説明

遊技機

【課題】遊技機の組み立ての際に、輪ゴム等の拘束具を用いなくても、電気部品のコネクタを一時的に保持しておくことができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機に取り付けられるゲートスイッチ225の後端に突部410を設け、突部410にゲートスイッチ225のコネクタ402を保持させパチンコ機にゲートスイッチ225を取り付ける。そして、盤面中継基板226がパチンコ機に取り付けられた後に、突部410に保持されたコネクタ402を、盤面中継基板226のコネクタ接続部403に挿し換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。特にパチンコ遊技機の組み立てに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機では、遊技盤の遊技領域には、遊技球が入ることで図柄表示装置の図柄や電動チューリップ等を始動させる始動口、遊技球の入賞により所定数の遊技球が払出される入賞口及び、ランプを備えた役物等が取り付けられている。始動口や入賞口には、遊技球の通過を検出する遊技球検出センサが設けられている。また電動チューリップにおいては、チューリップを開閉させるソレノイドが設けられている。これら遊技球検出センサ、ソレノイド及びランプ等の電気部品は、遊技盤の裏側に電気配線を延び出させて、その先端にはコネクタが設けられている。そして、このコネクタは、パチンコ機の裏側に取り付けられた各制御基板や各中継基板に備えられたコネクタ接続部に接続されている。
【0003】
ところで、パチンコ機の組み立てにおいては、パチンコ機の内枠に対して電気部品を取り付けた遊技盤を裏側から取り付け、更に裏側より、各制御基板や各中継基板を備えた第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット、裏パックユニット等が組み付けられる。そして、これらユニットがパチンコ機に組み付けられた後、或いは、組み付け途中において、電気部品から延び出したコネクタを、これらユニットに設けられた該当するコネクタ接続部に接続している。このため、電気部品から延び出したコネクタや電気配線が、これらユニット等の組み付けの際に邪魔にならないように、コネクタがユニット等のコネクタ接続部に接続されるまで一時的に、コネクタが電気配線と共に輪ゴム等の拘束具を用いて束ねられていた。
【0004】
出願人は、本願出願において、以上の従来技術が記載されている文献として、以下のものを知見している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−57546号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パチンコ機の組み立ての際に、コネクタと電気配線とを輪ゴムを使って束ねなければならず、また、コネクタをコネクタ接続部に接続する際には、輪ゴムを外す必要があり、輪ゴムの装着や脱着に手間がかかり、生産効率が悪いものとなっていた。また、パチンコ機の組み立て中に、コネクタと電気配線とを束ねていた輪ゴムが切れたり、外れたりして、コネクタと電気配線との拘束が解除され、コネクタが自由に移動できるようになり、ユニット等の他の部品を取り付ける際に自由になったコネクタが邪魔をしたり、コネクタをコネクタ接続部に接続する際に、コネクタが他の部品の裏側等、何処かへ行ってしまいコネクタを探したりして、組み付けに手間がかかることがあった。また、自由になったコネクタが、他の配線等と絡み合い、電気配線が断線してしまう恐れがあった。更に、切れたり外れたりした輪ゴムや、使用済みとなった輪ゴムが、パチンコ機に残って不具合の原因となったり、パチンコ機の生産ラインに散乱したりして、輪ゴムの後処理をする必要があり手間がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、上記課題のうち少なくとも一つを解決するものとし、遊技機の組み立ての際に、輪ゴム等の拘束具を用いなくても、電気部品のコネクタを一時的に保持しておくことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その作用等についても説明する。
手段1:遊技機を構成する部品に取り付けられ、該遊技機の制御手段に直接又は中継手段を介して電気的に接続される電気部品と、該電気部品から延び出した電気配線と、該電気配線の先端に備え、前記制御手段又は前記中継手段に備えたコネクタ接続部と接続するコネクタとを具備し、前記電気部品には、前記コネクタを保持する突部を備えたことを特徴とする遊技機。
【0009】
ここで、「遊技機を構成する部品」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「前面セット」、「内枠」、「外枠」、「下皿ユニット」、「樹脂ベース」、「遊技盤」、「可変表示ユニット」、「第1制御基板ユニット」、「第2制御基板ユニット」、「裏パックユニット」、等を例示することができるが、その他、遊技機を構成する部品であればどの部品でもよい。
【0010】
また、「制御手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「遊技機の各制御装置の中枢をなす主制御装置」、「ランプや液晶等の表示装置の表示内容を制御する表示制御装置」、「表示制御装置からの指令に基き音声やランプを制御する音声ランプ制御装置」、「表示制御装置からの指令に基き第一図柄を表示する第一図柄表示装置」、「表示制御装置からの指令に基き第二図柄を表示する第二図柄表示装置」、「賞球や貸出球の払出を制御する払出制御装置」、「各制御装置等に所定の電源電圧を供給する電源装置」、「遊技球発射ハンドルの操作に基いて遊技球を発射する発射制御装置」、「払出制御装置からの指令に基き遊技球を払出す払出装置」、「電源スイッチが設けられた電源スイッチ基板」、等を例示することができる。また、上記の各制御手段に具備された制御基板及び、カードを用いて球貸するための球貸操作部等も含めることができる。
【0011】
また、「中継手段」としては、「各種の信号を外部に出力するための外部中継端子盤」、「入賞口スイッチ及びゲートスイッチと主制御装置とを中継する盤面中継基板」、「大入賞口と主制御装置とを中継する大入賞口中継基板」、「表示制御装置及び音声ランプ制御装置と電源装置とを中継する電源中継基板」、「払出装置と払出制御装置とを中継する払出中継基板」、「遊技機の外部にあるカードユニットと払出制御装置とを中継するカードユニット接続基板」、等を例示することができる。その他、各発光手段や検出手段等からの信号を中継するものも含まれる。
【0012】
また、「電気部品」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「入賞口及び始動口等に設けられ、遊技媒体を検出する遊技媒体検出センサ」、「遊技盤の遊技領域に設けられ、ランプ等の発光手段を有した役物」、「一対の開閉片と、その開閉片を開閉駆動するソレノイドとを有した役物(電動チューリップ)」、「ソレノイドの付勢力により開閉する可変入賞装置」、「複数の遊技媒体を停留させる回転体を有し、所定条件の基で回転体に停留された遊技媒体を下流側へ放出する電動の役物」、「遊技領域の外周部に設けられた電飾部及び各種表示ランプ」、「音を発するスピーカ」、等を例示することができる。また、上記の制御手段及び中継手段も含めることができる。
【0013】
また、「電気配線」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「単線又は撚線被覆コード」、「同軸ケーブル」、「複数の被覆コードを横に並べて接合したフラットケーブル」、等を例示することができる。
【0014】
更に、「コネクタ」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「外形が矩形状をなし少なくとも一つの接点を有し、接点が横方向又は、横及び縦方向に配列されているもの(角型のコネクタ)」、「外形が円柱状をなし、複数の接点が横及び縦方向に配列されているもの(丸型のコネクタ)」、「外形が円柱状をなし、接点が軸方向に分割して設けられているもの、或いは、接点が同軸状に設けられているもの(プラグ類)」、等を例示することができる。また、「コネクタ」に、予め「コネクタ接続部」と係止するための、係止部が設けられているものも含まれる。なお、「係止部」としては、「係止爪を引っ掛けることで係止するもの」、「挟持することで係止するもの」、等を例示することができる。
【0015】
また、「突部」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「平板状のもの」、「棒状のもの」、「円筒状のもの」、「多角柱状のもの」、「半球形状のもの」、「多面体形状のもの」、「紡錘形状のもの」、「円錐形状のもの」、等を例示することができる。また、「突部」に「溝」、「凹部」、「貫通孔」、「切欠き」、「段」、等が形成されているものも含まれる。
【0016】
ところで、一般にコネクタによる接続は、その接続が解除されないように、コネクタ及びコネクタ接続部には、係止部及び被係止部が夫々設けられている。そこで、手段1によると、電気部品自体にコネクタを保持する突部を設けており、遊技機の組み立ての際には、電気部品の突部にコネクタの係止部を引っ掛けたり或いは、突部を挟持したりして保持するだけで、電気部品とコネクタ及び電気配線とを一緒にすることができ、従来のようにわざわざ輪ゴムを装着してコネクタと電気配線とを束ねる必要がないので、生産効率を高めることができる。また、輪ゴムを必要としないので、組み付け後に遊技機に輪ゴムが残り不具合の原因となったり、生産ラインに輪ゴムが散乱したりするようなことがない。更に、コネクタが突部に取り付けられているので、他の部品の取り付けの邪魔になったり、何処かへ行ってしまったり、他の配線と絡まったりすることがないので、容易に組み付け作業をすることができる。更に、電気配線が断線したり、コネクタから電気配線が外れてしまう恐れがない。また、コネクタを保持する突部を、平板状のものとした場合、突部を簡単な構成とすることができるので、突部を備えるコストを低減することができる。
【0017】
なお、コネクタにはコネクタ接続部と電気的に接続するための電気端子の挿し込み孔が設けられており、その挿し込み孔に突部を挿し込むことで、電気部品にコネクタを保持することもできる。この場合は、コネクタに係止部が備えられていないものでも保持することができるので、種々のコネクタに対応することができる。
【0018】
手段2:遊技機を構成する部品に取り付けられ、該遊技機の制御手段に直接又は中継手段を介して電気的に接続される電気部品と、該電気部品から延び出した電気配線と、該電気配線の先端に備え、前記制御手段又は前記中継手段に備えたコネクタ接続部と接続するコネクタと、前記コネクタを前記遊技機を構成する部品に保持する保持手段と、該保持手段を前記遊技機を構成する部品から分離する分離手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【0019】
ここで、「保持手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「係止部を有し、係止部が引っ掛かることで保持するもの」、「嵌合部を有し、嵌合部に付勢力が作用することで保持するもの」、「螺合部を有し、螺合させることで保持するもの」、「磁力により保持するもの」、「粘着力により保持するもの」、「挟み込むことで保持するもの」、等を例示することができる。
【0020】
また、「保持手段を備える場所」として、具体的な構成を何ら限定するものではないが、手段1で例示した、「制御手段」、「中継手段」及び「電気部品」の他に、「前面セット」、「内枠」、「遊技盤」、「表示制御装置のフレームカバー」、「遊技盤の裏枠セット」、「第1制御基板ユニットの取付台」、「第2制御基板ユニットの取付台」、「裏パックユニット」、等を例示することができ、コネクタを延び出させた電気部品自身を除く遊技機の他の場所であれば、何処の場所でもよい。なお、突部は、他の部品を取り付ける際に邪魔にならない場所に備えると更に効果的である。
【0021】
さらに、「分離手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「保持手段に所定深さの溝を設けて、その溝を設けた部分の剛性を他の部分よりも低くして、溝を設けた部分から分離するようにしたもの。」、「複数の貫通孔を列設して他の部分よりも剛性を低くし、貫通孔を設けた部分から分離するようにしたもの」、「分離させたい場所若しくは、保持手段を、保持手段を備えた遊技機を構成する部品よりも剛性の低い材質で構成することで、保持手段を分離しやすくしたもの」、「保持手段と遊技機を構成する部品とが、係合手段(爪の引掛り、螺子、圧縮応力等の手段)を用いて係合され、係合を解除することで分離するもの」、等を例示することができる。
【0022】
手段2によれば、遊技機を構成する部品には、電気部品のコネクタを保持する保持手段が備えられており、遊技機の組み立ての際には、保持手段にコネクタを一時的に保持させることができるので、コネクタが、他の部品の取り付けの邪魔になったり、何処かへ行ってしまったり、他の配線と絡まったりすることがないので、容易に組み付け作業をすることができる。また、電気配線が断線したり、コネクタから電気配線が外れてしまう恐れがない。
【0023】
また、コネクタが接続される制御手段又は中継手段ごとに保持手段をまとめて所定場所に設けるようにしてもよく、この場合、制御手段又は中継手段ごとに保持手段によりコネクタがまとめられているので、コネクタをコネクタ接続部に接続する際に、まとめらたコネクタを突部からコネクタ接続部へ挿し換えればよいので、差し換え作業を容易に行うことができる。
【0024】
さらに、保持手段に分離手段を設け、保持手段が遊技機を構成する部品から分離できるようにしたものである。これによると、遊技機の組み付けにおいて、電気部品のコネクタを制御手段又は中継手段の所定のコネクタ接続部に接続した後には、保持手段は不要となるが、分離手段により保持手段を遊技機を構成する部品から分離できるので、不要となった保持手段を分離することで、組み付けの終わった遊技機の裏側をすっきりしたものとすることができる。
【0025】
また、分離手段として、保持手段に所定深さの溝を設けて、その溝を設けた部分の剛性を他の部分よりも低くして、溝を設けた部分から分離するようにしたものとした場合は、分離手段として係合によるものとした場合に比べ、分離手段を備えるためのスペースを可及的に小さくすることができる。また、分離手段を簡単な構成とすることができるので、分離手段を備えるコストを低減することもできる。
【0026】
手段3:手段2の構成に加え、前記保持手段は、前記コネクタを収容する収容凹部とされていることを特徴とする遊技機。ここで、「収容凹部」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「コネクタの外形よりも大きめの凹部とし、その内部にコネクタが緩嵌されるもの」、「コネクタの外形よりも若干小さめの凹部とし、その内部にコネクタが嵌合或いは、圧入されるもの」、「コネクタの外形よりも大きめの凹部とし、その内部でコネクタが弾性部材などにより挟持されるもの」、等を例示することができる。
【0027】
手段3によれば、コネクタを収容する収容凹部を設けたことで、コネクタを収容凹部に挿し込むだけで保持することができ、コネクタの保持作業を容易に行うことができる。また、コネクタをコネクタ接続部に差し換えた後は分離手段によって収容凹部を分離することができるので、組み付けの終わった遊技機の裏側をすっきりしたものとすることができる。さらに、コネクタとして、コネクタ接続部との係止部が設けられていないコネクタも用いても保持することができるので、安価なコネクタを使用することができ、コストを低減することができる。
【0028】
手段4:手段2の構成に加え、前記保持手段は、前記コネクタを保持する突部であることを特徴とする遊技機。
【0029】
ところで、保持手段をコネクタを収容する収容凹部とした場合、その収容凹部を形成する部材は、少なくともコネクタより大きい必要があり、遊技機を構成する部品に対して、収容凹部を形成する相応の場所を確保する必要がある。また、収容凹部を形成するために、その金型には中子が必要となり、金型のコストがかかるようになる。さらに、コネクタとして、コネクタに係止部を備えたものの場合は、その外形形状が複雑な形状となっているものもあり、その形状に合わせて収容凹部を形成する必要があり、その外形形状が変わると収容凹部も変えなければならず、コネクタの種類に対応することができない上に、コストが嵩むものとなる。
【0030】
手段4によれば、保持手段を突部とすることで、コネクタ接続部と係止する係止部を備えたコネクタを使用した場合、その突部にコネクタの係止部を引っ掛けたり或いは、突部を挟持したりするだけで、遊技機を構成する部品に容易にコネクタを保持することができる。また、保持手段として、コネクタの収容凹部を形成する場合に比べ、突部は形成することができるので、その形成コストを安価なものとすることができる。さらに、突部の形状は、コネクタの外形形状に依存しないので、コネクタの外形形状にかかわらず、突部をコネクタに保持することができ、種々のコネクタに対応することができる。
【0031】
手段5:手段1又は手段4の構成に加え、前記コネクタには係止部を、また、前記突部又は前記保持手段には前記コネクタの前記係止部と係合する被係止部を夫々備え、前記コネクタの前記係止部と前記突部又は前記保持手段の前記被係止部とを係合することで、前記コネクタは前記電気部品又は前記遊技機を構成する部品に保持されることを特徴とする遊技機。
【0032】
手段5によれば、コネクタに、突部又は保持手段に設けられた被係止部と係合する係止部を設け、係止部と被係止部とを係合させることで突部又は保持手段にコネクタを保持するもので、これにより、確実にコネクタを突部又は保持手段に保持することができる。また、コネクタにコネクタ接続部の被係止部と係合する係止部が設けられているものの場合は、その係止部と兼用することで、コネクタに別途係止部を設ける必要がなくコストを抑えることができる。また、コネクタの係止部と突部又は保持手段の被係止部とを係合させるだけで、コネクタを取り付けることができるので、容易に作業を行うことができる。
【0033】
手段6:遊技機を構成する部品に取り付けられ、該遊技機の制御手段に直接又は中継手段を介して電気的に接続される電気部品と、該電気部品から延び出した電気配線と、該電気配線の先端に備え、前記制御手段又は前記中継手段に備えたコネクタ接続部と接続するコネクタと、前記遊技機に備えられ、前記コネクタを保持する突部とを具備し、前記コネクタには係止爪からなる係止部を、また、前記突部には前記コネクタの前記係止部と係合する被係止部とを夫々備え、前記コネクタの前記係止部と前記突部の前記被係止部とを係合することで、前記コネクタを突部に保持することを特徴とする遊技機。
【0034】
手段6によれば、遊技機を構成する部品には、電気部品のコネクタを保持する突部が備えられており、上記と同様の効果を奏することができる。また、コネクタの係止部を係止爪としたことで、突部の被係止部との係止を簡単な構成とすることができ、コストを抑えることができる他、コネクタの保持作業も容易に行うことができる。
【0035】
また、コネクタが接続される制御手段又は中継手段ごとに突部をまとめて所定場所に設けるようにしてもよく、この場合、制御手段又は中継手段ごとに突部によりコネクタがまとめられているので、コネクタをコネクタ接続部に接続する際に、まとめらたコネクタを突部からコネクタ接続部へ挿し換えればよいので、差し換え作業を容易に行うことができる。
【0036】
手段7:手段1から手段6までのいずれか一つの構成に加え、前記突部又は前記保持手段に保持される前記コネクタの向きは、前記制御手段又は前記中継手段に備えたコネクタ接続部に接続された前記コネクタの向きと略同じ向きであることを特徴とする遊技機。
【0037】
ところで、コネクタとコネクタ接続部との接続において、接続する電気配線が一本の場合、或いは、コネクタの形状が円柱状で電気接点が軸方向に分割されたもの又は同心状のものの場合等は、コネクタ側の各電気接点とコネクタ接続側の対応する各電気接点とが、電気配線の軸方向に対しコネクタが周方向に回転しても、夫々対応して接続されるようになっており、コネクタの周方向の回転は特に問題視する必要がない。
【0038】
しかしながら、コネクタの電気接点が横に並んで或いは縦横に並んで配置されたものは、コネクタを周方向に回転させると、コネクタ接続部と接続できなかったり、接続できたとしても、コネクタ側の各電気接点とコネクタ接続側の対応する各電気接点とが夫々対応していない状態で接続されてしまい、不具合発生の原因となる恐れがあった。そのため、接続方向のあるコネクタの場合、接続の際には、その接続向きを確認した上で接続作業をする必要があり、作業に手間がかかり生産効率が悪いものとなっていた。また、コネクタの接続方向を確認するために、コネクタを回転させた際、コネクタと電気配線とが外れてしまったり、電気配線が断線してしまったりする恐れがあった。
【0039】
また、遊技機の各部品の組み付けをライン上(流れ作業)で行う場合、即ち、電気部品を取り付ける作業者と、電気部品のコネクタをコネクタ接続部に接続する作業者とが違う場合、上流側の作業者は、取り付けた電気部品のコネクタの向きを、下流側の作業者に伝えることはないので、下流側の作業者は、コネクタを接続する時に、コネクタの向きをいちいち確認しなければならず、作業に手間がかかり生産効率が悪いものとなっていた。
【0040】
そこで、手段7によれば、突部又は保持手段に保持されたコネクタの向きを、そのコネクタを接続するコネクタ接続部の接続向きと同じ向きとしたものである。これにより、突部又は保持手段に保持されたコネクタをコネクタ接続部に挿し換える時には、コネクタを回転させたりする必要がなく、そのままの向きでコネクタ接続部に接続すればよいので、コネクタの接続方向を確認する必要がなく、接続作業を容易に行うことができ、生産効率を高めることができる。また、電気配線が断線したりコネクタから外れたりすることがない。
【0041】
また、コネクタがコネクタ接続部の接続向きと同じ向きに突部又は保持手段に保持されているので、電気部品を取り付ける作業者と、電気部品のコネクタをコネクタ接続部に接続する作業者とが違う場合でも、下流側の作業者は、容易に正しい向きにコネクタを接続することができるので、遊技機の組み付けをライン上で行うことができ、生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0042】
更に、手段7においては、突部又は保持手段に保持されたコネクタの向きを、そのコネクタを接続するコネクタ接続部の接続向きと同じ向き、即ち、突部又は保持手段に保持されるコネクタの向きが、予め設定された向きにコネクタを保持することができるものである。これによると、突部又は保持手段にコネクタが保持される際に、設定された向きにのみ保持させるもので、これによれば、突部又は保持手段により保持されたコネクタの向きが誤った向きに保持されることがなく、確実にコネクタをコネクタ接続部の接続向きと同じ向きに保持させることができる。
【0043】
手段8:手段1から手段7のいずれか一つの構成に加え、前記コネクタ又は、前記突部又は前記保持手段には、係合解除手段が備えられ、該係合解除手段を操作することで、前記コネクタの前記係止部と、前記突部又は前記保持手段の被係止部との係合が解除されることを特徴とする遊技機。
【0044】
ここで、「係合解除手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「コネクタに備えられ、係合解除手段を操作することで、コネクタの係止部が係合を解除する方向に移動し係合が解除されるもの」、「コネクタに備えられ、係合解除手段を操作することで、被係止部を係合が解除する方向に移動させ係合が解除されるもの」、「突部又は保持手段に備えられ、係合解除手段を操作することで、被係止部が係合を解除する方向に移動し係合が解除されるもの」、「突部又は保持手段に備えられ、係合解除手段を操作することで、コネクタの係止部を係合が解除する方向に移動させ係合が解除されるもの」、等を例示することができる。
【0045】
手段8によれば、コネクタ又は、突部又は保持手段、に設けられた係合解除手段を操作することで、コネクタの係止部と突部又は保持手段の被係止部との係合を解除することができる。これにより、係合解除手段を操作するだけで、簡単にコネクタを突部から開放することができるので、突部又は保持手段に保持されたコネクタを、コネクタ接続部に挿し換える作業が容易となり、生産効率を高めることができる。
【0046】
手段9:手段1から手段8のいずれか一つの構成において、前記突部又は前記保持手段には、分離手段が備えられ、該分離手段により前記突部又は前記保持手段が前記電気部品又は前記遊技機を構成する部品より分離できることを特徴とする遊技機。
【0047】
手段9によれば、突部又は保持手段に分離手段を設け、突部又は保持手段が電気部品又は遊技機を構成する部品から分離できるようにしたものである。これによると、遊技機の組み付けにおいて、電気部品のコネクタを制御手段又は中継手段の所定のコネクタ接続部に接続した後には、突部又は保持手段は不要となるが、分離手段により突部又は保持手段を電気部品又は遊技機を構成する部品から分離できるので、不要となった突部又は保持手段を分離することで、組み付けの終わった遊技機の裏側をすっきりしたものとすることができる。
【0048】
手段10:手段1から手段9のいずれか一つの構成に加え、前記電気部品は、遊技媒体を検出する検出センサであることを特徴とする遊技機。
【0049】
ここで、「検出センサ」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「コイル有し、遊技媒体の接近に伴ないコイルに発生する誘導電流を検出する近接センサ(誘導センサ)」、「遊技媒体或いは、遊技媒体を載せる誘導手段の重量を検出することで遊技媒体を検出するもの」、「遊技媒体の重量により誘導手段の歪みを検出することで遊技媒体を検出するもの」、「遊技媒体が接触することで、可動部材が押圧され、可動部材を介して電気的な接点が開閉されることで遊技媒体を検出するもの」、「発光部と受光部とを有し、遊技媒体が発光部からの光を遮る、或いは、発光部からの光を反射させることで遊技媒体を検出するもの」、「遊技媒体そのものを電気的な接点として用いることで遊技媒体を検出するもの」、等を例示することができる。
【0050】
手段10によれば、電気部品を遊技媒体の検出センサとしたものである。この検出センサは、ほとんどが制御手段及び中継手段とは別体となっており、また、遊技盤に取り付けられるもので、電気部品を検出センサとすることで、上記の作用効果が顕著に現れ、生産効率を高めることができる。
【0051】
手段11:手段1から手段9のいずれか一つの構成に加え、前記電気部品は、発光手段又は電動部品を備えたものであることを特徴とする遊技機。ここで、「発光手段又は電動部品を備えたもの」としては、上記したような具体的な構成に何ら限定するものではないが、「遊技盤の遊技領域に設けられ、ランプ等の発光手段を有した役物」、「遊技領域の外周部に設けられた電飾部及び各種表示ランプ」、「一対の開閉片と開閉片を開閉駆動するソレノイドを有した役物(電動チューリップ)」、「ソレノイドの付勢力により開閉する可変入賞装置」、「複数の遊技媒体を停留させる回転体を有し、所定条件の基で回転体に停留された遊技媒体を下流側へ放出する電動の役物」等を例示することができる。
【0052】
手段11によれば、電気部品として発光手段又は電動部品を備えたものとすることで、上記の作用効果が顕著に現れ、生産効率を高めることができる。
【0053】
手段12:手段1から手段11までのいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。
【0054】
手段12によれば、パチンコ遊技機において、手段1から手段11までのいずれか一つの作用効果を奏することができる。
【0055】
手段13:手段1から手段11までのいずれか一つの構成において、前記遊技機は、スロットマシーンであることを特徴とする。
【0056】
手段13によれば、スロットマシーンにおいて、手段1から手段11までのいずれか一つの作用効果を奏することができる。
手段14:手段1から手段11までのいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。ここで、「パチンコ遊技機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシーンである。
手段14によるれば、パチンコ遊技機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1から手段11までのいずれか一つの作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0057】
以上のように、本発明によれば、電気部品の突部にコネクタを保持させるだけで、電気部品とコネクタ及び電気配線とを一緒にすることができる。これにより、わざわざ輪ゴムを装着してコネクタと電気配線とを束ねる必要がないので、輪ゴムを必要とせず、生産効率を高めることができる。また、コネクタが他の部品の取り付けの邪魔になったり、何処かへ行ってしまったり、他の配線と絡まったりすることがないので、容易に組み付け作業をすることができる。更に、電気配線が断線してしまう恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】内枠及び前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】前面枠セットの構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図8】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図9】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図10】内枠の背面構成を示す斜視図である。
【図11】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図12】支持金具の構成を示す斜視図である。
【図13】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図14】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図15】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図16】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図17】第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図18】第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図19】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図20】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図21】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図22】タンクレールの分解斜視図である。
【図23】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図24】第二図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図25】遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
【図26】主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図27】通常処理を示すフローチャートである。
【図28】外れ図柄カウンタの更新処理を示すフローチャートである。
【図29】第二図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図30】変動開始処理を示すフローチャートである。
【図31】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図32】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図33】NMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図34】払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図35】払出制御処理を示すフローチャートである。
【図36】賞球制御処理を示すフローチャートである。
【図37】貸球制御処理を示すフローチャートである。
【図38】ゲートスイッチと盤面中継基板との電気配線の構成を斜視図で示す説明図である。
【図39】ゲートスイッチを示す斜視図である。
【図40】突部にコネクタを保持させた状態を示す要部拡大断面図である。
【図41】コネクタを突部からコネクタ接続部への挿し換え手順を斜視図で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
【0060】
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。なお、ABS樹脂は、比較的安価であり、メッキ加工が施しやすく、しかも衝撃に強いという特性を有しているため、内枠12の材料として好適である。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル設置箇所の反対側に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。つまり、内枠12と遊技球発射ハンドル18とを干渉させることなく、内枠12を開放させることが可能になっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
【0061】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。特に、内枠12の周縁には前方に突出する環状のリブが形成されており、前面枠セット14は、そのリブの内側に入り込むように嵌め合わされている。このため、前面枠セット14を閉じた状態では、内枠12と前面枠セット14との間に隙間が形成されず、不正行為による針金等の挿入を阻止することができる。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。前面枠セット14は、ガラスを支持するガラス枠部と上皿19とを一体的に構成したものであり、夫々別部材として構成されていた従来構造に比べて強度を向上することができ、例えば、本例のパチンコ機10のようにガラス枠部を大型化する場合であっても適度な強度を確保することができる。また、前面枠セット14は、内枠12と同様ABS樹脂により構成されており、比較的安価であり、メッキ加工が施しやすく、しかも衝撃に強いという特性を有している。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
【0062】
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル22とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号17は、下皿15内の遊技球を下方に排出するための球抜きレバーである。下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル18が配設されている。符号241はスピーカからの音出力口である。また、下皿15の左方には、灰皿23が設けられている。なお、灰皿23は、下皿15の左側面に片持ち支持されており、左右方向に延びる開閉軸線を軸芯にして、その上面開口部が下方を向くまで回動できるようになっている。つまり、回動操作によって、灰皿23に収容された吸殻を排出することが可能になる。
【0063】
一方、下皿15の上方の前面枠セット14はガラスを支持するガラス枠部と球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0064】
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されている。樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成され、樹脂ベース20の左側上部には略正方形状の配線用穴24が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。また、遊技盤30にも左側上部に配線用穴24aが形成され、樹脂ベース20の配線用穴24と重なり合っている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
【0065】
また、樹脂ベース20における配線用穴24の上方には、開放スイッチ25が取り付けられており、前面枠セット14が開放されたことを検出するようになっている。また、樹脂ベース20の右側上部には前方に向って一部が突出したアース金具26が設けられており、前面枠セット14が閉じられると、前面枠セット14の補強板132(図5参照)に接触し補強板132をアースする。
【0066】
次に、遊技盤30の構成を図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第一始動口34、第二始動口33、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第二始動口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0067】
可変表示装置ユニット35には、第一図柄を変動表示する第一図柄表示装置41と、第二図柄を変動表示する第二図柄表示装置42とが設けられている。第一図柄表示装置41は、第一図柄用の表示部43と保留ランプ44とからなり、遊技球が第一始動口34を通過する毎に表示部43による表示図柄(第一図柄)を変動させる。遊技球が第一始動口34を通過する回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0068】
第二図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、表示制御装置45(図7参照)により表示内容が制御される。第二図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第二図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。遊技球が第二始動口33に入賞する毎に表示図柄(第二図柄)を変動させる。遊技球が第二始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、第二図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第二図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
【0069】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。
【0070】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成され内外二重に一体形成された内レール部51及び外レール取付部52を有するレールベースユニット50aと、外レール取付部52の内側面に取付けられ長尺状をなすステンレス製の外レール55とから構成されている。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして外レール取付部52が形成されている。かかる場合、内レール部51と外レール取付部52(外レール55)とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。また、外レール55は、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするために設けられている。
【0071】
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって制動されつつ跳ね返されるようになっている。
【0072】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。特に、ネジ等による締結の間隔は発射側の方が狭くなっており、遊技盤30に対して強固に締結することにより、遊技球の発射に対する強度を確保している。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
【0073】
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のS1,S2)を直接貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
【0074】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0075】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。
【0076】
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0077】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
【0078】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0079】
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第一始動口34は、該第一始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第二始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車、第一始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車、第一始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
【0080】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。特に、本例のパチンコ機10では、従来のものより遊技盤30が大型化していることから、レールユニット50の曲率に合うように、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の長さを長くしている。また、発射レール61は、横幅の広い断面略M字型に形成され、遊技球の発射を安定化させている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0081】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
【0082】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0083】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0084】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
【0085】
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、左右方向に延びる開閉軸を下部側に有する開閉式のシャッタ68が取り付けられており、シャッタ68は、この開閉軸を軸心として前方に開放できるように支持されている。また、シャッタ68は、バネ等の弾性体によって閉鎖側に付勢されるとともに、弾性体の付勢力に抗して上部側を押圧することにより略水平状態となり、排出口67を開放する。つまり、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)では弾性体の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖し、遊技球の排出を阻止する。一方、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面から突出する球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられ、遊技球の排出が可能となる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0086】
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
【0087】
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
【0088】
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0089】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0090】
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部、特に遊技盤30に直接貼られた証紙S1を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。なお、証紙S1を外部から読取装置で認識できるように、小窓107における透明樹脂の表面は平面形状になっている。
【0091】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0092】
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板132と補強板133とが電気的に絶縁され、導電体がループ状にならず、磁界によるノイズの発生を抑制している。図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
【0093】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
【0094】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
【0095】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0096】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0097】
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0098】
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0099】
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。特に、上側の支持金具81には、前方に開放された切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられているため、内枠12に対して前面枠セット14が垂直状態となるように開放した状態では、前面枠セット14を一旦持ち上げることにより突起軸84と支持金具152との係合状態が解かれ、さらにその状態から前面枠セット14を前方へ引き出すことにより支持孔83と支持金具153との係合状態が解かれる。すなわち、上記の操作により前面枠セット14を内枠12から取外すことができるように構成されている。
【0100】
ところで、内枠12には、図10に示すように、鍵により解錠操作される鍵ユニット27が設けられており、内枠12と前面枠セット14、及び前面枠セット14と外枠11とを互いに施錠できるようになっている。具体的には、図2に示すように、前面枠セット14の裏面右端には、後方に向って突出した鉤状の被係止部271が上下に並んで設けられており、前面枠セット14と内枠12とが重ねられると、各被係止部271は、内枠12の右端に形成された係止部貫通孔272に挿通するようになっている。これに対し、鍵ユニット27には被係止部271に夫々係止及び離脱する、第一鉤部材273及び第二鉤部材274と、内枠12の下部に設けられた鍵孔275から挿入される鍵の解錠操作(例えば反時計方向への回転操作)に応じて鍵の動作を第一鉤部材273及び第二鉤部材274に伝達し、これらを前面枠セット14の被係止部271から離脱させる第一鍵解錠伝達機構276とが設けられている。
【0101】
一方、外枠11の内周右側面には、内方に向って突出した4角形状の被係止部(図示しない)が上下に並んで設けられている。これに対し鍵ユニット27には被係止部278に向って延出されるとともに被係止部278に夫々係止及び離脱する、第三鉤部材279及び第四鉤部材280と、前述とは異なる鍵の解錠操作(例えば時計方向への回転操作)に応じて鍵の動作を第三鉤部材279及び第四鉤部材280に伝達し、これらを外枠11の被係止部278から離脱させる第二鍵解錠伝達機構281とが設けられている。つまり、鍵ユニット27には第一鍵解錠伝達機構276及び第二鍵解錠伝達機構281が設けられているため、鍵を反時計方向に回転させると、前面枠セット14の右端が内枠12から分離可能となり、支持機構を軸心として前面枠セット14のみを開放させることが可能になる。さらに、鍵を時計方向に回転させると、支持金具282を軸心として内枠12を回動させることが可能になる。なお、第一鉤部材273と第二鉤部材274、及び第三鉤部材279と第四鉤部材280は、夫々第一鍵解錠伝達機構276及び第二鍵解錠伝達機構281によって連結されているが、いずれか一方の鉤部材に対して不正な解錠操作があっても、解錠操作されていない他方の鉤部材に伝達されないように構成されている。つまり、鍵を用いずに、線材などによって一方の鉤部材に対して不正な解錠操作が行われると、その鉤部材は被係止部から離脱する可能性があるが、解錠操作されていない他方の鉤部材には伝達されないため、その鉤部材は被係止部に係止され続ける。すなわち、不正な解錠操作によって前面枠セット14または内枠12が開放されることを防止している。
【0102】
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【0103】
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0104】
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。なお、この他、内枠12には、「大当り信号」等の遊技状態に関する各種の信号を外部に出力するための外部中継端子盤230がネジや係止爪等の取付手段によって着脱可能に取り付けられている。ここで、係止爪による係止等の簡便な取付手段を採用すると、外部中継端子盤230の着脱が容易であり、メンテナンス等の作業を円滑に行うことができる。
【0105】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0106】
実際には、図8の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0107】
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0108】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0109】
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。特に、タンク355の近傍に位置する係止部M8は、タンク355に貯留される遊技球によって比較的大きな荷重が加わることから、ここでは、I型の係止片を回動して係止する構造といった、ナイラッチより強固な構造が用いられている。
【0110】
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0111】
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図10は内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0112】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図9にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
【0113】
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第二図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
【0114】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第二始動口33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0115】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0116】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10の前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0117】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第二始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第一始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
【0118】
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
【0119】
ここで、図38乃至図41を基に、ゲートスイッチ225と盤面中継基板226との電気配線を例に、その具体的な構成について詳述する。尚、便宜上ゲートスイッチ225及び盤面中継基板226の主要部分のみを示し、他の部分については省略している。図38に示すように、ゲートスイッチ225は、遊技盤30の表側(遊技領域側)から取り付けられ、遊技盤30に設けられた開口400を通じて、ゲートスイッチ225の後端が遊技盤30の裏側に露出させられている。そして、ゲートスイッチ225の後端からは、電気配線401が延び出しており、その電気配線401の先端に設けられた、角型のコネクタ402が、盤面中継基板226に設けられたコネクタ接続部403に接続されている。尚、盤面中継基板226は、本発明の中継手段に相当している。
【0120】
図39に示すように、このゲートスイッチ225には、遊技球を通過させる検出孔404を有したスイッチ本体部405と、スイッチ本体部405を遊技盤30に固定する固定部材406とを備えている。このスイッチ本体部405は、遊技媒体検出センサとしての機能を有しており、検出孔404の外周にはコイルが設けられており、遊技球が検出孔404を通過することでコイルに発生する誘導電流を検出する近接スイッチとされている。
【0121】
固定部材406の前側は、スイッチ本体405における検出孔404の外周を囲うように断面コ字形状の溝を有した部材で構成され、この溝にスイッチ本体部405の前面及び側面が嵌り込むようになっている。また、固定部材406の中間部には外側に延び出した、フランジ部407が設けられている。このフランジ部407には取り付け穴が設けられており、フランジ部407を遊技盤30の表面に当接させ、ビスなどの固定具を取り付け穴に挿通させて遊技盤30に取り付け固定できるようになっている。
【0122】
この固定部材406には、フランジ部407から後方に突出する一対の断面L字状のガイド部材408が設けられており、これらガイド部材408の内面は、固定部材406前側における断面コ字状の溝の内面と一致するように構成されている。一つのガイド部材408の後端部には内側に突出した固定片409が設けられている。また、他方のガイド部材408の後端部には、後述する突部410が設けられている。なお、この突部410は、本発明の保持手段に相当している。
【0123】
スイッチ本体部405と固定部材406との固定は、スイッチ本体部405を固定部材406のガイド部材408にガイドされるように、固定部材406の後方から前方に向かってスライド挿入させ、スイッチ本体部405を固定部材406の前側に設けられた断面コ字状の溝の中へと案内する。そして、スイッチ本体部405の先端が固定部材406の前端部の内側に当接することで、スイッチ本体部405の前方側への移動が規制される。このとき、ガイド部材408に設けられた固定片409が、スイッチ本体部405の後側に当接し、スイッチ本体部405の後側への移動が規制されることで、スイッチ本体部405が、固定部材406に固定されるようになっている。
【0124】
ここで、ゲートスイッチ225は、本発明の電気部品に相当し、この電気部品には、スイッチ本体部405、固定部材406、電気配線401及び、コネクタ402が含まれている。
【0125】
ところで、固定部材406の他方のガイド部材408に設けられた突部410は、スイッチ本体部406の後端から延び出した電気配線401の先端に設けられたコネクタ402を保持するものである。この突部410には、コネクタ402に予め設けられた係止爪411と係合する係止突起412が設けられている。この係止突起412は、コネクタ402の係止爪411が嵌合できる大きさの溝413を形成する底面部414の上面に設けられている。また、係止突起412の後方側は傾斜面とされる一方、反対側の面は垂直面とされている(図40参照)。なお、図中418は、切欠き状の分離溝である。この分離溝418は、ガイド部材408の固定片409と対向する位置付近に設けられている。
【0126】
ここで、図40に示すように、コネクタ402の係止爪411は、コネクタ402の本体中央付近から上方(紙面上)に延び出した連結部415の上端から、コネクタ402の前方にコネクタ402の本体の前端より若干延び出した位置まで延び出している。これにより、コネクタ402の本体と係止爪411との間には、連結部415の高さ分の隙間が形成されており、この隙間は、突部410の係止突起412が設けられた底面部413が挿入可能な大きさとされている。このコネクタ402の係止爪411の下面には、係止爪411の下側から所定深さの溝を設けることで形成される引掛かり部416が設けられており、この引掛かり部416が突部410の係止突起412に引っ掛かることで、コネクタ402は突部410に保持されるようになっている。
【0127】
また、コネクタ402には、連結部415の上端から後方に向かう、即ち、係止爪411とは逆方向に延び出した解除片417が設けられている。この解除片417の自由側端部を下方へ移動させると、連結部415を支点として係止爪411の引掛かり部416が上方へと回動するようになっている。
【0128】
尚、上記のコネクタ402の係止爪411が本発明の係止部に、突部410の係止突起412が本発明の被係止部に、また、コネクタ402の解除片417が本発明の解除手段に、更に、突部410の分離溝418が本発明の分離手段に夫々相当している。
【0129】
ここで、突部410の作用について説明する。突部410にコネクタ402を保持させる場合、突部410の前方にコネクタ402を位置させ、、コネクタ402を電気配線401の軸方向周りに回転させて、コネクタ402の係止爪411が突部410の溝413に嵌る向きにコネクタ402を向ける。その状態で、コネクタ402を突部410の方向へ前進させ、コネクタ402の係止爪411を突部410の溝413に嵌め込む、この時、同時に突部410の底面部414がコネクタ402の係止爪411とコネクタ402の本体との間の隙間に挿入され、コネクタ402は、電気配線401の軸方向周りに回転不能な状態となる。そして、コネクタ402を更に前進させると、コネクタ402の係止爪411が突部410の係止突起412の傾斜面に当接し、係止爪411は上方へ回動し、係止爪411の引掛かり部416が係止突起412を乗り越えると係止爪411が下方に回動し、係止爪411の引掛かり部416と係止突起412とが係合した状態となる。この状態において、コネクタ402は、係止爪411と係止突起412との係合により突部410から後退移動不能となり、コネクタ402は突部410に保持された状態となる。
【0130】
一方、コネクタ402を突部410の保持から解除する場合は、コネクタ402の解除片417の自由端側をコネクタ402の本体側へ移動させると、連結部415を支点に係止爪411の引掛かり部416が上方に回動する。そして、引掛かり部416が突部410の係止突起412よりも上方へ移動した状態でコネクタ402を後方へ移動させることで、コネクタ402は、突部410の保持から解除される。
【0131】
更に、突部410の作用として、図41を基に詳述する。パチンコ機10の組み付け工程においては、まず、遊技盤30の表側から、遊技領域の所定位置に設けられた開口400に、ゲートスイッチ225の後端を電気配線401及びコネクタ402と共に挿通させる。そして、遊技盤30の表側からゲートスイッチ225の固定部材406に設けられたフランジ部407をビスなどを用いて固定することで、ゲートスイッチ225を遊技盤30に取り付ける。なお、ここでは、コネクタ402は予め突部410に保持された状態となっている。その後、遊技盤30の裏側に、ビスなどを用いて盤面中継基板226その他の部品が取り付けられる。この状態において、図41に示すように、ゲートスイッチ225の突部410により保持されたコネクタ402の向きと、盤面中継基板226に設けられたゲートスイッチ225用のコネクタ接続部403の接続向きとが同じ向きとされている。
【0132】
そして、コネクタ402の解除片417を操作して、コネクタ402を突部410の保持から解除し、コネクタ402を盤面中継基板226のコネクタ接続部403に接続する。この際、突部410に保持されたコネクタ402の向きと、コネクタ接続部403の接続向きとが同じ向きとされているので、コネクタ402の向きを変える必要はなく、コネクタ402をコネクタ接続部403に接続することができる。コネクタ402をコネクタ接続部403に接続し終えたら、突部410を摘むなどして、突部410の先端に横方向の荷重を加えると、突部410を有したガイド部材408は、分離溝418が形成されたことで、その分離溝418の部分の剛性が低くなっており、突部410は、分離溝418の部分でゲートスイッチ225から分離し、コネクタ402の接続作業が完了する。
【0133】
尚、ここでは、ゲートスイッチ225と盤面中継基板226のゲートスイッチ用のコネクタ接続部403との構成を例としたが、その他の入賞口スイッチ221と盤面中継基板226との接続の構成、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223と大入賞口中継基板227との接続の構成、また、作動口スイッチ224と主基板(主制御装置)、盤面中継基板226と主基板との接続の構成、更には、大入賞口中継基板227と主基板との接続の構成も、上記の例と同様の構成とされている。
【0134】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第二始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
【0135】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0136】
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
【0137】
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0138】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。なお、遊技球分配部245は、裏パックユニット203に対して別部材として構成され、内枠12に直接固定されている。つまり、裏パックユニット203に対して不正行為があっても、遊技球分配部245の浮きあがり等が防止されるようになっている。
【0139】
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0140】
次に、第1制御基板ユニット201を図13〜図16を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0141】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0142】
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0143】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0144】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
【0145】
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0146】
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0147】
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0148】
ところで、図8に示したように、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部が被覆されるようにして遊技盤30の裏面に取付けられている。具体的には、第1制御基板ユニット201の一部の締結部M2(ナイラッチ257)並びに第1制御基板ユニット201の夫々が、裏パックユニット203に被覆されている。よって、裏パックユニット203を取り外さなければ、全ての締結部M2を操作することができず、しかも、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に対して開閉することができないことから、第1制御基板ユニット201の裏側からの操作により、主制御装置261を取り外すことができない。従って、この構成からも、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。なお、裏パックユニット203に限らず、適宜のユニットを被覆するカバー等、第1制御基板ユニット201とは別途に遊技盤30に取り付けられる部材にて、第1制御基板ユニット201の少なくとも一部を被覆することとしても、同様の効果を期待できる。
【0149】
次に、第2制御基板ユニット202を、図17〜図19を用いて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
【0150】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、台座プレート303、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0151】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0152】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0153】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0154】
尚、上述した主制御装置261、表示制御装置45、音声ランプ制御装置262、第一図柄表示装置41、第二図柄表示装置42、払出制御装置311、電源装置313、発射制御装置312、払出装置358、電源スイッチ基板382及び、球貸操作部120等は、本発明の制御手段に相当する。また、外部中継端子盤230、盤面中継基板226、大入賞口中継基板227、電源中継基板266、払出中継基板381及び、カードユニット接続基板314等は、本発明の中継手段に相当する。
【0155】
更に、入賞口スイッチ221、特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、作動口スイッチ224及び、ゲートスイッチ225は、本発明の電気部品に相当する。尚、本発明の電気部品として、上記の制御手段及び中継手段を含めてもよい。
【0156】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0157】
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0158】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図20に示し、分解斜視図を図21に示す。
【0159】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0160】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0161】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0162】
ここで、バイブレータ360は、ケーシングに振動モータ等の振動発生装置を内蔵したユニットとして形成されると共に、タンクレール356の側面に、子ネジを用いて取り付けられている。また、バイブレータ360は、上記ケーシング全体をタンクレールに356に密接させて取り付けてもよいが、本例では、細長状の取付脚を介してタンクレール356に取付けられている。これにより、ユニットとして形成されたバイブレータ360全体が良好に振動して、この振動がタンクレール356に円滑に伝達される。なお、上記取付脚は、タンクレール356の側面から一体的に突設されているが、バイブレータ360から一体的に突設されたものであってもよく、或は、タンクレール356及びバイブレータ360とは個別に形成されてタンクレール356とバイブレータ360との間に介在されるものであってもよい。
【0163】
タンクレール356の構成について詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0164】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体367が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0165】
図20,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0166】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0167】
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
【0168】
図23は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0169】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリヤの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0170】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポイントや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図26参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図33の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0171】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ郡などが接続されている。
【0172】
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0173】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0174】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポイントや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0175】
かかるROM512及びRAM513を内臓したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0176】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0177】
表示制御装置45は、第二図柄表示装置42における第二図柄の変動表示と、第一図柄表示装置41における第一図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第一図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ626にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる第二図柄表示装置42が接続されている。
【0178】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第二図柄表示装置42及び第一図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0179】
ビデオRAM524は、第二図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第二図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第二図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第二図柄表示装置42に表示させるものである。
【0180】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては,電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0181】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図33のNMI割込み処理)を実行する。
【0182】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0183】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503、513のデータがクリアされる。
【0184】
ところで、第二図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図24に示すように、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第二図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄は配されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
【0185】
かかる場合、左図柄列及び右図柄列においては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示され、中図柄列においては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示される。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に第二図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0186】
次に上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0187】
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第二図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、第二図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第二図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第二図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第二図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
【0188】
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第二始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0189】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
【0190】
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第二図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第二図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0191】
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の状態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、第二図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0192】
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成になっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
【0193】
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0194】
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第二図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第二図柄、中列第二図柄、右列第二図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第二図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
【0195】
本実施の形態では、CPU501に内臓のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第二図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
【0196】
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0197】
また図示は省略するが、第一図柄表示装置41の抽選には第一図柄乱数カウンタC4が用いられる。第一図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第一図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第一始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
【0198】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御装置を図26〜図33のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0199】
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
【0200】
図31において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0201】
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINI更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。または、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0202】
その後、ステップS604では、第二始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図32のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第二始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第二始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第二図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満である否かを判別する。第二始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
【0203】
また、続くステップS704では、第二図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
【0204】
図33は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0205】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S2が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。図33のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
【0206】
図33のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
【0207】
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0208】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。その内容は図33で説明した通りである(但し、ステップS804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
【0209】
また、図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0210】
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
【0211】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0212】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0213】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0214】
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0215】
図27において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第二図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
【0216】
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
【0217】
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図28に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
【0218】
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
【0219】
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当り図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、大当り図柄の組み合わせである場合、ステップS307〜ステップS312の処理をスキップして本処理を終了する。一方、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当り図柄の組み合わせになっていない場合には、ステップS307の処理に移行する。
【0220】
ステップS307では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS308では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS310に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
【0221】
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS311では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS312に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS307,S311が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
【0222】
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図27のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示を行うための第二図柄変動処理を実行する。この第二図柄変動処理により、大当たり判定や第二図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第二図柄変動処理の詳細は後述する。
【0223】
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判断する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
【0224】
また、ステップS207では、第一図柄表示装置41による第一図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第一始動口34を通過したことを条件に、その都度の第一図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第一図柄表示装置41の表示部43にて第一図柄の変動表示が実施される。そして、第一図柄乱数カウンタC4の値により第一図柄の抽選が実施され、第一図柄の当たり状態になると第二始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第一図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図31に示すタイマ割込み処理にて更新されるようになっている。
【0225】
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0226】
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前期ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0227】
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
【0228】
次に、前記ステップS205の第二図柄制御処理を図29のフローチャートを参照して説明する。
【0229】
図29において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第二図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第二図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第二図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
【0230】
また、大当たり中、第二図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0231】
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図30のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661,」が当たり値である。
【0232】
大当たりであると判別された場合,ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
【0233】
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。なお、言うまでもないが、第1変動種別カウンタCS1または第2変動種別カウンタCS2のいずれか一方のみの値に基づいて図柄変動態様を決定するようにしてもよい。
【0234】
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
【0235】
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各種を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
【0236】
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
【0237】
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動態様を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
【0238】
図29の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第二図柄の変動表時中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第二図柄の変動パターンに応じて当該第二図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
【0239】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図34は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0240】
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みペクタの設定を行う。
【0241】
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0242】
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
【0243】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0244】
次に、払出制御処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。
【0245】
図35において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
【0246】
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を解除する。
【0247】
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
【0248】
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図36)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
【0249】
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図37)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
【0250】
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブレータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
【0251】
図36に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0252】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、賞球として払出される遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0253】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0254】
図37に示す貸球制御装置において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0255】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、貸球として払出される遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技機のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0256】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0257】
このように、本実施例のパチンコ機10は、ゲートスイッチ225を含む電気部品にコネクタ402を保持させる突部410を設けており、パチンコ機10の組み立ての際には、ゲートスイッチ225(電気部品)の突部410にコネクタ402を保持させるだけで、ゲートスイッチ225(電気部品)とコネクタ402及び電気配線401とを一緒にすることができ、従来のようにわざわざ輪ゴムを装着してコネクタ402と電気配線401とを束ねる必要がないので、生産効率を高めることができる。
【0258】
また、輪ゴムを必要としないので、組み付け後にパチンコ機10に輪ゴムが残り不具合の原因となったり、生産ラインに輪ゴムが散乱したりするようなことがない。更に、コネクタ402は突部410に保持されているので、他の部品の取り付けの邪魔になったり、何処かへ行ってしまうと言ったことがなく、容易に組み付け作業をすることができる。また、コネクタ402は突部410に保持されているので、他の配線と絡まったりすることがないので、電気配線401が断線してしまう恐れがない。
【0259】
また、コネクタ402に予め設けられた係止爪411と係合する係止突起412を突部410に設けており、これにより、コネクタ402に別途係止部を設ける必要がなくコストを抑えることができる。また、コネクタ402の係止爪411と突部410の係止突起412とを係合させるだけで、コネクタ402を保持することができるので、容易に作業を行うことができる。
【0260】
更に、突部410により保持されたコネクタ402の向きを、そのコネクタ402を接続するコネクタ接続部403の接続向きと同じ向きとしたことにより、突部410により保持されたコネクタ402をコネクタ接続部403に挿し換える時には、コネクタ402を回転させたりする必要がなく、そのままの向きでコネクタ接続部403に接続すればよいので、コネクタ402の接続方向を確認する必要がなく、接続作業を容易に行うことができ、生産効率を高めることができる。また、電気配線401が断線したりコネクタ402から外れたりすることがない。
【0261】
また、コネクタ402がコネクタ接続部403の接続向きと同じ向きに突部410により保持されているので、ゲートスイッチ225(電気部品)を取り付ける作業者と、ゲートスイッチ225(電気部品)のコネクタ402をコネクタ接続部403に接続する作業者とが違う場合でも、下流側の作業者は、容易に正しい向きにコネクタ402を接続することができるので、パチンコ機10の組み付けをライン上で行うことができ、生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0262】
また、コネクタ402には、解除片417が設けられており、これにより、解除片417を操作するだけで、簡単にコネクタ402を突部410から開放することができるので、突部410に保持されたコネクタ402を、コネクタ接続部403に挿し換える作業が容易となり、生産効率を高めることができる。
【0263】
更に、突部410には、分離溝418が設けられており、これによると、パチンコ機10の組み付けにおいて、ゲートスイッチ225(電気部品)のコネクタ402を中継手段としての盤面中継基板226の所定のコネクタ接続部403に接続した後には、突部410は不要となるが、分離溝418により突部410をゲートスイッチ225(電気部品)から分離できるので、不要となった突部410を分離することで、組み付けの終わったパチンコ機10の裏側をすっきりしたものとすることができる。
【0264】
以上、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0265】
即ち、本実施の形態では、電気部品として、入賞口及び始動口等に設けられ遊技球を検出する遊技媒体検出センサを有した各種スイッチ、主基板及び、中継基板等を示したが、これに限定するものではなく、遊技盤の遊技領域に設けられ、ランプ等の発光手段を有した役物、一対の開閉片と開閉片を開閉駆動するソレノイドを有した役物(電動チューリップ)、ソレノイドの付勢力により開閉する可変入賞装置、複数の遊技球を停留させる回転体を有し、所定条件の基で回転体に停留された遊技球を下流側へ放出する電動の役物、遊技領域の外周部に設けられた電飾部及び各種表示ランプ、スピーカ等とすることができる。
【0266】
また、本実施の形態では、保持手段として突部をコネクタが延び出している電気部品自身に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、保持手段をパチンコ機を構成する他の部品に設けるようにしてもよく、この場合においても、保持手段に保持されたコネクタをコネクタ接続部に挿し換える作業を容易に行うことができ、生産効率を高めることができる。また、この場合、コネクタが接続される制御手段又は中継手段ごとに保持手段をまとめて所定場所に設けることが望ましく、これによると、所定場所にまとめらたコネクタを突部からコネクタ接続部へ挿し換えればよいので、更に差し換え作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0267】
10 パチンコ機
225 ゲートスイッチ(電気部品)
226 盤面中継基板(中継手段)
401 電気配線
402 コネクタ
403 コネクタ接続部
410 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を構成する部品に取り付けられ、該遊技機の制御手段に直接又は中継手段を介して電気的に接続される電気部品と、
該電気部品から延び出した電気配線と、
該電気配線の先端に備え、前記制御手段又は前記中継手段に備えたコネクタ接続部と接続するコネクタと
を具備し、前記電気部品には、前記コネクタを保持する突部を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2009−101246(P2009−101246A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36612(P2009−36612)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【分割の表示】特願2003−172586(P2003−172586)の分割
【原出願日】平成15年4月16日(2003.4.16)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】