説明

遊技機

【課題】遊技者の姿勢や遊技者固有の特性に依存する立体視画像の視認特性に対応した立体視画像の視差の調整ができる遊技機を提供すること。
【解決手段】画像表示器に立体視画像を表示させて、ボールオブジェクトの視差量を徐徐に変化させて遊技者に視認させ、遊技者の演出ボタンの押下操作に基づいて、当該遊技者が認識する立体度合いに関する視認特性を取得し、この視認特性に基づいて、画像表示器に表示される立体視画像の視差量を設定する。そして、設定された視差量に基づいた立体視画像によって以後の演出を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示器を有するパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、裸眼で立体視可能な画像(裸眼立体視画像)を表示する画像表示器を搭載した遊技機が存在する。この様に裸眼立体視画像を画像表示器に表示する場合、左目用画像が遊技者の左目に見え右目用画像が遊技者の右目に見える範囲に遊技者が位置する必要があるので、遊技者が立体視できる位置(範囲)は限定される。そこで、上記した立体視できる位置に遊技者が着席して裸眼立体視画像を見るように、画像表示器と遊技者との位置関係を調整する遊技機が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された遊技設備では、遊技領域を含む遊技機前面部分に標識手段を設け、椅子に座った遊技者が、頭を上下左右に動かすことによって、画像表示器の画像を立体視できる位置を上記標識手段との位置関係で微調整可能となっている。ここで、上記椅子の座面部及び背面部の位置は、着座した遊技者が上半身背面(背中)を当接部に当接した状態で頭を動かすことによって微調整できる位置に調整されて設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−66779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の遊技設備では、標識手段と椅子の位置とによって遊技者の位置(姿勢)は固定的に定まってしまう。ここで、一般に、遊技者は、長時間同じ姿勢をとることは無く、遊技中において、前屈みになったり、後ろに反ったり、更には左右に傾いたりする。このことから、遊技者が、上記した固定的に定まる位置(姿勢)を長時間維持することは困難と考えられる。また、立体視は一種の錯覚を利用したものであるため、遊技者が立体視できる立体視画像の視差の大きさには、遊技者毎にバラツキがある。例えば、同じ視差で表示されるオブジェクトでも、或る遊技者は立体視でき、或る遊技者は視差が大きすぎて立体視できず2つのオブジェクトとして視認する場合がある。更には、立体視は一種の錯覚を利用したものであるため、遊技者毎に、立体視画像の心地よい視差の範囲は異なる。以上のことから、上記した従来の遊技設備では、遊技者の姿勢や遊技者固有の特性に依存する立体視画像の視認特性に対応した調整をすることはできなかった。
【0006】
それ故に、本発明の主要な目的は、遊技者毎に適切に立体視画像の視差の調整ができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
立体視表示可能な画像表示器(21)を有する遊技機(1)であって、前記画像表示器に左目用画像及び右目用画像から成る立体視画像を表示させる表示制御手段(500)と、前記表示制御手段によって前記画像表示器に表示された立体視画像(152、160)を、左目用画像と右目用画像との差異の程度を示す視差量を時間経過とともに変化させて遊技者(154)に視認させる視差量変化手段(500:S202、S206)と、前記遊技者の操作を受け付ける操作手段(57)と、前記操作手段よって受け付けられた前記遊技者の操作に基づいて、当該遊技者が認識する立体度合いに関する視認特性を取得する視認特性取得手段(400、500:S210)と、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記画像表示器に表示される立体視画像の視差量を設定する視差量設定手段(400、500:S210)とを備え、前記表示制御手段は、前記視差量設定手段によって設定された視差量に基づいて、前記画像表示器に立体視画像を表示させる。
【0008】
また、前記視差量変化手段は、演出の一環として立体視画像の前記視差量を時間経過とともに変化させて遊技者に視認させてもよい(図3等)。
【0009】
また、所定の抽選を順次実行する抽選手段(100:S4)を備え、前記表示制御手段は、演出を交えて前記所定の抽選の結果を報知する、立体視画像による複数の演出画像を、前記画像表示器に順次表示させ(S106、S107)、前記視差量変化手段は、前記複数の演出画像のうち所定の演出画像において、立体視画像の前記視差量を徐時間経過とともに変化させ、前記視差量設定手段は、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記表示制御手段によって前記画像表示器に順次表示される前記複数の演出画像の前記視差量の設定を更新してもよい(S210)。
【0010】
また、前記遊技者に対して、当該遊技者が立体視できる前記視差量の範囲に関する視認範囲情報を取得するための通知を行う第1通知手段(500、21:S202)を備え、前記視認特性取得手段は、前記操作手段によって受け付けられた、前記通知を受けた遊技者の前記操作のタイミングに基づいて、当該遊技者の視認範囲情報を前記視認特性として取得し(S210:図3参照)、前記視差量設定手段は、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記遊技者が立体視できる前記視差量の範囲内で、前記画像表示器に表示される前記立体視画像の前記視差量を設定してもよい(S210)。
【0011】
また、前記画像表示器の画面よりも遊技者側に少なくとも一部が位置する役物(22)と、前記遊技者に対して、前記視差量が変化する立体視画像(160)を当該遊技者が前記役物との位置関係において前後方向の所定位置に視認する当該立体視画像の視差を示す視認位置情報を取得するための通知を行う第2通知手段(500、21:S206)とを備え、前記視認特性取得手段は、前記操作手段によって受け付けられた、前記通知を受けた遊技者の前記操作のタイミングに基づいて、当該遊技者の前記視認位置情報を前記視認特性として取得し(S210:図8参照)、前記視差量設定手段は、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記遊技者に視認させるべき立体度合いで、前記画像表示器に表示される前記立体視画像の前記視差量を設定してもよい(S210)。
【0012】
また、前記視差量変化手段によって立体視画像の前記視差量が変化した際の所定の期間に、前記操作手段よって遊技者の操作が受け付けられた場合(S209でNO)、前記視差量設定手段は、前記画像表示器に表示される立体視画像の前記視差量を、初期値に設定してもよい(S211)。
【0013】
また、前記視差量変化手段によって立体視画像の前記視差量が変化した際の所定の期間に前記操作手段よって遊技者の操作が受け付けられた場合(S209でNO)、前記画像表示器に表示される立体視画像の前記視差量を調整することを遊技者に通知する第3通知手段(500、21:図15参照)を備え、前記視差量変化手段は、前記第3通知手段による通知が行われた場合、前記画像表示器に表示された立体視画像の前記視差量を、再度徐徐に変化させて前記遊技者に再度視認させてもよい(図14参照)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技者毎に適切に立体視画像の視差の調整ができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図
【図2】遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図
【図3】野球ステージにおいて、遊技者毎に適した立体視画像の視差(視差量)を調整するために実行される調整演出について説明するための図
【図4】図3(2)に示す徐徐に飛び出してくる位置A〜Hのボール152にそれぞれ対応する立体視画像について説明するための模式図
【図5】遊技者が立体視できる視差量について説明するための模式図
【図6】遊技者毎に設定される視差量について説明するための図
【図7】野球ステージにおいて、遊技者毎に適した立体視画像の視差(視差量)を調整するために実行される調整演出について説明するための図
【図8】バスケットステージにおいて、遊技者毎に適した立体視画像の視差(視差量)を調整するために実行される調整演出について説明するための図
【図9】バスケットステージにおいて、遊技者毎に適した立体視画像の視差(視差量)を調整するために実行される調整演出について説明するための図
【図10】初期設定に設定される視差量について説明するための図
【図11】メイン制御部100によって行われるメイン処理の一例を示すフローチャート
【図12】演出制御部400によって行われる演出制御処理の一例を示すフローチャート
【図13】図12のステップS106で開始される調整演出についての詳細フローチャートの一例
【図14】図13のフローチャートの変形例
【図15】遊技者に対して立体度合いの調整が明示されて実行される調整画像の表示の例
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1ついて説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
【0017】
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。
【0018】
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。
【0019】
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図2参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
【0020】
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器21が配設されている。画像表示器21は、視差バリア(パララックスバリア)によって、裸眼の遊技者に対して立体視画像を表示可能な表示装置である。すなわち、画像表示器21は、視差バリアによって、遊技者の左目に左目用画像を遊技者の右目に右目用画像を視認させ、立体視画像を表示する。この視差バリア方式についての詳しい説明は省略する。なお、画像表示器21は、上記視差バリア方式に限らず、例えば、レンチキュラー方式によって立体視画像を表示可能にする表示装置であってもよい。画像表示器21は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当たり抽選)の結果を遊技者に報知したり、図3等を用いて後述する所定の予告演出を表示したり、特別図柄抽選結果報知の実行が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示器21は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、視差を用いて立体視画像を表示できるものであれば他の任意の表示装置を利用してもよい。
【0021】
また、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、本実施形態ではバスケットボール競技のゴールを模した役物であり、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて所定の動作を行うことによって演出を行う。なお、可動役物22の具体的動作については、図8等を用いて後述する。盤ランプ23は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
【0022】
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口25a、第2始動口25b、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
【0023】
第1始動口25aおよび第2始動口25bは、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第1始動口25aは、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または後述する表示器3の所定部分を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口25bは、上記特別電動役物(大入賞口28)および/または後述する表示器3の所定部分を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記電動チューリップ26の開閉抽選)が始動する。
【0024】
第2始動口25bは、第1始動口25aの下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口25bへ入らない状態となる。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口25bへ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間開き、規定回数だけ開閉する。
【0025】
大入賞口28は、第2始動口25bの下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、29.5秒経過又は遊技球9個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。なお、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
【0026】
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。
【0027】
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口25a又は第2始動口25bに遊技球が1個入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
【0028】
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、および皿59等が設けられている。
【0029】
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図2参照)が遊技球を電動発射する。皿59は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
【0030】
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
【0031】
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿59に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図2参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図2参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
【0032】
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図2を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図2は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
【0034】
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
【0035】
メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果を遊技者に報知するための演出(装飾図柄変動演出)において、遊技者に特別図柄抽選に当選したことを期待させるリーチ演出を実行するか否かを決定し、又、装飾図柄変動演出の実行時間(10秒、30秒、60秒、90秒など)を決定し、これらの決定データを演出制御部400に送る。
【0036】
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口25aへ入賞したときの特別図柄抽選の結果の報知保留回数、遊技球が第2始動口25bへ入賞したときの特別図柄抽選の結果の報知保留回数、および遊技球がゲート27を通過したときの普通図柄抽選の結果の報知保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
【0037】
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過又は遊技球9個の入賞)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、15回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
【0038】
メイン制御部100は、第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
【0039】
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
【0040】
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器3が接続されている。
【0041】
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口25aへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口25bへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
【0042】
また、メイン制御部100は、第1始動口25a等への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、表示器3の所定部分に表示する。メイン制御部100は、特別図柄抽選結果報知を保留している保留回数を、表示器3の所定部分に表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、表示器3の所定部分に表示する。そして、メイン制御部100は、普通図柄抽選結果報知を保留している保留回数を、表示器3の所定部分に表示する。
【0043】
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶しており、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
【0044】
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御して遊技球を発射させる。
【0045】
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶しており、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて払出駆動部311を制御して、指定数の遊技球を払い出させる。
【0046】
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン57が接続され、遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン57から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶しており、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
【0047】
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57が押下操作された場合、当該操作に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、実行する演出内容として、図3等を用いて後述する調整演出を設定する場合もある。
【0048】
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像(立体視画像および平面的に視認される画像)および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶しており、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
【0049】
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示器21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、遊技者に特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄の画像、特別図柄抽選に当選したことを遊技者に期待させる予告を行う予告演出を表示するための画像および各種背景画像等を、画像表示器21に表示するための画像データが記憶されている。ここで、画像音響制御部500は、画像表示器21を制御して画像表示器21に立体視画像及び平面的に視認される画像(以下、平面視画像という)を表示させる。また、画像音響制御部500は、図3等を用いて後述する調整演出によって決定(設定)される視差(視差量)に基づいて、立体視画像を画像表示器21に表示させる。ここで、視差とは、或るオブジェクトを左目の視点から見たときの見え方と、このオブジェクトを右目の視点から見たときの見え方との差異である。そして、立体視画像における視差とは、或るオブジェクトの左目用画像での見え方(位置、更にはアングル)と、このオブジェクトの右目用画像での見え方(位置、更にはアングル)との差異であり、立体視画像における視差量とは、この差異の大きさである。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示器21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、装飾図柄画像変動、キャラクタ/アイテム表示、および保留画像表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示器21に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
【0050】
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶しており、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
【0051】
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ROM602には、演出制御部400によって設定される演出内容に応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
【0052】
[本実施形態による特徴的動作の概要]
本実施形態の遊技機1は、演出のステージとして、野球競技を題材とした演出を行う野球ステージと、バスケットバール競技を題材とした演出を行うバスケットステージとを実行する。野球ステージとバスケットステージとは、遊技の進行によって切替えられてもよいし、遊技者による演出ボタンの操作によって切替えられてもよい。また、遊技機1は、野球ステージ及びバスケットステージにおいて、立体視画像及び平面視画像による演出を行う。そして、本実施形態では、立体視画像を用いた後述する調整演出を実行することによって、当該演出を遊技者に楽しませながら、立体視画像の視差を、個々の遊技者に適したものに調整する。以下では、本実施形態による特徴的動作の概要について、図3〜図10を用いて具体的に説明する。
【0053】
図3は、野球ステージにおいて、遊技者毎に適した立体視画像の視差(視差量)を調整するために実行される調整演出について説明するための図である。この調整演出は、遊技機1が実行する複数の予告演出のうちの1つである。なお、予告演出とは、遊技者に特別図柄抽選に当選(つまり、大当たり)したことを期待させる予告を行う演出であり、例えば、予告演出に続いてリーチ演出(大当たりしたことを期待させる演出であり、典型的には3つの装飾図柄のうち2つが同じ図柄で揃う演出)が実行される場合もある。
【0054】
まず、野球ステージにおいて、装飾図柄153の変動表示(装飾図柄変動演出)が開始された際に調整演出が実行されると、図3(1)に示すように、通常は画像表示器21の画面149の中央に大きく表示されている装飾図柄153は、右下に縮小表示される。そして、ピッチャーのオブジェクト150がバッターのオブジェクト151に対してボールのオブジェクト152を投げる演出表示が実行される。この演出表示は、立体視画像による表示である。具体的には、ピッチャーのオブジェクト150(以下、ピッチャー150という)は画面149よりも奥に在るように視認される。また、図3(2)に示すように、バッターのオブジェクト151(以下、バッター151という)は画面149よりも手前に在るように視認され、ボールのオブジェクト152(以下、ボール152という)は画面149よりも奥から徐徐に手前に飛び出してきてくるように視認される。
【0055】
図4は、図3(2)に示す徐徐に飛び出してくる位置A〜Hのボール152にそれぞれ対応する立体視画像について説明するための模式図である。なお、図4には、他のオブジェクト(バッター151等)は示していない。図4の(A)〜(H)は、それぞれ、図3の位置A〜Hのボール152に対応している。また、図4の(A)〜(H)は、遊技者154の左目に見せる左目用画像と、遊技者154の右目に見せる右目用画像と、左目用画像と右目用画像とを実質的に同一領域に表示した立体視画像を示している。図4の(A)〜(H)において、左目用画像、右目用画像および立体視画像には、左右方向の中央を示す一点鎖線を記載し、説明の便宜のために、ボール152が立体視画像の中央位置において飛び出してくるものとする。また、図4の(A)〜(H)において、左目用画像のボール152は実線で表し、右目用画像のボール152は点線で表している。
【0056】
図4(A)は、図3(2)に示す位置Aのボール152に対応する左目用画像、右目用画像及び立体視画像を示している。図4(A)に示すように、ボール152は、左目用画像において中央よりも左側に表示され、右目用画像において中央よりも右側に表示される。このことによって、視差が生じて、図4(A)において遊技者の両目の焦点位置は画面149よりも奥の位置となり、遊技者は、図3(2)の位置Aにボール152が在るように視認(立体視)することとなる。
【0057】
図4(B)は、図3(2)に示す位置Bのボール152に対応する左目用画像、右目用画像及び立体視画像を示している。図4(B)に示すように、ボール152は、左目用画像において図4(A)の位置よりも少し右に移動して表示され、右目用画像において図4(A)の位置よりも少し左に移動して表示される。このことによって、視差は図4(A)よりも少し減少して、遊技者は、図3(2)の位置Bにボール152が在るように視認することとなる。なお、図4(B)において、遊技者の両目の焦点位置は画面149よりも奥の位置となる。
【0058】
図4(C)は、図3(2)に示す位置Cのボール152に対応する左目用画像、右目用画像及び立体視画像を示している。図4(C)に示すように、ボール152は、左目用画像において図4(B)の位置よりも少し右に移動して左目用画像の中央に表示され、右目用画像において図4(B)の位置よりも少し左に移動して右目用画像の中央に表示される。このことによって、視差は図4(B)よりも少し減少して無くなり、遊技者は、図3(2)の位置C(つまり、画面149上)にボール152が在るように視認することとなる。なお、図4(C)において、遊技者の両目の焦点位置は画面149上となる。
【0059】
図4(D)は、図3(2)に示す位置Dのボール152に対応する左目用画像、右目用画像及び立体視画像を示している。図4(D)に示すように、ボール152は、左目用画像において図4(C)の位置よりも少し右に移動して左目用画像の中央よりも少し右側に表示され、右目用画像において図4(C)の位置よりも少し左に移動して右目用画像の中央よりも少し左側に表示される。このことによって、視差が生じて、図4(D)において遊技者の両目の焦点位置は画面149よりも手前の位置となり、遊技者は、図3(2)の位置Dにボール152が在るように視認することとなる。
【0060】
同様に、図4(E)〜(H)は、図3(2)に示す位置E〜Hのボール152に対応する左目用画像、右目用画像及び立体視画像をそれぞれ示している。図4(E)〜(H)から解るように、ボール152は、左目用画像において徐徐に右に移動して表示され、右目用画像において徐徐に左に移動して表示される。このことによって、視差が大きくなって、遊技者の両目の焦点位置は画面149よりも徐徐に大きく手前の位置となり、遊技者は、図3(2)の位置Eから位置Hにボール152が飛び出して来るように視認することとなる。
【0061】
以上のように、視差量を変化させることによって、遊技者は、ボール152が画面149よりも奥から徐徐に手前に飛び出してきてくるように視認することとなる。なお、図4(A)〜(H)において、ボール152の画像は、近づいてくることを表すために、徐徐に大きくなっている。
【0062】
ここで、既に説明したように、遊技者の姿勢は様々であり、立体視は一種の錯覚を利用したものなので、立体視できる視差量の範囲は遊技者毎に異なり、又、心地よく立体視できる視差量の範囲は遊技者毎に異なる。図5は、遊技者が立体視できる視差量について説明するための模式図である。或る遊技者は、図5(1)に示すように、図3(2)の位置Fのボール152は立体的に視認でき、位置Fよりも視差の大きい位置Gのボール152は立体的に視認できず、画面149上に在る二つのボールとして視認してしまう。また、他の遊技者は、例えば、図5(2)に示すように、図3(2)の位置Gのボール152は立体的に視認でき、位置Gよりも更に視差の大きい位置Hのボール152は立体的に視認できず、画面149上に在る二つのボールとして視認してしまう。この様に、立体視できる視差量の範囲は遊技者毎に異なる。また、遊技者は、立体的に視認できなくなる直前の画像(例えば、上記前者の遊技者の場合は位置Fのボール152の画像)を視認する際には違和感を覚える場合がある。このことから、立体視できる視差量の範囲は遊技者毎に異なるので、遊技者が心地よく立体視できる視差量の範囲も遊技者毎に異なることとなる。また、遊技者の姿勢も、上記した遊技者が立体視できる視差量の範囲及び遊技者が心地よく立体視できる視差量の範囲に影響を及ぼす。例えば、ボール152が画面149より手前に視認される視差で立体視表示された場合を考える。この場合において、遊技者が顔を画面149に近付けた姿勢で遊技している状態では、遊技者の両目の焦点は比較的遊技者の顔(両目)に近い位置となり、一方で、遊技者が顔を画面149から遠ざけた姿勢で遊技している状態では、遊技者の両目の焦点は比較的遊技者の顔(両目)から遠い位置となる。つまり、同じ立体視画像(同じ視差の画像)を見ている場合において、遊技者が顔を画面149に近付けていると、焦点位置が顔に近くなりすぎて心地よく立体視できない場合があり、更には、立体視自体ができない場合がある。
【0063】
説明は図3に戻り、図3(1)に示すように、野球ステージにおける調整演出において、例えば、「ボールがよく見える範囲で、できるだけ手前までボール引きつけてボタンを押せ!!」というメッセージが表示される。遊技者は、このメッセージに従って、画面149の奥から手前に徐徐に飛び出して来るように視認されるボール152を注視し、自分がボール152を明確に立体的に視認できる範囲で、できるだけ待って(できるだけ手前まで引きつけて)、演出ボタン57を押下する。言い換えると、遊技者は、ボール152を立体視できなくなりかけた瞬間(図5参照)又は立体視できているボール152に違和感を覚えた瞬間に、演出ボタン57を押下する。このことから、遊技機1は、遊技中の遊技者が少なくとも違和感を覚える立体度合いを示す情報(視認範囲情報の一例)を、この遊技者の視認特性として得ることができる。遊技機1は、この情報(視認特性)を用いて、画像表示器21に表示させる立体視画像の視差を、遊技中の遊技者に合わせた視差に調整して、以後の演出を行う。
【0064】
例えば、図3(2)において、遊技者154が、ボール152が位置Fまで飛び出した時に演出ボタンを押した場合を考える。この場合、遊技機1は、以後の演出で画像表示器21に表示させる立体視画像の飛び出して見せる視差の最大値を、ボール152が位置Fまで飛び出した時の視差よりも所定量小さいものとし、又、引っ込んで見せる視差の最大値を、上記飛び出して見せる視差の最大値に対応したものとする。具体的には、図6に示すように、以後の演出において、立体視画像の最も飛び出して視認される位置(最大飛び出し位置)を、位置Fよりも所定量小さい位置とし、立体視画像の最も引っ込んで視認される位置(最大奥行き位置)を、上記最大飛び出し位置に対応した位置とする。なお、画面149と最大奥行き位置との視認距離と、画面149と最大飛び出し位置との視認距離とは同一でなくてもよい。また、最大奥行き位置は、演出ボタンを押した遊技者が、最大奥行き位置に視認するオブジェクトを心地よく立体視できると推定される位置であって、できるだけ奥の位置が好ましい。ここで、上記推定は、心地よく立体視できる手前及び奥の範囲について、統計を取ることによって可能となる。
【0065】
以上のように、遊技機1は、画像表示器21に表示させる立体視画像の視差量の範囲を、遊技中の遊技者に合わせた視差量の範囲に調整して以後の演出を行う。このことによって、遊技機1は、遊技者の姿勢及び遊技者固有の立体視特性に応じて異なる、遊技者の心地よいと感じる立体度合いの範囲(視差量の範囲)全体を用いて、立体視画像を用いた演出を実行することができる。
【0066】
遊技機1は、野球ステージの調整演出において、以上に説明した立体視画像の視差量の範囲を調整した後に、図7を用いて説明する演出を実行する。遊技機1は、抽選によってリーチ演出を実行すると決定した場合、図7(1)に示すように、装飾図柄153をリーチの状態にし、又、バッター151がボール152を打ってホームランにする演出表示を画像表示器21に行わせて、リーチ演出を実行する。なお、リーチ演出の後には、大当たりが報知されて大当たり遊技演出が実行される場合と、ハズレが報知されて次の装飾図柄変動演出が実行される場合とがある。一方、遊技機1は、抽選によってリーチ演出を実行せずハズレを報知すると決定した場合、図7(2)に示すように、装飾図柄153をハズレ確定の状態にし、又、バッター151がボール152を打って内野ゴロにする演出表示を画像表示器21に行わせて、ハズレ確定を報知する。その後、次の装飾図柄変動演出が実行される。
【0067】
この様に、本実施形態では、予告演出の1つのタイプとして野球ステージの調整演出を実行して、遊技者に予告演出を楽しませつつ、遊技者毎に適した立体度合い(視差量)を調整することができる。
【0068】
図8は、バスケットステージにおいて、遊技者毎に適した立体視画像の視差(視差量)を調整するために実行される調整演出について説明するための図である。この調整演出は、遊技機1が実行する複数の予告演出のうちの1つである。
【0069】
まず、バスケットステージにおいて、装飾図柄153の変動表示(装飾図柄変動演出)が開始された際に調整演出が実行されると、図8(1)に示すように、通常は画像表示器21の画面149の中央に大きく表示されている装飾図柄153は、左下に縮小表示される。同時に、バスケットボール競技のゴールの形状をした可動役物22が、画面149の前面に移動する。そして、バスケットボールのオブジェクト160が、ゴール形状の可動役物22に向けてシュートされる立体視画像による演出表示が実行される。具体的には、バスケットボールのオブジェクト160(以下、ボール160という)は、可動役物22に近づくにつれて、図8(2)に示すように、画面149上から徐徐に手前に飛び出してくるように視認される。
【0070】
また、図8(1)に示すように、画面149には、例えば「ゴールに入る位置までボールが飛び出したら、ボタンを押せ!!」というメッセージが表示される。遊技者は、このメッセージに従って、画面149上から手前に徐徐に飛び出して来るように視認されるボール160を注視し、ボール160が可動役物22(ゴールのリング部分)に入る位置まで飛び出したと視認した時点で、演出ボタン57を押下する。なお、可動役物22のリング部分の中心は、大多数の遊技者がこの中心位置まで飛び出したボール160を心地よく立体視できる位置に設定されており、本実施形態では、画面149から7cm手前に配置される。
【0071】
ここで、画面149から7cm手前に位置すると視認(認識)するボール160の視差は、遊技者の姿勢や遊技者固有の特性による遊技者の視認特性によって異なる。例えば、或る遊技者が標準的な姿勢で遊技している状態においてボール160を画面149から7cm手前の位置に視認していても、この遊技者が顔を画面149に近付けた(又は遠ざけた)姿勢に変えた場合、ボール160の画面149からの視認位置は変化してしまう。また、同じ姿勢であっても、或る遊技者に画面149から7cm手前にボール160が視認される視差は、他の遊技者には画面149から5cm手前にボール160が視認される視差である場合もある。
【0072】
上記のことから、遊技機1は、遊技中の遊技者が画面149から7cm手前にボール160を視認する視差(遊技者の視認特性が考慮された視差)を示す情報(視認位置情報の一例)を、この遊技者の視認特性として得ることができる。遊技機1は、この情報を用いて、画像表示器21に表示させる立体視画像の視差量を、遊技中の遊技者に合わせた視差量に調整して、以後の演出を行う。より具体的には、遊技機1は、この情報を用いて、或るオブジェクトを遊技中の遊技者に5cm飛び出して視認させたい場合には当該遊技者がそのように視認する視差で当該オブジェクトを表示し、又、或るオブジェクトを遊技中の遊技者に10cm奥側に視認させたい場合には当該遊技者がそのように視認する視差で当該オブジェクトを表示するように視差量を調整して、以後の演出を行う。つまり、遊技機1は、画面149に表示される各オブジェクトを、視認させるべき前後方向の視認位置で、遊技者に視認させることができる。
【0073】
以上のように、遊技機1は、画像表示器21に表示させる立体視画像の視差量を、遊技中の遊技者に合わせた視差量に調整して以後の演出を行う。このことによって、遊技機1は、遊技者の姿勢及び遊技者固有の特性による視認特性に応じて異なる、遊技者の視認する立体度合いに応じて立体視画像の視差量を調整して、立体視画像を用いた演出を実行することができる。
【0074】
また、遊技機1は、バスケットステージの調整演出において、以上に説明した立体視画像の立体度合い(視差量)を調整した後に、図9を用いて説明する演出を実行する。遊技機1は、抽選によってリーチ演出を実行すると決定した場合、図9(1)に示すように、装飾図柄153をリーチの状態にし、又、ボール160が可動役物22のリング部分に入るように視認される演出表示を画像表示器21に行わせて、リーチ演出を実行する。なお、リーチ演出の後には、大当たりが報知されて大当たり遊技演出が実行される場合と、ハズレが報知されて次の装飾図柄変動演出が実行される場合とがある。一方、遊技機1は、抽選によってリーチ演出を実行せずハズレを報知すると決定した場合、図9(2)に示すように、装飾図柄153をハズレ確定の状態にし、又、ボール160が可動役物22のリング部分に弾かれてしまうように視認される演出表示を画像表示器21に行わせて、ハズレ確定を報知する。その後、次の装飾図柄変動演出が実行される。
【0075】
この様に、本実施形態では、予告演出の1つのタイプとしてバスケットステージの調整演出を実行して、遊技者に予告演出を楽しませつつ、遊技者毎に適した立体度合い(視差量)を調整することができる。
【0076】
ここで、遊技者によっては、図3(1)及び図7(1)に示すように画面149にメッセージが表示されても、演出ボタン57を押下しない場合がある。この場合、遊技機1は、以後の演出において、立体視画像の最大飛び出し位置及び最大奥行き位置を、初期設定の位置(視差量)とする。図10に一例として示すように、この初期設定の位置は、大多数の遊技者が心地よいと感じる視差量の範囲を規定する位置であり、統計によって得ることができる位置である。
【0077】
また、遊技者によっては、図3(1)及び図7(1)に示すメッセージを考慮せず、やみくもに演出ボタン57を押下してしまう場合がある。この場合、遊技機1は、遊技者毎に適した立体度合いを調整することができないこととなる。そこで、遊技機1は、野球ステージにおいてボール152が図3(2)の位置A〜Cに在るタイミングで演出ボタン57が押下されると、演出ボタン57が押下されなかった場合と同様に、以後の演出において、立体視画像の最大飛び出し位置及び最大奥行き位置を初期設定の位置とする。また、遊技機1は、バスケットステージにおいてボール160が図8(2)の位置Iに在るタイミングで演出ボタン57が押下されると、演出ボタン57が押下されなかった場合と同様に、以後の演出において、立体視画像の最大飛び出し位置及び最大奥行き位置を初期設定の位置とする。
【0078】
以上に説明したように、遊技機1は、画像表示器21に表示させる立体視画像の立体度合いを、遊技中の遊技者に合わせた立体度合い(視差量)に調整して以後の演出を行う。このことによって、遊技機1は、遊技者の姿勢及び遊技者固有の特性による視認特性に応じて異なる遊技者毎に最適な立体度合い(視差量)で、立体視画像を用いた演出を実行することができる。
【0079】
以下では、上記した動作を行う制御を実現するためにパチンコ遊技機1が実行する処理について説明する。
【0080】
[メイン制御部の主要動作]
図11は、メイン制御部100によって行われるメイン処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図11を参照して、メイン制御部100において行われるメイン処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図11に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図11のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて、CPU101自身によって又はCPU101が発行するコマンドに従って実行される。
【0081】
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、大当たり抽選結果の判定を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当たりの種類(例えば、通常の大当たりか確変ありの大当たりか)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を決定するための乱数である。なお、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動中に行われる装飾図柄変動演出の実行時間と等しい。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後述するステップS4の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各抽選が行われて各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。
【0082】
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、上記した各種乱数を取得する処理や、第1特別図柄抽選結果報知の保留数や第2特別図柄抽選結果報知の保留数に関する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。
【0083】
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113がONとなった時点(ゲートスイッチ113から遊技球の検出信号が出力された時点)で普通図柄抽選結果報知の保留数が上限値未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
【0084】
次に、ステップS4において、CPU101は、特別図柄処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS2で取得した各種乱数を用いて、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果(大当たりか否か)を判定し、表示器3に特別図柄を変動表示させた後にこれらの判定結果を示す停止図柄を表示させる。また、CPU101は、ステップS2で取得した各種乱数を用いて、装飾図柄変動演出の実行時間(変動パターン)及びリーチ演出を行うか否か等を決定する。また、CPU101は、装飾図柄変動演出の開始を演出制御部400に指示する変動演出開始コマンドを、RAM103にセットする。なお、変動演出開始コマンドには、上記した装飾図柄変動演出の実行時間(変動パターン)及びリーチ演出を行うか否か等についての情報が、設定情報として含まれている。また、CPU101は、適切なタイミングで、実行中の装飾図柄変動演出の終了を演出制御部400に指示する変動演出停止コマンドを、RAM103にセットする。また、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、遊技機1の内部状態を大当たり遊技状態に設定し、いわゆる大当たり遊技演出の開始を演出制御部400に指示するコマンドをRAM103にセットする。
【0085】
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、表示器3に普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
【0086】
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当たりした場合)、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口28に所定の開閉動作を行わせたり、大当たり遊技演出に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、いわゆる大当たり遊技が実行され、遊技者は、多量の賞球を獲得することとなる。
【0087】
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって表示器3に表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合に、電動チューリップ26を作動させる電動チューリップ処理を実行する。なお、電動チューリップ26が作動することによって第2始動口25bに遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口25bに遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
【0088】
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
【0089】
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS5の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。
【0090】
[演出制御部による演出制御処理]
図12は、演出制御部400によって行われる演出制御処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図12を参照して、演出制御部400によって行われる演出制御処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図12のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて、CPU401自身によって実行され又はCPU401が発行するコマンドに従って実行される。また、以下の説明では、本発明と直接的には関連しない内容については、その説明を簡略化又は省略している。
【0091】
まず、ステップS101において、CPU401は、画像表示器21等によって装飾図柄変動演出が実行中であるか否かを、画像音響制御部500から取得した情報に基づいて判定する。ステップS101での判定がYESの場合、処理はステップS108に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS102に移る。
【0092】
ステップS102において、CPU401は、図11のステップS4(特別図柄処理)でセットされた変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS102での判定がYESの場合、処理はステップS103に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS101に戻る。
【0093】
ステップS103において、CPU401は、ステップS102で受信した変動演出開始コマンドを解析する。その後、処理はステップS104に移る。
【0094】
ステップS104において、CPU401は、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄変動演出のパターンを決定する演出パターン決定処理を実行する。以下、具体的に説明する。変動演出開始コマンドに含まれている設定情報には、装飾図柄変動演出の実行時間(変動パターン)を示す情報、第1特別図柄抽選結果の判定及び第2特別図柄抽選結果の判定の何れが実行されたかを示す情報、実行された判定で大当たりしたかハズレたかを示す情報、大当たりの場合その種類を示す情報、及びハズレの場合リーチ演出を行うか否かの情報等が含まれている。ステップS104において、CPU401は、変動演出開始コマンドに含まれている上記設定情報が示す条件を満たす複数の演出パターンのうちから、抽選によって1つの演出パターンを、実行する演出パターンとして選択する。ここで、上記設定情報が示す条件が、装飾図柄変動演出の実行時間が比較的長い(例えば60秒や90秒)ことを示す場合には、CPU401は、図3〜図10を用いて説明した野球ステージ又はバスケットステージの調整演出の演出パターンを、抽選によって、実行する演出パターン(予告演出の1つのパターン)として選択する場合がある。なお、上記した複数の演出パターンは、ROM402に予め格納されている。その後、処理は、ステップS105に移る。
【0095】
ステップS105において、CPU401は、ステップS104において、実行する装飾図柄変動演出のパターンとして、図3〜図10を用いて説明した野球ステージ又はバスケットステージの調整演出の演出パターンを決定したか否かを判定する。ステップS105での判定がYESの場合、処理はステップS106に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS107に移る。
【0096】
ステップS106において、CPU401は、ステップS104で決定した調整演出のパターンの装飾図柄変動演出を、画像音響制御部500及びランプ制御部600に指示して開始させる。ここで、画像音響制御部500のROM502には、装飾図柄変動演出の演出画像が多数記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400の指示に従って、ステップS104で決定された調整演出のパターンの装飾図柄変動演出の演出画像を、ROM502から読み出して画像表示器21に表示させる。このことによって、図3〜図10を用いて説明したように、画像表示器21に表示させる立体視画像の立体度合い(視差量)が、遊技中の遊技者に合わせた立体度合い(視差量)に調整される。ステップS106の処理については、後に図13を用いて詳しく説明する。その後、処理はステップS101に戻る。
【0097】
ステップS107において、CPU401は、ステップS104で決定した通常演出(調整演出ではない演出)のパターンの装飾図柄変動演出を、画像音響制御部500及びランプ制御部600に指示して開始させる。画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400の指示に従って、ステップS104で決定された通常演出のパターンの装飾図柄変動演出の演出画像を、ROM502から読み出して画像表示器21に表示させる。このことによって、調整演出ではない様々な演出が実行される。その後、処理はステップS101に戻る。
【0098】
一方、ステップS108において、CPU401は、図4のステップS4(特別図柄処理)でセットされた変動演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS108での判定がYESの場合、処理はステップS109に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS101に戻る。
【0099】
ステップS109において、CPU401は、ステップS106又はS107の処理で開始した装飾図柄変動演出を、画像音響制御部500及びランプ制御部600に指示して終了させる。このことによって、特別図柄抽選結果を報知する装飾図柄の停止図柄が画像表示器21によって表示される。その後、処理はステップS101に戻る。
【0100】
図13は、図12のステップS106で開始される調整演出についての詳細フローチャートの一例である。以下では、図13を用いて、図12のステップS106で開始される調整演出について説明する。
【0101】
まず、ステップS201において、演出制御部400のCPU401は、RAM403に記憶されている現時点のステージに関する情報を参照して、現在実行されているステージが、図3を用いて説明した野球ステージであるか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合(野球ステージの場合)、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合(バスケットステージの場合)、処理はステップS205に移る。
【0102】
ステップS202において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400の指示に従って、図3を用いて説明した野球ステージにおける調整演出の画像(調整画像)を画像表示器21に表示させる。つまり、図3(2)に示したように、ボール152が徐徐に飛び出して来る立体視画像が、画面149に表示される。その後、処理はステップS203に移る。
【0103】
ステップS203において、演出制御部400のCPU401は、ステップS202において表示されている調整画像の表示開始から、所定の時間が経過したか否かを判定する。言い換えると、CPU401は、RTC404を用いて、実行中の調整演出において図3(2)に示す位置Hまでボール152が飛び出す時間になったか否かを判定する。ステップS203での判定がYESの場合、時間切れと判断されて処理はステップS211に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS204に移る。
【0104】
ステップS204において、演出制御部400のCPU401は、演出ボタン57からの信号に基づいて、演出ボタン57が遊技者によって押下されたか否かを判定する。ステップS204での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS202に戻る。ステップS204の処理によって、演出ボタン57が押下されるまで、図3に示すように、徐徐にボール152が飛び出して来る調整画像の演出が進行することとなる。
【0105】
一方、ステップS205において、演出制御部400のCPU401は、バスケットステージおける調整演出を実行するために、ランプ制御部600に指示して、図8を用いて説明したように、可動役物22を画面149の前面に移動させる。その後、処理はステップS206に移る。
【0106】
ステップS206において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400の指示に従って、図8を用いて説明したバスケットステージにおける調整演出の画像(調整画像)を画像表示器21に表示させる。つまり、図8(2)に示したように、ボール160が徐徐に飛び出して来る立体視画像が、画面149に表示される。その後、処理はステップS207に移る。
【0107】
ステップS207において、演出制御部400のCPU401は、ステップS206において表示されている調整画像の表示開始から、所定の時間が経過したか否かを判定する。言い換えると、CPU401は、RTC404を用いて、実行中の調整演出において図8(2)に示す位置Lまでボール160が飛び出す時間になったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、時間切れと判断されて処理はステップS211に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS208に移る。
【0108】
ステップS208において、演出制御部400のCPU401は、演出ボタン57からの信号に基づいて、演出ボタン57が遊技者によって押下されたか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS206に戻る。ステップS208の処理によって、演出ボタン57が押下されるまで、図8に示すように、徐徐にボール160が飛び出して来る調整画像の演出が進行することとなる。
【0109】
ステップS209において、演出制御部400のCPU401は、演出ボタン57が、所定の期間内に押下されたか否かを判定する。具体的には、CPU401は、RTC404を用いて、野球ステージの調整演出が実行されていた場合において図3(2)の位置D〜Hにボール152が在るタイミングで演出ボタン57が押下されたときには、所定の期間内で押下されたと判定し、図3(2)の位置A〜Cにボール152が在るタイミングで演出ボタン57が押下されたときには、所定の期間内で押下されていないと判定する。また、CPU401は、RTC404を用いて、バスケットステージの調整演出が実行されていた場合において図8(2)の位置J〜Lにボール160が在るタイミングで演出ボタン57が押下されたときには、所定の期間内で押下されたと判定し、図8(2)の位置Iにボール160が在るタイミングで演出ボタン57が押下されたときには、所定の期間内で押下されていないと判定する。ステップS209の処理によって、CPU401は、図3(1)及び図8(1)に示すメッセージを考慮せず、遊技者が演出ボタン57をやみくもに押下してしまったか否かを判定する。ステップS209での判定がYESの場合、処理はステップS210に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS211に移る。
【0110】
ステップS211において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400の指示に基づいて、図10を用いて説明したように、以後の立体視画像演出における立体度合い(視差量の範囲)を、初期値に設定する。具体的には、野球ステージ又はバスケットステージにおける調整画像の表示が演出ボタン57の押下が為されず終了した場合(ステップS203又はS207でYES)、及び、野球ステージ又はバスケットステージにおける調整画像の表示中に演出ボタン57が押下されて(ステップS204又はS208でYES)その押下が図3(1)又は図8(1)に示すメッセージを考慮していないものと判断された場合(ステップS209でNO)、以後の立体視画像演出における立体度合い(視差量の範囲)は、初期値に設定される(ステップS211)。その後、処理はステップS212に移る。
【0111】
ステップS210において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400の指示に基づいて、以後の立体視画像演出における視差量を、ステップS204又はステップS208における演出ボタン57の押下タイミングに応じた視差量に設定する。以下、具体的に説明する。
まず、野球ステージの調整画像表示中に演出ボタン57の押下があった場合(ステップS204及びS209でYESの場合)について説明する。この場合、CPU501は、図3及び図6を用いて説明したように、以後の立体視画像演出における視差量の範囲を、上記押下があった位置(図6では位置F)よりも所定量小さい最大飛び出し位置から、この最大飛び出し位置に対応した最大奥行き位置まで対応する視差量の範囲に設定する。このことによって、遊技機1は、遊技者の姿勢及び遊技者固有の特性に応じて異なる、遊技者の心地よいと感じる立体度合い(視差量)の範囲全体を用いて、立体視画像を用いた演出を実行することができる。
次に、バスケットステージの調整画像表示中に演出ボタン57の押下があった場合(ステップS208及びS209でYESの場合)について説明する。この場合、CPU501は、図8を用いて説明したように、上記押下があった時点の視差を、遊技者がオブジェクト(ボール160)を可動役物22のリング部分の中心位置(画面149から7cm手前の位置)に視認する視差として設定して、この設定した視差を基準として用いて以後の立体視画像演出における視差量を設定する。このことによって、遊技機1は、遊技者の視認特性に応じて遊技者毎にオブジェクトの前後方向の視認位置が異なっても、画面149に表示される各オブジェクトを、視認させるべき前後方向の位置で遊技者に視認させる立体視画像を用いた演出を実行することができる。
その後、処理はステップS212に移る。
【0112】
ステップS212において、演出制御部400のCPU401は、実行中の調整演出が、リーチ演出を行う演出パターンであるか否かを判定する。なお、リーチ演出を行うか否かも含めて何れのパターンの演出を行うかについては、図12のステップS104の処理において決定されている。ステップS212での判定がYESの場合、処理はステップS213に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS214に移る。
【0113】
ステップS213において、演出制御部400のCPU401は、画像音響制御部500及びランプ制御部600に指示して、調整演出においてリーチ演出を実行する。具体的には、演出制御部400のCPU401は、現在のステージが野球ステージの場合、画像音響制御部500に指示して、図7(1)を用いて説明したリーチ演出の画像を画像表示器21に表示させ、ランプ制御部600に指示して、このリーチ演出に対応した音声をスピーカ55に出力させる。また、演出制御部400のCPU401は、現在のステージがバスケットステージの場合、画像音響制御部500に指示して、図9(1)を用いて説明したリーチ演出の画像を画像表示器21に表示させ、ランプ制御部600に指示して、このリーチ演出に対応した音声をスピーカ55に出力させる。
【0114】
ステップS214において、演出制御部400のCPU401は、画像音響制御部500及びランプ制御部600に指示して、調整演出においてハズレ確定を報知する演出を実行する。具体的には、演出制御部400のCPU401は、現在のステージが野球ステージの場合、画像音響制御部500に指示して、図7(2)を用いて説明したハズレ確定演出の画像を画像表示器21に表示させ、ランプ制御部600に指示して、この演出に対応した音声をスピーカ55に出力させる。また、演出制御部400のCPU401は、現在のステージがバスケットステージの場合、画像音響制御部500に指示して、図9(2)を用いて説明したハズレ確定演出の画像を画像表示器21に表示させ、ランプ制御部600に指示して、この演出に対応した音声をスピーカ55に出力させる。
【0115】
以上に図13を用いて説明したように、図12のステップS106で開始された調整演出が実行される。
【0116】
以上に説明したように、本実施形態の遊技機1は、遊技者の姿勢及び遊技者固有の特性による視認特性に応じて異なる遊技者毎に最適な立体度合い(視差量)で、立体視画像を用いた演出を実行することができる。
【0117】
[本実施形態の変形例]
なお、上記した本実施形態では、説明の便宜のために、遊技機1が野球ステージ及びバスケットステージの調整演出の両方を実行するものとし、野球ステージの調整演出によって、遊技者が心地よく立体視できる立体度合い(視差量)の範囲全体を用いて立体視画像演出の立体度合い(視差量)を設定し、バスケットステージの調整演出によって、何れの遊技者にも同じだけの立体度合いで視認されるように視差量を設定した。しかし、遊技機1は、野球ステージ及びバスケットステージの調整演出の一方のみを行うものとしてもよい。この様にした場合、1つの調整の方法による安定的な視差量の調整をすることができる。
【0118】
また、上記した本実施形態では、調整演出において、調整画像の表示時間が終了した場合(図13のステップS203又はS207でYESの場合)及び所定期間内に演出ボタン57が押下されなかった場合(ステップS209でNOの場合)に、立体視画像演出における立体度合い(視差量の範囲)は初期値に設定された(ステップS211)。しかし、この様な場合に、視差量の範囲を初期値に設定するのではなく、遊技者に対して視差量の調整を行うことを明確に通知して調整画像を再度表示することによって、再度、押下タイミングに応じた視差量の設定(ステップS210)を試みる構成としてもよい。この様な構成とした場合、図13のフローチャートの処理は、図14に示すように変形される。図14に示すように、図14のフローチャートは、図13のフローチャートに対して、ステップS211が削除され、又、ステップS203でYESの場合、ステップS207でYESの場合、及びステップS209でNOの場合には、調整画像の表示(ステップS202又はS206)が再度必要とみなされて、処理はステップS201に戻るものである。より具体的には、図14のステップS202において図3(1)に示した1回目の調整画像の表示が実行された後に、ステップS203でYESと判断された場合又はステップS209でNOと判断された場合には、処理は再度ステップS202に戻り、このステップS202において図15(1)に示す2回目の調整画像の表示が実行される。ここで、図15(1)に示す調整画像は、図3(1)に示す調整画像に対して、表示されるメッセージを「立体度合いを調整します。ボールがゆっくり飛び出しますので、モールができるだけ手前で立体的に見えるときに、ボタンを押してください。」に変更したものである。また、図14のステップS206において図8(1)に示した1回目の調整画像の表示が実行された後に、ステップS207でYESと判断された場合又はステップS209でNOと判断された場合には、処理は再度ステップS206に戻り、このステップS206において図15(2)に示す2回目の調整画像の表示が実行される。ここで、図15(2)に示す調整画像は、図8(1)に示す調整画像に対して、表示されるメッセージを「立体度合いを調整します。ゴールに入る位置までボールが飛び出したら、ボタンを押してください。」に変更したものである。以上の様にすることによって、立体視画像の立体度合い(視差量)を調整することを遊技者に明示して遊技者に演出ボタン57を押すことを促すので、より確実に立体度合いを調整することができる。なお、図14ではステップS209でYESと判断されるまで調整画像の表示が繰り返されることとなるが、例えば、調整画像の表示が2回繰り返された後には常にステップS210に処理が移ることとしてもよい。
【0119】
また、上記した本実施形態では、図13のステップS206の処理において、可動役物22との位置関係を用いて遊技者に立体度合いを判断させた(図8参照)。しかし、図13のステップS206の処理において、可動役物22は用いず、例えば「ボールが7cm飛び出して見えたらボタンを押せ」と表示して、遊技者に演出ボタン57押させてもよい。この様にしても、遊技者の視認する立体度合いに関する情報を得ることができるからである。
【0120】
また、上記した本実施形態では、ボール152及び160を用いて視差量を調整した。しかし、視差量を調整するための画像(オブジェクト)はこれには限られず、例えば、棒状のオブジェクトであってもよい。また、調整演出は、野球やバスケットボール競技を題材としたものには限られない。
【0121】
また、上記した本実施形態では、視差量を調整するために遊技者に対して通知するメッセージは、画像として画面149に表示された。しかし、このメッセージは、スピーカ55から音声として遊技者に通知されてもよい。
【0122】
また、上記した本実施形態では、裸眼で立体視される立体視画像が画像表示器21に表示される方式を一例に挙げて説明した。しかし、所定のメガネ等を用いることで立体視できる立体視画像が画像表示器21に表示される方式であってもよい。具体的には、画像表示器21を左目用画像と右目用画像とを時間的に交互に高速で切替えて表示する構成とし、左目用画像のみを左目に見せ右目用画像のみを右目に見せる光フィルタとして機能するメガネ等を遊技者がかけて上記立体視画像を視認する構成としてもよい。
【0123】
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0124】
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。
【0125】
[以上の実施形態の主要な効果]
上記した実施形態では、画像表示器21に立体視画像を表示させて(図3、図8参照)、ボールオブジェクト(152、160)の視差量を徐徐に変化させて遊技者154に視認させ(S202、S206)、遊技者154の演出ボタン57の押下操作に基づいて、当該遊技者が認識する立体度合いに関する視認特性を取得し(S210)、この視認特性に基づいて、画像表示器に表示される立体視画像の視差量を設定する(S210)。そして、設定された視差量に基づいた立体視画像によって以後の演出を実行する。これによれば、遊技中の遊技者の姿勢やその遊技者固有の特性に応じて、その遊技者に適した視差量(立体度合い)に立体視画像を調整することができる。この結果として、遊技者の姿勢や遊技者固有の特性に依存する立体視画像の視認特性に対応させて、遊技者毎に適した立体視画像の視差の調整ができる。
【0126】
また、上記した実施形態では、ボールオブジェクトの視差量は、演出の一環として、徐徐に変化して遊技者に視認される(図3、図8参照)。これによれば、演出の一環として視差量の調整が実行されるので、遊技者に演出を楽しませつつ、その遊技者に適した視差量の調整ができる。
【0127】
また、上記した実施形態では、ボールオブジェクト(152、160)の視差量を徐徐に変化させて遊技者に適した視差量を調整する演出は、装飾図柄変動演出の1つのタイプとして、実行される。これによれば、装飾図柄変動演出の1つのタイプとして、視差量の調整が度々実行される。この結果として、遊技者の姿勢変化等に常に対応した視差量の立体視画像を表示することができる。
【0128】
また、上記した実施形態では、遊技者に対して、この遊技者が立体視できる視差量の範囲に関する視認範囲情報を取得するための通知を行い(S202)、この通知を受けた遊技者の演出ボタン57の押下タイミングに基づいて、この遊技者の視認範囲情報を視認特性として取得し(S210:図3参照)、取得された視認特性に基づいて、この遊技者が立体視できる視差量の範囲内で、画像表示器に表示される立体視画像の視差量を設定する(S210)。これによれば、遊技中の遊技者の姿勢やその遊技者固有の特性に応じて異なる立体視できる視差量の範囲内に、立体視画像の視差量(立体度合い)に調整することができる。
【0129】
また、上記した実施形態では、遊技者に対して、視差量が変化するボールオブジェクト160をこの遊技者が可動役物22との位置関係において前後方向の所定位置に視認する視差を示す視認位置情報を取得するための通知を行い(S206:図8(1)参照)、この通知を受けた遊技者の演出ボタン57の押下タイミングに基づいて、この遊技者の視認位置情報を視認特性として取得し(S210:図8参照)、取得された視認特性に基づいて、この遊技者に視認させるべき立体度合いで、画像表示器に表示される立体視画像の視差量を設定する(S210)。これによれば、遊技中の遊技者に認識させたい立体度合い(飛び出し度合い及び引っ込み度合い)になるように、立体視画像の視差量を調整することができる。
【0130】
また、上記した実施形態では、ボールオブジェクトの視差量が変化した際の所定の期間に、演出ボタン57が押下された場合(S209でNO)、立体視画像の視差量は、初期設定の視差量に設定される(S211)。これによれば、遊技者が図3(1)等のメッセージを考慮せず、やみくもに演出ボタン57を押した場合には、誰もが問題なく立体視できる初期設定の視差量に設定されるので、調整演出によって視差量の設定がその遊技者にとって好ましくものとなることを防止できる。
【0131】
また、上記した実施形態では、ボールオブジェクトの視差量が変化した際の所定の期間に、演出ボタン57が押下された場合(S209でNO)、立体視画像の視差量を調整することを遊技者に明確に通知して(図15参照)、再度調整が行われる。これによれば、遊技者は調整演出の目的を理解してボールオブジェクトを注視して演出ボタン57を押すので、より正確な調整ができる。
【符号の説明】
【0132】
1…遊技機
2…遊技盤
3…表示器
5…枠部材
20…遊技領域
21…画像表示器
22…可動役物
23…盤ランプ
24…排出口
25a…第1始動口
25b…第2始動口
26…電動チューリップ
27…ゲート
28…大入賞口
29…普通入賞口
51…ハンドル
52…レバー
54…取り出しボタン
55…スピーカ
56…枠ランプ
57…演出ボタン
59…皿
100…メイン制御部
101、201、301、401、501、601…CPU
102、202、302、402、502、602…ROM
103、203、303、403、503、603…RAM
111a…第1始動口スイッチ
111b…第2始動口スイッチ
112…電動チューリップ開閉部
113…ゲートスイッチ
114…大入賞口スイッチ
115…大入賞口開閉部
116…普通入賞口スイッチ
149…画面
150…ピッチャーオブジェクト
151…バッターオブジェクト
152、160…ボールオブジェクト
153…装飾図柄のオブジェクト
154…遊技者
200…発射制御部
211…発射装置
300…払出制御部
311…払出駆動部
400…演出制御部
404…RTC
500…画像音響制御部
600…ランプ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体視表示可能な画像表示器を有する遊技機であって、
前記画像表示器に左目用画像及び右目用画像から成る立体視画像を表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段によって前記画像表示器に表示された立体視画像を、左目用画像と右目用画像との差異の程度を示す視差量を時間経過とともに変化させて遊技者に視認させる視差量変化手段と、
前記遊技者の操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段よって受け付けられた前記遊技者の操作に基づいて、当該遊技者が認識する立体度合いに関する視認特性を取得する視認特性取得手段と、
前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記画像表示器に表示される立体視画像の視差量を設定する視差量設定手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記視差量設定手段によって設定された視差量に基づいて、前記画像表示器に立体視画像を表示させる、遊技機。
【請求項2】
前記視差量変化手段は、演出の一環として立体視画像の前記視差量を時間経過とともに変化させて遊技者に視認させる、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
所定の抽選を順次実行する抽選手段を備え、
前記表示制御手段は、演出を交えて前記所定の抽選の結果を報知する、立体視画像による複数の演出画像を、前記画像表示器に順次表示させ、
前記視差量変化手段は、前記複数の演出画像のうち所定の演出画像において、立体視画像の前記視差量を時間経過とともに変化させ、
前記視差量設定手段は、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記表示制御手段によって前記画像表示器に順次表示される前記複数の演出画像の前記視差量の設定を更新する、請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技者に対して、当該遊技者が立体視できる前記視差量の範囲に関する視認範囲情報を取得するための通知を行う第1通知手段を備え、
前記視認特性取得手段は、前記操作手段によって受け付けられた、前記通知を受けた遊技者の前記操作のタイミングに基づいて、当該遊技者の視認範囲情報を前記視認特性として取得し、
前記視差量設定手段は、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記遊技者が立体視できる前記視差量の範囲内で、前記画像表示器に表示される前記立体視画像の前記視差量を設定する、請求項1〜3の何れかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記画像表示器の画面よりも遊技者側に少なくとも一部が位置する役物と、
前記遊技者に対して、前記視差量が変化する立体視画像を当該遊技者が前記役物との位置関係において前後方向の所定位置に視認する当該立体視画像の視差を示す視認位置情報を取得するための通知を行う第2通知手段とを備え、
前記視認特性取得手段は、前記操作手段によって受け付けられた、前記通知を受けた遊技者の前記操作のタイミングに基づいて、当該遊技者の前記視認位置情報を前記視認特性として取得し、
前記視差量設定手段は、前記視認特性取得手段によって取得された前記視認特性に基づいて、前記遊技者に視認させるべき立体度合いで、前記画像表示器に表示される前記立体視画像の前記視差量を設定する、請求項1〜3の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記視差量変化手段によって立体視画像の前記視差量が変化した際の所定の期間に、前記操作手段よって遊技者の操作が受け付けられた場合、
前記視差量設定手段は、前記画像表示器に表示される立体視画像の前記視差量を、初期値に設定する、請求項1〜5の何れかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記視差量変化手段によって立体視画像の前記視差量が変化した際の所定の期間に前記操作手段よって遊技者の操作が受け付けられた場合、前記画像表示器に表示される立体視画像の前記視差量を調整することを遊技者に通知する第3通知手段を備え、
前記視差量変化手段は、前記第3通知手段による通知が行われた場合、前記画像表示器に表示された立体視画像の前記視差量を、再度時間経過とともに変化させて前記遊技者に再度視認させる、請求項1〜5の何れかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−245250(P2012−245250A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120808(P2011−120808)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】