説明

過酸化脂質低減魚餌ペレット及びその製造方法

【課題】栄養バランスに優れ、ペレット成形時、及び、その後の給餌までの保存期間において過酸化脂質の生成を抑制できる過酸化脂質低減魚餌ペレット及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合して、ペレット化してなることを特徴とする過酸化脂質低減魚餌ペレット、及び、粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合した後、ペレット化することを特徴とする過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化脂質低減魚餌ペレット及びその製造方法に関し、詳しくは、ペレット中の過酸化脂質量を低減できる過酸化脂質低減魚餌ペレット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家畜、家禽又は養魚などの飼料として、固形飼料(ペレット)が用いられている。
【0003】
ペレットは、エクストルーダによる成形時において、温度80〜200℃程度における加圧成形を経るため、ペレット中の脂質が酸化されて過酸化脂質を生じることがある。
【0004】
ところで、養魚用のペレット(魚餌ペレット)は、養魚の高い粗脂肪要求性を満たすために、粗脂肪含有量の高いものが用いられている。通常、家畜用ペレット中の粗脂肪が10重量%未満であるのに対して、魚餌ペレット中の粗脂肪は10〜40重量%に達する。
【0005】
このように粗脂肪含有量が高い魚餌ペレット中においては、脂質が酸化されて生じる過酸化脂質の含有量も著しいものとなり、養魚の成長や品質に悪影響を及ぼす問題がある。
【0006】
また、通常、魚餌ペレットの原料は、三大栄養素としてタンパク質源に魚粉、脂肪源に魚油、糖質源にデンプン類が混合されて構成されるが、その他の栄養素である無機質及びビタミン類などが不足しがちである。これを補うために、配合剤を配合することも可能であるが、従来の配合剤は高価であり、養殖現場に受け入れられ難い問題がある。
【0007】
そのため、養魚産業の分野では、従来からの生餌、または、粉末飼料に加水して成型したモイストペレットが広く用いられており、魚餌ペレットは、固形であるが故に取扱い性に優れ、また手間がかからないため生産コストの大幅な改善が期待できるにもかかわらず、十分に普及するまでに至っていない。
【0008】
一方、我国の蒸留酒の代表例である焼酎は、その製造工程において、一般に、製品である焼酎とほぼ同量の蒸留残渣液(焼酎粕)を生じる。
【0009】
焼酎粕は、海洋投棄や堆肥化(農地への散布)などによって処分されていたが、腐敗性が強いため、汚染や悪臭の発生を防止する点から規制され、新たな処分法が必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平5−194067号公報
【特許文献2】特開2007−267702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者は、焼酎粕が無機質及びビタミン類などの栄養素を豊富に含むことに着目し、これを魚餌ペレットの配合剤として利用することを検討した。
【0012】
しかし、そのままの状態の焼酎粕は、腐敗し易く、保存性が悪いという問題を生じ、さらに、含水率が高いため、ペレット化が困難になるという問題も生じた。
【0013】
本発明者は、焼酎粕を濃縮することで、焼酎粕中に含まれるクエン酸や酢酸等の腐敗防止成分の濃度を上昇し、腐敗防止性及び保存性を向上すると共に、例えばエクストルーダの適用を好適とすることを試みた。
【0014】
特許文献1には、焼酎粕を濾過法によって濃縮し、ペースト状化させることが開示されているが、濾過法による濃縮では濃縮率及び濃縮効率に限界があり、更に、透過液中に溶解した無機質及びビタミン類等が利用できない。また、ペースト状化された焼酎粕は、取扱い性が悪く、冬場などの温度低下時に流動性を失うため、貯蔵タンクに貯蔵することが困難であるなどの問題を生じる。
【0015】
本発明者らが得た知見によれば、十分な保存性を得るため、及び、例えばエクストルーダの適用を好適とするためには、焼酎粕を、該焼酎粕中の固形分が15重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上に濃縮した状態で用いることが好ましい。しかるに、特許文献1が開示するペースト状化された焼酎粕は、前記のような濃縮を、流動性を保持したまま達成することができない。
【0016】
更に、本発明者らが得た知見によれば、焼酎粕は、濃縮すると急激に粘度が上昇する性質を有する。例えば、最も濃縮が困難である芋焼酎粕では、固形分30重量%以上に濃縮しようとすると流動性を失う。
【0017】
そこで、本発明者らは、焼酎粕中の大型の固形分を除去して、平均粒径を低下させることによって、高度な濃縮が可能となることを、これまでに見出している。例えば、芋焼酎粕中の大型の固形分を除去して、平均粒径を100〜150μm以下とすることにより、固形分30重量%以上に濃縮しても、約5℃まで冷却される冬場の貯蔵タンク中において振動型粘度計で測定する数値として0.1PaS以下のレベルの流動性を保持できる芋焼酎粕濃縮液が得られる。
【0018】
本発明者らは、上記に基づいて得られた焼酎粕濃縮液を、魚餌ペレット原料に混合して、魚餌ペレットを得た。
【0019】
得られた魚餌ペレットは、焼酎粕濃縮液に由来する無機質及びビタミン類などを含むことにより栄養バランスに優れ、更に、驚くべきことに、ペレット成形時、及び、その後の給餌までの保存期間において過酸化脂質の生成が抑制され、過酸化脂質量が大幅に減少することを見出し、本発明に至った。
【0020】
そこで本発明の課題は、栄養バランスに優れ、ペレット成形時、及び、その後の給餌までの保存期間において過酸化脂質の生成を抑制できる過酸化脂質低減魚餌ペレット及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0023】
(請求項1)
粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合した後、ペレット化することを特徴とする過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。
【0024】
(請求項2)
前記粗脂肪は、魚油に由来することを特徴とする請求項1記載の過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。
【0025】
(請求項3)
前記焼酎粕濃縮液は、焼酎粕に含まれる固形分の平均粒径を100〜150μm以下に調整した後、固形分30重量%以上に濃縮してなることを特徴とする請求項1又は2記載の過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。
【0026】
(請求項4)
粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合して、ペレット化してなることを特徴とする過酸化脂質低減魚餌ペレット。
【0027】
(請求項5)
前記粗脂肪は、魚油に由来することを特徴とする請求項4記載の過酸化脂質低減魚餌ペレット。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、栄養バランスに優れ、ペレット成形時、及び、その後の給餌までの保存期間において過酸化脂質の生成を抑制できる過酸化脂質低減魚餌ペレット及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例の結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。
【0031】
本発明の過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法では、粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合した後、これをペレット化して、過酸化脂質低減魚餌ペレットを得る。
【0032】
前記ペレット原料としては、粗脂肪を10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜30重量%含有するものが用いられる。粗脂肪含有量の測定は、ジエチルエーテル抽出法による。
【0033】
粗脂肪含有量が上記の範囲であれば、養魚の高い粗脂肪要求性を満たすことができ、養魚の成長を促し、品質を向上することができる。
【0034】
粗脂肪としては、特に限定されないが、魚油や植物油に由来することが好ましく、特に魚油に由来することが好ましい。
【0035】
魚油の脂肪酸成分は、パルミチン酸が主であるがステアリン酸、ミリスチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ヘキサデセン酸などを含み、また、高度不飽和脂肪酸や不鹸化物成分の含量も多いため、養魚の粗脂肪要求性を更に好適に満たすことができる。
【0036】
ペレット原料のその他の成分は、特に限定されず、例えば、タンパク質源として魚粉等、糖質源としてデンプン類等を含有することができる。
【0037】
前記焼酎粕とは、焼酎の製造工程から発生する蒸留残渣液であり、特に限定されるものではないが、芋焼酎粕、米焼酎粕、麦焼酎粕等を好ましく例示できる。
【0038】
前記焼酎粕は、固形分15重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上に濃縮された焼酎粕濃縮液として、ペレット原料に混合される。固形分が15重量%以下の場合は、腐敗し易いため保存性が悪く、更に、高含水率であるため、水分過多となり、後に説明するペレット化が困難となる。
【0039】
通常、未濃縮の焼酎粕中の固形分は10重量%以下であるため、上記の条件を満たす焼酎粕濃縮液となるように焼酎粕を濃縮する必要がある。
【0040】
上述したように、焼酎粕中の大型の固形分を除去して、平均粒径を低下させることによって、高度な濃縮が可能となり、上記の焼酎粕濃縮液を得ることができる。
【0041】
例えば、最も流動性が低下し易く濃縮が困難な芋焼酎粕であっても、大型の固形分を除去して、平均粒径を100〜150μm以下とすることにより、流動性を保持したまま、固形分30重量%以上の濃縮が可能である。また、その流動性は、約5℃まで冷却される冬場の貯蔵タンク中において、振動型粘度計で測定する数値として0.1PaS以下のレベルを実現できる。
【0042】
焼酎粕中の大型の固形分を除去して、平均粒径を低下させる方法は、特に限定されないが、スクリーン処理や遠心分離処理を好ましく例示でき、処理効率に優れることから遠心分離処理であることが好ましい。
【0043】
焼酎粕の平均粒径を基準値以下に調整する焼酎粕の粒径調整方法の一例について、以下に詳述する。
【0044】
かかる焼酎粕の粒径調整方法は、焼酎粕中の固形分を分離する遠心分離工程と、固形分の平均粒径を測定する平均粒径検出工程とを有する。
【0045】
遠心分離工程では、焼酎粕の粘性を利用して粒径の大きい固形分を優先的に分離する。即ち、遠心分離装置による遠心力が作用した際の固形分の移動速度は、固形分を移動させようとする遠心力(粒径の3乗に比例)と、固形分を留まらせようとする摩擦力(粒径の2乗に比例)との影響を受けるが、高い粘性を有する焼酎粕中においては、摩擦力の作用が大きいので、粒径が大きいほど遠心力の影響を強く受けて移動速度が大きくなる傾向が強く、粒径の大きい固形分を優先的に沈降させて分離することができる。
【0046】
平均粒径検出工程では、平均粒径検出器により、遠心分離処理が施された焼酎粕中の固形分の平均粒径を測定し、測定値が、あらかじめ設定された基準値を超える場合に、遠心分離処理が施された焼酎粕を遠心分離機に返送するように制御して、焼酎粕中の固形分の平均粒径を基準値以下に調整する。平均粒径検出器は、焼酎粕の固形分について平均粒径を検出可能なものであり、一例として、粒径分画毎に固形分数を計測して平均粒径を検出する検出器が挙げられる。平均粒径検出器の好ましい具体例として、光遮蔽型自動固形分測定装置であるリオン社製「液中パーティクルセンサKS−42D」等が挙げられる。
【0047】
以上に説明した焼酎粕の粒径調整方法において、基準値を、例えば100〜150μm以下に設定することにより、平均粒径が100〜150μm以下に調整された焼酎粕を得ることができる。
【0048】
焼酎粕の濃縮を行う濃縮手段は、特に限定されないが、エネルギー効率に優れることから、多重効用缶であることが好ましい。
【0049】
ペレット原料に対する焼酎粕濃縮液の混合量は、1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%である。1重量%に満たない場合は、有意な効果が得られず、15重量%を超える場合は、水分過多となり、後に説明するペレット化が困難となる。
【0050】
ペレット原料と焼酎粕濃縮液の混合を行う際の混合手段は、両者を均質に混合できるものであればよく、ロール式、ギヤ式又はスクリュー式等の形式にかかわりなく使用できる。
【0051】
本発明において、ペレット化には、エクストルーダを好ましく用いることができる。エクストルーダとしては、一軸エクストルーダあるいは二軸以上の多軸エクストルーダを使用することができる。また、混合効果を併せもつエクストルーダを使用して、エクストルーダが、上述したペレット原料と焼酎粕濃縮液の混合を行う際の混合手段を兼ねてもよい。
【0052】
エクストルーダによるペレット成形時において、ペレット原料と焼酎粕濃縮液の混合物は、通常、温度80〜200℃程度において加圧成形される。
【0053】
温度80〜200℃程度における加圧により、粗脂肪と酸素の反応性は高まるが、これに対して、焼酎粕濃縮液は、ペレット原料中の粗脂肪に対する抗酸化作用を発現し、脂質が酸素と結合して過酸化脂質を形成することを抑制する効果を奏する。
【0054】
詳しいメカニズムは明らかではないが、本発明者は、焼酎粕濃縮液に含まれるビタミンC、Eやポリフェノール類などが協働して、ペレット原料中に多量に含まれる粗脂肪に対する抗酸化作用を発現しているものと考えている。
【0055】
また、上述した焼酎粕濃縮液による粗脂肪に対する抗酸化作用は、ペレット成形後の給餌までの保存期間においても保持される。
【0056】
このようにして得られた本発明の過酸化脂質低減魚餌ペレットは、ペレット成形時、及び、その後の給餌までの保存期間において過酸化脂質の生成が抑制されるため、過酸化脂質の含有量が低く、養魚の成長や品質を向上することができる。
【0057】
特に、ペレット原料が魚油に由来する粗脂肪を含有する場合、従来のペレットでは、魚油に含まれる易酸化性である高度不飽和脂肪酸が空気中で容易に酸化され、過酸化脂質を生成すると共に、独特の生臭い悪臭を発し、養魚の嗜好性を低下させる問題があった。これに対して、本発明の過酸化脂質低減魚餌ペレットであれば、焼酎粕濃縮液による抗酸化作用により、高度不飽和脂肪酸の酸化が抑制されるため、上記の問題の発生を低減し、魚油に由来する粗脂肪の優れた栄養性により、養魚の粗脂肪要求性を好適に満たすことができる。
【0058】
また、本発明の過酸化脂質低減魚餌ペレットは、焼酎粕濃縮液に由来する無機質及びビタミン類を含むことにより栄養バランスに優れる。
【実施例】
【0059】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
【0060】
ア.米焼酎粕濃縮液の添加による影響
(比較例1)
粗脂肪を22重量%含有するハマチ用の魚餌ペレット原料を、エクストルーダを用いて、混合した後、160℃において加圧成形し、ペレットを得た。
【0061】
得られたペレットについて、以下の測定を行った。
【0062】
<測定方法>
過酸化物価の測定
得られたペレットの粉砕物10gを、ヨウ化カリウム飽和酢酸及びメタノールの1:1溶液50mlに混合し、ろ過洗浄後、ヨウ素滴定法により過酸化物価を定量した。
【0063】
(実施例1)
比較例1で用いた魚餌ペレット原料に、米焼酎粕濃縮液(固形分40重量%)を1重量%添加した後、エクストルーダを用いて、混合した後、160℃において加圧成形し、ペレットを得た。
【0064】
得られたペレットについて、比較例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0065】
(実施例2)
米焼酎粕濃縮液(固形分40重量%)の添加量を3重量%とした以外は実施例1と同様に、ペレットを得た。
【0066】
得られたペレットについて、比較例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例3)
米焼酎粕濃縮液(固形分40重量%)の添加量を7重量%とした以外は実施例1と同様に、ペレットを得た。
【0068】
得られたペレットについて、比較例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(比較例2)
比較例1で用いた魚餌ペレット原料に、未濃縮の米焼酎粕(固形分7重量%)を10重量%添加した後、エクストルーダを用いて、混合した後、160℃において加圧成形を試みたが、水分過多となり、ペレットを得ることができなかった。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
イ.芋焼酎粕濃縮液の添加による影響
(比較例3)
粗脂肪を22重量%含有するブリ用の魚餌ペレット原料を、エクストルーダを用いて、混合した後、160℃において加圧成形し、ペレットを得た。
【0072】
比較例1と同様に、得られたペレット中の過酸化物価の測定を行った。結果を表2に示す。
【0073】
(実施例4)
比較例3で用いた魚餌ペレット原料に、芋焼酎粕濃縮液(固形分15重量%)を5重量%添加した後、エクストルーダを用いて、混合した後、160℃において加圧成形し、ペレットを得た。
【0074】
比較例1と同様に、得られたペレット中の過酸化物価の測定を行った。結果を表2に示す。
【0075】
(実施例5)
芋焼酎粕濃縮液(固形分30重量%)を5重量%添加した以外は、実施例4と同様にして、ペレットを得た。
【0076】
比較例1と同様に、得られたペレット中の過酸化物価の測定を行った。結果を表2に示す。
【0077】
(実施例6)
芋焼酎粕濃縮液(固形分30重量%)を10重量%添加した以外は、実施例4と同様にして、ペレットを得た。
【0078】
比較例1と同様に、得られたペレット中の過酸化物価の測定を行った。結果を表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
ウ.過酸化物価の経時変化
(比較例4)
比較例3で得られたペレットを、室温で40日間放置し、数日毎に一部を採取して過酸化物価の経時変化を測定した。
【0081】
採取したペレット中の過酸化物価の測定は、比較例1と同様に行った。結果を図1に示す。
【0082】
(実施例7)
実施例5で得られたペレットを用いた以外は、比較例4と同様に過酸化物価の経時変化を測定した。結果を図1に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合した後、ペレット化することを特徴とする過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。
【請求項2】
前記粗脂肪は、魚油に由来することを特徴とする請求項1記載の過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記焼酎粕濃縮液は、焼酎粕に含まれる固形分の平均粒径を100〜150μm以下に調整した後、固形分30重量%以上に濃縮してなることを特徴とする請求項1又は2記載の過酸化脂質低減魚餌ペレットの製造方法。
【請求項4】
粗脂肪を10〜40重量%含有するペレット原料に、焼酎粕を固形分15重量%以上に濃縮してなる焼酎粕濃縮液を1〜15重量%混合して、ペレット化してなることを特徴とする過酸化脂質低減魚餌ペレット。
【請求項5】
前記粗脂肪は、魚油に由来することを特徴とする請求項4記載の過酸化脂質低減魚餌ペレット。

【図1】
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