説明

運転支援装置

【課題】車両の運転を支援する上で、距離感を掴みやすい映像が表示される運転支援装置を提供する。
【解決手段】車両10の運転を支援する映像32を表示する運転支援装置であって、前記映像32を前記車両10の前方周辺に表示させる表示手段30と、前記車両10のステアリング12に設けられ、乗員が前記ステアリング12を把持する押圧力および乗員がペダルを踏む踏力の両方もしくは一方を検出する押圧力検出手段40と、前記押圧力および前記踏力の両方もしくは一方に応じて前記映像32の形態を変化させ、前記表示手段に表示させる映像調整手段20と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に係り、詳しくは、車両の運転を支援する映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員は、安全な車両の走行のために、運転状況に応じて、前方や側方を目視確認する。しかし、車両の形状は様々であり、スラントノーズを備えるものや、車体と一体型の大型バンパーを備えるものもある。また、乗員が運転席に着座する姿勢や、乗員の体型も様々である。これらの要因によって、乗員の視野範囲は変化し、目視確認の範囲も変化する。
【0003】
かかる状況において、車両の先端部を感覚的に把握することが容易ではなくなるおそれがある。車両の先端部が把握できないと、狭い路地、駐車スペースへの進入、障害物の回避の際に、乗員は障害物等に接触しないように十分な距離的余裕をもって運転する必要があり、ときにはルート変更等も余儀なくされる。
【0004】
そこで、乗員が車両の先端部を知覚できるように、先端部近傍に映像(虚像)を結像させる技術が開示されている(特許文献1)。乗員は、結像された映像(虚像)を視認することによって、車両の先端位置を把握しながら、視線を動かさずに車両を運転することができる。
【特許文献1】特公平5−57937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来技術における虚像は、マークやポール等を模したものであり、一定の形状のものとしていた。これらの映像(虚像)は、実体のマークやポール等と比べて距離感が掴みにくくなるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、車両の運転を支援する上で、距離感を掴みやすい映像(虚像)が表示される運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題を解決するため、本発明の一の実施形態は、車両の運転を支援する映像を表示する運転支援装置であって、前記映像を前記車両の前方周辺に表示させる表示手段と、前記車両のステアリングに設けられ、乗員が前記ステアリングを把持する押圧力および乗員がペダル(アクセルペダルやブレーキペダル)を踏む踏力の両方もしくは一方を検出する押圧力検出手段と、前記押圧力および前記踏力の両方もしくは一方に応じて前記映像の形態を変化させ、前記表示手段に表示させる映像調整手段と、を備えている。
【0008】
人間は手に持った道具を使用するとき、無意識のうちにこの道具を手の一部とみなしている。このことは、身体の拡張現象と呼ばれている。この身体の拡張現象は、遠隔操作用のロボットアームや、ビデオゲームにおいてジョイスティック等を操作するとき、擬似的な触覚と視覚とが融合される視触感統合がなされることによっても生ずる。身体の拡張現象が発生することによって、操作する場所が離れている、または、ディスプレイの中の操作であっても、操作する上での距離感が掴みやすくなる。
【0009】
前記構成によれば、乗員がステアリングを握る力を変えることまたはペダルを踏む力を変えることに同期して表示された映像の形態が変化する。このとき乗員は映像を視認していることから、擬似的な触覚と視覚とが融合し、視触感統合が生じ、身体の拡張現象を生じさせる。したがって、従来技術のように映像(虚像)の距離感が掴みにくくなるような車両と映像との視覚的な分離感を生じさせず、乗員は映像を含んだ車両を自分の身体の一部として感じ、距離感が掴みやすくなる。
【0010】
本発明は、車両の運転を支援する上で、距離感を掴みやすい映像が表示される運転支援装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本実施形態の構成を表すブロック図であり、図2は映像の表示を説明する車両の平面図であり、図3は映像の表示を説明する車両の側断面を模式化した図である。
【0012】
本実施形態にかかる運転支援装置は、車両10の室内に配設された光学素子31からの光が凹面鏡35で反射され、フロントガラス(車窓)11を介して映像32を車両10の前方周辺に表示させる映像表示装置30と、ステアリング12に設けられ、乗員(図示せず)がステアリング12を把持する押圧力を検出する押圧力検出装置40と、押圧力に応じて映像32の形態を変化させ、映像表示装置30に表示させる制御装置(映像調整手段)20と、を備えている。さらに、ステアリング12の舵角を検出する舵角センサ50および車両の変速機の動作を検出する変速機センサ51を備えてもよい。
【0013】
映像32を表示させる映像表示装置30は、光学素子31を備えている。図3に示すように、光学素子31から発生した光は、破線36で示すように凹面鏡35で反射し、フロントガラス11の所定範囲を占めている照射領域13を介して、乗員のアイポイント80に到達する。そして、乗員は車両10の前方の所定位置に結像した映像32を見ることができる。映像表示装置30は、透明な光学ガラス素子に撮像された画像を投影するヘッドアップディスプレイを適用することができる。
【0014】
押圧力検出装置40は、乗員がステアリング12を握る位置に備えた右手握力センサ41Rと左手握力センサ41Lによって、押圧力を検出する。
【0015】
制御装置20は、押圧力検出装置40によって検出された押圧力に基づき、また状況に応じて舵角センサ50によって検出された舵角や変速機センサ51によって検出された変速動作に基づき、映像32の形態の変化を制御する。形態の変化の制御については後記する。
【0016】
[実施例1]
次に、図4を参照して、本実施形態の一実施例を説明する。図4の(a)と(b)は、車両10の室内からフロントガラス11を通して前方を見た説明用の正面図であり、検出された押圧力によって映像の形態が異なる状況を表している。また、(c)は本実施例における押圧力と映像の形態の対応を示す模式図である。
【0017】
運転席に乗車した乗員(図示せず)が握力センサ41を備えたステアリング12を把持することによって、図2(a)に示すように、車両右前端を指示する映像32Rと車両左前端を指示する映像32Lが表示される。本実施例の映像の形態は、従来技術と同様なポール状のものとしている。
【0018】
なお、映像表示は車両を運転する際に必要となり、当然のことながら、イグニッションスイッチをONし、車両のエンジンを始動した後に映像が表示される。
【0019】
映像32は、前記したように光学素子31から発生した光が、破線で示すようにフロントガラス11の所定範囲を占めている照射領域13L,13Rを介して、車両前方の所定位置に映像32L,32Rを結像させることによって表示させている。
【0020】
図4(a)の状態から、乗員が左手でステアリング12を掴む力を緩めたとき、(a)の車両左前端を指示する映像32Lの形態が変化し、(b)の映像32LWのようにポールが太く変形する。
【0021】
たとえば、ゴムやビニルのような弾性体で形成された水道ホースを強く握ると、握った部分の径は縮小し、手を離せば元に戻る。そして、この水道ホースの形態の変化は視覚を通じても認識されており、いわゆる視触感統合がなされている。
【0022】
この押圧力と変形との関係を、ステアリング12への押圧力と映像32との間で再現することで、擬似的な触覚ではあっても、視触感統合をなすことができ、身体の拡張現象を発生させる。図4(a)から(b)への変化は、かかる状況を示すものであり、左手握力センサ41Lによって検出された押圧力が下降することに伴い、映像32の径を太く変形させている。
【0023】
身体の拡張現象が生ずることによって、映像32が乗員の身体の一部として強く認識され、従来技術のように映像32の距離感が掴みにくくなるおそれは少なくなる。もともと、車両は、ステアリング12、アクセル、ブレーキ、変速機(図示せず)を介して、乗員の身体の一部のように認識されると言われる。本実施例は、通常、乗員の視野範囲から外れて視覚によって認識しにくい車両の前端に対して、擬似的な触覚を生じさせる映像32を表示させることによって、視触感統合をなし、身体の拡張現象を車両前端にまで拡張したものである。かかる身体の拡張現象によって映像32(車両前端)までの距離感を向上させる。
【0024】
本実施例では、右手握力センサ41Rが検出した押圧力の変化に応じて右側の映像32Rの形態が変形し、左手握力センサ41Lが検出した押圧力の変化に応じて左側の映像32Lの形態が変形する構成としている。
【0025】
ここで、図4(c)は、押圧力と映像32との関係を表すものの一例である。映像32の変化は、図4(c)のようにポールの太さの変化に限定されず、たとえば、強く握れば色が濃くなる、明るくなる、ポールが曲がる、ポールが小さくなる、等、視覚と触覚とが一致し、経験等で人間が認識できる形態の変化であれば適用することが可能である。
【0026】
また、車両を右左折するときに方向指示器を操作する、雨天のときにワイパーを操作する等、乗員が運転中にステアリング12から手を離す場合がある。このような場合に、映像が一旦消滅し、その後乗員がステアリング12を掴んだときに再度表示されることは、乗員にとって煩わしい。そこで、押圧力が負荷されないときには、既に表示された映像を維持する構成とすることが好適である。
【0027】
[実施例2]
次に、第1実施形態の実施例2について図面を参照して説明する。なお、実施例1と重複する部分については省略し、差異のある部分を中心に説明する。図5(a)は、図4(a)、(b)と同様に、車両10の室内からフロントガラス11を通して前方を見た説明用の正面図であり、(b)は本実施例における押圧力と映像の形態の対応を示す模式図である。
【0028】
本実施例は、握力センサ41(41L,41R)の把持される部分がゴムのような弾性体42(42L,42R)で被覆され、押圧力の負荷に応じて変形し、映像33(33L,33R)は弾性体42の変形と同期して変形する構成としている。
【0029】
映像33の形状は、たとえば軟式テニスで使用されるゴムボールを模したものである。かかるゴムボールは、通常の人間の握力であれば、容易に握りつぶすことができ、実際にゴムボールに触れた経験を有する人間は多い。すなわち、視触感統合がされやすい形態となる。
【0030】
図5(a)の右側の弾性体42Rを乗員が強く握ると、右手握力センサ41Rによって押圧力が検出されるとともに弾性体42R自体もつぶれた状態となる。制御装置20は、右側の映像33Rを、左側の映像33Lのような略球形状から楕円体に変形させる。この変形を弾性体42Rのつぶれる状態と同期させることにより、乗員はあたかも映像33Rを握りつぶしているような擬似的な触覚と視覚を体験する。この結果、視触覚統合がなされ、身体の拡張現象を映像33R(車両前端)まで至らせ、映像33Rまでの距離感を向上させる。
【0031】
図5(b)は、押圧力に対する映像33Rの形態の変化の一例を示している。
【0032】
[実施例3]
次に、第1実施形態の実施例3について図面を参照して説明する。なお、前記した実施例と重複する部分については省略し、差異のある部分を中心に説明する。図6は舵角等の状態を考慮した映像表示のフロー図である。
【0033】
走行している車両が右折または左折を予定している交差点にさしかかると、乗員は方向指示器を操作し、交差点内ではステアリングを回転させる。このように、道路走行中に、ステアリングを片手で把持する場面が想定される。上記例以外にも、手動変速機を備えた車両では、車両を発進させ、加速させ、定速走行に移行するまでに、片手で手動変速機を操作するため、その間ステアリングは片手で把持される。
【0034】
ステアリングを片手で把持する場面に遭遇する度に、映像が点灯、消滅を繰り返すと、乗員にとって煩わしいものであり、注意力を散漫にするおそれがある。本実施例は、このような場面を想定している。
【0035】
舵角センサ50は、走行中の車両10の舵角を検出する。制御装置20は、直進を0度としたときの舵角が所定の閾値を超えたか、否かを判定する(ステップS01)。車両10を旋回させるときにステアリング12を回転方向に送るための右手、左手の持ち替えタイミングは、乗員それぞれによって異なる。したがって、前記した所定の閾値は、乗員の運転の方法や経験等によって可変とする構成にしてもよい。
【0036】
舵角が閾値を超えていないとき(ステップS01:No)、変速機センサ51は、乗員が変速動作を行っているか、否かを判定する(ステップS02)。本ステップは、主に手動変速機を備えた車両10に適用されるが、自動変速機を備えた車両であっても、乗員によっては変速機を操作してシフトダウンを行う場合があるため、かかる判定を適用してもよい。
【0037】
変速動作(ギア変換中)でないことが検出されたとき(ステップS02:No)、押圧力検出装置40が、左手握力センサ41Lもしくは右手握力センサ41Rによって押圧力が検出されているか、否かを判定する(ステップS03)。
【0038】
押圧力が検出されていれば(ステップS03:No)、乗員がステアリング12を把持していると判断し、制御装置20は、図4(c)や図5(b)のような押圧力に対応した映像32を映像表示装置30に表示させる。
【0039】
舵角が閾値を超えている(ステップS01:Yes)、もしくは、変速動作が行われている(ステップS02:Yes)ときには、乗員がステアリング12を片手で把持する場面に遭遇したと判断されるため、それまでに表示されていた映像が維持される(ステップS06)。
【0040】
ここで、押圧力が検出されないとき(ステップS03:Yes)、映像を消滅させる構成としてもよい(ステップS05)。乗員がステアリング12を片手で把持する場面に遭遇していないにもかかわらず片手運転をしていると想定される。映像が消滅することにより、乗員は注意を喚起され、両手でステアリング12を把持するようになる。
【0041】
[実施例4]
次に、第1実施形態の実施例4について図面を参照して説明する。なお、前記した実施例と重複する部分については省略し、差異のある部分を中心に説明する。図7は押圧力に対する映像32(33)の形態の変化の一例を示した説明図である。
【0042】
本実施例は、無負荷の押圧力と、押圧力検出装置40が検出可能な上限の押圧力と、の間の所定の押圧力をモード押圧力と設定している。このモード押圧力は、車両の運転に際して望ましい握力を指示してもよい。
【0043】
車両運転経験の浅い初心者は、ステアリング12を強く把持する傾向があり、強く把持することにより車両の走行が不安定になるおそれがある。本実施例は、このような初心者が適正な握力でステアリング12を把持するように誘導することができる。モード押圧力は、最適の押圧力として設定してもよいし、標準的な運転においてステアリング12を強く把持するときの握力として設定してもよい。
【0044】
最適の押圧力に設定すれば、視覚と触覚を通じて、乗員は適正な握力を把握することができる。一方、強く把持するときの握力として設定すれば、乗員は強く握りすぎないように力を加減するようになる。そして、乗員は前記した実施例のようにステアリング12を把持する力の強弱によって、身体の拡張感を体験しながら運転操作をすることができる。
【0045】
前記では、運転初心者について述べたが、通常の乗員にとっても、運転中に適正な握力を確認することができる。
【0046】
映像32(33)の表示の一例を図7に示す。制御装置20は、検出された押圧力がこのモード押圧力近傍となったときの映像32(33)の形態を基準として、押圧力がモード押圧力から上昇するに伴い、映像32(33)の形態を基準から変化(TRS)をさせ、一方、押圧力が前記モード押圧力から下降するに伴い、映像32(33)の形態を基準から上昇時の変化と同様な変化(TRW)をさせている。
【0047】
[実施例5]
次に、第1実施形態の実施例5について説明する。なお、前記した実施例と重複する部分については省略し、差異のある部分を中心に説明する。
【0048】
本実施例は、実施例1において、画像生成手段を左右映像に対して共通とし、左右押圧力の合計値または最大値をもとに画像を生成する。
【0049】
左右の握力の違い(効き手やドライバの癖など)に関わらず、同一の映像を表示することで、左右の映像が不必要にアンバランスに表示され、違和感を生じさせることを防ぐ。
【0050】
また、右左折時など、片手がステアリングから離れる場合に、映像が不必要に変化するのを防ぐことができる。車両中央に映像を表示させる場合には、両方の手で映像を握りつぶしているような感覚を与えることができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、前記した実施例と重複する部分については省略し、差異のある部分を中心に説明する。図8は本実施形態の構成を表すブロック図であり、図9の(a)と(b)は、車両10の室内からフロントガラス11を通して前方を見た説明用の正面図であり、検出された踏力によって映像の形態が変化する状況を表している。
【0052】
本実施形態は、図8に示すように、図1に示した第1実施形態の押圧力検出装置40に代替して踏力検出装置44が備えられている。踏力検出装置44は、乗員がブレーキペダルを踏み込むときにブレーキペダル踏力センサ45によって踏力を検出し、一方、乗員がアクセルペダルを踏み込むときにアクセルペダル踏力センサ46によって踏力を検出する。
【0053】
制御装置20は、踏力検出装置44によって検出された踏力に基づき、映像32の形態の変化を制御する。図8では図1のように変速機センサ51、舵角センサ50、押圧力検出装置40等を備えた構成としていないが、これらの構成を付加することもできる。
【0054】
以下、図9に基づいて本実施形態の一実施例を説明する。図9(a)では、乗員はアクセルペダル15を足62によって踏み込んでいる。本実施例では、図4(c)のようにアクセルペダル15への踏力が強ければ表示されたポール状の映像32が細くなるように形態が変化していく。
【0055】
一方、図9(b)に示すように、乗員がブレーキペダル14を足62によって踏み込んでいる場合は、図4(c)とは逆に踏力が強ければ表示されたポール状の映像32が太くなるように形態が変化していく。
【0056】
かかる構成によって、この踏力とブレーキペダル14およびアクセルペダル15の踏み込み量との関係を、踏力と映像32との間で再現することで、擬似的な触覚ではあっても、視触感統合をなすことができ、身体の拡張現象を発生させる。かかる身体の拡張現象によって映像32(車両前端)までの距離感を向上させる。
【0057】
また、アクセルペダル15に強い踏力が負荷されていることを乗員に意識させることもでき、安全運転の指針ともなり得る。同様に、乗員は、ブレーキペダル14への踏力に応じた映像32の形態によって、急なブレーキ操作等も認識でき、安全運転の指針となりうる。
【0058】
なお、本実施例ではブレーキペダル14とアクセルペダル15とを例として説明したが、乗員が左足を休めるフットレストに踏力を検出するセンサを配設してもよい。また、映像32の形態の変化や形状は、第1実施形態において説明したように種々選択することができることは言うまでもない。
【0059】
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。本発明は、図面に記載したものに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を表すブロック図である。
【図2】映像の表示を説明する車両の平面図である。
【図3】映像の表示を説明する車両の側断面を模式化した図である。
【図4】(a)と(b)は、車両の室内からフロントガラスを通して前方を見た説明用の正面図であり、(c)は押圧力と映像の形態の対応を示す模式図である。
【図5】(a)は、車両の室内からフロントガラスを通して前方を見た説明用の正面図であり、(b)は押圧力と映像の形態の対応を示す模式図である。
【図6】舵角等の状態を考慮した映像表示のフロー図である。
【図7】押圧力に対する映像の形態の変化の一例を示した説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態の構成を表すブロック図である
【図9】(a)と(b)は、車両10の室内からフロントガラス11を通して前方を見た説明用の正面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 車両
11 フロントガラス
12 ステアリング
13 照射領域
20 制御装置
30 映像表示装置
31 光学素子
32,33 映像
40 押圧力検出装置
41 握力センサ
42 弾性体
50 舵角センサ
51 変速機センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転を支援する映像を表示する運転支援装置であって、
前記映像を前記車両の前方周辺に表示させる表示手段と、
前記車両のステアリングに設けられ、乗員が前記ステアリングを把持する押圧力および乗員がペダルを踏む踏力の両方もしくは一方を検出する押圧力検出手段と、
前記押圧力および前記踏力の両方もしくは一方に応じて前記映像の形態を変化させ、前記表示手段に表示させる映像調整手段と、を備える、運転支援装置。
【請求項2】
前記映像の形態には、少なくとも、形状、明るさ、色合い、もしくは、模様が含まれる、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記形状には、少なくとも、棒形状、または、略球形状が含まれる、請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記映像の形態の変化は、少なくとも、棒形状にあっては太さまたは長さの変化、略球形状にあっては球から楕円体への変化、明るさにあっては明暗の変化、色合いにあっては反射される光の波長の変化、もしくは、模様にあっては柄の規則性の変化が含まれる、請求項2または請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記映像調整手段は、前記押圧力および前記踏力の両方もしくは一方が負荷されないときに、既に表示された前記映像の形態を維持する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記車両の操舵角を検出する操舵角検出手段をさらに備え、
前記映像調整手段は、所定の操舵角を超える操舵角が検出されたとき、既に表示された前記映像の形態を維持する、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記車両の変速機の動作を検出する変速動作検出手段をさらに備え、
前記映像調整手段は、前記変速機の動作が検出されたとき、既に表示された前記映像の形態を維持する、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項8】
無負荷の前記押圧力と、前記押圧力検出手段が検出可能な上限の前記押圧力と、の間の所定の押圧力をモード押圧力と設定したとき、前記映像調整手段は、検出された前記押圧力がこのモード押圧力近傍となったときの前記映像の形態を基準として、前記押圧力が前記モード押圧力から上昇するに伴い前記映像の形態を前記基準から変化をさせ、一方、前記押圧力が前記モード押圧力から下降するに伴い前記映像の形態を前記基準から上昇時の変化と同様な変化をさせる、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記車両の直進時に前記乗員が前記ステアリングを把持する部分に前記押圧力検出手段が設けられており、前記乗員の右手で把持する部分の前記押圧力検出手段と左手で把持する部分の前記押圧力検出手段とは別体となっている、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項10】
前記映像調整手段は、前記押圧力検出手段によって検出された右手側の押圧力に応じて前記車両の前方右側に表示される映像の形態を変化させ、左手側の押圧力に応じて前記車両の前方右側に表示される映像の形態を変化させる、請求項9に記載の運転支援装置。
【請求項11】
前記押圧力検出手段の把持される部分は弾性体で被覆され、前記押圧力の負荷に応じて弾性的に変化し、前記変化と同期して前記映像の形態を変化させる、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−86484(P2010−86484A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257842(P2008−257842)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】