説明

運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置およびその方法

【課題】訓練中であっても、事故事象を模擬する訓練シナリオを作成及び検証評価でき、またインストラクタの負荷を軽減できるプラント運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置を提供する。
【解決手段】インストラクタ端末20と、訓練シナリオ実行手段101と訓練シナリオ作成端末22と、シミュレータ制御基本部100とプラント模擬手段10と訓練シナリオ作成手段12とシミュレータ計算機21と、を具備し、前記シミュレータ制御基本部100は前記プラント模擬手段10が訓練実行中か停止中かを判定し、停止中の場合は前記プラント模擬手段10により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、実行中の場合は前記シミュレータ制御基本部100によって作成されたプラント模擬複製手段10Aにより当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、その動作結果を前記訓練シナリオ評価手段106で評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラント等のプラントに用いられる運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントの運転訓練シミュレータでは、プラント事故を模擬する場合にマルファンクション(プラントの事故や機器の重大故障を設定する機能、以降「MF」という。)及びオルタレーション(プラント機器の単純故障、センサの異常状態を設定する機能、以降「ALT」という。)を実行し、プラント事故発生時の対応訓練を行う。
【0003】
訓練内容によっては単一のMF又はALTではプラント事故を模擬できないケースがあるため、プラント運転訓練シミュレータは複数のMFとALTを組み合わせて複雑な事故事例を作成する訓練シナリオ作成機能を有している(特許文献1)。
【0004】
従来のプラント運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成装置を図18により説明する。
この訓練シナリオ作成装置は、プラントの監視操作を行う監視操作用ハード盤1及び監視操作用モニタ2と、プラントを模擬するシミュレータ計算機21、及びシミュレータ計算機21に対して実行、停止等の指示、及びシミュレーション結果を表示するインストラクタ端末20とから構成される。
【0005】
インストラクタ端末20は、プラント初期状態を設定する初期状態設定・保存要求手段3と、訓練シナリオ作成要求手段4と、シミュレーションの実行停止の指示及び訓練シナリオの実行の指示を行うシミュレータ/訓練シナリオ実行手段5と、実際のシミュレーション結果を表示するプラント状態値表示手段6と、訓練シナリオ実行表示手段17と、から構成される。
【0006】
シミュレータ計算機21は、インストラクタ端末20とのインタフェースを提供する他装置間入出力手段7と、インストラクタ端末20からの初期状態設定要求を受けて初期状態設定保存を行う初期状態設定・保存手段8及び初期状態ファイル13と、インストラクタ端末20からの訓練シナリオ作成要求を受けて訓練シナリオの作成を行う訓練シナリオ作成手段12及び訓練シナリオファイル16と、制御ロジックとプラントを構成する機器の特性を数式化したプラント模擬手段10と、インストラクタ端末20からの要求に従いプラント模擬手段10実行・停止するシミュレータ制御基本部9と、現在のシミュレーション実行状態を管理する実行状態テーブル15と、監視操作用ハード盤1、監視操作用モニタ2及びインストラクタ端末20を連携するプラント状態値入出力手段11と、から構成される。
【0007】
このように構成された運転訓練シミュレータにおいて、通常の運転訓練はシミュレータ/訓練シナリオ実行手段5によって開始し、別途設けられた訓練シナリオファイル(図示せず)から読み出した訓練シナリオに基づいて訓練が行われる。一方、インストラクタが訓練シナリオファイルを作成するには、訓練シナリオ作成要求手段4の指示により訓練シナリオ作成手段12で訓練シナリオが作成され、訓練シナリオファイル16に格納される。訓練シナリオ作成手段12では、訓練シナリオファイルを直接編集する方法又はインストラクタの操作履歴を元に訓練シナリオとして作成したい範囲を選択し作成する方法が用いられている。
【0008】
そして、作成した訓練シナリオの評価検証は、シミュレータ(プラント模擬手段)が実際の運転訓練に用いられていないときに、作成した訓練シナリオを動作させ、評価検証を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特願平11−24544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した従来の運転訓練シミュレータでは、訓練中に訓練シナリオファイルの実行ができないため、評価検証は訓練終了後に実施するしかなかった。
【0011】
また、従来技術の訓練シナリオはリスト形式であるため、時系列でどのような順番でステップ実行されるかがわかりにくく、また、模擬内容によっては、より複雑な条件の組合せでないとその事象を模擬できない場合もあった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、訓練中であっても、より複雑な事故事象を模擬する訓練シナリオを効率的かつ簡便に作成及び検証評価することができる運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置は、シミュレータ実行手段とプラント状態値表示手段とを有するインストラクタ端末と、訓練シナリオ実行手段と訓練シナリオ実行表示手段と訓練シナリオ作成要求手段と訓練シナリオ評価結果表示基本部とを有する訓練シナリオ作成端末と、シミュレータ制御基本部とプラント模擬手段と訓練シナリオ作成手段と訓練シナリオファイルと訓練シナリオ評価手段とプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルとを有するシミュレータ計算機と、を具備する運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置において、前記訓練シナリオ実行手段により評価対象の訓練シナリオの実行要求があったとき、前記シミュレータ制御基本部は前記プラント模擬手段が訓練実行中か停止中かを判定し、停止中の場合は前記プラント模擬手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、実行中の場合は前記シミュレータ制御基本部によって作成されたプラント模擬複製手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、その動作結果を前記訓練シナリオ評価手段で評価することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置は、シミュレータ実行手段とプラント状態値表示手段とを有するインストラクタ端末と、訓練シナリオ実行手段と訓練シナリオ実行表示手段と訓練シナリオ作成要求手段と訓練シナリオ評価結果表示基本部とを有する訓練シナリオ作成端末と、シミュレータ制御基本部とプラント模擬手段と訓練シナリオ作成手段と訓練シナリオファイルと訓練シナリオ評価手段とプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルとを有するシミュレータ計算機と、を具備する運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置において、前記訓練シナリオ実行手段により評価対象の訓練シナリオの実行要求があったとき、前記シミュレータ制御基本部は前記プラント模擬手段が訓練実行中か停止中かを判定し、停止中の場合は前記プラント模擬手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、実行中の場合は計算機リソースが開放されるまで待ち状態とし、計算機リソースが開放された後に前記プラント模擬手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援方法は、訓練シナリオファイルの評価検証作業を行う運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援方法において、評価対象の訓練シナリオの評価要求があったとき、訓練実行中か停止中かを判定するステップと、停止中の場合はプラント模擬手段により前記評価対象の訓練シナリオを動作させるステップと、実行中の場合はプラント模擬複製手段を作成して当該プラント模擬複製手段により前記評価対象の訓練シナリオを動作させるステップと、前記訓練シナリオを動作させた動作結果を評価するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置およびその方法よれば、訓練中であっても、より複雑な事故事象を模擬する訓練シナリオを効率的かつ簡便に作成及び検証評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図3】(a)は本発明の第2の実施形態に係る訓練シナリオファイルの構成例、(b)及び(c)はマルファンクションテーブルの構成例を示す図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る実行ファイルコントロール要求手段の構成例を示す図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るバックステップファイルの構成例を示す図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図9】(a)は本発明の第5の実施形態に係る訓練シナリオファイルの構成例、(b)はトリガー管理ファイルの構成例を示す図。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の訓練シナリオ実行状態表示例(RUN、時刻変更、コメント)を示す図。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図。
【図13】(a)は本発明の第7の実施形態に係る訓練シナリオ実行状態表示例(サブルーチン)を示す図、(b)はファイル名称例を示す図。
【図14】本発明の第8の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の主要図
【図15】従来の訓練シナリオ作成装置の訓練シナリオ実行状態表示例を示す図。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の訓練シナリオ条件ロジック表示例を示す図
【図17】本発明の第8の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の訓練シナリオ時系列実行表示例を示す図
【図18】従来の訓練シナリオ作成装置の全体構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る訓練シナリオ作成支援装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置およびその方法を、図1を用いて説明する。
【0020】
(構成)
図1は運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置の全体構成図である。
運転訓練シミュレータは、プラントの監視操作を行う監視操作用ハード盤1及び監視操作用モニタ2と、プラントを模擬するシミュレータ計算機21と、シミュレータ計算機に対して実行、停止等の指示、及びシミュレーション結果を表示するインストラクタ端末20と、訓練シナリオを作成する訓練シナリオ作成端末22から構成される。
【0021】
インストラクタ端末20は、プラント初期状態を設定する初期状態設定・保存要求手段3と、シミュレーション実行停止指示を行うシミュレータ実行手段5と、実際のシミュレーション結果を表示するプラント状態値表示手段6から構成される。
【0022】
訓練シナリオ作成端末22は、複数のMF、ALTを組み合わせて事故模擬ファイルを作成する訓練シナリオ作成要求手段4と、作成した訓練シナリオを実行する訓練シナリオ実行手段101と、訓練シナリオの現在の実行状態を表示する訓練シナリオ実行表示手段17と、訓練シナリオ結果を各種形式に表示する訓練シナリオ評価結果表示基本部102と、から構成される。
【0023】
シミュレータ計算機21は、インストラクタ端末20とのインタフェースを提供する他装置間入出力手段7と、インストラクタ端末20からの初期状態設定要求を受けて初期状態設定保存を行う初期状態設定・保存手段8及び初期状態ファイル13と、インストラクタ端末20からの訓練シナリオ作成要求を受けて訓練シナリオの作成を行う訓練シナリオ作成手段12及び訓練シナリオファイル16と、制御ロジックとプラントを構成する機器の特性を数式化したプラント模擬手段10及びプラント複製模擬手段10Aと、インストラクタ端末20からの要求に従いプラント模擬手段10を実行、停止するシミュレータ制御基本部100と、プラント模擬手段を停止したときの状態が保存されているフリーズバッファ108と、現在のシミュレーション実行状態を管理する実行状態テーブル15と、プラント模擬手段により作成されるプラント状態値ファイル14及びプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105と、プラント状態値ファイル14と、監視操作用ハード盤1、監視操作用モニタ2及びインストラクタ端末20を連携するプラント状態値入出力手段11と、プラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105の内容を評価する訓練シナリオ評価手段106と、から構成される。
【0024】
(作用)
本発明の第1の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置の作用を説明する。
インストラクタ端末20から初期状態設定要求があると、シミュレータ制御基本部100は初期状態ファイルを読み込み、その内容をプラント模擬手段10に通知する。その後、インストラクタ端末20からシミュレータ実行要求があると、シミュレータ制御基本部100はプラント模擬手段10を動作させるとともに、実行状態テーブル15を「実行中」に更新する。なお、訓練シナリオは別途設けられた訓練シナリオファイル(図示せず)に格納された訓練シナリオが読み出されて訓練が行われる。また、インストラクタ端末20から停止要求があった場合は、シミュレータ制御基本部100によりプラント模擬手段10を停止させるとともに、停止状態をフリーズバッファ108に保存し、かつ実行状態テーブル15を「停止中」に更新する。
【0025】
上記と同時進行で訓練シナリオ作成端末22より訓練シナリオ作成要求があった場合、訓練シナリオ作成手段12により訓練シナリオファイル16が作成される。
【0026】
次に訓練シナリオ実行手段101により、評価対象の訓練シナリオファイル16の情報がシミュレータ基本部100に通知される。シミュレータ基本部100は実行状態テーブル15を参照し、実行中かどうかを判定し、停止中であれば、停止中のプラント模擬手段10に割り込み要求をかけ、訓練シナリオファイル16の内容を読み込み、その内容をプラント模擬手段10に通知し、動作させるとともに、実行状態テーブル15に「訓練シナリオ(1)実行中」を追加する。訓練シナリオ評価終了後、通常の訓練を再開する場合は、フリーズバッファ108をシミュレータ制御基本部100により読み込みプラント模擬手段10に再設定することで停止直前の状態から再開することが可能となる。
【0027】
一方、プラント模擬手段10が訓練実行中に訓練シナリオ評価要求があった場合、シミュレータ制御基本部100はプラント模擬複製手段10Aを生成し、プラント模擬手段10とは別のプラント模擬複製手段10Aで作成された訓練シナリオを動作させる。
【0028】
そして、実行した結果はリアルタイムでプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105に保存され、訓練シナリオ評価手段を介して、評価結果を訓練シナリオ評価結果表示基本部102に表示する。
【0029】
(効果)
本第1の実施形態によれば、訓練中であっても、訓練中のプラント模擬手段に影響を与えることなく、訓練シナリオファイルの作成及び評価検証作業を行うことができる。
【0030】
また、インストラクタ端末と訓練シナリオ作成端末を分けることで、訓練室とは別の事務室で作業を行うことができ、かつ訓練シナリオを作成するだけでなく、その内容の評価までも同時に行うことが可能となるためインストラクタの作業効率が大幅に向上する。なお、インストラクタ装置に訓練シナリオ作成端末の機能を包含することも可能である。
【0031】
さらに、シミュレータ計算機のリソースを有効活用するため、プラント模擬手段が停止中の場合は、プラント模擬手段の複製を生成することなく、プラント模擬手段に割り込みをかけて訓練シナリオの評価検証用として動作させる。
【0032】
また、シミュレータ制御基本部にて計算機リソース(CPU負荷、メモリ空き容量等)及びプラント模擬手段の実行個数を監視し、ある一定のしきい値を越える場合は、プラント模擬手段の複製は生成せず計算機リソースが解放されるまで待ち状態(実行予約状態)としてもよく、その場合、計算機リソースが解放されたら直ちにプラント模擬手段の複製を生成することでインストラクタが現在の計算機リソースを意識することなく、かつ訓練中でも訓練シナリオの評価検証作業が行えるようになるため、インストラクタの負荷を軽減することができる。
【0033】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図2、図3を用いて説明する。
【0034】
(構成)
本第2の実施形態は、第1の実施形態の訓練シナリオ作成端末22に監視操作用ハード盤をソフト化した模擬盤表示手段300と監視操作用モニタをソフト化した仮想モニタ表示手段301とトレンドグラフ表示手段304を配置し、シミュレータ計算機21にプラント状態値仮想入出力手段302と、MFテーブル303を配置したことを特徴とする。
【0035】
(作用)
訓練シナリオ作成端末22から訓練シナリオ実行手段101により実行要求があると、他装置間入出力手段7を経由してシミュレータ制御基本部100に訓練シナリオのインデックス情報が通知される。その情報を元にシミュレータ制御基本部100は該当する訓練シナリオファイル16に設定された内容に従い、ALT、MF、フリーズ要求を実行する。
実行した結果はリアルタイムでプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105に保存される。
【0036】
訓練シナリオ評価手段106は訓練シナリオファイル16、及びMFテーブル303を参照し、トレンドグラフに表示すべきプロセスID(PID;プロセス識別番号)を抽出するとともに、該当するプロセスIDのデータをプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルより抽出し、抽出したデータとプロセスIDを他装置間入出力手段7を経由して訓練シナリオ評価結果表示基本部102に通知される。
【0037】
トレンドグラフ表示手段304は訓練シナリオ評価結果表示基本部102により通知された情報(PID、プロセス値、表示スパン等)を元に自動でトレンドグラフ表示を行う。図3(a)は訓練シナリオファイル、図3(b)はMF(マルファンクション)テーブルの一例を示すもので、訓練シナリオファイルとMFテーブルよりトレンド表示項目を自動設定し(図3(c))、トレンドグラフ表示手段304に自動でグラフ表示される。
【0038】
また、プラント状態値仮想入出力手段302によりプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105の内容が模擬盤表示手段300、仮想モニタ表示手段301により評価結果が表示される。
【0039】
(効果)
本第2の実施形態によれば、訓練シナリオ実行後の検証を行う際、訓練シナリオファイルの内容に基づいたトレンドグラフが自動で表示されるため、リアルタイムで訓練シナリオ評価を行うことができる。
【0040】
また、監視操作用ハード盤、及び監視操作用モニタがなくても、その機能をソフト化した模擬盤表示手段、及び仮想モニタ表示手段が提供されることにより、ハード盤で行う監視、操作が行えるため、実際の訓練に近い状態での訓練シナリオ評価検証環境を提供することができる。
【0041】
その結果、インストラクタの訓練シナリオ評価検証に伴う負荷軽減を図ることができるとともに訓練シナリオファイルの内容がより充実したものとなる。
【0042】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図4〜図6を用いて説明する。
【0043】
(構成)
本第3の実施形態は、第1の実施形態の訓練シナリオ作成端末22に訓練シナリオファイルの実行状態をコントロールする実行ファイルコントロール要求手段400とシミュレータ計算機21に実行ファイルコントロール手段401と実行ステップを前のステップへ戻すためのバックステップファイル402を配置したことを特徴とする。
【0044】
(作用)
訓練シナリオ作成端末22の訓練シナリオ実行手段101から実行要求があると、他装置間入出力手段7を経由してシミュレータ制御基本部100に訓練シナリオのインデックス情報が通知される。その情報を元にシミュレータ制御基本部100は該当する訓練シナリオファイル16に設定された内容に従い、ALT、MF、フリーズ要求を実行する。実行した結果はリアルタイムでプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105に保存される。
【0045】
実行ファイルコントロール要求手段400により、一次停止又はバックステップ等の割り込み実行要求を行うと、実行ファイルコントロール手段401よりシミュレータ制御基本部100に割り込みコントロールを通知し、要求されたコントロールを実行する。
【0046】
一時停止要求の場合は、再開要求があるまで訓練シナリオファイルの実行を一時停止する。1ステップ実行要求の場合は、ファイルをステップ実行し、次ステップの実行直前で一時停止する。
【0047】
また、バックステップ要求の場合は、バックステップファイル402の時刻をもとに1ステップ前のプラント状態に戻し、再開要求があるまで一次停止する。図5は、実行ファイルコントロール手段104の構成例である。
【0048】
図6のバックステップファイルを例に説明する。例えばステップのMF10を実行中にバックステップ要求した場合はバックステップファイル402より、ステップ3の実行時刻を取得し、取得した時刻から過去にさかのぼって一番至近のデータをプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105から取得し、その内容をプラント模擬複製手段10Aに通知するとともに、ステップ3以降に発生したデータをプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105からクリアする。
【0049】
再開要求後、バックステップファイルのステップ3には再開要求実行した時刻が設定されるとともに、プラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル105にもプラント模擬複製手段10Aの実行結果が保存される。
【0050】
(効果)
本第3の実施形態によれば、訓練シナリオの検証を行う際、実行ステップ毎の検証をその場で行うことができる。例えば、マルファンクションを実行後、配管の破断率等を変更したい場合は、バックステップ要求により1つ前のステップに戻し、当該マルファンクションのパラメータ定数を設定変更後、訓練シナリオを再開させることでより複雑な事象も繰返し検証ができ想定シナリオと実行結果の比較が容易になる。
【0051】
その結果、インストラクタの訓練シナリオ評価検証に伴う負荷軽減を図ることができるとともに、訓練シナリオファイルの内容がより充実したものとなる。
【0052】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図7を用いて説明する。
【0053】
(構成)
本第4の実施形態は、第1の実施形態の構成に音声取得手段500と訓練シナリオ判定手段501と訓練シナリオ辞書テーブル502を配置したことを特徴とする。
【0054】
(作用)
インストラクタ端末20から音声取得手段500により音声による訓練シナリオの作成要求があると、認識した音声から訓練シナリオを作成する。
【0055】
例えばインストラクタが「マルファンクション001(ゼロゼロイチ)を実行後、オルタレーション003(ゼロゼロサン)を実行し、最後にフリーズする」と発声した場合、音声取得手段500により抽出される単語は、マルファンクション001、オルタレーション003、フリーズの3ワードとなる。
【0056】
訓練シナリオ辞書テーブル502には既にその単語は登録済みであり、音声取得手段500により抽出される単語と比較し、一致していれば訓練シナリオ判定手段501にマルファンクション番号、もしくはオルタレーション番号を通知される。訓練シナリオ判定手段501はその番号が有効かどうかチェックし、有効であれば、通知された順番通りに訓練シナリオ作成要求手段4に要求を行い、訓練シナリオ作成手段12にて訓練シナリオファイル16が作成される。
【0057】
(効果)
本第4の実施形態によれば、訓練シナリオ作成を対話画面で設定することなくインストラクタの音声のみで作成することができるため、訓練シナリオ作成に伴う負荷軽減を図ることができる。
【0058】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図8及び図9を用いて説明する。
【0059】
(構成)
本第5の実施形態は、第1の実施形態の構成にトリガー登録手段551とトリガー管理ファイル552とトリガー構文解析手段552を加えたことを特徴とする。
【0060】
(作用)
訓練シナリオ作成端末22からトリガー登録手段550により訓練シナリオファイル16に登録されているマルファンクションを実行するトリガー条件を設定し、その結果をトリガー管理ファイル551に保存する。トリガー登録手段550より登録するトリガー条件は以下に示すように判定条件を自由に記述することができる。
【0061】
(トリガー条件記載例)
(PID0001 = ON.AND.PID0002 > 350).OR.(PID0003 = OFF.AND.PID0004 = ON.AND.PID0005 < 100)
なお、トリガー条件を記載する際、構文として成り立たない場合(例えば左カッコと右カッコの個数が合わないなど)はトリガー管理ファイル551への登録は行わない。
【0062】
シミュレータ制御基本部100にて訓練シナリオファイル16の内容をもとにステップ実行が行われる際、訓練シナリオファイル16に登録されたマルファンクションにトリガー条件が設定されていないかどうかトリガー管理ファイル551の内容を確認し、設定されていればその条件をトリガー構文解析手段552によりトリガー条件構文を解析し、条件成立した場合は登録されたマルファンクションを実行する。図9(a)は一つの訓練シナリオファイル16にMAL010が組み込まれている例を示し、図9(b)はトリガー管理ファイル551に格納されているMAL010のトリガー条件の例を示している。
【0063】
(効果)
マルファンクション実行のトリガー条件を設定する際、これまでが決められたフォーマット上でのAND、OR回路の組合せでしか設定することができなかったが、本発明により、トリガー条件設定の自由度が高くなるため、より複雑な事象を模擬することができ、訓練シナリオファイルの内容がより充実したものとなる。
【0064】
また、条件が成立しない場合は、マルファンクションは実行されないが、その場合、シミュレータ側に何からの問題がある可能性が高い。したがって、不必要な訓練シナリオの実行及び検証評価を防ぐことができる。
【0065】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図10及び図11を用いて説明する。
【0066】
(構成)
本第6の実施形態は、第1の実施形態の訓練シナリオ作成端末22に訓練シナリオ時刻変更・RUN要求ならびにコメント入力手段604と、シミュレータ計算機21に訓練シナリオ時刻変更・RUN・コメントファイル616と、訓練シナリオ時刻変更・RUN・コメント表示手段617を加えたことを特徴とする。
【0067】
(作用)
訓練シナリオ作成端末22において訓練シナリオ作成要求手段4の一部機能に含まれる訓練シナリオ時刻変更・RUN要求ならびにコメント入力手段604から訓練シナリオ作成時に時刻変更・RUN・コメント入力を行うと、他装置間入出力手段7を経由して訓練シナリオファイル16のステップ情報に時刻変更・RUN・コメント情報が追加され、他装置間入出力手段7ならびに訓練シナリオ実行手段101を経由して訓練シナリオ実行表示手段17の一部機能に含まれる訓練シナリオ時刻変更・RUN・コメント表示手段617に状態が表示される。
【0068】
図11は訓練シナリオ実行表示手段17に時刻変更とコメントが表示された例を示している。ここで、変更時刻はシミュレーション開始時刻を設定・表示するもので、RUNはシミュレーション演算の開始を指示する。また、コメントは実行タイミングのメモ機能の役割を果たすもので、例えば、ステップの説明、変更理由等が記入される。
【0069】
(効果)
本第6の実施形態によれば、訓練シナリオファイルの実行開始前にシミュレータの時刻変更を行うことで、訓練を開始する時刻を比較対象と一致させることができ、実機運転の操作時刻、過去に訓練した操作時刻、他グループ訓練の操作時刻と比較することが可能になり、訓練中の操作タイミングや操作順序の操作時刻が評価基準として判定することが可能になる。
【0070】
また、訓練シナリオファイルでシミュレータの時刻変更した後、オンディレータイマー設定によりシミュレータをRUNさせることによりインストラクタの操作負荷を軽減させることができる。更にコメント入力機能により各ステップを実行するタイミングや各ステップの説明がメモとして記述でき、訓練シナリオファイルの変更履歴や変更理由の管理が訓練シナリオファイル上で可能になるため、インストラクタの操作ミスの減少ならびに変更管理の負荷が軽減できる。
【0071】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図12及び図13を用いて説明する。
【0072】
(構成)
本第7の実施形態は、第1の実施形態の訓練シナリオ作成端末22に訓練シナリオサブルーチン要求手段704と、シミュレータ計算機21にサブルーチン制御部709と訓練シナリオサブルーチン表示手段717を加えたことを特徴とする。
【0073】
(作用)
訓練シナリオ作成端末22において、訓練シナリオ作成要求手段4の一部機能に含まれるサブルーチン要求手段704から訓練シナリオ作成時に別の訓練シナリオを呼び出すサブルーチン制御部709でサブルーチン処理を行い、他装置間入出力手段7を経由して訓練シナリオ実行表示手段17の一部機能に含まれるサブルーチン表示手段717に状態が表示される。
【0074】
図13(a)はサブルーチン処理(SCH)が含まれる訓練シナリオファイルの例を示し、図13(b)はサブルーチン処理の内容を例示している。
【0075】
(効果)
本第7の実施形態によれば、他のインストラクタが作成したシナリオの一部を再利用することができるとともの、冗長なシナリオファイルを削減することができるため、シナリオファイル作成の効率化を図ることが出来る。これによるインストラクタの負荷軽減を図ることができる。
【0076】
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態に係る訓練シナリオ作成支援装置を、図14乃至図17を用いて説明する。(実施例8)
【0077】
(構成)
本第8の実施形態は、訓練シナリオ作成端末22の訓練シナリオ実行表示手段17に訓練シナリオ条件ロジック表示手段801及び訓練シナリオ時系列実行表示手段802を加えたことを特徴とする。
【0078】
(作用)
訓練シナリオ実行表示手段17は他装置間入出力手段7及び訓練シナリオ実行手段101を介して訓練シナリオファイル16の訓練シナリオ及びプラント状態値入出力手段11からのプラント状態値を取得する。
【0079】
従来の訓練シナリオ実行表示手段17は取得した訓練シナリオ、プラント状態値を元に図15に示す様なリスト形式の訓練シナリオ実行表示を行っており、シナリオ進行とともに変化するプラント状態値によって、リスト行821の色替えすることで訓練シナリオ実行状況が把握できるものである。
【0080】
本第8の実施形態では、訓練シナリオ条件ロジック表示手段801は、訓練シナリオ実行表示上の発生条件/解除条件の存在するリスト行821を選択することで条件をグラフィカルに表示するものである。
【0081】
その表示例を図16に示す。この訓練シナリオ条件ロジック表示例では、ロジック記号834、現在値831、時間経過値832、ロジック記号結線833にて表現している。シナリオ進行と共に変化する現在値831、時間経過値832のトレンド表示、論理値によるロジック記号結線833の色替えを行い、条件ロジック把握しやすさの向上が期待できる。
【0082】
また、訓練シナリオ時系列実行表示手段802は訓練シナリオの実行状況を時系列的に表示可能とするものである。
【0083】
その表示例を図17に示す。この訓練シナリオ時系列実行表示例では、時系列座標面841を有し、本座標面にシナリオステップ実行/解除シンボル843をトレンド表示する特徴を持つ。図17の表示例ではシナリオステップ毎に実行待(▽)、実行済(▼)、解除待(△)、解除済(▲)のシナリオステップ実行/解除シンボルを表示している。
【0084】
これらのシナリオステップ実行/解除シンボルは時間的条件により実行/解除が決定するものは予め時系列座標面841の当該時間軸上に配置表示されるものである。シナリオ進行時間軸842は時間経過とともに時系列座標面841を移動するものでシナリオ進行時間軸842と重なったシナリオステップ実行/解除シンボル843はシナリオステップ実行或いは解除の動作を行うものである。
【0085】
また、実行/解除条件に時間的条件が無いシナリオステップ実行/解除シンボルはシナリオ進行時間軸842とともに移動し、実行/解除時に時系列座標面841に固定表示となる。
【0086】
訓練シナリオ条件ロジック表示は訓練シナリオ時系列実行表示にも有効でステップ行844を選択することにより表示可能である。また、ステップ間の実行/解除条件が存在する場合はその関連をステップ間条件関連矢印845にて時系列座標面841上に表示提供する。図17の表示例ではステップ間実行条件を実線矢印、解除条件を破線矢印で関連付け表示を実施している。
【0087】
(効果)
本第8の実施形態によれば、訓練シナリオ実行における条件、実行状況が視覚的、時系列的に把握できることでインストラクタの訓練シナリオ評価検証に伴う負荷軽減に繋がるものとなる。
【符号の説明】
【0088】
1…監視操作用ハード盤、2…監視操作用モニタ、3…初期状態設定・保存要求手段、4…訓練シナリオ作成要求手段、5…シミュレータ実行手段、6…プラント状態値表示手段、7…他装置間入出力手段、8…初期状態設定・保存手段、10…プラント模擬手段、10A…プラント複製模擬手段、11…プラント状態値入出力手段、12…訓練シナリオ作成手段、13…初期状態ファイル、14…プラント状態値ファイル、15…実行状態テーブル、16…訓練シナリオファイル、17…訓練シナリオ実行表示手段、21…シミュレータ計算機、20…インストラクタ端末、100…シミュレータ制御基本部、102…訓練シナリオ評価結果表示基本部、105…プラント状態値訓練シナリオ評価用ファイル、106…訓練シナリオ評価手段、107…プラント状態値仮想入出力手段、108…フリーズバッファ、300…模擬盤表示手段、301…仮想モニタ表示手段、302…プラント状態値仮想入出力手段、303…MFテーブル、304…トレンドグラフ表示手段、400…実行ファイルコントロール要求手段、401…実行ファイルコントロール手段、402…バックステップファイル、500…音声取得手段、501…訓練シナリオ判定手段、502…訓練シナリオ辞書テーブル、550…トリガー登録手段、551…トリガー管理ファイル、552…トリガー構文解析手段、604…訓練シナリオ時刻変更・RUN要求ならびにコメント入力手段、616…訓練シナリオ時刻変更・RUN・コメントファイル、617…訓練シナリオ時刻変更・RUN・コメント表示手段、704…訓練シナリオサブルーチン要求手段、709…サブルーチン制御部、717…訓練シナリオサブルーチン表示手段、801…訓練シナリオ条件ロジック表示手段、802…訓練シナリオ時系列実行表示手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレータ実行手段とプラント状態値表示手段とを有するインストラクタ端末と、
訓練シナリオ実行手段と訓練シナリオ実行表示手段と訓練シナリオ作成要求手段と訓練シナリオ評価結果表示基本部とを有する訓練シナリオ作成端末と、
シミュレータ制御基本部とプラント模擬手段と訓練シナリオ作成手段と訓練シナリオファイルと訓練シナリオ評価手段とプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルとを有するシミュレータ計算機と、を具備する運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置において、
前記訓練シナリオ実行手段により評価対象の訓練シナリオの実行要求があったとき、前記シミュレータ制御基本部は前記プラント模擬手段が訓練実行中か停止中かを判定し、停止中の場合は前記プラント模擬手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、実行中の場合は前記シミュレータ制御基本部によって作成されたプラント模擬複製手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、その動作結果を前記訓練シナリオ評価手段で評価することを特徴とする運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項2】
シミュレータ実行手段とプラント状態値表示手段とを有するインストラクタ端末と、
訓練シナリオ実行手段と訓練シナリオ実行表示手段と訓練シナリオ作成要求手段と訓練シナリオ評価結果表示基本部とを有する訓練シナリオ作成端末と、
シミュレータ制御基本部とプラント模擬手段と訓練シナリオ作成手段と訓練シナリオファイルと訓練シナリオ評価手段とプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルとを有するシミュレータ計算機と、を具備する運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置において、
前記訓練シナリオ実行手段により評価対象の訓練シナリオの実行要求があったとき、前記シミュレータ制御基本部は前記プラント模擬手段が訓練実行中か停止中かを判定し、停止中の場合は前記プラント模擬手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させ、
実行中の場合は計算機リソースが開放されるまで待ち状態とし、計算機リソースが開放された後に前記プラント模擬手段により当該評価対象の訓練シナリオを動作させることを特徴とする運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項3】
前記シミュレータ計算機はさらにマルファンクションテーブルを備え、前記訓練シナリオファイルと前記マルファンクションテーブルの内容から、評価対象の訓練シナリオに関連するプロセスIDを抽出し、当該プロセスIDのプロセス値をプラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルから取得し、取得したデータを前記訓練シナリオ評価結果表示基本部に接続されたトレンド表示手段に表示することを特徴とする請求項1又は2記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項4】
前記シミュレータ計算機はさらにプラント状態値仮想入出力手段を備え、前記プラント状態値訓練シナリオ評価用ファイルの内容を前記プラント状態値仮想入出力手段を介して前記訓練シナリオ作成端末に備えられた模擬盤表示手段及び仮想モニタ表示手段に表示することを特徴とする請求項1又は2記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項5】
前記シミュレータ計算機はさらに実行ファイルコントロール手段とバックステップファイルを備え、前記訓練シナリオ作成端末に設けられた実行ファイルコントロール要求手段により、評価対象の訓練シナリオのステップ毎の実行制御、バックステップの実行制御又は一時停止の実行制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項6】
前記訓練シナリオ作成端末はさらに音声取得手段と訓練シナリオ判定手段とを備え、インストラクタの音声により訓練シナリオの作成要求を行うことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項7】
前記訓練シナリオ作成端末はさらに評価対象の訓練シナリオファイルに登録されているマルファンクションを実行するためのトリガー条件を設定するトリガー登録手段を備え、前記シミュレータ計算機はさらにトリガー管理ファイルとトリガー構文解析手段を備え、前記シミュレータ制御基本部は評価対象の訓練シナリオファイルの動作時にいて設定されたトリガー条件が成立したときにマルファンクションを実行することを特徴とする請求項1又は2記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項8】
前記訓練シナリオ実行手段と訓練シナリオ実行表示手段と訓練シナリオファイルに訓練シナリオ時刻変更表示、RUN表示及びコメント表示手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項9】
前記シミュレータ制御基本部にサブルーチン制御部を設け、前記訓練シナリオ実行表示手段にサブルーチン表示手段を設け、前記訓練シナリオ作成要求手段にサブルーチン要求手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項10】
訓練シナリオの実行/解除条件のグラフィカル表示、又は訓練シナリオの実行状況のグラフィカル及び時系列表示を行うことを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援装置。
【請求項11】
訓練シナリオファイルの評価検証作業を行う運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援方法において、
評価対象の訓練シナリオの評価要求があったとき、訓練実行中か停止中かを判定するステップと、停止中の場合はプラント模擬手段により前記評価対象の訓練シナリオを動作させるステップと、実行中の場合はプラント模擬複製手段を作成して当該プラント模擬複製手段により前記評価対象の訓練シナリオを動作させるステップと、前記訓練シナリオを動作させた動作結果を評価するステップと、を備えたことを特徴とする運転訓練シミュレータの訓練シナリオ作成支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−107455(P2011−107455A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262976(P2009−262976)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221096)東芝システムテクノロジー株式会社 (117)
【Fターム(参考)】