技球が進入して第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件(第2開始条件)が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第2始動入賞記憶表示器7Bでは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの保留記憶数に対応したLEDが点灯される。
【0039】
また、遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口、普通図柄表示器等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
【0040】
パチンコ遊技機1には、図5に示すような主基板11と、表示制御基板12とが搭載されている。主基板11と表示制御基板12は、パチンコ遊技機1の背面にて適所に配置され、両基板の間に、例えば表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線が配線されている。また、主基板11と表示制御基板12の間には、ストローブ信号を送受信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。この他、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。なお、表示制御基板12は、音声制御基板やランプ制御基板等とともに1つの基板を構成してもよいし、これらの基板とは独立して設けられてもよい。主基板11には、例えば第1普通可変入賞球装置5Aにて遊技球を検出する第1始動入賞口スイッチ41aや、第2普通可変入賞球装置5Bにて左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに進入した遊技球を検出する左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41R、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bに設けられた大入賞口スイッチ、及びその他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するためのスイッチなどを含んだ各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。
【0041】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12や払出制御基板などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1及び第2可変表示装置4A、4Bを構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより、第1及び第2可変表示装置4A、4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。
【0042】
主基板11から表示制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば表示制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される表示制御コマンドである。表示制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。この表示制御コマンドとしては、例えば、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、第1及び第2可変表示開始コマンド、第1及び第2可変表示終了コマンド、第1及び第2可変表示進行停止コマンド、第1及び第2可変表示進行再開コマンドなどが、予め用意されている。その他、背景変更コマンドや、大当り終了コマンド、振分率報知演出コマンドなども、予め用意されている。
【0043】
第1及び第2可変表示開始コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特別図柄の可変表示が開始されるときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには第1可変表示開始コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるときには第2可変表示開始コマンドが送信される。第1及び第2可変表示開始コマンドはそれぞれ、特別図柄の可変表示が開始されてから確定図柄が停止表示されるまでの時間である特別図柄の可変表示時間や、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるかハズレとなるか、大当りとなるときには通常大当りとなるか確変大当りとなるか、などを示すEXTデータを含んでいる。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示開始コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示を開始する一方、第2可変表示開始コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示を開始する。第1及び第2可変表示終了コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれにおける特別図柄の可変表示が終了するときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が終了するときには第1可変表示終了コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が終了するときには第2可変表示終了コマンドが送信される。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示終了コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cにて可変表示されていた飾り図柄を減速・停止表示させることにより確定図柄となる飾り図柄の組合せを導出表示させる一方、第2可変表示終了コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dにて可変表示されていた飾り図柄を減速・停止表示させることにより確定図柄となる飾り図柄の組合せを導出表示させる。
【0044】
第1及び第2可変表示進行停止コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が停止されるときには第1可変表示進行停止コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示の進行が停止されるときには第2可変表示進行停止コマンドが送信される。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示の進行を停止(中断)させる一方、第2可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示の進行を停止(中断)させる。第1及び第2可変表示進行再開コマンドは、可変表示の進行が停止されている特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示の進行を再び開始させるときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を再開させるときには第1可変表示進行再開コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を再開させるときには第2可変表示進行再開コマンドが送信される。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cにて停止(中断)されていた飾り図柄の可変表示の進行を再開させる一方、第2可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dにて停止(中断)されていた飾り図柄の可変表示の進行を再開させる。
【0045】
背景変更コマンドは、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるときに、第4可変表示装置4Dにて表示される背景の変更を指示するために送信されるコマンドである。図6(A)〜(E)は、この実施の形態にて第4可変表示装置4Dにて表示可能な背景を例示する図である。この実施の形態では、第4可変表示装置4Dが、主基板11からの背景変更コマンドに応答して、図6(A)に示すような背景「雲」と、図6(B)に示すような背景「星」と、図6(C)に示すような背景「山&太陽」と、図6(D)に示すような背景「雨」と、図6(E)に示すような背景「噴火山」とのいずれかを、切り替えて表示することができる。また、この実施の形態では、第3可変表示装置4Cにて表示される背景が、図6(A)に示すような背景「雲」であるものとする。
【0046】
大当り終了コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなったことにより大当り遊技状態に制御された後、当該大当り遊技状態が終了するときに送信されるコマンドである。振分率報知演出コマンドは、第2普通可変入賞球装置5Bにおいて転動板51による遊技球の振分態様が変更されることにより入球振分率が変化するときに送信されるコマンドである。表示制御基板12の側では、振分率報知演出コマンドを受信したことに応答して、第4可変表示装置4Dにて、転動板51による遊技球の振分態様が変化した旨を報知するための演出表示を行わせる。
【0047】
主基板11は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、モータ回路108などを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103、CPU103とは独立して乱数の生成を行う乱数回路104及びI/O(Input/Output)ポート105を含んでいる。スイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。モータ回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従ってモータ53を駆動する。
【0048】
乱数回路104では、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、CPU103は、乱数回路104による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、大当り判定用乱数や確変判定用乱数、確変終了判定用乱数、確定図柄決定用乱数、可変表示時間決定用乱数、入球振分設定用乱数等として用いられる数値データをカウント可能に制御する。大当り判定用乱数は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを判定するために用いられる乱数であり、例えば「0」〜「299」の範囲の値をとる。確変判定用乱数は、特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときに、確変大当りとするか通常大当りとするかを判定するために用いられる乱数である。確変終了判定用乱数は、確変制御による高確率状態において第1普通可変入賞球装置5A、あるいは第2普通可変入賞球装置5Bにおける左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかにて遊技球が検出されたことに基づいて、確変制御による高確率状態を終了するか否かを判定するために用いられる乱数であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。確定図柄決定用乱数は、特図ゲームにおける特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる乱数である。可変表示時間決定用乱数は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定するために用いられる乱数である。入球振分率設定用乱数は、所定の条件が成立したときに、第2普通可変入賞球装置5Bにおける転動板51が遊技球を振り分ける振分態様を決定することにより入球振分率を設定するために用いられる乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記以外の乱数が用いられてもよい。また、上記の乱数の全部又は一部が、CPU103にて実行されるプログラムによるソフトウェア上でカウントされる数値データとして生成されてもよい。
【0049】
ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを記憶する。この判定テーブルには、特図ゲームにて確定図柄を大当り組合せとするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、確変終了判定テーブルなどが含まれている。
【0050】
図7(A)は、大当り判定テーブルの1つである第1通常時大当り判定テーブル150の構成例を示し、図7(B)は、第1通常時大当り判定テーブル150とは設定が異なる大当り判定テーブルの1つである第2通常時大当り判定テーブル151の構成例を示している。また、図7(C)は、第1及び第2通常時大当り判定テーブル150、151とは設定が異なる大当り判定テーブルの1つである確変時大当り判定テーブル152の構成例を示している。図7(A)〜(C)に示すように、第1及び第2通常時大当り判定テーブル150、151と確変時大当り判定テーブル152はいずれも、大当り判定用乱数の値と、「大当り」とするか「ハズレ」とするかの判定結果とを対応付ける設定データから構成されている。ここで、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150と、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151と、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152とでは、「大当り」とするか「ハズレ」とするかの判定結果に対する大当り判定用乱数の値の割当てが互いに異なっている。従って、第1通常時大当り判定テーブル150を用いて大当りとするか否かの大当り判定を行うときと、第2通常時大当り判定テーブル151を用いて大当り判定を行うときと、確変時大当り判定テーブル152を用いて大当り判定を行うときとでは、互いに異なる判定割合で、大当りとする旨の判定がなされることになる。具体的には、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を用いたときには1/100の確率で大当りとする旨の判定がなされる一方、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を用いたときには10/100の確率で大当りとする旨の判定がなされる。すなわち、第2通常時大当り判定テーブル151では、第1通常時大当り判定テーブル150に比べて高い割合で大当りとする旨の判定がなされるように、決定用データが大当りとするかハズレとするかの判定結果に割り振られている。また、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152を用いたときには20/100の確率で大当りとする旨の判定がなされる。
【0051】
図8(A)は、確変終了判定テーブルの1つである第1確変終了判定テーブル153の構成例を示し、図8(B)は、第1確変終了判定テーブル153とは設定が異なる確変終了判定テーブルの1つである第2確変終了判定テーブル154の構成例を示している。また、図8(C)は、第1及び第2確変終了判定テーブル153、154とは設定が異なる確変終了判定テーブルの1つである第3確変終了判定テーブル155の構成例を示し、図8(D)は、第1〜第3確変終了判定テーブル153〜155とは設定が異なる確変終了判定テーブルの1つである第4確変終了判定テーブル156の構成例を示している。
【0052】
図8(A)〜(D)に示すように、第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156はいずれも、確変終了判定用乱数の値と、「確変終了」とするか「確変継続」とするかの判定結果とを対応付ける設定データから構成されている。ここで、図8(A)〜(D)に示す第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156では、「確変終了」とするか「確変継続」とするかの判定結果に対する確変終了判定用乱数の値の割当てが、互いに異なっている。従って、第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156のいずれか1つを用いて確変制御による高確率状態を終了するか否かの確変終了判定を行うときには、他の確変終了判定テーブルを用いて確変終了判定を行うときとは異なる判定割合で、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされることになる。具体的には、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いたときには5/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされる一方、図8(B)に示す第2確変終了判定テーブル154を用いたときには10/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされることになる。また、図8(C)に示す第3確変終了判定テーブル155を用いたときには20/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされる一方、図8(D)に示す第4確変終了判定テーブル156を用いたときには30/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされることになる。すなわち、第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156はいずれも、第1確変終了判定テーブル153に比べて高い割合で確変終了とする旨の判定がなされるように、決定用データが確変継続とするか確変終了とするかの判定結果に割り振られている。
【0053】
また、ROM101には、図9に示すような入球振分設定テーブル157が格納されている。入球振分設定テーブル157は、入球振分設定用乱数の値と、転動板51における遊技球の振分態様に対応して定められた入球振分モードのうちのモード値「1」〜「4」とを対応付ける設定データから構成されている。ここで、入球振分モード値「1」は転動板51の回転量が左傾5度であるときに対応し、入球振分モード値「2」は転動板51の回転量が左傾10度であるときに対応し、入球振分モード値「3」は転動板51の回転量が右傾5度であるときに対応し、入球振分モード値「4」は転動板51の回転量が右傾10度であるときに対応している。なお、後述するように、入球振分モード値「0」が、転動板51の回転量が0度(水平)であるときに対応している。
【0054】
RAM102には、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームの実行を制御するために用いられる各種のデータを保持する可変表示用データ保持エリア120が設けられている。図10は、可変表示用データ保持エリア120の一構成例を示している。図10に示すように、可変表示用データ保持エリア120は、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bと、第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bと、入球振分モードメモリ123と、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124と、確変カウンタ125とを備えている。
【0055】
第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bは、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれかに遊技球が進入して第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていたり、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して記憶する。例えば、第1特図保留記憶部121Aは、第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が進入したことによる第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データや、確変終了判定用乱数の値を示す数値データを、それらの数値データが抽出された順番に従って、記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで保留番号と対応付けて記憶する。また、第2特図保留記憶部121Bは、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設けられた左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに遊技球が進入したことによる第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データと、確変終了判定用乱数の値を示す数値データと、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて遊技球が検出されたかを示す始動入賞口データとを、記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで保留番号と対応付けて記憶する。
【0056】
第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bはそれぞれ、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのうち対応するものによる特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間を、メイン側で計測するためのものである。例えば、第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bはそれぞれ、特図ゲームにおける特別図柄の残り可変表示時間に対応したタイマ値を記憶し、定期的にタイマ値をカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、第1可変表示時間タイマ122Aには、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して、可変表示時間決定用乱数などを用いて決定された特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値が設定される。他方、第2可変表示時間タイマ122Bには、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して、可変表示時間決定用乱数などを用いて決定された特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値が設定される。なお、第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bは、RAM102とは別に設けたタイマ回路あるいはカウンタ回路などによって構成してもよい。
【0057】
入球振分モードメモリ123は、乱数回路104等から抽出した入球振分設定用乱数の値に基づき、図9に示す入球振分設定テーブル157を参照して決定された入球振分モードの値を一時的に記憶するためのものである。大当り終了後ゲーム回数カウンタ124は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなったことによりパチンコ遊技機1が大当り遊技状態となった後、当該大当り遊技状態が終了してから第2可変表示装置4Bにより行われる特図ゲームの実行回数をカウントするためのものである。
【0058】
確変カウンタ125は、確変制御が行われる高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変カウンタ125には、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了したときに、高確率状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「100」)を示すデータが、初期値として設定される。そして、高確率状態にて可変表示結果がハズレとなる特図ゲームが実行されるごとに、確変カウンタ125のカウント値が1減算される。
【0059】
この他、RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から伝送された信号等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリアや、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを格納する遊技制御タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、RAM102とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0060】
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、特別図柄プロセスフラグ(第1及び第2特別図柄プロセスフラグ)、大当りフラグ(第1及び第2大当りフラグ)、確変確定フラグ(第1及び第2確変確定フラグ)などが設けられている。その他、遊技制御フラグ設定エリアには、確変中フラグや可変表示進行停止フラグ、背景変更フラグ、入球振分モードフラグなどが設けられている。
【0061】
第1及び第2特別図柄プロセスフラグは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して実行される第1及び第2特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1及び第2大当りフラグは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。第1及び第2確変確定フラグは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、確変確定フラグはクリアされてオフ状態になる。
【0062】
確変中フラグは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに第1確変確定フラグがオンとなっている場合、オン状態にセットされる。また、確変中フラグは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに第2確変確定フラグがオンとなっている場合にも、オン状態にセットされる。他方、確変中フラグは、確変カウンタ125におけるカウント値が「0」となったときや、通常大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了するときなどに、クリアされてオフ状態となる。可変表示進行停止フラグは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなったときに第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合、あるいは第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなったときに第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合に、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときに可変表示進行停止フラグがオンとなっている場合には、可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となる。
【0063】
入球振分モードフラグは、転動板51における回転量や第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて表示される背景と対応付けられた入球振分モードのモード値を示し、例えば“0”〜“4”の範囲の値が設定される。図11は、入球振分モードフラグの値と、転動板51の回転量、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて表示される背景との対応関係を示す説明図である。図11に示すように、入球振分モードフラグの値が“0”であるときには、転動板51の回転量が0度(水平)に設定され、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて表示される背景がいずれも、図6(A)に示す背景「雲」に設定される。また、入球振分モードフラグの値が“1”であるときには、転動板51の回転量が左傾5度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(B)に示す背景「星」に設定される。入球振分モードフラグの値が“2”であるときには、転動板51の回転量が左傾10度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(C)に示す背景「山&太陽」に設定される。入球振分モードフラグの値が“3”であるときには、転動板51の回転量が右傾5度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(D)に示す背景「雨」に設定される。入球振分モードフラグの値が“4”であるときには、転動板51の回転量が右傾10度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(E)に示す背景「噴火山」に設定される。
【0064】
表示制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにおける表示動作などの制御を行うものである。例えば、表示制御基板12は、主基板11から送信される表示制御コマンドに基づいて第3及び第4可変表示装置4C、4Dに画像の切替表示を行わせることにより、第1及び第2可変表示装置4A、4Bによる特別図柄の可変表示中や可変表示の停止中における各種の表示による演出を可能とする。
【0065】
図12は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路110と、リセット回路111と、表示制御用のCPU112と、ROM113と、RAM114と、VDP(Video Display Processor)115と、CGROM116と、VRAM(Video RAM)117とを備えている。なお、VDP115、CGROM116、VRAM117は、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して複数設けられていてもよいし、1つずつの構成とされていてもよい。
【0066】
発振回路110は、CPU112、VDP115に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路111は、CPU112、VDP115をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU112は、主基板11からの表示制御コマンドを受信するとRAM114を作業領域として用いながらROM113から演出制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU112は、読み出した制御データに基づいてVDP115に描画命令を送る。
【0067】
ROM113は、CPU112によって実行される各種制御プログラムや固定パラメータなどを格納する半導体メモリである。また、ROM113には、第3及び第4可変表示装置4C、4Dによる飾り図柄の可変表示態様や、入球振分率が変更されたことを報知するために行われる入球振分率報知演出における第3及び第4可変表示装置4C、4Dによる表示態様などを制御するために用いられる複数種類の表示制御テーブルデータが格納されている。例えば、各表示制御テーブルデータは、時系列的に連記された複数の可変表示時間タイマ値及び表示制御データの組合せ、及び終了コードを含んで構成され、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間(あるいは特図ゲームにおける特別図柄の残り可変表示時間)に対応して、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける飾り図柄の可変表示速度や表示位置、大きさ、表示色、背景画像、その表示状態での表示期間、及びその他の演出表示に関する情報等が予め設定されている。
【0068】
各表示制御テーブルデータに含まれる複数の表示制御データは、例えばCGROM116における画像データの読出位置を指定する読出制御情報などからなる表示制御情報として構成されている。ここで、CGROM116における画像データの読出位置としては、例えば画像データの記憶アドレスや画像データを格納するファイル名、画像データがストリーム型式の動画像データである場合にストリーム毎に割り当てられた識別番号等を指定しておけばよい。CPU112は、ROM113に格納されている表示制御テーブルデータを参照することにより、RAM114の表示制御タイマ設定エリアに設けられた表示制御時間タイマにおけるタイマ値に対応して、画像の再生期間(再生位置)を決定することができ、VDP115に対して描画命令を送出することで、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける画像の表示態様を制御することができる。
【0069】
RAM114は、CPU112によって作業領域として利用される半導体メモリである。RAM114には、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける表示状態や主基板11からの表示制御コマンドなどに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための表示制御フラグ設定エリアや、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける表示動作を制御するために用いられる各種の時間を計測するべく複数種類のタイマ値を示すデータを格納する表示制御タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、RAM114とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0070】
表示制御フラグ設定エリアには、例えば、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して、表示制御プロセスフラグ(第1及び第2表示制御プロセスフラグ)などが設けられている。第1及び第2表示制御プロセスフラグは、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して実行される第1及び第2表示制御プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。また、表示制御フラグ設定エリアには、進行停止中フラグが設けられている。進行停止中フラグは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を実行中に主基板11から第1可変表示進行停止コマンドを受信したことや、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を実行中に主基板11から第2可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して、オン状態にセットされる。そして、主基板11から第1及び第2可変表示進行再開コマンドのいずれかを受信したときに、進行停止中フラグはクリアされてオフ状態となる。
【0071】
表示制御タイマ設定エリアには、例えば、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して、表示制御時間タイマ(第1及び第2表示制御時間タイマ)としての機能を実現するためのタイマ値を示すデータが格納される領域を備えている。第1及び第2表示制御時間タイマはそれぞれ、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのうちで対応付けられたものによる飾り図柄の可変表示時間や、入球振分率報知演出の実行時間を、サブ側で計測するために用いられるダウンカウンタである。
【0072】
VDP115は、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにて画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、CPU112からの描画命令に従った画像処理を実行する。また、CPU112とは独立した二次元アドレス空間を持ち、そこにVRAM117をマッピングしている。例えば、VDP115は、CGROM116から読み出したデータに従って画像データを生成し、VRAM117上に展開する。そして、第3及び第4可変表示装置4C、4Dに対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、第3及び第4可変表示装置4C、4Dはそれぞれ、VDP115からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が異なる数であってもよい。
【0073】
CGROM116は、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM116には、第3及び第4可変表示装置4C、4Dに表示される中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM117は、VDP115によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0074】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が所定の遊技制御メイン処理を実行する。この遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の各部位の動作を初期化するとともに所定の初期設定などが行われる。こうした遊技制御メイン処理を実行することにより、CPU103では定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にタイマ割込みが発生するように設定される。
【0075】
図13は、タイマ割込みが発生するごとに実行される遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU103にてタイマ割込みが発生すると、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要であれば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、乱数回路104でカウントされる判定用の乱数を更新する判定用乱数更新処理(ステップS13)や、表示用の乱数を更新する表示用乱数更新処理(ステップS14)が、順次に実行される。なお、乱数回路104によって生成されたハードウェア乱数としての乱数のみが使用され、なおかつ、乱数回路104がCPU103からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS13やステップS14の処理が実行されなくてもよい。
【0076】
次に、CPU103は、始動入賞処理を実行する(ステップS15)。始動入賞処理では、普通可変入賞球装置5への遊技球の入賞が始動入賞口スイッチによって検出されたときに、大当り判定用乱数の値を示す数値データを乱数回路104等から抽出して、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bのいずれかに記憶させる処理などを実行する。この後、CPU103は、第1特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値を遊技状態に応じて更新し、第1可変表示装置4Aにおける表示動作の制御や第1特別可変入賞球装置6Aの開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。第1特別図柄プロセス処理に続いて、第2特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS17)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第2特別図柄プロセスフラグの値を遊技状態に応じて更新し、第2可変表示装置4Bにおける表示動作の制御や第2特別可変入賞球装置6Bの開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0077】
第2特別図柄プロセス処理に続いて、第1普通図柄プロセス処理を実行することにより(ステップS18)、第1普通可変入賞球装置5Aに対応して遊技領域内などに設けられた第1普通図柄表示器における表示動作(例えば7セグメントLEDやランプの点灯、点滅、消灯など)を制御して、第1普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や第1普通可変入賞球装置5Aにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能とする。また、第1普通図柄プロセス処理に続いて第2普通図柄プロセス処理を実行することにより(ステップS19)、第2普通可変入賞球装置5Bに対応して遊技領域内などに設けられた第2普通図柄表示器における表示動作を制御して、第2普通図柄の可変表示や第2普通可変入賞球装置5Bにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能とする。
【0078】
また、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS20)。さらに、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート105に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS21)。この情報出力処理では、主基板11から所定の情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送信も行われる。
【0079】
この後、CPU103は、モータ回路108を介してモータ53に対して駆動信号を出力し、支持部材52に駆動力を伝達させて転動板51の回転量を制御するためのモータ制御処理を実行する(ステップS22)。続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置5における可動翼片の傾動制御や第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにおける開閉板の開閉制御を行う(ステップS23)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、所定の払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS24)。
【0080】
図14は、始動入賞処理として、図13に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU103は、まず、第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が進入したか否かを、例えば各入賞口スイッチ70に含まれる第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号をチェックすることなどによって、判定する(ステップS201)。遊技球が第1普通可変入賞球装置5Aに進入して第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS201;Yes)、第1可変表示装置4Aに対応して可変表示用データ保持エリア120に設けられた第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値(例えば「4」)以上であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、第1特図保留記憶部121Aにおいて保留番号の上限値に対応した大当り判定用乱数の値が格納されている場合には、保留記憶数が上限値に達していると判定される。
【0081】
第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS202;No)、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数を1加算するとともに(ステップS203)、乱数回路104等により更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS204)。CPU103は、このとき抽出した乱数値を示す数値データを、第1特図保留記憶部121Aにおける空エントリの先頭にセットすることで格納する(ステップS205)。この際には、例えば第1始動入賞記憶表示器7Aにて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第1始動入賞記憶表示器7Aの点灯制御を行うようにしてもよい。
【0082】
この後、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS206)。ここで、確変中フラグは、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態となっているときにはオンとなっている。ステップS206にて確変中フラグがオンとなっている旨の判定がなされたときには(ステップS206;Yes)、例えば乱数回路104等により更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS207)。続いて、ステップS207にて抽出した乱数値を示す数値データを、ステップS205にて大当り判定用乱数の値を示す数値データを格納したエントリと同一のエントリにセットすることで、第1特図保留記憶部121Aに格納する(ステップS208)。
【0083】
ステップS201にて第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、ステップS206にて確変中フラグがオフである場合(ステップS206;No)、あるいは、ステップS208の処理を実行した後には、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が図2にて矢印a1〜a3によって示すように左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入したか否かを判定する(ステップS209)。例えば、各入賞口スイッチ70に含まれ左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rそれぞれにて遊技球を検出する左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41Rからの検出信号をチェックすることなどによって、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入したか否かを判定することができる。遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにも進入していないために左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41Rからの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS209;No)、始動入賞処理を終了する。
【0084】
他方、遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入して左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41Rのいずれかからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS209;Yes)、第2可変表示装置4Bに対応して可変表示用データ保持エリア120に設けられた第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS210)。このとき、第2特図保留記憶部121Bにおいて保留番号の上限値に対応した大当り判定用乱数の値が格納されている場合には、保留記憶数が上限値に達していると判定される。保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS210;Yes)、そのまま始動入賞処理を終了する。
【0085】
ステップS210にて第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS210;No)、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数を1加算するとともに(ステップS211)、乱数回路104等によって更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS212)。CPU103は、このとき抽出した乱数値を示す数値データを、第2特図保留記憶部121Bにおける空エントリの先頭にセットすることで格納する(ステップS213)。この際には、例えば第2始動入賞記憶表示器7Bにて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第2始動入賞記憶表示器7Bの点灯制御を行うようにしてもよい。
【0086】
この後、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS214)。そして、確変中フラグがオンとなっている旨の判定がなされたときには(ステップS214;Yes)、例えば乱数回路104等により更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS215)。続いて、ステップS215にて抽出した乱数値を示す数値データを、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて遊技球が検出されたかを示す始動入賞口データとともに、ステップS213にて大当り判定用乱数の値を示す数値データを格納したエントリと同一のエントリにセットすることで、第2特図保留記憶部121Bに格納する(ステップS216)。他方、確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS214;No)、ステップS215及びS216を実行することなく始動入賞処理を終了する。
【0087】
図15は、第1特別図柄プロセス処理として、図13に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す第1特別図柄プロセス処理では、第1可変表示装置4Aに対応してRAM102等の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜S116の各処理を実行する。
【0088】
ステップS110の特別図柄通常処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、第1特図保留記憶部121Aに格納されたデータに基づいて第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。ステップS111の可変表示開始時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定図柄を設定する処理や、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。ステップS111にて設定された確定図柄や特別図柄の可変表示時間に対応して、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データがセットされるなどして、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドが送信可能に設定される。その後、図13に示すステップS19のコマンド制御処理が実行されることにより、第1可変表示開始コマンドが、主基板11から表示制御基板12に対して送信される。
【0089】
ステップS112の可変表示制御処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、第1可変表示装置4Aに対応して可変表示用データ保持エリア120に設けられた第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値に基づいて、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。ステップS113の可変表示停止時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理は、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が終了することを示す第1可変表示終了コマンドを、表示制御基板12に対して送信するための設定を行う処理等を含んでいる。
【0090】
ステップS114の大入賞口開放前処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、第1特別可変入賞球装置6Aにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。ステップS115の大入賞口開放中処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、第1特別可変入賞球装置6Aにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第1特別可変入賞球装置6Aにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。ステップS116の大当り終了処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、第1特別可変入賞球装置6Aによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば表示制御基板12に対して大当りの終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
【0091】
図16は、図15のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを判定するなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているか否かを判定する(ステップS221)。パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているときには(ステップS221;Yes)、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するための開始条件(第1開始条件)を成立させないものと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0092】
他方、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていないときには(ステップS221;No)、例えば第1特図保留記憶部121Aの先頭エントリ(保留番号「1」に対応するエントリ)に乱数値を示す数値データがセットされているか否かをチェックするなどして、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する(ステップS222)。先頭エントリに乱数値を示す数値データが記憶されていないため保留記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS222;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0093】
これに対して、保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS222;No)、第1特図保留記憶部121Aから保留番号「1」に対応して記憶されている格納データを読み出す(ステップS223)。この際には、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数を1減算するとともに、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値を示す数値データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS224)。なお、ステップS224にて保留記憶数を1減算するときには、例えば第1始動入賞記憶表示器7Aにて点灯されているLEDのうちの1つ(一例として、点灯されているLEDのうち右端のLED)を消灯させるなど、第1始動入賞記憶表示器7Aの消灯制御を行うようにしてもよい。
【0094】
その後、CPU103は、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態となっているときに当該高確率状態を終了するか否かを判定する第1確変終了判定処理を実行する(ステップS225)。続いて、ステップS223にて読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値を示す数値データに基づき、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄を停止表示するか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップS226)。この大当り判定処理を実行した結果として、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS227)、オンとなっているときには(ステップS227;Yes)、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りとするか通常大当りとするかを判定する確変判定処理を実行する(ステップS228)。この確変判定処理では、例えば乱数回路104等から抽出した確変判定用乱数の値を示す数値データに基づき、ROM101等に予め格納された確変判定テーブルを参照するなどして、確変大当りとするか通常大当りとするかの判定が行われる。この確変判定処理による判定結果が確変大当りであるか否かを判別し(ステップS229)、確変大当りであるときには(ステップS229;Yes)第1確変確定フラグをオン状態にセットする一方(ステップS230)、通常大当りであるときには(ステップS229;No)第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS231)。ステップS227にて第1大当りフラグがオフであると判定したときや(ステップS227;No)、ステップS230もしくはステップS231の処理を実行した後には、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS232)。
【0095】
図17は、図16に示すステップS225にて実行される第1確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す第1確変終了判定処理を開始すると、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS501)。そして、確変中フラグがオフであるときには(ステップS501;No)、そのまま第1確変終了判定処理を終了する。これに対して、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS501;Yes)、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いた確変終了判定を行う(ステップS502)。すなわち、図16のステップS223にて第1特図保留記憶部121Aから読み出された格納データに含まれる確変終了判定用乱数の値に基づき、第1確変終了判定テーブル153を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了させるか継続させるかの判定を行う。そして、確変終了判定用乱数の値に対応した判定結果が確変終了であるか否かを判定し(ステップS503)、確変終了であるときには(ステップS503;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタ125におけるカウント値を「0」に設定して初期化する(ステップS504)。他方、ステップS503にて判定結果が確変継続であるときには(ステップS503;No)、ステップS504の処理を実行せずに、第1確変終了判定処理を終了する。
【0096】
図18は、図16に示すステップS226にて実行される大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り判定処理を開始すると、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS401)。確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS401;Yes)、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152を設定する(ステップS402)。続いて、確変カウンタ125におけるカウント値を1減算して(ステップS403)、減算された確変カウンタ125のカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS404)。そして、確変カウンタ125のカウント値が「0」となったときには(ステップS404;Yes)、高確率状態を終了すると判断して確変中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS405)。これに対して、確変カウンタ125のカウント値が「0」以外であるときには(ステップS404;No)、ステップS405の処理をスキップして、ステップS407の処理に進む。
【0097】
また、ステップS401にて確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS401;No)、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を設定する(ステップS406)。この後、図16のステップS223にて第1特図保留記憶部121Aから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、ステップS402またはS406にて設定した大当り判定テーブルを参照することにより、判定結果が大当りであるかハズレであるかが判別される(ステップS407)。そして、判定結果が大当りであるときには(ステップS407;Yes)、第1大当りフラグをオン状態にセットする一方(ステップS408)、判定結果がハズレであるときには(ステップS407;No)、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS409)。このように、ステップS226にて実行される大当り判定処理では、確変中フラグがオンとなっているかオフとなっているかに応じて設定の異なる大当り判定テーブルを用いて判定を行うことにより、高確率状態となっているときには、大当り遊技状態や高確率状態以外の通常遊技状態であるときよりも高い確率で、可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされることになる。
【0098】
図19は、図15のステップS112にて実行される可変表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示制御処理を開始すると、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS241)。ここで、可変表示進行停止フラグは、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理において、第2大当りフラグがオンとなっていること、及び第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」以外となっていること(すなわち、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄が可変表示中であること)に基づき、第1可変表示進行停止コマンドを表示制御基板12に対して送出したときに、オン状態にセットされる。可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS241;No)、第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS242)。そして、更新された第1可変表示時間タイマ122Aのタイマ値が「0」となったか否かを判定する(ステップS243)。第1可変表示時間タイマ122Aのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS243;Yes)、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS244)。他方、ステップS243にて第1可変表示時間タイマ122Aのタイマ値が「0」以外であると判定されたときには(ステップS243;No)、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示を継続させるために表示動作を制御する設定などを行う(ステップS245)。
【0099】
また、ステップS241にて可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS241;Yes)、ステップS242の処理を実行することなく、ステップS245の処理に進む。これにより、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第1可変表示装置4Aにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測は中断させておく一方、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示は継続して実行させる。なお、ステップS241にて可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、例えばステップS245の処理とは異なる予め定められた処理を実行するなどして、第1可変表示装置4Aにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、ステップS241にて可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第1可変表示装置4Aにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。
【0100】
図20は、図15のステップS113にて実行される可変表示停止時処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示停止時処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に対して第1可変表示終了コマンドを送信する設定を行う(ステップS251)。また、このときには第1可変表示装置4Aにおける表示動作を制御することにより、確定図柄を停止表示させる(ステップS252)。
【0101】
続いて、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS253)。第1大当りフラグがオンとなっているときには(ステップS253;Yes)、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS254)。ステップS254にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」以外となっている場合には、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が実行されている。そこで、ステップS254にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」以外となっている旨の判定がなされたときには(ステップS254;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に対して第2可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行う(ステップS255)。また、可変表示進行停止フラグをオン状態にセットする(ステップS256)。これにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行中に第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるとき(第1の時点)には、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるための設定が行われることになる。すなわち、ステップS256にて可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより、第2可変表示時間タイマ122Bを用いて行われる第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間の計測が、中断されることになる。
【0102】
ステップS254にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」となっているときには(ステップS254;No)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが実行されていない。従って、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させる必要はないので、ステップS255及びS256の処理はスキップすればよい。この後、第1特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS257)、可変表示停止時処理を終了する。また、ステップS253にて第1大当りフラグがオフとなっているときには(ステップS253;No)、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新して(ステップS258)、可変表示停止時処理を終了する。
【0103】
図21は、図15のステップS116にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理を開始すると、CPU103は、まず、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS271)。また、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS272)。この後、第1確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS273)。
【0104】
ステップS273にて第1確変確定フラグがオンとなっているときには(ステップS273;Yes)、第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS274)。また、確変カウンタ125に確変中可変表示回数初期値となるカウント初期値をセットする(ステップS275)。ここで、確変中可変表示回数初期値は、高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残回数初期値(例えば「100」)である。他方、ステップS273にて第1確変確定フラグがオフであるときには(ステップS273;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態とするとともに、確変カウンタ125をクリアして、そのカウント値を「0」に設定する(ステップS276)。
【0105】
この後、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS277)。ここで、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS277;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に第2可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う(ステップS278)。これに加えて、可変表示進行停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS279)。こうして、大当り遊技状態が終了するとき(第2の時点)には、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態となることで第1の時点にて中断された第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が、再開されることになる。ステップS277にて可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS277;No)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されることはないので、ステップS278及びS279の処理はスキップすればよい。これに続いて、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS280)。
【0106】
図13に示すステップS17にて実行される第2特別図柄プロセス処理としては、図15に示した第1特別図柄プロセス処理を第2可変表示装置4Bに適合させた処理が実行されればよい。例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理は、第2特図保留記憶部121Bに格納されたデータに基づいて第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定図柄を設定する処理や、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
【0107】
第2特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理は、第2可変表示装置4Bに対応して設けられた第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値に基づいて、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。この可変表示制御処理では、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、可変表示進行停止フラグがオフであるときには、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行い、第2可変表示装置4Bにて特別図柄を可変表示させるために表示動作を制御する設定などを行う。これに対して、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を更新せずに、第2可変表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測は中断させておく一方、第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示は継続して実行させる。なお、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第2可変表示装置4Bにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第2可変表示装置4Bにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。
【0108】
第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理は、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が終了することを示す第2可変表示終了コマンドを、表示制御基板12に対して送信するための設定を行う処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大入賞口開放前処理は、第2特別可変入賞球装置6Bにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理は、第2特別可変入賞球装置6Bにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第2特別可変入賞球装置6Bにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理は、第2特別可変入賞球装置6Bによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば表示制御基板12に対して大当りの終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
【0109】
図22は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理の一例を示す図である。図22に示す特別図柄通常処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを判定するなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているか否かを判定する(ステップS291)。パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているときには(ステップS291;Yes)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための開始条件(第2開始条件)を成立させないものと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0110】
他方、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていないときには(ステップS291;No)、例えば第2特図保留記憶部121Bの先頭エントリ(保留番号「1」に対応するエントリ)に乱数値を示す数値データがセットされているか否かをチェックするなどして、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する(ステップS292)。先頭エントリに乱数値を示す数値データが記憶されていないため保留記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS292;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0111】
これに対して、保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS292;No)、第2特図保留記憶部121Bから保留番号「0」に対応して記憶されている格納データを読み出す(ステップS293)。この際には、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数を1減算するとともに、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された格納データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS294)。なお、ステップS294にて保留記憶数を1減算するときには、例えば第2始動入賞記憶表示器7Bにて点灯されているLEDのうちの1つ(一例として、点灯されているLEDのうち右端のLED)を消灯させるなど、第2始動入賞記憶表示器7Bの消灯制御を行うようにしてもよい。
【0112】
その後、CPU103は、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態となっているときに当該高確率状態を終了するか否かを判定する第2確変終了判定処理を実行する(ステップS295)。続いて、ステップS293にて読み出した格納データに含まれる大当り判定用乱数の値を示す数値データに基づき、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄を停止表示するか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップS296)。ステップS296にて実行される大当り判定処理は、図16に示すステップS226にて実行される大当り判定処理を、第2可変表示装置4Bに適合させた処理である。すなわち、ステップS296にて大当り判定処理が開始されると、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かが判定される。そして、確変中フラグがオンとなっているときには、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152を設定する。続いて、確変カウンタ125におけるカウント値を1減算して、減算された確変カウンタ125のカウント値が「0」となったか否かを判定する。減算された確変カウンタ125のカウント値が「0」となったときには、高確率状態を終了すると判断して確変中フラグをクリアしてオフ状態とする。
【0113】
他方、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される大当り判定処理において確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を設定する。こうした大当り判定テーブルの設定がなされた後、第2特図保留記憶部121Bから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、設定された大当り判定テーブルを参照することにより、判定結果が大当りであるかハズレであるかが判別される。このときの判定結果が大当りであると判別されると、第2大当りフラグがオン状態にセットされ、ハズレであると判別されると、第2大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
【0114】
CPU103は、こうしたステップS296における大当り判定処理の実行結果として、第2大当りフラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS297)、オンとなっているときには(ステップS297;Yes)、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りとするか通常大当りとするかを判定する確変判定処理を実行する(ステップS298)。この確変判定処理による判定結果が確変大当りであるか否かを判別し(ステップS299)、確変大当りであるときには(ステップS299;Yes)第2確変確定フラグをオン状態にセットする一方(ステップS300)、通常大当りであるときには(ステップS299;No)第2確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。
【0115】
ステップS300またはステップS301の処理に続いて、CPU103は、入球振分率設定処理を実行することにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなることに基づいて転動板51の回転量を設定して遊技球の振分態様を決定する(ステップS302)。すなわち、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて可変表示結果を大当りにする旨の判定がなされたことから、転動板51による入球振分率を変更するための所定の条件が成立したとして、転動板51における遊技球の振分態様を決定するための処理を実行する。ステップS297にて第2大当りフラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS297;No)、ステップS298〜S302の処理がスキップされて、ステップS303の処理に進む。ステップS303において、CPU103は、第2特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する。
【0116】
図23は、図22のステップS295にて実行される第2確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す第2確変終了判定処理を開始すると、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS511)。そして、確変中フラグがオフであるときには(ステップS511;No)、そのまま第2確変終了判定処理を終了する。これに対して、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS512;Yes)、図22に示すステップS293にて読み出した格納データに含まれる始動入賞口データに基づき、遊技球が検出された始動入賞口が左始動入賞口5Lであるか否かを判定する(ステップS512)。ステップS512にて左始動入賞口5Lである旨の判定がなされたときには(ステップS512;Yes)、図8(B)に示す第2確変終了判定テーブル154を用いた確変終了判定を行う(ステップS513)。すなわち、図22に示すステップS293にて読み出した格納データに含まれる確変終了判定用乱数の値に基づき、第2確変終了判定テーブル154を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了させるか継続させるかの判定を行う。
【0117】
また、ステップS512にて左始動入賞口5Lではない旨の判定がなされたときには、遊技球が検出された始動入賞口が中始動入賞口5Cであるか否かを判定する(ステップS514)。ステップS514にて中始動入賞口5Cである旨の判定がなされたときには(ステップS514;Yes)、図8(C)に示す第3確変終了判定テーブル155を用いた確変終了判定を行う(ステップS515)。ステップS514にて中始動入賞口5Cではない旨の判定がなされたときには(ステップS514;No)、右始動入賞口5Rにて遊技球が検出されたと判断して、図8(D)に示す第4確変終了判定テーブル156を用いた確変終了判定を行う(ステップS516)。
【0118】
この後、ステップS513、S515、S516のいずれかにおける判定結果が確変終了であるか否かを判定し(ステップS517)、確変終了であるときには(ステップS517;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタ125におけるカウント値を「0」に設定して初期化する(ステップS518)。他方、ステップS517にて判定結果が確変継続であるときには(ステップS517;No)、ステップS518の処理を実行せずに、第2確変終了判定処理を終了する。
【0119】
図24は、図22のステップS302にて実行される入球振分率設定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す入球振分率設定処理を開始すると、CPU103は、まず、乱数回路104等によって更新される入球振分設定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS411)。続いて、ステップS411にて抽出した入球振分設定用乱数の値に基づき、図9に示す入球振分設定テーブル157を参照することにより、入球振分モードをモード値「1」〜「4」のいずれかに決定する(ステップS412)。こうして入球振分モードのモード値を決定することにより、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設置された転動板51の回転量が決定されるので、その回転量に応じて図4に示すような入球振分率も決定されることになる。すなわち、ステップS412にて入球振分モードを決定することにより、転動板51による遊技球の振分態様が予め定められた複数の振分態様のいずれかに決定されることになる。このようにして決定された入球振分モードのモード値は、RAM102等の可変表示用データ保持エリア120が備える入球振分モードメモリ123に記憶させて格納しておく(ステップS413)。図22に示すステップS302にて図24に示すような入球振分率設定処理が実行されることで、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされたときに、所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定することができる。
【0120】
図25は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示開始時処理を開始すると、CPU103は、まず、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果(確定図柄)として停止表示する特別図柄を決定する(ステップS321)。このとき、CPU103は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとするかハズレとするかの判定結果や、大当りとするときには通常大当りとするか確変大当りとするかの判定結果などに応じて、確定図柄として停止表示する特別図柄を決定する。例えば、ステップS321では、第2大当りフラグと第2確変確定フラグがオンとなっているかオフとなっているかを判定する。このとき、第2大当りフラグと第2確変確定フラグがともにオンとなっている場合には、確変大当り図柄である「7」を示す特別図柄を確定図柄に決定する。これに対して、第2大当りフラグはオンとなっているが第2確変確定フラグがオフとなっている場合には、通常大当り図柄である「3」を示す特別図柄を確定図柄に決定する。他方、第2大当りフラグがオフとなっているときには、「3」及び「7」を示す大当り図柄以外のハズレ図柄のうちから、確定図柄とするものを選択して決定する。
【0121】
続いて、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を、予め定められた複数種類の可変表示時間からいずれかを選択することにより決定する(ステップS322)。ステップS322にて特別図柄の可変表示時間を決定した後には、背景変更フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS323)。ここで、背景変更フラグは、後述する図27(A)に示すステップS356または図29に示すステップS390にてオン状態にセットされる。背景変更フラグがオンとなっているときには(ステップS323;Yes)、例えば入球振分モードフラグの値に対応した制御データを所定のコマンド送信テーブルにセットするなどして、表示制御基板12に対して背景変更コマンドを送信する設定を行う(ステップS324)。この際に送信設定がなされた背景変更コマンドは、第2特別図柄プロセス処理が終了した後に実行されるステップS20のコマンド制御処理(図13)にて、後述するステップS326にて送信設定がなされる第2可変表示開始コマンドとともに、主基板11から表示制御基板12に対して送信されることになる。すなわち、ステップS324にて送信設定がなされた背景変更コマンドは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときに、表示制御基板12に対して送信される。ステップS324に続いて、背景変更フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS325)。
【0122】
ステップS323にて背景変更フラグがオフである旨の判定がなされたときや(ステップS323;No)、ステップS325の処理を実行した後には、表示制御基板12に対して第2可変表示開始コマンドを送信する設定を行う(ステップS326)。このときには、例えばステップS321にて決定した確定図柄や、ステップS322にて決定した可変表示時間に対応して、所定の制御データをコマンド送信テーブルにセットすることなどにより、表示制御基板12に対して第2可変表示開始コマンドを送信するための設定を行うことができる。続いて、例えばステップS322にて決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を第2可変表示時間タイマ122Bに設定するなどして、第2可変表示装置4Bにおける各セグメントの点灯/消灯動作を開始させて第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を開始するための設定を行う(ステップS327)。この後、第2特別図柄プロセスフラグの値を、可変表示制御処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS328)。
【0123】
図26及び図27(A)、(B)は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示停止時処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、表示制御基板12に対して第2可変表示終了コマンドを送信する設定を行う(ステップS341)。また、このときには第2可変表示装置4Bにおける表示動作を制御することにより、確定図柄を停止表示させる(ステップS342)。
【0124】
続いて、第2大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS343)。第2大当りフラグがオンとなっているときには(ステップS343;Yes)、第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS344)。ステップS344にて第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」以外となっている場合には、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が実行されている。そこで、ステップS344にて第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」以外となっている旨の判定がなされたときには(ステップS344;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に対して第1可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行う(ステップS345)。また、可変表示進行停止フラグをオン状態にセットする(ステップS346)。これにより、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの実行中に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるための設定が行われることになる。すなわち、ステップS346にて可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより、第1可変表示時間タイマ122Aを用いて行われる第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間の計測が、中断されることになる。
【0125】
ステップS344にて第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」となっているときには(ステップS344;No)、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームが実行されていない。従って、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させる必要はないので、ステップS345及びS346の処理はスキップすればよい。この後、第2特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS347)、可変表示停止時処理を終了する。
【0126】
ステップS343にて第2大当りフラグがオフとなっているときには(ステップS343;No)、入球振分モードフラグの値が“0”となっているか否かを判定する(ステップS348)。ここで、入球振分モードフラグの値が“0”となっているときには、図11に示すように、普通可変入賞球装置5における転動板51の回転量が0度(水平)となっている。この実施の形態では、入球振分モードフラグの値が“0”に設定されて転動板51の回転量が0度(水平)となっているときを初期設定時として、この初期設定時にハズレとなる特図ゲームが終了したときには、転動板51における入球振分率を変更しないものとする。そこで、入球振分モードフラグの値が“0”となっているときには(ステップS348;Yes)、第2特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新して可変表示停止時処理を終了することにより(ステップS349)、第2可変表示装置4Bによる次の特図ゲームを開始可能に設定する。
【0127】
ステップS348にて入球振分モードフラグの値が“0”以外であるときには(ステップS348;No)、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124におけるカウント値を1加算する(ステップS350)。そして、ステップS350にて加算された大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が、予め定められた設定変更実行値(例えば、「10」、「20」、「30」など)に達したか否かを判定する(ステップS351)。
【0128】
ステップS351にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が設定変更実行値に達した旨の判定がなされたときには(ステップS351;Yes)、図22のステップS302と同様に、図24に示すような入球振分率設定処理を実行する(図27(A)に示すステップS352)。これにより、パチンコ遊技機1にて大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときには、入球振分率設定処理が実行されることで、所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定することができる。また、図24に示す入球振分率設定処理では、ステップS413にて入球振分モードのモード値が入球振分モードメモリ123に格納される。そこで、この入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値を読み出し(ステップS353)、入球振分モードフラグの値と比較することにより、読み出されたモード値と入球振分モードフラグの値とが一致するか否かを判定する(ステップS354)。
【0129】
ステップS354にて入球振分モードフラグの値と入球振分モードメモリ123から読み出したモード値とが一致しない旨の判定がなされたときには(ステップS354;No)、第4可変表示装置4Dにより表示される背景や、第2普通可変入賞球装置5Bの内部における転動板51の回転量を変更するための設定を行う。すなわち、入球振分モードフラグの値を入球振分モードメモリ123から読み出したモード値に設定して更新した後(ステップS355)、背景変更フラグをオン状態にセットする(ステップS356)。また、ステップS355にて更新した入球振分モードフラグの値に応じて、例えばモータ回路108に対応して設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、転動板51の回転量を変更して遊技球の振分態様を変更するための設定を行う(ステップS357)。ステップS354にて入球振分モードフラグの値と入球振分モードメモリ123から読み出したモード値とが一致する旨の判定がなされたときや(ステップS354;Yes)、ステップS357の処理を実行した後には、図26に示すステップS349の処理に進む。
【0130】
図26に示すステップS351にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が設定変更実行値ではない旨の判定がなされたときには(ステップS351;No)、そのカウント値が予め定められた振分率変化終了値(例えば、「50」など)に達したか否かを判定する(図27(B)に示すステップS358)。ステップS358にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が振分率変化終了値に達した旨の判定がなされたときには(ステップS358;Yes)、入球振分モードフラグの値を“0”に更新するとともに(ステップS359)、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値を「0」に設定して初期化する(ステップS360)。また、背景変更フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS361)、ステップS359にて入球振分モードフラグの値を“0”としたことに応じて、例えばモータ回路108に対応して設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、転動板51の回転量を初期設定時の0度(水平)に復帰させるための設定を行う(ステップS362)。これにより、パチンコ遊技機1にて大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の振分率変化終了値に達したときには、転動板51の回転量を初期設定時の0度(水平)に戻すことができる。ステップS358にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が振分率変化終了値に達していない旨の判定がなされたときや(ステップS358;No)、ステップS362の処理を実行した後には、図26に示すステップS349の処理に進む。
【0131】
図28及び図29は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理を開始すると、CPU103は、まず、振分率報知演出中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS381)。ここで、振分率報知演出中フラグは、後述するステップS387にてオン状態にセットされる。ステップS381にて振分率報知演出中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS381;No)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS382)。また、第2大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS383)。
【0132】
この後、入球振分モードメモリ123に格納されている入球振分モードのモード値を読み出す(ステップS384)。このとき入球振分モードメモリ123から読み出されるモード値は、例えば図22のステップS302にて入球振分率設定処理が実行されることにより、図24に示すステップS413の処理にて入球振分モードメモリ123に格納されたモード値である。CPU103は、入球振分モードフラグの値をステップS384にて読み出したモード値に更新する(ステップS385)。また、例えばステップS385にて更新された入球振分モードフラグの値に対応した制御データをコマンド送信テーブルにセットするなどして、表示制御基板12に対して振分率報知演出コマンドを送信するための設定を行う(ステップS386)。この後、振分率報知演出中フラグをオン状態にセットする(ステップS387)。
【0133】
こうしてステップS387にて振分率報知演出中フラグがオン状態にセットされた後に再び大当り終了処理が実行されたときには、ステップS381にて振分率報知演出中フラグがオンとなっている旨の判定がなされ(ステップS381;Yes)、振分率報知演出期間が終了したか否かの判定が行われる(図29に示すステップS388)。CPU103は、例えば所定のタイマなどを用いて図28に示すステップS387の処理を実行してからの経過時間を計測し、計測された経過時間が予め定められた振分率報知演出時間に達したか否かを判定することなどによって、振分率報知演出期間が終了したか否かを判定することができる。ステップS388にて振分率報知演出期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS388;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。他方、ステップS388にて振分率報知演出期間が終了した旨の判定がなされたときには(ステップS388;Yes)、振分率報知演出中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS389)、背景変更フラグをオン状態にセットする(ステップS390)。また、入球振分モードフラグの値に応じて、例えばモータ回路108に対応して設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、転動板51の回転量を変更して遊技球の振分態様を変更するための設定を行う(ステップS391)。この後、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124におけるカウント初期値として「0」をセットする(ステップS392)。
【0134】
ステップS392の処理に続いて、第2確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS393)。第2確変確定フラグがオンとなっているときには(ステップS393;Yes)、第2確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS394)。また、確変カウンタ125に確変中可変表示回数初期値となるカウント初期値をセットする(ステップS395)。他方、ステップS393にて第2確変確定フラグがオフであるときには(ステップS393;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態とするとともに、確変カウンタ125をクリアして、そのカウント値を「0」に設定する(ステップS396)。
【0135】
この後、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS397)。ここで、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS397;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に第1可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う(ステップS398)。これに加えて、可変表示進行停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS399)。こうして、大当り遊技状態が終了するときには、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態となることで中断された第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が、再開されることになる。ステップS397にて可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS397;No)、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されることはないので、ステップS398及びS399の処理はスキップすればよい。これに続いて、第2特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS400)。
【0136】
次に、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU112の動作を説明する。表示制御基板12では、CPU112が、例えばRAM114等の表示制御フラグ設定エリアに設けられたタイマ割込フラグがオンとなったか否かを判定することにより、例えば33ミリ秒ごとのタイマ割込発生を検出するなどして、表示制御用として予めROM113等に格納された各種のタイマ割込処理プログラムを実行する。例えば、CPU112は、タイマ割込発生を検出するごとに、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける表示動作を制御するために第1及び第2表示制御プロセス処理を実行する。第1表示制御プロセス処理では、第3可変表示装置4Cにおける表示動作を所定の手順で制御するために、表示制御フラグ設定エリアに設けられた第1表示制御プロセスフラグの値を第3可変表示装置4Cにおける表示状態に応じて更新し、第1表示制御プロセスフラグの値に対応して予め設けられた各種の処理を選択して実行する。また、第2表示制御プロセス処理では、第4可変表示装置4Dにおける表示動作を所定の手順で制御するために、表示制御フラグ設定エリアに設けられた第2表示制御プロセスフラグの値を第4可変表示装置4Dにおける表示状態に応じて更新し、第2表示制御プロセスフラグの値に対応して予め設けられた各種の処理を選択して実行する。
【0137】
図30は、CPU112によって第1表示制御プロセス処理として実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す第1表示制御プロセス処理において、CPU112は、第1表示制御プロセスフラグの値に応じて、以下に示すステップS150〜S155の各処理を選択して実行する。
【0138】
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第1可変表示開始コマンドを主基板11から受信したか否かを判定することで、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されたか否かを判定する処理等を含んでいる。ステップS151の飾り図柄可変表示開始処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示開始処理は、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄が可変表示されるときに、第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROM113に格納されている複数種類の表示制御テーブルデータのうちから第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示時間に対応したものを選択する処理などといった、第3可変表示装置4Cの表示動作を設定するための処理を含んでいる。
【0139】
ステップS152の飾り図柄可変表示中処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この飾り図柄可変表示中処理は、第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示中における表示動作を制御する処理を含んでいる。ステップS153の飾り図柄停止待ち処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この飾り図柄停止待ち処理は、主基板11から第1可変表示終了コマンドを受信して、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示を終了させる処理等を含んでいる。
【0140】
ステップS154の大当り中表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り中表示処理は、第3可変表示装置4Cにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する処理を含んでいる。例えば、主基板11から送信された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第3可変表示装置4C上に表示させることにより、遊技者に対して大当り遊技状態において実行中のラウンド数を特定可能に報知することができる。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンドが最終ラウンド(例えば、16回目)になると、第1表示制御プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“5”に更新する。ステップS155の大当り終了時表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了時表示処理は、第3可変表示装置4Cにて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う処理などを含んでいる。
【0141】
図31は、図30のステップS152にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す飾り図柄可変表示中処理を開始すると、CPU112は、まず、表示制御フラグ設定エリアに設けられた進行停止中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS451)。このとき、進行停止中フラグがオフである場合には(ステップS451;No)、主基板11から第1可変表示進行停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS452)。ステップS452にて第1可変表示進行停止コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS452;Yes)、進行停止中フラグをオン状態にセットする(ステップS453)。
【0142】
ステップS451にて進行停止中フラグがオンとなっているときには(ステップS451;Yes)、主基板11から第1可変表示進行再開コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS454)。ステップS453の処理を実行した後、及びステップS454にて第1可変表示進行再開コマンドを受信していないと判定したときには(ステップS454;No)、例えばROM113から読み出した表示制御データに応じてVDP115に描画命令を送るなどして、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が一時中断されているときに、当該可変表示の進行が停止中である旨を特定可能に報知するための表示動作を制御する設定を行う(ステップS455)。この際には、表示制御タイマ設定エリアなどに設けられている第1表示制御時間タイマにおけるタイマ値を更新することなく飾り図柄可変表示中処理を終了する。このように第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が一時中断されているときには、例えばCPU112がROM113から同一の表示制御データを繰り返し読み出してVDP115に描画命令を送るなどして、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示を継続して実行する一方、確定図柄となる飾り図柄は導出表示させずに可変表示の進行を停止させるようにしてもよい。あるいは、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が中断されているときには、第3可変表示装置4Cにおける左・中・右の各可変表示部にハズレ組合せとなる飾り図柄を導出表示しておき、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が再開されると、導出表示されていた飾り図柄を再び加速表示して、飾り図柄の可変表示を再開するようにしてもよい。
【0143】
ステップS454にて第1可変表示進行再開コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS454;Yes)、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS456)。そして、ステップS452にて第1可変表示進行停止コマンドを受信していないときや(ステップS452;No)、ステップS456の処理を実行した後には、例えば表示制御タイマ設定エリアなどに設けられている第1表示制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS457)。続いて、更新された第1表示制御時間タイマのタイマ値が「0」となってタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS458)。そして、第1表示制御時間タイマのタイマ値が「0」となってタイムアウトした場合には(ステップS458;Yes)、第1表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄停止待ち処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS459)。他方、ステップS458にて第1表示制御時間タイマのタイマ値が「0」以外であるときには(ステップS458;No)、例えば表示制御テーブルデータから第1表示制御時間タイマのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP115に送るなど、第1表示制御時間タイマのタイマ値に応じて第3可変表示装置4Cにおける表示動作を制御するための設定を行う(ステップS460)。
【0144】
第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御するために実行される第2表示制御プロセス処理としては、図30に示した第1表示制御プロセス処理を第4可変表示装置4Dに適合させた処理が実行されればよい。例えば、CPU112は、図30に示したステップS150〜S155の各処理を第4可変表示装置4Dに適合させた処理を、第2表示制御プロセスフラグの値に応じて選択して実行する。
【0145】
例えば、第2表示制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されたか否かを判定する処理等を含んでいる。第2表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される飾り図柄可変表示開始処理は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されるときに、第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROM113に格納されている複数種類の表示制御テーブルデータのうちから第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示時間に対応したものを選択する処理などといった、第3可変表示装置4Cの表示動作を設定するための処理を含んでいる。ここで、第2表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される飾り図柄可変表示開始処理では、主基板11から背景変更コマンドを受信したか否かの判定が行われる。そして、背景変更コマンドを受信した旨の判定がなされたときには、例えばVDP115に所定の描画命令を送るなどして、CGROM116などから読み出される背景画像データの変更が指示される。このときVDP115は、CPU112からの描画命令にて指定された背景画像データを読み出して生成した背景画像を第4可変表示装置4Dに表示させることにより、第4可変表示装置4Dにて表示される背景の切替えを行う。
【0146】
第2表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される飾り図柄可変表示中処理は、第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示中における表示動作を制御する処理を含んでいる。この飾り図柄可変表示中処理では、進行停止中フラグがオンとなっているか否かの判定が行われる。そして、進行停止中フラグがオフであるときには、主基板11から第2可変表示進行停止コマンドを受信したか否かを判定する。このとき、第2可変表示進行停止コマンドを受信した旨の判定がなされた場合には、進行停止中フラグをオン状態にセットする。他方、進行停止中フラグが既にオン状態となっているときには、主基板11から第2可変表示進行再開コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第2可変表示進行再開コマンドを受信した旨の判定がなされたときには、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態とする。これらの処理が行われた後に、進行停止中フラグがオンとなっているときには、例えばROM113から読み出した表示制御データに応じてVDP115に描画命令を送るなどして、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示の進行が一時中断されているときに、当該可変表示の進行が停止中である旨を特定可能に報知するための表示動作を制御する設定を行う。この際には、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を更新しない。他方、進行停止中フラグがオフであるときには、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行い、例えば表示制御テーブルデータから第2表示制御時間タイマのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP115に送るなど、第2表示制御時間タイマのタイマ値に応じて第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御するための設定を行う。
【0147】
第2表示制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される飾り図柄停止待ち処理は、主基板11から第2可変表示終了コマンドを受信して、第4可変表示装置4Dにおける飾り図柄の可変表示を終了させる処理等を含んでいる。第2表示制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大当り中表示処理は、第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する処理を含んでいる。第2表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大当り終了時表示処理は、第4可変表示装置4Dにて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う処理などを含んでいる。
【0148】
図32は、第2表示制御プロセス処理にて第2表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大当り終了時表示処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す大当り終了時処理を開始すると、CPU112は、まず、例えば主基板11から振分率報知演出コマンドを受信してからの経過時間や、VDP115による第4可変表示装置4Dにおける表示動作の制御状態などをチェックすることにより、第4可変表示装置4Dが振分率報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS471)。そして、振分率報知演出を実行していない旨の判定がなされたときには(ステップS471;No)、主基板11から振分率報知演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS472)。振分率報知演出コマンドを受信していないときには(ステップS472;No)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当り図柄が確定図柄として停止表示されたことによる大当り遊技状態が終了するときに、変更された転動板51の振分態様を正しく特定できないと判断して、所定のエラー処理を実行する(ステップS473)。
【0149】
ステップS472にて振分率報知演出コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS472;Yes)、例えば振分率報知演出コマンドのEXTデータを読み取るなどして、変更された転動板51の振分態様に対応した入球振分モードのモード値を特定する(ステップS474)。続いて、例えばROM113などに入球振分モードのモード値に対応して予め格納された複数種類の報知演出テーブルのうちから、ステップS474にて特定した入球振分モードのモード値に対応した報知演出テーブルを、今回実行する振分率報知演出にて使用する報知演出テーブルとして設定する(ステップS475)。この後、ステップS475における設定に基づいて、例えばステップS475にて設定した報知演出テーブルに対応したタイマ初期値を第2表示制御タイマに設定するとともにVDP115に描画命令を送信するなど、第4可変表示装置4Dにおける表示動作により振分率報知演出を開始するための設定を行う(ステップS476)。
【0150】
ステップS471にて振分率報知演出が実行中である旨の判定がなされたときには(ステップS471;Yes)、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS477)。続いて、ステップS477にて更新された第2表示制御時間タイマのタイマ値に基づき、第4可変表示装置4Dにおける表示動作による振分率報知演出の実行期間がタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS478)。そして、振分率報知演出の実行期間がタイムアウトした旨の判定がなされたときには(ステップS478;Yes)、例えばVDP115に所定の描画命令を送るなど、第4可変表示装置4Dにおける表示動作による振分率報知演出を終了するための設定を行う(ステップS479)。このときには、第2表示制御プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS480)。また、ステップS478にて振分率報知演出の実行期間がタイムアウトしていない旨の判定がなされたときには(ステップS478;No)、例えば報知演出テーブルから第2表示制御時間タイマのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP115に送るなど、第2表示制御時間タイマのタイマ値に応じて第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御するための設定を行う(ステップS481)。
【0151】
以下、第1及び第2可変表示装置4A、4Bにおける特図ゲームに伴って行われる第3及び第4可変表示装置4C、4Dにおける表示動作の具体的な制御の一例について説明する。
【0152】
例えば、遊技領域に打ち込まれた遊技球が第2普通可変入賞球装置5Bに入賞したときには、転動板51によって左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのうちのいずれかに遊技球が振り分けられて進入する。具体的な一例として、中始動入賞口5Cに遊技球が進入すると、第2始動入賞口スイッチ(中)41Cにより遊技球が検出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、第2始動入賞口スイッチ(中)41Cからの検出信号がオン状態になると(図14に示すステップS209;Yes)、乱数回路104等により更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値を第2特図保留記憶部121Aの空エントリの先頭に格納する(ステップS212、S213)。また、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS214;Yes)、乱数回路104等による更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出し、中始動入賞口5Cを示す始動入賞口データとともに、大当り判定用乱数の値を格納したエントリと同一のエントリに格納して、第2特図保留記憶部121Bに記憶させる(ステップS215、S216)。
【0153】
他方、遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1普通可変入賞球装置5Aに入賞したときには、第1始動入賞口スイッチ41aにより遊技球が検出される。こうして第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号がオン状態になると(ステップS201;Yes)、乱数回路104等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データが、第1特図保留記憶部121Aの空エントリの先頭に格納される(ステップS204、S205)。また、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS206;Yes)、乱数回路104等から抽出された確変終了判定用乱数の値を示す数値データが、大当り判定用乱数の値を格納したエントリと同一のエントリに格納されて、第1特図保留記憶部121Aに記憶される(ステップS207、S208)。
【0154】
CPU103は、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていない場合に(図22に示すステップS291;No)、第2特図保留記憶部121Bにて保留番号「1」と対応付けられた格納データを読み出す(ステップS293)。このとき、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっている場合には(図23に示すステップS511;Yes)、読み出された格納データに含まれる始動入賞口データに基づき、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて検出されたかを判定する(ステップS512、S514)。例えば、始動入賞口データが中始動入賞口5Cを示している場合には(ステップS514;Yes)、図8(C)に示す第3確変終了判定テーブル155を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了するか否かの判定が行われる(ステップS515、S517)。そして、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされたときには(ステップS517;Yes)、確変中フラグがクリアされて高確率状態が終了する(ステップS518)。
【0155】
この後、第2特図保留記憶部121Bから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするかハズレとするかの判定が行われる(図22に示すステップS296の大当り判定処理)。ここで、確変中フラグがオフであるときには、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を参照して、大当りとするかハズレとするかの判定が行われる。そして、大当りとする旨の判定がなされたときには、確変大当りとするか通常大当りとするかの判定が行われる(ステップS298、S299)。この判定の後には、転動板51における回転量を設定して転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するための入球振分率設定処理が実行される(ステップS302)。このとき決定された入球振分モードのモード値は、入球振分モードメモリ123に記憶されて格納される(図24に示すステップS413)。
【0156】
続いて、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定図柄や、特別図柄の可変表示時間が決定され(図25に示すステップS321、S322)、決定された確定図柄や可変表示時間に対応した第2可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12に対して送信される(ステップS326)。こうして第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるとともに(ステップS327)、第4可変表示装置4Dでは、図33(B)に示すように停止表示されていた飾り図柄が加速表示され、図33(D)及び(F)に示すような飾り図柄の可変表示が開始される。この例では、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるまでの間、入球振分モードフラグの値が“0”となっており、転動板51の回転量が0度(水平)に設定されている。このように入球振分モードフラグの値が“0”となっているときには、図11に示すように、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにより表示される背景がいずれも背景「雲」となっている。そのため、図33(D)に示すように第4可変表示装置4Dにより飾り図柄の可変表示が開始されるときにも、その背景としては背景「雲」が表示される。
【0157】
こうして第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始された後に、第1特図保留記憶部121Aにおける格納データに基づいて第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、第1特図保留記憶部121Aにて保留番号「1」と対応付けられた格納データが読み出される(図16に示すステップS223)。このとき、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっている場合には(図17に示すステップS501;Yes)、読み出された格納データに含まれる確変終了判定用乱数の値に基づき、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了するか否かの判定を行う。このように図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を参照して判定を行うことにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときとは異なる判定割合で、確変制御による高確率状態を終了させるか継続させるかが決定される。また、確変中フラグがオフであるときには、第1特図保留記憶部121Aから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を参照して判定を行うことにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームとは異なる判定割合で、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするかハズレとするかが決定される。
【0158】
第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドが送信される。この第1可変表示開始コマンドに応答して、第3可変表示装置4Cでは、図33(A)及び(C)に示すように停止表示されていた飾り図柄が加速表示され、図33(E)に示すような飾り図柄の可変表示が開始される。その後、第4可変表示装置4Dでは、例えば図33(H)に示すように飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されることにより、リーチとなる。なお、リーチとは、導出表示した図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する特別図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた左、中、右の可変表示部のうち左、中の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の可変表示部は未だ可変表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の特別図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた左、中、右の可変表示部の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の特別図柄が揃っている態様で可変表示が行われている表示態様)である。このとき、第3可変表示装置4Cでは、例えば図33(G)に示すように、左の可変表示部にて飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されている。
【0159】
この後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されるときには、例えば図33(J)に示すように、第4可変表示装置4Dにおける左・中・右の各可変表示部にて同一の数字(図33(J)に示す例では「7」)を示す飾り図柄が導出表示される。こうして第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるときに、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示進行停止コマンドが送信される(図26に示すステップS345)。この第1可変表示進行停止コマンドに応答して、例えば第3可変表示装置4Cにて図33(I)に示すような報知情報60Aが表示されることにより、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が進行しない旨が報知される(図31に示すステップS455)。
【0160】
CPU103は、第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理にて表示制御基板12に対して所定の大当りラウンド数指示コマンドを送信するための設定を行うことなどにより、例えば図34(B)に示すように、大当り遊技状態において実行されるラウンドの実行回数を報知するための情報を、第4可変表示装置4Dの表示領域に表示させる。このとき、第3可変表示装置4Cでは、図34(A)に示すように、図33(I)と同様に飾り図柄の可変表示が継続して実行されるものの、その可変表示の進行は停止されている(図19に示すステップS241;Yes、図31に示すステップS451;Yes、ステップS454;No)。
【0161】
この後、大当り遊技状態が終了するときには、主基板11から表示制御基板12に対して大当り終了コマンドが送信される(図28に示すステップS382)。この大当り終了コマンドに応答して、第4可変表示装置4Dの表示領域には、例えば図34(C)に示すように大当り遊技状態が終了することを報知するための情報が表示される。このときCPU103は、入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値を読み出して入球振分モードフラグに設定する(ステップS384、S385)。また、このとき設定された入球振分モードフラグの値に対応した振分率報知演出コマンドを、表示制御基板12に対して送信する(ステップS386)。図34に示す例では、入球振分モードメモリ123から読み出された入球振分モードのモード値が「1」となっている。こうして送信された振分率報知演出コマンドに応答して、第4可変表示装置4Dでは、例えば図34(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出が行われる(図32に示すステップS481)。こうした振分率報知演出が終了したときには(図29に示すステップS388;Yes)、CPU103によって背景変更フラグがオン状態にセットされる(ステップS390)。また、入球振分モードフラグの値に対応して転動板51の回転量が設定されることにより、転動板51による遊技球の振分態様としての入球振分率が変更される(ステップS391)。
【0162】
振分モードフラグの値が“0”から“1”に変更されるときには、図11に示すように、転動板51の回転量が0度(水平)から左傾5度に変更される。これにより、転動板51による遊技球の入球振分率は、図4に示すように、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにも1/3の割合で遊技球が振り分けられる入球振分率から、左始動入賞口5Lには5/8の割合で、中始動入賞口5Cには1/4の割合で、右始動入賞口5Rには1/8の割合で、それぞれ遊技球が振り分けられる入球振分率に変更される。
【0163】
こうして振分率報知演出が終了するときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が再開されるとともに、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示進行再開コマンドが送信される(図29に示すステップS398)。この第1可変表示進行再開コマンドに応答して、例えば図34(H)に示すように、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示の進行も再開される。この後、さらに第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、背景変更フラグがオンとなっていることから(図25に示すステップS323;Yes)、入球振分モードフラグの値“1”に対応した背景変更コマンドが表示制御基板12に送信される(ステップS324)。この背景変更コマンドに応答して、例えば図34(I)に示すように、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が、入球振分モードフラグの値“1”に対応した背景「星」に変更される。
【0164】
また、図24に示す入球振分率設定処理にて決定された入球振分モードのモード値に応じて、異なる演出態様で振分率報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、図22に示すステップS302で実行される入球振分率設定処理にて、入球振分モードのモード値が「2」に決定されたものとする。この場合には、まず、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて図33(A)〜(J)と同様の表示が行われる。
【0165】
その後、第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理にて表示制御基板12に対して所定の大当りラウンド数指示コマンドを送信するための設定を行うことなどにより、例えば図35(B)に示すように、大当り遊技状態において実行されるラウンドの実行回数を報知するための情報を、第4可変表示装置4Dの表示領域に表示させる。このとき、第3可変表示装置4Cでは、図35(A)に示すように、図33(I)と同様に飾り図柄の可変表示が継続して実行されるものの、その可変表示の進行は停止されている。
【0166】
続いて、大当り遊技状態が終了するときには、主基板11から表示制御基板12に対して送信される大当り終了コマンドに応答して、第4可変表示装置4Dの表示領域には、例えば図35(C)に示すように大当り遊技状態が終了することを報知するための情報が表示される。このときCPU103は、入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値「2」を読み出して入球振分モードフラグに設定する。また、このとき設定された入球振分モードフラグの値“2”に対応した振分率報知演出コマンドを、表示制御基板12に対して送信する。この振分率報知演出コマンドに応答して、例えば図35(D)〜(G)に示すように、図34(D)〜(G)に示すような振分率報知演出における表示態様とは異なる表示態様で、第4可変表示装置4Dにおける表示動作による振分率報知演出が行われる。こうした振分率報知演出が終了したときには、CPU103によって背景変更フラグがオン状態にセットされる。また、入球振分モードフラグの値に対応して転動板51の回転量が設定されることにより、転動板51による遊技球の振分態様としての入球振分率が変更される。
【0167】
ここで、入球振分モードフラグの値が“0”から“2”に変更されるときには、図11に示すように、転動板51の回転量が0度(水平)から左傾10度に変更される。これにより、転動板51による遊技球の入球振分率は、図4に示すように、左始動入賞口5Lには7/10の割合で、中始動入賞口5Cには1/5の割合で、右始動入賞口5Rには1/10の割合で、それぞれ遊技球が振り分けられる入球振分率に変更される。
【0168】
こうして振分率報知演出が終了するときには、主基板11から表示制御基板12に対して送信される第1可変表示進行再開コマンドに応答して、例えば図35(H)に示すように、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示の進行が再開される。この後、さらに第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、背景変更フラグがオンとなっていることから、入球振分モードフラグの値“2”に対応した背景変更コマンドが表示制御基板12に送信される。この背景変更コマンドに応答して、例えば図35(I)に示すように、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が、入球振分モードフラグの値“2”に対応した背景「山&太陽」に変更される。
【0169】
このようにして大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124にカウント初期値として「0」がセットされる(図29に示すステップS392)。そして、大当り遊技状態の終了後には、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄以外のハズレ図柄が停止表示されるごとに、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124におけるカウント値が1加算される(図26に示すステップS350)。
【0170】
例えば、大当り遊技状態が終了した後、入球振分モードフラグの値が“1”に設定され、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行されている期間にて、第4可変表示装置4Dにより図36(B)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているものとする。このとき、第1可変表示装置4Aでは特図ゲームが行われていないために、第3可変表示装置4Cでは図36(A)に示すように飾り図柄が停止表示されているものとする。このように入球振分モードフラグの値が“1”となっているときには、図11に示すように、第4可変表示装置4Dが背景「星」を表示する。
【0171】
その後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄としてハズレ図柄が停止表示されることに合わせて、第4可変表示装置4Dにて図36(D)に示すようにハズレ組合せとなる飾り図柄が、左・中・右の各可変表示部に導出表示される。このときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームが開始されており、第3可変表示装置4Cでは図36(C)に示すように飾り図柄が可変表示されている。
【0172】
こうして第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄としてハズレ図柄が停止表示されたときに、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が所定の設定変更実行値に達した旨の判定がなされると(図26に示すステップS351;Yes)、転動板51の回転量を設定することにより遊技球の振分態様を変更可能とする入球振分率設定処理が実行される(図27(A)に示すステップS352)。このとき、CPU103は、入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値を読み出して、入球振分モードフラグの値と一致するか否かを判定する(ステップS353、S354)。図36に示す例では、ステップS352にて実行される入球振分率設定処理にて入球振分モードのモード値が「4」に決定され、入球振分モードフラグの値“1”とは一致しない(ステップS354;No)。
【0173】
そこで、入球振分モードメモリ123から読み出した入球振分モードのモード値「4」を入球振分モードフラグに設定するとともに(ステップS355)、背景変更フラグをオン状態にセットする(ステップS356)。また、このとき設定された入球振分モードフラグの値に対応して転動板51の回転量が設定されることにより、転動板51による遊技球の振分態様としての入球振分率が変更される(ステップS357)。例えば、入球振分モードフラグの値が“1”から“4”に変更されるときには、図11に示すように、転動板51の回転量が左傾5度から右傾10度に変更される。これにより、転動板51による遊技球の入球振分率は、図4に示すように、左始動入賞口5Lには1/10の割合で、中始動入賞口5Cには1/5の割合で、右始動入賞口5Rには7/10の割合で、それぞれ遊技球が振り分けられる入球振分率に変更される。
【0174】
この後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、背景変更フラグがオンとなっていることから(図25に示すステップS323;Yes)、入球振分モードフラグの値“4”に対応した背景変更コマンドが表示制御基板12に送信される(ステップS324)。この背景変更コマンドに応答して、例えば図36(F)に示すように、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が、入球振分モードフラグの値“4”に対応した背景「噴火山」に変更される。
【0175】
以上説明したように、この発明によれば、単一の第2普通可変入賞球装置5Bの内部に複数の進入領域となる左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rが設けられており、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球は、転動板51によって左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けられて進入する。この第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入したときには、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立する。他方、第2普通可変入賞球装置5Bとは別個に設けられた第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が入賞したときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する。また、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であるときに、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときには、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いて確変終了とするか確変継続とするかの判定を行う。これに対して、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときには、その特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立するときに左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて遊技球が検出されたかに応じて、図8(B)〜(D)に示す第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156のいずれかを用いて確変終了とするか確変継続とするかの判定を行う。これにより、第1始動条件の成立に基づく確変終了判定に比べて第2始動条件の成立に基づく確変終了判定の方が高い割合で、確変終了とする旨の判定がなされることになる。さらに、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに高確率状態となっていない場合には、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を用いて大当りとするかハズレとするかの判定を行う。このときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を用いて行う判定に比べて高い割合で、可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされる。これにより、遊技球を第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに進入させて第1及び第2始動条件のいずれを成立させて第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれによる特図ゲームを行うかを遊技者の技量によって選択することができるので、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに遊技球を入賞させるかということに対する興味が高まり、遊技興趣を向上させることができる。
【0176】
ここで、第1始動条件が成立したときと第2始動条件が成立したときとで、確変終了とする旨の判定がなされる割合と、特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされる割合のいずれか一方のみを異ならせた場合には、確変終了とする旨の判定がなされる割合の低い始動条件、あるいは大当りとする旨の判定がなされる割合の高い始動条件のいずれかのみが成立することに対して、遊技者が期待することになる。これに対して、この発明では、確変終了とする旨の判定がなされる割合の高い始動条件(第2始動条件)は、大当りとする旨の判定がなされる割合も高められているので、遊技状態が高確率状態であるか通常遊技状態であるかといった、遊技の進行状況に応じて、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに対しても、遊技者に遊技球の入賞への期待感を持たせることができる。
【0177】
また、転動板51は、その回転量に応じた遊技球の振分態様である入球振分率によって第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに進入させる割合を異ならせている。そして、転動板51による遊技球の振分態様である入球振分率は、例えば第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときなど、所定の条件が成立したときに、図24に示す入球振分率設定処理が実行されることによって変更することができる。これにより、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに振り分けられる割合を変更することができるので、遊技内容に変化を持たせて遊技興趣を向上させることができる。
【0178】
さらに、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされて所定の条件の1つが成立したときに転動板51の回転量が決定されることにより遊技球の振分態様が決定されたときには、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了した後に、例えば図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出が行われるなどして、転動板51による遊技球の振分態様が変更された旨を報知する演出が実行される。この振分態様報知演出により遊技者は、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rそれぞれに振り分けられる割合が変更されたことを認識することができ、遊技状態を把握することができるので、遊技の興趣が高められる。
【0179】
加えて、転動板51の回転量が決定されることにより遊技球の振分態様が決定されたときには、例えば図27(A)に示すステップS356や図29に示すステップS390などにて、背景変更フラグがオン状態にセットされる。その後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、図25に示すステップS324にて背景変更コマンドが表示制御基板12に送信されることにより、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が変更される。ここで、第4可変表示装置4Dにて表示される背景は、第2可変表示装置4Dによる特別図柄の可変表示中における演出態様の一例となる。すなわち、転動板51の回転量に対応して決定される遊技球の振分態様に応じて、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示中における演出態様を異ならせることができる。この演出により遊技者は、転動板51による遊技球の振分態様に応じて左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに遊技球が振り分けられる割合をある程度予測することができ、遊技の興趣が高められる。
【0180】
また、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれか一方による特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されたことにより大当り遊技状態に制御されるときに、他方の可変表示装置による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、例えば図19に示す可変表示制御処理にてステップS242の処理を実行しないように設定するなどして、実行中である特別図柄の可変表示における経過時間の計測が中断される。その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図29に示すステップS399にて可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となることなどにより、中断されていた特別図柄の可変表示における経過時間の計測が再開される。これにより、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とが競合することはない。これに対して、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにおける開閉動作による大当り遊技状態が同時に発生可能とした場合には、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bのいずれか一方に入賞することなく遊技領域を落下して排出されるべき遊技球が、他方の入賞球装置に入賞することによって、短時間に多くの賞球が払い出されてしまうことがある。この発明によると、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とを競合させないため、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bが両方同時に開閉動作を行うことによる大当り遊技状態を発生させないことでパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められてしまうことを防止でき、遊技者にとって極端に有利になることを防止できる。
【0181】
加えて、実行中の特別図柄の可変表示における経過時間の計測が中断されているときには、例えば図33(I)に示すような報知情報60Aを表示させるなどして、特別図柄の可変表示が進行しない旨を報知する。この報知により遊技者は、特別図柄の可変表示が進行しないことを認識することができるので、特別図柄の可変表示が進行せずに確定図柄が停止表示されないことに対する不信感を持つことがない。
【0182】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
【0183】
上記実施の形態では、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設けられた転動板51の回転量を変更可能に設定することにより、転動板51による遊技球の振分態様を、複数の振分態様のいずれかに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球の振分態様を変更可能に決定することができる任意の構成を採用することができる。例えば、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に、遊技球を進入させて保持することができる程度の大きさ及び形状を有する開口を1個又は複数備えたローターを設けたものであってもよい。この場合、ローターの回転態様(例えば回転速度や回転方向など)を変更可能に設定することで、遊技球の振分態様を複数の振分態様のいずれかに決定して、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球を複数の始動入賞口のいずれかに振り分けて進入させる割合を異ならせるようにすればよい。
【0184】
また、上記実施の形態では、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して可変表示用データ保持エリア120に第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bを設け、それぞれ保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達するまで大当り判定用乱数の値を示す数値データなどを記憶することができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2可変表示装置4A、4Bに共通の特図保留記憶部を設け、その特図保留記憶部にて保留記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで、大当り判定用乱数の値を示す数値データなどを記憶するようにしてもよい。この場合には、大当り判定用乱数の値を示す数値データとともに、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに遊技球が入賞したかを示す制御データを記憶させることで、第1及び第2始動条件のいずれが成立したかに対応して、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを実行することができる。
【0185】
上記実施の形態では、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときに、所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するものとして説明した。しかしながら、転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するための所定の条件は、これらに限定されるものではなく、例えば、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄を大当りとする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したとき、あるいは、大当り遊技状態が終了した後に第1及び第2可変表示装置4A、4Bの双方による特図ゲームの実行回数の合計が所定の設定変更実行値に達したときなどに、所定の条件が成立したとして遊技球の振分態様を変更できるものであってもよい。また、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときと、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときのいずれか一方においてのみ、図24に示す入球振分率設定処理を実行して、転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するようにしてもよい。
【0186】
上記実施の形態では、図28及び図29に示す大当り終了処理にて、ステップS381、S386〜S389の処理を実行することにより、例えば図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出を行うようにしていた。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図26及び図27(A)、(B)に示す可変表示停止時処理にて、例えば図27(A)に示すステップS352の処理が実行された後に上述したステップS381、S386〜S389と同様の処理を実行するようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達することで所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様が決定されたときにも、遊技球の振分態様が変更された旨を報知する振分率報知演出を実行することができる。
【0187】
また、転動板51による遊技球の振分態様が変更された旨を報知するための演出としては、図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出に限定されるものではなく、例えば第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかに図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示す画像とは異なる所定の画像を表示させたり、音声制御基板の制御下にスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、ランプ制御基板の制御下に遊技効果ランプ9に含まれる各種の演出用ランプを点灯もしくは点滅させたり、さらには可動部材からなる役物を動作させたりすることなどによって、遊技球の振分態様が変更された旨を報知してもよい。さらには、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかにおける表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、所定のランプの点灯もしくは点滅、役物の動作のいずれかを組み合わせて、遊技球の振分態様が変更された旨を報知してもよい。
【0188】
上記実施の形態では、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示中における演出態様の一例として、第4可変表示装置4Dにより表示される背景を、入球振分モードフラグの値に応じて変更するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかにて表示されるキャラクタ画像や、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかにて表示される飾り図柄の可変表示態様(例えば、飾り図柄の表示色や大きさ、表示位置など)を、入球振分モードフラグの値に応じて変更するなどして、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示中における演出態様を、遊技球の振分態様に応じて異ならせるようにしてもよい。また、第4可変表示装置4Dにて表示される背景だけでなく、第3可変表示装置4Cにて表示される背景も、入球振分モードフラグの値に応じて変更するようにして、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示中における演出態様を、遊技球の振分態様に応じて異ならせてもよい。
【0189】
上記実施の形態では、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に転動板51が設けられて、遊技球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けて進入させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1普通可変入賞球装置5Aの内部にも転動板51と同様に、遊技球を複数の振分態様のいずれかにより複数の進入領域のいずれかに振り分けて進入させる構成を設けてもよい。この場合には、例えば第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときなど、所定の条件が成立したときに、第1普通可変入賞球装置5Aに入賞した遊技球の振分態様を変更できるようにすればよい。また、第1普通可変入賞球装置5Aにおける遊技球の振分態様が変更されたときには、例えば図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作を第3可変表示装置4Cに行わせることにより、遊技球の振分態様が変更された旨を報知するようにしてもよい。さらに、第1普通可変入賞球装置5Aにおける遊技球の振分態様が変更されたときには、第3可変表示装置4Cにて表示される背景を変更して、遊技球の振分態様が変更されたことを認識できるようにしてもよい。
【0190】
上記実施の形態では、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれが、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して別個に設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば1つの可変表示装置において第1及び第2可変表示装置4A、4Bに対応して分割した表示領域を設け、各表示領域にて、上述の第3及び第4可変表示装置4C、4Dと同様の表示動作を行わせるものであってもよい。また、第1及び第2可変表示装置4A、4Bの配置は、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能であり、また、例えば1つの表示装置が有する2つの表示領域において、上述の第1及び第2可変表示装置4A、4Bと実質的に同一の表示が行われるものであってもよい。
【0191】
上記実施の形態では、例えば図22に示すステップS302のように、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときに図24に示す入球振分率設定処理を実行し、その入球振分率設定処理にて決定された入球振分モードのモード値を、入球振分モードメモリ123に記憶して格納しておくものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図28及び図29に示す大当り終了処理における図28のステップS381にて振分率演出中フラグがオフである旨の判定がなされたときに図24に示す入球振分率設定処理を実行することで、大当り遊技状態が終了するときに転動板51による遊技球の振分態様を決定するようにしてもよい。この場合には、図24に示すステップS413のように入球振分モードのモード値を入球振分モードメモリ123に記憶させて格納する必要はなく、ステップS412にて決定した入球振分モードのモード値を、そのまま入球振分モードフラグに設定すればよい。
【0192】
上記実施の形態では、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の振分率変化終了値に達すると、入球振分モードフラグの値を“0”に更新して、転動板51の回転量を0度(水平)の初期設定時に戻すものとして説明した(例えば、図27(B)のステップS358〜S362)。これに対して、例えば大当り遊技状態が終了した後には、次に第2可変表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームにて確定図柄が大当り図柄となることにより大当り遊技状態となるまでは、特図ゲームの実行回数が設定変更実行値に達するごとに、図27(A)のステップS352にて図24に示す入球振分率設定処理を実行することにより、転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するようにしてもよい。
【0193】
また、上記実施の形態では、第1及び第2可変表示装置4A、4Bによる特図ゲームにて確変大当りとなったときに、例えば図29に示すステップS395などにて確変カウンタ125に所定の確変中可変表示回数初期値をセットし、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームが実行されるごとに、例えば図18に示すステップS403などにて確変カウンタ125のカウント値を1減算することで、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、確変制御が行われる高確率状態となるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特図ゲームにて確変大当りとなったことにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されたときには、その後に第1及び第2可変表示装置4A、4Bにて実行される特図ゲームの回数にかかわらず、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなるまで、高確率状態を継続させるようにしてもよい。
【0194】
上記実施の形態では、図13に示すように、ステップS16の第1特別図柄プロセス処理とステップS17の第2特別図柄プロセス処理とが、別個の処理として実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2特別図柄プロセス処理として、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに共通した処理が実行されるものであってもよい。また、図13に示す遊技制御割込処理が実行されるごとに第1及び第2特別図柄プロセス処理がいずれも1回ずつ実行されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、遊技制御割込処理が実行されるごとに、第1及び第2特別図柄プロセス処理のいずれか一方のみが交互に1回実行されるものであってもよい。
【0195】
図7(A)及び図7(B)に示す第1及び第2通常時大当り判定テーブル150、151における大当り判定用乱数の値と、大当りとするかハズレとするかの判定結果との対応関係は、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能であり、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされる確率と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされる確率とが、互いに異なるものであればよい。また、図8(A)〜(D)に示す第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156における確変終了判定用乱数の値と、確変終了とするか確変継続とするかの判定結果との対応関係も、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能であり、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされる確率と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされる確率とが、互いに異なるものであり、なおかつ、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときには、遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて検出されたかに基づいて、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされる確率を異ならせたものであればよい。図9に示す入球振分設定テーブル157における入球振分設定用乱数と入球振分モードのモード値との対応関係も、任意に変更可能であり、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が設定変更実行値に達したときなど、所定の条件が成立したときに、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けられる振分態様を、複数の振分態様のいずれかに決定することができるものであればよい。
【0196】
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0197】
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0198】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】普通可変入賞球装置の内部に設けられた転動板の構成例を示す図である。
【図3】転動板の回転量を変更可能に設定する構成例を示す図である。
【図4】転動板の回転量に応じた入球振分率の一例を示す図である。
【図5】パチンコ遊技機におけるシステム構成例を示すブロック図である。
【図6】第3及び第4可変表示装置にて表示可能な背景を例示する図である。
【図7】大当り判定テーブルの構成例を示す図である。
【図8】確変終了判定テーブルの構成例を示す図である。
【図9】入球振分設定テーブルの構成例を示す図である。
【図10】可変表示用データ保持エリアの一構成例を示す図である。
【図11】入球振分モードフラグの値と、転動板の回転量、第3及び第4可変表示装置にて表示される背景との対応関係を示す説明図である。
【図12】表示制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図13】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図14】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図15】第1特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図16】第1特別図柄プロセス処理内で実行される特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図17】第1確変終了判定処理を示すフローチャートである。
【図18】大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図19】第1特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示制御処理を示すフローチャートである。
【図20】第1特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示停止時処理を示すフローチャートである。
【図21】第1特別図柄プロセス処理内で実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図22】第2特別図柄プロセス処理内で実行される特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図23】第2確変終了判定処理を示すフローチャートである。
【図24】入球振分率設定処理を示すフローチャートである。
【図25】第2特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示開始時処理を示すフローチャートである。
【図26】第2特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示停止時処理を示すフローチャートである。
【図27】第2特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示停止時処理を示すフローチャートである。
【図28】第2特別図柄プロセス処理内で実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図29】第2特別図柄プロセス処理内で実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図30】第1表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】第1表示制御プロセス処理内で実行される飾り図柄可変表示中処理を示すフローチャートである。
【図32】第2表示制御プロセス処理内で実行される大当り終了時表示処理を示すフローチャートである。
【図33】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【図34】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【図35】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【図36】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0200】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B、4C、4D … 可変表示装置
5A、5B … 普通可変入賞球装置
5L、5C、5R … 始動入賞口
6A、6B … 特別可変入賞球装置
7A、7B … 始動入賞記憶表示器
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
51 … 転動板
52 … 支持部材
53 … モータ
41a、41L、41C、41R … 始動入賞口スイッチ
70 … 各入賞口スイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、113 … ROM
102、114 … RAM
103、112 … CPU
104 … 乱数回路
105 … I/Oポート
107 … スイッチ回路
108 … モータ回路
110 … 発振回路
111 … リセット回路
115 … VDP
116 … CGROM
117 … VRAM
120 … 可変表示用データ保持エリア
121A、121B … 特図保留記憶部
122A、122B … 可変表示時間タイマ
123 … 入球振分モードメモリ
124 … 大当り終了後ゲーム回数カウンタ
125 … 確変カウンタ
150〜152 … 大当り判定テーブル
153〜156 … 確変終了判定テーブル
157 … 入球振分設定テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた第1始動領域にて第1始動検出手段が遊技媒体を検出することにより第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1可変表示手段と、第1始動領域とは異なる第2始動領域にて第2始動検出手段が遊技媒体を検出することにより第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2可変表示手段とを備え、第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったとき、または、第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、さらに、第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果のうちで予め定められた特別表示結果となったとき、または、第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が特別表示結果となったときには、特定遊技状態が終了した後に特定表示結果となる確率が特定遊技状態とは異なる通常遊技状態時よりも高い高確率状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示やスクロール表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームの1つとして行われる特図ゲームは、始動入賞口(始動領域)を通過する遊技球の検出(可変表示の始動条件が成立したこと)に基づいて表示図柄の可変表示を行い、表示図柄の可変表示が完全に停止した際の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。この特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口又はアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。こうした状態を「特定遊技状態」あるいは「大当り遊技状態」という。また、特定遊技状態の終了後に特図ゲームで「大当り」となる確率を通常よりも向上させる確率変動制御(確変制御)や、特図ゲームの実行時間を通常よりも短縮する時間短縮制御(時短制御)等の制御が行われる遊技機も提供されている。
【0004】
こうした確変制御や時短制御等の制御が行われる遊技機としては、特定遊技状態が終了したとき、あるいは特図ゲームにて所定の図柄による「大当り」となったことによる特定遊技状態が終了したとき、所定のサブゲームの結果が所定態様であるときなどに、確変制御等が行われる特別遊技状態となるものが提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
また、同一の遊技領域内に複数の図柄表示装置を設け、表示図柄と同様の役割を担う図柄を各々可変表示可能とした遊技機も提案されている(例えば特許文献2及び特許文献3)。
【特許文献1】特開平9−47549号公報
【特許文献2】特開2001−62080号公報
【特許文献3】特開2001−62081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によると、例えば、所定数の遊技球が弾発されたときや、普通図柄の当りが所定回数発生したとき、普通図柄の変動(始動)回数が所定回数に達したとき、リーチが所定回数出現したときなど、一定の条件が成立したときに特別遊技状態が終了する。
【0007】
また、特許文献2及び特許文献3に開示された技術では、複数の図柄表示装置のいずれかにて所定の図柄(確率変動図柄)が揃って表示された場合に確率変動制御を行い、次の当りを引く確率を高くするように変更する。すなわち、この技術によると、複数の図柄表示装置のいずれかにて確率変動図柄が揃って表示された後、次に複数の図柄表示装置のいずれかにて図柄が揃って表示される当り(「大当り」)となるまで、確率変動制御が行われることになる。
【0008】
このように、特許文献1〜3のいずれに開示された技術によっても、確率変動制御が終了する条件は、複数の図柄表示装置のいずれにより特図ゲームが実行されたかに関わらず、一定の条件とされており、複数の図柄表示装置それぞれに対応して特図ゲームを開始するために遊技球を入賞させる始動領域を複数設置した遊技機における遊技興趣を向上させることが困難であった。
【0009】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、複数の始動領域のいずれに遊技球を入賞させるかということに対する遊技者の興味を高めることにより、遊技興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた第1始動領域(例えば第1普通可変入賞球装置5A)にて第1始動検出手段(例えば第1始動入賞口スイッチ41a)が遊技媒体を検出することにより成立する第1始動条件が成立したこと(ステップS201にてYesと判定されたこと)に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する第1可変表示手段(例えば第1可変表示装置4A)と、前記第1始動領域とは異なる第2始動領域(例えば第2普通可変入賞球装置5B)にて第2始動検出手段(例えば左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41R)が遊技媒体を検出することにより成立する第2始動条件が成立したこと(ステップS209にてYesと判定されたこと)に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する第2可変表示手段(例えば第2可変表示装置4B)とを備え、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば「3」または「7」を示す確定図柄)となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御し、さらに、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうちで予め定められた特別表示結果(例えば「7」を示す確定図柄)となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特別表示結果となったときには、前記特定遊技状態が終了した後に前記特定表示結果となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態時よりも高い高確率状態(例えば確変制御による高確率状態)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、前記第1始動条件が成立したことに基づいて前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(例えばステップS407における判定)と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定(例えばステップS229における判定)を行う第1事前判定手段(例えばCPU103がステップS110の特別図柄通常処理を実行する部分など)と、前記第2始動条件が成立したことに基づいて前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定(例えば第2特別図柄プロセス処理にて行われるステップS407に対応する判定)と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定(例えば第2特別図柄プロセス処理にて行われるステップS229に対応するステップS299の判定)を行う第2事前判定手段(例えばCPU103が第2特別図柄プロセス処理にてステップS110に対応する特別図柄通常処理を実行する部分など)と、前記第1及び第2可変表示手段のいずれかによる識別情報の可変表示の表示結果として前記特別表示結果が導出表示されたことにより前記特定遊技状態に制御された後、前記高確率状態に制御する高確率状態制御手段(例えばCPU103がステップS274またはステップS394にて確変中フラグをオンにセットした後にステップS226、S296にて大当り判定処理を実行する部分など)と、前記高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに、前記第1始動条件が成立したときと前記第2始動条件が成立したときとで異なる割合で、前記高確率状態を終了するか否かを判定する高確率状態終了判定手段(例えばCPU103がステップS225、S295の処理を実行する部分など)と、前記高確率状態終了判定手段により前記高確率状態を終了する旨の判定がなされたときに、前記高確率状態を終了する高確率状態終了手段(例えばCPU103がステップS504、S518の処理を実行する部分など)とを備え、前記高確率状態終了判定手段は、前記第1始動条件の成立に基づく判定(図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いた判定)に比べて前記第2始動条件の成立に基づく判定(図8(B)〜(D)に示す第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156を用いた判定)の方が高い割合で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行い、前記第2事前判定手段は、前記第1事前判定手段によって前記特定表示結果とする旨の判定がなされる割合(図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を用いて「大当り」の判定結果となる割合)よりも高い割合(図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を用いて「大当り」の判定結果となる割合)で、前記特定表示結果とする旨の判定を行う。
【0011】
請求項2に記載の遊技機において、前記第2始動領域は、単一の始動入賞装置(例えば普通可変入賞球装置5B)の内部に設けられて当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体が進入可能な複数の進入領域(例えば左・中・右始動入賞口5L、5C、5R)を含み、前記始動入賞装置は、当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体を前記複数の進入領域のいずれかに振り分けて進入させる遊技媒体振分手段(例えば転動板51、支持部材52、モータ53など)を含み、前記高確率状態終了判定手段は、前記第2始動条件が成立したときに前記複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて異なる割合(例えば図8(B)〜(D)に示す第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156に対応した割合)で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行う。
【0012】
請求項3に記載の遊技機において、前記遊技媒体振分手段は、遊技媒体を振り分ける振分態様によって前記始動入賞装置に入賞した遊技媒体が前記複数の進入領域のそれぞれに進入する割合(例えば図4に示す回転量に対応した入球振分率)を異ならせ、所定の条件が成立したとき(例えば第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときや、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了した後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときなど)に、前記遊技媒体振分手段の振分態様を予め定められた複数種類の振分態様(例えば図9に示す入球振分設定テーブル157における入球振分モード「1」〜「4」)のいずれかに決定する振分態様決定手段(例えばCPU103がステップS302、S352にて入球振分率設定処理を実行する部分など)を備える。
【0013】
請求項4に記載の遊技機においては、前記第1及び第2事前判定手段の判定結果に応じて、前記第1及び第2可変表示手段それぞれにおける識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を予め定められた複数種類の可変表示時間のいずれかに設定する可変表示時間設定手段(例えばCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にて可変表示開始時処理やステップS322の処理を実行する部分など)と、 前記第1及び第2可変表示手段それぞれによる識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの経過時間を計測する時間計測手段(例えば第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122B、及びCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にてステップS242の処理等を実行する部分など)と、前記可変表示時間設定手段によって設定された可変表示時間が経過したか否かを、前記時間計測手段による計測によって判定する計測判定手段(例えばCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にてステップS243等の処理を実行する部分など)と、前記第1可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第1事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させ、前記第2可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第2事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させる導出表示制御手段(例えばCPU103が第1及び第2特別図柄プロセス処理にてステップS252等の処理を実行する部分など)とを備え、前記時間計測手段は、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示され、かつ、前記第2可変表示手段にて識別情報の可変表示が実行されているときに、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が開始される第1の時点で前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測を中断し、前記第1可変表示手段にて前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点で経過時間の計測を再開する計測中断再開手段(例えばCPU103による第1特別図柄プロセス処理におけるステップS255に応じてCPU112が第2表示制御プロセス処理におけるステップS452に対応する処理にてYesと判定するとともに、CPU103が第2特別図柄プロセス処理におけるステップS241に対応する処理にてYesと判定する部分、及びCPU103による第1特別図柄プロセス処理におけるステップS398の処理に応じてCPU112が第2表示制御プロセス処理におけるステップS454に対応する処理にてYesと判定するとともに、CPU103が第2特別図柄プロセス処理におけるステップS241に対応する処理にてNoと判定する部分など)を含む。
【0014】
請求項5に記載の遊技機においては、前記計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときに、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示が進行しない旨を報知する制御を行う可変表示中断報知制御手段(例えば表示制御基板12のCPU112が第2表示制御プロセス処理にてステップS455に対応する処理を実行することにより、例えば図33(I)に示すような報知情報60Aを第4可変表示装置4Dに表示させる部分など)を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以下に示す効果を有する。
【0016】
請求項1に記載の遊技機によれば、高確率状態終了判定手段において、第1始動条件の成立に基づいて高確率状態を終了する旨の判定を行う割合と、第2始動条件の成立に基づいて高確率状態を終了する旨の判定を行う割合とが異なっていることに加え、第1事前判定手段と第2事前判定手段において、特定表示結果とする旨の判定がなされる割合が異なっている。
これにより遊技者は、特定表示結果とする旨の判定がなされる割合、及び、高確率状態を終了する旨の判定がなされる割合の双方が異なる第1始動条件と第2始動条件のいずれを成立させて第1可変表示手段による識別情報の可変表示と第2可変表示手段による識別情報の可変表示のいずれを行うかを選択することができるので、いずれの始動領域に遊技球を入賞させるかということに対する興味が高まり、遊技興趣を向上させることができる。
【0017】
請求項2に記載の遊技機においては、第2始動領域が単一の始動入賞装置の内部に設けられた複数の進入領域を含み、それら複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて異なる割合で、高確率状態を終了するか否かの判定が行われる。
ここで、第2始動領域にて遊技媒体が検出されたときには第2始動条件が成立し、その第2始動条件の成立に基づいて第2事前判定手段により特定表示結果とするか否かの判定が行われるが、第2事前判定手段は、第1事前判定手段によって特定表示結果とする旨の判定がなされる割合よりも高い割合で特定表示結果とする旨の判定を行うので、第2始動領域に含まれる複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて高確率状態を終了する旨の判定がなされる割合を異ならせることで、遊技内容が変化に富んだものとなり、いずれの始動領域に遊技球を入賞させるかということに対する興味が高められる。
【0018】
請求項3に記載の遊技機において、遊技媒体振分手段は、遊技媒体を振り分ける振分態様によって始動入賞装置に入賞した遊技媒体が複数の進入領域のそれぞれに進入する割合を異ならせている。そして、遊技媒体振分手段の振分態様は、所定の条件が成立したときに、振分態様決定手段によって複数の振分態様のいずれかに決定される。
これにより、所定の条件が成立したことで遊技媒体が各進入領域に進入する割合を変更することができるので、遊技内容に変化を持たせて遊技興趣を向上させることができる。
【0019】
請求項4に記載の遊技機においては、第1可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたときに第2可変表示手段にて識別情報の可変表示が実行されていると、第1可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたことに基づく特定遊技状態が開始される第1の時点で第2可変表示手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測が中断され、当該特定遊技状態が終了した第2の時点で経過時間の計測が再開される。
これにより、第1可変表示手段における識別情報の可変表示の表示結果に基づく特定遊技状態と、第2可変表示手段における識別情報の可変表示の表示結果に基づく特定遊技状態とを競合させないため、遊技者にとって極端に有利になることを防止できる。
【0020】
請求項5に記載の遊技機においては、計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときには可変表示中断報知制御手段により識別情報の可変表示が進行しない旨を報知する制御が行われる。
この報知により遊技者は、識別情報の可変表示が進行しないことを認識することができるので、第1及び第2可変表示手段による識別情報の可変表示が進行しないことに対する不信感を与えることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施例における遊技機としては、LCD等からなる表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機等である。
【0022】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報としての特別図柄を可変表示する第1可変表示装置4Aと第2可変表示装置4Bとが設けられている。第1可変表示装置4Aの下方には、第1可変表示装置4Aにて可変表示される特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示などを行うことができる第3可変表示装置4Cが設けられている。第2可変表示装置4Bの下方には、第2可変表示装置4Bにて可変表示される特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示などを行うことができる第4可変表示装置4Dが設けられている。第3可変表示装置4Cの下方には、第1普通可変入賞球装置(始動入賞口)5Aが配置されている。第4可変表示装置4Dの下方には、第2普通可変入賞球装置5Bが配置されている。さらに、第1普通可変入賞球装置5Aの下方には、第1特別可変入賞球装置(大入賞口)6Aが設けられている。第2普通可変入賞球装置5Bの下方には、第2特別可変入賞球装置(大入賞口)6Bが設けられている。第1及び第2可変表示装置4A、4Bの上部にはそれぞれ、第1及び第2始動入賞記憶表示器7A、7Bが設けられている。
【0023】
第1及び第2可変表示装置4A、4Bは、例えば7セグメントのLED等から構成されている。第1可変表示装置4Aは、第1普通可変入賞球装置5Aへの遊技球の入賞により始動条件(第1始動条件)が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、絵柄等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。第2可変表示装置4Bは、第2普通可変入賞球装置5B内に設けられた複数の始動入賞口5L、5C、5R(図2)のいずれかへの遊技球の入賞により始動条件(第2始動条件)が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、絵柄等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。ここで、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bは、例えば遊技領域内などに設けられた所定の普通図柄表示器による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)で表示結果が所定の当り図柄となったときに、電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御することで、可動翼片を垂直位置としたときに比べて遊技球が入賞しやすくなる。
【0024】
第1及び第2可変表示装置4A、4Bにより行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける確定図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、第1特別可変入賞球装置6Aを開閉させることによる特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。第1可変表示装置4Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、第1特別可変入賞球装置6Aの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開閉サイクルを所定の上限回数(例えば16回)まで繰り返すことができる。
【0025】
他方、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第2特別可変入賞球装置6Bを開閉させることによる大当り遊技状態となる。第2可変表示装置4Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、第2特別可変入賞球装置6Bの開閉板が、所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開閉サイクルを所定の上限回数(例えば16回)まで繰り返すことができる。あるいは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームで大当り図柄が停止表示されたときとは異なる所定期間(例えば45秒)あるいは所定個数(例えば15個)の入賞球が発生するまでの期間において第2特別可変入賞球装置6Bが開成され、その後に閉成する開閉サイクルを所定の上限回数(例えば20回)まで繰り返すことができるようにしてもよい。
【0026】
このように、第1可変表示装置4Aと第2可変表示装置4Bでは、互いに異なる始動条件が成立したことに基づいて特図ゲームが開始される。そして、第1可変表示装置4Aにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたとき、及び第2可変表示装置4Bにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されたときには、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにおける開閉動作による大当り遊技状態に制御される。
【0027】
この実施の形態では、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれにおいて、「0」〜「9」を示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示できるものとする。各図柄には「0」〜「9」の図柄番号が付されて配列されており、特別図柄の可変表示が開始されると、例えば7セグメントLEDにおける各セグメントの点滅動作が行われ、図柄番号が「9」又は「0」の特別図柄が表示されると、次に「0」又は「9」の特別図柄が表示される。こうした第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、例えば「3」あるいは「7」を示す特別図柄が確定図柄として停止表示されたときに、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。すなわち、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、「3」あるいは「7」を示す特別図柄が大当り図柄となっている。
【0028】
また、この実施の形態では、「3」を示す特別図柄を通常大当り図柄とし、「7」を示す特別図柄を確変大当り図柄とする。特図ゲームにおける可変表示結果として確変大当り図柄が停止表示されたときは、所定の特別表示結果としての確変大当りとなる。確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、あるいは、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるまで、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率状態となる。この高確率状態では、特図ゲームにおいて可変表示結果として大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける確定図柄として大当り図柄が停止表示されて大当りとなる確率が、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。
【0029】
他方、特図ゲームにおける可変表示結果として通常大当り図柄が停止表示されたときには通常大当りとなる。この通常大当りとなったときには、大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われないため、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。なお、通常大当りとなって大当り遊技状態が終了した後には、その通常大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、または、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるまで、高確率状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となるようにしてもよい。時短制御が行われる時間短縮状態では、各特図ゲームにて大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は通常遊技状態と同一であるが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常遊技状態よりも短くなるように制御される。
【0030】
高確率状態と時間短縮状態では、普通図柄表示器(図示せず)による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)における可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が当り図柄となる確率が向上する。このときにはさらに、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bにおける可動翼片の傾動時間が通常遊技状態のときよりも長くなるとともに、その傾動回数が通常遊技状態のときよりも増加する。このように、高確率状態や時間短縮状態では、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態となる。ここで、時間短縮状態では、確変制御が行われず、大当り遊技状態となる確率は通常遊技状態のときと同じであるので、高確率状態の方が時間短縮状態よりも遊技者にとって有利である。
【0031】
また、例えば第1可変表示装置4Aでは「0」〜「9」の数字を示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示する一方、第2可変表示装置4Bでは「A」〜「J」のアルファベットを示す10種類の図柄を特別図柄として可変表示してもよい。あるいは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bの各々が、互いに異なるモチーフに関連する複数種類のキャラクタ図柄を特別図柄として可変表示してもよい。
【0032】
第3及び第4可変表示装置4C、4Dは、例えばLCD等から構成され、例えばそれぞれ3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。具体的な一例として、第3可変表示装置4Cには、左・中・右の可変表示部が配置され、各可変表示部にて、例えば「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が可変表示される一方、第4可変表示装置4Dにも、左・中・右の可変表示部が配置され、各可変表示部にて、例えば「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が可変表示される。あるいは、第4可変表示装置4Dに設けられた左・中・右の各可変表示部では、例えば「A」〜「J」のアルファベットを示す飾り図柄といった、第3可変表示装置4Cにて可変表示される飾り図柄とは異なる種類の飾り図柄が可変表示されてもよい。そして、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、第3可変表示装置4Cにおける左・中・右の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、その後、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示結果として確定図柄が停止表示されるときに、第3可変表示装置4Cにおける左・中・右の各可変表示部にて確定図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが導出表示される。他方、第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、第4可変表示装置4Dにおける左・中・右の各可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始され、その後、第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示結果として確定図柄が停止表示されるときに、第4可変表示装置4Dにおける左・中・右の各可変表示部にて確定図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが導出表示される。また、第3及び第4可変表示装置4C、4Dでは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bによる特別図柄の可変表示が行われているときに、様々な演出態様のいずれかによる演出表示を行うことができる。
【0033】
第1普通可変入賞球装置5Aは、図示せぬソレノイドによって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。第1普通可変入賞球装置5Aには、第1始動入賞口スイッチ41a(図5)が配置されており、第1普通可変入賞球装置5Aに対する遊技球の入賞が第1始動入賞口スイッチ41aによって検出されたことに対応して、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する。
【0034】
第2普通可変入賞球装置5Bは、図示せぬソレノイドによって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。第2普通可変入賞球装置5Bの内部には、図2に示すような転動板51が配置されている。転動板51は、例えば中心部が窪んだすり鉢状の形状を有し、第2普通可変入賞球装置5B内に進入した遊技球が転動板51上を旋回しながら転動板51の中心部に向かって転動可能となっている。また、転動板51には、遊技球が通過可能な左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rが形成されている。このような構成により、転動板51は、第2普通可変入賞球装置5Bへの入賞球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けて進入させることができる。第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球のうちで、例えば図2にて矢印a1によって示されるように左始動入賞口5Lに進入した遊技球は、図2にて矢印a4によって示されるように第2始動入賞口スイッチ(左)41Lによって検出される。他方、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球のうちで、例えば図2にて矢印a2によって示されるように中始動入賞口5Cに進入した遊技球は、図2にて矢印a5によって示されるように第2始動入賞口スイッチ(中)41Cによって検出される。また、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球のうちで、例えば図2にて矢印a3によって示されるように右始動入賞口5Rに進入した遊技球は、図2にて矢印a6によって示されるように第2始動入賞口スイッチ(右)41Rによって検出される。
【0035】
図2に示す転動板51は、支持部材52によって第2普通可変入賞球装置5B内にて回転量を変更可能に設置されている。支持部材52は、例えばリンク機構を介してモータ53(図5)に連結されている。図2は、転動板51における回転量が0度(水平)となっている場合を示している。これに対して、図3(A)は転動板51の回転量が左傾5度となっている場合を示し、図3(B)は転動板51の回転量が左傾10度となっている場合を示し、図3(C)は転動板51の回転量が右傾5度となっている場合を示し、図3(D)は転動板51の回転量が右傾10度となっている場合を示している。このように転動板51の回転量を調整して設定することにより、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれに振り分けられて進入するかの割合を示す入球振分率を、変更可能に設定することができる。
【0036】
図4は、転動板51の回転量に応じた入球振分率の設定の一例を示している。図4に示す例では、転動板51の回転量が0度(水平)であるときに、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにも1/3の割合で振り分けられて進入する。これに対して、転動板51の回転量が左傾5度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、5/8の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/4の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、1/8の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。転動板51の回転量が左傾10度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、7/10の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/5の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、1/10の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。転動板51の回転量が右傾5度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、1/8の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/4の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、5/8の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。転動板51の回転量が右傾10度であるときには、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が、1/10の割合で左始動入賞口5Lに振り分けられて進入し、1/5の割合で中始動入賞口5Cに振り分けられて進入し、7/10の割合で右始動入賞口5Rに振り分けられて進入する。このように、転動板51は、その回転量に応じて異なる複数の振分態様のいずれかにより、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けて進入させることができる。
【0037】
第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bは、図示せぬソレノイドによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を、それぞれ備えて構成されている。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、閉成した状態にある。他方、第1可変表示装置4Aや第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイドによって入賞領域を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにて開閉板が開成しているときに入賞領域に遊技球が入賞した場合には、所定の大入賞口スイッチによって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の賞球の払出が行われる。
【0038】
第1及び第2始動入賞記憶表示器7A、7Bは、例えばLED等から構成されている。第1始動入賞記憶表示器7Aは、第1特図保留記憶部121A(図10)の記憶内容に基づき、第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が進入して第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件)が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第1始動入賞記憶表示器7Aでは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの保留記憶数に対応した個数のLEDが点灯される。また、第2始動入賞記憶表示器7Bは、第2特図保留記憶部121B(図10)の記憶内容に基づき、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設けられた左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに遊技球が進入して第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件(第2開始条件)が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第2始動入賞記憶表示器7Bでは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの保留記憶数に対応したLEDが点灯される。
【0039】
また、遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口、普通図柄表示器等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
【0040】
パチンコ遊技機1には、図5に示すような主基板11と、表示制御基板12とが搭載されている。主基板11と表示制御基板12は、パチンコ遊技機1の背面にて適所に配置され、両基板の間に、例えば表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線が配線されている。また、主基板11と表示制御基板12の間には、ストローブ信号を送受信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。この他、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。なお、表示制御基板12は、音声制御基板やランプ制御基板等とともに1つの基板を構成してもよいし、これらの基板とは独立して設けられてもよい。主基板11には、例えば第1普通可変入賞球装置5Aにて遊技球を検出する第1始動入賞口スイッチ41aや、第2普通可変入賞球装置5Bにて左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに進入した遊技球を検出する左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41R、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bに設けられた大入賞口スイッチ、及びその他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するためのスイッチなどを含んだ各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。
【0041】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12や払出制御基板などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1及び第2可変表示装置4A、4Bを構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより、第1及び第2可変表示装置4A、4Bにおける特別図柄の可変表示を制御する。
【0042】
主基板11から表示制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば表示制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される表示制御コマンドである。表示制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。この表示制御コマンドとしては、例えば、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、第1及び第2可変表示開始コマンド、第1及び第2可変表示終了コマンド、第1及び第2可変表示進行停止コマンド、第1及び第2可変表示進行再開コマンドなどが、予め用意されている。その他、背景変更コマンドや、大当り終了コマンド、振分率報知演出コマンドなども、予め用意されている。
【0043】
第1及び第2可変表示開始コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特別図柄の可変表示が開始されるときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには第1可変表示開始コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるときには第2可変表示開始コマンドが送信される。第1及び第2可変表示開始コマンドはそれぞれ、特別図柄の可変表示が開始されてから確定図柄が停止表示されるまでの時間である特別図柄の可変表示時間や、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるかハズレとなるか、大当りとなるときには通常大当りとなるか確変大当りとなるか、などを示すEXTデータを含んでいる。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示開始コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示を開始する一方、第2可変表示開始コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示を開始する。第1及び第2可変表示終了コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれにおける特別図柄の可変表示が終了するときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が終了するときには第1可変表示終了コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が終了するときには第2可変表示終了コマンドが送信される。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示終了コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cにて可変表示されていた飾り図柄を減速・停止表示させることにより確定図柄となる飾り図柄の組合せを導出表示させる一方、第2可変表示終了コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dにて可変表示されていた飾り図柄を減速・停止表示させることにより確定図柄となる飾り図柄の組合せを導出表示させる。
【0044】
第1及び第2可変表示進行停止コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が停止されるときには第1可変表示進行停止コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示の進行が停止されるときには第2可変表示進行停止コマンドが送信される。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示の進行を停止(中断)させる一方、第2可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示の進行を停止(中断)させる。第1及び第2可変表示進行再開コマンドは、可変表示の進行が停止されている特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示の進行を再び開始させるときに送信されるコマンドであり、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を再開させるときには第1可変表示進行再開コマンドが送信される一方、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を再開させるときには第2可変表示進行再開コマンドが送信される。表示制御基板12の側では、例えば第1可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して第3可変表示装置4Cにて停止(中断)されていた飾り図柄の可変表示の進行を再開させる一方、第2可変表示進行再開コマンドを受信したことに応答して第4可変表示装置4Dにて停止(中断)されていた飾り図柄の可変表示の進行を再開させる。
【0045】
背景変更コマンドは、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるときに、第4可変表示装置4Dにて表示される背景の変更を指示するために送信されるコマンドである。図6(A)〜(E)は、この実施の形態にて第4可変表示装置4Dにて表示可能な背景を例示する図である。この実施の形態では、第4可変表示装置4Dが、主基板11からの背景変更コマンドに応答して、図6(A)に示すような背景「雲」と、図6(B)に示すような背景「星」と、図6(C)に示すような背景「山&太陽」と、図6(D)に示すような背景「雨」と、図6(E)に示すような背景「噴火山」とのいずれかを、切り替えて表示することができる。また、この実施の形態では、第3可変表示装置4Cにて表示される背景が、図6(A)に示すような背景「雲」であるものとする。
【0046】
大当り終了コマンドは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなったことにより大当り遊技状態に制御された後、当該大当り遊技状態が終了するときに送信されるコマンドである。振分率報知演出コマンドは、第2普通可変入賞球装置5Bにおいて転動板51による遊技球の振分態様が変更されることにより入球振分率が変化するときに送信されるコマンドである。表示制御基板12の側では、振分率報知演出コマンドを受信したことに応答して、第4可変表示装置4Dにて、転動板51による遊技球の振分態様が変化した旨を報知するための演出表示を行わせる。
【0047】
主基板11は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107、モータ回路108などを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103、CPU103とは独立して乱数の生成を行う乱数回路104及びI/O(Input/Output)ポート105を含んでいる。スイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。モータ回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従ってモータ53を駆動する。
【0048】
乱数回路104では、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、CPU103は、乱数回路104による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、大当り判定用乱数や確変判定用乱数、確変終了判定用乱数、確定図柄決定用乱数、可変表示時間決定用乱数、入球振分設定用乱数等として用いられる数値データをカウント可能に制御する。大当り判定用乱数は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを判定するために用いられる乱数であり、例えば「0」〜「299」の範囲の値をとる。確変判定用乱数は、特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときに、確変大当りとするか通常大当りとするかを判定するために用いられる乱数である。確変終了判定用乱数は、確変制御による高確率状態において第1普通可変入賞球装置5A、あるいは第2普通可変入賞球装置5Bにおける左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかにて遊技球が検出されたことに基づいて、確変制御による高確率状態を終了するか否かを判定するために用いられる乱数であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。確定図柄決定用乱数は、特図ゲームにおける特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる乱数である。可変表示時間決定用乱数は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定するために用いられる乱数である。入球振分率設定用乱数は、所定の条件が成立したときに、第2普通可変入賞球装置5Bにおける転動板51が遊技球を振り分ける振分態様を決定することにより入球振分率を設定するために用いられる乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記以外の乱数が用いられてもよい。また、上記の乱数の全部又は一部が、CPU103にて実行されるプログラムによるソフトウェア上でカウントされる数値データとして生成されてもよい。
【0049】
ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを記憶する。この判定テーブルには、特図ゲームにて確定図柄を大当り組合せとするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、確変終了判定テーブルなどが含まれている。
【0050】
図7(A)は、大当り判定テーブルの1つである第1通常時大当り判定テーブル150の構成例を示し、図7(B)は、第1通常時大当り判定テーブル150とは設定が異なる大当り判定テーブルの1つである第2通常時大当り判定テーブル151の構成例を示している。また、図7(C)は、第1及び第2通常時大当り判定テーブル150、151とは設定が異なる大当り判定テーブルの1つである確変時大当り判定テーブル152の構成例を示している。図7(A)〜(C)に示すように、第1及び第2通常時大当り判定テーブル150、151と確変時大当り判定テーブル152はいずれも、大当り判定用乱数の値と、「大当り」とするか「ハズレ」とするかの判定結果とを対応付ける設定データから構成されている。ここで、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150と、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151と、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152とでは、「大当り」とするか「ハズレ」とするかの判定結果に対する大当り判定用乱数の値の割当てが互いに異なっている。従って、第1通常時大当り判定テーブル150を用いて大当りとするか否かの大当り判定を行うときと、第2通常時大当り判定テーブル151を用いて大当り判定を行うときと、確変時大当り判定テーブル152を用いて大当り判定を行うときとでは、互いに異なる判定割合で、大当りとする旨の判定がなされることになる。具体的には、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を用いたときには1/100の確率で大当りとする旨の判定がなされる一方、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を用いたときには10/100の確率で大当りとする旨の判定がなされる。すなわち、第2通常時大当り判定テーブル151では、第1通常時大当り判定テーブル150に比べて高い割合で大当りとする旨の判定がなされるように、決定用データが大当りとするかハズレとするかの判定結果に割り振られている。また、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152を用いたときには20/100の確率で大当りとする旨の判定がなされる。
【0051】
図8(A)は、確変終了判定テーブルの1つである第1確変終了判定テーブル153の構成例を示し、図8(B)は、第1確変終了判定テーブル153とは設定が異なる確変終了判定テーブルの1つである第2確変終了判定テーブル154の構成例を示している。また、図8(C)は、第1及び第2確変終了判定テーブル153、154とは設定が異なる確変終了判定テーブルの1つである第3確変終了判定テーブル155の構成例を示し、図8(D)は、第1〜第3確変終了判定テーブル153〜155とは設定が異なる確変終了判定テーブルの1つである第4確変終了判定テーブル156の構成例を示している。
【0052】
図8(A)〜(D)に示すように、第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156はいずれも、確変終了判定用乱数の値と、「確変終了」とするか「確変継続」とするかの判定結果とを対応付ける設定データから構成されている。ここで、図8(A)〜(D)に示す第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156では、「確変終了」とするか「確変継続」とするかの判定結果に対する確変終了判定用乱数の値の割当てが、互いに異なっている。従って、第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156のいずれか1つを用いて確変制御による高確率状態を終了するか否かの確変終了判定を行うときには、他の確変終了判定テーブルを用いて確変終了判定を行うときとは異なる判定割合で、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされることになる。具体的には、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いたときには5/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされる一方、図8(B)に示す第2確変終了判定テーブル154を用いたときには10/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされることになる。また、図8(C)に示す第3確変終了判定テーブル155を用いたときには20/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされる一方、図8(D)に示す第4確変終了判定テーブル156を用いたときには30/100の確率で確変終了とする旨の判定がなされることになる。すなわち、第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156はいずれも、第1確変終了判定テーブル153に比べて高い割合で確変終了とする旨の判定がなされるように、決定用データが確変継続とするか確変終了とするかの判定結果に割り振られている。
【0053】
また、ROM101には、図9に示すような入球振分設定テーブル157が格納されている。入球振分設定テーブル157は、入球振分設定用乱数の値と、転動板51における遊技球の振分態様に対応して定められた入球振分モードのうちのモード値「1」〜「4」とを対応付ける設定データから構成されている。ここで、入球振分モード値「1」は転動板51の回転量が左傾5度であるときに対応し、入球振分モード値「2」は転動板51の回転量が左傾10度であるときに対応し、入球振分モード値「3」は転動板51の回転量が右傾5度であるときに対応し、入球振分モード値「4」は転動板51の回転量が右傾10度であるときに対応している。なお、後述するように、入球振分モード値「0」が、転動板51の回転量が0度(水平)であるときに対応している。
【0054】
RAM102には、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームの実行を制御するために用いられる各種のデータを保持する可変表示用データ保持エリア120が設けられている。図10は、可変表示用データ保持エリア120の一構成例を示している。図10に示すように、可変表示用データ保持エリア120は、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bと、第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bと、入球振分モードメモリ123と、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124と、確変カウンタ125とを備えている。
【0055】
第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bは、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれかに遊技球が進入して第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていたり、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して記憶する。例えば、第1特図保留記憶部121Aは、第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が進入したことによる第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データや、確変終了判定用乱数の値を示す数値データを、それらの数値データが抽出された順番に従って、記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで保留番号と対応付けて記憶する。また、第2特図保留記憶部121Bは、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設けられた左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに遊技球が進入したことによる第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データと、確変終了判定用乱数の値を示す数値データと、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて遊技球が検出されたかを示す始動入賞口データとを、記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで保留番号と対応付けて記憶する。
【0056】
第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bはそれぞれ、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのうち対応するものによる特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間を、メイン側で計測するためのものである。例えば、第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bはそれぞれ、特図ゲームにおける特別図柄の残り可変表示時間に対応したタイマ値を記憶し、定期的にタイマ値をカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、第1可変表示時間タイマ122Aには、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して、可変表示時間決定用乱数などを用いて決定された特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値が設定される。他方、第2可変表示時間タイマ122Bには、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるに際して、可変表示時間決定用乱数などを用いて決定された特別図柄の可変表示時間に対応したタイマ初期値が設定される。なお、第1及び第2可変表示時間タイマ122A、122Bは、RAM102とは別に設けたタイマ回路あるいはカウンタ回路などによって構成してもよい。
【0057】
入球振分モードメモリ123は、乱数回路104等から抽出した入球振分設定用乱数の値に基づき、図9に示す入球振分設定テーブル157を参照して決定された入球振分モードの値を一時的に記憶するためのものである。大当り終了後ゲーム回数カウンタ124は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなったことによりパチンコ遊技機1が大当り遊技状態となった後、当該大当り遊技状態が終了してから第2可変表示装置4Bにより行われる特図ゲームの実行回数をカウントするためのものである。
【0058】
確変カウンタ125は、確変制御が行われる高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変カウンタ125には、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了したときに、高確率状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数(例えば「100」)を示すデータが、初期値として設定される。そして、高確率状態にて可変表示結果がハズレとなる特図ゲームが実行されるごとに、確変カウンタ125のカウント値が1減算される。
【0059】
この他、RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から伝送された信号等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリアや、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを格納する遊技制御タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、RAM102とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0060】
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して、特別図柄プロセスフラグ(第1及び第2特別図柄プロセスフラグ)、大当りフラグ(第1及び第2大当りフラグ)、確変確定フラグ(第1及び第2確変確定フラグ)などが設けられている。その他、遊技制御フラグ設定エリアには、確変中フラグや可変表示進行停止フラグ、背景変更フラグ、入球振分モードフラグなどが設けられている。
【0061】
第1及び第2特別図柄プロセスフラグは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して実行される第1及び第2特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1及び第2大当りフラグは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。第1及び第2確変確定フラグは、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれによる特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りにする旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときには、確変確定フラグはクリアされてオフ状態になる。
【0062】
確変中フラグは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに第1確変確定フラグがオンとなっている場合、オン状態にセットされる。また、確変中フラグは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなることにより大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態が終了するときに第2確変確定フラグがオンとなっている場合にも、オン状態にセットされる。他方、確変中フラグは、確変カウンタ125におけるカウント値が「0」となったときや、通常大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了するときなどに、クリアされてオフ状態となる。可変表示進行停止フラグは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなったときに第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合、あるいは第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなったときに第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われている場合に、オン状態にセットされる。他方、大当り遊技状態が終了するときに可変表示進行停止フラグがオンとなっている場合には、可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となる。
【0063】
入球振分モードフラグは、転動板51における回転量や第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて表示される背景と対応付けられた入球振分モードのモード値を示し、例えば“0”〜“4”の範囲の値が設定される。図11は、入球振分モードフラグの値と、転動板51の回転量、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて表示される背景との対応関係を示す説明図である。図11に示すように、入球振分モードフラグの値が“0”であるときには、転動板51の回転量が0度(水平)に設定され、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて表示される背景がいずれも、図6(A)に示す背景「雲」に設定される。また、入球振分モードフラグの値が“1”であるときには、転動板51の回転量が左傾5度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(B)に示す背景「星」に設定される。入球振分モードフラグの値が“2”であるときには、転動板51の回転量が左傾10度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(C)に示す背景「山&太陽」に設定される。入球振分モードフラグの値が“3”であるときには、転動板51の回転量が右傾5度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(D)に示す背景「雨」に設定される。入球振分モードフラグの値が“4”であるときには、転動板51の回転量が右傾10度に設定され、第3可変表示装置4Cにて表示される背景は図6(A)に示す背景「雲」である一方、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が図6(E)に示す背景「噴火山」に設定される。
【0064】
表示制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにおける表示動作などの制御を行うものである。例えば、表示制御基板12は、主基板11から送信される表示制御コマンドに基づいて第3及び第4可変表示装置4C、4Dに画像の切替表示を行わせることにより、第1及び第2可変表示装置4A、4Bによる特別図柄の可変表示中や可変表示の停止中における各種の表示による演出を可能とする。
【0065】
図12は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路110と、リセット回路111と、表示制御用のCPU112と、ROM113と、RAM114と、VDP(Video Display Processor)115と、CGROM116と、VRAM(Video RAM)117とを備えている。なお、VDP115、CGROM116、VRAM117は、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して複数設けられていてもよいし、1つずつの構成とされていてもよい。
【0066】
発振回路110は、CPU112、VDP115に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路111は、CPU112、VDP115をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU112は、主基板11からの表示制御コマンドを受信するとRAM114を作業領域として用いながらROM113から演出制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU112は、読み出した制御データに基づいてVDP115に描画命令を送る。
【0067】
ROM113は、CPU112によって実行される各種制御プログラムや固定パラメータなどを格納する半導体メモリである。また、ROM113には、第3及び第4可変表示装置4C、4Dによる飾り図柄の可変表示態様や、入球振分率が変更されたことを報知するために行われる入球振分率報知演出における第3及び第4可変表示装置4C、4Dによる表示態様などを制御するために用いられる複数種類の表示制御テーブルデータが格納されている。例えば、各表示制御テーブルデータは、時系列的に連記された複数の可変表示時間タイマ値及び表示制御データの組合せ、及び終了コードを含んで構成され、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間(あるいは特図ゲームにおける特別図柄の残り可変表示時間)に対応して、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける飾り図柄の可変表示速度や表示位置、大きさ、表示色、背景画像、その表示状態での表示期間、及びその他の演出表示に関する情報等が予め設定されている。
【0068】
各表示制御テーブルデータに含まれる複数の表示制御データは、例えばCGROM116における画像データの読出位置を指定する読出制御情報などからなる表示制御情報として構成されている。ここで、CGROM116における画像データの読出位置としては、例えば画像データの記憶アドレスや画像データを格納するファイル名、画像データがストリーム型式の動画像データである場合にストリーム毎に割り当てられた識別番号等を指定しておけばよい。CPU112は、ROM113に格納されている表示制御テーブルデータを参照することにより、RAM114の表示制御タイマ設定エリアに設けられた表示制御時間タイマにおけるタイマ値に対応して、画像の再生期間(再生位置)を決定することができ、VDP115に対して描画命令を送出することで、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける画像の表示態様を制御することができる。
【0069】
RAM114は、CPU112によって作業領域として利用される半導体メモリである。RAM114には、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける表示状態や主基板11からの表示制御コマンドなどに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための表示制御フラグ設定エリアや、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける表示動作を制御するために用いられる各種の時間を計測するべく複数種類のタイマ値を示すデータを格納する表示制御タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、RAM114とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0070】
表示制御フラグ設定エリアには、例えば、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して、表示制御プロセスフラグ(第1及び第2表示制御プロセスフラグ)などが設けられている。第1及び第2表示制御プロセスフラグは、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して実行される第1及び第2表示制御プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。また、表示制御フラグ設定エリアには、進行停止中フラグが設けられている。進行停止中フラグは、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を実行中に主基板11から第1可変表示進行停止コマンドを受信したことや、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を実行中に主基板11から第2可変表示進行停止コマンドを受信したことに応答して、オン状態にセットされる。そして、主基板11から第1及び第2可変表示進行再開コマンドのいずれかを受信したときに、進行停止中フラグはクリアされてオフ状態となる。
【0071】
表示制御タイマ設定エリアには、例えば、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれに対応して、表示制御時間タイマ(第1及び第2表示制御時間タイマ)としての機能を実現するためのタイマ値を示すデータが格納される領域を備えている。第1及び第2表示制御時間タイマはそれぞれ、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのうちで対応付けられたものによる飾り図柄の可変表示時間や、入球振分率報知演出の実行時間を、サブ側で計測するために用いられるダウンカウンタである。
【0072】
VDP115は、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにて画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、CPU112からの描画命令に従った画像処理を実行する。また、CPU112とは独立した二次元アドレス空間を持ち、そこにVRAM117をマッピングしている。例えば、VDP115は、CGROM116から読み出したデータに従って画像データを生成し、VRAM117上に展開する。そして、第3及び第4可変表示装置4C、4Dに対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、第3及び第4可変表示装置4C、4Dはそれぞれ、VDP115からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が異なる数であってもよい。
【0073】
CGROM116は、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM116には、第3及び第4可変表示装置4C、4Dに表示される中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM117は、VDP115によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0074】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が所定の遊技制御メイン処理を実行する。この遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の各部位の動作を初期化するとともに所定の初期設定などが行われる。こうした遊技制御メイン処理を実行することにより、CPU103では定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にタイマ割込みが発生するように設定される。
【0075】
図13は、タイマ割込みが発生するごとに実行される遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU103にてタイマ割込みが発生すると、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要であれば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、乱数回路104でカウントされる判定用の乱数を更新する判定用乱数更新処理(ステップS13)や、表示用の乱数を更新する表示用乱数更新処理(ステップS14)が、順次に実行される。なお、乱数回路104によって生成されたハードウェア乱数としての乱数のみが使用され、なおかつ、乱数回路104がCPU103からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS13やステップS14の処理が実行されなくてもよい。
【0076】
次に、CPU103は、始動入賞処理を実行する(ステップS15)。始動入賞処理では、普通可変入賞球装置5への遊技球の入賞が始動入賞口スイッチによって検出されたときに、大当り判定用乱数の値を示す数値データを乱数回路104等から抽出して、第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bのいずれかに記憶させる処理などを実行する。この後、CPU103は、第1特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値を遊技状態に応じて更新し、第1可変表示装置4Aにおける表示動作の制御や第1特別可変入賞球装置6Aの開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。第1特別図柄プロセス処理に続いて、第2特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS17)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第2特別図柄プロセスフラグの値を遊技状態に応じて更新し、第2可変表示装置4Bにおける表示動作の制御や第2特別可変入賞球装置6Bの開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0077】
第2特別図柄プロセス処理に続いて、第1普通図柄プロセス処理を実行することにより(ステップS18)、第1普通可変入賞球装置5Aに対応して遊技領域内などに設けられた第1普通図柄表示器における表示動作(例えば7セグメントLEDやランプの点灯、点滅、消灯など)を制御して、第1普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や第1普通可変入賞球装置5Aにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能とする。また、第1普通図柄プロセス処理に続いて第2普通図柄プロセス処理を実行することにより(ステップS19)、第2普通可変入賞球装置5Bに対応して遊技領域内などに設けられた第2普通図柄表示器における表示動作を制御して、第2普通図柄の可変表示や第2普通可変入賞球装置5Bにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能とする。
【0078】
また、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS20)。さらに、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート105に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS21)。この情報出力処理では、主基板11から所定の情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送信も行われる。
【0079】
この後、CPU103は、モータ回路108を介してモータ53に対して駆動信号を出力し、支持部材52に駆動力を伝達させて転動板51の回転量を制御するためのモータ制御処理を実行する(ステップS22)。続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置5における可動翼片の傾動制御や第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにおける開閉板の開閉制御を行う(ステップS23)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、所定の払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS24)。
【0080】
図14は、始動入賞処理として、図13に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU103は、まず、第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が進入したか否かを、例えば各入賞口スイッチ70に含まれる第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号をチェックすることなどによって、判定する(ステップS201)。遊技球が第1普通可変入賞球装置5Aに進入して第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS201;Yes)、第1可変表示装置4Aに対応して可変表示用データ保持エリア120に設けられた第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値(例えば「4」)以上であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、第1特図保留記憶部121Aにおいて保留番号の上限値に対応した大当り判定用乱数の値が格納されている場合には、保留記憶数が上限値に達していると判定される。
【0081】
第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS202;No)、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数を1加算するとともに(ステップS203)、乱数回路104等により更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS204)。CPU103は、このとき抽出した乱数値を示す数値データを、第1特図保留記憶部121Aにおける空エントリの先頭にセットすることで格納する(ステップS205)。この際には、例えば第1始動入賞記憶表示器7Aにて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第1始動入賞記憶表示器7Aの点灯制御を行うようにしてもよい。
【0082】
この後、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS206)。ここで、確変中フラグは、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態となっているときにはオンとなっている。ステップS206にて確変中フラグがオンとなっている旨の判定がなされたときには(ステップS206;Yes)、例えば乱数回路104等により更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS207)。続いて、ステップS207にて抽出した乱数値を示す数値データを、ステップS205にて大当り判定用乱数の値を示す数値データを格納したエントリと同一のエントリにセットすることで、第1特図保留記憶部121Aに格納する(ステップS208)。
【0083】
ステップS201にて第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、ステップS206にて確変中フラグがオフである場合(ステップS206;No)、あるいは、ステップS208の処理を実行した後には、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が図2にて矢印a1〜a3によって示すように左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入したか否かを判定する(ステップS209)。例えば、各入賞口スイッチ70に含まれ左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rそれぞれにて遊技球を検出する左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41Rからの検出信号をチェックすることなどによって、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入したか否かを判定することができる。遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにも進入していないために左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41Rからの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS209;No)、始動入賞処理を終了する。
【0084】
他方、遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入して左・中・右の第2始動入賞口スイッチ41L、41C、41Rのいずれかからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS209;Yes)、第2可変表示装置4Bに対応して可変表示用データ保持エリア120に設けられた第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS210)。このとき、第2特図保留記憶部121Bにおいて保留番号の上限値に対応した大当り判定用乱数の値が格納されている場合には、保留記憶数が上限値に達していると判定される。保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS210;Yes)、そのまま始動入賞処理を終了する。
【0085】
ステップS210にて第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS210;No)、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数を1加算するとともに(ステップS211)、乱数回路104等によって更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS212)。CPU103は、このとき抽出した乱数値を示す数値データを、第2特図保留記憶部121Bにおける空エントリの先頭にセットすることで格納する(ステップS213)。この際には、例えば第2始動入賞記憶表示器7Bにて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第2始動入賞記憶表示器7Bの点灯制御を行うようにしてもよい。
【0086】
この後、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS214)。そして、確変中フラグがオンとなっている旨の判定がなされたときには(ステップS214;Yes)、例えば乱数回路104等により更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS215)。続いて、ステップS215にて抽出した乱数値を示す数値データを、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて遊技球が検出されたかを示す始動入賞口データとともに、ステップS213にて大当り判定用乱数の値を示す数値データを格納したエントリと同一のエントリにセットすることで、第2特図保留記憶部121Bに格納する(ステップS216)。他方、確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS214;No)、ステップS215及びS216を実行することなく始動入賞処理を終了する。
【0087】
図15は、第1特別図柄プロセス処理として、図13に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す第1特別図柄プロセス処理では、第1可変表示装置4Aに対応してRAM102等の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜S116の各処理を実行する。
【0088】
ステップS110の特別図柄通常処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、第1特図保留記憶部121Aに格納されたデータに基づいて第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。ステップS111の可変表示開始時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定図柄を設定する処理や、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。ステップS111にて設定された確定図柄や特別図柄の可変表示時間に対応して、例えば所定のコマンド送信テーブルに制御データがセットされるなどして、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドが送信可能に設定される。その後、図13に示すステップS19のコマンド制御処理が実行されることにより、第1可変表示開始コマンドが、主基板11から表示制御基板12に対して送信される。
【0089】
ステップS112の可変表示制御処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、第1可変表示装置4Aに対応して可変表示用データ保持エリア120に設けられた第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値に基づいて、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。ステップS113の可変表示停止時処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理は、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が終了することを示す第1可変表示終了コマンドを、表示制御基板12に対して送信するための設定を行う処理等を含んでいる。
【0090】
ステップS114の大入賞口開放前処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理は、第1特別可変入賞球装置6Aにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。ステップS115の大入賞口開放中処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、第1特別可変入賞球装置6Aにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第1特別可変入賞球装置6Aにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。ステップS116の大当り終了処理は、第1特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、第1特別可変入賞球装置6Aによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば表示制御基板12に対して大当りの終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
【0091】
図16は、図15のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを判定するなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているか否かを判定する(ステップS221)。パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているときには(ステップS221;Yes)、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するための開始条件(第1開始条件)を成立させないものと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0092】
他方、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていないときには(ステップS221;No)、例えば第1特図保留記憶部121Aの先頭エントリ(保留番号「1」に対応するエントリ)に乱数値を示す数値データがセットされているか否かをチェックするなどして、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する(ステップS222)。先頭エントリに乱数値を示す数値データが記憶されていないため保留記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS222;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0093】
これに対して、保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS222;No)、第1特図保留記憶部121Aから保留番号「1」に対応して記憶されている格納データを読み出す(ステップS223)。この際には、第1特図保留記憶部121Aにおける保留記憶数を1減算するとともに、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値を示す数値データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS224)。なお、ステップS224にて保留記憶数を1減算するときには、例えば第1始動入賞記憶表示器7Aにて点灯されているLEDのうちの1つ(一例として、点灯されているLEDのうち右端のLED)を消灯させるなど、第1始動入賞記憶表示器7Aの消灯制御を行うようにしてもよい。
【0094】
その後、CPU103は、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態となっているときに当該高確率状態を終了するか否かを判定する第1確変終了判定処理を実行する(ステップS225)。続いて、ステップS223にて読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値を示す数値データに基づき、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄を停止表示するか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップS226)。この大当り判定処理を実行した結果として、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS227)、オンとなっているときには(ステップS227;Yes)、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りとするか通常大当りとするかを判定する確変判定処理を実行する(ステップS228)。この確変判定処理では、例えば乱数回路104等から抽出した確変判定用乱数の値を示す数値データに基づき、ROM101等に予め格納された確変判定テーブルを参照するなどして、確変大当りとするか通常大当りとするかの判定が行われる。この確変判定処理による判定結果が確変大当りであるか否かを判別し(ステップS229)、確変大当りであるときには(ステップS229;Yes)第1確変確定フラグをオン状態にセットする一方(ステップS230)、通常大当りであるときには(ステップS229;No)第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS231)。ステップS227にて第1大当りフラグがオフであると判定したときや(ステップS227;No)、ステップS230もしくはステップS231の処理を実行した後には、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS232)。
【0095】
図17は、図16に示すステップS225にて実行される第1確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す第1確変終了判定処理を開始すると、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS501)。そして、確変中フラグがオフであるときには(ステップS501;No)、そのまま第1確変終了判定処理を終了する。これに対して、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS501;Yes)、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いた確変終了判定を行う(ステップS502)。すなわち、図16のステップS223にて第1特図保留記憶部121Aから読み出された格納データに含まれる確変終了判定用乱数の値に基づき、第1確変終了判定テーブル153を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了させるか継続させるかの判定を行う。そして、確変終了判定用乱数の値に対応した判定結果が確変終了であるか否かを判定し(ステップS503)、確変終了であるときには(ステップS503;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタ125におけるカウント値を「0」に設定して初期化する(ステップS504)。他方、ステップS503にて判定結果が確変継続であるときには(ステップS503;No)、ステップS504の処理を実行せずに、第1確変終了判定処理を終了する。
【0096】
図18は、図16に示すステップS226にて実行される大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り判定処理を開始すると、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS401)。確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS401;Yes)、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152を設定する(ステップS402)。続いて、確変カウンタ125におけるカウント値を1減算して(ステップS403)、減算された確変カウンタ125のカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS404)。そして、確変カウンタ125のカウント値が「0」となったときには(ステップS404;Yes)、高確率状態を終了すると判断して確変中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS405)。これに対して、確変カウンタ125のカウント値が「0」以外であるときには(ステップS404;No)、ステップS405の処理をスキップして、ステップS407の処理に進む。
【0097】
また、ステップS401にて確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS401;No)、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を設定する(ステップS406)。この後、図16のステップS223にて第1特図保留記憶部121Aから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、ステップS402またはS406にて設定した大当り判定テーブルを参照することにより、判定結果が大当りであるかハズレであるかが判別される(ステップS407)。そして、判定結果が大当りであるときには(ステップS407;Yes)、第1大当りフラグをオン状態にセットする一方(ステップS408)、判定結果がハズレであるときには(ステップS407;No)、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS409)。このように、ステップS226にて実行される大当り判定処理では、確変中フラグがオンとなっているかオフとなっているかに応じて設定の異なる大当り判定テーブルを用いて判定を行うことにより、高確率状態となっているときには、大当り遊技状態や高確率状態以外の通常遊技状態であるときよりも高い確率で、可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされることになる。
【0098】
図19は、図15のステップS112にて実行される可変表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示制御処理を開始すると、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS241)。ここで、可変表示進行停止フラグは、例えば第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理において、第2大当りフラグがオンとなっていること、及び第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」以外となっていること(すなわち、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄が可変表示中であること)に基づき、第1可変表示進行停止コマンドを表示制御基板12に対して送出したときに、オン状態にセットされる。可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS241;No)、第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS242)。そして、更新された第1可変表示時間タイマ122Aのタイマ値が「0」となったか否かを判定する(ステップS243)。第1可変表示時間タイマ122Aのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS243;Yes)、第1特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS244)。他方、ステップS243にて第1可変表示時間タイマ122Aのタイマ値が「0」以外であると判定されたときには(ステップS243;No)、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示を継続させるために表示動作を制御する設定などを行う(ステップS245)。
【0099】
また、ステップS241にて可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS241;Yes)、ステップS242の処理を実行することなく、ステップS245の処理に進む。これにより、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第1可変表示装置4Aにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測は中断させておく一方、第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示は継続して実行させる。なお、ステップS241にて可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、例えばステップS245の処理とは異なる予め定められた処理を実行するなどして、第1可変表示装置4Aにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、ステップS241にて可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第1可変表示装置4Aにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。
【0100】
図20は、図15のステップS113にて実行される可変表示停止時処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示停止時処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に対して第1可変表示終了コマンドを送信する設定を行う(ステップS251)。また、このときには第1可変表示装置4Aにおける表示動作を制御することにより、確定図柄を停止表示させる(ステップS252)。
【0101】
続いて、第1大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS253)。第1大当りフラグがオンとなっているときには(ステップS253;Yes)、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS254)。ステップS254にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」以外となっている場合には、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が実行されている。そこで、ステップS254にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」以外となっている旨の判定がなされたときには(ステップS254;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に対して第2可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行う(ステップS255)。また、可変表示進行停止フラグをオン状態にセットする(ステップS256)。これにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行中に第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるとき(第1の時点)には、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるための設定が行われることになる。すなわち、ステップS256にて可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより、第2可変表示時間タイマ122Bを用いて行われる第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間の計測が、中断されることになる。
【0102】
ステップS254にて第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値が「0」となっているときには(ステップS254;No)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが実行されていない。従って、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させる必要はないので、ステップS255及びS256の処理はスキップすればよい。この後、第1特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS257)、可変表示停止時処理を終了する。また、ステップS253にて第1大当りフラグがオフとなっているときには(ステップS253;No)、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新して(ステップS258)、可変表示停止時処理を終了する。
【0103】
図21は、図15のステップS116にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理を開始すると、CPU103は、まず、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS271)。また、第1大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS272)。この後、第1確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS273)。
【0104】
ステップS273にて第1確変確定フラグがオンとなっているときには(ステップS273;Yes)、第1確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS274)。また、確変カウンタ125に確変中可変表示回数初期値となるカウント初期値をセットする(ステップS275)。ここで、確変中可変表示回数初期値は、高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残回数初期値(例えば「100」)である。他方、ステップS273にて第1確変確定フラグがオフであるときには(ステップS273;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態とするとともに、確変カウンタ125をクリアして、そのカウント値を「0」に設定する(ステップS276)。
【0105】
この後、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS277)。ここで、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS277;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に第2可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う(ステップS278)。これに加えて、可変表示進行停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS279)。こうして、大当り遊技状態が終了するとき(第2の時点)には、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態となることで第1の時点にて中断された第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が、再開されることになる。ステップS277にて可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS277;No)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されることはないので、ステップS278及びS279の処理はスキップすればよい。これに続いて、第1特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS280)。
【0106】
図13に示すステップS17にて実行される第2特別図柄プロセス処理としては、図15に示した第1特別図柄プロセス処理を第2可変表示装置4Bに適合させた処理が実行されればよい。例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理は、第2特図保留記憶部121Bに格納されたデータに基づいて第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定図柄を設定する処理や、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
【0107】
第2特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される可変表示制御処理は、第2可変表示装置4Bに対応して設けられた第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値に基づいて、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理等を含んでいる。この可変表示制御処理では、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、可変表示進行停止フラグがオフであるときには、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行い、第2可変表示装置4Bにて特別図柄を可変表示させるために表示動作を制御する設定などを行う。これに対して、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第2可変表示時間タイマ122Bにおけるタイマ値を更新せずに、第2可変表示装置4Bにて特別図柄の可変表示が開始されてからの経過時間の計測は中断させておく一方、第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示は継続して実行させる。なお、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第2可変表示装置4Bにて大当り図柄以外のハズレ図柄を停止表示させるようにしてもよい。あるいは、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには、第2可変表示装置4Bにて任意の特別図柄を点滅表示させるようにしてもよい。
【0108】
第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理は、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が終了することを示す第2可変表示終了コマンドを、表示制御基板12に対して送信するための設定を行う処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大入賞口開放前処理は、第2特別可変入賞球装置6Bにおける開閉板を開閉するなどの大当り動作における初期化処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理は、第2特別可変入賞球装置6Bにて開閉板を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、第2特別可変入賞球装置6Bにおける1回あたりの開放時間をチェックする処理等を含んでいる。第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理は、第2特別可変入賞球装置6Bによる大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば表示制御基板12に対して大当りの終了を指示する大当り終了コマンドを送信する処理等を含んでいる。
【0109】
図22は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される特別図柄通常処理の一例を示す図である。図22に示す特別図柄通常処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば第1特別図柄プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを判定するなどして、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているか否かを判定する(ステップS291)。パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されているときには(ステップS291;Yes)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するための開始条件(第2開始条件)を成立させないものと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0110】
他方、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていないときには(ステップS291;No)、例えば第2特図保留記憶部121Bの先頭エントリ(保留番号「1」に対応するエントリ)に乱数値を示す数値データがセットされているか否かをチェックするなどして、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する(ステップS292)。先頭エントリに乱数値を示す数値データが記憶されていないため保留記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS292;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
【0111】
これに対して、保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS292;No)、第2特図保留記憶部121Bから保留番号「0」に対応して記憶されている格納データを読み出す(ステップS293)。この際には、第2特図保留記憶部121Bにおける保留記憶数を1減算するとともに、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば、保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された格納データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS294)。なお、ステップS294にて保留記憶数を1減算するときには、例えば第2始動入賞記憶表示器7Bにて点灯されているLEDのうちの1つ(一例として、点灯されているLEDのうち右端のLED)を消灯させるなど、第2始動入賞記憶表示器7Bの消灯制御を行うようにしてもよい。
【0112】
その後、CPU103は、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態となっているときに当該高確率状態を終了するか否かを判定する第2確変終了判定処理を実行する(ステップS295)。続いて、ステップS293にて読み出した格納データに含まれる大当り判定用乱数の値を示す数値データに基づき、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄を停止表示するか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップS296)。ステップS296にて実行される大当り判定処理は、図16に示すステップS226にて実行される大当り判定処理を、第2可変表示装置4Bに適合させた処理である。すなわち、ステップS296にて大当り判定処理が開始されると、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かが判定される。そして、確変中フラグがオンとなっているときには、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(C)に示す確変時大当り判定テーブル152を設定する。続いて、確変カウンタ125におけるカウント値を1減算して、減算された確変カウンタ125のカウント値が「0」となったか否かを判定する。減算された確変カウンタ125のカウント値が「0」となったときには、高確率状態を終了すると判断して確変中フラグをクリアしてオフ状態とする。
【0113】
他方、第2特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される大当り判定処理において確変中フラグがオフである旨の判定がなされたときには、大当りとするかハズレとするかの判定に用いる大当り判定テーブルとして、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を設定する。こうした大当り判定テーブルの設定がなされた後、第2特図保留記憶部121Bから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、設定された大当り判定テーブルを参照することにより、判定結果が大当りであるかハズレであるかが判別される。このときの判定結果が大当りであると判別されると、第2大当りフラグがオン状態にセットされ、ハズレであると判別されると、第2大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
【0114】
CPU103は、こうしたステップS296における大当り判定処理の実行結果として、第2大当りフラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS297)、オンとなっているときには(ステップS297;Yes)、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果を確変大当りとするか通常大当りとするかを判定する確変判定処理を実行する(ステップS298)。この確変判定処理による判定結果が確変大当りであるか否かを判別し(ステップS299)、確変大当りであるときには(ステップS299;Yes)第2確変確定フラグをオン状態にセットする一方(ステップS300)、通常大当りであるときには(ステップS299;No)第2確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。
【0115】
ステップS300またはステップS301の処理に続いて、CPU103は、入球振分率設定処理を実行することにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなることに基づいて転動板51の回転量を設定して遊技球の振分態様を決定する(ステップS302)。すなわち、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて可変表示結果を大当りにする旨の判定がなされたことから、転動板51による入球振分率を変更するための所定の条件が成立したとして、転動板51における遊技球の振分態様を決定するための処理を実行する。ステップS297にて第2大当りフラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS297;No)、ステップS298〜S302の処理がスキップされて、ステップS303の処理に進む。ステップS303において、CPU103は、第2特別図柄プロセスフラグの値を可変表示開始時処理に対応した値である“1”に更新する。
【0116】
図23は、図22のステップS295にて実行される第2確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す第2確変終了判定処理を開始すると、CPU103は、まず、確変中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS511)。そして、確変中フラグがオフであるときには(ステップS511;No)、そのまま第2確変終了判定処理を終了する。これに対して、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS512;Yes)、図22に示すステップS293にて読み出した格納データに含まれる始動入賞口データに基づき、遊技球が検出された始動入賞口が左始動入賞口5Lであるか否かを判定する(ステップS512)。ステップS512にて左始動入賞口5Lである旨の判定がなされたときには(ステップS512;Yes)、図8(B)に示す第2確変終了判定テーブル154を用いた確変終了判定を行う(ステップS513)。すなわち、図22に示すステップS293にて読み出した格納データに含まれる確変終了判定用乱数の値に基づき、第2確変終了判定テーブル154を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了させるか継続させるかの判定を行う。
【0117】
また、ステップS512にて左始動入賞口5Lではない旨の判定がなされたときには、遊技球が検出された始動入賞口が中始動入賞口5Cであるか否かを判定する(ステップS514)。ステップS514にて中始動入賞口5Cである旨の判定がなされたときには(ステップS514;Yes)、図8(C)に示す第3確変終了判定テーブル155を用いた確変終了判定を行う(ステップS515)。ステップS514にて中始動入賞口5Cではない旨の判定がなされたときには(ステップS514;No)、右始動入賞口5Rにて遊技球が検出されたと判断して、図8(D)に示す第4確変終了判定テーブル156を用いた確変終了判定を行う(ステップS516)。
【0118】
この後、ステップS513、S515、S516のいずれかにおける判定結果が確変終了であるか否かを判定し(ステップS517)、確変終了であるときには(ステップS517;Yes)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変カウンタ125におけるカウント値を「0」に設定して初期化する(ステップS518)。他方、ステップS517にて判定結果が確変継続であるときには(ステップS517;No)、ステップS518の処理を実行せずに、第2確変終了判定処理を終了する。
【0119】
図24は、図22のステップS302にて実行される入球振分率設定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す入球振分率設定処理を開始すると、CPU103は、まず、乱数回路104等によって更新される入球振分設定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS411)。続いて、ステップS411にて抽出した入球振分設定用乱数の値に基づき、図9に示す入球振分設定テーブル157を参照することにより、入球振分モードをモード値「1」〜「4」のいずれかに決定する(ステップS412)。こうして入球振分モードのモード値を決定することにより、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設置された転動板51の回転量が決定されるので、その回転量に応じて図4に示すような入球振分率も決定されることになる。すなわち、ステップS412にて入球振分モードを決定することにより、転動板51による遊技球の振分態様が予め定められた複数の振分態様のいずれかに決定されることになる。このようにして決定された入球振分モードのモード値は、RAM102等の可変表示用データ保持エリア120が備える入球振分モードメモリ123に記憶させて格納しておく(ステップS413)。図22に示すステップS302にて図24に示すような入球振分率設定処理が実行されることで、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされたときに、所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定することができる。
【0120】
図25は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される可変表示開始時処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示開始時処理を開始すると、CPU103は、まず、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果(確定図柄)として停止表示する特別図柄を決定する(ステップS321)。このとき、CPU103は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとするかハズレとするかの判定結果や、大当りとするときには通常大当りとするか確変大当りとするかの判定結果などに応じて、確定図柄として停止表示する特別図柄を決定する。例えば、ステップS321では、第2大当りフラグと第2確変確定フラグがオンとなっているかオフとなっているかを判定する。このとき、第2大当りフラグと第2確変確定フラグがともにオンとなっている場合には、確変大当り図柄である「7」を示す特別図柄を確定図柄に決定する。これに対して、第2大当りフラグはオンとなっているが第2確変確定フラグがオフとなっている場合には、通常大当り図柄である「3」を示す特別図柄を確定図柄に決定する。他方、第2大当りフラグがオフとなっているときには、「3」及び「7」を示す大当り図柄以外のハズレ図柄のうちから、確定図柄とするものを選択して決定する。
【0121】
続いて、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を、予め定められた複数種類の可変表示時間からいずれかを選択することにより決定する(ステップS322)。ステップS322にて特別図柄の可変表示時間を決定した後には、背景変更フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS323)。ここで、背景変更フラグは、後述する図27(A)に示すステップS356または図29に示すステップS390にてオン状態にセットされる。背景変更フラグがオンとなっているときには(ステップS323;Yes)、例えば入球振分モードフラグの値に対応した制御データを所定のコマンド送信テーブルにセットするなどして、表示制御基板12に対して背景変更コマンドを送信する設定を行う(ステップS324)。この際に送信設定がなされた背景変更コマンドは、第2特別図柄プロセス処理が終了した後に実行されるステップS20のコマンド制御処理(図13)にて、後述するステップS326にて送信設定がなされる第2可変表示開始コマンドとともに、主基板11から表示制御基板12に対して送信されることになる。すなわち、ステップS324にて送信設定がなされた背景変更コマンドは、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときに、表示制御基板12に対して送信される。ステップS324に続いて、背景変更フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS325)。
【0122】
ステップS323にて背景変更フラグがオフである旨の判定がなされたときや(ステップS323;No)、ステップS325の処理を実行した後には、表示制御基板12に対して第2可変表示開始コマンドを送信する設定を行う(ステップS326)。このときには、例えばステップS321にて決定した確定図柄や、ステップS322にて決定した可変表示時間に対応して、所定の制御データをコマンド送信テーブルにセットすることなどにより、表示制御基板12に対して第2可変表示開始コマンドを送信するための設定を行うことができる。続いて、例えばステップS322にて決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を第2可変表示時間タイマ122Bに設定するなどして、第2可変表示装置4Bにおける各セグメントの点灯/消灯動作を開始させて第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を開始するための設定を行う(ステップS327)。この後、第2特別図柄プロセスフラグの値を、可変表示制御処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS328)。
【0123】
図26及び図27(A)、(B)は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される可変表示停止時処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示停止時処理を開始すると、CPU103は、まず、例えば所定のコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、表示制御基板12に対して第2可変表示終了コマンドを送信する設定を行う(ステップS341)。また、このときには第2可変表示装置4Bにおける表示動作を制御することにより、確定図柄を停止表示させる(ステップS342)。
【0124】
続いて、第2大当りフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS343)。第2大当りフラグがオンとなっているときには(ステップS343;Yes)、第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS344)。ステップS344にて第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」以外となっている場合には、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が実行されている。そこで、ステップS344にて第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」以外となっている旨の判定がなされたときには(ステップS344;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に対して第1可変表示進行停止コマンドを送信するための設定を行う(ステップS345)。また、可変表示進行停止フラグをオン状態にセットする(ステップS346)。これにより、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの実行中に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させるための設定が行われることになる。すなわち、ステップS346にて可変表示進行停止フラグがオン状態にセットされることにより、第1可変表示時間タイマ122Aを用いて行われる第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間の計測が、中断されることになる。
【0125】
ステップS344にて第1可変表示時間タイマ122Aにおけるタイマ値が「0」となっているときには(ステップS344;No)、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームが実行されていない。従って、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行を停止させる必要はないので、ステップS345及びS346の処理はスキップすればよい。この後、第2特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS347)、可変表示停止時処理を終了する。
【0126】
ステップS343にて第2大当りフラグがオフとなっているときには(ステップS343;No)、入球振分モードフラグの値が“0”となっているか否かを判定する(ステップS348)。ここで、入球振分モードフラグの値が“0”となっているときには、図11に示すように、普通可変入賞球装置5における転動板51の回転量が0度(水平)となっている。この実施の形態では、入球振分モードフラグの値が“0”に設定されて転動板51の回転量が0度(水平)となっているときを初期設定時として、この初期設定時にハズレとなる特図ゲームが終了したときには、転動板51における入球振分率を変更しないものとする。そこで、入球振分モードフラグの値が“0”となっているときには(ステップS348;Yes)、第2特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新して可変表示停止時処理を終了することにより(ステップS349)、第2可変表示装置4Bによる次の特図ゲームを開始可能に設定する。
【0127】
ステップS348にて入球振分モードフラグの値が“0”以外であるときには(ステップS348;No)、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124におけるカウント値を1加算する(ステップS350)。そして、ステップS350にて加算された大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が、予め定められた設定変更実行値(例えば、「10」、「20」、「30」など)に達したか否かを判定する(ステップS351)。
【0128】
ステップS351にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が設定変更実行値に達した旨の判定がなされたときには(ステップS351;Yes)、図22のステップS302と同様に、図24に示すような入球振分率設定処理を実行する(図27(A)に示すステップS352)。これにより、パチンコ遊技機1にて大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときには、入球振分率設定処理が実行されることで、所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定することができる。また、図24に示す入球振分率設定処理では、ステップS413にて入球振分モードのモード値が入球振分モードメモリ123に格納される。そこで、この入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値を読み出し(ステップS353)、入球振分モードフラグの値と比較することにより、読み出されたモード値と入球振分モードフラグの値とが一致するか否かを判定する(ステップS354)。
【0129】
ステップS354にて入球振分モードフラグの値と入球振分モードメモリ123から読み出したモード値とが一致しない旨の判定がなされたときには(ステップS354;No)、第4可変表示装置4Dにより表示される背景や、第2普通可変入賞球装置5Bの内部における転動板51の回転量を変更するための設定を行う。すなわち、入球振分モードフラグの値を入球振分モードメモリ123から読み出したモード値に設定して更新した後(ステップS355)、背景変更フラグをオン状態にセットする(ステップS356)。また、ステップS355にて更新した入球振分モードフラグの値に応じて、例えばモータ回路108に対応して設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、転動板51の回転量を変更して遊技球の振分態様を変更するための設定を行う(ステップS357)。ステップS354にて入球振分モードフラグの値と入球振分モードメモリ123から読み出したモード値とが一致する旨の判定がなされたときや(ステップS354;Yes)、ステップS357の処理を実行した後には、図26に示すステップS349の処理に進む。
【0130】
図26に示すステップS351にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が設定変更実行値ではない旨の判定がなされたときには(ステップS351;No)、そのカウント値が予め定められた振分率変化終了値(例えば、「50」など)に達したか否かを判定する(図27(B)に示すステップS358)。ステップS358にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が振分率変化終了値に達した旨の判定がなされたときには(ステップS358;Yes)、入球振分モードフラグの値を“0”に更新するとともに(ステップS359)、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値を「0」に設定して初期化する(ステップS360)。また、背景変更フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS361)、ステップS359にて入球振分モードフラグの値を“0”としたことに応じて、例えばモータ回路108に対応して設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、転動板51の回転量を初期設定時の0度(水平)に復帰させるための設定を行う(ステップS362)。これにより、パチンコ遊技機1にて大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の振分率変化終了値に達したときには、転動板51の回転量を初期設定時の0度(水平)に戻すことができる。ステップS358にて大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が振分率変化終了値に達していない旨の判定がなされたときや(ステップS358;No)、ステップS362の処理を実行した後には、図26に示すステップS349の処理に進む。
【0131】
図28及び図29は、図13に示すステップS17の第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理を開始すると、CPU103は、まず、振分率報知演出中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS381)。ここで、振分率報知演出中フラグは、後述するステップS387にてオン状態にセットされる。ステップS381にて振分率報知演出中フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS381;No)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS382)。また、第2大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS383)。
【0132】
この後、入球振分モードメモリ123に格納されている入球振分モードのモード値を読み出す(ステップS384)。このとき入球振分モードメモリ123から読み出されるモード値は、例えば図22のステップS302にて入球振分率設定処理が実行されることにより、図24に示すステップS413の処理にて入球振分モードメモリ123に格納されたモード値である。CPU103は、入球振分モードフラグの値をステップS384にて読み出したモード値に更新する(ステップS385)。また、例えばステップS385にて更新された入球振分モードフラグの値に対応した制御データをコマンド送信テーブルにセットするなどして、表示制御基板12に対して振分率報知演出コマンドを送信するための設定を行う(ステップS386)。この後、振分率報知演出中フラグをオン状態にセットする(ステップS387)。
【0133】
こうしてステップS387にて振分率報知演出中フラグがオン状態にセットされた後に再び大当り終了処理が実行されたときには、ステップS381にて振分率報知演出中フラグがオンとなっている旨の判定がなされ(ステップS381;Yes)、振分率報知演出期間が終了したか否かの判定が行われる(図29に示すステップS388)。CPU103は、例えば所定のタイマなどを用いて図28に示すステップS387の処理を実行してからの経過時間を計測し、計測された経過時間が予め定められた振分率報知演出時間に達したか否かを判定することなどによって、振分率報知演出期間が終了したか否かを判定することができる。ステップS388にて振分率報知演出期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS388;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。他方、ステップS388にて振分率報知演出期間が終了した旨の判定がなされたときには(ステップS388;Yes)、振分率報知演出中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS389)、背景変更フラグをオン状態にセットする(ステップS390)。また、入球振分モードフラグの値に応じて、例えばモータ回路108に対応して設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなどして、転動板51の回転量を変更して遊技球の振分態様を変更するための設定を行う(ステップS391)。この後、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124におけるカウント初期値として「0」をセットする(ステップS392)。
【0134】
ステップS392の処理に続いて、第2確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS393)。第2確変確定フラグがオンとなっているときには(ステップS393;Yes)、第2確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS394)。また、確変カウンタ125に確変中可変表示回数初期値となるカウント初期値をセットする(ステップS395)。他方、ステップS393にて第2確変確定フラグがオフであるときには(ステップS393;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態とするとともに、確変カウンタ125をクリアして、そのカウント値を「0」に設定する(ステップS396)。
【0135】
この後、CPU103は、可変表示進行停止フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS397)。ここで、可変表示進行停止フラグがオンとなっているときには(ステップS397;Yes)、例えばコマンド送信テーブルに所定の制御データを設定するなどして、表示制御基板12に第1可変表示進行再開コマンドを送信するための設定を行う(ステップS398)。これに加えて、可変表示進行停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS399)。こうして、大当り遊技状態が終了するときには、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態となることで中断された第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が、再開されることになる。ステップS397にて可変表示進行停止フラグがオフであるときには(ステップS397;No)、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の進行が中断されることはないので、ステップS398及びS399の処理はスキップすればよい。これに続いて、第2特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS400)。
【0136】
次に、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU112の動作を説明する。表示制御基板12では、CPU112が、例えばRAM114等の表示制御フラグ設定エリアに設けられたタイマ割込フラグがオンとなったか否かを判定することにより、例えば33ミリ秒ごとのタイマ割込発生を検出するなどして、表示制御用として予めROM113等に格納された各種のタイマ割込処理プログラムを実行する。例えば、CPU112は、タイマ割込発生を検出するごとに、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれにおける表示動作を制御するために第1及び第2表示制御プロセス処理を実行する。第1表示制御プロセス処理では、第3可変表示装置4Cにおける表示動作を所定の手順で制御するために、表示制御フラグ設定エリアに設けられた第1表示制御プロセスフラグの値を第3可変表示装置4Cにおける表示状態に応じて更新し、第1表示制御プロセスフラグの値に対応して予め設けられた各種の処理を選択して実行する。また、第2表示制御プロセス処理では、第4可変表示装置4Dにおける表示動作を所定の手順で制御するために、表示制御フラグ設定エリアに設けられた第2表示制御プロセスフラグの値を第4可変表示装置4Dにおける表示状態に応じて更新し、第2表示制御プロセスフラグの値に対応して予め設けられた各種の処理を選択して実行する。
【0137】
図30は、CPU112によって第1表示制御プロセス処理として実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す第1表示制御プロセス処理において、CPU112は、第1表示制御プロセスフラグの値に応じて、以下に示すステップS150〜S155の各処理を選択して実行する。
【0138】
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第1可変表示開始コマンドを主基板11から受信したか否かを判定することで、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されたか否かを判定する処理等を含んでいる。ステップS151の飾り図柄可変表示開始処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示開始処理は、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄が可変表示されるときに、第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROM113に格納されている複数種類の表示制御テーブルデータのうちから第1可変表示装置4Aにおける特別図柄の可変表示時間に対応したものを選択する処理などといった、第3可変表示装置4Cの表示動作を設定するための処理を含んでいる。
【0139】
ステップS152の飾り図柄可変表示中処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この飾り図柄可変表示中処理は、第3可変表示装置4Cによる飾り図柄の可変表示中における表示動作を制御する処理を含んでいる。ステップS153の飾り図柄停止待ち処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この飾り図柄停止待ち処理は、主基板11から第1可変表示終了コマンドを受信して、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示を終了させる処理等を含んでいる。
【0140】
ステップS154の大当り中表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り中表示処理は、第3可変表示装置4Cにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する処理を含んでいる。例えば、主基板11から送信された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第3可変表示装置4C上に表示させることにより、遊技者に対して大当り遊技状態において実行中のラウンド数を特定可能に報知することができる。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンドが最終ラウンド(例えば、16回目)になると、第1表示制御プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“5”に更新する。ステップS155の大当り終了時表示処理は、第1表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了時表示処理は、第3可変表示装置4Cにて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う処理などを含んでいる。
【0141】
図31は、図30のステップS152にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す飾り図柄可変表示中処理を開始すると、CPU112は、まず、表示制御フラグ設定エリアに設けられた進行停止中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS451)。このとき、進行停止中フラグがオフである場合には(ステップS451;No)、主基板11から第1可変表示進行停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS452)。ステップS452にて第1可変表示進行停止コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS452;Yes)、進行停止中フラグをオン状態にセットする(ステップS453)。
【0142】
ステップS451にて進行停止中フラグがオンとなっているときには(ステップS451;Yes)、主基板11から第1可変表示進行再開コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS454)。ステップS453の処理を実行した後、及びステップS454にて第1可変表示進行再開コマンドを受信していないと判定したときには(ステップS454;No)、例えばROM113から読み出した表示制御データに応じてVDP115に描画命令を送るなどして、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が一時中断されているときに、当該可変表示の進行が停止中である旨を特定可能に報知するための表示動作を制御する設定を行う(ステップS455)。この際には、表示制御タイマ設定エリアなどに設けられている第1表示制御時間タイマにおけるタイマ値を更新することなく飾り図柄可変表示中処理を終了する。このように第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が一時中断されているときには、例えばCPU112がROM113から同一の表示制御データを繰り返し読み出してVDP115に描画命令を送るなどして、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示を継続して実行する一方、確定図柄となる飾り図柄は導出表示させずに可変表示の進行を停止させるようにしてもよい。あるいは、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が中断されているときには、第3可変表示装置4Cにおける左・中・右の各可変表示部にハズレ組合せとなる飾り図柄を導出表示しておき、第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示の進行が再開されると、導出表示されていた飾り図柄を再び加速表示して、飾り図柄の可変表示を再開するようにしてもよい。
【0143】
ステップS454にて第1可変表示進行再開コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS454;Yes)、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS456)。そして、ステップS452にて第1可変表示進行停止コマンドを受信していないときや(ステップS452;No)、ステップS456の処理を実行した後には、例えば表示制御タイマ設定エリアなどに設けられている第1表示制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS457)。続いて、更新された第1表示制御時間タイマのタイマ値が「0」となってタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS458)。そして、第1表示制御時間タイマのタイマ値が「0」となってタイムアウトした場合には(ステップS458;Yes)、第1表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄停止待ち処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS459)。他方、ステップS458にて第1表示制御時間タイマのタイマ値が「0」以外であるときには(ステップS458;No)、例えば表示制御テーブルデータから第1表示制御時間タイマのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP115に送るなど、第1表示制御時間タイマのタイマ値に応じて第3可変表示装置4Cにおける表示動作を制御するための設定を行う(ステップS460)。
【0144】
第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御するために実行される第2表示制御プロセス処理としては、図30に示した第1表示制御プロセス処理を第4可変表示装置4Dに適合させた処理が実行されればよい。例えば、CPU112は、図30に示したステップS150〜S155の各処理を第4可変表示装置4Dに適合させた処理を、第2表示制御プロセスフラグの値に応じて選択して実行する。
【0145】
例えば、第2表示制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されたか否かを判定する処理等を含んでいる。第2表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される飾り図柄可変表示開始処理は、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されるときに、第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、例えばROM113に格納されている複数種類の表示制御テーブルデータのうちから第2可変表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示時間に対応したものを選択する処理などといった、第3可変表示装置4Cの表示動作を設定するための処理を含んでいる。ここで、第2表示制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される飾り図柄可変表示開始処理では、主基板11から背景変更コマンドを受信したか否かの判定が行われる。そして、背景変更コマンドを受信した旨の判定がなされたときには、例えばVDP115に所定の描画命令を送るなどして、CGROM116などから読み出される背景画像データの変更が指示される。このときVDP115は、CPU112からの描画命令にて指定された背景画像データを読み出して生成した背景画像を第4可変表示装置4Dに表示させることにより、第4可変表示装置4Dにて表示される背景の切替えを行う。
【0146】
第2表示制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される飾り図柄可変表示中処理は、第4可変表示装置4Dによる飾り図柄の可変表示中における表示動作を制御する処理を含んでいる。この飾り図柄可変表示中処理では、進行停止中フラグがオンとなっているか否かの判定が行われる。そして、進行停止中フラグがオフであるときには、主基板11から第2可変表示進行停止コマンドを受信したか否かを判定する。このとき、第2可変表示進行停止コマンドを受信した旨の判定がなされた場合には、進行停止中フラグをオン状態にセットする。他方、進行停止中フラグが既にオン状態となっているときには、主基板11から第2可変表示進行再開コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第2可変表示進行再開コマンドを受信した旨の判定がなされたときには、進行停止中フラグをクリアしてオフ状態とする。これらの処理が行われた後に、進行停止中フラグがオンとなっているときには、例えばROM113から読み出した表示制御データに応じてVDP115に描画命令を送るなどして、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示の進行が一時中断されているときに、当該可変表示の進行が停止中である旨を特定可能に報知するための表示動作を制御する設定を行う。この際には、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を更新しない。他方、進行停止中フラグがオフであるときには、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行い、例えば表示制御テーブルデータから第2表示制御時間タイマのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP115に送るなど、第2表示制御時間タイマのタイマ値に応じて第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御するための設定を行う。
【0147】
第2表示制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される飾り図柄停止待ち処理は、主基板11から第2可変表示終了コマンドを受信して、第4可変表示装置4Dにおける飾り図柄の可変表示を終了させる処理等を含んでいる。第2表示制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される大当り中表示処理は、第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する処理を含んでいる。第2表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大当り終了時表示処理は、第4可変表示装置4Dにて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う処理などを含んでいる。
【0148】
図32は、第2表示制御プロセス処理にて第2表示制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大当り終了時表示処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す大当り終了時処理を開始すると、CPU112は、まず、例えば主基板11から振分率報知演出コマンドを受信してからの経過時間や、VDP115による第4可変表示装置4Dにおける表示動作の制御状態などをチェックすることにより、第4可変表示装置4Dが振分率報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS471)。そして、振分率報知演出を実行していない旨の判定がなされたときには(ステップS471;No)、主基板11から振分率報知演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS472)。振分率報知演出コマンドを受信していないときには(ステップS472;No)、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当り図柄が確定図柄として停止表示されたことによる大当り遊技状態が終了するときに、変更された転動板51の振分態様を正しく特定できないと判断して、所定のエラー処理を実行する(ステップS473)。
【0149】
ステップS472にて振分率報知演出コマンドを受信した旨の判定がなされたときには(ステップS472;Yes)、例えば振分率報知演出コマンドのEXTデータを読み取るなどして、変更された転動板51の振分態様に対応した入球振分モードのモード値を特定する(ステップS474)。続いて、例えばROM113などに入球振分モードのモード値に対応して予め格納された複数種類の報知演出テーブルのうちから、ステップS474にて特定した入球振分モードのモード値に対応した報知演出テーブルを、今回実行する振分率報知演出にて使用する報知演出テーブルとして設定する(ステップS475)。この後、ステップS475における設定に基づいて、例えばステップS475にて設定した報知演出テーブルに対応したタイマ初期値を第2表示制御タイマに設定するとともにVDP115に描画命令を送信するなど、第4可変表示装置4Dにおける表示動作により振分率報知演出を開始するための設定を行う(ステップS476)。
【0150】
ステップS471にて振分率報知演出が実行中である旨の判定がなされたときには(ステップS471;Yes)、第2表示制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS477)。続いて、ステップS477にて更新された第2表示制御時間タイマのタイマ値に基づき、第4可変表示装置4Dにおける表示動作による振分率報知演出の実行期間がタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS478)。そして、振分率報知演出の実行期間がタイムアウトした旨の判定がなされたときには(ステップS478;Yes)、例えばVDP115に所定の描画命令を送るなど、第4可変表示装置4Dにおける表示動作による振分率報知演出を終了するための設定を行う(ステップS479)。このときには、第2表示制御プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS480)。また、ステップS478にて振分率報知演出の実行期間がタイムアウトしていない旨の判定がなされたときには(ステップS478;No)、例えば報知演出テーブルから第2表示制御時間タイマのタイマ値に対応した表示制御データを読み出し、読み出された表示制御データに応じた描画命令をVDP115に送るなど、第2表示制御時間タイマのタイマ値に応じて第4可変表示装置4Dにおける表示動作を制御するための設定を行う(ステップS481)。
【0151】
以下、第1及び第2可変表示装置4A、4Bにおける特図ゲームに伴って行われる第3及び第4可変表示装置4C、4Dにおける表示動作の具体的な制御の一例について説明する。
【0152】
例えば、遊技領域に打ち込まれた遊技球が第2普通可変入賞球装置5Bに入賞したときには、転動板51によって左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのうちのいずれかに遊技球が振り分けられて進入する。具体的な一例として、中始動入賞口5Cに遊技球が進入すると、第2始動入賞口スイッチ(中)41Cにより遊技球が検出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、第2始動入賞口スイッチ(中)41Cからの検出信号がオン状態になると(図14に示すステップS209;Yes)、乱数回路104等により更新される大当り判定用乱数の値を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値を第2特図保留記憶部121Aの空エントリの先頭に格納する(ステップS212、S213)。また、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS214;Yes)、乱数回路104等による更新される確変終了判定用乱数の値を示す数値データを抽出し、中始動入賞口5Cを示す始動入賞口データとともに、大当り判定用乱数の値を格納したエントリと同一のエントリに格納して、第2特図保留記憶部121Bに記憶させる(ステップS215、S216)。
【0153】
他方、遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1普通可変入賞球装置5Aに入賞したときには、第1始動入賞口スイッチ41aにより遊技球が検出される。こうして第1始動入賞口スイッチ41aからの検出信号がオン状態になると(ステップS201;Yes)、乱数回路104等から抽出された大当り判定用乱数の値を示す数値データが、第1特図保留記憶部121Aの空エントリの先頭に格納される(ステップS204、S205)。また、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっているときには(ステップS206;Yes)、乱数回路104等から抽出された確変終了判定用乱数の値を示す数値データが、大当り判定用乱数の値を格納したエントリと同一のエントリに格納されて、第1特図保留記憶部121Aに記憶される(ステップS207、S208)。
【0154】
CPU103は、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていない場合に(図22に示すステップS291;No)、第2特図保留記憶部121Bにて保留番号「1」と対応付けられた格納データを読み出す(ステップS293)。このとき、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっている場合には(図23に示すステップS511;Yes)、読み出された格納データに含まれる始動入賞口データに基づき、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて検出されたかを判定する(ステップS512、S514)。例えば、始動入賞口データが中始動入賞口5Cを示している場合には(ステップS514;Yes)、図8(C)に示す第3確変終了判定テーブル155を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了するか否かの判定が行われる(ステップS515、S517)。そして、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされたときには(ステップS517;Yes)、確変中フラグがクリアされて高確率状態が終了する(ステップS518)。
【0155】
この後、第2特図保留記憶部121Bから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするかハズレとするかの判定が行われる(図22に示すステップS296の大当り判定処理)。ここで、確変中フラグがオフであるときには、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を参照して、大当りとするかハズレとするかの判定が行われる。そして、大当りとする旨の判定がなされたときには、確変大当りとするか通常大当りとするかの判定が行われる(ステップS298、S299)。この判定の後には、転動板51における回転量を設定して転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するための入球振分率設定処理が実行される(ステップS302)。このとき決定された入球振分モードのモード値は、入球振分モードメモリ123に記憶されて格納される(図24に示すステップS413)。
【0156】
続いて、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定図柄や、特別図柄の可変表示時間が決定され(図25に示すステップS321、S322)、決定された確定図柄や可変表示時間に対応した第2可変表示開始コマンドが主基板11から表示制御基板12に対して送信される(ステップS326)。こうして第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が開始されるとともに(ステップS327)、第4可変表示装置4Dでは、図33(B)に示すように停止表示されていた飾り図柄が加速表示され、図33(D)及び(F)に示すような飾り図柄の可変表示が開始される。この例では、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるまでの間、入球振分モードフラグの値が“0”となっており、転動板51の回転量が0度(水平)に設定されている。このように入球振分モードフラグの値が“0”となっているときには、図11に示すように、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにより表示される背景がいずれも背景「雲」となっている。そのため、図33(D)に示すように第4可変表示装置4Dにより飾り図柄の可変表示が開始されるときにも、その背景としては背景「雲」が表示される。
【0157】
こうして第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始された後に、第1特図保留記憶部121Aにおける格納データに基づいて第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、第1特図保留記憶部121Aにて保留番号「1」と対応付けられた格納データが読み出される(図16に示すステップS223)。このとき、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であり、確変中フラグがオンとなっている場合には(図17に示すステップS501;Yes)、読み出された格納データに含まれる確変終了判定用乱数の値に基づき、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を参照することにより、確変制御による高確率状態を終了するか否かの判定を行う。このように図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を参照して判定を行うことにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときとは異なる判定割合で、確変制御による高確率状態を終了させるか継続させるかが決定される。また、確変中フラグがオフであるときには、第1特図保留記憶部121Aから読み出された格納データに含まれる大当り判定用乱数の値に基づき、図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を参照して判定を行うことにより、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームとは異なる判定割合で、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするかハズレとするかが決定される。
【0158】
第1可変表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドが送信される。この第1可変表示開始コマンドに応答して、第3可変表示装置4Cでは、図33(A)及び(C)に示すように停止表示されていた飾り図柄が加速表示され、図33(E)に示すような飾り図柄の可変表示が開始される。その後、第4可変表示装置4Dでは、例えば図33(H)に示すように飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されることにより、リーチとなる。なお、リーチとは、導出表示した図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ変動図柄という)については可変表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する特別図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた左、中、右の可変表示部のうち左、中の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の可変表示部は未だ可変表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の特別図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた左、中、右の可変表示部の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の特別図柄が揃っている態様で可変表示が行われている表示態様)である。このとき、第3可変表示装置4Cでは、例えば図33(G)に示すように、左の可変表示部にて飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されている。
【0159】
この後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されるときには、例えば図33(J)に示すように、第4可変表示装置4Dにおける左・中・右の各可変表示部にて同一の数字(図33(J)に示す例では「7」)を示す飾り図柄が導出表示される。こうして第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることにより大当り遊技状態に制御されるときに、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示進行停止コマンドが送信される(図26に示すステップS345)。この第1可変表示進行停止コマンドに応答して、例えば第3可変表示装置4Cにて図33(I)に示すような報知情報60Aが表示されることにより、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が進行しない旨が報知される(図31に示すステップS455)。
【0160】
CPU103は、第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理にて表示制御基板12に対して所定の大当りラウンド数指示コマンドを送信するための設定を行うことなどにより、例えば図34(B)に示すように、大当り遊技状態において実行されるラウンドの実行回数を報知するための情報を、第4可変表示装置4Dの表示領域に表示させる。このとき、第3可変表示装置4Cでは、図34(A)に示すように、図33(I)と同様に飾り図柄の可変表示が継続して実行されるものの、その可変表示の進行は停止されている(図19に示すステップS241;Yes、図31に示すステップS451;Yes、ステップS454;No)。
【0161】
この後、大当り遊技状態が終了するときには、主基板11から表示制御基板12に対して大当り終了コマンドが送信される(図28に示すステップS382)。この大当り終了コマンドに応答して、第4可変表示装置4Dの表示領域には、例えば図34(C)に示すように大当り遊技状態が終了することを報知するための情報が表示される。このときCPU103は、入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値を読み出して入球振分モードフラグに設定する(ステップS384、S385)。また、このとき設定された入球振分モードフラグの値に対応した振分率報知演出コマンドを、表示制御基板12に対して送信する(ステップS386)。図34に示す例では、入球振分モードメモリ123から読み出された入球振分モードのモード値が「1」となっている。こうして送信された振分率報知演出コマンドに応答して、第4可変表示装置4Dでは、例えば図34(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出が行われる(図32に示すステップS481)。こうした振分率報知演出が終了したときには(図29に示すステップS388;Yes)、CPU103によって背景変更フラグがオン状態にセットされる(ステップS390)。また、入球振分モードフラグの値に対応して転動板51の回転量が設定されることにより、転動板51による遊技球の振分態様としての入球振分率が変更される(ステップS391)。
【0162】
振分モードフラグの値が“0”から“1”に変更されるときには、図11に示すように、転動板51の回転量が0度(水平)から左傾5度に変更される。これにより、転動板51による遊技球の入球振分率は、図4に示すように、左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにも1/3の割合で遊技球が振り分けられる入球振分率から、左始動入賞口5Lには5/8の割合で、中始動入賞口5Cには1/4の割合で、右始動入賞口5Rには1/8の割合で、それぞれ遊技球が振り分けられる入球振分率に変更される。
【0163】
こうして振分率報知演出が終了するときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が再開されるとともに、主基板11から表示制御基板12に対して第1可変表示進行再開コマンドが送信される(図29に示すステップS398)。この第1可変表示進行再開コマンドに応答して、例えば図34(H)に示すように、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示の進行も再開される。この後、さらに第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、背景変更フラグがオンとなっていることから(図25に示すステップS323;Yes)、入球振分モードフラグの値“1”に対応した背景変更コマンドが表示制御基板12に送信される(ステップS324)。この背景変更コマンドに応答して、例えば図34(I)に示すように、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が、入球振分モードフラグの値“1”に対応した背景「星」に変更される。
【0164】
また、図24に示す入球振分率設定処理にて決定された入球振分モードのモード値に応じて、異なる演出態様で振分率報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、図22に示すステップS302で実行される入球振分率設定処理にて、入球振分モードのモード値が「2」に決定されたものとする。この場合には、まず、第3及び第4可変表示装置4C、4Dにて図33(A)〜(J)と同様の表示が行われる。
【0165】
その後、第2特別図柄プロセス処理にて第2特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大入賞口開放中処理にて表示制御基板12に対して所定の大当りラウンド数指示コマンドを送信するための設定を行うことなどにより、例えば図35(B)に示すように、大当り遊技状態において実行されるラウンドの実行回数を報知するための情報を、第4可変表示装置4Dの表示領域に表示させる。このとき、第3可変表示装置4Cでは、図35(A)に示すように、図33(I)と同様に飾り図柄の可変表示が継続して実行されるものの、その可変表示の進行は停止されている。
【0166】
続いて、大当り遊技状態が終了するときには、主基板11から表示制御基板12に対して送信される大当り終了コマンドに応答して、第4可変表示装置4Dの表示領域には、例えば図35(C)に示すように大当り遊技状態が終了することを報知するための情報が表示される。このときCPU103は、入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値「2」を読み出して入球振分モードフラグに設定する。また、このとき設定された入球振分モードフラグの値“2”に対応した振分率報知演出コマンドを、表示制御基板12に対して送信する。この振分率報知演出コマンドに応答して、例えば図35(D)〜(G)に示すように、図34(D)〜(G)に示すような振分率報知演出における表示態様とは異なる表示態様で、第4可変表示装置4Dにおける表示動作による振分率報知演出が行われる。こうした振分率報知演出が終了したときには、CPU103によって背景変更フラグがオン状態にセットされる。また、入球振分モードフラグの値に対応して転動板51の回転量が設定されることにより、転動板51による遊技球の振分態様としての入球振分率が変更される。
【0167】
ここで、入球振分モードフラグの値が“0”から“2”に変更されるときには、図11に示すように、転動板51の回転量が0度(水平)から左傾10度に変更される。これにより、転動板51による遊技球の入球振分率は、図4に示すように、左始動入賞口5Lには7/10の割合で、中始動入賞口5Cには1/5の割合で、右始動入賞口5Rには1/10の割合で、それぞれ遊技球が振り分けられる入球振分率に変更される。
【0168】
こうして振分率報知演出が終了するときには、主基板11から表示制御基板12に対して送信される第1可変表示進行再開コマンドに応答して、例えば図35(H)に示すように、第3可変表示装置4Cにおける飾り図柄の可変表示の進行が再開される。この後、さらに第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、背景変更フラグがオンとなっていることから、入球振分モードフラグの値“2”に対応した背景変更コマンドが表示制御基板12に送信される。この背景変更コマンドに応答して、例えば図35(I)に示すように、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が、入球振分モードフラグの値“2”に対応した背景「山&太陽」に変更される。
【0169】
このようにして大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124にカウント初期値として「0」がセットされる(図29に示すステップS392)。そして、大当り遊技状態の終了後には、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄以外のハズレ図柄が停止表示されるごとに、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124におけるカウント値が1加算される(図26に示すステップS350)。
【0170】
例えば、大当り遊技状態が終了した後、入球振分モードフラグの値が“1”に設定され、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行されている期間にて、第4可変表示装置4Dにより図36(B)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているものとする。このとき、第1可変表示装置4Aでは特図ゲームが行われていないために、第3可変表示装置4Cでは図36(A)に示すように飾り図柄が停止表示されているものとする。このように入球振分モードフラグの値が“1”となっているときには、図11に示すように、第4可変表示装置4Dが背景「星」を表示する。
【0171】
その後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄としてハズレ図柄が停止表示されることに合わせて、第4可変表示装置4Dにて図36(D)に示すようにハズレ組合せとなる飾り図柄が、左・中・右の各可変表示部に導出表示される。このときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームが開始されており、第3可変表示装置4Cでは図36(C)に示すように飾り図柄が可変表示されている。
【0172】
こうして第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄としてハズレ図柄が停止表示されたときに、大当り終了後ゲーム回数カウンタ124のカウント値が所定の設定変更実行値に達した旨の判定がなされると(図26に示すステップS351;Yes)、転動板51の回転量を設定することにより遊技球の振分態様を変更可能とする入球振分率設定処理が実行される(図27(A)に示すステップS352)。このとき、CPU103は、入球振分モードメモリ123に格納された入球振分モードのモード値を読み出して、入球振分モードフラグの値と一致するか否かを判定する(ステップS353、S354)。図36に示す例では、ステップS352にて実行される入球振分率設定処理にて入球振分モードのモード値が「4」に決定され、入球振分モードフラグの値“1”とは一致しない(ステップS354;No)。
【0173】
そこで、入球振分モードメモリ123から読み出した入球振分モードのモード値「4」を入球振分モードフラグに設定するとともに(ステップS355)、背景変更フラグをオン状態にセットする(ステップS356)。また、このとき設定された入球振分モードフラグの値に対応して転動板51の回転量が設定されることにより、転動板51による遊技球の振分態様としての入球振分率が変更される(ステップS357)。例えば、入球振分モードフラグの値が“1”から“4”に変更されるときには、図11に示すように、転動板51の回転量が左傾5度から右傾10度に変更される。これにより、転動板51による遊技球の入球振分率は、図4に示すように、左始動入賞口5Lには1/10の割合で、中始動入賞口5Cには1/5の割合で、右始動入賞口5Rには7/10の割合で、それぞれ遊技球が振り分けられる入球振分率に変更される。
【0174】
この後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、背景変更フラグがオンとなっていることから(図25に示すステップS323;Yes)、入球振分モードフラグの値“4”に対応した背景変更コマンドが表示制御基板12に送信される(ステップS324)。この背景変更コマンドに応答して、例えば図36(F)に示すように、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が、入球振分モードフラグの値“4”に対応した背景「噴火山」に変更される。
【0175】
以上説明したように、この発明によれば、単一の第2普通可変入賞球装置5Bの内部に複数の進入領域となる左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rが設けられており、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球は、転動板51によって左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けられて進入する。この第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに進入したときには、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立する。他方、第2普通可変入賞球装置5Bとは別個に設けられた第1普通可変入賞球装置5Aに遊技球が入賞したときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する。また、パチンコ遊技機1が確変制御による高確率状態であるときに、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときには、図8(A)に示す第1確変終了判定テーブル153を用いて確変終了とするか確変継続とするかの判定を行う。これに対して、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときには、その特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立するときに左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて遊技球が検出されたかに応じて、図8(B)〜(D)に示す第2〜第4確変終了判定テーブル154〜156のいずれかを用いて確変終了とするか確変継続とするかの判定を行う。これにより、第1始動条件の成立に基づく確変終了判定に比べて第2始動条件の成立に基づく確変終了判定の方が高い割合で、確変終了とする旨の判定がなされることになる。さらに、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに高確率状態となっていない場合には、図7(B)に示す第2通常時大当り判定テーブル151を用いて大当りとするかハズレとするかの判定を行う。このときには、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに図7(A)に示す第1通常時大当り判定テーブル150を用いて行う判定に比べて高い割合で、可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされる。これにより、遊技球を第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに進入させて第1及び第2始動条件のいずれを成立させて第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれによる特図ゲームを行うかを遊技者の技量によって選択することができるので、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに遊技球を入賞させるかということに対する興味が高まり、遊技興趣を向上させることができる。
【0176】
ここで、第1始動条件が成立したときと第2始動条件が成立したときとで、確変終了とする旨の判定がなされる割合と、特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされる割合のいずれか一方のみを異ならせた場合には、確変終了とする旨の判定がなされる割合の低い始動条件、あるいは大当りとする旨の判定がなされる割合の高い始動条件のいずれかのみが成立することに対して、遊技者が期待することになる。これに対して、この発明では、確変終了とする旨の判定がなされる割合の高い始動条件(第2始動条件)は、大当りとする旨の判定がなされる割合も高められているので、遊技状態が高確率状態であるか通常遊技状態であるかといった、遊技の進行状況に応じて、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに対しても、遊技者に遊技球の入賞への期待感を持たせることができる。
【0177】
また、転動板51は、その回転量に応じた遊技球の振分態様である入球振分率によって第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに進入させる割合を異ならせている。そして、転動板51による遊技球の振分態様である入球振分率は、例えば第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときなど、所定の条件が成立したときに、図24に示す入球振分率設定処理が実行されることによって変更することができる。これにより、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに振り分けられる割合を変更することができるので、遊技内容に変化を持たせて遊技興趣を向上させることができる。
【0178】
さらに、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて可変表示結果を大当りとする旨の判定がなされて所定の条件の1つが成立したときに転動板51の回転量が決定されることにより遊技球の振分態様が決定されたときには、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとなったことによる大当り遊技状態が終了した後に、例えば図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出が行われるなどして、転動板51による遊技球の振分態様が変更された旨を報知する演出が実行される。この振分態様報知演出により遊技者は、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rそれぞれに振り分けられる割合が変更されたことを認識することができ、遊技状態を把握することができるので、遊技の興趣が高められる。
【0179】
加えて、転動板51の回転量が決定されることにより遊技球の振分態様が決定されたときには、例えば図27(A)に示すステップS356や図29に示すステップS390などにて、背景変更フラグがオン状態にセットされる。その後、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームが開始されるときには、図25に示すステップS324にて背景変更コマンドが表示制御基板12に送信されることにより、第4可変表示装置4Dにて表示される背景が変更される。ここで、第4可変表示装置4Dにて表示される背景は、第2可変表示装置4Dによる特別図柄の可変表示中における演出態様の一例となる。すなわち、転動板51の回転量に対応して決定される遊技球の振分態様に応じて、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示中における演出態様を異ならせることができる。この演出により遊技者は、転動板51による遊技球の振分態様に応じて左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのそれぞれに遊技球が振り分けられる割合をある程度予測することができ、遊技の興趣が高められる。
【0180】
また、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれか一方による特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されたことにより大当り遊技状態に制御されるときに、他方の可変表示装置による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が実行中であるときには、例えば図19に示す可変表示制御処理にてステップS242の処理を実行しないように設定するなどして、実行中である特別図柄の可変表示における経過時間の計測が中断される。その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図29に示すステップS399にて可変表示進行停止フラグがクリアされてオフ状態となることなどにより、中断されていた特別図柄の可変表示における経過時間の計測が再開される。これにより、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とが競合することはない。これに対して、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bにおける開閉動作による大当り遊技状態が同時に発生可能とした場合には、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bのいずれか一方に入賞することなく遊技領域を落下して排出されるべき遊技球が、他方の入賞球装置に入賞することによって、短時間に多くの賞球が払い出されてしまうことがある。この発明によると、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄として大当り図柄が停止表示されることによる大当り遊技状態とを競合させないため、第1及び第2特別可変入賞球装置6A、6Bが両方同時に開閉動作を行うことによる大当り遊技状態を発生させないことでパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められてしまうことを防止でき、遊技者にとって極端に有利になることを防止できる。
【0181】
加えて、実行中の特別図柄の可変表示における経過時間の計測が中断されているときには、例えば図33(I)に示すような報知情報60Aを表示させるなどして、特別図柄の可変表示が進行しない旨を報知する。この報知により遊技者は、特別図柄の可変表示が進行しないことを認識することができるので、特別図柄の可変表示が進行せずに確定図柄が停止表示されないことに対する不信感を持つことがない。
【0182】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
【0183】
上記実施の形態では、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に設けられた転動板51の回転量を変更可能に設定することにより、転動板51による遊技球の振分態様を、複数の振分態様のいずれかに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球の振分態様を変更可能に決定することができる任意の構成を採用することができる。例えば、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に、遊技球を進入させて保持することができる程度の大きさ及び形状を有する開口を1個又は複数備えたローターを設けたものであってもよい。この場合、ローターの回転態様(例えば回転速度や回転方向など)を変更可能に設定することで、遊技球の振分態様を複数の振分態様のいずれかに決定して、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球を複数の始動入賞口のいずれかに振り分けて進入させる割合を異ならせるようにすればよい。
【0184】
また、上記実施の形態では、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して可変表示用データ保持エリア120に第1及び第2特図保留記憶部121A、121Bを設け、それぞれ保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達するまで大当り判定用乱数の値を示す数値データなどを記憶することができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2可変表示装置4A、4Bに共通の特図保留記憶部を設け、その特図保留記憶部にて保留記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで、大当り判定用乱数の値を示す数値データなどを記憶するようにしてもよい。この場合には、大当り判定用乱数の値を示す数値データとともに、第1及び第2普通可変入賞球装置5A、5Bのいずれに遊技球が入賞したかを示す制御データを記憶させることで、第1及び第2始動条件のいずれが成立したかに対応して、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームを実行することができる。
【0185】
上記実施の形態では、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときに、所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するものとして説明した。しかしながら、転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するための所定の条件は、これらに限定されるものではなく、例えば、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄を大当りとする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したとき、あるいは、大当り遊技状態が終了した後に第1及び第2可変表示装置4A、4Bの双方による特図ゲームの実行回数の合計が所定の設定変更実行値に達したときなどに、所定の条件が成立したとして遊技球の振分態様を変更できるものであってもよい。また、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときと、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときのいずれか一方においてのみ、図24に示す入球振分率設定処理を実行して、転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するようにしてもよい。
【0186】
上記実施の形態では、図28及び図29に示す大当り終了処理にて、ステップS381、S386〜S389の処理を実行することにより、例えば図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出を行うようにしていた。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図26及び図27(A)、(B)に示す可変表示停止時処理にて、例えば図27(A)に示すステップS352の処理が実行された後に上述したステップS381、S386〜S389と同様の処理を実行するようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達することで所定の条件が成立したとして転動板51による遊技球の振分態様が決定されたときにも、遊技球の振分態様が変更された旨を報知する振分率報知演出を実行することができる。
【0187】
また、転動板51による遊技球の振分態様が変更された旨を報知するための演出としては、図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作による振分率報知演出に限定されるものではなく、例えば第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかに図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示す画像とは異なる所定の画像を表示させたり、音声制御基板の制御下にスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、ランプ制御基板の制御下に遊技効果ランプ9に含まれる各種の演出用ランプを点灯もしくは点滅させたり、さらには可動部材からなる役物を動作させたりすることなどによって、遊技球の振分態様が変更された旨を報知してもよい。さらには、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかにおける表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、所定のランプの点灯もしくは点滅、役物の動作のいずれかを組み合わせて、遊技球の振分態様が変更された旨を報知してもよい。
【0188】
上記実施の形態では、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示中における演出態様の一例として、第4可変表示装置4Dにより表示される背景を、入球振分モードフラグの値に応じて変更するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかにて表示されるキャラクタ画像や、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのいずれかにて表示される飾り図柄の可変表示態様(例えば、飾り図柄の表示色や大きさ、表示位置など)を、入球振分モードフラグの値に応じて変更するなどして、第2可変表示装置4Bによる特別図柄の可変表示中における演出態様を、遊技球の振分態様に応じて異ならせるようにしてもよい。また、第4可変表示装置4Dにて表示される背景だけでなく、第3可変表示装置4Cにて表示される背景も、入球振分モードフラグの値に応じて変更するようにして、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示中における演出態様を、遊技球の振分態様に応じて異ならせてもよい。
【0189】
上記実施の形態では、第2普通可変入賞球装置5Bの内部に転動板51が設けられて、遊技球を左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けて進入させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1普通可変入賞球装置5Aの内部にも転動板51と同様に、遊技球を複数の振分態様のいずれかにより複数の進入領域のいずれかに振り分けて進入させる構成を設けてもよい。この場合には、例えば第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第1可変表示装置4Aによる特図ゲームの実行回数が所定の設定変更実行値に達したときなど、所定の条件が成立したときに、第1普通可変入賞球装置5Aに入賞した遊技球の振分態様を変更できるようにすればよい。また、第1普通可変入賞球装置5Aにおける遊技球の振分態様が変更されたときには、例えば図34(D)〜(G)や図35(D)〜(G)に示すような表示動作を第3可変表示装置4Cに行わせることにより、遊技球の振分態様が変更された旨を報知するようにしてもよい。さらに、第1普通可変入賞球装置5Aにおける遊技球の振分態様が変更されたときには、第3可変表示装置4Cにて表示される背景を変更して、遊技球の振分態様が変更されたことを認識できるようにしてもよい。
【0190】
上記実施の形態では、第3及び第4可変表示装置4C、4Dのそれぞれが、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに対応して別個に設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば1つの可変表示装置において第1及び第2可変表示装置4A、4Bに対応して分割した表示領域を設け、各表示領域にて、上述の第3及び第4可変表示装置4C、4Dと同様の表示動作を行わせるものであってもよい。また、第1及び第2可変表示装置4A、4Bの配置は、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能であり、また、例えば1つの表示装置が有する2つの表示領域において、上述の第1及び第2可変表示装置4A、4Bと実質的に同一の表示が行われるものであってもよい。
【0191】
上記実施の形態では、例えば図22に示すステップS302のように、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて確定図柄を大当り図柄とする旨の判定がなされたときに図24に示す入球振分率設定処理を実行し、その入球振分率設定処理にて決定された入球振分モードのモード値を、入球振分モードメモリ123に記憶して格納しておくものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図28及び図29に示す大当り終了処理における図28のステップS381にて振分率演出中フラグがオフである旨の判定がなされたときに図24に示す入球振分率設定処理を実行することで、大当り遊技状態が終了するときに転動板51による遊技球の振分態様を決定するようにしてもよい。この場合には、図24に示すステップS413のように入球振分モードのモード値を入球振分モードメモリ123に記憶させて格納する必要はなく、ステップS412にて決定した入球振分モードのモード値を、そのまま入球振分モードフラグに設定すればよい。
【0192】
上記実施の形態では、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が所定の振分率変化終了値に達すると、入球振分モードフラグの値を“0”に更新して、転動板51の回転量を0度(水平)の初期設定時に戻すものとして説明した(例えば、図27(B)のステップS358〜S362)。これに対して、例えば大当り遊技状態が終了した後には、次に第2可変表示装置4Bのいずれかによる特図ゲームにて確定図柄が大当り図柄となることにより大当り遊技状態となるまでは、特図ゲームの実行回数が設定変更実行値に達するごとに、図27(A)のステップS352にて図24に示す入球振分率設定処理を実行することにより、転動板51による遊技球の振分態様を変更可能に決定するようにしてもよい。
【0193】
また、上記実施の形態では、第1及び第2可変表示装置4A、4Bによる特図ゲームにて確変大当りとなったときに、例えば図29に示すステップS395などにて確変カウンタ125に所定の確変中可変表示回数初期値をセットし、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームが実行されるごとに、例えば図18に示すステップS403などにて確変カウンタ125のカウント値を1減算することで、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、確変制御が行われる高確率状態となるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特図ゲームにて確変大当りとなったことにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されたときには、その後に第1及び第2可変表示装置4A、4Bにて実行される特図ゲームの回数にかかわらず、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのいずれかによる特図ゲームにて大当りとなるまで、高確率状態を継続させるようにしてもよい。
【0194】
上記実施の形態では、図13に示すように、ステップS16の第1特別図柄プロセス処理とステップS17の第2特別図柄プロセス処理とが、別個の処理として実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2特別図柄プロセス処理として、第1及び第2可変表示装置4A、4Bのそれぞれに共通した処理が実行されるものであってもよい。また、図13に示す遊技制御割込処理が実行されるごとに第1及び第2特別図柄プロセス処理がいずれも1回ずつ実行されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、遊技制御割込処理が実行されるごとに、第1及び第2特別図柄プロセス処理のいずれか一方のみが交互に1回実行されるものであってもよい。
【0195】
図7(A)及び図7(B)に示す第1及び第2通常時大当り判定テーブル150、151における大当り判定用乱数の値と、大当りとするかハズレとするかの判定結果との対応関係は、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能であり、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされる確率と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされる確率とが、互いに異なるものであればよい。また、図8(A)〜(D)に示す第1〜第4確変終了判定テーブル153〜156における確変終了判定用乱数の値と、確変終了とするか確変継続とするかの判定結果との対応関係も、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能であり、第1可変表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときに確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされる確率と、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときに確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされる確率とが、互いに異なるものであり、なおかつ、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときには、遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれにて検出されたかに基づいて、確変制御による高確率状態を終了する旨の判定がなされる確率を異ならせたものであればよい。図9に示す入球振分設定テーブル157における入球振分設定用乱数と入球振分モードのモード値との対応関係も、任意に変更可能であり、第2可変表示装置4Bによる特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときや、大当り遊技状態が終了した後に第2可変表示装置4Bによる特図ゲームの実行回数が設定変更実行値に達したときなど、所定の条件が成立したときに、第2普通可変入賞球装置5Bに入賞した遊技球が左・中・右の始動入賞口5L、5C、5Rのいずれかに振り分けられる振分態様を、複数の振分態様のいずれかに決定することができるものであればよい。
【0196】
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0197】
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0198】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】普通可変入賞球装置の内部に設けられた転動板の構成例を示す図である。
【図3】転動板の回転量を変更可能に設定する構成例を示す図である。
【図4】転動板の回転量に応じた入球振分率の一例を示す図である。
【図5】パチンコ遊技機におけるシステム構成例を示すブロック図である。
【図6】第3及び第4可変表示装置にて表示可能な背景を例示する図である。
【図7】大当り判定テーブルの構成例を示す図である。
【図8】確変終了判定テーブルの構成例を示す図である。
【図9】入球振分設定テーブルの構成例を示す図である。
【図10】可変表示用データ保持エリアの一構成例を示す図である。
【図11】入球振分モードフラグの値と、転動板の回転量、第3及び第4可変表示装置にて表示される背景との対応関係を示す説明図である。
【図12】表示制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図13】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図14】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図15】第1特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図16】第1特別図柄プロセス処理内で実行される特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図17】第1確変終了判定処理を示すフローチャートである。
【図18】大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図19】第1特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示制御処理を示すフローチャートである。
【図20】第1特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示停止時処理を示すフローチャートである。
【図21】第1特別図柄プロセス処理内で実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図22】第2特別図柄プロセス処理内で実行される特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図23】第2確変終了判定処理を示すフローチャートである。
【図24】入球振分率設定処理を示すフローチャートである。
【図25】第2特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示開始時処理を示すフローチャートである。
【図26】第2特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示停止時処理を示すフローチャートである。
【図27】第2特別図柄プロセス処理内で実行される可変表示停止時処理を示すフローチャートである。
【図28】第2特別図柄プロセス処理内で実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図29】第2特別図柄プロセス処理内で実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図30】第1表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】第1表示制御プロセス処理内で実行される飾り図柄可変表示中処理を示すフローチャートである。
【図32】第2表示制御プロセス処理内で実行される大当り終了時表示処理を示すフローチャートである。
【図33】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【図34】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【図35】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【図36】第3及び第4可変表示装置における表示動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0200】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B、4C、4D … 可変表示装置
5A、5B … 普通可変入賞球装置
5L、5C、5R … 始動入賞口
6A、6B … 特別可変入賞球装置
7A、7B … 始動入賞記憶表示器
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
51 … 転動板
52 … 支持部材
53 … モータ
41a、41L、41C、41R … 始動入賞口スイッチ
70 … 各入賞口スイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、113 … ROM
102、114 … RAM
103、112 … CPU
104 … 乱数回路
105 … I/Oポート
107 … スイッチ回路
108 … モータ回路
110 … 発振回路
111 … リセット回路
115 … VDP
116 … CGROM
117 … VRAM
120 … 可変表示用データ保持エリア
121A、121B … 特図保留記憶部
122A、122B … 可変表示時間タイマ
123 … 入球振分モードメモリ
124 … 大当り終了後ゲーム回数カウンタ
125 … 確変カウンタ
150〜152 … 大当り判定テーブル
153〜156 … 確変終了判定テーブル
157 … 入球振分設定テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた第1始動領域にて第1始動検出手段が遊技媒体を検出することにより成立する第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1可変表示手段と、前記第1始動領域とは異なる第2始動領域にて第2始動検出手段が遊技媒体を検出することにより成立する第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2可変表示手段とを備え、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、さらに、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうちで予め定められた特別表示結果となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特別表示結果となったときには、前記特定遊技状態が終了した後に前記特定表示結果となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態時よりも高い高確率状態に制御する遊技機であって、
前記第1始動条件が成立したことに基づいて前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定を行う第1事前判定手段と、
前記第2始動条件が成立したことに基づいて前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定を行う第2事前判定手段と、
前記第1及び第2可変表示手段のいずれかによる識別情報の可変表示の表示結果として前記特別表示結果が導出表示されたことにより前記特定遊技状態に制御された後、前記高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに、前記第1始動条件が成立したときと前記第2始動条件が成立したときとで異なる割合で、前記高確率状態を終了するか否かを判定する高確率状態終了判定手段と、
前記高確率状態終了判定手段により前記高確率状態を終了する旨の判定がなされたときに、前記高確率状態を終了する高確率状態終了手段とを備え、
前記高確率状態終了判定手段は、前記第1始動条件の成立に基づく判定に比べて前記第2始動条件の成立に基づく判定の方が高い割合で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行い、
前記第2事前判定手段は、前記第1事前判定手段によって前記特定表示結果とする旨の判定がなされる割合よりも高い割合で、前記特定表示結果とする旨の判定を行う、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2始動領域は、単一の始動入賞装置の内部に設けられて当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体が進入可能な複数の進入領域を含み、
前記始動入賞装置は、当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体を前記複数の進入領域のいずれかに振り分けて進入させる遊技媒体振分手段を含み、
前記高確率状態終了判定手段は、前記第2始動条件が成立したときに前記複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて異なる割合で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技媒体振分手段は、遊技媒体を振り分ける振分態様によって前記始動入賞装置に入賞した遊技媒体が前記複数の進入領域のそれぞれに進入する割合を異ならせ、
所定の条件が成立したときに、前記遊技媒体振分手段の振分態様を予め定められた複数種類の振分態様のいずれかに決定する振分態様決定手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1及び第2事前判定手段の判定結果に応じて、前記第1及び第2可変表示手段それぞれにおける識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を予め定められた複数種類の可変表示時間のいずれかに設定する可変表示時間設定手段と、
前記第1及び第2可変表示手段それぞれによる識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの経過時間を計測する時間計測手段と、
前記可変表示時間設定手段によって設定された可変表示時間が経過したか否かを、前記時間計測手段による計測によって判定する計測判定手段と、
前記第1可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第1事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させ、前記第2可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第2事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させる導出表示制御手段とを備え、
前記時間計測手段は、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示され、かつ、前記第2可変表示手段にて識別情報の可変表示が実行されているときに、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が開始される第1の時点で前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測を中断し、前記第1可変表示手段にて前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点で経過時間の計測を再開する計測中断再開手段を含む、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときに、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示が進行しない旨を報知する制御を行う可変表示中断報知制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた第1始動領域にて第1始動検出手段が遊技媒体を検出することにより成立する第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1可変表示手段と、前記第1始動領域とは異なる第2始動領域にて第2始動検出手段が遊技媒体を検出することにより成立する第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2可変表示手段とを備え、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、さらに、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうちで予め定められた特別表示結果となったとき、または、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特別表示結果となったときには、前記特定遊技状態が終了した後に前記特定表示結果となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態時よりも高い高確率状態に制御する遊技機であって、
前記第1始動条件が成立したことに基づいて前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定を行う第1事前判定手段と、
前記第2始動条件が成立したことに基づいて前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの判定と、前記特定表示結果のうちで前記特別表示結果とするか否かの判定を行う第2事前判定手段と、
前記第1及び第2可変表示手段のいずれかによる識別情報の可変表示の表示結果として前記特別表示結果が導出表示されたことにより前記特定遊技状態に制御された後、前記高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに、前記第1始動条件が成立したときと前記第2始動条件が成立したときとで異なる割合で、前記高確率状態を終了するか否かを判定する高確率状態終了判定手段と、
前記高確率状態終了判定手段により前記高確率状態を終了する旨の判定がなされたときに、前記高確率状態を終了する高確率状態終了手段とを備え、
前記高確率状態終了判定手段は、前記第1始動条件の成立に基づく判定に比べて前記第2始動条件の成立に基づく判定の方が高い割合で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行い、
前記第2事前判定手段は、前記第1事前判定手段によって前記特定表示結果とする旨の判定がなされる割合よりも高い割合で、前記特定表示結果とする旨の判定を行う、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2始動領域は、単一の始動入賞装置の内部に設けられて当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体が進入可能な複数の進入領域を含み、
前記始動入賞装置は、当該始動入賞装置に入賞した遊技媒体を前記複数の進入領域のいずれかに振り分けて進入させる遊技媒体振分手段を含み、
前記高確率状態終了判定手段は、前記第2始動条件が成立したときに前記複数の進入領域のいずれにて遊技媒体が検出されたかに基づいて異なる割合で、前記高確率状態を終了する旨の判定を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技媒体振分手段は、遊技媒体を振り分ける振分態様によって前記始動入賞装置に入賞した遊技媒体が前記複数の進入領域のそれぞれに進入する割合を異ならせ、
所定の条件が成立したときに、前記遊技媒体振分手段の振分態様を予め定められた複数種類の振分態様のいずれかに決定する振分態様決定手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1及び第2事前判定手段の判定結果に応じて、前記第1及び第2可変表示手段それぞれにおける識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を予め定められた複数種類の可変表示時間のいずれかに設定する可変表示時間設定手段と、
前記第1及び第2可変表示手段それぞれによる識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの経過時間を計測する時間計測手段と、
前記可変表示時間設定手段によって設定された可変表示時間が経過したか否かを、前記時間計測手段による計測によって判定する計測判定手段と、
前記第1可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第1事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させ、前記第2可変表示手段による可変表示が開始された後、前記計測判定手段により可変表示時間が経過した旨の判定がなされたときに、前記第2事前判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示させる導出表示制御手段とを備え、
前記時間計測手段は、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示され、かつ、前記第2可変表示手段にて識別情報の可変表示が実行されているときに、前記第1可変表示手段に前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が開始される第1の時点で前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示における経過時間の計測を中断し、前記第1可変表示手段にて前記特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点で経過時間の計測を再開する計測中断再開手段を含む、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記計測中断再開手段によって経過時間の計測が中断されているときに、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示が進行しない旨を報知する制御を行う可変表示中断報知制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2006−14759(P2006−14759A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192583(P2004−192583)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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