遊技球貯留タンク
【課題】遊技球の合流時における球噛みを防止することができる遊技球貯留タンクを提供すること。
【解決手段】この遊技機枠ユニットは、第1球通路46と、遊技球23を第1球通路46に合流させる第2球通路47と、を有しており、合流部48においては、第2球通路47から合流する合流元遊技球23Cが第1球通路内の複数の合流先遊技球23A、23Bと当接するように構成されており、合流元遊技球23Cと合流先遊技球23A、23Bとが当接した状態において、合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段46a、P3を備える。
【解決手段】この遊技機枠ユニットは、第1球通路46と、遊技球23を第1球通路46に合流させる第2球通路47と、を有しており、合流部48においては、第2球通路47から合流する合流元遊技球23Cが第1球通路内の複数の合流先遊技球23A、23Bと当接するように構成されており、合流元遊技球23Cと合流先遊技球23A、23Bとが当接した状態において、合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段46a、P3を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が設置される遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技者に対して遊技球を払い出す賞球払出ユニットへ向けて該遊技球を通過させる遊技球貯留タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機においては、弾球された遊技球が遊技領域(遊技盤面上又はその近傍に形成された領域であって、遊技球の流下による遊技や演出を実現するための領域。)を流下して、その流下の過程で遊技球が遊技領域内の遊技釘(ゲージともいう。)や羽根車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技領域上に配置された各種入賞口に遊技球が入賞すれば所定の賞球の払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に遊技球が流入すれば賞球の払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は遊技球の流下における偶然性を利用しつつ遊技球の入賞及び賞球の払出しを期待し、遊技を楽しむのである。
【0003】
このようなパチンコ機は、複数のパチンコ機を設置させる遊技機島に取り付けられ、遊技機島の遊技球循環装置から遊技球が供給されるように構成されている。遊技機島から供給された遊技球は、パチンコ機の後面側の上部に配置された遊技球貯留タンクに供給される。遊技球貯留タンクは、遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技球を1球ずつ払い出す賞球払出ユニットに導くように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−158537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技球貯留タンクは、上面が開口すると共に仕切壁を挟んで並設される球通路を有しており、この2列の球通路によって遊技球を整列して賞球払出ユニットに供給するように構成されている。この遊技球貯留タンクにおいて、貯留する遊技球数を増やすためには、球通路の長さを長くすることが考えられる。しかし、球通路の長さを長くすると、遊技球貯留タンクが大きくなってしまい、限られた領域であるパチンコ機のスペース効率を低下するおそれがある。
【0006】
また、遊技球貯留タンクの遊技球の貯留球量を増やすために、球通路の列数を増やすことが考えられるが、賞球払出ユニットに導く遊技球の列数は限られているため、遊技球を整列しつつ球通路の列数を減らすように球通路を合流させる必要がある。球通路を合流させる際に、2つの球通路を単につなげるのみでは、合流する際に遊技球同士の球噛みが発生してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、遊技機島から供給される遊技球を整列する複数の球通路を有し、この球通路内の遊技球を合流させて球通路数を減らしつつ賞球払出ユニットに導く球貯留タンクであって、遊技球の合流時における球噛みを防止することができる遊技球貯留タンクを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な側面としての遊技球貯留タンクは、複数の遊技機が設置される遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技者に対して遊技球を払い出す賞球払出ユニットへ向けて遊技球を通過させる遊技球貯留タンクであって、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を賞球払出ユニットに向けて導く第1球通路と、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を第1球通路に合流させる第2球通路と、を有しており、第1球通路の底面は、賞球払出ユニットに向かって傾斜しており、第2球通路が第1球通路に合流する合流部においては、第2球通路から合流する合流元遊技球が第1球通路内の複数の合流先遊技球と当接するように構成されており、合流元遊技球と合流先遊技球とが当接した状態において、合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段を備える。
【0009】
遊技球貯留タンクは、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を賞球払出ユニットに向けて導く第1球通路と、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を第2球通路に合流させる第2球通路と、を有しており、遊技機島から供給された遊技球を第1球通路と第2球通路によって受け、受けた遊技球を第1球通路に合流させて、第1球通路によって賞球払出ユニットに導く。
【0010】
第1球通路と第2球通路の合流部においては、第2球通路から合流する遊技球が第1球通路の遊技球と当接する。このとき、第1球通路の遊技球と第2球通路からの遊技球とが合流して、1つの球通路(第1球通路)を通過するため、第2球通路から合流する合流元遊技球と、この遊技球と当接する第1球通路内の合流先遊技球と、の球噛みが発生するおそれがある。
【0011】
しかし、合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段が設けられていることにより、隣接して配置された合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を円滑に合流させることができる。
【0012】
したがって、遊技機島から供給される遊技球を複数列の球通路で受け、この遊技球を通過させる過程で整列しつつ球通路を合流させて、球通路の列数を減らして賞球払出ユニットに導くことができる。よって、球通路の長さによらず、遊技球貯留タンクにおいて保持する遊技球の貯留数を増やすことができ、遊技機のスペース効率を向上させることが可能となる。
【0013】
第1球通路の底面は、賞球払出ユニットに向かうにつれて傾斜角度が大きくなるように形成されており、隙間増加手段は、第1球通路の底面において傾斜角度が変化する変化点を有する傾斜構造であり、変化点は、合流元遊技球と合流先遊技球とが当接した状態において、合流先遊技球のうち合流元遊技球より上流に位置する合流先遊技球の重心よりも通過方向下流であって、かつ合流先遊技球のうち合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球の重心よりも上流に配置されていてもよい。
【0014】
合流元遊技球と合流先遊技球とが当接した状態において、合流先遊技球のうち合流元遊技球より上流に位置する合流先遊技球の重心よりも通過方向下流であって、かつ合流先遊技球のうち合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球の重心よりも上流に傾斜角度が変化する変化点が設けられているため、合流先遊技球のうち合流元遊技球よりも下流に位置する合流先遊技球(以下、下流合流先遊技球とする。)の通過速度を、合流先遊技球のうち合流元遊技球よりも上流に位置する合流先遊技球(以下、上流合流先遊技球とする。)の通過速度よりも相対的に速くすることができる。
【0015】
下流合流先遊技球の通過速度を相対的に速くすることにより、隣接して配置された合流先遊技球同士の隙間を増加させて、合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を合流させることができる。
【0016】
隙間増加手段は、合流元遊技球と当接する接触部であり、合流元遊技球は、接触部と当接することによって、合流先遊技球のうち合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球よりも遅延して移動するように構成されていてもよい。
【0017】
第2球通路から合流する合流元遊技球と接触する接触部を設けることにより、合流元遊技球の通過速度を遅延させて、合流元遊技球と当接する合流先遊技球のうち第2球通路から合流する遊技球よりも下流に位置する下流合流先遊技球を先行して移動させることができる。合流元遊技球を遅延させることにより、合流元遊技球と当接し、かつ上流に位置する上流合流先遊技球も遅延させることができる。
【0018】
よって、上流合流先遊技球と下流合流先遊技球との隙間を増加させて、合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を合流させることができる。
【0019】
接触部は、合流先遊技球と当接した合流元遊技球と接触するように構成されていればよく、例えば、第1球通路又は第2球通路の一部を覆う蓋部材に設けられていてもよいし、第1球通路の内壁面又は第2球通路の内壁面に設けられていてもよい。なお、合流元遊技球とは、第2球通路から第1球通路にこれから合流する遊技球及び合流しつつある遊技球のいずれをも含む概念であり、接触部は、第2球通路の遊技球が第1球通路内の遊技球と合流するいずれかの過程において接触するように設けられていればよい。
【0020】
接触部には、合流元遊技球と衝突する凹凸部が形成されていてもよい。接触部に凹凸部が形成されていることにより、合流元遊技球が通過する過程において合流元遊技球に振動を発生させることができる。合流元遊技球に振動を発生させることにより、合流元遊技球と合流先遊技球とが球噛みを生じるような位置のバランスを崩すことができ、球噛みの発生を効果的に防止することができる。
【0021】
隙間増加手段は、第1球通路の底面に施され、底面に接する合流先遊技球への摩擦を低減する表面処理構造又は第2球通路の内壁面に施され、内壁面に接する合流元遊技球への摩擦を低減する表面処理構造であってもよい。合流元遊技球と合流先遊技球との通過速度が同様であると、遊技球同士の球噛みが発生するおそれがある。しかし、例えば、第1球通路を通過する合流先遊技球への摩擦を低減することにより、合流先遊技球の通過速度を合流元遊技球の通過速度と相対的に異ならせて、遊技球の球噛みの発生を抑制することができる。
【0022】
また、第2球通路から第1球通路に合流する合流元遊技球への摩擦を低減することにより、合流元遊技球の通過速度を高め、合流先遊技球との相対速度を異ならせて、遊技球の球噛みの発生を抑制することができる。なお、表面処理構造とは、表面の摩擦抵抗を少なくするような構造であればよく、例えば、フッ素コーティング膜を設けて、表面の摩擦抵抗を少なくする構成を例示できる。
【0023】
また、第2球通路が第1球通路に合流する合流部においては、第1球通路よりも第2球通路が高くなるように配置されており、合流先遊技球上に合流元遊技球が載置されるように構成されていてもよい。
【0024】
第1球通路と第2球通路との高さを異ならせることにより、合流先遊技球に合流元遊技球を載置することができ、第2球通路から合流する遊技球を、第1球通路内の隣接する合流先遊技球に容易に当接させることができる。合流先遊技球の上方に合流元遊技球を配置することにより、合流元遊技球の自重を合流先遊技球の隙間を押し広げる方向に作用させることができる。よって、合流先遊技球同士の隙間を増加させて、その隙間に合流元遊技球を侵入させることができ、球噛みを防止しつつ合流元遊技球と合流先遊技球とを合流させることができる。
【0025】
また、第1球通路の遊技球の上方に第2球通路の遊技球を載置させる構成においては、第1球通路の上方に接触部を設けることによって、第2球通路から合流する遊技球に接触部が接するように容易に構成することができる。
【0026】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第2球通路からの合流元遊技球と当接する合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段が設けられていることにより、隣接して配置された合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を円滑に合流させることができる。
【0028】
したがって、遊技機島から供給される遊技球を複数列の球通路で受け、この遊技球を通過させる過程で整列しつつ球通路を合流させて、球通路の列数を減らして賞球払出ユニットに導くことができる。よって、球通路の長さによらず、遊技球貯留タンクにおいて保持する遊技球の貯留数を増やすことができ、遊技機のスペース効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態1に係る遊技球貯留タンクを有するパチンコ機の正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図3】図2に示す遊技球貯留タンクの平面図である。
【図4】遊技球貯留タンクの背面図及び断面図である。(a)は背面図であり、(b)は図3に示すA−A断面図である。
【図5】遊技球貯留タンクを上後方から視認した状態の分解斜視図である。
【図6】遊技球貯留タンクを下前方から視認した状態の分解斜視図である。
【図7】第2蓋部材及び第3蓋部材を外した状態における合流部の拡大平面図である。
【図8】第1球通路と第2球通路の合流部の拡大断面図である。
【図9】実施の形態2に係る遊技球貯留タンクの第3蓋部材を示した図である。(a)は正面図であり、(b)は、前下方から視認した斜視図である。
【図10】第1球通路と第2球通路の合流部の拡大断面図である。
【図11】変形例に係る第3蓋部材を示した図である。(a)は正面図であり、(b)は、前下方から視認した斜視図である。
【図12】実施の形態3に係る遊技球貯留タンクを示した図である。(a)は平面図であり、(b)は左後方から視認した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技球貯留タンク40を有するパチンコ機(遊技機)2の正面図であり、図2は、図1に示すパチンコ機2の背面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠ユニット3、遊技盤ユニット5、ガラス10、発射ユニット(図示せず)、球皿14等を有している。発射ユニットは、1個ずつ遊技球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能に構成されている。
【0031】
パチンコ機2は、遊技者が後述する発射装置ハンドル15を操作することによって、遊技領域16に向けて球が発射ユニットによって発射され、球の流下による遊技が実現される。なお、遊技機は、パチンコ機2の他にパチンコ式スロットマシン機、コインゲーム機等のアーケードマシン、各種ゲーム機を概念することができ、要するに、遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技領域を有するあらゆる遊技機が含まれる。
【0032】
なお、パチンコ機においても、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技については後述する。
【0033】
パチンコ機2の遊技機枠ユニット3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのものであり、このパチンコ機2の周囲側面及び前方を囲むように構成されている。遊技機枠ユニット3の内部側には、遊技盤ユニット5の他にも後述する各種制御基板や遊技球用の経路、及び遊技球の発射装置等各種機構部品が配置され、遊技機枠ユニット3によって周囲側面及び前方からのパチンコ機2内部側への不正アクセスが防止されるようになっている。
【0034】
パチンコ機2の周囲を囲む外枠4、その内側に前方開閉可能にヒンジ22を介して揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する前枠9、前枠9の前方に前方開閉可能に揺動支持されガラス10及びその周囲を装飾する装飾部材32を保持するガラス枠12、を有して遊技機枠ユニット3が構成される。
【0035】
ガラス10は、遊技機枠ユニット3内部側に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。ガラス10は、2枚の透明平板ガラスで形成されてガラス枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に遊技球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者がガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
【0036】
球皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上球皿14aと下球皿14bとを有している。上球皿14aは、球抜き部材14cを有して遊技盤6の下方、すなわちガラス枠12の下方部分に配置され、下球皿14bは、その上球皿14aの更に下方に配置されている。
【0037】
発射ユニット(図示せず)は、球送り装置(図示せず)によって球皿14の一部としての上球皿14aから発射位置に送り出された遊技球23を遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、前枠9の下部に取り付けられており、発射位置の遊技球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネを有している。
【0038】
遊技盤ユニット5は、遊技盤面(遊技盤の表面)6a側の略中央に遊技役物としてのセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤面6aには多数の遊技釘27も配置されている。センター役物7の中央部には、画像表示手段としての演出表示装置7aが配置されるとともに、この演出表示装置7aの表示部7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。
【0039】
遊技盤6は、その表面側に遊技球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠ユニット3の一部としての前枠9に保持されている。すなわち、前枠9は、遊技盤6を保持する保持部として機能している。
【0040】
遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の外レール26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の外レール26aによって画定され、外レール26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
【0041】
遊技釘27は、遊技領域16を流下する遊技球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、始動入賞口29、大入賞口31等の入球部材及びアウト口30が配置されている。更に、遊技領域16には、ゲート33、風車34等が配置されており、流下する遊技球23が各入球部材に流入したり、ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、遊技球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
【0042】
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示部7b上に映像表示を行うものである。この演出表示装置7aの表示部7bには、第1図柄に連動する第1装飾図柄の表示がなされる。第1装飾図柄は、第1抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示部7b上に表示されるようになっている。演出表示装置7aには、遊技制御手段としての演出制御基板が中継基板を介して電気的に接続されており、演出制御基板によって画像表示が制御される。
【0043】
遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う遊技制御手段としての主制御基板を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示の制御等を行う演出制御基板を収容した演出制御基板ケース36と、賞球払出ユニット60による賞球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技が実現される。更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。
【0044】
また、パチンコ機2の背面には、複数のパチンコ機2が隣接して配置された遊技機島に設けられた遊技球循環装置(図示せず)から供給された遊技球23を一時的に貯留するための遊技球貯留タンク40と、遊技球貯留タンク40からの遊技球23が流入し、この遊技球23を1球ずつ通過させる賞球払出ユニット60と、が設けられている。遊技球貯留タンク40については、後述にて詳細に説明する。
【0045】
賞球払出ユニット60は、払出制御手段によって駆動制御されるように構成されており、各種入賞口への遊技球23の入球や、遊技者からの遊技球23の貸出し要求に応じて、遊技者に遊技球23を供給するように構成されている。
【0046】
発射ユニットにより遊技球23が発射されると、遊技球23はレール飾り26の外レール26aに沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、遊技球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、あるものはレール飾り26の外レール26aに沿って右側に移動し、あるものはゲージに衝突しつつ遊技領域16内を下方に流下し、あるものは普通入賞口28に流入して一定数の賞球払出しの契機となり、あるものはいずれの入球装置にも流入せずに遊技領域16内最下部に位置するアウト口30に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
【0047】
図柄変動遊技中に遊技球23が始動入賞口29に流入すると、その流入に起因して演出表示装置7aの表示図柄7cが回転表示(第1の特別遊技の抽選)を開始し、その表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示すれば、図柄変動遊技における大当り(第1の特別遊技。以下、図柄変動大当りという。)が発生する。そして、大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の賞球が球皿14へと払い出されるようになっている。
【0048】
次いで、図3から図8に基づいて遊技球貯留タンク40について詳細に説明する。図3から図6は、遊技球貯留タンク40を示した図である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は後述する第1蓋部材42等を外したタンク本体41の平面図である。図4(a)は背面図であり、図4(b)は図3(a)に示すA−A断面図である。図5及び図6は、遊技球貯留タンク40の分解斜視図である。図5は、上後方から視認した状態であり、図6は、下前方から視認した状態である。なお、図4(b)は、模式的に遊技球23を点線にて示している。
【0049】
遊技球貯留タンク40は、複数のパチンコ機2が設置された遊技機島に設けられた遊技球循環装置から供給された遊技球23を貯留し、この貯留した遊技球23を整列させて、賞球払出ユニット60に導くように構成されている。遊技球循環装置は、パチンコ機2の上方に配置されており、遊技球貯留タンク40に向けて遊技球23を落下させる。
【0050】
遊技球貯留タンク40は、上側が開口形成され、遊技球23を左方に向けて整列させつつ導くタンク本体41と、タンク本体41の上方を覆う第1蓋部材42、第2蓋部材43、及び第3蓋部材44と、タンク本体41によって整列された遊技球23を賞球払出ユニット60に順々に導く球送り部材45と、を有している。
【0051】
タンク本体41は、遊技球循環装置から供給された遊技球23を貯留する貯留部41aと、貯留部41aの遊技球23を整列させて左方に導く球通路50と、を有する。球通路50は、前後方向に隣接して4列に形成されている。4列の球通路50は、貯留部41aに貯留された遊技球23が流入するように構成されており、遊技球23を1列に整列させて左側へ導く。
【0052】
球通路50は、貯留部41aの遊技球23を1列に整列させ、この遊技球23を賞球払出ユニット60に導く第1球通路46と、貯留部41aの遊技球23を1列に整列させ、この遊技球23を第1球通路46に合流させる第2球通路47と、を有する。第2球通路47は、4列の球通路50のうち前端と後端に位置しており、第1球通路46は、前後方向において第2球通路47に挟まれている。第2球通路47を通過する遊技球23は、第1球通路46を通過する遊技球23に合流し、途中から第1球通路46を通過して賞球払出ユニット60に向けて導かれる。
【0053】
第1球通路46は、右側に配置された貯留部41aからの遊技球23を左側に導き、左下方に形成された排出口49から遊技球23を落下させ、左下方に配置された賞球払出ユニット60に遊技球23を導く。第1球通路46の底面46a及び第2球通路47の底面47aは、左側に向かって下降するように傾斜している。また、第1球通路46の底面46aは、傾斜角度が変化する変化点P1からP3を有しており、変化点P1からP3を境界として傾斜角度が変化して、左側に向かって徐々に傾斜角度が大きくなる。一方、第2球通路47の底面47aは、変化点P1のみを有しており、変化点P1を境界として傾斜角度が変化する。
【0054】
第1球通路46の底面46a及び第2球通路47の底面47aには、貯留部41aからの遊技球23を球通路内部に導くためのガイド穴部46b及び47bが形成されている。ガイド穴部46b及び47bは、遊技球23の通過方向に沿って4列形成されている。ガイド穴部46b及び47bは、球通路50を通過する遊技球23の前後方向の位置を調節して、遊技球23を1列に整列させた状態で球通路50を通過させる。
【0055】
また、隣接する球通路50の間には、通過方向の上流に向かって上方に傾斜する傾斜壁部51が設けられている。傾斜壁部51が設けられていることにより、隣接する球通路50の間に遊技球23が乗ったり、球通路50の間に遊技球23が挟まったりすることを防ぎ、遊技球23を1列ずつ整列することができる。このようにして4列の球通路50に整列された遊技球23は、各球通路50を画定する内壁面に沿って左方に移動する。
【0056】
第1球通路46の内壁面46c及び第2球通路47の内壁面47cには、内側に向かった突出した突起部46d及び47dが形成されている。突起部46d及び47dは、対向する内壁面において左右方向にずれて配置されており、通過する遊技球23は前後方向にわずかに移動しつつ左方に移動する。このように突起部46d及び47dを設けることにより、通過方向下流に位置する遊技球23へ作用する遊技球23の自重を分散して、遊技球23同士の球噛みを防止することができる。
【0057】
第1蓋部材42は、その裏面が下方に向かって突出した傾斜面42aが形成されている、傾斜面42aは、左方に向かって低くなるように構成されている。第1蓋部材42によって、貯留部41aから第1球通路46及び第2球通路47に流入する遊技球23を高さ方向において規制する。
【0058】
第2蓋部材43は、第1蓋部材42と離間し、かつ第3蓋部材44と隣接して配置されている。第2蓋部材43の裏面にも、下方に向かって突出し、第1球通路46内の遊技球23と第2球通路47内の遊技球23とを高さ方向で規制する傾斜面43aが設けられている。第3蓋部材44は、第2球通路47内の遊技球23が第1球通路46内の遊技球23に合流する合流部48を覆い、第2球通路47からの遊技球23を第1球通路46内の遊技球23に円滑に合流させるように遊技球23をガイドする機能を有する。第3蓋部材44は、その裏面に下方に突出した突出部44aが形成されている。突出部44aは、第2球通路47を覆う部分に設けられており、第1球通路46との合流部48に向けて傾斜している。
【0059】
第1球通路46と第2球通路47の合流部48においては、第1球通路46の底面46aは、第2球通路47の底面47aよりも低く形成されている。第1球通路の底面46aは、変化点P1からP3(図6参照)を介して賞球払出ユニット60に向かって徐々に下降している。一方、第2球通路47の底面47aは、変化点P1を介して傾斜角度が変化しているが、変化点P1より下流においては一定の傾斜角度である。
【0060】
変化点P1は、貯留部41aの近傍に形成されており、貯留部41aから流入した遊技球23を左方に導く傾斜面を形成している。変化点P2は、第2球通路47のみに形成されており、合流部48よりも上流に配置されている。したがって、合流部48においては、第1球通路46の底面46aは、第2球通路47の底面47aよりも低く形成されている。また、第3変化点P3は、合流部48の下流に設けられている。このように、複数の変化点が設けられていることにより、変化点を境界として傾斜角度が大きくなり、遊技球23の通過速度が変化する。なお、第1球通路46の底面46aの傾斜構造は、後述する隙間増加手段として機能している。
【0061】
次いで、このように構成された球貯留タンク40における遊技球23の通過態様について説明する。貯留部41aから第1球通路46及び第2球通路47に流入した遊技球23は、右方から左方に向かって移動する。そして、第1球通路46と第2球通路47との合流部48において、第2球通路47内の遊技球23は、第1球通路46に合流する。図7及び図8は、遊技球23の合流態様を模式的に示した図である。図7は、第2蓋部材43及び第3蓋部材44を外した状態の合流部48の拡大平面図であり、説明の便宜上、前側の第1球通路46及び第2球通路47のみ示しており、後側の第1球通路46及び第2球通路47を省略している。図8は、図4(b)に示す断面図における合流部48の拡大図である。
【0062】
図7及び図8(a)は、第2球通路47から合流する遊技球(合流元遊技球)が、第1球通路46内の遊技球(合流先遊技球)と当接した状態である。図7及び図8においては、遊技球の通過方向を矢印Xとして図示する。また、図7及び図8においては、通過方向を第2球通路47から合流する合流元遊技球を23Cとして図示し、この合流元遊技球23Cと当接する第1球通路46内の合流先遊技球のうち下流側に位置する下流合流先遊技球を23Aとして図示し、合流先遊技球のうち上流側に位置する上流合流先遊技球を23Bとして図示する。(a)に示す状態においては、下流側から下流合流先遊技球23A、合流元遊技球23C、上流合流先遊技球23Bの順に配置されている。この状態において、変化点P3は、合流元遊技球23Cの重心C3及び上流合流先遊技球23Bの重心C2よりも下流側であって、かつ下流合流先遊技球23Aの重心C1よりも上流側に位置している。
【0063】
下流合流先遊技球23Aが接する底面46aの傾斜角度は、上流合流先遊技球23Bが接する底面46aの傾斜角度よりも大きい。したがって、下流合流先遊技球23Aは、上流合流先遊技球23Bよりも速い速度で右方に移動して(b)に示す状態となる。(b)に示す状態においては、下流合流先遊技球23Aが上流合流先遊技球23B及び合流元遊技球23Cよりも速く移動しているため、上流合流先遊技球23B及び合流元遊技球23Cと、下流合流先遊技球23Aと、の間に隙間が生じている。
【0064】
下流合流先遊技球23Aと合流元遊技球23Cとの間に隙間が生じると、下流合流先遊技球23A及び上流合流先遊技球23Bに載置された合流元遊技球23Cが隙間に侵入して(c)に示す状態となる。合流元遊技球23Cの自重は、下方に作用しており、隙間を押し広げる方向に作用する。下流合流先遊技球23Aが右方に移動すると、合流元遊技球23Cは、下降して(d)に示す状態となり、更に下流合流先遊技球23A及び合流元遊技球23Cが移動すると(e)に示す状態となる。(e)に示す状態では、第2球通路47から合流した合流元遊技球23Cの重心C3は、変化点P3よりも下流に位置しており、下流合流先遊技球23Aに次いで右方に移動する。
【0065】
このように、本実施の形態1に係る球貯留タンク40によれば、第1球通路46の底面46aの傾斜構造によって、第1球通路46と第2球通路47の合流部48における合流先遊技球同士の隙間を増加させて、合流元遊技球と合流先遊技球との球噛みを防止しつつ、合流元遊技球23Cを第1球通路46に円滑に合流させることができる。遊技機島の遊技球循環装置から供給された遊技球23を整列させて、列数を減らしつつ賞球払出ユニット60に導くことができる。したがって、遊技球貯留タンク40の長さを長くすることなく、収容可能な遊技球数を増やすことができ、スペース効率の向上を図ることができる。
【0066】
<実施の形態2>
次いで、図9から図10に基づいて、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140について説明する。実施の形態1に係る遊技球貯留タンク40は、隙間増加手段として第1球通路46の底面46aの傾斜構造が設けられているが、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140は、第3蓋部材144に隙間増加手段としての接触部が設けられている。実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140は、第3蓋部の構成及び第1球通路の底面の傾斜角度が実施の形態1に係る遊技球貯留タンク40と異なっているが、他の構成については実施の形態1と同様である。同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
【0067】
図9は、実施の形態2に係る第3蓋部材144を示した図である。(a)は正面図であり、(b)は、前下方から視認した斜視図である。第3蓋部材144は、遊技球23の通過方向となる左方に向かって下降するように傾斜している。第3蓋部材144の下面には、第2球通路47に沿った突出部144aが形成されている。実施の形態2に係る第3蓋部材144の突出部144aは、実施の形態1に係る第3蓋部材44の突出部44aより厚く形成されており、第2球通路47から第1球通路46に合流する遊技球(合流元遊技球)23Cの上面に接触するように構成されている。
【0068】
また、実施の形態1においては、第2球通路47から合流した合流元遊技球23Cと、この合流元遊技球23Cと当接する合流先遊技球のうち下流側に位置する下流合流先遊技球23Aと、の間に変化点P3が配置されているが、実施の形態2においては、実施の形態1における変化点P3より下流に変化点P13が設けられている。
【0069】
図10は、図4(b)に示す断面図における合流部を示した拡大図である。(a)は、第2球通路47から合流する合流元遊技球23Cが、第1球通路146内の合流先遊技球23A及び23Bと当接した状態である。(a)に示す状態において、下流合流先遊技球23Aが右方に移動すると、上流合流先遊技球23Bと合流元遊技球23Cも共に移動して(b)に示す状態となる。
【0070】
そして、更に、下流合流先遊技球23A、上流合流先遊技球23B及び合流元遊技球23Cが右方に移動すると(c)に示す状態となり、上方に位置する合流元遊技球23Cは、突出部144aと接触する。突出部144aと接触すると、合流元遊技球23Cは下流合流先遊技球23Aより速度が低下し、合流元遊技球23Cの上流に位置する上流合流先遊技球23Bも進行方向に合流元遊技球23Cがあるため速度が低下する。したがって、上流合流先遊技球23Bと下流合流先遊技球23Aとの隙間が増加して(d)に示す状態となる。
【0071】
上流合流先遊技球23Bと下流合流先遊技球23Aとの間に隙間が増加すると、合流元遊技球23Cの自重が更に隙間を広げるように作用し、合流先遊技球同士の隙間を広げつつ、合流元遊技球23Cが下方に移動する。そして、下流合流先遊技球23Aの進行に伴って合流元遊技球23Cが合流先遊技球の間に侵入し、(e)に示すように第2球通路47からの遊技球23が第1球通路46内の遊技球23に合流する。
【0072】
以上のように、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140によっても、合流元遊技球23Cと合流先遊技球23A及び23Bとが当接した状態において、上流合流先遊技球23Bと下流合流先遊技球23Aとの隙間を増加させて、その隙間に合流元遊技球23Cを侵入させ易くすることができる。したがって、球噛みを防止しつつ、2列の球通路の遊技球23を1列に合流させることができる。
【0073】
また、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140の第3蓋部材144は、合流元遊技球23Cと接する面が平滑面であるが、凹凸部244bを設けてもよい。次いで、第3蓋部材の裏面に凹凸部を設けた変形例について図11に基づいて説明する。図11は、変形例に係る第3蓋部材244を示した図である。(a)は背面図であり、(b)は斜視図である。
【0074】
このように第3蓋部材244の裏面に凹凸部244bを設けることにより、衝突する合流元遊技球23Cが通過する過程において、合流元遊技球23Cに振動を発生させることができる。合流元遊技球23Cに振動を発生させることにより、合流元遊技球23Cと合流先遊技球23A及び23Bとが球噛みを生じるような位置のバランスを崩すことができ、球噛みの発生を効果的に防止することができる。
【0075】
<実施の形態3>
実施の形態3は、実施の形態2における接触部の配置を異ならせた実施形態である。実施の形態2の遊技球貯留タンク140は、第3蓋部材144に接触部としての突出部144aを設けているが、実施の形態3に係る遊技球貯留タンク240は、第1球通路146の内壁面146cに接触部を設けている。実施の形態3に係る遊技球貯留タンク240は、接触部の構成が実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140と異なっているが、他の構成については実施の形態2と同様である。同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
【0076】
図12は、実施の形態3に係る遊技球貯留タンク240を示した図である。図12においては、説明の便宜上、タンク本体41のみ示しており、第2蓋部材等を省略して示している。遊技球貯留タンク240は、並列した2列の第1球通路146を備えており、この第1球通路146の隣接した内壁面146cに接触部146eが設けられている。接触部146eは、内壁面146cの上下方向における中心より上方のみに形成されている。第2球通路47から第1球通路146に合流する合流元遊技球23Cは、合流先遊技球上に載置されるため、合流先遊技球の上方に位置している。したがって、接触部146eには、合流先遊技球23A及び23Bが接触せず、合流先遊技球23A及び23Bに載置された合流元遊技球23Cのみが接触するように構成されている。
【0077】
このように、第1球通路146の合流部より下流に位置する内壁面146cに接触部146eを設けることによっても、合流先遊技球23A、23Bに載置された合流元遊技球23Cの通過速度を低減し、合流元遊技球23Cを載置した合流先遊技球同士の隙間を増加させて、その隙間に合流元遊技球23Cを侵入させ易くすることができる。したがって、球噛みを防止しつつ、2列の球通路の遊技球を1列に合流させることができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施の形態1を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
P1、P2、P3、P13:変化点
C1、C2、C3:重心
2:パチンコ機(遊技機)
3:遊技機枠ユニット
4:外枠
5:遊技盤ユニット
6:遊技盤
6a:遊技盤面(遊技盤の表面)
7:センター役物
7a:演出表示装置
7b:表示部
7c:表示図柄
7d:表示開口部
9:前枠
10:ガラス
12:ガラス枠
14:球皿
14a:上球皿
14b:下球皿
14c:球抜き部材
15:発射装置ハンドル
16:遊技領域
22:ヒンジ
23:遊技球
23A:下流合流先遊技球
23B:上流合流先遊技球
23C:合流元遊技球
26:レール飾り
26a:外レール
27:遊技釘
28:普通入賞口
29:始動入賞口
30:アウト口
31:大入賞口
32:装飾部材
33:ゲート
34:風車
35:主制御基板ケース
36:演出制御基板ケース
37:払出制御基板ケース
38:電源基板ケース
39:外部出力端子板
40:遊技球貯留タンク
41:タンク本体
41a:貯留部
42:第1蓋部材
42a:傾斜面
43:第2蓋部材
43a:傾斜面
44:第3蓋部材
44a:突出部
45:球送り部材
46:第1球通路
46a:底面
46b:ガイド穴部
46c:内壁面
46d:突起部
47:第2球通路
47a:底面
47b:ガイド穴部
47c:内壁面
47d:突起部
48:合流部
49:排出口
50:球通路
51:傾斜壁部
60:賞球払出ユニット
140:遊技球貯留タンク
144:第3蓋部材
144a:突出部(接触部)
146:第1球通路
146c:内壁面
146e:接触部
240:遊技球貯留タンク
244:第3蓋部材
244b:凹凸部(接触部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が設置される遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技者に対して遊技球を払い出す賞球払出ユニットへ向けて該遊技球を通過させる遊技球貯留タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機においては、弾球された遊技球が遊技領域(遊技盤面上又はその近傍に形成された領域であって、遊技球の流下による遊技や演出を実現するための領域。)を流下して、その流下の過程で遊技球が遊技領域内の遊技釘(ゲージともいう。)や羽根車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技領域上に配置された各種入賞口に遊技球が入賞すれば所定の賞球の払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に遊技球が流入すれば賞球の払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は遊技球の流下における偶然性を利用しつつ遊技球の入賞及び賞球の払出しを期待し、遊技を楽しむのである。
【0003】
このようなパチンコ機は、複数のパチンコ機を設置させる遊技機島に取り付けられ、遊技機島の遊技球循環装置から遊技球が供給されるように構成されている。遊技機島から供給された遊技球は、パチンコ機の後面側の上部に配置された遊技球貯留タンクに供給される。遊技球貯留タンクは、遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技球を1球ずつ払い出す賞球払出ユニットに導くように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−158537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技球貯留タンクは、上面が開口すると共に仕切壁を挟んで並設される球通路を有しており、この2列の球通路によって遊技球を整列して賞球払出ユニットに供給するように構成されている。この遊技球貯留タンクにおいて、貯留する遊技球数を増やすためには、球通路の長さを長くすることが考えられる。しかし、球通路の長さを長くすると、遊技球貯留タンクが大きくなってしまい、限られた領域であるパチンコ機のスペース効率を低下するおそれがある。
【0006】
また、遊技球貯留タンクの遊技球の貯留球量を増やすために、球通路の列数を増やすことが考えられるが、賞球払出ユニットに導く遊技球の列数は限られているため、遊技球を整列しつつ球通路の列数を減らすように球通路を合流させる必要がある。球通路を合流させる際に、2つの球通路を単につなげるのみでは、合流する際に遊技球同士の球噛みが発生してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、遊技機島から供給される遊技球を整列する複数の球通路を有し、この球通路内の遊技球を合流させて球通路数を減らしつつ賞球払出ユニットに導く球貯留タンクであって、遊技球の合流時における球噛みを防止することができる遊技球貯留タンクを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な側面としての遊技球貯留タンクは、複数の遊技機が設置される遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技者に対して遊技球を払い出す賞球払出ユニットへ向けて遊技球を通過させる遊技球貯留タンクであって、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を賞球払出ユニットに向けて導く第1球通路と、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を第1球通路に合流させる第2球通路と、を有しており、第1球通路の底面は、賞球払出ユニットに向かって傾斜しており、第2球通路が第1球通路に合流する合流部においては、第2球通路から合流する合流元遊技球が第1球通路内の複数の合流先遊技球と当接するように構成されており、合流元遊技球と合流先遊技球とが当接した状態において、合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段を備える。
【0009】
遊技球貯留タンクは、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を賞球払出ユニットに向けて導く第1球通路と、遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、遊技球を第2球通路に合流させる第2球通路と、を有しており、遊技機島から供給された遊技球を第1球通路と第2球通路によって受け、受けた遊技球を第1球通路に合流させて、第1球通路によって賞球払出ユニットに導く。
【0010】
第1球通路と第2球通路の合流部においては、第2球通路から合流する遊技球が第1球通路の遊技球と当接する。このとき、第1球通路の遊技球と第2球通路からの遊技球とが合流して、1つの球通路(第1球通路)を通過するため、第2球通路から合流する合流元遊技球と、この遊技球と当接する第1球通路内の合流先遊技球と、の球噛みが発生するおそれがある。
【0011】
しかし、合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段が設けられていることにより、隣接して配置された合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を円滑に合流させることができる。
【0012】
したがって、遊技機島から供給される遊技球を複数列の球通路で受け、この遊技球を通過させる過程で整列しつつ球通路を合流させて、球通路の列数を減らして賞球払出ユニットに導くことができる。よって、球通路の長さによらず、遊技球貯留タンクにおいて保持する遊技球の貯留数を増やすことができ、遊技機のスペース効率を向上させることが可能となる。
【0013】
第1球通路の底面は、賞球払出ユニットに向かうにつれて傾斜角度が大きくなるように形成されており、隙間増加手段は、第1球通路の底面において傾斜角度が変化する変化点を有する傾斜構造であり、変化点は、合流元遊技球と合流先遊技球とが当接した状態において、合流先遊技球のうち合流元遊技球より上流に位置する合流先遊技球の重心よりも通過方向下流であって、かつ合流先遊技球のうち合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球の重心よりも上流に配置されていてもよい。
【0014】
合流元遊技球と合流先遊技球とが当接した状態において、合流先遊技球のうち合流元遊技球より上流に位置する合流先遊技球の重心よりも通過方向下流であって、かつ合流先遊技球のうち合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球の重心よりも上流に傾斜角度が変化する変化点が設けられているため、合流先遊技球のうち合流元遊技球よりも下流に位置する合流先遊技球(以下、下流合流先遊技球とする。)の通過速度を、合流先遊技球のうち合流元遊技球よりも上流に位置する合流先遊技球(以下、上流合流先遊技球とする。)の通過速度よりも相対的に速くすることができる。
【0015】
下流合流先遊技球の通過速度を相対的に速くすることにより、隣接して配置された合流先遊技球同士の隙間を増加させて、合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を合流させることができる。
【0016】
隙間増加手段は、合流元遊技球と当接する接触部であり、合流元遊技球は、接触部と当接することによって、合流先遊技球のうち合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球よりも遅延して移動するように構成されていてもよい。
【0017】
第2球通路から合流する合流元遊技球と接触する接触部を設けることにより、合流元遊技球の通過速度を遅延させて、合流元遊技球と当接する合流先遊技球のうち第2球通路から合流する遊技球よりも下流に位置する下流合流先遊技球を先行して移動させることができる。合流元遊技球を遅延させることにより、合流元遊技球と当接し、かつ上流に位置する上流合流先遊技球も遅延させることができる。
【0018】
よって、上流合流先遊技球と下流合流先遊技球との隙間を増加させて、合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を合流させることができる。
【0019】
接触部は、合流先遊技球と当接した合流元遊技球と接触するように構成されていればよく、例えば、第1球通路又は第2球通路の一部を覆う蓋部材に設けられていてもよいし、第1球通路の内壁面又は第2球通路の内壁面に設けられていてもよい。なお、合流元遊技球とは、第2球通路から第1球通路にこれから合流する遊技球及び合流しつつある遊技球のいずれをも含む概念であり、接触部は、第2球通路の遊技球が第1球通路内の遊技球と合流するいずれかの過程において接触するように設けられていればよい。
【0020】
接触部には、合流元遊技球と衝突する凹凸部が形成されていてもよい。接触部に凹凸部が形成されていることにより、合流元遊技球が通過する過程において合流元遊技球に振動を発生させることができる。合流元遊技球に振動を発生させることにより、合流元遊技球と合流先遊技球とが球噛みを生じるような位置のバランスを崩すことができ、球噛みの発生を効果的に防止することができる。
【0021】
隙間増加手段は、第1球通路の底面に施され、底面に接する合流先遊技球への摩擦を低減する表面処理構造又は第2球通路の内壁面に施され、内壁面に接する合流元遊技球への摩擦を低減する表面処理構造であってもよい。合流元遊技球と合流先遊技球との通過速度が同様であると、遊技球同士の球噛みが発生するおそれがある。しかし、例えば、第1球通路を通過する合流先遊技球への摩擦を低減することにより、合流先遊技球の通過速度を合流元遊技球の通過速度と相対的に異ならせて、遊技球の球噛みの発生を抑制することができる。
【0022】
また、第2球通路から第1球通路に合流する合流元遊技球への摩擦を低減することにより、合流元遊技球の通過速度を高め、合流先遊技球との相対速度を異ならせて、遊技球の球噛みの発生を抑制することができる。なお、表面処理構造とは、表面の摩擦抵抗を少なくするような構造であればよく、例えば、フッ素コーティング膜を設けて、表面の摩擦抵抗を少なくする構成を例示できる。
【0023】
また、第2球通路が第1球通路に合流する合流部においては、第1球通路よりも第2球通路が高くなるように配置されており、合流先遊技球上に合流元遊技球が載置されるように構成されていてもよい。
【0024】
第1球通路と第2球通路との高さを異ならせることにより、合流先遊技球に合流元遊技球を載置することができ、第2球通路から合流する遊技球を、第1球通路内の隣接する合流先遊技球に容易に当接させることができる。合流先遊技球の上方に合流元遊技球を配置することにより、合流元遊技球の自重を合流先遊技球の隙間を押し広げる方向に作用させることができる。よって、合流先遊技球同士の隙間を増加させて、その隙間に合流元遊技球を侵入させることができ、球噛みを防止しつつ合流元遊技球と合流先遊技球とを合流させることができる。
【0025】
また、第1球通路の遊技球の上方に第2球通路の遊技球を載置させる構成においては、第1球通路の上方に接触部を設けることによって、第2球通路から合流する遊技球に接触部が接するように容易に構成することができる。
【0026】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第2球通路からの合流元遊技球と当接する合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段が設けられていることにより、隣接して配置された合流先遊技球同士の間に合流元遊技球を侵入し易くすることができ、合流先遊技球と合流元遊技球との球噛みを防止しつつ、2つの球通路を通過する遊技球を円滑に合流させることができる。
【0028】
したがって、遊技機島から供給される遊技球を複数列の球通路で受け、この遊技球を通過させる過程で整列しつつ球通路を合流させて、球通路の列数を減らして賞球払出ユニットに導くことができる。よって、球通路の長さによらず、遊技球貯留タンクにおいて保持する遊技球の貯留数を増やすことができ、遊技機のスペース効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態1に係る遊技球貯留タンクを有するパチンコ機の正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図3】図2に示す遊技球貯留タンクの平面図である。
【図4】遊技球貯留タンクの背面図及び断面図である。(a)は背面図であり、(b)は図3に示すA−A断面図である。
【図5】遊技球貯留タンクを上後方から視認した状態の分解斜視図である。
【図6】遊技球貯留タンクを下前方から視認した状態の分解斜視図である。
【図7】第2蓋部材及び第3蓋部材を外した状態における合流部の拡大平面図である。
【図8】第1球通路と第2球通路の合流部の拡大断面図である。
【図9】実施の形態2に係る遊技球貯留タンクの第3蓋部材を示した図である。(a)は正面図であり、(b)は、前下方から視認した斜視図である。
【図10】第1球通路と第2球通路の合流部の拡大断面図である。
【図11】変形例に係る第3蓋部材を示した図である。(a)は正面図であり、(b)は、前下方から視認した斜視図である。
【図12】実施の形態3に係る遊技球貯留タンクを示した図である。(a)は平面図であり、(b)は左後方から視認した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技球貯留タンク40を有するパチンコ機(遊技機)2の正面図であり、図2は、図1に示すパチンコ機2の背面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠ユニット3、遊技盤ユニット5、ガラス10、発射ユニット(図示せず)、球皿14等を有している。発射ユニットは、1個ずつ遊技球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能に構成されている。
【0031】
パチンコ機2は、遊技者が後述する発射装置ハンドル15を操作することによって、遊技領域16に向けて球が発射ユニットによって発射され、球の流下による遊技が実現される。なお、遊技機は、パチンコ機2の他にパチンコ式スロットマシン機、コインゲーム機等のアーケードマシン、各種ゲーム機を概念することができ、要するに、遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技領域を有するあらゆる遊技機が含まれる。
【0032】
なお、パチンコ機においても、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技については後述する。
【0033】
パチンコ機2の遊技機枠ユニット3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのものであり、このパチンコ機2の周囲側面及び前方を囲むように構成されている。遊技機枠ユニット3の内部側には、遊技盤ユニット5の他にも後述する各種制御基板や遊技球用の経路、及び遊技球の発射装置等各種機構部品が配置され、遊技機枠ユニット3によって周囲側面及び前方からのパチンコ機2内部側への不正アクセスが防止されるようになっている。
【0034】
パチンコ機2の周囲を囲む外枠4、その内側に前方開閉可能にヒンジ22を介して揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する前枠9、前枠9の前方に前方開閉可能に揺動支持されガラス10及びその周囲を装飾する装飾部材32を保持するガラス枠12、を有して遊技機枠ユニット3が構成される。
【0035】
ガラス10は、遊技機枠ユニット3内部側に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。ガラス10は、2枚の透明平板ガラスで形成されてガラス枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に遊技球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者がガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
【0036】
球皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上球皿14aと下球皿14bとを有している。上球皿14aは、球抜き部材14cを有して遊技盤6の下方、すなわちガラス枠12の下方部分に配置され、下球皿14bは、その上球皿14aの更に下方に配置されている。
【0037】
発射ユニット(図示せず)は、球送り装置(図示せず)によって球皿14の一部としての上球皿14aから発射位置に送り出された遊技球23を遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、前枠9の下部に取り付けられており、発射位置の遊技球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネを有している。
【0038】
遊技盤ユニット5は、遊技盤面(遊技盤の表面)6a側の略中央に遊技役物としてのセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤面6aには多数の遊技釘27も配置されている。センター役物7の中央部には、画像表示手段としての演出表示装置7aが配置されるとともに、この演出表示装置7aの表示部7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。
【0039】
遊技盤6は、その表面側に遊技球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠ユニット3の一部としての前枠9に保持されている。すなわち、前枠9は、遊技盤6を保持する保持部として機能している。
【0040】
遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の外レール26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の外レール26aによって画定され、外レール26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
【0041】
遊技釘27は、遊技領域16を流下する遊技球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、始動入賞口29、大入賞口31等の入球部材及びアウト口30が配置されている。更に、遊技領域16には、ゲート33、風車34等が配置されており、流下する遊技球23が各入球部材に流入したり、ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、遊技球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
【0042】
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示部7b上に映像表示を行うものである。この演出表示装置7aの表示部7bには、第1図柄に連動する第1装飾図柄の表示がなされる。第1装飾図柄は、第1抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示部7b上に表示されるようになっている。演出表示装置7aには、遊技制御手段としての演出制御基板が中継基板を介して電気的に接続されており、演出制御基板によって画像表示が制御される。
【0043】
遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う遊技制御手段としての主制御基板を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示の制御等を行う演出制御基板を収容した演出制御基板ケース36と、賞球払出ユニット60による賞球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技が実現される。更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。
【0044】
また、パチンコ機2の背面には、複数のパチンコ機2が隣接して配置された遊技機島に設けられた遊技球循環装置(図示せず)から供給された遊技球23を一時的に貯留するための遊技球貯留タンク40と、遊技球貯留タンク40からの遊技球23が流入し、この遊技球23を1球ずつ通過させる賞球払出ユニット60と、が設けられている。遊技球貯留タンク40については、後述にて詳細に説明する。
【0045】
賞球払出ユニット60は、払出制御手段によって駆動制御されるように構成されており、各種入賞口への遊技球23の入球や、遊技者からの遊技球23の貸出し要求に応じて、遊技者に遊技球23を供給するように構成されている。
【0046】
発射ユニットにより遊技球23が発射されると、遊技球23はレール飾り26の外レール26aに沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、遊技球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、あるものはレール飾り26の外レール26aに沿って右側に移動し、あるものはゲージに衝突しつつ遊技領域16内を下方に流下し、あるものは普通入賞口28に流入して一定数の賞球払出しの契機となり、あるものはいずれの入球装置にも流入せずに遊技領域16内最下部に位置するアウト口30に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
【0047】
図柄変動遊技中に遊技球23が始動入賞口29に流入すると、その流入に起因して演出表示装置7aの表示図柄7cが回転表示(第1の特別遊技の抽選)を開始し、その表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示すれば、図柄変動遊技における大当り(第1の特別遊技。以下、図柄変動大当りという。)が発生する。そして、大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の賞球が球皿14へと払い出されるようになっている。
【0048】
次いで、図3から図8に基づいて遊技球貯留タンク40について詳細に説明する。図3から図6は、遊技球貯留タンク40を示した図である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は後述する第1蓋部材42等を外したタンク本体41の平面図である。図4(a)は背面図であり、図4(b)は図3(a)に示すA−A断面図である。図5及び図6は、遊技球貯留タンク40の分解斜視図である。図5は、上後方から視認した状態であり、図6は、下前方から視認した状態である。なお、図4(b)は、模式的に遊技球23を点線にて示している。
【0049】
遊技球貯留タンク40は、複数のパチンコ機2が設置された遊技機島に設けられた遊技球循環装置から供給された遊技球23を貯留し、この貯留した遊技球23を整列させて、賞球払出ユニット60に導くように構成されている。遊技球循環装置は、パチンコ機2の上方に配置されており、遊技球貯留タンク40に向けて遊技球23を落下させる。
【0050】
遊技球貯留タンク40は、上側が開口形成され、遊技球23を左方に向けて整列させつつ導くタンク本体41と、タンク本体41の上方を覆う第1蓋部材42、第2蓋部材43、及び第3蓋部材44と、タンク本体41によって整列された遊技球23を賞球払出ユニット60に順々に導く球送り部材45と、を有している。
【0051】
タンク本体41は、遊技球循環装置から供給された遊技球23を貯留する貯留部41aと、貯留部41aの遊技球23を整列させて左方に導く球通路50と、を有する。球通路50は、前後方向に隣接して4列に形成されている。4列の球通路50は、貯留部41aに貯留された遊技球23が流入するように構成されており、遊技球23を1列に整列させて左側へ導く。
【0052】
球通路50は、貯留部41aの遊技球23を1列に整列させ、この遊技球23を賞球払出ユニット60に導く第1球通路46と、貯留部41aの遊技球23を1列に整列させ、この遊技球23を第1球通路46に合流させる第2球通路47と、を有する。第2球通路47は、4列の球通路50のうち前端と後端に位置しており、第1球通路46は、前後方向において第2球通路47に挟まれている。第2球通路47を通過する遊技球23は、第1球通路46を通過する遊技球23に合流し、途中から第1球通路46を通過して賞球払出ユニット60に向けて導かれる。
【0053】
第1球通路46は、右側に配置された貯留部41aからの遊技球23を左側に導き、左下方に形成された排出口49から遊技球23を落下させ、左下方に配置された賞球払出ユニット60に遊技球23を導く。第1球通路46の底面46a及び第2球通路47の底面47aは、左側に向かって下降するように傾斜している。また、第1球通路46の底面46aは、傾斜角度が変化する変化点P1からP3を有しており、変化点P1からP3を境界として傾斜角度が変化して、左側に向かって徐々に傾斜角度が大きくなる。一方、第2球通路47の底面47aは、変化点P1のみを有しており、変化点P1を境界として傾斜角度が変化する。
【0054】
第1球通路46の底面46a及び第2球通路47の底面47aには、貯留部41aからの遊技球23を球通路内部に導くためのガイド穴部46b及び47bが形成されている。ガイド穴部46b及び47bは、遊技球23の通過方向に沿って4列形成されている。ガイド穴部46b及び47bは、球通路50を通過する遊技球23の前後方向の位置を調節して、遊技球23を1列に整列させた状態で球通路50を通過させる。
【0055】
また、隣接する球通路50の間には、通過方向の上流に向かって上方に傾斜する傾斜壁部51が設けられている。傾斜壁部51が設けられていることにより、隣接する球通路50の間に遊技球23が乗ったり、球通路50の間に遊技球23が挟まったりすることを防ぎ、遊技球23を1列ずつ整列することができる。このようにして4列の球通路50に整列された遊技球23は、各球通路50を画定する内壁面に沿って左方に移動する。
【0056】
第1球通路46の内壁面46c及び第2球通路47の内壁面47cには、内側に向かった突出した突起部46d及び47dが形成されている。突起部46d及び47dは、対向する内壁面において左右方向にずれて配置されており、通過する遊技球23は前後方向にわずかに移動しつつ左方に移動する。このように突起部46d及び47dを設けることにより、通過方向下流に位置する遊技球23へ作用する遊技球23の自重を分散して、遊技球23同士の球噛みを防止することができる。
【0057】
第1蓋部材42は、その裏面が下方に向かって突出した傾斜面42aが形成されている、傾斜面42aは、左方に向かって低くなるように構成されている。第1蓋部材42によって、貯留部41aから第1球通路46及び第2球通路47に流入する遊技球23を高さ方向において規制する。
【0058】
第2蓋部材43は、第1蓋部材42と離間し、かつ第3蓋部材44と隣接して配置されている。第2蓋部材43の裏面にも、下方に向かって突出し、第1球通路46内の遊技球23と第2球通路47内の遊技球23とを高さ方向で規制する傾斜面43aが設けられている。第3蓋部材44は、第2球通路47内の遊技球23が第1球通路46内の遊技球23に合流する合流部48を覆い、第2球通路47からの遊技球23を第1球通路46内の遊技球23に円滑に合流させるように遊技球23をガイドする機能を有する。第3蓋部材44は、その裏面に下方に突出した突出部44aが形成されている。突出部44aは、第2球通路47を覆う部分に設けられており、第1球通路46との合流部48に向けて傾斜している。
【0059】
第1球通路46と第2球通路47の合流部48においては、第1球通路46の底面46aは、第2球通路47の底面47aよりも低く形成されている。第1球通路の底面46aは、変化点P1からP3(図6参照)を介して賞球払出ユニット60に向かって徐々に下降している。一方、第2球通路47の底面47aは、変化点P1を介して傾斜角度が変化しているが、変化点P1より下流においては一定の傾斜角度である。
【0060】
変化点P1は、貯留部41aの近傍に形成されており、貯留部41aから流入した遊技球23を左方に導く傾斜面を形成している。変化点P2は、第2球通路47のみに形成されており、合流部48よりも上流に配置されている。したがって、合流部48においては、第1球通路46の底面46aは、第2球通路47の底面47aよりも低く形成されている。また、第3変化点P3は、合流部48の下流に設けられている。このように、複数の変化点が設けられていることにより、変化点を境界として傾斜角度が大きくなり、遊技球23の通過速度が変化する。なお、第1球通路46の底面46aの傾斜構造は、後述する隙間増加手段として機能している。
【0061】
次いで、このように構成された球貯留タンク40における遊技球23の通過態様について説明する。貯留部41aから第1球通路46及び第2球通路47に流入した遊技球23は、右方から左方に向かって移動する。そして、第1球通路46と第2球通路47との合流部48において、第2球通路47内の遊技球23は、第1球通路46に合流する。図7及び図8は、遊技球23の合流態様を模式的に示した図である。図7は、第2蓋部材43及び第3蓋部材44を外した状態の合流部48の拡大平面図であり、説明の便宜上、前側の第1球通路46及び第2球通路47のみ示しており、後側の第1球通路46及び第2球通路47を省略している。図8は、図4(b)に示す断面図における合流部48の拡大図である。
【0062】
図7及び図8(a)は、第2球通路47から合流する遊技球(合流元遊技球)が、第1球通路46内の遊技球(合流先遊技球)と当接した状態である。図7及び図8においては、遊技球の通過方向を矢印Xとして図示する。また、図7及び図8においては、通過方向を第2球通路47から合流する合流元遊技球を23Cとして図示し、この合流元遊技球23Cと当接する第1球通路46内の合流先遊技球のうち下流側に位置する下流合流先遊技球を23Aとして図示し、合流先遊技球のうち上流側に位置する上流合流先遊技球を23Bとして図示する。(a)に示す状態においては、下流側から下流合流先遊技球23A、合流元遊技球23C、上流合流先遊技球23Bの順に配置されている。この状態において、変化点P3は、合流元遊技球23Cの重心C3及び上流合流先遊技球23Bの重心C2よりも下流側であって、かつ下流合流先遊技球23Aの重心C1よりも上流側に位置している。
【0063】
下流合流先遊技球23Aが接する底面46aの傾斜角度は、上流合流先遊技球23Bが接する底面46aの傾斜角度よりも大きい。したがって、下流合流先遊技球23Aは、上流合流先遊技球23Bよりも速い速度で右方に移動して(b)に示す状態となる。(b)に示す状態においては、下流合流先遊技球23Aが上流合流先遊技球23B及び合流元遊技球23Cよりも速く移動しているため、上流合流先遊技球23B及び合流元遊技球23Cと、下流合流先遊技球23Aと、の間に隙間が生じている。
【0064】
下流合流先遊技球23Aと合流元遊技球23Cとの間に隙間が生じると、下流合流先遊技球23A及び上流合流先遊技球23Bに載置された合流元遊技球23Cが隙間に侵入して(c)に示す状態となる。合流元遊技球23Cの自重は、下方に作用しており、隙間を押し広げる方向に作用する。下流合流先遊技球23Aが右方に移動すると、合流元遊技球23Cは、下降して(d)に示す状態となり、更に下流合流先遊技球23A及び合流元遊技球23Cが移動すると(e)に示す状態となる。(e)に示す状態では、第2球通路47から合流した合流元遊技球23Cの重心C3は、変化点P3よりも下流に位置しており、下流合流先遊技球23Aに次いで右方に移動する。
【0065】
このように、本実施の形態1に係る球貯留タンク40によれば、第1球通路46の底面46aの傾斜構造によって、第1球通路46と第2球通路47の合流部48における合流先遊技球同士の隙間を増加させて、合流元遊技球と合流先遊技球との球噛みを防止しつつ、合流元遊技球23Cを第1球通路46に円滑に合流させることができる。遊技機島の遊技球循環装置から供給された遊技球23を整列させて、列数を減らしつつ賞球払出ユニット60に導くことができる。したがって、遊技球貯留タンク40の長さを長くすることなく、収容可能な遊技球数を増やすことができ、スペース効率の向上を図ることができる。
【0066】
<実施の形態2>
次いで、図9から図10に基づいて、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140について説明する。実施の形態1に係る遊技球貯留タンク40は、隙間増加手段として第1球通路46の底面46aの傾斜構造が設けられているが、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140は、第3蓋部材144に隙間増加手段としての接触部が設けられている。実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140は、第3蓋部の構成及び第1球通路の底面の傾斜角度が実施の形態1に係る遊技球貯留タンク40と異なっているが、他の構成については実施の形態1と同様である。同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
【0067】
図9は、実施の形態2に係る第3蓋部材144を示した図である。(a)は正面図であり、(b)は、前下方から視認した斜視図である。第3蓋部材144は、遊技球23の通過方向となる左方に向かって下降するように傾斜している。第3蓋部材144の下面には、第2球通路47に沿った突出部144aが形成されている。実施の形態2に係る第3蓋部材144の突出部144aは、実施の形態1に係る第3蓋部材44の突出部44aより厚く形成されており、第2球通路47から第1球通路46に合流する遊技球(合流元遊技球)23Cの上面に接触するように構成されている。
【0068】
また、実施の形態1においては、第2球通路47から合流した合流元遊技球23Cと、この合流元遊技球23Cと当接する合流先遊技球のうち下流側に位置する下流合流先遊技球23Aと、の間に変化点P3が配置されているが、実施の形態2においては、実施の形態1における変化点P3より下流に変化点P13が設けられている。
【0069】
図10は、図4(b)に示す断面図における合流部を示した拡大図である。(a)は、第2球通路47から合流する合流元遊技球23Cが、第1球通路146内の合流先遊技球23A及び23Bと当接した状態である。(a)に示す状態において、下流合流先遊技球23Aが右方に移動すると、上流合流先遊技球23Bと合流元遊技球23Cも共に移動して(b)に示す状態となる。
【0070】
そして、更に、下流合流先遊技球23A、上流合流先遊技球23B及び合流元遊技球23Cが右方に移動すると(c)に示す状態となり、上方に位置する合流元遊技球23Cは、突出部144aと接触する。突出部144aと接触すると、合流元遊技球23Cは下流合流先遊技球23Aより速度が低下し、合流元遊技球23Cの上流に位置する上流合流先遊技球23Bも進行方向に合流元遊技球23Cがあるため速度が低下する。したがって、上流合流先遊技球23Bと下流合流先遊技球23Aとの隙間が増加して(d)に示す状態となる。
【0071】
上流合流先遊技球23Bと下流合流先遊技球23Aとの間に隙間が増加すると、合流元遊技球23Cの自重が更に隙間を広げるように作用し、合流先遊技球同士の隙間を広げつつ、合流元遊技球23Cが下方に移動する。そして、下流合流先遊技球23Aの進行に伴って合流元遊技球23Cが合流先遊技球の間に侵入し、(e)に示すように第2球通路47からの遊技球23が第1球通路46内の遊技球23に合流する。
【0072】
以上のように、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140によっても、合流元遊技球23Cと合流先遊技球23A及び23Bとが当接した状態において、上流合流先遊技球23Bと下流合流先遊技球23Aとの隙間を増加させて、その隙間に合流元遊技球23Cを侵入させ易くすることができる。したがって、球噛みを防止しつつ、2列の球通路の遊技球23を1列に合流させることができる。
【0073】
また、実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140の第3蓋部材144は、合流元遊技球23Cと接する面が平滑面であるが、凹凸部244bを設けてもよい。次いで、第3蓋部材の裏面に凹凸部を設けた変形例について図11に基づいて説明する。図11は、変形例に係る第3蓋部材244を示した図である。(a)は背面図であり、(b)は斜視図である。
【0074】
このように第3蓋部材244の裏面に凹凸部244bを設けることにより、衝突する合流元遊技球23Cが通過する過程において、合流元遊技球23Cに振動を発生させることができる。合流元遊技球23Cに振動を発生させることにより、合流元遊技球23Cと合流先遊技球23A及び23Bとが球噛みを生じるような位置のバランスを崩すことができ、球噛みの発生を効果的に防止することができる。
【0075】
<実施の形態3>
実施の形態3は、実施の形態2における接触部の配置を異ならせた実施形態である。実施の形態2の遊技球貯留タンク140は、第3蓋部材144に接触部としての突出部144aを設けているが、実施の形態3に係る遊技球貯留タンク240は、第1球通路146の内壁面146cに接触部を設けている。実施の形態3に係る遊技球貯留タンク240は、接触部の構成が実施の形態2に係る遊技球貯留タンク140と異なっているが、他の構成については実施の形態2と同様である。同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
【0076】
図12は、実施の形態3に係る遊技球貯留タンク240を示した図である。図12においては、説明の便宜上、タンク本体41のみ示しており、第2蓋部材等を省略して示している。遊技球貯留タンク240は、並列した2列の第1球通路146を備えており、この第1球通路146の隣接した内壁面146cに接触部146eが設けられている。接触部146eは、内壁面146cの上下方向における中心より上方のみに形成されている。第2球通路47から第1球通路146に合流する合流元遊技球23Cは、合流先遊技球上に載置されるため、合流先遊技球の上方に位置している。したがって、接触部146eには、合流先遊技球23A及び23Bが接触せず、合流先遊技球23A及び23Bに載置された合流元遊技球23Cのみが接触するように構成されている。
【0077】
このように、第1球通路146の合流部より下流に位置する内壁面146cに接触部146eを設けることによっても、合流先遊技球23A、23Bに載置された合流元遊技球23Cの通過速度を低減し、合流元遊技球23Cを載置した合流先遊技球同士の隙間を増加させて、その隙間に合流元遊技球23Cを侵入させ易くすることができる。したがって、球噛みを防止しつつ、2列の球通路の遊技球を1列に合流させることができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施の形態1を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
P1、P2、P3、P13:変化点
C1、C2、C3:重心
2:パチンコ機(遊技機)
3:遊技機枠ユニット
4:外枠
5:遊技盤ユニット
6:遊技盤
6a:遊技盤面(遊技盤の表面)
7:センター役物
7a:演出表示装置
7b:表示部
7c:表示図柄
7d:表示開口部
9:前枠
10:ガラス
12:ガラス枠
14:球皿
14a:上球皿
14b:下球皿
14c:球抜き部材
15:発射装置ハンドル
16:遊技領域
22:ヒンジ
23:遊技球
23A:下流合流先遊技球
23B:上流合流先遊技球
23C:合流元遊技球
26:レール飾り
26a:外レール
27:遊技釘
28:普通入賞口
29:始動入賞口
30:アウト口
31:大入賞口
32:装飾部材
33:ゲート
34:風車
35:主制御基板ケース
36:演出制御基板ケース
37:払出制御基板ケース
38:電源基板ケース
39:外部出力端子板
40:遊技球貯留タンク
41:タンク本体
41a:貯留部
42:第1蓋部材
42a:傾斜面
43:第2蓋部材
43a:傾斜面
44:第3蓋部材
44a:突出部
45:球送り部材
46:第1球通路
46a:底面
46b:ガイド穴部
46c:内壁面
46d:突起部
47:第2球通路
47a:底面
47b:ガイド穴部
47c:内壁面
47d:突起部
48:合流部
49:排出口
50:球通路
51:傾斜壁部
60:賞球払出ユニット
140:遊技球貯留タンク
144:第3蓋部材
144a:突出部(接触部)
146:第1球通路
146c:内壁面
146e:接触部
240:遊技球貯留タンク
244:第3蓋部材
244b:凹凸部(接触部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置される遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技者に対して遊技球を払い出す賞球払出ユニットへ向けて該遊技球を通過させる遊技球貯留タンクであって、
該遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、該遊技球を該賞球払出ユニットに向けて導く第1球通路と、
該遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、該遊技球を該第1球通路に合流させる第2球通路と、を有しており、
該第1球通路の底面は、該賞球払出ユニットに向かって傾斜しており、
該第2球通路が該第1球通路に合流する合流部においては、該第2球通路から合流する合流元遊技球が該第1球通路内の複数の合流先遊技球と当接するように構成されており、
該合流元遊技球と該合流先遊技球とが当接した状態において、該合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段を備える、遊技球貯留タンク。
【請求項2】
前記第1球通路の底面は、前記賞球払出ユニットに向かうにつれて傾斜角度が大きくなるように形成されており、
前記隙間増加手段は、該第1球通路の底面において傾斜角度が変化する変化点を有する傾斜構造であり、
該変化点は、前記合流元遊技球と前記合流先遊技球とが当接した状態において、該合流先遊技球のうち該合流元遊技球より上流に位置する合流先遊技球の重心よりも通過方向下流であって、かつ該合流先遊技球のうち該合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球の重心よりも上流に配置されている、請求項1に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項3】
前記隙間増加手段は、前記合流元遊技球と当接する接触部であり、
該合流元遊技球は、該接触部と当接することによって、前記合流先遊技球のうち該合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球よりも遅延して移動するように構成されている、請求項1に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項4】
前記接触部には、前記合流元遊技球と衝突する凹凸部が形成されている、請求項3に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項5】
前記隙間増加手段は、前記第1球通路の内壁面に施され、該内壁面に接する前記合流先遊技球への摩擦を低減する表面処理構造又は、前記第2球通路の内壁面に施され、該内壁面に接する前記合流元遊技球への摩擦を低減する表面処理構造である、請求項1に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項6】
前記第2球通路が前記第1球通路に合流する合流部においては、該第1球通路の底面よりも該第2球通路の底面が高くなるように配置されており、前記合流先遊技球上に前記合流元遊技球が載置されるように構成されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の遊技球貯留タンク。
【請求項1】
複数の遊技機が設置される遊技機島から供給された遊技球を整列させて、遊技者に対して遊技球を払い出す賞球払出ユニットへ向けて該遊技球を通過させる遊技球貯留タンクであって、
該遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、該遊技球を該賞球払出ユニットに向けて導く第1球通路と、
該遊技機島から供給された遊技球を1列に整列させ、該遊技球を該第1球通路に合流させる第2球通路と、を有しており、
該第1球通路の底面は、該賞球払出ユニットに向かって傾斜しており、
該第2球通路が該第1球通路に合流する合流部においては、該第2球通路から合流する合流元遊技球が該第1球通路内の複数の合流先遊技球と当接するように構成されており、
該合流元遊技球と該合流先遊技球とが当接した状態において、該合流先遊技球同士の隙間を増加させる隙間増加手段を備える、遊技球貯留タンク。
【請求項2】
前記第1球通路の底面は、前記賞球払出ユニットに向かうにつれて傾斜角度が大きくなるように形成されており、
前記隙間増加手段は、該第1球通路の底面において傾斜角度が変化する変化点を有する傾斜構造であり、
該変化点は、前記合流元遊技球と前記合流先遊技球とが当接した状態において、該合流先遊技球のうち該合流元遊技球より上流に位置する合流先遊技球の重心よりも通過方向下流であって、かつ該合流先遊技球のうち該合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球の重心よりも上流に配置されている、請求項1に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項3】
前記隙間増加手段は、前記合流元遊技球と当接する接触部であり、
該合流元遊技球は、該接触部と当接することによって、前記合流先遊技球のうち該合流元遊技球より通過方向下流に位置する遊技球よりも遅延して移動するように構成されている、請求項1に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項4】
前記接触部には、前記合流元遊技球と衝突する凹凸部が形成されている、請求項3に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項5】
前記隙間増加手段は、前記第1球通路の内壁面に施され、該内壁面に接する前記合流先遊技球への摩擦を低減する表面処理構造又は、前記第2球通路の内壁面に施され、該内壁面に接する前記合流元遊技球への摩擦を低減する表面処理構造である、請求項1に記載の遊技球貯留タンク。
【請求項6】
前記第2球通路が前記第1球通路に合流する合流部においては、該第1球通路の底面よりも該第2球通路の底面が高くなるように配置されており、前記合流先遊技球上に前記合流元遊技球が載置されるように構成されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の遊技球貯留タンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−139764(P2011−139764A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1505(P2010−1505)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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