説明

遊技装置

【課題】筐体内部の熱の影響等によって画像表示部に投影される画像にずれが生じても、適切な操作処理が実行可能な遊技装置を提供する。
【解決手段】遊技装置は、画像表示部3に、遊技用の画像及び遊技の進行に伴って遊技者が操作する操作画像を表示するプロジェクタ12と、プロジェクタ12が投影する画像データを制御する制御ユニット15と、画像表示部3の上方で操作される対象物に向けて赤外線を照射する発光装置21と、発光装置21から照射された赤外線の対象物からの反射光を受光して対象物の位置を特定する受光装置22と、画像表示部3で表示される表示画像を撮影可能なCCDカメラ31とを有する。そして、制御ユニット15において、予め記憶されている画像データの画像表示部に対する基準映像と、前記撮影手段によって撮影された同一の画像データに関する表示映像とを比較し、ずれが生じていた際、そのずれに応じて受光装置22で検出された対象物の検出位置を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示部と、前記画像表示部で実行される遊技画像など、遊技の進行に伴って各種画像を投影する投影装置とを備えた遊技装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、遊技場やカジノには様々な遊技装置が設置されており、その一つとして、例えば、特許文献1に開示された構成が知られている。この遊技装置は、テーブル型の筐体を備えており、水平状態に設置される画像表示部(ディスプレイ)に対して、筐体内部に設置されたプロジェクタによって、遊技画像、及び遊技に伴って必要な各種の画像(例えば、BET操作用の画像など)が投影されるようになっている。
【0003】
また、この筐体の内部には、遊技者が画像表示部に対して実行する各種の操作(BET操作など)を検出するように、画像表示部に向けて赤外光を照射する光源と、この光源から照射され画像表示部の上方で移動する遊技者の指からの反射光を受光するカメラとを備えた検出手段が設置されている。
【0004】
このように構成される遊技装置では、実際に投影する画像について予め特定されている所定位置(例えば、BET操作位置)と、実際に検出手段によって検出される操作位置との間で対比処理がなされ、遊技者が実際に所定位置に指を置くなどの操作をしたことが検出された際、その所定位置で特定される具体的な処理(BET受付処理など)を実行するように構成されている。これにより、遊技者は、画像表示部で実行される遊技に対し、画像表示部上で様々な操作をすることで、実際に遊技を実施することが可能となる。
【特許文献1】特開2005−317032号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したような遊技装置は、例えば24時間営業するカジノ等に設置される場合、長時間稼動することがある。このため、筐体内部に熱がこもり易く、これにより、プロジェクタを介して画像表示部に投影される画像にずれが生じる可能性がある。このように、予め特定されている所定位置と実際の表示画像との間にずれが生じると、例えば、画像表示部上に表示されているずれが生じたBET画像等に対して、遊技者が実際に指を動かしても、対比処理において本来の所定位置ではないと判別してしまい、反応しないケースが生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、筐体内部の熱の影響等によって画像表示部に投影される画像にずれが生じても、適切な操作処理が実行可能な遊技装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る遊技装置は、遊技用の画像、及び遊技の進行に伴って遊技者が操作する操作画像を表示する画像表示部を備えた筐体と、前記画像表示部の下方に設置され、画像表示部に対して前記遊技用の画像、及び操作画像を投影するプロジェクタと、前記プロジェクタが投影する画像データを制御する画像制御手段と、前記画像表示部の上方で操作される対象物に向けて赤外線を照射する発光装置と、前記発光装置から照射された赤外線の対象物からの反射光を受光して対象物の位置を特定する受光装置と、前記筐体に設置され、前記画像表示部で表示される表示画像を撮影可能な撮影手段と、前記画像制御手段において予め記憶されている画像データの画像表示部に対する基準映像と、前記撮影手段によって撮影された同一の画像データに関する表示映像とを比較し、ずれが生じていた際、そのずれに応じて前記受光装置で検出された対象物の検出位置を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
このような遊技装置によれば、筐体に設けられた画像表示部には、プロジェクタを介して、遊技画像及び操作画像が投影され、遊技者は、画像表示部で表示される操作画像を操作することで遊技に参加することが可能となる。前記操作画像には、例えばBET操作画像が含まれ、遊技者はこのBET操作画像に対して所定の位置を指示すると、その指示位置が動作検出手段によって検出され、遊技を進行することができる。そして、画像表示部で表示される画像は、撮影手段で撮影されており、その撮影された映像は、実際の基準映像との間で、ずれが生じているか否かが検出され、ずれが生じていた場合、前記受光装置で検出された対象物の検出位置が、そのずれに応じて補正される。すなわち、遊技者が、ずれが生じている部分を操作しても、受光装置側において適切な位置で操作したように補正するため、投影画像にずれが生じていても操作位置は適切な状態に維持されるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、筐体内部の熱の影響等によって画像表示部に投影される画像にずれが生じても、そのずれを補正して適切な操作処理が実行可能な遊技装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本実施形態に係る遊技装置の一構成例について、具体的に説明する。
図1は、遊技装置の全体構成を示す斜視図、図2は、遊技装置の内部構成を示す概略図、図3は、撮影手段の配置位置を示す図、そして、図4は、画像表示部において実施される遊技例を示す図である。
【0011】
本実施形態における遊技装置1は、テーブル型の筐体2の上面(テーブル2A)に画像表示部3を設置し、その周囲に6人のプレイヤが遊技できるように、6つのステーション5が設置された構成となっている。各ステーションには、椅子5Aが設置されており、各ステーション5に着座したプレイヤは、画像表示部3の中央で実施される各種の遊技、例えば、カードゲーム、ルーレットゲーム、ダイスゲームなどに参加できるようになっている。この際、プレイヤは、メダル、硬貨、紙幣、プリペイドカード等、遊技価値を有する遊技媒体を利用することで、画面中央で実施される遊技に参加し、遊技終了時に払出を受けることが可能となっている。
【0012】
遊技は、後述するように、筐体2の内部に設置された制御ユニット、及び制御ユニットによって制御される画像投影手段等によって進行され、この制御ユニットは、遊技の進行に加え、各ステーションのプレイヤのBET操作の受付、及び遊技の結果によりプレイヤが入賞を獲得した場合、そのプレイヤに対して、BET内容に応じて遊技価値の払い出し処理などを行う。
【0013】
前記ステーション5は、プレイヤが遊技に参加してBET操作が行える構成であれば良く、少なくとも、遊技を実施する際に遊技媒体を投入する遊技媒体受付装置7と、プレイヤにより所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部8とを備えている。なお、コントロール部8は、図に示すように、筐体2のテーブル部分に設置されているが、コントロールボタンを操作することにより発生する機能は、画像表示部3で表示される操作画像で実現される構成であっても良いし、逆に、画像表示部での操作の一部を、コントロールボタンによって行うようにしても良い。
【0014】
本実施形態では、図4に示すように、画像表示部3の画像内において、カードゲームの一種であるバカラゲームが実施されるようになっている。すなわち、画像表示部3の中央領域において、「BANKER」「PLAYER」のカードが表示される遊技領域3Aが設けられており、また、画像表示部3の周辺領域において、各ステーション5に対応して、遊技領域3Aで実行される遊技に対してBET操作が行える操作領域3Bが設けられている。
【0015】
前記操作領域3Bは、各ステーション5の一部の構成要素となっており、その操作領域3Bには、ステーション毎にBET操作画面や、ヘルプ情報画面等が表示されるようになっている。図4では、全てのステーション5において、BET操作画面が表示された状態となっており、このBET操作画面は、各ステーションにおけるプレイヤが「BANKER」「PLAYER」「引き分け」に賭けるBET領域3aと、チップの表示が成されるチップ表示領域3bと、BETを確定する確定操作領域3cと、残余のクレジット情報を表示するクレジット情報表示領域3dとを備えた構成となっている。
【0016】
この場合、プレイヤは、チップ表示領域3bに表示されている「1」「5」「10」「100」の内、チップしようとする額を指で押さえ、そのままBET領域3aの「BANKER」「PLAYER」「引き分け」の表示領域にシフトさせるか、或いは、シフトさせることなく、そのまま指でBET領域3aの「BANKER」「PLAYER」「引き分け」のいずれかを押さえること等により、BET操作を行うことが可能となっている。そして、BET操作後、確定操作領域3cを指で押圧操作することにより、そのBET操作が確定する。なお、このようなプレイヤのBET操作については、後述する、筐体2の内部に設置されたセンサユニット20によって、具体的な指示位置が特定される。
そして、1つの遊技が終了した後、制御ユニットは、配当テーブルに基づいて、BETしたチップの枚数に応じたクレジットが、プレイヤの現在所有するクレジットに加算され、クレジット情報表示領域3dに表示される。
【0017】
前記遊技媒体受付装置7は、メダル、硬貨、紙幣、プリペイドカード等、遊技価値を有する遊技媒体を投入するよう構成されており、各ステーション5に設置されている。プレイヤは、投入された遊技媒体の範囲内で遊技を実行することができ、その投入額が、前記クレジット情報表示領域3dに表示される。
【0018】
前記コントロール部8は、各ステーション5に設置されており、遊技の進行に伴ってプレイヤが押圧操作するボタンを備えている。このボタンは、例えば、遊技終了時に押圧操作される払い戻し(CASHOUT)ボタン8a、ヘルプ(HELP)ボタン8bを備えている。
【0019】
前記払い戻しボタン8aは、通常、遊技終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン8aが押下されると、遊技等によって獲得した現在プレイヤが所有するクレジットに応じた遊技媒体が筐体2の側面に設置された払出口10から払い戻される。なお、カードを用いた遊技媒体の投入、及び払出の場合、遊技媒体受付装置7の内部に設置されたリーダライタによって価値情報が書き換えられ、そのまま排出される。
【0020】
前記ヘルプボタン8bは、遊技の操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8bが押下されると、その直後に操作領域3B上に、ルールや各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0021】
前記画像表示部3は、透過性を有する部材(透過性スクリーン)によって構成されており、背面から照射される光、具体的には、筐体2の内部に設置されるプロジェクタ12から投影される遊技画像(図4に示すようなカード画像)や、操作画像(図4に示すようなBET画像など)を表示させるようになっている。この場合、遊技動作や、各ステーションにおけるプレイヤの操作を制御する制御ユニット15から送信される各種の画像(動画像、及び静止画像)は、画像表示部3とプロジェクタ12との間に設置される結像手段13によって拡大され、画像表示部3に結像される。
【0022】
前記結像手段13は、プロジェクタ12から投影される画像を、画像表示部3に結像させるものであれば良く、本実施形態では、拡大レンズ13Aによって構成されている。この拡大レンズ13Aは、プロジェクタ12の内部に一体的に組み込まれていても良いし、画像表示部3とプロジェクタ12との間に設置されたものであっても良い。
【0023】
前記制御ユニット15は、前記画像表示部3に表示される遊技用の画像データ、及びBET操作用の画像データを制御する画像制御手段としての機能、及び、画像表示部3に表示する各種の画像と共に遊技の進行を制御する遊技制御手段としての機能を備えている。この制御ユニットは、筐体2の内部に予め設置されている専用のユニットとして構成されていても良いし、遊技手順に関するデータや各種画像データを格納しているパーソナルコンピュータ(PC)のようなユニットを筐体2の内部に組み込んだ構成であっても良い。また、この制御ユニット15は、インターネットやLAN等の通信網を介して、外部装置、例えば、遊技場に設置されたホストコンピュータや、他の遊技装置等との間で各種の情報の送受信を行う構成であっても良い。
【0024】
また、前記筐体2の内部には、各ステーションに着座したプレイヤがカードゲームを進行する上で操作される動作(本実施形態では、プレイヤの手の指で指示される位置)を具体的に検出するセンサユニット20が設置されている。
【0025】
このセンサユニット20は、動作検出手段としての機能を備えており、画像表示部3に向けて走査光を射出する発光装置21と、発光装置21を中心として、対角線上に4箇所設置される受光装置(受光カメラ)22とを有し、発光装置21からは、周囲の可視光からの影響を受けないように、赤外線を射出するよう構成されている。そして、画像表示部3の表面上でプレイヤが操作した対象物からの反射光は、受光装置22によって検知され、プレイヤの指の操作に伴う光量変化を検知し、その検知信号を処理することで、各プレイヤの具体的な操作位置を特定できるようになっている。
【0026】
なお、前記受光装置22を複数台(4台)設置することで、複数のプレイヤが同時に操作しても、その多点操作位置は、各受光装置において検知される対象物(指)の角度情報に基づいて、正確な位置を特定することが可能となっている。すなわち、4つの受光装置22から対象物の角度情報を算出することができるため、所定のアルゴリズムにより、各受光装置からの角度情報を組み合わせることで、多点操作された操作位置を正確に特定することが可能となる。
【0027】
前記各受光装置22は、対象物からの反射光の受光量が変化した位置を角度情報としてとらえ、それぞれの受光装置で得られる角度情報から、対象物の具体的な位置を特定できるようになっている。この際、それぞれの受光装置で得られる角度情報については、後述する撮影手段30によって画像表示部3の表示画像を撮影した際、その表示内容にずれが生じていれば、そのずれの量に応じて、対象物の実際の検出位置を補正するようにしている。すなわち、画像表示部3に結像される各種の画像の位置にずれが生じており、プレイヤがずれた位置に対して操作をしても、その操作位置は、適切な位置で操作が実施されたような補正処理が実施される(補正処理の具体的な手順については後述する)。
【0028】
また、前記筐体2には、画像表示部3で表示される画像を撮影する撮影手段30が設置されている。この撮影手段30は、例えば、CCDカメラによって構成されており、ここで撮影された画像データ(表示映像)は電気信号に変換され、画像表示部における表示位置に関し、基準となる映像(基準映像)と対比処理することで、そのずれを検出することが可能となっている。
【0029】
本実施形態では、筐体2のテーブル2Aの各コーナに、垂直な支持部材2aを固定すると共に、支持部材2aの上端にテーブル2Aと略平行な装飾用の天板2bを設けておき、この天板2b内にフレーム2cを設置して、撮影手段を構成するCCDカメラ31を配設している。具体的には、天板2b内に設置されるフレーム2cは、図3に示すように、対角線上に横架されており、画像表示部3の中央付近に対応する位置の上方にCCDカメラ31を設置して、画像表示部3の表示内容を正確に撮影できるように構成されている。
【0030】
前記CCDカメラ31は、画像表示部3の表示内容を定期的に撮影しており、撮影した表示映像については、後述するように、実際の画像表示部3において表示させる画像データと比較することで、現在表示されている状態との間で画像のずれを検出することが可能となっている。なお、CCDカメラ31の構成、設置態様、及び撮影間隔等については、画像表示部3の設置状態、そこで実行される遊技の内容、遊技装置の稼動状態等によって適宜変形することが可能である。
【0031】
さらに、前記筐体2には、上記した撮影手段以外にも、例えば、音楽、効果音等を流すスピーカや、各種ランプ等が設置されていても良い。
【0032】
次に、上記のように構成される遊技装置1の制御系について、図5から図7のブロック図を参照して説明する。
【0033】
図5は、上記した撮影手段30で撮影した映像を処理する画像処理系の概略構成を示したブロック図である。
上記したように、撮影手段30は、画像表示部3を撮影可能なCCDカメラ(撮像素子)31を備えており、このCCDカメラ31からの撮像信号は、画像処理回路(画像処理手段)40によって処理される。
【0034】
画像処理回路40は、CCDカメラ31からの撮像信号を受信して、被写体を特定する被写体特定部41、被写体特定部41で特定された被写体の画素毎の撮影画像を輝度情報に変換する輝度算出部42、輝度算出部42によって算出された輝度情報を基に画像表示部3で表示される各種画像の情報(遊技画像の内容、BET画像の内容、及びその位置情報など)を処理する遊技画像処理部45、動作プログラムや不要な背景画像をマスクするためのマスクデータ等を格納したROM46、動作中のプログラムや処理された画像データを一時的に格納する等の機能を有するRAM47、及びこれらを制御するCPU48を備えており、これらのユニットはバスを介して接続され、各ユニットは、制御CPU48によって制御される構造となっている。
【0035】
なお、CCDカメラ31で撮影された撮像信号に関し、画像表示部3の表示内容以外の不要な背景については、前記ROM46に格納されているマスクデータを重畳することで削除し、画像表示部3の表示画像のみを取得することも可能である。そして、このようにして得られる処理画像に関するデータ(現実に撮影した画像表示部3の表示映像)は、RAM47に格納され、インターフェース49を介して、以下のカードゲームを実施する遊技制御手段15Aにおけるメイン制御用のCPU51に対して送信される。
【0036】
メイン制御用のCPU51に対して送信された表示映像に関する画像データは、実際に画像表示部3で表示させる画像データ(基準映像)と対比することで、現在表示されている遊技画像や操作画像のずれを検出することが可能となる。
【0037】
図6は、カードゲームを実施する制御ユニット15における遊技制御手段15Aの構成を示すブロック図である。
【0038】
遊技制御手段15Aは、メイン制御用のCPU51、ROM52、RAM53、及びこれらの間で相互にデータ転送を行うバス54を核として構成されるマイクロコンピュータ55を有している。そして、前記CPU51は、I/Oインターフェース57を介して、画像表示部3の表示内容を撮影した画像を処理する前記画像処理回路40、画像表示部3で表示される各種の画像を制御する画像制御駆動回路60、各ステーション5に着座しているプレイヤの指(対象物)の操作位置を検知するセンサユニット20からの検知信号を受信し、各プレイヤの操作位置を具体的に特定する操作位置検出回路61等に接続されている。
【0039】
前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU51は、I/Oインターフェース57及び通信インターフェース63を介して、各ステーション5との間で、BET情報、配当情報等、各種のデータの送受信を行い、各ステーション5を主導的に制御して遊技を進行させる機能を有する。具体的には、各ステーション5で成されるBET操作情報を、前記操作位置検出回路61によって特定してそのBET情報を受け付け、遊技の結果と、各ステーション5で成されたBET情報に基づいて、BETされたチップの入賞判定処理を行い、各ステーション5において払い出されるクレジット数を、配当テーブルを参照して計算する。
【0040】
また、前記遊技制御手段15AにおけるROM52は、例えば、半導体メモリ等により構成されており、バカラゲームを進行する上で基本的な機能を実現させるためのプログラム、遊技の進行に伴い、画像表示部3で表示される各種の画像内容を制御する表示動作プログラム、各ステーション5を主導的に制御するためのプログラム、遊技媒体の受付や払出に関するプログラム、バカラゲームを実行する上で参照される配当テーブル等が格納されている。
【0041】
前記RAM53は、CPU51で演算処理された各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであり、例えば、各ステーション5のコントロール部や操作画面による遊技者の操作情報(BET操作位置、BET量等)、操作位置検出回路61によって特定されるステーション毎の操作位置情報、画像処理回路40において処理されたCCDカメラ31による撮影データ、及びCPU51により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0042】
そして、前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU51は、ROM52及びRAM53に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の駆動装置、及び画像表示部3における表示画像の制御など、遊技の進行に伴う制御処理を実行する。
【0043】
前記画像制御駆動回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどを備えて構成されている。前記プログラムROMには、画像表示部3の表示に関する画像制御用プログラム等が格納されており、画像ROMには、例えば、画像表示部3で表示される画像を形成するための各種画像データ(ドットデータ)が格納されている。
【0044】
また、画像制御CPUは、前記CPU51において設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に記憶されているドットデータの中から画像表示部3(プロジェクタ12)に表示する画像の決定を行う。このため、図4に示すような遊技画像(カード画像)や、操作画像(BET画像)の具体的な表示位置、及びゲームの進行に伴ってそれらの画像を表示させるタイミング等については、前記CPU51によって制御される。
【0045】
また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成され、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、プロジェクタ12を介して画像表示部3に投影する。
【0046】
また、前記CPU51は、所定時間毎に、前記画像制御駆動回路60を介して画像表示部3で表示させる各種画像の表示位置情報(基準映像)と、前記画像処理回路40から得られる画像表示部3を撮影した表示映像とを対比し、そのずれを識別する機能を備えている。
【0047】
前記操作位置検出回路61は、所定の演算処理等を実行するCPU等を備え、画像表示部3の表面に存在する対象物(プレイヤによって指示される指)の位置を具体的に特定する機能を備えている。具体的には、筐体2の内部に設置されたセンサユニット20の4つの受光装置22からの検知信号を受信し、画像表示部3上で、実際にプレイヤが操作した部分(プレイヤの手の指によって指示した具体的な位置)の角度情報を導き出し、画像表示部3上で指示されたプレイヤの手の位置を具体的に特定する機能を有する。
【0048】
また、前記操作位置検出回路61のCPUは、上記したように、前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU51において、画像表示部3で表示される各種画像にずれが生じていることが識別された際、4つの受光装置22による対象物の検出位置を補正する機能を備えている。すなわち、操作位置検出回路61では、上述したように、実際にプレイヤが操作した位置を具体的に特定する機能を備えているが、画像表示部3に表示される画像にずれが生じていると、プレイヤは、そのずれが生じた画像に対して操作をすることから、CPU51において、予め特定されている位置情報との間で整合性がとれなくなる可能性がある。
【0049】
このため、操作位置検出回路61のCPUでは、画像のずれの情報を取得した際、4つの受光装置によって検出した対象物(プレイヤの手)の具体的な特定位置を、画像にずれが生じていない正規な位置に補正するようにしている(この補正処理工程については後述する)。
【0050】
次に、上記したCPU51に接続されたステーション5の制御系に係る構成について説明する。
【0051】
図7は、本実施形態に係るステーション5の制御系を模式的に示すブロック図である。ステーション5は、そのステーションにおける動作を制御するプレイヤ用制御部70、及び上述した周辺装置機器(遊技媒体受付装置7、コントロール部8、及び払い出し処理装置9等)を備えている。
【0052】
前記プレイヤ用制御部70は、ステーション制御用のCPU71、ROM72、及びRAM73を備えており、通信インターフェース65を介して、上述した前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU51との間でデータの送受信を行う。
【0053】
前記ROM72は、例えば、半導体メモリ等により構成されており、ステーション5において基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他ステーションでの制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。
【0054】
前記RAM73は、前記CPU71で演算された各種データ、プレイヤが現在所有するクレジット数、プレイヤによるチップのBET状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0055】
また、CPU71には、コントロール部8(図1参照)に設けられた払い戻しボタン8a、ヘルプボタン8bがそれぞれ接続されており、CPU71は、各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。そして、プレイヤの操作による入力信号は、メイン制御用のCPU51に送信される。
【0056】
また、CPU71には、払い出し処理装置9が接続されており、CPU71からの払出し指令信号により、メダル等の遊技媒体を払出口10から払い出すことが可能となっている。更に、CPU71には、上述した貨幣やメダル等の遊技媒体を投入する遊技媒体受付装置7が接続されている。遊技媒体受付装置7から送信される遊技価値情報(クレジット情報)は、RAM73に記憶される。
【0057】
上述したように、メイン制御用のCPU51は、図4に示すような遊技画像(カード画像)や、操作画像(BET画像)の具体的な表示位置、及びゲームの進行に伴って画像を表示させるタイミング等を制御しており、センサユニット20によって検出された操作位置が、予め特定されている表示位置と一致した場合に、実際のBET操作があったものとしてBET受付け処理を実行する。すなわち、CPU51は、各ステーションにおけるBET領域3aで表示しているBET操作位置を予め特定しており、センサユニット20で検出した位置と、予め特定している位置が一致した際に、BET操作を受け付ける処理をしている。
【0058】
ところが、遊技装置1を長時間駆動していると、筐体2の内部に熱がこもってしまい、この熱の影響によって、画像表示装置3の表示画像がずれる可能性がある。これは、例えば、プロジェクタ12の映像を拡大する結像手段が熱の影響によって変位したり、或いはそれ以外の要因によっても生じる可能性がある。
【0059】
このように、画像表示装置3での表示画像がずれると、プレイヤの操作、例えば、BET操作をする際に、誤った受付け処理を実行したり、或いは、受付け処理を実施しない可能性が生じる。これは、図8に示すように、実際にCPU51側で認識している表示画像の位置(点線で示す位置)が、例えば、実線で示すように右側にずれてしまうと、これを操作するプレイヤPに混乱を招く可能性がある。すなわち、プレイヤPは、現在、画像表示部内で表示されているBET画像を見ながら操作を行うため、実線のようにずれが生じている「BANKER;(B´で示す)」を押圧して賭けると、センサユニット20でその操作位置を特定した際、CPU51側で反応しなかったり(本来の位置である「BANKER」と「PLAYER」の間を操作したと認識する)、或いは、誤って「PLAYER」に賭けたと認識してしまう可能性がある。
【0060】
本発明では、CPU51によって特定している画像表示部の表示画像の位置、及び、画像処理回路40からの画像表示部の映像情報に基づいて、画像表示部3の表示画像にずれが生じていたことが識別された際、そのずれに応じて、センサユニット22で検出されるプレイヤの操作位置が、本来の適切な位置で操作されたものとなるように補正を行い、この補正した位置情報をCPU51側に送信するようにしている。
【0061】
すなわち、操作位置検出回路61のCPUは、4つの受光装置によって検出する対象物(プレイヤの手)の特定位置を補正する補正手段としての機能を備えている。
【0062】
以下、操作位置検出回路61のCPUで実行される特定位置の補正の処理手順について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
まず、CPU51では、予め特定されている画像表示部3の表示画像の位置、及び、画像処理回路40からの画像表示部の映像情報に基づいて、画像表示部3の表示画像にずれが生じているか否かを識別している。この識別処理は、例えば、遊技装置1が稼動を開始してから、ある一定の時間が経過した後、所定の時間毎に割り込みして実行される。この場合、ずれの識別は、全体の画像同士を対比して行っても良いし、特徴のある部分のみを抽出し、その部分のずれの量を検出することで行っても良い。
【0064】
そして、操作位置検出回路61のCPUは、このずれ情報を受信すると(ST01、Yes)、4つの受光装置22から得られる対象物の角度情報について補正処理を行う。この場合、角度情報の補正量については、表示画像のずれ量に応じて決定され、このような補正を行うことで、プレイヤが実際に操作した位置とは異なる位置(本来ずれが生じていない画像の適切な位置であり、図8における点線で示す領域)で操作したものとして検出がなされる。このように角度情報を補正して、対象物の具体的な位置の特定処理が実施(ST03)された後、その特定した位置情報は、CPU51側に送信される(ST04)。なお、上記のST01の処理において、ずれ情報を受信しなければ、そのまま処理を終了する。
【0065】
上述したように、CPU51では、センサユニット20によって検出された操作位置が予め特定されている表示位置と一致した場合に、実際のBET操作があったものとしてBET受付け処理を実行するようにしている。このため、プレイヤが、ずれが生じている画像上の誤った位置を操作しても、その位置は、本来の適切な位置で操作したものとして補正されることから、CPU51では、各ステーションにおけるBET領域3aの適切な表示位置で操作したものとして、そのBET操作を受け付ける。
【0066】
以上のような遊技装置によれば、画像表示部3の上方に設置されたCCDカメラ31が画像表示部3の表示画像を撮影しており、撮影された映像と、実際の表示映像とを対比してずれを識別し、ずれが生じていた場合、センサユニット20の受光装置22で検出された対象物の検出位置が、そのずれに応じて補正される。これにより、投影画像にずれが生じて、プレイヤがずれの生じている部分を操作しても、受光装置22側において適切な位置で操作したように補正がなされるため、プレイヤに対して適切な操作処理を実行させることが可能となる。
【0067】
以上、本発明に係る遊技装置を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
【0068】
上記した実施形態では、画像にずれが生じていた際、4つの受光装置22から得られる対象物の角度情報について、プログラム上、補正処理を行うようにしていたが、それ以外にも、実際に、各受光装置22を駆動して、対象物からの受光角度を変化させるように構成しても良い。すなわち、各受光装置22を支持機構によって移動可能に支持しておくと共に、支持機構を駆動する駆動手段を設置しておき、ずれ情報が取得された際に、CPU51からの制御信号によって駆動手段を駆動し、各受光装置22における対象物からの受光角度を適切な角度となるように補正しても良い。
【0069】
このような構成においても、各受光装置22では、プレイヤが、ずれが生じている部分を操作しても、適切な位置で操作したように補正がなされることから、プレイヤに対して適切な操作処理を実行させることができる。
【0070】
また、画像表示部3を撮影するCCDカメラ31は、画像表示部3で表示される画像を撮影するよう構成されていたが、それ以外にも、各ステーションに着座したプレイヤの情報(プレイヤの存在の有無情報、操作情報、認識情報等)を取得するようにしても良い。
【0071】
また、遊技装置の構成や操作位置を特定する対象物については、適宜変形することが可能である。例えば、上記した実施形態では、画像表示部3において、ディーラーと対戦するカードゲーム(バカラゲーム)を実施するようにしていたが、プレイヤ同士で対戦する遊技(例えば、ポーカーや麻雀など)を実施するようにしても良い。また、このように、プレイヤ同士で対戦する遊技では、画像表示部3上の各プレイヤの操作領域(手持ちのカード表示領域等)に、プリズムや偏光フィルター等を設置しておき、プレイヤ同士で操作領域を視認できないように構成しても良い。
【0072】
また、上記した実施形態では、センサユニット20でプレイヤの手の位置を検出するよう構成していたが、プレイヤの手に限らず、プレイヤが所持する操作物の位置を検出する構成であっても良い。また、遊技が実施されるステーション5の構成や操作機器についても、実施される遊技に応じて適宜変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】遊技装置の一実施形態を示す図であり、全体構成を示す斜視図。
【図2】遊技装置の内部構成を示す概略図。
【図3】撮影手段の配置位置を示す図。
【図4】画像表示部において実施される遊技例を示す図。
【図5】撮影手段で撮影した映像を処理する画像処理系の概略構成を示したブロック図。
【図6】カードゲームを実施する制御ユニットにおける遊技制御手段の構成を示すブロック図。
【図7】各ステーションにおける制御系を示すブロック図。
【図8】表示画像にずれが生じていた際のプレイヤの誤操作を説明する図。
【図9】画像表示部における画像の補正処理を実施する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0074】
1 遊技装置
2 筐体
3 画像表示部
3A 遊技領域
3B 操作領域
5 ステーション
12 プロジェクタ
13A 拡大レンズ
15 制御ユニット
20 センサユニット
21 発光装置
22 受光装置
30 撮影手段
31 CCDカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用の画像、及び遊技の進行に伴って遊技者が操作する操作画像を表示する画像表示部を備えた筐体と、
前記画像表示部の下方に設置され、画像表示部に対して前記遊技用の画像、及び操作画像を投影するプロジェクタと、
前記プロジェクタが投影する画像データを制御する画像制御手段と、
前記画像表示部の上方で操作される対象物に向けて赤外線を照射する発光装置と、
前記発光装置から照射された赤外線の対象物からの反射光を受光して対象物の位置を特定する受光装置と、
前記筐体に設置され、前記画像表示部で表示される表示画像を撮影可能な撮影手段と、
前記画像制御手段において予め記憶されている画像データの画像表示部に対する基準映像と、前記撮影手段によって撮影された同一の画像データに関する表示映像とを比較し、ずれが生じていた際、そのずれに応じて前記受光装置で検出された対象物の検出位置を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする遊技装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−254594(P2009−254594A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107259(P2008−107259)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】