説明

遊技用装置

【課題】大量の小銭の準備や、小銭を補充する等の労力を軽減すること。
【解決手段】遊技機2に対応する遊技用装置3に、遊技用残額が残存するときに、電子マネー記録媒体5を受付けたことに基づいて、遊技に使用される第3使用金額と該第3使用金額に対応する消費税額との合計額である第3税込使用額から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、前記第3使用金額を対応する遊技機2における遊技に使用させ、該遊技用残額を減算更新するとともに、前記電子マネー額から前記特定した電子マネー使用額を減算更新するための第3使用処理を実施する第3使用処理手段328を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技に使用可能な遊技用残額を遊技に使用させる遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技用残額を遊技に使用させる玉貸処理を実施する遊技用装置を備える遊技用システムとしては、玉貸額と当該玉貸額に相当する消費税額を、プリペイドカードの遊技用残額から減算するとともに、該玉貸処理によってプリペイドカードに残存する端数額となる55円については、玉貸処理に使用できないことから該プリペイドカードを精算装置に挿入して精算するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−121713号公報(第16頁、第14図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の遊技用システムにあっては、10円や、1円等の小銭を大量に準備しておく必要があるとともに、これら小銭を払い出す精算装置に、これら準備した小銭を補充する手間もかかり、遊技場側が負担する労力が大きいばかりか、遊技者にとっても、これら返却される小銭を取り扱う煩わしさもある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、大量の小銭の準備や、小銭を補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性を向上できる遊技用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技用装置は、
記録媒体の記録情報から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第1使用金額と該第1使用金額に対応する消費税額との合計額である第1税込使用額を、前記遊技用残額から減算更新するための第1使用処理を行う第1使用処理手段と、
電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けて、該受付けた電子マネー記録媒体の記録情報から特定される電子マネー額の少なくとも一部を、対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第2使用金額と該第2使用金額に対応する消費税額との合計額である第2税込使用額を、前記電子マネー額から減算更新するための第2使用処理を行う第2使用処理手段と、
を備える遊技用装置であって、
前記遊技用残額が残存するときに、前記電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の使用操作を遊技者から受付けたことに基づいて、遊技に使用される第3使用金額と該第3使用金額に対応する消費税額との合計額である第3税込使用額から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、前記第3使用金額を対応する遊技機における遊技に使用させ、該遊技用残額を減算更新するとともに、前記電子マネー額から前記特定した電子マネー使用額を減算更新するための第3使用処理を実施する第3使用処理手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、第3使用処理を実施することにより、遊技に使用できない端数額が記録媒体に残存することがなくなるので、大量の小銭の準備や、小銭を補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性も向上できる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の遊技用装置は、請求項1に記載の遊技用装置であって、
前記第3使用処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記第3税込使用額に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、所定の使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定することを特徴としている。
この特徴によれば、電子マネー額が少なくなったときにおいても、該少なくなった電子マネー額を第3使用処理に使用できるので、小銭の準備や補充等の手間をより一層低減できるばかりか、遊技者の利便性もより一層向上できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の遊技用装置は、請求項1または2に記載の遊技用装置であって、
前記第3使用処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、所定の使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額に満たないときには、該遊技用残額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新するための遊技用残額精算処理を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、電子マネー額がほとんどない場合で、税込単位額未満の端数となる遊技用残額を第3使用処理によって処理できない場合においても、遊技用残額精算処理を実施することで、これら端数となる遊技用残額を、小銭を払い出すことなく処理することができるので、小銭の準備や補充等の手間をさらに低減できるばかりか、遊技者の利便性もさらに向上できる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の遊技用装置は、
記録媒体の記録情報から特定される遊技用残額のうち、所定の使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、前記使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額を、前記遊技用残額から減算更新するための第1使用処理を行う第1使用処理手段と、
電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けて、該受付けた電子マネー記録媒体の記録情報から特定される電子マネー額のうち、前記使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、前記税込単位額を、前記電子マネー額から減算更新するための第2使用処理を行う第2使用処理手段と、
を備える遊技用装置であって、
前記遊技用残額が残存するときに、前記電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の使用操作を遊技者から受付けたことに基づいて、前記使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させ、前記遊技用残額を前記税込単位額にて除算したときの端数額を該遊技用残額から減算更新するとともに、前記税込単位額から該端数額を減算した電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための第3使用処理を実施する第3使用処理手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、第3使用処理を実施する第3使用処理手段を備えることにより、税込単位額未満の端数となる遊技用残額が残存する記録媒体が発生して該端数となる遊技用残額が精算されることを大幅に低減できるので、大量の小銭の準備や、小銭を補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性も向上できる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の遊技用装置は、請求項4に記載の遊技用装置であって、
前記第3使用処理手段は、前記電子マネー額と前記端数額との合計額が、前記税込単位額に満たないときには、該端数額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該端数額を前記遊技用残額から減算更新するための遊技用残額精算処理を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、電子マネー額がほとんどない場合で、税込単位額未満の端数となる遊技用残額を第3使用処理によって処理できない場合においても、遊技用残額精算処理を実施することで、これら税込単位額未満の遊技用残額を、小銭を払い出すことなく処理することができるので、小銭の準備や補充等の手間をさらに低減できるばかりか、遊技者の利便性もさらに向上できる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の遊技用装置は、
記録媒体の記録情報から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される使用金額と該使用金額に対応する消費税額との合計額である税込使用額を、前記遊技用残額から減算更新するための使用処理を行う使用処理手段と、
前記遊技用残額が残存するときに、電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の入金操作を遊技者から受付けたことに基づいて、所定の使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額を整数倍した税込入金額から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、該特定した電子マネー使用額を前記遊技用残額に加算更新するとともに、該電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための電子マネー入金処理を実施する電子マネー入金処理手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、電子マネー入金処理を実施する電子マネー入金処理手段を備えることにより、税込単位額未満の端数となる遊技用残額が残存する記録媒体が発生して該端数となる遊技用残額が精算されることを大幅に低減できるので、大量の小銭の準備や、小銭を補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性も向上できる。
【0012】
本発明の請求項7に記載の遊技用装置は、請求項6に記載の遊技用装置であって、
前記電子マネー入金処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記税込入金額に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、前記税込単位額の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定することを特徴としている。
この特徴によれば、電子マネー額が少なくなったときにおいても、該少なくなった電子マネー額を電子マネー入金処理に使用できるので、小銭の準備や補充等の手間をより一層低減できるばかりか、遊技者の利便性もより一層向上できる。
【0013】
本発明の請求項8に記載の遊技用装置は、請求項6または7に記載の遊技用装置であって、
前記電子マネー入金処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記税込単位額に満たないときには、該遊技用残額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新するための遊技用残額精算処理を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、電子マネー額がほとんどない場合で、電子マネー入金処理を実施できない場合においても、遊技用残額精算処理を実施することで、これら税込単位額未満の端数となる遊技用残額を、小銭を払い出すことなく処理することができるので、小銭の準備や補充等の手間をさらに低減できるばかりか、遊技者の利便性もさらに向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0015】
本実施例1は、請求項1に対応しており、図1は、本発明の遊技用装置となるカードユニット3が適用された本実施例1の遊技用システムの構成を示すシステムブロック図であり、本実施例の遊技用システムは、該図1に示すように、遊技場内に設置された複数の遊技機であるパチンコ機2に対して1対1に対応して設けられ、遊技場において遊技に使用可能な遊技用残額を対応して設けられているパチンコ機2におけるパチンコ玉の貸し出しに使用させるための貸出処理や、本発明における電子マネー記録媒体としての携帯電話機5に記憶されている電子マネー額を対応して設けられているパチンコ機2におけるパチンコ玉の貸し出しに使用させるための電子マネー貸出処理を実施するカードユニット3と、プリペイドカードに残存する遊技に未使用の遊技用残額を現金にて返金する精算処理を実施する精算装置20と、これらカードユニット3並びに精算装置20にデータ通信可能に接続され、該接続されている各カードユニット3や精算装置20の管理や、カードユニット3において使用された金額や、精算装置20にて精算された金額や、当該遊技場におけるプリペイドカードに残存する遊技用残額等の管理を行うシステムコントローラ110を有している。尚、各遊技場のシステムコントローラ110は、各遊技場において使用されるプリペイドカードの管理を実施するカード管理会社に設置されている集中管理装置となる管理サーバ14に接続されており、これらシステムコントローラ110において収集、管理された各種売上や各プリペイドカードに残存する遊技用残額等の情報が、管理サーバ14において集中管理されるようになっている。
【0016】
また、本実施例に用いた本発明における電子マネー記録媒体となる携帯電話機5は、通常の無線による通話機能に加えて、携帯電話会社(キャリア)の基地局7並びにゲートウェイサーバ8を介してコンピュータネットワークであるインターネット網9に接続できるインターネット接続機能を有しており、図1に示すように、該インターネット網9を介して、携帯電話機5にお財布機能を提供するために該携帯電話機5に搭載されている後述する非接触ICカード用チップ(以下、非接触ICチップと略称する)100の記憶領域(共通領域)を管理する管理会社のサーバコンピュータ15や、これら非接触ICチップ100を用いて電子マネーサービスを提供する各電子マネーサービス提供会社A,B…の図示しないサーバコンピュータや、これら非接触ICチップ100を用いて電子マネーサービスを提供するカード管理会社に設置され、該カード管理会社にて提供されて前記非接触ICチップ100に記憶されている電子マネーとなるJG電子マネー額を遊技場に設置されているカードユニット3において使用できるようにするとともに、JG電子マネー額や他社の電子マネー額をカードユニット3にて使用するための専用アプリケーション等を配信するサーバコンピュータ16と、データ通信可能に接続されているとともに、該サーバコンピュータ16は管理サーバ14とカード管理会社において相互にデータ通信可能に接続されている。
【0017】
これら遊技場内に設置されたシステムコントローラ110、カードユニット3、精算装置20とは、通信ケーブルを介して双方向のデータ通信可能に接続され、これら各接続装置にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されていて、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されており、各装置が装置IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルを有することで、装置IDからローカルIPアドレスを特定して、当該装置IDの装置との送受信を実施できるようになっている。
【0018】
また、本実施例のサーバコンピュータ16は、カード管理会社が提供するJG電子マネー額へのチャージや、JG電子マネー額の使用履歴を表示させるための専用アプリケーションプログラムであるJGアプリケーションプログラム(以下JGアプリと略称する)を携帯電話機5に配信する機能を備えているとともに、図示しない金融機関のサーバコンピュータとも接続されており、該金融機関のサーバコンピュータとの間において、JG電子マネー額にチャージする金額の決済処理を実施できるようになっている。
【0019】
次に、本実施例に用いた携帯電話機5について簡単に説明すると、本実施例の携帯電話機5は、通常の無線による音声通話機能やインターネット等の接続機能、並びに電子メールの送受信機能に加えて、近接距離での無線通信機能を有する非接触ICカード機能を提供するための非接触ICチップ100を内蔵しており、該非接触ICチップ100に記憶されている各電子マネーサービス提供会社A,B…の電子マネー額を各種の取引、例えば乗車料金の精算や、買い物代金の精算等に使用できるとともに、各電子マネーサービス提供会社A,B…の電子マネー額並びにカード管理会社が提供するJG電子マネーのJG電子マネー額を遊技場に設置されているカードユニット3における玉貸に使用できるお財布機能を備えている。
【0020】
この本実施例に用いた携帯電話機5の構成について、図2に基づいてより詳細に説明する。図2において、音声入力部51は、マイク65からのアナログ音声信号をディジタル信号に変換するための部位であり、マイクアンプ、フィルタ、A/D変換器、等で構成される。音声出力部52は、受信したディジタル音声信号に基づいてスピーカ66またはイヤレシーバ67を駆動するための部位であり、D/A変換器、フィルタ、スピーカアンプ、等で構成される。ディジタル信号処理部53は、ディジタル音声信号のエンコード、および、ディジタル音声信号へのデコードを行うための部位であり、DSP(Digital Signal Processor)を中心とした畳み込み符号化、スロットインターリーブ、遅延検波、畳み込み復号化、等の各種専用回路で構成される。
【0021】
また、RF入出力部54は、電話機用アンテナ62を介して携帯電話会社の基地局7と高周波電波の送受信を行う部位であり、直交変調器、ゲインアンプ、パワーアンプ、ダイバーシティー、ミキサー、IF復調器、アンテナ共用器等で構成される。
【0022】
前記音声入力部51から入力されてディジタル音声信号に変換された入力音声は、ディジタル信号処理部53により、誤り訂正符号化、インターリーブ、拡散、D/A(Digital/Analog)変換などの処理を行い、その処理により生成した送信ベースバンド信号をRF入出力部54へ送る。そして、該RF入出力部54内の直交変調器は、該送信ベースバンド信号により局部発振信号を変調して送信高周波信号を生成し、さらにその送信高周波信号を増幅した後にアンテナ共用器を通じて電話機用アンテナ62から基地局7に送信する。
【0023】
アンテナ共用器は、送信高周波信号と受信高周波信号とで1本の電話機用アンテナ62を共用するためのものであり、直交変調器により変調された後に増幅された送信高周波信号を電話機用アンテナ62へ送出する機能とともに、該電話機用アンテナ62からの受信高周波信号をRF入出力部54内のIF復調器へ送出する機能を備えたフィルタ回路により構成されている。
【0024】
電話機用アンテナ62は、基地局7との間で無線による高周波信号の送受信を行う。すなわち、前記直交変調器からアンテナ共用器を介して送られてきた送信高周波信号は、当該電話機用アンテナ62から基地局7へ送信される。一方、基地局7から送信されてきた高周波信号は、当該電話機用アンテナ62にて受信された後、アンテナ共用器を介してIF復調器へ送られる。そして、該IF復調器並びにゲインアンプは、送られてきた受信高周波信号を増幅し、さらに復調処理を行って得られた受信ベースバンド信号をディジタル信号処理部53へ送る。
【0025】
この受信ベースバンド信号は、該ディジタル信号処理部53において該受信ベースバンド信号のA/D変換、逆拡散、デインターリーブ、誤り訂正等の処理を実施して受信音声ディジタル信号として音声出力部52へ送ることで、該音声出力部52にてD/A変換により受信した通話音声信号が生成、増幅されてスピーカ66またはイヤレシーバ67から出力されることで、無線通話機能が提供される。
【0026】
尚、受信された信号が通話による音声データではなくて電子メールやインターネット上のWebサーバから配信されるウェブページ等のデータ信号である場合、ディジタル信号処理部53において該受信ベースバンド信号のA/D変換、逆拡散、デインターリーブ、誤り訂正等の処理を実施したデータ信号(パケットデータ)が制御部55に出力されることで、受信データに基づくページやメールが表示部56に表示され、これらページにおける操作内容データ等や送信メールのデータ信号(パケットデータ)が、前述したディジタル音声信号に代えてディジタル信号処理部53に送られることで、音声データと同様にこれら操作内容データ等や各サーバコンピュータ14〜17からのダウンロードデータや送信メールのデータ信号が電話機用アンテナ62から基地局7へ送信されることでインターネット接続機能や電子メール機能が形成されている。
【0027】
また、制御部55は、携帯電話機5としての各種機能を、各種のプログラムを実行することで実現するための部位であり、これら各種のプログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU;Central Processing Unit)等で構成されており、この制御部55には、図2に示すように、各種の情報を表示するための表示部56や、携行者(遊技者)が各種の情報を入力するための操作部57や、制御部55にて実行される各種の機能を提供するための各種プログラムや設定データ等を記憶するためのメモリ部60や、その時点の時間情報や日付や曜日等のカレンダ情報(日付情報)等を出力する本発明における日付情報出力手段となるリアルタイムクロック(RTC)61や、外部のデータ処理装置との間でシリアルデータ通信などを行うための外部I/F(インタフェース)部58や、バッテリ電源を元に各ブロックに必要な動作電力を供給するための電源部59や、電話やメールの着信を振動により報知するためのバイブレータ部63や、電話やメールの着信を知らせたり、充電時のインジケータとして使用される発光ダイオード(以下、LED)部64が接続され、これら各部の動作制御を制御部55が実施できるようになっており、例えば、操作部57から入力される操作信号に応じた処理、表示装置56への表示信号処理、LED部64やバイブレータ部63を動作させるための動作制御信号の生成、メモリ部60の書き込み或いは読み出しなどの各種制御や信号処理を行う。
【0028】
メモリ部60は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などからなる。ROMは、当該携帯電話機5の基本的な機能を実現するためのプログラムや初期設定値や当該携帯電話機5に固有に付与された携帯端末識別情報である端末IDが保存(記憶)されている。RAMは、制御部55のCPU56が作業領域として使用し、CPU56のプログラム実行中において必要に応じて計算途中のデータなどを記憶したり、他の各部と送受信するデータを一時的に記憶するために使用される。EEPROMは、不揮発性メモリであって、非接触ICチップ100に記憶されている各電子マネーサービス提供会社の電子マネー額をチャージするための電子マネーアプリケーションプログラムや、カード管理会社のJG電子マネー額へのチャージや使用履歴を表示するための専用アプリケーションプログラムであるJGアプリや、電子メールの送受信やブラウザ機能等を提供する各種のアプリケーションプログラム、電話番号や電子メールアドレス及びそれに対応した氏名、名称などの情報からなる電話帳データ、送受信された電子メールデータ、スケジュール帳データ、発着信の通信履歴データ、メモ帳データ、携行者によりカスタマイズされた設定データ、並びにJG電子マネー額の使用履歴が記憶される使用履歴テーブル等の各種のデータを記憶する。
【0029】
この本実施例の使用履歴テーブルには、図示しないが、JG電子マネー額を使用したカードユニット3の装置IDに対応付けて、各カードユニット3が設置されている遊技場の遊技場名、使用日付、該カードユニット3が対応するパチンコ機2の機種情報(機種名)と、その使用日付において該カードユニット3において使用した電子マネー額の総額である総使用額が、対応付けて記憶されるようになっている。
【0030】
外部I/F部58は、通信インタフェース回路、コネクタ、等で構成され、電源部59はバッテリへの充電回路、過電流過電圧保護回路、等で構成される。表示部56はユーザに対して表示情報を提供する部位であり、LCDドライバ、LCD表示デバイス、等で構成される。
【0031】
操作部57は、電話番号やアルファベット、仮名文字、記号、絵文字等の入力に使用されるボタンや、画面上でカーソルを移動させたりメニュー項目の選択等に使用される回転機能及びプッシュボタン機能を備えたジョグダイヤル等の操作子、電話の発着信、電源オン/オフなど、ユーザにより操作される各種のキーやボタン、ダイヤルからなる。尚、カーソル操作やメニュー項目の選択等に使用される操作子はジョグダイヤルに限定されないことは言うまでもない。
【0032】
また、本実施例の制御部55は、図2に示すように、携帯電話機5に内蔵されている前記非接触ICチップ100に接続されており、該非接触ICチップ100に記憶されている各種データにアクセスしたり、更には、該非接触ICチップ100を介して、該非接触ICチップ100が有する近接距離での無線通信機能にて通信可能な遊技場に設置された前述のカードユニット3のリーダ/ライタ330や、自動改札機やPOS端末等のリーダ/ライタとのデータ通信を実施できるようになっている。
【0033】
本実施例に用いた非接触ICチップ100としては、実用化されているモバイルFeliCa ICチップ(ソニー(株)製商品名)を好適に使用することができ、その構成は、図2に示すように、主に、アナログ部102と、ディジタル制御部103と、メモリ104と、接続インタフェース105とで構成されており、該アナログ部102にはアンテナ部101が接続され、これらアンテナ部101は、例えば携帯電話機5の筐体内部に配設される。
【0034】
アンテナ部101は、カードユニット3に設けられている後述のリーダ/ライタ330との間で電磁波による非接触データの送受信を行う。つまり、アンテナ部101により、遊技用装置であるカードユニット3とのデータ通信を行うためのデータ通信部が構成されている。アナログ部102は、検波、変復調、クロック抽出など、アンテナ部101から送受信されるアナログ信号の処理を行う。
【0035】
また、非接触ICチップ100は、例えば、リーダ/ライタ330からの質問信号に対する応答信号に応じて自身のアンテナ間の負荷を変化させることによって、リーダ/ライタ330側の受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて通信を行うことができる。但し、これら非接触データ通信の方式自体はこれに限定されるものではなく、これらの振幅変調による方式以外のものを使用するようにしても良い。
【0036】
ディジタル制御部103は、送受信データの処理やその他、非接触ICチップ100内の動作やメモリ104の記憶データへのアクセスを統括的にコントロールする。ディジタル制御部103は、アドレス可能なメモリ104をローカルに接続しており、該メモリ104の記憶領域内に各電子マネーサービス提供会社A,B…に割り当てられた記憶領域や、JG電子マネーを提供するカード管理会社に割り当てられた記憶領域に、各電子マネーを提供する提供会社を識別するための企業IDや、各電子マネー額を特定可能な情報となる残額データ等の各種データや利用履歴データや設定データ等を格納したり、ディジタル制御部103が実行するアクセス権管理や認証処理等のプログラム・コードをロードしたり、制御部55において実行中の各アプリケーションの作業データや出力データを保存するために使用することができ、これらのメモリ104は、共通領域とフリー領域とに分かれており、共通領域に関しては、該共通領域を管理する管理機関である前記管理会社により管理されていて、該共通領域に記憶される各提供会社から提供されるアプリケーションや種々のデータを記憶する記憶領域や、該記憶領域に記憶されている各種のデータへのアクセス権が管理会社により管理されることで、各サービス提供者の記憶領域におけるデータのセキュリティが確保されるようになっている。
【0037】
接続インタフェース105は、遊技場に設置されたカードユニット3のリーダ/ライタ330との間の非接触通信インタフェースとは相違するインタフェース・プロトコルにより、ディジタル制御部103が制御部55と接続するための機能モジュールである。つまり、メモリ104に記憶されている各種のデータは、ディジタル制御部103並びに接続インタフェース105を経由して、制御部55に転送されるので、制御部55にて実施される各アプリケーションのメモリ104へのアクセスがディジタル制御部103にて一元的に管理される。
【0038】
図3には、メモリ104のメモリ領域における共通領域の構成例を示している。同図に示す例では、2つの電子マネーサービス提供会社、具体的には、電子マネーサービス会社A社の記憶領域104aと、JG電子マネーを提供するカード管理会社の記憶領域104bとが設けられている状況を示している。
【0039】
これら電子マネーサービス提供会社A社やカード管理会社の記憶領域には、提供会社A社やカード管理会社を識別するための図示しない企業IDや、電子マネー額である残金データや、会員番号等の種々のデータや、これら残金データの照会や更新を可能とするためのアクセス権が許諾されたアプリケーションのアプリID等を含むアクセス権データが記憶されており、これらアクセス権が管理会社のサーバコンピュータ15にて管理されることで、JG電子マネーの残金データへのアクセスをJGアプリケーションに対して許諾する内容のアクセス権データが記憶されている場合には、制御部55にて実施されるJGアプリケーションが、ディジタル制御部103にJG電子マネーの残金への照会アクセス要求を出力した場合に、該ディジタル制御部103が該アクセス権データの内容に基づいて、JG電子マネーの残金へのアクセスを許諾して、該残金データを読み出して制御部55に出力することで、JGアプリケーションはアクセス権が設定されているカード管理会社が提供するJG電子マネーの残金を把握できるようになっている一方、他の電子マネーサービス会社の電子マネーアプリケーションにJG電子マネーの残金データへのアクセスを許諾する内容のアクセス権データが記憶されていない場合には、ディジタル制御部103が該アクセス権データの内容に基づいて、JG電子マネーの残金へのアクセスを許諾しないことにより、他の電子マネーアプリケーションによるJG電子マネーの使用やアクセスが禁止される。
【0040】
また、本実施例のカード管理会社の領域には、図3に示すように、電子マネー額を使用したカードユニット3の装置IDと該カードユニット3において使用した電子マネー額の使用額が対応付けられた利用履歴データが記憶されており、これら利用履歴データは、後述するJGアプリの起動によりメモリ部60内の使用履歴テーブルのデータに反映された後において削除される。
【0041】
これらお財布機能を有する携帯電話機5を所持する携行者(遊技者)が電子マネーであるJG電子マネーやA社の電子マネーを使用するためには、予め、これら電子マネーをチャージするためのJGアプリや電子マネーアプリケーションプログラム(以下、A社アプリと略称する)をダウンロードしてメモリ部60に記憶しておくとともに、携帯電話機5の非接触ICチップ100のメモリ104における共通領域に、JG電子マネー額またはA社電子マネー額の残額やアクセス権データ等の各種データを記憶させ、JG電子マネー額またはA社電子マネー額をチャージしておく必要があることから、携行者(遊技者)は、まず、図8に示すように、所持する携帯電話機5にてJG電子マネーまたはA社電子マネー額を使用できるようにするために、インターネット網9を介してカード管理会社のサーバコンピュータ16またはA社のサーバコンピュータにアクセスして、該サーバコンピュータ16またはA社のサーバコンピュータからJGアプリまたはA社アプリをダウンロードした後、該ダウンロードしたJGアプリまたはA社アプリを起動する。尚、これらダウンロードされたJGアプリまたはA社アプリのダウンロードデータは、メモリ部60のEEPROM内に記憶される。尚、カード管理会社のサーバコンピュータ16やA社のサーバコンピュータのURLアドレスは、例えば、遊技場内や店舗等に掲示されたURLアドレスやURLアドレスデータがシンボル化された2次元バーコード等により提供される。
【0042】
以下、共通領域への記憶領域の割り当てについて、主としてJG電子マネー額を例にとり説明するが、括弧内に示すA社のように、その他の電子マネー会社も同様である。前述した起動によりJGアプリ(A社アプリ)が制御部55によりメモリ部60から読み出されて実行され、該JGアプリ(A社アプリ)に基づいて制御部55は、携帯電話機5の携行者(遊技者)から、JG電子マネーにチャージする金額の決済を行う口座(例えば、インターネット専業バンクの口座等)に関する口座情報を受付け、該受付けた口座情報と、該携帯電話機5の端末IDや非接触ICチップ100に固有に付与されているチップID等の情報をサーバコンピュータ16に送信して該カード管理会社(A社)における会員番号の発行を受けた後、管理会社のサーバコンピュータ15にアクセスして、該発行を受けた会員番号や残金データ等のメモリ104における共通領域への登録要求、具体的には当該カード管理会社に固有に付与された企業ID等を含むリモート発行要求を送信することで、該管理会社のサーバコンピュータ15において、携帯電話機5に内蔵されている非接触ICチップ100とサーバコンピュータ15の暗号鍵やチップID等による相互認証が実施された後、該管理会社のサーバコンピュータ15により当該カード管理会社への共通領域における領域の割り当て、並びに会員番号や残金データの初期値等が書き込み記憶されるリモート発行処理が実施されることで、該カード管理会社のJG電子マネー額を使用できるようになる。尚、このリモート発行処理においては、各チップIDに対応付けて、記憶領域104b(104a)が割り当てられた該カード管理会社の企業IDや、割り当てた領域の容量やアドレスの情報等が、管理会社のサーバコンピュータ15に記憶、管理されることで、どの非接触ICチップ100に、どのような企業の記憶領域が割り当てられているかが管理されるようになっている。
【0043】
また、これらJG電子マネー額(A社電子マネー額)の新規記憶時においては、JG電子マネー額(A社電子マネー額)の残金は「0」であるので、これらの登録の後、再度JGアプリ(A社アプリ)を起動してサーバコンピュータ16にアクセスして、希望する金額を残金にチャージしておく。尚、これらチャージする金額は、会員番号の取得時において送信した口座から自動的に引き落とされて決済される。
【0044】
次いで、本実施例に用いた本発明における遊技用装置となるカードユニット3について説明すると、該カードユニット3は、図4に示すように、遊技場に設置された遊技機であるパチンコ機2に1対1に対応して設けられ、該対応するパチンコ機2と接続されており、カードユニット3と対応するパチンコ機2との間で、パチンコ玉の貸出に関する各種信号の入出力が可能とされている。
【0045】
この本実施例のカードユニット3の前面には、多機能ランプ301等の各種表示部と紙幣挿入口302、硬貨投入口303、電子マネー報知部331、電子マネー通信部332、硬貨返却ボタン304、突出部305、硬貨返却口308、カード挿入口309が設けられている。
【0046】
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、内蔵される内部カードリーダライタ327(図5参照)のカードスロット(図示略)に連設されており、このカード挿入口309を介してプリペイドカードをカードスロットに挿入可能とされている。
【0047】
この本実施例に使用されるプリペイドカードは、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のラーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップを有するICカードを使用しており、これらプリペイドカードは、個々のプリペイドカードを識別可能なカードIDが予め記憶されているとともに、遊技用残額が残存する状態において、後述する返却ボタンを操作することで、該遊技用残額を特定可能な遊技用残額データが書き込み記憶されて発行されるとともに、遊技場内に設置された図示しない発行機にて発行される。
【0048】
つまり、本実施例のプリペイドカードには、後述するように、システムコントローラ110においてカードIDに対応付けて遊技用残額が記憶、管理されているので、該システムコントローラ110にて管理されている遊技用残額を特定可能なカードIDや、これらシステムコントローラ110への問い合わせを実施することなく、受付けたプリペイドカードから直接的に遊技用残額を特定可能な遊技用残額データが記憶されており、該プリペイドカードが本発明における記録媒体に該当する。
【0049】
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者側に向けられた面には、表示部312と、メインメニュー画面を表示させるためのメニュースイッチ316と、データ画面(図示略)を表示させるためのデータスイッチ318と、本実施例では使用していないが、プリペイド機能を有する会員カードを受付ける場合において、該会員カードにより特定される貯蓄玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイスイッチ319と、再プレイスイッチ319の操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部320とが設けられており、該表示部312の表面には、表示部312に表示された表示項目を指触により入力可能とするためのタッチパネル314が設けられている。
【0050】
図5は、本実施例のカードユニット3の構成を示すブロック図である。カードユニット3は、前記カード挿入口309に連設される内部カードリーダライタ327と、前記電子マネー通信部332の内部位置に設けられ、電子マネー額が記憶された携帯電話機5との近距離非接触通信を実施するための外部カードリーダライタ330と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328と、から主に構成されており、内部カードリーダライタ327や外部カードリーダライタ330及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続され、各種データの送受が可能とされている。
【0051】
制御ユニット328は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aや、各種のデータや、後述する入金処理にて入金されて残存する遊技用残額を特定可能な遊技用残額データ等が記憶される、本発明における記録媒体となるRAM328bや、制御プログラム等の各種のデータを記憶可能なROM328cを含み、RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
【0052】
内部カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入されるプリペイドカードに記録されているカードID、並びに遊技用残額データ等の記録情報の読み取り並びに書き込みを行うとともに、その内方側端部位置に、発行に使用するプリペイドカード(回収したカードを含む)貯留する図示しない貯留部を有しており、該貯留部に貯留されたカードを発行可能とされている。また、外部カードリーダライタ330は、該電子マネー通信部332に近接された電子マネー額が記憶されたお財布機能を備える携帯電話機5に内蔵されている非接触ICチップ100との間において、電子マネー額の使用に関する非接触データ通信を実施する。つまり、携帯電話機5が近接することで、該近接された携帯電話機5との間の非接触データ通信を可能としており、外部カードリーダライタ330によって携帯電話機5が受付けられる。
【0053】
表示制御基板329には、前述した液晶表示器313、タッチパネル314、各種スイッチ類(メニュースイッチ316a、データスイッチ318a、再プレイスイッチ319a)や前述した再プレイ表示部320内に設けられた再プレイLED320a等の電子部品が接続されている。
【0054】
表示制御基板329に接続されている電子部品のうちタッチパネル314、各種スイッチ類(メニュースイッチ316a、データスイッチ318a、再プレイスイッチ319a)は、表示制御基板329を介して制御ユニット328に接続されており、タッチパネル314による位置検出情報や各スイッチの検出信号が制御ユニット328に入力される。また、再プレイLED320aも、表示制御基板329を介して制御ユニット328に接続されており、その点灯制御が制御ユニット328により行われる。尚、これらタッチパネル314、各種スイッチ類(メニュースイッチ316a、データスイッチ318a、再プレイスイッチ319a)の操作検知、並びに該検知された操作内容に応じた表示処理等の各種処理は、後述する図10に示すSb1の起動処理の後、図10に示すSb2以降の通常処理と平行して実施可能とするために、該通常処理を実施する処理タスクとは個別の処理タスクに基づいて実施される。
【0055】
また、表示制御基板329は、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路や、前記タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路や、表示駆動回路の表示処理や画像合成処理に使用されるVRAMや、各種スイッチが接続されてスイッチからの信号が入力されるI/Oポートを含み、制御ユニット328から出力された各種画面等の表示データを液晶表示器313に表示する制御を行う。
【0056】
制御ユニット328には、表示制御基板329を介して接続されたスイッチや表示器等の電子部品に加えて、紙幣識別ユニット321、硬貨識別ユニット322が接続されている。
【0057】
紙幣識別ユニット321は、紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を行う。また、硬貨識別ユニット322は、硬貨投入口303より投入された硬貨の真贋並びに硬貨種別の識別を行う。
【0058】
また、制御ユニット328には、接続されたパチンコ機2に設けられ、受付け中のプリペイドカードの遊技用残額を表示する図示しない残額表示器や、パチンコ玉の貸し出し(貸与)を行う際に操作される図示しない貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付け中の会員カードを返却させる際に操作される図示しない返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されている。
【0059】
制御ユニット328は、各種スイッチの検出信号やタッチパネル314の位置検出情報、紙幣識別ユニット321や硬貨識別ユニット322による貨幣識別情報等を受けて、制御ユニット328に接続されている前記多機能ランプ内に設けられた多機能LED301aや電子マネー報知部331内に設けられた報知LED331a等の各LED、内部カードリーダライタ327、外部カードリーダライタ330、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御、並びにカード挿入口309に挿入されたプリペイドカードに対してシステムコントローラ110と連携して利用の可/不可を判別するカード受付け処理(図11)や、プリペイドカードまたはRAM328bに記憶された遊技用残額データから特定される遊技用残額を使用した玉貸を行う第1貸出処理(図12)や、返却ボタンの操作により受付け中のプリペイドカードの返却またはRAM328bの遊技用残額を特定可能な遊技用残額データが記憶されたプリペイドカードを発行する返却・発行処理(図14)や、受付け中のプリペイドカードまたはRAM328bへの貨幣投入による入金を行う入金処理(図13)や、携帯電話機5の受付けにより該携帯電話機5に記憶されている電子マネー額を使用した玉貸を行う第2貸出処理(図15)や、プリペイドカードまたはRAM328bに遊技用残額が存在する状況において携帯電話機5の受付けた場合に実施される第3貸出処理(図16)等の各種処理を実行する。
【0060】
また、制御ユニット328は、対応するパチンコ機2の図示しない賞球数制御基板と接続されており、該賞球数制御基板との間において各種玉貸処理に伴う各種信号の送受が実施可能とされているとともに、通信部334並びにHUBを介してシステムコントローラ110等とデータ通信可能に接続されており、各種データの送受が可能とされている。
【0061】
次に、本実施例に用いた精算装置20を図6並びに図7に基づき説明すると、該精算装置20は、遊技場内の所定位置、例えば図示しない遊技島の島端等に配置され、その外観形状は図6に示すようになっており、その前面に、精算が可能であることを遊技者に報知するための動作表示部501と、精算するプリペイドカードが挿入可能とされているカード挿入口502と、該カード挿入口502にプリペイドカードが受付け中であることを点滅により報知するカードインジケータ503と、前記カード挿入口502に挿入されたプリペイドカードから読み出した遊技用残額データから特定される遊技用残額(精算金額)を表示するための金額表示部507と、前記金額表示部507に表示されている精算金額の精算を実施する際に入力操作される精算ボタン510と、該精算処理を中断する際に操作される中止ボタン509と、精算に伴い払い出される硬貨が排出されるコイン排出口511と、該コイン排出口511からの硬貨の排出を点滅により報知するコインインジケータ512と、精算にて伴い払い出される紙幣が排出される紙幣排出口513と、該紙幣排出口513からの紙幣の排出を点滅により報知する紙幣インジケータ514と、が設けられている。
【0062】
この精算装置20の構成について説明すると、該精算装置20は、前記動作表示部501や、金額表示部507や、精算ボタン510や、中止ボタン509や、カードインジケータ503や、紙幣インジケータ514や、コインインジケータ512に加えて、図7に示すように、前記カード挿入口502に連設され、プリペイドカードの記憶情報の読み出し並びに書き込み(更新記憶)を行うカードリーダライタ515と、前記コイン排出口511に連設され、小銭となる1円硬貨や10円硬貨に加えて、100円硬貨の払い出しを実施する硬貨払出ユニット518と、前記紙幣排出口513に連設され、紙幣の払い出しを実施する紙幣払出ユニット519と、前記金額表示部507の表示動作の制御を行う表示ドライバ520と、受付けたプリペイドカードより読み出された各種データ等が記憶されるとともに、後述するMPU523が実施する精算装置20における各種の処理内容が記述された制御プログラム等を記憶する記憶部521と、通信ケーブルを介して前記システムコントローラ110とデータ通信を行うための通信部522と、これら各部の制御等を制御プログラムに基づいて行うマイクロプロセッシングユニット(MPU)523と、を具備し、これら精算装置20に設けられている各部は、図7に示すようにMPU523と電気的に接続されることで、その動作がMPU523にて制御される。
【0063】
また、本実施例の精算装置20のMPU523は、受付けたプリペイドカードより読み出したカードIDと遊技用残額データとを含む精算許諾要求をシステムコントローラ110に送信し、該精算許諾要求に含まれるカードIDに対応付けてシステムコントローラ110において記憶、管理されている遊技用残額が、該精算許諾要求に含まれる当該プリペイドカードから読み出した遊技用残額データから特定される遊技用残額に一致することを条件に、該システムコントローラ110から送信される精算許諾を受信したことに基づいて、受付けたプリペイドカードより読み出した遊技用残額データから特定される遊技用残額である精算金額を現金にて返却するとともに、受付けたプリペイドカードに記憶されている遊技用残額データを、該精算金額に相当する遊技用残額が減算更新された遊技用残額(具体的には遊技用残額を0)に更新記憶する精算処理を実施する。尚、本実施例では、遊技用残額の全額を精算するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技用残額の範囲内で精算する金額を遊技者から受付けて、遊技用残額の一部を精算するようにしても良い。
【0064】
以下、本実施例のカードユニット3において、プリペイドカードに記憶されている遊技用残額や、お財布機能を備える携帯電話機5に記憶された電子マネー額を、パチンコ玉の貸し出しに使用する流れについて以下に説明する。
【0065】
まず、図10は、本実施例1のカードユニット3に搭載された制御ユニット328が実施する通常処理の処理内容を示すフロー図であり、制御ユニット328は、カードユニット3への電源投入により起動されることで、Sb1の起動処理を実施して、各部の接続状況の確認や、システムコントローラ110との接続確認、並びに各設定データに初期値等を設定する。
【0066】
そして、該起動処理の実施後においてSb2〜Sb7の処理を巡回実施することで、カード挿入口309へのカード挿入であるカード受付け、遊技者による貸出ボタンの操作、紙幣挿入口302または硬貨投入口303からの現金の投入による現金受付け、遊技者による返却ボタンの操作、並びに携帯電話機5の受付け、を検知する待機状態となる。
【0067】
該待機状態において、遊技者が、例えば他のカードユニット3或いは図示しないカード発行機にて発行されたプリペイドカードをカード挿入口309に挿入した場合には、該プリペイドカードの挿入に伴う挿入検知情報が内部カードリーダライタ327から制御ユニット328に出力されることで、制御ユニット328は、Sb2においてカード受付け有りと判断してSb8に進み、図11のカード受付け処理を実施する。
【0068】
このSb8におけるカード受付け処理においては、図11に示すように、まず、既に内部カードリーダライタ327に受付け中のプリペイドカードが存在するか否かを判定し(Sc1)、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には、Sc6のステップに進んで、内部カードリーダライタ327に排出指示を出力することで、カード挿入口309に挿入されたプリペイドカードを返却させて該カード受付け処理を終了する一方、受付け中のプリペイドカードが存在しない場合には、Sc2のステップに進んで、カード挿入口309に挿入されたプリペイドカードの取り込み指示を内部カードリーダライタ327に出力して、挿入されたプリペイドカードを内部カードリーダライタ327のカードスロット内に取り込んで、該プリペイドカードに記憶されている記憶データ、具体的には、当該プリペイドカードを個々に識別するためのカードIDと遊技用残額データ等を読み出し、該読み出したカードIDと遊技用残額データを含む認証要求をシステムコントローラ110に送信し、システムコントローラ110からの認証結果を受信するカード認証処理を実施する(Sc3)。
【0069】
この認証要求の受信に応じてシステムコントローラ110は、受信した認証要求に含まれるカードIDに対応付けて、該システムコントローラ110において記憶、管理されている遊技用残額が、該受信した認証要求に含まれる遊技用残額データ、すなわち、受付けたプリペイドカードから読み出した遊技用残額データから特定される遊技用残額に一致することを条件に、認証結果として「認証OK」を返信し、遊技用残額が一致しない場合には「認証NG」を返信する。
【0070】
このようにして返信された認証結果が「認証NG」である場合には、Sc4からSc6のステップに進んで、受付けたプリペイドカードの排出指示を内部カードリーダライタ327に出力して、挿入されたプリペイドカードを返却する一方、返信された認証結果が「認証OK」である場合には、Sc4からSc5のステップに進んで、受付けたプリペイドカードから読み出した遊技用残額データから特定される遊技用残額を、残額表示器に表示した後、該カード受付け処理を終了して、Sb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0071】
つまり、該カード受付け処理においては、システムコントローラ110に受付けたプリペイドカードのカードIDが登録されており、且つ該カードIDに対応付けてシステムコントローラ110に記憶・管理されている遊技用残額と、RAM328bに記憶された遊技用残額データ、すなわち受付けたプリペイドカードに記憶されている遊技用残額データから特定される遊技用残額とが一致するプリペイドカードのみが使用可能とされる。
【0072】
そして、このSb2〜Sb7の待機状態において、遊技者が貸出ボタンの操作を実施した場合には、該遊技者による貸出ボタンの操作を検知するための貸出ボタンスイッチからの信号が制御ユニット328に出力されることで、制御ユニット328は、Sb3のステップにおいて貸出ボタンの操作有りと判断してSb9のステップに進み、図12の第1貸出処理を実施する。
【0073】
この第1貸出処理においては、図12に示すように、まず、挿入されたプリペイドカードから読み出してRAM328bに記憶した、或いは後述する入金処理にてRAM328bに記憶した(残額表示器に表示されている)遊技用残額が、本実施例1における使用単位額となる100円と該使用単位額に相当する消費税額である5円(本実施例においては税率5%)との合計額である税込単位額となる105円未満であるか否かを判定し(Sd1)、遊技用残額が105円未満である場合には該判定において「Yes」と判定されて、該第1貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る一方、遊技用残額が105円以上である場合にはSd2のステップに進み、遊技用残額が本実施例1において第1貸出処理の第1使用金額として設定されている500円と該使用金額に相当する消費税額である25円(税率5%)との合計額である第1税込使用額となる525円以上であるか否かを判定する。尚、以下の説明においても、残額表示器に表示されている遊技用残額とは、RAM328bに記憶されている遊技用残額データから特定される遊技用残額を示す。
【0074】
このように、本実施例では、ROM328cに記憶されている前述の制御プログラムに記述されることで消費税率が5%に設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら消費税率をシステムコントローラ110にて変更して、変更した消費税率を設定データとして各カードユニット3に送信して各カードユニット3に設定される消費税率をシステムコントローラ110にて設定変更できるようにしても良いし、或いは、カード管理会社に設置されている集中管理装置となる管理サーバ14にて変更して、変更した消費税率を設定データとして各遊技場のシステムコントローラ110を通じて各カードユニット3に送信して各カードユニット3に設定される消費税率を管理サーバ14にて設定変更できるようにしても良いし、カードユニット3からシステムコントローラ110に、パチンコ玉の玉貸処理毎に問い合わせて、システムコントローラ110から消費税率を取得するようにしても良い。
【0075】
遊技用残額が第1税込使用額である525円以上である場合には、Sd2からSd3のステップに進んで、使用金額玉貸処理を実施する一方、第1税込使用額である525円未満である場合には、Sd2からSd8のステップに進んで、表示金額玉貸処理を実施する。
【0076】
このSd3のステップにおける使用金額玉貸処理においては、第1使用金額となる500円に相当するパチンコ玉数の払出指示、具体的に本実施例1においては、1玉のパチンコ玉の貸出単価が4円であるので、500円分に相当する125玉の払出指示を、対応するパチンコ機2に対して出力して該パチンコ玉数を払い出させる。
【0077】
そして、Sd4のステップに進み、残額表示器に表示されている遊技用残額から、税込使用額である525円を減算更新するとともに、RAM328b並びに受付け中のプリペイドカードが存在するときには該受付け中のプリペイドカードに記憶されている遊技用残額データを、第1税込使用額である525円を減算更新した新たな遊技用残額を特定可能な遊技用残額データに更新した後(Sd5)、システムコントローラ110に対して、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、受付け中のプリペイドカードのカードID(カード受付け時のみ)と、第1税込使用額とを含む貸出完了通知を送信して(Sd6)、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額や、当該カードユニット3にて使用された遊技用残額を更新する。
【0078】
この貸出完了通知の受信に応じてシステムコントローラ110にて実施される遊技用残額の更新処理の処理内容としては、具体的には、受信したカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額から第1税込使用額である525円を減算更新する。尚、本実施例では、貸出完了通知に第1税込使用額を含むようにしているので、システムコントローラ110においては、該貸出完了通知に含まれる第1税込使用額を、直接的に遊技用残額から減算更新しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら貸出完了通知には、例えば、使用単位額である100円を1度数として、玉貸に使用した使用金額である500円に相当する5度数のデータを含む貸出完了通知をシステムコントローラ110に送信し、該貸出完了通知を受信したシステムコントローラ110側において、受信した5度数のデータから、使用金額である500円と、該使用金額である500円に対応する消費税額である25円をとの合計額である525円を算出して、遊技用残額から減算更新するようにしても良い。
【0079】
そして、Sd7のステップに進み、残額表示器に表示されている新たな遊技用残額、つまり、プリペイドカードを受付け中であれば該受付け中のプリペイドカードの新たな遊技用残額が0であるか否かを判定し、遊技用残額が0でない場合(受付け中のプリペイドカードがない場合も含む)には、該第1貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る一方、遊技用残額が0である場合には、Sd12のステップに進んで、当該遊技用残額が0となったプリペイドカードを内部カードリーダライタ327の貯留部に回収して該第1貸出処理を終了することにより、端数を生じることなく遊技用残額が0となったプリペイドカードが回収されるようになっている。
【0080】
一方、Sd8のステップにおける表示金額玉貸処理においては、残額表示器に表示されている遊技用残額の内、使用単位額である100円に当該使用単位額である100円に対応する消費税額である5円の合計額である税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、遊技用残額が475円であれば、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる4倍に該当する420円に相当するパチンコ玉数の払出指示、具体的に本実施例においては、1玉のパチンコ玉の貸出単価が4円であるので、420円から消費税額である20円を除いた税なし金額である400円分に相当する100玉の払出指示を、対応するパチンコ機2に対して出力して該パチンコ玉数を払い出させる。
【0081】
そして、Sd9のステップに進み、残額表示器に表示されている遊技用残額から、パチンコ玉の玉貸に使用した税込みの金額である420円を減算更新するとともに、RAM328b並びに受付け中のプリペイドカードが存在するときには該受付け中のプリペイドカードに記憶されている遊技用残額データを、該税込みの金額である420円を減算更新した新たな遊技用残額を特定可能な遊技用残額データに更新した後(Sd10)、システムコントローラ110に対して、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、受付け中のプリペイドカードのカードIDと、該税込みの金額である420円とを含む貸出完了通知を送信して(Sd11)、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額や、当該カードユニット3にて使用された遊技用残額を更新する。
【0082】
そして、Sd7のステップに進み、残額表示器に表示されている新たな遊技用残額、つまり、プリペイドカードを受付け中であればプリペイドカードの新たな遊技用残額が0であるか否かを判定し、遊技用残額が0でない場合(受付け中のプリペイドカードがない場合も含む)には、該第1貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る一方、遊技用残額が0である場合には、Sd12のステップに進んで、当該遊技用残額が0となったプリペイドカードを内部カードリーダライタ327の貯留部に回収して該第1貸出処理を終了することにより、端数を生じることなく遊技用残額が0となったプリペイドカードが回収されるようになっている。
【0083】
このように、該第1貸出処理を繰返し実施することで、最終的には、残額表示器に表示される遊技用残額としては、税込単位額となる105円未満の金額となる。(図17参照)
【0084】
つまり、本実施例1の第1貸出処理においては、記録媒体となるプリペイドカードやRAM328bの記録情報(遊技用残額データ)から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機となるパチンコ機2における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第1使用金額である500円と該第1使用金額に対応する消費税額である25円との合計額である第1税込使用額となる525円を、前記遊技用残額から減算更新しており、該第1貸出処理が本発明の請求項1における第1使用処理に該当し、該第1貸出処理を実施する制御ユニット328によって、本発明における第1使用処理手段が形成されている。
【0085】
また、前記したSb2〜Sb7の待機状態において、遊技者が紙幣挿入口302または硬貨投入口303から現金を投入した場合には、該現金の投入に伴う貨幣識別情報が紙幣識別ユニット321や硬貨識別ユニット322から制御ユニット328に出力されることで、制御ユニット328は、Sb4のステップにおいて現金の受付け有りと判断してSb10のステップに進み、図13の入金処理を実施する。
【0086】
この入金処理においては、図13に示すように、まず、入力された貨幣識別情報から投入された貨幣の投入金額を特定する。尚、特定した投入金額が硬貨による金額、具体的には500円硬貨や100円硬貨の投入による1000円未満の金額である場合には、さらに硬貨が追加投入されることが考えられるので、貨幣識別情報の入力から所定時間、例えば5秒が経過するまで、さらなる貨幣識別情報の入力待ち状態となり、複数の貨幣識別情報が入力された場合には、各貨幣識別情報から特定される識別金額の総額を投入金額として特定する(Sg1)。
【0087】
そして、Sg2のステップに進み、内部カードリーダライタ327に受付け中のプリペイドカードが存在するか否かを判定し、受付け中のプリペイドカードが存在しない場合には、Sg3のステップに進んで、Sg1のステップにて特定した投入金額を、RAM328bに記憶されている遊技用残額(0円を含む)に加算更新した後、該加算更新した入金金額(投入金額に同じ)と当該カードユニット3の装置IDとを含む入金通知をシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110において管理されている当該カードユニット3にて入金された入金金額を更新してSg5のステップに進む一方、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には、該Sg6のステップに進んで、Sg1のステップにて特定した投入金額を、受付け中のプリペイドカードに記憶されている遊技用残額データから特定される遊技用残額に加算して、該遊技用残額データを加算後の新たな遊技用残額を特定可能な遊技用残額データに更新した後、該入金金額(投入金額に同じ)と当該カードユニット3の装置IDと、受付け中のプリペイドカードのカードIDとを含むカード入金通知をシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110において管理されている当該プリペイドカードの遊技用残額を更新するとともに、当該カードユニット3にて入金された入金金額を更新してSg5のステップに進む。
【0088】
このカード入金通知の受信に応じてシステムコントローラ110にて実施される遊技用残額の更新処理の処理内容としては、具体的には、受信したカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額に入金金額を加算更新する。
【0089】
そして、Sg5のステップにおいては、残額表示器に表示されている遊技用残額を、RAM328bまたは受付け中のプリペイドカードに更新記憶した加算更新後の新たな遊技用残額に更新表示して、該入金処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0090】
尚、本実施例では、入金処理を、加算更新前の遊技用残額に依存することなく、実施できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら入金処理を、加算更新前の遊技用残額が所定金額、例えば1000円以下となった場合にのみ、実施できるようにして、遊技用残額が不必要に大きくなることで、該大きな遊技用残額のプリペイドカードを紛失する等の遊技者の不利益や、遊技への過度ののめり込みを防止できるようにしても良い。
【0091】
また、前記したSb2〜Sb7の待機状態において、遊技者が返却ボタンの操作を実施した場合には、遊技者による返却ボタンの操作を検知するための返却タンスイッチからの信号が制御ユニット328に出力されることで、制御ユニット328は、Sb5において返却ボタンの操作有りと判断してSb11に進み、図14の返却・発行処理を実施する。
【0092】
この返却・発行処理においては、図14に示すように、まず、内部カードリーダライタ327に受付け中のプリペイドカードが存在するか否かを判定し(Sf1)、存在する場合には、排出指示を内部カードリーダライタ327に出力することで、該内部カードリーダライタ327に受付け中のプリペイドカードを、排出させて返却するとともに(Sf6)、該返却したプリペイドカードのカードIDと当該カードユニット3の装置IDとを含む返却通知をシステムコントローラ110に送信して、カードIDから特定されるプリペイドカードが返却されたことをシステムコントローラ110に通知する。
【0093】
一方、内部カードリーダライタ327に受付け中のプリペイドカードが存在しない場合には、Sf1からSf2のステップに進み、RAM328bに記憶されている遊技用残額データから特定される遊技用残額が存在するか否かを判定し、遊技用残額が存在しない場合、つまり、遊技用残額が0円である場合には、該返却・発行処理を終了する一方、遊技用残額が存在する、つまり0円ではない場合には、Sf3のステップに進み、内部カードリーダライタ327の貯留部に貯留されているプリペイドカードを、内部カードリーダライタ327のカードスロットの読み出し位置まで移動させて、該発行に使用するプリペイドカードの記憶データ、具体的にはカードIDを読み出すとともに、RAM328bに記憶されている遊技用残額データを該プリペイドカードに書き込んで、遊技用残額データを更新した後、当該プリペイドカードをカード挿入口309から排出させて、RAM328bに記憶されている遊技用残額データが記憶されたプリペイドカードを遊技者に対して発行する(Sf4)。尚、Sf3のステップにおいて、貯留部に貯留されているプリペイドカードが存在しない場合には、表示部312にエラーを表示して、プリペイドカードの挿入待ち状態となり、カード挿入口309から発行用のカードが挿入されることで、当該挿入されたプリペイドカードを発行に使用する。
【0094】
そして、Sf5のステップに進み、RAM328bに記憶されている遊技用残額データを「0」に更新するとともに、当該カードユニット3の装置IDと、Sf3のステップにおいて発行するプリペイドカードから読み出したカードIDと、該プリペイドカードに書き込み記憶した遊技用残額データを含む発行通知を、システムコントローラ110に送信することにより、該システムコントローラ110にて、該発行されたプリペイドカードのカードIDと遊技用残額とが管理されるようにすることで、遊技者は、発行されたプリペイドカードに記憶されている遊技用残額を、他のカードユニット3や精算装置20にて使用できるようになる。
【0095】
尚、本実施例では、前述の第1使用処理において、プリペイドカードに記憶された遊技用残額データを遊技用残額が玉貸に使用される毎に逐次更新することで、返却操作時に遊技用残額データを更新することなくプリペイドカードを返却するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技用残額が玉貸に使用される毎にプリペイドカードの遊技用残額データを更新せずにRAM328bの遊技用残額データだけ更新しておいて、返却時においてその時点のRAM328bの遊技用残額データをプリペイドカードの遊技用残額データとして更新記憶して返却するようにしても良い。
【0096】
次に、Sb6以降の処理を、図9に示す携帯電話機5側で実施される電子マネー使用処理とともに説明する。具体的には、遊技者が携帯電話機5をカードユニット3の電子マネー通信部332(外部カードリーダライタ330)に近接させることにより、携帯電話機5の非接触ICチップ100が、Sb6で送信されるポーリングを受信し(図9のS1)、非接触ICチップ100のデジタル制御部103により図9に示す電子マネー使用処理が実施される。
【0097】
また、前記したSb2〜Sb7の待機状態において、Sb6のポーリング送信に応じて、携帯電話機5のICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS2において送信される、各電子マネー会社の電子マネー額を含む特定取引要求を外部カードリーダライタ330が受信した場合には、該受信した特定取引要求が外部カードリーダライタ330から制御ユニット328に出力されることで、制御ユニット328は、Sb7のステップにおいて特定取引要求の受信有りと判断してSb12のステップに進み、受信した特定取引要求に含まれる各電子マネー額(当該電子マネー会社の会社IDを含む)を一時記憶するとともに、Sb13のステップに進んで、受付け中のプリペイドカードまたはRAM328bに遊技用残額が存在するか否かを判定し、遊技用残額が存在しない場合にはSb14のステップに進んで、図15に示す第2貸出処理を実施する一方、遊技用残額が存在する場合にはSb15のステップに進んで、図16に示す第3貸出処理を実施する。
【0098】
この第2貸出処理においては、図15に示すように、Sb12のステップにおいて一時記憶した各電子マネー会社の合計残額、つまり、本実施例1の携帯電話機5であれば、メモリ104に記憶されているJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額が、税込単位額となる105円未満であるか否かを判定し(Sh1)、該税込単位額となる105円未満である場合には、Sh6のステップに進んで、受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して残額エラーを送信(返信)する。
【0099】
このようにして送信(返信)された残額エラーは、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS16において検知されてS15に進むことにより、制御部55に対してエラー情報(残額不足)を送信することで、JGアプリが自動起動されて表示部56に電子マネーの残額が不足している旨のメッセージが所定時間に亘り表示されるとともに、電子マネー額へのチャージを行う図示しないチャージ用画面が、表示部56に表示されることで、電子マネー額へのチャージを遊技者に促すようになっている。
【0100】
一方、合計残額が税込単位額となる105円未満でない場合には、Sh2のステップに進んで、該合計残額が第2貸出処理の第2使用金額として設定されている1000円と該第2使用金額に相当する消費税額である50円(税率5%)との合計額である第2税込使用額である1050円以上であるか否かを判定する。
【0101】
該判定において、合計残額が第2税込使用額である1050円以上である場合には、Sh3のステップに進み、該第2税込使用額である1050円と当該カードユニット3の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0102】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる第2税込使用額である1050円が、電子マネー額から減算更新される。
【0103】
具体的には、JG電子マネーの記憶領域104bに記憶されている残金データから特定されるJG電子マネー額が優先使用され、該JG電子マネー額が第2税込使用額である1050円以上存在する場合には、該JG電子マネー額から第2税込使用額である1050円が減算されて、残金データが該減算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新される一方、JG電子マネー額が第2税込使用額である1050円以上存在しない場合には、該JG電子マネー額の全額が減算されて、残金データが「0」を示す残金データに更新されるとともに、第2税込使用額である1050円からJG電子マネー額を差し引いた不足金額が、A社の記憶領域104aに記憶されている残金データから特定されるA社電子マネー額から減算されて、残金データが該減算後の新たなA社電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0104】
そして、S5のステップに進むことで、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、減算更新完了通知を送信した後、S6に進んで、受信した特定取引情報に含まれる装置IDと金額とを対応付けて、JG電子マネーの記憶領域104bの利用履歴データとして記憶する。
【0105】
そしてS7に進み、制御部55に対してJGアプリの起動要求を送信した後、S8に進んで、JG電子マネーの記憶領域104bの使用履歴へのアクセス待ち状態に移行する。
【0106】
このS7において送信されたJGアプリの起動要求の受信に応じて制御部55は、メモリ部60のEEPROMに記憶されているJGアプリを読み出して起動し、該起動したJGアプリに基づいてJG電子マネーの記憶領域104bの利用履歴へアクセスする。具体的に利用履歴へアクセスに際して制御部55は、非接触ICチップ100のディジタル制御部103に、当該JGアプリのアプリIDを含む利用履歴アクセス要求を出力することで、ディジタル制御部103は、該利用履歴のアクセスをS8にて検知してS9に進み、出力されてきたアプリIDが、JG電子マネーの記憶領域104bのアクセス権データに当該アプリIDが記憶されていることを確認することにより、利用履歴データへのアクセス(読み出し)を許諾する。尚、アプリIDがアクセス権データに記憶されていないときには、利用履歴データへのアクセス(読み出し)は許諾しない。
【0107】
そして、ディジタル制御部103は、利用履歴データへのアクセス(読み出し)を許諾した後にS10に進んで、制御部55から利用履歴の削除要求の出力待ち状態に移行する。尚、該削除要求の出力は、制御部55が、アクセス許諾された利用履歴をメモリ部60の使用履歴テーブルに格納することで、アクセス許諾された利用履歴へのアクセスの後、すみやかに制御部55から出力される。そして、該削除要求が、制御部55から出力されることに基づいてS11に進んで、該アクセス(読み出し)された利用履歴データを削除した後、S1に戻る。
【0108】
また、S5のステップにおいて送信された減算更新完了通知の受信は、第2貸出処理のSh4において検知されてSh5のステップに進み、特定取引情報として送信した第2税込使用額である1050円に相当するパチンコ玉数、すなわち第2使用金額として設定されている1000円を4円にて除した玉数である250個の払出指示を、対応するパチンコ機2に対して出力して該パチンコ玉数を払い出させる玉貸処理を実施するとともに、Sh6のステップに進み、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、第2税込使用額と、使用した電子マネー額の会社IDとを含む貸出完了通知をシステムコントローラ110に送信して、当該カードユニット3にて使用された金額を更新した後、該第2貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0109】
一方、Sh2の判定において、合計残額が税込使用額である1050円以上でない場合には、Sh7のステップに進み、合計残額の内、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、合計残額が700円であれば、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる6倍に該当する630円を特定し、該特定した金額である630円と当該カードユニット3の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する(Sh8)。
【0110】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる金額である630円が、電子マネー額から減算更新される。具体的には、JG電子マネー額の全額が減算されて、残金データが「0」を示す残金データに更新されるとともに、受信した特定取引情報に含まれる金額である630円からJG電子マネー額を差し引いた不足金額が、A社の記憶領域104aに記憶されている残金データから特定されるA社電子マネー額から減算されて、残金データが該減算後の新たなA社電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0111】
そして、S5のステップに進むことで、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、減算更新完了通知を送信した後、前述のS6〜S11の処理を実施する。
【0112】
このように、S5において送信された減算更新完了通知の受信は、第2貸出処理のSh4において検知されてSh5のステップに進み、特定取引情報として送信した金額である630円に相当するパチンコ玉数、すなわち消費税額である30円を除いた600円を4円にて除した玉数である150個の払出指示を、対応するパチンコ機2に対して出力して該パチンコ玉数を払い出させる玉貸処理を実施するとともに、Sh6のステップに進み、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、Sh7のステップにて特定した金額(630円)と、使用した電子マネー額の会社IDとを含む貸出完了通知を送信して、当該カードユニット3にて使用された金額を更新した後、該第2貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0113】
つまり、本実施例1の第2貸出処理においては、電子マネー額となるJG電子マネー額並びにA社電子マネー額を特定可能な情報となる残額データが記録された携帯電話機5(電子マネー記録媒体)を受付けて、該受付けた携帯電話機5の記録情報から特定される電子マネー額の少なくとも一部を、対応するパチンコ機2における遊技に使用させる、すなわち玉貸するとともに、該玉貸により遊技に使用される第2使用金額である1000円と該第2使用金額に対応する消費税額である50円との合計額である第2税込使用額となる1050円を、前記電子マネー額から減算更新するための特定取引情報の送信を含む処理を実施しており、該第2貸出処理が本発明の請求項1における第2使用処理に該当し、該第2貸出処理を実施する制御ユニット328によって、本発明における第2使用処理手段が形成されている。
【0114】
次に、本実施例における第3貸出処理においては、図16に示すように、Sb12のステップにおいて一時記憶した各電子マネー会社の合計残額、つまり、本実施例の携帯電話機5であれば、メモリ104に記憶されているJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額、つまり、受付け中のプリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額との合計額が、税込単位額となる105円未満であるか否かを判定し(Sj1)、該合計額が税込単位額となる105円未満である場合には、Sj15のステップに進んで、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額を含む返金処理要求を、受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0115】
このようにして送信(返信)された返金処理要求は、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS12において検知されてS13に進むことにより、JG電子マネーの記憶領域104bの残額データにより特定されるJG電子マネー額に、受信した返金処理要求に含まれる金額(残額表示器に表示されている遊技用残額)が加算されて、残金データが該加算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0116】
そして、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、S14のステップに進んで加算更新完了通知を送信した後、S15に進むことにより、制御部55に対してエラー情報(残額不足)を送信することで、JGアプリが自動起動されて表示部56に電子マネーの残額が不足している旨のメッセージが所定時間に亘り表示されるとともに、電子マネー額へのチャージを行う図示しないチャージ用画面が、表示部56に表示されることで、電子マネー額へのチャージを遊技者に促すようになっている。
【0117】
そして、S14のステップにおいて送信された加算更新完了通知の受信が、第3貸出処理のSj16のステップにおいて検知されることに基づいて、Sj17のステップに進み、プリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額を0に減算更新するとともに、残額表示器に表示されている金額を0に減算更新し(Sj18)、当該カードユニット3の装置IDと、返金した金額と、返金対象としたJG電子マネー額の会社IDと、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には該プリペイドカードのカードIDとを含む返金完了通知をシステムコントローラ110に対して送信して(Sj19)、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額を更新するとともに、当該カードユニット3にて返金された金額を更新した後、Sj13のステップに進む。尚、所定時間内に加算更新完了通知の受信がない場合には、図示しないが、通信エラーの発生として認識して、当該エラーの発生を表示部312に表示して報知する。
【0118】
このSj13のステップにおいては、受付け中のプリペイドカードが存在するか否かを判定し、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には、当該プリペイドカードを内部カードリーダライタ327の貯留部に回収した後(Sj14)、該第3貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0119】
一方、合計額が税込単位額となる105円未満でない場合、すなわち、合計額が税込単位額となる105円以上である場合には、Sj2のステップに進んで、一時記憶したJG電子マネー額と、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額(プリペイドカードまたはRAM328bに残存している遊技用残額)との合計額が、該第3貸出処理の第3使用金額として設定されている1000円と該第3使用金額に相当する消費税額である50円(税率5%)との合計である第3税込使用額となる1050円以上であるか否かを判定する。
【0120】
該判定において、合計額が第3税込使用額である1050円以上である場合には、Sj8のステップに進み、該第3税込使用額である1050円から遊技用残額(プリペイドカードまたはRAM328bに残存している遊技用残額)を減算して電子マネー使用額を特定した後、Sj5のステップに進む。
【0121】
また、Sj2の判定においてJG電子マネー額と、その時点における遊技用残額との合計額が第3税込使用額である1050円以上でない場合には、Sj3のステップに進み、該合計額が税込単位額となる105円以上であるか否かを判定し、該合計額が税込単位額となる105円以上である場合には、Sj9のステップに進んで、該合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、JG電子マネー額が700円で、遊技用残額が55円であって、合計額が755円であれば、735円を最大の金額として特定し、該特定した735円から遊技用残額である55円を差し引いた680円を電子マネー使用額として特定した後、Sj5のステップに進む。
【0122】
また、JG電子マネー額と、その時点における遊技用残額との合計額が税込単位額となる105円以上でない場合には、Sj3からSj4のステップに進み、Sj1のステップにて算出したJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と遊技用残額との合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額であって、第3税込使用額である1050円を上限とする最大の金額、例えば、JG電子マネー額が40円であり、A社電子マネー額が350円であって、遊技用残額が55円である場合であれば、これらの合計額である445円範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる420円を特定し、該特定した420円から遊技用残額である55円を差し引いた365円を電子マネー使用額として特定した後、Sj5のステップに進む。
【0123】
そして、Sj5のステップにおいては、Sj4、Sj8、Sj9のステップにて特定した電子マネー使用額と、当該カードユニット3の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0124】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる電子マネー使用額が、電子マネー額から減算更新される。
【0125】
具体的には、Sj8並びにSj9にて特定された電子マネー使用額の場合には、JG電子マネーの記憶領域104bに記憶されている残金データから特定されるJG電子マネー額から電子マネー使用額が減算されて、残金データが該減算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新され、Sj4にて特定された電子マネー使用額の場合には、JG電子マネー額の全額が減算されて、残金データが「0」を示す残金データに更新されるとともに、電子マネー使用額から該JG電子マネー額を差し引いた不足金額が、A社の記憶領域104aに記憶されている残金データから特定されるA社電子マネー額から減算されて、残金データが該減算後の新たなA社電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0126】
そして、S5のステップに進むことで、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、減算更新完了通知を送信した後、前述のS6〜S11の処理を実施する。
【0127】
こようにして、S5のステップにおいて送信された減算更新完了通知の受信は、第3貸出処理のSj6において検知されてSj7のステップに進み、特定取引情報として送信した電子マネー使用額、つまり、Sj4、Sj8、Sj9のステップにて特定した電子マネー使用額の算出元とした金額に相当するパチンコ玉数、すなわち、Sj8の電子マネー使用額であれば第3税込使用額である1050に相当するパチンコ玉数(250個)、Sj9の電子マネー使用額であれば、該Sj9にて特定した金額である735円に相当するパチンコ玉数(175個)、Sj4の電子マネー使用額であれば、該Sj4にて特定した金額である420円に相当するパチンコ玉数(100個)の払出指示を、対応するパチンコ機2に対して出力して該パチンコ玉数を払い出させる玉貸処理を実施した後、Sj10のステップに進み、プリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額を0に減算更新するとともに、残額表示器に表示されている金額を0に減算更新し(Sj11)、当該カードユニット3の装置IDと、Sj7の玉貸処理に使用した税込み金額と、使用した電子マネー額の会社IDと、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には該プリペイドカードのカードIDとを含む貸出完了通知をシステムコントローラ110に対して送信して、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額を更新するとともに、当該カードユニット3にて使用された金額を更新した後、Sj13のステップに進む。尚、所定時間内に減算更新完了通知の受信がない場合には、図示しないが、通信エラーの発生として認識して、当該エラーの発生を表示部312に表示して報知する。
【0128】
このSj13のステップにおいては、受付け中のプリペイドカードが存在するか否かを判定し、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には、当該プリペイドカードを内部カードリーダライタ327の貯留部に回収した後(Sj14)、該第3貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0129】
つまり、本実施例1の第3貸出処理においては、遊技用残額が残存するときに、電子マネー記録媒体となる携帯電話機5を受付けることに基づいて、遊技に使用される第3使用金額である1000円と該第3使用金額に対応する消費税額である50円との合計額である第3税込使用額となる1050円から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、前記第3使用金額を対応するパチンコ機2における遊技に玉貸を実施して使用させ、該遊技用残額を減算更新するとともに、前記電子マネー額から前記特定した電子マネー使用額を減算更新するための特定取引情報の送信を含む処理を実施しており、該第3貸出処理が本発明の請求項1における第3使用処理に該当し、該第3貸出処理を実施する制御ユニット328によって、本発明における第3使用処理手段が形成されている。
【0130】
以下、図17に示す、より具体的な場合を例にとり、本実施例1を説明すると、本実施例1のカードユニット3においては、図17(a)に示すように、本発明の記録媒体となるRAM328bに、前述の入金処理にて1000円を入金するか、或いは遊技用残額が1000円のプリペイドカードを挿入した後、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該第1貸出処理に設定されている第1税込使用額である525円が玉貸に使用された後、さらに貸出ボタンを操作することで第1貸出処理が実施されて420円を玉貸に使用することによって、遊技用残額が1000円から55円となった後、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3に受付けさせることで、前述の第3貸出処理が実施され、該携帯電話機5の受付け時点において遊技用残額として55円が存在することにより、該第3貸出処理に設定されている第3税込使用額である1050円から該遊技用残額である55円を差し引いた995円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である5000円から減算されて、JG電子マネー額の残額が4005円に更新されるとともに、遊技用残額である55円が0に減算更新され、1050円に相当する250玉の貸出が実施されるようになるので、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。尚、JG電子マネー額の残額が4005円となった携帯電話機5を、再度電子マネー通信部332に近接させた場合には、前述の第2貸出処理が実施されることで、該第2貸出処理に設定されている第2税込使用額である1050円に相当する250玉の玉貸が実施されるとともに、4005円から1050円が減算された2955円にJG電子マネー額の残額が減算更新される。
【0131】
また、本実施例1のカードユニット3においては、図17(b)に示すように、本発明の記録媒体となるRAM328bに、前述の入金処理にて1000円を入金するか、或いは遊技用残額が1000円のプリペイドカードを挿入した後、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該第1貸出処理に設定されている第1税込使用額である525円が玉貸に使用されて、遊技用残額が475円となった後、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3に受付けさせることで、前述の第3貸出処理が実施され、該携帯電話機5の受付け時点において遊技用残額として475円が存在することにより、該第3貸出処理に設定されている第3税込使用額である1050円から該遊技用残額である475円を差し引いた575円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である5000円から減算されて、JG電子マネー額の残額が4425円に更新されるとともに、遊技用残額である475円が0に減算更新され、1050円に相当する250玉の貸出が実施されるようになるので、端数となる55円の遊技用残額が残ることがなく、よって、これら端数金額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。尚、JG電子マネー額の残額が4425円となった携帯電話機5を、再度電子マネー通信部332に近接させた場合には、前述の第2貸出処理が実施されることで、該第2貸出処理に設定されている第2税込使用額である1050円に相当する250玉の玉貸が実施されるとともに、4425円から1050円が減算された3375円にJG電子マネー額の残額が減算更新される。
【0132】
また、JG電子マネー額の残額が、少なくなった場合における処理状況としては、図17(c)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として700円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である55円とJG電子マネー額の残額である700円との合計額である755円の範囲内で、税込単位額である105円の整数倍で最大の金額となる735円が使用可能額として特定され、735円に相当する175玉の玉貸が実施されるとともに、該735円から遊技用残額である55円を差し引いた680円が電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である700円から減算されて、JG電子マネー額の残額が20円に更新されるとともに、遊技用残額である55円が0に減算更新されることで、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0133】
つまり、本実施例1の第3貸出処理において制御ユニット328は、JG電子マネー額と遊技用残額との合計額が、第3税込使用額である1050円に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、所定の使用単位額である100円と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である税込単位額となる105円の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定する。
【0134】
また、JG電子マネー額の残額が、更に少なくなった場合における処理状況としては、図17(d)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として40円が残存するとともに、A社電子マネー額として350円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である55円とJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計額である445円の範囲内で、税込単位額である105円の整数倍で最大の金額となる420円が使用可能額として特定され、該420円に相当する100玉の玉貸が実施されるともに、該420円から遊技用残額である55円を差し引いた365円が電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である40円の全額が減算されて残額が0に更新されるとともに、365円からJG電子マネー額である40円を減じた不足額である325円が、A社電子マネー額の残額である350円から減算されて残額が25円に更新されることで、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0135】
また、JG電子マネー額並びにA社電子マネー額の残額が、更に少なくなった場合における処理状況としては、図17(e)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として30円が残存するとともに、A社電子マネー額として10円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である55円とJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計額である95円が税込単位額である105円に満たないので、遊技用残額である55円がJG電子マネー額である30円に加算されて85円の残額に更新されるとともに、遊技用残額が0に減算更新されることで、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0136】
つまり、本実施例1の第3貸出処理のSj15〜Sj19において制御ユニット328は、JG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と遊技用残額との合計額が、所定の使用単位額である100円と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である税込単位額となる105円に満たないときには、該遊技用残額をJG電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新しており、該Sj15〜Sj19によって本発明の請求項3における遊技用残額精算処理が形成されている。
【0137】
以上、本実施例1によれば、第3貸出処理(第3使用処理)を実施することにより、遊技に使用できない端数額となる第1税込使用額である525円未満の遊技用残額が記録媒体であるプリペイドカードに残存することがなくなるので、大量の小銭の準備や、小銭を精算装置20に補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性も向上できる。
【0138】
また、本実施例1によれば、JG電子マネー額が少なくなって、該JG電子マネー額とその時点において残額表示器に表示されている遊技用残額との合計額が、第3税込使用額である1050円に満たない場合においても、第3貸出処理としてSj9のステップを有することにより、合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額に基づく電子マネー使用額が特定されるようになるので、電子マネー額が少なくなったときにおいても、該少なくなった電子マネー額を第3使用処理に使用できるので、小銭の準備や補充等の手間をより一層低減できるばかりか、遊技者の利便性もより一層向上できる。
【0139】
また、本実施例1によれば、JG電子マネー額並びにA社電子マネー額とその時点において残額表示器に表示されている遊技用残額との合計額が、税込単位額となる105円に満たない場合で、これら税込単位額未満の端数となる遊技用残額を玉貸によって処理できない場合においても、該第3貸出処理として、本発明における遊技用残額精算処理に該当するSj15〜Sj19のステップを有することにより、これら端数となる遊技用残額が、JG電子マネー額に加算更新されるとともに遊技用残額が0に減算更新されるので、これら端数となる遊技用残額を、小銭を払い出すことなく処理することができるので、小銭の準備や補充等の手間をさらに低減できるばかりか、遊技者の利便性もさらに向上できる。
【実施例2】
【0140】
次に、本発明の請求項4に対応する本実施例2のカードユニット3’に関して、図18を参照して以下に説明する。尚、本実施例2の特徴としては、前記実施例1においては、第3貸出処理において、遊技用残額が第3税込使用額以下であるときには、該第3税込使用額以下の遊技用残額の全額を玉貸に使用して遊技用残額を0としているのに対し、本実施例2のカードユニット3’においては、遊技用残額を税込単位額である105円にて除算したときの端数額を特定して、該端数額とJG電子マネー額やA社電子マネー額を用いて玉貸を行うことで、新たな遊技用残額が端数額を含まない金額となる点であり、これらの特徴となる処理以外の構成等は、前記実施例1のカードユニット3と同一であることから、同一である部分の説明は省略するものとし、前記実施例1からの変更点となる本実施例2の特徴部分となる処理内容について以下に説明する。
【0141】
本実施例2の制御ユニット328も、実施例1の制御ユニット328と同様に、図10に示す通常処理を実施することで、プリペイドカードの受付けが検知された場合には図11のカード受付け処理が、貸出ボタンの操作が検知された場合には図12の第1貸出処理が、貨幣(現金)の受付け(投入)が検知された場合には図13の入金処理が、返却ボタンの操作が検知された場合には図14の返却・発行処理が、遊技用残額が存在しない状況下で携帯電話機5の受付けに基づく特定取引要求を受信した場合には図15の第2貸出処理が、遊技用残額が存在する状況下で携帯電話機5の受付けに基づく特定取引要求を受信した場合には図18の第3貸出処理が実施される。
【0142】
尚、前記実施例1の第1貸出処理における使用金額玉貸処理においては、第1税込使用額である525円を一度に遊技用残額から減算しているが、本実施例2の第1貸出処理における使用金額玉貸処理においては、これら遊技用残額からの減算を、使用単位額となる100円に相当する25玉の払出指示を対応するパチンコ機2に対して出力する毎に、該使用単位額に対応する税込単位額となる105円を減算する処理を、525円に該当する回数である5回繰り返すことにより実施する。
【0143】
また同様に、前記実施例1の第1貸出処理における表示金額玉貸処理においても、残額表示器に表示されている遊技用残額の内、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、遊技用残額が475円であれば税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる4倍に該当する420円を一度に遊技用残額から減算しているが、本実施例2の第1貸出処理における表示金額玉貸処理においては、これら遊技用残額からの減算を、使用単位額となる100円に相当する25玉の払出指示を対応するパチンコ機2に対して出力する毎に、該使用単位額に対応する税込単位額となる105円を減算する処理を、420円に該当する回数である4回繰り返すことにより実施する。
【0144】
つまり、本実施例2の第1使用処理においては、遊技用残額のうち、所定の使用単位額となる100円を対応するパチンコ機2における遊技に使用させるとともに、使用単位額(100円)と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である105円(税込単位額)を、遊技用残額から減算更新しており、本実施例2の第1使用処理を実施する制御ユニット328によって本発明の請求項4における第1使用処理手段が形成されている。
【0145】
尚、本実施例2の使用金額玉貸処理並びに表示金額玉貸処理においては、税込単位額となる105円を減算する処理を繰返し実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例1と同様に、予め税込単位額である105円の整数倍の第1税込使用額である525円や、残額表示器に表示されている遊技用残額の内、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる、例えば420円を一度に減算するようにしても良く、この場合であっても、税込単位額である105円を遊技用残額から減算更新することになるので、このような減算更新形態であっても、本発明の請求項4における第1使用処理に含まれる。
【0146】
また、本実施例2の第2貸出処理におけるSh5の玉貸処理においては、実施例1と同様に税込単位額となる105円の10倍の第2税込使用額である1050円を一度に電子マネー額から減算しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述した本実施例2の第1使用処理の使用金額玉貸処理並びに表示金額玉貸処理における減算更新形態と同様に、電子マネー額からの減算を、使用単位額となる100円に相当する25玉の払出指示を対応するパチンコ機2に対して出力する毎に、該使用単位額に対応する税込単位額となる105円を減算する処理を、1050円に該当する回数である10回繰り返すことにより実施するようにしても良い。すなわち、本実施例2の第2貸出処理は、電子マネー額(JG電子マネー額やA社電子マネー額)のうち、使用単位額である100円を対応するパチンコ機2における遊技に使用させるとともに、使用単位額(100円)と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である105円(税込単位額)を、電子マネー額(JG電子マネー額やA社電子マネー額)から減算更新しており、本実施例2の第2貸出処理が本発明の請求項4における第2使用処理に該当し、該第2貸出処理を実施する制御ユニット328によって本発明の請求項4における第2使用処理手段が形成されている。
【0147】
以下、本実施例2における特徴部分となる第3貸出処理について、図18並びに図19を用いて詳述する。
【0148】
まず、本実施例2の第3貸出処理においては、図18に示すように、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額、つまり、受付け中のプリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額を税込単位額となる105円にて除算したときに剰余金額を端数額として特定する(Sj0)。
【0149】
そして、Sb12のステップにおいて一時記憶した各電子マネー会社の合計残額、つまり、本実施例の携帯電話機5であれば、メモリ104に記憶されているJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と、Sj0のステップにて特定した端数額との合計額が、税込単位額となる105円未満であるか否かを判定し(Sj1’)、該合計額が税込単位額となる105円未満である場合には、Sj15’のステップに進んで、Sj0のステップにて特定した端数額を含む返金処理要求を、受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0150】
このようにして送信(返信)された返金処理要求は、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS12において検知されてS13に進むことにより、JG電子マネーの記憶領域104bの残額データにより特定されるJG電子マネー額に、受信した返金処理要求に含まれる金額(端数額)が加算されて、残金データが該加算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0151】
そして、S14のステップにおいて送信された加算更新完了通知の受信が、第3貸出処理のSj16のステップにおいて検知されることに基づいて、Sj17’のステップに進み、プリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額から端数額を減算更新するとともに、残額表示器に表示されている金額から該端数額を減算更新し(Sj18)、当該カードユニット3の装置IDと、返金した金額と、返金対象したJG電子マネー額の会社IDと、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には該プリペイドカードのカードIDとを含む返金完了通知をシステムコントローラ110に対して送信して(Sj19)、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額を更新するとともに、当該カードユニット3にて返金された金額を更新した後、Sj13’のステップに進む。尚、所定時間内に加算更新完了通知の受信がない場合には、図示しないが、通信エラーの発生として認識して、当該エラーの発生を表示部312に表示して報知する。
【0152】
つまり、本発明における第3使用処理手段となる制御ユニット328が実施する本実施例2の第3貸出処理においては、電子マネー額(JG電子マネー額とA社電子マネー額)と端数額との合計額が、税込単位額である105円に満たないときには、該端数額を該電子マネー額(JG電子マネー額)に加算更新するとともに、該端数額を遊技用残額から減算更新するSj15’〜Sj19のステップを含んでおり、これらSj15’〜Sj19のステップによる処理が本発明における請求項5の遊技用残額精算処理に該当する。
【0153】
一方、JG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と、Sj0のステップにて特定した端数額との合計額が税込単位額となる105円未満でない場合、すなわち、該合計額が税込単位額となる105円以上である場合には、Sj2’のステップに進んで、一時記憶したJG電子マネー額と、Sj0のステップにて特定した端数額との合計額が、該第3貸出処理の第3使用金額として設定されている1000円と該第3使用金額に相当する消費税額である50円(税率5%)との合計である第3税込使用額となる1050円以上であるか否かを判定する。
【0154】
該判定において、合計額が第3税込使用額である1050円以上である場合には、Sj8’のステップに進み、該第3税込使用額である1050円から端数額を減算して電子マネー使用額を特定した後、Sj5のステップに進む。
【0155】
また、Sj2の判定においてJG電子マネー額と端数額との合計額が第3税込使用額である1050円以上でない場合には、Sj3’のステップに進み、該合計額が税込単位額となる105円以上であるか否かを判定し、該合計額が税込単位額となる105円以上である場合には、Sj9’のステップに進んで、該合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、JG電子マネー額が700円で、端数額が55円であって、合計額が755円であれば、735円を最大の金額として特定し、該特定した735円から端数額である55円を差し引いた680円を電子マネー使用額として特定した後、Sj5のステップに進む。
【0156】
また、JG電子マネー額と端数額との合計額が税込単位額となる105円以上でない場合には、Sj3’からSj4’のステップに進み、Sj1’のステップにて算出したJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と端数額との合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額であって、第3税込使用額である1050円を上限とする最大の金額、例えば、JG電子マネー額が40円であり、A社電子マネー額が350円であって、端数額が55円である場合であれば、これらの合計額である445円範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる420円を特定し、該特定した420円から端数額である55円を差し引いた365円を電子マネー使用額として特定した後、Sj5のステップに進む。
【0157】
そして、Sj5のステップにおいては、Sj4’、Sj8’、Sj9’のステップにて特定した電子マネー使用額と、当該カードユニット3の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0158】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる電子マネー使用額が、電子マネー額から減算更新された後、S5のステップに進むことで、減算更新完了通知を送信されるとともに、前述のS6〜S11の処理が実施される。
【0159】
こようにして、S5のステップにおいて送信された減算更新完了通知の受信は、第3貸出処理のSj6において検知されてSj7のステップに進み、特定取引情報として送信した電子マネー使用額、つまり、Sj4’、Sj8’、Sj9’のステップにて特定した電子マネー使用額の算出元とした金額に相当するパチンコ玉数、すなわち、Sj8’の電子マネー使用額であれば税込み使用額である1050に相当するパチンコ玉数(250個)、Sj9’の電子マネー使用額であれば、該Sj9’にて特定した金額である735円に相当するパチンコ玉数(175個)、Sj4’の電子マネー使用額であれば、該Sj4’にて特定した金額である420円に相当するパチンコ玉数(100個)の払出指示を、対応するパチンコ機2に対して出力して該パチンコ玉数を払い出させる玉貸処理を実施した後、Sj10’のステップに進み、プリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額から端数額を減算更新するとともに、残額表示器に表示されている金額から端数額を減算更新し(Sj11)、当該カードユニット3の装置IDと、Sj7の玉貸処理に使用した税込金額と、使用した電子マネー額の会社IDと、新たな遊技用残額と、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には該プリペイドカードのカードIDとを含む貸出完了通知をシステムコントローラ110に対して送信して、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額を減算更新後の新たな遊技用残額に更新するとともに、当該カードユニット3にて使用された金額を更新した後、Sj13’のステップに進む。尚、所定時間内に減算更新完了通知の受信がない場合には、図示しないが、通信エラーの発生として認識して、当該エラーの発生を表示部312に表示して報知する。
【0160】
このSj13’のステップにおいては、受付け中のプリペイドカードが存在しており、該プリペイドカードの遊技用残額が「0」であるか否かを判定し、遊技用残額が「0」のプリペイドカードが存在する場合には、当該プリペイドカードを内部カードリーダライタ327の貯留部に回収した後(Sj14)、該第3貸出処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0161】
つまり、本実施例2の第3貸出処理においては、遊技用残額が残存するときに、電子マネー記録媒体となる携帯電話機5を受付けることに基づいて、所定の使用単位額である100円を対応するパチンコ機2における遊技に玉貸をして使用させ、遊技用残額を、使用単位額である100円と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である税込単位額である105円にて除算したときの端数額を該遊技用残額から減算更新するとともに、税込単位額である105円から該端数額を減算した電子マネー使用額(税込単位額である105円からの減算のみならず、これら税込単位額である105円の整数倍の第3税込使用額を構成する1つの税込単位額である105円から該端数額を減算した金額を含む)を前記電子マネー額から減算更新するための特定取引情報の送信を含む処理を実施しており、該第3貸出処理が本発明の請求項4における第3使用処理に該当し、該第3貸出処理を実施する制御ユニット328によって、本発明における第3使用処理手段が形成されている。
【0162】
以上のように、本実施例2のカードユニット3’においては、図19(a)に示すように、本発明の記録媒体となるRAM328bに、前述の入金処理にて1000円を入金するか、或いは遊技用残額が1000円のプリペイドカードを挿入した後、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該第1貸出処理に設定されている第1税込使用額である525円が玉貸に使用された後、さらに貸出ボタンを操作することで第1貸出処理が実施されて420円を玉貸に使用することによって、遊技用残額が1000円から55円となった後、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3’に受付けさせることで、前述の第3貸出処理が実施され、該携帯電話機5の受付け時点において遊技用残額として55円が存在することにより、該55円が端数額として特定され、該端数額(55円)とJG電子マネー額である5000円との合計額が該第3貸出処理に設定されている第3税込使用額である1050円以上であるので、該第3税込使用額である1050円から該端数額である55円を差し引いた995円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である5000円から減算されて、JG電子マネー額の残額が4005円に更新されるとともに、遊技用残額である55円が0に減算更新され、1050円に相当する250玉の貸出が実施されるようになるので、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。尚、JG電子マネー額の残額が4005円となった携帯電話機5を、再度電子マネー通信部332に近接させた場合には、前述の第2貸出処理が実施されることで、該第2貸出処理に設定されている第2税込使用額である1050円に相当する250玉の玉貸が実施されるとともに、4005円から1050円が減算された2955円にJG電子マネー額の残額が減算更新される。
【0163】
また、本実施例2のカードユニット3’においては、図19(b)に示すように、本発明の記録媒体となるRAM328bに、前述の入金処理にて1000円を入金するか、或いは遊技用残額が1000円のプリペイドカードを挿入した後、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該第1貸出処理に設定されている第1税込使用額である525円が玉貸に使用されて、遊技用残額が475円となった後、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3’に受付けさせることで、前述の第3貸出処理が実施され、該携帯電話機5の受付け時点において遊技用残額として475円が存在することにより、遊技用残額である475円を税込単位額である105円で除算したときの剰余である55円が端数額として特定され、該端数額(55円)とJG電子マネー額である5000円との合計額が該第3貸出処理に設定されている第3税込使用額である1050円以上であるので、該第3税込使用額である1050円から該端数額である55円を差し引いた995円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である5000円から減算されて、JG電子マネー額の残額が4005円に更新されるとともに、遊技用残額である475円から55円が減算されて420円に更新され、1050円に相当する250玉の貸出が実施されるようになるので、減算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である420円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。尚、JG電子マネー額の残額が4005円となった携帯電話機5を、再度電子マネー通信部332に近接させた場合には、前述の第2貸出処理が実施されることで、該第2貸出処理に設定されている第2税込使用額である1050円に相当する250玉の玉貸が実施されるとともに、4005円から1050円が減算された2955円にJG電子マネー額の残額が減算更新される。
【0164】
また、JG電子マネー額の残額が、少なくなった場合における処理状況としては、図19(c)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が475円となった状況において、JG電子マネー額として700円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3’に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である475円を税込単位額である105円で除算したときの剰余である55円が端数額として特定され、該端数額(55円)とJG電子マネー額である700円との合計額である755円が該第3貸出処理に設定されている第3税込使用額である1050円に満たないので、該合計額である755円の範囲内で、税込単位額である105円の整数倍で最大の金額となる735円が使用可能額として特定され、735円に相当する175玉の玉貸が実施されるとともに、該735円から端数額である55円を差し引いた680円が電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である700円から減算されて、JG電子マネー額の残額が20円に更新されるとともに、遊技用残額が475円から端数額である55円が減算されて420円に更新されることで、減算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である420円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0165】
また、JG電子マネー額の残額が、更に少なくなった場合における処理状況としては、図19(d)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が475円となった状況において、JG電子マネー額として40円が残存するとともに、A社電子マネー額として350円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3’に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である475円を税込単位額である105円で除算したときの剰余である55円が端数額として特定され、該端数額(55円)とJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計額である445円の範囲内で、税込単位額である105円の整数倍で最大の金額となる420円が使用可能額として特定され、該420円に相当する100玉の玉貸が実施されるともに、該420円から端数額である55円を差し引いた365円が電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である40円の全額が減算されて残額が0に更新されるとともに、365円からJG電子マネー額である40円を減じた不足額である325円が、A社電子マネー額の残額である350円から減算されて残額が25円に更新されるとともに、遊技用残額が475円から端数額である55円が減算されて420円に更新されることで、減算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である420円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0166】
また、JG電子マネー額並びにA社電子マネー額の残額が、更に少なくなった場合における処理状況としては、図19(e)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として30円が残存するとともに、A社電子マネー額として10円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3’に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、端数額として該遊技用残額である55円が特定され、該端数額である55円とJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計額である95円が税込単位額である105円に満たないので、端数額である55円がJG電子マネー額である30円に加算されて85円の残額に更新されるとともに、遊技用残額が0に減算更新されることで、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。尚、遊技用残額が475円となった状況において、JG電子マネー額として30円が残存するとともに、A社電子マネー額として10円が残存する携帯電話機5を電子マネー通信部332に近接させても、同様に端数額である55円がJG電子マネー額である30円に加算されて85円の残額に更新される。
【0167】
以上、本実施例2によれば、第3貸出処理(第3使用処理)を実施する第3使用処理手段となる制御ユニット328をカードユニット3’が備えることにより、税込単位額である105円未満の端数額となる遊技用残額が残存するプリペイドカード(記録媒体)が発生して該端数額が精算装置20にて精算されることを大幅に低減できるので、大量の小銭の準備や、小銭を精算装置20に補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性も向上できる。
【0168】
また、本実施例2によれば、JG電子マネー額並びにA社電子マネー額とその時点において残額表示器に表示されている遊技用残額の端数額との合計額が、税込単位額となる105円に満たない場合で、これら税込単位額未満の端数額を玉貸によって処理できない場合においても、該第3貸出処理として、本発明における遊技用残額精算処理に該当するSj15’〜Sj19のステップを有することにより、これら端数額がJG電子マネー額に加算更新されるとともに、遊技用残額から該端数額が減算更新されて、新たな遊技用残額が端数額を含まない金額とされるので、これら端数額を、小銭を払い出すことなく処理することができるので、小銭の準備や補充等の手間をさらに低減できるばかりか、遊技者の利便性もさらに向上できる。
【実施例3】
【0169】
次に、本発明の請求項6に対応する本実施例3に係る遊技用システムに用いたカードユニット3”に関して、図20〜図23を参照して説明する。本実施例3の特徴としては、前記実施例1においては、JG電子マネー額やA社電子マネー額を第2貸出処理や第3貸出処理において直接玉貸に使用しているのに対し、本実施例3のカードユニット3”においては、これらJG電子マネー額やA社電子マネー額を、一旦、遊技用残額に端数金額が生じないように入金し、該入金した遊技用残額を用いて玉貸を実施する点であり、これらの特徴となる処理以外の構成等は、前記実施例1のカードユニット3と同一であることから、同一である部分の説明は省略するものとし、前記実施例1からの変更点となる本実施例3の特徴部分となる処理内容について以下に説明する。
【0170】
図20は、本実施例3のカードユニット3”の制御ユニット328が実施する処理内容を示すフロー図であり、実施例1の場合と同様に起動処理の実施後においてSb2〜Sb7の処理を巡回実施することで、カード挿入口309へのカード挿入であるカード受付け、遊技者による貸出ボタンの操作、紙幣挿入口302または硬貨投入口303からの現金の投入による現金受付け、遊技者による返却ボタンの操作、並びに携帯電話機5の受付け、を検知する待機状態となる。
【0171】
そして、実施例1と同様に、プリペイドカードの受付けが検知された場合には図11のカード受付け処理が、貸出ボタンの操作が検知された場合には図12の第1貸出処理が、貨幣(現金)の受付け(投入)が検知された場合には図13の入金処理が、返却ボタンの操作が検知された場合には図14の返却・発行処理が実施される。
【0172】
つまり、本実施例3の第1使用処理においては、遊技用残額の少なくとも一部を、対応するパチンコ機2における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される使用金額である500円と該使用金額に対応する消費税額である25円との合計額である税込使用額となる525円を、遊技用残額から減算更新しており、本実施例3の第1使用処理が本発明の請求項6における使用処理に該当し、該第1使用処理を実施する制御ユニット328によって本発明の請求項6における使用処理手段が形成されている。
【0173】
また、前記したSb2〜Sb7の待機状態において、Sb6のポーリング送信に応じて、携帯電話機5のICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS2において送信される、各電子マネー会社の電子マネー額並びに会社IDを含む特定取引要求を外部カードリーダライタ330が受信した場合には、該受信した特定取引要求が外部カードリーダライタ330から制御ユニット328に出力されることで、制御ユニット328は、Sb7のステップにおいて特定取引要求の受信有りと判断してSb12のステップに進み、受信した特定取引要求に含まれる各電子マネー額(会社IDを含む)を一時記憶するとともに、Sb13のステップに進んで、受付け中のプリペイドカードまたはRAM328bに遊技用残額が存在するか否かを判定し、遊技用残額が存在しない場合にはSb16のステップに進んで、図21に示す第2入金処理を実施する一方、遊技用残額が存在する場合にはSb17のステップに進んで、図22に示す第3入金処理を実施する。
【0174】
まず、本実施例3の第2入金処理について、図21を用いて説明すると、まず、Sb12のステップにおいて一時記憶した各電子マネー会社の合計残額、つまり、本実施例の携帯電話機5であれば、メモリ104に記憶されているJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額が、税込単位額となる105円未満であるか否かを判定し(Sk1)、該税込単位額となる105円未満である場合には、Sk8のステップに進んで、受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して残額エラーを送信(返信)する。
【0175】
このようにして送信(返信)された残額エラーは、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS16において検知されてS15に進むことにより、制御部55に対してエラー情報(残額不足)を送信することで、JGアプリが自動起動されて表示部56に電子マネーの残額が不足している旨のメッセージが所定時間に亘り表示されるとともに、電子マネー額へのチャージを行う図示しないチャージ用画面が、表示部56に表示されることで、電子マネー額へのチャージを遊技者に促すようになっている。
【0176】
一方、合計残額が税込単位額となる105円未満でない場合には、Sk2のステップに進んで、該合計残額が第2入金処理の第2入金金額として設定されている1000円と該第2入金金額に相当する消費税額である50円(税率5%)との合計額である第2税込入金額である1050円以上であるか否かを判定する。
【0177】
該判定において、合計残額が第2税込入金額である1050円以上である場合には、Sk3のステップに進み、該第2税込入金額である1050円と当該カードユニット3”の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0178】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる第2税込入金額である1050円が、電子マネー額から減算更新される。
【0179】
具体的には、JG電子マネーの記憶領域104bに記憶されている残金データから特定されるJG電子マネー額が優先使用され、該JG電子マネー額が第2税込入金額である1050円以上存在する場合には、該JG電子マネー額から第2税込入金額である1050円が減算されて、残金データが該減算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新される一方、JG電子マネー額が第2税込入金額である1050円以上存在しない場合には、該JG電子マネー額の全額が減算されて、残金データが「0」を示す残金データに更新されるとともに、第2税込使用額である1050円からJG電子マネー額を差し引いた不足金額が、A社の記憶領域104aに記憶されている残金データから特定されるA社電子マネー額から減算されて、残金データが該減算後の新たなA社電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0180】
そして、S5のステップに進むことで、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、減算更新完了通知を送信した後、前述のS6〜S11の処理を実施することで、JG電子マネーの記憶領域104bに一旦記憶した利用履歴データがメモリ部60に反映されて、JGアプリにより表示可能とされる。
【0181】
こようにして、S5のステップにおいて送信された減算更新完了通知の受信は、第2入金処理のSk4において検知されてSk5のステップに進み、特定取引情報として送信した第2税込入金額である1050円をRAM328bに記憶されている遊技用残額(0円を含む)に加算更新した後、該加算更新した第2税込入金額である1050円と当該カードユニット3”の装置IDと、使用した電子マネー額の会社IDとを含む第2入金通知をシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110において管理されている当該カードユニット3”にて入金された入金金額並びに電子マネー額からの入金金額とを更新してSk7のステップに進んで、残額表示器に表示されている表示金額を、RAM328bの加算更新後の新たな遊技用残額に更新表示して、該第2入金処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0182】
一方、Sk2の判定において、合計残額が税込入金額である1050円以上でない場合には、Sk7のステップに進み、合計残額の内、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、合計残額が700円であれば、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる6倍に該当する630円を特定し、該特定した金額である630円と当該カードユニット3の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する(Sk10)。
【0183】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる金額である630円が、電子マネー額から減算更新される。具体的には、JG電子マネー額の全額が減算されて、残金データが「0」を示す残金データに更新されるとともに、受信した特定取引情報に含まれる金額である630円からJG電子マネー額を差し引いた不足金額が、A社の記憶領域104aに記憶されている残金データから特定されるA社電子マネー額から減算されて、残金データが該減算後の新たなA社電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0184】
そして、S5のステップに進むことで、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、減算更新完了通知を送信した後、前述のS6〜S11の処理を実施する。
【0185】
このように、S5において送信された減算更新完了通知の受信は、第2入金処理のSk4において検知されてSk5のステップに進み、特定取引情報として送信した金額である630円をRAM328bに記憶されている遊技用残額(0円を含む)に加算更新した後、該加算更新した金額である630円と当該カードユニット3”の装置IDと、使用した電子マネー額の会社IDとを含む第2入金通知をシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110において管理されている当該カードユニット3”にて入金された入金金額並びに電子マネー額からの入金金額とを更新してSk7のステップに進んで、残額表示器に表示されている表示金額を、RAM328bの加算更新後の新たな遊技用残額に更新表示して、該第2入金処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0186】
次に、本実施例における第3入金処理においては、図22に示すように、Sb12のステップにおいて一時記憶した各電子マネー会社の合計残額、つまり、本実施例の携帯電話機5であれば、メモリ104に記憶されているJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額、つまり、受付け中のプリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額との合計額が、税込単位額となる105円未満であるか否かを判定し(Sm1)、該合計額が税込単位額となる105円未満である場合には、Sm10のステップに進んで、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額を含む返金処理要求を、受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0187】
本実施例3においては、Sm1において電子マネー残額(JG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額)と遊技用残額との合計額が税込単位額に満たないと判断されたときに、該遊技用残額を電子マネー残額(JG電子マネー額)に加算して返却するようにしているが、これに加えて、遊技用残額を税込単位額で除算した剰余である端数額と電子マネー残額(JG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額)との合計額が税込単位額以上か否かを判定し、該合計額が税込単位額未満の場合に、端数額を電子マネー残額(JG電子マネー額)に加算して返却するようにしても良い。例えば、遊技用残額が475円(税込単位額105円で除算すると端数額は55円となる)で、電子マネー残額が20円であるような場合には、端数額と電子マネー残額との合計額が75円となり税込単位額未満であるため、端数額である55円を電子マネー残額(JG電子マネー額)に加算するとともに、遊技用残額から端数額55円を減算する。この結果、電子マネー残額は75円となり、遊技用残額は、端数額を含まない420円となる。
【0188】
このようにして送信(返信)された返金処理要求は、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS12において検知されてS13に進むことにより、JG電子マネーの記憶領域104bの残額データにより特定されるJG電子マネー額に、受信した返金処理要求に含まれる金額(残額表示器に表示されている遊技用残額)が加算されて、残金データが該加算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0189】
そして、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、S14のステップに進んで加算更新完了通知を送信した後、S15に進むことにより、制御部55に対してエラー情報(残額不足)を送信することで、JGアプリが自動起動されて表示部56に電子マネーの残額が不足している旨のメッセージが所定時間に亘り表示されるとともに、電子マネー額へのチャージを行う図示しないチャージ用画面が、表示部56に表示されることで、電子マネー額へのチャージを遊技者に促すようになっている。
【0190】
そして、S14のステップにおいて送信された加算更新完了通知の受信が、第3入金処理のSm11のステップにおいて検知されることに基づいて、Sm12のステップに進み、プリペイドカードに残存している遊技用残額またはRAM328bに残存している遊技用残額を0に減算更新するとともに、残額表示器に表示されている金額を0に減算更新し(Sj13)、当該カードユニット3”の装置IDと、返金した金額と、返金対象としたJG電子マネー額の会社IDと、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には該プリペイドカードのカードIDとを含む返金完了通知をシステムコントローラ110に対して送信して(Sm14)、システムコントローラ110にてカードIDに対応付けて記憶されている遊技用残額を更新するとともに、当該カードユニット3にて返金された金額を更新した後、Sm16のステップに進む。尚、所定時間内に加算更新完了通知の受信がない場合には、図示しないが、通信エラーの発生として認識して、当該エラーの発生を表示部312に表示して報知する。
【0191】
このSm16のステップにおいては、受付け中のプリペイドカードが存在するか否かを判定し、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には、当該プリペイドカードを内部カードリーダライタ327の貯留部に回収した後(Sm17)、該第3入金処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。
【0192】
一方、合計額が税込単位額となる105円未満でない場合、すなわち、合計額が税込単位額となる105円以上である場合には、Sm2のステップに進んで、一時記憶したJG電子マネー額と、その時点において残額表示器に表示されている遊技用残額(プリペイドカードまたはRAM328bに残存している遊技用残額)との合計額が、該第3入金処理の第3入金金額として設定されている1000円と該第3入金金額に相当する消費税額である50円(税率5%)との合計である第3税込入金額となる1050円以上であるか否かを判定する。
【0193】
該判定において、合計額が第3税込入金額である1050円以上である場合には、Sm8のステップに進み、該第3税込入金額である1050円から遊技用残額(プリペイドカードまたはRAM328bに残存している遊技用残額)を減算して電子マネー使用額を特定した後、Sm5のステップに進む。
【0194】
また、Sm2の判定においてJG電子マネー額と、その時点における遊技用残額との合計額が第3税込入金額である1050円以上でない場合には、Sm3のステップに進み、該合計額が税込単位額となる105円以上であるか否かを判定し、該合計額が税込単位額となる105円以上である場合には、Sm9のステップに進んで、該合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額、例えば、JG電子マネー額が700円で、遊技用残額が55円であって、合計額が755円であれば、735円を最大の金額として特定し、該特定した735円から遊技用残額である55円を差し引いた680円を電子マネー使用額として特定した後、Sm5のステップに進む。
【0195】
また、JG電子マネー額と、その時点における遊技用残額との合計額が税込単位額となる105円以上でない場合には、Sm3からSm4のステップに進み、Sm1のステップにて算出したJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と遊技用残額との合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額であって、第3税込入金額である1050円を上限とする最大の金額、例えば、JG電子マネー額が40円であり、A社電子マネー額が350円であって、遊技用残額が55円である場合であれば、これらの合計額である445円範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額となる420円を特定し、該特定した420円から遊技用残額である55円を差し引いた365円を電子マネー使用額として特定した後、Sm5のステップに進む。
【0196】
そして、Sm5のステップにおいては、Sm4、Sm8、Sm9のステップにて特定した電子マネー使用額と、当該カードユニット3”の装置IDとを含む特定取引情報を受付け中の携帯電話機5の非接触ICチップ100に対して送信(返信)する。
【0197】
このようにして送信(返信)された特定取引情報は、非接触ICチップ100が実施する図9に示す電子マネー使用処理のS3において検知されてS4に進むことにより、該受信した特定取引情報に含まれる電子マネー使用額が、電子マネー額から減算更新される。
【0198】
具体的には、Sm8並びにSm9にて特定された電子マネー使用額の場合には、JG電子マネーの記憶領域104bに記憶されている残金データから特定されるJG電子マネー額から電子マネー使用額が減算されて、残金データが該減算後の新たなJG電子マネー額を特定可能な残金データに更新され、Sm4にて特定された電子マネー使用額の場合には、JG電子マネー額の全額が減算されて、残金データが「0」を示す残金データに更新されるとともに、電子マネー使用額から該JG電子マネー額を差し引いた不足金額が、A社の記憶領域104aに記憶されている残金データから特定されるA社電子マネー額から減算されて、残金データが該減算後の新たなA社電子マネー額を特定可能な残金データに更新される。
【0199】
そして、S5のステップに進むことで、非接触ICチップ100(ディジタル制御部103)は、減算更新完了通知を送信した後、前述のS6〜S11の処理を実施する。
【0200】
こようにして、S5のステップにおいて送信された減算更新完了通知の受信は、第3入金処理のSm6において検知されてSm7のステップに進むことで、前述した図13に示す入金処理におけるSg2〜Sg7から成る遊技用残額更新処理を実施した後、該第3入金処理を終了してSb2〜Sb7の待機状態に戻る。尚、所定時間内に減算更新完了通知の受信がない場合には、図示しないが、通信エラーの発生として認識して、当該エラーの発生を表示部312に表示して報知する。
【0201】
具体的に該Sg2〜Sg7から成る遊技用残額更新処理において、受付け中のプリペイドカードが存在しない場合には、特定取引情報として送信した電子マネー使用額、つまり、Sm4、Sm8、Sm9のステップにて特定した電子マネー使用額を、RAM328bに記憶されている遊技用残額(0円を含む)に加算更新した後、該加算更新した入金金額と当該カードユニット3”の装置IDと、使用した電子マネー額の会社IDとを含む第3入金通知をシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110において管理されている当該カードユニット3”にて入金された入金金額並びに電子マネー額からの入金金額を更新し、残額表示器に表示されている遊技用残額を、RAM328bに記憶されている加算更新後の新たな遊技用残額に更新表示する一方、受付け中のプリペイドカードが存在する場合には、特定取引情報として送信した電子マネー使用額、つまり、Sm4、Sm8、Sm9のステップにて特定した電子マネー使用額を、受付け中のプリペイドカードに記憶されている遊技用残額データから特定される遊技用残額に加算して、該遊技用残額データを加算後の新たな遊技用残額を特定可能な遊技用残額データに更新した後、該入金金額と当該カードユニット3”の装置IDと、使用した電子マネー額の会社IDと、受付け中のプリペイドカードのカードIDとを含む第3カード入金通知をシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110において管理されている当該プリペイドカードの遊技用残額を更新するとともに、該システムコントローラ110において管理されている当該カードユニット3”にて入金された入金金額並びに電子マネー額からの入金金額を更新し、残額表示器に表示されている遊技用残額を、受付け中のプリペイドカードに記憶されている加算更新後の新たな遊技用残額に更新表示する。
【0202】
つまり、本実施例3の第3入金処理においては、遊技用残額が残存するときに、電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体となる携帯電話機5を受付けることに基づいて、所定の使用単位額である100円と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である税込単位額となる105円を整数倍した税込入金額である1050円から遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、該特定した電子マネー使用額を前記遊技用残額に加算更新するとともに、該電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための特定取引情報の送信を含む処理を実施しており、該第3入金処理が本発明の請求項6における電子マネー入金処理に該当し、該第3入金処理を実施する制御ユニット328によって、本発明における電子マネー入金処理手段が形成されている。
【0203】
以上のように、本実施例3のカードユニット3”においては、図23(a)に示すように、本発明の記録媒体となるRAM328bに、前述の入金処理にて1000円を入金するか、或いは遊技用残額が1000円のプリペイドカードを挿入した後、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該第1貸出処理に設定されている第1税込使用額である525円が玉貸に使用された後、さらに貸出ボタンを操作することで第1貸出処理が実施されて420円を玉貸に使用することによって、遊技用残額が1000円から55円となった後、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3”に受付けさせることで、前述の第3入金処理が実施され、該携帯電話機5の受付け時点において遊技用残額として55円が存在することにより、該第3入金処理に設定されている第3税込入金額である1050円から該遊技用残額である55円を差し引いた995円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である5000円から減算されて、JG電子マネー額の残額が4005円に更新されるとともに、遊技用残額である55円に電子マネー使用額である995円が加算されて、遊技用残額が1050に更新されるようになるので、加算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である1050円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0204】
また、本実施例3のカードユニット3”においては、図23(b)に示すように、本発明の記録媒体となるRAM328bに、前述の入金処理にて1000円を入金するか、或いは遊技用残額が1000円のプリペイドカードを挿入した後、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該第1貸出処理に設定されている第1税込使用額である525円が玉貸に使用されて、遊技用残額が475円となった後、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3”に受付けさせることで、前述の第3入金処理が実施され、該携帯電話機5の受付け時点において遊技用残額として475円が存在することにより、該第3入金処理に設定されている第3税込入金額である1050円から該遊技用残額である475円を差し引いた575円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である5000円から減算されて、JG電子マネー額の残額が4425円に更新されるとともに、遊技用残額である475円に電子マネー使用額である575円が加算されて遊技用残額が1050に更新されるようになるので、加算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である1050円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0205】
また、JG電子マネー額の残額が、少なくなった場合における処理状況としては、図23(c)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として700円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3”に受付けさせて前述の第3入金処理を実施させた場合には、遊技用残額である55円とJG電子マネー額の残額である700円との合計額である755円の範囲内で、税込単位額である105円の整数倍で最大の金額となる735円が使用可能額として特定され、該特定された735円から遊技用残額である55円を差し引いた680円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である700円から減算されて、JG電子マネー額の残額が20円に更新されるとともに、遊技用残額である55円に電子マネー使用額である680円が加算されて、遊技用残額が735に更新されるようになるので、加算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である735円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0206】
つまり、本実施例3の第3入金処理において電子マネー入金処理手段となる制御ユニット328は、JG電子マネー額と遊技用残額との合計額が、第3税込入金額である1050円に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、所定の使用単位額である100円と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である税込単位額となる105円の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定する。
【0207】
また、JG電子マネー額の残額が、更に少なくなった場合における処理状況としては、図23(d)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として40円が残存するとともに、A社電子マネー額として350円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3”に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である55円とJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計額である445円の範囲内で、税込単位額である105円の整数倍で最大の金額となる420円が使用可能額として特定され、該特定された420円から遊技用残額である55円を差し引いた365円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である40円の全額が減算されて残額が0に更新されるとともに、365円からJG電子マネー額である40円を減じた不足額である325円が、A社電子マネー額の残額である350円から減算されて残額が25円に更新されるとともに、遊技用残額である55円に電子マネー使用額である365円が加算されて、遊技用残額が420に更新されるようになるので、加算更新後の新たな遊技用残額が端数額を含まないので、遊技者が貸出ボタンを操作して前述の第1貸出処理を実施させることで、該減算更新後の新たな遊技用残額である420円の全額が玉貸に使用されるので、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0208】
また、JG電子マネー額並びにA社電子マネー額の残額が、更に少なくなった場合における処理状況としては、図23(e)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として30円が残存するとともに、A社電子マネー額として10円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて該携帯電話機5をカードユニット3”に受付けさせて前述の第3貸出処理を実施させた場合には、遊技用残額である55円とJG電子マネー額とA社電子マネー額との合計額である95円が税込単位額である105円に満たないので、遊技用残額である55円がJG電子マネー額である30円に加算されて85円の残額に更新されるとともに、遊技用残額が0に減算更新されることで、遊技用残額である55円を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0209】
つまり、本実施例3の第3入金処理のSm10〜Sm16において制御ユニット328は、JG電子マネー額とA社電子マネー額との合計残額と遊技用残額との合計額が、所定の使用単位額である100円と該使用単位額に対応する消費税額である5円との合計額である税込単位額となる105円に満たないときには、該遊技用残額をJG電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新しており、該Sm10〜Sm16によって本発明の請求項8における遊技用残額精算処理が形成されている。
【0210】
以上、本実施例3によれば、電子マネー入金処理となる第3入金処理を実施する電子マネー入金処理手段となる制御ユニット328をカードユニット3”が備えることにより、税込単位額である105円未満の端数となる遊技用残額が残存するプリペイドカード(記録媒体)が発生して該端数となる遊技用残額が精算装置20にて精算されることを大幅に低減できるので、大量の小銭の準備や、小銭を精算装置20に補充する等の遊技場側の労力を軽減できるとともに、これら小銭を取り扱う煩わしさを軽減することで遊技者の利便性も向上できる。
【0211】
また、本実施例3によれば、JG電子マネー額が少なくなって、該JG電子マネー額とその時点において残額表示器に表示されている遊技用残額との合計額が、本発明の税込入金額となる第3税込入金額である1050円に満たない場合においても、第3入金処理としてSm9のステップを有することにより、合計額の範囲内で、税込単位額となる105円の整数倍の金額で最大の金額に基づく電子マネー使用額が特定されるようになるので、電子マネー額が少なくなったときにおいても、該少なくなった電子マネー額を第3入金処理に使用できるので、小銭の準備や補充等の手間をより一層低減できるばかりか、遊技者の利便性もより一層向上できる。
【0212】
また、本実施例3によれば、JG電子マネー額並びにA社電子マネー額とその時点において残額表示器に表示されている遊技用残額との合計額が、税込単位額となる105円に満たない場合で、これら税込単位額未満の端数となる遊技用残額を入金によって処理できない場合においても、該第3入金処理として、本発明における遊技用残額精算処理に該当するSm10〜Sm16のステップを有することにより、これら端数となる遊技用残額が、JG電子マネー額に加算更新されるとともに遊技用残額が0に減算更新されるので、これら端数となる遊技用残額を、小銭を払い出すことなく処理することができるので、小銭の準備や補充等の手間をさらに低減できるばかりか、遊技者の利便性もさらに向上できる。
【0213】
尚、本実施例3においては、第3税込入金額を、第1使用処理における第1使用金額である525円とは異なる、税込単位額となる105円の10倍となる1050円としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図24に示すように、これら第3税込入金額を第1使用金額である525円と同一金額としても良い。
【0214】
このように、第3税込入金額を第1使用金額である525円と同一金額とした場合においては、図24(a)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が55円となった状況において、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を前述の電子マネー通信部332に近接させて前述の第3入金処理を実施させた場合には、第3税込入金額となる525円から該遊技用残額である55円を差し引いた470円が、電子マネー使用額として特定されて、55円に該470円が加算されて、遊技用残額が第1使用金額と同額となる525円に更新されることで、該525円の全額が第1使用処理によって使用されるともに、図24(b)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が475円となった状況において、JG電子マネー額として5000円が残存する携帯電話機5を前述の電子マネー通信部332に近接させて前述の第3入金処理を実施させた場合には、第3税込入金額となる525円から該遊技用残額である475円を差し引いた50円が、電子マネー使用額として特定されて、475円に該50円が加算されて、遊技用残額が第1使用金額と同額となる525円に更新されることで、該525円の全額が第1使用処理によって使用されるともに、図24(c)に示すように、第1使用処理によって遊技用残額が475円となった状況において、JG電子マネー額として40円が残存するとともに、A社電子マネー額として350円が残存する携帯電話機5を、前述の電子マネー通信部332に近接させて前述の第3入金処理を実施させた場合には、第3税込入金額となる525円から該遊技用残額である475円を差し引いた50円が、電子マネー使用額として特定されて、受付け中の携帯電話機5のJG電子マネー額である40円の全額が減算されて残額が0に更新されるとともに、電子マネー使用額である50円からJG電子マネー額である40円を減じた不足額である10円が、A社電子マネー額の残額である350円から減算されて残額が340円に更新されるとともに、遊技用残額である475円に該50円が加算されて、遊技用残額が第1使用金額と同額となる525円に更新されることで、該525円の全額が第1使用処理によって使用されることにより、遊技用残額として端数額が残ることがなく、よって、これら端数額を小銭にて遊技者に払い出すことなく処理できるようになる。
【0215】
また、遊技用残額を税込単位額で除算した剰余である端数額を特定し、該特定した端数額を税込単位額から減算した額を電子マネー額から入金するようにしても良い。例えば、遊技用残額が475円であれば、55円が端数額として特定されるので、50円を電子マネー残額から減算更新し、該50円を遊技用残額に加算して遊技用残額を525円に更新する。また、遊技用残額が1475円であれば5円が端数額として特定されるので、100円を電子マネー残額から減算更新し、該100円を遊技用残額に加算して遊技用残額を1575円に更新する。つまり、かかる場合には、525円および1575円のそれぞれが、税込単位額を整数倍した税込入金額となり、税込入金額は遊技用残額により変動することとなる。
【0216】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0217】
例えば、前記実施例では、電子マネー記録媒体として非接触によるデータ通信機能を有する非接触ICチップ100を備えた携帯電話機5を用いていることから、第3貸出処理(第3入金処理)の実行操作を遊技者より個別に受付けることなく、遊技用残額が残存する状況下における該携帯電話機5の近接による受付けにより、第3使用処理の実行操作を受付けたものとして第3使用処理を自動的に実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら電子マネー記録媒体として、前述の非接触ICチップ100が搭載されたICカードを使用して、該ICカードをプリペイドカードと同様に挿入等によりカードユニット3、3’、3”に予め受付けておき、該ICカードを受付けていて遊技用残額が残存する状況下において、遊技者から貸出ボタンの操作を受付けた場合において、第3使用処理となる前述の第3貸出処理(実施例1、2)や、第3入金処理(実施例3)、並びに第2貸出処理や(実施例1、2)や、第2入金処理(実施例3)を実施するようにしても良い。
【0218】
また、非接触ICチップ100を備えた携帯電話機5であっても、例えば、電子マネー通信部332の形状が、携帯電話機5を載置可能な形状や、携帯電話機5を固定可能な装着部を有する形状とされていることで、携帯電話機5を継続受付け可能な場合には、遊技者から貸出ボタンの操作を受付けた場合において、第3使用処理となる前述の第3貸出処理(実施例1、2)や、第3入金処理(実施例3)、並びに第2貸出処理や(実施例1、2)や、第2入金処理(実施例3)を実施するようにしても良い。
【0219】
また、前記各実施例では、遊技用残額を特定可能な情報として遊技用残額自体を示す遊技用残額データを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述の各実施例に示すように、システムコントローラ110にて各プリペイドカードのカードIDに対応付けて、当該プリペイドカードに残存する遊技用残額を記憶、管理している場合においては、プリペイドカードに遊技用残額データが記憶されていなくても、カードユニット3、3’、3”は、カードIDをシステムコントローラ110に送信して、該システムコントローラ110にて記憶、管理されている遊技用残額を取得することで、受付けたプリペイドカードの遊技用残額を特定できるので、これらプリペイドカードに記憶されたカードIDも本発明における遊技用残額を特定可能な情報に該当する。
【0220】
尚、前記各実施例では、プリペイドカードにこれら遊技用残額を特定可能な情報となる遊技用残額データとカードIDの双方を記憶するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのいずれか一方のみを記憶するようにしても良い。
【0221】
また、前記各実施例では、非接触ICチップ100を携帯電話機5に内蔵する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話機5に着脱可能とされたこれら非接触ICチップ100を有する非接触ICカードを、携帯電話機5に装着したものとしても良い。
【0222】
また、前記各実施例では、遊技用装置であるカードユニット3と携帯電話機5との通信を、非接触ICチップ100が有する無線による非接触の近距離通信機能にて実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定取引装置との通信を、赤外線通信や、通信データをシンボル化した2次元バーコードを特定取引装置の表示部や携帯電話機5の表示部56に表示してデータの授受を実施するようにしても良い。
【0223】
また、前記各実施例では、JGアプリをインターネット網を介してダウンロードするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらJGアプリを遊技用装置であるカードユニット3から配信するようにしても良いし、或いは、携帯電話機5に装着可能なメモリカード等の記憶媒体にてJGアプリを提供するようにしても良い。
【0224】
また、前記各実施例では、電子マネー通信部332を各電子マネーサービス提供会社にて共用するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら電子マネー通信部を各電子マネーサービス提供会社毎に複数設けて、携帯電話機5を近接させる電子マネー通信部により、第2、第3貸出処理や、第2、第3入金処理に優先使用する電子マネーサービス提供会社を選択できるようにしても良い。
【0225】
また、前記各実施例のカードユニット3、3’、3”においては、記録媒体となるプリペイドカードを外部から受付けるとともに、遊技者が取り出し不能とされたRAM328bの双方を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのいずれか一方のみを使用するようにしても良い。
【0226】
また、前記各実施例では、携帯電話機5に記憶されている全ての電子マネーが、カードユニット3の第2、第3貸出処理や、第2、第3入金処理に使用可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら使用可能な電子マネーを、携帯電話機5に記憶されている複数の電子マネーの内の一部(例えばJG電子マネーの1社のみ)としても良い。
【0227】
また、前記各実施例では、電子マネー記録媒体を携帯電話機5としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら電子マネー記録媒体を、非接触ICチップ100を有するカード状やコイン形状の記録媒体としても良い。
【0228】
また、前記実施例1および実施例2においては、第1使用金額が500円とされ、第2使用金額および第3使用金額が1000円とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、全ての使用額が同一であっても良いし、すべてまたは一部が異なっていても良い。例えば、実施例2においては、第3使用金額は100円とされ、第3使用処理においては100円分(25玉)の玉貸処理が行われ、税込単位額105円から端数額を減算した金額が電子マネー使用額として電子マネー残額から減算されるようにしても良い。
【0229】
また、前記各実施例においては、入金処理が行われたときに入金額をRAM328bに記憶し、返却操作がなされたときに、入金残額、つまり、その時点においてRAM328bに残存する遊技用残額を特定可能な遊技用残額データを、貯留部にストックされているプリペイドカードに記憶して返却するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入金処理が行われたときに該入金額を貯留部にストックされているプリペイドカードに記憶しておき、該RAM328b並びに該プリペイドカードに記憶されている遊技用残額(遊技用残額データ)を玉貸処理に応じて減算(更新)するようにしても良い。
【0230】
また、前記各実施例においては、携帯電話機5にJG電子マネー額の提供会社であるカード管理会社を含む複数の電子マネー提供会社の電子マネー額が記憶されている場合に、JG電子マネー額を優先して使用するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者から各電子マネー提供会社の電子マネーについて優先順位の選択を受付けて携帯電話機5に記憶しておき、当該記憶された優先順位に従って、より優先順位の高い電子マネー提供会社の電子マネー額から順に使用するようにしても良い。
【0231】
また、前記各実施例においては、電子マネー額を特定可能な情報として、各電子マネー提供会社に割り当てられた記憶領域に記憶されている残額データを用いており、該残額データから直接的に携帯電話機5に残存する電子マネー額を特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら残額データを、例えば、非接触ICチップ100に固有に付与されているチップIDや携帯電話機の端末IDに対応付けて、当該電子マネー提供会社に設置されたサーバ、例えばJG電子マネー額の場合であればカード管理会社に設置されているサーバコンピュータ16や管理サーバ14にて記憶、管理しておき、携帯電話機5をカードユニット3に受付けた際に、該携帯電話機5からチップIDや端末IDを受信し、該受信したチップIDや端末IDを含む電子マネー額出力要求をシステムコントローラ110を通じてサーバコンピュータ16や管理サーバ14に送信して、該チップIDや端末IDに対応付けて記憶、管理されている残額データをこれらサーバから取得するようにしても良く、この場合には、これらチップIDや端末IDが電子マネー額を特定可能な情報となる。
【0232】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
本発明の請求項1は、
記録媒体(プリペイドカード、RAM328b)の記録情報(遊技用残額データ、カードID)から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機(パチンコ機2)における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第1使用金額(500円)と該第1使用金額に対応する消費税額(25円)との合計額である第1税込使用額(525円)を、前記遊技用残額から減算更新するための第1使用処理(第1貸出処理)を行う第1使用処理手段(制御ユニット328)と、
電子マネー額を特定可能な情報(残額データ)が記録された電子マネー記録媒体(携帯電話機5)を受付けて、該受付けた電子マネー記録媒体の記録情報から特定される電子マネー額の少なくとも一部を、対応する遊技機(パチンコ機2)における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第2使用金額(1000円)と該第2使用金額に対応する消費税額(50円)との合計額である第2税込使用額(1050円)を、前記電子マネー額から減算更新するための第2使用処理(第2貸出処理)を行う第2使用処理手段(制御ユニット328)と、
を備える遊技用装置(カードユニット3)であって、
前記遊技用残額が残存するときに、前記電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の使用操作を遊技者から受付けたことに基づいて、遊技に使用される第3使用金額(1000円)と該第3使用金額に対応する消費税額(50円)との合計額である第3税込使用額(1050円)から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、前記第3使用金額を対応する遊技機における遊技に使用させ、該遊技用残額を減算更新するとともに、前記電子マネー額から前記特定した電子マネー使用額を減算更新するための第3使用処理(第3貸出処理)を実施する第3使用処理手段(制御ユニット328)を備える。
【0233】
本発明の請求項2は、
前記第3使用処理手段(制御ユニット328)は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記第3税込使用額(1050円)に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、所定の使用単位額(100円)と該使用単位額に対応する消費税額(5円)との合計額である税込単位額(105円)の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定する。
【0234】
本発明の請求項3は、
前記第3使用処理手段(制御ユニット328)は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、所定の使用単位額(100円)と該使用単位額に対応する消費税額(5円)との合計額である税込単位額(105円)に満たないときには、該遊技用残額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新するための遊技用残額精算処理(Sj15〜Sj19)を実施する。
【0235】
本発明の請求項4は、
記録媒体(プリペイドカード、RAM328b)の記録情報(遊技用残額データ、カードID)から特定される遊技用残額のうち、所定の使用単位額(100円)を対応する遊技機(パチンコ機2)における遊技に使用させるとともに、前記使用単位額(100円)と該使用単位額に対応する消費税額(5円)との合計額である税込単位額(105円)を、前記遊技用残額から減算更新するための第1使用処理(第1貸出処理)を行う第1使用処理手段(制御ユニット328)と、
電子マネー額を特定可能な情報(残額データ)が記録された電子マネー記録媒体(携帯電話機5)を受付けて、該受付けた電子マネー記録媒体の記録情報から特定される電子マネー額のうち、前記使用単位額を対応する遊技機(パチンコ機2)における遊技に使用させるとともに、前記税込単位額を、前記電子マネー額から減算更新するための第2使用処理(第2貸出処理)を行う第2使用処理手段(制御ユニット328)と、
を備える遊技用装置(カードユニット3’)であって、
前記遊技用残額が残存するときに、前記電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の使用操作を遊技者から受付けたことに基づいて、前記使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させ、前記遊技用残額を前記税込単位額にて除算したときの端数額を該遊技用残額から減算更新するとともに、前記税込単位額から該端数額を減算した電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための第3使用処理(第3貸出処理)を実施する第3使用処理手段(制御ユニット328)を備える。
【0236】
本発明の請求項5は、
前記第3使用処理手段(制御ユニット328)は、前記電子マネー額と前記端数額との合計額が、前記税込単位額(105円)に満たないときには、該端数額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該端数額を前記遊技用残額から減算更新するための遊技用残額精算処理(Sj15’〜Sj19)を実施する。
【0237】
本発明の請求項6は、
記録媒体(プリペイドカード、RAM328b)の記録情報(遊技用残額データ、カードID)から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機(パチンコ機2)における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される使用金額(500円)と該使用金額に対応する消費税額(25円)との合計額である税込使用額(525円)を、前記遊技用残額から減算更新するための使用処理(第1貸出処理)を行う使用処理手段(制御ユニット328)と、
前記遊技用残額が残存するときに、電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の入金操作を遊技者から受付けたことに基づいて、所定の使用単位額(100円)と該使用単位額に対応する消費税額(5円)との合計額である税込単位額(105円)を整数倍した税込入金額(1050円または525円)から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、該特定した電子マネー使用額を前記遊技用残額に加算更新するとともに、該電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための電子マネー入金処理(第3入金処理)を実施する電子マネー入金処理手段(制御ユニット328)と、
を備える。
【0238】
本発明の請求項7は、
前記電子マネー入金処理手段(制御ユニット328)は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記税込入金額(1050円または525円)に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、前記税込単位額(105円)の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定する。
【0239】
本発明の請求項8は、
前記電子マネー入金処理手段(制御ユニット328)は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記税込単位額(105円)に満たないときには、該遊技用残額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新するための遊技用残額精算処理(Sm10〜Sm16)を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【図1】本発明の実施例1における遊技用システムの構成を示すシステムブロック図である。
【図2】本発明の実施例1における携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1における携帯電話機に使用された非接触ICチップにおけるメモリ領域の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1において用いたカードユニットとパチンコ機を示す正面図である。
【図5】本発明の実施例1において用いたカードユニットの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例1に用いた精算装置を示す外観斜視図である。
【図7】本発明の実施例1における精算装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例1において用いた携帯電話機におけるアプリケーションのダウンロードに関する処理状況を示す図である。
【図9】本発明の実施例の非接触ICチップ100における電子マネー使用処理の処理内容を示すフロー図である。
【図10】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおける処理内容を示すフロー図である。
【図11】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおけるカード受付け処理の処理内容を示すフロー図である。
【図12】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおける第1貸出処理の処理内容を示すフロー図である。
【図13】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおける返却・発行処理の処理内容を示すフロー図である。
【図14】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおける入金処理の処理内容を示すフロー図である。
【図15】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおける第2貸出処理の処理内容を示すフロー図である。
【図16】本発明の実施例1に用いたカードユニットにおける第3貸出処理の処理内容を示すフロー図である。
【図17】(a)〜(e)は、本発明の実施例1に用いたカードユニットにおけるカード(RAM)残額と電子マネー残額の推移状況を示す図である。
【図18】その他の態様の第3貸出処理の処理内容を示すフロー図である。
【図19】(a)〜(e)は、図18のその他の態様の第3貸出処理におけるカード(RAM)残額と電子マネー残額の推移状況を示す図である。
【図20】本発明の実施例2に用いたカードユニットにおける処理内容を示すフロー図である。
【図21】本発明の実施例2に用いたカードユニットにおける第2入金処理の処理内容を示すフロー図である。
【図22】本発明の実施例2に用いたカードユニットにおける第3入金処理の処理内容を示すフロー図である。
【図23】(a)〜(e)は、本発明の実施例2に用いたカードユニットにおけるカード(RAM)残額と電子マネー残額の推移状況を示す図である。
【図24】(a)〜(c)は、その他の態様の第3入金処理におけるカード(RAM)残額と電子マネー残額の推移状況を示す図である。
【符号の説明】
【0241】
3 カードユニット
5 携帯電話
14 サーバコンピュータ
15 サーバコンピュータ
16 サーバコンピュータ
20 精算装置
55 制御部
56 表示部
60 メモリ部
100 非接触ICチップ
104 メモリ
110 システムコントローラ
328 制御ユニット
330 外部カードリーダライタ
332 電子マネー通信部
515 カードリーダライタ
523 MPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の記録情報から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第1使用金額と該第1使用金額に対応する消費税額との合計額である第1税込使用額を、前記遊技用残額から減算更新するための第1使用処理を行う第1使用処理手段と、
電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けて、該受付けた電子マネー記録媒体の記録情報から特定される電子マネー額の少なくとも一部を、対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される第2使用金額と該第2使用金額に対応する消費税額との合計額である第2税込使用額を、前記電子マネー額から減算更新するための第2使用処理を行う第2使用処理手段と、
を備える遊技用装置であって、
前記遊技用残額が残存するときに、前記電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の使用操作を遊技者から受付けたことに基づいて、遊技に使用される第3使用金額と該第3使用金額に対応する消費税額との合計額である第3税込使用額から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、前記第3使用金額を対応する遊技機における遊技に使用させ、該遊技用残額を減算更新するとともに、前記電子マネー額から前記特定した電子マネー使用額を減算更新するための第3使用処理を実施する第3使用処理手段を備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記第3使用処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記第3税込使用額に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、所定の使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定することを特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記第3使用処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、所定の使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額に満たないときには、該遊技用残額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新するための遊技用残額精算処理を実施することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
記録媒体の記録情報から特定される遊技用残額のうち、所定の使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、前記使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額を、前記遊技用残額から減算更新するための第1使用処理を行う第1使用処理手段と、
電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けて、該受付けた電子マネー記録媒体の記録情報から特定される電子マネー額のうち、前記使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、前記税込単位額を、前記電子マネー額から減算更新するための第2使用処理を行う第2使用処理手段と、
を備える遊技用装置であって、
前記遊技用残額が残存するときに、前記電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の使用操作を遊技者から受付けたことに基づいて、前記使用単位額を対応する遊技機における遊技に使用させ、前記遊技用残額を前記税込単位額にて除算したときの端数額を該遊技用残額から減算更新するとともに、前記税込単位額から該端数額を減算した電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための第3使用処理を実施する第3使用処理手段を備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項5】
前記第3使用処理手段は、前記電子マネー額と前記端数額との合計額が、前記税込単位額に満たないときには、該端数額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該端数額を前記遊技用残額から減算更新するための遊技用残額精算処理を実施することを特徴とする請求項4に記載の遊技用装置。
【請求項6】
記録媒体の記録情報から特定される遊技用残額の少なくとも一部を、対応する遊技機における遊技に使用させるとともに、該遊技に使用される使用金額と該使用金額に対応する消費税額との合計額である税込使用額を、前記遊技用残額から減算更新するための使用処理を行う使用処理手段と、
前記遊技用残額が残存するときに、電子マネー額を特定可能な情報が記録された電子マネー記録媒体を受付けるか或いは前記電子マネー記録媒体を受付けている状態で所定の入金操作を遊技者から受付けたことに基づいて、所定の使用単位額と該使用単位額に対応する消費税額との合計額である税込単位額を整数倍した税込入金額から前記遊技用残額を減算した電子マネー使用額を特定し、該特定した電子マネー使用額を前記遊技用残額に加算更新するとともに、該電子マネー使用額を前記電子マネー額から減算更新するための電子マネー入金処理を実施する電子マネー入金処理手段と、
を備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項7】
前記電子マネー入金処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記税込入金額に満たないときには、当該合計額の範囲内において最大となる、前記税込単位額の整数倍の金額に基づき前記電子マネー使用額を特定することを特徴とする請求項6に記載の遊技用装置。
【請求項8】
前記電子マネー入金処理手段は、前記電子マネー額と前記遊技用残額との合計額が、前記税込単位額に満たないときには、該遊技用残額を該電子マネー額に加算更新するとともに、該遊技用残額を減算更新するための遊技用残額精算処理を実施することを特徴とする請求項6または7に記載の遊技用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−185312(P2007−185312A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5199(P2006−5199)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】