説明

遊技機

【課題】センター役物や各種入賞装置等の配線を挟むことなく、これらセンター役物等を遊技盤に効率的に設置することができ、作業者の作業負担を大幅に低減することができる遊技機を提供する。
【解決手段】互いに組み合わせられた第1の部材としてのセンター役物22と第2の部材としての裏ユニット13とを有し、配線L1を有する各種電子部品としてのソレノイド70がセンター役物22に設けられた遊技機1であって、センター役物22は、センター役物22と裏ユニット13とを組み合わせる前に配線L1を収容し、これらセンター役物22と裏ユニット13とを組み合わせた後に収容した配線L1を取り出せるように構成した一時収容部91を備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子部品が実装された遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている遊技機の一つに、いわゆるパチンコ機がある。パチンコ機は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤を備えている。遊技領域には、センター役物、始動入賞装置や大入賞装置等の各種入賞装置が設けられている。また、遊技領域には、多数の誘導釘が打ちつけられており、遊技領域を流下する遊技球が進路を変化させながら流下するように構成されている。
【0003】
例えば、下記に示す特許文献1には、前枠の中央部から上部にかけて後方に突出し、該前枠と一体に形成されている収容枠に遊技盤が着脱自在にセット保持されているパチンコ機が記載されている。このパチンコ機では、遊技盤の遊技領域の中央近傍にセンター役物が設けられている。そして、このセンター役物の下方に、始動入賞口を有する始動入賞装置や第1大入賞口を有する第1大入賞装置が設けられ、これら始動入賞口及び大入賞口の左右両側に通過ゲートが設けられている。また、センター役物には、図柄表示装置、及び第2大入賞口を有する第2大入賞装置が設けられている。
【0004】
このように構成された遊技機では、遊技者が操作ハンドルを操作すると、発射装置での遊技球の弾発が開始される。発射装置で弾発された遊技球は、誘導釘に当たり進路を様々な方向へ変えながら遊技領域を流下する。遊技球は、そのほとんどが上記した各種入賞口に入賞せず、遊技領域の下部に設けられたアウト口へ流入するものの、一部の遊技球が通過ゲートを通過すると、これを契機として、所定時間だけ始動入賞口が開放される。始動入賞口が開放されている間に遊技球が該始動入賞口へ入賞すると、遊技機の内部で抽選が行われ、この抽選の結果がセンター役物の図柄表示装置に表示される。この抽選で当選した場合には、例えば図柄表示装置に「777」というような所定の組み合わせの図柄が表示されるとともに、第1大入賞口又は第2大入賞口のいずれかが開放される。第1大入賞口及び第2大入賞口は、開放すると遊技球が入賞しやすいように構成されており、遊技領域を流下する遊技球の多くは開放した第1大入賞口又は第2大入賞口に入賞する。これら第1大入賞口及び第2大入賞口は、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、又は開放してから所定時間(例えば30秒)だけ開放されると一端閉じられるようになっており、この開放から閉じるまでの動作が所定回数(例えば15回)だけ繰り返される。このとき、遊技者は、第1大入賞口又は第2大入賞口に入賞した遊技球に対して所定個数の賞球を得ることができるため、大量の遊技球を獲得することができる。
【0005】
遊技機では、遊技を行っていない時に行われるいわゆるデモ演出や、遊技中に遊技者の興趣を向上させるための各種演出が行われる。近年は、遊技機におけるこれらの演出が多様化しており、単に発光態様を変化させたり、図柄の変動表示態様等に変化を持たせるだけではなく、アニメーションや動画等を用いて様々な演出を行うことが多くなっている。そのため、このような幅広い演出に対応すべく、近年の遊技機ではセンター役物に設ける図柄表示装置に大型の液晶ディスプレイ等のような表示装置を使用することが多くなっている。また、センター役物には多数の発光ダイオード等からなる電飾部材が設けられているものも多く、図柄表示装置での表示態様と電飾部材での発光態様、センター役物における大入賞口の開閉態様との組み合わせで、より多様な演出が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−148950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
遊技機は、予め入賞装置、表示装置、及び電飾部材等を取り付けて組み立てられたセンター役物や、予め組み立てられた各種入賞装置等を遊技盤に設置して製造される。また、遊技機は、不正防止等の観点から、遊技機の各種装置を駆動する駆動装置や遊技機の制御を行う制御装置等を遊技盤の背面側に設けている。そのため、遊技盤には、所定位置にセンター役物等が挿入可能な大きさの孔が予め開口形成されており、センター役物等は、遊技盤に開口形成されたこれら孔の表面側からセンター役物等の背面端部を配線と共に挿入することによって遊技盤に設置される。
【0008】
しかしながら、近年は、センター役物に各種電子部品が設けられる数も増加する傾向にあり、それによってセンター役物に設けられる入賞装置や表示装置、電飾部材等の配線数も大幅に増加する傾向が強い。そのため、センター役物等を遊技盤に設ける場合や、センター役物が取り付けられた遊技盤に裏ユニットを取り付ける場合には、入賞装置や表示装置、電飾部材等の配線が遊技盤とセンター役物等との間や、裏ユニットとセンター役物等との間に挟まらないように、作業者は従来にも増して細心の注意を払いながら設置作業を行わなければならなかった。したがって、従来の遊技機は、製造作業の手間がかかり、作業の効率性を向上させるのが困難であるという問題があった。また、遊技盤又は裏ユニットとセンター役物等との間に配線を挟んでしまった場合には、挟んだ配線が断線していないかを確認する作業が必要になるとともに、センター役物等を取り外して再度設置し直す作業が必要になり、作業者の作業負担が大幅に増加してしまうという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、センター役物や各種入賞装置等の配線を挟むことなく、これらセンター役物等を遊技盤に効率的に設置することができ、作業者の作業負担を大幅に低減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
(1)互いに組み合わせられた第1の部材と第2の部材とを有し、配線を有する各種電子部品が前記第1の部材に設けられた遊技機であって、前記第1の部材は、前記第1の部材と第2の部材とを組み合わせる前に前記配線を収容し、これら第1の部材と第2の部材とを組み合わせた後に収容した前記配線を取り出せるように構成した一時収容部を備えていることを特徴とする遊技機;
(2)前記一時収容部は、前記配線の先端を含む全体を収容可能に形成されていることを特徴とする上記(1)記載の遊技機;
(3)前記第1の部材がセンター役物であり、前記第2の部材は前記センター役物が組み付けられる裏ユニットであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の遊技機;
(4)前記第1の部材の表面には、遊技球が入賞可能な入賞装置が設けられており、前記第1の部材の背面には、前記入賞装置を駆動するための駆動装置が設けられており、前記一時収容部は、前記駆動装置と隣接する位置に設けられていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機;
(5)前記駆動装置は、前記入賞装置を開閉駆動するプランジャを有するソレノイドを備え、前記一時収容部背面の端部の位置が前記プランジャの設けられている位置よりも後方となるように形成されていることを特徴とする上記(4)記載の遊技機;
(6)前記一時収容部が筒状に形成されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の遊技機;
(7)前記各種電子部品が設けられた第1の部材のベース部と前記一時収容部との間に所定の幅を有する空間部が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の遊技機;
(8)前記一時収容部は、前記第1の部材の外周縁と前記駆動装置との間に設けられていることを特徴とする上記(4)〜(7)のいずれかに記載の遊技機;
を要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機は、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる前に、各種電子部品の配線を収容し、これら第1の部材と第2の部材とを組み合わせた後に、収容した配線を取り出せるように構成した一時収容部を備えているので、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる際に、これら第1の部材と第2の部材との間に配線が挟まるおそれや、挟まった配線が断線するおそれを確実に防止することが可能になる。また、本発明の遊技機によれば、これら第1の部材と第2の部材との間に配線が挟まることで第1の部材と第2の部材とを組み合わせ直す作業もなくすことができ、作業者の作業負担を大幅に低減することが可能になるとともに、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる作業の効率化を図ることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】表面側から見た場合における遊技盤及び裏ユニットの分解斜視図である。
【図3】背面側から見た場合における遊技盤及び裏ユニットの分解斜視図である。
【図4】遊技盤の構成を表す斜視図である。
【図5】センター役物を構成する装飾枠、第1装飾部材及び第2装飾部材の構成を表した斜視図である。
【図6】装飾枠、第1装飾部材及び第2装飾部材の背面側の構成を表した斜視図である。
【図7】第1装飾部材の構成を表した分解斜視図である。
【図8】第1装飾部材の一時収容部が配置されている箇所を拡大して表した遊技盤の部分拡大図である。
【図9】図8のA−A線断面図である。
【図10】第1装飾部材の一時収容部が形成されている部分を側面から拡大して表した部分拡大図である。
【図11】一時収容部に配線を通した状態を説明するための説明図である。
【図12】一時収容部に配線の先端を一時的に収容した状態を説明するための説明図である。
【図13】一時収容部に配線を通した状態で裏ユニットを取り付ける際の作用効果を説明するための説明図である。
【図14】一時収容部に配線を通さない状態で裏ユニットを取り付ける際の作用効果を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る遊技機の実施の形態について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係る遊技機の一例としてパチンコ機を用いて説明するが、本発明はパチンコ機以外の遊技機にも適用することが可能である。また、本明細書においては、パチンコ機及びパチンコ機を構成する各部材の「前側」「後側」は、パチンコ機を正面から見た場合における表面側(前面側)、背面側(後面側)を示すものとし、具体的には図2に示す前側及び後側を言うものとする。また、本明細書においては、パチンコ機及びパチンコ機を構成する各部材に関して「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」は、図1に示すようにパチンコ機を正面から見た場合における上側、下側、左側及び右側を示すものとする。
【0014】
本明細書においては、遊技球が各種入賞口に流入することを「入賞」と言い、この入賞した遊技球のことを「入賞球」と言う。また、本明細書においては、遊技球が入賞することによって遊技者に払い出される遊技球を「賞球」と言う。さらに、本明細書における「電子部品」とは、電力の供給を受けて何等かの作用や機能を発揮する部材全般を指すものであり、例えば遊技機がパチンコ機の場合には、始動入賞装置や大入賞装置等の各種入賞装置を駆動するための駆動装置や、センター役物等で用いられる各種表示装置や電飾部材等を意味する。また、「配線」は、電子部品に取り付けられた配線を意味するものであり、これには電力線、信号線、制御ケーブル等の各種ケーブルが含まれる。
【0015】
本実施の形態に係る遊技機1の外観構成を図1に基づいて説明する。遊技機1は、機体の外郭を構成する縦長方形の外枠2を備えている。この外枠2の開口前面側には、縦長方形の中枠3が着脱自在に組み付けられている。中枠3は、全体的に合成樹脂材料を用いて成形されており、内部に遊技盤12等を取付固定することができるように構成されている。前枠4は、中枠3の前面側に、該前枠4の左側に設けられたヒンジを中心に中枠3に対して横開きをすることができるように開閉自在に組み付けられている。前枠4は、ガラス板5を備えており、遊技者が遊技盤12を視認することができ、かつ遊技盤12を保護することができるように構成されている。また、前枠4は、遊技に使用する遊技球を一時的に貯留する上受け皿6と、上受け皿6から溢れ出て流下した遊技球を貯留する下受け皿7とをガラス板5の下方に備えている。遊技機1は、遊技盤12に向けて遊技球を弾発するための発射装置を内部に備えており、この発射装置における弾発強さを操作ハンドル8の回動量によって調節することができるように構成されている。また、上受け皿6には、遊技球を貯留する貯留スペースの前側に、遊技者が遊技中に押圧操作する各種ボタン9a,9b,9cが配置されている。なお、図1中の符号10、11は、音声を出力するためのスピーカである。なお、後述するように、遊技機1は、遊技盤12にセンター役物22を備えているが、図1ではセンター役物22の記載は省略する。
【0016】
次に、遊技盤12及び裏ユニット13の構成を図2〜図6に基づいて説明する。遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材料にて形成された略正方形の平板状の部材である。また、遊技盤12の背面側には、後述する第2の部材としての裏ユニット13が取り付けられている。図3に示すように、遊技盤12には、8個の裏ユニット固定孔12bが設けられており、裏ユニット13がビス等によって取付固定されるようになっている。
【0017】
図2及び図4に示すように、遊技盤12には、後述する第1の部材としてのセンター役物22を取り付けるための開口部12aが該遊技盤12の略中央部に開口形成されており、センター役物22と遊技盤12とが互いに組み合わせられるようになっている。また、遊技盤12の表面には、外レール14と内レール15とが半円弧状に配設されている。これら外レール14及び内レール15は、前後方向に所定の厚さを有する部材で形成されている。外レール14は、遊技盤12の中央よりも左側の下部から遊技盤12の上部を経て該遊技盤12の中央よりも右側の上部まで円弧を描くように形成されている。また、内レール15は、遊技盤12の盤面上においては外レール14と対向するように配置されている。
【0018】
これら外レール14と内レール15は、該外レール14と内レール15との間を遊技球が通過可能な間隔を有する案内路16が形成されるように配置されている。この案内路16は、発射装置で弾発された遊技球が通過する経路である。案内路16を通過した遊技球が流下する遊技領域17は、遊技盤12において外レール14の内側(外レール14と内レール15とが対向配置されている箇所においては、内レール15の内側)に形成されており、遊技球は、この案内路16を通過した後に、遊技領域17の上部から下部に向けて流下するように構成されている。
【0019】
遊技領域17には、普通入賞装置18、始動入賞装置19、大入賞装置20、図柄表示装置21、及び第1の部材としてのセンター役物22等が設けられている。また、遊技領域17には、多数の誘導釘23が打たれている。遊技領域17を流下する遊技球は、誘導釘23に当たって流下方向を変化させながら、遊技領域17の上部から下部に向かって流下する。ほとんどの遊技球は、遊技領域17の最下部に設けられたアウト口24に流入するものの、これ以外の遊技球は、普通入賞装置18等に設けられている各種入賞口に入賞するようになっている。
【0020】
普通入賞装置18は、遊技盤12の表面に複数個(本実施の形態では3個)設けられている。これら普通入賞装置18は普通入賞口25を有しており、遊技球が入賞すると所定数(例えば10個)の賞球を払い出すように構成されている。
【0021】
始動入賞装置19は、センター役物22の下方に配置されている。始動入賞装置19は、遊技領域17を流下する遊技球が入賞可能な大きさに、上方に向けて開口形成された始動入賞口26を有しており、遊技球が入賞すると、遊技者に有利な大当り状態で遊技を行うか否かを抽選する大当り抽選が行われるように構成されている。
【0022】
大入賞装置20は、センター役物22の右下に配置されている。大入賞装置20は、横長方形状に開口する大入賞口27と、大入賞口27を開閉する開閉板28とを備えている。大入賞装置20は、通常は開閉板28が大入賞口27を閉じる位置に位置しており、大当り抽選に当選すると、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するが、又は所定時間(例えば30秒)が経過するまでの間、大入賞口27を開く位置に移動するように構成されている。遊技球は開閉板28が開いた位置に位置している時は、開閉板28で誘導されながら大入賞口27に入賞する。そして、遊技機1では、大入賞口27に入賞した入賞球の数に対応した数の賞球を払い出すようになっている。
【0023】
図柄表示装置21は、視覚的に遊技者の興趣を向上させるためのものであり、本実施の形態では遊技盤12の下部であってアウト口24の上方に配置されている。図柄表示装置21は、3つの数字を表示することができるように構成されており、大当り抽選が開始するとこれら3つの数字のそれぞれが変動表示し、所定時間経過すると抽選結果に対応した数字が3つ停止表示されるようになっている。この図柄表示装置21には、例えば7セグメント表示装置やドットマトリクス表示装置が用いられるが、これに限定されるものではなく、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置や液晶表示装置等を使用してもよい。また、図柄表示装置21には、上記したもののほか、リール式(ドラム式)の表示装置やリーフ式の表示装置等を用いてもよいし、上記した以外のものを用いてもよい。なお、本実施の形態では、図柄表示装置21をセンター役物22とは別個に遊技盤12に設けているが、センター役物22に一体化してもよい。
【0024】
図2、図5及び図6に示すように、センター役物22は、装飾枠31、装飾部材32を備えている。また、センター役物22には、特別入賞装置35が設けられている。
【0025】
装飾枠31は、各種の装飾が施されている枠状の部材であり、遊技盤12に開口形成された開口部12aに該遊技盤12の前側から挿入されて、遊技盤12に取付固定されるようになっている。また、装飾枠31には、上記した特別入賞装置35が設けられている。特別入賞装置35は、遊技領域17を流下する遊技球が入賞可能な大きさに形成された特別入賞口36と、この特別入賞口36を開閉自在に開閉する羽根部材37とを備えている。特別入賞装置35は、通常は羽根部材37が特別入賞口36を閉じる位置に位置しており、特別の条件、例えば、遊技機1がいわゆる確変状態又は時短状態などのような特別の状態になった場合に、一定の周期で所定回数(例えば10回)だけ開閉を繰り返すようになっている。この羽根部材37の開閉駆動は、後述するソレノイド70により行われる。
【0026】
また、図3及び図6に示すように、装飾枠31の背面側には、4個のピン部材22aが該装飾枠から背面側に向けて突出形成されている。このピン部材22aは、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付ける際、該裏ユニット13の位置決めを行うためのものである。
【0027】
装飾部材32は、装飾枠31の内部に位置するように取り付けられている。装飾部材32は、遊技者の視覚を通じて遊技に対する興趣を向上させるような演出を行うためのもので、例えばLED(Light Emitting Diode)のような発光部材の発光態様を任意に変化させたり、所定条件が成立した場合に消灯したりすることができるように構成されている。本実施の形態では、装飾部材32は、「磨」の文字が描かれた提灯の形状をした第1装飾体82と綱の形状をした第2装飾体83を有する第1装飾部材38と、「達」の文字が描かれた提灯の形状をした第2装飾部材39とから構成されている。これら第1装飾部材38及び第2装飾部材39は、装飾枠31の背面側からネジ止め等の任意な方法によって取付固定されている。なお、本実施の形態における第1装飾部材38と第2装飾部材39の形状は、本実施の形態のものに限定されず、任意に選択した種々の形状を使用してよい。また、第1装飾部材38の構成は後述する。
【0028】
図2及び図3に示すように、裏ユニット13は、遊技盤12の背面側に取付固定される部材である。裏ユニットの前面側には、ピン受け部13aが4箇所に形成されている。このピン受け部13aは、裏ユニット13を遊技盤12の背面側に取り付ける際に、該遊技盤12に対する裏ユニット13の取付位置を決めるためのものである。このピン受け部13aは、前面側が開口形成する孔部が後方向へ延びるように形成されており、遊技盤12に取付固定されたセンター役物22のピン部材22aがこの孔部と嵌合することができるように形成されている。
【0029】
また、裏ユニット13には、遊技盤12へ取付固定される際に使用される貫通孔13bが開口形成されている。この貫通孔は、遊技盤12に裏ユニット13を取付固定する際に使用されるビスが挿通することができる大きさに開口形成されており、本実施の形態では8個の貫通孔13bが開口形成されている。
【0030】
裏ユニット13を遊技盤12の背面側に取り付ける場合には、まず裏ユニット13を遊技盤の背面側から該遊技盤12へ近づけるように移動させ、裏ユニット13のピン受け部13aと遊技盤12に取付固定されたセンター役物22のピン部材22aとを嵌合させる。このように、ピン受け部13aとピン部材22aとを嵌合させることで、遊技盤12に対する裏ユニット13の位置決めが行われる。そして、このようにして取り付けられた裏ユニット13は、該裏ユニット13の背面側から貫通孔を挿通して裏ユニット固定孔12bに取付固定されるビス等(図示せず)によって遊技盤12に取付固定される。
【0031】
図2に示すように、裏ユニット13は装飾本体33と表示装置34を備えている。装飾本体33は、本実施の形態では達磨の形状をしており、裏ユニット13に形成された装飾体取付部40に取付固定されている。装飾本体33は、遊技盤12に裏ユニット13を取付固定した場合に、装飾枠31、並びに第1装飾体82及び第2装飾体83の内側に位置するように配置されている。なお、本実施の形態では、達磨の形状をしたものを装飾本体33としているが、他の形状をしたものであってもよい。また、本実施の形態では、裏ユニット13に装飾本体33を取り付けているが、装飾本体33は遊技盤12に取り付けてもよい。
【0032】
表示装置34は、裏ユニット13において装飾本体33の下方に取り付けられており、本実施の形態ではドットマトリクス表示装置が用いられている。この表示装置34は、例えばキャラクター図柄等の各種図柄を表示するためのもので、遊技の進行状況に対応した図柄を表示することができるようになっている。なお、本実施の形態では、表示装置34としてドットマトリクス表示装置を用いているが、他の表示装置を任意に選択してもよい。例えば、7セグメント型表示装置や有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、液晶表示装置等のような各種表示装置を使用してもよい。
【0033】
次に、第1装飾体82の構成を図7に基づいて説明する。図7は、第1装飾体82を背面側から見た場合における分解斜視図である。第1装飾体82は、第1ベース部材51、第2ベース部材52、駆動装置53、第1装飾部54及び第2装飾部55とを備えている。第1ベース部材51は、第1装飾部54を取り付けるための第1取付部56と、駆動装置53及び第2装飾部55を取り付けるための第2取付部57を有している。第1取付部56は、第1ベース部材51の上部に設けられており、前面側に第1装飾部54が取り付けられるように構成されている。また、第1取付部56には、第1装飾部54に給電等するための配線を案内するための案内部58、第1装飾部54を構成する後述する第1発光部81の背面に取り付けられたコネクタに配線を接続するための接続用孔59が形成されている。
【0034】
第2取付部57は、第1ベース部材51の下部に設けられており、前面側に駆動装置53が取り付けられるように構成されている。第2取付部57には、駆動装置53の前面側に取り付けられる第2装飾部55に給電等するための配線L2を第2取付部57の後方へ逃がすための孔部60が開口形成されている。また、第2取付部57には、駆動装置53を構成する後述するソレノイド70等が収容されるソレノイド収容部61が形成されている。このソレノイド収容部61は、底壁部62、上側壁部63、左側壁部64、及び右側壁部65を有し、ソレノイド70等の周囲を囲むように形成されている。また、上側壁部63、左側壁部64、及び右側壁部65は、第2取付部57の基部57aよりから後方へ延出するように形成され、底壁部62は、これら上側壁部63、左側壁部64、及び右側壁部65と連続するように、かつ基部57aよりも後方に位置するように形成されている。なお、本実施の形態では、図7に示すように底壁部62の下方が切り欠かれているが、このような形状とすることに限定されるものではない。また、第2取付部57には、一時収容部91が形成されているが、この一時収容部91の構成については後述する。
【0035】
第2ベース部材52は、駆動装置53及び第2装飾部55を取り付けるための部材であり、該第2ベース部材52の背面側に駆動装置53が取付固定され、第2ベース部材52の前面側に第2装飾部55が取付固定されるように形成されている。また、第2ベース部材52の背面には、駆動装置53を構成するソレノイド70を配置するための突起部66、駆動装置53を構成する移動部材73が上下方向に移動する際に、該移動部材73の移動をガイドする第1ガイド部67及び第2ガイド部68、駆動装置53を構成するカバー部材74をネジ等によって取付固定する取付用孔69が形成されている。なお、駆動装置53を構成するソレノイド70、移動部材73、及びカバー部材74の構成は後述する。
【0036】
駆動装置53は、駆動源としてのソレノイド70、コイルバネ71、プランジャ72、移動部材73、カバー部材74から構成されている。ソレノイド70は、円筒状のコイルとU字状に湾曲形成されたU字鉄板と、U字鉄板の先端に差し渡して配置される矩形鉄板とを備え、コイルの周囲をU字鉄板と矩形鉄板とで囲むことによって環状の磁路を形成するように構成されている。また、ソレノイド70には、内側にプランジャ72を挿入するための図示しない貫通孔が設けられている。この貫通孔は、コイルと矩形鉄板に開口形成されており、上記したように、コイル、矩形鉄板及びU字鉄板を組み合わせた時に、コイルの貫通孔と矩形鉄板の貫通孔とが同軸上に位置するように形成されている。本実施の形態では、ソレノイド70は、プランジャ72が上下方向に移動するように配置されており、第1装飾部材38の背面側のスペース効率を向上させることができるようになっている。
【0037】
プランジャ72は、横断面が円形の棒状の部材で、先端には、側方に張り出すフランジ72aが形成されている。また、プランジャ72の外側には、コイルバネ71が挿通されている。コイルバネ71は、プランジャ72を貫通孔に挿入した時には、フランジ72aと矩形鉄板との間で挟まれるように位置している。プランジャ72は、ソレノイド70が励磁されると該ソレノイド70の貫通孔内に引き込まれ、このときコイルバネ71は圧縮変形する。また、この状態でソレノイド70の励磁が停止されると、コイルバネ71がプランジャ72を付勢し、該プランジャ72を突き出す位置に移動させる。すなわち、ソレノイド70は、プランジャ72を突き出す位置と引き込む位置との間で、プランジャ72を直線的に移動させることができるように構成されており、コイルバネ71は、プランジャ72を突き出す位置へ付勢するように構成されている。
【0038】
また、本実施の形態では、プランジャ72が上下方向に移動するようにソレノイド70が配置されている。そのため、ソレノイド70の励磁が停止されると、上記したコイルバネ71による付勢に加えて、重力の作用によってもプランジャ72を突き出す位置に移動させることができるようになっている。
【0039】
移動部材73は、ソレノイド70の駆動により移動するプランジャ72の先端に取り付けられ、該プランジャ72の移動とともに移動し、上記した特別入賞装置35の羽根部材37を開閉自在に移動させるためのものである。この移動部材73は、係合部75及び作動部76を有している。係合部75は、プランジャ72の先端に形成されているフランジ72aと係合するように形成されており、本実施の形態では、プランジャ72の軸部が嵌合可能な第1嵌合部75aの下にフランジ72aが嵌合可能な第2嵌合部75bが形成されるように形成されている。これら第1嵌合部75a及び第2嵌合部75bは、移動部材73に対して、前後方向に部分的に切り欠く、又は凹部を設けるように形成されている。また、この時の第2嵌合部75bの左右方向の幅は、第1嵌合部75aの左右方向の幅よりも広くなるように形成されている。したがって、プランジャ72が上方向に移動する場合には、フランジ72aの上面が第2嵌合部75bを構成する上面と当接して移動部材73も上方向に移動し、プランジャ72が下方向に移動する場合には、フランジ72aの下面が第2嵌合部75bを構成する下面と当接して移動部材73も下方向に移動する。
【0040】
作動部76は、移動部材73の下部に形成されており、本実施の形態では、右側から左下側に向けて凹状に形成された凹部76aが形成されている。凹部76aには、軸方向が前後方向と一致する方向に形成された羽根部材37のピン(図示せず)が該凹部76a内に位置することができるように形成されている。したがって、羽根部材37は、プランジャ72の移動に伴って移動部材73が上下方向に移動すると、凹部76a内に位置するピンも上下方向に移動して、特別入賞口36を開く位置へ移動したり、該特別入賞口36を閉じる位置へ移動したりすることができるようになっている。
【0041】
また、移動部材73には、第1ガイド受け部77a及び第2ガイド受け部77bが形成されている。第1ガイド受け部77aは、第2ベース部材52に形成されている第1ガイド部67によって移動部材73がガイドされながら移動することができるようにするためのものである。また、第2ガイド受け部77bは、第2ベース部材52に形成されている第2ガイド部68によって移動部材73がガイドされながら移動することができるようにするためのものである。本実施の形態では、第1ガイド受け部77aは、係合部75が形成されている箇所から前方向に向けて2つの突出片を突出形成することによって形成されている。また、第2ガイド受け部77bは、移動部材73の下部において、上下方向に延びる板状片となるように形成されている。なお、これら第1ガイド受け部77a及び第2ガイド受け部77bの形状は一例であり、この形状に限定されるものではない。
【0042】
カバー部材74は、アルミニウムやステンレス等の金属製の部材を任意に選択して形成されたもので、ソレノイド70及び移動部材73を後面側から覆うように形成されている。このカバー部材74は、下部にストッパ部74aが形成されており、移動部材73が下方向へ移動した際に、該移動部材73の下面がストッパ部74aと当接し、移動部材73がそれ以上下方向へ移動することがないようになっている。また、カバー部材74は、第2ベース部材52にネジ止め等の任意な方法で取付固定することができるようになっている。
【0043】
第1装飾部54は、第1発光部81、第1装飾体82、及び第2装飾体83を備えている。第1発光部81は、基板81aの表面側にLED等の発光部材が取り付けられ、基板81aの背面側にコネクタ81b,81cが取り付けられて構成されており、種々の発光態様で発光することができるようになっている。第1装飾体82は、提灯を模した形状となるように形成されており、前面に「磨」の文字が施されている。また、第2装飾体83は、第1装飾体82の下方に取り付けられるようになっている。これら第1装飾体82及び第2装飾体83は、本実施の形態の形状に限定されるものではなく、任意に選択した種々の形状にしてもよい。
【0044】
第2装飾部55は、第2発光部84及び第3装飾体85を備えている。第2発光部84は、基板84aの表面側にLED等の発光部材が取り付けられ、基板84aの背面側にコネクタ84b等が取り付けられて構成されており、種々の発光態様で発光することができるようになっている。第3装飾体85は、第2発光部84の前面側に取り付けられるように形成されている。なお、この第3装飾体85も、本実施の形態の形状に限定されるものではなく、任意に選択した種々の形状にしてもよい。
【0045】
次に、第2取付部57に形成されている一時収容部91の構成を図8〜図10に基づいて説明する。一時収容部91は、センター役物22と裏ユニット13とを組み合わせる前に、ソレノイド70に接続された配線L1を収容し、センター役物22と裏ユニット13とを組み合わせた後に、収容した配線L1を取り出せるようにするためのものである。図8に示すように、一時収容部91は、第2取付部57においてソレノイド収容部61の右側に隣接するように形成されている。また、図9及び図10に示すように、一時収容部91は、第2取付部57の基部57aよりも後方へ延出するように形成されている。一時収容部91は、上壁部92の左右方向の長さが下壁部93の左右方向の長さよりも長くなるように形成されている。また、一時収容部91は、左壁部94がソレノイド収容部61の左側壁部64の一部を構成するようにも形成されている。この一時収容部91は、センター役物22の装飾枠31の外周縁と駆動装置53との間に位置するように形成されており、この位置において、右壁部95が斜め方向に向けて形成されている。これにより、センター役物22を遊技盤12に取り付ける際に、該遊技盤12の開口部12aと一時収容部91の右壁部95との干渉を防止することができるようになっている。
【0046】
また、図8及び図9に示すように、一時収容部91は、前後方向に貫通する貫通孔91aが開口形成されており、筒状となるように形成されている。この貫通孔91aの大きさは、一方の辺(本実施の形態においては上側の辺)の左右方向の長さが他方の辺(本実施の形態においては下側の辺)の左右方向の長さよりも長くなるように形成されている。即ち、本実施の形態において、一方の辺に相当する貫通孔91aの上側の辺の左右方向の長さをD1、他方の辺に相当する貫通孔91aの下側の辺の左右方向の長さをD2とすると、D1>D2の関係が成立するように形成されている。また、この貫通孔91aの中を通るコネクタの長手方向の幅をW1とすると(図11参照)、幅W1、左右方向の長さD1,D2の関係は、D1はW1よりも長くなるように形成され、D2はW1よりも短くなるように形成されている。即ち、これらD1,D2,W1は、D1>W1>D2の関係が成立するように形成されている。なお、本実施の形態では、D1>D2の関係が成立した台形形状となるように貫通孔91aが形成されているが、この貫通孔91aの形状は台形に留まるものではなく、例えば三角形状のような台形以外の形であってもよい。
【0047】
図9は、図8のA−A線の断面を表した断面図であり、図10は、一時収容部91が形成されている箇所を右側から見た状態を表した側面図である。図9に示すように、一時収容部91の背面の端部101(図9における上端部)の位置は、駆動装置53のプランジャ72が設けられている位置よりも後方であって、カバー部材74よりも後方となるように形成されている。すなわち、一時収容部91の背面の端部101の位置は、カバー部材74の端部に比べてH1だけ後方に位置するように形成されている。また、一時収容部91の背面の端部101の位置は、プランジャ72が設けられている位置に比べてH2だけ後方に位置するように形成されている。また、図10に示すように、前方側(図9においては、一時収容部91の下方)には、センター役物22の装飾枠31との間には、空間部96が形成されている。この空間部96は、一時収容部91に配線L1を一時的に収容した時に、この配線L1を一時収容部91の下方へ移動させやすくするためのもので、いわゆる逃げ部としての機能を有するように構成されている。また、一時収容部91は、該一時収容部91の後端面の位置が第2取付部57に形成された孔部の後端面の位置よりも後方に位置するように形成されている。
【0048】
なお、第2装飾体83は、第1装飾体82と同様に、第1ベース部材、第1装飾体及び第2装飾体を備えるように構成されているが、第1ベース部材51は、一時収容部91を備えていない以外は第1装飾体82の構成と同じであり、また第1装飾体及び第2装飾体の構成も第1装飾体82と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0049】
次に、本実施の形態に係る一時収容部91の作用効果について説明する。まず、本実施の形態に係る遊技機1において、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付ける際の手順について説明する。本実施の形態に係る遊技機1は、第1装飾体82及び第2装飾体83を取り付けた第1装飾部材38や第2装飾部材39が取り付けられている装飾枠31を遊技盤12に取り付ける。その後、遊技盤12を遊技機1の中枠3に取り付けて、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取付固定して組み立てられる。
【0050】
このようなステップで遊技機1を組み立てる場合において、特に遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付ける際の手順について詳細に説明する。まず、裏ユニット13を遊技盤12に取り付ける前段階として、ソレノイド70に接続されている配線L1を予め一時収容部91の貫通孔91aに通しておく。この場合、図9に示すように、ソレノイド70は一時収容部91よりも前側に位置するので、ソレノイド70の配線L1は一時収容部91よりも前側から延出する。また、この配線L1は、裏ユニット13を取り付けた後は該裏ユニット13に取付固定された他の電子部品のコネクタと配線L1の先端に設けられたコネクタC1とを接続するため、遊技盤12よりも後方へ配線される。そのため、本実施の形態では、配線L1を一時収容部91に収容する場合には、貫通孔91aの前側から後側に向けて挿通する。
【0051】
なお、配線L1は、裏ユニット13に取付固定された他の電子部品と接続するためのものであるから所定の長さを有するように形成されている。そのため、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付ける前は、配線L1のコネクタC1は他のコネクタとは接続されておらず、自由に動ける状態になっている。しかし、本実施の形態においては、一時収容部91の貫通孔91aに配線L1を挿通させることによって、配線L1の上下左右方向への移動を一時収容部91の上壁部92、下壁部93、左壁部94及び右壁部95によって規制することが可能になる。なお、図11において符号L2で示すのは、第1発光部81の基板に取り付けられているコネクタに接続されている配線である。
【0052】
遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取付固定する場合には、図12及び図13に示すように、配線L1の先端を一時収容部91に収容する。この場合には、コネクタC1は貫通孔91aの内部に位置し、配線L1は、一時収容部91の下方に形成された空間部96に位置するようになる。この状態で裏ユニット13を遊技盤12の背面側に取付固定し、その後、一時収容部91の貫通孔91aの内部に収容された配線L1のコネクタを取り出して、再度配線し直す。そして、コネクタを裏ユニット13に形成された相手方のコネクタに接続して、裏ユニット13の取付固定が行われる。
【0053】
本実施の形態に係る遊技機1によれば、上記した通り、配線L1を一時収容部91の中に通し、配線L1の上下左右方向への移動を規制することができるので、配線L1の大幅な移動を防止することができる。したがって、例えば図14に示すように、配線L1を一時収容部91の貫通孔91aの中を通さなかったり、又は一時収容部91が形成されていない場合等に、配線L1が大幅に移動して、遊技盤12と裏ユニット13との間に配線L1を挟み込んだり、この挟み込みによる配線L1の断線させてしまうような問題、またこのように配線L1を挟み込んでしまったことにより、遊技盤12と裏ユニット13との組み付けを再度行わなければならないという問題というような、製造時における不都合を確実に防止することが可能になる。
【0054】
また、本実施の形態の遊技機1によれば、配線L1の先端を一時収容部91に収容することによって配線L1に無理な力が加わることや、無理な力が加わることによって配線L1の先端を一時収容部91に収容することができないというような不具合を確実に防止することができる。また、裏ユニット13は、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取付固定した場合であっても、前側端部は空間部96よりも後方に位置した状態で取付固定される。したがって、配線L1の先端を一時収容部91に収容し、配線L1の大部分が空間部96に位置する場合でも、裏ユニット13の取り付けに際して、空間部96に位置する配線L1が遊技盤12と裏ユニット13との間に挟まったり、又は配線L1が断線することも確実に防止することができる。
【0055】
また、本実施の形態の遊技機1によれば、一時収容部91を上辺の左右方向の長さが下辺の左右方向の長さよりも長く、逆に言えば下辺の左右方向の長さが上辺の左右方向の長さよりも短くなるように形成されているので、スペース効率を向上させることができる。また、本実施の形態の遊技機1によれば、一時収容部91の貫通孔91aは、一方の辺(本実施の形態においては上側の辺)の左右方向の長さD1が他方の辺(本実施の形態においては下側の辺)の左右方向の長さD2よりも長くなるように形成されており、かつコネクタC1の長手方向の幅W1に対しては、D1はW1よりも長く、D2はW1よりも短くなるように形成されているので、配線L1の先端のコネクタC1を一時収容部91内に留まりやすくすることができ、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付ける際に配線L1の先端が一時収容部91よりも後方へ飛び出るおそれを確実に防止することができる。そのため、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付ける際に、配線L1が遊技盤12と裏ユニット13との間に挟まったり、又は配線L1が断線したりすることをより確実に防止することができる。また、このように、配線L1の挟み込みや断線のおそれを確実に防止することができるので、遊技機1の製造時にこれら遊技盤12と裏ユニット13とを組み付ける作業を行う時は、作業者が配線L1の挟み込みや断線のおそれを気にせずに作業することができるため、遊技機1の製造効率を大幅に向上させることも可能になる。
【0056】
さらに、上記したように構成することで、一時収容部91の貫通孔91a内に収容した配線L1を容易に取り出すこともできる。そのため、遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取り付けた後に配線L1のコネクタC1を他のコネクタと接続する際の作業も非常に効率的に行うことができるようになり、製造時の作業効率をより大幅に向上させることも可能になる。
【0057】
また、本実施の形態の遊技機1によれば、一時収容部91の左壁部94がソレノイド70と隣接する位置に設けられ、左壁部94によってソレノイド70と隣接する位置が部分的に分割されるように構成されているので、配線L1の先端を一時収容部91に収容する前、又は一時収容部91に配線L1を収容する際などの場合に、ソレノイド70が配置される箇所に配線L1の先端が侵入することも防止できる。また、このように形成することで、ソレノイド70が配置される箇所に他の配線L1の先端が侵入すること、及びこの他の配線L1が侵入した状態でソレノイド70が駆動し、さらにプランジャ72や移動部材73が移動した際における該他の配線L1の挟み込みや断線のおそれも確実に解消することが可能になる。また、このように形成することで、ソレノイド70に対して針金等を挿入して不正にソレノイド70を動作させて賞球を獲得するというような行為も確実に防ぐことが可能になる。
【0058】
また、本実施の形態の遊技機1によれば、一時収容部91の左壁部94の後端が駆動装置53のカバー部材74よりも後方へ位置するように形成されているので、一時収容部91の中を挿通した配線L1が該一時収容部91からソレノイド70が配置されている箇所へ侵入したり、上記したような不正行為を行うことをより確実に防止することも可能になる。
【0059】
以上、本実施の形態に係る遊技機1の具体的な構成について説明したが、本発明は、本実施の形態の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、本実施の形態では、センター役物22を構成する第1装飾体82に一時収容部91を設け、これによって遊技盤12の背面側に裏ユニット13を取付固定する際の配線L1の挟み込み及び断線を防止する例について説明したが、一時収容部91をセンター役物22以外の遊技盤12や裏ユニット13に設けるように構成してもよい。また、本実施の形態では、一時収容部91を第1装飾部材38のみに設けた例について説明したが、第2装飾部材39にも設けてよい。また、一時収容部91は、一カ所に限らず、複数個所に設けてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、一時収容部91は、上辺の左右方向の長さが下辺の左右方向の長さよりも長くなるように形成されているが、配線の仕方によっては、上辺の左右方向の長さが下辺の左右方向の長さよりも短くなるように形成してもよいし、また、左辺の上下方向の長さが右辺の上下方向の長さよりも長く(又は短く)なるように形成してもよい。この場合、一時収容部91の形状は、配線L1の先端が一時的に収容できればよく、本実施の形態における形状に限定されるものではない。例えば、一時収容部91を上辺、左辺及び右辺からなる三角形状にしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 遊技機
12 遊技盤
12a 開口
13 裏ユニット
17 遊技領域
18 普通入賞装置
19 始動入賞装置
20 大入賞装置
22 センター役物
31 装飾枠
32 装飾部材
33 装飾本体
34 表示装置
35 特別入賞装置
36 特別入賞口
37 羽根部材
38 第1装飾部材
39 第2装飾部材
51 第1ベース部材
52 第2ベース部材
53 駆動装置
54 第1装飾部
55 第2装飾部
56 第1取付部
57 第2取付部
70 ソレノイド
72 プランジャ
91 一時収容部
91a 貫通孔
96 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに組み合わせられた第1の部材と第2の部材とを有し、配線を有する各種電子部品が前記第1の部材に設けられた遊技機であって、
前記第1の部材は、前記第1の部材と第2の部材とを組み合わせる前に前記配線を収容し、これら第1の部材と第2の部材とを組み合わせた後に収容した前記配線を取り出せるように構成した一時収容部を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記一時収容部は、前記配線の先端を含む全体を収容可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1の部材がセンター役物であり、前記第2の部材は前記センター役物が組み付けられる裏ユニットであることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1の部材の表面には、遊技球が入賞可能な入賞装置が設けられており、前記第1の部材の背面には、前記入賞装置を駆動するための駆動装置が設けられており、
前記一時収容部は、前記駆動装置と隣接する位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記駆動装置は、前記入賞装置を開閉駆動するプランジャを有するソレノイドを備え、
前記一時収容部背面の端部の位置が前記プランジャの設けられている位置よりも後方となるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記一時収容部が筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記各種電子部品が設けられた第1の部材のベース部と前記一時収容部との間に所定の幅を有する空間部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記一時収容部は、前記第1の部材の外周縁と前記駆動装置との間に設けられていることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−75123(P2013−75123A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218336(P2011−218336)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】