説明

道路標示認識装置及びその認識方法

【課題】道路標示を認識するために用いられる撮影装置のレンズに付着物が有る場合においても、付着物の影響を低減し、より正確で信頼性の高い道路標示認識を実現する。
【解決手段】撮影画像に複数の領域を設け、これら複数の領域から複数の鳥瞰画像を生成する。レンズに付着物がある場合、路面の状態に依存せず、常に鳥瞰画像上の同じ位置に付着物の影響が現れる。この特徴を利用すれば、レンズの付着物による影響を受けている領域を特定できる。従って、付着物による影響を受けている領域から生成される鳥瞰画像を、道路標示の認識に使用しないように除外することで、認識性能の低下や誤認識を防止し、より高い精度の道路標示の認識が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路標示認識装置に関し、特に車両の安全性向上のために全天候において高い道路標示認識率を必要とする道路標示認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の安全性を向上させるために搭載されるシステムの多様化に伴い、道路標示を認識するための認識装置も車両に多く使われるようになってきた。しかしながら、道路標示の認識は、道路の状況や環境等に左右され、レンズに雨滴や汚れの付着等によるノイズにより十分な認識率を上げることが難しい。より安全な走行をするためには、道路標示の認識するための認識装置の性能を更に向上することが求められている。
【0003】
特開2008−210084号公報に、車両に搭載され、該車両周辺の路面を定期的に撮影した画像を送出する撮影手段と、前記撮影手段から送出される映像画像を、鉛直方向から地上面を見下ろした鳥瞰図を表す鳥瞰画像に変換して記憶手段に記憶する画像変換手段と、前記画像変換手段によって変換された前記鳥瞰画像の前記車両本体側の一部に抽出対象領域を特定する抽出対象領域特定手段と、前記記憶手段に記憶された前記複数の鳥瞰画像から時系列に前記抽出対象領域の画像を抽出して垂直方向に連結させた合成画像を生成する合成画像生成手段と、前記合成画像生成手段によって生成された前記合成画像を対象として同路面に描かれた道路標示を画像認識する画像認識処理手段と、を備えたことを特徴とする道路標示認識装置が開示されている。該発明によれば、鳥瞰画像の車両本体側の一部を抽出対象領域として、複数の鳥瞰画像から、時系列に抽出対象領域の画像を抽出して連結させた合成画像が生成される。このとき、カメラに、車両の影が写る場合には、鳥瞰画像から輝度の低い領域を検出し、該領域を影と認識させて、該領域を抽出対象領域から除外する。合成画像は、鳥瞰画像の中でも確度の高い車両本体に近い領域の画像を連結して生成される。そして、この合成画像を対象として路面に描かれた道路標示の画像認識が実施される。
【0004】
また、特開2006−314060号公報に、撮像手段で撮像された画像を用いて、前記撮像手段で撮像された物体を検出する画像処理装置において、前記撮像手段で撮影された画像に所定の画像処理を施して、当該画像に含まれる画像領域ごとにノイズ度合いを判定し、当該ノイズ度合いが所定のしきい値以上であるかを判定するノイズ判定手段と、前記ノイズ度合いが所定のしきい値以上であると判断された画像領域におけるノイズ検出回数を加算する計数手段と、前記計数手段により計数されたノイズ検出回数が所定値以上である画像領域が、当該画像内位置において信頼性が低いノイズであると判定するノイズ位置判定手段とを備え、時間的に連続して撮像された複数の画像のそれぞれについて、前記ノイズ判定手段によりノイズ度合いを判定し、当該ノイズ度合いがしきい値以上である画像領域ごとにノイズ検出回数を前記計数手段により計数して、前記ノイズ位置判定手段は、前記複数の画像に亘って計数されたノイズ検出回数が所定地を超えた画像領域であるノイズの画像内位置を検出することを特徴とする画像処理装置が開示されている。
【0005】
また、特開2005−301517号公報に、現在の画像と所定時間前の画像との差分画像を作成する差分画像取得手段と、前記差分画像の画素値に基づくマスク画像を作成するマスク画像作成手段と、前記マスク画像と現在の画像とから中間第一画像を作成する中間第一画像作成手段と、現在の画像のなまし画像と、前記なまし画像を反転した反転画像とを求め、前記なまし画像と前記反転画像とをから中間第二画像を作成する中間第二画像作成手段と、前記中間第一画像と前記中間第二画像とを統合した統合画像を作成する統合画像作成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−210084号公報
【特許文献2】特開2006−314060号公報
【特許文献3】特開2005−301517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術では、輝度の低い領域を検出することで、車両の影を除外することができるが、レンズに付着した雨滴や汚れは、輝度が低くなるとは限らないために、正常に検出することができない可能性がある。その結果、雨滴や汚れが付着したカメラの撮影画像によって作成した画像で、画像認識を実行することになりうる。これにより、道路標示認識装置の認識性能の低下を引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明に係る道路標示認識装置(1000)は、画像変換部(115)と、複数鳥瞰画像生成部(123)と、最適画像選定部(138)とを具備する。画像変換部(115)は、撮影装置(110)からの路面画像(300)に基づいて、路面画像(300)を鳥瞰画像(319)に変換する。複数鳥瞰画像生成部(123)は、鳥瞰画像(319)を細分化し部分的な鳥瞰画像(421、423、425)を生成し、これら部分的な鳥瞰画像(421、423、425)を撮影装置(110)の撮影する時間間隔毎に時系列順に合成し、複数の合成鳥瞰画像(521、523、525)を生成する。最適画像選定部(138)は、複数の合成鳥瞰画像(521、523、525)において、撮影装置(110)がレンズに付着物(351)を有するときの、付着物(351)による合成鳥瞰画像(521、523、525)への影響の有無を検知し、付着物(351)による影響が無い、或いは付着物(351)による影響が所定の基準以下である合成鳥瞰画像(523、525)の中から、所定の選定基準により信頼性の高い合成鳥瞰画像(523)を選出する。
【0010】
また、本発明に係る道路標示認識装置(1000)は、撮影装置(110)が撮影した路面画像(300)を鳥瞰画像(319)に変換するステップと、鳥瞰画像(319)を細分化し部分的な鳥瞰画像(421、423、425)を生成するステップと、部分的な鳥瞰画像(421、423、425)を撮影装置(110)の撮影する時間間隔毎に時系列順に合成し、複数の合成鳥瞰画像(521、523、525)を生成するステップと、複数の合成鳥瞰画像(521、523、525)において、撮影装置(110)が付着物(351)を有するときの、付着物(351)の影響の有無を検知するステップと、付着物(351)による影響が無い、或いは付着物(351)による影響が所定の基準以下である合成鳥瞰画像(523、525)の中から、所定の選定基準により信頼性の高い合成鳥瞰画像(523)を選出するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮影装置のレンズの一部分に雨滴や汚れが付着した場合に、画像認識性能の低下や誤認識を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】図1Aは、本発明の実施形態の道路標示認識装置1000のハードウェアの構成を示す図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施形態の道路標示認識装置1000の機能の構成を示す機能ブロック図である。
【図1C】図1Cは、本発明の実施形態の道路標示認識装置1000の詳細な機能の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、道路標示認識装置1000の制御方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、撮影装置110からの路面画像を画像変換部115に入力してから、画像変換部115が鳥瞰画像を出力するまでの処理を示す模式図である。
【図4】図4は、画像変換部115が鳥瞰画像を出力してから、合成部分画像を出力するまでの処理を示す模式図である。
【図5】図5は、抽出対象領域選択部120が複数の合成部分画像を出力してから、合成鳥瞰画像生成部125が合成鳥瞰画像を生成するまでの処理を示す模式図である。
【図6】図6は、合成鳥瞰画像生成部125が前述の特徴値計算領域の座標を出力してから、合成鳥瞰画像特徴値計算部130が各合成鳥瞰画像の特徴値を計算するまでの処理を示す模式図である。
【図7】図7は、特徴値平均計算部135が特徴値平均を計算するまでの処理を示す模式図である。
【図8】図8は、特徴値比較部140がレンズの付着物による影響を受けた特徴値を除外するまでの処理を示す模式図である。
【図9】図9は、合成鳥瞰画像選出部145が最も信頼性の高い特徴値グラフを選出し、選出された特徴値グラフに対応する合成鳥瞰画像を出力するまでの処理を示す模式図である。
【図10】図10は、画像認識部150が道路標識を認識するまでの処理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
以下に、図面を参照して、本実施形態の道路標示認識装置1000について説明を行う。
【0015】
図1Aは、本発明の実施形態の道路標示認識装置1000のハードウェアの構成を示す図である。道路標示認識装置1000は、コンピュータに例示される情報処理装置であり、CPU(Central Processing Unit)198と、記憶装置199と、入力装置(図示せず)と、出力装置(図示せず)と、インターフェース(図示せず)とを備えている。また道路標示認識装置1000は、外部からの入力として、車両速度センサ部105、及び撮影装置110と接続されている。CPU198、記憶装置199、入力装置、出力装置、及びインターフェースは、バスやケーブルによりお互いに情報の送受信が可能なように接続されている。記憶装置199は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)に例示される。入力装置は、キーボード、及びマウスに例示される。出力装置は、ディスプレイやプリンタに例示される。インターフェースは、外部のコンピュータや記憶装置199や記憶媒体読取装置などと双方向通信可能に接続されている。
【0016】
CPU198は、例えばコンピュータプログラムをRAMに展開する。そして、展開されたコンピュータプログラムを実行して、必要に応じて記憶装置199や入力装置や出力装置のようなハードウェアを制御しながら、当該コンピュータプログラムの情報処理を実現する。記憶装置199は、コンピュータプログラムを記録し、CPU198が利用する情報や生成する情報を記録する。入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報を、CPU198や記憶装置199に出力する。出力装置は、CPU198により生成された情報や記憶装置の情報を、ユーザに認識可能なように出力する。また、車両速度センサ部105は、走行している車両の速度を道路標示認識装置1000へ出力する。また撮影装置110は、走行している路面の画像を道路標示認識装置1000へ出力する。道路標示認識装置1000は、外部入力である、車両速度センサ部105からの車両の速度の情報や、撮影装置110からの路面の画像を、記憶装置199に記録する。
【0017】
図1Bは、本発明の実施形態の道路標示認識装置1000の機能の構成を示す機能ブロック図である。道路標示認識装置1000は、画像変換部115、複数鳥瞰画像生成部123、最適画像選定部138、及び画像認識部150を有する。
【0018】
画像変換部115は、撮影装置110からの路面の画像を入力とし、入力画像を鳥瞰画像に変換し、変換した鳥瞰画像を複数鳥瞰画像生成部123に出力する。
【0019】
複数鳥瞰画像生成部123は、画像変換部115が出力した鳥瞰画像を入力とし、入力画像を、複数の領域に細分化する。次に細分化した各領域から取得した部分的な鳥瞰画像を、撮影装置110の撮影間隔の時間毎に時系列に合成し、複数の鳥瞰画像を生成する。生成した複数の鳥瞰画像を最適画像選定部138に出力する。
【0020】
最適画像選定部138は、複数鳥瞰画像生成部123が出力した複数の鳥瞰画像を入力とし、入力画像上における、撮影装置110が有する付着物による影響の有無を検知する。その結果、付着物の影響が確認されなかった鳥瞰画像の中から、所定の基準により最も信頼性の高い鳥瞰画像を、画像認識部150に出力する。
【0021】
画像認識部150は、最適画像選定部138からの鳥瞰画像を入力とし、画像認識の結果を外部表示装置(図示せず)に出力する。
【0022】
これらの機能の実施は、プログラムなどに例示されるソフトウェアに拠っても、DSP(Digital Signal Processor)などに例示されるハードウェアに拠っても、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせに拠っても良い。
【0023】
図1Cは、本発明の実施形態の道路標示認識装置1000の詳細な機能の構成を示す機能ブロック図である。道路標示認識装置1000は、画像変換部115、抽出対象領域選択部120、合成鳥瞰画像生成部125、合成鳥瞰画像特徴値計算部130、特徴値平均計算部135、特徴値比較部140、合成鳥瞰画像選出部145、及び画像認識部150を有する。
【0024】
画像変換部115は、撮影装置110からの路面の画像を入力とし、入力画像を鳥瞰画像に変換し、変換した画像を抽出対象領域選択部120に出力する。
【0025】
抽出対象領域選択部120は、画像変換部115からの鳥瞰画像、及び外部の車両速度センサ部105からの車両の走行速度を入力とし、入力された鳥瞰画像に複数の基点を設定し、これら複数の基点から、車両の走行速度に応じた距離までを、複数の抽出対象領域として選択し、選択した結果を合成鳥瞰画像生成部125に出力する。
【0026】
合成鳥瞰画像生成部125は、抽出対象領域選択部120からの複数の抽出対象領域の選択結果を入力とし、その複数の抽出対象領域にて抽出された、複数の合成部分画像を合成することにより、複数の合成鳥瞰画像を生成し、合成鳥瞰画像特徴値計算部130に出力する。
【0027】
合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、合成鳥瞰画像生成部125からの複数の合成鳥瞰画像を入力とし、これら複数の入力画像を基に、後述する複数の特徴値を算出し、算出した複数の特徴値を特徴値平均計算部135、及び特徴値比較部140に出力する。
【0028】
特徴値平均計算部135は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130からの複数の特徴値を入力とし、平均値を計算し、計算結果を特徴値比較部140に出力する。
【0029】
特徴値比較部140は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130からの複数の特徴値と、特徴値平均計算部135からの平均値を入力とし、複数の特徴値と平均値の比較結果を、合成鳥瞰画像選出部145に出力する。
【0030】
合成鳥瞰画像選出部145は、特徴値比較部140からの特徴値の比較結果を入力とし、特徴値比較部が除外しなかった合成鳥瞰画像の中から最も信頼性の高い合成鳥瞰画像を選出し、選出した合成鳥瞰画像を画像認識部150に出力する。
【0031】
画像認識部150は、合成鳥瞰画像選出部145からの合成鳥瞰画像を入力とし、画像認識の結果を外部表示装置(図示せず)に出力する。
【0032】
これらの機能の実施は、プログラムなどに例示されるソフトウェアに拠っても、DSP(Digital Signal Processor)などに例示されるハードウェアに拠っても、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせに拠っても良い。
【0033】
以下では、本実施形態に係る道路標示認識装置1000の動作方法をより詳細に説明する。
【0034】
図2は、本発明の道路標示認識装置1000の動作方法を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS210において、画像変換部115は、撮影装置110から、撮影装置110で撮影された路面の画像を記憶装置199から読み出す。また、抽出対象領域選択部120は、車両速度センサ部105から、車両の走行速度を記憶装置199から読み出す。
【0036】
次に、ステップS220において、画像変換部115は、前述の撮影装置110により撮影された画像を鳥瞰画像に変換する。
【0037】
次に、ステップS230において、抽出対象領域選択部120は、前述の読み出した走行速度から、撮影装置110により撮影される画像の撮影間隔の時間に車両が走行する距離を計算する。その後、鳥瞰画像上の複数の基点から、撮影間隔時間での車両の走行距離までの領域を、各々の抽出対象領域として選択し、各々の抽出対象領域の座標を求める。
【0038】
次に、ステップS240において、合成鳥瞰画像生成部125は、各々の抽出対象領域で撮影された部分的な鳥瞰画像を時系列に連結して、基点の数だけの合成鳥瞰画像を生成する。その後、レンズの雨滴や汚れを検知する指標となる、特徴値の計算領域を決定して、特徴値計算領域の座標を求める。
【0039】
次に、ステップS250において、合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、ステップS240で決定された、各々の合成鳥瞰画像の特徴値抽出領域から、各々の輝度分布を計算し、それを基に特徴値を計算する。
【0040】
次に、ステップS260において、特徴値平均計算部135は、各々の特徴値の平均を計算する。
【0041】
次に、ステップS270において、特徴値比較部140は、特徴値の平均に対して、一定の割合以上の差分がある特徴値を除外し、更に、除外した特徴値の基となった合成鳥瞰画像を除外する。
【0042】
次に、ステップS280において、合成鳥瞰画像選出部145は、除外されていない複数の合成鳥瞰画像のうち、最も撮影装置110に近い抽出対象領域から作成した、最も信頼性の高い合成鳥瞰画像を選択し、画像認識部150に出力する。
【0043】
最後に、ステップS290において、画像認識部150は、合成鳥瞰画像選出部145が出力した合成鳥瞰画像で道路標示認識を実行して、該認識結果を外部装置(図示せず)に出力する。
【0044】
以下では、道路標示認識装置1000における、上述の各構成要素、及び各ステップの動作について、更に詳細に説明する。
【0045】
図3は、画像変換部115が、撮影装置110からの路面画像を入力として読み出してから、鳥瞰画像を出力するまでの処理を示す模式図である。これは図2においてステップS220に対応する。
【0046】
図3(a)は、撮影装置110が撮影した入力画像300である。路面画像300には、撮影装置110から見た前方の道路が写っている。路面画像300には、左レーン361、右レーン363、及びレンズに付着した雨滴351が写り込んでいる。また、路面画像300内の破線で囲まれた三つの領域は、後述する抽出対象領域であり、各々を第一抽出対象領域311、第二抽出対象領域313、第三抽出対象領域315とする。これらの抽出対象領域を示す破線は実際には路面画像300に写っていない。尚、以降全ての図において、左レーン361から右レーン363に向かう方向をx軸とし、車両の進行方向(画像上では上方に向かう方向)をy軸とする。
【0047】
図3(b)は、路面画像300を鳥瞰画像に変換後の画像である、鳥瞰画像319である。画像変換部115は、撮影装置110が出力する路面画像300を入力とし、鉛直方向から地上面を見下ろした画像である鳥瞰画像319に変換する。撮影装置110のレンズに雨滴351が付着して、路面画像300に雨滴351が写り込む場合、鳥瞰画像319内にも雨滴351が写り込む。その結果として、鳥瞰画像319においても、右レーン363上に雨滴351が写り込んでいる。
【0048】
図4は、抽出対象領域選択部120が、画像変換部115の出力である鳥瞰画像を入力とし、抽出対象領域を選択してから、後述する合成部分画像を出力するまでの処理を示す模式図である。これは、図2においてステップS230に対応する。
【0049】
図4(a)は、画像変換部115によって変換された、路面画像300の鳥瞰画像319である。これは図3(b)と同一の画像である。この鳥瞰画像319は、抽出対象領域選択部120の入力となる。
【0050】
図4(b)は、抽出対象領域選択部120によって、抽出対象となる領域を設定した鳥瞰画像319である。ここで、鳥瞰画像319上には、第一抽出対象領域311、第二抽出対象領域313、第三抽出対象領域315の三領域が設定してある。ここで、第一抽出対象領域311が、撮影装置110から最も近い領域であり、第三抽出対象領域315が、撮影装置110から最も遠い領域である。これらの抽出対象領域は、図3(a)に示された各抽出対象領域に対応している。また、第一抽出対象領域311内には、雨滴351が写り込んでいる。また、各抽出対象領域の、右下隅の座標を基点とし、各々を第一基点301、第二基点303、第三基点305とする。
【0051】
ここで抽出対象領域選択部120が、図4(b)に示された複数の抽出対象領域である、第一抽出対象領域311、第二抽出対象領域313、第三抽出対象領域315の三領域を選択する手順を説明する。本実施形態においては、抽出対象領域選択部120は、鳥瞰画像319上のy軸方向で任意の基準距離毎に3つ以上の複数の基点を設定する。この基点の数が、抽出対象となる領域の数となる。
【0052】
また、抽出対象領域選択部120は、車両速度センサ部105が出力する車速情報から、撮影装置110が画像を撮影する時間間隔中に車両が走行する距離を計算する。この計算結果である走行距離を、設定した基点に加算し、基点から基点に走行距離を加算した点までの領域を、各々抽出対象領域とする。この抽出対象領域は、各々の抽出対象領域が離れていても、抽出対象領域の一部分が重なっていても良い。
【0053】
図4(c)は、抽出対象領域選択部120によって、各々の抽出対象領域から抽出した合成部分画像である。合成部分画像は、後述する合成鳥瞰画像の一要素であり、合成部分画像を複数連結することにより、合成された鳥瞰画像を完成させる。ここで、第一抽出対象領域311から抽出した画像を、第一合成部分画像421、第二抽出対象領域313から抽出した画像を、第二合成部分画像423、第三抽出対象領域315から抽出した画像を、第三合成部分画像425とする。第一合成部分画像421には、レーンの一部分である左レーン361a及び右レーン363aが写っている。また、第一合成部分画像421には、雨滴351が写り込んでいる。同様に、第二合成部分画像423には、レーンの一部分である左レーン361h及び右レーン363hが写っており、第三合成部分画像425には、レーンの一部分である左レーン361p及び右レーン363pが写っている。
【0054】
更に、抽出対象領域選択部120は、鳥瞰画像319における抽出対象領域左下、及び右上の座標を、合成鳥瞰画像生成部125に出力する。
【0055】
以上、本実施形態における、抽出対象領域選択部120が抽出対象領域を選択する手順を示したが、抽出対象領域を選択する手順は上述の手順に限定されることはない。本実施形態では、任意の基準距離毎に基点を設けることで領域を選択したが、必ずしも基点を設ける必要は無く、必要に応じて任意の方法で任意の領域範囲を任意の領域数だけ選択することができる。
【0056】
図5は、合成鳥瞰画像生成部125が、抽出対象領域選択部120の出力である複数の合成部分画像を入力として、各々の合成部分画像を連結し、合成鳥瞰画像を生成するまでの処理を示す模式図である。これは、図2においてステップS240に対応する。
【0057】
図5(a)は、抽出対象領域選択部120からの出力である第一合成部分画像421を入力とした、第一合成鳥瞰画像521である。第一合成鳥瞰画像521は、第一抽出対象領域311から抽出された合成部分画像421を、撮影時間の時系列順に四枚連結させた合成鳥瞰画像である。これら四枚の合成部分画像を、撮影時刻の時系列順に各々、第一合成部分画像421a、第一合成部分画像421b、第一合成部分画像421c、第一合成部分画像421dとする。これら四枚の合成部分画像は、撮影間隔毎に連続して撮影された画像である。第一合成部分画像421aには、左レーンの一部361aと右レーンの一部363aと、写りこんだ雨滴351が写っている。同様に、第一合成部分画像421bには、左レーンの一部361bと右レーンの一部363bと、写りこんだ雨滴351が、第一合成部分画像421cには、左レーンの一部361cと右レーンの一部363cと、写りこんだ雨滴351が、第一合成部分画像421dには、左レーンの一部361dと右レーンの一部363dと、写りこんだ雨滴351が各々写っている。また、第一合成鳥瞰画像521の一部分を、後述する第一特徴値計算領域531とする。
【0058】
合成鳥瞰画像生成部125は、抽出対象領域選択部120から出力された、複数の第一合成部分画像421を入力とする。本実施の形態では、第一合成部分画像421a、421b、421c、421dに該当する。合成鳥瞰画像生成部125は、撮影装置110が定められた撮影間隔毎に撮影した、複数の第一合成部分画像421を合成して一枚の合成鳥瞰画像とする。前述のように、抽出対象領域選択部120は、抽出対象領域を設定する際に、車両速度センサ部105が出力する車速情報から、撮影装置110が画像を撮影する時間間隔中に車両が走行する距離を計算する。この計算結果である走行距離を、設定した基点に加算し、基点から基点に走行距離を加算した点までの領域を、各々抽出対象領域としている。よって、連結した第一合成鳥瞰画像521は、撮影装置110に一番近い領域である第一抽出対象領域311で撮影された、連続した路面の画像となる。例えば、合成部分画像421a上の左レーン361aの上端と、合成部分画像421a上の左レーン361bの下端は、切れ目のない連続したレーンとなっている。
【0059】
最後に、合成鳥瞰画像生成部125は、生成した第一合成鳥瞰画像521を記憶装置199に記憶させる。同様に、撮影装置110から最も近い第一抽出対象領域311で生成された第一合成鳥瞰画像521の、左上の画像端の座標339を、後述する特徴値計算領域を決定するための情報として記憶する。
【0060】
図5(b)は、抽出対象領域選択部120からの出力である第二合成部分画像423を入力とした、第二合成鳥瞰画像523である。第二合成鳥瞰画像523は、第二抽出対象領域313から抽出された第二合成部分画像423を、撮影時間の時系列順に四枚連結させた合成鳥瞰画像である。これら四枚の合成部分画像を、各々撮影時刻の時系列順に、第二合成部分画像423h、第二合成部分画像423i、第二合成部分画像423j、第二合成部分画像423kとする。これら四枚の合成部分画像は、撮影間隔毎に連続して撮影された画像である。第二合成部分画像423hには、左レーンの一部361hと右レーンの一部363hが写っている。同様に、第二合成部分画像423iには、左レーンの一部361iと右レーンの一部363iが、第二合成部分画像423jには、左レーンの一部361jと右レーンの一部363jが、第二合成部分画像423kには、左レーンの一部361kと右レーンの一部363kが各々写っている。また、第二合成鳥瞰画像523の一部分を、後述する第二特徴値計算領域533とする。
【0061】
合成鳥瞰画像生成部125は、抽出対象領域選択部120から出力された、複数の第二合成部分画像423を入力とする。本実施の形態では、第二合成部分画像423h、423i、423j、423kに該当する。合成鳥瞰画像生成部125は、撮影装置110が定められた撮影間隔毎に撮影した、複数の第二合成鳥瞰画像423を合成して一枚の合成鳥瞰画像とする。連結した第二合成鳥瞰画像523は、第一抽出対象領域311に次いで撮影装置110に近い領域である第二抽出対象領域313で撮影された、連続した路面の画像となる。例えば、合成部分画像423h上の左レーン361hの上端と、合成部分画像423i上の左レーン361iの下端は、切れ目のない連続したレーンとなっている。
【0062】
最後に、合成鳥瞰画像生成部125は、生成した第二合成鳥瞰画像523を記憶装置199に記憶させる。
【0063】
図5(c)は、抽出対象領域選択部120からの出力である第三合成部分画像425を入力とした、第三合成鳥瞰画像525である。第三合成鳥瞰画像525は、第三抽出対象領域315から抽出された第三合成部分画像425を、撮影時間の時系列順に四枚連結させた合成鳥瞰画像である。これら四枚の合成部分画像を、各々撮影時刻の時系列順に、第三合成部分画像425p、第三合成部分画像425q、第三合成部分画像425r、第三合成部分画像425sとする。これら四枚の合成部分画像は、撮影間隔毎に連続して撮影された画像である。第三合成部分画像425pには、左レーンの一部361pと右レーンの一部363pが写っている。同様に、第三合成部分画像425qには、左レーンの一部361qと右レーンの一部363qが、第三合成部分画像425rには、左レーンの一部361rと右レーンの一部363rが、第三合成部分画像425sには、左レーンの一部361sと右レーンの一部363sが各々写っている。また、第三合成鳥瞰画像525の一部分を、後述する第三特徴値計算領域535とする。
【0064】
合成鳥瞰画像生成部125は、抽出対象領域選択部120から出力された、複数の第三合成部分画像425を入力とする。本実施の形態では、第三合成部分画像425p、425q、425r、425sに該当する。合成鳥瞰画像生成部125は、撮影装置110が定められた撮影間隔毎に撮影した、複数の第三合成鳥瞰画像425を合成して一枚の合成鳥瞰画像とする。連結した第三合成鳥瞰画像525は、撮影装置110から最も遠い領域である抽出対象領域315で撮影された、連続した路面の画像となる。例えば、合成部分画像425p上の左レーン361pの上端と、合成部分画像425q上の左レーン361qの下端は、切れ目のない連続したレーンとなっている。
【0065】
最後に、合成鳥瞰画像生成部125は、生成した第三合成鳥瞰画像525を記憶装置199に記憶させる。同様に、合成鳥瞰画像生成部125は、撮影装置110から最も遠い第三抽出対象領域315で生成された第三合成鳥瞰画像525において、第三合成部分画像425pの基点337の座標を、後述する特徴値計算領域を決定するための情報として記憶する。
【0066】
ここで、図5(a)、図5(b)、及び図5(c)の三図は、共通のy軸を持つ。つまり、図5において、ある座標(x,y)は、図5(a)、図5(b)、及び図5(c)上で、路面の同一地点を示す。
【0067】
次に、合成鳥瞰画像生成部125は、第三合成部分画像425p上の基点337の座標と、第一合成鳥瞰画像521上の基点339の座標を読み出す。これらの基点337と基点339の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に囲まれた領域を、特徴値計算領域とする。このように特徴値計算領域の範囲を定めることで、各々の合成鳥瞰画像の、後述する特徴値を、道路上の同じ領域で求めることが可能となる。ここで、第一合成鳥瞰画像521、第二合成鳥瞰画像523、及び第三合成鳥瞰画像525の特徴値計算領域を各々、第一特徴値計算領域531、第二特徴値計算領域533、第三特徴値計算領域535とする。合成鳥瞰画像生成部125は、これら特徴値計算領域の座標を、後述する特徴値の計算をするための情報として出力する。
【0068】
図6は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130が、合成鳥瞰画像生成部125の出力である、前述の特徴値計算領域の座標を入力として、各合成鳥瞰画像の特徴値を計算するまでの処理を示す模式図である。これは、図2においてステップS250に対応する。
【0069】
図6(a)は、第一合成鳥瞰画像521上の第一特徴値計算領域531から、特徴値を計算するまでの処理を示す模式図である。図6(a)の上段には、第一合成鳥瞰画像521において、第一特徴値計算領域531に囲まれた部分である、第一特徴値計算鳥瞰画像631が示されている。第一特徴値計算鳥瞰画像631には、左レーン361c、361d、右レーン363c、363d、及び雨滴351が写っている。中段には、第一特徴値計算鳥瞰画像631を基に計算される、輝度値のx方向の分布と輝度値の大きさを表す第一輝度分布グラフ641が示されている。また、第一輝度分布グラフ641には、輝度を二値化するための閾値690が示されている。下段には、第一輝度分布グラフ641を基に、輝度のx方向の分布を二値化した第一特徴値グラフ651が示されている。
【0070】
合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、第一特徴値計算鳥瞰画像631において、左端下辺(座標:x60,y60)から左端上辺(座標:x60,y69)までの各画素の輝度値を加算し、総和を求める。総和の値を、x座標がx60のときの輝度値として、第一輝度分布グラフ641上に記録する。この行程を、第一特徴値計算鳥瞰画像631の左端であるx60から右端であるx69まで一画素毎に行うことで、第一特徴値計算鳥瞰画像631のx軸方向の輝度値の分布が示される。この輝度値の分布を示したグラフが、第一輝度分布グラフ641である。なお、輝度値を求める際に、本実施形態では、輝度値の加算の行程の順序を左端下辺(座標:x60,y60)から左端上辺(座標:x60,y69)、としたが、右端(座標:x69)から始めても、また上辺(座標:y69)から始めてもよい。
【0071】
路面よりも相対的に輝度値が高い領域は、左レーン361c、361d、右レーン363c、363d、写り込んだ雨滴351である。よって、左レーン361c、361dのレーン幅の間(x61とx62の間)の輝度値は、路面と比べ大きな値を示す。同様に、右レーン363c、363dのレーン幅の間(x64とx65の間)の輝度値も大きな値を示す。更に、第一特徴値計算鳥瞰画像631には雨滴351が写り込んでいる。この雨滴351の影響で、右レーン363c、363dの一部は輝度値分布がx軸方向に広がる(x63とx66の間)。よって、輝度分布は、右レーン363c、363dのレーン幅を中心に凸型となる。
【0072】
第一輝度分布グラフ641には、前述の通り、二値化のための閾値690が設けられている。合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、第一輝度分布グラフ641で示されたx軸上の各座標での輝度値が、閾値690を超えるかどうかを判定する。あるx軸上の座標の輝度値が閾値690を超える場合は1を、超えない場合は0を、第一特徴値グラフ651上に記録する。この行程を、第一特徴値計算鳥瞰画像631の左端であるx60から右端であるx69まで、一画素毎に行うことで、第一特徴値計算鳥瞰画像631の、x軸方向の輝度値を二値化できる。輝度値を二値化したものを特徴値とし、これを示したグラフが、第一特徴値グラフ651である。第一特徴値グラフ651では、左レーン361c、361dのレーン幅の間(x61とx62の間)と、雨滴351の横幅(x63とx66の間)において、輝度値が閾値690を超えるため、1となる。その他の路面部分は、0となる。なお、本実施形態では、輝度値の二値化を行う際に、二値化の行程の順序を、左端であるx60から右端であるx69まで、としたが、右端であるx69から左端であるx60までとしてもよい。
【0073】
図6(b)は、第二合成鳥瞰画像523上の第二特徴値計算領域533から、特徴値を計算するまでの処理を示す模式図である。図6(b)の上段には、第二合成鳥瞰画像523において、第二特徴値計算領域533に囲まれた部分である、第二特徴値計算鳥瞰画像633が示されている。第二特徴値計算鳥瞰画像633には、左レーン361i、361j、及び右レーン363i、363jが写っている。中段には、第二特徴値計算鳥瞰画像633を基に計算される、輝度値のx方向の分布と輝度値の大きさを表す第二輝度分布グラフ643が示されている。また、第二輝度分布グラフ643には、輝度を二値化するための閾値690が示されている。下段には、第二輝度分布グラフ643を基に、輝度のx方向の分布を二値化した第二特徴値グラフ653が示されている。
【0074】
合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、第二特徴値計算鳥瞰画像633において、左端下辺(座標:x60,y60)から左端上辺(座標:x60,y69)までの各画素の輝度値を加算し、総和を求める。総和の値を、x座標がx60のときの輝度値として、第二輝度分布グラフ643上に記録する。この行程を、第二特徴値計算鳥瞰画像633の左端であるx60から右端であるx69まで一画素毎に行うことで、第二特徴値計算鳥瞰画像633のx軸方向の輝度値の分布が示される。この輝度値の分布を示したグラフが、第二輝度分布グラフ643である。なお、輝度値を求める際に、本実施形態では、輝度値の加算の行程の順序を左端下辺(座標:x60,y60)から左端上辺(座標:x60,y69)、としたが、右端(座標:x69)から始めても、また上辺(座標:y69)から始めてもよい。
【0075】
路面よりも相対的に輝度値が高い領域は、左レーン361i、361j、及び右レーン363i、363jである。よって、左レーン361i、361jのレーン幅の間(x61とx62の間)の輝度値は、路面と比べ大きな値を示す。同様に、右レーン363i、363jのレーン幅の間(x64とx65の間)の輝度値も大きな値を示す。
【0076】
第二輝度分布グラフ643には、前述の通り、二値化のための閾値690が設けられている。合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、第二輝度分布グラフ643で示されたx軸上の各座標での輝度値が、閾値690を超えるかどうかを判定する。あるx軸上の座標の輝度値が閾値690を超える場合は1を、超えない場合は0を、第二特徴値グラフ653上に記録する。この行程を、第二特徴値計算鳥瞰画像633の左端であるx60から右端であるx69まで、一画素毎に行うことで、第二特徴値計算鳥瞰画像633の、x軸方向の輝度値を二値化できる。輝度値を二値化したものを特徴値とし、これを示したグラフが、第二特徴値グラフ653である。第二特徴値グラフ653では、左レーン361i、361jのレーン幅の間(x61とx62の間)と、右レーン363i、363jのレーン幅の間(x64とx65の間)において、輝度値が閾値690を超えるため、1となる。その他の路面部分は、0となる。
【0077】
図6(c)は、第三合成鳥瞰画像525上の第三特徴値計算領域535から、特徴値を計算するまでの処理を示す模式図である。図6(c)の上段には、第三合成鳥瞰画像525において、第三特徴値計算領域535に囲まれた部分である、第三特徴値計算鳥瞰画像635が示されている。第三特徴値計算鳥瞰画像635には、左レーン361p、361q、及び右レーン363p、363qが写っている。中段には、第三特徴値計算鳥瞰画像635を基に計算される、輝度値のx方向の分布と輝度値の大きさを表す第三輝度分布グラフ645が示されている。また、第三輝度分布グラフ645には、輝度を二値化するための閾値690が示されている。下段には、第三輝度分布グラフ645を基に、輝度のx方向の分布を二値化した第三特徴値グラフ655が示されている。
【0078】
合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、第三特徴値計算鳥瞰画像635において、左端下辺(座標:x60,y60)から左端上辺(座標:x60,y69)までの各画素の輝度値を加算し、総和を求める。総和の値を、x座標がx60のときの輝度値として、第三輝度分布グラフ645上に記録する。この行程を、第三特徴値計算鳥瞰画像635の左端であるx60から右端であるx69まで一画素毎に行うことで、第三特徴値計算鳥瞰画像635のx軸方向の輝度値の分布が示される。この輝度値の分布を示したグラフが、第三輝度分布グラフ645である。なお、輝度値を求める際に、本実施形態では、輝度値の加算の行程の順序を左端下辺(座標:x60,y60)から左端上辺(座標:x60,y69)、としたが、右端(座標:x69)から始めても、また上辺(座標:y69)から始めてもよい。
【0079】
路面よりも相対的に輝度値が高い領域は、左レーン361p、361q、及び右レーン363p、363qである。よって、左レーン361p、361qのレーン幅の間(x61とx62の間)の輝度値は、路面と比べ大きな値を示す。同様に、右レーン363p、363qのレーン幅の間(x64とx65の間)の輝度値も大きな値を示す。
【0080】
第三輝度分布グラフ645には、前述の通り、二値化のための閾値690が設けられている。合成鳥瞰画像特徴値計算部130は、第三輝度分布グラフ645で示されたx軸上の各座標での輝度値が、閾値690を超えるかどうかを判定する。あるx軸上の座標の輝度値が閾値690を超える場合は1を、超えない場合は0を、第三特徴値グラフ655上に記録する。この行程を、第三特徴値計算鳥瞰画像635の左端であるx60から右端であるx69まで、一画素毎に行うことで、第三特徴値計算鳥瞰画像635の、x軸方向の輝度値を二値化できる。輝度値を二値化したものを特徴値とし、これを示したグラフが、第三特徴値グラフ655である。第三特徴値グラフ655では、左レーン361p、361qのレーン幅の間(x61とx62の間)と、右レーン363p、363qのレーン幅の間(x64とx65の間)において、輝度値が閾値690を超えるため、1となる。その他の路面部分は、0となる。
【0081】
図7は、平均計算部135が、合成鳥瞰画像特徴値計算部130の出力である、各特徴値計算鳥瞰画像から計算した特徴値を入力として、特徴値平均710を計算するまでの処理を示す模式図である。これは、図2においてステップS260に対応する。
【0082】
図7の上段には、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された、第一特徴値グラフ651、第二特徴値グラフ653、及び第三特徴値グラフ655が示されている。図7の中段には、特徴値平均計算部135が、入力の特徴値グラフを基に計算した、特徴値合算グラフ700が示されている。図7の下段には、特徴値平均計算部135が、特徴値合算グラフ700を基に計算した、特徴値平均グラフ710が示されている。
【0083】
特徴値平均計算部135は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された、第一特徴値グラフ651、第二特徴値グラフ653、及び第三特徴値グラフ655を入力とする。入力された三つの特徴値グラフに対し、特徴値平均計算部135は、それぞれの特徴値グラフの、x軸上のある座標xαにおける特徴値を合算し記憶する。例えば、x座標がx61とx62の間では、入力である三つの特徴値グラフのいずれも特徴値は1であるので、合算した結果は3となる。一方、x座標がx63とx64の間では、第一特徴値グラフ651においては1であるが、第二特徴値グラフ653、及び第三特徴値グラフ655では0であるため、合算した結果は1となる。この行程を、左端の座標であるx60から、右端の座標であるx69まで一画素ごとに実行し記憶する。この結果得られるグラフが、図7の中段に示された、特徴値合算グラフ700である。
【0084】
次に、特徴値平均計算部135は、前述の行程で得られた特徴値合算グラフ700を用いて、座標xαにおける特徴値の合算を、基点の数で割る。本実施形態では、基点の数は3であるので、各特徴値の合算を3で割る。この行程を、左端の座標であるx60から、右端の座標であるx69まで一画素ごとに実行し記憶する。この行程により、複数の合成鳥瞰画像上の特徴値計算領域から得られた、特徴値の平均のx軸方向の分布が得られる。
【0085】
次に、特徴値平均計算部135は、得られた座標xαにおける特徴値の平均が、1であるか否かを調べる。座標xα上に、道路標示が存在する場合、雨滴の影響の有無に拘らず、合成鳥瞰画像上の全ての特徴値計算領域において高い輝度を示す。よって、座標xα上での特徴値の平均は1を示す。一方で、座標xα上に、道路標示が存在しないが、雨滴の影響により、ある特徴値計算領域においてのみ輝度が検出された場合、特徴値の平均は1未満で、且つ0で無い値となる。特徴値は二値化された値であるので、この場合、特徴値平均計算部135は特徴値の平均を0として記憶する。最後に、座標xα上に、道路標示が存在せず、かつ雨滴の影響も無い場合は、特徴値の合算が0であるので、特徴値の平均も0となる。この行程を、左端の座標であるx60から、右端の座標であるx69まで一画素ごとに実行し記憶する。これにより、複数の合成鳥瞰画像上の特徴値計算領域から得られた、二値化された特徴値の平均のx軸方向の分布が得られる。この二値化された特徴値の平均のx軸方向の分布を示したグラフが、特徴値平均グラフ710である。特徴値平均計算部135は、この特徴値平均グラフ710を出力とする。なお、本実施形態では、特徴値の合算と平均の計算を行う際に、計算の順序を、左端であるx60から右端であるx69まで、としたが、右端であるx69から左端であるx60までとしてもよい。
【0086】
図8は、特徴値比較部140が、合成鳥瞰画像特徴値計算部130が計算した複数の特徴値グラフと、特徴値平均計算部135が計算した特徴値平均710を入力として、レンズの付着物による影響を受けた特徴値を除外するまでの処理を示す模式図である。これは、図2においてステップS270に対応する。
【0087】
図8(a)は、特徴値比較部140が、第一特徴値グラフ651と特徴値平均710を比較し、第一特徴値グラフ651がレンズの付着物による影響を受けているかを判断する処理を示す模式図である。図8(a)の上段には、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された、第一特徴値グラフ651が示されている。中段には、特徴値平均計算部135から出力された、特徴値平均710が示されている。下段には何も示されていない。これは、特徴値比較部140が、第一特徴値グラフ651と特徴値平均710を比較した結果として、第一特徴値グラフ651が除外された結果を示している。
【0088】
特徴値比較部140は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された第一特徴値グラフ651と、特徴値平均計算部135から出力された特徴値平均710を入力とする。次に、特徴値比較部140は、入力である第一特徴値グラフ651と特徴値平均710を比較する。特徴値平均710は、x軸方向に任意の閾値±δを持っている。特徴値比較部140は、第一特徴値グラフ651と特徴値平均710の間に、この閾値±δ以上の差分がある場合、第一特徴値グラフ651は特徴値平均710から逸脱している、と判断する。第一特徴値グラフ651が、特徴値平均710から逸脱していなければ、第一特徴値グラフ651はレンズの付着物による影響を受けていないと判断される。一方で、第一特徴値グラフ651が、特徴値平均710から逸脱している場合、第一特徴値グラフ651はレンズの付着物による影響を受けていると判断される。
【0089】
ここで、第一特徴値グラフ651と特徴値平均710を比較する。左レーンの位置に対応する第一特徴値グラフ651の特徴値は、座標x61とx62の間に位置しており、特徴値平均710の示す特徴値±δの座標であるxth1とxth2の範囲から逸脱していない。一方で、右レーンの位置に対応する特徴値は、第一特徴値グラフ651では座標x63とx66の間に位置しているのに対し、特徴値平均710では座標x64とx65の間に位置している。第一特徴値グラフ651の示す特徴値は、特徴値平均710の示す特徴値±δの座標であるxth3とxth4の範囲から逸脱している。よって、特徴値比較部140は、第一特徴値グラフ651がレンズの付着物の影響を受けていると判断する。この判断に基づき、特徴値比較部140は、第一特徴値グラフ651を、路面情報を認識するための候補から除外する。これは、第一特徴値グラフ651生成の際に基となった、第一合成鳥瞰画像521が除外されたことを意味する。第一特徴値グラフ651を除外した結果として、特徴値比較部140は何も出力せず、図8(a)の下段は空白となっている。
【0090】
図8(b)は、特徴値比較部140が、第二特徴値グラフ653と特徴値平均710を比較し、第二特徴値グラフ653がレンズの付着物による影響を受けているかを判断する処理を示す模式図である。図8(b)の上段には、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された、第二特徴値グラフ653が示されている。中段には、特徴値平均計算部135から出力された、特徴値平均710が示されている。下段には、特徴値比較部140が、第二特徴値グラフ653と特徴値平均710を比較した結果として、再度第二特徴値グラフ653が示されている。
【0091】
特徴値比較部140は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された第二特徴値グラフ653と、特徴値平均計算部135から出力された特徴値平均710を入力とする。次に、特徴値比較部140は、入力である第二特徴値グラフ653と特徴値平均710を比較する。特徴値平均710は、x軸方向に任意の閾値±δを持っている。特徴値比較部140は、第二特徴値グラフ653と特徴値平均710の間に、この閾値±δ以上の差分がある場合、第二特徴値グラフ653は特徴値平均710から逸脱している、と判断する。第二特徴値グラフ653が、特徴値平均710から逸脱していなければ、第二特徴値グラフ653はレンズの付着物による影響を受けていないと判断される。一方で、第二特徴値グラフ653が、特徴値平均710から逸脱している場合、第二特徴値グラフ653はレンズの付着物による影響を受けていると判断される。
【0092】
ここで、第二特徴値グラフ653と特徴値平均710を比較する。左レーンの位置に対応する第二特徴値グラフ653の特徴値は、座標x61とx62の間に位置しており、特徴値平均710の示す特徴値±δの座標であるxth1とxth2の範囲から逸脱していない。一方で、右レーンの位置に対応する特徴値も、第二特徴値グラフ653では座標x64とx65の間に位置しており、特徴値平均710の示す特徴値±δの座標であるxth3とxth4の範囲から逸脱していない。よって、特徴値比較部140は、第二特徴値グラフ653がレンズの付着物の影響を受けていないと判断する。この判断に基づき、特徴値比較部140は、第二特徴値グラフ653を、路面情報を認識するための候補として保持する。これは、第二特徴値グラフ653生成の際に基となった、第二合成鳥瞰画像523が保持されたことを意味する。第二特徴値グラフ653を保持した結果として、図8(b)の下段には、再度第二特徴値グラフ653が示されている。この第二特徴値グラフ653を、特徴値比較部140の出力とする。
【0093】
図8(c)は、特徴値比較部140が、第三特徴値グラフ655と特徴値平均710を比較し、第三特徴値グラフ655がレンズの付着物による影響を受けているかを判断する処理を示す模式図である。図8(c)の上段には、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された、第三特徴値グラフ655が示されている。中段には、特徴値平均計算部135から出力された、特徴値平均710が示されている。下段には、特徴値比較部140が、第三特徴値グラフ655と特徴値平均710を比較した結果として、再度第三特徴値グラフ655が示されている。
【0094】
特徴値比較部140は、合成鳥瞰画像特徴値計算部130から出力された第三特徴値グラフ655と、特徴値平均計算部135から出力された特徴値平均710を入力とする。次に、特徴値比較部140は、入力である第三特徴値グラフ655と特徴値平均710を比較する。特徴値平均710は、x軸方向に任意の閾値±δを持っている。特徴値比較部140は、第三特徴値グラフ655と特徴値平均710の間に、この閾値±δ以上の差分がある場合、第三特徴値グラフ655は特徴値平均710から逸脱している、と判断する。第三特徴値グラフ655が、特徴値平均710から逸脱していなければ、第三特徴値グラフ655はレンズの付着物による影響を受けていないと判断される。一方で、第三特徴値グラフ655が、特徴値平均710から逸脱している場合、第三特徴値グラフ655はレンズの付着物による影響を受けていると判断される。
【0095】
ここで、第三特徴値グラフ655と特徴値平均710を比較する。左レーンの位置に対応する第三特徴値グラフ655の特徴値は、座標x61とx62の間に位置しており、特徴値平均710の示す特徴値±δの座標であるxth1とxth2の範囲から逸脱していない。一方で、右レーンの位置に対応する特徴値も、第三特徴値グラフ655では座標x64とx65の間に位置しており、特徴値平均710の示す特徴値±δの座標であるxth3とxth4の範囲から逸脱していない。よって、特徴値比較部140は、第三特徴値グラフ655がレンズの付着物の影響を受けていないと判断する。この判断に基づき、特徴値比較部140は、第三特徴値グラフ655を、路面情報を認識するための候補として保持する。これは、第三特徴値グラフ655生成の際に基となった、第三合成鳥瞰画像525が保持されたことを意味する。第三特徴値グラフ655を保持した結果として、図8(c)の下段には、再度第三特徴値グラフ655が示されている。この第三特徴値グラフ655を、特徴値比較部140の出力とする。
【0096】
図9は、合成鳥瞰画像選出部145が、特徴値比較部140が出力した特徴値グラフを入力として、最も信頼性の高い特徴値グラフを選出し、選出された特徴値グラフに対応する合成鳥瞰画像を出力するまでの処理を示す模式図である。これは、図2においてステップS280に対応する。
【0097】
図9の上段には、特徴値比較部140から出力された、第二特徴値グラフ653、及び第三特徴値グラフ655が示されている。中段には、合成鳥瞰画像選出部145が選出した、第二特徴値グラフ653のみが示されている。下段には、合成鳥瞰画像選出部145が選出した第二特徴値グラフ653に対応する、第二合成鳥瞰画像523が示されている。
【0098】
合成鳥瞰画像選出部145は、特徴値比較部140がレンズの付着物による影響を受けていると判断した特徴値グラフを除外した後の、残りの全ての特徴値グラフを入力とする。前述の様に、第一特徴値グラフ651は雨滴の影響により除外されているので、第二特徴値グラフ653、及び第三特徴値グラフ655が、合成鳥瞰画像選出部145の入力となる。合成鳥瞰画像選出部145は、入力の特徴値グラフの中で、一番撮影装置110に近い特徴値計算領域から得られた特徴値グラフを選出する。これは、撮影装置110から生成された合成鳥瞰画像は、撮影装置110に近い領域から生成された合成鳥瞰画像ほど鳥瞰画像の信頼性が高いためである。ここで、合成鳥瞰画像選出部145の入力である第二特徴値グラフ653と第三特徴値グラフ655とを比較すると、第二特徴値グラフ653が、撮影装置110により近い特徴値計算領域から得られた特徴値グラフである。よって、合成鳥瞰画像選出部145は第二特徴値グラフ653を選出し、残りの特徴値グラフ全てを除外する。本実施形態においては、第三特徴値グラフ655が除外される。
【0099】
次に、合成鳥瞰画像選出部145は、選出した第二特徴値グラフ653の生成の際に基となった、第二合成鳥瞰画像523を記憶先である記憶装置199から読み出し、これを合成鳥瞰画像選出部145の出力とする。
【0100】
図10は、画像認識部150が、合成鳥瞰画像選出部145が出力した合成鳥瞰画像を入力として、道路標識を認識するまでの処理を示す模式図である。
【0101】
図10には、合成鳥瞰画像選出部145から出力された第二合成鳥瞰画像523、及び道路標示見本800が示されている。これは、図2においてステップS290に対応する。
【0102】
画像認識部150は、合成鳥瞰画像選出部145が選出した第二合成鳥瞰画像523を、記憶装置199に格納されている道路標示見本800と比較して、該当する道路標示を検索する。該当する道路標示が見つかった場合には、画像認識部150はその結果を外部表示装置(図示せず)に出力する。
【0103】
なお、本実施形態では、レンズの付着物を雨滴としたが、同じ手法を用いることで、レンズに汚れが付着している場合などでも、付着物の検知が可能である。例えば汚れの場合は、この汚れが道路標示を覆い隠してしまう場合、汚れの影響を受けた部分のみ輝度値、言い換えれば特徴値が観察されなくなる。もし、そこに道路標示が有った場合、他の汚れの影響が無い領域からの特徴値と異なる特徴値分布となるため、本発明の手法により、汚れなどによるレンズの付着物の影響も同様に除去ができる。
【0104】
以上から、本発明の実施形態である道路標示認識装置1000によって、従来技術では実現困難であった、撮影装置110のレンズに付着した雨滴や汚れの影響を回避できることがわかる。これは、鳥瞰画像上の複数の領域から、複数の合成鳥瞰画像を生成し、雨滴の汚れの影響を受けていない合成鳥瞰画像を選択することにより実現できる。つまり、雨滴、汚れが付着した撮影装置110のレンズ部分によって作成された合成鳥瞰画像を除外し、正常と判断した合成鳥瞰画像の中で、最も信頼性の高い合成鳥瞰画像を用いて画像認識を実行する。この結果、認識性能の低下、及び誤認識を防止できる効果がある。
【符号の説明】
【0105】
105 車両速度センサ部
110 撮影装置
115 画像変換部
120 抽出対象領域選択部
123 複数鳥瞰画像生成部
125 合成鳥瞰画像生成部
130 合成鳥瞰画像特徴値計算部
135 特徴値平均計算部
138 最適画像選定部
140 特徴値比較部
145 合成鳥瞰画像選出部
150 画像認識部
198 CPU
199 記憶装置
300 路面画像
301 第一基点
303 第二基点
305 第三基点
311 第一抽出対象領域
313 第二抽出対象領域
315 第三抽出対象領域
319 鳥瞰画像
337 第三合成部分画像425pの基点
339 第一合成鳥瞰画像521の左上の画像端の基点
351 雨滴
361 左レーン
361a、361b、361c、361d、361h、361i、361j、361k、361p、361q、361r、361s 合成部分画像の左レーン
363 右レーン
363a、363b、363c、363d、363h、363i、363j、363k、363p、363q、363r、363s 合成部分画像の右レーン
421 第一合成部分画像
421a、421b、421c、421d 時系列の第一合成部分画像
423 第二合成部分画像
423h、423i、423j、423k 時系列の第二合成部分画像
425 第三合成部分画像
425p、425q、425r、425s 時系列の第三合成部分画像
521 第一合成鳥瞰画像
523 第二合成鳥瞰画像
525 第三合成鳥瞰画像
531 第一特徴値計算領域
533 第二特徴値計算領域
535 第三特徴値計算領域
631 第一特徴値計算鳥瞰画像
633 第二特徴値計算鳥瞰画像
635 第三特徴値計算鳥瞰画像
641 第一輝度分布グラフ
643 第二輝度分布グラフ
645 第三輝度分布グラフ
651 第一特徴値グラフ
653 第二特徴値グラフ
655 第三特徴値グラフ
690 輝度を二値化するための閾値
700 特徴値合算グラフ
710 特徴値平均
800 道路標示見本
1000 道路標示認識装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置からの路面画像に基づいて、前記路面画像を鳥瞰画像に変換する画像変換部と、
前記鳥瞰画像を細分化して部分的な鳥瞰画像を生成し、前記部分的な鳥瞰画像を前記撮影装置の撮影する時間間隔毎に時系列順に合成し、複数の合成鳥瞰画像を生成する、複数鳥瞰画像生成部と、
前記複数の合成鳥瞰画像において、前記撮影装置がレンズに付着物を有するときの、付着物による前記複数の鳥瞰画像への影響の有無を検知し、前記付着物による影響が無い、或いは付着物による影響が所定の基準以下である前記合成鳥瞰画像の中から、所定の選定基準により信頼性の高い前記合成鳥瞰画像を選出する最適画像選定部とを具備する、
道路標示認識装置。
【請求項2】
請求項1に記載の道路標示認識装置において、
前記複数鳥瞰画像生成部は、
前記画像変換部の出力する前記鳥瞰画像に基づいて、前記鳥瞰画像上の一部分である合成部分画像を抽出するための領域である、抽出対象領域を複数選択する抽出対象領域選択部と、
複数の前記抽出対象領域にて抽出された複数の前記合成部分画像を、前記撮影装置の撮影間隔の時間毎に時系列順に合成することにより、複数の合成鳥瞰画像を生成し、前記複数の合成鳥瞰画像上に、前記合成鳥瞰画像の特徴値を求めるための複数の特徴値計算領域を設ける合成鳥瞰画像生成部とを具備する、
道路標示認識装置。
【請求項3】
請求項2に記載の道路標示認識装置において、
前記最適画像選定部は、
前記複数の特徴値計算領域から複数の前記特徴値を計算する合成鳥瞰画像特徴値計算部と、
前記複数の特徴値の平均を計算する特徴値平均計算部と、
前記複数の特徴値と、前記複数の特徴値の平均を比較し、前記複数の特徴値の平均から逸脱した特徴値を示す前記合成鳥瞰画像を除外する特徴値比較部と、
入力された前記複数の合成鳥瞰画像を比較し、所定の基準により最も信頼性の高い合成鳥瞰画像を選出する合成鳥瞰画像選出部とを具備する、
道路標示認識装置。
【請求項4】
請求項2乃至3のいずれか一項に記載の道路標示認識装置において、
前記抽出対象領域選択部は、前記鳥瞰画像上に複数の基点を設定し、前記複数の基点から、前記車両の走行速度に応じた距離までを、複数の前記抽出対象領域として選択する、
道路標示認識装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の道路標示認識装置において、
前記合成鳥瞰画像生成部は、前記複数の特徴値計算領域を設定するための基準点として、前記複数の合成鳥瞰画像上の前記複数の基点のうち、車両から最も遠い基点位置を用い、前記基準点から所定の距離までの前記複数の鳥瞰画像上で同一域での路面を、前記複数の合成鳥瞰画像上の前記複数の特徴値計算領域として設定し、設定された前記複数の特徴値計算領域は、各々同一の面積を有する、
道路標示認識装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の道路標示認識装置において、
前記特徴値は、前記合成鳥瞰画像の輝度値であり、前記合成鳥瞰画像特徴値計算部は、前記複数の特徴値計算領域から各々の前記輝度値を計算し、前記輝度値から、前記複数の合成鳥瞰画像の特徴値を二値化で計算する、
道路標示認識装置。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか一項に記載の道路標示認識装置において、
前記合成鳥瞰画像選出部は、車両から最も近い前記抽出対象領域から抽出された前記合成鳥瞰画像を選出する、
道路標示認識装置。
【請求項8】
撮影装置が撮影した路面画像を鳥瞰画像に変換するステップと、
前記鳥瞰画像を細分化し部分的な鳥瞰画像を生成するステップと、
前記部分的な鳥瞰画像を前記撮影装置の撮影する時間間隔毎に時系列順に合成し、複数の合成鳥瞰画像を生成するステップと、
前記複数の合成鳥瞰画像において、前記撮影装置が付着物を有するときの、付着物の影響の有無を検知するステップと、
前記付着物による影響が無い、或いは前記付着物による影響が所定の基準以下である前記合成鳥瞰画像の中から、所定の選定基準により信頼性の高い前記合成鳥瞰画像を選出するステップとを具備する、
道路標示の認識方法。
【請求項9】
請求項8に記載の道路標示の認識方法において、
前記鳥瞰画像を細分化し部分的な鳥瞰画像を生成するステップは、前記鳥瞰画像に複数の基点を設定し、車両の走行速度から前記撮影装置の撮影する時間間隔までの間に車両が走行する距離を計算し、前記複数の基点から、前記車両が走行する距離までの複数の領域を複数の抽出対象領域とし、前記複数の抽出対象領域にて前記鳥瞰画像上の一部分である合成部分画像を生成する、
道路標示の認識方法。
【請求項10】
請求項8乃至9のいずれか一項に記載の道路標示の認識方法において、
前記部分的な鳥瞰画像を前記撮影装置の撮影する時間間隔毎に時系列順に合成し、複数の合成鳥瞰画像を生成するステップは、前記複数の合成鳥瞰画像を生成した後、複数の特徴値を計算するための領域を設定するための基準点として、前記複数の合成鳥瞰画像上の前記複数の基点のうち、車両から最も遠い基点位置を用い、前記基準点から所定の距離までの前記複数の鳥瞰画像上で同一域での路面を、前記複数の合成鳥瞰画像上の複数の特徴値計算領域として設定する、
道路標示の認識方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の道路標示の認識方法において、
前記複数の合成鳥瞰画像において、前記撮影装置が付着物を有するときの、付着物の影響の有無を検知するステップは、前記複数の合成鳥瞰画像から前記複数の特徴値を計算し、前記複数の特徴値から特徴値の平均を計算し、前記複数の特徴値と前記特徴値の平均を比較し、前記特徴値の平均から所定の閾値以上の差分を持つ特徴値を示す前記合成鳥瞰画像を、付着物の影響を有すると判断する、
道路標示の認識方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一項に記載の道路標示の認識方法において、
前記複数の合成鳥瞰画像において、前記撮影装置が付着物を有するときの、付着物の影響の有無を検知するステップは、前記複数の特徴値計算領域から、各々の輝度分布を計算する、
道路標示の認識方法。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか一項に記載の道路標示の認識方法において、
前記付着物による影響が確認されなかった前記合成鳥瞰画像の中から、所定の基準により最も信頼性の高い前記合成鳥瞰画像を選出するステップは、車両から最も近い前記抽出対象領域から抽出された前記合成鳥瞰画像を選出する、
道路標示の認識方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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