遊技機
【課題】部品点数の低減を図ることができるとともに、回転操作体をハンドル基部に対し組付けるに際しての作業性の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は、遊技球を発射させるためのハンドル18を備える。ハンドル18は、ハンドル基部401と、ハンドル基部401に対し回動操作可能に組付けられた回転操作体402とを備える。回転操作体402の非操作状態において、当該回転操作体のハンドル基部401に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう付勢手段が設けられるとともに、ハンドル基部401にはタッチセンサが設けられる。付勢手段の一端部を予め回転操作体402に接触状態で固定したうえで、回転操作体402をハンドル基部401に組み付け、その後、付勢手段の他端部をタッチセンサの導電部位に接触状態で固定する。
【解決手段】パチンコ機10は、遊技球を発射させるためのハンドル18を備える。ハンドル18は、ハンドル基部401と、ハンドル基部401に対し回動操作可能に組付けられた回転操作体402とを備える。回転操作体402の非操作状態において、当該回転操作体のハンドル基部401に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう付勢手段が設けられるとともに、ハンドル基部401にはタッチセンサが設けられる。付勢手段の一端部を予め回転操作体402に接触状態で固定したうえで、回転操作体402をハンドル基部401に組み付け、その後、付勢手段の他端部をタッチセンサの導電部位に接触状態で固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体の発射に基づいて遊技を行う遊技機の一種としてパチンコ機がある。一般的なパチンコ機においては、所定条件が成立すると(例えば、発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると)大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示装置にて変動表示が行われ、所定時間後に変動表示が停止表示されることで、当否抽選の結果が教示される。前記当否抽選にて当選した場合には、変動表示の後、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
【0003】
従来、パチンコ機の前面側にはハンドルが設けられる。ハンドルは、例えば、固定状態にあるハンドル基部と、遊技球を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、前記回転操作体の前面側に位置し、前記ハンドル基部に対し固定された半球状のカバーとを備えている。ハンドルの内部には、ゼンマイばねが設けられている。当該ゼンマイばねは、その一端が回転操作体に係止されているとともに、他端がハンドル基部に係止されている。これにより、回転操作体は所定方向(例えば半時計方向)に付勢されることとなる。回転操作体は、その非操作状態においては所定位置に止まるよう構成されており、その停止状態における当該回転操作体のハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置とされる(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
また、昨今のパチンコ機においては、ハンドル基部の内部にタッチセンサが設けられている。タッチセンサは、例えば静電容量の変化に基づき、人手が触れたことを検知することができるものである。一方、回転操作体の表面には、めっきが施されている。そして、当該めっき部分とタッチセンサとが、ケーブルを介して電気的に接続されている。
【特許文献1】特開2006−271480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、回転操作体とタッチセンサとを電気的に接続するために、双方に対しケーブルを接続しなければならない。ここで、回転操作体をハンドル基部に対し組み付ける前段階で、ケーブルの一端を回転操作体に、他端をハンドル基部に設けられたタッチセンサにそれぞれ接続しようとした場合、ケーブルを長くせざるを得ない。そのため、長いケーブルを収容する作業が著しく煩雑になるとともに、他の部材への悪影響も懸念される。一方で、回転操作体をハンドル基部に対し組み付けた後で、或いは組み付けながら、ケーブルの他端をタッチセンサに接続しようとした場合、当該接続作業が著しく煩雑になり、作業性の著しい低下を招くおそれがある。
【0006】
また、回転操作体はタッチセンサの設けられるハンドル基部に対し、相対回動されるものであるため、当該相対回動に伴いケーブルも追従しなければならない。かかる追従(移動)を最小限に抑えるためには、ここで、回転操作体の中心部にケーブルの一端を接続することが考えられるのであるが、この場合には他の部材の設置に際してのスペース上の制約が増大してしまう。
【0007】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、部品点数の低減を図ることができるとともに、回転操作体をハンドル基部に対し組付けるに際しての作業性の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するためになされたものである。すなわち、上記第1の発明に係る遊技機は、固定状態にあるハンドル基部と、
遊技媒体を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、
一端部が前記回転操作体に固定されるとともに、他端部が前記ハンドル基部側の所定部位に固定され、前記回転操作体の非操作状態において、当該回転操作体の前記ハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう前記回転操作体に回転方向への付勢力を付与するコイル状の付勢手段と、
前記ハンドル基部に設けられ、通電状況の変化に基づき前記回転操作体への人体の接触を検出可能なタッチセンサとを備え、
少なくとも前記回転操作体の回転操作に基づき遊技媒体の発射が許容され、前記タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止されるよう構成された遊技機であって、
前記回転操作体は、前記ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、
前記付勢手段を導電性素材により構成し、
その一端部を予め前記導電部に接触状態で固定したうえで、前記回転操作体を前記ハンドル基部に組み付け、その後、前記付勢手段の他端部を前記タッチセンサの導電部位に接触状態で固定したことを特徴とする。
【0009】
また、この場合において、前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付け後においても、前記タッチセンサの導電部位が前面側から視認可能となるよう、前記回転操作体には開口部が形成されていることが望ましい。
【0010】
さらに、前記付勢手段は、導電性金属材料よりなるゼンマイばねであって、
少なくとも前記ゼンマイばねの他端部は略環状に形成されたフック部となっており、当該フック部が前記タッチセンサの導電部位にねじ止め固定されることが望ましい。
【0011】
併せて、前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付けに際し、前記ゼンマイばねの他端部を前記タッチセンサの導電部位に案内する案内部を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部品点数の低減を図ることができるとともに、回転操作体をハンドル基部に対し組付けるに際しての作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
【0014】
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
【0015】
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
【0016】
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される開口部に内枠12等が収容される。
【0017】
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
【0018】
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
【0019】
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0020】
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0021】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0022】
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技媒体としての遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
【0023】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18の構成については後に詳述する。
【0024】
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
【0025】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0026】
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
【0027】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
【0028】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0029】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0030】
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
【0031】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0032】
始動入賞ユニット33は、始動入球手段としての上入賞口33a(第1始動入球手段)及び下入賞口33b(第2始動入球手段)と、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する条件成立検出手段(入球検知手段)としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が付与される。
【0033】
本実施形態では、大当たり状態の種別として、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」がある。「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが15回繰り返される。一方、「特殊確変」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が0.4秒間開放状態とされることを1ラウンドとして、これが2回繰り返される。すなわち、「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態は、遊技球の大幅な増加が望めるのであるが、「特殊確変」の大当たり状態は、大当たり状態中に獲得可能な遊技球の数が著しく少ない(遊技球の増加がほぼ望めない)ものとなる。
【0034】
さらに、「確変大当たり」又は「特殊確変」が発生した場合には、大当たり状態の終了後に高確率状態(確変モード)が付与される。一方、「通常大当たり」が発生した場合、大当たり状態の終了後に低確率状態(時間短縮モード、通常モード)が付与される。
【0035】
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aに入球した場合と、下入賞口33bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり状態の種別の振分けが異なるようになっている。上入賞口33aへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」のいずれかに振分けられ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、及び「通常大当たり」のどちらかに振分けられることとなる。
【0036】
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
【0037】
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様(例えば、文字)により、大当たりか否かが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて、「−」→「7」→「3」→「2」→「−」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、「7」、「3」、「2」のいずれかが変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
【0038】
具体的に、「確変大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示され、「通常大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」が停止表示され、「特殊確変」が付与される場合には第1特別表示装置43Lにおいて「2」が停止表示される(第2特別表示装置43Rにおいては「2」は表示されない)。
【0039】
また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
【0040】
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0041】
尚、基本的に、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上入賞口33aへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化され、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下入賞口33bへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化される。但し、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
【0042】
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
【0043】
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40と、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。尚、本実施形態では、特別表示装置43L、43R、変動特定ランプ40、及び装飾図柄表示装置42が可変表示装置を構成する。
【0044】
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
【0045】
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0046】
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
【0047】
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
【0048】
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
【0049】
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、「確変大当たり」又は「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、「特殊確変」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組み合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される(例えば、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される)。
【0050】
加えて、変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
【0051】
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
【0052】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。
【0053】
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
【0054】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
【0055】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
【0056】
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
【0057】
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
【0058】
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
【0059】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
【0060】
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0061】
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
【0062】
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
【0063】
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
【0064】
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0065】
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a(第1条件成立検出手段)、第2始動入賞スイッチ224b(第2条件成立検出手段)が設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
【0066】
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
【0067】
これに対し、始動入賞ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
【0068】
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
【0069】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
【0070】
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
【0071】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
【0072】
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
【0073】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0074】
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
【0075】
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0076】
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
【0077】
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
【0078】
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
【0079】
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
【0080】
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0081】
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0082】
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
【0083】
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
【0084】
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
【0085】
次に、本実施形態において特徴的構成を備えてなるハンドル18について説明する。
【0086】
図7(a),(b)に示すように、ハンドル18は、固定状態にあるハンドル基部401と、ハンドル基部401に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体402と、回転操作体402の前面側に位置し、ハンドル基部401に対し固定された半球状のカバー403とを備えている。
【0087】
図8,9,10,11に示すように、ハンドル基部401は、全体として略円筒状をなしており、後側に位置する小径部411と前側に位置する大径部412とが隔壁413により隔てられている。大径部412には、部分的に切り欠かれることで形成されてなる部分切欠部414が設けられている。また、隔壁413の中心には、挿通孔を有する中央ボス415が一体形成されているとともに、当該中央ボス415の内周部には、スリット状の切欠部416が形成されている。
【0088】
さらに、前記隔壁413からは、前記中央ボス415の外周側部位において、第1、第2及び第3の取付用ボス417,418,419が前方に向けて突出形成されている。尚、本実施形態では第1及び第2の取付用ボス417,418は、隔壁413上に突出形成された台座部421上に互いに近接する位置に形成されており、第3の取付用ボス419は、前記中央ボス415に対して台座部421とは反対側の位置に形成されている。前記第1及び第2の取付用ボス417,418の中間部分において、台座部421には、ねじ穴422が形成されている。第1及び第2の取付用ボス417,418は本実施形態において案内部を構成する。また、第1及び第2の取付用ボス417,418の外周面には、ねじ穴422に向かう部位において断面円弧状の切り欠き491が形成されている(図14〜19等参照)。
【0089】
また、前記隔壁413からは、前記第3の取付用ボス419の近傍位置において、支軸423が突出形成されている。さらに、隔壁413には、各種配線等を後側へ導くための図示しない挿通孔が形成されている。
【0090】
回転操作体402は、円環状のリング部431と、リング部431の外周において突出形成された複数の凸部432と、リング部431の中心に位置するセンター取付部433と、センター取付部433から相反する2方向に延び、端部がリング部431にそれぞれ連結されてなる連結部434,435とを備えている。回転操作体402は、樹脂により形成されているものの、その表面全域は、導電性を有する金属メッキ層で覆われている。前記リング部431には、前記ハンドル基部401の大径部412が挿入可能となるよう環状溝436が形成されている。尚、前記凸部432は、遊技者が把持・回動操作を行いやすくするためのものであって、適宜遊技者の指等が引っかけやすく構成されている。
【0091】
さらに、センター取付部433には、後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有する第1のギヤ体用ボス437が2箇所に形成されている。また、前記2つの連結部434,435のうち一方の連結部434には、後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有するばね用ボス438が形成されている。かかる構成下、前記センター取付部433の外周面と、連結部434,435の両側面と、リング部431の内周面とによって略円弧状をなす2つの開口部439A,439Bが形成されている。尚、センター取付部433の外周面のうち、前記ねじ穴422に向かう部位にも断面円弧状の切り欠き492が形成されている(図8,9,19等参照)。
【0092】
カバー403には、前記第1〜第3の取付用ボス417〜419に相対向するようにして、後側に向かって突出するとともに内周に雌ねじ部を有するカバーボス441,442,443が形成されている。
【0093】
次に、前記ハンドル基部401及び回転操作体402間に収容される各種部材について説明する。ハンドル基部401の前記隔壁413には、相対回動位置検出手段としての可変抵抗器445が設けられている。可変抵抗器445は、隔壁413の小径部411側に位置する抵抗器本体446と、抵抗器本体446から突出し、大径部412内において前方へ突出する回転軸447とを有している。回転軸447は、断面非円形状(略D字状)をなし、抵抗器本体446に対し360゜自由回転可能となっている。抵抗器本体446は、前記回転軸447の回転角度に応じて抵抗値を可変とし、その抵抗値に関する信号を出力可能となっている。また、前記回転軸447には、第2のギヤ体448が挿通状態で嵌合されている。第2のギヤ体448の外周領域のうち約4分の3ほどの区間には、外歯449が形成されている。
【0094】
また、前記中央ボス415と台座部421との間には、タッチセンサ451が固定されている。タッチセンサ451は、例えば静電容量の変化に基づき、人手が触れたことを検知することができるものである。タッチセンサ451には、導電部位としての金属製のリード部452が設けられており、このリード部452には前記台座部421に形成されたねじ穴422に対応するようにして透孔453が形成されている。
【0095】
さらに、前記大径部412内において、前記隔壁413には、停止操作検出手段としてのストップスイッチ455が図示しないねじで固定されている。ストップスイッチ455には、舌片状の押圧操作部456(図15,16等参照)及び突出部457(図19等参照)が設けられている。突出部457は、図示しないばねの付勢力によって常には突出状態に維持されており、これにより、押圧操作部456が突出方向へと押された状態に維持されるようになっている。一方、押圧操作部456が押された場合には、突出部457が付勢力に抗して没入することとなる。これによりストップスイッチ455が、押圧操作を検出できるようになっている。
【0096】
また、前記支軸423に対し、停止操作手段としてのストップレバー458が回動可能に設けられている。該ストップレバー458は、レバー本体部459と、レバー本体部459から突出する操作部461と、該操作部461とは反対側に位置する押圧作用部462と、前記レバー本体部459から延び、前記ストップスイッチ455及び隔壁413間に入り込むようにして設けられる摺動部463とを備えている。レバー本体部459には、前記支軸423に挿通される軸孔464と、前記第3の取付用ボス419に挿通される長孔465とを備えている。かかる構成下、ストップレバー458は、その操作部461が前記大径部412の部分切欠部414から露出した状態となっている。そして、操作部461が押圧操作されると、ストップレバー458は前記支軸423を回動中心として回動し、これにより押圧作用部462が前記押圧操作部456の先端を押す。押圧操作部456が押されると、上述したように突出部457が没入することとなり、ストップスイッチ455において押圧操作が検出されるようになっている。一方、操作部461の非操作状態にあっては、前記突出部457が突出した状態に維持され、押圧操作部456の先端が押圧作用部462を押し上げる。これにより前記ストップレバー458の操作部461が突出状態に維持される。
【0097】
一方、前記回転操作体402のセンター取付部433には、第1のギヤ体466が固定されている。より詳しくは、第1のギヤ体466は、円板状のベース部467と、ベース部467から後側に向けて突出する略円筒状の壁部468と、壁部468よりも内周側において、ベース部467の中心から後側へ突出する組付用ボス469とを備えている。ベース部467には、前記センター取付部433に設けられた2箇所の第1のギヤ体用ボス437に相対するようにして透孔が形成されており、これら透孔と第1のギヤ体用ボス437の雌ねじ部とが位置合わせされた状態でねじ止め固定されている。また、前記壁部468には、前記2箇所の透孔に対応するようにしてスリット471が形成されている。これにより、壁部468は、2つに分断されている。2つの壁部468のうち、一方の壁部468の外周には外歯472が設けられている。尚、ハンドル基部401に対し回転操作体402が組み付けられた場合には、第1のギヤ体466の外歯472と前記第2のギヤ体448の外歯449とが噛合するようになっている。また、外歯472の形成されている前記一方の壁部468の一部には、前方へ突出するようにして規制部493が一体形成されている。
【0098】
また、組付用ボス469の先端部には、位置決め用突起473が外周方向に突出するようにして形成されている。ハンドル基部401に対する回転操作体402の組み付けに際しては、組付用ボス469が前記ハンドル基部401の中央ボス415に内挿されるのであるが、当該内挿は、前記中央ボス415のスリット状の切欠部416に対し位置決め用突起473が位置合わせされない限り、不可能となっている。尚、内挿が完了した場合には、前記位置決め用突起473が前記隔壁413の後側へと臨むため、組付用ボス469の中央ボス415に対する相対回動、つまり、ハンドル基部401に対する回転操作体402の相対回動が可能となる。
【0099】
さらに、図13等に示すように、前記回転操作体402の一方の連結部434に形成されたばね用ボス438には、付勢手段としてのゼンマイばね475の一端がねじ479で固定されている。より詳しく説明すると、ゼンマイばね475は、導電性を有する金属素材よりなり、コイル状に巻回されたコイル部476と、コイル部476の両端から外方に向けて延び、先端が環状に曲げられたフック部477,478とを備えており、平面略対称形状をなしている。そして、一方のフック部477がばね用ボス477の雌ねじ部に位置合わせされた状態で金属製の前記ねじ479で固定されている。また、ゼンマイばね475のコイル部476は、前記組付用ボス469と壁部468とによって形成された収容溝内に収容されている。さらに、他方のフック部478は、前記ハンドル基部401の台座部421(ねじ穴422)に対し金属製のねじ481で固定される(この点については後述する)。
【0100】
かかる構成下、本実施形態のハンドル18にあっては、図12(a)に示すように、ゼンマイばね475の付勢力により、回転操作体402が反時計方向への回動応力を受ける。一方で、回転操作体402の一方の連結部435が第2の取付用ボス418に当接するとともに、他方の連結部434が第3の取付用ボス419に当接することで、回転操作体402のそれ以上の反時計方向への回動が規制される。従って、図12(a)に示す回転操作体402の相対回動位置が基準位置となる。つまり、このときの第2のギヤ体448(回転軸447)の相対回動位置が、回動操作量ゼロの基準状態となり、この状態における可変抵抗器445の抵抗器本体446の抵抗値が、回動操作量ゼロに対応した値となる。
【0101】
一方、遊技者が前記ゼンマイばね475の付勢力に抗して回動操作体402を同図時計方向へと回動操作させると、例えば図12(b)に示すように、回転操作体402のセンター取付部433も回動することとなり、これに伴い第1のギヤ体466が時計方向へと回動する。第1のギヤ体466の外歯472には、第2のギヤ体448の外歯449が噛合しているので、前記第1のギヤ体466の回動に伴い、第2のギヤ体448は反時計方向へと回動する。第2のギヤ体448が回動すると、回転軸447も回動することとなり、可変抵抗器445の抵抗器本体446は、前記回転軸447の回転角度に応じた抵抗値をとることとなり、その抵抗値に関する信号が出力される。
【0102】
さて、上記従来の技術でも説明したとおり、回転操作体402のハンドル基部401に対する相対回動位置が所定の基準位置とされているときには、可変抵抗器445の回転軸477の回転角度も所定の基準角度である必要がある。そうでなければ、回転操作体402の相対回動位置と、抵抗値とが対応しなくなってしまい、適正な発射速度の調整ができなくなってしまうからである。それ故、回転操作体402をハンドル基部401に対し組付けるに際しては、闇雲に第2のギヤ体448の外歯449を第1のギヤ体466の外歯472に噛合させればよいという訳ではない。すなわち、回転軸447に対し第2のギヤ体448を所定の対応関係で取着し、かつ、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を所定の基準角度に維持した上で、第1のギヤ体466を所定の相対位置関係で噛合させる必要がある。
【0103】
本実施形態では、上記要請に対応するべく、次の構成が採用されている。すなわち、図15,16等に示すように、前記ストップレバー458には、係止部としての係止凸部482が一体形成されている。一方、前記第2のギヤ体448には、外周方向へ突出する突起483が一体形成されており、該突起483の先端部分には前記係止凸部482が係止可能な被係止部としての係止凹部484が設けられている。本実施形態では、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度にあるときに限り、前記ストップレバー458を押圧操作することで、前記係止凸部482が係止凹部484に係止状態とされるように構成されている。
【0104】
また、本実施形態では、回転操作体402の組み付け完了後においては、回転操作体402が回動操作された状態にあるときに、ストップレバー458を押圧操作したとしても、該ストップレバー458が第2のギヤ体448(特に外歯449)には接触しないようになっている。
【0105】
次に、上記のように構成されてなるハンドル18に関し、ハンドル基部401、回転操作体402及びカバー403の組み付けの手順について説明する。
【0106】
先ず、図13に示すように、回転操作体402のセンター取付部433に対し、第1のギヤ体466をねじ止め固定する。次に、ゼンマイばね475のコイル部476を前記収容溝に設置するとともに、一方のフック部477を前記ばね用ボス437に位置合わせした状態で、ねじ479で固定する。このとき、ゼンマイばね475のうち他方のフック部478の近傍部位は、前記規制部により引っかけられた状態とされる。これにより、他方のフック部478が広がった位置(図13の下側)にシフトしてしまうといった事態が回避でき、他方のフック部478を所定位置に維持できる。
【0107】
一方、前記ハンドル基部401に対しては、可変抵抗器445、タッチセンサ451、ストップスイッチ455、ストップレバー458等を所定位置に配置しておく。また、可変抵抗器445の回転軸447に対しては、第2のギヤ体448を、相互に所定の相対角度関係となるよう組み付けておく。但し、この時点では、タッチセンサ451に関しては、リード部452の透孔453は、台座部421のねじ穴422に位置合わせしておくにとどめる(ねじ止めはしない)。
【0108】
そして、上記ように第1のギヤ体466及びゼンマイばね475が組付けられた回転操作体402を、図14に示すように、ハンドル基部401に対し組み付ける。
【0109】
このとき、ストップレバー458の係止凸部482と、第2のギヤ体448の突起483(係止凹部484)とが互いに近接し合う状態となるよう、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を調整しておく(図15(a)、図16等参照)。そして、同図に示す状態から、図15(b)、図17等に示すように、ストップレバー458の操作部461を押圧操作する。すると、係止凸部482が係止凹部484に係止されることとなり、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度とされる。また、前記押圧状態が維持されている限りは、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転が規制されることとなるため、第2のギヤ体448(回転軸447)の基準角度状態が保持される。
【0110】
そして、この第2のギヤ体448(回転軸447)の基準角度状態を保持しつつ、回転操作体402に取着されている第1のギヤ体466の組み付け用ボス469を、中央ボス415に内挿する(図18等参照)。この内挿は、上述したように、中央ボス415のスリット状の切欠部416に対し位置決め用突起473が位置合わせされた上で行われる。また、組み付け用ボス469の中央ボス415への内挿とともに、ハンドル基部401の大径部412が、回転操作体402の環状溝436へと挿通され、さらには、第2のギヤ体448の外歯449と、第1のギヤ体466の外歯472とが所定の位置関係で噛合し合うこととなる。これにより、ハンドル基部401に対する回転操作体402の組み付けが完了する。
【0111】
このように、本実施形態では、回転軸447に対し第2のギヤ体448が所定の対応関係で取着された上で、かつ、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度に維持された上で、第1のギヤ体466が所定の相対位置関係で噛合させられることとなる。尚、かかる組み付け作業に際しては、前記開口部439Aの存在により、係止凸部482の係止凹部484への係止状態を視認することができる。従って、当該係止状態を確認しつつ組み付け作業を行うことができる。
【0112】
組み付けが完了した後、ストップレバー458(操作部461)の押圧操作が解除される。組み付けが完了すれば、上記のとおり位置決め用突起473が隔壁413の後側へと臨むため、組付用ボス469の中央ボス415に対する相対回動、つまり、ハンドル基部401に対する回転操作体402の相対回動が可能となる。尚、図17、18では、便宜上、回転操作体402側の部材として第1のギヤ体466のみを図示することとしているが、実際には回転操作体402が組付けられる。
【0113】
上記組み付け完了時点においては、ゼンマイばね475の他方のフック部478が未だ固定されていない。本実施形態では、前述のとおり、ゼンマイばね475のうち他方のフック部478の近傍部位が規制部493に引っかけられていたため、前記組み付けに際しても、他方のフック部478を比較的容易に第1及び第2の取付用ボス417,418間に配置させることができる。そして、図19に示すように、タッチセンサ451のリード部452の透孔453が台座部421のねじ穴422に位置合わせされた状態にあるところ、このネジ孔422に前記他方のフック部478を位置合わせさせし、ねじ481で固定する。本実施形態では、第1及び第2の取付用ボス417、418間に挟まれるようにしてねじ穴422が設けられており、ゼンマイばね475の他方のフック部478をボス417,418間に沿わせて(ガイドさせながら)スライドさせることで、比較的容易にねじ穴422(リード部452の透孔453)に対しフック部478を位置合わせさせることができる。また、前記開口部439Bの存在により、フック部478を視認しながら螺着作業を行うことができる。さらに、第1及び第2の取付用ボス417,418、及び、センター取付部433には、上述のとおり切り欠き部491,492がそれぞれ形成されていることから、ねじ481を螺着するための治具(例えばドライバー)を比較的スムースに挿通させることができ、しかも治具を切り欠き部491,492に沿わせつつ螺着作業を行うことができる。これらのことから、ねじ481による固定作業を非常に円滑かつ容易に行うことができる。
【0114】
そして、ねじ481の螺着が完了したならば、結果としてゼンマイばね475の一方のフック部477が回転操作体402(ばね用ボス438)にねじ止めされ、他方のフック部478がハンドル基部401(台座部421)にねじ止めされることとなる。また、回転操作体402の表面が金属メッキ層で覆われており、該回転操作体402には、金属製のゼンマイばね475の一端(フック部477)が電気的に接続され、ゼンマイばね475の他端(フック部478)はタッチセンサ451の金属製のリード部452に対し電気的に接続されている。このため、回転操作体402及びタッチセンサ451間における電気的導通が図られることとなる。従って、遊技者が回転操作体402に触れた場合には、その旨がタッチセンサ451により検出され得る。
【0115】
そして、最後に、ハンドル基部401の第1〜第3の取付用ボス417〜419と、カバー403のカバーボス441〜443とを位置合わせした上で、それぞれについてねじ止めを行うことでハンドル基部401に対し、カバー403が固定されることとなる。
【0116】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図20は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
【0117】
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
【0118】
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
【0119】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0120】
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0121】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
【0122】
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
【0123】
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0124】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
【0125】
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
【0126】
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0127】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
【0128】
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0129】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0130】
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
【0131】
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
【0132】
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
【0133】
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
【0134】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
【0135】
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0136】
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。より具体的には、上述した可変抵抗器445、タッチセンサ451、及び、ストップスイッチ455が発射制御装置312に対し電気的に接続されている。そして、可変抵抗器445からは抵抗値に関する信号が、タッチセンサ451からは遊技者が回転操作体402に触れているか否かに関する信号が、また、ストップスイッチ455からはストップレバー459が押圧操作されているか否かに関する信号が、それぞれ発射制御装置312に対し入力されるようになっている。本実施形態では、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が回転操作体402に触れている旨の信号がタッチセンサ451から出力されていること、ストップレバー459が押圧操作されている旨の信号がストップスイッチ455から出力されていないことを条件に、発射装置60(ソレノイド)が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。尚、発射に際しては、前記可変抵抗器445から入力される抵抗値に関する信号に基づき、発射制御装置312により発射装置60(ソレノイド)への供給電力が調整等され、結果として遊技球の発射速度が調整されるようになっている。
【0137】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
【0138】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
【0139】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0140】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0141】
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0142】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0143】
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
【0144】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0145】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0146】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0147】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ゼンマイばね475の一端のフック部477が予め回転操作体402のばね用ボス438にねじ479で固定されたうえで、回転操作体402がハンドル基部401に組み付けられ、その後、ゼンマイばね475の他端のフック部478がタッチセンサ451のリード部452にねじ481で固定される。このため、回転操作体402のめっき層及びタッチセンサ451間がゼンマイばね475により直接、電気的に接続されることとなり、遊技者が回転操作体402に触れることに基づき、その接触をタッチセンサ451で検出することができる。従って、従来設けられていたケーブル等の配線を省略することができ、結果として、部品点数の低減を防止できるとともに、ハンドル基部401内部の煩雑化を防止することができる。また、ケーブル等の引き回し等の煩雑さを解消することができ、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また特に、回転操作体402とタッチセンサ451とを接続するのがゼンマイばね475のみであって、他の部材を介さない。従って、より一層の内部構成の簡素化を図ることができ、他の部材の設置に関する自由度を高めることができる。
【0148】
また、回転操作体402がハンドル基部401へ組み付けられた後においては、ハンドル基部401に設けられているタッチセンサ451の前面側に、回転操作体402が位置することとなる。このため、当該回転操作体402の存在により、タッチセンサ451へのゼンマイばね475の他端のフック部477のねじ止め作業が阻害されてしまうことが懸念される。この点、本実施形態によれば、回転操作体402には開口部439Bが形成されており、当該開口部439Bを介して、タッチセンサ451のリード部452を前面側から視認することができる。そのため、回転操作体402が組み付けられた後であっても、ねじ止め部位を視認しながら作業を進めることができる。その結果、ゼンマイばね475の他端のフック部478をねじ止めする際の作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0149】
特に、ゼンマイばね475の両端部は略環状に形成されたフック部477,478となっており、当該フック部477、478がそれぞればね用ボス438、リード部452にねじ止め固定される。従って、それぞれの固定を容易かつ確実に行うことができる。
【0150】
また、本実施形態では、案内部としての第1、第2の取付用ボス417,418の存在により、回転操作体402のハンドル基部401への組み付けに際し、ゼンマイばね475の他端のフック部478がタッチセンサ451のリード部452の方へ円滑に案内される。結果として、ねじ止め作業をより円滑にかつスピーディに行うことができる。特に、本実施形態では、カバー403を取付けるべくハンドル基部401から前方に延びるよう設けられた第1、第2の取付用ボス417,418が案内部を兼用することとなる。従って、案内部を別途設ける必要がなく、構成のさらなる簡素化を図ることができる。しかも、複数本の取付用ボス417,418によって挟まれるようにして、ゼンマイばね475の他端のフック部478がリード部452の方へ案内される。従って、リード部452への案内をより確実にかつ円滑に行うことができる。
【0151】
さらに、本実施形態では、第1、第2の取付用ボス417,418及びセンター取付部433のうち、タッチセンサ451のリード部452を向いた面には、断面円弧状の切り欠き491,492が形成されている。かかる切り欠き491,492の存在により、ねじ止め用の治具(例えばドライバー)を円滑に挿通させることができ、かつ、ねじ止めの作業も行いやすい。結果として、作業性の著しい向上を図ることができる。
【0152】
併せて、本実施形態では、第1のギヤ体466のうち、外歯472を有する側の壁部468には規制部493を設けることとし、回転操作体402の組み付けの前段階において当該規制部493にゼンマイばね475の他端のフック部478近傍を引っかけておくこととした。これにより、当該フック部478が所定位置に維持されるよう位置規制されることとなり、ゼンマイばね475の他端部側が緩んでしまうことが起こりにくい。その結果、回転操作体402の組み付けに支障が生じたり、フック部478のねじ止めに支障が生じたりするといった不具合を起こりにくくすることができる。
【0153】
また、組み付けに際しての効果として、本実施形態では、ストップレバー458には、係止凸部482が設けられているとともに、第2のギヤ体448には、突起483が設けられ、その突起483の先端部に係止凹部484が設けられている。また、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度にあるときに、ストップレバー458を押圧操作することで、係止凸部482が係止凹部484に係止状態とされる。このため、回転操作体402をハンドル基部401に対し組付けようとした場合には、まず、係止凸部482と係止凹部484との位置関係を最も近接した状態とした上で、ストップレバー458を押圧操作し、係止凸部482を係止凹部484に係止状態とすることで、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を所定の基準角度に保持することができる。そしてその上で、回転操作体402をハンドル基部401に対し組付けることで、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を所定の基準角度に維持したまま、第1のギヤ体466を所定の相対位置関係で噛合させることができ、ひいては、回転操作体402のハンドル基部401に対する相対回動位置が所定の基準位置とされているときに、可変抵抗器445の回転軸447の回転角度も所定の基準角度とすることができる。従って、組付け作業に際し、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度がずれてしまったりすることがなく、正確に組み付けることができる。また、ストップレバー458を押圧操作しながら組付ければよいので、作業が煩雑になってしまったりすることもなく、結果として作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0154】
また、ストップレバー458に係止凸部482を、第2のギヤ体448に係止凹部484をそれぞれ設けるだけで上記作用効果が奏されることとなるため、第2のギヤ体448等とは別に特殊な機構を設ける必要もない。その結果、構造の複雑化や、コストの増大を招いてしまうこともない。
【0155】
しかも、本実施形態では、回転軸447が360゜自由に回転しうるように構成されており、当該回転軸447を所定の基準位置に位置決めすることは一般に困難であると考えられるが、このような場合においても、上記作用効果を確実に奏せしめることができる。
【0156】
さらに、本実施形態では、第2のギヤ体448の一部から外周方向に突出する突起483が設けられ、その突起483の先端に係止凹部484が形成されている。このため、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度にあるときに限り、ストップレバー458に設けられた係止凸部482が係止凹部484に係止可能となる。従って、回転軸447の回転角度が所定の基準角度にない場合には、係止凸部482が係止凹部484に係止されることがないため、誤った角度位置で係止されることがなくなり、上述した作用効果がより確実に奏されることとなる。また、係止凸部482が第2のギヤ体448の外歯449に当たることで、係止状態が導出されるといった事態が起こりにくくなる。そのため、第2のギヤ体448の外歯449に悪影響が及んでしまうといった事態を回避することができる。さらに、ストップレバー458に係止凸部482を、第2のギヤ体448に係止凹部484をそれぞれ設ける都合上、ストップレバー458と第2のギヤ体448とは互いに近接状態に配置されることとなる。このため、ストップレバー458を押圧操作した場合に、ストップレバー458の一部が第2のギヤ体448に当たってしまうことが懸念される。特に、その応力が強い場合には、第2のギヤ体448から回転軸447へと伝達されることとなるため、可変抵抗器445に悪影響が及んでしまうことも懸念される。しかしながら、本実施形態では、回転操作体402が回動操作された状態にあるときにストップレバー458が押圧操作されたとしても、ストップレバー458が第2のギヤ体448に接触しないよう構成されているため、上述の懸念を払拭することができる。
【0157】
また、本実施形態では、上記組み付け作業に際し、開口部439Aの存在により、係止凸部482の係止凹部484への係止状態を視認することができる。従って、当該係止状態を確認しつつ組み付け作業を行うことができる。その結果、ずれたまま組み付けられてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0158】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0159】
(a)上記実施形態では、ゼンマイばね475の両端をフック部477,478としたが、一方の端部のみをフック部としてもよいし、双方ともフック部としなくてもよい。
【0160】
(b)また、ゼンマイばね475の各端部の接続固定の手法として、上記実施形態ではねじ479,481で固定することとしているが、他の手法で固定することとしてもよい。例えば、係止固定でもよいし、場合によっては溶接固定、はんだ固定でもよい。
【0161】
(c)上記実施形態における切り欠き491,492のうち、少なくとも1つを省略することとしてもよい。
【0162】
(d)また、上記実施形態における規制部493を省略することとしてもよい。
【0163】
(e)上記実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用しているが、いわゆるモータ式の発射装置を採用してもよい。
【0164】
(f)上記実施形態では、遊技媒体として遊技球(パチンコ玉)を採用しているが、コイン(メダル)を発射するタイプの遊技機に適用することもできる。
【0165】
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
【0166】
手段1.固定状態にあるハンドル基部と、
遊技媒体を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、
一端部が前記回転操作体に固定されるとともに、他端部が前記ハンドル基部側の所定部位に固定され、前記回転操作体の非操作状態において、当該回転操作体の前記ハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう前記回転操作体に回転方向への付勢力を付与するコイル状の付勢手段と、
前記ハンドル基部に設けられ、通電状況の変化に基づき前記回転操作体への人体の接触を検出可能なタッチセンサとを備え、
少なくとも前記回転操作体の回転操作に基づき遊技媒体の発射が許容され、前記タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止されるよう構成された遊技機であって、
前記回転操作体は、前記ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、
前記付勢手段を導電性素材により構成し、
その一端部を予め前記導電部に接触状態で固定したうえで、前記回転操作体を前記ハンドル基部に組み付け、その後、前記付勢手段の他端部を前記タッチセンサの導電部位に接触状態で固定したことを特徴とする遊技機。
【0167】
手段1によれば、固定状態にあるハンドル基部に対し、回転操作体が回動操作可能に組付けられる。回転操作体の非操作状態においては、コイル状の付勢手段により、当該回転操作体の相対回動位置が所定の基準位置とされる。また、ハンドル基部に設けられたタッチセンサにより、通電状況の変化に基づき回転操作体への人体の接触が検出されうる。そして、少なくとも回転操作体が回転操作されることに基づき遊技媒体の発射が許容され、タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止される。
【0168】
さて、手段1では、回転操作体は、ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、付勢手段が導電性素材により構成される。そして、付勢手段の一端部が予め前記導電部に接触状態で固定されたうえで、回転操作体がハンドル基部に組み付けられ、その後、付勢手段の他端部がタッチセンサの導電部位に接触状態で固定される。このため、導電部及びタッチセンサが付勢手段により直接、電気的に接続されることとなり、遊技者が少なくとも導電部に触れることに基づき、その接触をタッチセンサで検出することができる。従って、従来設けられていたケーブル等の配線を省略することができ、結果として、部品点数の低減を防止できるとともに、ハンドル基部内部の煩雑化を防止することができる。また、ケーブル等の引き回し等の煩雑さを解消することができ、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また特に、導電部とタッチセンサを接続するのが付勢手段のみであって、他の部材を介さない。従って、より一層の内部構成の簡素化を図ることができる。
【0169】
手段2.前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付け後においても、前記タッチセンサの導電部位が前面側から視認可能となるよう、前記回転操作体には開口部が形成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0170】
回転操作体がハンドル基部へ組み付けられた後においては、ハンドル基部に設けられているタッチセンサの前面側に、回転操作体が位置することとなり、当該回転操作体の存在によりタッチセンサへの付勢手段の他端部の接続作業が阻害されてしまうことが懸念される。この点、手段2によれば、回転操作体には開口部が形成されており、当該開口部を介して、タッチセンサの導電部位を前面側から視認することができる。そのため、回転操作体が存在していたとしても、接続部位を視認しながら作業を進めることができる。その結果、付勢手段の他端部をタッチセンサに接続する際の作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0171】
手段3.前記付勢手段は、導電性金属材料よりなるゼンマイばねであって、
少なくとも前記ゼンマイばねの他端部は略環状に形成されたフック部となっており、当該フック部が前記タッチセンサの導電部位にねじ止め固定されることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0172】
手段3によれば、少なくとも付勢手段を構成するゼンマイばねの他端部がフック部となっており、当該フック部がタッチセンサの導電部位にねじ止め固定される。従って、他端部の固定を容易かつ確実に行うことができる。
【0173】
手段4.前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付けに際し、前記ゼンマイばねの他端部を前記タッチセンサの導電部位に案内する案内部を設けたことを特徴とする手段3に記載の遊技機。
【0174】
手段4によれば、案内部の存在により、回転操作体のハンドル基部への組み付けに際し、ゼンマイばねの他端部がタッチセンサの導電部位に円滑に案内される。結果として、他端部の接続作業をより円滑にかつスピーディに行うことができる。尚、「前記案内部は、ハンドル基部及び回転操作体のうち少なくとも一方に設けられている」こととしてもよい。
【0175】
手段5.前記回転操作体の前面側には、前記ハンドル基部に取付けられるカバーが設けられ、
前記案内部は、少なくとも前記カバーを取付けるべく前記ハンドル基部から前方に延びるよう設けられた取付用ボスにより構成されていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
【0176】
手段5によれば、カバーを取付けるべくハンドル基部から前方に延びるよう設けられた取付用ボスが案内部を兼用することとなる。従って、案内部を別途設ける必要がなく、構成のさらなる簡素化を図ることができる。
【0177】
手段6.前記案内部を構成する取付用ボスは複数本であることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
【0178】
手段6によれば、複数本の取付用ボスによって挟まれるようにして、ゼンマイばねの他端部がタッチセンサの導電部位に案内される。従って、タッチセンサの導電部位への案内をより確実にかつ円滑に行うことができる。
【0179】
手段7.少なくとも前記案内部を構成する取付用ボスのうち、前記タッチセンサの導電部位側を向いた面には、切り欠きが形成されていることを特徴とする手段5又は6に記載の遊技機。
【0180】
手段7によれば、少なくとも案内部を構成する取付用ボスのうち、タッチセンサの導電部位側を向いた面には、切り欠きが形成されている。かかる切り欠きの存在により、ねじ止め用の治具(例えばドライバー)を円滑に挿通させることができ、かつ、ねじ止めの作業も行いやすい。結果として、作業性の著しい向上を図ることができる。
【0181】
手段8.前記回転操作体が組み付けられる前の状態において、前記ゼンマイばねの他端部が所定位置に維持されるよう位置規制する規制部を設けたことを特徴とする手段3乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0182】
前記回転操作体が組み付けられる前の状態においては、ゼンマイばねの一端部は回転操作体に固定されているものの、他端部は固定されていない。このため、ゼンマイばねの当該他端部側が緩んでしまい、回転操作体の組み付けに支障が生じたり、他端部の接続に支障が生じたりすることが懸念される。この点、手段8によれば、規制部の存在により、前記ゼンマイばねの他端部が所定位置に維持されるよう位置規制される。このため、ゼンマイばねの他端部側が緩んでしまうことが起こりにくく、結果として回転操作体の組み付けに支障が生じたり、他端部の接続に支障が生じたりするといった不具合を起こりにくくすることができる。
【0183】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0184】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【0185】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0186】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機を示す斜視図である。
【図3】内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。
【図5】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図6】内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)はハンドルの構成を示す斜視図である。
【図8】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図9】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図10】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図11】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図12】(a)は回転操作体の非操作状態におけるハンドルを示す正面図であって、第1及び第2のギヤ体の相対回動位置関係及びゼンマイばねの状態を説明する図であり、(a)は回転操作体の回動操作状態におけるハンドルを示す正面図であって、第1及び第2のギヤ体の相対回動位置関係及びゼンマイばねの状態を説明する図である。
【図13】第1のギヤ体及びゼンマイばねが組み付けられた回動操作体を示す背面図である。
【図14】ハンドル基部に対し回転操作体を組み付ける前の状態を示す斜視図である。
【図15】(a)は各種部材が組み付けられたハンドル基部において、ストップレバーを押圧操作する前の状態を示す正面図であり、(b)はハンドル基部において、ストップレバーを押圧操作して係止凸部が係止凹部に係合した状態を示す正面図である。
【図16】ハンドル基部において、ストップレバーを押圧操作して係止凸部が係止凹部に係合した状態を示す斜視図である。
【図17】ハンドル基部に対し、回転操作体(第1のギヤ体)を組み付けようとする状態を示す斜視図である。
【図18】ハンドル基部に対し、回転操作体(第1のギヤ体)が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図19】ハンドル基部に対し回転操作体が組み付けられ、ゼンマイばねの他端のフック部がねじ止めされた状態を示す正面図である。
【図20】パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0188】
10…遊技機としてのパチンコ機、18…ハンドル、401…ハンドル基部、402…回転操作体、417…案内部を構成する第1の取付用ボス、418…案内部を構成する第2の取付用ボス、451…タッチセンサ、452…導電部位としてのリード部、475…付勢手段としてのゼンマイばね、476…コイル部、477,478…フック部、479,481…ねじ、491…切り欠き部、492…切り欠き部、493…規制部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体の発射に基づいて遊技を行う遊技機の一種としてパチンコ機がある。一般的なパチンコ機においては、所定条件が成立すると(例えば、発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると)大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示装置にて変動表示が行われ、所定時間後に変動表示が停止表示されることで、当否抽選の結果が教示される。前記当否抽選にて当選した場合には、変動表示の後、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
【0003】
従来、パチンコ機の前面側にはハンドルが設けられる。ハンドルは、例えば、固定状態にあるハンドル基部と、遊技球を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、前記回転操作体の前面側に位置し、前記ハンドル基部に対し固定された半球状のカバーとを備えている。ハンドルの内部には、ゼンマイばねが設けられている。当該ゼンマイばねは、その一端が回転操作体に係止されているとともに、他端がハンドル基部に係止されている。これにより、回転操作体は所定方向(例えば半時計方向)に付勢されることとなる。回転操作体は、その非操作状態においては所定位置に止まるよう構成されており、その停止状態における当該回転操作体のハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置とされる(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
また、昨今のパチンコ機においては、ハンドル基部の内部にタッチセンサが設けられている。タッチセンサは、例えば静電容量の変化に基づき、人手が触れたことを検知することができるものである。一方、回転操作体の表面には、めっきが施されている。そして、当該めっき部分とタッチセンサとが、ケーブルを介して電気的に接続されている。
【特許文献1】特開2006−271480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、回転操作体とタッチセンサとを電気的に接続するために、双方に対しケーブルを接続しなければならない。ここで、回転操作体をハンドル基部に対し組み付ける前段階で、ケーブルの一端を回転操作体に、他端をハンドル基部に設けられたタッチセンサにそれぞれ接続しようとした場合、ケーブルを長くせざるを得ない。そのため、長いケーブルを収容する作業が著しく煩雑になるとともに、他の部材への悪影響も懸念される。一方で、回転操作体をハンドル基部に対し組み付けた後で、或いは組み付けながら、ケーブルの他端をタッチセンサに接続しようとした場合、当該接続作業が著しく煩雑になり、作業性の著しい低下を招くおそれがある。
【0006】
また、回転操作体はタッチセンサの設けられるハンドル基部に対し、相対回動されるものであるため、当該相対回動に伴いケーブルも追従しなければならない。かかる追従(移動)を最小限に抑えるためには、ここで、回転操作体の中心部にケーブルの一端を接続することが考えられるのであるが、この場合には他の部材の設置に際してのスペース上の制約が増大してしまう。
【0007】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、部品点数の低減を図ることができるとともに、回転操作体をハンドル基部に対し組付けるに際しての作業性の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するためになされたものである。すなわち、上記第1の発明に係る遊技機は、固定状態にあるハンドル基部と、
遊技媒体を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、
一端部が前記回転操作体に固定されるとともに、他端部が前記ハンドル基部側の所定部位に固定され、前記回転操作体の非操作状態において、当該回転操作体の前記ハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう前記回転操作体に回転方向への付勢力を付与するコイル状の付勢手段と、
前記ハンドル基部に設けられ、通電状況の変化に基づき前記回転操作体への人体の接触を検出可能なタッチセンサとを備え、
少なくとも前記回転操作体の回転操作に基づき遊技媒体の発射が許容され、前記タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止されるよう構成された遊技機であって、
前記回転操作体は、前記ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、
前記付勢手段を導電性素材により構成し、
その一端部を予め前記導電部に接触状態で固定したうえで、前記回転操作体を前記ハンドル基部に組み付け、その後、前記付勢手段の他端部を前記タッチセンサの導電部位に接触状態で固定したことを特徴とする。
【0009】
また、この場合において、前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付け後においても、前記タッチセンサの導電部位が前面側から視認可能となるよう、前記回転操作体には開口部が形成されていることが望ましい。
【0010】
さらに、前記付勢手段は、導電性金属材料よりなるゼンマイばねであって、
少なくとも前記ゼンマイばねの他端部は略環状に形成されたフック部となっており、当該フック部が前記タッチセンサの導電部位にねじ止め固定されることが望ましい。
【0011】
併せて、前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付けに際し、前記ゼンマイばねの他端部を前記タッチセンサの導電部位に案内する案内部を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部品点数の低減を図ることができるとともに、回転操作体をハンドル基部に対し組付けるに際しての作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
【0014】
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
【0015】
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
【0016】
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される開口部に内枠12等が収容される。
【0017】
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
【0018】
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
【0019】
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0020】
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0021】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0022】
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技媒体としての遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
【0023】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18の構成については後に詳述する。
【0024】
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
【0025】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0026】
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
【0027】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
【0028】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0029】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0030】
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
【0031】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0032】
始動入賞ユニット33は、始動入球手段としての上入賞口33a(第1始動入球手段)及び下入賞口33b(第2始動入球手段)と、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する条件成立検出手段(入球検知手段)としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が付与される。
【0033】
本実施形態では、大当たり状態の種別として、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」がある。「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが15回繰り返される。一方、「特殊確変」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が0.4秒間開放状態とされることを1ラウンドとして、これが2回繰り返される。すなわち、「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態は、遊技球の大幅な増加が望めるのであるが、「特殊確変」の大当たり状態は、大当たり状態中に獲得可能な遊技球の数が著しく少ない(遊技球の増加がほぼ望めない)ものとなる。
【0034】
さらに、「確変大当たり」又は「特殊確変」が発生した場合には、大当たり状態の終了後に高確率状態(確変モード)が付与される。一方、「通常大当たり」が発生した場合、大当たり状態の終了後に低確率状態(時間短縮モード、通常モード)が付与される。
【0035】
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aに入球した場合と、下入賞口33bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり状態の種別の振分けが異なるようになっている。上入賞口33aへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」のいずれかに振分けられ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、及び「通常大当たり」のどちらかに振分けられることとなる。
【0036】
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
【0037】
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様(例えば、文字)により、大当たりか否かが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて、「−」→「7」→「3」→「2」→「−」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、「7」、「3」、「2」のいずれかが変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
【0038】
具体的に、「確変大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示され、「通常大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」が停止表示され、「特殊確変」が付与される場合には第1特別表示装置43Lにおいて「2」が停止表示される(第2特別表示装置43Rにおいては「2」は表示されない)。
【0039】
また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
【0040】
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0041】
尚、基本的に、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上入賞口33aへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化され、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下入賞口33bへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化される。但し、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
【0042】
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
【0043】
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40と、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。尚、本実施形態では、特別表示装置43L、43R、変動特定ランプ40、及び装飾図柄表示装置42が可変表示装置を構成する。
【0044】
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
【0045】
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0046】
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
【0047】
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
【0048】
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
【0049】
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、「確変大当たり」又は「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、「特殊確変」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組み合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される(例えば、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される)。
【0050】
加えて、変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
【0051】
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
【0052】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。
【0053】
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
【0054】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
【0055】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
【0056】
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
【0057】
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
【0058】
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
【0059】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
【0060】
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0061】
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
【0062】
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
【0063】
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
【0064】
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0065】
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a(第1条件成立検出手段)、第2始動入賞スイッチ224b(第2条件成立検出手段)が設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
【0066】
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
【0067】
これに対し、始動入賞ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
【0068】
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
【0069】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
【0070】
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
【0071】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
【0072】
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
【0073】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0074】
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
【0075】
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0076】
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
【0077】
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
【0078】
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
【0079】
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
【0080】
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0081】
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0082】
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
【0083】
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
【0084】
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
【0085】
次に、本実施形態において特徴的構成を備えてなるハンドル18について説明する。
【0086】
図7(a),(b)に示すように、ハンドル18は、固定状態にあるハンドル基部401と、ハンドル基部401に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体402と、回転操作体402の前面側に位置し、ハンドル基部401に対し固定された半球状のカバー403とを備えている。
【0087】
図8,9,10,11に示すように、ハンドル基部401は、全体として略円筒状をなしており、後側に位置する小径部411と前側に位置する大径部412とが隔壁413により隔てられている。大径部412には、部分的に切り欠かれることで形成されてなる部分切欠部414が設けられている。また、隔壁413の中心には、挿通孔を有する中央ボス415が一体形成されているとともに、当該中央ボス415の内周部には、スリット状の切欠部416が形成されている。
【0088】
さらに、前記隔壁413からは、前記中央ボス415の外周側部位において、第1、第2及び第3の取付用ボス417,418,419が前方に向けて突出形成されている。尚、本実施形態では第1及び第2の取付用ボス417,418は、隔壁413上に突出形成された台座部421上に互いに近接する位置に形成されており、第3の取付用ボス419は、前記中央ボス415に対して台座部421とは反対側の位置に形成されている。前記第1及び第2の取付用ボス417,418の中間部分において、台座部421には、ねじ穴422が形成されている。第1及び第2の取付用ボス417,418は本実施形態において案内部を構成する。また、第1及び第2の取付用ボス417,418の外周面には、ねじ穴422に向かう部位において断面円弧状の切り欠き491が形成されている(図14〜19等参照)。
【0089】
また、前記隔壁413からは、前記第3の取付用ボス419の近傍位置において、支軸423が突出形成されている。さらに、隔壁413には、各種配線等を後側へ導くための図示しない挿通孔が形成されている。
【0090】
回転操作体402は、円環状のリング部431と、リング部431の外周において突出形成された複数の凸部432と、リング部431の中心に位置するセンター取付部433と、センター取付部433から相反する2方向に延び、端部がリング部431にそれぞれ連結されてなる連結部434,435とを備えている。回転操作体402は、樹脂により形成されているものの、その表面全域は、導電性を有する金属メッキ層で覆われている。前記リング部431には、前記ハンドル基部401の大径部412が挿入可能となるよう環状溝436が形成されている。尚、前記凸部432は、遊技者が把持・回動操作を行いやすくするためのものであって、適宜遊技者の指等が引っかけやすく構成されている。
【0091】
さらに、センター取付部433には、後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有する第1のギヤ体用ボス437が2箇所に形成されている。また、前記2つの連結部434,435のうち一方の連結部434には、後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有するばね用ボス438が形成されている。かかる構成下、前記センター取付部433の外周面と、連結部434,435の両側面と、リング部431の内周面とによって略円弧状をなす2つの開口部439A,439Bが形成されている。尚、センター取付部433の外周面のうち、前記ねじ穴422に向かう部位にも断面円弧状の切り欠き492が形成されている(図8,9,19等参照)。
【0092】
カバー403には、前記第1〜第3の取付用ボス417〜419に相対向するようにして、後側に向かって突出するとともに内周に雌ねじ部を有するカバーボス441,442,443が形成されている。
【0093】
次に、前記ハンドル基部401及び回転操作体402間に収容される各種部材について説明する。ハンドル基部401の前記隔壁413には、相対回動位置検出手段としての可変抵抗器445が設けられている。可変抵抗器445は、隔壁413の小径部411側に位置する抵抗器本体446と、抵抗器本体446から突出し、大径部412内において前方へ突出する回転軸447とを有している。回転軸447は、断面非円形状(略D字状)をなし、抵抗器本体446に対し360゜自由回転可能となっている。抵抗器本体446は、前記回転軸447の回転角度に応じて抵抗値を可変とし、その抵抗値に関する信号を出力可能となっている。また、前記回転軸447には、第2のギヤ体448が挿通状態で嵌合されている。第2のギヤ体448の外周領域のうち約4分の3ほどの区間には、外歯449が形成されている。
【0094】
また、前記中央ボス415と台座部421との間には、タッチセンサ451が固定されている。タッチセンサ451は、例えば静電容量の変化に基づき、人手が触れたことを検知することができるものである。タッチセンサ451には、導電部位としての金属製のリード部452が設けられており、このリード部452には前記台座部421に形成されたねじ穴422に対応するようにして透孔453が形成されている。
【0095】
さらに、前記大径部412内において、前記隔壁413には、停止操作検出手段としてのストップスイッチ455が図示しないねじで固定されている。ストップスイッチ455には、舌片状の押圧操作部456(図15,16等参照)及び突出部457(図19等参照)が設けられている。突出部457は、図示しないばねの付勢力によって常には突出状態に維持されており、これにより、押圧操作部456が突出方向へと押された状態に維持されるようになっている。一方、押圧操作部456が押された場合には、突出部457が付勢力に抗して没入することとなる。これによりストップスイッチ455が、押圧操作を検出できるようになっている。
【0096】
また、前記支軸423に対し、停止操作手段としてのストップレバー458が回動可能に設けられている。該ストップレバー458は、レバー本体部459と、レバー本体部459から突出する操作部461と、該操作部461とは反対側に位置する押圧作用部462と、前記レバー本体部459から延び、前記ストップスイッチ455及び隔壁413間に入り込むようにして設けられる摺動部463とを備えている。レバー本体部459には、前記支軸423に挿通される軸孔464と、前記第3の取付用ボス419に挿通される長孔465とを備えている。かかる構成下、ストップレバー458は、その操作部461が前記大径部412の部分切欠部414から露出した状態となっている。そして、操作部461が押圧操作されると、ストップレバー458は前記支軸423を回動中心として回動し、これにより押圧作用部462が前記押圧操作部456の先端を押す。押圧操作部456が押されると、上述したように突出部457が没入することとなり、ストップスイッチ455において押圧操作が検出されるようになっている。一方、操作部461の非操作状態にあっては、前記突出部457が突出した状態に維持され、押圧操作部456の先端が押圧作用部462を押し上げる。これにより前記ストップレバー458の操作部461が突出状態に維持される。
【0097】
一方、前記回転操作体402のセンター取付部433には、第1のギヤ体466が固定されている。より詳しくは、第1のギヤ体466は、円板状のベース部467と、ベース部467から後側に向けて突出する略円筒状の壁部468と、壁部468よりも内周側において、ベース部467の中心から後側へ突出する組付用ボス469とを備えている。ベース部467には、前記センター取付部433に設けられた2箇所の第1のギヤ体用ボス437に相対するようにして透孔が形成されており、これら透孔と第1のギヤ体用ボス437の雌ねじ部とが位置合わせされた状態でねじ止め固定されている。また、前記壁部468には、前記2箇所の透孔に対応するようにしてスリット471が形成されている。これにより、壁部468は、2つに分断されている。2つの壁部468のうち、一方の壁部468の外周には外歯472が設けられている。尚、ハンドル基部401に対し回転操作体402が組み付けられた場合には、第1のギヤ体466の外歯472と前記第2のギヤ体448の外歯449とが噛合するようになっている。また、外歯472の形成されている前記一方の壁部468の一部には、前方へ突出するようにして規制部493が一体形成されている。
【0098】
また、組付用ボス469の先端部には、位置決め用突起473が外周方向に突出するようにして形成されている。ハンドル基部401に対する回転操作体402の組み付けに際しては、組付用ボス469が前記ハンドル基部401の中央ボス415に内挿されるのであるが、当該内挿は、前記中央ボス415のスリット状の切欠部416に対し位置決め用突起473が位置合わせされない限り、不可能となっている。尚、内挿が完了した場合には、前記位置決め用突起473が前記隔壁413の後側へと臨むため、組付用ボス469の中央ボス415に対する相対回動、つまり、ハンドル基部401に対する回転操作体402の相対回動が可能となる。
【0099】
さらに、図13等に示すように、前記回転操作体402の一方の連結部434に形成されたばね用ボス438には、付勢手段としてのゼンマイばね475の一端がねじ479で固定されている。より詳しく説明すると、ゼンマイばね475は、導電性を有する金属素材よりなり、コイル状に巻回されたコイル部476と、コイル部476の両端から外方に向けて延び、先端が環状に曲げられたフック部477,478とを備えており、平面略対称形状をなしている。そして、一方のフック部477がばね用ボス477の雌ねじ部に位置合わせされた状態で金属製の前記ねじ479で固定されている。また、ゼンマイばね475のコイル部476は、前記組付用ボス469と壁部468とによって形成された収容溝内に収容されている。さらに、他方のフック部478は、前記ハンドル基部401の台座部421(ねじ穴422)に対し金属製のねじ481で固定される(この点については後述する)。
【0100】
かかる構成下、本実施形態のハンドル18にあっては、図12(a)に示すように、ゼンマイばね475の付勢力により、回転操作体402が反時計方向への回動応力を受ける。一方で、回転操作体402の一方の連結部435が第2の取付用ボス418に当接するとともに、他方の連結部434が第3の取付用ボス419に当接することで、回転操作体402のそれ以上の反時計方向への回動が規制される。従って、図12(a)に示す回転操作体402の相対回動位置が基準位置となる。つまり、このときの第2のギヤ体448(回転軸447)の相対回動位置が、回動操作量ゼロの基準状態となり、この状態における可変抵抗器445の抵抗器本体446の抵抗値が、回動操作量ゼロに対応した値となる。
【0101】
一方、遊技者が前記ゼンマイばね475の付勢力に抗して回動操作体402を同図時計方向へと回動操作させると、例えば図12(b)に示すように、回転操作体402のセンター取付部433も回動することとなり、これに伴い第1のギヤ体466が時計方向へと回動する。第1のギヤ体466の外歯472には、第2のギヤ体448の外歯449が噛合しているので、前記第1のギヤ体466の回動に伴い、第2のギヤ体448は反時計方向へと回動する。第2のギヤ体448が回動すると、回転軸447も回動することとなり、可変抵抗器445の抵抗器本体446は、前記回転軸447の回転角度に応じた抵抗値をとることとなり、その抵抗値に関する信号が出力される。
【0102】
さて、上記従来の技術でも説明したとおり、回転操作体402のハンドル基部401に対する相対回動位置が所定の基準位置とされているときには、可変抵抗器445の回転軸477の回転角度も所定の基準角度である必要がある。そうでなければ、回転操作体402の相対回動位置と、抵抗値とが対応しなくなってしまい、適正な発射速度の調整ができなくなってしまうからである。それ故、回転操作体402をハンドル基部401に対し組付けるに際しては、闇雲に第2のギヤ体448の外歯449を第1のギヤ体466の外歯472に噛合させればよいという訳ではない。すなわち、回転軸447に対し第2のギヤ体448を所定の対応関係で取着し、かつ、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を所定の基準角度に維持した上で、第1のギヤ体466を所定の相対位置関係で噛合させる必要がある。
【0103】
本実施形態では、上記要請に対応するべく、次の構成が採用されている。すなわち、図15,16等に示すように、前記ストップレバー458には、係止部としての係止凸部482が一体形成されている。一方、前記第2のギヤ体448には、外周方向へ突出する突起483が一体形成されており、該突起483の先端部分には前記係止凸部482が係止可能な被係止部としての係止凹部484が設けられている。本実施形態では、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度にあるときに限り、前記ストップレバー458を押圧操作することで、前記係止凸部482が係止凹部484に係止状態とされるように構成されている。
【0104】
また、本実施形態では、回転操作体402の組み付け完了後においては、回転操作体402が回動操作された状態にあるときに、ストップレバー458を押圧操作したとしても、該ストップレバー458が第2のギヤ体448(特に外歯449)には接触しないようになっている。
【0105】
次に、上記のように構成されてなるハンドル18に関し、ハンドル基部401、回転操作体402及びカバー403の組み付けの手順について説明する。
【0106】
先ず、図13に示すように、回転操作体402のセンター取付部433に対し、第1のギヤ体466をねじ止め固定する。次に、ゼンマイばね475のコイル部476を前記収容溝に設置するとともに、一方のフック部477を前記ばね用ボス437に位置合わせした状態で、ねじ479で固定する。このとき、ゼンマイばね475のうち他方のフック部478の近傍部位は、前記規制部により引っかけられた状態とされる。これにより、他方のフック部478が広がった位置(図13の下側)にシフトしてしまうといった事態が回避でき、他方のフック部478を所定位置に維持できる。
【0107】
一方、前記ハンドル基部401に対しては、可変抵抗器445、タッチセンサ451、ストップスイッチ455、ストップレバー458等を所定位置に配置しておく。また、可変抵抗器445の回転軸447に対しては、第2のギヤ体448を、相互に所定の相対角度関係となるよう組み付けておく。但し、この時点では、タッチセンサ451に関しては、リード部452の透孔453は、台座部421のねじ穴422に位置合わせしておくにとどめる(ねじ止めはしない)。
【0108】
そして、上記ように第1のギヤ体466及びゼンマイばね475が組付けられた回転操作体402を、図14に示すように、ハンドル基部401に対し組み付ける。
【0109】
このとき、ストップレバー458の係止凸部482と、第2のギヤ体448の突起483(係止凹部484)とが互いに近接し合う状態となるよう、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を調整しておく(図15(a)、図16等参照)。そして、同図に示す状態から、図15(b)、図17等に示すように、ストップレバー458の操作部461を押圧操作する。すると、係止凸部482が係止凹部484に係止されることとなり、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度とされる。また、前記押圧状態が維持されている限りは、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転が規制されることとなるため、第2のギヤ体448(回転軸447)の基準角度状態が保持される。
【0110】
そして、この第2のギヤ体448(回転軸447)の基準角度状態を保持しつつ、回転操作体402に取着されている第1のギヤ体466の組み付け用ボス469を、中央ボス415に内挿する(図18等参照)。この内挿は、上述したように、中央ボス415のスリット状の切欠部416に対し位置決め用突起473が位置合わせされた上で行われる。また、組み付け用ボス469の中央ボス415への内挿とともに、ハンドル基部401の大径部412が、回転操作体402の環状溝436へと挿通され、さらには、第2のギヤ体448の外歯449と、第1のギヤ体466の外歯472とが所定の位置関係で噛合し合うこととなる。これにより、ハンドル基部401に対する回転操作体402の組み付けが完了する。
【0111】
このように、本実施形態では、回転軸447に対し第2のギヤ体448が所定の対応関係で取着された上で、かつ、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度に維持された上で、第1のギヤ体466が所定の相対位置関係で噛合させられることとなる。尚、かかる組み付け作業に際しては、前記開口部439Aの存在により、係止凸部482の係止凹部484への係止状態を視認することができる。従って、当該係止状態を確認しつつ組み付け作業を行うことができる。
【0112】
組み付けが完了した後、ストップレバー458(操作部461)の押圧操作が解除される。組み付けが完了すれば、上記のとおり位置決め用突起473が隔壁413の後側へと臨むため、組付用ボス469の中央ボス415に対する相対回動、つまり、ハンドル基部401に対する回転操作体402の相対回動が可能となる。尚、図17、18では、便宜上、回転操作体402側の部材として第1のギヤ体466のみを図示することとしているが、実際には回転操作体402が組付けられる。
【0113】
上記組み付け完了時点においては、ゼンマイばね475の他方のフック部478が未だ固定されていない。本実施形態では、前述のとおり、ゼンマイばね475のうち他方のフック部478の近傍部位が規制部493に引っかけられていたため、前記組み付けに際しても、他方のフック部478を比較的容易に第1及び第2の取付用ボス417,418間に配置させることができる。そして、図19に示すように、タッチセンサ451のリード部452の透孔453が台座部421のねじ穴422に位置合わせされた状態にあるところ、このネジ孔422に前記他方のフック部478を位置合わせさせし、ねじ481で固定する。本実施形態では、第1及び第2の取付用ボス417、418間に挟まれるようにしてねじ穴422が設けられており、ゼンマイばね475の他方のフック部478をボス417,418間に沿わせて(ガイドさせながら)スライドさせることで、比較的容易にねじ穴422(リード部452の透孔453)に対しフック部478を位置合わせさせることができる。また、前記開口部439Bの存在により、フック部478を視認しながら螺着作業を行うことができる。さらに、第1及び第2の取付用ボス417,418、及び、センター取付部433には、上述のとおり切り欠き部491,492がそれぞれ形成されていることから、ねじ481を螺着するための治具(例えばドライバー)を比較的スムースに挿通させることができ、しかも治具を切り欠き部491,492に沿わせつつ螺着作業を行うことができる。これらのことから、ねじ481による固定作業を非常に円滑かつ容易に行うことができる。
【0114】
そして、ねじ481の螺着が完了したならば、結果としてゼンマイばね475の一方のフック部477が回転操作体402(ばね用ボス438)にねじ止めされ、他方のフック部478がハンドル基部401(台座部421)にねじ止めされることとなる。また、回転操作体402の表面が金属メッキ層で覆われており、該回転操作体402には、金属製のゼンマイばね475の一端(フック部477)が電気的に接続され、ゼンマイばね475の他端(フック部478)はタッチセンサ451の金属製のリード部452に対し電気的に接続されている。このため、回転操作体402及びタッチセンサ451間における電気的導通が図られることとなる。従って、遊技者が回転操作体402に触れた場合には、その旨がタッチセンサ451により検出され得る。
【0115】
そして、最後に、ハンドル基部401の第1〜第3の取付用ボス417〜419と、カバー403のカバーボス441〜443とを位置合わせした上で、それぞれについてねじ止めを行うことでハンドル基部401に対し、カバー403が固定されることとなる。
【0116】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図20は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
【0117】
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
【0118】
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
【0119】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0120】
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0121】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
【0122】
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
【0123】
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0124】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
【0125】
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
【0126】
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0127】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
【0128】
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0129】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0130】
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
【0131】
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
【0132】
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
【0133】
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
【0134】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
【0135】
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0136】
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。より具体的には、上述した可変抵抗器445、タッチセンサ451、及び、ストップスイッチ455が発射制御装置312に対し電気的に接続されている。そして、可変抵抗器445からは抵抗値に関する信号が、タッチセンサ451からは遊技者が回転操作体402に触れているか否かに関する信号が、また、ストップスイッチ455からはストップレバー459が押圧操作されているか否かに関する信号が、それぞれ発射制御装置312に対し入力されるようになっている。本実施形態では、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が回転操作体402に触れている旨の信号がタッチセンサ451から出力されていること、ストップレバー459が押圧操作されている旨の信号がストップスイッチ455から出力されていないことを条件に、発射装置60(ソレノイド)が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。尚、発射に際しては、前記可変抵抗器445から入力される抵抗値に関する信号に基づき、発射制御装置312により発射装置60(ソレノイド)への供給電力が調整等され、結果として遊技球の発射速度が調整されるようになっている。
【0137】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
【0138】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
【0139】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0140】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0141】
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0142】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0143】
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
【0144】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0145】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0146】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0147】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ゼンマイばね475の一端のフック部477が予め回転操作体402のばね用ボス438にねじ479で固定されたうえで、回転操作体402がハンドル基部401に組み付けられ、その後、ゼンマイばね475の他端のフック部478がタッチセンサ451のリード部452にねじ481で固定される。このため、回転操作体402のめっき層及びタッチセンサ451間がゼンマイばね475により直接、電気的に接続されることとなり、遊技者が回転操作体402に触れることに基づき、その接触をタッチセンサ451で検出することができる。従って、従来設けられていたケーブル等の配線を省略することができ、結果として、部品点数の低減を防止できるとともに、ハンドル基部401内部の煩雑化を防止することができる。また、ケーブル等の引き回し等の煩雑さを解消することができ、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また特に、回転操作体402とタッチセンサ451とを接続するのがゼンマイばね475のみであって、他の部材を介さない。従って、より一層の内部構成の簡素化を図ることができ、他の部材の設置に関する自由度を高めることができる。
【0148】
また、回転操作体402がハンドル基部401へ組み付けられた後においては、ハンドル基部401に設けられているタッチセンサ451の前面側に、回転操作体402が位置することとなる。このため、当該回転操作体402の存在により、タッチセンサ451へのゼンマイばね475の他端のフック部477のねじ止め作業が阻害されてしまうことが懸念される。この点、本実施形態によれば、回転操作体402には開口部439Bが形成されており、当該開口部439Bを介して、タッチセンサ451のリード部452を前面側から視認することができる。そのため、回転操作体402が組み付けられた後であっても、ねじ止め部位を視認しながら作業を進めることができる。その結果、ゼンマイばね475の他端のフック部478をねじ止めする際の作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0149】
特に、ゼンマイばね475の両端部は略環状に形成されたフック部477,478となっており、当該フック部477、478がそれぞればね用ボス438、リード部452にねじ止め固定される。従って、それぞれの固定を容易かつ確実に行うことができる。
【0150】
また、本実施形態では、案内部としての第1、第2の取付用ボス417,418の存在により、回転操作体402のハンドル基部401への組み付けに際し、ゼンマイばね475の他端のフック部478がタッチセンサ451のリード部452の方へ円滑に案内される。結果として、ねじ止め作業をより円滑にかつスピーディに行うことができる。特に、本実施形態では、カバー403を取付けるべくハンドル基部401から前方に延びるよう設けられた第1、第2の取付用ボス417,418が案内部を兼用することとなる。従って、案内部を別途設ける必要がなく、構成のさらなる簡素化を図ることができる。しかも、複数本の取付用ボス417,418によって挟まれるようにして、ゼンマイばね475の他端のフック部478がリード部452の方へ案内される。従って、リード部452への案内をより確実にかつ円滑に行うことができる。
【0151】
さらに、本実施形態では、第1、第2の取付用ボス417,418及びセンター取付部433のうち、タッチセンサ451のリード部452を向いた面には、断面円弧状の切り欠き491,492が形成されている。かかる切り欠き491,492の存在により、ねじ止め用の治具(例えばドライバー)を円滑に挿通させることができ、かつ、ねじ止めの作業も行いやすい。結果として、作業性の著しい向上を図ることができる。
【0152】
併せて、本実施形態では、第1のギヤ体466のうち、外歯472を有する側の壁部468には規制部493を設けることとし、回転操作体402の組み付けの前段階において当該規制部493にゼンマイばね475の他端のフック部478近傍を引っかけておくこととした。これにより、当該フック部478が所定位置に維持されるよう位置規制されることとなり、ゼンマイばね475の他端部側が緩んでしまうことが起こりにくい。その結果、回転操作体402の組み付けに支障が生じたり、フック部478のねじ止めに支障が生じたりするといった不具合を起こりにくくすることができる。
【0153】
また、組み付けに際しての効果として、本実施形態では、ストップレバー458には、係止凸部482が設けられているとともに、第2のギヤ体448には、突起483が設けられ、その突起483の先端部に係止凹部484が設けられている。また、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度にあるときに、ストップレバー458を押圧操作することで、係止凸部482が係止凹部484に係止状態とされる。このため、回転操作体402をハンドル基部401に対し組付けようとした場合には、まず、係止凸部482と係止凹部484との位置関係を最も近接した状態とした上で、ストップレバー458を押圧操作し、係止凸部482を係止凹部484に係止状態とすることで、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を所定の基準角度に保持することができる。そしてその上で、回転操作体402をハンドル基部401に対し組付けることで、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度を所定の基準角度に維持したまま、第1のギヤ体466を所定の相対位置関係で噛合させることができ、ひいては、回転操作体402のハンドル基部401に対する相対回動位置が所定の基準位置とされているときに、可変抵抗器445の回転軸447の回転角度も所定の基準角度とすることができる。従って、組付け作業に際し、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度がずれてしまったりすることがなく、正確に組み付けることができる。また、ストップレバー458を押圧操作しながら組付ければよいので、作業が煩雑になってしまったりすることもなく、結果として作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0154】
また、ストップレバー458に係止凸部482を、第2のギヤ体448に係止凹部484をそれぞれ設けるだけで上記作用効果が奏されることとなるため、第2のギヤ体448等とは別に特殊な機構を設ける必要もない。その結果、構造の複雑化や、コストの増大を招いてしまうこともない。
【0155】
しかも、本実施形態では、回転軸447が360゜自由に回転しうるように構成されており、当該回転軸447を所定の基準位置に位置決めすることは一般に困難であると考えられるが、このような場合においても、上記作用効果を確実に奏せしめることができる。
【0156】
さらに、本実施形態では、第2のギヤ体448の一部から外周方向に突出する突起483が設けられ、その突起483の先端に係止凹部484が形成されている。このため、第2のギヤ体448(回転軸447)の回転角度が所定の基準角度にあるときに限り、ストップレバー458に設けられた係止凸部482が係止凹部484に係止可能となる。従って、回転軸447の回転角度が所定の基準角度にない場合には、係止凸部482が係止凹部484に係止されることがないため、誤った角度位置で係止されることがなくなり、上述した作用効果がより確実に奏されることとなる。また、係止凸部482が第2のギヤ体448の外歯449に当たることで、係止状態が導出されるといった事態が起こりにくくなる。そのため、第2のギヤ体448の外歯449に悪影響が及んでしまうといった事態を回避することができる。さらに、ストップレバー458に係止凸部482を、第2のギヤ体448に係止凹部484をそれぞれ設ける都合上、ストップレバー458と第2のギヤ体448とは互いに近接状態に配置されることとなる。このため、ストップレバー458を押圧操作した場合に、ストップレバー458の一部が第2のギヤ体448に当たってしまうことが懸念される。特に、その応力が強い場合には、第2のギヤ体448から回転軸447へと伝達されることとなるため、可変抵抗器445に悪影響が及んでしまうことも懸念される。しかしながら、本実施形態では、回転操作体402が回動操作された状態にあるときにストップレバー458が押圧操作されたとしても、ストップレバー458が第2のギヤ体448に接触しないよう構成されているため、上述の懸念を払拭することができる。
【0157】
また、本実施形態では、上記組み付け作業に際し、開口部439Aの存在により、係止凸部482の係止凹部484への係止状態を視認することができる。従って、当該係止状態を確認しつつ組み付け作業を行うことができる。その結果、ずれたまま組み付けられてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0158】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0159】
(a)上記実施形態では、ゼンマイばね475の両端をフック部477,478としたが、一方の端部のみをフック部としてもよいし、双方ともフック部としなくてもよい。
【0160】
(b)また、ゼンマイばね475の各端部の接続固定の手法として、上記実施形態ではねじ479,481で固定することとしているが、他の手法で固定することとしてもよい。例えば、係止固定でもよいし、場合によっては溶接固定、はんだ固定でもよい。
【0161】
(c)上記実施形態における切り欠き491,492のうち、少なくとも1つを省略することとしてもよい。
【0162】
(d)また、上記実施形態における規制部493を省略することとしてもよい。
【0163】
(e)上記実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用しているが、いわゆるモータ式の発射装置を採用してもよい。
【0164】
(f)上記実施形態では、遊技媒体として遊技球(パチンコ玉)を採用しているが、コイン(メダル)を発射するタイプの遊技機に適用することもできる。
【0165】
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
【0166】
手段1.固定状態にあるハンドル基部と、
遊技媒体を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、
一端部が前記回転操作体に固定されるとともに、他端部が前記ハンドル基部側の所定部位に固定され、前記回転操作体の非操作状態において、当該回転操作体の前記ハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう前記回転操作体に回転方向への付勢力を付与するコイル状の付勢手段と、
前記ハンドル基部に設けられ、通電状況の変化に基づき前記回転操作体への人体の接触を検出可能なタッチセンサとを備え、
少なくとも前記回転操作体の回転操作に基づき遊技媒体の発射が許容され、前記タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止されるよう構成された遊技機であって、
前記回転操作体は、前記ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、
前記付勢手段を導電性素材により構成し、
その一端部を予め前記導電部に接触状態で固定したうえで、前記回転操作体を前記ハンドル基部に組み付け、その後、前記付勢手段の他端部を前記タッチセンサの導電部位に接触状態で固定したことを特徴とする遊技機。
【0167】
手段1によれば、固定状態にあるハンドル基部に対し、回転操作体が回動操作可能に組付けられる。回転操作体の非操作状態においては、コイル状の付勢手段により、当該回転操作体の相対回動位置が所定の基準位置とされる。また、ハンドル基部に設けられたタッチセンサにより、通電状況の変化に基づき回転操作体への人体の接触が検出されうる。そして、少なくとも回転操作体が回転操作されることに基づき遊技媒体の発射が許容され、タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止される。
【0168】
さて、手段1では、回転操作体は、ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、付勢手段が導電性素材により構成される。そして、付勢手段の一端部が予め前記導電部に接触状態で固定されたうえで、回転操作体がハンドル基部に組み付けられ、その後、付勢手段の他端部がタッチセンサの導電部位に接触状態で固定される。このため、導電部及びタッチセンサが付勢手段により直接、電気的に接続されることとなり、遊技者が少なくとも導電部に触れることに基づき、その接触をタッチセンサで検出することができる。従って、従来設けられていたケーブル等の配線を省略することができ、結果として、部品点数の低減を防止できるとともに、ハンドル基部内部の煩雑化を防止することができる。また、ケーブル等の引き回し等の煩雑さを解消することができ、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また特に、導電部とタッチセンサを接続するのが付勢手段のみであって、他の部材を介さない。従って、より一層の内部構成の簡素化を図ることができる。
【0169】
手段2.前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付け後においても、前記タッチセンサの導電部位が前面側から視認可能となるよう、前記回転操作体には開口部が形成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0170】
回転操作体がハンドル基部へ組み付けられた後においては、ハンドル基部に設けられているタッチセンサの前面側に、回転操作体が位置することとなり、当該回転操作体の存在によりタッチセンサへの付勢手段の他端部の接続作業が阻害されてしまうことが懸念される。この点、手段2によれば、回転操作体には開口部が形成されており、当該開口部を介して、タッチセンサの導電部位を前面側から視認することができる。そのため、回転操作体が存在していたとしても、接続部位を視認しながら作業を進めることができる。その結果、付勢手段の他端部をタッチセンサに接続する際の作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0171】
手段3.前記付勢手段は、導電性金属材料よりなるゼンマイばねであって、
少なくとも前記ゼンマイばねの他端部は略環状に形成されたフック部となっており、当該フック部が前記タッチセンサの導電部位にねじ止め固定されることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0172】
手段3によれば、少なくとも付勢手段を構成するゼンマイばねの他端部がフック部となっており、当該フック部がタッチセンサの導電部位にねじ止め固定される。従って、他端部の固定を容易かつ確実に行うことができる。
【0173】
手段4.前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付けに際し、前記ゼンマイばねの他端部を前記タッチセンサの導電部位に案内する案内部を設けたことを特徴とする手段3に記載の遊技機。
【0174】
手段4によれば、案内部の存在により、回転操作体のハンドル基部への組み付けに際し、ゼンマイばねの他端部がタッチセンサの導電部位に円滑に案内される。結果として、他端部の接続作業をより円滑にかつスピーディに行うことができる。尚、「前記案内部は、ハンドル基部及び回転操作体のうち少なくとも一方に設けられている」こととしてもよい。
【0175】
手段5.前記回転操作体の前面側には、前記ハンドル基部に取付けられるカバーが設けられ、
前記案内部は、少なくとも前記カバーを取付けるべく前記ハンドル基部から前方に延びるよう設けられた取付用ボスにより構成されていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
【0176】
手段5によれば、カバーを取付けるべくハンドル基部から前方に延びるよう設けられた取付用ボスが案内部を兼用することとなる。従って、案内部を別途設ける必要がなく、構成のさらなる簡素化を図ることができる。
【0177】
手段6.前記案内部を構成する取付用ボスは複数本であることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
【0178】
手段6によれば、複数本の取付用ボスによって挟まれるようにして、ゼンマイばねの他端部がタッチセンサの導電部位に案内される。従って、タッチセンサの導電部位への案内をより確実にかつ円滑に行うことができる。
【0179】
手段7.少なくとも前記案内部を構成する取付用ボスのうち、前記タッチセンサの導電部位側を向いた面には、切り欠きが形成されていることを特徴とする手段5又は6に記載の遊技機。
【0180】
手段7によれば、少なくとも案内部を構成する取付用ボスのうち、タッチセンサの導電部位側を向いた面には、切り欠きが形成されている。かかる切り欠きの存在により、ねじ止め用の治具(例えばドライバー)を円滑に挿通させることができ、かつ、ねじ止めの作業も行いやすい。結果として、作業性の著しい向上を図ることができる。
【0181】
手段8.前記回転操作体が組み付けられる前の状態において、前記ゼンマイばねの他端部が所定位置に維持されるよう位置規制する規制部を設けたことを特徴とする手段3乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0182】
前記回転操作体が組み付けられる前の状態においては、ゼンマイばねの一端部は回転操作体に固定されているものの、他端部は固定されていない。このため、ゼンマイばねの当該他端部側が緩んでしまい、回転操作体の組み付けに支障が生じたり、他端部の接続に支障が生じたりすることが懸念される。この点、手段8によれば、規制部の存在により、前記ゼンマイばねの他端部が所定位置に維持されるよう位置規制される。このため、ゼンマイばねの他端部側が緩んでしまうことが起こりにくく、結果として回転操作体の組み付けに支障が生じたり、他端部の接続に支障が生じたりするといった不具合を起こりにくくすることができる。
【0183】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0184】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【0185】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0186】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機を示す斜視図である。
【図3】内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。
【図5】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図6】内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)はハンドルの構成を示す斜視図である。
【図8】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図9】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図10】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図11】ハンドルの各構成部材を示す分解斜視図である。
【図12】(a)は回転操作体の非操作状態におけるハンドルを示す正面図であって、第1及び第2のギヤ体の相対回動位置関係及びゼンマイばねの状態を説明する図であり、(a)は回転操作体の回動操作状態におけるハンドルを示す正面図であって、第1及び第2のギヤ体の相対回動位置関係及びゼンマイばねの状態を説明する図である。
【図13】第1のギヤ体及びゼンマイばねが組み付けられた回動操作体を示す背面図である。
【図14】ハンドル基部に対し回転操作体を組み付ける前の状態を示す斜視図である。
【図15】(a)は各種部材が組み付けられたハンドル基部において、ストップレバーを押圧操作する前の状態を示す正面図であり、(b)はハンドル基部において、ストップレバーを押圧操作して係止凸部が係止凹部に係合した状態を示す正面図である。
【図16】ハンドル基部において、ストップレバーを押圧操作して係止凸部が係止凹部に係合した状態を示す斜視図である。
【図17】ハンドル基部に対し、回転操作体(第1のギヤ体)を組み付けようとする状態を示す斜視図である。
【図18】ハンドル基部に対し、回転操作体(第1のギヤ体)が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図19】ハンドル基部に対し回転操作体が組み付けられ、ゼンマイばねの他端のフック部がねじ止めされた状態を示す正面図である。
【図20】パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0188】
10…遊技機としてのパチンコ機、18…ハンドル、401…ハンドル基部、402…回転操作体、417…案内部を構成する第1の取付用ボス、418…案内部を構成する第2の取付用ボス、451…タッチセンサ、452…導電部位としてのリード部、475…付勢手段としてのゼンマイばね、476…コイル部、477,478…フック部、479,481…ねじ、491…切り欠き部、492…切り欠き部、493…規制部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定状態にあるハンドル基部と、
遊技媒体を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、
一端部が前記回転操作体に固定されるとともに、他端部が前記ハンドル基部側の所定部位に固定され、前記回転操作体の非操作状態において、当該回転操作体の前記ハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう前記回転操作体に回転方向への付勢力を付与するコイル状の付勢手段と、
前記ハンドル基部に設けられ、通電状況の変化に基づき前記回転操作体への人体の接触を検出可能なタッチセンサとを備え、
少なくとも前記回転操作体の回転操作に基づき遊技媒体の発射が許容され、前記タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止されるよう構成された遊技機であって、
前記回転操作体は、前記ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、
前記付勢手段を導電性素材により構成し、
その一端部を予め前記導電部に接触状態で固定したうえで、前記回転操作体を前記ハンドル基部に組み付け、その後、前記付勢手段の他端部を前記タッチセンサの導電部位に接触状態で固定したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付け後においても、前記タッチセンサの導電部位が前面側から視認可能となるよう、前記回転操作体には開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記付勢手段は、導電性金属材料よりなるゼンマイばねであって、
少なくとも前記ゼンマイばねの他端部は略環状に形成されたフック部となっており、当該フック部が前記タッチセンサの導電部位にねじ止め固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付けに際し、前記ゼンマイばねの他端部を前記タッチセンサの導電部位に案内する案内部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項1】
固定状態にあるハンドル基部と、
遊技媒体を発射させるべく、前記ハンドル基部に対し、回動操作可能に組付けられた回転操作体と、
一端部が前記回転操作体に固定されるとともに、他端部が前記ハンドル基部側の所定部位に固定され、前記回転操作体の非操作状態において、当該回転操作体の前記ハンドル基部に対する相対回動位置が所定の基準位置となるよう前記回転操作体に回転方向への付勢力を付与するコイル状の付勢手段と、
前記ハンドル基部に設けられ、通電状況の変化に基づき前記回転操作体への人体の接触を検出可能なタッチセンサとを備え、
少なくとも前記回転操作体の回転操作に基づき遊技媒体の発射が許容され、前記タッチセンサにより前記接触が検出されない場合には遊技媒体の発射が禁止されるよう構成された遊技機であって、
前記回転操作体は、前記ハンドル基部の前面側から組み付けられるものであり、かつ、その表面の少なくとも一部において導電性材料よりなる導電部を有しており、
前記付勢手段を導電性素材により構成し、
その一端部を予め前記導電部に接触状態で固定したうえで、前記回転操作体を前記ハンドル基部に組み付け、その後、前記付勢手段の他端部を前記タッチセンサの導電部位に接触状態で固定したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付け後においても、前記タッチセンサの導電部位が前面側から視認可能となるよう、前記回転操作体には開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記付勢手段は、導電性金属材料よりなるゼンマイばねであって、
少なくとも前記ゼンマイばねの他端部は略環状に形成されたフック部となっており、当該フック部が前記タッチセンサの導電部位にねじ止め固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記回転操作体の前記ハンドル基部への組み付けに際し、前記ゼンマイばねの他端部を前記タッチセンサの導電部位に案内する案内部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−99380(P2010−99380A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275210(P2008−275210)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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