説明

遊技機

【課題】センター飾り等のユニット役物において、その内部に比較的大きな空間を確保し得ると共に、可動式役物を該空間に配設させることで遊技性の向上を図るように構成した遊技機を提供する。
【解決手段】本パチンコ機に、図柄表示装置における画面より前側にて遊技に係る演出動作を所定の契機で実行する第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122を備え、さらに、各可動装置120,121,122を後枠部23bに配設させると共に、これらによる演出動作の実行前においては遊技盤より後側に配置されるように構成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、詳しくはステージを有するセンター飾り等のユニット役物を遊技盤に装着する装着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技機、例えばパチンコ機として、球受け皿に滞留している遊技球が、発射ハンドルの操作に応じて遊技盤の遊技領域に打ち出された後、遊技領域の障害釘や風車等に導かれつつ盤面を流下して、各種入賞口に入球し、或いは入球せずに遊技盤下部のアウト口に流入するように構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなパチンコ機では、一般入賞口に入球した際にそれに対応した個数の遊技球が払い出され、また始動チャッカーに入球した際にはこれに基づいて大当たり抽選が行われると共に所定数の遊技球が払い出され、当該抽選の結果に応じて、遊技盤の中央部分に設けられた液晶等の画像表示装置の画面上で所定の演出表示が行われる。大当たりの発生時には、アタッカーと呼ばれる大入賞口が開放し、入球に対応して多量の遊技球が払い出される状態となる。
【0004】
上述のような従来のパチンコ機において、遊技領域の中央部分にセンター飾りを備え、このセンター飾りの側部にワープ導入口を備え、このワープ導入口から入球した遊技球を始動チャッカー側に導くように転動させるステージを備えたものが存在する(特許文献2参照)。
【0005】
上記のようなセンター飾りを有するパチンコ機の中には、該センター飾り内に可動式の役物を有したものがある。例えば、落下してくる遊技球を収容する収容部が形成された可動役物を、センター飾りの前側下部でステージ幅方向に移動させ、その移動している位置や各所から落下してくる遊技球のタイミング等によって、該落下してきた遊技球を収容し(あるいは収容しないことによって)、始動入賞口への入賞確率を振り分け、遊技者の興趣を維持させるものが提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−236210号公報
【特許文献2】特開2001−327672号公報
【特許文献3】特開2005−323931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献3に代表される一般的なパチンコ機において、演出に係る可動式の立体造形物を搭載させる際には、センター飾りの前面部やセンター飾りが有する開口部内側面等の位置に配設させるものがほとんどとなっていた。このような立体造形物を配設させる空間の大きさは、従来のセンター飾りの大きさやセンター飾り背面に配設させる液晶等の画像表示装置のサイズ等によって略々規定されることとなり、近年における画像表示装置のサイズ拡大に伴い、その大きさをさらに拡張することは困難な状況となっていた。
【0008】
また、一般的なパチンコ機のように、可動式の立体造形物をセンター飾り前面部やセンター飾りにおける開口部から視認可能な位置に配設させた場合には、遊技当初の段階からそれらが遊技者に視認され、その立体造形物の態様によって、該立体造形物がどのような演出動作を行うのかといったことがある程度予測可能となり、当該パチンコ機における遊技内容の未知性や新奇性の消失につながる虞があった。
【0009】
そこで本発明は、センター飾り等のユニット役物において、その内部に比較的大きな空間を確保し得ると共に、可動式役物を該空間に配設させることで遊技性の向上を図るように構成し、もって上述した課題を解決した遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図11参照)、遊技盤(3)の前面及び背面から該遊技盤(3)を挟む形で組み付けられる一対の前枠部(23a)及び後枠部(23b)からなるユニット役物(23)と、該ユニット役物(23)が有する開口部(36)から画面(35a)を露出させる図柄表示装置(35)とを遊技領域(3a)に備え、該遊技領域(3a)に遊技球(Ba)を打ち出して遊技してなる遊技機(1)において、
前記後枠部(23b)に配設され、前記遊技に係る演出動作を所定の契機で実行する可動式役物(120,121,122)を備え、
前記可動式役物(120,121,122)は、前記演出動作実行時に動作対象となる動作部(63,64,65)と、該動作部(63,64,65)を駆動して演出動作を実行させる駆動部(77,79,96,98a,98b,151,152,153,154,155,156,157,158,159,M1,M2,M3)とを有し、該動作部(例えば63)は、前記演出動作における実行の前後にあって、該駆動部(例えばM1)により前記遊技盤(3)の後側に位置するように駆動されてなる、
ことを特徴とする遊技機(1)にある。
【0011】
請求項2に係る本発明は(例えば図6ないし図8参照)、前記駆動部(77,79,96,98a,98b,151,152,153,154,155,156,157,158,159,M1,M2,M3)が、前記演出動作の実行時、前記動作部(63,64,65)を前記図柄表示装置(35)の前記画面(35a)周辺と該画面(35a)の前方との間で移動するように駆動する、
請求項1に記載の遊技機(1)にある。
【0012】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によると、遊技機に、遊技盤の前面及び背面から組み付けられる前枠部及び後枠部からなるユニット役物と、後枠部に配設されて遊技に係る演出動作を所定の契機で実行する可動式役物とを備えさせ、上記可動式役物が、演出動作実行時に動作対象となる動作部と、該動作部を駆動して演出動作を実行させる駆動部とを有し、該動作部が、演出動作における実行の前後にあって、該駆動部により遊技盤の後側に位置するように駆動されるように構成する。すなわち、従来のユニット役物における可動式役物の配設空間は、ユニット役物の前部や、ユニット役物が有する開口部内側等といった比較的狭い空間領域であることが一般的となっていた。しかし、後枠部を有するような本ユニット役物にあっては、該ユニット役物後方に配設される基板や図柄表示装置等の各種装置を一般的な位置より奥側に配設させたり、正面視における後枠部の面積を大きく形成したりすることによって、遊技盤より後側で且つ図柄表示装置より前側に位置するユニット役物内の空間領域を幅広く確保することができる。このように幅広く確保した空間領域に可動式役物を配設できることにより、上記したような従来の空間領域内に規定されていた可動式役物の大きさや可動範囲等の自由度を、格段に大きく拡張させることができる。
【0014】
また、例えば、可動式役物を開口部脇の遊技盤背面に配設し、該可動式役物が演出動作された際に図柄表示装置の画面前方に移動するような動作をさせることにより、動作前の可動式役物の姿を遊技者から完全に隠蔽し、演出動作時に突然遊技者の視界に飛び込ませるような印象的な演出を施すことができる。また、静止時における可動式役物の姿を遊技者から完全に隠蔽させることができるので、少なくとも遊技の初期段階においては、遊技者に対して、遊技中にどのような演出があるのかといった、予測のし難い未知の期待感を与えることができる。さらには、各種の演出契機を経て遊技者の視界に飛び込む度に、可動式役物の態様、例えば発光色を変化させるような演出動作を施すことにより、本遊技機における遊技性の向上を図ることができる。
【0015】
また、演出動作時において、遊技者から視認対象となる立体造形物等の動作部だけでなく、該動作部に動きを与える駆動部も含めて遊技盤の後側、つまり後枠部に集約して配設させることができる。これにより、後枠部に対して可動式役物を一括して取り付けた状態で該後枠部を遊技盤に対して組み付けることができるようになり、ユニット役物に係る組み付けの効率化を図ることができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によると、駆動部が、演出動作の実行時、動作部を図柄表示装置の画面周辺と該画面の前方との間で移動するように駆動するので、例えば、動作部及び駆動部をユニット役物における開口部脇の遊技盤背面側に配設させ、演出動作時に動作部を図柄表示装置の画面前方、つまり遊技者の目前に出現させるような新奇かつ印象的な演出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る遊技機の実施の形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は、本パチンコ機に備えた遊技盤を単体で示す正面図である。なお、後述する各実施の形態では、本発明の遊技機を所謂1種1種のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、他の種別のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
【0018】
本実施形態のパチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でセンターアタッカー4又は右アタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。なお、本実施の形態において、後述する第1及び第2抽選手段83,84それぞれの抽選で得られる大当たりは、出玉の多い第1大当たりでの確変当たり態様と通常当たり態様、及び、出玉の少ない第2大当たりでの確変当たり態様と通常当たり態様のいずれかである。
【0019】
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、この筐体6に開閉可能に装着された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における遊技盤3の上方及び下方左右にはスピーカー(図示せず)を有する放音装置12が配設されている。また、ガラス枠10における右側部には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、筐体6及び前扉7等から遊技機本体が構成されている。
【0020】
前扉7における遊技盤3の下方には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16には、該皿ユニット16上の遊技球を発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aと、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bとが設けられている。
【0021】
また、皿ユニット16の右部には、発射装置(図示せず)を操作して遊技球を遊技領域3aに向けて打ち出すための発射ハンドル2が配設されている。更に、皿ユニット16の左下方には灰皿21、及び遊技者参加ボタン(所謂チャンスボタン)22が配設されている。なお、図1中の符号14は、発射ハンドル2の操作で発射された遊技球を遊技領域3aに導くガイドレールを示している。
【0022】
図1及び図2に示すように、遊技領域3aの中央部にはセンター飾り(ユニット役物)23が配置されており、該センター飾り23の中央部には開口部36が形成され、該開口部36の下側にはステージSが形成されている。遊技盤3の中央部には、少なくとも上記開口部36より大きい不図示の開口部が形成されており、この開口部にその前後から遊技盤3を挟んで互いに接合するようにして、上記センター飾り23が、予め設定された基準位置に位置決めされた状態で装着されている。また遊技領域3aには、全体としてセンター飾り23の左側に位置する遊技球の第1流下経路56aと、センター飾り23の右側に位置する遊技球の第2流下経路56bとが形成されている。
【0023】
遊技盤3には、画像表示装置(図柄表示装置)35が、開口部36から画面35aを露出させた状態で遊技盤裏側から装着されている。センター飾り23の下部左方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる三連の入賞口25が配設されており、センター飾り23の下方には、第1始動チャッカー27とセンターアタッカー4とが順次配設されている。第1始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。センターアタッカー4の左右には、特別図柄表示装置24及び状態表示装置29がそれぞれ配設されている。特別図柄表示装置24の上部には、4個のLEDからなる大当たり抽選保留表示装置24aが配置されている。
【0024】
センターアタッカー4の下方には、発射ハンドル2の操作で遊技領域3aに打ち出された遊技球を遊技盤3の裏面に排出するためのアウト口66が設けられている。上記入賞口25及びセンターアタッカー4は、主に第1流下経路56aを流下してくる遊技球を入賞させる配置となっている。センターアタッカー4の前方には、センターアタッカー4の開閉扉4a(図4参照)から所定距離離れるように半透明カバー32が配置されており、右アタッカー5の前方には、右アタッカー5の開閉扉5a(図4参照)から所定距離離れるように半透明カバー34が配置されている。また、センター飾り23は、第1流下経路56aを流下してくる遊技球を導入してステージSに導き入れるワープ導入口37を有しており、このワープ導入口37を臨む位置には、上下一対の障害釘39が打ち込まれている。
【0025】
一方、第2流下経路56b側には、遊技領域3aの上下方向の中央部に、普通図柄抽選の契機となる入球が行われる普通図柄作動ゲート33が配設されており、該普通図柄作動ゲート33の下方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる1つの入賞口26が配設されている。第2流下経路56bの経路に沿った入賞口26の左下方には、第2始動チャッカー28が配設されており、該第2始動チャッカー28の左下方には、第2始動チャッカー28への入賞に基づいて行われた大当たり抽選に当選した際に開放する右アタッカー5が配設されている。
【0026】
第1及び第2始動チャッカー27,28は、それぞれ大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、このうち第2始動チャッカー28は、始動チャッカー開閉ソレノイド69(図10参照)によって、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように作動させられる。第2始動チャッカー28は開閉式の所謂チューリップとして形成されており、第1始動チャッカー27は、チューリップではない非作動な入賞口として形成されている。
【0027】
センターアタッカー4及び右アタッカー5は、それぞれ大当たり抽選で当選した際に入賞が行われるものであり、センターアタッカー4はセンターアタッカー開閉ソレノイド70(図10参照)によって、また右アタッカー5は右アタッカー開閉ソレノイド71(図10参照)によって、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように作動させられる。そして、センターアタッカー4は、第1始動チャッカー27への入賞に基づいて第1抽選手段83で行われた大当たり抽選で当選した際に上記開閉動作を行い、右アタッカー5は、第2始動チャッカー28への入賞に基づいて第2抽選手段84で行われた大当たり抽選で当選した際に上記開閉動作を行う。センターアタッカー4は、大当たり中、遊技球を入賞させる際、1回の開放で9個の入球(すなわち、9カウント)を完了した時点で閉じ、この開閉動作を15回(すなわち、15ラウンド)繰り返すように構成される。右アタッカー5は、大当たり中、遊技球を入賞させる際、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、この開閉動作を7回(すなわち、7ラウンド)繰り返すように構成される。なお、これらカウント数及びラウンド数は、9個や、15回、7回等に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
【0028】
遊技領域3aにおけるセンター飾り23の下方には、ステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘30を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、ワープ導入口37の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘39を含む多数の障害釘が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを第1及び第2始動チャッカー27,28等に、ステージSを介して入球させ又はステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
【0029】
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、第1始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて第1始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を第1始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
【0030】
次に、センター飾り23の構造について図3ないし図5を参照して詳細に説明する。図3は、吹き出し部材や照明パネルを画像表示装置の画面前側に進出させた状態の遊技盤3を示す正面図、図4は、遊技盤3を右斜め上方から見下ろした状態で示す斜視図、図5は、図3のA−A線に沿って断面した状態で示す遊技盤3の平面断面図である。なお、図4では、図1ないし図3に記載した障害釘30,39は便宜上、図示を省略している。
【0031】
すなわち、図3ないし図5に示すように、センター飾り23は、開口部36を中央部に有する略筒状の前枠体(前枠部)23aと、遊技盤3の前面側に固定された該前枠体23aに対して遊技盤3を介して背面側から位置決め固定された後枠体(後枠部)23bと、を有しており、前枠体23aの周囲に、その複数箇所から外方に張り出すように形成されたブラケット部8を有している。それぞれのブラケット部8には、上記した各枠体23a,23bを遊技盤3に埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔8aが形成されている。
【0032】
センター飾り23は、開口部36の上方に照明装置31を有し、開口部36の左右内側に照明装置115を有し、開口部36下方のステージS周辺に照明装置116を有している。照明装置31は、複数の発光ダイオード(LED)117aを実装した発光素子基板117からの光を、前枠体23aに設けられる光拡散部(いわゆるレンズ)を通して遊技盤3前面へと照射する。なお、図1ないし図4においては、該光拡散部を不図示とし、背面側に位置する発光素子基板117を透過して見せるように記載している。
【0033】
また、照明装置115、例えば前枠体23a右側面に配設された照明装置115は、後枠体23bに設けられた発光素子基板76(図6参照)に実装されたLED76aからの光を、前枠体23aに設けられている光拡散部115aを通して、開口部36内方側や遊技盤3前面側へと照射する。図1の紙面左側に示す照明装置115は、後枠体23bに設けられた不図示の発光素子基板に実装されたLED(図示せず)からの光を、右側の上記証明装置115と同様の光拡散部115aを通して、開口部36内方や遊技盤3前面側へと照射する。また、照明装置116は、後枠体23bに設けられた不図示の発光素子基板からの光を、前枠体23aに設けられている透明な光透過部116aを通してステージS中央部から遊技盤3前面側へと照射する。このように、センター飾り23に設けられた照明装置115,116は、前枠体23aと後枠体23bとが遊技盤3の前面及び背面から組み付けられることにより、それぞれが一体となった照明装置として構成される。
【0034】
センター飾り23は、その下部中央に放出口67を有している。該放出口67は、第1始動チャッカー27の直上方に位置して、放出されて落下する遊技球Baが一対の障害釘30の間を通って第1始動チャッカー27にほぼ確実に(つまり、97〜99%の高確率で)入賞し得るように位置決め形成されている。
【0035】
また、センター飾り23は、その後枠部23bに、開口部36の上部左右に延びるように設けられた上段レール98(図6参照)と、開口部36の略々中段部の左右に退避した状態で設けられた第1中段レール(駆動部)79と、該第1中段レール79に対して進退自在に設けられた第2中段レール(駆動部)77と、上段レール98及び各中段レール77,79にそれぞれ上部と下部を摺動可能に支持されて、画像表示装置35の画面35a下側を空けた状態で開口部36の前側を左右方向にスライド移動するように支持された吹き出し部材(動作部)63,64と、サブタイトル等が表面に記載された状態で内部に多数のLED65b(図3参照)を有する演出用照明パネル(動作部)65と、を有している。これら吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65は、ガタ吸収部材によってガタが吸収されるように構成されている。吹き出し部材63,64は、それぞれ画面35aに表示されるキャラクタの発する台詞(セリフ)等が遊技者側から視認可能となるように透明パネルを嵌め込んだ形に構成されている。
【0036】
上記吹き出し部材63,64は、それぞれ、背面側に位置する画像表示装置35の画面35aに表示されるキャラクタの台詞(セリフ)を視認可能に区画する透明パネル部63a,64aを有している。演出用照明パネル65は、タイトルを表示する表示部65aを有している。
【0037】
センター飾り23における開口部36の下部に配置されたステージSには、ワープ導入口37から導入された遊技球を第1始動チャッカー27に向けて落下させるための放出口67を有している。ステージSは、ワープ導入口37から導入されて放出口44から放出された遊技球を該ステージSの図3の左側から右側に案内する第1案内路48と、該第1案内路48の中央部に設けられた太鼓橋状ブリッジ49と、該太鼓橋状ブリッジ49を右側に通過した遊技球をステージSの後側に導く第2案内路57と、該第2案内路57に導かれた遊技球を放出口67と該放出口67とは異なる方向に振り分ける振り分け路(図示せず)と、太鼓橋状ブリッジ49の下方に設けられた上記光透過部116aと、を有している。センター飾り23の左側には、ワープ導入口37から導入した遊技球を放出口44に案内する案内路42が形成されている。
【0038】
第1案内路48上における太鼓橋状ブリッジ49の左右には、ステージS前側に向かって左右にやや広がる形で下降する形状の凹部54,54が形成されている。右側の凹部54の更に右側には、太鼓橋状ブリッジ49を通過した遊技球を第2案内路57側に導くための凹部55が形成されている。第2案内路57には、凹部55から導入された遊技球を太鼓橋状ブリッジ49の下方に導いて、放出口67に連通する落下孔58に落下させる導入溝(図示せず)と、該導入溝の左右に形成されて遊技球を第1始動チャッカー27とは異なる方向に導く方向の傾斜面61に導く導入溝(図示せず)とが形成されている。これら導入溝によって上記振り分け路が構成されている。
【0039】
ステージSにおける上記傾斜面61の前側には、ステージSから第1始動チャッカー27の左右に落下させるための傾斜湾曲面62,62が形成されている。放出口67の上部は、左右の傾斜湾曲面62,62から上方にせり上がるように形成されると共に、このせり上がり部分の中央には、ステージS上にありながら落下孔58に落下せず、傾斜湾曲面62,62にも導かれなかった遊技球を案内して、第1始動チャッカー27に向けて落下させるガイド溝60が形成されている。このガイド溝60も放出口67と同様に、放出されて落下する遊技球Baが障害釘30の間を通って第1始動チャッカー27にほぼ確実に(つまり、97〜99%の高確率で)入賞し得るように位置決め形成されている。
【0040】
ここで、センター飾り23の後部を形成する後枠体23bについて、図6を参照して説明する。なお、図6は、遊技盤3に配設された状態における後枠体23bを背面側から見た状態で示す背面図であり、装着したセンター飾り23の配置構造を理解し易くするため、センター飾り23の背面側に本来装備される画像表示装置35やサブ制御基板38等は図示を省略している。また、図6における遊技盤3を仮想線(二点鎖線)で記載することにより、該遊技盤3前面に配設される右アタッカー5等の主だった装置と後枠体23bとの位置関係を視認可能にしている。
【0041】
すなわち、後枠体23bは、図6の正面視において外形が略々矩形形状を呈しており、該後枠体23bの背面をなす背面部104(図6の紙面手前側)の周縁には、紙面奥行き方向に向かう外周壁部材103が垂設されている。さらに、この外周壁部材103の前面側左右には、それぞれ外側に張り出す張出し部102が形成されることにより、後枠体23bは平面断面視においてハット形(プレス加工の曲げ型の1つで、例えばシルクハットを縦に剪断したような形状)を呈するものとなっている。
【0042】
背面部104には、矩形状の開口部105が設けられ、前述した前枠体23aの開口部36と前後方向に重なり合うことにより、設置時における画像表示装置35の画面を露出させる。ここで、後枠体23bの大きさは、その幅において遊技盤3の略々左右端部まで達し、上下高さ方向にあっては遊技領域3aの高さにおける半分以上の長さを有することによって、前面側の前枠体23aを略々覆い隠すものとなっている。
【0043】
一方、後枠体23bの前面四隅、つまり左右の張出し部102におけるそれぞれの上部及び下部には、前方(図6の紙面奥側)に向かう不図示の突起部が形成され、さらに該張出し部102には12箇所のネジ挿入孔102aが左右対向する位置にそれぞれ対をなすように配設されている。これにより、後枠体23bは、その組み付けの際、上記突起部が遊技盤3の背面に設けられた不図示の凹部に係合されることで位置決めされ、その後ネジ挿入孔102aがそれぞれネジ止めされることによって遊技盤3の背面に堅固に固着される。
【0044】
上記ネジ挿入孔102aは、張出し部102の最前部(図6の奥側)をなし且つネジ挿入孔102a近傍を囲う程度の狭小な平面部106に形成されている。この平面部106の外周縁には、図6の紙面手前方向に向かう壁部材107が形成され、さらに張出し部102にはこの壁部材107同士が一続きとなるような壁部が配設され、該張出し部102を複数に仕切ってなる箱型領域108が配設されている。ここで、背面部104の左右に垂設されている外周壁部材103は、上記箱型領域108の一部の壁面をなしつつ背面部104へと一続きに形成されている。そして、この箱型領域108の背面側からは、該外周壁部材103に向かって三角形状のリブ部109が形成され、後枠体23bにおける左右部の強度向上が図られるものとなっている。
【0045】
また、背面部104の背面には、格子形状を呈するリブ部110が全面に亘って形成され、該背面部104の下部前面側には、その下端から一続きに形成されている外周壁部材103に向かって三角形状のリブ部113が形成されている。そして、背面部104のリブ部110上には、画像表示装置35の荷重を支え得る強度を有した固定用突起111が、該画像表示装置35に貫通形成されたネジ止め孔(不図示)と対向する位置の4箇所に突出形成されている。
【0046】
背面部104の領域AR内で水平方向に設けられているリブ部110は、他のリブ部110に比して高さが低く形成されている。これによって、パチンコ機1の完成時におけるリブ部110上方には間隙が形成され、該間隙内にはセンター飾り23に搭載される各種装置に係るハーネスが引き回される。該ハーネスは領域AR内に設けられた鈎針状の爪部112に通すように引き回され、散乱しないように結束される。
【0047】
一方、後枠体23b上部には、吹き出し部材63をスライド駆動するモータ(駆動部)M1と、吹き出し部材64をスライド駆動するモータ(駆動部)M2と、演出用照明パネル65をスライド駆動するモータ(駆動部)M3とがそれぞれの回転軸(図示せず)を前面側に向けて配設されている。これら各モータM1,M2,M3は、それぞれ遊技中の演出における所定の契機にて、後述する演出制御手段91からの信号を受け、各回転軸からギヤ列(図示せず)を介して回転を伝達し、吹き出し部材63,64、演出用照明パネル65をスライド駆動させるものである。図6では、吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65が、モータM1,M2,M3の回動により上部左右レール98を伝って中央部に引き出され、それぞれが開口部36に対して最大限に進出した状態で示されている。このとき、演出用照明パネル65は、被ガイド部材78が第1中段レール79を伝って摺動し、上記進出した状態で支持され、吹き出し部材64は、被ガイド部材93が第2中段レール77を伝って摺動し、上記進出した状態にて支持されている。
【0048】
ついで、吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65の支持構造について、図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は、図6に示す後枠体23bを正面から見た状態で示す正面図、図8は、遊技盤3から取り外した状態で示す後枠体23bの正面図である。
【0049】
すなわち、図7に示すように、後枠体23bは、センター飾り23の全体における開口部36に対応する開口部99を有しており、この開口部36,99の上縁部99aには、その長手方向に延びるように上段レール98が設けられ、開口部36,99における下縁部99bと上縁部99aとの間には、該開口部36,99の左右方向に延びるように第1中段レール79、第1中段レール(駆動部)96、及び第2中段レール77(図6参照)が設けられている。第1中段レール79,96は、開口部36,99の左右幅方向の両側に固定配置されており、第2中段レール77は、第1中段レール79に対して進退動作するように支持されている。吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65は、画面35aを、吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65より下側を含む開口部36,99の全域から露出するように、上記レール77,79,96,98によってスライド自在に支持されている。
【0050】
つまり、図7及び図8に示すように、演出用照明パネル65は、上段レール98の右レール(駆動部)98bによって上部を摺動自在に支持されると共に、第1中段レール79によって下部を摺動自在に支持されており、吹き出し部材63は、上段レール98の左レール(駆動部)98aによって上部を摺動自在に支持されると共に、第1中段レール96によって下部を摺動自在に支持されている。吹き出し部材64は、上段レール98の右レール98bによって上部を摺動自在に支持されると共に、第2中段レール77によって下部を摺動自在に支持されている。
【0051】
また、第2中段レール77における図6の紙面向かって左方には第1中段レール79に摺動自在に係合する被ガイド部材78が設けられている。更に、吹き出し部材63における図7の紙面向かって左方には第1中段レール96に摺動自在に係合する被ガイド部材95が設けられている。この被ガイド部材95は、前側に屈曲して突出する突出部95aと、該突出部95aにおける右端部の前端から下方に鉤状に屈曲して第1中段レール96に摺動自在に係合する鉤部95bと、突出部95aにおける左端部の前端から下方に鉤状に屈曲し且つ前方のカバー部材100の裏面に弾性的に摺接する板バネ部95cと、を有している。
【0052】
上述した演出用照明パネル65及び吹き出し部材63は、開口部36,99の左右幅方向の一側(演出用照明パネル65の場合は図7の右側、吹き出し部材63の場合は図7の左側)から画面35aの前側に向けて進出し又は該一側に向けて退避するように構成されている。また吹き出し部材64は、開口部36,99の左右幅方向の一側(図7の右側)から画面35aの前側に向けて進出し又は該一側に向けて退避するように構成されている。吹き出し部材63,64は、それぞれ、背面側に位置する画像表示装置35の画面35aに表示されるキャラクタの台詞(セリフ)を視認可能に区画する透明パネル部63a,64aを有している。演出用照明パネル65は、サブタイトルを表示する表示部65aを有している。
【0053】
上記左レール98a及び右レール98bは、それぞれ合成樹脂等のカバー部材から構成されており、これらレール98a,98bを取り外した状態を図7に示している。同図に示すように、カバー部材からなる左レール98aの内部には、吹き出し部材63の上部に固定された被案内部材(駆動部)154と、該被案内部材154から連続するように一体形成されたラック(駆動部)155と、が摺動自在に収容されている。また、カバー部材からなる右レール98bの内部には、演出用照明パネル65の上部に固定された被案内部材(駆動部)158と、該被案内部材158から連続するように一体形成されたラック(駆動部)159と、が摺動自在に収容されている。更に、右レール98bの内部におけるラック159の奥側には、吹き出し部材64の上部に固定された被案内部材(駆動部)156と、該被案内部材156から連続するように一体形成されたラック(駆動部)157と、が摺動自在に収容されている。
【0054】
上記被案内部材154,156,158及び上記ラック155,157,159は、それぞれ後枠体23bの左右幅方向に延在するように形成されている。後枠体23bの上部におけるラック155に対向する位置には、該ラック155とでラックアンドピニオン(rack and pinion)を構成するピニオン(駆動部)151が噛合するように配置され、該ピニオン151の奥側には、該ピニオン151を回転させるモータM1が配置されている。後枠体23bの上部におけるラック157に対向する位置には、該ラック157とでラックアンドピニオンを構成するピニオン(駆動部)152が噛合するように配置され、該ピニオン152の奥側には、該ピニオン152を回転させるモータM2が配置されている。後枠体23bの上部におけるラック159に対向する位置には、該ラック159とでラックアンドピニオンを構成するピニオン(駆動部)153が噛合するように配置され、該ピニオン153の奥側には、該ピニオン153を回転させるモータM3が配置されている。
【0055】
なお、上述した、吹き出し部材63、左レール98a、第1中段レール96、被案内部材154、ラック155、ピニオン151、及びモータM1によっては、本発明の特徴となる第1可動装置(可動式役物)120が構成されている。また、吹き出し部材64、右レール98b、第2中段レール77、被案内部材156、ラック157、ピニオン152、及びモータM2によっては、本発明の特徴となる第2可動装置(可動式役物)121が構成されている。また、演出用照明パネル65、右レール98b、第1中段レール79、被案内部材158、ラック159、ピニオン153、及びモータM3によっては、本発明の特徴となる第3可動装置(可動式役物)122が構成されている。
【0056】
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図9を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
【0057】
すなわち、図9に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、サブ制御基板38、主制御基板40、及び払出し制御基板51がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板53がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
【0058】
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図10に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【0059】
すなわち、本制御系は、遊技制御装置80と、該遊技制御装置80に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド69、センターアタッカー開閉ソレノイド70、右アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置12、演出用照明装置11、画像表示装置35、賞球装置46、演出用照明パネル65、及びモータM1〜M3と、を備えている。
【0060】
遊技制御装置80は、図10に示した主制御基板40やサブ制御基板38等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、サブ制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
【0061】
遊技制御装置80は、入賞判定手段81、入賞信号出力手段82、第1抽選手段83、第2抽選手段84、普通図柄抽選手段94、遊技制御手段86、保留手段87、作動制御手段88、作動判定手段89、作動決定手段90、演出制御手段91、及び表示制御手段92を備えている。
【0062】
入賞判定手段81は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が第1及び第2始動チャッカー27,28、入賞口25,26、センターアタッカー4、右アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
【0063】
入賞信号出力手段82は、入賞判定手段81によって入賞が判定されたとき、対応する第1及び第2始動チャッカー27,28、入賞口25,26、センターアタッカー4、右アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
【0064】
第1抽選手段83は、入賞信号出力手段82からの第1始動チャッカー27に対応する入賞信号の入力時、第2抽選手段84側との合計の最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、第1大当たり(ビッグボーナス)及び第2大当たり(レギュラーボーナス)を含む各種大当たりの何れかに当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。また第2抽選手段84は、入賞信号出力手段82からの第2始動チャッカー28に対応する入賞信号の入力時、第1抽選手段83側との合計の最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、第1大当たり及び第2大当たりを含む各種大当たりの何れかに当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。本実施形態では、第1及び第2抽選手段83,84のいずれかで第1大当たりに当選した場合、作動制御手段88の制御で作動する右アタッカー開閉ソレノイド71によって右アタッカー5が、1回の開放で9個の入球(即ち9カウント)を完了した時点で閉じ、この開閉を15回(15ラウンド)繰り返すように動作させられる。一方、抽選手段83,84のいずれかで第2大当たりに当選した場合、作動制御手段88の制御で作動するセンターアタッカー開閉ソレノイド70によってセンターアタッカー4が、1回の開放で9個の入球(即ち、9カウント)を完了した時点で閉じ、この開閉を7回(即ち7ラウンド)繰り返すように動作させられる。
【0065】
そして第1及び第2抽選手段83,84は、それぞれ、大当たり抽選で第1大当たりに当選した場合には、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、「333」や「777」等の図柄が画面35a上の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。また第1及び第2抽選手段83,84は、それぞれ、大当たり抽選で第2大当たりに当選した場合には、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、「222」や「444」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。更に第1及び第2抽選手段83,84は、それぞれ、大当たり抽選で外れた場合には、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「258」や「186」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
【0066】
さらに、第1及び第2抽選手段83,84は、上記した大当り抽選における変動パターンとは別に、吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65を各スライド駆動させて遊技者に期待感を与えるような「特別演出」をさせるか否かの抽選を、特別演出乱数値を取得して実行する。そして、該抽選に当選した場合には、吹き出し部材63,64及び演出用照明パネル65のいずれを使った特別演出、例えば吹き出し部材63,64を同時に画面35a前面にスライド駆動させる、といった特別演出の種類を決定し、この種類を示す旨の特別演出信号を出力する。
【0067】
普通図柄抽選手段94は、第2始動チャッカー28を開閉動作させるか否かの普通図柄抽選を、この普通図柄抽選の保留球数(例えば4個)の範囲内で、普通図柄作動ゲート32への入球を契機として実行する。
【0068】
遊技制御手段86は、放音装置12、演出用照明装置11、演出用照明パネル65、及びモータM1〜M3に放音、発光、スライド駆動等の演出をさせる契機となる指令を、演出制御手段91に送る。また、遊技制御手段86は、予め設定された演出データや、第1及び第2抽選手段83,84での抽選結果に応じて、画像表示装置35の画面35aに表示すべき大当たり抽選に関連する演出内容に関する信号を表示制御手段92に送る。
【0069】
保留手段87は、第1、第2抽選手段83,84のいずれかから出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、第1、第2始動チャッカー27,28への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、特別図柄表示装置24の大当たり抽選保留表示装置24aに、始動チャッカー27,28双方での合計が最大4個の保留球となるように点灯表示される。保留手段87は、合計の保留球数が4個になっているか否かを常時判定し、保留球数が4個表示されている間は、第1、第2始動チャッカー27,28への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
【0070】
そして保留手段87は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段87は、保留球の消費に応じて保留球数が4個未満となった場合、第1、第2抽選手段83,84で行われる第1、第2始動チャッカー27,28への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
【0071】
作動制御手段88は、作動決定手段90の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド69に駆動信号を送って該ソレノイド69を作動させ、第2始動チャッカー28を開閉動作させる。作動制御手段88は、第1大当たりに当選した場合に、右アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、右アタッカー5を15ラウンドだけ開閉動作させるように制御する。また作動制御手段88は、第2大当たりに当選した場合に、センターアタッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送り、センターアタッカー4を7ラウンドだけ開閉動作させるように制御する。更に作動制御手段88は、第1始動チャッカー27、第2始動チャッカー28、入賞口25,26、センターアタッカー4、右アタッカー5に入賞した旨の入賞信号を入賞信号出力手段82から受けた場合、それぞれの入賞に対応する賞球数となるように賞球装置46を作動制御する。
【0072】
作動判定手段89は、始動チャッカー開閉ソレノイド69、センターアタッカー開閉ソレノイド70、右アタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド69にあって、第2始動チャッカー28の開閉の「条件を満たす」時とは、普通図柄抽選手段94での普通図柄抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド70,71のそれぞれにあって、アタッカー4,5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時の全てのラウンドにおける入賞を完了した場合である。
【0073】
作動決定手段90は、作動判定手段89からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド69、センターアタッカー開閉ソレノイド70、右アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始をそれぞれに決定する。
【0074】
演出制御手段91は、遊技制御手段86からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置11を発光駆動して遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。また、演出制御手段91は、遊技制御手段86からの指令に応答して、表示制御手段92の制御で画面35a上に表示される演出内容に対応するようにモータM1〜M3をそれぞれ時計方向又は反時計方向に回転駆動させる。つまり、演出制御手段91は、画面35a上に表示される、キャラクタ(例えば、本パチンコ機1のテーマに関連した種々の登場人物)が発する台詞(文字列等)を囲んで明確に区画し得るように、当該台詞に対応する位置に正確に吹き出し部材63,64を移動/停止するようにモータM1〜M3を作動制御する。その際、演出制御手段91は、遊技制御手段86からの指令に応答して、演出用照明パネル65に備えた多数のLED65bを点灯及び/又は点滅させ、画面35a上の表示内容に対応する演出を行う。
【0075】
表示制御手段92は、遊技制御手段86からの信号に従って、画像表示装置35を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。その際、表示制御手段92は、第1及び第2抽選手段83,84それぞれによる各抽選結果を、遊技制御手段86からの信号に従い、画像表示装置35の画面35aを2分割した形で各表示領域にそれぞれ時系列的に演出表示し、或いは、双方の表示領域を一体に使用した形で時系列的に演出表示する。
【0076】
また、始動チャッカー開閉ソレノイド69は、作動制御手段88から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、第2始動チャッカー28を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド70,71は、それぞれ、作動制御手段88から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、各アタッカー4,5を開閉動作させる。
【0077】
放音装置12は、演出制御手段91の制御に従ってスピーカー(図示せず)を駆動させ、演出に応じた効果音を発する。演出用照明装置11は、演出制御手段91の制御に従ってその内蔵する電飾ランプ(図示せず)を発光駆動(点灯、点滅)させ、演出に応じた照明を行う。画像表示装置35は、表示制御手段92の制御に従って作動し、演出データや第1、第2抽選手段83,84での抽選結果に応じた演出表示を行う。
【0078】
賞球装置46は、作動制御手段88により作動制御されて、第1始動チャッカー27、第2始動チャッカー28、入賞口25,26、センターアタッカー4、右アタッカー5それぞれへの入賞に対応する賞球数を供給する。
【0079】
次に、本パチンコ機1による作用について、図11のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、第1、第2始動チャッカー27,28や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口66から遊技盤3背面側に排出される。
【0080】
遊技領域3aに打ち出された遊技球の一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球は、案内路42に案内されて放出口44から放出され、第1案内路48、凹部54、太鼓橋状ブリッジ49、凹部54を通って凹部55に至り、更に第2案内路57に転動して、太鼓橋状ブリッジ49下方の上記振り分け路(図示せず)で進路を振り分けられる。その結果、落下孔58に落下した遊技球は、放出口67から放出されて、高い入賞確率(略100%)で第1始動チャッカー27に入賞する。この遊技球は、殆どの場合、第1始動チャッカー27に入賞することになるが、障害釘30(図1,2参照、図4には不図示)への当接状況によっては入賞できないこともある。
【0081】
一方、傾斜面61側に振り分けられた遊技球は、傾斜湾曲面62から第1始動チャッカー27とは異なる方向にステージS下方に落下するが、場合によっては、障害釘30の左右に打ち込まれた所謂ジャンプ釘(図示せず)や、このジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾き返されることで、障害釘30に絡んでその間を落下して第1始動チャッカー27に入賞することもある。
【0082】
ところで、第1及び第2始動チャッカー27,28や入賞口25,26の何れかに遊技球が入賞した場合には、入賞判定手段81が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段82が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段87は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段86を介して表示制御手段92に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段87は、当該保留球の消費に応じて、第1、第2抽選手段83,84で行われる第1及び第2始動チャッカー27,28への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
【0083】
ステップS3において、大当たり抽選で当選した場合、第1、第2抽選手段83,84のうち該当する側が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり第1大当たりにおける確変当たり態様か通常当たり態様、或いは、第2大当たりにおける確変当たり態様か通常当たり態様のいずれかに対応する変動パターンが決定される。
【0084】
これにより、ステップS4において、画像表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第1抽選手段83又は第2抽選手段84は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、第1抽選手段83又は第2抽選手段84は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
【0085】
以上のようにして、遊技制御手段86が、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段92に送信することに基づき、表示制御手段92は、画像表示装置35を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
【0086】
ここで、前述した第1抽選手段83又は第2抽選手段84にて特別演出の実行が決定された場合には、特別演出信号が演出制御手段91に送られ、第1可動装置120、第2可動装置121、第3可動装置122、における、吹き出し部材63、吹き出し部材64、演出用照明パネル65の各スライド演出が駆動制御されることとなる。
【0087】
この特別演出は、例えば、演出制御手段91からの信号に基づき、第1可動装置120におけるモータM1が回動制御され、ついで被案内部材154が図7の正面視左右方向にピニオン151及びラック155を介して摺動移動されることにより、吹き出し部材63がスライド移動するように演出動作されるものである。この吹き出し部材63は、該演出動作の実行前においては、前枠部23aの左背面側の遊技者から視認できない位置(初期位置)に配設されているが、該演出動作の実行に伴って図柄表示装置35の画面35a左前面へと移動し、遊技者の目の前に突然現れたかのような効用をなす。
【0088】
このとき、図柄表示装置35における画面35a左上部には、該画面35aに表示されたキャラクタが発する、例えば「チャンス」の文字が目立つように表示され、吹き出し部材63は、この表示された文字の真上に瞬間的に位置するものとなる。そして、吹き出し部材63は、自身に嵌め込まれた透明パネルによってこの文字を透過させると共に、透明パネルの周縁に設けられたジグザグ状の縁取りによって透過させる文字を目立たせるように遊技者に視認させ、いわゆる本における漫画の台詞(つまりフキダシ)のような外観を創出する。このような吹き出し部材63による演出は、遊技者に対して当該抽選の結果が有利なもの(大当り)ではないかといった期待感を抱かせることとなり、いわゆるアツイ演出として遊技性の向上に寄与されるものとなる。
【0089】
なお、上記した例では「チャンス」という台詞のみを示して説明したが、台詞の種類について特に制限するものではなく、遊技内容に則った、遊技性を高めるような熱い言葉であればどのようなものであってもよい。また、該台詞を各種変えることにより、吹き出し部材63による演出表示に毎回変化が生じ、遊技者が予測し得ない未知の遊技感覚を提供できると共に、新奇性や意外性等といった興趣を形成する要素の創出にも寄与するものとなる。さらに、上述した「チャンス」等の台詞が画面35aに表示された際には、それと同時に放音装置12から台詞と同様の音声を出力させるような制御を行わせてもよい。
【0090】
そして、前述したステップS5において、画面35a上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合には、作動制御手段88は、作動決定手段90の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでセンターアタッカー開閉ソレノイド70又は右アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド70又は71を作動させてセンターアタッカー4又は右アタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンドだけ繰り返させる。これにより、センターアタッカー4又は右アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
【0091】
つぎに、本パチンコ機1におけるセンター飾り23の組み付け工程について補足して説明する。
【0092】
まず、前枠体23aは、ステージS等の各種部材がそれぞれに取り付けられることにより、前枠体23a単体として組み上げられる。また、後枠体23bは、吹き出し部材63やモータM1等からなる第1可動装置120、吹き出し部材64やモータM2等からなる第2可動装置121、及び演出用照明パネル65やモータM3等からなる第3可動装置122等が取り付けられ、後枠体23b単体として組み上げられる。
【0093】
上記のように単体で組み上げられた前枠体23aは、ブラケット部8に形成された孔8aにて遊技盤3前面の所定位置に位置決めされ、ネジ止めされることで遊技盤3に組み付けられる。また、後枠体23bは、モータM1,M2等の電気的部材を結線するハーネス等を引き回しつつ、張出し部102に配設されたネジ挿入孔102aにて遊技盤3背面の所定位置に位置決めされ、遊技盤3にネジ止めされる。これら前枠体23aと後枠体23bとが、遊技盤3の前面及び背面から結合されることにより、一体的なセンター飾り23が形成される。このように、後枠体23bに対して可動式役物である第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122が、製造当初の段階で集約されるように取り付けられ、この一括した状態にて遊技盤3に対して組み付けられるので、ユニット役物23に係る組み付け作業の効率化が図れるものとなる。
【0094】
また、前述したように、第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122が、遊技盤3の後側の後枠部23bに配設されることにより、遊技盤3の前側、つまり前枠部23aには、これらが配設されなかった分の他の立体造形物や装飾部材等を配設させる空間的な余裕が創出されることとなる。これにより、前枠部23aに、他の立体造形物や装飾部材等を配設させることが可能となり、ユニット役物23における演出もしくは外形状の設計の幅を広げることができるようになる。
【0095】
なお、本実施の形態では、センターアタッカー4及び右アタッカー5として2つのアタッカーを備えたパチンコ機1について説明したが、本発明は、このようなパチンコ機に限らず、アタッカーを1つのみ備えたパチンコ機にも適用し得ることは勿論である。
【0096】
以上説明した本実施の形態においては、パチンコ機1に、前枠部23a及び後枠部23bからなるセンター飾り23と、図柄表示装置35と、該図柄表示装置35における画面35aより前側にて遊技に係る演出動作を所定の契機で実行する第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122とを備えさせる。さらに、各可動装置120,121,122を後枠部23bに配設させると共に、これらによる演出動作の実行前においては遊技盤3より後側に配置されるように構成させる。すなわち、従来のセンター飾りにおける可動式装置類の配設空間は、センター飾りの前部や、センター飾りが有する開口部内側等といった比較的狭い空間領域であることが一般的となっていた。しかし、後枠部23bを有するような本ユニット役物23にあっては、該ユニット役物23後方に配設される図柄表示装置35等の各種装置を一般的な位置より奥側に配設させたり、正面視における後枠部23bの面積が大きくなるように形成させたりすることによって、遊技盤3より後側で且つ図柄表示装置35より前側に位置するユニット役物23内の空間領域を幅広く確保することができるようになる。このように幅広く確保した空間領域に、第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122等を配設できることにより、前述したような従来の空間領域内に規定されていた可動式装置類の大きさや可動範囲等の自由度を、格段に大きく拡張させることができるようになる。
【0097】
また、第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122のうち、例えば第1可動装置120を、開口部36左脇の遊技盤3背面に配設し、該第1可動装置120が演出動作された際に図柄表示装置35の画面35a前方に移動するような動作をさせる。これにより、動作前の第1可動装置120の姿を遊技者から完全に隠蔽し、演出動作時に突然遊技者の視界に飛び込ませるような印象的な演出を施すことができる。また、演出動作前の第1可動装置120等の姿全体を、遊技者から完全に隠蔽させることができるので、少なくとも遊技の初期段階においては、遊技者に対して、遊技中にどのような演出があるのかといった、予測し難い未知の期待感を与えることができる。さらには、遊技者の視界に飛び込む度に、第1可動装置120等の態様、例えば吹き出し部材63の透明パネルを介して視認させる台詞の文字を変化させるような演出動作を施すことにより、本パチンコ機1における遊技性の向上を図ることができるようになる。
【0098】
また、可動式役物である第1可動装置120、第2可動装置121、及び第3可動装置122のうち、例えば第1可動装置120が、演出動作実行時に動作対象となる吹き出し部材63と、該吹き出し部材63を駆動して演出動作を実行させる左レール98a、第1中段レール96、被案内部材154、ラック155、ピニオン151、及びモータM1とを有してなる。これにより、演出動作時において遊技者から視認対象となる吹き出し部材63だけでなく、該吹き出し部材63に動きを与えるモータM1をはじめとした上記各部材も含めて遊技盤3の後側、つまり後枠部23bに集約して配設させることができるようになる。したがって、後枠部23bに対して第1可動装置120等を一括して取り付けた状態で該後枠部23bを遊技盤3に対して組み付けることができるようになり、センター飾り23に係る組み付けの効率化を図ることができる。
【0099】
また、例えば、第1可動装置120における左レール98a、第1中段レール96、被案内部材154、ラック155、ピニオン151、及びモータM1により構成される駆動部が、演出動作の実行時において、吹き出し部材63を図柄表示装置35の画面35a周辺と該画面35aの前方との間でスライド移動するように駆動する。これにより、第1可動装置120全体を、センター飾り23における開口部36脇の遊技盤3背面側に配設させ、演出動作時にそれらを図柄表示装置35の画面35a前方、つまり遊技者の目前に出現させるような新奇かつ印象的な演出を行うことができるようになる。
【0100】
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。
【図2】本パチンコ機に備えた遊技盤を単体で示す正面図である。
【図3】吹き出し部材や照明パネルを画像表示装置の画面前側に進出させた状態の遊技盤を示す正面図である。
【図4】遊技盤を右斜め上方から見下ろした状態で示す斜視図である。
【図5】図3のA−A線に沿って断面した状態で示す遊技盤の平面断面図である。
【図6】遊技盤に配設された状態における後枠体を背面側から見た状態で示す背面図である。
【図7】図6に示す後枠体を正面から見た状態で示す正面図である。
【図8】遊技盤から取り外した状態で示す後枠体の正面図である。
【図9】本パチンコ機の背面構造を示す背面図である。
【図10】本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図11】本パチンコ機による作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 遊技機(パチンコ機)
3 遊技盤
3a 遊技領域
23 ユニット役物(センター飾り)
23a 前枠部(前枠体)
23b 後枠部(後枠体)
35 図柄表示装置(画像表示装置)
35a 画面
36 開口部
63,64 動作部(吹き出し部材)
65 動作部(演出用照明パネル)
77 駆動部(第2中段レール)
79,96 駆動部(第1中段レール)
98a 駆動部(左レール)
98b 駆動部(右レール)
151,152,153 駆動部(ピニオン)
154,156,158 駆動部(被案内部材)
155,157,159 駆動部(ラック)
120 可動式役物(第1可動装置)
121 可動式役物(第2可動装置)
122 可動式役物(第3可動装置)
Ba 遊技球
M1,M2,M3 駆動部(モータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の前面及び背面から該遊技盤を挟む形で組み付けられる一対の前枠部及び後枠部からなるユニット役物と、該ユニット役物が有する開口部から画面を露出させる図柄表示装置とを遊技領域に備え、該遊技領域に遊技球を打ち出して遊技してなる遊技機において、
前記後枠部に配設され、前記遊技に係る演出動作を所定の契機で実行する可動式役物を備え、
前記可動式役物は、前記演出動作実行時に動作対象となる動作部と、該動作部を駆動して演出動作を実行させる駆動部とを有し、該動作部は、前記演出動作における実行の前後にあって、該駆動部により前記遊技盤の後側に位置するように駆動されてなる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記駆動部は、前記演出動作の実行時、前記動作部を前記図柄表示装置の前記画面周辺と該画面の前方との間で移動するように駆動する、
請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−222515(P2007−222515A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49261(P2006−49261)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】