説明

運搬用緩衝体

【課題】ベース板材の結合片を積層板材の凹陥部に嵌合させる結合方式を前提として、強固で安定した結合状態を得ることができ、しかもコストダウン及び保管、運搬の容易化を実現する。
【解決手段】ベース板材11aの周縁部に、一対の切り込み16,16を、それぞれの先端が外周側に開放する状態で間隔を置いて設ける。一方、積層板材11…の周縁部に、外周側に開放する凹部13を設け、各板材11a,11…を積層した状態で、ベース板材11aの両切り込み16,16に挟まれた部分を結合片12として基端部で折り曲げて、凹部13…が重なり合って形成された凹陥部に嵌合させることにより、ベース板材11aと積層板材11…とを積層状態で結合するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は段ボールから成る複数枚の板材を積層・一体化して構成される運搬用緩衝体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の巻糸をパレット輸送する場合に使用される緩衝体を例にとり、図14,15によって背景技術を説明する。
【0003】
この緩衝体Aは、段ボールから成る複数枚(図例では四枚)の四角形の板材1…を積層・一体化して構成され、使用時には二枚一組として、同一平面上に並べた複数の巻糸B…の上下に配置される。
【0004】
これにより、巻糸B…を両緩衝体A,Aで挟み込んで固定し、かつ、運搬中の振動等から保護する。
【0005】
なお、緩衝体Aには複数の丸穴2…が巻糸配置に合わせて設けられ、巻糸B…の芯となる紙管(図示しない)の上下両端部がこの丸穴2…に嵌まり込んで位置固定される。
【0006】
また、巻糸B…をパレット上で上下複数段に積層して運搬する場合は、二枚一組の緩衝体A,Aとこれらの間に挟み込んだ巻糸B…を一ユニットとして、これを複数段、下段側の上層緩衝体Aが上段側の下層緩衝体となる状態で積み重ねる。
【0007】
このような、段ボール積層構造の緩衝体Aは、一般には、複数枚の板材を接着により積層・一体化しているが、この接着方式では手作業または半自動で板材同士を張り合わせる作業が面倒で製造効率が悪く、コスト高となる上に、石油系の接着剤を用いることで環境保護の点で問題があった。
【0008】
そこで、これを解決する技術として、特許文献1に示されているように、上下いずれか一方の最外層に位置する板材をベース板材としてこれの周縁部に結合片を設けるとともに、他の板材の周縁部に凹部を設け、結合片を基端部で折り曲げて、凹部が重なり合って形成された凹陥部に嵌合させることにより、この嵌合部分の摩擦力で板材同士を結合するという、結合方式の技術が提案された。
【特許文献1】特開2001−225872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、この公知技術によると、結合片をベース板材の外周から突出して設け、これを板材端面に沿う状態で凹部(凹陥部)に嵌合させる構成であるため、次の問題が生じる。
【0010】
(I) 凹陥部は、結合片の厚み分のみのごく浅いものとなる。つまり、結合片と凹陥部は、結合片の厚み分というごく浅い嵌合部分の摩擦力のみで結合されるため、基本的に結合力が弱く、板材の結合状態、つまり緩衝体全体の一体化状態が不安定となる。
【0011】
(II) プレス機により板材を段ボール素材から打ち抜く場合に、結合片が設けられた辺全体を結合片の突出代分だけ大きめに抜かなければならない。このため、材料ロスが大きく(所謂歩留まりが悪く)、この点でコストダウンという目的が十分達成できない。
【0012】
(III) 結合片が外周に突片状に突出するため、板材を一体化する前の状態での保管、運搬時に、結合片分の余分なスペースが必要となるとともに、結合片が損傷、破断し易い。
【0013】
そこで本発明は、公知技術と同様に、結合片を凹陥部に嵌合させる嵌合方式をとりながら、公知技術が抱える問題点を一挙に解決することができる運搬用緩衝体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、段ボールから成る複数枚の板材を積層し一体化して構成される運搬用緩衝体において、上下いずれか一方の最外層に位置するベース板材の周縁部に、一対の切り込みを、それぞれの先端が外周側に開放する状態で間隔を置いて設ける一方、残りの板材である積層板材の周縁部に、外周側に開放する凹部を設け、各板材を積層した状態で、上記ベース板材の両切り込みに挟まれた部分を結合片として基端部で折り曲げて、上記凹部が重なり合って形成された凹陥部に嵌合させることにより、ベース板材と積層板材とを積層状態で結合するように構成したものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、結合片を、先端部が基端部よりも幅広となる形状に形成することにより、結合片の左右両側に三角形状に張り出す張り出し部を設け、この張り出し部を凹陥部の左右両側面に圧接させるように構成したものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の構成において、両側張り出し部の斜辺部を円弧状に湾曲形成したものである。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、凹部を、板材外周側に向かって先すぼまりの台形状に形成し、結合片の基端部の幅寸法をこの凹部の基端部幅寸法とほぼ同等に設定したものである。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成において、緩衝体全体の厚み寸法をD、結合片の折り曲げ状態での長さ寸法をLとして、L>Dに設定することにより、結合片を凹陥部に嵌合させた状態で、結合片の先端部が緩衝体表面から突出するように構成したものである。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、積層される複数枚の板材のすべてを、同一形状、同一サイズの四角形で、かつ、辺部の中間部に結合片と凹部を備えた同一物として、かつ、このうちベース板材となる一枚の板材を積層板材となる他の板材に対して平面上で180°回転させた状態で互いの結合片と凹部が一致するように構成したものである。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体において、ベース板材及び積層板材を同一サイズの四角形とし、ベース板材の各コーナー部に結合片、積層板材の各コーナー部に凹部をそれぞれ設け、ベース板材と積層板材を互いの各コーナー部で結合するように構成したものである。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体において、凹部の奥側の端部側面に、結合片の先端部が嵌まり込む切欠を設けたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、ベース板材の周縁部内側に一対の切り込みを入れ、この両切り込み間の部分を折り曲げて結合片とし、これを凹部が重なって形成される凹陥部に嵌合させる構成であるため、次の効果を得ることができる。
【0023】
(イ) 結合片を周縁部内側に切り込みによって形成したから、これが嵌合する凹陥部(各板材の凹部)も深くすることができ、結合片がこの凹陥部に深く嵌まり込んで根元部分に嵌合する。
【0024】
つまり、両者の嵌合が深く安定したものとなるため、ベース板材と積層板材を強固に結合することができる。
【0025】
(ロ) 特許文献1の公知技術と異なり板材に突出部分がないため、プレス抜きによる材料のロスが少なく(所謂歩留まりが良く)、材料コストが安くてすむ。このため、コストダウンを実現することができる。
【0026】
(ハ) 突出部分がないため、板材の保管、運搬時のスペースが小さくてすむとともに、突出部分(結合片)が損傷したり、破断したりするおそれが少ない。
【0027】
つまり、公知技術と同様に結合片を凹陥部に嵌合させる嵌合方式をとりながら、公知技術が抱える問題点を一掃することができる。
【0028】
また、請求項2,3の発明によると、結合片の左右両側に三角形状に張り出す張り出し部を設け、この張り出し部を凹陥部の左右両側面に圧接させる構成としたから、この張り出し部の圧接力によって結合片と凹陥部の結合力を高め、板材をより強固に一体化することができる。
【0029】
この場合、請求項3の発明によると、両側張り出し部の斜辺部を円弧状に湾曲形成したから、この両側張り出し部が凹陥部側面に沿って変形し易く、かつ、凹陥部側面に密接し易くなる。
【0030】
さらに、請求項4の発明によると、凹部を、板材外周側に向かって先すぼまりの台形状に形成し、結合片の基端部の幅寸法をこの凹部の基端部幅寸法とほぼ同等に設定したから、結合片を凹陥部に嵌合させた状態で両者が密接すること、及び一旦嵌合させると凹陥部が先すぼまりであることから抜け止め作用が働くことにより、結合力が一層強化される。
【0031】
また、請求項5の発明によると、緩衝体全体の厚み寸法をD、結合片の折り曲げ状態での長さ寸法をLとして、L>Dに設定することにより、結合片を凹陥部に嵌合させた状態で、結合片の先端部が、緩衝体表面から突出するように構成したから、板材を最外層の一枚まで確実に結合することができる。
【0032】
請求項6の発明によると、積層される複数枚の板材のすべてを、同一形状、同一サイズの四角形で、かつ、辺部の中間部に結合片と凹部を備えた同一物として、かつ、このうちベース板材となる一枚の板材を積層板材となる他の板材に対して平面上で180°回転させた状態で互いの結合片と凹部が一致するように構成したから、プレス型、工程も一種類ですみ、一層のコストダウンを実現することができる。
【0033】
請求項7の発明によると、ベース板材と積層板材を互いの各コーナー部で結合するように構成したから、各板材を上下に結合した状態での板材の水平方向のずれ動きを確実に止め、結合状態の一層の安定化を実現することができる。
【0034】
請求項8の発明によると、積層板材における凹部の奥側端部の側面に、結合片の先端部が嵌まり込む切欠を設けたから、結合片の凹部(凹陥部)からの外れをより確実に防止できるとともに、各板材を厚み方向に押さえ込んで結合力を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施形態を図1〜図13によって説明する。
【0036】
以下の実施形態では、背景技術の説明に合わせて、複数の巻糸をパレット輸送する場合に使用される緩衝体を適用対象として例にとっている。
【0037】
第1実施形態(図1〜図8参照)
第1実施形態に係る緩衝体Cは、図9,10に示す従来の緩衝体Aと同様に、プレス機により段ボール素材(通常は段ボール紙)から打ち抜かれた複数枚(図例では4枚)の四角形の板材11…を積層・一体化して構成される。
【0038】
その一体化の仕方として、結合方式、すなわち、板材11…のうち最下層の板材であるベース板材(図、及び以下の説明において枝符号aを付し『11a』と表す)に設けた結合片12を、残りの板材である積層板材11…に設けた凹部13…が重なり合って成る凹陥部14に嵌合させる方式をとっている。
【0039】
詳述すると、ベース板材11a及び積層板材11…は、同一形状、同一サイズの四角形で、かつ、辺部の中間部に結合片12と凹部13を同一配置で備えた全く同一物として形成している。
【0040】
具体的には、図1,2に示すように、各板材11a,11…の四辺のうち対向する二辺の左右両側に結合片12と凹部13を間隔を置いて、かつ、二辺の結合片12と凹部13が対向する配置で設けるとともに、残りの対向する二辺の一方における左右片側に結合片12のみ、他方における左右反対側に凹部13のみをそれぞれ設けている。
【0041】
そして、ベース板材11aを積層板材11…に対して平面上で180°回転させることにより、互いの結合片12と凹部13…(凹陥部13)を互いの三辺で一致させ、この三辺で結合片12を凹部13(凹陥部14)に嵌合させることによって結合する構成をとっている。
【0042】
図1,2中、15…は巻糸の芯となる紙管が嵌まり込む丸穴である。
【0043】
結合片12及び凹部13の構成を図3〜図8に拡大して示す。
【0044】
結合片12は、図3,5等に示すように、板材11a,11の周縁部(辺部中間部)に左右一対の切り込み16,16を、それぞれの先端が板材外周側に開放する状態で間隔を置いて設け、この切り込み16,16間の部分を上向きほぼ垂直に折り曲げることによって形成される。
【0045】
この結合片12の折り曲げを容易にするために、打ち抜き時にたとえば結合片12の基端部を線状に圧縮することによって図中破線で示す折り曲げ線17を形成している。
【0046】
また、結合片12は、先端部が基端部よりも幅広となる形状(板材外周側に向かって先広がりとなる形状)に形成することにより、結合片12の左右両側にほぼ三角形状に張り出す張り出し部(図3,5において斜線を付した部分)18,18を設けている。
【0047】
ここで、両側張り出し部18,18の斜辺部(=切込み16,16)を図示のように円弧状に湾曲形成している。
【0048】
一方、凹部13は、図4,5等に示すように、結合片12と逆に、板材外周側に向かって先すぼまりの台形状に形成している。従って、積層板材11…を積層した状態で平面視台形状の凹陥部14が形成される。
【0049】
この場合、図3,4に示すように結合片12の基端部幅寸法をW1、凹部13の基端部幅寸法をW2として、W1=W2(W1≒W2でもよい)に設定している。
【0050】
この構成において、前記のようにベース板材11aを積層板材11…に対して180°回転させた状態で、たとえば図示のようにベース板材11aを最下層としてこれらを積層し、この状態でベース板材11aの三辺の結合片12…をそれぞれ基端部(折り曲げ線17)で上向きにほぼ90°折り曲げる。
【0051】
これにより、図7,8に示すように結合片12が凹陥部14に嵌まり込んでその根元側に嵌合し、この嵌合部分の摩擦力により各板材11a,11…が結合・一体化される。
【0052】
この場合、結合片12を、公知技術のように板材外周側に突出して設けるのではなく、ベース板材11aの周縁部内側に一対の切り込み16,16によって形成したから、これが嵌合する凹陥部14(各板材の凹部13)も深くすることができ、結合片12がこの凹陥部14に深く嵌まり込んで根元部分に嵌合する。
【0053】
つまり、両者の嵌合が深く安定したものとなるため、ベース板材11aと積層板材11…を強固に結合することができる。
【0054】
また、公知技術と異なり板材11a,11…に突出部分がないため、プレス抜きによる材料のロスが少なくて所謂歩留まりが良くなる。従って、材料コストが安くてすみ、その分、コストダウンすることができる。
【0055】
さらに、突出部分がないため、板材11a,11…の保管、運搬時のスペースが小さくてすむとともに、結合片12が損傷したり、破断したりするおそれが少ない。
【0056】
しかも、この緩衝体Cによると、次の利点を有する。
【0057】
(イ) 図7,8に示すように、結合片12の左右両側に設けられた三角形状の張り出し部18,18が凹陥部14の左右両側面に圧接するため、この張り出し部18,18の圧接力によって結合片12と凹陥部14の結合力を高め、板材11a,11…をより強固に一体化することができる。
【0058】
しかも、両側張り出し部18,18の斜辺部を円弧状に湾曲形成したから、この両側張り出し部18,18が凹陥部14の側面に沿って変形し易く、かつ、凹陥部側面に密接し易くなる。
【0059】
(ロ) 凹部13を、板材外周側に向かって先すぼまりの台形状に形成し、結合片12の基端部の幅寸法W1をこの凹部13の基端部幅寸法W2とほぼ同等に設定したから、結合片12を凹陥部14に嵌合させた状態で両者が密接する。また、一旦嵌合させると、凹陥部14が先すぼまりであることから、抜け止め作用が働くため、結合力が一層強化される。
【0060】
(ハ) この実施形態では、図8に示すように緩衝体C全体の厚み寸法をD、結合片12の折り曲げ状態での長さ寸法をLとして、L>Dに設定している。
【0061】
こうすれば、結合片12を凹陥部14に嵌合させた状態で、結合片12の先端部が緩衝体Cの表面から上方に突出するため、最上層の板材11まで確実に結合することができる。
【0062】
(ニ) 積層される板材11a,11…のすべてを、同一形状、同一サイズの四角形で、かつ、辺部の中間部に結合片12と凹部13を同一配置で備えた全く同一物として形成し、ベース板材となる一枚の板材11aを積層板材となる他の板材11…に対して平面上で180°回転させた状態で互いの結合片12と凹部13が一致するように構成したから、プレス型、工程も一種類ですみ、一層、コストダウンすることができる。
【0063】
なお、上記第1実施形態の変形例として、凹部13を、先すぼまりの台形状ではなく、幅寸法がたとえば上記実施形態のW2(=W1)で一定の四角形に形成してもよい。
【0064】
また、ベース板材11aと積層板材11…は、上記実施形態のように同一物として形成するのが望ましいが、結合片12のみを備えたベース板材と、凹部13のみを備えた積層板材とに分けて形成してもよい。
【0065】
第2実施形態(図9〜図13参照)
第2実施形態において、第1実施形態と同一部分に同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0066】
第2実施形態においては、ベース板材11a及び積層板材11…を同一サイズの四角形とし、ベース板材11aの各コーナー部に結合片12(切り込み16,16)、積層板材11…の各コーナー部に凹部13…をそれぞれ設け、ベース板材11aと積層板材11…を互いの各コーナー部で結合するように構成している。
【0067】
この構成によると、各板材11a,11…を上下に結合した状態での板材相互間の水平方向のずれ動きを確実に止め、結合状態を一層安定化させることができる。
【0068】
また、第2実施形態においては、積層板材11…における凹部13…の奥側端部の両側面にほぼ半円形の切欠13a,13aを設け、結合片12の先端部(張り出し部18,18の先端部分)をこの切欠13a,13aに嵌め込む構成をとっている。
【0069】
こうすれば、結合片12の凹部13(凹陥部)14からの外れをより確実に防止できるとともに、各板材11a,11…を厚み方向に押さえ込んで結合力を強化することができる。
【0070】
なお、張り出し部18,18の斜辺部を円弧状に湾曲形成する点、及び結合状態で結合片12の先端部が緩衝体表面から上方に突出するように結合片12の折り曲げ状態での長さ寸法を設定する点は第1実施形態と同じである。
【0071】
この場合、張り出し部先端部分の張り出し幅を第1実施形態よりも大きくする(たとえば耳状に突出させる)のが望ましい。また、同実施形態においては、この切欠13a,13aによって十分な結合力が得られることに伴い、結合片12を凹陥部14に嵌め易くするために、図示のように凹部13を、第1実施形態とは逆に先広がりに形成している。
【0072】
この切欠13a,13aを設ける構成は、第1実施形態にも適用することができる。
【0073】
ところで、板材11a,11…は、結合片12の折り曲げが容易である等の点で段ボール紙を用いるのが望ましいが、プラスチック製の段ボールを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる緩衝体の分解斜視図である。
【図2】同緩衝体の板材を結合した状態の斜視図である。
【図3】同緩衝体のベース板材の結合片部分を拡大して示す平面図である。
【図4】同緩衝体の積層板材の凹部部分を拡大して示す平面図である。
【図5】同緩衝体のベース板材と積層板材の結合前の部分拡大斜視図である。
【図6】同結合直前の段階の部分拡大斜視図である。
【図7】同結合状態の部分拡大斜視図である。
【図8】同結合状態の断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる緩衝体の分解斜視図である。
【図10】同緩衝体の板材を結合した状態の斜視図である。
【図11】同緩衝体のベース板材の結合片部分を拡大して示す平面図である。
【図12】同緩衝体の積層板材の凹部部分を拡大して示す平面図である。
【図13】同結合状態の部分拡大斜視図である。
【図14】従来の緩衝体の分解斜視図である。
【図15】同緩衝体の使用状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
11 積層板材
11a ベース板材
12 結合片
13 凹部
W1 結合片の基端部幅寸法
W2 凹部の基端部幅寸法
14 凹陥部
16,16 一対の切り込み
17 折り曲げ線
18,18 張り出し部
L 結合片の折り曲げ状態での長さ寸法
D 緩衝体全体の厚み寸法
13a,13a 凹部に設けた切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールから成る複数枚の板材を積層し一体化して構成される運搬用緩衝体において、上下いずれか一方の最外層に位置するベース板材の周縁部に、一対の切り込みを、それぞれの先端が外周側に開放する状態で間隔を置いて設ける一方、残りの板材である積層板材の周縁部に、外周側に開放する凹部を設け、各板材を積層した状態で、上記ベース板材の両切り込みに挟まれた部分を結合片として基端部で折り曲げて、上記凹部が重なり合って形成された凹陥部に嵌合させることにより、ベース板材と積層板材とを積層状態で結合するように構成したことを特徴とする運搬用緩衝体。
【請求項2】
結合片を、先端部が基端部よりも幅広となる形状に形成することにより、結合片の左右両側に三角形状に張り出す張り出し部を設け、この張り出し部を凹陥部の左右両側面に圧接させるように構成したことを特徴とする運搬用緩衝体。
【請求項3】
両側張り出し部の斜辺部を円弧状に湾曲形成したことを特徴とする請求項2記載の運搬用緩衝体。
【請求項4】
凹部を、板材外周側に向かって先すぼまりの台形状に形成し、結合片の基端部の幅寸法をこの凹部の基端部幅寸法とほぼ同等に設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体。
【請求項5】
緩衝体全体の厚み寸法をD、結合片の折り曲げ状態での長さ寸法をLとして、L>Dに設定することにより、結合片を凹陥部に嵌合させた状態で、結合片の先端部が緩衝体表面から突出するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体。
【請求項6】
積層される複数枚の板材のすべてを、同一形状、同一サイズの四角形で、かつ、辺部の中間部に結合片と凹部を備えた同一物として、かつ、このうちベース板材となる一枚の板材を積層板材となる他の板材に対して平面上で180°回転させた状態で互いの結合片と凹部が一致するように構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体。
【請求項7】
ベース板材及び積層板材を同一サイズの四角形とし、ベース板材の各コーナー部に結合片、積層板材の各コーナー部に凹部をそれぞれ設け、ベース板材と積層板材を互いの各コーナー部で結合するように構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体。
【請求項8】
凹部の奥側の端部側面に、結合片の先端部が嵌まり込む切欠を設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の運搬用緩衝体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−207862(P2008−207862A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48465(P2007−48465)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000177911)山下印刷紙器株式会社 (12)
【Fターム(参考)】