説明

過体重動物と関連する障害を治療するための組成物および方法

本発明は、過体重と関連する障害および疾患を治療するための組成物および方法を含む。本出願はまた、動物において示差的に発現される遺伝子、および特に痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、肥満と関連する障害および疾患を治療するための組成物および方法を含む。本出願はまた、動物において示差的に発現される遺伝子、および特に、痩せた動物に比較して肥満動物において示差的に発現される遺伝子も含む。本発明はまた、とりわけ、脂肪代謝に関与する重要な遺伝子に影響を及ぼすように設計されたターゲティング化栄養物を用いて、動物における脂肪量を調節するための組成物および方法も含む。本発明はさらに、個々にまたは一緒に、脂肪代謝に関与する重要な遺伝子の発現および活性に影響を及ぼしうる生物活性食餌構成要素を同定する。
【背景技術】
【0002】
[0002]科学コミュニティにおいて、遺伝子発現の制御が、動物の健康および幸福に影響を及ぼすいくつかの疾患または状態の発展に重要な役割を果たすことは、一般的に認められている。同様に、遺伝子の示差的発現は、こうした疾患および状態の発展における1つの要因であり、そして遺伝子発現パターンの評価は、こうした疾患および状態の発展および調節を分子レベルで理解するのに極めて重要であると認識されるようになってきている。遺伝子および疾患に対するその関係の理解を進展させるため、示差的遺伝子発現を研究するための多くの方法、例えばDNAマイクロアレイ、発現配列タグ(EST)、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション、mRNAに関するサブトラクティブ・クローニングおよびディファレンシャル・ディスプレイ(DD)、RNA任意プライミング化PCR(RAP−PCR)、代表的相違分析(RPA)、2次元ゲル電気泳動、質量分析、逆相タンパク質アレイ(単数または複数)が開発されてきている。
【0003】
[0003]痩せた動物に比較した過体重動物における遺伝子発現は、完全には調べられてこなかった。したがって、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されている遺伝子およびタンパク質を同定する必要が存在する。こうした遺伝子、タンパク質、およびその断片は、動物が太るようになる可能性が高いという予後診断を組み立て、動物が太っているという診断を発展させ、物質をスクリーニングして、動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いかどうかを決定し、そしてこうした物質を用いて、動物の脂肪組織量を調節するのに有用であろう。
【0004】
[0004]過体重動物は、過剰な体脂肪組織を有する動物と定義づけ可能である。一般的に、理想体重よりも15%を超える重さのヒト、イヌ、およびネコなどの動物は、太っていると見なされる。動物が太る最も一般的な原因は、食物を過度に消費して、過剰なカロリー摂取を生じることである。しかし、動物が太る機会を増加させうる他の要因があり、例えば生活様式、健康状態、食習慣、品種、不妊および去勢処置などである。また、過体重になる動物の発生率は、代謝速度および身体活動が一般的に減少するため、一般的に、年齢とともに増加する。調査によれば、米国において、獣医クリニックを訪れるイヌの25%が、肥満と言ってよいほど太っていると概算される。研究によって、過体重動物は、関節炎、心臓疾患、呼吸器疾患、糖尿病、膀胱癌、甲状腺機能低下症、および膵炎などの疾患に関して、有意により高いリスクにあることが示されてきている。
【0005】
[0005]動物が過体重になるのを防止するか、または過体重動物を治療して動物の脂肪組織量を減少させるか、または痩せた動物を治療して動物の脂肪組織量を増加させることを含めて、動物の脂肪組織量を調節することは困難である。動物の脂肪組織量を増加させることは、通常、消費される食物の量を増加させることを伴う。動物が過体重になるのを防止するか、または動物の脂肪量を減少させる、最も有効でそして最も容易な方法は、食餌制限および運動を伴うものである。しかし、食餌および運動プログラムの順守を確実にするのはしばしば困難である。他の方法は、フェンテルミン、フェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、およびフェニルプロパノールアミンなどの薬剤の使用を伴う。不運なことに、これらの薬剤では副作用が生じる。例えば、ヒト肥満の治療にフェンフルラミンおよびフェンテルミンを投与すると、ヒトにおいて、心臓弁損傷が生じうる。シブトラミンは血圧を上昇させる可能性があり、そしてオーリスタットは不快な胃腸副作用を有しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]動物の脂肪組織を扱うための現在の方法に伴う問題を考慮して、本発明者らは、動物において疾患および障害を治療し、そして動物が太る可能性が高いという予後診断を組み立て、動物が太っていると言う診断を発展させ、物質をスクリーニングして、これらが動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いかどうかを決定し、そしてこうした物質を用いて、動物の脂肪組織量を調節するのに有用な方法および組成物を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は、障害を治療する必要があるコンパニオン動物において、障害を治療するのに有用な組成物および方法を含む。
[0008]1つの態様において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現に干渉する1以上の成分の有効量を含む、イヌペットフード組成物であって、1以上の遺伝子の発現に干渉する前記の1以上の成分が、乾物重量で26重量%〜35重量%の粗タンパク質、乾物重量で7.5重量%〜8.5重量%の粗脂肪、乾物重量で20重量%〜30重量%の総食物繊維、および乾物重量で10重量%〜20重量%の粗繊維を含む、前記組成物を含む。
【0008】
[0009]別の態様において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現に干渉する1以上の成分の有効量を含む、ネコペットフード組成物であって、1以上の遺伝子の発現に干渉する前記の1以上の成分が:乾物重量で30重量%〜37重量%の粗タンパク質、乾物重量で7.5重量%〜9重量%の粗脂肪、乾物重量で30重量%〜35重量%の総食物繊維、および乾物重量で20重量%〜25重量%の粗繊維を含む、前記組成物を含む。
【0009】
[0010]別の態様は、本発明の組成物を用いて、インスリン耐性を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、インスリン耐性を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0010】
[0011]別の態様は、本発明の組成物を用いて、膵炎を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、膵炎を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0011】
[0012]別の態様は、本発明の組成物を用いて、甲状腺機能低下症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、甲状腺機能低下症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0012】
[0013]別の態様は、本発明の組成物を用いて、変形性関節症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、変形性関節症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0013】
[0014]別の態様は、本発明の組成物を用いて、脂質異常症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、脂質異常症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0014】
[0015]別の態様は、本発明の組成物を用いて、高血圧を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、高血圧を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0015】
[0016]別の態様は、本発明の組成物を用いて、視覚障害を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、視覚障害を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0016】
[0017]別の態様は、本発明の組成物を用いて、腎機能改変を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、腎機能改変を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0017】
[0018]別の態様は、本発明の組成物を用いて、呼吸器障害を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、呼吸器障害を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0018】
[0019]別の態様は、本発明の組成物を用いて、アテローム性動脈硬化症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、アテローム性動脈硬化症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0019】
[0020]別の態様は、本発明の組成物を用いて、糖尿病を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、糖尿病を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0020】
[0021]別の態様は、本発明の組成物を用いて、尿路疾患を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、尿路疾患を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0021】
[0022]別の態様は、本発明の組成物を用いて、肝リピドーシスを治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、肝リピドーシスを治療するかまたは防止する方法を含む。
【0022】
[0023]別の態様は、本発明の組成物を用いて、肝脂質異常症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、肝脂質異常症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0023】
[0024]別の態様は、本発明の組成物を用いて、肝リピドーシスを治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、肝リピドーシスを治療するかまたは防止する方法を含む。
【0024】
[0025]別の態様は、本発明の組成物を用いて、新生物を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、新生物を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0025】
[0026]別の態様は、本発明の組成物を用いて、口腔/歯科疾患を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、口腔/歯科疾患を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0026】
[0027]別の態様は、本発明の組成物を用いて、皮膚症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、皮膚症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0027】
[0028]別の態様は、本発明の組成物を用いて、跛行を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、跛行を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0028】
[0029]別の態様は、本発明の組成物を用いて、高脂血症を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、高脂血症を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0029】
[0030]別の態様は、本発明の組成物を用いて、グルコース代謝障害を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、グルコース代謝障害を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0030】
[0031]別の態様は、本発明の組成物を用いて、冠疾患を治療するかまたは防止する必要があるコンパニオン動物、例えばイヌまたはネコにおいて、冠疾患を治療するかまたは防止する方法を含む。
【0031】
[0032]本発明の別の態様は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子または遺伝子セグメントを含む。
[0033]本発明の別の態様は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される2以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの組み合わせを含む。
【0032】
[0034]本発明の別の態様は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現を検出するのに適した2以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチドプローブの組成物、および該プローブを含有する基板(substrate)アレイなどのデバイスを含む。
【0033】
[0035]本発明の別の態様は、試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の示差的発現を検出するための方法および組成物を含む。
[0036]本発明の別の態様は、試験物質をスクリーニングして、動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いかどうかを決定するための方法として、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現プロフィールに対する試験物質の影響を測定するための方法を含む。
【0034】
[0037]本発明の別の態様は、動物が過体重になる可能性が高いという予後診断を組み立るか、または動物が太っているという診断を発展させるための方法を含む。
[0038]本発明の別の態様は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現を調節するための、または動物の脂肪組織量を調節するための方法および組成物を含む。
【0035】
[0039]これらの態様の1以上は、痩せた動物の脂肪組織に比較して過体重動物の脂肪組織で示差的に発現される遺伝子および遺伝子セグメントに相当する433ポリヌクレオチドプローブの新規組み合わせを用いて達成される(表1)。さらに、これらの態様の1以上は、痩せた動物から採取されたリンパ球に比較して過体重動物から採取されたリンパ球において示差的に発現される遺伝子および遺伝子セグメントに相当する1703ポリヌクレオチドプローブの新規組み合わせを用いて達成される(表2)。さらに、これらの態様の1以上は、過体重および痩せたイヌにおいて示差的に発現され、そして脂肪酸代謝に重要な遺伝子であると見なされる遺伝子および遺伝子セグメントに相当するポリヌクレオチドプローブの新規組み合わせを用いて達成される(表3)。該ポリヌクレオチドを用いて、組成物、プローブ、プローブに基づくデバイス、ならびに上に同定する目的を達成する、例えば動物脂肪組織に関連する状態を予後診断しそして診断するのに有用な、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるポリヌクレオチドの状態を決定するための方法、および物質をスクリーニングして、動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いかどうかを決定するための方法を生じる。こうした物質をひとたび同定したら、これらを用いて、動物の脂肪組織量を調節することも可能である。プローブの組み合わせ、該プローブを利用するデバイス、および物質を含む多様なキットもまた提供する。
【0036】
[0040]脂肪代謝に関与する遺伝子の発現を調節することが示されている本発明の組成物の投与によって、動物における脂肪組織量をin vivoで調節する方法を含むのもまた、本発明の態様である。
【0037】
[0041]肥満に関連する多様なイヌ・バイオマーカーを調節することが必要な動物に、バイオマーカーを調節するのに有効な量で、本発明の組成物を投与することによって、肥満に関連する多様なイヌ・バイオマーカーを調節するのもまた、本発明の態様である。調節可能な肥満に関連するバイオマーカーの例には、限定されるわけではないが、グルコース、インスリン、GLP−1、IGF−1、コレステロール、トリグリセリド、LDL、カイロミクロン、アルカリホスファターゼ、2型軟骨合成、レプチン、グレリン、およびその組み合わせが含まれる。
【0038】
[0042]本発明の他のおよびさらなる目的、特徴、および利点は、当業者に容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】[0043]図1は、対照体重減少処方に比較した際の、本発明の処方を給餌したイヌの体重減少に関する結果を示す。
【図2】[0044]図2は、痩せたイヌ、肥満のイヌに比較した際の、本発明の処方を給餌したイヌにおける遺伝子プロフィールのシフトを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
定義
[0045]用語「動物」は、脂肪組織を有する、ヒト、または鳥類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヒクリン(hicrine)、ネズミ、ヒツジ、およびブタ動物を含む他の動物を意味する。該用語を、痩せた動物に対して過体重動物を比較する文脈で用いた場合、比較する動物は、同じ種の動物であり、そしておそらく同じ品種(race)または種族(breed)の動物である。好ましい態様において、動物は、イヌまたはネコ、最も好ましくはイヌである。
【0041】
[0046]用語「抗体」は、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE抗体を含む、特異的抗原に結合する任意の免疫グロブリンを意味する。該用語には、ポリクローナル、モノクローナル、一価、ヒト化、ヘテロコンジュゲート、ポリエピトープ特異性を持つ抗体組成物、キメラ、二重特異性抗体、ディアボディ、一本鎖抗体、ならびにFab、Fab’、F(ab’)、およびFv、または他の抗原結合性断片が含まれる。
【0042】
[0047]用語「アレイ」は、基板上の少なくとも2つのプローブの順序づけられた配置を意味する。プローブの少なくとも1つは対照または標準であり、そしてプローブの少なくとも1つは診断プローブである。基板上の2以上のプローブ由来の配置(現在、40,000を超えるアレイ、チップおよび他のプラットホームがある)によって、プローブおよび試料ポリヌクレオチドまたはポリペプチド間に形成される各標識複合体のサイズおよびシグナル強度が個々に区別可能であることが確実になる。
【0043】
[0048]用語「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)は、動物の体のサイズおよび形状に基づく体組成分析法を意味する。いくつかの方法が当業者に知られ、例えば米国特許第6,691,639号に、そして“Small Animal Clinical Nutrition”、第4版と題される参考文献の第13章(ISBN 0−945837−05−4)に開示される方法がある。
【0044】
用語「肥満度指数」(BMI)は、動物の体重(キログラム)をその体長(メートル)の平方で割ったものを意味する。
[0049]用語「DEXA」は、体組成分析二重エネルギーX線吸光光度法を意味する。
【0045】
[0050]用語「示差的発現」または「示差的に発現された」は、試料中の転写されたメッセンジャーRNAまたは翻訳されたタンパク質の非存在、存在、またはその量の少なくとも1.3倍の変化によって検出されるような、遺伝子発現増加または上方制御を意味するか、あるいは遺伝子発現減少または下方制御を意味する。
【0046】
[0051]用語「太った」は、動物に適用された場合、医療提供者および他の当業者に知られる技術および方法を用いて、過剰な量の体脂肪組織を有すると決定された任意の動物、または過剰な量の体脂肪組織を発展させる傾向がある動物を意味する。動物は、一般集団中の平均的な動物に比較した際、過剰な脂肪組織を発展させる傾向またはより高い可能性を有する場合、過体重になる傾向がある。一般的に、定義を限定することなく、(1)25以上(動物状態を性質決定するいくつかの方法において、「過体重」および「肥満」を含むと見なされる数値)のBMIを有するか、(2)動物の体重が医療専門家または関連する当業者によって定義されるような「理想的な」体重よりも15%以上多いか、(3)DEXAによって決定した際、動物の体脂肪率が27%以上であるか、または(4)“Small Animal Clinical Nutrition”、第4版、第13章(ISBN 0−945837−05−4)に開示される方法または他のBCS法を用いた同等の方法を用いて、当業者によって決定されるように、動物が、3より高いボディ・コンディション・スコアを有する場合、動物は過体重と見なされる。
【0047】
[0052]用語「脂肪関連遺伝子」は、表1および2に同定される遺伝子、特に、過体重動物から採取された脂肪組織および痩せた動物から採取された脂肪組織間で示差的に発現される433のプローブ配列、ならびに過体重動物から採取されたリンパ球および痩せた動物から採取されたリンパ球間で示差的に発現される1703のプローブ配列によって代表される遺伝子のすべてまたはサブセットを意味する。
【0048】
[0053]用語「重要な遺伝子」は、表3に同定する遺伝子のすべてまたはサブセットを意味する。
[0054]用語「倍」は、示差的遺伝子発現の測定値として用いられる場合、比較動物、例えば痩せた動物に比較される過体重動物における遺伝子発現量に比較した遺伝子発現の倍数または割合である、動物における遺伝子発現量を意味する。例えば、比較動物におけるものの3倍が動物において発現される遺伝子は、3倍の示差遺伝子発現を有し、そして該遺伝子は上方制御されているという。一方、比較動物におけるものの1/3が発現される遺伝子もまた、3倍の示差遺伝子発現を有し、そして該遺伝子は下方制御されているという。
【0049】
[0055]用語「断片」は、(1)完全配列の一部であり、そして完全ポリヌクレオチド配列と、特定の使用に関して同じまたは類似の活性を有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列、あるいは(2)完全配列の一部であり、そして完全ポリペプチド配列と、特定の使用に関して同じまたは類似の活性を有するペプチドまたはポリペプチド配列を意味する。こうした断片は、特定の使用に適していると見られる、任意の数のヌクレオチドまたはアミノ酸を含んでもよい。一般的に、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド断片は、完全配列由来の少なくとも10、50、100、または1000ヌクレオチドを含有し、そしてポリペプチド断片は、少なくとも4、10、20、または50の連続アミノ酸を含有する。該用語は、断片のポリヌクレオチドおよびポリペプチド変異体を含む。
【0050】
[0056]用語「(単数または複数の)遺伝子」は、ポリペプチド産生に関与し、コード領域に先行する領域および続く領域(リーダーおよびトレーラー)、ならびに個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む、DNAの完全または部分的セグメントを意味する。該用語は、遺伝子コード配列の相補体にハイブリダイズする、任意のDNA配列を含む。
【0051】
[0057]用語「過体重動物において示差的に発現される遺伝子」は、発現されるmRNA量またはmRNAから翻訳される遺伝子産物量が、痩せた動物に比較した際、過体重動物由来の組織において、多いかまたは少ないかのいずれかで検出可能に異なる遺伝子を意味する。
【0052】
[0058]用語「相同体」は、(1)表1、2、3および5に同定されるポリヌクレオチドに対して30%、50%、70%、または90%より高い配列類似性を有する、同じまたは異なる動物種由来のポリヌクレオチドを含み、そして完全ポリヌクレオチドと同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行するか、あるいはストリンジェントな条件下で、表1、2、3および5に同定されるポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする能力を有する、ポリヌクレオチド、あるいは(2)表1、2、3および5に同定されるポリヌクレオチドの発現によって同定されるポリペプチドに対して30%、50%、70%、または90%より高い配列類似性を有する、同じまたは異なる動物種由来のポリペプチドを含み、そして完全ポリペプチドと同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行するか、あるいは表1、2、3および5に同定されるポリヌクレオチドの発現によって同定されるポリペプチドに特異的にハイブリダイズする能力を有する、ポリペプチドを意味する。2つのポリペプチド配列または2つのポリヌクレオチド配列の配列類似性は、当業者に知られる方法、例えばKarlinおよびAltschulのアルゴリズム(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264−2268(1990))を用いて決定される。こうしたアルゴリズムは、Altschulら(J. Mol. Biol. 215:403−410(1990))のNBLASTおよびXBLASTプログラムに取り込まれる。比較目的のためにギャップ化整列を得るため、Altschulら(Nucl. Acids Res. 25:3389−3402(1997))に記載されるようなギャップ化Blastを利用してもよい。BLASTおよびギャップ化BLASTプログラムを利用する際、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(例えば、XBLASTおよびNBLAST)を用いる。http://ww.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
【0053】
[0059]用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、一方のポリヌクレオチドのプリンが、相補ポリヌクレオチドのピリミジンと水素結合した際に試料ポリヌクレオチド間で形成される複合体を意味し、例えば5’−A−G−T−C−3’は、3’−T−C−A−G−5’と塩基対形成する。相補性の度合いおよびヌクレオチド類似体の使用は、ハイブリダイゼーション反応の効率およびストリンジェンシーに影響を及ぼす。
【0054】
[0060]用語「組み合わせて」は、薬剤、食物、または他の物質を、(1)組成物、特に食物組成物と一緒に、あるいは(2)同時に、または定期的に、同じまたは異なる投与経路を使用して、同じまたは異なる頻度で、別個に、動物に投与することを意味する。「定期的に」は、物質を、特定の物質に許容されうる投薬スケジュールで投与することを意味する。「同時に」は、一般的に、物質(食物または薬剤)を、同時にまたは互いに72時間以内に投与することを意味する。「組み合わせて」には、特に、処方された期間、薬剤などの物質を投与し、そして無期限に本発明の組成物を投与する、投与スキームが含まれる。
【0055】
[0061]用語「痩せた」は、動物に適用された際、医療提供者および他の当業者に知られる技術および方法を用いて、過体重でないと決定される任意の動物を意味する。一般的に、定義を限定することなく、(1)25未満のBMIを有するか、または(2)動物の体重が医療専門家または関連する当業者によって定義されるような「理想的な」体重よりも15%を超えるより少ないか、(3)DEXAによって決定した際、動物の体脂肪率が27%未満であるか、または(4)“Small Animal Clinical Nutrition”、第4版、第13章中(ISBN 0−945837−05−4)に開示される方法または他のBCS法を用いた同等の方法を用いて、当業者によって決定されるように、動物が、3以下のボディ・コンディション・スコアを有する場合、動物は痩せていると見なされる。
【0056】
[0062]用語「動物の脂肪組織量を調節する」は、動物の脂肪組織を減少させるか、動物の脂肪組織を増加させるか、あるいは動物が脂肪組織を増加させるかまたは減少させる傾向にある場合、動物の脂肪組織量を維持させるようにすることを意味する。したがって、動物の脂肪組織量を調節することは、痩せた動物が過体重になるのを防止し、そして過体重動物を治療して動物の脂肪組織量を減少させ、ならびに適切な状況において、例えば当業者によって非常に低体重であり、脂肪組織の追加が望ましいと決定された痩せた動物を治療する場合、痩せた動物を治療して脂肪組織を追加することを含む。慣用法を用いて、動物の脂肪組織量を評価してもよく、また、動物の除脂肪体重および/または骨ミネラル含量を決定してもよく、こうした情報は、こうした評価において適切でありうる。
【0057】
[0063]用語「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーを意味する。該用語は、直鎖または環状型いずれかの、一本鎖または二本鎖いずれかの、そして一本鎖の場合、その相補配列のDNAおよびRNA(cDNAおよびmRNAを含む)分子を含む。該用語はまた、元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する配列に関して適切であるような、断片、変異体、相同体、およびアレルも含む。配列は、整列させた際に完全に相補的であってもよい(ミスマッチなし)し、または30%までの配列ミスマッチを有してもよい。好ましくは、ポリヌクレオチドに関しては、鎖は、50〜10,000ヌクレオチド、より好ましくは150〜3,500ヌクレオチドを含有する。好ましくは、オリゴヌクレオチドに関しては、鎖は、2〜100ヌクレオチド、より好ましくは6〜30ヌクレオチドを含有する。ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの正確なサイズは、多様な要因に、そして特定の適用およびポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの使用に応じる。該用語には、合成されたヌクレオチドポリマー、および天然供給源から単離されそして精製されたものが含まれる。用語「ポリヌクレオチド」は「オリゴヌクレオチド」を包括する。
【0058】
[0064]用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、または「タンパク質」は、アミノ酸のポリマーを意味する。該用語は、天然存在および非天然存在(合成)ポリマー、ならびに人工的な化学的模倣体が1以上のアミノ酸を置換しているポリマーを含む。該用語はまた、元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する、断片、変異体、および相同体も含む。該用語は、任意の長さのポリマー、好ましくは2〜1000アミノ酸、より好ましくは5〜500アミノ酸を含有するポリマーを含む。該用語には、合成されたアミノ酸ポリマー、および天然供給源から単離されそして精製されたものが含まれる。
【0059】
[0065]用語「プローブ」は、(1)プローブに相補的な配列を持つポリヌクレオチドとアニーリングするかまたは該ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズすることが可能な、精製された制限酵素消化物におけるように天然存在であるかまたは合成的に産生された、RNAまたはDNAいずれかの、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、あるいは(2)他のタンパク質またはタンパク質断片を実質的に排除するほど、特定のタンパク質またはタンパク質断片に特異的に結合可能なペプチドまたはポリペプチドを意味する。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプローブは、一本鎖または二本鎖いずれであってもよい。プローブの正確な長さは、温度、供給源、および使用を含む、多くの要因に応じるであろう。例えば、診断適用のため、ターゲット配列の複雑性に応じて、オリゴヌクレオチドプローブは、典型的には、10〜100、15〜50、または15〜25ヌクレオチドを含有する。特定の診断適用において、ポリヌクレオチドプローブは、100〜1000、300〜600ヌクレオチド、好ましくは300ヌクレオチドを含有する。本明細書のプローブは、特定のターゲット配列の異なる鎖に「実質的に」相補的であるように選択される。これは、プローブが、一組のあらかじめ決定された条件下で、それぞれのターゲット配列と特異的にハイブリダイズするかまたはアニーリングするために十分に相補的でなければならないことを意味する。したがって、プローブ配列は、ターゲットの正確な相補配列を反映する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド断片をプローブの5’または3’端に付着させ、残りのプローブ配列がターゲット配列に相補的であってもよい。あるいは、プローブ配列が、ターゲットポリヌクレオチドの配列と十分な相補性を有し、ターゲットポリヌクレオチドに特異的にアニーリングするという条件で、非相補的塩基またはより長い配列をプローブ内に散在させてもよい。ペプチドまたはポリペプチドプローブは、DNA(DNA結合タンパク質に関する)、抗体、細胞膜受容体、ペプチド、補因子、レクチン、糖、多糖、細胞、細胞膜、細胞内小器官および細胞内小器官膜を含めて、タンパク質またはペプチドが特異的に結合する任意の分子であってもよい。
【0060】
[0066]用語「試料」は、細胞、ならびにDNAおよびRNAを含有する他の組織を含む、例えばポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、代謝産物等を含有する、任意の動物組織または体液を意味する。例には、脂肪、血液、軟骨、結合組織、上皮、リンパ、筋肉、神経、痰等が含まれる。試料は、固体または液体であってもよく、そしてDNA、RNA、cDNA、血液または尿などの体液、細胞、細胞調製物あるいはその可溶性分画または媒体アリコット、染色体、細胞内小器官等であってもよい。
【0061】
[0067]用語「単一のパッケージ」は、キットの構成要素が、1以上の容器中で、または1以上の容器と、物理的に関連しており、そして製造、流通、販売、または使用のための単位と見なされることを意味する。容器には、限定されるわけではないが、バッグ、箱、瓶、収縮包装パッケージ、ホチキスで止めたかまたは別の方式で固定された構成要素、あるいはその組み合わせが含まれる。単一のパッケージは、製造、流通、販売、または使用のための単位と見なされるように、物理的に関連する個々の食物組成物の容器であってもよい。
【0062】
[0068]用語「有用な異形(variation)」は、(1)ポリヌクレオチドに関しては、ポリヌクレオチドの相補体;ポリヌクレオチドの相同体およびその相補体;ポリヌクレオチドの変異体、その相補体、およびその相同体;ならびにポリヌクレオチド、その相補体、その相同体、およびその変異体の断片を、そして(2)ポリペプチドに関しては、ポリペプチドの相同体;ポリペプチドの変異体およびその相同体;ならびにポリヌクレオチド、その相同体、およびその変異体の断片を意味する。
【0063】
[0069]用語「バーチャルなパッケージ」は、例えば1つの構成要素を含有するバッグ中の、他の構成要素をどのように得るかを使用者に指示する1以上の物理的なまたはバーチャルなキット構成要素に関する指導、ならびにウェブサイトを訪れるか、保存されたメッセージに接触するか、視覚メッセージを見るか、あるいはケア提供者またはインストラクターに接触して、キットをどのように使用するかに関する指示を得るよう、使用者に指示する指導によって、キットの構成要素が結び付けられていることを意味する。
【0064】
[0070]用語「標準」は、その使用に関連して適切であるように、試験物質が示差的遺伝子発現を引き起こすかどうかを決定するための、(1)過体重動物が試験されている場合、痩せた動物由来の組織を含有する、または痩せた動物が試験されている場合、過体重動物由来の組織を含有する対照試料、あるいは(2)対応する痩せたまたは過体重動物において調べている試験物質に曝露されたことがない、痩せたまたは過体重試験動物由来の組織を含有する対照試料を意味する。
【0065】
[0071]用語「ストリンジェントな条件」は、(1)750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウムとともに、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%Ficoll、0.1%ポリビニルピロリドン、50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5を含む、50%(体積/体積)ホルムアミド中の42℃でのハイブリダイゼーション、(2)50%ホルムアミド、5xSSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5xデンハルト溶液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、および10%デキストラン硫酸中の42℃のハイブリダイゼーションであって;0.2xSSCおよび0.1%SDS中、42℃での洗浄、または0.015M NaCl、0.0015Mクエン酸ナトリウム、0.1%NaSOで50℃での洗浄を伴うもの、あるいは類似の低イオン強度および高温洗浄剤および類似の変性剤を使用する類似の方法を意味する。
【0066】
[0072]用語「物質」は、任意の薬剤、化学実体、または生物学的実体を含む、動物の脂肪組織量を診断するか、予後診断するか、または調節するのに潜在的に有用でありうる、要素、化合物、分子、またはその混合物、あるいは任意の他の材料を意味する。
【0067】
[0073]用語「siRNA」は、siRNAが遺伝子と同じ細胞において発現されている場合、二本鎖RNAを形成して、遺伝子の発現を減少させるかまたは阻害するポリヌクレオチドを意味する。該用語は、相補鎖によって形成される二本鎖RNAを含む。ハイブリダイズして二本鎖分子を形成するsiRNA相補部分は、典型的には、実質的なまたは完全な同一性を有する。典型的には、siRNAは、少なくとも15〜50ヌクレオチドを含有し、そして二本鎖siRNAは、15〜50塩基対、好ましくは20〜30ヌクレオチドおよび塩基対を含有する。
【0068】
[0074]用語「特異的に結合する」は、その構造、特にその分子側鎖基に依存する、2つの分子間の特別でそして正確な相互作用を意味する。例えば、DNA分子の主溝への制御タンパク質の挿入、2つの一本鎖核酸間の主鎖に沿った水素結合、またはタンパク質のエピトープ、およびアゴニスト、アンタゴニスト、または抗体間の結合がある。
【0069】
[0075]用語「特異的にハイブリダイズする」は、当該技術分野において一般的に用いられる、あらかじめ決定された条件下での、こうしたハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に相補的な(ときに、「実質的に相補的な」と称される)配列の2つの一本鎖ポリヌクレオチド間の会合を意味する。例えば、該用語は、非相補配列の一本鎖ポリヌクレオチドとポリヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションを実質的に排除するほどの、本発明の側面にしたがった一本鎖DNAまたはRNA分子内に含有される実質的に相補的な配列と、ポリヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションを指してもよい。
【0070】
[0076]用語「変異体」は、(1)ポリヌクレオチド配列からまたはポリヌクレオチド配列への1以上のヌクレオチドの任意の置換、変異、修飾、交換、欠失、または付加を含有し、そして元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する、ポリヌクレオチド配列、ならびに(2)ポリペプチド配列からまたはポリペプチド配列への1以上のアミノ酸の任意の置換、変異、修飾、交換、欠失、または付加を含有し、そして元来の配列と同じかまたは実質的に同じ特性を有し、そして同じかまたは実質的に同じ機能を実行する、ポリペプチド配列を意味する。該用語には、したがって、一塩基多型(SNP)およびアレル変異体が含まれ、そしてポリペプチドにおける保存的および非保存的アミノ酸置換が含まれる。該用語はまた、適切なように、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの化学的誘導体化、および天然には存在しないヌクレオチドまたはアミノ酸でのヌクレオチドまたはアミノ酸の置換も含む。
【0071】
[0077]本発明は、本明細書記載の特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されず、これはこれらが多様でありうるためである。さらに、本明細書で使用する専門用語は、特定の態様のみを記載する目的のためであり、そして本発明の範囲を限定することは意図されない。本明細書において、そして付随する請求項において、単一形「a」、「an」、および「the」には、文脈が明らかに別に指示しない限り、複数の言及が含まれ、例えば「(単数の)変異体」への言及には、複数の変異体が含まれる。さらに、定義される用語には、適切な文法的背景で用いられる用語の変形が含まれ、例えば用語「特異的に結合する」には、「特異的な結合」および該用語の他の型が含まれる。同様に、単語「含む」、および「含むこと」は、排他的ではなく、包括的に解釈されるものとする。
【0072】
[0078]別に定義しない限り、本明細書に使用するすべての技術的および科学的用語、ならびに頭字語はいずれも、本発明の分野において、一般的な当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書記載のものに類似または同等な、いかなる組成物、方法、製品、あるいは他の手段または物質を、本発明の実施に使用してもよいが、好ましい組成物、方法、製品、あるいは他の手段または物質を本明細書に記載する。
【0073】
[0079]本明細書に引用するかまたは言及する、すべての特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献は、法律によって許される度合いまで、本明細書に援用される。これらの参考文献の考察は、単に、本明細書で行う主張を要約することを意図する。こうした特許、特許出願、刊行物または参考文献のいずれも、あるいはその部分のいずれも、本発明に関連する先行技術であるという承認はなされず、そしてこうした特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献の正確さおよび適切性に異議を申し立てる権利は特に留保される。
【0074】
遺伝子タンパク質発現の調節
[0080]1つの態様において、本発明は、痩せた動物の脂肪組織および/またはリンパ球に比較して、過体重動物の脂肪組織および/またはリンパ球において示差的に発現される1以上の遺伝子または遺伝子セグメント(本明細書において「遺伝子」と定義する)を含む。本発明は、痩せた動物の脂肪組織に比較した過体重動物の脂肪組織における、445のポリヌクレオチド、および痩せた動物から採取されたリンパ球に比較した過体重動物から採取されたリンパ球における、1767のポリヌクレオチドによって代表される、示差的に発現される遺伝子の発見に基づく。本発明は、さらに、過体重および痩せた動物間で示差的に発現され、そして表3に列挙される、脂肪酸代謝に関与する7つの重要な遺伝子の同定に基づく。これらの重要な遺伝子は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼファミリー、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼファミリーおよび溶質キャリアーファミリー27(脂肪酸輸送体)のメンバー、ならびに長鎖脂肪酸伸長と関連する遺伝子に相当し、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼファミリーおよびカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼファミリーが最も重要であり、そしていくつかの場合、律速酵素である。Affymetrix GeneChip(登録商標)技術を用いて、過体重と診断される動物から採取された脂肪組織およびリンパ球における遺伝子と、痩せたと診断される動物由来の脂肪組織およびリンパ球における遺伝子の発現を比較することによって、遺伝子を同定した。ポリヌクレオチドを表1、2および3に示す。表は、Affymetrixプローブ同定番号(本明細書において「APIN」)、p値、q値、倍発現(太った/痩せた)、問題のプローブの上位BLAST注釈、最高BLASTヒットの寄託番号、遺伝子記号の情報を含有し、そして最後に遺伝子の説明を最後の列に示す。いくつかの場合、推定上のまたは実際の遺伝子の説明が、当業者に知られる方法を用いて、BLASTデータベースから得られうる。一般的に、推定上のまたは実際の遺伝子の機能は、(1)痩せた動物に比較して過体重動物において、1.3倍以上高い遺伝子発現を有する各遺伝子に関してAPINを同定し、(2)APIN番号と配列を相関させる好適に入手可能なAffymetrixデータベースにAPINを入力することによって、こうした各遺伝子のヌクレオチド配列を決定し、そして(3)米国国立衛生研究所によって提供されるBLASTデータベースにヌクレオチド配列を入力し、そしてデータベース中の相同配列に対する、生じた配列のマッチから、推定上のまたは実際の遺伝子機能を決定することによって決定される。
【0075】
[0081]過体重と診断されるイヌ由来の脂肪組織およびリンパ球由来の遺伝子発現と、痩せたと診断されるイヌ由来の脂肪組織およびリンパ球における遺伝子発現の相違を測定することによって、ポリヌクレオチドおよび遺伝子を同定する。当業者に知られる任意の方法によって、遺伝子発現変化を決定してもよい。一般的に、転写を測定する(遺伝子によって産生されるmRNAの量を決定する)か、または翻訳を測定する(遺伝子によって産生されるタンパク質の量を決定する)ことによって、遺伝子発現における変化を決定する。ポリヌクレオチドおよびタンパク質を定量化するため、当業者に知られる任意の方法を用いて、遺伝子によって産生されるRNAまたはタンパク質の量を決定してもよい。一般的に、限定されるわけではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(限定なしに、逆転写−PCR(RT−PCR)および定量的リアルタイムPCR(qPCR)を含む)、RNアーゼ保護、ノーザンブロッティング、および他のハイブリダイゼーション法を含む方法を用いて、RNA発現を決定する。測定するRNAは、典型的には、mRNAまたは逆転写mRNAまたは相補的DNA(cDNA)の形である。多様な比色、蛍光および分光アッセイ、ならびに限定されるわけではないが、ウェスタンブロッティング、ELISA、多重反応監視、逆相および抗体アレイを含む方法を用いて、タンパク質またはポリペプチド発現を決定する。好ましい方法において、Affymetrix社から購入可能なAffymetrixイヌ−1およびイヌ−2 GeneChip(登録商標)およびこうしたチップを用いて遺伝子発現を決定するための説明書を用いて、遺伝子発現における変化を決定する。
【0076】
[0082]一般的に、痩せた動物に比較した過体重動物における示差的遺伝子発現は、少なくとも1つの遺伝子の発現を測定することによって決定される。好ましくは、2以上の示差的に発現される遺伝子の発現を測定して、遺伝子発現パターンまたは遺伝子発現プロフィールを提供する。より好ましくは、示差的に発現される複数の遺伝子の発現を測定する。
【0077】
[0083]ポリヌクレオチド、遺伝子、ポリヌクレオチドおよび遺伝子によってコードされるタンパク質、ならびに該配列に基づく相補体、相同体、変異体、または断片は、動物の脂肪組織量に関連する多様な予後診断および診断アッセイにおいて有用であり、そして試験物質をスクリーニングして、該物質が動物の脂肪組織量を調節するのに有用であるかどうかを決定するのに有用である。他の使用は、本明細書に含有される本発明の説明から明らかであろう。
【0078】
[0084]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される2以上のポリヌクレオチド、または痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される2以上のポリヌクレオチドの発現によって産生される2以上のタンパク質を含む組み合わせを提供する。1つの態様において、組み合わせは、表1および2そして好ましくは表3より選択される2以上のポリヌクレオチドまたはこうしたポリヌクレオチドから発現されるタンパク質を含む。好ましくは、組み合わせは、特定の群および使用に適切なように、表1および2そして好ましくは表3に同定される複数のポリヌクレオチドまたはこうしたポリヌクレオチドから発現されるタンパク質、一般的に10、20、50、100、200、またはそれより多いポリヌクレオチドまたはタンパク質を含む。組み合わせが1以上の断片を含む場合、断片は、元来のポリヌクレオチドまたはタンパク質の特性および機能を保持する任意のサイズ、好ましくは元来のものの30%、60%、または90%であってもよい。ポリヌクレオチドおよびタンパク質は、任意の動物由来であってもよく、好ましくはイヌおよびネコ由来であり、最も好ましくはイヌ由来である。
【0079】
[0085]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現を検出するのに適した、2以上のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプローブを含む組成物を提供する。1つの態様において、プローブは、表1および2そして好ましくは表3より選択されるポリヌクレオチドを含む。別の態様において、プローブは、こうしたポリヌクレオチドの有用な異形を含む。プローブは、適切な相補ポリヌクレオチドと、実質的に排他的に、特異的にハイブリダイズするのに十分な数のヌクレオチドを含有する。特定の態様において、プローブは、少なくとも10、15、20、25、または30ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、プローブはより多くのヌクレオチドを含有し、そして少なくとも30、50、70、90または100ヌクレオチド、あるいはそれより多くを含む。プローブは、本発明の全長機能遺伝子を含んでもよい。好ましくは、組成物は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子を検出するのに適した複数のポリヌクレオチドプローブ、一般的には10、50、200、500、1000、または2000、あるいはそれより多くのプローブを含む。ポリヌクレオチドプローブは、当業者に知られる方法、例えばヌクレオチドからのin vitro合成、天然供給源からの単離および精製、または本発明の遺伝子の酵素的切断を用いて作製されるかまたは得られる。
【0080】
[0086]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される複数の遺伝子の発現を検出するのに適したデバイスを提供する。該デバイスは、既知の位置で基板に付着された本発明の複数のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプローブを有する基板を含む。該デバイスは、本質的に、本明細書に記載するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプローブの固定型である。該デバイスは、遺伝子およびポリヌクレオチド、ならびにその発現パターンおよびプロフィールの、迅速でそして特異的な検出に有用である。典型的には、こうしたプローブを基板または類似の固体支持体に連結し、そして1以上のポリヌクレオチド(例えば、遺伝子、PCR産物、リガーゼ連鎖反応(LCR)産物、増幅技術を用いて合成されているDNA配列、またはその混合物)を含有する試料を、試料ポリヌクレオチド(単数または複数)がプローブにハイブリダイズ可能であるように、プローブに曝露する。プローブ、試料ポリヌクレオチド(単数または複数)のどちらか、または両方は、典型的にはフルオロフォアまたはストレプトアビジンなどの他のタグで標識され、そして当業者に知られる方法を用いて検出される。試料ポリヌクレオチド(単数または複数)が標識される場合、ハイブリダイゼーションは、結合した蛍光を検出することによって検出可能である。プローブが標識される場合、ハイブリダイゼーションは、典型的には、標識消光によって検出される。プローブおよび試料ポリヌクレオチド(単数または複数)の両方が標識される場合、ハイブリダイゼーションは、典型的には、2つの結合した標識の近接から生じる色シフトを監視することによって検出される。多様な標識戦略および標識が、特に蛍光標識に関して、当業者に知られる。好ましくは、当該技術分野に知られるものに匹敵するアレイ(DNAマイクロアレイ、遺伝子チップ、バイオチップ、DNAチップおよび遺伝子アレイを含む、いくつかの名称で知られる)を形成するのに適した基板上にプローブが固定される。
【0081】
[0087]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現を検出するのに適した2以上のペプチドまたはポリペプチドプローブを含む組成物を提供する。1つの態様において、プローブは、表1および2より選択される配列を含む1以上のポリヌクレオチドの発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するペプチドまたはポリペプチドを含む。別の態様において、プローブは、表3より選択される配列を含む1以上のポリヌクレオチドの発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するペプチドまたはポリペプチドを含む。別の態様において、プローブは、こうしたポリペプチドの1以上の有用な異形の発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するペプチドまたはポリペプチドを含む。プローブは、適切なポリペプチドに特異的に結合するのに十分な数のアミノ酸を含有する。好ましくは、プローブは、少なくとも4、10、20、40、または80アミノ酸を含む。いくつかの態様において、プローブはより多くのアミノ酸を含有し、そして少なくとも100以上のアミノ酸を含む。プローブは、本発明によって同定される全長機能遺伝子の発現から得られる全長機能タンパク質を含んでもよい。好ましくは、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子を検出するのに適した複数のポリペプチドプローブ、より好ましくは、こうしたプローブの10、50、100、500、または1000あるいはそれより多くのコレクションを含む。1つの態様において、プローブは抗体、好ましくはモノクローナル抗体である。
【0082】
[0088]ポリペプチドプローブは、慣用的な方法にしたがって、例えば本発明のポリヌクレオチドに関して提供されるヌクレオチド配列データおよび当該技術分野に知られる方法を用いて、作製可能である。こうした方法には、限定されるわけではないが、細胞からポリペプチドを直接単離する工程、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAを単離するかまたは合成して、そして該DNAまたはRNAを用いて、組換え産物を生じる工程、個々のアミノ酸から化学的にポリペプチドを合成する工程、および存在するポリペプチドの化学的切断によってポリペプチド断片を産生する工程が含まれる。
【0083】
[0089]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される複数の遺伝子の発現を検出するのに適したデバイスを提供する。該デバイスは、既知の位置で基板に付着された本発明の複数のペプチドまたはポリペプチドプローブを有する基板を含む。該デバイスは、本質的に、本明細書に記載するペプチドまたはポリペプチドプローブの固定型である。該デバイスは、タンパク質およびその発現パターンの迅速でそして特異的な検出に有用である。典型的には、こうしたプローブを基板に連結し、そして1以上のタンパク質を含有する試料を、試料タンパク質がプローブにハイブリダイズ可能であるように、プローブに曝露する。特定の態様において、プローブ、試料タンパク質、または両方は、典型的にはフルオロフォアまたは当業者に知られる他の剤で標識され、そして検出される。一般的に、ポリヌクレオチドマイクロアレイを読み取るために用いられるのと同じ方法および説明書がタンパク質アレイに適用可能である。好ましくは、アレイを形成するのに適した基板上にプローブが固定される。
【0084】
[0090]試料中のタンパク質の量または濃度を決定するための方法が当業者に知られる。こうした方法には、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウェスタンブロット分析、およびELISAアッセイが含まれる。抗体を用いる方法に関しては、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体が適切である。こうした抗体は、タンパク質、タンパク質エピトープ、またはタンパク質断片に対して免疫学的に特異的であってもよい。
【0085】
[0091]本発明のいくつかの態様は、本発明のポリヌクレオチドの発現によって産生されるタンパク質の検出および定量化のために抗体を利用する。タンパク質は免疫沈降、アフィニティ分離、ウェスタンブロット分析、タンパク質アレイ等によって検出可能であるが、好ましい方法は、抗体が固体支持体上に固定され、そしてターゲットタンパク質またはペプチドが、固定された抗体に曝露される、ELISA技術を利用する。既知の方法を用いて、プローブまたはターゲットのいずれか、あるいは両方を標識してもよい。
【0086】
[0092]いくつかの態様において、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを検出するためのプローブのアレイを利用して、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される複数の遺伝子の発現パターンまたはプロフィールを観察する。1つの態様において、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプローブのアレイを利用してもよく、一方別の態様は、本発明の示差的に発現される遺伝子産物に特異的に結合する抗体または他のタンパク質のアレイを利用してもよい。こうしたアレイは、商業的に入手可能であってもよいし、またはこれらは、当業者に知られる方法、例えば固体支持体上でのin situ合成、またはあらかじめ合成されたプローブのマイクロプリンティング技術を介した固体支持体への付着を用いて、カスタムメードされてもよい。多様な態様において、本発明の示差的に発現される遺伝子によって産生される転写物またはタンパク質を特異的に検出する、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドプローブのアレイをカスタムメードする。
【0087】
[0093]1つの態様において、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドプローブのアレイは、表2に同定される2以上のポリヌクレオチドまたは遺伝子によって産生される転写物またはタンパク質を特異的に検出するようにカスタムメードされる。これらのプローブは、動物における脂質およびグルコース代謝経路に関連する遺伝子を検出するように設計される。別の態様において、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドプローブのアレイは、表3に同定される2以上のポリヌクレオチドまたは遺伝子によって産生される転写物またはタンパク質を特異的に検出するようにカスタムメードされる。これらのプローブは、痩せた動物に比較して過体重動物に特に適した遺伝子を検出するよう設計される。
【0088】
[0094]さらなる側面において、本発明は、試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の示差的発現を検出するための方法を提供する。該方法は、(a)痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される複数のポリヌクレオチドプローブを含む組み合わせと、試料中のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせて、1以上のハイブリダイゼーション複合体を形成し;(b)場合によって、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される複数のポリヌクレオチドプローブを含む組み合わせと、標準中のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせて、1以上のハイブリダイゼーション複合体を形成し;(c)試料由来のハイブリダイゼーション複合体、および場合によって工程(b)由来の標準由来のハイブリダイゼーション複合体を検出し;そして(d)試料由来のハイブリダイゼーション複合体と、標準由来のハイブリダイゼーション複合体を比較する、ここで標準および試料間のハイブリダイゼーション複合体量の相違は、試料中で、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子が示差的に発現されていることを示す工程を含む。多様な態様において、複数のポリヌクレオチドプローブを表1および2そして好ましくは表3より選択する。これらのポリヌクレオチドを用いて、試料ポリヌクレオチドとハイブリダイズするプローブを調製して、ハイブリダイゼーション複合体を形成し、これを検出して、そして標準のものと比較する。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーション前に試料ポリヌクレオチドを増幅する。いくつかの態様において、プローブを基板に、好ましくはアレイで結合させる。
【0089】
[0095]工程(b)および工程(c)の一部は場合により、そして2以上の試験系の比較的同時期の比較を行おうとする場合に用いられる。しかし、好ましい態様において、比較に用いる標準は、該方法を用いて先に得られたデータに基づく。
【0090】
[0096]これらのプローブを試料に曝露して、ハイブリダイゼーション複合体を形成し、これを検出し、そして標準のものと比較する。試料および標準由来のハイブリダイゼーション複合体間の相違は、試料中で、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるポリヌクレオチドそしてしたがって遺伝子が、示差的に発現されていることを示す。好ましい態様において、本発明によって同定される1以上の遺伝子または遺伝子断片によって産生されるポリヌクレオチドまたはその断片を特異的に検出するプローブを作製する。ハイブリダイゼーション複合体を検出するための方法は当業者に知られる。
【0091】
[0097]1つの態様において、該方法は、ハイブリダイゼーション前に試験物質に動物または試料を曝露する工程をさらに含む。次いで、比較は、試験物質が、試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現を改変したかどうかを示す。
【0092】
[0098]別の側面において、本発明は、試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の示差的発現を検出するための方法を提供する。該方法は、(a)複数のポリペプチドプローブを含む組み合わせを、試料中のタンパク質と、該プローブおよび該タンパク質の間の特異的結合が起こるのを可能にする条件下で反応させ、ここでプローブによって結合されるタンパク質は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるものであり;(b)場合によって、複数のポリペプチドプローブを含む組み合わせを、標準中のタンパク質と、該プローブおよび該タンパク質の間の特異的結合が起こるのを可能にする条件下で反応させ、ここでプローブによって結合されるタンパク質は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるものであり;(c)試料中の特異的結合、および場合によって工程(b)由来の標準中の特異的結合を検出し;そして(d)試料中の特異的結合を標準のものと比較する、ここで標準および試料中の特異的結合間の相違は、試料中で、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子が、示差的に発現されていることを示す工程を含む。
【0093】
[0099]多様な態様において、複数のポリペプチドプローブは、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチド、ならびにこうしたポリヌクレオチドの有用な異形の発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するプローブである。これらのポリヌクレオチドを用いて、タンパク質に特異的に結合するプローブを調製し、タンパク質を検出して、そして標準のものと比較する。いくつかの態様において、プローブを基板に、好ましくはアレイで結合させる。1つの態様において、プローブは抗体である。
【0094】
[00100]工程(b)および工程(c)の一部は場合により、そして2以上の試験系の比較的同時期の比較を行おうとする場合に用いられる。しかし、好ましい態様において、比較に用いる標準は、該方法を用いて先に得られたデータに基づく。
【0095】
[00101]これらのプローブを試料に曝露して、特異的結合を形成し、これを検出し、そして標準のものと比較する。試料および標準由来の特異的結合間の相違は、試料中で、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるタンパク質、そしてしたがって遺伝子、特に脂肪関連遺伝子が示差的に発現されていることを示す。好ましい態様において、本発明によって同定される1以上の遺伝子または遺伝子断片によって産生されるタンパク質またはその断片を特異的に検出するプローブを作製する。
【0096】
[00102]1つの態様において、該方法は、ポリペプチドとタンパク質を反応させる前に、試験物質に動物または試料を曝露する工程をさらに含む。次いで、比較は、試験物質が、試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現を改変したかどうかを示す。
【0097】
[00103]別の側面において、試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現を検出するための方法を用いて、脂肪組織調節プログラムに反応して、動物の脂肪組織量を調節することを試みる際、動物の進歩を監視する。該方法を、調節プログラム中、間隔を置いて、好ましくは規定の間隔を置いて行い、そして調節プログラム中の2以上の時点での方法の結果を比較することによって、動物の進行を監視する。比較から生じる、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現変化、あるいは遺伝子発現パターンの変化、あるいは変化の欠如は、調節プログラムの有効性を示す。例えば、動物の脂肪組織量を減少させるように設計された脂肪組織調節プログラムを監視して、そして、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の遺伝子発現量が、プログラム中の刺激に反応して、長期に渡って減少しているならば、有効であることを示すことも可能である。同様に、痩せたまたは過剰に痩せた動物において脂肪組織を増加させるプログラムは、こうした遺伝子の発現プロフィールを増加させるはずである。調節プログラムは、食餌、運動、薬剤、または他の類似のプログラムなどの、動物の脂肪組織量を調節する、いかなる計画であってもよい。
【0098】
[00104]さらなる側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現プロフィールに対する試験物質の影響を測定するための方法、および試験物質をスクリーニングして、動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いかどうかを決定するための方法を提供する。該方法は、(a)試験系において、試験物質の非存在下で、表1および2そして好ましくは表3より選択される2以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形の転写または翻訳産物を測定することによって、第一の発現プロフィールを決定し;(b)試験系において、試験物質の存在下で、表1および2そして好ましくは表3より選択される2以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形の転写または翻訳産物を測定することによって、第二の発現プロフィールを決定し;そして(c)第一の発現プロフィールを第二の発現プロフィールに比較する工程を含む。
【0099】
[00105]第一の発現プロフィールに比較した第二の発現プロフィールの変化が1.3倍以上であれば、試験物質が、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現に影響を及ぼした(effects)こと、および試験物質が、動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いことが示される。好ましい態様において、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子は、脂肪酸代謝と関連する重要な遺伝子であり、そして変化は、第二の発現プロフィールに対する第一の発現プロフィール間の少なくとも2つの遺伝子の発現の1.3倍以上の変化である。本発明はまた、該方法を用いて同定される物質も提供する。
【0100】
[00106]1つの態様において、ポリヌクレオチドは、表3またはその有用な異形から選択され、そして変化は1.3倍以上である。
[00107]1つの態様において、試験系は、組織培養物、細胞抽出物、または細胞株などのin vitro試験系である。別の態様において、試験系はin vivo試験系、すなわちイヌなどの動物である。他の態様において、試験系はex vivo組織系またはin silico系である。
【0101】
[00108]試験物質は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるポリヌクレオチドまたは遺伝子、特に脂肪関連遺伝子に影響を有しうる、いかなる物質でもよい。試験物質には、限定されるわけではないが、アミノ酸;タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、小分子、巨大分子、ビタミン、ミネラル、単糖;複合糖類;多糖;炭水化物;中鎖トリグリセリド(MCT);トリアシルグリセリド(TAG);DHA、EPA、ALAを含むn−3(オメガ−3)脂肪酸;LA、γ−リノレン酸(GLA)およびARAを含むn−6(オメガ−6)脂肪酸;SA、MA、コンジュゲート化リノール酸(CLA);レシチンなどのコリン供給源;ビタミンAおよびカロテノイド(例えばβ−カロテン)などのその前駆体、ビタミンD(エルゴカルシフェロール)およびビタミンD(コレカルシフェロール)などのビタミンD供給源、トコフェロール(例えばα−トコフェロール)およびトコトリエノールなどのビタミンE供給源、ならびにビタミンK(フィロキノン)およびビタミンK(メナジオン)などのビタミンK供給源を含む、脂溶性ビタミン;リボフラビン、ナイアシン(ニコチンアミドおよびニコチン酸)、ピリドキシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンおよびコバラミンなどのBビタミン;ならびにビタミンC(アスコルビン酸)を含む、水溶性ビタミン;上に列挙するビタミンのいくつか、特にビタミンEおよびCを含む、酸化防止剤;また、カテキン、ケルセチンおよびテアフラビンなどのバイオフラボノイド;ユビキノンなどのキノン;リコペンおよびリコキサンチンなどのカロテノイド;リスベラトロール;ならびにα−リポ酸;L−カルニチン;D−リモネン;グルコサミン;S−アデノシルメチオニン;ならびにキトサンが含まれる。好ましい態様において、試験物質は、食物に添加されてもよいし、またはサプリメントとして消費されてもよい栄養物である。例には、限定されるわけではないが、オメガ−3脂肪酸(例えばDHAおよびEPA)およびオメガ−6脂肪酸(例えばARA)などの脂肪酸、カルニチン、メチオニン、ビタミンC、ビタミンE、およびビタミンDが含まれる。
【0102】
[00109]好ましい態様において、2005年3月2日出願の同時係属米国仮特許出願第60/657980号、およびこれに対して優先権を請求する任意の続く米国または外国特許出願に開示される方法を用いて、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現に影響を及ぼすのに有用な物質を同定してもよい。
【0103】
[00110]さらなる態様において、本発明は、動物が過体重になる可能性が高いという予後診断を組み立てるか、または動物が太っているという診断を発展させるための方法を含む。該方法は、表1および2より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形、あるいは表1、2より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形の発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合する1以上のポリペプチドが、1以上の痩せた動物に比較して、該動物で示差的に発現されるかどうかを決定する工程を含む。比較によって、痩せた動物に比較して該動物においてポリヌクレオチドが1.3倍以上示差的に発現されていることが示されるならば、動物は過体重になる可能性が高いと決定されるか、または過体重であると決定される。
【0104】
[00111]多様な態様において、予後診断または診断は、表3より選択されるポリヌクレオチド、またはこうしたポリペプチドの有用な異形に基づく。
[00112]比較で用いる痩せた動物に関する発現プロフィールを、試験中の動物に関する発現プロフィールと同時期に1以上の痩せた動物から、または痩せた動物の発現プロフィールのデータベースから得てもよい。好ましくは、長期に渡って集積された、痩せた動物に関する発現プロフィールのデータベースが、参照として使用するために利用可能である。
【0105】
[00113]いくつかを本明細書に記載する、当業者に知られる方法を用いて、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを検出することによって、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドが示差的に発現されているかどうかを決定する工程を達成してもよい。
【0106】
[00114]別の側面において、本発明は、動物、特に非ヒト動物のゲノムまたはゲノムの発現を操作するための方法を提供する。該方法は、好ましくは表1および2そして好ましくは表3より選択されるポリヌクレオチド、またはその有用な異形を用いて構築されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを用いて、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現を混乱させる工程を含む。
【0107】
[00115]ゲノムを操作する方法が当業者に知られる。こうした方法には、トランスジェニックおよびノックアウト動物の産生、ならびに転写または翻訳の混乱が含まれる。1つの態様において、表1および2より選択される1以上のポリヌクレオチドあるいはその有用な異形を用いて、動物において、対応する内因性遺伝子を破壊するかまたは「ノックアウト」するのに有用な構築物を調製する。この方法は、その遺伝子座に関してヌル突然変異を有する動物を生じる。他の態様において、動物は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現の減少または完全な排除を示す。本発明はまた、該方法を用いて産生される動物も提供する。多様な態様において、表3より選択される1以上のポリヌクレオチド、またはこうした配列の有用な異形を用いて、ゲノムを操作する。トランスジェニック動物は、好ましくは哺乳動物、例えばマウスおよびラットなどのげっ歯類であるが、ネコおよびイヌなどの他の哺乳動物であってもよい。
【0108】
[00116]ゲノムの発現を操作する方法が当業者に知られる。こうした方法には、アンチセンスまたはsiRNA分子の使用、およびこうした分子を用いてゲノムの翻訳または転写を混乱させる工程が含まれる。1つの態様において、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形を用いて、転写を混乱させるのに有用なアンチセンスおよび類似のDNA結合分子を調製するか、または翻訳を機能的に混乱させるのに有用な短分子(小分子)干渉RNA(siRNA)を調製する。簡潔には、DNAに結合し、そして転写を防止することを通じて、アンチセンス分子によって、そしてRNA干渉(RNAi)または転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)を通じてsiRNAによって、遺伝子発現を阻害する。siRNA分子は、siRNA分子が渡る領域内でmRNA分子を切断することによって破壊するための相同mRNA分子をターゲティングする。したがって、脂肪関連遺伝子から転写されるmRNAをターゲティングしそして切断することが可能なsiRNAを用いて、1以上のこうした遺伝子の発現を減少させるかまたは排除する。他の態様において、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたは遺伝子、あるいはその有用な異形由来のDNAに結合可能なアンチセンス分子、ならびにこれらより転写されるmRNAをターゲティングしそして切断することが可能なsiRNA。
【0109】
[00117]別の側面において、本発明は、動物のゲノムを操作するのに適した組成物を提供する。該組成物は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現に干渉する1以上の物質を含む。好ましくは、物質は、1以上の遺伝子またはその転写産物に結合し、そしてその複製、転写、または翻訳に干渉する、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、最も好ましくは、表1および2そして好ましくは表3より選択されるポリヌクレオチドまたはその有用な異形を用いて構築されるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む。多様な態様において、物質はアンチセンス分子またはsiRNAを含む。
【0110】
[00118]別の態様において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現を調節するか、または動物の脂肪組織量を調節するための方法であって、動物に、遺伝子発現または組織を調節する量の、DHA、EPA、EPAおよびDHA、ALA、LA、ARA、SAならびにMAの1以上を含む組成物を投与する工程を含む、前記方法を含む。好ましい態様において、組成物は、1日あたりキログラム体重あたりミリグラム(mg/kg/日)で、1〜30、好ましくは3〜15の量のDHA;1〜30、好ましくは3〜15の量のEPA;4/2〜30/45、好ましくは9/6〜18/12の量のEPA/DHAコンボ(1.5:1比);10〜100、好ましくは30〜60の量のALA;30〜600、好ましくは60〜300の量のLA;5〜50、好ましくは15〜30の量のARA;3〜60、好ましくは6〜30の量のSA;3〜60、好ましくは6〜30の量のMA;および6〜120、好ましくは12〜60の量のCLA(対照として)を含む。組成物に適した任意の方式または形式で、組成物を動物に投与してもよい。好ましくは、組成物を食物組成物またはサプリメントの形で動物に経口投与する。食物組成物は、任意の形式のものであってもよく、例えば、動物、特にネコおよびイヌ動物などのコンパニオン動物用のドライフード、セミモイストフード、およびウェットフードなどの当該技術分野に知られる栄養的にバランスが取れた食物組成物であってもよい。サプリメントには、錠剤、カプセル、および類似の型などの投薬型が含まれる。さらなる側面において、動物の脂肪組織量を調節する1以上の薬剤または他の物質と組み合わせて、組成物を投与する。薬剤または物質には、限定されるわけではないが、食欲を抑制するか、代謝を増加させるか、または特に食物からの、特定の栄養素の吸収に干渉する物質が含まれる。例には、限定されるわけではないが、オーリスタット(脂肪分解および吸収を遮断する)、デキセドリンなどの食欲不振誘発剤(食欲を抑制する)、フェンフルラミンおよびフェンテルミン、およびシブトラミン、ならびにフェニルプロパノールアミンなどの食欲低下剤が含まれる。
【0111】
[00119]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現を調節するか、または動物の脂肪組織量を調節するのに適した組成物を提供する。組成物は、DHA、EPA、EPAおよびDHA、ALA、LA、ARA、SA、MAの1以上の遺伝子発現または組織を調節する量を含む。多様な態様において、組成物は、mg/kg/日で、1〜30を動物に投与するのに十分な量のDHA;1〜30を動物に投与するのに十分な量のEPA;4/2〜30/45を動物に投与するのに十分な量のEPA/DHAコンボ(1.5:1比);10〜100を動物に投与するのに十分な量のALA;30〜600を動物に投与するのに十分な量のLA;5〜50を動物に投与するのに十分な量のARA;3〜60を動物に投与するのに十分な量のSA;3〜60を動物に投与するのに十分な量のMA、および6〜120を動物に投与するのに十分な量のCLA(対照として)を含む。こうした物質は、動物の脂肪組織量を調節するのに有用である。好ましくは、物質は、複数のこうした遺伝子の発現に影響を及ぼす。1つの態様において、組成物は、動物の脂肪組織量を調節する1以上の薬剤または他の物質をさらに含む。
【0112】
[00120]別の態様において、本発明は、1以上の群または亜群に含まれる動物を選択するための方法を含む。該方法は、(a)表1および2そして好ましくは表3より選択されるポリヌクレオチドまたはその有用な異形、あるいは(b)各々、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形の発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するポリペプチドに関して、動物の発現プロフィールを決定し、そして発現プロフィールに基づいて、動物を群に割り当てる工程を含む。群はいかなる有用な群であってもよく、好ましくは、研究実験、試験、臨床試験、または他の類似のカテゴリーに関与するものであってもよい。例えば、群は、1以上の対照群および1以上の治療群を必要とする、研究実験または臨床試験に関与する群であってもよい。1つの態様において、対照群は痩せた動物を含み、そして治療群は過体重動物を含み、あるいは互いに逆であってもよい。複数の動物に関する発現プロフィールを決定し、そしてプロフィールの結果に基づいて動物を対照群または治療群に割り当ててもよく、すなわち標準に比較して1.3倍以上の示差的発現を示す動物を過体重群に割り当て、そして標準に比較して1.3倍以下の示差的発現を示す動物を痩せた群に割り当てる。該方法は、潜在的な薬剤または他の物質を、動物の脂肪組織量を減少させる能力に関して試験する際、臨床試験に動物を割り当てるのに特に有用である。
【0113】
[00121]別の側面において、本発明は、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子に関するデータを操作するのに適したコンピュータ系を提供する。該系は、痩せた動物および/または過体重動物における、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形、ならびに/あるいは表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形の発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するポリペプチドを同定する情報を含有するデータベース、ならびにデータベースと相互作用する、特に異なる動物またはカテゴリーまたは動物、例えば痩せたまたは過体重動物に関する情報を入力し、操作し、そして再検討する、ユーザーインターフェースを含む。1つの態様において、データベースは、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形によってコードされる1以上のポリペプチドの活性レベルを同定する情報をさらに含有する。別の態様において、データベースは、表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形に関する配列情報をさらに含む。他の態様において、データベースは、1以上の動物種における遺伝子の推定上の説明を記載するさらなる情報を含有する。コンピュータ系は、データを含有しそして操作し、そしてユーザーと相互作用することが可能な任意の電子デバイス、例えば典型的なコンピュータ、または本発明を用い、そして動物の状態に関連する結果を出力するのを容易にするように設計されている分析装置である。
【0114】
[00122]別の側面において、本発明は、コンピュータ系または本発明を用いて、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現プロフィールを同定する情報を提示するための方法を提供する。該方法は、試料由来の、表1および2そして好ましくは表3より選択される2以上のポリヌクレオチドまたはこうしたポリヌクレオチドより発現されるタンパク質の発現レベルを、コンピュータ系のポリヌクレオチドまたはタンパク質の発現プロフィールに比較する工程を含む。
【0115】
[00123]さらなる側面において、本発明は、試験系において、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の示差的発現を決定するのに適したキットを提供する。キットは、使用およびキット構成要素に適切であるように、単一のパッケージ中の別個の容器中、またはバーチャルなパッケージ中の別個の容器中に、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現を検出するのに適した2以上のプローブであって、(a)表1および2そして好ましくは表3より選択されるポリヌクレオチドまたはその有用な異形、あるいは(b)表1および2そして好ましくは表3より選択される1以上のポリヌクレオチドまたはその有用な異形の発現によって産生されるタンパク質に特異的に結合するポリペプチドを含む、前記プローブ、ならびに(1)本発明のプローブをどのように使用するかの説明書;(2)プローブを用いるのに必要な試薬および装置;(3)痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現を調節するのに適した組成物;(4)痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現を混乱させるのに適した組成物;(5)動物の脂肪組織量を調節するのに適した食物組成物;および(6)動物の脂肪組織量を調節する1以上の薬剤または物質の少なくとも1つを含む。1つの好ましい態様において、プローブは基板に、好ましくはアレイで結合する。
【0116】
本発明の組成物
[00124]本発明は、乾物重量で26重量%〜35重量%の粗タンパク質、乾物重量で7.5重量%〜8.5重量%の粗脂肪、乾物重量で20重量%〜30重量%の総食物繊維、および乾物重量で10重量%〜20重量%の粗繊維を含む、イヌ食物組成物を含む。
【0117】
[00125]本発明はまた、乾物重量で30重量%〜37重量%の粗タンパク質、乾物重量で7.5重量%〜9重量%の粗脂肪、乾物重量で30重量%〜35重量%の総食物繊維、および乾物重量で20重量%〜25重量%の粗繊維を含む、ネコ食物組成物を提供する。
【0118】
[00126]特定の態様において、本発明の組成物には、乾物重量で少なくとも0.02%(または0.05%〜10%、または0.1%〜6%)のオメガ−3ポリ不飽和脂肪酸含量が含まれてもよい。いくつかの態様において、オメガ−3ポリ不飽和脂肪酸はDHAである。他の態様において、オメガ−3ポリ不飽和脂肪酸はEPAである。さらに他の態様において、オメガ−3ポリ不飽和脂肪酸はDHAおよびEPAの混合物を含む。
【0119】
[00127]他の態様において、オメガ−3ポリ不飽和脂肪酸を含む組成物は食物である。液体および固体食物を提供するが、典型的には固体食物が好適である。食物には、ドライフードおよびウェットフードの両方が含まれる。食物の非ポリ不飽和脂肪酸構成要素のいくつか、および有用な比率には、以下に列挙するものが含まれる。
【0120】
イヌ食物組成物
【0121】
【化1】

【0122】
ネコ食物組成物
【0123】
【化2】

【0124】
[00128]1つの態様において、本発明のイヌ組成物には、動物の生活の質を増進させるのに有効な量の成分が含まれる。こうした組成物は、一般的に:
[00129](a)乾物重量で26重量%〜35重量%の粗タンパク質;
[00130](b)乾物重量で7.5重量%〜8.5重量%の粗脂肪;
[00131](c)乾物重量で20重量%〜30重量%の総食物繊維;および
[00132](d)乾物重量で10重量%〜20重量%の粗繊維
を含む。
【0125】
[00133]別の態様において、本発明は、一般的に:
[00134](a)乾物重量で30重量%〜37重量%の粗タンパク質;
[00135](b)乾物重量で7.5重量%〜9重量%の粗脂肪;
[00136](c)乾物重量で30重量%〜35重量%の総食物繊維;および
[00137](d)乾物重量で20重量%〜25重量%の粗繊維
を含むネコ組成物を含む。
【0126】
[00138]別の態様において、組成物は、一般的に:
[00139](a)以下の少なくとも1つ:
[00140](i)少なくとも0.05%(または0.05%〜0.30%、または0.1%〜0.30%、または0.1%〜0.2%)のDHA、および
[00141](ii)少なくとも0.1%(または0.1%〜0.5%、または0.2%〜0.5%、または0.2%〜0.3%)のEPA、
[00142](b)少なくとも15%(または15%〜55%、または30%〜55%、または33%〜36%)のタンパク質、
[00143](c)少なくとも9%(または9%〜35%、または18%〜35%、または18%〜24%)の脂肪、ならびに
[00144](d)以下の少なくとも1つ:
[00145](i)少なくとも250IU/kg(または250IU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1100IU/kg)のビタミンE、
[00146](xii)少なくとも50ppm(または50ppm〜300ppm、または100ppm〜300ppm、または100ppm〜200ppm)のビタミンC、
[00147](xiii)少なくとも1100ppm(または1100ppm〜3500ppm、または2300ppm〜3500ppm、または2300ppm〜2350ppm)のタウリン、および
[00148](xiv)少なくとも200ppm(または200〜750ppm、または400ppm〜750ppm、または400〜525ppm)のカルニチン、および
[00149](xv)少なくとも0.05%(または0.05%〜0.6%、または0.1%〜0.6%、または0.1%〜0.4%)のシステイン
を含む。
【0127】
[00150]別の態様において、組成物は、一般的に:
[00151](a)0.02%(または0.05%〜10%、または0.1%〜6%)の少なくとも1つのオメガ−3ポリ不飽和脂肪酸、ならびに
[00152](b)以下の少なくとも1つ:
[00153](xvi)10%〜55%(または18%〜30%、または33%〜55%、または18%〜20%、または33%〜36%)のタンパク質、
[00154](xvii)7%〜35%(または18%〜35%、または7%〜24%、または14%〜24%、または14%〜16%、または18%〜24%)の脂肪、
[00155](xviii)少なくとも.05(または0.05ppm〜7500ppm、または250〜3600、または250ppm〜1650ppm、または5ppm〜225ppm、または0.05ppm〜2.4ppm)の酸化防止剤、および
[00156](xix)少なくとも1000ppm(または1000ppm〜5000ppm、3300ppm〜5000ppm、または2000ppm〜3000ppm、または3000ppm〜4000ppm)のコリン
を含む。
【0128】
[00157]別の態様において、組成物は、一般的に:
[00158](a)以下の少なくとも1つ:
[00159](i)少なくとも0.02%(または0.02%〜0.3%、または0.05%〜0.3%、または0.05%〜0.2%)のDHA、および(ii)少なくとも0.1%(または0.1%〜0.5%、または0.2%〜0.5%、または0.2%〜0.3%)のEPA、
[00160](b)少なくとも9%(または9%〜30%、または18%〜30%、または18%〜20%)のタンパク質、
[00161](c)少なくとも7%(または7%〜24%、または14%〜24%、または14%〜16%)の脂肪、
[00162](d)以下の少なくとも1つ:
[00163](i)少なくとも250IU/kg(または250IU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1000IU/kg)のビタミンE、
[00164](xx)少なくとも50ppm(または50ppm〜500ppm、または100ppm〜500ppm、または100ppm〜301ppm)のビタミンC、
[00165](xxi)少なくとも600ppm(または600ppm〜2400ppm、または1260ppm〜2400ppm、または1260ppm〜1545ppm)のタウリン、および
[00166](xxii)少なくとも50ppm(または50ppm〜200ppm、または100〜160、または100〜155)のリポ酸、および
[00167](xxiii)少なくとも50ppm(または50ppm〜500ppm、または200ppm〜500ppm、または200ppm〜350ppm)のカルニチン、
[00168](e)少なくとも1000ppm(または1000ppm〜3200ppm、または2000ppm〜3200ppm、または2000ppm〜2500ppm)のコリン、
[00169](f)少なくとも50ppm(または50ppm〜150ppm、または100ppm〜150ppm、または100ppm〜110ppm)のマンガン、ならびに
[00170](g)少なくとも0.4%(または0.4%〜2%、または0.9%〜2%、または0.9%〜1.2%)のリジン、ならびに
[00171](h)少なくとも0.4%〜1.5%のメチオニン
を含む。
【0129】
[00172]別の態様において、組成物は、一般的に:
[00173](a)以下の少なくとも1つ:
[00174](i)少なくとも0.02%(または0.02%〜0.3%、または0.05%〜0.3%、または0.05%〜0.2%)のDHA、および
[00175](ii)少なくとも0.1%(または0.1%〜0.5%、または0.2%〜0.5%、または0.2%〜0.3%)のEPA、
[00176](b)少なくとも9%(または9%〜30%、または18%〜30%、または18%〜20%)のタンパク質、
[00177](c)少なくとも7%(または7%〜24%、または14%〜24%、または14%〜16%)の脂肪、
[00178](d)以下の少なくとも1つ:
[00179](i)少なくとも250IU/kg(または250IU/kg〜1500IU/kg、または500lU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1000IU/kg)のビタミンE、
[00180](xxiv)少なくとも50ppm(または50ppm〜500ppm、または100ppm〜500ppm、または100ppm〜301ppm)のビタミンC、
[00181](xxv)少なくとも600ppm(または600ppm〜2400ppm、または1260ppm〜2400ppm、または1260ppm〜1575ppm)のタウリン、および
[00182](xxvi)少なくとも50ppm(または50ppm〜200ppm、または100〜160、または100〜155)のリポ酸、および
[00183](xxvii)少なくとも50ppm(または50ppm〜500ppm、または200ppm〜500ppm、または200ppm〜350ppm)のカルニチン、
[00184](e)少なくとも1000ppm(または1000ppm〜3200ppm、または2000ppm〜3200ppm、または2000ppm〜2500ppm)のコリン、
[00185](f)少なくとも50ppm(または50ppm〜150ppm、または100ppm〜150ppm、または100ppm〜110ppm)のマンガン、ならびに
[00186](g)少なくとも0.4%(または0.4%〜2%、または0.9%〜2%、または0.9%〜1.2%)のリジン、ならびに
[00187](h)少なくとも0.4%〜1.5%のメチオニン
を含む。
【0130】
[00188]別の態様において、組成物は、一般的に:
[00189](a)以下の少なくとも1つ:
[00190](i)少なくとも0.05%(または0.05%〜0.30%、または0.1%〜0.30%、または0.1%〜0.2%)のDHA、および
[00191](ii)少なくとも0.1%(または0.1%〜0.5%、または0.2%〜0.5%、または0.2%〜0.3%)のEPA、
[00192](b)少なくとも15%(または15%〜55%、または30%〜55%、または33%〜36%)のタンパク質、
[00193](c)少なくとも9%(または9%〜35%、または18%〜35%、または18%〜24%)の脂肪、
[00194](d)以下の少なくとも1つ:
[00195](i)少なくとも250IU/kg(または250IU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1500IU/kg、または500IU/kg〜1100IU/kg)のビタミンE、
[00196](xxviii)少なくとも50ppm(または50ppm〜300ppm、または100ppm〜300ppm、または100ppm〜200ppm)のビタミンC、
[00197](xxix)少なくとも1100ppm(または1100ppm〜3500ppm、または2300ppm〜3500ppm、または2300ppm〜2350ppm)のタウリン、および
[00198](xxx)少なくとも200ppm(または200〜750ppm、または400ppm〜750ppm、または400〜525ppm)のカルニチン、および
[00199](xxxi)少なくとも0.05%(または0.05%〜0.6%、または0.1%〜0.6%、または0.1%〜0.4%)のシステイン、
[00200](e)少なくとも1600ppm(または1600ppm〜5000ppm、または3300ppm〜5000ppm、または3300ppm〜3400ppm)のコリン、
[00201](f)少なくとも50ppm(または50ppm〜150ppm、または100ppm〜150ppm、または100ppm〜110ppm)のマンガン、ならびに
[00202](g)少なくとも0.7%(または0.7%〜3%、または1.4%〜3%、または1.4%〜1.7%)のリジン、ならびに
[00203](h)少なくとも0.4%〜1.5%のメチオニン
を含む。
【0131】
疾患および障害を治療するかまたは防止する方法
[00204]本発明は、in vitroおよびin vivoの両方で、動物において肥満と関連するタンパク質の発現および/または活性を調節するのに有効な、本発明の組成物の投与を含む、疾患および障害を治療するかまたは防止するための方法を含む。本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物が、動物において肥満と関連するタンパク質を調節する際に有効であることを見出した。理論に束縛されることなく、動物において肥満と関連するタンパク質の発現および/または活性の調節は、異常な血糖レベル、体重増加、または脂肪沈着レベルと関連する障害を治療するかまたは防止するのに有用であると考えられる。本発明はさらに、過体重および/または肥満動物において、タンパク質活性を調節するのに有用な組成物および配合物をさらに含む。本発明はまた、被験体、好ましくは前記治療または防止が必要なコンパニオン哺乳動物に、療法的または予防的に有効な量の組成物を投与して、被験体において、肥満と関連するタンパク質または遺伝子の活性を調節する工程を含む、タンパク質または遺伝子活性を調節する方法も含む。例示的な態様において、lynキナーゼ活性を調節するための剤は、本発明の化合物である。
【0132】
[00205]1つの態様において、本発明の組成物を、心臓血管疾患、脂質異常症、異常リポタンパク質血症、グルコース代謝障害、代謝症候群(すなわち症候群X)、PPAR関連障害、敗血症、血栓性障害、II型糖尿病、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、または炎症を患う哺乳動物、好ましくはコンパニオン動物に投与する。
【0133】
[00206]1つの態様において、「治療」または「治療する」は、好ましくは肥満と関連する、疾患または障害、あるいは少なくとも1つのその識別可能な症状の回復を指す。別の態様において、「治療」または「治療する」は、動物によって必ずしも識別可能でない、少なくとも1つの識別可能な身体的パラメータの回復を指す。さらに別の態様において、「治療」または「治療する」は、身体的に、例えば識別可能な症状を安定化させるか、生理学的に、例えば身体的パラメータを安定化させるかいずれか、または両方で、疾患または障害の進行を阻害することを指す。さらに別の態様において、「治療」または「治療する」は、疾患または障害の開始を遅延させることを指す。
【0134】
[00207]特定の態様において、本発明の組成物を患者、好ましくはコンパニオン動物に、こうした疾患に対する防止的手段として投与する。本明細書において、「防止」または「防止する」は、所定の疾患または障害を獲得するリスクの減少を指す。該態様の好ましい様式において、本発明の組成物を、防止的手段として患者、好ましくは心臓血管疾患、脂質異常症、異常リポタンパク質血症、グルコース代謝障害、代謝症候群(すなわち症候群X)、PPAR関連障害、敗血症、血栓性障害、II型糖尿病、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、または炎症に対する遺伝的素因を有するコンパニオン動物に投与する。
【0135】
[00208]該態様の別の例示的様式において、本発明の組成物を、防止的手段として、心臓血管疾患、脂質異常症、異常リポタンパク質血症、グルコース代謝障害、代謝症候群(すなわち症候群X)、PPAR関連障害、敗血症、血栓性障害、II型糖尿病、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、または炎症に対する素因を有するコンパニオン動物に投与する。したがって、本発明の組成物を、1つの疾患または障害の防止に用い、そして同時に別のものを治療するのに用いてもよい(例えば肥満を防止する一方で糖尿病を治療する;炎症を防止する一方で心臓血管疾患を治療する)。
【0136】
治療または防止のための心臓血管疾患
[00209]本発明は、心臓血管疾患の治療または防止のための方法であって、コンパニオン動物に、療法的に有効な量の本発明の組成物および薬学的に許容されうるビヒクルを投与する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの態様において、心臓血管疾患は、異常な/改変されたタンパク質発現と関連する。本明細書において、用語「心臓血管疾患」は、心臓および循環器系の疾患を指す。これらの疾患は、しばしば、異常リポタンパク質血症および/または脂質異常症と関連する。本発明の組成物が防止するかまたは治療するのに有用な心臓血管疾患には、限定されるわけではないが、動脈硬化症;アテローム性動脈硬化症;脳卒中;虚血;内皮機能不全、特に血管弾性に影響を及ぼす機能不全;末梢血管疾患;冠動脈心臓疾患;心筋梗塞;脳梗塞および再狭窄が含まれる。
【0137】
治療または防止のための脂質異常症
[00210]本発明は、脂質異常症の治療または防止のための方法であって、コンパニオン動物に、療法的に有効な量の本発明の組成物および薬学的に許容されうるビヒクルを投与する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの態様において、脂質異常症は、異常な/改変されたlynキナーゼ活性および/または発現と関連する。本明細書において、用語「脂質異常症」は、循環脂質の異常なレベルを導くかまたはこうしたレベルによって明らかになる障害を指す。血中脂質レベルが非常に高い限りにおいて、本発明の組成物をコンパニオン動物に投与して、正常レベルを回復させる。脂質の正常レベルは、当業者に知られる医学専門書に報告される。例えば、LDL、HDL、未結合(free)トリグリセリドおよび脂質代謝に関連する他のパラメータの推奨される血中レベルは、米国心臓協会のウェブサイトおよび米国心肺血液研究所の全米コレステロール教育プログラムのウェブサイトで見出されうる。現時点で、血中のHDLコレステロールの推奨されるレベルは35mg/dLより高く;血中のLDLコレステロールの推奨されるレベルは130mg/dL未満であり;血中の推奨されるLDL:HDLコレステロール比は5:1、理想的には3.5:1未満であり;そして血中の未結合トリグリセリドの推奨されるレベルは200mg/dL未満である。
【0138】
[00211]本発明の組成物が防止するかまたは治療するのに有用な脂質異常症には、限定されるわけではないが、高脂血症および高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの低い血中レベルが含まれる。特定の態様において、本発明の化合物による防止または治療のための高脂血症は、家族性高コレステロール血症;家族性複合型高脂血症;リポタンパク質リパーゼ突然変異から生じる減少または不全を含む、リポタンパク質リパーゼレベルまたは活性の減少または不全;高トリグリセリド血症;高コレステロール血症;ケトン体(例えばβ−OH酪酸)の高血中レベル;Lp(a)コレステロールの高血中レベル;低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの高血中レベル;超低密度リポタンパク質(VLDL)コレステロールの高血中レベル、および非エステル化脂肪酸の高血中レベルである。
【0139】
[00212]本発明は、患者において、脂質代謝を改変する、例えばコンパニオン動物血中のLDLを減少させ、患者の血中の未結合トリグリセリドを減少させ、患者の血中のHDL対LDL比を増加させ、そして鹸化および/または非鹸化脂肪酸合成を阻害するための方法であって、脂質代謝を改変するのに有効な量で、本発明の化合物を含む組成物を患者に投与する工程を含む、前記方法をさらに提供する。
【0140】
治療または防止のための異常リポタンパク質血症
[00213]本発明は、異常リポタンパク質血症の治療または防止のための方法であって、コンパニオン動物に、療法的に有効な量の本発明の組成物および薬学的に許容されうるビヒクルを投与する工程を含む、前記方法を提供する。本明細書において、用語「異常リポタンパク質血症」は、循環リポタンパク質の異常なレベルを導くかまたはこうしたレベルによって明らかになる障害を指す。血中リポタンパク質レベルが非常に高い限りにおいて、本発明の組成物を患者に投与して、正常レベルを回復させる。逆に、血中リポタンパク質レベルが非常に低い限りにおいて、本発明の組成物を患者に投与して、正常レベルを回復させる。リポタンパク質の正常レベルは、当業者に知られる医学専門書に報告される。
【0141】
[00214]本発明の組成物が防止するかまたは治療するのに有用な異常リポタンパク質血症には、限定されるわけではないが、LDLの高血中レベル;アポリポタンパク質B(アポB)の高血中レベル;Lp(a)の高血中レベル;アポ(a)の高血中レベル;VLDLの高血中レベル;HDLの低血中レベル;リポタンパク質リパーゼ突然変異から生じる減少または不全を含む、リポタンパク質リパーゼレベルまたは活性の減少または不全;低アルファリポタンパク質血症;糖尿病と関連するリポタンパク質異常;II型糖尿病、肥満と関連するリポタンパク質異常;アルツハイマー病と関連するリポタンパク質異常;および家族性複合型高脂血症が含まれる。
【0142】
治療または防止のためのグルコース代謝障害
[00215]本発明は、グルコース代謝障害の治療または防止のための方法であって、コンパニオン動物に、療法的に有効な量の本発明の組成物および薬学的に許容されうるビヒクルを投与する工程を含む、前記方法を提供する。本明細書において、用語「グルコース代謝障害」は、異常なグルコース貯蔵および/または利用を導くかまたはこれによって明らかになる障害を指す。グルコース代謝指標(indicia)(すなわち血中インスリン、血糖)が非常に高い限りにおいて、本発明の組成物を患者に投与して、正常レベルを回復させる。逆に、グルコース代謝指標が非常に低い限りにおいて、本発明の組成物を患者に投与して、正常レベルを回復させる。正常なグルコース代謝指標は、当業者に知られる医学専門書に報告される。いくつかの態様において、グルコース代謝障害は、異常な/改変されたlynキナーゼ活性および/または発現と関連する。
【0143】
[00216]本発明の組成物が防止するかまたは治療するのに有用なグルコース代謝障害には、限定されるわけではないが、耐糖能異常;インスリン耐性;インスリン耐性に関連する乳房、結腸または前立腺の癌;限定されるわけではないが、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、妊娠糖尿病(GDM)、および若年発症成人型糖尿病(MODY)を含む糖尿病;膵炎;高血圧;多嚢胞性卵巣疾患;および高レベルの血中インスリンおよび/または血糖が含まれる。
【0144】
[00217]本発明は、患者において、グルコース代謝を改変する、例えばコンパニオン動物のインスリン感受性および/または酸素消費を増加させるための方法であって、コンパニオン動物に、グルコース代謝を改変するのに有効な量の本発明の化合物を含む組成物を投与する工程を含む、前記方法をさらに提供する。
【0145】
代謝症候群の治療または防止
[00218]本明細書において、「症候群Xまたは代謝症候群の治療または防止」は、限定されるわけではないが、耐糖能異常、高血圧および脂質異常症および/または異常リポタンパク質血症を含む、代謝症候群と関連する症状の治療または防止を含む。いくつかの態様において、代謝症候群は、異常な/改変されたlynキナーゼ活性および/または発現と関連する。
【0146】
[00219]代謝症候群は、ヒトにおける代謝リスク要因群によって特徴付けられる。本発明の化合物を含む組成物を投与することによって、治療するかまたは防止することも可能な代謝症候群と関連するリスク要因には、限定されるわけではないが、中心性肥満(すなわち腹部中および周囲の過剰な脂肪組織);アテローム生成性脂質異常症(動脈壁にプラーク蓄積を育てる血液脂肪障害−主に高トリグリセリドおよび低HDLコレステロール);血圧上昇(130/85mmHg以上);インスリン耐性またはグルコース不耐性(体がインスリンまたは血糖を適切に使用不能である);血栓形成促進性状態(例えば血中の高いフィブリノーゲンまたはプラスミノーゲン活性化因子阻害剤[−1]);および炎症促進性状態(例えば、血中の高感度C反応性タンパク質上昇)が含まれる。
【0147】
[00220]この症候群の根底にある原因は、過体重/肥満、運動不足および遺伝的要因である。代謝症候群のコンパニオン動物は、冠動脈心臓疾患、動脈壁のプラーク蓄積に関連する他の疾患(例えば脳卒中および末梢血管疾患)および2型糖尿病のリスクが増加している。
【0148】
[00221]代謝症候群は、インスリン耐性と称される一般化された代謝障害と緊密に関連し、ここで、体はインスリンを効率的に使用できない。このため、代謝症候群はまた、インスリン耐性症候群とも称される。
【0149】
[00222]いくつかのコンパニオン動物は、インスリン耐性に対して遺伝的に素因がある。獲得要因、例えば過剰な体脂肪および運動不足は、これらの人々において、インスリン耐性および代謝症候群を誘発しうる。インスリン耐性を患う大部分のコンパニオン動物は、中心性肥満を有する。インスリン耐性および代謝リスク要因間の分子レベルでの生物学的機構は、完全には理解されておらず、そして複雑なようである。
【0150】
[00223]本発明の組成物は、したがって、代謝症候群、ならびに代謝症候群と関連する障害およびリスク要因を治療するかまたは防止するのに有用である。
II型糖尿病の治療または防止
[00224]本明細書において、「II型糖尿病の治療または防止」は、限定されるわけではないが、網膜症(すなわち盲目);足の潰瘍、壊疽、および切断につながるニューロパシー(すなわち神経損傷);透析につながる腎損傷;ならびに心臓血管疾患を含む、II型糖尿病と関連する合併症の治療または防止を含む。いくつかの態様において、II型糖尿病は、異常な/改変されたlynキナーゼ活性および/または発現に関連する。
【0151】
[00225]II型糖尿病は、肥満および加齢に関連する。該糖尿病は、生活様式に依存する疾患であり、そして強い遺伝的構成要素を有する(双生児における一致は80〜90%である)。問題は、インスリン産生にあるというよりも、インスリンがターゲット細胞に到達した際に、正しく働かないことにあるようである。大部分のII型糖尿病患者は、最初に、高血糖とともに、高いインスリンレベルを有する。しかし、糖は膵臓にインスリンを放出するようシグナルを送るため、II型糖尿病は次第にそのシグナルに耐性になり、そして内分泌−膵臓は、ほどなく十分なインスリンを作らなくなる。これらのコンパニオン動物は、インスリンで疾患を管理することになり、そして耐性であるためにはるかにより高い用量を必要とする。
【0152】
[00226]コンパニオン動物が高荷重の糖を取り込むと、糖は膵臓を刺激してインスリンを放出させる。インスリンのターゲットは、筋肉、脂肪、および肝細胞である。これらの細胞は、細胞膜外部にインスリン受容体部位を有する。大部分のコンパニオン動物に関して、インスリンが受容体に結合すると、事象カスケードが始まり、これによって、糖が血液から細胞内部に輸送される。II型糖尿病においては、インスリンが細胞膜上に存在する場合であっても、このプロセスが働かない。グルコースは細胞に取り込まれることはなく、そして血流中にあるままである。
【0153】
[00227]肝臓はグルコース産生に関与し、そしてインスリンは産生の制御剤である。高血糖含量によって、膵臓からインスリンが放出され、そしてインスリンは肝臓にシグナルを送り、糖の作製を停止させる。しかし、糖尿病においては、このシグナルに対して耐性があり、そして肝臓はグルコースを産生し続ける。高血糖はグルコース毒性につながる。
【0154】
[00228]糖尿病の疾患プロセスであるのは、高血糖ではなく、高血糖に由来する合併症である。医師が直面する大きな問題は、高血糖の人々に、問題ないと感じている人がいることである;大部分の人は、不快に感じていないものについて、錠剤を飲むことを望まないため、無症状である疾患を治療するのは困難である。したがって、本発明の化合物を含む組成物は、II型糖尿病またはII型糖尿病から生じる合併症、ならびに代謝症候群に関連する障害およびリスク要因を治療するかまたは防止するのに有用である。糖尿病の合併症には、限定されるわけではないが、糖尿病ニューロパシー、糖尿病網膜症、勃起不全、および腎疾患が含まれ、そして本発明の化合物は、これらの合併症を治療するかまたは防止するのに有用である。
【0155】
肥満の治療または防止
[00229]本明細書において、「肥満の治療または防止」は、肥満に関連する合併症の治療または防止を含む。肥満の合併症には、限定されるわけではないが、高コレステロール血症、高血圧、脂質異常症(例えば高い総コレステロールまたは高レベルのトリグリセリド)、2型糖尿病、冠動脈心臓疾患、脳卒中、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸および呼吸器の問題、およびいくつかの癌(子宮内膜、乳房、および結腸)が含まれる。いくつかの態様において、肥満は、異常な/改変されたlynキナーゼ活性および/または発現に関連する。
【0156】
治療または防止のための他の疾患
[00230]本発明は、敗血症、血栓性障害、膵炎、高血圧、炎症、およびインポテンスの治療または防止のための方法であって、患者に、本発明の化合物および薬学的に許容されうるビヒクルを含む組成物の療法的に有効な量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの態様において、これらの障害は、異常な/改変されたlynキナーゼ活性および/または発現に関する。
【0157】
[00231]本明細書において、「敗血症の治療または防止」は、敗血症ショックの治療または防止を含む。
[00232]本明細書において、「血栓性障害の治療または防止」は、フィブリノーゲンの高血中レベルの治療または防止および線維素溶解の促進を含む。
【0158】
[00233]肥満を治療するかまたは防止するのに加えて、本発明の組成物を個体に投与して、個体の体重減少を促進してもよい。
本発明のキット
[00234]キットが、バーチャルなパッケージを含む場合、キットは、1以上の物理的キット構成要素と組み合わせて、バーチャルな環境中の指示に制限される。1つの態様において、キットは、プローブおよび/または他の物理的構成要素を含有し、そしてプローブおよび他の構成要素を用いるための指示は、インターネットを通じて入手可能である。キットは、試料、プローブ、および試薬を混合するためのデバイス、ならびにキットを用いるためのデバイス、例えば試験管または混合用具などのさらなる物品を含有してもよい。
【0159】
[00235]別の側面において、本発明は、(1)試料中、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子の発現を検出するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(2)痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子の発現に対する試験物質の影響を測定するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(3)試験物質をスクリーニングして動物の脂肪組織量を調節するのに有用である可能性が高いかどうかを決定するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(4)動物が過体重になる可能性が高いという予後診断を組み立てるか、または動物が太っているという診断を発展させるための本発明のポリヌクレオチドの使用、(5)非ヒト動物のゲノムまたは動物のゲノムの発現を操作するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(6)痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される1以上の遺伝子、特に脂肪関連遺伝子の発現を調節するための、または動物の脂肪組織量を調節するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(7)1以上の群に含めるための動物を選択するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(8)コンピュータ系を用いて、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子、特に脂肪関連遺伝子に関連するデータを操作するための本発明のポリヌクレオチドの使用、(9)単独で、または本発明の他の要素と組み合わせた、動物への本発明の物質の投与、(10)動物の脂肪組織量を調節するための本発明の物質の使用、(11)本発明のコンピュータ系の使用、(12)本発明のキットの使用、および(13)動物の脂肪組織量を調節する1以上の薬剤または他の物質とともに本発明の方法および組成物を用いるための指示、の1以上に関する情報または指示と通信するための手段を提供する。該手段は、情報または指示を含有する文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオ提示、または視覚的ディスプレイを含む。特定の態様において、通信手段は、こうした情報または指示を含有する、ディスプレイされるウェブサイト、視覚的ディスプレイ、キオスク、パンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告、ハンドアウト、公表、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ読み取り可能チップ、コンピュータ読み取り可能カード、コンピュータ読み取り可能ディスク、コンピュータ記憶装置、またはその組み合わせである。有用な情報には、(1)動物の健康およびウェルネスを促進するための方法、ならびに(2)動物の飼育者が、本発明およびその使用に質問がある場合に使用するための問い合わせ先の1以上が含まれる。有用な指示には、プローブを用いるための技術、遺伝子発現アッセイを実行するための指示、ならびに物質に関する投与量および頻度が含まれる。通信手段は、本発明を用いる利点に関して指示するために有用である。
【0160】
[00236]本明細書に開示するのは、本発明の典型的で例示的な態様であり、そして特定の用語を使用するが、これらは全体的であり、そして説明的意味でのみ用いられ、そして限定の目的では用いられず、これは、本明細書に含有される解説を考慮すると、本発明の多くの修飾および変動が可能であるためである。本発明は、以下の実施例にさらに例示されうるが、これらの実施例は、例示の目的のためにのみ含まれ、そして別に特別に示されない限り、本発明の範囲を限定することは意図されない。
【実施例】
【0161】
材料および方法
組織からのリボ核酸(RNA)の単離
[00237]収集され、液体窒素中で凍結され、そして融解された組織試料をホモジナイズし、そしてTRIzol(登録商標)RNA抽出法を用いてプロセシングして、優れた品質のRNAを産生し、これを次いで、さらなるゲノム分析に供した。
【0162】
[00238]材料:氷、液体窒素、凍結イヌまたはネコ組織、TRIzol(登録商標)溶解試薬、クロロホルム最低限99%、イソプロピルアルコール、70%エタノール(無水エタノールおよび脱イオン化RNアーゼ不含水で調製)、RNアーゼZap(登録商標)、脱イオン水、AmbionのRNA保存溶液(登録商標)。
【0163】
[00239]装置:Ultra−Turrax T25強力ホモジナイザー、Beckman Coulter Allegra 25R遠心分離装置、Eppendorf遠心分離装置、ピンセット、外科用メス、堅いカッティング表面、すなわちカッティングボード、1.5mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌微量遠心管、50mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌使い捨てポリプロピレン試験管、P1000、P200、P20、P10およびP2 Rainin Pipetmanピペット、P1000、P200、P20、P10およびP2ピペット用のフィルターピペットチップ、DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌、および糸くず不含ワイプ。
【0164】
[00240]準備:4mL TRIzol(登録商標)を含む50mLポリプロピレン試験管を用意する(RNA単離用に選択した各組織に対して1つの試験管)。
[00241]組織ホモジナイズ:液体窒素を保持可能な容器を、3〜4杯の液体窒素で満たす。前述の容器内に凍結組織片を直ちに入れ(組織はエンドウ豆サイズでなければならない)そして組織を適切な標識50mLポリプロピレン試験管(すでに4mL TRIzol(登録商標)を含有しているもの)内に入れる。Ultra−Turrax T25強力ホモジナイザーを用いて、直ちにホモジナイズを開始する。最高設定(6)で10〜15秒間ホモジナイズする。試料を氷上でさらに10〜15秒間冷却し、そして次いで反復する。組織が完全にホモジナイズされるまで続け、そして溶液は濁っている。完全にホモジナイズされたら、50mL試験管に蓋をし、そして氷に戻す。ホモジナイズした組織を室温で5分間インキュベーションした後、単離法を進める。
【0165】
[00242]RNA単離:一般的に、TRIzol(登録商標)試薬とともに提供されるInvitrogen説明書に示される方法にしたがう。ホモジナイズした試料を、4つの1.5mL微量遠心管中、4つの1mLアリコットに分ける。各1mLのアリコットに200μLのクロロホルムを添加する。試験管に蓋をし、15秒間ボルテックスし、そして次いで上下に振盪する。結果はピンクの乳濁した液体であるはずである。試験管を室温で2〜3分間インキュベーションする。試験管を14,000rpmおよび4℃で15分間遠心分離する。水性層(最上層)を無菌1.5mL微量遠心管に移す。新規試験管に移す水性層の典型的な体積は500μLである。中間層または下層のいずれも移さないように注意する。水性層を含有する各微量遠心管に500μLのイソプロピルアルコールを添加することによって、溶液からRNAを沈殿させる。少なくとも20秒間、試験管を上下に振盪する。試料を室温で10分間インキュベーションする。試料を14,000rpm、4℃で10分間遠心分離する。ペレットをなくさないよう注意しながら、液体を吸引することによって、上清を注意深く取り除く。1mLの70%エタノールを添加してペレットを洗浄する。試験管を軽く叩く(または試験管をベンチトップに軽く当てる)ことによってペレットを取り外し、そして振盪して混合する。8,200rpm、4℃で5分間遠心分離する。ペレットをなくさないよう注意しながら、液体を吸引することによって、上清を注意深く取り除く。糸くず不含ワイプを用いて、過剰なエタノールを注意深く吸い取り、ペレットが乾燥していることを確実にする。各ペレットを30μLのRNA保存溶液に再懸濁する。RNAが溶液に戻るまで、ピペッティングによって穏やかに混合し、そして次いで、−80℃で保存する。RNAの再懸濁を容易にするため、低速で数秒間、試料をボルテックスすることが必要である可能性もある。これが必要である場合には、凍結前に、微量遠心分離装置を用いて試料を回転させて落とす。
【0166】
[00243]RNAクリーニング:RNeasy(登録商標)ミニ・ハンドブックに提供される方法にしたがう。
RNeasyミニキットを用いた、OptiCellチャンバー中で培養した細胞からのRNA単離
[00244]哺乳動物細胞株から培養した細胞を用いて、優れた品質のRNAを単離し、これを次いで、さらなる下流ゲノム分析に用いる。細胞の培養に関連するすべての実験を、厳密な無菌条件下で行うものとする。
【0167】
[00245]試薬:10xPBS、脱イオン化HO、無水エタノール、RNA保存溶液、β−メルカプトエタノール、RNアーゼZap(登録商標)、緩衝液RLT、および緩衝液RW1および緩衝液RPE(RNeasyミニキットに提供される)。
【0168】
[00246]装置/材料:RNeasyミニキット、QIAshredderスピンカラム、OptiCellナイフ、20mL無菌シリンジ、OptiCellチップ、細胞スクレーパー、P1000 Pipetmanピペット、Rainin、P200 Pipetmanピペット、Rainin、100〜100μLフィルター処理ピペットチップ、1〜200μLフィルター処理ピペットチップ、無菌トランスファーピペット、55mL無菌溶液ボウル(basin)、1.5ml無菌微量遠心管、およびEppendorf微量遠心装置。
【0169】
[00247]溶液:緩衝液RLT(RNeasyミニキットに提供されるストック);プロトコルを開始する前に、10mLの緩衝液RLTあたり、100μLのβ−メルカプトエタノールを添加する。70%エタノール:35mL無水エタノールを15mLの脱イオン化RNアーゼ不含水に添加することによって、50mLの70%エタノールを作製する。1xPBS:RNアーゼ不含水。.22μmフィルターを用いて、溶液をフィルター処理する。
【0170】
[00248]方法:OptiCellチャンバーから細胞を取り除く(一度に1つのOptiCellで進める)。顕微鏡下で細胞をチェックして、RNAを単離する前に細胞が生きていることを確実にする。細胞培地を取り除き、そして廃棄する。OptiCellナイフを用いて、上の膜を切り取り、下部の膜上の細胞を曝露する。細胞が付着している膜を1xPBSで3回洗浄する。600μLの緩衝液RLT溶液(β−メルカプトエタノールを含有する)を膜中央にピペッティングして、ここに細胞を付着させる。細胞スクレーパーを用いて、緩衝液RLTを膜の表面全体に穏やかに広げ、そして次いで、液体を1つの角に収集する。緩衝液RLTの全体積をピペッティングで取り去って、そしてQIAshredderスピンカラム内に入れる。
【0171】
[00249]RNA単離:QIAshredderスピンカラムを14,000rpmで2分間遠心分離する。スピンカラムを廃棄するが、収集試験管およびその内容物を保持する。600μLの70%エタノールを収集試験管に添加し、そしてピペッティングすることによってよく混合する(総体積はここで1.2mL)。600μLの細胞溶解物をRNeasyミニカラムに移し、そして14,000rpmで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄するが、収集試験管およびスピンカラムを保持する。細胞溶解物の残りの体積(〜600μL)をスピンカラムに移し、そして遠心分離を反復する。フロースルーを廃棄するが、収集試験管およびスピンカラムを保持する。700μLの緩衝液RW1をスピンカラムに添加する。14,000rpmで15秒間遠心分離して、カラムを洗浄する。フロースルーおよび収集試験管を廃棄する。スピンカラムを新規2mL収集試験管に移し、そして500μLの緩衝液RPEをカラムに添加する。14,000rpmで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄し、収集試験管/カラムを保持する。別の500μL緩衝液RPEをカラムに添加する。14,000rpmで2分間遠心分離する。スピンカラムを1.5mLの収集試験管に移す。30μLのRNA保存溶液をシリカゲル膜に直接添加し、そして14,000rpmで1分間遠心分離してRNAを溶出する。最終RNAを−70℃で保存する。
【0172】
RNA 6000ナノアッセイ
[00250]Agilent 2100バイオアナライザーおよびRNA 6000ナノアッセイを用いて、培養哺乳動物細胞、リンパ球または組織から単離したRNAを、品質に関して分析する。
【0173】
[00251]試薬: RNA 6000ナノゲルマトリックス、RNA 6000ナノ色素濃縮物、RNA 6000ナノマーカー(上記試薬はすべて、RNA 6000ナノアッセイキット、Agilentに含有される)、RNA 6000ラダー、AmbionのRNアーゼZap、およびRNアーゼ不含水。
【0174】
[00252]装置/他の材料: Agilentチップ・プライミング・ステーション、Agilent、RNA 6000チップ、Agilent、電極クリーナー、P2、P10、P200、およびP1000 Rainin Pipetmanピペット、無菌、DNアーゼ/RNアーゼ不含フィルター処理ピペットチップ、1.5mL微量遠心管、無菌、ボルテックス、IKAボルテックス混合装置、微量遠心分離装置、および加熱ブロック。
【0175】
[00253]方法:方法は、Agilent Technologiesによる、2003年11月版の試薬キットガイド、RNA 6000ナノアッセイに提供される。以下の修飾を伴って、ガイドに提供されるように方法にしたがう:ゲルを調製する、17ページ−フィルター処理したゲルを各65μLずつアリコットに分けるのではなく、ストックのフィルター処理したゲルを元来の微量遠心管に保持し、そして必要に応じて65μLを取る。RNA 6000ナノマーカーを装填する、22ページ−各試料ウェルに、(RNA 6000ナノマーカーの代わりに)試料を含有しない1μLのRNアーゼ不含水を添加する。これは用いるマーカーの量を節約するだけでなく、RNアーゼ不含水を含めて、試薬がいずれも汚染されていないことを見る陰性対照としても働く。ラダーおよび試料を装填する、23ページ−試料およびRNA 6000ラダーをさらに30秒間(全部で2.5分間)71℃で熱変性させる。チップ泳動を開始する、26ページ−アッセイメニューから「真核生物総RNAナノ」オプションを選択する。
【0176】
Affymetrix Genechip発現分析
[00254]Affymetrix社, Santa Clara CA 95051より商業的に入手可能なAffymetrixイヌ1およびイヌ2 GeneChip(登録商標)アレイを用いて、遺伝子発現を分析する。総RNAをcDNAに逆転写する。cDNAを用いて、cRNAを生成し、これを断片化して、そしてGeneChipハイブリダイゼーションのプローブとして用いる。遺伝子チップを洗浄し、そしてAffymetrixレーザースキャナでハイブリダイゼーションシグナルを測定する。次いで、ハイブリダイゼーションデータを検証し、そしてさらなる分析のため標準化する。
【0177】
[00255]材料:Affymetrixはほとんどの試薬およびキットを提供する。Affymetrixマニュアルに列挙されるが、キット中に供給されない他の試薬を別個に得ることも可能である(詳細に関しては、GeneChip発現分析技術マニュアル(701021改訂4版)を参照されたい)、RNアーゼZap(登録商標)および脱イオン水。
【0178】
[00256]装置:Eppendorf微量遠心装置、1.5mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌微量遠心管、50mL DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌使い捨てポリプロピレン試験管、P1000、P200、P20、P10およびP2 Rainin Pipetmanピペット、P1000、P200、P20、P10およびP2ピペット用のフィルターピペットチップ、DNアーゼおよびRNアーゼ不含/無菌、およびPeltierサーマルサイクラーPTC−200。
【0179】
[00257]方法:GeneChip発現分析技術マニュアル(Affymetrix著作権1999〜2003)に記載される通りに正確にすべての方法にしたがう。第一鎖cDNA合成には、5マイクログラムの総RNAを用いる。反応およびプローブ変性に対する温度調節には、PeltierサーマルサイクラーPTC−200または熱ブロックのいずれかを用いる。バイオアナライザー2100とともにRNAナノドロップチップを用いて、品質管理を行う。イヌ遺伝子チップには100形式(ミディアレイ)を用いる。
【0180】
実施例1
過体重および痩せた動物由来の脂肪組織試料間の示差的遺伝子発現を決定する
[00258]慣用法を用いて、「太った」または「痩せた」のいずれかと診断された18頭の(3頭の痩せたおよび15頭の太った)イヌ動物から脂肪組織試料を得るか、または44頭の(12頭の痩せたおよび32頭の太った)イヌ動物からリンパ球を得る。動物の「太っている状態」または「痩せている状態」は、慣用的な方法を用いたDEXAによる測定に基づくか、または5ポイントのボディ・コンディション・スコア系に基づいて決定される。例えば、2または2.5のボディ・コンディション・スコアおよび/または27%以下のDEXA総体脂肪パーセンテージを有するならば、動物は痩せていると見なされる。4以上のボディ・コンディション・スコアおよび30%以上の総体脂肪パーセンテージを有するならば、動物は過体重であると見なされる。すべての固形組織試料を、動物から除去した直後に液体窒素中でスナップ凍結した。製造者の指示にしたがってBD Vacutainer(登録商標)CPTTM細胞調製試験管を用いて、リンパ球を単離し、そしてまた、必要となるまでスナップ凍結した。
【0181】
痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現されるのはどの遺伝子であるかを決定するため、製造者の推奨にしたがって、Affymetrixイヌ−2 GeneChip(登録商標)を用いて、試料をすべて分析した。
【0182】
遺伝子発現データソフトウェア(Partek社, 12747 Olive Blvd., Suite 205, St. Louis, Missouri 63141, U.S.A. http://www.partek.com/partekgs geneexpression)のため、Partek(登録商標)GS(Partek社、ミズーリ州セントチャールズ)を用いて、データを分析した。ロバストマルチチップ平均(RMA)アルゴリズム(Rafael. A. Irizarry, Benjamin M. Bolstad, Francois Collin, Leslie M. Cope, Bridget HobbsおよびTerence P. Speed(2003), Summaries of Affymetrix GeneChip probe level data Nucleic Acids Research 31(4):e15)を、GeneChip(登録商標)試料のバックグラウンド調整、標準化、およびプローブレベル要約に用いた。ANOVA分析を行って、0.1の最小FDR対照(またはFDRを適用するには検出力が十分でない場合には、0.1または0.05のp値)および各方向の1.3の倍変化を用いて、任意の2群間で有意に示差的に発現される遺伝子を見出した。本発明者らの実験的な研究によって、イヌ−2 GeneChip(登録商標)は、1.3倍の関連するバックグラウンドノイズレベルを有することが明らかになった。したがって、本報告に提示するすべての分析は、±1.3倍のカットオフを使用した。さらに、群あたり最低12頭の動物を含有する研究に関して、許容されうる統計有意性の最小レベルとして、0.1の偽発見率閾値(10%の観察が偶然によるものであることを意味する)を選択した。より少数の動物を用いた研究は、FDRの適切な適用を可能にするのに十分な検出力を持たない。結果を以下の表に提供する。
【0183】
【表1−1】

【0184】
【表1−2】

【0185】
【表1−3】

【0186】
【表1−4】

【0187】
【表1−5】

【0188】
【表1−6】

【0189】
【表1−7】

【0190】
【表1−8】

【0191】
【表1−9】

【0192】
【表1−10】

【0193】
【表1−11】

【0194】
【表1−12】

【0195】
【表1−13】

【0196】
【表1−14】

【0197】
【表1−15】

【0198】
【表1−16】

【0199】
【表1−17】

【0200】
【表1−18】

【0201】
【表1−19】

【0202】
【表1−20】

【0203】
【表1−21】

【0204】
【表1−22】

【0205】
【表1−23】

【0206】
【表1−24】

【0207】
【表1−25】

【0208】
【表1−26】

【0209】
【表1−27】

【0210】
【表1−28】

【0211】
【表1−29】

【0212】
【表1−30】

【0213】
【表1−31】

【0214】
【表1−32】

【0215】
【表1−33】

【0216】
【表1−34】

【0217】
【表1−35】

【0218】
【表1−36】

【0219】
【表1−37】

【0220】
【表1−38】

【0221】
【表1−39】

【0222】
【表1−40】

【0223】
【表1−41】

【0224】
【表1−42】

【0225】
【表1−43】

【0226】
【表1−44】

【0227】
【表1−45】

【0228】
【表1−46】

【0229】
【表1−47】

【0230】
【表1−48】

【0231】
【表1−49】

【0232】
【表2−1】

【0233】
【表2−2】

【0234】
【表2−3】

【0235】
【表2−4】

【0236】
【表2−5】

【0237】
【表2−6】

【0238】
【表2−7】

【0239】
【表2−8】

【0240】
【表2−9】

【0241】
【表2−10】

【0242】
【表2−11】

【0243】
【表2−12】

【0244】
【表2−13】

【0245】
【表2−14】

【0246】
【表2−15】

【0247】
【表2−16】

【0248】
【表2−17】

【0249】
【表2−18】

【0250】
【表2−19】

【0251】
【表2−20】

【0252】
【表2−21】

【0253】
【表2−22】

【0254】
【表2−23】

【0255】
【表2−24】

【0256】
【表2−25】

【0257】
【表2−26】

【0258】
【表2−27】

【0259】
【表2−28】

【0260】
【表2−29】

【0261】
【表2−30】

【0262】
【表2−31】

【0263】
【表2−32】

【0264】
【表2−33】

【0265】
【表2−34】

【0266】
【表2−35】

【0267】
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【0268】
【表2−37】

【0269】
【表2−38】

【0270】
【表2−39】

【0271】
【表2−40】

【0272】
【表2−41】

【0273】
【表2−42】

【0274】
【表2−43】

【0275】
【表2−44】

【0276】
【表2−45】

【0277】
【表2−46】

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【表2−47】

【0279】
【表2−48】

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【0282】
【表2−51】

【0283】
【表2−52】

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【表2−53】

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【表2−54】

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【表2−55】

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【表2−166】

【0398】
【表2−167】

【0399】
【表2−168】

【0400】
【表2−169】

【0401】
【表2−170】

【0402】
【表2−171】

【0403】
【表2−172】

【0404】
【表2−173】

【0405】
【表2−174】

【0406】
【表2−175】

【0407】
【表2−176】

【0408】
【表2−177】

【0409】
【表2−178】

【0410】
【表2−179】

【0411】
【表2−180】

【0412】
【表3−1】

【0413】
【表3−2】

【0414】
実施例2
イヌ細胞株における遺伝子発現に対する多様な物質または成分の影響の決定
[00259]AffymetrixイヌGeneChip(登録商標)イヌ−1およびイヌ−2を用いて(イヌ−1の代わりにイヌ−2を用いる)、MCT;TAG;ALA;EPA;DHA;リノール酸(LA);アラキドン酸(ARA);ステアリン酸(SA);ミリスチン酸(MA)、コンジュゲート化リノール酸(CLA)、GLA;アラキドン酸;レシチン;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、カテキン、ケルセチンおよびテアフラビン;ユビキノン;リコペン、リコキサンチン;リスベラトロール;α−リポ酸;L−カルニチン;D−リモネン;グルコサミン;S−アデノシルメチオニン;キトサン、1以上のこれらの化合物を含有する多様な物質、およびこれらの多様な組み合わせなどの多様な試験物質または成分の、4つのイヌ細胞株および適切な対照における遺伝子発現に対する影響を決定した。表6に示す選択される試料成分に関して例示するように、2つの濃度で各成分を試験する。2つの濃度のより高い方の溶媒を対照として用いる。4つのイヌ細胞株を用いた:CCL34(腎臓)、CRL1430(胸腺)、CCL183(骨)(American Tissue Culture Collectionより得る)およびCTAC(甲状腺)(Measurement of NK Activity in Effector Cells Purified from Canine Peripheral Lymphocytes, Veterinary Immunology and Immunopathology, 35(1993)239−251を参照されたい)。特定の濃度の成分で処理した細胞株を「処理」と称し、そして未処理試料を「対照」と称する。用語「遺伝子」および「プローブ」を、この方法では同義で用いる。Affymetrixチップとともに提供される指示を用いて、処理細胞株および対照に関して、遺伝子発現を測定する。
【0415】
[00260]これらの実験から得られるデータのサンプルを表5に示す。表5は、プローブID、p値、倍変化、上位BLASTヒットの注釈、上位BLASTヒット寄託番号、遺伝子記号を示し、そして最後に、最後の列に遺伝子説明を提供する。
【0416】
イヌの生理学的状態(太っているとの診断)、ならびに表1、2、3および5由来の情報の比較に基づいて、すなわち試験物質または成分によって影響を受け、そしてまた痩せたイヌに比較して過体重のイヌにおいて示差的に発現されている遺伝子に注目して、過体重のイヌのための食物組成物を選択し、そして調製するのに有用な栄養処方は、例えば、以下の量の以下の成分の1以上を含有すると考えられるであろう(1日あたり体重キログラムあたりミリグラムのin vivo量(mg/kg/日)は、in vitroで用いる量の外挿に基づく):DHA−1〜30;EPA−1〜30;EPA/DHAコンボ(1.5:1比)−4/2〜30/45;ALA−10〜100;LA−30〜600;ARA−5〜50;SA−3〜60およびMA−3〜60。これらのデータに基づいて、食物組成物およびこれらの成分の1以上を含有する関連する食餌を調製し、そしてこれを用いて、痩せた動物に比較して過体重動物において示差的に発現される遺伝子を制御してもよい。こうした制御は、動物の脂肪組織量の調節を引き起こし、そしてしたがって、1つの態様において、望ましいかまたは正常な(より痩せた)状態へのシフトを促進し、そして動物のよりよい健康およびウェルネスを促進する。
【0417】
表4:イヌ細胞株において試験した成分
【0418】
【表4】

【0419】
【表5−1】

【0420】
【表5−2】

【0421】
【表5−3】

【0422】
【表5−4】

【0423】
【表5−5】

【0424】
【表5−6】

【0425】
【表5−7】

【0426】
【表5−8】

【0427】
【表5−9】

【0428】
【表5−10】

【0429】
【表5−11】

【0430】
【表5−12】

【0431】
【表5−13】

【0432】
【表5−14】

【0433】
【表5−15】

【0434】
【表5−16】

【0435】
【表6−1】

【0436】
【表6−2】

【0437】
【表6−3】

【0438】
【表6−4】

【0439】
【表6−5】

【0440】
【表6−6】

【0441】
【表6−7】

【0442】
【表6−8】

【0443】
【表6−9】

【0444】
【表6−10】

【0445】
【表6−11】

【0446】
【表6−12】

【0447】
【表6−13】

【0448】
【表6−14】

【0449】
【表6−15】

【0450】
【表6−16】

【0451】
【表6−17】

【0452】
【表6−18】

【0453】
【表6−19】

【0454】
【表6−20】

【0455】
【表6−21】

【0456】
【表6−22】

【0457】
【表6−23】

【0458】
【表6−24】

【0459】
【表6−25】

【0460】
【表6−26】

【0461】
【表6−27】

【0462】
【表6−28】

【0463】
【表6−29】

【0464】
【表6−30】

【0465】
【表6−31】

【0466】
【表6−32】

【0467】
【表6−33】

【0468】
【表6−34】

【0469】
【表6−35】

【0470】
【表6−36】

【0471】
【表6−37】

【0472】
【表6−38】

【0473】
【表6−39】

【0474】
【表6−40】

【0475】
【表6−41】

【0476】
【表6−42】

【0477】
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【0478】
【表6−44】

【0479】
【表6−45】

【0480】
【表6−46】

【0481】
【表6−47】

【0482】
【表6−48】

【0483】
【表6−49】

【0484】
【表6−50】

【0485】
【表6−51】

【0486】
【表6−52】

【0487】
【表6−53】

【0488】
【表6−54】

【0489】
【表6−55】

【0490】
【表6−56】

【0491】
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【0492】
【表6−58】

【0493】
【表6−59】

【0494】
【表6−60】

【0495】
【表6−61】

【0496】
【表6−62】

【0497】
【表6−63】

【0498】
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【0499】
【表6−65】

【0500】
【表6−66】

【0501】
【表6−67】

【0502】
【表6−68】

【0503】
【表6−69】

【0504】
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【0505】
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【0506】
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【0508】
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【0510】
【表6−76】

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【0513】
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【0515】
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【0516】
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【0517】
【表6−83】

【0518】
【表6−84】

【0519】
【表6−85】

【0520】
【表6−86】

【0521】
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【0523】
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【表6−90】

【0525】
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【0526】
【表6−92】

【0527】
【表6−93】

【0528】
【表6−94】

【0529】
【表6−95】

【0530】
【表6−96】

【0531】
【表6−97】

【0532】
【表6−98】

【0533】
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【0534】
【表6−100】

【0535】
【表6−101】

【0536】
【表6−102】

【0537】
【表6−103】

【0538】
【表6−104】

【0539】
【表6−105】

【0540】
【表6−106】

【0541】
【表6−107】

【0542】
【表6−108】

【0543】
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【0544】
【表6−110】

【0545】
【表6−111】

【0546】
【表6−112】

【0547】
【表6−113】

【0548】
【表6−114】

【0549】
【表6−115】

【0550】
【表6−116】

【0551】
【表6−117】

【0552】
【表6−118】

【0553】
【表6−119】

【0554】
【表6−120】

【0555】
【表6−121】

【0556】
【表6−122】

【0557】
【表6−123】

【0558】
【表6−124】

【0559】
【表6−125】

【0560】
【表6−126】

【0561】
【表6−127】

【0562】
【表6−128】

【0563】
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【0564】
【表6−130】

【0565】
【表6−131】

【0566】
【表6−132】

【0567】
【表6−133】

【0568】
【表6−134】

【0569】
【表6−135】

【0570】
【表6−136】

【0571】
【表6−137】

【0572】
【表6−138】

【0573】
【表6−139】

【0574】
【表6−140】

【0575】
【表6−141】

【0576】
【表6−142】

【0577】
【表6−143】

【0578】
【表6−144】

【0579】
【表6−145】

【0580】
【表6−146】

【0581】
【表6−147】

【0582】
【表6−148】

【0583】
【表6−149】

【0584】
【表6−150】

【0585】
【表6−151】

【0586】
【表6−152】

【0587】
【表6−153】

【0588】
【表6−154】

【0589】
【表6−155】

【0590】
【表6−156】

【0591】
【表6−157】

【0592】
【表6−158】

【0593】
【表6−159】

【0594】
【表6−160】

【0595】
【表6−161】

【0596】
【表6−162】

【0597】
【表6−163】

【0598】
【表6−164】

【0599】
【表6−165】

【0600】
【表6−166】

【0601】
【表6−167】

【0602】
【表6−168】

【0603】
【表6−169】

【0604】
【表6−170】

【0605】
【表6−171】

【0606】
【表6−172】

【0607】
【表6−173】

【0608】
【表6−174】

【0609】
【表6−175】

【0610】
【表6−176】

【0611】
【表6−177】

【0612】
【表6−178】

【0613】
【表6−179】

【0614】
【表6−180】

【0615】
より多量の長鎖脂肪酸を含有する食餌は、体重減少を促進し、そして痩せた状態になり、そして潜在的に痩せている状態を維持する傾向を反映するように、動物の遺伝子発現を再プログラミングするのに使用可能である
[00261]上に論じるin vitro成分スクリーニングから得られるデータによって、長鎖脂肪酸が多量であるいくつかの成分(表5を参照されたい)は、全体として動物が痩せている状態を促進する方式で、脂肪代謝に関与する遺伝子発現に影響を及ぼす潜在能力を有しうることが示される。これは、脂肪組織から得られたデータを分析することによって、そして慣用的なコンピュータアルゴリズム分析を用いる、上に論じるような成分アッセイから、決定される。これに関連して有用なアルゴリズムのコードは当業者にはよく知られており、そして過度の実験を伴わずに開発されうる。こうしたコードの例を以下に提供する。
【0616】
【化3】

【0617】
[00265]魚油に見られるようなEPA/DHA(1.5:1)などのいくつかの生物活性食餌構成要素が、脂肪酸代謝に関連する重要な遺伝子(表3に示すようなもの)に作用することによって、他の生物活性食餌構成要素に比較して、イヌにおいて体重減少をもたらすのにより有効であるという、上の表5に要約する発見を確認するため、長鎖脂肪酸が添加されていないもの(食餌A)、あるいは添加されたリノレン酸を含有するもの(100%乾物重量に基づいておよそ1%、食餌B)または添加されたEPA/DHA(1.5:1、およそ0.30%:0.20%)を含有するもの(食餌C)の3つの高タンパク質食餌を、イヌにおいて体重減少を誘導することが知られる高繊維食餌と比較するために開発した。研究においては、45頭の臨床的に過体重のイヌに、最初に栄養的に完全な調節食餌を30日間、試験開始前に与える。最初の30日の後、イヌを4群にランダム化する。設定した期間、例えば4ヶ月間、4群のうち3群には、試験食餌のうちの1つを与え、そして1群には、対照として高繊維食餌を与える。結果によって、3つの実験フード(食餌A、BおよびC)は、高繊維フードよりも実質的により高い消化性を有することが示される。また、結果によって、EPA/DHAを含有するフードを消費したイヌのおよそ38%が、90日で体重減少目標に到達することも示される。興味深いことに、EPA/DHAフードを消費するイヌはまた、除脂肪体重および骨ミネラル含量も維持する。また、結果によって、少なくとも臨床レベルで、EPA/DHAを含有する食餌は、体重減少に影響を及ぼす際に、高繊維食餌と同じくらい有効でありうることも示される。
【0618】
実施例5
ありうる体重減少維持実験
[00266]上に論じる体重減少実験の結果に基づいて、EPA/DHAを含有する食餌を給餌された動物は、体重を減少させるだけでなく、他の試験および対照高繊維食餌を給餌された動物に比較して、その減少をより長い期間維持するとも仮定される。
【0619】
[00267]体重減少維持に対する食餌A、B、およびC、ならびに高繊維食餌の影響を性質決定するため、例えば以下のタイプの実験を行ってもよい:
[00268]「痩せている状態」の最適レベルに到達するまで、過体重動物に4つの異なる食餌(実施例4に記載するようなもの)を給餌してもよい。次いで、これらをランダム化し、そして亜群に分け、先に給餌されていたものと同じ試験食餌を給餌し続けるか、あるいは栄養的にバランスが取れているが、体重減少を誘導するかまたは維持するようには設計されておらず、そして例えばリノレン酸またはEPA/DHAの相当量を含まない維持食餌にスイッチするかいずれかを行ってもよい。
【0620】
[00269]次いで、動物を設定した期間、例えば最長3ヶ月観察してもよく、その体重を毎日記録し、ボディ・コンディション・スコアを毎週決定し、そして慣用的なDEXA技術を用いて、体脂肪パーセンテージを毎月測定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)乾物重量で26重量%〜35重量%の粗タンパク質;
(b)乾物重量で7.5重量%〜8.5重量%の粗脂肪;
(c)乾物重量で20重量%〜30重量%の総食物繊維;および
(d)乾物重量で10重量%〜20重量%の粗繊維
を含むイヌ組成物。
【請求項2】
タンパク質が28重量%〜33重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項3】
タンパク質が30重量%〜31重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項4】
粗脂肪が7.6重量%〜8.0重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項5】
総食物繊維が22重量%〜28重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項6】
総食物繊維が24重量%〜26重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項7】
粗繊維が12重量%〜18重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項8】
粗繊維が14重量%〜16重量%で存在する、請求項1の組成物。
【請求項9】
(a)乾物重量で30重量%〜37重量%の粗タンパク質;
(b)乾物重量で7.5重量%〜9重量%の粗脂肪;
(c)乾物重量で30重量%〜35重量%の総食物繊維;および
(d)乾物重量で20重量%〜25重量%の粗繊維
を含むネコ組成物。
【請求項10】
タンパク質が31重量%〜36重量%で存在する、請求項9の組成物。
【請求項11】
タンパク質が33重量%〜35重量%で存在する、請求項9の組成物。
【請求項12】
粗脂肪が8.0重量%〜8.5重量%で存在する、請求項9の組成物。
【請求項13】
総食物繊維が31重量%〜34重量%で存在する、請求項9の組成物。
【請求項14】
粗繊維が21重量%〜24重量%で存在する、請求項9の組成物。
【請求項15】
疾患または障害を治療する必要があるイヌに、請求項1の組成物を投与する工程を含む、疾患または障害を治療する方法。
【請求項16】
疾患または障害が肥満である、請求項15の方法。
【請求項17】
疾患または障害を治療する必要があるネコ動物に、請求項9の組成物を投与する工程を含む、疾患または障害を治療する方法。
【請求項18】
疾患または障害が肥満である、請求項15の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−528557(P2011−528557A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518961(P2011−518961)
【出願日】平成21年7月20日(2009.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/051188
【国際公開番号】WO2010/009478
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】