運動装置
【課題】下半身の筋肉とともに上半身の筋肉も鍛えることが可能な運動装置を提供する。
【解決手段】この揺動型運動装置1は、使用者を載せた状態で揺動する座席2aと、この座席2aを支持する脚部50と、座席2a上の使用者が手で握り可能な位置に設けられたグリップ部30とを備えている。グリップ部30は、使用者によって把持される把持部31と、この把持部31を座席2aに連結する連結部33とを含んでいる。そして、連結部33は、弾性体により構成されるとともに、把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて揺動するように、当該揺動方向と略直交方向に延設されている。
【解決手段】この揺動型運動装置1は、使用者を載せた状態で揺動する座席2aと、この座席2aを支持する脚部50と、座席2a上の使用者が手で握り可能な位置に設けられたグリップ部30とを備えている。グリップ部30は、使用者によって把持される把持部31と、この把持部31を座席2aに連結する連結部33とを含んでいる。そして、連結部33は、弾性体により構成されるとともに、把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて揺動するように、当該揺動方向と略直交方向に延設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者を載せた可動部を揺動させることにより、使用者に乗馬や歩行等を模した運動負荷を付与するように構成された揺動型運動装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
このような運動装置は、例えば、使用者が跨るための鞍状の座席を備えており、この座席が前後左右に揺動することで座席上の使用者にバランスを保たせるように仕向け、これによって使用者の主に下半身の筋肉を鍛えるようになっている。
【0004】
なお、座席の前部に、使用者が握るためのグリップを固定的に設けて、座席上の使用者のバランスが大きく崩れるのを未然に防ぐようにしたものがある。
【特許文献1】特開2004−216072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記運動装置において、使用者の上半身の筋肉も合わせて鍛えたいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記のような要望に応えるためになされたものであり、下半身の筋肉とともに上半身の筋肉も鍛えることが可能な運動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、使用者を載せた状態で所定方向に揺動する可動部と、この可動部を支持する支持部と、前記可動部上の使用者が手で握り可能な位置に設けられたグリップ部とを備えた運動装置において、前記グリップ部は、使用者によって把持される把持部と、この把持部を前記可動部または前記支持部に連結する連結部とを含み、前記連結部は、弾性体により構成されるとともに、前記把持部が前記可動部の揺動方向に合わせて揺動するように、当該可動部の揺動方向と略直交方向に延設されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の運動装置において、前記弾性体がゴム材であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の運動装置において、前記弾性体がコイルスプリングであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動装置において、前記連結部が、弾性率の異なる複数の弾性体により構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の運動装置において、前記連結部は、弾性率の異なる2つの弾性体を、前記可動部上の使用者から見て前後、左右および上下のいずれかに並べて配置してなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の運動装置のおいて、前記可動部は、使用者が跨ることが可能な鞍状に形成され、当該使用者が跨った状態で前後左右方向に揺動する座席であり、前記連結部は、前記座席の前端部に接続されるとともに、前記把持部が前記座席に跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるように上方に向けて延設されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の運動装置において、前記グリップ部は、前記可動部上の使用者から見て略V字状となるように、左右に振り分けて設けられた一対の連結部および把持部を有することを特徴とするものである。
【0014】
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の運動装置において、前記グリップ部は、支点部を介して前記可動部に取り付けられ、前記把持部が下方に位置するように前記支点部を中心に回転可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の運動装置において、前記連結部に、当該連結部に係る力を検出する検出部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、把持部を可動部または支持部に連結するための連結部を、弾性体で構成し、かつ把持部が可動部の揺動方向に合わせて揺動するように、当該可動部の揺動方向と略直交方向に延設したので、可動部が所定方向に揺動したときに、把持部が可動部とは異なる位相で揺動する。これにより、使用者の腕に把持部から力が加わるので、使用者が把持部からの力に抗しながら可動部上でバランスを保つために、腕等の上半身の筋肉を積極的に使うようになる。その結果、使用者の上半身を下半身とともに鍛えることができる。
【0017】
また、使用者が可動部に載って把持部を把持した状態で当該可動部が揺動すれば、使用者は把持部に寄り掛かりながら可動部上でバランスを保つことになる。ここで、連結部が弾性体により構成されているので、使用者が把持部に寄り掛かることで連結部が容易に撓み変形し、可動部に対する把持部の相対位置が容易に変化する。これにより、連結部が例えば剛体により構成されている場合と比べると、使用者が可動部上でバランスを保つために上半身の筋肉をより頻繁に使うことになるので、上半身を効率良く鍛えることができる。
【0018】
また、連結部を弾性体で構成するだけで、把持部の動きを可動部の動きと異ならせることができるので、安価に上記効果を得ることができる。
【0019】
請求項2および請求項3の発明によれば、当該装置をより安価な構成とすることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、連結部を弾性率の異なる複数の弾性体で構成したので、連結部を単一の弾性体で構成する場合と比べて、把持部の動きを多様化させやすい。これにより、使用者が可動部上で使う筋肉を細かく選択することができるので、鍛えたい筋肉を的確に鍛えることができ、使用者の個々のニーズに十分に応えることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、連結部が単一の弾性体により構成される場合の把持部の揺動軌道に比べて、当該軌道を前後、左右または上下に容易にずらすことができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、座席の前端部からグリップ部が立ち上がる構成であるので、平面的に省スペースとすることができる。また、把持部が座席に跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるので、使用者が自然な体勢で把持部を把持することができる。これにより、無理なく上半身を鍛えることができる。また、前後左右に揺動する座席にグリップ部を直接設けることによって、把持部がより大きく複雑に揺動することになるので、さらに効率良く上半身を鍛えることができるようになる。
【0023】
請求項7の発明によれば、使用者が一対の把持部を自然な体勢で握ることができるようになる。
【0024】
請求項8の発明によれば、把持部を下方に位置させるように支点部を中心にグリップ部を回転させることで、グリップ部をコンパクトに収容することができるようになる。
【0025】
請求項9の発明によれば、連結部に係った力を検出部で検出して、使用者にフィードバックすることが可能になる。また、検出部による検出回数から連結部に力が係った回数をカウントすることで、使用者に運動の結果を具体的な数値として伝えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による揺動型運動装置の全体構成を示した側面図である。また、図2〜図4は、揺動型運動装置の駆動装置を示した図であり、図5は、揺動型運動装置のグリップ部周辺を拡大して示した正面図である。なお、本実施形態では、使用者に乗馬を模した運動負荷を付与するように構成された揺動型運動装置1を例に挙げて説明する。
【0028】
揺動型運動装置1は、図1に示すように、馬の背や鞍を模した形状で使用者が跨るように着座する座席(可動部)2aを有する運動装置本体2と、この運動装置本体2内に設けられ、運動装置本体2を揺動させる駆動装置3と、運動装置本体2および駆動装置3を支える脚部(支持部)50とを備えている。なお、図中の151は使用者が操作可能な押圧式のスイッチ類である。
【0029】
図2〜図4において、座席2aを有する運動装置本体2が取り付けられる台座4は、連結リンク5a,5bを介して可動架台6に前後に揺動可能に支持され、可動架台6は、水平なベース8に左右に揺動可能に支持されているとともに、台座4と可動架台6との間には駆動部13が収納されている。
【0030】
連結リンク5a,5bのうち、5aは、台座4の左右両側に設けられた前リンクであり、5bは、台座4の左右両側に設けられた後リンクである。前リンク5aの上端部は、台座4の前端部に設けた上軸ピン4aに軸着され、前リンク5aの下端部は、可動架台6の側板16の前端部に設けた下軸ピン7aに軸着されている。また、後リンク5bの上端部は、台座4の後端部に設けた上軸ピン4bに軸着され、後リンク5bの下端部は、可動架台6の側板16の後端部に設けた下軸ピン7bに軸着されている。
【0031】
前後の各下軸ピン7a,7bは、連結リンク5a,5bを左右方向Yの軸線回りに回動可能に支持する左右軸を構成しており、これによって、台座4は、左右軸7a,7b回りに図2の矢印Mで示す前後方向に往復回転移動可能となっている。
【0032】
ベース8の両端部には、図2および図4に示すように、軸支板24が立設され、可動架台6の両端部には軸支板24と対向する連結板25がそれぞれ垂設され、軸支板24に対して連結板25がベース8と平行な前後軸9によって回動可能に連結されている。前後軸9は、ベース8の前後中央部の2箇所に配置されて可動架台6を前後軸9回りに回動可能に支持するものであり、これによって、台座4は、前後軸9回りに図4の矢印Nで示す左右方向に回転往復移動可能となっている。
【0033】
一方、駆動部13は、例えばDCブラシレスモータである単体のモータ10と、このモータ10の出力回転軸12の回転力を台座4の前後方向Xの往復直進移動、左右軸7a,7b回りの回転往復移動および前後軸9回りの回転往復移動にそれぞれ変換して、これら3動作を組合せて運動装置本体2を駆動可能とする2つの駆動部13a,13bを備えている。本例のモータ10は、ベース8上の可動架台6内に縦据え置きされ、出力回転軸12の突出方向は上向きとされる。
【0034】
第1駆動部13aは、前後方向Xの往復直進移動および左右軸7a,7b回りの回転往復移動用であり、第2駆動部13bは、前後軸9回りの回転往復移動用である。
【0035】
第1駆動部13aは、図2および図3で示すように、出力回転軸12にモータギア11および第1ギア14を介して連結される第1シャフト17と、第1シャフト17の端部に偏心して連結される偏心クランク19と、一端部が偏心クランク19に連結され、他端部が前リンク5aに設けた軸ピン5cに軸着されるアームリンク20とからなる。
【0036】
第1シャフト17の両端部は、可動架台6にそれぞれ回動可能に支持されており、偏心クランク19が第1シャフト17に対して偏心円運動を行うことによって、アームリンク20を介して前リンク5aの上部が前後方向Xに往復移動し、これにより連結リンク5a,5bに連結されている台座4、すなわち運動装置本体2が図1および図2の矢印Mで示す方向に揺動可能となっている。
【0037】
また、第2駆動部13bは、図3および図4で示すように、前記第1シャフト17の連動ギア22と第2ギア15を介して連結された第2シャフト18と、一端部が第2シャフト18の端部に偏心して連結され、他端部がベース8に回動可能に連結される偏心ロッド21とを備えて構成される。
【0038】
第2シャフト18の両端部は、可動架台6に回動可能に支持されている。偏心ロッド21は、可動架台6の左側あるいは右側のいずれか一方に配置され(図3および図4では右側)、偏心ロッド21の上端部21aが図4に示す軸ピン29により第2シャフト18の端部に対して偏心して連結され、偏心ロッド21の下端部21bは、ベース8に固定したL形連結金具27に対して軸ピン28により回動可能に連結されている。したがって、第2シャフト18の回転により、偏心ロッド21の上端部21aが偏心円運動を行うことによって、台座4、すなわち運動装置本体2が図4の矢印Nで示すように、前後軸9回りの回転往復移動可能となっている。
【0039】
また、揺動型運動装置1の座席2aには、図1および図5に示すように、グリップ部30が設けられている。このグリップ部30は、座席2aに着座した使用者が手で容易に握り可能なように、当該座席2aの前端部に設けられている。
【0040】
グリップ部30は、図5(a)に示すように、正面視で略V字状を呈しており、使用者の両手で各々把持される左右一対の筒状の把持部31と、座席2aに固定される取付け部32と、各把持部31および取付け部32を各々連結する左右一対の連結部33とにより構成されている。
【0041】
ここで、本実施形態では、連結部33は、ゴム材(弾性体)により構成されており、座席2aの揺動方向と略直交方向である上方(正確には、斜め上方)に延設されている。これにより、図6を参照して下記に詳述するように、座席2aが揺動したときに、把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて当該座席2aとは異なる位相で揺動するように構成されている。なお、図5(b)に示すように、コイルスプリング(弾性体)により構成される連結部33´であっても、把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて当該座席2aとは異なる位相で揺動するようになる。本実施形態では、このように、連結部33をゴム材やコイルスプリングで構成することにより、安価な構成とすることができる。
【0042】
また、連結部33は、把持部31が座席2aに着座した使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるように延びており、これによって座席2aに着座した使用者が自然な体勢で把持部31を把持することができるようになっている。
【0043】
次に、本実施形態の揺動型運動装置1の動作について説明する。
【0044】
まず、図6を参照して、駆動装置3により駆動される座席2aの軌道を説明する。駆動装置3の第1駆動部13aおよび第2駆動部13bは、座席2aを左右方向に1往復させる間に、前後方向に2往復させるように設定されている。これにより、座席2aは、平面視で横倒しの8の字の軌道a(図6(a)参照)で、かつ、側面視で前後に長径の楕円軌道c(図6(b)参照)で揺動し、乗馬を模した動作を再現している。なお、座席2aは、8の字の軌道aを1周する間に、楕円軌道cを2周するようになっている。
【0045】
次に、座席2aが上記軌道で揺動したときの把持部31の軌道を説明する。
【0046】
把持部31は、平面視で当該把持部31を中心とする前後に長径の楕円軌道b(図6(a)参照)で、かつ、側面視で当該把持部31を中心とする前後に長径の楕円軌道d(図6(b)参照)で揺動する。なお、座席2aが8の字の軌道aを1周する間に、把持部31が楕円軌道b,dを各々2周するようになっている。
【0047】
そして、本実施形態では、上記のようにグリップ部30の連結部33を構成したので、以下に示すような効果を奏するものである。
【0048】
本実施形態では、上記のように、把持部31を、取付け部32を介して座席2aに連結するための連結部33を、弾性体で構成し、かつ把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて揺動するように、当該座席2aの揺動方向と略直交方向に延設したので、座席2aが揺動したときに、把持部31が座席2aとは異なる位相で揺動する。これにより、使用者の腕に把持部31から力が加わるので、使用者が把持部31からの力に抗しながら座席2a上でバランスを保つために、腕等の上半身の筋肉を積極的に使うようになる。その結果、使用者の上半身を下半身とともに鍛えることができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、使用者が座席2aに載って把持部31を把持した状態で当該座席2aが揺動すれば、使用者は把持部31に寄り掛かりながら座席2a上でバランスを保つことになる。ここで、連結部33が弾性体により構成されているので、使用者が把持部31に寄り掛かることで連結部33が容易に撓み変形し、座席2aに対する把持部31の相対位置が容易に変化する。これにより、連結部33が例えば剛体により構成されている場合と比べると、使用者が座席2a上でバランスを保つために上半身の筋肉をより頻繁に使うことになるので、上半身を効率良く鍛えることができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、連結部33を弾性体で構成するだけで、把持部31の動きを座席2aの動きと異ならせることができるので、安価に上記効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、座席2aの前端部からグリップ部30が立ち上がる構成であるので、平面的に省スペースとすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、把持部31が座席2aに跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるので、使用者が自然な体勢で把持部31を把持することができる。これにより、無理なく上半身を鍛えることができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、前後左右に揺動する座席2aにグリップ部30を直接設けることによって、把持部31がより大きく複雑に揺動することになるので、さらに効率良く上半身を鍛えることができるようになる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、正面視で略V字状のグリップ部30を設けたので、使用者が一対の把持部31を自然な体勢で握ることができるようになる。
【0055】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0056】
例えば、図7に示すように、弾性率の異なる2つの弾性部材133a,133bを、座席2a上の使用者から見て左右方向(図7(a)では紙面と直交する方向)に並列状に並べて配置して構成される連結部133を有する変形例によるグリップ部130であってもよい。なお、図7(b)では、座席2aに着座した使用者から見て左側の連結部133を示している。これらの弾性部材133a,133bは、例えばゴム材(弾性体)により構成されるのが好ましいが、コイルスプリング等の弾性体で構成されていてもよい。以下の変形例における弾性部材の構成材料もこれと同様である。
【0057】
詳細には、座席2aに着座した使用者から見て左右方向の外側に弾性率の低い(軟らかい)弾性部材133aが配されるとともに、左右方向の内側に弾性部材133aよりも弾性率の高い(硬い)弾性部材133bが配されている。これにより、グリップ部130の各連結部133は、使用者から見て外側により撓み変形しやすくなっている。なお、弾性部材133a,133bは、対向面同士を互いに接着固定されていてもよいし、締結具等で互いに固定されていてもよい。また、2つの弾性部材の同時成形により連結部133が形成されていてもよい。
【0058】
次に、図7を参照して、上記構成の変形例によるグリップ部130の把持部131の軌道を詳細に説明する。ここでは、互いに弾性率の異なる2つの弾性部材133a,133bから構成される連結部133を有する変形例によるグリップ部130の把持部131の軌道を、単一の弾性体からなる連結部33を有する上記実施形態によるグリップ部30の把持部31の軌道と比較しながら説明する。
【0059】
この変形例によるグリップ部130の場合、把持部131は、側面視では、上記実施形態の把持部31とほぼ同様、把持部131を中心とする前後に長径の楕円軌道d(図6(b)参照)で揺動する。そして、変形例では、連結部133が異なる弾性率の2つの弾性部材133a,133bを左右方向に並べて配置して構成されているため、把持部131は、図8に示すように、平面視で、上記実施形態の把持部31の軌道bよりも使用者から見て外側にずれた当該把持部131を中心とする前後に長径の楕円軌道b´で揺動する。
【0060】
このように、外側にずれた軌道b´で揺動する把持部131を使用者が把持する場合、例えば、使用者の肩水平伸展屈曲動作において、水平伸展と水平屈曲との移動距離が異なるとともに、肘伸展屈曲動作において、伸展と屈曲との移動距離が異なるようになるため、肩屈曲筋群および肘屈曲筋群よりも肩伸展筋群および肘伸展筋群を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。従って、使用者が座席2a上で使う筋肉を細かく選択することができるので、鍛えたい筋肉を的確に鍛えることができ、使用者の個々のニーズに十分に応えることができる。
【0061】
なお、この変形例の構成とは逆に、座席2aに着座した使用者から見て外側に弾性率の高い(硬い)弾性部材が配されるとともに、内側に弾性率の低い(軟らかい)弾性部材が配される構成の場合、把持部131の軌道は使用者から見て内側にずれることになる。
【0062】
また、図9に示すように、異なる弾性率の2つの弾性部材233a,233bを上下方向に直列状に並べて配置して構成される連結部233を備えたグリップ部230であってもよい。このグリップ部230であれば、例えば弾性部材の一方を比較的弾性率の低い(軟らかい)弾性体で構成することで、把持部231の軌道d´を上記実施形態の把持部31の軌道dよりも上側にずらすことができる。
【0063】
これによっても、把持部231を把持した使用者の肩水平伸展屈曲動作において、水平伸展と水平屈曲との移動距離を異ならせるとともに、肘伸展屈曲動作において、伸展と屈曲との移動距離を異ならせることが可能になるため、肩屈曲筋群および肘屈曲筋群よりも肩伸展筋群および肘伸展筋群を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。
【0064】
また、図10(a),(b)に示すように、異なる弾性率の2つの弾性部材333a,333bを前後方向に並列状に並べて配置して構成される連結部333を備えたグリップ部330であってもよい。図10では、前側に弾性率の低い(軟らかい)弾性部材333aが配されるとともに、後側に弾性部材333aよりも弾性率の高い(硬い)弾性部材333bが配されている。この場合、グリップ部330は、外力に対して前側により撓み変形しやすく、把持部331の軌道b´´(図10(c)参照)を上記実施形態の把持部31の軌道bよりも前方にずらすことができる。
【0065】
これによっても、把持部331を把持した使用者の肩水平伸展屈曲動作において、水平伸展と水平屈曲との移動距離を異ならせるとともに、肘伸展屈曲動作において、伸展と屈曲との移動距離を異ならせることが可能になるため、肩屈曲筋群および肘屈曲筋群よりも肩伸展筋群および肘伸展筋群を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。なお、前後の弾性率が入れ替われば、把持部331の軌道が後側にずれる。
【0066】
なお、上記各変形例では、連結部を、互いに異なる弾性率の2つの弾性部材を並べて配置して構成する例について示したが、これに限らず、互いに異なる弾性率の3つ以上の弾性部材を並べて配置して構成される連結部であってもよい。
【0067】
また、図11(a)に示すように、2つの弾性部材を径内側と径外側とに配して構成される連結部433(533)を備えたグリップ部430も考えられる。例えば、図11(b)に示すような、弾性部材433aの凹部433cに弾性部材433bの凸部433dが入り込んだ状態の連結部433や、図11(c)に示すような、弾性部材533aの周面に周方向の一方に撓む複数のひだ状の突起533cを設け、当該弾性部材533aと円筒状の弾性部材533bとが互いに摺擦するように同心状に配される構成の連結部533が挙げられる。
【0068】
このような連結部433(533)を有するグリップ部430によれば、グリップ部430の周方向の一方への自転運動と他方への自転運動とで、把持部431に加わる外力に対するグリップ部430の回転量を異ならせることが可能となる。これにより、把持部431を把持した使用者の肩内転外転動作において、外転と内転との移動距離を異なるものにすることが可能になるので、肩内転よりも肩外転を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。なお、この場合、2つの弾性部材の弾性率を異ならせれば、より多様な効果を得ることが可能である。
【0069】
また、図12に示すように、正面視で略T字状のグリップ部630であってもよい。このグリップ部630は、座席2aの前端部に上方に延びる姿勢で固定された取付け部632を有しており、この取付け部632の上端に、座席2aの主たる揺動方向である前後方向と略直交方向の左右方向に各々延在する一対の連結部633が設けられている。
【0070】
この変形例による連結部633も、連結部33と同様に、2つの弾性部材を、座席2a上の使用者から見て前後に並列状に、あるいは左右に直列状に、あるいは上下に並列状に並べて配置して構成されるのが好ましい。このように構成されたグリップ部630の把持部631の軌道は、同じ方向に弾性部材を並べて構成されるV字状のグリップ部30の把持部31の軌道とほぼ同じであり、同様の効果を奏する。
【0071】
また、図13に示すように、長さ調節可能な連結部733を有するグリップ部730であってもよい。この連結部733は、図略の取付け部に接続された内筒体733aと、把持部731に接続され、内筒体733aの外径よりも僅かに大きい内径を有する外筒体733bとで構成されている。これらの内筒体733aおよび外筒体733bは、軸心を通る面を境とする2つの弾性部材により構成されている。そして、内筒体733aの内側に配設された圧縮コイルバネ734と、図略の位置決めピンとによって連結部733の長さが調節可能となっている。このようにすれば、安価かつ小型で使用者に伝わる力を調整可能となる。また、連結部733を短くすれば、収納時に嵩張らない。
【0072】
また、図14に示すように、連結部833が力センサ(検出部)834を介して取付け部832に接続される構成のグリップ部830であってもよい。このように構成すれば、把持部831から連結部833に係った力を力センサ834で検出して、使用者にフィードバックすることが可能になる。また、力センサ834による検出回数から連結部833が撓んだ回数をカウントすることで、使用者に運動の結果を具体的な数値として伝えることが可能となる。
【0073】
また、図15に示すように、把持部931を下方に位置させるように支点部934を中心に回転することでコンパクトに収容されるように構成されたグリップ部930であってもよい。
【0074】
また、図16に示すように、グリップ部30を座席2aとは独立して駆動するグリップ部駆動機構160をさらに備えていてもよい。これにより、容易に、把持部31の軌道を座席2aとは異なるものにすることができるようになる。
【0075】
また、図17に示すように、グリップ部1030が土台部(支持部)50aに設けられている揺動型運動装置1000であってもよい。このグリップ部1030は、正面視で略H字状の取付け部1032の左右一対の上端部に、それぞれ、連結部1033および把持部1031を設けた構成となっている。
【0076】
また、乗馬を模したもの以外の揺動型運動装置にも本発明を適用可能である。例えば図18(a)のように、使用者を載せたステップ(可動部)1103が上下に揺動することで、腰掛部1102に寄り掛かった半立位姿勢の使用者に歩行を模した運動負荷を付与する運動装置1100において、土台部(支持部)1104にグリップ部1130が設けられたものであってもよい。また、図18(b)のように、使用者を載せたステップ(可動部)1203が上下に揺動することで、立位姿勢の使用者に歩行を模した運動負荷を付与する運動装置1200において、土台部(支持部)1204にグリップ部1230が設けられたものであってもよい。
【0077】
また、上記実施形態において、一方の連結部がゴム材で構成され、他方の連結部がコイルスプリングで構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態による揺動型運動装置の全体構成を示した側面図である。
【図2】揺動型運動装置の駆動装置を示した側面図である。
【図3】図2に示した駆動装置の平面図である。
【図4】図2に示した駆動装置の背面図である。
【図5】揺動型運動装置のグリップ部を拡大して示した正面図であり、(a)はゴム材からなる連結部を有するグリップ部を示した正面図、(b)はコイルスプリングからなる連結部を有するグリップ部を示した正面図である。
【図6】座席の軌道およびグリップ部の把持部の軌道を示した概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】変形例によるグリップ部を示した概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図8】図7に示した変形例によるグリップ部の把持部の軌道を示した平面図である。
【図9】変形例によるグリップ部を示した概略側面図である。
【図10】変形例よるグリップ部を示した概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は把持部の軌道を示した平面図である。
【図11】変形例よるグリップ部を示した概略図であり、(a)は側面図、(b)および(c)はそれぞれ(a)のC−C線断面の一例を示した図である。
【図12】変形例による正面視略T字状のグリップ部を備えた揺動型運動装置の正面図である。
【図13】変形例による長さ調整可能な連結部を有するグリップ部の概略断面図である。
【図14】変形例による連結部の基端側に力センサを備えたグリップ部の側面図である。
【図15】変形例による下側に回転可能に構成されたグリップ部を示した側面図である。
【図16】変形例によるグリップ部駆動機構により駆動されるグリップ部を備えた揺動型運動装置の側面図である。
【図17】変形例による脚部に設けられたグリップ部を備えた揺動型運動装置の斜視図である。
【図18】本発明のグリップ部を適用した他の揺動型運動装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1,1000,1100,1200 揺動型運動装置
2a 座席(可動部)
30,130,230,330,430,630,730,830,930,1030,1130,1230 グリップ部
31,131,231,331,431,631,731,831,931,1031 把持部
33,133,233,333,433,533,633,733,833,1033 連結部
50 脚部(支持部)
50a,1104,1204 土台部(支持部)
133a,133b,233a,233b,333a,333b,433a,433b,533a,533b 弾性部材
834 力センサ(検出部)
934 支点部
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者を載せた可動部を揺動させることにより、使用者に乗馬や歩行等を模した運動負荷を付与するように構成された揺動型運動装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
このような運動装置は、例えば、使用者が跨るための鞍状の座席を備えており、この座席が前後左右に揺動することで座席上の使用者にバランスを保たせるように仕向け、これによって使用者の主に下半身の筋肉を鍛えるようになっている。
【0004】
なお、座席の前部に、使用者が握るためのグリップを固定的に設けて、座席上の使用者のバランスが大きく崩れるのを未然に防ぐようにしたものがある。
【特許文献1】特開2004−216072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記運動装置において、使用者の上半身の筋肉も合わせて鍛えたいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記のような要望に応えるためになされたものであり、下半身の筋肉とともに上半身の筋肉も鍛えることが可能な運動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、使用者を載せた状態で所定方向に揺動する可動部と、この可動部を支持する支持部と、前記可動部上の使用者が手で握り可能な位置に設けられたグリップ部とを備えた運動装置において、前記グリップ部は、使用者によって把持される把持部と、この把持部を前記可動部または前記支持部に連結する連結部とを含み、前記連結部は、弾性体により構成されるとともに、前記把持部が前記可動部の揺動方向に合わせて揺動するように、当該可動部の揺動方向と略直交方向に延設されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の運動装置において、前記弾性体がゴム材であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の運動装置において、前記弾性体がコイルスプリングであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動装置において、前記連結部が、弾性率の異なる複数の弾性体により構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の運動装置において、前記連結部は、弾性率の異なる2つの弾性体を、前記可動部上の使用者から見て前後、左右および上下のいずれかに並べて配置してなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の運動装置のおいて、前記可動部は、使用者が跨ることが可能な鞍状に形成され、当該使用者が跨った状態で前後左右方向に揺動する座席であり、前記連結部は、前記座席の前端部に接続されるとともに、前記把持部が前記座席に跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるように上方に向けて延設されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の運動装置において、前記グリップ部は、前記可動部上の使用者から見て略V字状となるように、左右に振り分けて設けられた一対の連結部および把持部を有することを特徴とするものである。
【0014】
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の運動装置において、前記グリップ部は、支点部を介して前記可動部に取り付けられ、前記把持部が下方に位置するように前記支点部を中心に回転可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の運動装置において、前記連結部に、当該連結部に係る力を検出する検出部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、把持部を可動部または支持部に連結するための連結部を、弾性体で構成し、かつ把持部が可動部の揺動方向に合わせて揺動するように、当該可動部の揺動方向と略直交方向に延設したので、可動部が所定方向に揺動したときに、把持部が可動部とは異なる位相で揺動する。これにより、使用者の腕に把持部から力が加わるので、使用者が把持部からの力に抗しながら可動部上でバランスを保つために、腕等の上半身の筋肉を積極的に使うようになる。その結果、使用者の上半身を下半身とともに鍛えることができる。
【0017】
また、使用者が可動部に載って把持部を把持した状態で当該可動部が揺動すれば、使用者は把持部に寄り掛かりながら可動部上でバランスを保つことになる。ここで、連結部が弾性体により構成されているので、使用者が把持部に寄り掛かることで連結部が容易に撓み変形し、可動部に対する把持部の相対位置が容易に変化する。これにより、連結部が例えば剛体により構成されている場合と比べると、使用者が可動部上でバランスを保つために上半身の筋肉をより頻繁に使うことになるので、上半身を効率良く鍛えることができる。
【0018】
また、連結部を弾性体で構成するだけで、把持部の動きを可動部の動きと異ならせることができるので、安価に上記効果を得ることができる。
【0019】
請求項2および請求項3の発明によれば、当該装置をより安価な構成とすることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、連結部を弾性率の異なる複数の弾性体で構成したので、連結部を単一の弾性体で構成する場合と比べて、把持部の動きを多様化させやすい。これにより、使用者が可動部上で使う筋肉を細かく選択することができるので、鍛えたい筋肉を的確に鍛えることができ、使用者の個々のニーズに十分に応えることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、連結部が単一の弾性体により構成される場合の把持部の揺動軌道に比べて、当該軌道を前後、左右または上下に容易にずらすことができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、座席の前端部からグリップ部が立ち上がる構成であるので、平面的に省スペースとすることができる。また、把持部が座席に跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるので、使用者が自然な体勢で把持部を把持することができる。これにより、無理なく上半身を鍛えることができる。また、前後左右に揺動する座席にグリップ部を直接設けることによって、把持部がより大きく複雑に揺動することになるので、さらに効率良く上半身を鍛えることができるようになる。
【0023】
請求項7の発明によれば、使用者が一対の把持部を自然な体勢で握ることができるようになる。
【0024】
請求項8の発明によれば、把持部を下方に位置させるように支点部を中心にグリップ部を回転させることで、グリップ部をコンパクトに収容することができるようになる。
【0025】
請求項9の発明によれば、連結部に係った力を検出部で検出して、使用者にフィードバックすることが可能になる。また、検出部による検出回数から連結部に力が係った回数をカウントすることで、使用者に運動の結果を具体的な数値として伝えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による揺動型運動装置の全体構成を示した側面図である。また、図2〜図4は、揺動型運動装置の駆動装置を示した図であり、図5は、揺動型運動装置のグリップ部周辺を拡大して示した正面図である。なお、本実施形態では、使用者に乗馬を模した運動負荷を付与するように構成された揺動型運動装置1を例に挙げて説明する。
【0028】
揺動型運動装置1は、図1に示すように、馬の背や鞍を模した形状で使用者が跨るように着座する座席(可動部)2aを有する運動装置本体2と、この運動装置本体2内に設けられ、運動装置本体2を揺動させる駆動装置3と、運動装置本体2および駆動装置3を支える脚部(支持部)50とを備えている。なお、図中の151は使用者が操作可能な押圧式のスイッチ類である。
【0029】
図2〜図4において、座席2aを有する運動装置本体2が取り付けられる台座4は、連結リンク5a,5bを介して可動架台6に前後に揺動可能に支持され、可動架台6は、水平なベース8に左右に揺動可能に支持されているとともに、台座4と可動架台6との間には駆動部13が収納されている。
【0030】
連結リンク5a,5bのうち、5aは、台座4の左右両側に設けられた前リンクであり、5bは、台座4の左右両側に設けられた後リンクである。前リンク5aの上端部は、台座4の前端部に設けた上軸ピン4aに軸着され、前リンク5aの下端部は、可動架台6の側板16の前端部に設けた下軸ピン7aに軸着されている。また、後リンク5bの上端部は、台座4の後端部に設けた上軸ピン4bに軸着され、後リンク5bの下端部は、可動架台6の側板16の後端部に設けた下軸ピン7bに軸着されている。
【0031】
前後の各下軸ピン7a,7bは、連結リンク5a,5bを左右方向Yの軸線回りに回動可能に支持する左右軸を構成しており、これによって、台座4は、左右軸7a,7b回りに図2の矢印Mで示す前後方向に往復回転移動可能となっている。
【0032】
ベース8の両端部には、図2および図4に示すように、軸支板24が立設され、可動架台6の両端部には軸支板24と対向する連結板25がそれぞれ垂設され、軸支板24に対して連結板25がベース8と平行な前後軸9によって回動可能に連結されている。前後軸9は、ベース8の前後中央部の2箇所に配置されて可動架台6を前後軸9回りに回動可能に支持するものであり、これによって、台座4は、前後軸9回りに図4の矢印Nで示す左右方向に回転往復移動可能となっている。
【0033】
一方、駆動部13は、例えばDCブラシレスモータである単体のモータ10と、このモータ10の出力回転軸12の回転力を台座4の前後方向Xの往復直進移動、左右軸7a,7b回りの回転往復移動および前後軸9回りの回転往復移動にそれぞれ変換して、これら3動作を組合せて運動装置本体2を駆動可能とする2つの駆動部13a,13bを備えている。本例のモータ10は、ベース8上の可動架台6内に縦据え置きされ、出力回転軸12の突出方向は上向きとされる。
【0034】
第1駆動部13aは、前後方向Xの往復直進移動および左右軸7a,7b回りの回転往復移動用であり、第2駆動部13bは、前後軸9回りの回転往復移動用である。
【0035】
第1駆動部13aは、図2および図3で示すように、出力回転軸12にモータギア11および第1ギア14を介して連結される第1シャフト17と、第1シャフト17の端部に偏心して連結される偏心クランク19と、一端部が偏心クランク19に連結され、他端部が前リンク5aに設けた軸ピン5cに軸着されるアームリンク20とからなる。
【0036】
第1シャフト17の両端部は、可動架台6にそれぞれ回動可能に支持されており、偏心クランク19が第1シャフト17に対して偏心円運動を行うことによって、アームリンク20を介して前リンク5aの上部が前後方向Xに往復移動し、これにより連結リンク5a,5bに連結されている台座4、すなわち運動装置本体2が図1および図2の矢印Mで示す方向に揺動可能となっている。
【0037】
また、第2駆動部13bは、図3および図4で示すように、前記第1シャフト17の連動ギア22と第2ギア15を介して連結された第2シャフト18と、一端部が第2シャフト18の端部に偏心して連結され、他端部がベース8に回動可能に連結される偏心ロッド21とを備えて構成される。
【0038】
第2シャフト18の両端部は、可動架台6に回動可能に支持されている。偏心ロッド21は、可動架台6の左側あるいは右側のいずれか一方に配置され(図3および図4では右側)、偏心ロッド21の上端部21aが図4に示す軸ピン29により第2シャフト18の端部に対して偏心して連結され、偏心ロッド21の下端部21bは、ベース8に固定したL形連結金具27に対して軸ピン28により回動可能に連結されている。したがって、第2シャフト18の回転により、偏心ロッド21の上端部21aが偏心円運動を行うことによって、台座4、すなわち運動装置本体2が図4の矢印Nで示すように、前後軸9回りの回転往復移動可能となっている。
【0039】
また、揺動型運動装置1の座席2aには、図1および図5に示すように、グリップ部30が設けられている。このグリップ部30は、座席2aに着座した使用者が手で容易に握り可能なように、当該座席2aの前端部に設けられている。
【0040】
グリップ部30は、図5(a)に示すように、正面視で略V字状を呈しており、使用者の両手で各々把持される左右一対の筒状の把持部31と、座席2aに固定される取付け部32と、各把持部31および取付け部32を各々連結する左右一対の連結部33とにより構成されている。
【0041】
ここで、本実施形態では、連結部33は、ゴム材(弾性体)により構成されており、座席2aの揺動方向と略直交方向である上方(正確には、斜め上方)に延設されている。これにより、図6を参照して下記に詳述するように、座席2aが揺動したときに、把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて当該座席2aとは異なる位相で揺動するように構成されている。なお、図5(b)に示すように、コイルスプリング(弾性体)により構成される連結部33´であっても、把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて当該座席2aとは異なる位相で揺動するようになる。本実施形態では、このように、連結部33をゴム材やコイルスプリングで構成することにより、安価な構成とすることができる。
【0042】
また、連結部33は、把持部31が座席2aに着座した使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるように延びており、これによって座席2aに着座した使用者が自然な体勢で把持部31を把持することができるようになっている。
【0043】
次に、本実施形態の揺動型運動装置1の動作について説明する。
【0044】
まず、図6を参照して、駆動装置3により駆動される座席2aの軌道を説明する。駆動装置3の第1駆動部13aおよび第2駆動部13bは、座席2aを左右方向に1往復させる間に、前後方向に2往復させるように設定されている。これにより、座席2aは、平面視で横倒しの8の字の軌道a(図6(a)参照)で、かつ、側面視で前後に長径の楕円軌道c(図6(b)参照)で揺動し、乗馬を模した動作を再現している。なお、座席2aは、8の字の軌道aを1周する間に、楕円軌道cを2周するようになっている。
【0045】
次に、座席2aが上記軌道で揺動したときの把持部31の軌道を説明する。
【0046】
把持部31は、平面視で当該把持部31を中心とする前後に長径の楕円軌道b(図6(a)参照)で、かつ、側面視で当該把持部31を中心とする前後に長径の楕円軌道d(図6(b)参照)で揺動する。なお、座席2aが8の字の軌道aを1周する間に、把持部31が楕円軌道b,dを各々2周するようになっている。
【0047】
そして、本実施形態では、上記のようにグリップ部30の連結部33を構成したので、以下に示すような効果を奏するものである。
【0048】
本実施形態では、上記のように、把持部31を、取付け部32を介して座席2aに連結するための連結部33を、弾性体で構成し、かつ把持部31が座席2aの揺動方向に合わせて揺動するように、当該座席2aの揺動方向と略直交方向に延設したので、座席2aが揺動したときに、把持部31が座席2aとは異なる位相で揺動する。これにより、使用者の腕に把持部31から力が加わるので、使用者が把持部31からの力に抗しながら座席2a上でバランスを保つために、腕等の上半身の筋肉を積極的に使うようになる。その結果、使用者の上半身を下半身とともに鍛えることができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、使用者が座席2aに載って把持部31を把持した状態で当該座席2aが揺動すれば、使用者は把持部31に寄り掛かりながら座席2a上でバランスを保つことになる。ここで、連結部33が弾性体により構成されているので、使用者が把持部31に寄り掛かることで連結部33が容易に撓み変形し、座席2aに対する把持部31の相対位置が容易に変化する。これにより、連結部33が例えば剛体により構成されている場合と比べると、使用者が座席2a上でバランスを保つために上半身の筋肉をより頻繁に使うことになるので、上半身を効率良く鍛えることができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、連結部33を弾性体で構成するだけで、把持部31の動きを座席2aの動きと異ならせることができるので、安価に上記効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、座席2aの前端部からグリップ部30が立ち上がる構成であるので、平面的に省スペースとすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、把持部31が座席2aに跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるので、使用者が自然な体勢で把持部31を把持することができる。これにより、無理なく上半身を鍛えることができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、前後左右に揺動する座席2aにグリップ部30を直接設けることによって、把持部31がより大きく複雑に揺動することになるので、さらに効率良く上半身を鍛えることができるようになる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、正面視で略V字状のグリップ部30を設けたので、使用者が一対の把持部31を自然な体勢で握ることができるようになる。
【0055】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0056】
例えば、図7に示すように、弾性率の異なる2つの弾性部材133a,133bを、座席2a上の使用者から見て左右方向(図7(a)では紙面と直交する方向)に並列状に並べて配置して構成される連結部133を有する変形例によるグリップ部130であってもよい。なお、図7(b)では、座席2aに着座した使用者から見て左側の連結部133を示している。これらの弾性部材133a,133bは、例えばゴム材(弾性体)により構成されるのが好ましいが、コイルスプリング等の弾性体で構成されていてもよい。以下の変形例における弾性部材の構成材料もこれと同様である。
【0057】
詳細には、座席2aに着座した使用者から見て左右方向の外側に弾性率の低い(軟らかい)弾性部材133aが配されるとともに、左右方向の内側に弾性部材133aよりも弾性率の高い(硬い)弾性部材133bが配されている。これにより、グリップ部130の各連結部133は、使用者から見て外側により撓み変形しやすくなっている。なお、弾性部材133a,133bは、対向面同士を互いに接着固定されていてもよいし、締結具等で互いに固定されていてもよい。また、2つの弾性部材の同時成形により連結部133が形成されていてもよい。
【0058】
次に、図7を参照して、上記構成の変形例によるグリップ部130の把持部131の軌道を詳細に説明する。ここでは、互いに弾性率の異なる2つの弾性部材133a,133bから構成される連結部133を有する変形例によるグリップ部130の把持部131の軌道を、単一の弾性体からなる連結部33を有する上記実施形態によるグリップ部30の把持部31の軌道と比較しながら説明する。
【0059】
この変形例によるグリップ部130の場合、把持部131は、側面視では、上記実施形態の把持部31とほぼ同様、把持部131を中心とする前後に長径の楕円軌道d(図6(b)参照)で揺動する。そして、変形例では、連結部133が異なる弾性率の2つの弾性部材133a,133bを左右方向に並べて配置して構成されているため、把持部131は、図8に示すように、平面視で、上記実施形態の把持部31の軌道bよりも使用者から見て外側にずれた当該把持部131を中心とする前後に長径の楕円軌道b´で揺動する。
【0060】
このように、外側にずれた軌道b´で揺動する把持部131を使用者が把持する場合、例えば、使用者の肩水平伸展屈曲動作において、水平伸展と水平屈曲との移動距離が異なるとともに、肘伸展屈曲動作において、伸展と屈曲との移動距離が異なるようになるため、肩屈曲筋群および肘屈曲筋群よりも肩伸展筋群および肘伸展筋群を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。従って、使用者が座席2a上で使う筋肉を細かく選択することができるので、鍛えたい筋肉を的確に鍛えることができ、使用者の個々のニーズに十分に応えることができる。
【0061】
なお、この変形例の構成とは逆に、座席2aに着座した使用者から見て外側に弾性率の高い(硬い)弾性部材が配されるとともに、内側に弾性率の低い(軟らかい)弾性部材が配される構成の場合、把持部131の軌道は使用者から見て内側にずれることになる。
【0062】
また、図9に示すように、異なる弾性率の2つの弾性部材233a,233bを上下方向に直列状に並べて配置して構成される連結部233を備えたグリップ部230であってもよい。このグリップ部230であれば、例えば弾性部材の一方を比較的弾性率の低い(軟らかい)弾性体で構成することで、把持部231の軌道d´を上記実施形態の把持部31の軌道dよりも上側にずらすことができる。
【0063】
これによっても、把持部231を把持した使用者の肩水平伸展屈曲動作において、水平伸展と水平屈曲との移動距離を異ならせるとともに、肘伸展屈曲動作において、伸展と屈曲との移動距離を異ならせることが可能になるため、肩屈曲筋群および肘屈曲筋群よりも肩伸展筋群および肘伸展筋群を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。
【0064】
また、図10(a),(b)に示すように、異なる弾性率の2つの弾性部材333a,333bを前後方向に並列状に並べて配置して構成される連結部333を備えたグリップ部330であってもよい。図10では、前側に弾性率の低い(軟らかい)弾性部材333aが配されるとともに、後側に弾性部材333aよりも弾性率の高い(硬い)弾性部材333bが配されている。この場合、グリップ部330は、外力に対して前側により撓み変形しやすく、把持部331の軌道b´´(図10(c)参照)を上記実施形態の把持部31の軌道bよりも前方にずらすことができる。
【0065】
これによっても、把持部331を把持した使用者の肩水平伸展屈曲動作において、水平伸展と水平屈曲との移動距離を異ならせるとともに、肘伸展屈曲動作において、伸展と屈曲との移動距離を異ならせることが可能になるため、肩屈曲筋群および肘屈曲筋群よりも肩伸展筋群および肘伸展筋群を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。なお、前後の弾性率が入れ替われば、把持部331の軌道が後側にずれる。
【0066】
なお、上記各変形例では、連結部を、互いに異なる弾性率の2つの弾性部材を並べて配置して構成する例について示したが、これに限らず、互いに異なる弾性率の3つ以上の弾性部材を並べて配置して構成される連結部であってもよい。
【0067】
また、図11(a)に示すように、2つの弾性部材を径内側と径外側とに配して構成される連結部433(533)を備えたグリップ部430も考えられる。例えば、図11(b)に示すような、弾性部材433aの凹部433cに弾性部材433bの凸部433dが入り込んだ状態の連結部433や、図11(c)に示すような、弾性部材533aの周面に周方向の一方に撓む複数のひだ状の突起533cを設け、当該弾性部材533aと円筒状の弾性部材533bとが互いに摺擦するように同心状に配される構成の連結部533が挙げられる。
【0068】
このような連結部433(533)を有するグリップ部430によれば、グリップ部430の周方向の一方への自転運動と他方への自転運動とで、把持部431に加わる外力に対するグリップ部430の回転量を異ならせることが可能となる。これにより、把持部431を把持した使用者の肩内転外転動作において、外転と内転との移動距離を異なるものにすることが可能になるので、肩内転よりも肩外転を重点的に鍛えたりストレッチさせたりすることができるようになる。なお、この場合、2つの弾性部材の弾性率を異ならせれば、より多様な効果を得ることが可能である。
【0069】
また、図12に示すように、正面視で略T字状のグリップ部630であってもよい。このグリップ部630は、座席2aの前端部に上方に延びる姿勢で固定された取付け部632を有しており、この取付け部632の上端に、座席2aの主たる揺動方向である前後方向と略直交方向の左右方向に各々延在する一対の連結部633が設けられている。
【0070】
この変形例による連結部633も、連結部33と同様に、2つの弾性部材を、座席2a上の使用者から見て前後に並列状に、あるいは左右に直列状に、あるいは上下に並列状に並べて配置して構成されるのが好ましい。このように構成されたグリップ部630の把持部631の軌道は、同じ方向に弾性部材を並べて構成されるV字状のグリップ部30の把持部31の軌道とほぼ同じであり、同様の効果を奏する。
【0071】
また、図13に示すように、長さ調節可能な連結部733を有するグリップ部730であってもよい。この連結部733は、図略の取付け部に接続された内筒体733aと、把持部731に接続され、内筒体733aの外径よりも僅かに大きい内径を有する外筒体733bとで構成されている。これらの内筒体733aおよび外筒体733bは、軸心を通る面を境とする2つの弾性部材により構成されている。そして、内筒体733aの内側に配設された圧縮コイルバネ734と、図略の位置決めピンとによって連結部733の長さが調節可能となっている。このようにすれば、安価かつ小型で使用者に伝わる力を調整可能となる。また、連結部733を短くすれば、収納時に嵩張らない。
【0072】
また、図14に示すように、連結部833が力センサ(検出部)834を介して取付け部832に接続される構成のグリップ部830であってもよい。このように構成すれば、把持部831から連結部833に係った力を力センサ834で検出して、使用者にフィードバックすることが可能になる。また、力センサ834による検出回数から連結部833が撓んだ回数をカウントすることで、使用者に運動の結果を具体的な数値として伝えることが可能となる。
【0073】
また、図15に示すように、把持部931を下方に位置させるように支点部934を中心に回転することでコンパクトに収容されるように構成されたグリップ部930であってもよい。
【0074】
また、図16に示すように、グリップ部30を座席2aとは独立して駆動するグリップ部駆動機構160をさらに備えていてもよい。これにより、容易に、把持部31の軌道を座席2aとは異なるものにすることができるようになる。
【0075】
また、図17に示すように、グリップ部1030が土台部(支持部)50aに設けられている揺動型運動装置1000であってもよい。このグリップ部1030は、正面視で略H字状の取付け部1032の左右一対の上端部に、それぞれ、連結部1033および把持部1031を設けた構成となっている。
【0076】
また、乗馬を模したもの以外の揺動型運動装置にも本発明を適用可能である。例えば図18(a)のように、使用者を載せたステップ(可動部)1103が上下に揺動することで、腰掛部1102に寄り掛かった半立位姿勢の使用者に歩行を模した運動負荷を付与する運動装置1100において、土台部(支持部)1104にグリップ部1130が設けられたものであってもよい。また、図18(b)のように、使用者を載せたステップ(可動部)1203が上下に揺動することで、立位姿勢の使用者に歩行を模した運動負荷を付与する運動装置1200において、土台部(支持部)1204にグリップ部1230が設けられたものであってもよい。
【0077】
また、上記実施形態において、一方の連結部がゴム材で構成され、他方の連結部がコイルスプリングで構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態による揺動型運動装置の全体構成を示した側面図である。
【図2】揺動型運動装置の駆動装置を示した側面図である。
【図3】図2に示した駆動装置の平面図である。
【図4】図2に示した駆動装置の背面図である。
【図5】揺動型運動装置のグリップ部を拡大して示した正面図であり、(a)はゴム材からなる連結部を有するグリップ部を示した正面図、(b)はコイルスプリングからなる連結部を有するグリップ部を示した正面図である。
【図6】座席の軌道およびグリップ部の把持部の軌道を示した概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】変形例によるグリップ部を示した概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図8】図7に示した変形例によるグリップ部の把持部の軌道を示した平面図である。
【図9】変形例によるグリップ部を示した概略側面図である。
【図10】変形例よるグリップ部を示した概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は把持部の軌道を示した平面図である。
【図11】変形例よるグリップ部を示した概略図であり、(a)は側面図、(b)および(c)はそれぞれ(a)のC−C線断面の一例を示した図である。
【図12】変形例による正面視略T字状のグリップ部を備えた揺動型運動装置の正面図である。
【図13】変形例による長さ調整可能な連結部を有するグリップ部の概略断面図である。
【図14】変形例による連結部の基端側に力センサを備えたグリップ部の側面図である。
【図15】変形例による下側に回転可能に構成されたグリップ部を示した側面図である。
【図16】変形例によるグリップ部駆動機構により駆動されるグリップ部を備えた揺動型運動装置の側面図である。
【図17】変形例による脚部に設けられたグリップ部を備えた揺動型運動装置の斜視図である。
【図18】本発明のグリップ部を適用した他の揺動型運動装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1,1000,1100,1200 揺動型運動装置
2a 座席(可動部)
30,130,230,330,430,630,730,830,930,1030,1130,1230 グリップ部
31,131,231,331,431,631,731,831,931,1031 把持部
33,133,233,333,433,533,633,733,833,1033 連結部
50 脚部(支持部)
50a,1104,1204 土台部(支持部)
133a,133b,233a,233b,333a,333b,433a,433b,533a,533b 弾性部材
834 力センサ(検出部)
934 支点部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を載せた状態で所定方向に揺動する可動部と、この可動部を支持する支持部と、前記可動部上の使用者が手で握り可能な位置に設けられたグリップ部とを備えた運動装置において、
前記グリップ部は、使用者によって把持される把持部と、この把持部を前記可動部または前記支持部に連結する連結部とを含み、
前記連結部は、弾性体により構成されるとともに、前記把持部が前記可動部の揺動方向に合わせて揺動するように、当該可動部の揺動方向と略直交方向に延設されていることを特徴とする運動装置。
【請求項2】
前記弾性体がゴム材であることを特徴とする請求項1に記載の運動装置。
【請求項3】
前記弾性体がコイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の運動装置。
【請求項4】
前記連結部が、弾性率の異なる複数の弾性体により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項5】
前記連結部は、弾性率の異なる2つの弾性体を、前記可動部上の使用者から見て前後、左右および上下のいずれかに並べて配置してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項6】
前記可動部は、使用者が跨ることが可能な鞍状に形成され、当該使用者が跨った状態で前後左右方向に揺動する座席であり、
前記連結部は、前記座席の前端部に接続されるとともに、前記把持部が前記座席に跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるように上方に向けて延設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項7】
前記グリップ部は、前記可動部上の使用者から見て略V字状となるように、左右に振り分けて設けられた一対の連結部および把持部を有することを特徴とする請求項6に記載の運動装置。
【請求項8】
前記グリップ部は、支点部を介して前記可動部に取り付けられ、前記把持部が下方に位置するように前記支点部を中心に回転可能に構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の運動装置。
【請求項9】
前記連結部に、当該連結部に係る力を検出する検出部を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項1】
使用者を載せた状態で所定方向に揺動する可動部と、この可動部を支持する支持部と、前記可動部上の使用者が手で握り可能な位置に設けられたグリップ部とを備えた運動装置において、
前記グリップ部は、使用者によって把持される把持部と、この把持部を前記可動部または前記支持部に連結する連結部とを含み、
前記連結部は、弾性体により構成されるとともに、前記把持部が前記可動部の揺動方向に合わせて揺動するように、当該可動部の揺動方向と略直交方向に延設されていることを特徴とする運動装置。
【請求項2】
前記弾性体がゴム材であることを特徴とする請求項1に記載の運動装置。
【請求項3】
前記弾性体がコイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の運動装置。
【請求項4】
前記連結部が、弾性率の異なる複数の弾性体により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項5】
前記連結部は、弾性率の異なる2つの弾性体を、前記可動部上の使用者から見て前後、左右および上下のいずれかに並べて配置してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項6】
前記可動部は、使用者が跨ることが可能な鞍状に形成され、当該使用者が跨った状態で前後左右方向に揺動する座席であり、
前記連結部は、前記座席の前端部に接続されるとともに、前記把持部が前記座席に跨った使用者の前方の目線よりやや下方位置に配されるように上方に向けて延設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の運動装置。
【請求項7】
前記グリップ部は、前記可動部上の使用者から見て略V字状となるように、左右に振り分けて設けられた一対の連結部および把持部を有することを特徴とする請求項6に記載の運動装置。
【請求項8】
前記グリップ部は、支点部を介して前記可動部に取り付けられ、前記把持部が下方に位置するように前記支点部を中心に回転可能に構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の運動装置。
【請求項9】
前記連結部に、当該連結部に係る力を検出する検出部を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の運動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−77799(P2009−77799A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247882(P2007−247882)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
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