説明

遊技用システム

【課題】コンテンツを送信しても遊技用装置の処理に支障をきたさず、かつ、使用処理が行われる第1時間帯にコンテンツの表示内容を変更可能な、遊技用システムを提供する。
【解決手段】配信装置70は、遊技場営業開始前に、カードユニット20に対してコンテンツを配信すると共に、営業開始から営業終了までの間に表示順序変更指示を送信し、カードユニットは、配信されたコンテンツを表示順序変更指示が示す順序で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技者が所有する遊技用価値を該対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理を行う使用処理手段と、所定のコンテンツを表示する表示手段と、該表示手段に前記コンテンツを表示させる表示処理を行う表示処理手段と、を有する遊技用装置と、複数の該遊技用装置に対して前記コンテンツを送信するコンテンツ送信手段を有する管理装置と、を備える遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技機に対応して設けられ遊技用価値の使用処理を行う端末装置(遊技用装置)において、映像配信サーバ(管理装置)から配信される映像(コンテンツ)を表示するものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2010−057667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に示す発明では、例えば使用処理が行われる営業時間中(第1時間帯)にコンテンツを送信すると、該コンテンツの容量によっては遊技用装置の処理に支障をきたす場合がある一方、営業時間中にコンテンツの表示を変更したい場合もある。
【0005】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、コンテンツを送信しても遊技用装置の処理に支障をきたさず、かつ、使用処理が行われる第1時間帯にコンテンツの表示内容を変更可能な、遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
まず手段1に係る発明は、
遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、遊技者が所有する遊技用価値(プリペイド残額,持玉数,貯玉数)を該対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理(S21aの玉貸処理,S24の持玉払出処理,S25の貯玉再プレイ処理)を行う使用処理手段(制御部22)と、所定のコンテンツ(画像,動画)を表示する表示手段(ディスプレイ24)と、該表示手段に前記コンテンツを表示させる表示処理を行う表示処理手段(表示制御基板22a)と、を有する遊技用装置(カードユニット20)と、
複数の該遊技用装置に対して前記コンテンツを送信するコンテンツ送信手段(制御部72)を有する管理装置(配信装置70)と、
を備える遊技用システム(1,1’)であって、
前記コンテンツ送信手段は、前記使用処理が行われる第1時間帯(営業中)以外の第2時間帯(営業開始前)において、前記コンテンツを送信し、
前記遊技用装置は、該コンテンツ送信手段から送信されてきたコンテンツを複数記憶する記憶手段(制御部22)を有し、
前記管理装置は、前記第1時間帯において、前記記憶手段で記憶されている複数のコンテンツのうちの前記表示手段に表示させるコンテンツを指示する表示指示(第1実施形態の表示順序変更指示,第2実施形態の表示順序指示)を、当該記憶手段を有する遊技用装置に対して送信する表示指示送信手段(制御部72)を有し、
前記表示処理手段は、該表示指示送信手段から送信されてきた表示指示が指示するコンテンツの表示処理を行う(表示順序DBで記憶している表示順序で画像又は動画を表示する)ことを特徴とする遊技用システムである。
【0008】
また手段2に係る発明は、
手段1に記載した遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、前記コンテンツ送信手段から送信されてきた送信コンテンツと、前記記憶手段で記憶している記憶コンテンツとが、同一であるか否かを判定する同一判定手段(S303の処理を行う制御部22)をさらに有し、
前記記憶手段は、該同一判定手段により同一でないと判定されたことを条件に、前記送信コンテンツを記憶する(S308)ことを特徴とする遊技用システムである。
【0009】
また手段3に係る発明は、
手段1又は2に記載した遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、前記コンテンツ送信手段から送信されてきた送信コンテンツを記憶するための容量が前記記憶手段に有るか否かを判定する容量判定手段(S402の処理を行う制御部22)をさらに有し、
前記記憶手段は、該容量判定手段により容量が無いと判定されたことを条件に、前記記憶している記憶コンテンツを該記憶が古い順に消去することにより前記容量を確保して(S412)、前記送信コンテンツを記憶することを特徴とする遊技用システムである。
【0010】
また手段4に係る発明は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記記憶手段は、前記記憶している記憶コンテンツを消去する際に、前記表示指示がされている記憶コンテンツは消去しない(S411’)ことを特徴とすることを特徴とする遊技用システムである。
【0011】
さらに手段5に係る発明は、
手段1〜4のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記コンテンツ送信手段は、前記コンテンツを送信する際に、複数のコンテンツで構成されたパッケージデータ(グループ配信用画像)又は単数のコンテンツ(配信用動画)のいずれかを送信する遊技用システムである。
【発明の効果】
【0012】
まず手段1に係る発明によれば、コンテンツの送信は、使用処理が行われる第1時間帯以外の第2時間帯に行われるので、遊技用装置の処理に支障をきたさず、かつ、コンテンツの表示指示は、第1時間帯に行われるので、該第1時間帯にコンテンツの表示内容を変更可能である。
【0013】
また手段2に係る発明によれば、遊技用装置は、記憶コンテンツと同一のコンテンツが送信されても記憶しないので、処理負荷を低減できる。
【0014】
また手段3に係る発明によれば、遊技用装置は、送信コンテンツを記憶する容量がなければ、記憶コンテンツを古い順に消去することにより容量を確保して、該送信コンテンツを記憶するので、記憶不能となる不都合を回避できると共に、最新のコンテンツを表示可能となる。
【0015】
また手段4に係る発明によれば、遊技用装置は、表示指示がされている記憶コンテンツは消去しないので、表示不能となる不都合を回避できる。
【0016】
さらに手段5に係る発明によれば、複数のコンテンツで構成されたパッケージデータ又は単数のコンテンツを送信できるので、ニーズに応じたコンテンツを送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2は本発明に係る遊技用装置であるカードユニット及びパチンコ機の一例を表す図であり、(a)は正面図,(b)はカードユニットの断面右側面図である。
【図3】図3はカードユニットのRAMが記憶しているカードテーブルの一例を表す図である。
【図4】図4はカードユニットのディスプレイに表示されるメイン画面の一例を表す図である。
【図5】図5は各台計数ユニットの一例を表す図であり、(a)は正面図,(b)は外部ユニットの断面正面図,(c)は内部ユニットの断面左側面図である。
【図6】図6は会員管理装置のハードディスクが記憶している会員情報DBの一例を表す図である。
【図7】図7はカードユニットが行うメイン処理の一例を表すフローチャートである。
【図8】図8は第1実施形態の遊技用システムで行われるコンテンツ配信処理の概要を表す図である。
【図9】図9は配信装置のハードディスクに記憶されるグループ配信用画像の一例を表す図である。
【図10】図10は配信装置のハードディスクに記憶される配信用動画の一例を表す図である。
【図11】図11(a)は画像識別番号の構造を示す図であり、図11(b)は表示順序指示のデータ構成を示す図であり、図11(c)は表示順序の構造を示す図である。
【図12】図12は第1実施形態の配信装置が行うコンテンツ作成時処理の一例を表すフローチャートである。
【図13】図13は配信装置のディスプレイに表示されるコンテンツ管理ソフトフェアの初期画面の一例を表す図である。
【図14】図14は配信装置のディスプレイに表示されるグループ化画面の一例を表す図である。
【図15】図15は配信装置のディスプレイに表示されるグループ化画面の設定例を表す図である。
【図16】図16(a)は配信装置のディスプレイに表示される配信画面の一例を表す図であり、図16(b)は配信完了画面の一例を表す図であり、図16(c)は配信失敗画面の一例を表す図であり、図16(d)は詳細画面の一例を表す図である。
【図17】図17は配信装置のディスプレイに表示される配信動画選択画面の一例を表す図である。
【図18】図18は配信装置のディスプレイに表示される配信動画選択画面の設定例を表す図である。
【図19】図19は配信装置のハードディスクに記憶される表示順序DBの一例を表す図である。
【図20】図20(a)はカードユニットのディスプレイに表示されるグループ配信用画像の一例を表す図であり、図20(b)は配信用動画の一例を表す図である。
【図21】図21は配信装置のディスプレイに表示される「表示順序変更」選択時の画面の一例を表す図である。
【図22】図22は配信装置のディスプレイに表示される表示順序変更画面の一例を表す図である。
【図23】図23は配信装置におけるコンテンツ配信時の処理の一例を表すフローチャートである。
【図24】図24はカードユニットにおけるダウンロードモード移行時の処理の一例を表すフローチャートである。
【図25】図25は第1実施形態のカードユニットにおける画像削除処理の一例を表すフローチャートである。
【図26】図26は第1実施形態の遊技用システムにおけるグループ配信時の処理の一例を表す図である。
【図27】図27は第1実施形態の遊技用システムにおける動画配信時の処理の一例を表す図である。
【図28】図28は第2実施形態の遊技用システムで行われるコンテンツ配信処理の概要を表す図である。
【図29】図29は第2実施形態の配信装置が行うコンテンツ作成時処理の一例を表すフローチャートである。
【図30】図30は第2実施形態のカードユニットにおける画像削除処理の一例を表すフローチャートである。
【図31】図31は本実施形態の変形例における配信装置のディスプレイに表示されるグループ化画面の設定例を表す図である。
【図32】図32は本実施形態の変形例における表示順序変更指示の送信方法の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップSを「S」と略記する。
【0019】
本発明に係る遊技用システム1は、遊技用装置であるカードユニット20と、複数のカードユニット20に対してコンテンツを配信する配信装置70を備えるものである。遊技用装置であるカードユニット20は、図1,図2に示すように、遊技機であるパチンコ機10に対応して設けられ、図7に示すように、遊技者が所有する遊技用価値(例えばプリペイド残額,持玉数,貯玉数)を遊技機での遊技に使用させるための使用処理(例えば玉貸処理,持玉払出処理,貯玉再プレイ処理)を行うものであり、また、コンテンツ(後述するグループ配信用画像や配信用動画)を表示する表示処理を行うディスプレイ24を有するものである。
【0020】
ここで本発明は、第1実施形態に係る遊技用システム1と、第2実施形態に係る遊技用システム1’を含むものである。第1実施形態における遊技用システム1は、図8に示すように、遊技場の営業時間外に配信装置70からカードユニット20にコンテンツを配信しておくときに、ディスプレイ24に表示させる順序を指示する表示順序指示を併せて送信するものである。そして、営業時間中はコンテンツの配信が制限され、コンテンツの表示順序を変更する表示順序変更指示のみがカードユニット20に送信される。これに対して、第2実施形態に係る遊技用システム1’は、図28に示すように、遊技場の営業時間外に配信装置70からカードユニット20にコンテンツを配信しておくときに、表示順序指示を送信せずにコンテンツのみを配信しておき、営業時間中に表示順序指示を送信するものである。以下第1実施形態に係る遊技用システム1について説明し、次いで第2実施形態に係る遊技用システム1’について第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0021】
[1.第1実施形態に係る遊技用システム1の構成]
まず、図1〜図6を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の構成について説明する。遊技用システム1は、図1に示すように、遊技場内において、各遊技島に配置される複数のパチンコ機10の各々に対応して設けられる遊技用装置であるカードユニット20と、各カードユニット20と通信可能な配信装置70からなる。
【0022】
ここで図1に示すように、残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及び配信装置70は、それぞれハブ(HUB)63等のデータ通信を中継する中継装置並びに通信ケーブルを介して各カードユニット20と双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されているとともに、各装置が装置IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブル等を有することで、該装置IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実施できるようになっている。
【0023】
この遊技用システム1では、図2(b)に示すように、会員カード2及びビジターカード3が使用される。以下、会員カード2及びビジターカード3を区別しない場合には、両者を単に「カード」と総称する。これらカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、不揮発性のEEPROMを備える非接触式のICチップを記録領域として備えている。なお、ここでいうカードには、円形状を呈するコインも含まれる。
【0024】
会員カード2は、遊技場において会員登録を行った遊技者(会員遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、会員遊技者を示す頭文字Mと、それに続く5桁のユニークな数字からなり、会員遊技者を個々に識別可能な情報でもある。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数及び貯玉数は記憶されていない。この会員カード2がカードユニット20のカードR/W23で受け付けられると、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている暗証番号(図示外)の認証がとれたことを条件として、図1に示すように、該カードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されているプリペイド残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理が可能となり、さらにカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。
【0025】
ビジターカード3は、遊技場において遊技者(ビジター遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、ビジター遊技者を示す頭文字Vと、それに続く5桁のユニークな数字からなり、ビジター遊技者を個々に識別可能な情報でもある。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数は記憶されていない。このビジターカード3がカードユニット20のカードR/W23で受け付けられると、図1に示すように、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されている残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。なおビジター遊技者は、会員遊技者と異なり、貯玉をしたり貯玉再プレイをしたりすることはできない。
【0026】
ここで残額管理装置60,会員管理装置61,及び持玉管理装置62について、図1を参照して説明する。残額管理装置60は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が前払いしたプリペイド価値であるプリペイド残額を管理するものである。この残額管理装置60は、入金処理(図7のS04,S22)を行うカードユニット20からカードIDと該入金処理に供された入金額とを含む加算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額に該入金額を加算して、加算完了通知を返信し、また玉貸処理(図7のS21a)を行うカードユニット20からカードIDと該玉貸処理に使用された使用額とを含む減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該使用額を減算して、減算完了通知を返信する。
【0027】
会員管理装置61は、会員カード2のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を貯蓄してなる貯玉数を管理するものである。この貯玉数は、遊技者が獲得した当日のみならず、翌日以降も、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。また会員管理装置61は、図6に示すように、カードIDに対応付けて、会員登録の際に登録された当該会員遊技者の個人情報(氏名,性別,生年月日,住所等,及び暗証番号)も管理している。この会員管理装置61は、会員カード2を受け付けて管理貯玉数取得処理(図7のS06)を行うカードユニット20から、カードIDと暗証番号とを含む貯玉数取得要求を受信すると、該受信した暗証番号が該受信したカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致する(即ち認証がとれた)ことを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報をカードユニット20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行うカードユニット20から、カードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を当該受信した貯玉数に更新する。また会員管理装置61は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数から景品交換に使用された玉数を減算し、また該POS端末からカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数に貯玉する玉数を加算する。
【0028】
持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を計数してなる持玉数を管理するものである。この持玉数は、遊技者が獲得した当日のみ、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。この持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3を受け付けて管理持玉数取得処理(図7のS07)を行うカードユニット20から、カードIDを含む持玉数取得要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報をカードユニット20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行うカードユニット20から、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を当該受信した持玉数に更新する。また持玉管理装置62は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数から景品交換に使用された玉数を減算する。なお会員カード2のカードID(即ち頭文字がMのカードID)に対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に消去されて、該消去された持玉数は、当該カードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数に自動的に加算されて、以後は貯玉数として管理される。一方、ビジターカード3のカードID(即ち頭文字がVのカードID)に対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に消去されて、無効になる。
【0029】
次にパチンコ機10について説明する。パチンコ機10は遊技機の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、カードユニット20に対応して(ここではカードユニット20の右側に隣接して)設けられ、該カードユニット20が行う玉貸処理に応じて当該パチンコ機10からパチンコ玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に設けられた遊技島において該パチンコ機10の機種等に従って配置されている。各パチンコ機10には当該パチンコ機10を個々に識別可能な台番号が付されており、当該遊技場内において、台番号毎に各種データ(大当り回数等)が管理される。
【0030】
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、上皿に残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
【0031】
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、カードユニット20の玉貸通信部21aと通信可能に接続されており、パチンコ機10とカードユニット20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理(図7のS21a),持玉払出処理(同S24),及び貯玉再プレイ処理(S25)において、カードユニット20との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。玉払出装置13は、玉貸処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理においてパチンコ玉を払い出すと共に、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
【0032】
残度数表示器14は、対応するカードユニット20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額(即ち図3に示すカードテーブルで記憶しているプリペイド残額)から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器14では、該玉貸通信部21aから残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、「プリペイド残額÷最小の単位有価価値(ここでは100円)」の式で演算された商である。この残度数表示器14で表示される残度数は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が更新される毎に、更新して表示される。
【0033】
玉貸ボタン15は、対応するカードユニット20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額を使用した玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、制御部22が玉貸ボタン15が操作された旨を認識して、玉貸処理(図7のS21a)を行う。
【0034】
カード返却ボタン16は、対応するカードユニット20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)を返却するための返却操作を受け付けるボタンである。このカード返却ボタン16が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、制御部22がカード返却ボタン16が操作された旨を認識して、カードの返却(図7のS26a)を行う。
【0035】
上記の残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16は、図2(a)に示すように、パチンコ機10の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、カードユニット20と接続されているので、遊技用装置である該カードユニット20に属するものでもある。
【0036】
このパチンコ機10では、発射ハンドルが操作されると、上皿にあるパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれて、遊技が行われる。そして遊技領域に打ち込まれた打込玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置が変動を開始し、該可変表示装置に表示される図柄の表示結果が特定の態様になると、大当りが発生する。また打込玉が入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大当りになると開放される大入賞口等)に入賞すると、払出制御基板12の制御により玉払出装置13から賞球が払い出され、該払い出された賞球は、まず上皿に導かれ、該上皿が満タンになると下皿に導かれる。そして下皿に導かれた賞球は、落下レバー(図示外)が操作されると、下皿から落下して、各台計数ユニット30の玉載置部31に導かれる。なお打込玉は、図示しないが、当該パチンコ機10の背後に設けられたアウトタンクで収集されて打込玉カウンタでカウントされ、カウント後に遊技島に取り込まれる。
【0037】
このパチンコ機10の遊技制御基板11からは、可変表示装置に表示される図柄の表示結果が確定すると、図柄確定信号が出力され、大当りが発生すると、大当り信号が出力される。また打込玉カウンタからは、打込玉が10個カウントされる毎に、打込玉信号が出力される。これら図柄確定信号,大当り信号,及び打込玉信号は、HUB63を介してホールコンピュータ(図示外)に送信され、ホールコンピュータにおいて各台毎に大当り回数等が管理される。
【0038】
次にカードユニット20について説明する。このカードユニット20は、図1及び図2(b)に示すように、遊技機であるパチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に紙幣挿入口25a,タッチパネル式のディスプレイ24,及びカード挿入口23a等を備え、図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機25,玉貸通信部21a,場内通信部21b,制御部22,カードR/W23,及びカードストッカ23b等を備え、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。カードユニット20には、前述したように個々を識別可能な装置IDが付されており、当該遊技場内において、装置IDに対応づけて各種データ(後述する表示順序DB等)が管理される。なおカードユニット20の下部には、前面に各台計数ユニット30の外部ユニット30aが配置され、内部に各台計数機30の内部ユニット30bが配置されているが、これらについては後述する。
【0039】
玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。場内通信部21bは、図1に示すように、HUB63を介して残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及び配信装置70と通信可能に接続されている。配信装置70から配信されたコンテンツは、場内通信部21bを介して制御部22によって受信される。
【0040】
制御部22は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部22のEEPROMには、配信装置70から配信されたコンテンツが記憶される。
【0041】
この制御部22のRAMは、図3に示すカードテーブルを記憶している。このカードテーブルでは、カードR/W23で受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)から読み取ったカードIDと、当該カードIDに対応するプリペイド残額,持玉数,及び貯玉数(ただし貯玉数は、受け付けたのが会員カード2の場合のみ)とが記憶されて更新されるが、この記憶及び更新については、図7を参照して後述する。
【0042】
カードR/W23は、図2(b)に示すように、カード挿入口23aからカード(会員カード2又はビジターカード)の挿入を受け付けて、該カードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取るものである。カードストッカ23bは、カードR/W23の後方に設けられ、所定枚数(例えば10枚)のビジターカード3を貯留するものである。このカードストッカ23bには、玉貸処理が行われてプリペイド残額が零になり、かつ持玉数が零であるビジターカード3が取り込まれて貯留される(図7のS21c)。またカードR/W23にてカードを受け付けていない状態で紙幣識別機25にて紙幣を受け付けた場合(図7のS01でYES)に、カードストッカ23bで貯留しているビジターカード3のうちの1枚が、該カードストッカ23bからカードR/W23に対して搬送されて、カードR/W23にセットされ、カードR/W23は、該セットされたビジターカード3のICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取る(図7のS03)。
【0043】
タッチパネル式のディスプレイ24は、液晶表示器(図示外)及び透明のタッチパネル(図示外)によって構成され、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスである。また、制御部22に備えられる表示制御基板22aは、ディスプレイ24を成す液晶表示器や、透明タッチパネル等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネルの操作情報に基づく情報が、表示制御基板22aを介して制御部22に出力される。
【0044】
本実施の形態の表示制御基板22aには、液晶表示器の表示駆動を行う表示駆動回路(図示外)や、前記透明タッチパネルからの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示外)や、ディスプレイ24に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示外)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示外)や、ディスプレイ24に表示するコンテンツ等の表示データを一時記憶するVRAM(図示外)や、制御部22から独立して、各種スイッチ類や透明タッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御部22から出力される表示データ(例えば制御部22のEEPROMから読み出されたコンテンツ)等に基づいて、各種の表示画面をディスプレイ24に表示可能とされている。
【0045】
このディスプレイ24では、配信装置70から配信されたコンテンツが表示されている期間以外は図4に示すメイン画面が表示される。このメイン画面では、図3のカードテーブルで記憶している持玉数が表示されると共に、該持玉数を使用した持玉払出処理を行うための払出操作を受け付ける「払出」ボタンが表示される。またカードテーブルで貯玉数を記憶している場合(即ちカードR/W23にて会員カードを受け付けている場合)には、該貯玉数が表示されると共に、該貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理を行うための再プレイ操作を受け付ける「再プレイ」ボタンが表示される。またメイン画面で表示される持玉数や貯玉数は、カードテーブルで記憶している持玉数や貯玉数が更新される毎に、更新して表示される。
【0046】
紙幣識別機25は、図2(b)に示すように、紙幣挿入口25aから紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)の挿入を受け付けて、該紙幣を識別するものである。なお識別された紙幣は、紙幣識別機25の後方に設けられる紙幣通路25b内を搬送されて遊技島に取り込まれ、遊技島内に設けられる搬送路を経て遊技島の端部に設けられる金庫に回収される。
【0047】
次に各台計数ユニット30について説明する。各台計数ユニット30は、対応するパチンコ機10での遊技により遊技者が獲得した価値(賞球)を計数する計数手段として機能するものである。この各台計数ユニット30は、図2(a)に示すように、カードユニット20の下部において前面に配置される外部ユニット30aと、図2(b)に示すように、カードユニット20の下部において内部に配置される内部ユニット30bとからなる。以下、各台計数ユニット30の構造について、図5を参照して説明する。
【0048】
外部ユニット30aの内部には、図5(b)に示すように、パチンコ機10の下皿から落下されたパチンコ玉を受け入れて載置する玉載置部31と、該玉載置部31の下流側の端部に設けられ、該玉載置部31上のパチンコ玉が流下するのを堰き止める計数シャッタ33と、玉載置部31の下方に設けられる流出路40と、該流出路40の下流側の端部に設けられ、該流出路40内をパチンコ玉が流下するのを堰き止める払出シャッタ41とが設けられている。また外部ユニット30aの前面には、図5(a)に示すように、計数シャッタ33の開放操作を受け付ける計数レバー32と、払出シャッタ41の開放操作を受け付ける払出レバー40とが設けられている。
【0049】
また内部ユニット30bの内部には、図5(c)に示すように、玉載置部31の下流側の端部に連通する流入路34と、該流入路34の下流側の端部に設けられ、該流入路34内を流下するパチンコ玉を計数する玉カウンタ35と、流入路34の下方に設けられ、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉の一部を貯留し、その下流側の端部が前記流出路40の上流側の端部に連通する玉貯留部36と、流入路34の下流側の端部に連通し、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉のうち玉貯留部36に貯留される以外のパチンコ玉を遊技島内に流すための排出路37と、玉貯留部36の下流側の端部に設けられ、該玉貯留部36から払い出されるパチンコ玉を計数する払出カウンタ38とが設けられている。ここで玉貯留部36には、予め定められた払出単位(例えば25玉)に満たない数のパチンコ玉を各台計数ユニット30から払出可能なように、当該払出単位未満の最大数(即ち24玉)のパチンコ玉が貯留される。
【0050】
そして図1に示すように、計数レバー32及び払出レバー40の操作は、カードユニット20の制御部22により検知され、玉カウンタ35及び払出カウンタ38による計数値は、カードユニット20の制御部22に対して送信されるように構成されている。
【0051】
この各台計数ユニット30による計数処理(図7のS23)について説明する。玉載置部31にパチンコ玉が載置されている状態で、計数レバー32の操作が有ると(図7のS13でYES)、該操作を検知した制御部22の制御により計数シャッタ33が開放され、玉載置部31上のパチンコ玉が、流入路34内を流下して、玉カウンタ35により計数されることにより、計数処理が行われる。該玉カウンタ35による計数値は、図3のカードテーブルで記憶されている持玉数に加算更新される。玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされるまでは、図5(c)の矢印A方向に進んで玉貯留部36に貯留され、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされた後は、矢印B方向に進み排出路37内を流下して、遊技島内に取り込まれる。
【0052】
次に配信装置70について説明する。配信装置70は、図1に示すように接続される通信部71,制御部72,ハードディスク73,ディスプレイ74,及び入力装置75等を有するコンピュータであり、ハードディスク73に記憶しているコンテンツを、接続される各カードユニット20に配信するものである。本実施形態における配信装置70は、図8に示すように、遊技場の営業時間10:00〜22:30以外の時間帯においてハードディスク73に記憶しているコンテンツを配信しておき、遊技場の営業時間中は、表示順序変更指示をカードユニット20に送信することで、営業時間外に配信しておいたコンテンツの表示順序(表示の有無を含む)を指示することができる。
【0053】
通信部71は、複数のHUB63の各々を介して、各HUB63に接続されたカードユニット20の各々と通信可能に接続されている。制御部72は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROM及びハードディスク73に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、配信装置70に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ディスプレイ74は、各種の情報を表示する表示デバイスであって、例えば液晶ディスプレイであり、入力装置75は、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスであって、例えばキーボードやマウスである。
【0054】
ハードディスク73は、カードユニット20に配信するコンテンツとして図9に示すグループ配信用画像や図10に示す配信用動画を記憶しており、また、後述する表示順序DBを記憶している。これらに関しての詳細は後述する。図9及び図10に示されるコンテンツは、遊技場の管理者等が入力装置75等を使用して配信装置70によって作成することができる。この「作成」には、遊技場外のサーバからインターネットを介して配信装置70にコンテンツをダウンロードさせることも含まれる。
【0055】
[2.カードユニット20のメイン処理]
次に、図7を参照して、カードユニット20のメイン処理について説明する。遊技用装置であるカードユニット20では、営業時間中において、図7に示すメイン処理が行われると共に、配信装置70から配信され制御部22に記憶しているコンテンツをディスプレイ24に表示する表示処理も行われる。この表示処理の詳細については後述する。
【0056】
まず図7は、カードユニット20及び各台計数ユニット30が行うメイン処理の一例を表すフローチャートである。カードユニット20の制御部22は、S01で紙幣識別機25による紙幣の受付,又はS02でカードR/W23によるカード(会員カード2又はビジターカード3)の受付を待機している。このS01で紙幣の受付が有ると(YES)、紙幣識別機25は、該受け付けた紙幣を識別し、カードストッカ23bは、S03で、貯留しているビジターカード3のうちの1枚をカードR/W23に対して搬送し、カードR/W23は、搬送されたビジターカード3をセットしてICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取り、制御部22は、S04で入金処理を行う。
【0057】
この入金処理において、制御部22は、S03で読み取ったカードIDとS01で識別した紙幣額(即ち入金処理に供された入金額)とを含む加算要求を残額管理装置60に対して送信する。該加算要求を受信した残額管理装置60は、該加算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額(この場合には零)に該加算要求に含まれる入金額を加算して、加算完了通知をカードユニット20に対して返信する。そして該加算完了通知を受信したカードユニット20の制御部22は、カードテーブルで、S03で読み取ったカードIDに対応付けて、S01で識別した紙幣額をプリペイド残額に加算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のビジターカード3に該加算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、入金処理を終了して、S11に進む。
【0058】
前記S02でカードの受付が有ると(YES)、カードR/W23は、該受け付けたカードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取り、制御部22は、S05で、該読み取ったカードIDの頭文字(M又はV)に基づいて、受け付けたカードが会員カード2であるか否かを判定する。このS05で会員カード2である(YES)と判定された場合には、制御部22は、S06で貯玉数取得処理を行う。
【0059】
この貯玉数取得処理において、制御部22は、ディスプレイ24に暗証番号入力画面(図示外)を表示する処理を行い、暗証番号の入力が有ると、S02で読み取ったカードIDと該入力された暗証番号とを含む貯玉数取得要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉数取得要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数取得要求に含まれる暗証番号が該貯玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報をカードユニット20に対して返信する。そして該貯玉数情報を受信したカードユニット20の制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該貯玉数情報に含まれる貯玉数を記憶すると共に、メイン画面で貯玉数を表示し、貯玉数取得処理を終了して、S07で持玉数取得処理を行う。
【0060】
この持玉数取得処理において、制御部22は、S02で読み取ったカードIDを含む持玉数取得要求を持玉管理装置62に対して送信する。該持玉数取得要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報をカードユニット20に対して返信する。そして該持玉数情報を受信したカードユニット20の制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該持玉数情報に含まれる持玉数を記憶すると共に、メイン画面で持玉数を表示し、持玉数取得処理を終了して、S08で残額確認処理を行う。
【0061】
この残額確認処理において、制御部22は、S02で読み取ったカードIDとプリペイド残額とを含む残額確認要求を残額管理装置60に対して送信する。該残額確認要求を受信した残額管理装置60は、該残額確認要求に含まれるプリペイド残額と該残額確認要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額とが一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該プリペイド残額を含む残額確認通知をカードユニット20に対して返信する。そして該残額確認通知を受信したカードユニット20の制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該残額確認通知に含まれるプリペイド残額を記憶すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、残額確認処理を終了して、S11に進む。
【0062】
前記S05で会員カード2でない(NO)、即ちビジターカード3であると判定された場合には、制御部22は、前記S07の持玉数取得処理と、前記S08の残額確認処理とを行って、S11に進む。
【0063】
S04又はS08の処理が終了すると、カードユニット20の制御部22は、S11で玉貸ボタン15の操作の受付,S12で紙幣識別機25による紙幣の受付,S13で計数レバー32の操作の受付,S14でメイン画面に表示される払出ボタンの操作の受付,S15でメイン画面に表示される再プレイボタンの操作の受付,又はS16でカード返却ボタン16の操作の受付を待機する。
【0064】
このS11で玉貸ボタン15の操作が有ると(YES)、制御部22は、S21aで玉貸処理を行う。この玉貸処理において、制御部22は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が予め設定された玉貸設定額(例えば5度数=500円)以上であるか否かを判定し、プリペイド残額が玉貸設定額以上であれば、該玉貸設定額を使用額として特定し、プリペイド残額が玉貸設定額未満であれば、該プリペイド残額を使用額として特定して、該特定した使用額分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、カードIDと使用額とを含む減算要求を残額管理装置60に対して送信する。該減算要求を受信した残額管理装置60は、該減算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該減算要求に含まれる使用額を減算して、減算完了通知をカードユニット20に対して返信する。そして該減算完了通知を受信したカードユニット20の制御部22は、カードテーブルで、使用額をプリペイド残額から減算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のカードに該減算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、玉貸処理を終了して、S21bに進む。
【0065】
S21bで、制御部22は、ビジターカード3を受付中かつカードテーブルで記憶しているプリペイド残額及び持玉数が零であるか否かを判定し、NOならば前記S11に戻り、YESならばS21cで当該ビジターカード3をカードストッカ23bに取り込んで、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、制御部22は、カードIDと持玉数(ここでは零)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。そしてS26bの処理が終了すると、S26cで、制御部22は、カードテーブルの記憶内容を消去して、メイン処理を終了する。
【0066】
前記S12で紙幣の受付が有ると(YES)、制御部22は、S22で前記S04と同様の入金処理を行って、S11に戻る。
【0067】
前記S13で計数レバー32の操作が有ると(YES)、制御部22及び各台計数ユニット30は、S23で前記計数処理を行って、S11に戻る。
【0068】
前記S14で払出ボタンの操作が有ると(YES)、制御部22及び各台計数ユニット30は、S24で持玉払出処理を行う。この持玉払出処理において、制御部22は、カードテーブルで記憶している持玉数が予め設定された払出設定数(例えば5度数分の125玉)以上であるか否かを判定する。そして持玉数が払出設定数以上であれば、該払出設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該払出設定数をカードテーブルで記憶している持玉数から減算更新すると共に、メイン画面で持玉数を更新表示し、持玉払出処理を終了して、S11に戻る。
【0069】
一方、持玉数が払出設定数未満であれば、持玉数のうち前記払出単位(25玉)の整数倍のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令する一方、持玉数のうち該払出単位未満のパチンコ玉を各台計数ユニット30から払い出し、カードテーブルで記憶している持玉数を零に更新すると共に、メイン画面で持玉数を零に更新表示し、持玉払出処理を終了して、S11に戻る。具体的には、持玉数が124玉である場合には、25玉×4=100玉はパチンコ機10から払い出し、残りの24玉は各台計数ユニット30から払い出す。この端数払出処理が行われると、制御部22の制御により払出カウンタ38が開放され、玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉が払出カウンタ38により計数され、該払出カウンタ38による計数値が払出数に達すると、払出カウンタ38が閉鎖される。払出カウンタ38により計数されたパチンコ玉は、流出路39内を流下して、払出シャッタ41により堰き止められる。そして払出レバー40の操作を受け付けると、該操作を検知した制御部22の制御により払出シャッタ41が開放され、流出路39内のパチンコ玉が、内部ユニット30bの下面から落下されるので、遊技者は、該落下したパチンコ玉を受け止めて上皿に供給することにより遊技に使用できる。
【0070】
前記S15で再プレイボタンの操作が有ると(YES)、制御部22は、S25で貯玉再プレイ処理を行う。この貯玉再プレイ処理において、制御部22は、カードテーブルで記憶している貯玉数が予め設定された再プレイ設定数(例えば5度数分の125玉)+手数料玉数(例えば25玉)以上であるか否かを判定する。そして貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数以上であれば、該再プレイ設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該再プレイ設定数+手数料玉数をカードテーブルで記憶している貯玉数から減算更新すると共に、メイン画面で貯玉数を更新表示し、貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。なお貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数未満であれば、パチンコ玉の払出を行わずに貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。
【0071】
前記S16でカード返却ボタン16の操作が有ると(YES)、制御部22は、S26aで、カードR/W23にて受付中のカードを返却する処理を行って、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、制御部22は、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信すると共に、受付中のカードが会員カード2である場合にはカードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を会員管理装置61に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。また貯玉数更新要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数を該貯玉数更新要求に含まれる貯玉数に更新する。このS26aにてカードを返却する処理と、S26bにおける管理玉数更新処理とが、持玉払出処理に使用されなかった持玉数や貯玉再プレイ処理に使用されなかった貯玉数を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(つまり持玉数や貯玉数を、受付中のカードのカードIDに対応付けて、該カードを返却する処理)に相当する。そしてS26bの処理が終了すると、制御部22は、S26cで、カードテーブルの記憶内容を消去して、メイン処理を終了する。
【0072】
[3.コンテンツの配信処理]
前述したように、本実施形態における遊技用システム1では、遊技場の営業時間外である10:00〜22:30はコンテンツの非配信期間となっており、当該営業時間外を利用して、配信装置70からカードユニット20に対してコンテンツの配信処理が行われ、配信されたコンテンツはカードユニット20のディスプレイ24に表示される。本実施形態において配信するコンテンツは、配信装置70のハードディスク73に記憶されており、図9に示すグループ配信用画像101〜108,110〜114,及び120と、図10に示す配信用動画201〜203から選択される。本例において、グループ配信用画像は全て静止画像であり、複数の画像をまとめて配信するグループ配信の場合に選択可能となっている。また、配信用動画は、動画配信を行う場合にいずれか1つのみ選択可能となっている。
【0073】
図9に示すグループ配信用画像として、101(いらっしゃいませ。),102(本日のイベントコーナー),103(景品交換は、「当日限り」有効です。),104(カードの取り忘れにご注意下さい。),105(18歳未満のご入場はお断り致します。),106(「持ち玉の共有」ができます。),107(「AED」を設置しております。),108(「新規会員」募集中です。),110(星座占いタイトル),111(牡羊座,獅子座,射手座の運勢),112(牡牛座,乙女座,山羊座の運勢),113(双子座,天秤座,水瓶座の運勢),114(蟹座,蠍座,魚座の運勢),及び120(現在店頭イベント開催中。)が用意されている。このうち、103〜107に関しては当該遊技場における遊技の際の注意点等を遊技者に知らせるための画像であり、108は非会員遊技者(ビジタ)に会員登録を促すための画像である。また、110は後続の画像が星座占いに関すものであることを知らせるための画像であり、111〜114は星座占いの結果を知らせる画像である。また、102は、当該画像が表示されるカードユニット20に対応するパチンコ機10が本日のイベント対象台であることを遊技者に告知するための画像であり、120は、現在当該遊技場で店頭イベントが開催されていることを遊技者に告知するための画像である。また、図10に示す配信用動画として、201(7月新機種案内),202(8月新機種案内),及び203(××社CM)が用意されている。
【0074】
遊技場の管理者がこれらのグループ配信用画像及び配信用動画を作成したときは、図11(a)に示すように、各コンテンツ毎に画像識別番号が自動的に付与される。本例において画像識別番号は3Byte(16進数6桁)の値であり、以下の構造となっている。画像識別番号の下位4桁(2Byte)は、コンテンツの作成毎に1ずつ加算され、0000〜FFFF(10進数表示で0〜65535)の範囲で変化する識別番号となっている。また、画像識別番号の上位2桁目(最上位1Byteのうちの下位4Bit)は、当該画像識別番号の画像がグループ配信用画像であるか配信用動画であるかを示す画像種別であり、0のときは当該画像がグループ配信用画像であることを示し、1のときは配信用動画であることを示す。本実施形態では各画像種別について0000〜FFFFまでの識別番号が付与される。即ちグループ配信用画像(画像種別:0)に対応する識別番号0000〜FFFFと、配信用動画(画像種別:1)に対応する識別番号0000〜FFFFが存在する。さらに画像識別番号の最上位桁(最上位4Bit)は、上書きフラグとなっている。上書きフラグは0又は1の値であり、識別番号が0000から1ずつ加算されてFFFFに達した状態でコンテンツが新たに作成されたときには、当該作成したコンテンツに識別番号として0000が付与され、このとき上書きフラグは反転される(作成前の時点で0であれば1となり、1であれば0となる)。例えば最新のグループ配信用画像の画像識別番号が00FFFFである状態で、新たにコンテンツ(グループ配信用画像とする)を作成したときには、当該作成したコンテンツについて画像識別番号として100000が付与されることになる。また、最新のグループ配信用画像の画像識別番号が10FFFFである状態で、新たにコンテンツ(グループ配信用画像とする)を作成したときには、当該作成したコンテンツについて画像識別番号として000000が付与されることになる。
【0075】
図12は、配信装置70におけるコンテンツ作成時処理を示すフローチャートである。配信装置70は、新たにコンテンツが作成されたときに、当該作成したコンテンツの種別がグループ配信用画像と指定されれば、グループ配信用画像(画像種別:0)についての最新画像識別番号の下4桁(最新識別番号)を特定し、また、当該作成したコンテンツの種別が配信用動画と指定されれば、配信用動画(画像種別:1)についての最新画像識別番号の下4桁(最新識別番号)を特定し、当該特定した識別番号が上限値(FFFF)であるか否かを判定する(S100)。S100で、上限値に達している(YES)と判定したときには、当該作成したコンテンツの識別番号を下限値(0000)にセットし(S101)、上書きフラグを反転して(S105)、当該作成した画像の種別がグループ配信用であるか否かを判定する(S120)。S120でグループ配信用である(YES)と判定したときには、画像種別を0にセットして画像識別番号を確定させ(S121)、当該画像識別番号を付したグループ配信用画像を記憶して(S122)処理を終了する(END)。一方、S120で配信用動画である(NO)と判定したときには、画像種別を1にセットして画像識別番号を確定させ(S123)、当該画像識別番号を付した配信用動画を記憶して(S122)処理を終了する(END)。なお、上記S100で、上限値に達していない(NO)と判定したときには、特定した識別番号に1を加算し(S110)、上書きフラグは反転させずにS120以降の処理を行う。
【0076】
ここで図9の111〜114に示す星座占いの運勢や、例えば天気予報やニュースのように毎日異なるコンテンツの作成が必要な場合には、上記識別番号が所定期間で上限値に達することが想定される。これに対処すべく、画像識別番号のデータ長(バイト数)を長くすることは、接続されるカードユニット20側の演算能力に制約がある場合も多いため、好ましくない。本例では、コンテンツの作成毎に付与される識別番号が上限値(FFFF)に達したときには、次回コンテンツが作成されたときに識別番号を下限値(0000)にリセットする措置を採ることで作成するコンテンツ数の増加に対応している。
【0077】
図9及び図10のコンテンツをカードユニット20に配信するときには、遊技場の管理者は、配信装置70によってコンテンツ管理ソフトウェアを実行させて、図13に示す初期画面をディスプレイ74に表示させる。この初期画面では、図9に示したグループ配信用画像を配信するための「グループ配信」用ボタンと、図10に示した動画を配信するための「動画配信」用ボタンと、配信したコンテンツの表示順序を変更するための「表示順序変更」用ボタンが表示されている。ここで、本実施形態では遊技場の営業時間中はコンテンツの配信が制限されるため、「グループ配信」用ボタンと「動画配信」用ボタンは表示されず、「表示順序変更」用ボタンのみが表示される。
【0078】
管理者が図13に示す画面で「グループ配信」用ボタンを選択すると、図14に示す「グループ化画面」がディスプレイ74に表示される。このグループ化画面には「ビジタ用」及び「会員用」の設定領域がそれぞれ8つ表示される(各々をビジタ用領域1〜8,会員用領域1〜8と称する)。管理者は図9に示すグループ配信用画像から、カードユニット20に表示させたい画像を選択し、図14のいずれかの領域に配置する。各領域に配置された画像はカードユニット20に配信されてディスプレイ24に表示されることになる。ここで、ビジタ用領域に配置された画像は、カードユニット20に会員カード2が挿入されていない状態のときに、ビジタ用領域1〜8(8の後は1に戻る)の順にローテーションしてディスプレイ24に表示される。また、会員用領域に配置された画像は、当該カードユニット20に会員カード2が挿入されている状態のときに、会員用領域1〜8の順(8の後は1に戻る)にローテーションしてディスプレイ24に表示される。なお、図4に示したメイン画面がディスプレイ24に表示されてから所定時間経過すると、ビジタ用領域又は会員用領域に配置された画像の表示が開始される。
【0079】
図14に示す「グループ化画面」右上には、バージョン(本例では00)が表示される。バージョンはグループ化画面によって新たなグループ化を行う毎に更新され、また、後述する配信動画選択画面によって配信する動画を選択する毎に更新される。即ち、管理者が、一回の配信操作(グループ配信又は動画配信)で配信するコンテンツ全体を識別するために使用する識別番号である。このバージョン毎に、配信成功の有無等が管理される。また、後述する表示順序の変更もバージョン毎に設定される。
【0080】
図15には、グループ化画面の各領域にグループ配信用画像を配置した例を示す。ビジタ用領域1,2,3,4,5,6,7,8には、それぞれ画像101(いらっしゃいませ。),102(本日のイベントコーナー),103(景品交換は、「当日限り」有効です。),104(カードの取り忘れにご注意下さい。),106(「持ち玉の共有」ができます。),107(「AED」を設置しております。),108(「新規会員」募集中です。),及び120(現在店頭イベント開催中。)が選択されている。また、会員用領域1,2,3,4,5,6,7,8には、それぞれ画像101(いらっしゃいませ。),102(本日のイベントコーナー),110(星座占いタイトル),111(牡羊座,獅子座,射手座の運勢),112(牡牛座,乙女座,山羊座の運勢),113(双子座,天秤座,水瓶座の運勢),114(蟹座,蠍座,魚座の運勢),及び120(現在店頭イベント開催中。)が選択されている。
【0081】
本例では、ビジタ向けの画像として、当該遊技場における遊技の際の注意点等を遊技者に知らせる必要性が高いため、画像103,104,106,及び107を選択し、ビジタに会員登録を促すための画像108を選択している。一方、会員向けの画像としては、改めて遊技の際の注意点や会員登録を告知する必要はないため、上記ビジタ向け画像に代えて星座占いに関する画像110〜114を選択している。このように本実施形態によればビジタ向けのコンテンツ及び会員向けのコンテンツとして適した画像を選択し、配信してカードユニット20に表示させることができる。また、ビジタ向け及び会員向けの画像として、いずれも画像102(本日のイベントコーナー)を選択してるが、この画像は当該画像を配信するカードユニット20に対応する遊技機が本日のイベント対象台である場合に選択するようにすると良い。なお、イベント対象台ではないカードユニット20に対しては、別のバージョンのグループ化画面でこの画像102を除いた画像グループを構成して配信すると良い。また、本例ではビジタ向け及び会員向けの画像として、いずれも画像120(現在店頭イベント開催中。)を選択してるが、この画像は当該遊技場で店頭イベントを開催する場合に選択するようにすると良い。
【0082】
図15に示すように、グループ化画面で画像を選択した後、グループ化画面右下に表示されている「決定」ボタンを選択すると、ビジタ用及び会員用として選択された各画像がグループ化され、各画像の表示順序が確定され、当該バージョン(本例では00)について、図16(a)に示す配信画面が表示される。この画面においては当該グループ配信のバージョン(本例では00)が表示され、ステータス(本例では未配信)が表示される。管理者が、この画面の「配信先」に、グループ化した画像の配信先となるカードユニット20の装置IDを入力し、右下の「配信」ボタンを選択すると、選択された各画像及び各画像の表示順序が、入力された装置ID(本例では0001〜0100)のカードユニット20に配信される。
【0083】
ここで配信装置70からカードユニット20に対してコンテンツを配信するときには、後述する図26及び図27に示すように、最初に画像が配信され、画像の配信が完了した後(複数の画像が配信されるときには全ての画像の配信が完了した後)に、表示順序指示(S562及びS662)が送信される。この表示順序指示のデータ構成を図11(b)に示す、表示順序指示は、1枚目の画像の画像識別番号,1枚目の画像の表示順序,2枚目の画像の画像識別番号,2枚目の画像の表示順序,…,16枚目の画像の画像識別番号,16枚目の画像の表示順序というように、画像識別番号の直後に当該画像識別番号の画像の表示順序を挿入した構成となっている。なお、遊技場の営業時間中(コンテンツ非配信期間中)にカードユニット20に対して送信する表示順序変更指示についても、表示順序指示と同じデータ構成となっている。
【0084】
ここで表示順序は図11(c)に示すように1Byte(16進数2桁)の値であり、以下の構造となっている。まず、グループ配信を行う場合には、上位桁は0(ビジタ用)又は1(会員用)であり、下位桁は表示順序である。従って、15(16進数2桁)の場合は、会員用画像の5番目に表示させることを示している。また、動画配信を行う場合には、上位桁は常に1であり、下位桁は0(表示させない場合)又は1(表示させる場合)となる。なお、本実施形態において動画配信を行う場合、表示順序指示を送信するときの表示順序の下位桁は常に1である(即ち配信された動画は当初必ず表示される設定となる)ものとするが、表示順序変更指示を送信するときの表示順序の下位桁は、表示させない指示を送信する場合もあるため1又は0となる。
【0085】
図16(a)に戻り、「配信」ボタンを選択すると、入力された装置IDのカードユニット20にグループ化された画像が配信され、全ての画像が配信された後に、表示順序指示を送信する。表示順序指示を受信したカードユニット20からは表示順序応答が返信され、さらに通常モード復帰応答が返信されるが(後述する図26及び図27のS565及びS665)、この通常モード復帰応答を受信した配信装置70は、ディスプレイ74に図16(b)に示す配信完了画面を表示する。配信完了画面では、「ステータス」としてコンテンツの配信(表示順序指示を含む)が完了した旨を示す「配信完了」が表示され、「配信完了日時」として通常モード復帰応答を受信した年月日及び時刻が表示される。この配信完了画面の右下の「戻る」を選択すると、図13に示すコンテンツ管理ソフトウェアの初期画面に戻る。
【0086】
一方、コンテンツの配信に不具合があった場合、例えば一部コンテンツの配信中に通信が遮断されて配信できなかった場合や、カードユニット20からの応答に異常が認められた場合には、図16(c)に示すように、配信失敗画面が表示される。配信失敗画面では「ステータス」に「失敗」と表示され、画面右下には「詳細」ボタンが表示される。この「詳細ボタン」を選択すると、図16(d)に示すように、詳細画面に移行する。詳細画面ではコンテンツ配信に失敗したカードユニット20の装置IDが表示され、これに対応づけて各画像についての配信の成功又は失敗が表示される。ここで表示される各画像の名称は、遊技場の管理者がコンテンツ作成時に便宜上付したものである。この詳細画面の右下には「再配信」ボタンが表示されており、当該「再配信」ボタンを選択すると、コンテンツ配信が失敗した装置IDのカードユニット20に対してのみ、再度、当該バージョン(本例では00)のコンテンツが配信されることになる。
【0087】
図13に示すコンテンツ管理ソフトウェアの初期画面において、管理者が「動画配信」を選択すると、図17に示す配信動画選択画面が表示される。画面中央には図10に示される配信用動画の中から選択した動画を配置するための領域1が設けられている。ここで画面下に示されるように,動画を配信する場合には複数の画像をまとめて配信するグループ配信を行うことはできず、個別配信となり、1度に配信可能な動画は1つに限られる。これは、動画の容量が大きく、通信負担が大きいためである。このように、配信するコンテンツの種別に応じて複数配信とするか個別配信とするかが選択されるため、コンテンツ配信時の負荷に応じた最適な配信が可能となる。
【0088】
図18に示す配信動画選択画面の例では、管理者は領域1に動画203(××社CM)を配置している。この状態で画面右下の「決定」ボタンを選択すると、当該バージョン(本例では01)について、図16(a)に示した配信画面と同様の画面が表示され、当該画面で入力した装置ID(例えば0001〜0500)のカードユニット20に対して、当該動画が配信される。動画の配信後には、表示順序指示がカードユニット20に送信されるが、この表示順序指示は配信した動画の画像識別番号(×1××××)及び当該動画の表示順序(値は11)からなる。
【0089】
このようにしてグループ配信や動画配信が完了すると、配信装置70では、各バージョン毎に図19に示す表示順序DBへの登録が行われる。この表示順序DBには、各バージョンに対応付けて当該バージョンのコンテンツを配信したカードユニット20の装置ID(「装置ID」)と,ビジタ用画像の表示順序(「表示順序(ビジタ用)」)と、会員用画像の表示順序(「表示順序(会員用)」)と、動画の表示の有無(「動画」)が管理される。「動画」の領域に画像識別番号が登録されていれば、当該画像識別番号の動画がカードユニット20で再生可能であり、ブランクであればディスプレイ24に動画が表示されない。
【0090】
例えば図15に示したバージョン00の画像をグループ配信したときには、図19に示すように、表示順序DBの「バージョン」に00が登録され、「装置ID」に0001〜0100が登録され、「表示順序(ビジタ用)」の「1」〜「8」の領域に順番に画像101,102,103、104,106,107,108,120の画像識別番号が登録され、「表示順序(会員用)」の「1」〜「8」の領域に順番に画像101,102,110,111,112,113,114,120の画像識別番号が登録される。なお、配信用動画の画像識別番号は含まれていないため「動画」はブランクとなる。
【0091】
また図18に示したバージョン01の動画を配信したときには、図19に示すように、表示順序DBの「バージョン」に01が登録され、「装置ID」に0001〜0500が登録される。ここで「表示順序(ビジタ用)」の「1」〜「8」の領域及び「表示順序(会員用)」の「1」〜「8」の領域は、グループ配信用画像の画像識別番号が含まれていないためブランクとなる。そして「動画」には、図18で選択された画像203の画像識別番号が登録される。このようにして、各バージョン毎に配信対象となったカードユニット20の装置ID,並びに配信した画像の表示順序及び表示の有無が管理される。なお、この表示順序DBは、表示順序変更指示をカードユニット20に送信するときに上書き更新される。
【0092】
ここで本実施形態においてグループ配信及び動画配信を受けたカードユニット20では、グループ配信に関して1つのバージョンのみを記憶し、動画配信に関して1つのバージョンのみを記憶する。従って、グループ配信に関する1つのバージョンを記憶している状態で新たなグループ配信が行われると、旧バージョンから新たなグループ配信のバージョンに更新する処理を行う(後述する図26のS561)。同様に、動画配信に関する1つのバージョンを記憶している状態で新たな動画配信が行われると、旧バージョンから新たな動画配信のバージョンに更新する処理を行う(後述する図27のS661)。
【0093】
グループ配信及び動画配信を受けたカードユニット20においては、図4に示したメイン画面の表示から所定時間を経過すると、会員カードが挿入されていない状態では、ビジタ用画像を表示順序指示で指定された順序通りにディスプレイ24に表示し、会員カードが挿入されている状態では、会員用画像を表示順序指示で指定された順序通りにディスプレイ24に表示する。その一例を図20(a)に示す。図20(a)の例では、ディスプレイ24に画像102(本日のイベントコーナー)が表示されている。ここで、図20(a)に示すように、ディスプレイ24にグループ配信用画像が表示されている状態では、同ディスプレイ24の下部に「動画」ボタン及び「メイン」ボタンが表示される。但し、「動画」ボタンは、当該カードユニット20に動画配信のバージョン(例えば01)が記憶されており、且つ動画が表示可能(表示順序DBの「動画」に画像識別番号が記憶されている状態)である場合にのみ表示される。
【0094】
図20(a)に示すグループ配信画像表示中に遊技者が「動画」ボタンを選択すると、図20(b)に示すように、記憶しているバージョンの動画の再生が開始される。本例ではバージョン01が記憶されているので、動画203(××社CM)の再生が開始される。なお、図20(a)又は(b)の画像表示中に遊技者がディスプレイ24の「メイン」ボタンを選択すると、図4に示したメイン画面に戻る。このようにして営業時間外に配信装置70からカードユニット20に配信されたコンテンツは、コンテンツ配信の際に送信された表示順序指示に従ってカードユニット20のディスプレイ24に表示されることになる。
【0095】
ここで図8に示したように、本実施形態においては営業時間中にはコンテンツを配信しないようにしている。仮に営業時間中にコンテンツを配信するようにした場合、コンテンツデータの容量が大きいため、カードユニット20と他の管理装置(例えば残額管理装置、会員管理装置、及び持玉管理装置等)の通信が制約を受けてしまい、玉貸処理、入金処理、持玉払出処理、貯玉再プレイ処理等の遊技に直接関連する処理を迅速に行うことができないという問題が生じてしまう。本実施形態では、営業時間中はコンテンツを配信しない(図13に示したコンテンツ管理ソフトウェアの初期画面で、営業時間中は「グループ配信」及び「動画配信」を選択できないようにする)ことで、カードユニット20における上記主要処理の阻害要因を排除している。
【0096】
一方、営業時間中には、一旦配信したコンテンツの表示順序を変更する必要性や表示の有無を切り替える必要性が生じる場合もある。例えば遊技場の開店時(10:00)から14:00までの期間に店頭イベントを開催する場合等は、14:00以降にカードユニット20に画像120(現在店頭イベント開催中。)と表示することは遊技者に誤解を与えることになり適切ではない。また、所定の台で出玉競争等の時間限定イベント(例えば15:00〜18:00等)が行われるような場合に、営業時間中継続して画像102(本日のイベントコーナー)を表示し続けることも適切ではない。このような場合に対応すべく、本実施形態では営業時間中は配信装置70からカードユニット20に対して表示順序変更指示を送信して、表示順序の変更及び表示の有無を指示できるようにしている。
【0097】
管理者が表示順序の変更を行う場合には、図13に示す初期画面において「表示順序変更」を選択する。これにより図21に示す画面がディスプレイ74に表示される。この画面には、配信した各バージョンに対応するボタンが表示され、本例ではグループ配信に係るバージョン00と、動画配信に係るバージョン01が表示されている。この画面に示されるバージョンの中から、表示順序の変更又は表示の有無を切り替えるバージョンを選択すると、図22に例示するような、表示順序変更画面が表示される。この画面では当初、表示順序DBに記憶されている画像識別番号の画像が、当該表示順序DBに記憶されている順序に従って配置される。即ち、最初に表示順序の変更を行うときには図15に示したグループ化画面と同じ画像が同じ順序で並んでいる状態である。
【0098】
例えば、店頭イベントが終了した場合には、管理者は図21の画面でバージョン00を選択し、図22に示すように、表示順序変更画面上でビジタ用及び会員用の領域8に配置されている画像120(現在店頭イベント開催中。)を消去し、右下の「決定」ボタンを選択する。これにより、表示順序の変更に係る各画像識別番号及び各画像識別番号の表示順序が確定し、表示順序DBがこれに従って更新される。本例では、表示順序DBにおいて、「表示順序(ビジタ用)」の「8」の領域から画像120の画像識別番号が消去され、「表示順序(会員用)」の「8」の領域から画像120の画像識別番号が消去されることになる。そして対応する装置IDのカードユニット(本例では0001〜0100)に、更新した表示順序DBの内容に基づく表示順序変更指示が送信される。ここで表示順序変更指示のデータ構成は図11(b)に示した表示順序指示と同様であり、各画像の画像識別番号と表示順序が含まれる。
【0099】
表示順序変更指示を受信したカードユニット20では、表示順序変更指示に含まれる画像識別番号がグループ配信用のものであれば、当該グループ配信に係るバージョン(本例では00)についての表示順序を、表示順序変更指示に従って変更する。本例ではカードユニット20に会員カードが挿入されていない状態では、画像101,102,103、104,106,107,108がローテーション表示され、会員カードが挿入されている状態では、画像101,102,110,111,112,113,114がローテーション表示されることになる。即ち、画像120(現在店頭イベント開催中。)がカードユニット20に記憶されている状態であっても、表示されずにスキップされる。このように、営業時間中はコンテンツの配信が制限される一方、表示順序及び表示の有無を変更することが可能であるため、遊技者に適切なコンテンツを提示することができる。
【0100】
なお、動画に関しては、表示順序変更指示によって表示の有無を指示することができる。図21の画面で管理者が動画のバージョン(例えば01)を選択すると、表示順序DBに記憶されている画像識別番号の画像が表示され、当該画像を表示するか否かを選択可能となる。ここで「表示しない」と選択すると、表示変更に係る画像識別番号及び「表示無し」が確定し、表示順序DBがこれに従って更新される。本例では、表示順序DBにおいて、バージョン01の「動画」がブランクになる。そして対応する装置IDのカードユニット(本例では0001〜0500)に、更新した表示順序DBの内容に基づく表示順序変更指示が送信される。本例では動画203の画像識別番号と表示順序(図11(c)に示す表示順序であり、本例では表示させないため値が10となる)を含む表示順序変更指示が、対応する装置ID(本例では0001〜0500)のカードユニット20に送信され、カードユニット20は、表示順序変更指示に含まれる画像識別番号が配信用動画のものであれば、当該動画の表示を停止する(「動画」ボタンを表示させない)。
【0101】
次に図23〜図27を用いてコンテンツ配信の際の配信装置70とカードユニット20の処理について詳述する。図23は、配信装置70がコンテンツ配信の際に行う処理を示すフローチャートである。配信装置70は、図16(a)に示す配信画面において「配信」ボタンが選択されると、対象となる装置IDのカードユニット20に対してダウンロード移行指示を一斉送信する(S200)。そして、カードユニット20が記憶するバージョンの送信要求を含む情報取得要求を対象のカードユニット20に対して送信し(S201)、各カードユニット20からの情報取得応答(各カードユニット20が記憶しているバージョンを含む)の受信を待機する(S202)。
【0102】
カードユニット20から情報取得応答を受信した配信装置70は(S202でYES)、受信した情報取得応答に含まれるバージョン(複数のバージョンが含まれるときには、そのうちいずれか1つ)と、当該コンテンツ配信に係るバージョンが一致するか否かを判定する(S203)。S203で一致しない(NO)と判定されたときには、ディスプレイ74に当該装置IDに対して当該バージョンが未配信である旨を表示し(S204)、当該カードユニット20に対して、最初に配信する画像の画像識別番号と、当該画像のファイル容量と、配信継続の有無を含む画像情報通知を送信する(S205)。ここで、「配信継続の有無」とは、当該画像の配信が完了した後に、さらに画像の配信が継続されるか否かを示す情報である。従って、グループ配信の場合には「配信継続有り」となり、最後の画像を配信する場合に限り「配信継続無し」となる。一方、動画配信の場合には「配信継続無し」となる。
【0103】
次いで配信装置70は、画像情報通知を送信したカードユニット20からの画像情報応答の受信を待機する(S206)。配信装置70が画像情報応答を受信すると(S206でYES)、当該カードユニット20に対してダウンロード開始指示を送信し(S207)、当該カードユニット20からのダウンロード開始応答の受信を待機する(S208)。カードユニット20からダウンロード開始応答を受信すると(S208でYES)、当該カードユニット20に対して当該画像が配信不要であるか否かを判定する(S209)。ここでS206で受信した画像情報応答には、当該画像識別番号の画像を配信不要であるか否かの情報が含まれており、これに基づいて判定を行う。
【0104】
S209の判定で配信必要(NO)と判定されたときには、S210の処理に進む。一方、209の判定で配信不要(YES)と判定されたときには、当該画像識別番号が配信用動画のものであるか否かを判定し(S240)、配信用動画でないと判定された場合(グループ配信用画像と判定された場合)には(S240でNO)、配信対象となる全てのカードユニット20で配信不要であるか否かを判定する(S241)。S241において、全ての配信対象で配信不要ではない(配信必要なカードユニット20が存在する)と判定されたときには(S241でNO)、S210の処理に進む。
【0105】
S210では、配信対象であるカードユニット20に対して、当該画像識別番号の画像を一斉配信する。配信が完了すると、配信対象のカードユニット20に対して、完了確認通知を送信する(S211)。即ち、配信する画像がグループ配信用画像(静止画)である場合には、対象配信となる全てのカードユニット20で配信不要である場合を除き、画像が一斉配信されることになる。なお、S240で当該画像識別番号が配信用動画のものであると判定された場合(YES)、及びS241で配信対象のカードユニット20全てで配信不要と判定された場合(YES)には、当該画像を配信することなく、完了確認通知を送信する(S211)。
【0106】
S211で完了確認通知を送信した配信装置70は、配信の継続が有るか否かを判定する(S212)。ここでグループ配信の場合に未配信の画像があれば配信継続有りと判定し、全ての画像の配信が完了していれば配信継続無しと判定する。一方、配信用動画は単独配信であるため、配信継続無しと判定される。S212の判定で配信継続有りと判定された場合には(YES)、S205に戻り、配信されていない残りの画像に関してS205以降の処理が繰り返される。一方、S212で配信継続無しと判定されたときには(NO)、配信が完了したカードユニット20に対して当該配信に係るバージョンを含むバージョン更新指示を送信し(S213)、当該カードユニット20からのバージョン更新応答の受信を待機する(S214)。バージョン更新応答を受信した配信装置70は(S214でYES)、バージョン更新応答を送信したカードユニット20に対して当該バージョンに関する表示順序指示を送信し(S215)、カードユニットからの表示順序応答を待機する(S216)。表示順序応答を受信した配信装置70は(S216でYES)、表示順序応答を送信したカードユニット20に対して通常モード復帰指示を送信し(S217)、当該カードユニット20からの通常モード復帰応答の受信を待機する(S218)。S218で通常モード復帰応答を受信した配信装置70は(S218でYES)、ディスプレイ74に配信結果を表示して(S219)、配信処理を終了する(END)。
【0107】
なお、S203でバージョンが一致する(YES)と判定されたときには、配信装置70は、ディスプレイ74に「当該バージョンは配信済みです」と表示し、S217以降の処理を行う。即ち、配信しようとするバージョンと同一バージョンがカードユニット20に既に記憶されているときには、配信処理は行わない。
【0108】
図24は、カードユニット20がコンテンツ配信の際に行う処理を示すフローチャートである。カードユニット20は、配信装置70からダウンロードモード移行指示を受信すると、ダウンロードモードに移行し、情報取得要求の受信を待機する(S300)。カードユニット20は情報取得要求を受信すると(S300でYES)、現在記憶してるバージョン(グループ配信用及び配信動画用の双方)を含む情報取得応答を配信装置70に送信し(S301)、配信装置70からの画像情報通知の受信及び通常モード復帰指示の受信を待機する(S302及びS330)。
【0109】
S302で画像情報通知を受信したときは(YES)、当該画像情報通知に含まれる画像識別番号と同一の画像識別番号のコンテンツを既に記憶しているか否かを判定する(S303)。S303で記憶していないと判定されたときには(NO)、EEPROMに記憶している画像のうち、上書きフラグのみが異なる画像を削除する画像削除処理を行う(S304)。画像削除処理については、図25を用いて後述する。画像削除処理を行ったカードユニット20は、画像情報通知に含まれる画像識別番号の画像の配信が必要であることを示す画像情報応答を配信装置70に送信し(S305)、配信装置70からのダウンロード開始指示の受信を待機する(S306)。ダウンロード開始指示を受信したカードユニット20は、配信装置70にダウンロード開始応答を送信し(S307)、これに伴い配信装置70から配信されてくるコンテンツをEEPROMに記憶した後、(S308)、配信装置70からの完了確認通知の受信を待機する(S309)。
【0110】
S309で完了確認通知を受信したカードユニット20は(YES)、配信継続の有無を判定し(S310)、配信継続有りと判定したときには(YES)、画像情報通知の受信を待機する(S311)。なお配信継続の有無は、S302で受信した画像情報通知に基づいて判定される。S311で画像情報通知を受信したカードユニット20は(YES)、当該画像情報通知に含まれる画像識別番号についてS303以降の処理を行う。一方、S310で配信継続無しと判定したときには(NO)、バージョン更新指示の受信を待機し(S320)、バージョン更新指示を受信すると(S320でYES)、現在のバージョンを受信したバージョンに更新し(グループ配信であれば旧グループ配信のバージョンを更新し、動画配信であれば旧動画配信のバージョンを更新し)、配信装置70にバージョン更新指示応答を送信し(S321)、表示順序指示の受信を待機する(S322)。
【0111】
表示順序指示を受信したカードユニット20は(S322でYES)、配信装置70に表示順序応答を送信し(S323)、通常モード復帰指示の受信を待機する(S324)。通常モード復帰指示を受信したカードユニット20は、通常モード復帰応答を配信装置70に送信し(S325)、通常モードに復帰して(S326)、処理を終了する。なお、上記S330で通常モード復帰指示を受信したときは(YES)、S325以降の処理を行う。
【0112】
上記S303で画像識別番号が同一のコンテンツを記憶してると判定されたときには(YES)、画像情報通知に含まれる画像識別番号の画像の配信が不要であることを示す画像情報応答を配信装置70に送信し(S340)、当該画像識別番号の画像がグループ配信用であるか否かを判定する(S341)。S341でグループ配信用であると判定されたときには(YES)、配信装置70からのダウンロード開始指示の受信を待機する(S342)。ダウンロード開始指示を受信したカードユニット20は(S342でYES)、配信装置70にダウンロード開始応答を送信し(S343)、前述したS309以降の処理を行う。一方、S341でグループ配信用画像でない(配信用動画)と判定されたときには(NO)、S324以降の処理を行う。このように画像識別番号が同一のコンテンツを記憶していると判定されたときには、S308のコンテンツ記憶処理を行わない。これにより、不要な画像の記憶処理を省くことができる。
【0113】
次にカードユニット20で行われる画像削除処理(図24のS304)について図25を用いて説明する。当該画像削除処理では、カードユニット20が受信した画像情報通知に含まれる画像識別番号の上書きフラグ(最上位一桁)を反転させ(S400)、EEPROMに記憶しているコンテンツのうち、当該上書きフラグを反転させた値と同一の画像識別番号の画像を特定して削除し(S401)、削除後の残り記憶容量(コンテンツ記憶領域として確保されている記憶領域の残り記憶容量)が同画像情報通知に含まれるファイル容量未満であるか否かを判定する(S410)。S410でファイル容量>残り記憶容量と判定されたときには(YES)、最も古いコンテンツを削除して(S412)、S410に戻る。一方、S410でファイル容量≦残り記憶容量と判定されたときには(NO)、図24のS305に進む(RETURN)。
【0114】
S401の処理では、例えば受信した画像情報通知に含まれる画像識別番号が001234である場合、反転値である101234と同一の画像識別番号の画像を削除して、その後の配信処理で配信される001234の画像を記憶させるための処理を行う。即ち、有限である識別番号(下4桁)に対して上書きフラグを付与し(0又は1)、識別番号が0000〜FFFFまで1周する毎に上書きフラグを更新するようにしておき、カードユニット20がコンテンツを受信するときに上書きフラグのみが異なる画像識別番号のコンテンツを予め削除するようにしている。従って、同一の識別番号が複数存在することによる処理の複雑化を回避することができ、また古いコンテンツが蓄積してしまうことによる記憶容量の不足を解消することができる。また、S412では記憶容量が不足する場合に、古いコンテンツを追加削除するので、古いコンテンツの存在によって新たなコンテンツが記憶できないという不具合を回避することができる。
【0115】
次に図26を用いてグループ配信を行う場合の処理例について説明する。このグループ処理では、バージョン××で2つのグループ配信用画像を配信する例について説明する。1つめの画像は既にカードユニット20に記憶されており、2つめの画像は記憶されていないものとする。配信装置70の配信画面(図16(a))で「配信」ボタンが選択されると(S500)、対象となる全カードユニット20に対してダウンロード移行指示が送信される(S501)。これを受信したカードユニット20は、ダウンロードモードに移行する(S510)。さらに配信装置70は、カードユニット20が記憶するバージョンの送信要求を含む情報取得要求を送信し(S511)、これに伴い、カードユニット20からは記憶しているバージョンを含む情報取得応答が返信される(S512)。配信装置70では受信した情報取得要求に含まれるバージョンのいずれかが、当該グループ配信のバージョンと一致するか否かを判定し、一致しない場合には、ディスプレイ74に「バージョン××は未配信です」と表示する。次いで、当該グループ配信に係る画像のうち1つめの画像の画像識別番号と、当該画像のファイル容量と、配信継続の有無を含む画像情報通知をカードユニット20に送信する。本例はグループ配信であり、合計で2つの画像を配信しようとしているので、S520における配信継続有無は「有り」である。
【0116】
S520の画像情報通知を受信したカードユニット20では、当該画像情報通知に含まれる画像識別番号と同一の画像識別番号の画像を記憶しているか否か判定する。本例では既に記憶しているので、画像が有りと確認する(S521)。次いでカードユニット20は、当該画像識別番号の画像の配信が不要であることを示す画像情報応答を配信装置70に返信する(S522)。これを受信した配信装置70は、当該カードユニット20に対して当該画像の配信が不要であると判断し(S523)、カードユニット20に対してダウンロード開始指示を送信する(S524)。これを受信したカードユニット20ではダウンロード開始応答を返信する(S525)。さらにこれを受信した配信装置70は当該コンテンツ(1つめの画像)の配信を開始する(S530)。ここで、配信装置70は配信対象となるカードユニット20全てが配信不要である場合には、S530の配信処理を行わない。また、配信装置70はS530の配信処理が完了すると、完了確認通知を送信する(S531)。なお、全てのカードユニット20が配信不要である場合を除きS530でコンテンツが配信されることになるが、このコンテンツは本例のカードユニット20においては記憶されない(同一画像識別番号の画像を記憶済みのため)。
【0117】
次に配信装置70は、2つめの画像に関する画像情報通知をカードユニット20に送信する(S540)。この画像情報通知には、2つめの画像の画聡識別番号と、当該画像のファイル容量と、配信継続の有無が含まれる。本例はグループ配信であり、合計で2つの画像のうちの2つめ(最終画像)を配信しようとしているので、S540における配信継続有無は「無し」である。
【0118】
S540の画像情報通知を受信したカードユニット20では、当該画像情報通知に含まれる画像識別番号と同一の画像識別番号の画像を記憶しているか否かを判定する。本例では記憶していないので、画像無しと確認する(S541)。次いでカードユニット20は、当該画像識別番号の画像の配信が必要であることを示す画像情報応答を配信装置70に返信する(S542)。これを受信した配信装置70は、当該カードユニット20に対して当該画像の配信が必要であると判断し(S543)、カードユニット20に対してダウンロード開始指示を送信する(S544)。これを受信したカードユニット20ではダウンロード開始応答を返信する(S545)。さらにこれを受信した配信装置70は当該コンテンツ(2つめの画像)の配信を開始する(S550)。カードユニット20は、当該配信された2つめの画像を記憶する(S551)。
【0119】
また、配信装置70はS550の配信処理が完了すると、完了確認通知を送信する(S552)。配信装置70では全ての画像の配信が完了したことに伴い、カードユニット20に、当該グループ配信のバージョンを含むバージョン更新指示を送信する(S560)。これを受信したカードユニット20は、記憶しているグループ配信のバージョン(例えば00)を、受信したバージョン更新指示に含まれるバージョン(本例では××)に更新し、バージョン更新応答を配信装置70に返信する(S561)。これを受信した配信装置70は、配信した2つの画像の表示順序を指示する表示順序指示をカードユニット20に送信し(S562)、これを受信したカードユニット20では、表示順序指示を記憶した後、表示順序応答を配信装置70に返信する(S563)。これを受信した配信装置70は、通常モード復帰指示をカードユニット20に送信し(S564)、これを受信したカードユニット20は、通常モード復帰応答を配信装置70に返信し(S565)、通常モードに復帰する(S570)。一方、通常モード復帰応答を受信した配信装置70は、ディスプレイ74に配信結果を表示する(S580)。
【0120】
次に図27を用いて動画配信を行う場合の処理例について説明する。この動画処理では、バージョン○○で1つの配信用動画を配信する例について説明する。この配信用動画はカードユニット20に記憶されていないものとする。配信装置70の配信画面(図16(a))で「配信」ボタンが選択されると(S600)、対象となる全カードユニット20に対してダウンロード移行指示が送信される(S601)。これを受信したカードユニット20は、ダウンロードモードに移行する(S610)。さらに配信装置70は、カードユニット20が記憶するバージョンの送信要求を含む情報取得要求を送信し(S611)、これに伴い、カードユニット20からは記憶しているバージョンを含む情報取得応答が返信される(S612)。配信装置70では受信した情報取得要求に含まれるバージョンのいずれかが、当該動画配信のバージョンと一致するか否かを判定し、一致しない場合には、ディスプレイ74に「バージョン○○は未配信です」と表示する。次いで、当該動画配信に係る動画の画像識別番号と、当該動画のファイル容量と、配信継続の有無を含む画像情報通知をカードユニット20に送信する。本例は動画配信であり、当該動画が最後の配信コンテンツとなるため、S620における配信継続有無は「無し」である。
【0121】
S620の画像情報通知を受信したカードユニット20では、当該画像情報通知に含まれる画像識別番号と同一の画像識別番号の画像を記憶しているか否かを判定する。本例では記憶していないので、画像無しと確認する(S621)。次いでカードユニット20は、当該画像識別番号の画像の配信が必要であることを示す画像情報応答を配信装置70に返信する(S622)。これを受信した配信装置70は、当該カードユニット20に対して当該画像の配信が必要であると判断し(S623)、当該カードユニット20に対してダウンロード開始指示を送信する(S624)。これを受信したカードユニット20ではダウンロード開始応答を返信する(S625)。これを受信した配信装置70はで当該コンテンツ(動画)の配信を開始する(S630)。カードユニット20は、当該配信された動画を記憶する(S631)。
【0122】
また、配信装置70はS630の配信処理が完了すると、完了確認通知を送信する(S632)。配信装置70では動画の配信が完了したことに伴い、カードユニット20に、当該動画配信のバージョンを含むバージョン更新指示を送信する(S660)。これを受信したカードユニット20は、記憶している動画配信のバージョン(例えば01)を、受信したバージョン更新指示に含まれるバージョン(本例では○○)に更新し、バージョン更新応答を配信装置70に返信する(S661)。これを受信した配信装置70は、配信した動画の表示を指示する表示順序指示をカードユニット20に送信し(S662)、これを受信したカードユニット20では、表示順序指示(動画の表示指示)を記憶した後、表示順序応答を配信装置70に返信する(S663)。これを受信した配信装置70は、通常モード復帰指示をカードユニット20に送信し(S664)、これを受信したカードユニット20は、通常モード復帰応答を配信装置70に返信し(S665)、通常モードに復帰する(S670)。一方、通常モード復帰応答を受信した配信装置70は、ディスプレイ74に配信結果を表示する(S680)。
【0123】
[2.第2実施形態に係る遊技用システム1’]
次に、図28〜図30を参照して、第2実施形態に係る遊技用システム1’について、第1実施形態に係る遊技用システム1と異なる点について説明する。第2実施形態に係る遊技用システム1’では、図28に示すように、遊技場の営業時間外にのみコンテンツの配信が可能であるが、配信装置70がコンテンツの配信を行う際には、表示順序指示を併せて送信せず、営業時間中にコンテンツの表示順序指示を送信するようにしている。そして、配信が完了したコンテンツに関しては、配信装置70において、各カードユニット20の装置IDに対応づけて当該カードユニット20に配信した各画像の画像識別番号を記憶しており、当該配信履歴に基づいて、各画像の表示順序及び表示の有無を設定してカードユニット20に表示順序指示を送信することができる。ここで表示順序指示が送信されたときには、第1実施形態と同様、表示順序指示に含まれる各画像識別番号と表示順序が表示順序DBに登録される。
【0124】
このようにコンテンツ配信時に表示順序指示を送信しない場合においては、配信したコンテンツが直ちにカードユニット20に表示されず、これ以前に記憶されていたコンテンツが前回設定された表示順序で表示されている。この状態で第1実施形態の図12に示したコンテンツ作成時処理が行われて新たに作成された当該コンテンツが配信されることになると、当該コンテンツについて新たに付された画像識別番号と上書きフラグのみが異なる画像識別番号の画像がカードユニット20において表示されている場合に、当該表示中の画像が消去されてしまうという問題が生じる。
【0125】
この問題を解消すべく、第2実施形態においては、図29に示すコンテンツ作成時処理を行っている。図29に示す処理では、S101(識別番号の更新)の処理の後に、作成したコンテンツの画像種別(0又は1)及び更新後の識別番号を含む画像識別番号の画像(即ち下5桁が一致する画像)が表示指示中であるか否かを、表示順序DBを参照して判定し(S102’)、表示指示中である場合には(YES)、識別番号を1加算して更新し(S103’)、S102’の判定を再度行う。一方、S102’の判定で表示指示中でないと判定されたときには(NO)、S105以降の処理を行う。また、図29に示す処理では、S110の処理(識別番号の更新)の後に、作成したコンテンツの画像種別(0又は1)及び更新後の識別番号を含む画像識別番号の画像(即ち下5桁が一致する画像)が表示指示中であるか否かを、表示順序DBを参照して判定し(S111’)、表示指示中である場合には(YES)、再度S110の処理を行う。なお、表示指示中であるか否かは、表示順序DBに画像識別番号が記憶されているか否かによって判定すると良い。このように、表示指示中の識別番号と同一の識別番号を避けることで、カードユニット20で表示されている画像が消去されてしまうという問題を回避することができる。
【0126】
また、第2実施形態では、図30に示す画像削除処理を行っている。図25に示した第1実施形態の処理と異なる点は、S410でファイル容量>残り記憶容量と判定されたときに、S411’の処理を経てS412の処理を行う点である。S411’では、表示指示がされていない画像識別番号(受信した表示指示に含まれない画像識別番号)の画像を全て特定し、S412では、特定した画像識別番号の画像の中で、最も古いコンテンツを削除している。このようにすることで、カードユニット20で表示されている画像が消去されてしまうという問題を回避することができる。
【0127】
最後に、本発明の変形例について説明する。
【0128】
上記の実施形態では、図1に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、スロットマシンでも良く、またゲーム機であっても良い。またパチンコ機10は、遊技媒体であるパチンコ玉が指触可能なものには限らず、パチンコ玉が指触不能に封入されている封入式(循環式)のものでも良い。また上記の実施形態では、これら遊技機に対応して設けられる遊技用装置が、遊技機とは別体のカードユニット20である例について説明したが、これに限らず、該遊技用装置は、遊技機と一体のもの(例えば遊技機に表示手段を設けてコンテンツを表示するもの)であっても良い。即ち「遊技機に対応して設けられる遊技用装置」には、遊技機と別体の遊技用装置のみならず、遊技機と一体の遊技用装置も含まれる。
【0129】
上記の実施形態では、図7のS21aに示すように、遊技用価値を使用させるための使用処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該使用処理は、遊技用価値をスロットマシンで使用させるためのメダル貸処理や、遊技用価値を得点に変換してゲーム機で使用させるための処理等であっても良い。
【0130】
上記の実施形態では、グループ配信を行う場合にビジタ用と会員用の画像を分けて、それぞれについて表示順序を設定する例について説明したが、これに限らず、図31に示すようにビジタ用と会員用の区別無くグループ化された画像群を配信するようにしても良い。このような配信方法にした場合には、会員が遊技する場合とビジタが遊技する場合に同じ画像がカードユニット20に表示されることになるが、会員に適した画像を表示するために以下の手段を採ると良い。
【0131】
上記の実施形態において、会員管理装置61で管理されている会員情報DBの属性情報を利用して、会員の属性に適合した画像の表示指示をカードユニット20に送信するようにしても良い。例えば、図32に示すように、会員カード2がカードユニット20に挿入されると(S700)、当該カードユニット20から会員管理装置61に当該会員カード2に記録されているカードID(貯玉取得要求に含まれる)が送信される(S701)。会員管理装置61は、図6で示した会員情報DBにおいて、受信したカードIDに対応づけて管理されている「性別」及び「生年月日」を、カードIDの送信元であるカードユニット20の装置IDと共に配信装置70に送信する(S702)。本例では「性別」女性、「誕生日」7月7日が配信装置70に配信されている。
【0132】
S702の情報を受信した配信装置70は、属性情報に応じたグループ配信画像の表示順序を自動的に設定する。本例では誕生日が7月7日であるという情報を取得しているので、これから会員遊技者の星座が蟹座であることを特定可能である。これに基づいて蟹座の運勢を含む画像114を表示し、その他の星座の運勢を表示している画像111,112,及び113は表示しないように表示順序変更指示(グループ画像)を設定する(S710)。また、性別が女性であるという情報を取得しているので、これに基づいて化粧品のCM動画を表示させるように表示順序変更指示(配信用動画)を設定する(S711)。そして配信装置70は、S702で受信した情報に含まれる装置IDのカードユニット20に対して、自動設定した表示順序変更指示(グループ画像)を送信し(S712)、自動設定した表示順序変更指示(配信用動画)を送信する(S713)。S712及びS713を受信したカードユニット20では、ディスプレイ24に遊技中の会員の誕生日の星座である蟹座の占い画像114を表示し(S714)、「動画」ボタンが選択されると、化粧品のCMを再生する(S715)。このように、遊技者の属性情報に基づく画像を表示する指示を行うことで、遊技者が興味を持つ画像を提供することができる。
【0133】
上記の実施形態では、コンテンツの配信を行わない期間が遊技場の営業時間である例について説明したが、これに限らず、コンテンツの配信を行わない期間は任意に定めることができる。例えば、遊技機の稼働率が所定値以上に達している期間についてのみ、コンテンツの配信を制限するようにしても良い。
【0134】
上記の実施形態では、全てのカードユニット20に対してコンテンツの配信を制限する例について説明したが、これに限らず、稼働率が高い島に属するカードユニット20に対してのみ、営業時間中のコンテンツの配信を制限し、稼働率の低い島に属するカードユニット20に対しては、営業時間中のコンテンツの配信を許諾するというように、同一遊技場内においてコンテンツの配信を制限する期間を異ならせるようにしても良い。
【0135】
上記の実施形態では、コンテンツが静止画像や動画であり、該静止画像や動画が表示されるものに適用される例について説明したが、これに限らず、例えばコンテンツが音楽であり、該音楽が再生されるものにも適用可能であり、またこれら表示されるコンテンツと再生されるコンテンツとが混在するものにも適用可能である。
【0136】
上記の実施形態では、複数のコンテンツで構成されたパッケージデータがグループ配信用画像(静止画像)であり、単数のコンテンツが配信用動画である例について説明したが、これに限らず、パッケージデータが複数の動画であり、単数のコンテンツが静止画像であっても良い。
【0137】
上記の実施形態では、画像識別番号中の識別番号が1ずつ加算される際について説明したが、これに限らず、例えば2ずつ加算されるものや、空き番号の中から任意に選択されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0138】
1…遊技用システム
2…会員カード
3…ビジタカード
10…パチンコ機
16…カード返却ボタン
20…カードユニット
22…制御部
22a…表示制御基板
23…カードR/W
24…(タッチパネル式の)ディスプレイ
30…各台計数ユニット
60…残額管理装置
61…会員管理装置
62…持玉管理装置
70…配信装置
71…通信部
72…制御部
73…ハードディスク
74…ディスプレイ
75…入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、遊技者が所有する遊技用価値を該対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理を行う使用処理手段と、所定のコンテンツを表示する表示手段と、該表示手段に前記コンテンツを表示させる表示処理を行う表示処理手段と、を有する遊技用装置と、
複数の該遊技用装置に対して前記コンテンツを送信するコンテンツ送信手段を有する管理装置と、
を備える遊技用システムであって、
前記コンテンツ送信手段は、前記使用処理が行われる第1時間帯以外の第2時間帯において、前記コンテンツを送信し、
前記遊技用装置は、該コンテンツ送信手段から送信されてきたコンテンツを複数記憶する記憶手段を有し、
前記管理装置は、前記第1時間帯において、前記記憶手段で記憶されている複数のコンテンツのうちの前記表示手段に表示させるコンテンツを指示する表示指示を、当該記憶手段を有する遊技用装置に対して送信する表示指示送信手段を有し、
前記表示処理手段は、該表示指示送信手段から送信されてきた表示指示が指示するコンテンツの表示処理を行うことを特徴とする遊技用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図9】
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【図10】
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【図15】
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【図18】
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【図20】
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【図22】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−17750(P2013−17750A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155250(P2011−155250)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【出願人】(591085972)日本ゲームカード株式会社 (144)
【Fターム(参考)】