説明

遊技機

【課題】遊技機の製造コストを低減し、封入球を確実に排出させ、外部の研磨機により研磨することが可能な提供する。
【解決手段】遊技領域と、遊技領域に遊技球を発射させる打球発射装置と、遊技領域に発射された遊技球を打球発射装置に案内するための遊技終了球通路とを有し、遊技機の内部に封入された所定数の遊技球を遊技中に反復使用するように構成した遊技機において、封入された遊技球を遊技機の外部に排出するための遊技球排出手段と、遊技球排出手段により遊技機の外部に排出された遊技球を計数するカウント手段と、計数された遊技球の数と所定数とが一致するかどうかを判断する判定手段と、一致しないと前記判定手段が判断したとき、遊技機の内部に遊技球が残っている旨を報知する報知手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技領域と、前記遊技領域に遊技球を発射させる打球発射装置と、前記遊技領域に発射された遊技球を前記打球発射装置に案内するための遊技終了球通路とを有し、遊技機の内部に封入された所定数の遊技球を遊技中に反復使用するように構成した遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場には遊技機島が敷設され、遊技機島には複数の遊技機が設置されている。遊技機島には、各遊技機から排出される遊技球を研磨し、研磨後の遊技球を各遊技機に供給するための島設備が設けられている。島設備の例として、遊技機島には遊技球を研磨するための共用の研磨機、各遊技機から研磨機に遊技球を案内するための回収手段及び、研磨後遊技球を各遊技機に供給するための供給手段が設けられている。
【0003】
遊技機内に封入され、遊技中に反復使用される所定数の遊技球を封入球という場合がある。また、この種の遊技機を封入球式遊技機という場合がある。
【0004】
従来の封入球式遊技機は、封入球である遊技球を研磨するための専用の研磨機を1台毎に有している(例えば、特許文献1)。
【0005】
この封入球式遊技機は、専用の研磨機を有することから、島設備のないゲームセンター等に単独で設置することが可能であるが、島設備が設けられた遊技場に設置してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−29539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献に記載された遊技機では、台毎に専用の研磨機を設けているため、遊技機の製造コストが嵩み、また、専用の研磨機を使用することにより、島設備を有する遊技場において共用の研磨機等の島設備が不要になるという問題点があった。
【0008】
仮に、従来の封入球式遊技機から専用の研磨機を外し、封入球式遊技機内の封入球を外部の研磨機で研磨しようとしても、従来の封入球式遊技機は、封入球を排出させるような機能を有していない上に、封入球の排出を阻害するような構成を有している場合もあるため、封入球の排出には困難を伴うという問題点もある。
【0009】
この発明は、上記の問題を解決するものであり、遊技機の製造コストを低減し、封入球を確実に排出させ、外部の研磨機により研磨することが可能な提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明の第1実施形態は、遊技領域と、前記遊技領域に遊技球を発射させる打球発射装置と、前記遊技領域に発射された遊技球を前記打球発射装置に案内するための遊技終了球通路とを有し、遊技機の内部に封入された所定数の遊技球を遊技中に反復使用するように構成した遊技機において、前記封入された遊技球を遊技機の外部に排出するための遊技球排出手段と、前記遊技球排出手段により遊技機の外部に排出された遊技球を計数するカウント手段と、前記計数された遊技球の数と前記所定数とが一致するかどうかを判断する判定手段と、前記一致しないと前記判定手段が判断したとき、前記遊技機の内部に遊技球が残っている旨を報知する報知手段と、を有することを特徴とする遊技機である。
また、この発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に係る遊技機であって、前記遊技領域に達しなかった遊技球を収容するファール球通路をさらに有し、前記遊技球排出手段は、前記封入された遊技球を遊技機の外部に排出するとき、前記ファール球通路内の遊技球も遊技機の外部に排出することを特徴とする。
さらに、この発明の第3実施形態は、第2の実施形態に係る遊技機であって、前記遊技終了球通路を前記打球発射装置に接続させる第1状態と、前記遊技機の外部に接続させる第2状態とに切り替えるとともに、前記ファール球通路を前記打球発射装置から切り離す第3状態と、前記打球発射装置に接続させる第4状態とに切り替える通路切替手段をさらに有し、前記遊技球排出手段は、前記ファール球通路内の遊技球を前記打球発射装置により前記遊技領域に発射させ、当該発射させた遊技球を遊技機の外部に排出させるように、前記通路切替手段を制御して、前記遊技終了球通路を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるとともに、前記ファール球通路を前記第3状態から前記第4状態に切り替えることにより、通常の遊技球の排出と共にファール球の排出も行うように制御するファール球排出制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明の第1の実施形態によると、封入球を遊技機の外部に排出して、排出した封入球を島設備としての研磨機等を利用して研磨することが可能となる。それにより、遊技機に専用の研磨機を設けなくてよい。また、報知手段により封入球が遊技機に残っているかどうかを報知するので、封入球の排出作業を確実に行うことが可能となる。
【0012】
また、この発明の第2の実施形態によると、ファール球を含めて封入球を遊技機の外部に排出するようにしたので、封入球の排出作業を確実に行うことが可能となる。
【0013】
さらに、この発明の第3の実施形態によると、通路切替手段を設けたので、ファール球を遊技領域に発射させてから遊技機の外部に排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態に係る遊技機の分解斜視図である。
【図2】球封入貯留部の分解斜視図である。
【図3】前枠の斜視図である。
【図4】下枠部材の拡大正面図である。
【図5】下枠部材の部分拡大正面図である。
【図6】中枠の断面図である。
【図7】図4のA−A線断面図である。
【図8】図4のB−B線断面図である。
【図9】中枠を斜め後方から見た斜視図である。
【図10】入口を閉じ出口を開いたときの補充用通路の正面図である。
【図11】入口を開き出口を閉じたときの補充用通路の正面図である。
【図12】遊技終了球通路、ファール球通路、及び排出路等を概念的に示した図である。
【図13】制御手段の構成ブロック図である。
【図14】ソレノイドをオフしたときの排出手段の説明図である。
【図15】ソレノイドをオンしたときの排出手段の説明図である。
【図16】封入球の排出を開始してから封入球が遊技機内に残っているときの報知までの一連の動作を示すフローチャートである。
【図17】封入球の排出を開始してから封入球が遊技機内に残っているときの報知までの一連の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(封入球式パチンコ遊技機について)
この発明の一実施形態に係る封入球式パチンコ遊技機10(以下、単に遊技機という)について図1を参照して説明する。図1は遊技機の分解斜視図である。
【0016】
図1に示すように、遊技機10は遊技機島(図示省略)に設置される。遊技機島は遊技場に一または複数敷設される。遊技機島には島設備(図示省略)が設けられている。
【0017】
遊技機10は、外枠11、中枠12、及び前枠13を有している。外枠11は、矩形枠状に形成され、島設備を構成する設置枠台に固定される。中枠12は、外枠11に対して着脱および開閉可能に枢支され、遊技領域41を画成した遊技盤40や遊技盤40の遊技領域41へ向けて封入球(遊技球)を発射する打球発射装置45、各種制御装置が配設される。前枠13は、中枠12の前面側に着脱および開閉可能に枢支され、遊技盤40を透視保護するガラス板14を備えている。
【0018】
一般的な島設備の例としては、設置枠台の他に、各遊技機10に遊技球を供給する供給手段(図示省略)、遊技に供された遊技球(セーフ球およびアウト球)を回収する回収手段29、回収された遊技球を研磨する研磨機(図示省略)を有している。この実施形態に係る遊技機10は、従来タイプの遊技機と外形等のサイズが同等に設定されて、遊技場側の設備に変更を加えることなく、遊技機島に設置し得るよう構成されている。
【0019】
また、設置枠台には、遊技機10毎に球貸しユニット(図示せず)が隣接配置されている。遊技者の操作に応じて、遊技可能な球数を表す遊技得点を付与して遊技機10に出力するようになっている。すなわち、遊技者は、遊技得点分だけ封入球を遊技盤40の遊技領域41に打ち出して遊技を行ない得るようになっている。
【0020】
(前枠13について)
図2は球封入貯留部の分解斜視図、図3は前枠の斜視図である。図2または図3に示すように、前枠13の下方位置には、遊技球としての封入球を貯留する球封入貯留部20が設けられている。球封入貯留部20は前枠13の開閉に合わせて一体的に開閉するようになっている。球封入貯留部20は、球収容空間22を画成する球皿本体部21と、球収容空間22の上方開口を閉成することにより、球収容空間22に外部から接触不能な状態で封入球を貯留可能にする蓋部材23とからなる。
【0021】
図3に示すように、前枠13の裏面には、球封入貯留部20に貯留された封入球を打球発射装置45の発射待機位置48a(後述)に1球ずつ送出す第1球送り装置27が配設されている。第1球送り装置27は、中枠12の裏側に配設された発射制御手段(球送り装置駆動制御手段)108に配線接続されて、発射制御手段108からの制御信号に基づいて作動するよう構成される。
【0022】
第1球送り装置27は、球封入貯留部20から打球発射装置45の発射待機位置48aに送出された封入球を検出する球検出手段(図示省略)を備えている。球検出手段は、発射制御手段108に配線接続されており、球検出手段の検出信号が発射制御手段108に入力される毎に得点情報が1ずつ減算されるよう構成されている。
【0023】
蓋部材23の上面には報知手段30が設けられている。報知手段30は、遊技球が遊技機10内に残っていることを報知し、また、遊技者が保有する得点情報を表示する表示装置である。ここで、報知手段30としては、LCD(液晶ディスプレイ)等が採用されるが、これに限られるものではない。遊技球が遊技機10内に残っていることの報知の詳細については後述する。
【0024】
次に、排出手段について図12〜図15を参照して説明する。図12は遊技終了球通路、ファール球通路、及び排出路等を概念的に示した図、図13は制御手段の構成ブロック図、図14はソレノイド92をオフしたときの排出手段の説明図、図15は、ソレノイド92をオンしたときの排出手段の説明図である。
【0025】
図12〜図15に示すように、球封入貯留部20と第1球送り装置27との間には排出路90が連結されている。排出路90の出口は回収手段29に接続されている。回収手段29は研磨機(図示省略)に接続されている。排出路90内に出没して排出路90の入口を開閉するためのストッパー部材91、及び、ストッパー部材91を出没させるためのソレノイド92が設けられている。排出路90、ストッパー部材91、及びソレノイド92が第1遊技球排出手段の一例である。
【0026】
ストッパー部材91はソレノイド92のオンにより排出路90内から没入して排出路90の入口を開放し、ソレノイド92のオフにより排出路90内に突出して排出路90の入口を閉じるように構成されている。
【0027】
排出路90には、通過する遊技球を検出するための遊技終了球検出手段94が設けられている。遊技終了球検出手段94としては、球を検出し得るものであれば、近接センサや光学式センサ等の非接触型の検出手段や、マイクロスイッチ等の接触型の検出手段、その他従来公知の各種手段を採用できる。カウント手段101は遊技終了球検出手段94から出力された検出信号を基に、排出路90を通過する遊技球の数を計数する。判定手段102は、計数された遊技球の数と所定数とを比較して、比較した結果を出力する。
【0028】
(中枠12について)
図1に示すように、中枠12は、上縁をなす上枠部材33と、下縁をなす下枠部材34、左縁をなす左枠部材35、及び右縁をなす右枠部材36を有する。
【0029】
上枠部材33には、上部タンク37が設けられている。上部タンク37には、供給手段が接続されている。供給手段は研磨機から各遊技機の上部タンク37に遊技球を供給する。
【0030】
次に、補充用通路38について図9〜図11を参照して説明する。図9は中枠12を斜め後方から見た斜視図、図10は入口を閉じ出口を開いたときの補充用通路38の正面図、図11は入口を開き出口を閉じたときの補充用通路38の正面図である。
【0031】
左枠部材35には補充用通路38が設けられている。補充用通路38の上端部は上部タンク37に連通する入口が形成されている。補充用通路38の下端部は、球封入貯留部20に連通する出口が形成されている。
【0032】
補充用通路38は、所定数の遊技球を一時的に貯留できるように蛇行状に形成されている。補充用通路38の上端部及び下端部にはストッパー部材39がそれぞれ配置されている。ストッパー部材39は、ソレノイド39aがオンすると補充用通路38内から没入して補充用通路38の入口及び出口を開放し、ソレノイド39aがオフすると補充用通路38内に突出して補充用通路38の入口及び出口を閉じるように構成されている。入口を開放し、補充用通路38の出口を閉じることで、上部タンク37から遊技球を補充用通路38に取り込み、所定時間後に補充用通路38の入口を閉じることで、補充用通路38には所定数の遊技球を一時的に貯留できる。この状態で出口を開くことで、所定数の遊技球が球封入貯留部20に供給される。
【0033】
以上のようなソレノイド39aのオンオフ切替により、所定数(ここでは、23個)の遊技球が遊技機10の球封入貯留部20に取り込まれる。封入球式遊技機における遊技では、所定数の遊技球を反復使用することとなる。遊技球を反復使用するための構成については後述する。なお、補充用通路38内に取り込まれる遊技球を計数するカウンタを設けてもよい。
【0034】
図6は中枠の断面図、図7は図4のA−A線断面図、図8は図4のB−B線断面図である。図6〜図8に示すように、下枠部材34には、遊技盤40の遊技領域41に向けて封入球を発射する打球発射装置45や打球発射装置45から発射された封入球を遊技終了球およびファール球毎に区分して回収する球通路を形成する通路形成部材75が配設される。
【0035】
上下左右の枠部材33〜36により画成されて前後方向に開口する開口部には遊技盤40が着脱可能に配設されている。ここで、遊技終了球とは、打球発射装置45により遊技領域41に打ち出されて遊技に供された封入球をいう。ファール球とは、打球発射装置45から発射された封入球の内で遊技終了球に該当しないもの、すなわち打球発射装置45により発射されたものの遊技領域41に到達しなかった封入球をいう。なお、遊技終了球およびファール球を区別せずに単に封入球という場合がある。
【0036】
(遊技盤40について)
図4は下枠部材の拡大正面図である。図1〜図4に示すように、遊技盤40には発射通路40cが設けられている。発射通路40cの上端は遊技領域41の上部位置で開口し、発射通路40cの下端は遊技盤40の下端部における左寄り位置で下方に開口している。打球発射装置45により発射された封入球は、発射通路40cの下方開口を通って遊技領域41の上部位置に打ち出される。なお、遊技領域41に打ち出された封入球が入賞装置46に入賞すると、予め定められた所定の遊技得点が遊技者に付与されて、付与された遊技得点を加算して報知手段30に表示するよう設定されている。
【0037】
遊技盤40の裏側には、入賞装置には球通路が連通している。球通路は、入賞装置に入賞した封入球(以下、セーフ球という)を遊技盤40の下部位置へ案内して下方へ向かって排出落下させるよう構成されている。遊技盤40には、遊技領域41の最下部位置に前後に貫通するアウト口42が開設されており、入賞装置に入賞することなく遊技領域41を流下した封入球(以下、アウト球という)を、遊技盤40の裏側へ排出するよう構成されている。遊技終了球をセーフ球とアウト球とを総称していう場合がある。
【0038】
図2または図4に示すように、中枠12(下枠部材34)の右方に、発射制御手段108に配線接続された回転式の操作ハンドル15が配設されており、操作ハンドル15の回転操作に応じて発射制御手段108が打球発射装置45を作動するよう構成されている。
【0039】
打球発射装置45は、発射レール48と、発射レール48上にある封入球に当接して封入球を発射レール48の傾斜下端部で停止保持させるための球規制部材50とを有している。球規制部材50により発射レール48上で封入球が停止保持される位置を発射待機位置48aという場合がある。発射待機位置48aに封入球が停止保持されている状態で打球発射装置45により封入球が打ち出されるようになっている。
【0040】
発射レール48の上方位置には、ファール球貯留通路80(後述)の終端部に連通するファール球出口53が開設されている。ファール球出口53は、1個のファール球が通過可能な寸法に設定されており、ファール球貯留通路80の終端部に到来したファール球がファール球出口53を介して発射レール48上に移動して発射待機位置48aに停止保持されるようになっている。
【0041】
図3または図4に示すように、発射レール48と発射通路40cとの間には球戻り通路58が設けられている。球戻り通路58は、遊技領域41に発射されることなく発射通路40cを流下したファール球が流下するようになっている。
【0042】
球戻り通路58は、球戻り通路58に流下したファール球をファール球入口65に向けて下方傾斜するよう形成されている。ファール球入口65にはファール球貯留通路80が連通している。球戻り通路58及びファール球入口65は、ファール球をファール球貯留通路80に確実に誘導するよう構成される。
【0043】
図6〜図8に示すように、遊技終了球受け通路77およびファール球貯留通路80は、遊技終了球とファール球とを区分して回収し得るよう構成される。
【0044】
(遊技終了球受け通路77について)
図4〜図7に示すように、遊技終了球受け通路77は下枠部材34に設けられている。遊技終了球受け通路77は、アウト球を流入し得るようにアウト口42の下方に臨むように、また、セーフ球を流入し得るように放出口43の下方を臨むように形成されている。前枠13には球受け部25が形成されている。前枠13を中枠12に対して閉じたとき、球受け部25が遊技終了球受け通路77に連通するようになっている。遊技終了球受け通路77は、遊技領域41に発射された遊技終了球(封入球)を球封入貯留部20に案内する遊技終了球回収通路を構成している。
【0045】
(ファール球貯留通路80について)
図6または図8に示すように、ファール球貯留通路80は、ファール球入口(受入口)65とファール球出口53とを連通接続している。すなわち、打球発射装置45による封入球の発射時に遊技領域41に到達しなかったファール球は、球戻り通路58に流下してファール球入口65からファール球貯留通路80に移動すると共に、ファール球出口53を介して発射レール48の発射待機位置48aに移動するよう構成される。
【0046】
図8に示すように、ファール球をファール球出口53に送り込むための第2球送り装置85が配設されている。送り込まれたファール球は発射レール48上の待機位置で保持されることになる。
【0047】
〔封入球の動作〕
次に、遊技中の封入球の動作について図12を参照して説明する。
【0048】
操作ハンドル15が回転操作されると、発射制御手段108が第1球送り装置27を駆動制御して、球封入貯留部20に貯留された封入球が発射レール48上の発射待機位置48aに送出される。発射レール48上の発射待機位置48aに封入球が発射レール48に沿って打ち出され、球戻り通路58を通り超して遊技盤40の発射通路40cに封入球が飛翔する。
【0049】
封入球は、発射通路40cに沿って遊技領域41まで到達すると、遊技領域41内を流下し、遊技領域41を流下する過程で入賞装置に入賞したセーフ球は、遊技盤40の裏側を通って放出口43bから遊技盤40の下方に向けて排出される。また、入賞装置の入賞口に入賞することなく遊技領域41の最下部まで流下したアウト球は、アウト口42を介して遊技盤40の裏側に向けて排出される。
【0050】
遊技盤40の裏側に排出されたセーフ球およびアウト球(すなわち遊技終了球)は、遊技終了球受け通路77に沿って移動する。遊技終了球受け通路77上の遊技終了球は、球受け部25に受入れられて、最終的には球封入貯留部20の球収容空間22に再び貯留される。すなわち、第1球送り装置27の駆動により発射待機位置48aに送出されて打球発射装置45の駆動により遊技盤40の遊技領域41に一旦打ち出された封入球は、再び球封入貯留部20に貯留されて遊技に供し得るようになる。
【0051】
打球発射装置45の駆動により発射レール48に沿って打ち出されたものの、遊技領域41まで到達する勢いがない封入球は、球戻り通路58に流下してファール球となる。このファール球は、ファール球入口65を介してファール球貯留通路80に移動する。ファール球貯留通路80に移動したファール球は、停止保持されて貯留される。
【0052】
第2球送り装置85の駆動によりファール球がファール球出口53から発射レール48の上方に落下して発射待機位置48aに停止保持される。そして、停止保持されたファール球を打球発射装置45が打球し、ファール球が発射レール48に沿って打ち出され、球戻り通路58を通り超して遊技盤40の発射通路40cに封入球が飛翔する。
【0053】
打球発射装置45により発射されて遊技盤40の遊技領域41に到達して遊技に供された遊技終了球は遊技終了球受け通路77を介して球封入貯留部20に回収されて再び遊技に使用される。一方で、打球発射装置45により発射されて遊技盤40の遊技領域41に到達しなかったファール球は、球戻り通路58およびファール球貯留通路80に回収されて、第2球送り装置85の駆動により打球発射装置45の発射待機位置48aにファール球が移動する。
【0054】
(第1の排出動作について)
次に、遊技終了球の排出動作を行い、遊技終了球の排出動作終了後に、遊技機10内に封入球が残っているかどうかの判定を行い、封入球が残っていて判定結果が否定の場合にファール球の排出動作を行う第1の排出動作について、図16を参照して説明する。図16は、封入球の排出を開始してから封入球が遊技機10内に残っているときの報知までの一連の動作を示すフローチャートである。なお、図16では遊技終了球及びファール球を区別せずに遊技球として示す場合がある。
【0055】
図16に示すように、遊技終了球は球封入貯留部20に貯留されている。このとき、ストッパー部材91は排出路90内に進出していて、排出路90の入口は閉じられている。
【0056】
ソレノイド92をオンすると、ストッパー部材91が排出路90内から没入する。それにより、排出路90の入口が開く。入口が開くことにより、球封入貯留部20内の遊技終了球が排出路90を通って遊技機10の外部に排出される(ステップS101)。回収手段29は、排出路90から排出された遊技終了球を研磨機(図示省略)に移動させる。
【0057】
遊技終了球検出手段94は、排出路90を通る遊技終了球の数を検出する。カウント手段101は、遊技終了球検出手段94からの検出信号を基に排出される遊技終了球の数を計数する(ステップS102)。
【0058】
次に、判定手段は、計数された遊技終了球の数と所定数とを比較する(ステップS103)。計数された遊技終了球の数が所定数より少なくないとき(ステップS103:No)、遊技終了球の排出動作を終了する。排出された遊技終了球は回収手段29を通って研磨機に移動し、研磨される。すなわち、共用の研磨機を利用して遊技終了球を研磨することが可能となる。
【0059】
計数された遊技終了球の数が所定数より少ないとき(ステップS103:Yes)、ファール球の排出動作を行う。
【0060】
すなわち、第2球送り装置制御手段107が第2球送り装置85に制御信号を出力し、制御信号を受けて、第2球送り装置85は駆動を開始し、ファール球貯留通路80内のファール球をファール球出口53に移動させる(ステップS104)。それにより、ファール球はファール球出口53から発射レール48上の発射待機位置48aに移動する。
【0061】
次に、発射制御手段108が打球発射装置45を作動する(ステップS105)。この際、操作ハンドル15の回転操作に関係なく自動的に打球発射装置45によりファール球が遊技領域41に打ち出される。
【0062】
遊技領域41に打ち出されたファール球が入賞装置46に入賞すると(ステップS106:Yes)、入賞信号が制御手段100に入力されるが、カウント無効制御手段104は、入賞信号を入賞球として計数せず、入賞球数を無効とする(ステップS110)。
【0063】
入賞装置46に入賞したファール球は、遊技盤40の裏面側を通って放出口43bから球受け部25に流れる。また、入賞装置46に入賞しなかったファール球は、アウト口42から球受け部25に流れる。ファール球は球受け部25から球封入貯留部20に移動する。このとき、排出路90の入口は開いた状態にあり、ファール球は排出路90に流れ、回収手段29から研磨機に移動し、研磨される。
【0064】
以上により、ファール球の排出を終了するが、続けて、以下の処理を行うことで、球詰まりの点検作業を確実に行うことが可能となる。
遊技終了球検出手段94は、排出路90を通るファール球の数を検出する。カウント手段101は、遊技終了球検出手段94からの検出信号を基に排出された封入球(遊技終了球及びファール球の総計)の数を計数する(ステップS107)。なお、排出路90を通る封入球数の計数については、ファール球と遊技終了球とをそれぞれ独立して行わず、同一のカウント手段101により行う。
【0065】
次に、判定手段は、計数された封入球の数と所定数とを比較する(ステップS108)。計数された遊技終了球の数が所定数より少なくないとき(ステップS108:No)、遊技終了球の排出動作を終了する。計数された遊技終了球の数が所定数より少ないとき(ステップS108:Yes)、報知手段30は、遊技球が遊技機10内部に残っている旨を報知する(ステップS109)。報知手段30がこの報知をしたとき、遊技領域41等にファール球が詰まっている場合がある。報知手段30による報知を受けて、係員は例えば前枠13を空けて、球詰まりを点検する。それにより、遊技機10内部から封入球を確実に排出することが可能となるとともに、球詰まりの点検作業を簡単に行うことができる。
【0066】
(第2の排出動作について)
次に、遊技終了球及びファール球の各排出動作を行い、両方の排出操作終了後に、遊技機10内に封入球が残っているかどうかの判定を行い、封入球が残っていて判定結果が否定の場合に、判定結果の報知を行う第2の排出動作について図17を参照して説明する。図17は封入球の排出を開始してから封入球が遊技機10内に残っているときの報知までの一連の動作を示すフローチャートである。なお、図17では遊技終了球及びファール球を区別せずに遊技球として示す場合がある。
【0067】
図17に示すように、先ず、遊技終了球の排出動作を行い(ステップS201)。次に、封入球が遊技機10内に残っているかどうかの判定を行わず、ファール球の排出動作を行う(ステップS202)。
【0068】
次に、第2球送り装置制御手段107が第2球送り装置85に制御信号を出力して、ファール球の排出を開始する。すなわち、制御信号を受けて、第2球送り装置85は駆動を開始し、ファール球貯留通路80内のファール球をファール球出口53に移動させる(ステップS203)。それにより、ファール球はファール球出口53から発射レール48上の発射待機位置48aに移動する。
【0069】
次に、発射制御手段108が打球発射装置45を作動する(ステップS204)。この際に、操作ハンドル15の回転操作に関係なく自動的に打球発射装置45によりファール球が遊技領域41に打ち出される。
【0070】
遊技領域41に打ち出されたファール球が入賞装置46に入賞すると(ステップS205:Yes)、入賞信号が制御手段100に入力されるが、カウント無効制御手段104は、入賞信号を入賞球として計数せず、入賞球数を無効とする(ステップS209)。
【0071】
入賞装置46に入賞したファール球は、遊技盤40の裏面側を通って放出口43bから球受け部25に流れる。また、入賞装置46に入賞しなかったファール球は、アウト口42から球受け部25に流れる。ファール球は球受け部25から球封入貯留部20に移動する。このとき、排出路90の入口は開いた状態にあり、ファール球は排出路90に流れ、回収手段29から研磨機に移動し、研磨される。以上により、ファール球の排出を終了する。
【0072】
次に、遊技終了球検出手段94は、排出路90を通る封入球(遊技終了球及びファール球)の数を検出する。カウント手段101は、遊技終了球検出手段94からの検出信号を基に排出された封入球の数を計数する(ステップS206)。なお、排出路90を通る封入球数の計数については、ファール球と遊技終了球とをそれぞれ独立して行わず、同一のカウント手段101により行う。
【0073】
次に、判定手段は、計数された封入球の数と所定数とを比較する(ステップS207)。計数された封入球の数が所定数より少なくないとき(ステップS207:No)、遊技終了球の排出動作を終了する。計数された封入球の数が所定数より少ないとき(ステップS207:Yes)、報知手段30は、封入球が遊技機10内部に残っている旨を報知する(ステップS208)。報知手段30がこの報知をしたとき、遊技領域41等に封入球が詰まっている場合がある。報知手段30による報知を受けて、係員は例えば前枠13を空けて、球詰まりを点検する。それにより、遊技機10内部から封入球を確実に排出することが可能となるとともに、球詰まりの点検作業を簡単に行うことができる。
【0074】
なお、実施形態では、第2球送り装置85により、ファール球通路(ファール球貯留通路80)を打球発射装置45から切り離されていた状態から打球発射装置45に連通(接続)させた状態に切り替え、ファール球を発射待機位置48aに移動させ、遊技領域41に打ち出して遊技終了球として処理する。また、第1遊技球排出手段(ストッパ−部材91及びソレノイド92等)により、遊技終了球通路を打球発射装置45に接続されていた状態から遊技機10の外部に接続させた状態に切り替え、遊技終了球となったファール球を遊技終了球通路に通してから遊技機10の外部に排出させるようにしたが、これに限らない。例えば、ファール球を遊技機10の外部に排出させるためのファール球排出手段をファール球貯留通路80に接続させ、ファール球排出手段のファール球が通る通路の入口を開閉制御するようにしてもよい。なお、排出されたファール球の数をカウントするために、ファール球排出手段の通過に、ファール球を検出するための検出手段を設ければよい。
【0075】
また、実施形態では、ファール球通路を球戻り通路58とファール球貯留通路80とから構成したが、これに限られるものではなく、遊技終了球とは別経路でファール球を回収し得る構成であれば任意の経路で形成することができる。
【0076】
また、ファール球貯留通路80に貯留されているファール球を検出するファール球検出手段、及び例えば点灯することにより、ファール球の存在を遊技者に報知するためのファール球表示部を設けてもよい。ファール球貯留通路80にファール球が残っている状態で遊技者が遊技を終了してしまうことも防止できる。ファール球検出手段としては、球を検出し得るものであれば、近接センサや光学式センサ等の非接触型の検出手段や、マイクロスイッチ等の接触型の検出手段、その他従来公知の各種手段を採用できる。
【0077】
実施形態においては、遊技機10を島設備に設置し、遊技機10から排出された封入球を、島設備に設けられた共用の研磨機により研磨したが、島設備を有しないゲームセンター等の遊技場に遊技機10を設置してもよい。このとき、遊技機10から排出された封入球を、遊技場内外に設けられた研磨機で研磨すればよい。
【符号の説明】
【0078】
10 遊技機 11 外枠 12 中枠 13 前枠 14 ガラス板
15 操作ハンドル
20 球封入貯留部 21 球皿本体部 22 球収容空間 23 蓋部材
25 球受け部 27 第1球送り装置 29 回収手段
30 報知手段 33 上枠部材 34 下枠部材 35 左枠部材
36 右枠部材 37 上部タンク 38 補充用通路 39 ストッパー
39a ソレノイド
40 遊技盤 40c 発射通路 41 遊技領域 42 アウト口
43b 放出口 45 打球発射装置 46 入賞装置 48 発射レール
48a 発射待機位置
50 球規制部材 53 ファール球出口 58 球戻り通路(ファール球通路)
65 ファール球入口
75 通路形成部材 77 遊技終了球通路
80 ファール球貯留通路(ファール球通路)
85 第2球送り装置(第2遊技球排出手段)
90 排出路(第1遊技球排出手段) 91 ストッパー部材(第1遊技球排出手段)
92 ソレノイド(第1遊技球排出手段) 94 遊技終了球検出手段
100 制御手段 101 カウント手段 102 判定手段
103 ファール球排出制御手段 104 カウント無効制御手段
105 表示制御手段 106 第1球送り装置制御手段
107 第2球送り装置制御手段 108 発射制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域と、前記遊技領域に遊技球を発射させる打球発射装置と、前記遊技領域に発射された遊技球を前記打球発射装置に案内するための遊技終了球通路とを有し、遊技機の内部に封入された所定数の遊技球を遊技中に反復使用するように構成した遊技機において、
前記封入された遊技球を遊技機の外部に排出するための遊技球排出手段と、
前記遊技球排出手段により遊技機の外部に排出された遊技球を計数するカウント手段と、
前記計数された遊技球の数と前記所定数とが一致するかどうかを判断する判定手段と、
前記一致しないと前記判定手段が判断したとき、前記遊技機の内部に遊技球が残っている旨を報知する報知手段と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技領域に達しなかった遊技球を収容するファール球通路をさらに有し、
前記遊技球排出手段は、前記封入された遊技球を遊技機の外部に排出するとき、前記ファール球通路内の遊技球も遊技機の外部に排出する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技終了球通路を前記打球発射装置に接続させる第1状態と、前記遊技機の外部に接続させる第2状態とに切り替えるとともに、前記ファール球通路を前記打球発射装置から切り離す第3状態と、前記打球発射装置に接続させる第4状態とに切り替える通路切替手段をさらに有し、
前記遊技球排出手段は、
前記ファール球通路内の遊技球を前記打球発射装置により前記遊技領域に発射させ、当該発射させた遊技球を遊技機の外部に排出させるように、前記通路切替手段を制御して、前記遊技終了球通路を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるとともに、前記ファール球通路を前記第3状態から前記第4状態に切り替えることにより、通常の遊技球の排出と共にファール球の排出も行うように制御するファール球排出制御手段を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−170727(P2012−170727A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37044(P2011−37044)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】