説明

遊技機

【課題】遊技演出装置などの自重による遊技盤の撓みや傾きの発生を防止するとともに、組立作業を簡易化し、また、裏機構枠側の変更を必要とせず、実施化を有効に図り得る遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機本体は、遊技盤5と、遊技盤の裏面側に配置した裏機構枠7とを有しており、遊技盤に所定の遊技演出を行う遊技演出装置14,15が設けられる。そして、上記遊技盤の裏面にユニットベース40を固定し、このユニットベースを介在して上記遊技演出装置を、遊技盤に設けた開口部35を通して遊技盤の表面側に臨むように取り付ける。上記ユニットベースに、上記遊技演出装置の外に、少なくとも遊技演出装置を制御する制御基板用の収納ケース51を取り付ける。また、上記裏機構枠を、ユニットベースの周囲を囲繞するように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関し、特に、遊技盤に大型のセンター役物や図柄表示装置などの遊技演出装置を設ける場合の構造に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機においては、島側に固定する外枠に対し遊技機本体が開閉可能に取り付けられ、この遊技機本体は、遊技盤を前後2つの機構枠によって保持してなる内枠と、この内枠の前側に開閉可能に装着されかつ遊技盤を透視可能にする透視窓を有する前枠とを備えてなる。内枠の遊技盤には、入賞口及び障害釘と共に、センター役物や図柄表示装置などの遊技演出装置が設けられている一方、内枠の遊技盤後側の機構枠(裏機構枠ともいう)には球タンク、球切り装置及び主制御基板を収納する基板収容ケースなどが設けられている。
【0003】
ところで、近年、パチンコ機においては、遊技演出ないし遊技の興趣を高めるために、遊技盤に設ける遊技演出装置が大型化する傾向にある。例えば、遊技盤に設ける液晶表示装置としては、15インチサイズを超えるものが使用されて来ている。また、特許文献1には、遊技盤に設ける遊技演出装置として、外周面に各々複数種類の図柄を描いた複数の回転ドラムがそれぞれモータにより回転駆動されるように構成されたドラムユニットと、このドラムユニットを遊技盤と交差する軸回りに回転させるユニット回転手段とを備えてなるものが開示されている。
【特許文献1】特開2005−160731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技盤に大型の遊技演出装置を設けるに当たり、単に遊技盤の裏面に遊技演出装置をねじ止めなどにより固定した場合、遊技盤に掛かる遊技演出装置の自重によって遊技盤に撓みが生じたり、遊技盤が傾いたりする虞がある。
【0005】
そこで、この問題に対処するために、遊技盤の裏面側に配置される裏機構枠に、遊技演出装置を支持するための支持部などを設けることが考えられる。しかし、この場合、裏機構枠に既設の球切り装置や基板収納ケースなどの設置位置などを変更する必要がある上、遊技演出装置を遊技盤と裏機構枠とに跨って取り付けなければならず、組立作業が面倒なものになるという欠点もある。
【0006】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、遊技盤に大型の遊技演出装置を設ける当たり、遊技盤を補強しつつその裏面に遊技演出装置及びそれを制御する制御基板用の収納ケースを取り付けることにより、遊技演出装置などの自重による遊技盤の撓みや傾きの発生を防止するとともに、組立作業を簡易化し、また、裏機構枠側の変更を必要とせず、実施化を有効に図り得る遊技機を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、遊技機として、島側に固定する外枠に対し遊技機本体が開閉可能に取り付けられ、この遊技機本体は、遊技盤と、遊技盤の裏面側に配置した裏機構枠とを有しており、遊技盤に所定の遊技演出を行う遊技演出装置が設けられたことを前提とする。そして、上記遊技盤の裏面にユニットベースを固定し、このユニットベースを介在して上記遊技演出装置を、遊技盤に設けた開口部を通して遊技盤の表面側に臨むように取り付け、上記ユニットベースに、上記遊技演出装置の外に、少なくとも遊技演出装置を制御する制御基板用の収納ケースを取り付ける。また、上記裏機構枠を、ユニットベースの周囲を囲繞するように形成する構成にする。
【0008】
この構成では、遊技盤に遊技演出装置を設けるに当たり、遊技盤の裏面に固定したユニットベースが両者間に介在され、このユニットベースによって遊技盤が補強されているため、遊技演出装置などの自重によって遊技盤に撓みが生じたり、遊技盤が傾いたりすることはない。また、組立作業時には、遊技盤及びその裏面側のユニットベースを中心に、遊技演出装置及びその制御基板用の収納ケースなどを取り付けてユニット化した上で、裏機構枠などに組み付けることができる。しかも、裏機構枠は、ユニットベースの周囲を囲繞するだけで足り、その形状を大幅に変更したり、球切り装置や基板収納ケースなどの設置位置を変更したりする必要はない。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の遊技機において、上記遊技演出装置を、遊技盤に複数設け、これらの遊技演出装置を、いずれも上記ユニットベースを介在して遊技盤の裏面に取り付ける構成にする。この構成では、複数の遊技演出装置がいずれも1つのユニットベースを介在して遊技盤の裏面に取り付けられているため、遊技盤及びユニットベースを中心にした装置や部品類のユニット化がその分図られることになり、組立作業の簡易化を一層図ることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の遊技機において、上記遊技演出装置の一つの具体的な形態を提供するものである。すなわち、上記遊技演出装置を、外周面に各々複数種類の図柄を描いた複数の回転ドラムがそれぞれモータにより回転駆動されるように構成されてなるドラムユニットと、このドラムユニットを収納しかつ外周面の少なくとも一部にリング状のガイド面が形成されたハウジングと、このハウジングのガイド面にそれぞれ接触しハウジングを遊技盤と略直交する軸回りに回転可能に支持する複数の支持ローラと、上記ハウジングを軸回りに回転させるアクチュエータとを備える構成にし、また、上記各支持ローラを、上記ユニットベースに取り付ける構成にする。この構成では、遊技演出装置のドラムユニットにおいて、外周面に各々複数種類の図柄を描いた複数の回転ドラムがそれぞれモータにより回転するだけでなく、ドラムユニットを収納するハウジングが、ユニットベースにそれぞれ取り付けた複数の支持ローラに支持された状態でアクチュエータにより遊技盤と略直交する軸回りに回転するため、遊技者に意外性を与えることができ、演出効果を高めることができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の遊技機において、上記ユニットベースに、遊技演出装置の取付箇所の側方近傍に沿って上下方向に延びる挿入溝を形成し、この挿入溝に対し、上記収納ケースの1つの長辺を挿入して収納ケースを縦置きに立てた状態に取り付ける構成にする。この構成では、ユニットベースの挿入溝に制御基板用収納ケースの1つの長辺を挿入して収納ケースが縦置きに立てた状態に取り付けられているため、ユニットベースにおける収納ケースの取付スペースが小さくて済むことになる。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4記載の遊技機において、上記収納ケースに、収納ケースの1つの長辺をユニットベースの挿入溝に挿入して収納ケースが縦置きに立てた状態に配置されたとき遊技演出装置の取付箇所と反対側の側方に突出する突起部を形成するとともに、上記ユニットベースに、収納ケースが縦置きに立てた状態に配置されたとき上記突起部と係合するフック片を形成する構成にする。この構成では、ユニットベースの挿入溝に対する収納ケースの挿入に加えて、収納ケース側の突起部とユニットベース側のフック片との係合によって収納ケースの取付を確実に行うことができるとともに、その取付をワンタッチ操作でもって容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の遊技機によれば、遊技盤の裏面に固定したユニットベースによって遊技盤が補強されているため、遊技演出装置などの自重によって遊技盤に撓みが生じたり、遊技盤が傾いたりするのを防止することができる上、組立作業時には、遊技盤及びユニットベースを中心に、遊技演出装置及びその制御基板用の収納ケースなどを取り付けてユニット化した上で、裏機構枠などに組み付けることができ、作業の簡易化及び効率化を図ることができる。しかも、裏機構枠は、ユニットベースの周囲を囲繞するだけで足り、その形状を大幅に変更したり、球切り装置や基板収納ケースなどの設置位置を変更したりする必要はないので、実施化を容易に図ることができる。
【0014】
特に、請求項2に係る発明の如く遊技盤に複数の遊技演出装置を設ける場合、あるいは請求項3に係る発明の如く大型の遊技演出装置を遊技盤に設ける場合にユニット化の効果が大きく、組立作業の簡易化を一層図ることができる。
【0015】
また、請求項4に係る発明では、ユニットベースの挿入溝に制御基板用収納ケースの1つの長辺を挿入して収納ケースが縦置きに立てた状態に取り付けられているため、ユニットベースにおける収納ケースの取付スペースを小さくすることができ、その分他の部品の取付スペースの確保あるいはユニットベースの小型化を図ることができる。
【0016】
さらに、請求項5に係る発明では、ユニットベースの挿入溝に対する収納ケースの挿入に加えて、収納ケース側の突起部とユニットベース側のフック片との係合によって収納ケースの取付をワンタッチ操作で容易にかつ確実に行うことができ、組立作業の簡易化をより一層図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機Aを示し、このパチンコ遊技機Aは、島側に固定する外枠1に対し、遊技機本体2が左縁を回動軸側として開閉可能に取り付けられている。外枠1は、縦長矩形状に枠組みされてなり、パチンコ遊技機Aの正面視では下枠部1aのみが見えるようになっている。
【0019】
上記遊技機本体2は、外枠1に開閉可能に取り付けられた内枠3と、この内枠3の前側に左縁を回動軸側として開閉可能に装着された前枠4とを備えている。内枠3は、図2ないし図4に詳示するように、遊技盤5と、この遊技盤5の表面側に配置した表機構枠6と、遊技盤5の裏面側に配置した裏機構枠7とを有しており、遊技盤5の周縁部は、表機構枠6と裏機構枠7とによって挟持されている。前枠4は、内枠3の遊技盤5を透視可能にする矩形状の透視窓8を有し、この透視窓8より下側の前枠5の下部には上受け皿9、下受け皿10及び発射ハンドル11などが設けられている。
【0020】
上記遊技盤5には、発射ハンドル11の回転操作により、表機構枠6に取り付けた球発射装置(図示せず)から発射される遊技球をガイドするガイドレール12が設けられているとともに、このガイドレール12の内側である遊技領域13には、中心線上に沿って上側から第1の遊技演出装置14、第2の遊技演出装置15及びアウト口16が設けられている。第1の遊技演出装置14は、液晶表示装置からなり、画面上にキャラクターなどを表示して遊技演出を行うようなっている。
【0021】
上記第2の遊技演出装置15は、図5に詳示するように、外周面に各々複数種類の図柄(図1に「7」のみ表示)を描いた3つの回転ドラム21,22,23がそれぞれステッピングモータ24,25,26により回転駆動されるように構成されてなるドラムユニット27と、このドラムユニット27を回転ドラム21〜23の前半分近くが露出した状態で収納しかつ前縁部の外周面にリング状のガイド面28aが形成されたハウジング28と、このハウジング28のガイド面28aにそれぞれ接触しハウジング28を遊技盤5と略直交する軸回りに回転可能に支持する4つの支持ローラ29,29,…と、上記ハウジング28を軸回りに回転させるアクチュエータとしての駆動モータ30(図3及び図4参照)と、この駆動モータ30及び上記各支持ローラ29を支持する支持枠(図示せず)とを備えている。駆動モータ30の回転力は、伝達ギヤ機構32を介して、ハウジング28の軸心に設けた回転羽根ギヤ33に伝達するようになっており、この回転羽根ギヤ33の回転位置検出は、図示していないが、ギヤ側に設けた遮光片と、この遮光片の通過でオン信号を出力するイニシャル検知センサとにより行われる。また、ハウジング28の後端面の軸心上には、図示していないが、スリップリングが設けられ、このスリップリングを通してドラムユニット27が後述する役物中継基板ひいてはサブ制御基板と信号授受可能に接続されている。そして、第2の遊技演出装置15においては、サブ制御基板の駆動コマンドに基づいて、ドラムユニット27の3つの回転ドラム21〜23がそれぞれ所定の回転動作をして、所定の図柄の組み合わせが正面視で並ぶように停止し、また回転ドラム21〜23の回転中又は停止中にドラムユニット27がハウジング28と一体に遊技盤5と略直交する軸回りに所定角度回転して遊技演出を行うようになっている。
【0022】
上記遊技盤5の遊技領域13に第1及び第2の遊技演出装置14,15を設けるに当たり、遊技盤5には、遊技領域13の略3/4の大きさを有する開口部35が設けられ、この開口部35には、開口部35を塞ぐ大きさを有する飾りパネル36の縁フランジ部36aが嵌合して取り付けられている。この飾りパネル36の上部には第1の遊技演出装置14のための横長矩形状の上部開口部37が設けられているとともに、飾りパネル36の中央部から下部に掛けて第2の遊技演出装置15のための円形状の央部開口部38が設けられており、この上部開口部37及び央部開口部38の合計の面積は、飾りパネル36の表面積の略半分を占めている。遊技盤5の表面側では、上記ガイドレール12は、飾りパネル36の外側を囲繞するように設けられており、このガイドレール12内側の遊技領域13のうち、飾りパネル36と反対側の左側部分(つまり遊技盤5の部分)に、図示していないが、障害釘や入賞口などが設けられている。
【0023】
また、上記遊技盤5の裏面には、その開口部35に対応して、開口部35よりも一回り大きい合成樹脂製のユニットベース40がねじ止めにより固定されている。このユニットベース40には、図6及び図7にも示すように、上部に横長矩形状の上部開口部41が、中央部から下部に掛けて円形状の央部開口部42がそれぞれ設けられているとともに、この両開口部41,42の、後方から見て左側の側方近傍に沿って上下方向に延びる挿入溝43が形成されている。
【0024】
上記ユニットベース40の上部開口部41の周縁部には上記第1の遊技演出装置14がその画面を上部開口部41を通して前方に向けた状態でねじ止めにより固定されており、第1の遊技演出装置14は、その画面が遊技盤5の開口部35及び飾りパネル36の上部開口部37を通して飾りパネル36の表面側に臨むようにユニットベース40を介在して遊技盤5の裏面に取り付けられている。この第1の遊技演出装置14の裏面には、役物中継基板(図示せず)を収納する中継基板用収納ケース44及び音声基板(図示せず)を収納する音声基板用収納ケース45が互いに横並び状態でそれぞれ重ね合わせてねじ止めにより固定されている。
【0025】
上記ユニットベース40の央部開口部42の周縁部には第2の遊技演出装置15の支持枠がそのハウジング28の前側にドラム飾りカバー46を組み付けた状態でねじ止めにより固定されており、第2の遊技演出装置15は、そのドラムユニット27の3つの回転ドラム21〜23がドラム飾りカバー46に設けたドラム窓47から遊技盤5の開口部35及び飾りパネル36の央部開口部38を通して飾りパネル36の表面側に臨むようにユニットベース40を介在して遊技盤5の裏面に取り付けられている。この第2の遊技演出装置15の構成部品のうち、支持ローラ29及び駆動モータ30は、支持枠を介してユニットベース40に固定状態に取り付けられている一方、ドラムユニット27及びハウジング28は、ドラム飾りカバー46と一体に遊技盤5と略直交する軸回りに回転するように設けられている。
【0026】
さらに、上記ユニットベース40の挿入溝43には、サブ制御基板(図示せず)を収納するサブ制御基板用収納ケース51がその1つの長辺を挿入して縦置きに立てた状態に取り付けられている。この収納ケース51には、収納ケース51が縦置きに立てた状態に配置されたとき遊技演出装置14,15の取付箇所であるユニットベース40の上部開口部41及び央部開口部42と反対側の側面から側方に突出する突起部52が形成されているとともに、上記ユニットベース40の挿入溝43の側方近傍には、収納ケース51が縦置きに立てた状態に配置されたとき上記突起部52と係合するフック片53が突出して形成されている。
【0027】
一方、上記裏機構枠7は、図3及び図4に示すように、全体として中央開口部55を囲む縦長枠状に形成されたもので、その中央開口部55の周縁部で上記ユニットベース40の周囲を囲繞するようになっており、ユニットベース40側の第2の遊技演出装置15、中継基板用収納ケース44、音声基板用収納ケース45及びサブ制御基板用収納ケース51は、裏機構枠7の中央開口部55から一部が裏側にまで突出するようになっている。この裏機構枠7には、図示していないが、中央開口部55の上縁側つまり上枠部7aに球タンクが、左側枠部7bに球切り装置がそれぞれ取り付けられるようになっており、また、裏機構枠7の下枠部7cには、パチンコ遊技を司る主制御基板(図示せず)を収納する主制御基板用収納ケース57が取り付けられている。
【0028】
尚、図示していないが、収納ケース57内の主制御基板は、配線ケーブルによりユニットベース40側の収納ケース51内のサブ制御基板と信号授受可能に接続されている。また、主制御基板は、パチンコ遊技機Aにおける遊技の基本となる動作を制御するためのものであり、遊技の中枢となり抽選手段として作動するメインCPU、大当たり抽選を行うための乱数発生部、プログラムソフトが記憶されたROM、及び制御時に必要なデータが書き込まれるRAMを含むマイクロコンピュータで構成されてなる。遊技盤5の遊技領域13に設けた始動口(図示せず)に発射打球が入賞することにより、大当たり乱数の取得抽選が実行され、主制御基板から抽選結果に応じて制御指令やデータなどがサブ制御基板に一方向に出力される。サブ制御基板は、図示していないが、主制御基板と同様に、サブCPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータで構成されており、主制御基板(詳しくはメインCPU)からの制御指令を受けて、ドライバ回路(図示せず)を介して、第1の遊技演出装置14の液晶に対し図柄変動表示及び大当たり遊技演出表示などの表示コマンドを、第2の遊技演出装置15に対し駆動コマンドをそれぞれ出力して、制御を行うものである。
【0029】
従って、上記パチンコ遊技機Aにおいては、遊技盤5に大型の2つの遊技演出装置14,15を設けるに当たり、遊技盤5の裏面に固定したユニットベース40が遊技盤5と各遊技演出装置14,15との間に介在され、このユニットベース40によって遊技盤5が補強されているため、遊技演出装置14,15などの自重によって遊技盤5に撓みが生じたり、遊技盤5が傾いたりすることはない。殊に、本実施形態の場合、第2の遊技演出装置15は、そのドラムユニット27の3つの回転ドラム21〜23がそれぞれステッピングモータ24〜26により回転するだけでなく、ドラムユニット27を収納するハウジング28が、ユニットベース40にそれぞれ取り付けた4つの支持ローラ29,29,…に支持された状態で駆動モータ30により遊技盤5と略直交する軸回りに回転することから、遊技者に意外性を与えて演出効果を高めることができるという利点を有する反面、装置全体がかなり大型で重量物になる欠点を有しているが、この欠点を克服した状態で第2の遊技演出装置15を遊技盤5の裏面に取り付けることができるので、その実施化を図る上で有効なものである。
【0030】
また、パチンコ遊技機Aの組立作業時には、遊技盤5及びその裏面側のユニットベース40を中心に、2つの遊技演出装置14,15、中継基板用収納ケース44、音声基板用収納ケース45及びサブ制御基板用収納ケース51を取り付けてユニット化した上で、それらを表機構枠6と裏機構枠7との間に組み付けることによって内枠3を構成することができるので、作業の簡易化及び効率化を図ることができる。しかも、裏機構枠7は、ユニットベース40の周囲を囲繞するだけで足り、その形状を大幅に変更したり、球切り装置や主制御基板用収納ケース57などの設置位置を変更したりする必要はないので、実施化を容易に図ることができる。
【0031】
特に、本実施形態の場合、上記ユニットベース40の挿入溝43にサブ制御基板用収納ケース51の1つの長辺を挿入して収納ケース51が縦置きに立てた状態に取り付けられているため、ユニットベース40における当該収納ケース51の取付スペースを小さくすることができ、その分他の部品の取付スペースの確保あるいはユニットベース40の小型化を図ることができる。その上、ユニットベース40の挿入溝43に収納ケース51が挿入して縦置きに立てた状態に配置されたときには、収納ケース51側の突起部52とユニットベース40側のフック片53とが係合するため、収納ケース51の取付を確実にかつワンタッチ操作でもって容易に行うことができ、組立作業の簡易化及び効率化を一層図ることができる。
【0032】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、遊技盤2に設けた第2の遊技演出装置15のドラムユニット27においては、3つの回転ドラム21〜23の回転及び停止を、単にサブ制御基板の制御により行うように構成したが、遊技機の遊技性を高めるために、前枠4などに設けた停止ボタンの操作により、大当たり当選時などにおいて、例えばドラムユニット27は静止して、回転ドラム21〜23を回転駆動し、あるいは更にドラムユニット27自体も回転させて、スロットマシンの如く、ドラム図柄を目押し停止させる遊技演出機能を付加しても良い。
【0033】
また、上記実施形態では、遊技盤2に2つの遊技演出装置14,15を設けた場合について述べたが、本発明は、遊技盤2に1つ又は3つ以上の遊技演出装置を設けた場合にも同様に適用することができる。また、遊技演出装置14,15としては、上記実施形態の如き液晶表示装置や回転ドラム式のものに限らず、その他の表示装置、センター役物などを遊技盤に設ける場合にも適用することができ、特に大型の遊技演出装置を遊技盤に設ける場合に有効である。
【0034】
さらに、上記実施形態では、外枠1に対し開閉可能に取り付けられた遊技機本体2を、遊技盤5を表機構枠6と裏機構枠7とで挟持してなる内枠3と、この内枠3の前側に開閉可能に装着された前枠4とによって構成したが、本発明は、この場合に限らず、例えば内枠3が遊技盤5と裏機構枠7とで構成された場合、前枠4が、透視窓8の部分と上受け皿9の部分と下受け皿10の部分とに分割され、かつその3つの部分が各々独立して内枠3に開閉可能に装着された場合などにも同様に適用することができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】上記パチンコ遊技機の内枠の正面図である。
【図3】上記内枠のうち、遊技盤及び裏機構枠を裏面側から見た斜視図である。
【図4】同分解斜視図である。
【図5】第2の遊技演出装置の概略構成図である。
【図6】ユニットベース及びこれに取り付けた第1の遊技演出装置などを裏面側から見た斜視図である。
【図7】同分解斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
A パチンコ遊技機
1 外枠
2 遊技機本体
5 遊技盤
7 裏機構枠
14 第1の遊技演出装置
15 第2の遊技演出装置
21,22,23 回転ドラム
24,25,26 ステッピングモータ
27 ドラムユニット
28 ハウジング
28a ガイド面
29 支持ローラ
30 駆動モータ(アクチュエータ)
35 開口部
36 飾りパネル
37 上部開口部
38 央部開口部
40 ユニットベース
43 挿入溝
51 サブ制御基板用収納ケース
52 突起部
53 フック片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
島側に固定する外枠に対し遊技機本体が開閉可能に取り付けられ、この遊技機本体は、遊技盤と、遊技盤の裏面側に配置した裏機構枠とを有しており、遊技盤に所定の遊技演出を行う遊技演出装置が設けられた遊技機において、
上記遊技盤の裏面にはユニットベースが固定され、このユニットベースを介在して上記遊技演出装置が遊技盤に設けた開口部を通して遊技盤の表面側に臨むように取り付けられており、上記ユニットベースには、上記遊技演出装置の外に、少なくとも遊技演出装置を制御する制御基板用の収納ケースが取り付けられており、上記裏機構枠は、ユニットベースの周囲を囲繞するように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
上記遊技演出装置は、遊技盤に複数設けられており、これらの遊技演出装置は、いずれも上記ユニットベースを介在して遊技盤の裏面に取り付けられている請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
上記遊技演出装置は、外周面に各々複数種類の図柄を描いた複数の回転ドラムがそれぞれモータにより回転駆動されるように構成されてなるドラムユニットと、このドラムユニットを収納しかつ外周面の少なくとも一部にリング状のガイド面が形成されたハウジングと、このハウジングのガイド面にそれぞれ接触しハウジングを遊技盤と略直交する軸回りに回転可能に支持する複数の支持ローラと、上記ハウジングを軸回りに回転させるアクチュエータとを備えており、上記各支持ローラは、上記ユニットベースに取り付けられている請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
上記ユニットベースには、遊技演出装置の取付箇所の側方近傍に沿って上下方向に延びる挿入溝が形成され、この挿入溝に対し、上記収納ケースの1つの長辺を挿入して収納ケースが縦置きに立てた状態に取り付けられている請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の遊技機。
【請求項5】
上記収納ケースには、収納ケースの1つの長辺をユニットベースの挿入溝に挿入して収納ケースが縦置きに立てた状態に配置されたとき遊技演出装置の取付箇所と反対側の側方に突出する突起部が形成されているとともに、上記ユニットベースには、収納ケースが縦置きに立てた状態に配置されたとき上記突起部と係合するフック片が形成されている請求項4記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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