説明

運搬用容器

【解決手段】容器本体B’と該容器本体の底部1に取り外し可能に取り付けられる芯部材C1、C2とからなる運搬用容器Bにおいて、前記芯部材C1、C2が、前記容器本体B’の底部1に立設された嵌合部材4に嵌合されているとともに、上方に引き抜き可能な引き抜き可能状態から、前記芯部材C1、C2を回転させることにより、前記芯部材C1、C2が、上方に引き抜くことが阻止される引き抜き不可能状態となるようにしたものである。
【効果】物品を、芯部材から抜き取る際に、芯部材が、底部から引き抜かれてしまい、残余の物品が崩れ、物品が損傷するという課題を、確実に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部の中心部に、芯部材が、取り外し可能に取り付けられている運搬用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
底部の中心部に、芯部材が、取り外し可能に取り付けられた運搬用容器が、一例として、特許文献1に開示されており、中心に透孔が穿設された円盤状物品等の種々の物品の透孔に、芯部材を挿入して、物品を搬送、移送、保管等するように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−198370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の運搬用容器においては、円筒状の芯部材が、底部に突設されたリブに挿着されているだけであるので、物品を、芯部材から抜き取る際に、芯部材が、底部に突設されたリブから外れてしまい、残余の物品が崩れ、物品が損傷するという問題があった。
【0005】
また、芯部材が、取り外し可能に取り付けられている運搬用容器においては、空の運搬用容器を、物品の製造場所等に返却する際には、運搬用容器の本体から芯部材を取り外し、運搬用容器の本体と芯部材とは、別々に管理されることになり、従って、芯部材が紛失するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の運搬用容器が有する課題を、解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、容器本体と該容器本体の底部に取り外し可能に取り付けられる芯部材とからなる運搬用容器において、第1には、前記芯部材が、前記容器本体の底部に立設された嵌合部材に嵌合されているとともに、上方に引き抜き可能な引き抜き可能状態から、前記芯部材を回転させることにより、前記芯部材が、上方に引き抜くことが阻止される引き抜き不可能状態となるようにしたものであり、第2には、前記容器本体の底部に、嵌合部材を立設するとともに、前記嵌合部材の天部に、外周側面に一対の係止突起が突設された係止用筒体を立設し、また、前記芯部材の端部付近に、前記係止用筒体が挿入可能な係止用筒体用挿入孔と前記係止突起が挿入可能な凹部が形成されている係止用環状体を形成し、前記嵌合部材を、前記芯部材の嵌合空間部に嵌合し、また、前記係止用筒体を、前記係止用環状体の係止用筒体用挿入孔に挿入し、更に、前記係止用筒体に突設された係止突起を、前記係止用環状体に形成されている凹部に挿入した後、前記芯部材を回転させることにより、前記係止用筒体に突設された係止突起と前記係止用環状体に形成されている凹部とが重ならないように構成したものであり、第3には、前記係止用環状体に、前記芯部材の一方向のみの回転を許容し、前記芯部材の反対方向への回転を阻止する反対方向回転防止リブと、前記係止用筒体に突設された係止突起が乗り上げ可能な傾斜面と水平面とを有する肉厚部と、前記芯部材の過回転を防止する過回転防止リブとを形成したものであり、第4には、前記嵌合部材の外周側面を囲むように、前記底部の上面に、環状凹部を形成したものであり、第5には、前記容器本体の底部に、円筒状支持体と天板とからなる嵌合部材を立設するとともに、一側に係止雄突起挿入用開口が形成されている係止雌部材を形成し、また、前記芯部材の端面に、前記係止雌部材内に挿入される係止雄突起を形成したものであり、第6には、前記容器本体を、ネスティング及びスタッキング可能な容器本体としたものである。
【発明の効果】
【0008】
芯部材が、容器本体の底部に立設された嵌合部材に嵌合されているとともに、上方に引き抜き可能な引き抜き可能状態から、芯部材を回転させることにより、芯部材が、上方に引き抜くことが阻止される引き抜き不可能状態となるように構成したので、物品を、芯部材から抜き取る際に、芯部材が、底部から引き抜かれてしまい、残余の物品が崩れ、物品が損傷するという課題を、確実に防止することができる。
【0009】
前記容器本体の底部に、嵌合部材を立設するとともに、前記嵌合部材の天部に、外周側面に一対の係止突起が突設された係止用筒体を立設し、また、前記芯部材の端部付近に、前記係止用筒体が挿入可能な係止用筒体用挿入孔と前記係止突起が挿入可能な凹部が形成されている係止用環状体を形成し、前記嵌合部材を、前記芯部材の嵌合空間部に嵌合し、また、前記係止用筒体を、前記係止用環状体の係止用筒体用挿入孔に挿入し、更に、前記係止用筒体に突設された係止突起を、前記係止用環状体に形成されている凹部に挿入した後、前記芯部材を回転させることにより、前記係止用筒体に突設された係止突起と前記係止用環状体に形成されている凹部とが重ならないように構成したので、芯部材に、芯部材を、底部に立設されている嵌合部材から引く抜くような負荷が加わっても、係止用筒体に突設された係止突起が、芯部材に形成された係止用環状体に当接することになるので、芯部材が、嵌合部材から引き抜かれるようなことを、確実に、防止することができる。
【0010】
係止用環状体に、芯部材の一方向のみの回転を許容し、芯部材の反対方向への回転を阻止する反対方向回転防止リブと、係止用筒体に突設された係止突起が乗り上げ可能な傾斜面と水平面とを有する肉厚部と、芯部材の過回転を防止する過回転防止リブとを形成したので、反対方向回転防止リブにより、筒部材の肉厚部と反対方向への回転を阻止することができるとともに、肉厚部により、芯部材の端面を、底部の上面に圧接し、筒部材の移動を防止することができ、更に、過回転防止リブにより、芯部材の過回転を阻止し、係止用筒体に突設された係止突起が、肉厚部から外れることを防止することができる。
【0011】
嵌合部材の外周側面を囲むように、底部の上面に、環状凹部を形成したので、半円筒状芯体の端面に形成されたバリが、環状凹部の上面と一番下に位置する物品との間に形成された空間部内に位置することになり、従って、バリが、一番下に位置する物品の芯部材付近に位置する下面や中心孔には当接することがなく、よって、半円筒状芯体の端面に形成されているバリにより、一番下に位置する物品が損傷するようなことを防止することができる。
【0012】
容器本体の底部に、円筒状支持体と天板とからなる嵌合部材を立設するとともに、一側に係止雄突起挿入用開口が形成されている係止雌部材を形成し、また、前記芯部材の端面に、係止雌部材内に挿入される係止雄突起を形成したので、芯部材に、芯部材を、底部に立設されている嵌合部材から引く抜くような負荷が加わっても、芯部材に形成された係止雄突起が、係止雌部材に当接することになるので、芯部材が、嵌合部材から引き抜かれるようなことを、確実に、防止することができる。
【0013】
容器本体を、ネスティング及びスタッキング可能な容器本体としたので、空の容器本体から取り外された芯部材を、ネスティング状態における上に位置する容器本体の底部と下に位置する容器本体の底部との間に形成された空間部に収容することができるとともに、容器本体がネスティングされているので、空になった運搬用容器の収納スペースを少なくすることができ、従って、空になった運搬用容器の収納効率を向上することができる。
【実施例】
【0014】
先ず最初に、図1を用いて、運搬用容器Bを構成する容器本体B’について説明する。
【0015】
容器本体B’は、平面形状が略方形状の底部1と、底部1の一方の相対する辺部から立設された一方の相対する側壁2と、底部1のもう一方の相対する辺部から立設されたもう一方の相対する側壁3とを有している。なお、本実施例においては、一方の相対する側壁2の幅が、もう一方の相対する側壁3の幅より、狭く形成されているので、以下においては、便宜的に、一方の相対する側壁2を、短側壁と称し、もう一方の相対する側壁3を、長側壁と称することとする。
【0016】
本実施例においては、容器本体B’は、公知のネスティング及びスタッキング可能な容器本体B’として構成されている。以下に、ネスティング及びスタッキング可能な構成の一例を説明する。
【0017】
p1は、長側壁3の内壁面に形成された、容器本体B’の上端フランジb1から容器本体B’の中程まで、延在する幅狭ポケットであり、s1は、幅狭ポケットp1に隣接して、中間フランジb2から底部の下面付近まで延在する幅広支柱であり、幅狭ポケットp1と幅広支柱s1とにより、幅狭ポケット・幅広支柱部材H1が構成されている。なお、幅広支柱s1は、相対する短側壁2のうちの一方の短側壁2寄りに位置し、幅狭ポケットp1は、長側壁3の中央部寄りに配置されている。この幅狭ポケット・幅広支柱部材H1は、相対する長側壁3の一方の相対する端部付近に配設されている。
【0018】
p2は、長側壁3の内壁面に形成された、容器本体B’の上端フランジb1から容器本体B’の中程まで、延在する幅広ポケットであり、s2は、幅広ポケットp2に隣接して、中間フランジb2から底部の下面付近まで延在する幅狭支柱であり、幅広ポケットp2と幅狭支柱s2とにより、幅広ポケット・幅狭支柱部材H2が構成されている。なお、幅広ポケットp2は、相対する短側壁2のうちのもう一方の短側壁2寄りに位置し、幅狭支柱s2は、長側壁3の中央部寄りに配置されている。この幅広ポケット・幅狭支柱部材H2は、相対する長側壁3のもう一方の相対する端部付近に配設されている。
【0019】
p3は、相対する短側壁2の内壁面の両端部付近に形成された短側壁側ポケットであり、s3は、短側壁側ポケットに隣接して、中間フランジb2から底部の下面付近まで延在する短側壁側支柱であり、短側壁側ポケットp3と短側壁側支柱s3とにより、短側壁側ポケット・支柱部材H3が構成されている。なお、相対する短側壁2のうちの一方の短側壁2の両端部付近に配設されている短側壁側ポケット・支柱部材H3においては、短側壁側ポケットp3が、長側壁3寄りに位置し、短側壁側支柱s3が、短側壁2の中央寄りに位置するように配置されている。また、相対する短側壁2のうちのもう一方の短側壁2の両端部付近に配設されている短側壁側ポケット・支柱部材H3においては、短側壁側支柱s3が、長側壁3寄りに位置し、短側壁側ポケットp3が、短側壁2の中央寄りに位置するように配置されている。
【0020】
上下方向に2つの容器本体B’を、下に位置する容器本体B’の一方の長側壁3に形成された幅狭ポケット・幅広支柱部材H1の上方に、上に位置する容器本体B’の一方の長側壁3に形成された幅狭ポケット・幅広支柱部材H1が位置し、また、下に位置する容器本体B’のもう一方の長側壁3に形成された幅広ポケット・幅狭支柱部材H2の上方に、上に位置する容器本体B’のもう一方の長側壁3に形成された幅広ポケット・幅狭支柱部材H2が位置するように配置し、その後、上方に位置する容器本体B’を下降させた場合には、上に位置する容器本体B’の幅狭ポケット・幅広支柱部材H1を構成する幅広支柱s1、幅広ポケット・幅狭支柱部材H2を構成する幅狭支柱s2及び短側壁側ポケット・支柱部材H3を構成する短側壁側支柱s3が、下に位置する容器本体B’の上端フランジb1に載置され、下に位置する容器本体B’に、上に位置する容器本体B’が、所謂、スタッキングされるように構成されている。
【0021】
また、上述したスタッキング状態から、上に位置する容器本体B’を、平面的に180度回転させると、上に位置する容器本体B’の幅狭ポケット・幅広支柱部材H1を構成する幅広支柱s1が、下に位置する容器本体B’の幅広ポケット・幅狭支柱部材H2を構成する幅広ポケットp2に挿入され、また、上に位置する容器本体B’の幅広ポケット・幅狭支柱部材H2を構成する幅狭支柱s2が、下に位置する容器本体B’の幅狭ポケット・幅広支柱部材H1を構成する幅狭ポケットp1に挿入され、更に、上に位置する容器本体B’の短側壁側ポケット・支柱部材H3を構成する短側壁側支柱s3が、下に位置する容器本体B’の短側壁側ポケット・支柱部材H3を構成する短側壁側ポケットp3に挿入されて、上に位置する容器本体B’の下半分程度が、下に位置する容器本体B’内に収容され、所謂、ネスティングされるように構成されている。
【0022】
なお、ネスティング及びスタッキング可能であれば、幅狭ポケット・幅広支柱部材H1や幅広ポケット・幅狭支柱部材H2や短側壁側ポケット・支柱部材H3は、上述した構成に限定されるものではなく、また、短側壁側ポケット・支柱部材H3を省略することもできる。
【0023】
次に、図2及び図3を用いて、容器本体B’の底部1の上面に立設されている嵌合部材4等について説明する。
【0024】
容器本体B’の底部1の中央部領域には、嵌合部材4が立設されているとともに、嵌合部材4を構成する円筒状支持体4aの外周側面4a1が位置する底部1の上面1aを、所定の幅に亘たって、下方に凹ますことにより、底部1には、円筒状支持体4aの外周側面4a1を囲むように、環状凹部1bが形成されている。なお、嵌合部材4を構成する円筒状支持体4aは、環状凹部1bの上面1b1まで延在している。
【0025】
円筒状支持体4aの天板4bの中央部には、係止用筒体5が立設されており、係止用筒体5は、円筒部5aと天板5bとを有しており、円筒部5aの外周側面5a1の中程には、係止突起5cが突設されており、係止突起5cは、平面的に見て、互いに、180度ずれた位置に、2個、形成されている。なお、6は、係止突起5cの真下に位置する嵌合部材4の天板4bに形成された透孔であり、嵌合部材4及び係止用筒体5を成形するために、下方に引き抜かれる金型のための抜け透孔である。
【0026】
次に、図4〜図9を用いて、上述した底部1に立設されている嵌合部材4に支持される芯部材C1について説明する。なお、運搬用容器Bは、上述した容器本体B’と芯部材C1とにより構成されている。
【0027】
芯部材C1は、円筒を半割りした形状の一対の同一構成を有する半円筒状芯体C1’を結合することにより形成されている。
【0028】
半円筒状芯体C1’は、円筒を半割りした形状の半円筒体c1’と、半円筒体c1’の中央部付近の内壁面に形成された平板状の隔壁用半円体c2’と、半円筒体c1’の両端部付近の内壁面に形成された係止用半環状体c3’とを有している。なお、本実施例には、2枚の隔壁用半円体c2’が形成されている例が示されている。
【0029】
係止用半環状体c3’は、平板状の半円形板の直線状端縁の中央部を、半円形状に切り欠くことにより形成されており、従って、係止用半環状体c3’には、平板状の半環状部c3a’と半孔c4a’とが形成されている。また、係止用半環状体c3’には、半孔c4a’の半周縁c4a”の中央部を切り欠くことにより方形状の凹部c4bが形成されており、凹部c4bは、相対する対向縁c4b’と奥縁c4b”とにより形成されている。
【0030】
係止用半環状体c3’を構成する半環状部c3a’の隔壁用半円体c2’と反対側に位置する面は、平坦面に形成されており、また、半環状部c3a’の隔壁用半円体c2’と対向する面には、図9等に示されているように、過回転防止リブc5と反対方向回転防止リブc6と傾斜面c7’を有する肉厚体c7とが形成されている。
【0031】
過回転防止リブc5は、半環状部c3a’の略直線状の端縁c3a”と半孔c4a’を形成する半円周縁c4a”とにより形成される相対する角部のうちの一方の角部c8a’から、半環状部c3a’の略直線状の端縁c3a”対して、略垂直に、半円筒体c1’の内壁面まで延在する細長い板状体として形成されている。
【0032】
反対方向回転防止リブc6は、係止用半環状体c3’に形成された方形状の凹部c4bの相対する対向縁c4b’のうちの過回転防止リブc5側に位置する対向縁c4b’に沿って、且つ、過回転防止リブc5と略平行となるように形成されている。また、反対方向回転防止リブc6は、半環状部c3a’の半孔c4a’を形成する半円周縁c4a”から、半円筒体c1’の内壁面まで延在する細長い板状体として形成されている。
【0033】
傾斜面c7’は、半環状部c3a’の略直線状の端縁c3a”と半孔c4a’を形成する半円周縁c4a”とにより形成される相対する角部のうちのもう一方の角部c8a’から、過回転防止リブc5や反対方向回転防止リブc6と略平行に、且つ、半環状部c3a’の半孔c4a’を形成する半円周縁c4a”から、半円筒体c1’の内壁面まで延在する帯状の肉厚体c7の一部として形成されている。肉厚体c7は、反対方向回転防止リブc6側に位置する半円筒体c1’の内壁面から上り坂状に傾斜している傾斜面c7’と、半環状部c3a’と略平行な水平面c7”とを有している。
【0034】
c9’は、半円筒体c1’の中心線L1(図5を参照のこと)に方向に延在する端縁付近の半円筒体c1’の外周面を、所定の深さ削除することにより、薄肉壁c10’を形成することによって形成された段部である。相対する薄肉壁c10’の一方の薄肉部c10’には、適当数のスロットc11が穿設されており、また、薄肉部c10’の所定箇所を、上方に延長することにより形成された横長の帯状延長板部c12の上端縁には、帯状延長板部c12に垂直で、且つ、外側に延在する嵌合突条c13が形成されている。また、相対する薄肉壁c10’のもう一方の薄肉部c10’にも、適当数のスロットc11や嵌合突条c13が形成されているが、半円筒体c1’の中心線L1を挟んで、一方の薄肉部c10’に形成されたスロットc11と線対称位置にあるもう一方の薄肉部c10’には、帯状延長板部c12を介して、嵌合突条c13が形成されているとともに、半円筒体c1’の中心線L1を挟んで、一方の薄肉部c10’に、帯状延長板部c12を介して形成されている嵌合突条c13と線対称位置にあるもう一方の薄肉部c10’には、スロットc11が形成されている。
【0035】
上述した一対の半円筒状芯体C1’の一方の半円筒状芯体C1’に形成されているスロットc11に、もう一方の半円筒状芯体C1’に形成されている嵌合突条c13を嵌合し、また、一方の半円筒状芯体C1’に形成されている嵌合突条c13を、もう一方の半円筒状芯体C1’に形成されているスロットc11に嵌合することにより、一対の半円筒状芯体C1’が、図4に示されているように、略円筒状の芯部材C1に組み立てられることになる。
【0036】
一対の半円筒状芯体C1’を組み立てることにより、芯部材C1の中央部付近の内壁面には、一対の隔壁用半円体c2’からなる隔壁c2が形成され、また、芯部材C1の両端部付近の内壁面には、一対の係止用半環状体c3’からなる係止用環状体c3が形成され、更に、係止用環状体c3には、半孔c4a’からなる係止用筒体用挿入孔c4aが形成されることになる。また、芯部材C1の外周面には、芯部材C1の中心線に沿って、薄肉壁c10’を構成する段部c9’により構成される溝部c9が形成されている。なお、一対の係止用半環状体c3’の平板状の半環状部c3a’により、係止用環状体c3には、平板状の環状部c3aが形成されている。
【0037】
係止用半環状体c3’を、一対の半円筒状芯体C1’の一方の端部付近にのみ形成することもできる。この場合には、芯部材C1の一方の端部付近にのみに、係止用環状体c3が形成されることになる。このように、芯部材C1の一方の端部付近にのみに、係止用環状体c3が形成されている場合には、容器本体B’の底部1に立設された嵌合部材4に、芯部材C1を嵌合させる際に、芯部材C1の係止用環状体c3が形成されている端部側を、作業者が、一々、確認しなければならないので、嵌合部材4への芯部材C1の嵌合作業の作業性が悪くなる。従って、芯部材C1の両端付近に、それぞれ、係止用環状体c3を形成することが好ましい。なお、芯部材C1の一方の端部付近にのみに、係止用環状体c3が形成されている場合には、係止用環状体c3が形成されている芯部材C1の端部に、着色を施したり、識別ラベル等を貼着することにより、嵌合部材4への芯部材C1の嵌合作業の作業性を向上することができる。
【0038】
上述したように、一方の半円筒状芯体C1’に形成されているスロットc11に、もう一方の半円筒状芯体C1’に形成されている嵌合突条c13を嵌合し、また、一方の半円筒状芯体C1’に形成されている嵌合突条c13を、もう一方の半円筒状芯体C1’に形成されているスロットc11に嵌合することにより、一対の半円筒状芯体C1’が、略円筒状の芯部材C1に組み立てられるが、スロットc11と嵌合突条c13との結合部分は、芯部材C1の外周面に、芯部材C1の中心線に沿って形成されている溝部c9内に位置し、芯部材C1の外周面から突出しないように構成されている。従って、スロットc11と嵌合突条c13との嵌合部分に、芯部材C1に挿着される物品Wに穿設された中心孔w1が引っ掛かって、物品Wが、芯部材C1に挿着できなかったり、或いは、物品Wが損傷するようなことを防止することができる。
【0039】
係止用環状体c3の隔壁c2と対向する面、即ち、係止用環状体c3の内側面には、図10や図11に示されているように、係止用環状体c3の中心点に対して、点対象位置に、一対の過回転防止リブc5が、それぞれ配置されており、また、同じく、係止用環状体c3の中心点に対して、点対象位置に、一対の反対方向回転防止リブc6が、それぞれ配置されており、更に、同じく、係止用環状体c3の中心点に対して、点対象位置に、一対の肉厚部c7が配置されている。更に、芯部材C1の端面c14から係止用環状体c3の外側面までの高さD1(図7を参照のこと)は、容器本体B’の底部1に立設された嵌合部材4の高さ(環状凹部1bの上面1b1から、嵌合部材4を構成する円筒状支持体4aの天板4bの上面までの距離)D2(図3を参照のこと)より、若干、高くなるように構成されている。
【0040】
次に、主として、図10と図11を用いて、上述した容器本体B’の底部1への芯部材C1の取り付けについて説明する。
【0041】
端面c14と係止用環状体c3との間に形成されている芯部材C1の嵌合空間部A1に、底部1に立設された嵌合部材4を構成する円筒状支持体4aを嵌合するとともに、円筒状支持体4aの天板4bに立設された係止用筒体5を、係止用環状体c3の係止用筒体用挿入孔c4aに挿入し、且つ、係止用筒体5に突設された一対の係止突起5cを、係止用環状体c3に形成されている一対の凹部c4bに挿入する。図10に示されているように、嵌合部材4が、芯部材C1の嵌合空間部A1に嵌合され、また、係止用筒体5が、係止用環状体c3の係止用筒体用挿入孔c4aに挿入され、更に、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、係止用環状体c3に形成されている凹部c4bに挿入された状態においては、芯部材C1の端面c14が、底部1に形成された環状凹部1bの上面1b1に当接し、また、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、係止用環状体c3の平板状の環状部c3aより、若干、上に位置するように構成されている。更に、この状態においては、図10に示されているように、一対の係止突起5cは、反対方向回転防止リブc6の肉厚部c7の傾斜面c7’側の側面c6aに、それぞれ、接近して位置している。
【0042】
図10に示されているように、芯部材C1の嵌合空間部A1に、底部1に立設された嵌合部材4が嵌合され、また、係止用筒体5が、係止用環状体c3の係止用筒体用挿入孔c4aに挿入され、更に、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、係止用環状体c3に形成されている凹部c4bに挿入された状態においては、芯部材C1を、上方に持ち上げることにより、芯部材C1が、嵌合部材4から引き抜かれる状態にあるので、この状態を、芯部材C1の引き抜き可能状態という。
【0043】
上述した状態から、芯部材C1を、図10において、反時計方向R1に回転させようとすると、係止用筒体5に突設された一対の係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている反対方向回転防止リブc6の肉厚部c7の傾斜面c7’側の側面c6aに当接し、その回転が阻止されることになり、従って、芯部材C1は、上方へ引き抜くことができる状態(芯部材C1の引き抜き可能状態)のままであり、嵌合部材4に立設された係止用筒体5への取り付けが完了していないことになる。一方、芯部材C1を、図10において、時計方向R2に回転させる場合には、係止突起5cが、反対方向回転防止リブc6に当接することがないので、芯部材C1の時計方向R2への回転が許容されることになる。
【0044】
芯部材C1を、図10において、時計方向R2に回転させると、係止用筒体5に突設された係止突起5cは、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている肉厚部c7の傾斜面c7’に乗り上げ、その後、図11に示されているように、肉厚部c7の水平面c7”に載置されることになる。このように、芯部材C1は、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、肉厚部c7の傾斜面c7’に乗り上げることにより、底部1に形成された環状凹部1bの上面1b1方向に押し下げられ、芯部材C1の端面c14が、環状凹部1bの上面1b1に圧接されることになり、従って、底部1に対して、芯部材C1が、動くようなことがないように、底部1に立設された嵌合部材4及び係止用筒体5に取り付けられることになる。
【0045】
また、最終的には、上記のように、係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている肉厚部c7の水平面c7”に載置されることになるので、係止突起5cが、傾斜面c7’に位置する場合に比べて、芯部材C1が反時計方向に回動する可能性は、常に少ないことになり、安定した状態に、芯部材C1が、底部1に立設された嵌合部材4及び係止用筒体5に取り付けられることになる。
【0046】
更に、係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている肉厚部c7の水平面c7”に載置された状態においては、係止用筒体5に突設された係止突起5cに、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている過回転防止リブc5が当接した状態にあり、芯部材C1のそれ以上の回転が阻止されるように構成されており、従って、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている肉厚部c7の水平面c7”を越えて移動し、肉厚部c7の水平面c7”から外れるようなことを防止することができる。係止用筒体5に突設された係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている肉厚部c7の水平面c7”から外れると、芯部材C1の端面c14の環状凹部1bの上面1b1への圧接が解除されることになり、底部1に対して、芯部材C1が動き易くなり、芯部材C1に挿着されている物品が、互いに擦れ合ったり等して、損傷することになる。
【0047】
更にまた、上述したように、芯部材C1を構成する係止用環状体c3には、反対方向回転防止リブc6、肉厚部c7及び過回転防止リブc5が、この順序で、芯部材C1の反時計方向R1の回転方向に沿って配置されており、従って、反対方向回転防止リブc6が形成されている場合には、上述したように、芯部材C1の反時計方向R1への回転が阻止され、芯部材C1は、時計方向R2へのみ回転し、従って、係止用筒体5に突設された係止突起5cは、肉厚部c7の水平面c7”に載置されるとともに、過回転防止リブc5に当接し、それ以上の回転が阻止されることになる。しかしながら、反対方向回転防止リブc6が形成されていない場合には、誤って、芯部材C1が、反時計方向R1に回転してしまい、従って、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、肉厚部c7に乗り上げる前に、過回転防止リブc5に当接し、その回転が阻止されてしまい、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、肉厚部c7の水平面c7”に載置されることが不可能になる。従って、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に、反対方向回転防止リブc6を設ける必要がある。
【0048】
なお、上述したように、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に形成されている肉厚部c7の水平面c7”に載置されている状態においては、芯部材C1を、上方に持ち上げても、芯部材C1は、嵌合部材4から引き抜かれることがない状態であるので、この状態を、芯部材C1の引き抜き不可能状態という。
【0049】
上述したようにして、容器本体B’に、芯部材C1が取り付けられた後に、図12に示されているように、芯部材C1に、物品Wの中心孔w1を挿入することにより、容器本体B’に、物品Wが収容されることになる。
【0050】
上述したように、芯部材C1の引き抜き不可能状態においては、芯部材C1に、芯部材C1を、底部1に立設されている嵌合部材4から引く抜くような負荷が加わっても、係止用筒体5に突設された係止突起5cが、芯部材C1を構成する係止用環状体c3に当接することになるので、芯部材C1が、嵌合部材4から引き抜かれるようなことを、確実に、防止することができる。芯部材C1を、底部1に立設されている嵌合部材4から引く抜くような負荷は、芯部材C1に挿着されている物品を、手作業やロボット等の自動機により、容器本体B’から取り出す際に加わる場合があり、このような負荷により、芯部材C1が抜けれると、物品を支持するものがなくなるので、段積み状態の或いは重合状態の物品が崩れて、物品が損傷することになる。
【0051】
また、芯部材C1の両端部付近の内壁面には、係止用環状体c3が形成されているのとともに、芯部材C1の中央部付近の内壁面には、隔壁c2が形成されているので、芯部材C1内への塵や埃等の侵入を阻止することができ、従って、芯部材C1内へ侵入した塵や埃等が、芯部材C1に挿着されて物品Wに付着するようなことを防止することができる。更に、芯部材C1を、容器本体B’に取り付けた際には、底部1の裏面側から、下方に引き抜かれる金型のための抜け透孔として形成された、係止突起5cの真下に位置する嵌合部材4の天板4bに形成された透孔6から、芯部材C1内へ塵や埃等が侵入することがあるが、隔壁c2を形成することにより、透孔6からの芯部材C1内への塵や埃等の侵入を阻止することができる。
【0052】
容器本体B’から、収納されていた物品Wが全て取り出されて、空になった運搬用容器Bは、物品の製造工場や物品の収納場所等に返却されることになるが、従来のネスティングが不可能な運搬用容器の場合には、運搬用容器の収納スペースが大きく、従って、運搬用容器の収納効率が悪いが、上述したようなネスティング可能な容器本体B’を有する運搬用容器Bの場合には、ネスティング状態においては、図13に示されているように、上に位置する容器本体Ba’の底部1と下に位置する容器本体Bb’の底部1との間には、空間部A2が形成されることになる。従って、係止用筒体5との係止状態が解除され、且つ、嵌合部材4から引く抜かれた芯部材C1を、この空間部A2に収容することができるとともに、互いにネスティングされた複数の容器本体B’の全体の高さを低くすることができるので、空になった容器本体B’を有する運搬用容器Bの収納スペースを少なくすることができ、従って、空になった容器本体B’を有する運搬用容器Bの収納効率を向上することができる。
【0053】
更にまた、底部1には、円筒状支持体4aの外周側面4a1を囲むように、環状凹部1bが形成されているので、芯部材C1に挿着された物品のうち、一番下に位置する物品W1の芯部材C1付近に位置する下面w2や中心孔w1は、芯部材C1の端面c14付近に当接することがなく、一番下に位置する物品W1の下面w2は、環状凹部1b以外に位置する底部1の平坦な上面1aに載置されることになる。ところで、芯部材C1を構成する半円筒状芯体C1’は、射出成形により、一体成形されることになるが、一体成形された半円筒状芯体C1’の端面には、バリが形成されることがある。底部1に、環状凹部1bが形成されておらず、底部1の平坦な上面1aに、芯部材C1の端面c14が載置されていると、一番下に位置する物品W1の下面w2や中心孔w1に、バリが当接し、一番下に位置する物品W1が損傷されることがある。しかしながら、本実施例においては、一体成形された半円筒状芯体C1’の端面に形成されたバリは、環状凹部1bの上面1b1と一番下に位置する物品W1との間に形成された空間部A3内に位置することになるので、バリが、一番下に位置する物品W1の芯部材C1付近に位置する下面w2や中心孔w1には当接することがなく、従って、半円筒状芯体C1’の端面に形成されているバリにより、一番下に位置する物品W1が損傷するようなことを防止することができる。
【0054】
次に、図15〜図22を用いて、別の実施例について説明する。
【0055】
本実施例においては、容器本体B’の底部1に形成されている嵌合部材4の天板4bに立設された係止用筒体5は、省略されており、底部1は、嵌合部材4のみが形成されている。
【0056】
環状凹部1bの上面1b1には、嵌合部材4の円筒状支持体4aの外周側面4a1に沿って、係止雌部材10が形成されている。係止雌部材10は、環状凹部1bの上面1b1に立設され、且つ、円筒状支持体4aの外周側面4a1に沿って湾曲した側壁10aと、側壁10aの上端から、円筒状支持体4aの外周側面4a1方向に延在するとともに、円筒状支持体4aの外周側面4a1に沿って湾曲した天板10bと、側壁10aの一方の垂直端と天板10bの一方の垂直端とを連結する端壁10cとを有している。
【0057】
また、天板10bは、円筒状支持体4aの外周側面4a1とは接触しておらず、天板10bの円筒状支持体4a側の縁部10b’と円筒状支持体4aの外周側面4a1との間には、本実施例の芯部材C2の嵌合空間部A1を構成する半円筒体c1’の肉厚より、若干、広い間隙が形成されている。なお、11は、係止雌部材10の天板10bの真下に位置する環状凹部1bに形成された透孔であり、天板10bを成形するために、下方に引き抜かれる金型のための抜け透孔である。
【0058】
上述したように、係止雌部材10は、側壁10aと天板10bと端壁10cとを有しており、係止雌部材10の下方は、金型のための抜け透孔である透孔11が形成されており、また、端壁10cの反対側には、係止雄突起挿入用開口10dが形成されている。また、天板10bに下面10b1は、係止雄突起挿入用開口10dから端壁10cに向かって、下方に傾斜した案内傾斜面部10b1’と、端壁10c付近に位置する係止位置平面部10b1”とを有している。
【0059】
本実施例における芯部材C2の上述した実施例における芯部材C1との相違点の1つは、芯部材C2においては、芯部材C2を構成する半円筒体c1’には、係止用半環状体c3が形成されておらず、係止用半環状体c3に代わって、隔壁c2が形成されている点であり、従って、本実施例における芯部材C2には、4つの隔壁c2が形成されている。また、本実施例における芯部材C2の上述した実施例における芯部材C1との相違点のもう1つは、芯部材C2を構成する半円筒体c1’の一方の端面に、半円筒体c1’の外周面に垂直な平板状の係止雄突起5c’が形成されている点である。そして、係止雄突起5c’の厚さは、係止部材10の奥部に位置する(端壁10c付近に位置する)天板10bに下面10b1と環状凹部1bの上面1bとの間に形成される間隙と略同じに形成されている。
【0060】
芯部材C2を、容器本体B’の嵌合部材4に取り付けるには、先ず最初に、芯部材C2の端面c14と、係止用環状体c3に代わって形成された隔壁c2との間に形成されている嵌合空間部A1に、底部1に立設された嵌合部材4を構成する円筒状支持体4aを嵌合するとともに、芯部材C2を回転させて、芯部材C2の外周面に突設されている係止雄突起5c’を、係止雌部材10の係止雄突起挿入用開口10dに挿入する。この状態から、更に、芯部材C2を回転させると、係止雄突起5c’は、係止雌部材10の案内傾斜面部10b1’に沿って、端壁10c方向に移動し、最終的には、図22に示されているように、係止雄突起5c’は、係止雌部材10の係止位置平面部10b1”と環状凹部1bの上面1b1との間に形成されている間隙T1に嵌入されることになる。なお、係止雄突起5c’が、係止雌部材10の端壁10cと当接した時点で、芯部材C2のそれ以上の回転が停止されることになる。
【0061】
上述したように、芯部材C2に形成されている係止雄突起5c’が、容器本体B’の環状凹部1bの上面1b1に形成された係止雌部材10の係止位置平面部10b1”と環状凹部1bの上面1b1との間に形成されている間隙T1に嵌入された際には、芯部材C2を、上方に持ち上げても、芯部材C2は、嵌合部材4から引き抜かれることがない芯部材C2の引き抜き不可能状態にある。
【0062】
なお、上述した芯部材C2の引き抜き不可能状態から、芯部材C2に形成されている係止雄突起5c’が、容器本体B’に形成されている係止雌部材10の係止雄突起挿入用開口10d方向に移動するように、芯部材C2を回転させて、芯部材C2に形成されている係止雄突起5c’を、係止雌部材10の係止雄突起挿入用開口10dから排出させることにより、芯部材C2を、上方に持ち上げて、芯部材C2を、嵌合部材4から引き抜くことが可能となる。
【0063】
上述した実施例においては、係止雄突起5c’が、芯部材C2の両端部に、それぞれ、1個ずつ形成されている例が示されているが、芯部材C2の一方の端部に複数個形成することもできる。このように、芯部材C2の一方の端部に、係止雄突起5c’を、複数個形成した場合には、係止雄突起5c’に対応して、容器本体B’には、複数個の係止雌部材10が形成されることになる。
【0064】
本実施例においては、過回転防止リブc5や反対方向回転防止リブc6や肉厚体c7が形成されている係止用半環状体c3’に代えて、平板状の隔壁用半円体c2’を形成したので、上述した芯部材C1に比べて、芯部材C2の構成が簡素化され、従って、芯部材C2の製造コストを低減することができる。
【0065】
また、本実施例においては、係止用半環状体c3’に代えて、平板状の隔壁用半円体c2’を形成したので、芯部材C2の両端部には、係止用筒体用挿入孔c4aを有する係止用環状体c3に代えて、このような係止用筒体用挿入孔c4aが形成されていない隔壁c2が位置することになり、従って、芯部材C2内への塵や埃等の侵入を、確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の運搬用容器を構成する容器本体の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の運搬用容器を構成する容器本体の拡大斜視図である。
【図3】図3は、本発明の運搬用容器を構成する容器本体の垂直断面部を含む拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の運搬用容器を構成する芯部材の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の運搬用容器を構成する芯部材の分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の運搬用容器を構成する芯部材の半円筒状芯体の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の運搬用容器を構成する芯部材の垂直断面部を含む斜視図である。
【図8】図8は、本発明の運搬用容器を構成する芯部材の部分拡大斜視図である。
【図9】図9は、本発明の運搬用容器を構成する芯部材の半円筒状芯体の部分拡大斜視図である。
【図10】図10は、本発明の運搬用容器の水平断面を含む部分拡大斜視図である。
【図11】図11は、同じく、本発明の運搬用容器の水平断面を含む部分拡大斜視図である。
【図12】図12は、物品が収容された状態の本発明の運搬用容器の斜視図である。
【図13】図13は、本発明の運搬用容器がネスティングされた状態の垂直断面部を含む斜視図である。
【図14】図14は、物品が収容された状態の本発明の運搬用容器の垂直断面部を含む拡大部分斜視図である。
【図15】図15は、本発明の別の実施例の運搬用容器を構成する容器本体と芯部材の斜視図である。
【図16】図16は、図15に示されている容器本体の部分拡大斜視図である。
【図17】図17は、図15に示されている容器本体に形成された係止雌部材の長手方向に沿った垂直断面図である。
【図18】図18は、図15に示されている芯部材を構成する半円筒体の斜視図である。
【図19】図19は、図15に示されている運搬用容器の水平断面を含む部分拡大斜視図である。
【図20】図20は、図17と同様の容器本体に形成された係止雌部材の長手方向に沿った垂直断面図である。
【図21】図21は、図19と同様の図15に示されている運搬用容器の水平断面を含む部分拡大斜視図である。
【図22】図22は、図17と同様の容器本体に形成された係止雌部材の長手方向に沿った垂直断面図である。
【符号の説明】
【0067】
B・・・・・・・・運搬用容器
B’・・・・・・・容器本体
C1、C2・・・・芯部材
W・・・・・・・・物品
c2・・・・・・・隔壁
c3・・・・・・・係止用環状体
c5・・・・・・・過回転防止リブ
c6・・・・・・・反対方向回転防止リブ
c7・・・・・・・肉厚部
1・・・・・・・・底部
1b・・・・・・・環状凹部
2、3・・・・・・側壁
4・・・・・・・・嵌合部材
5・・・・・・・・係止用筒体
5c・・・・・・・係止突起
5c’・・・・・・係止雄突起
10・・・・・・・係止雌部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と該容器本体の底部に取り外し可能に取り付けられる芯部材とからなる運搬用容器において、前記芯部材が、前記容器本体の底部に立設された嵌合部材に嵌合されているとともに、上方に引き抜き可能な引き抜き可能状態から、前記芯部材を回転させることにより、前記芯部材が、上方に引き抜くことが阻止される引き抜き不可能状態となるように構成されていることを特徴とする運搬用容器。
【請求項2】
前記容器本体の底部には、嵌合部材が立設されているとともに、前記嵌合部材の天部には、外周側面に一対の係止突起が突設された係止用筒体が立設されており、また、前記芯部材の端部付近には、前記係止用筒体が挿入可能な係止用筒体用挿入孔と前記係止突起が挿入可能な凹部とが形成されている係止用環状体が形成されており、前記嵌合部材を、前記芯部材の嵌合空間部に嵌合し、また、前記係止用筒体を、前記係止用環状体の係止用筒体用挿入孔に挿入し、更に、前記係止用筒体に突設された係止突起を、前記係止用環状体に形成されている凹部に挿入した後、前記芯部材を回転させることにより、前記係止用筒体に突設された係止突起と前記係止用環状体に形成されている凹部とが重ならないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
前記係止用環状体に、前記芯部材の一方向のみの回転を許容し、前記芯部材の反対方向への回転を阻止する反対方向回転防止リブと、前記係止用筒体に突設された係止突起が乗り上げ可能な傾斜面と水平面とを有する肉厚部と、前記芯部材の過回転を防止する過回転防止リブとが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の運搬用容器。
【請求項4】
前記嵌合部材の外周側面を囲むように、前記底部の上面には、環状凹部が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の運搬用容器。
【請求項5】
前記容器本体の底部に、円筒状支持体と天板とからなる嵌合部材を立設するとともに、一側に係止雄突起挿入用開口が形成されている係止雌部材を形成し、また、前記芯部材の端面に、前記係止雌部材内に挿入される係止雄突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項6】
前記容器本体を、ネスティング及びスタッキング可能な容器本体であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の運搬用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−1287(P2009−1287A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161350(P2007−161350)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】