説明

遊技機

【課題】新たな演出装置を用いて遊技演出を行う遊技機を提供する。
【解決手段】棒状の部材により構成するとともに遊技機1の前方に向かって発光する複数種類の発光部材を備えた回転役物61と、該回転役物61の中央を回転軸として回転駆動する駆動手段とからなる可動ユニット60と、駆動手段を制御する駆動制御手段と発光部材を制御する発光制御部材とを備え、回転役物61を遊技盤4に対して略水平に回転駆動するとともに発光制御することによって、画像表示装置に重複して所定の態様の残像を表示して、今までにない斬新な表示演出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が打ち込まれる遊技領域が前面に形成された遊技盤と、該遊技盤に設けられた複数種類の入賞口と、該複数種類の入賞口のうち所定の入賞口に遊技球が入賞した後、開始条件成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の図柄情報を変動表示する変動表示手段と、前記開始条件成立にもとづいて前記変動表示手段の変動表示結果を決定する変動結果決定手段と、を備え、前記変動結果決定手段により特定の表示結果とする決定がなされたときに前記変動表示手段により前記図柄情報の変動表示を行って特定の表示結果を表示した後、特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行い、遊技球が始動口に入賞したことにもとづいて表示装置にて図柄の変動表示を行って所定期間経過後に図柄を停止表示する遊技機がある。この種の遊技機では、表示装置に停止表示される図柄が特定の表示態様となったときに大当り遊技状態に制御することにより遊技者に利益を付与する。また、このような遊技機においては、表示装置にて実行される図柄の変動表示の演出効果を高めるために、所定の演出を実行する装置を設けたものが多数提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述した特許文献1の発明においては、表面に複数個のLEDを配設した表示体を図柄の変動表示を行う液晶表示部の前方で移動させ、表示体の移動に同期させてLEDの点灯および消灯を制御することにより複数種類の態様を表示することにより、装飾効果を向上させることが可能であった。また、図柄の変動表示を行う液晶表示部に重なった状態で表示体を移動するため、液晶表示部と表示体とを同一の視線で視認することが可能であった。
【特許文献1】特開2000−107377(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の発明においては、液晶表示部に重なった状態で表示体を往復移動するため、液晶表示部と表示体とを同一の視線で視認することが可能であり、液晶表示部の表示態様との関連性を把握することが可能となった。
【0005】
しかし、表示体の移動方向を変更するときに一旦停止することとなるために、表示体の移動速度を上げることが困難となり、重なった状態で配置されている液晶表示部の表示内容が視認し辛くなるとともに、一旦停止する部分においては、視認不可能な状態になってしまっていた。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、変動表示装置の表示内容が視認不可能な状態になることなく遊技演出を行う新たな演出装置を用いた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(解決手段1)
上記目標を達成するために、本発明の遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域が前面に形成された遊技盤と、該遊技盤に設けられた複数種類の入賞口と、該複数種類の入賞口のうち予め定められた始動口に遊技球が入賞した後、開始条件成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の図柄情報を変動表示する変動表示装置と、前記開始条件成立にもとづいて前記変動表示装置の表示結果を決定する変動結果決定手段と、を備え、前記変動結果決定手段により表示結果を特定の表示結果とする決定がなされたときに前記変動表示装置にて前記図柄情報の変動表示を行って前記特定の表示結果を表示した後、特定遊技状態に制御する遊技機において、棒状の部材により構成されるとともに遊技機の前方に向かって発光する複数種類の発光部材を備えた可動部材と、前記可動部材の中央を回転軸として前記可動部材を回転駆動する駆動手段と、からなる可動ユニットと、前記可動部材を前記遊技盤に対して略水平に回転駆動させるために前記可動部材の回転軸が前記遊技盤の前面に対して略垂直となるように前記可動ユニットを取り付ける取付手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、前記発光部材を発光制御する発光制御手段と、を備え、前記取付手段は、前記変動表示装置よりも手前側(遊技者側)に前記可動部材が突出するように前記可動ユニットを取り付け、前記駆動制御手段は、前記駆動手段により前記変動表示装置と重複するように前記可動部材を回転駆動するとともに、前記変動表示装置と重複しない位置で前記可動部材を停止するように前記駆動手段を制御し、前記駆動制御手段により前記可動部材を回転駆動するとともに前記発光制御手段により発光制御することによって前記画像表示装置に重複して所定の態様の残像を表示することを特徴とする。
【0008】
なお、解決手段1に示す各手段として、本実施形態における一例を以下に示す。遊技領域12は、遊技盤4の前面側に案内レール11によって区画形成された領域である。始動口とは、第1始動口72と第2始動口73とのいずれか一方または両方である。開始条件成立とは、特別図柄表示器41にて前回の特別図柄の変動表示が終了した状態、または、大当り遊技状態が終了している状態、である。変動結果決定手段とは、主基板101に搭載されるCPU102の機能であって大当り判定乱数にもとづいて大当りとするか否かの判定を行う部分である。特定遊技状態とは、大当り遊技状態であり、前面扉76を回動して大入賞口開閉装置75を開放状態に制御し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで大入賞口を開放した状態に維持し、大入賞口開閉装置75を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでのラウンドを15回繰り返し実行(15ラウンド実行)するものである。
【0009】
また、この実施の形態における可動部材は、内部に複数(この実施の形態では、8個)の発光体として多色発光可能なLED61aを備え、直方体状(棒状ともいう)の部材により構成された回転役物61である。駆動手段は、モータ63であり、可動ユニットとしてモータ63と回転役物61とからなる回転ユニット60を備えている。また、回転ユニット60の取付基板64は、モータ63のモータ軸63aが遊技盤4の前面に対して略垂直な状態となるように回転ユニット60を取り付ける。発光体制御手段とは、役物制御基板115に搭載される役物CPU116によってLED61aを発光制御する部分であり、駆動制御手段とは、役物制御基板115に搭載される役物制御基板116によってモータ63を駆動制御する部分である。回転役物61を回転駆動する(例えば、1分間に1200回転の回転速度で回転駆動する)とともに回転役物61の内部に設けられるLED61aを発光制御することにより、所定の態様の残影が表示される。回転役物61の回転範囲が画像表示装置42の前後方向の一部と重なるように遊技盤4と略水平に回転役物61を回転駆動する。モータ63を駆動していない状態では、初期位置(この実施の形態では、図15に示す回転役物61の停止位置)として画像表示装置42の一部を覆わないような位置に停止し、モータ63を駆動して回転役物61を回転駆動した場合にもモータ63を停止させるときには回転役物61が初期位置となるように停止させる。
【0010】
この場合、棒状の部材により構成される可動部材を遊技盤に対して略水平に回転駆動させるため、可動部材の駆動領域全体を用いて所定の態様の残像を表示でき、今までにない斬新な表示演出を行うことができる。さらに回転運動による駆動であるため、可動部材を一旦停止させる必要が無くなることにより高速回転が可能となり、背面の画像表示装置が可動部材可動中であっても表示画像が透けて見えることで視認不可能とはならない。
【0011】
また、変動表示装置に重複するように可動部材を回転駆動するため、変動表示装置に注目している遊技者にも可動部材が駆動されたことを認識させ易くなり、さらに、変動表示装置にて実行される演出と可動部材の駆動とをより密接に同期させて実行することが可能となる。
【0012】
さらに、変動表示装置に重複しない位置で可動部材を停止するため、可動部材を回転駆動していない状態で可動部材の背面側に位置する変動表示装置が視認できない状態になることを防止できる。
【0013】
(解決手段2)
解決手段1において、前記可動部材は、中空の棒状ケースと、該棒状ケースの前面と平行状でかつ棒状ケースの内側周側面に当接するように内部に固定されるとともに、前記複数種類の発光部材がその略中央から一方端に向かって所定の間隔で搭載される発光基板と、からなることを特徴とする。
【0014】
この場合、発光部材がその略中央から一方端に向かって所定の間隔で搭載される事で、均一な発光による残像表示が行なえるとともに、発光部材を搭載した発光基板が中空の棒状ケースに内封されているため、可動部材が高速回転を行ったとしても外的要因(球との衝突や、その他部品との干渉、埃など)による不具合が防止できる。
【0015】
(解決手段3)
解決手段2において、前記発光基板の前記発光部材が設けられていない他方端の背面の所定の位置にコンデンサを搭載し、前記発光基板の中央は、重心であり、前記駆動手段の回転軸は、前記可動部材の中央および前記発光基板の中央と一致することを特徴とする。
【0016】
この場合、駆動手段の回転軸(モータ軸63a)を中心として重量バランスが均等になるように可動部材(回転役物61)が形成されることで可動部材(回転役物61)の重心と、可動部材(回転役物61)の回転軸(回転中心)とが一致するため、遠心(偏芯)を防止できるとともに、遠心により発生する振動を低減させることができる。
【0017】
さらには、駆動手段(モータ63)を高速回転させることが可能になるとともに、駆動手段(モータ63)を急回転および急停止させることが可能となり、ひいては、駆動手段(モータ63)の脱調を防止することができる。
【0018】
(解決手段4)
解決手段2または解決手段3において、前記可動部材は、前記棒状ケース内部に空気の流出および流入を可能とする複数の通気孔を有することを特徴とする。
【0019】
この場合、棒状ケース内部に設けられた発光基板上の発光体やコンデンサの熱を、回転駆動することで冷却することが可能となる。
【0020】
(解決手段5)
解決手段1乃至解決手段4のいずれかにおいて、その一部が厚み方向に刳り抜かれた開口から前記変動表示装置が前面側から視認可能となるように遊技盤に配設される中央装飾体をさらに備え、前記中央装飾体は、その中央が厚み方向に貫通した開口部を有し、前記取付手段は、前記開口部に前記可動部材を挿入して当該開口部から視認可能となるように前記可動ユニットを取り付けることを特徴とする。
【0021】
この場合、中央装飾体に形成された開口部から可動部材を挿入してフロントユニットおよび取付基板に形成された開口部から視認可能となるように可動ユニットを取り付けるため、変動表示装置の近傍に可動ユニットを配置でき、変動表示装置の演出に関連した演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を低下させることが無い。
【0022】
(解決手段6)
解決手段5において、前記取付手段は、前記中央装飾体に形成された開口部の右上部から視認可能となるように前記可動ユニットを取り付けることを特徴とする。
【0023】
この場合、中央装飾体の右側上部部分は、中央装飾体が設けられる遊技盤の球の流下にあまり影響を与えない部分であることから、遊技の当落結果に影響を与えることなく、大きく表示領域を取る配置が可能となるため、遊技の興趣を低下させることが無い。
【0024】
(解決手段7)
遊技球が打ち込まれる遊技領域が前面に形成された遊技盤と、該遊技盤に設けられた複数種類の入賞口と、該複数種類の入賞口のうち予め定められた始動口に遊技球が入賞した後、開始条件成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の図柄情報を変動表示する変動表示装置と、前記開始条件成立にもとづいて前記変動表示装置の表示結果を決定する変動結果決定手段と、を備え、前記変動結果決定手段により表示結果を特定の表示結果とする決定がなされたときに前記変動表示装置にて前記図柄情報の変動表示を行って前記特定の表示結果を表示した後、特定遊技状態に制御する遊技機において、棒状の部材により構成されるとともに遊技機の前方に向かって発光する複数種類の発光部材を備えた可動部材と、前記可動部材の中央を回転軸として前記可動部材を回転駆動する駆動手段と、からなる可動ユニットと、前記可動部材を前記遊技盤に対して略水平に回転駆動させるために前記可動部材の回転軸が前記遊技盤の前面に対して略垂直となるように前記可動ユニットを取り付ける取付手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、前記発光部材を発光制御する発光制御手段と、を備え、前記取付手段は、前記変動表示装置の表示面よりも手前側(遊技者側)に前記可動部材が所定距離離れて突出するように前記可動ユニットを取り付け、前記駆動制御手段は、前記駆動手段により前記変動表示装置と重複するように前記可動部材を回転駆動するとともに、前記変動表示装置と重複しない位置で前記可動部材を停止するように前記駆動手段を制御し、前記駆動制御手段により前記可動部材を回転駆動するとともに前記発光制御手段により発光制御することによって前記画像表示装置に重複して所定の態様の残像を表示することを特徴とする。
【0025】
この場合、棒状の部材により構成される可動部材を遊技盤に対して略水平に回転駆動させるため、可動部材の駆動領域全体を用いて所定の態様の残像を表示でき、今までにない斬新な表示演出を行うことができる。さらに回転運動による駆動であるため、可動部材を一旦停止させる必要が無くなることにより高速回転が可能となり、背面の画像表示装置が可動部材可動中であっても表示画像が透けて見えることで視認不可能とはならない。
【0026】
また、変動表示装置に重複するように可動部材を回転駆動するため、変動表示装置に注目している遊技者にも可動部材が駆動されたことを認識させ易くなり、さらに、変動表示装置にて実行される演出と可動部材の駆動とをより密接に同期させて実行することが可能となる。
【0027】
また、変動表示装置に重複しない位置で可動部材を停止するため、可動部材を回転駆動していない状態で可動部材の背面側に位置する変動表示装置が視認できない状態になることを防止できる。
【0028】
さらに、変動表示装置と可動部材とを所定距離離れるように取り付けることで、遊技者が遊技機を見る位置によって見え方に変化が生まれる。つまり、遊技者の見る視線の位置によっては、変動表示装置と可動部材による表示が重複して見える位置が異なるため、遊技者に多種多様な表示の楽しみを提供できることで遊技の興趣を低下させることが無い。
【0029】
(解決手段8)
解決手段7において、前記可動部材は、中空の棒状ケースと、該棒状ケースの前面と平行状でかつ棒状ケースの内側周側面に当接するように内部に固定されるとともに、前記複数種類の発光部材がその略中央から一方端に向かって所定の間隔で搭載される発光基板と、からなることを特徴とする。
【0030】
この場合、発光部材がその略中央から一方端に向かって所定の間隔で搭載される事で、均一な発光による残像表示が行なえるとともに、発光部材を搭載した発光基板が中空の棒状ケースに内封されているため、可動部材が高速回転を行ったとしても外的要因(球との衝突や、その他部品との干渉、埃など)による不具合が防止できる。
【0031】
(解決手段9)
解決手段8において、前記発光基板の前記発光部材が設けられていない他方端の背面の所定の位置にコンデンサを搭載し、前記発光基板の中央は、重心であり、前記駆動手段の回転軸は、前記可動部材の中央および前記発光基板の中央と一致することを特徴とする。
【0032】
この場合、駆動手段の回転軸(モータ軸63a)を中心として重量バランスが均等になるように可動部材(回転役物61)が形成されることで可動部材(回転役物61)の重心と、可動部材(回転役物61)の回転軸(回転中心)とが一致するため、遠心(偏芯)を防止できるとともに、遠心により発生する振動を低減させることができる。
【0033】
さらには、駆動手段(モータ63)を高速回転させることが可能になるとともに、駆動手段(モータ63)を急回転および急停止させることが可能となり、ひいては、駆動手段(モータ63)の脱調を防止することができる。
【0034】
(解決手段10)
解決手段8または解決手段9において、前記可動部材は、前記棒状ケース内部に空気の流出および流入を可能とする複数の通気孔を有することを特徴とする。
【0035】
この場合、棒状ケース内部に設けられた発光基板上の発光体やコンデンサの熱を、回転駆動することで冷却することが可能となる。
【0036】
(解決手段11)
解決手段7乃至解決手段10のいずれかにおいて、その一部が厚み方向に刳り抜かれた開口から前記変動表示装置が前面側から視認可能となるように遊技盤に配設される中央装飾体をさらに備え、前記中央装飾体は、その中央が厚み方向に貫通した開口部を有し、前記取付手段は、前記開口部に前記可動部材を挿入して当該開口部から視認可能となるように前記可動ユニットを取り付けることを特徴とする。
【0037】
この場合、中央装飾体に形成された開口部から可動部材を挿入してフロントユニットおよび取付基板に形成された開口部から視認可能となるように可動ユニットを取り付けるため、変動表示装置の近傍に可動ユニットを配置でき、変動表示装置の演出に関連した演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を低下させることが無い。
【0038】
(解決手段12)
解決手段11において、前記取付手段は、前記中央装飾体に形成された開口部の右上部から視認可能となるように前記可動ユニットを取り付けることを特徴とする。
【0039】
この場合、中央装飾体の右側上部部分は、中央装飾体が設けられる遊技盤の球の流下にあまり影響を与えない部分であることから、遊技の当落結果に影響を与えることなく、大きく表示領域を取る配置が可能となるため、遊技の興趣を低下させることが無い。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、新たな演出装置を用いて遊技演出を行う遊技機を提案できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1乃至図3を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠および前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。図3は、パチンコ機1の裏面構成を示す背面図である。
【0042】
なお、本実施例では、遊技機の一例としてパチンコ機1を示すが、遊技媒体として遊技メダルを用い、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄情報を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示装置を備えるとともに、始動用操作手段(例えば、操作レバー)の操作にもとづいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、ストップボタン)の操作、あるいは、所定時間の経過にもとづいて図柄情報の変動表示を停止する回胴式遊技機(スロットマシン)であっても適用可能である。また、遊技媒体として遊技球を用いて回胴式遊技機の遊技を行うパチンコ機と回胴式遊技機とを融合させた遊技機(パロット)であっても適用可能である。
【0043】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、および機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
【0044】
また、本体枠3は、合成樹脂材によって一体に形成されるとともに、前面側に遊技盤装着枠9が背面側に機構装着枠10がそれぞれ形成されている。これによって、合成樹脂製の本体枠3は、従来の前枠(内枠、前面枠等と呼ばれることがある)と、機構板(裏機構板、裏セット板等と呼ばれることがある)との機能を兼ね備えている。
【0045】
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。また、遊技盤装着枠9の左側部には、係合突部33が上下に2つ形成され、遊技盤装着枠9の右側部には、係合凹部36(図17参照)が上下に2つ形成されている。また、遊技盤4の盤面(前面)の左側部には係合突部33と対応する係止穴34が上下に2つ形成され、遊技盤4の盤面の右側部には係合凹部36と対応する係合フック35が上下に2つ形成されている。係合フック35は、遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。
【0046】
また、遊技盤4の盤面には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられている。また、遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、下部スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
【0047】
また、図2に示すように、本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。
【0048】
しかして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8および下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
【0049】
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、上皿28を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、後述する遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
【0050】
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部に枠ランプ27が、下部に上皿28が、上部に上部スピーカ29が装着されている。なお、枠ランプ27は、後述する画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じて点灯・消灯制御され、上部スピーカ29および上述した下部スピーカ14は、画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じて複数種類の音出力態様の音出力制御が実行される。このように、画像表示装置42にて実行される演出に同期して枠ランプ27の点灯・消灯制御、上部スピーカ29および下部スピーカ14の音出力制御、を実行することにより演出効果を高め、遊技者の興趣を向上させるためのものである。また、上部スピーカ29および下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音、遊技に関するエラー状態が発生したことを報知する情報音、等の出力も行われる。
【0051】
次に、本体枠3の裏面構成について説明すると、図3に示すように、本体枠3の裏面上側には、遊技島に設置される球揚送装置から供給される遊技球を貯留する球タンク140と、球タンク140と払出装置109とを接続し、球タンクに貯留される遊技球を流下せしめるタンクレール141と、が配置されている。なお、タンクレール141によって球タンク140と接続される払出装置109は、ユニット状に形成され、タンクレール141からの遊技球を受け入れて遊技球の払い出しを指示する信号にもとづいて所定個数の遊技球を払い出す。
【0052】
また、タンクレール141の下方には、基板等が内蔵される基板保護カバー142が設けられている。なお、基板保護カバー142は、タンクレール141から落下した球によってこれら基板類が損傷するのを防止するとともに、各基板への不正行為を防止する役割を担っている。また、基板保護カバー142は、パチンコ機1の背面側に張り出しており、その下方に主基板101が配置されている。また、主基板101の遊技盤4背面側にはサブ統合基板111(図5に符号のみ記載)が配置されている。しかして、主基板101およびサブ統合基板111の上方がパチンコ機1の背面側に張り出した基板保護カバー142によって覆われ、タンクレール141から落下した球によって主基板101およびサブ統合基板111が損傷するのを防止している。
【0053】
また、本体枠3の裏面下側一側に発射装置135が取り付けられている。この発射装置135は、発射位置に送られた球を発射する発射ハンマーと、発射ハンマーに往復回動動作を付与する発射モータ等を集約して設けることにより構成され、操作ハンドル18と関連付けられている。また、発射装置135の右側方には、払出基板105が設けられている。払出基板105は、主基板101からの遊技球の払い出しを指示する信号を受信したことにもとづいて払出装置109を駆動制御する。
【0054】
次に、遊技盤4に設けられる各種構成部材および装置について図4を参照して説明する。図4は、遊技盤4を示す正面図である。
【0055】
上述した案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成され、遊技領域12の中央部分には、センターユニット40が配設されている。センターユニット40は、複数種類の画像を表示制御可能な画像表示装置42、複数個の発光体(この実施の形態では、4個のLED)を点滅させて特別図柄を変動表示し、特別図柄の表示結果として所定の態様でLEDを点灯する特別図柄表示器41、発光体(この実施の形態では、LED)を点灯制御して普通図柄を変動表示する普通図柄表示器44、複数個の発光体(この実施の形態では、4個のランプ)により構成され、点灯・消灯制御される特図始動記憶ランプ47、複数個の発光体(この実施の形態では、4個のLED)により構成され、点灯・消灯制御される普図始動記憶LED48、遊技盤4の前面に対して略水平(略平行)に回転駆動制御される回転役物61、等が設けられている。この実施の形態では、回転役物61は常に時計回りに回転駆動される。また、この実施の形態の画像表示装置42は、左・中・右の3つの領域を有し、各領域にて各々が識別可能な複数種類の装飾図柄の変動表示を行う。
【0056】
センターユニット40の左側方には、ゲート74が設けられている。ゲート74には、ゲート74を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ74a(図7参照)が設けられている。なお、上述した普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示は、ゲート74を遊技球が通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことにもとづいて開始される。すなわち、ゲートスイッチ74aによる遊技球の検出に応じて普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示が許可される。
【0057】
また、センターユニット40の中央下方には、可変入賞装置70が配設されている。可変入賞装置70は、上方から遊技球が入賞可能な第1始動口72と、第1始動口72の下方に設けられた第2始動口73と、第1始動口72および第2始動口73に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70a(図5に符号のみ記載)と、を備えている。また、第2始動口73の両側には、ソレノイド71aにより下部を支点として回動可能な可動片71が設けられている。第2始動口73は、通常、上方に位置する第1始動口72と、第2始動口73の両側に位置する可動片71により塞がれて遊技球が入賞不可能な閉塞状態となっており、ソレノイド71aを可動して可動片71を回動させ、遊技球が入賞可能な開放状態に制御する。
【0058】
可変入賞装置70の下方には、大入賞口開閉装置75が配設されている。大入賞口開閉装置75は、横長長方形状の大入賞口と、大入賞口の前面に設けられ、ソレノイド76aにより下部を支点として回動可能な前面扉76と、大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ75a(図5に符号のみ記載)と、を備えている。また、大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ75aによって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、15個)の遊技球の払い出しが行われる。なお、大入賞口開閉装置75は、通常、前面扉76が起立し、遊技球が入賞不可能な閉塞状態に制御され、ソレノイド76aを可動し、前面扉76の下部を支点としてパチンコ機1手前方向に回動させ、遊技球が入賞可能な開放状態に制御する。
【0059】
また、大入賞口開閉装置75の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域12から排出するアウト口77が設けられている。また、遊技領域12には、上方から遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口13も設けられ、一般入賞口13に遊技球が入賞したことにもとづいて所定数の遊技球の払い出しが行われる。なお、一般入賞口13に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ13a(図5に符号のみ記載)によって検出され、一般入賞口13に遊技球が入賞し、一般入賞口スイッチ13aによって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、4個)の遊技球の払い出しが行われる。
【0060】
なお、図示しないが、遊技盤4の遊技領域12に設けられるセンターユニット40等の各装置には複数のランプおよびLED等が設けられている(例えば、後述する上部ランプ88等)。そして、画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じてランプおよびLED等を点灯・消灯制御することにより演出効果を高めている。以下、これらのランプおよびLEDを遊技盤ランプということがある。また、図示しないが、遊技盤4の前面(遊技領域12が形成される側)には遊技球の流下方向を変化させる複数の障害釘が突設している。
【0061】
ここで、上述した各種構成部材および装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドル18を操作することによりパチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15および案内レール11を通って遊技領域12の上部に放出され、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口77に向かって流下する。そして、遊技領域12を流下する遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aによって検出されると、普通図柄表示器44で普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯表示)が開始される。
【0062】
なお、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されると、所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始するときに、普通図柄当り判定乱数にもとづいて当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様(この実施の形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)でLEDを停止表示する。
【0063】
また、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を実行中に遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことにもとづいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED48の点灯個数によって表示される。具体的には、普図始動記憶LED48は、ゲート74の通過が有効である(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)ときにゲートスイッチ74aにより遊技球を検出する毎にLEDを1つ点灯させ、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始する毎に点灯しているLEDを1つ消灯させる。
【0064】
また、普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示は、所定期間経過後に停止し、停止時の普通図柄の表示結果が「当り」(発光体が赤色に点灯した状態で停止)となったときに第2始動口73の可動片71が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。一方、普通図柄表示器44の表示結果が「ハズレ」(発光体が緑色に点灯した状態で停止)となった場合には、可動片71を開放する制御を行わず第2始動口73に遊技球が入賞不可能な閉塞状態に制御されるが、第1始動口72は遊技球を入賞可能な状態となっている。
【0065】
すなわち、可変入賞装置70は、普通図柄表示器44に当りとなる表示結果(この実施の形態では、当りであれば赤色の点灯表示)が停止表示されたときに所定時間(例えば、通常状態時0.5秒、または、確率変動状態時3秒)開放状態に制御される。具体的には、普通図柄表示器44に当りとなる表示結果が停止表示されたことにもとづいてソレノイド71aを可動して可動片71を開放状態に制御する。そして、所定期間経過したときに再びソレノイド71aを可動して可動片71を閉塞状態に制御する。可動片71を開放状態に制御することにより第2始動口73に遊技球が入賞可能な状態になり、可動片71を閉塞状態に制御することにより遊技球が入賞不可能な状態になる。
【0066】
また、遊技領域12を流下する遊技球が第1始動口72、または、第2始動口73に入賞すると、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態、および、特別図柄および装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとともに、画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に特別図柄表示器41における特別図柄の変動表示、および、画像表示装置42における装飾図柄の変動表示を停止して表示結果を導出する。
【0067】
なお、上述した特別図柄表示器41および画像表示装置42における特別図柄および装飾図柄の変動表示は、第1始動口72、または、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aにより遊技球が検出されたことにもとづいて開始される。すなわち、始動口スイッチ70aによる遊技球の検出に応じて特別図柄表示器41における特別図柄の変動表示、および、画像表示装置42における装飾図柄の変動表示、が許可される。なお、本実施形態では、特別図柄の変動表示が許可される入賞口として、第1始動口72と、第2始動口73と、の2つの始動入賞口が設けられているが、始動入賞口の設置個数はこれらに限られず、例えば、第1始動口72と、第2始動口73と、のいずれか一方のみ設ける構成であってもよい。また、第1始動口72および第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aによって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、7個)の遊技球の払い出しが行われる。
【0068】
また、始動口スイッチ70aにより遊技球が検出されると、所定範囲の大当り判定乱数を更新するカウンタから大当り判定乱数を抽出する。また、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとき(および、画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に、大当り判定乱数にもとづいて大当りとするか否かの判定を行い、大当りとする判定がなされた場合には、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示、および、画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に予め定められた特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ:大当り図柄)で特別図柄表示器41のLEDを点灯させて特別図柄を停止表示するとともに、画像表示装置42に装飾図柄の特定表示結果(大当り図柄:同一の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出した後、大当り遊技状態に移行制御する。つまり、停止時の特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ:大当り図柄)となる場合には、装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の表示態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄)となり、大当り遊技状態に移行制御する。
【0069】
なお、特別図柄表示器41における特別図柄の表示結果と、画像表示装置42における装飾図柄の表示結果と、は対応している。すなわち、特別図柄表示器41および画像表示装置42にて特別図柄および装飾図柄の変動表示を開始するときに大当りとしない判定がなされた場合には、特別図柄表示器41にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示するとともに、画像表示装置にて特定表示結果とは異なるはずれ状態となる表示結果(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、この実施の形態では、少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出する。
【0070】
また、画像表示装置42にて変動表示される装飾図柄は特別図柄表示器41にて変動表示される特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示器41にて行われる変動表示の内容を演出用の装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。つまり、特別図柄表示器41におけるLEDが特定の表示態様で点灯表示された場合には大当り遊技状態に移行制御するが、万が一、画像表示装置42にて装飾図柄の表示結果が特定表示結果となっても特別図柄表示器41におけるLEDが特定の表示態様で点灯表示されない場合には大当り遊技状態に移行制御されない。
【0071】
さらに、この実施の形態では、特別図柄表示器41における特定の表示態様は、特別態様(確変図柄)と、特別態様とは異なる非特別態様(非確変図柄)と、を含み、画像表示装置42における特定表示結果は、特別表示結果(確変図柄:この実施の形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)と、特別表示結果とは異なる非特別表示結果(非確変図柄:この実施の形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ)と、を含んでいる。そして、特別図柄表示器41において特別態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示したことにもとづいて大当り遊技状態に移行制御した後、通常状態よりも大当りとする判定がなされる確率が高い確率変動状態(この実施の形態では、確率変動状態では、1/63.1の割合で大当りと判定、通常状態および時短状態では、1/315.5の割合で大当りと判定)に制御する。
【0072】
一方、特別図柄表示器41において非特別態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示したときには、大当り遊技状態に移行制御した後、特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、および画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまで、および、画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始してから装飾図柄を停止表示するまで、の変動時間と、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する時短状態に制御する。時短状態では、さらに、可変入賞装置70が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御(この実施の形態では、通常状態では、0.5秒、時短状態では、5秒)と、普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示の結果が当り(この実施の形態では、赤色の点灯表示)となる確率を高める制御と、が実行される。なお、通常状態とは、確率変動状態および時短状態とは異なる遊技状態のことである。
【0073】
また、時短状態は、上述したものに限らず、特別図柄表示器41および画像表示装置42における特別図柄および装飾図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器44における普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示の結果が当りとなる確率を通常状態よりも高める制御、可変入賞装置70が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞装置70が開放状態にされる回数を通常状態よりも増加する制御、のうちいずれか1つ、または、任意の組み合わせ(全部でもよい)が実行された状態を時短状態とすればよい。
【0074】
また、この実施の形態では、画像表示装置42の3つの表示領域に対応する左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始してから中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
【0075】
また、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を実行中、または、大当り遊技状態の実行中、に第1始動口72、または、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aにより遊技球が検出された(所定条件成立)ことにもとづいて抽出された大当り判定乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される大当り判定乱数の個数は、特図始動記憶ランプ47の点灯個数によって表示される。具体的には、特図始動記憶ランプ47は、第1始動口72および第2始動口73への入賞が有効である(特別図柄の始動記憶数が4未満のとき)ときに始動口スイッチ70aにより遊技球を検出する毎に特図始動記憶ランプ47を点灯させ、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始する毎に点灯している特図始動記憶ランプ47を1つ消灯させる。このように、特図始動記憶ランプ47は、所定条件が成立(第1始動口72、または、第2始動口73に遊技球が入賞)したが未だ特別図柄の変動表示が開始されていない記憶数(始動記憶数)を表示するものである。
【0076】
この実施の形態では、特別図柄表示器41のLEDが特定の表示態様で点灯されたことにもとづく大当り遊技状態では、前面扉76を回動して大入賞口開閉装置75を開放状態に制御し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで大入賞口を開放した状態に維持する。その後、前面扉76を回動して大入賞口開閉装置75を閉塞状態に制御する。そして、大入賞口開閉装置75を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでのラウンドを15回繰り返し実行(15ラウンド実行)したときに大当り遊技状態を終了させる。
【0077】
すなわち、大当り遊技状態に移行制御されると、ソレノイド76aを駆動し、前面扉76の下部を支点としてパチンコ機1手前方向に回動させて大入賞口開閉装置75を開放状態に制御することにより大入賞口を開放する(遊技球が大入賞口に入賞可能な状態にする)。そして、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したとき、または、所定個数(この実施の形態では、10個)の遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ75aによって検出されたとき、にソレノイド76aを駆動し、前面扉76の下部を支点として起立させて大入賞口開閉装置75を閉塞状態に制御することにより大入賞口を閉成する(遊技球が大入賞口に入賞不可能な状態にする)。大入賞口開閉装置75を閉塞状態に制御した後、所定時間(例えば、2秒)経過したことにもとづいて、再び大入賞口開閉装置75を開放状態に制御する開閉サイクル(以下、これをラウンド「R」ともいう)を15回繰り返す制御を実行する。
【0078】
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された1種類の大当り遊技状態に制御可能であるが、大当り遊技状態として遊技者に付与される利益が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成してもよい。例えば、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御するように構成してもよい。この場合には、大当り判定乱数にもとづいて大当りとする判定がなされた後、大当り遊技状態にて実行するラウンド数を決定するようにしてもよいし、大当り判定乱数にもとづいて異なるラウンド数が設定された複数種類の大当り遊技状態のうちいずれかに制御するか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0079】
図5は、主基板グループおよび周辺基板グループにおける回路構成の一例を示すブロック図である。なお、主基板グループおよび周辺基板グループを構成する各種基板は遊技盤4の背面側に取り付けられる。
【0080】
主基板グループは、主基板101および払出基板105によって構成されている。主基板101は、中央演算装置としてのCPU102、読み出し専用メモリとしてのROM103、読み書き可能メモリとしてのRAM104を備えている。CPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御するともに、周辺基板グループ、払出基板105、に送信する信号を作成したりする。また、RAM104には、主基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
【0081】
なお、主基板101には、ゲートスイッチ74a、始動口スイッチ70a、カウントスイッチ75a、一般入賞口スイッチ13a、等からの検出信号が入力される。そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。すなわち、入力された検出信号にもとづいてソレノイド71a,76a、特別図柄表示器41、普通図柄表示器44、特図始動記憶ランプ47、普図始動記憶LED48、状態表示LED45、大当り種類表示LED46、等へ駆動信号を出力する。さらに、払出基板105に入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する信号を出力する。
【0082】
また、払出基板105は、中央演算装置としての払出CPU106、読み出し専用メモリとしての払出ROM107、読み書き可能メモリとしての払出RAM108を備えている。なお、上述した始動口スイッチ70a、カウントスイッチ75a、一般入賞口スイッチ13a、等により遊技球が検出されたときに、各スイッチから検出信号が主基板101に入力され、検出信号が入力されたことにもとづいて主基板101に搭載されるCPU102から払出基板105に遊技球の払い出しを指示する信号が送信される。そして、払出基板105は、主基板101から受信した信号を処理し、払出装置109(払出モータ)に駆動信号を出力する。駆動信号が入力されたことにもとづいて払出装置109により遊技球の払い出しが行われる。
【0083】
また、払出基板105には、遊技球を遊技領域12に向けて発射する発射モータを備えた発射装置135も接続される。そして、操作ハンドル18が操作されたことにもとづいて発射装置135によって発射モータを駆動し遊技球を打ち出す。なお、図示しないが発射装置135には、操作ハンドル18には遊技者が触れていることを検知するタッチセンサが内蔵され、タッチセンサによって遊技者が触れていることを検知し、さらに操作ハンドル18が操作されたことにもとづいて発射装置135により発射モータを駆動可能な状態となる。なお、上皿が満タンになったことを検出する上皿満タンスイッチを設け、上皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態に制御し、発射装置135による発射モータの駆動不可能な状態にしてもよい。この場合には、上皿満タンスイッチからの検出信号が入力されなくなったことにもとづいて操作ハンドル18の操作を受付可能な状態へ制御するように構成してもよい。
【0084】
周辺基板グループは、サブ統合基板111、ランプ中継基板119、役物制御基板115、および、表示制御基板120によって構成される。サブ統合基板111は、統合CPU112、統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128、および、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127も備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主基板101から受信された信号にもとづく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データ、入出力信号、主基板101から受信した信号、等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている主基板101から受信した信号を読み出し、読み出した信号にもとづいて表示制御基板120およびランプ中継基板119に信号を送信したり、音源IC128によって読み出した信号にもとづいて音ROM127から音出力態様を読み出し、読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ29、および、下部スピーカ14に出力したり、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。
【0085】
ランプ中継基板119は、主基板101から受信した信号を遊技盤ランプおよび役物制御基板115に送信する。なお、ランプ中継基板119では、主基板101から送信される信号を遊技盤ランプおよび役物制御基板115に送信するだけであり、実質的には遊技盤ランプおよび役物制御基板115の制御はサブ統合基板111が行う。以下、ランプ中継基板119を省略して説明する場合がある。
【0086】
役物制御基板115は、中央演算装置としての役物CPU116、読み出し専用メモリとしての役物ROM117、読み書き可能メモリとしての役物RAM118を備えている。また、表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121、読み出し専用メモリとしての表示ROM122、読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。
【0087】
また、役物制御基板115に搭載される役物CPU116は、サブ統合基板111からランプ中継基板119を経由して受信した信号にもとづいてモータ63およびLED61aに駆動信号を出力する。モータ63に駆動信号を出力することにより回転役物61が回転駆動制御される。また、表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、サブ統合基板111からの信号にもとづいて画像表示装置42を制御する。
【0088】
次に、上述したセンターユニット40について図6乃至図8を参照して詳細に説明する。図6は、センターユニット40の正面拡大図である。
【0089】
なお、この実施の形態におけるセンターユニット40は、遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80と、前面装飾体の背面に遊技盤4の背面側から取り付けられるリアユニット83と、から構成される。また、リアユニット83は、取付ユニット81と、背面装飾体82と、回転役物61を含む回転ユニット60と、から構成され、さらに、背面装飾体82は、取付基板86と、球誘導部材65と、ステージ50と、上部装飾体87と、画像表示装置42と表示制御基板120とを含む表示ユニット85と、から構成される(図11参照)。また、遊技盤4には、その合板材を厚み方向に刳り抜いた貫通孔4aが形成されている(図11参照)。この貫通孔4aは、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、前面装飾体80の外形にほぼ合致している。
【0090】
センターユニット40を構成する各部材のうち遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80は、その中央部および右上部が厚み方向に繰り抜かれた中空形状を有し、前面装飾体80の中央の開口部から視認可能な状態で背面装飾体82が取り付けられ、前面装飾体80の右上部の開口部から視認可能な状態で回転役物61が取り付けられる。なお、前面装飾体80は、遊技盤4の前面側の盤面から前方に所定の厚みを有し、遊技球の流下を障害し、前面装飾体80の中央部および右上部の開口部に遊技球を侵入させないように区画形成されている。すなわち、遊技領域12を流下してきた遊技球が前面装飾体80に接触すると、前面装飾体80の左右両側の一方に誘導され、センターユニット40の内部に進入できないように前面装飾体80が形成されている。
【0091】
また、前面装飾体80の下縁部には、遊技球が転動可能な球受けステージ80a(図7参照)が形成されている。なお、球受けステージ80aは、背面装飾体82の下縁部を構成するステージ50と組み合わされた状態で一体となる。また、球受けステージ80aは、ステージ50と所定の段差を有するようにステージ50の下段に位置するとともに、ステージ50の手前側に位置している。
【0092】
また、前面装飾体80の左上部と、左下部と、右下部には、遊技球が通過可能な通路が形成されるとともに遊技球が通過したことにもとづいて揺動する揺動通路部材43が設けられている。また、前面装飾体80の右上部には、遊技球が通過可能な通路が形成された球通路部材49が設けられている。この実施の形態では、前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43および前面装飾体80の右上部に設けられた球通路部材49に遊技球が侵入することにより、前面装飾体80により区画形成された開口部に遊技球を誘導可能になる。
【0093】
また、前面装飾体80の左下部および右下部に設けられる揺動通路部材43に遊技球が侵入することにより、可変入賞装置70が配設する遊技領域12の中央方向に遊技球を誘導可能になり、第1始動口72および第2始動口73への入賞率が高まる。なお、揺動通路部材43は、遊技球が通過したときに遊技盤4の前面表面上に垂直に突出した回転軸を中心として左右に揺動する。このように、遊技球が通過したときに揺動通路部材43が左右に揺動するため、遊技球の通過を確認できるとともに、遊技に変化を与えることができ、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
【0094】
また、揺動通路部材43に遊技球が侵入することにより前面装飾体80により区画形成された開口部に遊技球が誘導されるか、または、可変入賞装置70が配設する遊技領域の中央方向に遊技球が誘導されるため、第1始動口72および第2始動口73への入賞に対する期待感を高めることができる。
【0095】
また、前面装飾体80の左上部(前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43の上方)には、発光体(この実施の形態では、LED)の点灯制御により普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示器44が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器44に内蔵されるLEDを赤色と、緑色と、に交互に点灯することにより普通図柄を変動表示し、所定期間経過後に赤色、または、緑色、の一方で停止表示することにより普通図柄の表示結果を導出する。
【0096】
また、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始するときに普通図柄当り判定乱数にもとづいて当りとするか否かの判定を行い、当りとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に赤色に点灯した状態で停止表示した後、ソレノイド71aを可動することにより可動片71を回動させて可変入賞装置70を所定期間開放状態に制御する。一方、はずれとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に緑色に点灯した状態で停止表示し、可変入賞装置70を開放状態に制御しない。
【0097】
また、普通図柄表示器44の右上方には、4つのLEDにより構成され、ゲート74を通過した有効通過数、すなわち、普通図柄の始動記憶数を表示する普図始動記憶LED48が設けられている。上述したように、普通図柄表示器44は、ゲート74を遊技球が通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたときに抽出して記憶した普通図柄当り判定乱数の個数を普図始動記憶LED48の点灯個数によって表示するものである。
【0098】
また、普図始動記憶LED48の下方には、遊技状態に応じて発光体(この実施の形態では、LED)を点灯制御する状態表示LED45が設けられている。この実施の形態では、上述した確変状態にて赤色に点灯制御され、上述した時短状態にて緑色に点灯制御される。そして、時短状態および確変状態を終了したとき、すなわち、通常状態への制御を開始したとき、および、大当り遊技状態に制御されたときに状態表示LED45を消灯する。
【0099】
また、遊技盤4の背面側から取り付けられる背面装飾体82の中央には、画像表示装置42が設けられ、前面装飾体80の中央に形成された開口部から視認可能となっている。なお、上述したように、画像表示装置42は、左・中・右の3つの領域にて装飾図柄の変動表示を行うものである。また、画像表示装置42には、装飾図柄とは異なる演出画像も表示制御される。
【0100】
また、背面装飾体82における画像表示装置42の上方には、上部装飾体87が設けられ、前面装飾体80の中央に形成された開口部を通してその一部が視認可能となっている。上部装飾体87は、画像表示装置42周りの装飾性を高めるとともに、不透明な樹脂で形成されてパチンコ機1の背部を視認不可能にする目隠しとしての機能を奏する。上部装飾体87には、パチンコ機1前下方に光照射する上部ランプ88が設けられ、その一部が視認可能となっている。上部ランプ88は、画像表示装置42にて実行される演出と同期して点灯・消灯制御され、画像表示装置42にて表示制御される内容の演出効果を高めるためのものである。
【0101】
また、上部装飾体87の左右方向略中央には、特別図柄表示器41が視認可能に設けられている。なお、上述したように、特別図柄表示器41は、4個のLEDによって構成され、これらLEDを所定の態様で点灯・消灯制御することにより特別図柄を変動表示するものである。
【0102】
特別図柄表示器41の左側方には、複数個の発光体により構成され、点灯・消灯制御される大当り種類表示LED46が設けられている。この実施の形態では、2個のLED(この実施の形態では、○および×が付されたLED)によって大当り種類表示LED46が構成され、大当り遊技状態の種類に応じて○が付された左側のLEDと、×が付された右側のLEDと、のいずれか一方、または、両方を点灯する。上述したように、この実施の形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED46を点灯制御しても効果を奏しないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED46を点灯・消灯制御することにより大当り遊技状態の種類を把握することができる。
【0103】
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「7回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態と、を実行可能な構成とした場合に、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED46の右側のLED(×が付されたLED)を点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED46の左側のLED(○が付されたLED)を点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、この実施の形態におけるパチンコ機1は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な遊技機にも対応可能に構成される。
【0104】
図7は、遊技盤4を右上方から見た斜視図である。なお、図6および図7に示すように、前面装飾体80の左側縁部後方および右側縁部後方(パチンコ機1背面側)には、前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43および前面装飾体80の右上部に設けられた球通路部材49により、前面装飾体80によって区画形成された開口部に誘導された遊技球を遊技盤4の前後方向に転動させつつ流下させる球誘導部材65が位置している。なお、球誘導部材65は、背面装飾体82の左側縁部および右側縁部を構成し、画像表示装置42の左右両側に位置している。
【0105】
また、球誘導部材65は、下端部が二股に分岐して遊技球をいずれか一方に誘導する分岐通路67と、揺動通路部材43および球通路部材49を分岐通路67に連結する連結通路66と、から構成され、揺動通路部材43および球通路部材49から侵入した遊技球は連結通路66に排出された後、連結通路66を転動して分岐通路67に進入し、分岐通路67を流下して上部誘導口68および下部誘導口69の一方から排出される。
【0106】
図8は、遊技盤4を前上方から見た斜視図である。また、図6乃至図8に示すように、前面装飾体80の下縁部後方(パチンコ機1背面側)には、背面装飾体82の下縁部を構成するステージ50が位置している。なお、ステージ50は、前面装飾体80の下縁部に形成される球受けステージ80aと一体となって球誘導部材65によって誘導された遊技球が転動可能な領域を形成し、画像表示装置42の前下方に位置している。また、ステージ50および球受けステージ80aの上部表面は、パチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜し、ステージ50および球受けステージ80a上を転動する遊技球をパチンコ機1手前方向に排出する。
【0107】
また、ステージ50の中央部には案内通路58が形成されている。また、案内通路58は、ステージ50の下方に下り、そこから前面側へ屈曲して延びて前面装飾体80に形成された放出口51と接続される。なお、放出口51は、前面装飾体80の下縁部における可変入賞装置70の真上に形成され、案内通路58に填り込んだ遊技球が放出口51へと誘導されて放出口51から真下に放出されることにより第1始動口72および第2始動口73に入賞し易くなる。
【0108】
また、ステージ50の上部表面には、ステージ50上部表面から所定の高さ(この実施の形態では、遊技球の直径以上の高さ)を有する複数の支持部材57が突出形成されている。そして、ステージ50の左右方向中央部に突出形成される支持部材57の上部には中空円形状の円形誘導部54がパチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜するように載置される。なお、円形誘導部54は、外周および内周に沿って円形誘導部54の上部表面から上方に突出形成される壁部を有し、外周および内周の壁部によって囲まれた溝部を有する。
【0109】
また、円形誘導部54の溝部は、所定の幅(この実施の形態では、遊技球の直径より広い幅)を有し、遊技球の転動が可能である。この実施の形態では、円形誘導部54の外周および内周の壁部は円形誘導部54の上部表面から上方に遊技球の直径よりも小さい程度の高さを有するように突出形成され、円形誘導部54の溝部を転動する遊技球が視認可能となっている。また、この実施の形態では、円形誘導部54をパチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜するように載置するが、円形誘導部54の外周に沿って壁部が突出形成されるため、円形誘導部54の溝部を転動する遊技球は外周と接触して内側に弾かれ、円形誘導部54からパチンコ機1手前方向に落下しない。
【0110】
また、円形誘導部54の内周の壁部は、その一部が切り取られた切欠部を有する。この実施の形態では、円形誘導部54の内周奥側の一部と、内周手前側の一部と、に切欠部を有し、内周手前側の切欠部は内周奥側の切欠部よりも広範囲に亘って壁部が切り取られ、内周手前側の切欠部に対応する溝部(溝部における内周手前側の切欠部のパチンコ機1の手前側に位置する部分)はパチンコ機1奥側に傾斜し、内周手前側の切欠部方向に遊技球を排出する。また、円形誘導部54は、その中空部の下方に案内通路58が位置するように載置され、円形誘導部54の奥側の切欠部と案内通路58とを連結する上部誘導路55が形成されるとともに、円形誘導部54の手前側の切欠部の一部と案内通路58とを連結する下部誘導路56が形成されている。
【0111】
また、円形誘導部54の奥側の左右両部には、ステージ50に突出形成される支持部材57の上部に載置して球誘導部材65の上部誘導口68と、円形誘導部54と、を橋掛けする上部レール52が連結し、円形誘導部54の手前側の左右両部には、ステージ50に突出形成される支持部材57の上部に載置して球誘導部材65の下部誘導口69と、円形誘導部54と、を橋掛けする下部レール53が連結される。
【0112】
なお、前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43および前面装飾体80の右上部に設けられた球通路部材49に侵入した遊技球は、球誘導部材65の連結通路66により分岐通路67に誘導される。そして、分岐通路67を流下し、上部誘導口68から排出された遊技球は、上部レール52上を転動して円形誘導部54の溝部に誘導され、下部誘導口69から排出された遊技球は、下部レール53上を転動して円形誘導部54の溝部に誘導される。このようにして、円形誘導部54に誘導された遊技球は、溝部を転動して円形誘導部54の切欠部の一方から円形誘導部54から排出される。また、内周奥側の切欠部から排出された遊技球は、上部誘導路55を通って案内通路58に誘導される。
【0113】
一方、内周手前側の切欠部から排出された遊技球は、下部誘導路56を通って案内通路58に誘導可能であるが、切欠部に対して下部誘導路56が幅狭で形成されるため、一部の遊技球は案内通路58に誘導されずにステージ50の上部表面に落下してパチンコ機1手前方向に転動し、球受けステージ80aから排出される。案内通路58に進入した遊技球は、前面装飾体80に形成された放出口51へと誘導されて排出される。
【0114】
また、ステージ50の上部表面には、特図始動記憶ランプ47が突出形成される。この実施の形態では、先端部にベルを象った部材が形成され、その内部にランプが内蔵される。また、この実施の形態では、特図始動記憶ランプ47が、ステージ50の左手前部であり、下部レール53よりもパチンコ機1の手前側となる位置に2つ、ステージ50の右手前部であり、下部レール53よりもパチンコ機1の手前側となる位置に2つ、の合計4つ突出形成され、特図始動記憶ランプ47の先端部に象られたベルの高さが全て一致するように形成される。
【0115】
次に、前面装飾体80の右上の開口部から視認可能な状態で取り付けられる回転役物61について説明する。図9は、回転役物61を含む回転ユニット60を右上方から見た斜視図である。なお、図6に示すように、この実施の形態における回転役物61は、内部に複数(この実施の形態では、8個)の発光体として多色発光可能なLED61aを備えている。
【0116】
また、この実施の形態では、前面装飾体80の右上の開口部から視認可能な状態となるように回転役物61が取り付けられる。上述したように、パチンコ機1においては、遊技領域12の左上方から遊技球が打ち出される。また、一般的に、パチンコ機1にて遊技を行う遊技者は、センターユニット40の左側に遊技球を流下させて第1始動口72および第2始動口73への遊技球の入賞を狙う。そのため、この実施の形態では、最も遊技者の遊技に影響を与えない遊技領域12の右上部に位置する前面装飾体80の右上の開口部から回転役物61を視認可能な状態となるように取り付けている。
【0117】
図9に示すように、回転ユニット60は、モータ63の回転軸(モータ軸63a)の先端部に設けられた回転役物61と、回転役物61を回転駆動するモータ63と、モータ63の回転軸(モータ軸63a)が内蔵されるとともに、各種基板を備えた回転役物本体62と、回転役物本体62に螺着される取付基板64と、から構成される。また、モータ軸63aの先端部には回転役物61が装着され、回転役物61の背面側にはモータ軸63aが内蔵されるとともに役物制御基板115等からの信号を中継する中継基板が内蔵される回転役物本体62が位置し、さらにその背面側にモータ63が位置している。また、取付基板64が回転役物本体62に螺着され、この取付基板64に形成された取付孔64aにネジを挿入して遊技盤4の背面側に螺着する。
【0118】
本実施形態における回転役物61は、前面の前面板611と、上下の側板612と、左右の側板613と、背面の底板614(図10(B)参照)と、によって直方体状(棒状ともいう)に形成される。また、底板614から前面板611までの高さ<上側の側板612から下側の側板612までの縦の長さ<左側の側板613から右側の側板613までの横の長さ、の順に長くなるように形成されている。なお、本実施形態における回転役物61は、少なくとも左側の側板613から右側の側板613までの横の長さが他の辺よりも長くなるように構成すればよく、底板614から前面板611までの高さと上側の側板612から下側の側板612までの縦の長さとが同一であってもよいし、一方が長くなるようにしてもよい。
【0119】
また、上下の側板612と、左右の側板613と、背面の底板614と、は一体的に形成され、底板614から上方に開口した状態となっている。そして、開口を塞ぐように前面板611を上方から装着することにより密閉する。なお、回転役物61の内部には、多色発光可能な8個のLED61a、該LED61aを発光制御するIC(図示しない)、LED61aおよびICに供給する電力を蓄電するコンデンサ(図示しない)、等が搭載される基板が内蔵される。
【0120】
この実施の形態では、底板614から前面板611方向に上部が前面板611と略平行に形成されるとともに、側板612、613の一方から回転役物61の内側方向に突出するように形成された複数の保持部614aが設けられている。保持部614aは、底板614から所定の高さ(前面板611方向への高さ)を有するように形成され、上述した基板が載置されるものである。また、この基板が載置されることにより回転役物61の内部領域が前面板611側と底板614側との2つの領域に分割される。後述するが、基板の背面側(基板の底板614側)にはコンデンサ、IC等が搭載され、保持部614aは、コンデンサ、ICが搭載可能となるように突出形成される。すなわち、底板614からの高さは、コンデンサ、IC等が搭載可能な程度であればよい。
【0121】
また、図示しないが、前面板611には、底板614および側板611、613に形成された保持部614aに対応する位置に保持部が形成されている。底板614および側板611、613に形成された保持部614aと前面板611に形成された保持部とは載置される基板の厚みと同程度の間隔を有するように形成される。そして、前面板611を装着していない状態で回転役物61内部に基板を挿入し、保持部614aに基板を載置する。そして、前面板611を装着することにより前面板に形成された保持部と底板614および側板611、613に形成された保持部614aとによって基板が挟持されて固定される。さらに、底板614側から底板614、基板、前面板611、をネジで螺着して密閉することにより回転役物61が組み立てられる。また、このとき基板は回転役物61の内側周側面に当接した状態であり、底板614および側板611、613に形成された保持部614aと前面板611に形成された保持部とによって挟持されることにより回転役物61内部にかっちりと固定されて回転役物61を回転させたときに回転役物61と一体的に回転する。
【0122】
また、回転役物61の上下の側板612の底板614側および底板614には複数の通気孔61bが設けられている。回転役物61を回転することにより通気孔61bから空気が流入し、回転役物61の内部の空気を循環する。なお、回転役物61に内蔵される基板に搭載されるLED61a、IC、コンデンサ、等は、基板にはんだ付けされる。また、LED61a、IC、コンデンサ、等は、動作するときに発熱し、はんだが溶けて基板から剥がれ落ちたり、接触不良を生じたりする虞がある。そのため、通気孔61bを形成し、回転役物61を回転させたときに回転役物61内部の空気を循環させることによりLED61a、IC、コンデンサ、等を冷却して温度上昇を抑えるように構成している。また、回転役物61に内蔵される基板にコンデンサを搭載して蓄電することにより、LED61aおよびICを安定して駆動できる。
【0123】
図10(A)は、回転ユニット60の側面図であり、図10(B)は、図10(A)にて回転役物61をX−Y平面で切った場合の断面図である。
【0124】
なお、図10(B)には図示しないが、LED61a、IC、コンデンサ、等を搭載した基板は、回転役物61の上下の側板612と、左右の側板613と、によって囲まれた領域と同程度の領域を有して回転役物61の内側周側面に当接し、かつ、回転役物61の前面板611に対して平行に取り付けられている。また、LED61aは、基板の前面に搭載され、ICおよびコンデンサは、基板の背面に搭載される。また、図10(B)に示すように、回転役物61の底板614の中央(底板614長手方向中央線と、底板614短手方向中央線と、の交点)にモータ63のモータ軸63aが挿入され、回転役物61の中央と、回転役物61の回転軸と、は一致している。すなわち、この実施の形態における回転役物61は、モータ軸63aから底板614の長手方向一端側の長さと、底板614の長手方向他端側の長さと、が同一であり、かつ、モータ軸63aから底板614の短手方向一端側の長さと、底板614の短手方向他端側の長さと、が同一である。
【0125】
また、この実施の形態では、基板の略中央から左右の側板613の一端側の領域に基板短手方向中央線に沿って等間隔でLED61aが搭載される(図6参照)。また、LED61aが搭載される一端側の領域においてその基板背面には基板短手方向中央線に沿ってICが搭載され、LEDが搭載されない他端側の領域においてその基板背面には基板短手方向中央線に沿ってコンデンサが搭載されている。さらに、この実施の形態では、ICを回転役物61の回転軸(回転役物61の中央)から基板長手方向の近い位置に設置し、コンデンサを回転役物61の回転軸(回転役物61の中央)から基板長手方向の遠い位置(回転役物61の基板長手方向端部に近い位置)に設置するとともに、基板短手方向中央線に沿って各部材を設置することにより、LED61aおよびICが搭載される一端側と、コンデンサが搭載される他端側と、の重量バランスを均等に保ち、基板の中央に基板の重心となるように構成している。なお、基板の中央は、回転役物61の中央と一致し、回転役物61の重心は基板の重心と一致する。上述したように、モータ軸63aは、回転役物61の中央に挿入され、回転役物61の中央と、回転役物61の回転軸と、は一致しているため、回転役物61の重心(回転役物61に内蔵される基板の重心)と、回転役物61の回転軸と、は一致している。
【0126】
このように、この実施の形態では、モータ軸63aを中心として重量バランスが均等になるように回転役物61が形成され、回転役物61の重心と、回転役物61の回転軸と、が一致するため、遠心することを防止できるとともに、遠心により発生する振動を低減させることができる。さらには、モータ63を高速回転させることが可能になるとともに、モータ63の急回転および急停止させることが可能となり、ひいては、モータの脱調を防止することができる。
【0127】
以上のように構成される回転ユニット60は、役物CPU116からの駆動信号にもとづいてモータ63を高速で駆動することにより回転役物61を高速回転(この実施の形態では、1分間に1200回転)させる。また、このときLED61aを所定の発光パターン(例えば、発光時間、発光位置、発光色、等のパターン)で発光制御することにより複数種類の態様(例えば、花火等)の残影(残像ともいう)を表示させる。一般的にモータ63の回転速度を上げることによりきれいな残影を表示できる。この実施の形態では、モータ63を1分間に600回転の回転数で回転させることによっても残影を表示することが可能であったが、よりきれいな残影を表示するためには1分間に1200回転程度の回転数が必要である。なお、モータ63の回転数を1分間に1200回転以上にすることでさらにきれいな残影を表示するように構成してもよい。
【0128】
このように、この実施の形態では、モータ63を高速で回転させてLED61aを所定の発光パターンで発光制御することにより複数種類の態様の残影を表示するため、残影にて複数種類の態様を表示しない場合に比べて搭載するLED61aの個数を減らすことができ、パチンコ機1の製造コストを低減できるという利点がある。しかし、残影を表示するためにはモータ63を高速で回転させなければならず、モータ63を高速で回転させることにより振動の発生および振動の度合い(大きさ)が増大し、遊技領域12を流下する遊技球やステージ50および球受けステージ80a上を転動する遊技球に影響を与える虞があった。本実施形態で用いられるパチンコ機1は、モータ63を駆動することにより発生する振動が遊技球の転動に影響を与えないようにセンターユニット40を構成する各部材の遊技盤4への取付方法を工夫している。以下、センターユニット40を構成する各部材の遊技盤4への取付方法について説明する。
【0129】
図11は、遊技盤4の前面方向から見たセンターユニット40の分解斜視図であり、図12は、遊技盤4の背面方向から見たセンターユニット40の分解斜視図である。また、図13は、遊技盤4の背面から見たリアユニット83の正面図であり、図14は、リアユニット83を取り付けた状態で遊技盤4を背面方向から見た斜視図である。
【0130】
図11および図12に示すように、本実施形態のセンターユニット40は、遊技盤4を挟んで前後に分割された前面装飾体80およびリアユニット83から構成される。具体的には、遊技盤4の前面側に前面装飾体80が位置し、この前面装飾体80は遊技盤4に対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技盤4の背面側には、取付ユニット81と、背面装飾体82と、回転ユニット60と、から構成されるリアユニット83が位置し、遊技盤4に対してその背面側から取り付けられる。
【0131】
なお、リアユニット83のうち最も遊技盤4に近い側に位置する取付ユニット81は、その中央から右上部にかけて厚み方向に刳り抜かれた開口部を有し、前面側に複数のボス孔81aが形成され、取付ユニット81の右上部に形成された開口部の背面側上方にはボス81bが形成されている。また、取付ユニット81の背面側には、複数のボス81cも形成されている。さらに、取付ユニット81は、遊技盤4の背面に対向する前面がほとんどフラットな形状に成形されており、このフラットな前面が遊技盤4と接するように取り付けられる。リアユニット83が遊技盤4に取り付けられると、フラットな前面が遊技盤4の背面に密着する(ただし製造誤差や歪みによる隙間は許容される。)。
【0132】
また、取付ユニット81のフラットな前面は、貫通孔4aには嵌め込まれないものの、その一部は貫通孔4aに対向する位置関係にある。すなわち、取付ユニット81が遊技盤4に取り付けられると、その前面は部分的に貫通孔4aの内側に張り出し、貫通孔4aを通じて遊技盤4の前面側に露出される。ただし、この露出する部分は前面装飾体80に覆い隠されるため、遊技者からは直接的に視認されない。
【0133】
また、取付ユニット81の背面に位置する背面装飾体82は、中央部が厚み方向に繰り抜かれた中空形状を有する取付基板86と、取付基板86の中空部下方に取り付けられるステージ50と、取付基板86の中空部両端にステージ50に立設するように取り付けられた球誘導部材65と、取付基板86の背面に中空部から画像表示装置42の画面が視認可能に取り付けられた表示ユニット85と、取付基板86の中空部分上方に取り付けられた上部装飾体87と、から構成される。ステージ50、球誘導部材65、および、上部装飾体87は、それぞれ取付基板86の背面側からネジを挿入して螺着することにより取付基板86に取り付けられる。さらに、表示ユニット85の背面側からネジを挿入して螺着して取付基板86に取り付けることで背面装飾体82が組み立てられる。
【0134】
また、取付基板86には、取付ユニット81に形成されたボス81cに対応して複数のボス孔86aが形成される。そして、取付ユニット81のボス81cが取付基板86のボス孔86aに差し込まれることにより背面装飾体82の位置決めがなされるとともに、取付基板86のボス孔86aの一部に取付基板86の背面側からネジを挿入して取付ユニット81と螺着することにより背面装飾体82が取付ユニット81に取り付けられる。なお、表示ユニット85は、画像表示装置42と、画像表示装置42を表示制御する表示制御基板120と、を一体化した部材である。
【0135】
また、上述したように、回転ユニット60は、回転役物61と、モータ63と、回転役物本体62と、取付基板64と、から構成される。また、回転役物本体62には、取付ユニット81に形成されたボス81bに対応してボス孔62aが形成される。そして、取付ユニット81のボス81bが回転役物本体62のボス孔62aに差し込まれることにより回転ユニット60の位置決めがなされる。このとき、回転役物本体62は回転ユニット60の位置決めをする役割を担うが、回転ユニット60自体は回転役物本体62に取り付けられない。この実施の形態では、回転ユニット60の取付基板64に形成された取付孔64aにネジを挿入して遊技盤4の背面に直接螺着することにより回転ユニット60が遊技盤4に固着される(図13および図14参照)。また、遊技盤4に回転ユニット60が固着されるときには、モータ63のモータ軸63aが遊技盤4の背面に対して略垂直な状態となるように取り付けられる。
【0136】
なお、リアユニット83を組み立てるには、まず、回転ユニット60の回転役物61を取付ユニット81の開口部から挿入して取付ユニット81の右上部に形成された開口部の前方に突出させ、さらに、取付ユニット81の背面側に形成されたボス81bを回転役物本体62のボス孔62aに差し込む。この状態で、取付ユニット81の背面側から取付ユニット81のボス81cを取付基板86のボス孔86aに差し込むとともに、その一部のボス孔86aに取付基板86の背面側からネジを挿入して取付ユニット81と螺着することによりリアユニット83が組み立てられる。また、背面装飾体82の取付基板86の右上部が削り取られ、取付ユニット81の右上部に回転ユニット60を配置可能としている。つまり、取付基板86の右上部を削り取ることにより回転ユニット60を挿入する空間が形成され、リアユニット83に回転ユニット60を構成部材として備えることが可能となる。
【0137】
このようにして組み立てられたリアユニット83では、回転ユニット60が取付ユニット81に螺着されていないため、回転ユニット60が外れてしまう虞がある。この実施の形態では、取付基板86の削り取られた右上部の背面側に上方に突出形成された滑落防止部材84を備えている。この滑落防止部材84は、リアユニット83を組み立てたときに、回転ユニット60の回転役物本体62の背部に位置し、回転役物本体62と接触することにより回転ユニット60の滑落を防止するものである。なお、回転ユニット60および取付ユニット81を遊技盤4に螺着したときには、滑落防止部材84と、回転役物本体62と、は接触しない。
【0138】
遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80は、その前後方向でみると遊技盤4に対向する後半分の部位(連結挿入部)が貫通孔4a内にすっぽり填り込む形状に成形されており、前面装飾体80は、その後半分の部位を貫通孔4a内に嵌め込んだ状態で遊技盤4に取り付けられるものとなっている。前面装飾体80の後半分の部位は、その前後方向でみた厚みがちょうど遊技盤4の厚みとほぼ同じに設定されている。このため前面装飾体80が遊技盤4に取り付けられると、その後半分の部位は遊技盤4の背面に肌合わせされる(いわゆる面一の状態)。
【0139】
さらに、前面装飾体80には、後半分の部位から後方に向けて突出するボス80bが形成されている(挿入連結部)。ボス80bは前面装飾体80の下部位置に2本形成されており、いずれも貫通孔4aを通じて遊技盤4の前面側から挿入されると、遊技盤4の背面からさらに後方に突出する。このボス80bは、前面装飾体80およびリアユニット83が遊技盤4に対して前後から取り付けられると、貫通孔4aを通じてリアユニット83にまで達し、取付ユニット81のボス孔81aに差し込まれることにより取付ユニット81と相互に位置決めされるものである。このように、この実施の形態では、遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80と、遊技盤4の背面側から取り付けられる取付ユニット81と、が相互に位置決めするように構成されるため、遊技盤4への取り付けが容易になる。
【0140】
一方、前面装飾体80が遊技盤4に取り付けられた状態で、その前半分の部位は遊技盤4の前面側に突出する。この前半分の部位は、その厚みが例えば案内レール11等とほぼ同じに設定されている。このため、前面装飾体80が遊技盤4に取り付けられると、その前半分の部位は遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する存在となる。
【0141】
以上のように構成される前面装飾体80と、リアユニット83と、をそれぞれネジで遊技盤4に螺着することによりセンターユニット40が組み立てられる。また、前面装飾体80およびリアユニット83を遊技盤4に取り付けることにより、前面装飾体80の右上部の開口部を突き抜けて遊技盤4の前方に突出し、遊技者から直接的に視認可能な状態となる。すなわち、回転役物61は、前面装飾体80に覆い隠されることなく遊技盤4の前面側に露出し、遊技者から直接的に視認可能な状態となっている。
【0142】
なお、回転ユニット60は、取付基板64に形成された取付孔64aにネジを挿入して遊技盤4の背面に直接螺着することにより遊技盤4に固着される。また、この実施の形態では、取付基板64は遊技盤4の背面側から見て上方と左側との二股に分れ、その遊技盤4の背面に接する部分に取付孔64aとしてそれぞれに3つの孔が形成されている。遊技盤4に螺着するときにはそのうち1つの孔を用いて遊技盤4の背面側から見て上方と左側との2箇所をネジで螺着する。回転ユニット60を不具合等により交換する際には、以前に遊技盤4の背面にネジを螺着した孔が形成され、再び回転ユニット60を固着することが困難である。そのため、取付孔64aの他の孔を用いてネジで螺着することにより回転ユニット60を遊技盤4に螺着することを可能としている。つまり、取付孔64aは、予備の孔を備えている。
【0143】
図15は、S−T平面で遊技盤4を切った場合の断面図であり、図16は、図15(B)の拡大図である。
【0144】
図15(B)に示すように、この実施の形態では、ステージ50が遊技盤4の背面からさらに奥行方向(パチンコ機1奥行方向)に所定の幅を有し、このステージ50の奥行方向の端部に画像表示装置42が位置している。つまり、遊技盤4からさらに背面側に奥まった位置に画像表示装置42が設けられている。また、回転ユニット60は、遊技盤4に対してモータ軸63aが略垂直となるように取り付けられ、回転役物61が遊技盤4の表面よりも前方に突出して設けられる。また、回転役物61は、前面装飾体80の右上部に配置される。
【0145】
このように回転役物61は、画像表示装置42と所定距離(センターユニット40に設けられたステージ50を挟み込む距離)だけ離れて設置されているため、表示が重なり合う位置が遊技者の視線の位置により異らせることが出来る。
【0146】
例えば、どの位置から見ても回転ユニット60の表示と画像表示装置42の表示が重複する表示領域で、特定の位置から遊技者が見た場合にのみ、当落に関係する情報などが視認できるようにするなど、奥行きがあるセンターユニット40において、表示装置同士に間に所定距離があることで行なえる従来に無い演出が可能となるとともに、遊技者は、表示を見るために見る位置を変化させるなど、さらなる遊技性を遊技者に提供することが出来る。
【0147】
また、回転ユニット60は、その一部が取付ユニット81と接する(遊嵌している)が、他の部分は、取付ユニット81および背面装飾体82と接しない。具体的には、図16に示すように、回転ユニット60の回転役物本体62に形成されたボス孔62aに取付ユニット81に形成されたボス81bが差し込まれることにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接した状態ではあるが、他の部分は、図15(B)において上下左右方向および前後方向にずれた状態で回転ユニット60と接していない。
【0148】
上述したように、ステージ50に設けられた案内通路58に填り込んだ遊技球は第1始動口72および第2始動口73に入賞し易くなるため、ステージ50が振動してしまうとステージ50上に設けられた各部材(円形誘導部54、上部レール52、下部レール53、等)に振動が伝播し、案内通路58へ填り込もうとする遊技球の転動に影響を与え、第1始動口72および第2始動口73への入賞に影響が生じ、遊技者に不利な状態となる虞がある。
【0149】
本実施形態では、回転ユニット60を直接遊技盤4に螺着し、ステージ50が螺着される背面装飾体82および背面装飾体82が螺着される取付ユニット81に螺着しないため、回転ユニット60にてモータ63を駆動することにより発生する振動の取付ユニット81、背面装飾体82および前面装飾体80への伝播を低減できる。ひいては、第1始動口72および第2始動口73への入賞に影響を与えないように構成することができる。
【0150】
なお、遊技盤4の背面側から取り付けられる取付ユニット81および背面装飾体82は、合成樹脂等により形成されて軽いものとなる。そのため、取付ユニット81および背面装飾体82に回転ユニット60を螺着して駆動した場合には、回転ユニット60を駆動することにより発生する振動が伝播し易い。また、背面装飾体82には、第1始動口72および第2始動口73への入賞に関わるステージ50が含まれるため、背面装飾体82に振動が伝播することによりステージ50にも振動が伝播し、遊技者に不利となる虞がある。
【0151】
それに対して、一般に、遊技盤4は板自体が重いことに加えて、上述した主基板グループおよび周辺基板グループの各種基板が設けられるとともに画像表示装置42等の各種装置が取り付けられるため重いものとなる。このように、遊技盤4が重いものであるために回転ユニット60を遊技盤4に取り付けて駆動した場合には、回転ユニット60を駆動することにより発生する振動が遊技盤4に伝播し難い。さらには、回転ユニット60によって発生する振動が遊技盤4を経由して取付ユニット81、背面装飾体82、および、前面装飾体80へ伝播し難い。
【0152】
また、この実施の形態では、回転ユニット60の回転役物本体62に形成されたボス孔62aに取付ユニット81に形成されたボス81bが差し込まれることにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接した状態ではあるが、回転ユニット60が遊技盤4に螺着されて振動が抑止されるためボス81bから取付ユニット81に振動が伝播しない。このように、本実施形態では、遊技盤4に直接回転ユニット60を螺着し、取付ユニット81および背面装飾体82に螺着しないことで取付ユニット81および背面装飾体82への振動の伝播を低減させることが可能となる。
【0153】
なお、この実施の形態では、回転ユニット60の回転役物本体62に形成されたボス孔62aに取付ユニット81に形成されたボス81bが差し込まれることにより取付ユニット81と回転ユニット60との一部が接するように構成しているが、ボス孔62aおよびボス81bを設けないように構成することにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接しないように構成してもよい。この場合には、回転ユニット60の位置決めがない状態となるが、遊技盤4の背面に取付孔64aに対応した位置決め用の印(例えば、孔、マーク、等)を設けることにより正常な取付位置に回転ユニット60を取り付けられるように構成してもよい。
【0154】
また、この実施の形態では、回転ユニット60を駆動することにより発生する振動を抑止するために遊技盤4をパチンコ機1に取り付ける方法についても工夫している。以下に説明する。図17は、パチンコ機1に遊技盤4を取り付けた状態で前面枠5を取り外した状態の正面図である。また、図18は、遊技盤4の取付機構の拡大図である。
【0155】
図17に示すように、遊技盤装着枠9の左側部上下に2つ形成された係合突部33と、遊技盤4の盤面(前面)の左側部上下に2つ形成された係止穴34と、により遊技盤4の左側部が係止され、遊技盤装着枠9の右側部上下に2つ形成された係合凹部36と、遊技盤4の盤面の右側部上下に2つ形成された係合フック35と、により遊技盤4の右側部が係合される。
【0156】
なお、係合フック35は、係合凹部36と係止可能なLOCK位置と、退避するUNLOCK位置と、の2つの位置において遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。図18に示すように、係合フック35は、合成樹脂材によって横方向に長尺に形成され、その長手方向の一端部には、遊技盤装着枠9の係合凹部36に係脱可能に係合して遊技盤4を固定する係止部35aが一体に形成されている。また、係合フック35は、上下部に突設された軸部35dを有し、格納凹部39には、軸部35dを挟持するレール(図示しない)が形成され、軸部35dを格納凹部39のレール内でスライドさせることによって係合フック35を図示左右方向への移動を可能とする。しかして、軸部35dを軸として係止部35aがパチンコ機1の手前方向に位置するように係合フック35を回転させることにより格納凹部39内に嵌め込まれる。
【0157】
さらに、係合フック35の長手方向の係止部35aが設けられていない他端部には、格納凹部39に拘束されている係止フック35の抜け出しを防止する逆止部35eが設けられている。逆止部35eは、格納凹部39に設けられる図示しない逆止突起と係合し、軸部35dを軸として係止部35aがパチンコ機1の奥方向に位置するように回転することが防止されるとともに、係合フック35を格納凹部39内に確実に拘束する。なお、逆止部35eを図示右側方向に押圧することで逆止部35eと逆止突起との係合が解除され、係合フック35を移動可能な状態とすることができる。
【0158】
また、逆止部35eの図示右側方には、係合フック35を進退動作させてLOCK並びにUNLOCK操作するハンドル部35bが一体に形成されている。このハンドル部35bは略四角環状に形成されている。しかして、ハンドル部35bを操作して係合フック35をLOCK位置に移動させることにより係止部35aが遊技盤4の外側に突出して係合凹部36と係止可能な状態となり、ハンドル部35bを操作して係合フック35をUNLOCK位置に移動させることにより係止部35aが遊技盤4の外側に突出することなく退避して係合凹部36と係止不可能な状態となる。
【0159】
また、この実施例において、遊技盤4に設けられた格納凹部39と係合フック35とは、LOCK位置と、UNLOCK位置との2位置において係合フック35の進退動作が規制される。すなわち、係合フック35は、格納凹部39の上下部に位置して遊技盤4に凹設された第1規制凹部39aおよび第2規制凹部39bに係合可能に係合フック35の上下部に突設されたピン状の規制凸部35cを備えている。そして、第1規制凹部39aと規制凸部35cとが対応する位置に係合フック35を移動してハンドル部35bを押圧して逆止部35eと逆止突起とを係合させることにより第1規制凹部39aに規制凸部35cが嵌込まれて係合し、係合フック35がLOCK位置に拘束されて図示左右方向への移動が規制される。一方、第2規制凹部39bと規制凸部35cとが対応する位置に係合フック35を移動してハンドル部35bを押圧して逆止部35eと逆止突起とを係合させることにより第2規制凹部39bに規制凸部35cが嵌め込まれて係合し、係合フック35がUNLOCK位置に拘束されて図示左右方向への移動が規制される。
【0160】
なお、係合フック35のハンドル部35bを押圧して軸部35dを軸として係止部35aがパチンコ機1の手前方向に位置するように係合フック35を回転させることにより係合凹部36に挿入した係止部35aは、係合凹部36を図示手前方向に押圧する。これにより遊技盤4が遊技盤装着枠9内にパチンコ機1の奥方向に押圧されて遊技盤装着枠9にかっちりと固定される。すなわち、遊技盤4の左側部に形成された係止穴34を遊技盤装着枠9の左側部に形成された係合突部33に当接させた後、遊技盤4の左側部を回転軸として回転させて遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込むことで係止穴34と係合突部33とを係合するとともに、遊技盤4の右側部に形成される係合フック35を操作して規制凸部35cが第2規制凹部39bに嵌め込まれて係合することで係合フック35がUNLOCK位置に拘束された状態から、規制凸部35cが第1規制凹部39aに嵌め込まれて係合することで係合フック35がLOCK位置に拘束された状態に移動し、係止部35aが遊技盤4の外側に突出して遊技盤装着枠9に形成された係合凹部36と係止するとともに遊技盤4をパチンコ機1の奥方向に押圧することにより遊技盤4が遊技盤装着枠9に固定されて係止される。
【0161】
さらに、遊技盤4の左下部には、係止フック38が形成され、遊技盤装着枠9の左下部には係止フック38と対応する付勢ロック部37が設けられている。遊技盤4を遊技盤装着枠9に装着した場合には付勢ロック部37が係止フック38を下方に付勢して係止する。なお、付勢ロック部37によって係止フック38を下方に付勢することにより遊技盤4に下方への付勢力を作用しつつ係止することができる。これにより遊技盤4が遊技盤装着枠9の下縁部と密着して下方に押圧固定される。
【0162】
このように、この実施の形態では、遊技盤4の左側部を係合突部33と係止穴34とにより係合するとともに、係合凹部36に係止部35aが挿入されて係止するとともに遊技盤4をパチンコ機1の奥方向に押圧することにより遊技盤4が遊技盤装着枠9にかっちりと固定されて係止される。なお、この実施の形態では、係止フック38と付勢ロック部37とにより遊技盤4を下方に押圧固定することによりさらにかっちりと遊技盤4を遊技盤装着枠9に固定することができる。また、遊技盤装着枠9は、本体枠3に一体形成されるため、遊技盤装着枠9に遊技盤4が固定されるということは、遊技盤4がパチンコ機1に固定されるということを意味する。また、パチンコ機1は、遊技場に設置される際、複数の遊技機が配列する遊技島に外枠2が釘付け等により装着されて、パチンコ機1が振動しないようにしている。すなわち、遊技盤4、遊技盤4とパチンコ機1、遊技盤4とパチンコ機1と遊技島、のいずれかによって構成される伝播抑制手段により回転役物61のモータ63により発生する振動の伝播が抑制され、遊技盤4を確実に固定して振動の発生を抑止でき、遊技盤4表面を流下する遊技球の転動に影響を与えない。
【0163】
さらに、この実施の形態では、回転役物61が遊技領域12の右上側に位置するように取り付けられ、その近傍に係合フック35が位置し、上述したように係合フック35と係合凹部36とにより遊技盤4がかっちりと固定される。そのため、近傍に位置する固定部材としての係合フック35および係合凹部36によりモータ63により発生する振動が抑制されるとともに、モータ63により発生する振動の伝播が抑制される。なお、固定部材として係止フックおよび付勢ロック部37の近傍に回転役物61を位置するように取り付けることによりモータ63により発生する振動を抑制するとともに、モータ63により発生する振動の伝播を抑制するように構成してもよい。一方、遊技領域12の左側方に回転役物61が位置するように取り付けられた場合には、近傍に固定部材としての係合フック35および係合凹部36が位置しないため、モータ63により発生する振動を抑制する効果が薄くなり、モータ63により発生する振動の伝播を抑制されない。すなわち、係合フック35および係合凹部36では遊びがないように係合するが、係合突部33および係止穴34では若干の遊びを有するように係止されるため、振動の伝播を抑制する効果が薄い。
【0164】
また、このようにパチンコ機1に固定された遊技盤4に回転役物61を直接螺着した場合には、遊技盤4に回転ユニット60からの振動が伝播し難く、回転役物61を回転させた場合に発生する振動が抑止されて遊技領域12を流下する遊技球の転動に影響しない。さらに、振動が抑止されることにより遊技盤4からステージ50への振動の伝播が低減され、ステージ50上の遊技球の転動に影響を与えない。ひいては、第1始動口72および第2始動口73への入賞に影響を与えない。また、回転ユニット60の振動が抑止されることにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接する部分から取付ユニット81に振動が伝播することが防止される。
【0165】
なお、この実施の形態における回転ユニット60は、回転役物61の回転範囲が画像表示装置42の前後方向の一部と重なるように遊技盤4と略水平に回転役物61を回転駆動する。具体的には、回転役物61は、画像表示装置42の前方にて回転駆動され、回転駆動されることによって回転役物61の長手方向の長さの4分の1程度が画像表示装置42の一部を覆う位置を通過する。このように構成することにより、画像表示装置42に注目している遊技者にも回転役物61が駆動されたことを認識させ易くなり、さらに、画像表示装置42にて実行される演出と回転役物61の回転駆動制御とをより密接に同期させて実行することが可能となる。また、回転役物61が画像表示装置42の前方に浮き出てくるような印象を与えることができるとともに、パチンコ機1の前後方向の立体感を出すことができる。なお、画像表示装置42が回転役物61によって覆われる領域は、画像表示装置42の全領域の25%以下が望ましい。
【0166】
また、モータ63を駆動していない状態では、初期位置(この実施の形態では、図15に示す回転役物61の停止位置)として画像表示装置42の一部を覆わないような位置に停止し、モータ63を駆動して回転役物61を回転駆動した場合にもモータ63を停止させるときには回転役物61が初期位置となるように停止させる。このように構成することにより回転役物61を回転駆動していない状態で回転役物61の背面側に位置する画像表示装置42の一部が視認できない状態になることを防止できる。
【0167】
また、この実施の形態では、役物制御基板115に搭載される役物ROM117には、回転役物61の回転態様およびLED61aの発光態様が記された複数の発光パターンが記憶されている。そして、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとき(画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)にサブ統合基板111からランプ中継基板119を介して受信した信号にもとづいて役物ROM117に記憶される複数種類の発光パターンのうちいずれかを選択し、選択した発光パターンにもとづいてモータ63およびLED61aに駆動信号を出力する。すなわち、特別図柄表示器41における特別図柄の変動表示および画像表示装置42における装飾図柄の変動表示と同期して回転役物61を所定の発光パターンで回転駆動するとともに、回転役物61の内部に設けられるLED61aを所定の発光パターンで発光制御する。回転役物61を所定の発光パターンで回転駆動するとともに回転役物61の内部に設けられるLED61aを所定の発光パターンで発光制御することにより、画像表示装置42の前方に所定の態様の残影が表示される。図19に回転役物61により表示される残影の一例を示す。
【0168】
図19(A)乃至図19(C)に示すように、回転役物61を回転駆動するときにLED61aを所定の発光パターンで発光制御することにより図19(A)に示す花火、図19(B)に示す雲、図19(C)に示す雷、等が画像表示装置42の前方に画像表示装置42の一部と重なるように表示される。そのため、画像表示装置42に注目している遊技者に回転役物61が駆動されたことをより認識させ易くなるとともに、回転役物61にて表示される残影にも注目させることが可能となる。また、複数種類の態様の残影が画像表示装置42に表示される画像よりも前方に浮き出てくるように表示されるため、遊技者に更なるインパクトを与えることができる。
【0169】
なお、図19(A)から図19(C)においては、回転役物61にて表示される残影の背部に位置する画像表示装置42が透視可能な状態となっている。すなわち、この実施の形態では、回転役物61を画像表示装置42の前方に画像表示装置42の一部を覆うように回転駆動するが、上述したように、回転役物61がモータ63により高速回転(1分間に1200回転の回転数)するため、回転役物61が画像表示装置42の一部を覆うように通過する時間が短くなり、回転役物61の背面側の画像表示装置42を透視することができる。なお、回転役物61を回転駆動する際に背面側の画像表示装置42を透視可能な状態にするには、回転役物61の回転速度を1分間に700回転以上とすることが望ましい。
【0170】
また、この実施の形態では、表面の長手方向中央から一端側にのみLED61aが搭載された直方体状の回転役物61により残影を表示している。なお、LED61aを回転役物61の表面の長手方向一端から長手方向他端に亘って搭載するように構成してもよく、この場合には、モータの回転速度をこの実施の形態の回転速度(1分間に1200回転)よりも遅くしても(例えば、1分間に600回転)きれいな残影を表示することが可能であるが、LED61aの個数が増加することにより表示される残影の明るさ(所定位置での輝度)が増大し、残影の背面側に位置する画像表示装置42の表示が見難くなるという問題が発生する。また、回転役物61の回転速度をさらに遅くすることにより残影の明るさを減少させることが可能であるが、回転役物61の回転速度を遅くすることにより回転役物61によって背面側の画像表示装置42の一部を覆う時間が長くなり、画像表示装置42の一部が視認できないという不具合が生じる。
【0171】
また、上述したように、この実施の形態では、直方体状の回転役物61の中央と、回転役物61の回転軸と、を一致させることにより回転役物61の中央を回転軸として回転させるようにしているが、回転役物の長手方向端部に遊技盤4と略垂直にモータ軸を挿入して回転役物の長手方向端部を中心として回転させるとともにLEDを発光制御することにより残影を表示することも可能ではある。ところが、モータ軸と重心とが一致していないため、モータにかかる負荷が増大し、モータを高速回転させることが困難であるとともに、急回転および急停止させることが困難である。また、遠心が発生し、振動が増大してしまう。このように、モータを高速回転できないため、きれいな残影を表示できない。これらの問題点は、回転役物の重量を減らすことにより解決することが可能であるが、回転役物の重量を減らすことにより搭載可能なLEDの個数や種類(単色発光)が限られ、多彩な演出を実行できない。
【0172】
また、回転役物の長手方向端部に遊技盤4と垂直にモータ軸を挿入して回転役物の長手方向端部を中心として往復駆動するとともにLEDを発光制御することにより残影を表示する(例えば、LEDを取り付けたメトロノーム等の振り子式の機械)ことも可能ではあるが、一方に駆動した状態から他方に駆動させるときに一端停止させなければならないため、一端停止した部分における残影の明るさ(所定位置での輝度)が増大してしまう。また、急回転および急停止を繰り返し実行するため、モータを高速回転させることが困難であるとともに、モータにかかる負荷が増大する。また、遠心が発生し、振動が増大してしまう。このように、モータを高速回転できないため、きれいな残影を表示できない。これらの問題点は、回転役物の重量を減らすことにより解決することが可能であるが、回転役物の重量を減らすことにより搭載可能なLEDの個数や種類(単色発光)が限られ、多彩な演出を実行できない。
【0173】
また、ドラムやリール等の中心部に遊技盤4と略水平に設けられたモータ軸を挿入してドラムおよびリール等の中心部を中心として回転駆動するとともに、ドラムおよびリール等の表面に設けられたLEDを発光制御することにより残影を表示することも可能ではあるが、ドラムおよびリールの一部しか視認できず、回転する領域の全てで残影を表示することができない。さらに、ドラムおよびリール等の一部が遊技盤4の背部に入り込んだ状態で設置され、遊技島にパチンコ機1を取り付けた場合には遊技盤4の背部の領域に制限があるため、ドラムおよびリール等の大型化が困難であった。すなわち、パチンコ機1を遊技島に取り付けたときに背中合わせになるパチンコ機1同士が接しない程度の領域しかパチンコ機1の背面の領域を使用できないため、ドラムおよびリールを大型化することが困難である。
【0174】
また、ドラムおよびリール等を画像表示装置42の前方に画像表示装置42の一部が覆われるように設置した場合には、画像表示装置42の一部が常にドラムおよびリールによって覆われる状態となるため、ドラムおよびリールによって覆われる領域が視認不可能な状態になってしまう。本実施形態では、モータ63のモータ軸63aが遊技盤4の表面に対して略垂直に設けられてこのモータ軸63aを回転軸として回転役物61を遊技盤4と略水平に回転駆動させるため、回転役物61の回転する領域全てが視認可能となり、回転役物61の回転する領域全てで残影を表示することができる。また、回転役物61の大きさが遊技盤4の背部の領域と関係しないため、回転役物61の大型化が容易である。
【0175】
なお、この実施の形態で用いられるランプは、発光体の一例であり、それらに限定されるものではない。すなわち、本実施形態でLEDを用いて構成した装置をランプによって構成してもよいし、他の発光体を用いて構成してもよい。
【0176】
また、回転役物61の内部に設けられたLED61aの前方に位置する前面板611の一部を半透明にすることでLED61aの個々の発光が目立たないようにしてもよい。すなわち、この実施の形態では、個々のLED61aによる発光の点(ドット)で複数種類の態様が表示されるが、LED61aの前方に位置する前面板611の一部を半透明にすることで直接LED61aが視認不可能になり、さらに、それぞれのLED61aによる発光が前面板611の半透明部分で干渉し、一面にむらなく表示されて滑らかな態様を表示できる。
【0177】
また、この実施の形態では、サブ統合基板111からランプ中継基板119を介して受信した信号にもとづいてモータ63およびLED61aを駆動するが、回転役物61を回転させる時期はこれに限られない。例えば、パチンコ機1への電力供給を開始してから継続してモータ63を駆動して回転役物61を回転駆動した状態とし、電力供給を停止したことにもとづいてモータ63の駆動を停止して回転役物61を停止した状態としてもよい。なお、回転役物61を回転させるとき、および、回転役物61の回転を停止させるとき、に最も振動の発生が大きくなる。そのため、パチンコ機1への電力供給がなされている間、継続して回転役物61を回転駆動した状態とすることにより振動の発生が抑止され、ステージ50上を転動する遊技球の転動、および、遊技領域12を流下する遊技球の転動に影響を与えない。
【0178】
また、本実施形態における回転役物61は、棒状の部材によって形成されるが、少なくとも遊技盤4の前面に対して略水平に回転駆動されるものであればその形状は問わない。例えば、扇風機の羽根のような形状であってもよい。
【0179】
また、本実施形態では、回転役物61に搭載されるLED61aを8個としているが、回転役物61の中央に回転軸を挿入し、回転役物61の回転軸と回転役物61の重心とが一致するように構成すれば、搭載されるLEDの個数は問わない。また、回転役物61の回転軸と回転役物61の重心とが一致しない場合に、回転役物61の背面側(底板614の外側)の所定の位置にネジ等を螺着することにより微調整し、重量バランスを均等に保つようにしてもよい。
【0180】
なお、回転役物61の回転速度の変化によって複数種類の演出を実行可能に構成してもよく、例えば、1分間に600回転の回転速度と、1分間に1200回転の回転速度と、1分間に1800回転の回転速度と、に回転駆動可能に回転ユニット60を構成し、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとき(画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に大当りとする判定がなされたときに速い回転速度で回転役物61を駆動する割合を高め、はずれとする判定がなされたときに遅い回転速度で回転役物61を駆動する割合を高めるように構成することにより、速い回転速度で回転役物61が回転駆動されたときに大当り期待度(大当りとなる割合)が高くなるように構成してもよい。
【0181】
また、回転役物61を時計回りと反時計回りとのいずれにも回転駆動可能に回転ユニット60を構成し、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとき(画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に大当りとする判定がなされたときに一方の回転方向(例えば、反時計回り)に駆動する割合を高め、はずれとする判定がなされたときに他方の回転方向(例えば、時計回り)に駆動する割合を高めるように構成することにより、一方の回転方向(例えば、反時計回り)に回転駆動したときに大当り期待度が高くなるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】パチンコ機を示す正面図である。
【図2】本体枠および前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】パチンコ機1の裏面構成を示す背面図である。
【図4】遊技盤を示す正面図である。
【図5】主基板グループおよび周辺基板グループにおける回路構成の一例を示すブロック図である。
【図6】センターユニットの正面拡大図である。
【図7】遊技盤を右上方から見た斜視図である。
【図8】遊技盤を前上方から見た斜視図である。
【図9】回転役物を含む回転ユニットを右上方から見た斜視図である。
【図10】(A)回転ユニット60の側面図であり、(B)回転役物をX−Y平面で切った場合の断面図である。
【図11】遊技盤の前面方向から見たセンターユニットの分解斜視図である。
【図12】遊技盤の背面方向から見たセンターユニットの分解斜視図である。
【図13】遊技盤の背面図である。
【図14】遊技盤の背面左上方から見た斜視図である。
【図15】(A)遊技盤の正面図であり、(B)S−T平面で遊技盤4を切った場合の断面図である。
【図16】図15(B)の拡大図である。
【図17】パチンコ機に遊技盤を取り付けた状態で前面枠を取り外した状態の正面図である。
【図18】遊技盤の取付機構の拡大図である。
【図19】回転役物により表示される残影の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0183】
1 パチンコ機
4 遊技盤
4a 貫通孔
9 遊技盤装着枠
12 遊技領域
33 係合突部
34 係止穴
35 係合フック
35a 係止部
35b ハンドル部
35c 規制凸部
36 係合凹部
37 付勢ロック部
38 係止フック
39 格納凹部
39a 第1規制凹部
39b 第2規制凹部
40 センターユニット
41 特別図柄表示器
42 画像表示装置
44 普通図柄表示器
47 特図始動記憶ランプ
50 ステージ
52 上部レール
53 下部レール
54 円形誘導部
55 上部誘導路
56 下部誘導路
57 支持部材
60 回転ユニット
61 回転役物
61a LED
61b 通気孔
62 回転役物本体
62a ボス孔
63 モータ
63a モータ軸
64 取付基板
64a 取付孔
70 可変入賞装置
72 第1始動口
73 第2始動口
74 ゲート
75 大入賞口開閉装置
80 前面装飾体
80a 球受けステージ
80b ボス
81 取付ユニット
81a ボス孔
81b ボス孔
81c ボス
82 背面装飾体
83 リアユニット
84 滑落防止部材
85 表示ユニット
86 取付基板
86a ボス孔
87 上部装飾体
88 上部ランプ
101 主基板
111 サブ統合基板
115 役物制御基板
135 発射装置
611 前面板
612 側板
613 側板
614 底板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が打ち込まれる遊技領域が前面に形成された遊技盤と、該遊技盤に設けられた複数種類の入賞口と、該複数種類の入賞口のうち予め定められた始動口に遊技球が入賞した後、開始条件成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の図柄情報を変動表示する変動表示装置と、前記開始条件成立にもとづいて前記変動表示装置の表示結果を決定する変動結果決定手段と、を備え、前記変動結果決定手段により表示結果を特定の表示結果とする決定がなされたときに前記変動表示装置にて前記図柄情報の変動表示を行って前記特定の表示結果を表示した後、特定遊技状態に制御する遊技機において、
棒状の部材により構成されるとともに遊技機の前方に向かって発光する複数種類の発光部材を備えた可動部材と、前記可動部材の中央を回転軸として前記可動部材を回転駆動する駆動手段と、からなる可動ユニットと、
前記可動部材を前記遊技盤に対して略水平に回転駆動させるために前記可動部材の回転軸が前記遊技盤の前面に対して略垂直となるように前記可動ユニットを取り付ける取付手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
前記発光部材を発光制御する発光制御手段と、を備え、
前記取付手段は、前記変動表示装置よりも手前側に前記可動部材が突出するように前記可動ユニットを取り付け、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段により前記変動表示装置と重複するように前記可動部材を回転駆動するとともに、前記変動表示装置と重複しない位置で前記可動部材を停止するように前記駆動手段を制御し、
前記駆動制御手段により前記可動部材を回転駆動するとともに前記発光制御手段により発光制御することによって前記画像表示装置に重複して所定の態様の残像を表示することを特徴とする。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−187399(P2006−187399A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−418(P2005−418)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【出願人】(000148922)株式会社大一商会 (3,262)
【Fターム(参考)】