説明

道床突固め機

軌道突固め機(1)が、―機械長手方向に対して垂直に延びる横方向(19)に関して―それぞれ機械中心(11)のより近くに位置する2つの内側のユニットフレーム(12)と、2つの外側のユニットフレーム(13)とを有している。これらの2つの外側のユニットフレーム(13)は、互いに独立して横方向(19)でシフト可能に下側の横方向ガイド(18)に支承されている。更に、下側の横方向ガイド(18)の上位に位置決めされた、機械フレーム(2)に固定された上側の横方向ガイド(21)が固定されている。下側の横方向ガイド(18)は、それ自体が上側の横方向ガイド(21)にシフト可能に固定された滑子(20)に支承されており且つこれらの滑子に対して横方向(19)で相対的にシフト可能である。外側の各ユニットフレーム(13)はシフト駆動装置(23)と、下側の横方向ガイド(18)に沿って独立して横方向シフトするために結合されている。これにより、外側のユニットフレーム(13)をポイント区分(27)の突固めのために、機械中心(11)から比較的大幅に隔てることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の道床突固め機に関する。
【0002】
このような形式の道床突固め機は英国特許第2267304号明細書に基づき公知であり、4つのユニットフレームが特に広範に互いに独立して横方向シフト可能である(図5参照)。これにより、不規則なレール延在部により特徴付けられるポイント区分も突き固められる。外側の2つのユニットフレームをなるべく大幅にシフトさせることができるようにするためには、上側と下側の横方向ガイドが一緒に、機械長手方向に対して垂直にシフトされる。但しこのためには比較的手間のかかる構造が必要とされている。
【0003】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式の機械を改良して、4つのユニットフレームの独立した横方向シフトに関する構造手間を減少させることのできる道床突固め機を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の、道床突固め機により解決される。
【0005】
この構造的な解決手段により、下側の横方向ガイドが内側の2つのユニットフレームによって支持され、外側の2つのユニットフレームの内の一方が、そのシフト距離延長のために横方向シフトすることにより、自動的に連行され得る。このことと必然的に関連する第2の外側のユニットフレームのシフト距離の短縮は、当該の第2の外側のユニットフレームが主軌道内のポイント区分で使用される限りは問題ない。
【0006】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0007】
図1に示した道床突固め機1は細長いブリッジ形の機械フレーム2を有しており、この機械フレーム2は、レール走行装置3を介して軌道4上を走行可能であり、当該機械フレーム2の端部側には運転室5が配置されており、中心には作業室6が配置されている。エネルギユニット7は、走行駆動装置8と、機械フレーム2に支持された、補助リフト装置の装備された軌道リフティングユニット9と、この軌道リフティングユニット9に作業方向で見てすぐ後置された、各1対の突固め工具16を有する複数の突固めユニット10のエネルギ供給に役立つ。レベリング・ひずみ取り基準システム28は、作業ユニットを制御するために挿入部に設けられている。道床突固め機1をポイント・交差領域でも効果的に使用できるようにするためには、図2において更に詳しく説明するように、複数の突固めユニット10が機械横方向でシフト可能に支承されている。
【0008】
既に述べた対称的な配置形式に基づき、それぞれ機械中心11のより近くに位置する内側の2つのユニットフレーム12と、外側の2つのユニットフレーム13とが設けられている(左側の各ユニットフレーム12,13のみ図示)。合計4つのユニットフレーム12,13のそれぞれに、駆動装置14により鉛直方向のガイド15に沿って独立して高さ調節可能な、突固め工具16を有する突固めユニット10が支承されている。
【0009】
各ユニットフレーム12,13にはガイドブシュ17が、複数の下側の横方向ガイド18(前方のもののみ図示)における支承用及び―機械長手方向に対して垂直に延びる―横方向19でのシフト用に対応配置されている。内側の各ユニットフレーム12は、ガイドブシュ17の領域で滑子20と結合されており、この滑子20は―垂直線に関して―上側の横方向ガイド21に沿ってシフト可能に支承されている。横方向19でシフトするためには、内側の各ユニットフレーム12は機械フレーム2に固定された横方向駆動装置22と結合されている。外側の各ユニットフレーム13は、機械フレーム2に枢着されたシフト駆動装置23によって、下側の横方向ガイド18に沿ってシフト可能である。
【0010】
上側の横方向ガイド21は、端部側がそれぞれ機械フレーム2に固定されており、中心で支持されている。下側の横方向ガイド18はそれぞれ、一方では滑子20(左側の滑子のみ図示)により上側の横方向ガイド21に支持されており且つ他方では機械フレーム2に結合された支承部24に支持されて、この支承部24に対して横方向19で自由に相対運動可能である。下側の横方向ガイド18にはそれぞれ、端部側にストッパ25が設けられている。機械フレーム2に結合された、高さ調節可能な別の位置固定ストッパ26は、送り走行中に下側の横方向ガイド18を位置固定するために働く。
【0011】
道床突固め機1が走行する軌道4の標準的な区分を突き固めるためには、(合計4つの)突固めユニット10の各ユニットフレーム12,13が、図2に実線で示したポジションに位置している。軌道4若しくは道床突固め機1から離れたポイント区分27を突き固めるためには、このポイント区分27に隣接した外側のユニットフレーム13が、シフト駆動装置23の負荷に基づき下側の横方向ガイド18に沿ってシフトされる。この場合、ガイドブシュ17がストッパ25に接触した後、下側の各横方向ガイド18は外側のユニットフレーム13と一緒に横方向にシフトされ、これにより最終的に、対応配置された突固めユニット10は一点鎖線で示された最も外側のポジションへ、最外位のポイント区分27を突き固めるためにもたらされる。これと並行して、隣接するユニットフレーム12も横方向駆動装置22によりポイント区分27の方向へシフトされ、この場合、一緒にシフトされる滑子20により、張り出した下側の横方向ガイド18の支持が得られる。同様にこれと並行して、横方向19で見て対向位置するシフト駆動装置23及び横方向駆動装置22は無圧に切り換えられるので、―ポイント区分27から大幅に隔てられた―両ユニットフレーム12,13は、自動的に下側の横方向ガイド18のシフトと一緒にシフトされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】道床突固め機の側面図である。
【図2】道床突固め機の横断面図であって、機械中心に関して対称的に配置された突固めユニットの左半分だけを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突固め工具(16)を有する突固めユニット(10)を備えた道床突固め機(1)であって、前記突固めユニットが、―機械長手方向に対して垂直に延びる横方向(19)に関して―それぞれ機械中心(11)のより近くに位置する内側の2つのユニットフレーム(12)と、外側の2つのユニットフレーム(13)とから形成されており、これらの外側の2つのユニットフレームが、横方向(19)で互いに独立してシフト可能に下側の横方向ガイド(18)に支承されており、しかも、―垂直線に関して下側の横方向ガイド(18)の上位に位置決めされた―機械フレーム(2)に固定された上側の横方向ガイド(21)が設けられており、これらの上側の横方向ガイドに、横方向駆動装置(22)によりシフト可能な滑子(20)が支承されており、該滑子が下側の横方向ガイド(18)と結合されている形式のものにおいて、
イ)それぞれ横方向駆動装置(22)によって互いに独立して横方向シフト可能な2つの滑子(20)が設けられており、これらの滑子がそれぞれ内側のユニットフレーム(12)と結合されており、
ロ)下側の横方向ガイド(18)が、それぞれ滑子(20)に支承されており且つこれらの滑子に対して横方向(19)で相対的にシフト可能であり、
ハ)外側の各ユニットフレーム(13)が、下側の横方向ガイド(18)に沿って独立して横方向シフトするためにシフト駆動装置(23)と結合されていることを特徴とする、道床突固め機。
【請求項2】
両滑子(20)間に機械フレーム(2)と結合された支承部(24)が設けられており、該支承部に、下側の横方向ガイド(18)が横方向(19)でシフト可能に支承されている、請求項1記載の道床突固め機。
【請求項3】
下側の横方向ガイド(18)の端部側が、それぞれ外側のユニットフレーム(13)のシフト距離を制限するために設けられたストッパ(25)を有している、請求項1記載の道床突固め機。
【請求項4】
機械フレーム(2)に結合された位置固定ストッパ(26)が、下側の横方向ガイド(18)の横方向(19)でのシフトをブロックするために設けられている、請求項1記載の道床突固め機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−528832(P2008−528832A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552533(P2007−552533)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050379
【国際公開番号】WO2006/081870
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien 1,Austria
【Fターム(参考)】