説明

遠心分離機用ロータ及び遠心分離機

【課題】
液体試料を入れるチューブに全長が長いものを使用しても、ロータの大きさの増加を抑えることができる遠心分離機及び遠心分離機用ロータを提供する。
【解決手段】
遠心分離機の駆動装置の回転軸に装着されるものであって、試料を入れる容器4を円周方向に等間隔に複数収容するための保持穴3を有するロータ1において、保持穴1は上向きに開口部を有する略円柱形状であり、保持穴は、長手方向中心軸が上側に行くに従い回転軸に近づき、長手方向中心軸が円周方向に傾くように配置されるように構成した。このロータは、複数の保持穴の開口部の外周側を覆い上方に伸びる円筒形のガイド部を有し、ガイド部の内周側には、収容される容器を保持するための保持壁が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学、薬学、遺伝子工学等の分野で使用されている遠心分離機に関し、特に液体試料を入れる容器が収容されるロータの外形をコンパクトにした遠心分離機用ロータ及びそれを用いた遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
液体試料の分離に使用される遠心分離機は、内部に液体試料をいれる容器(チューブを複数収容可能なロータを、モータなどの駆動手段を備えたロータ室内で大気圧下または減圧下で高速回転することによって、チューブ内の液体試料を遠心分離するものである。
【0003】
高速回転体であるロータには、チューブを保持するための複数の穴が形成される。このチューブを保持するための穴は、穴の底部に比べて開口部が回転中心に近づくように、ある一定の角度で径方向にねかせた状態で配置される。また、複数の穴は、特許文献1に記載のように、円周方向に均等に配置し、穴の底部が半径方向外周へ放射状に広がるような構造とされるのが一般的であり、収容されるチューブが、隣接する穴に収容されるチューブと干渉しないように、穴の角度を変化させたり、穴の位置を回転中心に対して半径方向にずらして配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された遠心分離機では、ロータの大きさは、収容されるチューブの形状だけでなく、遠心分離機内のロータ室の大きさによって制限される。特に、全長が長いチューブを収容するためには、隣接するチューブと干渉するのを避けるためロータの外形を大きくし高さを高くしなければならない。また、回転中心軸に対して半径方向外側にチューブを保持する穴をずらして隣接するチューブの干渉を避けようとすると、全長が長いチューブを用いる場合にはロータの最外径がさらに大きくなってしまう。一方、ロータの最外径の増加を抑えようとすると、隣接するチューブの干渉を避けるため、チューブを保持する穴の角度を回転中心軸に対して立たたせる必要があるが、チューブ全長が長いためにロータの高さが増加してしまう。このため、ロータ室の大きさの制限により、遠心分離機に目的の長さのチューブを収容できるロータが装着できず、そのチューブの使用を断念せざるを得ない場合がでてくる。
【0006】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、試料を入れるチューブに全長が長いものを使用しても、ロータの大きさの増加を抑えることができる遠心分離機用ロータ及びそれを用いた遠心分離機を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、遠心分離時間の短縮を図ることができる改良された形状を有する遠心分離機用ロータ及びそれを用いた遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
【0009】
本発明の一つの特徴によれば、遠心分離機の駆動装置の回転軸に装着されるものであって、試料を入れる容器を円周方向に等間隔に複数収容するための保持穴を有する遠心分離機用ロータにおいて、保持穴は上向きに開口部を有する略円柱形状であり、保持穴は、長手方向中心軸が上側に行くに従い回転軸に近づき、長手方向中心軸が円周方向に傾くように配置されるように構成した。このロータは、複数の保持穴の開口部の外周側を覆い上方に伸びる円筒形のガイド部を有し、ガイド部の内周側には、収容される容器を保持するための保持壁が形成される。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、ロータに収容できる最大長さの容器を保持穴に収容した際に、上面視において円周方向に隣接する容器が部分的に重なって配置されるように保持穴を形成した。部分的に重なる領域は、容器の上端開口部の一部と隣接する容器の本体部分である。また長手方向中心軸が円周方向に傾く方向は、容器の上端開口部がロータの回転方向と同一方向に傾くように構成とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ロータの保持穴は、長手方向中心軸が上側に行くに従い回転軸に近づき、長手方向中心軸が円周方向に傾くように配置したので、収容される容器(チューブ)を保持する穴をらせん状にねじるように配置することで、ロータの大きさの増加を極力抑えることができ、既存の遠心分離機のロータ室の大きさ内で、より全長が長い容器を使用することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明によれば、ロータには、複数の保持穴の開口部の外周側を覆い上方に伸びる円筒形のガイド部が形成されるので、ロータの内側に容器全体を収容することができ、容器を安定して保持することができる。また、ガイド部を設けたのでその上部にロータカバーを装着することも可能となる。
【0013】
請求項3の発明によれば、ガイド部の内周側には、収容される容器を保持するための保持壁が形成されるので、遠心分離による遠心力で容器が破損することを防止できる。
【0014】
請求項4の発明によれば、ロータに収容できる最大長さの容器を保持穴に収容した際に、上面視において円周方向に隣接する容器が部分的に重なって配置されるので、限られた空間内に効率よく複数の容器を配置することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、部分的に重なる領域は、容器の上端開口部の一部と隣接する容器の本体部分であるので、重なりの領域が過度に大きくならず、保持穴への容器の装着および脱着作業を妨げることが無く、使い勝手の良いロータを実現できる。
【0016】
請求項6の発明によれば、長手方向中心軸が円周方向に傾く方向は、容器の上端開口部がロータの回転方向と同一方向に傾く方向であるので、ロータの回転の加速時においても容器に収納されている試料が開口部方向に偏ることがなく、試料の乱れを抑えることができる。
【0017】
請求項7の発明によれば、いずれか一項の遠心分離機用ロータを用いた遠心分離機であるので、限られたロータ室であっても従来と比べて長めの容器を用いることができる遠心分離機を実現できる。
【0018】
請求項8の発明によれば、ロータには着脱可能なカバーが設けられるので、例えばロータ室を減圧した場合に容器に収納されている試料が配置されている試料室を大気圧に維持することができる。また、遠心分離機を大気中で運転させる場合は、風損の低減が図ることが可能になる。
【0019】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例に係る遠心分離機用ロータの基本構造を示すための簡易モデルである。
【図2】本発明の実施例に係るロータ1の半周分の斜視図である
【図3】本発明の実施例に係るロータ1の断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るロータ1の上面図であり、チューブ4をセットした状態を示す。
【図5】従来例によるロータ101の半周分の斜視図を示す。
【図6】従来のロータ101の上面図であり、チューブ4をセットした状態を示す。
【図7】本発明の実施例に係る遠心分離機の全体構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
【0022】
最初に、本発明の実施例に係る遠心分離機の全体構造を図7を用いて説明する。図7は遠心分離機9の縦断面図である。遠心分離機9は、矩形箱型の筐体10を備え、内部には水平な仕切り板11によって上下2段の空間に仕切られる。上段の空間には、上面が開口する円筒状のチャンバ12が収容され、チャンバ12の周囲は断熱部13と防護壁14が配置される。チャンバ12とその上側に設けられる開閉可能なドア15によって、密閉されたロータ室16が形成され、このロータ室16内にロータカバー17が備えられたロータ1が回転可能に収容される。ロータカバー17にはノブ25が回転可能に取付けられており、ロータ1のねじ部1aにノブ25のねじ部25aを締めこむことによってロータカバー17はロータ1に取付けられる。ドア15の上部には、タッチ式の液晶表示装置等の操作・表示部18が設けられる。筐体10内の下段には、駆動装置が仕切り板11に取付けられており、駆動装置は、駆動源となる電気式のモータ21と、モータ21を収容するハウジング20を含んで構成される。モータ21の垂直上方に延びる駆動軸22は、チャンバ12の底部に形成される開口部を貫通してロータ室16内に延び、駆動軸22の上端部にはロータ1を着脱可能に装着するための嵌合部24が配置される。チャンバ12の開口部は、シールラバー23によって塞がれ、ロータ室16内の冷気が外部に漏れないように、又は、外気がロータ室に入り込まないように構成される。尚、図7では図示していないが、遠心分離機9は、モータ21の回転の制御や、操作・表示部18からの操作の入力、及び、操作・表示部18への情報の表示を行うための制御部を有する。制御部は遠心分離機9の全体の制御を行うもので、例えばマイクロプロセッサを含んで構成される。さらに、図示されていないが、ロータ室16内を減圧するための真空ポンプを備えている場合もある。
【0023】
図1は、本実施例に係る遠心分離機用ロータの基本構造を示すための簡易モデルである。この簡易モデルにおいては、ロータの形状を円柱形の1/4周分の断面で示し、チューブを入れるための穴を1つだけ図示している。図1において、実線で示す形状が従来技術によるロータ101の形状モデルであり、点線で示すのが本実施例に係るロータ1の形状モデルである。
【0024】
従来のロータ101のチューブを保持するための穴103は、その長手方向の中心軸103aがロータ101の回転中心軸2に対して上側を内周側に寝かせるような配置され、回転中心軸2からみると、穴の底部がロータ外周方向に離れるように形成される。つまり、チューブの底部(又はその近傍で、例えば互いに90度の角をなす法線の交差点)の基準点3dを基準とすると、穴103の長手方向中心軸103aが回転中心軸となす角が所定の角度aとなるように形成される。このように形成することによって、ロータ101が高速回転した際に、その遠心力によりチューブ内の試料の質量の重い成分が底部(外周側)に移動することが可能になる。
【0025】
本実施例におけるチューブを保持するための穴3は、その長手方向中心軸3aが回転中心軸2に対して半径方向に一定の角度aの傾斜を保ちつつ、さらに円周方向に角度bだけ倒すように配置される。このように半径方向への傾斜(角度a)に加えて、円周方向にも傾斜(角度b)させることにより、同じ長さのチューブが入る穴を形成する場合に、従来のロータ101の際に必要な高さよりも、角度bの傾斜によって低くできた高さcの分だけ低くすることができる。このことは、逆に言えばロータ1の高さ制限が従来と同じである場合には、従来のロータ101に比べてより長いチューブを収容できるということを意味する。
【0026】
図2は本発明の実施例に係るロータ1の半周分の斜視図である。チューブを保持するための穴3は図1のモデルで示したように、一定角度aで回転中心2へ寝かせるだけでなく、さらにロータの円周方向へ角度bで傾けた状態で均等に配置される。またロータ1の上下方向中央付近に平坦部1bが形成され、ロータ1の上側半分の内周側が空洞になっている。これは、この部分を空洞にすることにより使用者がチューブを容易に装着及び脱着することができるようにするためである。平坦部1bの外周側に形成される穴3の開口部は、図2の網掛け部3bで示す部分で、その数は合計8つであり8本のチューブ(図示せず)が収容可能である。
【0027】
ロータ1の上端部1aは、内周側の上面視形状あるいは回転軸方向に鉛直な断面が真円でなく、穴3の開口部(3b)から連続的に延長して構成される円弧状の切り欠き3aが8箇所形成される。この切り欠き3aは、上側からチューブを挿入する際のガイドとなり、遠心分離による遠心力が作用した際に容器に係る遠心力を外周側から保持する役目を果たす。また。切り欠き3aを設けたことにより上面1aの外径をできるだけ小さく構成することができる。尚、穴3の開口部である網掛け部3bは、図2では説明の便宜上円形の網掛けをかけてその位置を明示しているが、必ずしも開口部と切り欠き3aの境界が明確なわけではない。
【0028】
ロータ1の下端部は、モータ等の駆動装置の回転軸(図示せず)に装着するための装着穴1dが形成される。ロータ1は回転軸に対して着脱可能であり、その固定の仕方は、遠心コマ等、公知の固定方法を用いることができる。装着穴1dの上部には、ロータ1の上部カバー(図示せず)を固定するためのネジ穴1cが形成されるが、ネジ穴1cを設けるか否かは任意である。
【0029】
図3は本発明の実施例に係るロータ1の断面図である。本図においては、穴3にサンプルを入れたチューブ4をセットした状態を示す。R1はチューブ4を保持する穴3の回転中心軸2からの最大半径を、R2はロータ1の回転中心軸2からの最大半径を表している。ロータ1は、回転時の慣性を小さくするためにできるだけ軽くて小さくする方が好ましい。一方、遠心分離のためには、チューブ4を保持する穴3の半径R1ができるだけ大きい方が好ましい。この背反する要求を満たすために、ロータ1の下側の半径R2に対して、上端部の半径R4を絞って外形をできるだけコンパクトにしている。H1はロータ1の高さであり、H2はロータ1の高さ方向の重心高である。ロータ1は、例えばアルミニウムやチタニウム等の金属により形成される。
【0030】
ロータ1は上下方向に見て、下側半分が穴3の形成される保持部、上側半分の内部が空洞である円筒形状のガイド部6の2つの基本部分により構成される。ここで、本実施例におけるロータ1では、チューブ4を装着した際にチューブ4の上端部はロータ1の高さH1内に収まる。そのため、必要に応じて図示しないロータカバーをロータ1の上部に装着することが可能である。
【0031】
図4は本実施例のロータ1の上面図であり、図3と同様にチューブ4をセットした状態を示す。R1は穴3の最外位置の半径であり、この半径はチューブ4の最外位置の半径と同じである。R3は、装着されたチューブ4の場合の最内位置の半径である。本実施例において特徴的なことは、図1の角度aだけでなく、円周方向に角度bだけ傾けて形成したことである。傾ける方向は、図中の矢印で示したロータ1の回転方向(上面視で反時計回り)と、チューブの上端の開口がロータ1の回転方向と同一方向に傾く方向である。このように穴3をらせん状にねじるように配置したので、上から見ると(上面視)隣接するチューブ4と重なる部分が生ずる。この重なる部分は、網掛け8で示した部分であり、穴3に収容できる最大長のチューブ4をセットした際に、チューブ4の上端開口の部分領域が重なるように形成すると、装着の容易性を確保しつつスペース効率の良い配置をすることができる。
【0032】
次に比較のために、図5において従来例によるロータ101の半周分の斜視図を示す。ロータ1の最大半径R2、チューブ4を保持する穴103の最大半径R1を図3と同じとし、同一のチューブ4をセットできるようにすると、ロータ101の上端部の半径R6は、図3のR4に対して小さくなる。そして、ロータ101の高さH3は、図3の高さH1よりも高くなる。また、従来例によるロータ101では、円周方向には傾けていないためチューブ4の最内位置の半径R5は図3のR3に比べて小さくなる。ロータ101の高さ方向の重心高H4は、図3に示す本実施例のロータ1の重心高H2に比べて高くなる。
【0033】
図6は従来のロータ101の上面図であり、図5と同様にチューブ4をセットした状態を示す。R1は穴3の最外位置の半径であり、この半径はチューブ4の最外位置の半径と同じである。R5はチューブ4の最内位置の半径である。従来のロータ101においては、図1の角度aだけで、円周方向の角度は0なので、上から見たとき(上面視)に隣接するチューブ4が重なる部分は生じない。図3〜6で説明したように、H1<H3、H2<H4、R3>R5の関係となることから、限られた径、高さにおいては、本実施形のロータ1の方がコンパクトで低重心に構成することができる。
【0034】
遠心分離機において試料を分離する時間は、ロータ1、101にサンプルの入ったチューブ4をセットした際の、サンプルの移動距離(=最小半径と最大半径の差)に関係し、移動距離が短いほど短縮される。図4に示す本実施例において、キャップ等により密閉可能なチューブ4に液体試料を最大容量入れた場合で考えると、サンプルの最小半径はR3、最大半径はR1であるため、サンプルを分離する距離は、R1−R3となる。一方、図6においてはサンプルを分離する距離は、R1−R5となる。前述したようにR3>R5の関係があるため、本発明の実施例によるロータ1は、試料の分離時間に対しても有利である。
【0035】
遠心分離機の回転制御において、ロータ1の回転の加速と減速は、穴3を円周方向に傾けたことによる影響を考慮した上で制御することが重要である。
【0036】
以上の説明から明らかなように、本実施例によるロータ1では、従来のロータ101に比べてチューブを保持するための穴3の配置方法が異なるだけなので、従来のロータ101と同等の高速回転での分離が、チューブ4の全長がより長いものに対しても可能となる。また、液体試料の分離層の状態も従来のロータと変わりないので目的の試料の回収も容易となる。さらに、同じ長さのチューブ4を用いる場合、ロータ1の高さH1が低くなるだけでなく、重心高H2も低くなるので、ロータ1を高速回転させたときの回転安定性も向上する。
【0037】
以上、本発明を示す実施例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、穴が円周方向に傾く方向は、ロータの回転方向と同一方向だけに限られずに、反対方向に傾けるように構成しても同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0038】
1 ロータ 1a (ロータの)上端部
1b (ロータの)平坦部 1c (ロータの)ネジ穴
1d (ロータの)装着穴 2 回転中心軸
3 (チューブを保持する)穴 3a (穴の長手方向)中心軸
3b (穴の)開口部 3c ガイド壁 3d 基準点
4 チューブ 4a (チューブの)開口部
5 (ロータの)保持部 6 (ロータの)ガイド部 8 網掛け領域
9 遠心分離機 10 筐体 11 仕切り板 12 チャンバ
13 断熱部 14 防護壁 15 ドア 16 ロータ室
17 ロータカバー 18 操作・表示部 20 ハウジング
21 モータ 22 駆動軸 23 シールラバー
24 嵌合部
R1 穴3の最大半径 R2 ロータ1の最大半径
R3 ロータ1に装着されたチューブ4の最内位置の半径
R4 ロータ1の上端部の半径
R5 ロータ101に装着されたチューブ4の最内位置の半径
R6 ロータ101の上端部の半径
H1 ロータ1の高さ H2 ロータ1の高さ方向の重心高

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機の駆動装置の回転軸に装着されるものであって、試料を入れる容器を円周方向に等間隔に複数収容するための保持穴を有する遠心分離機用ロータにおいて、
前記保持穴は上向きに開口部を有する略円柱形状であり、
前記保持穴は、長手方向中心軸が上側に行くに従い回転軸に近づき、長手方向中心軸が円周方向に傾くように配置されることを特徴とする遠心分離機用ロータ。
【請求項2】
遠心分離機用ロータは、前記複数の保持穴の開口部の外周側を覆い上方に伸びる円筒形のガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機用ロータ。
【請求項3】
前記ガイド部の内周側には、収容される前記容器を保持するための保持壁が形成されることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離機用ロータ。
【請求項4】
前記遠心分離機用ロータに収容できる最大長さの容器を前記保持穴に収容した際に、上面視において円周方向に隣接する容器が部分的に重なって配置されるように前記保持穴が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遠心分離機用ロータ。
【請求項5】
上面視において部分的に重なる前記領域は、前記容器の上端開口部の一部と隣接する容器の本体部分であることを特徴とする請求項4に記載の遠心分離機用ロータ。
【請求項6】
前記長手方向中心軸が円周方向に傾く方向は、前記容器の上端開口部が前記遠心分離機用ロータの回転方向と同一方向に傾く方向であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遠心分離機用ロータ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心分離機用ロータと、前記遠心分離機用ロータを回転させる駆動装置と、前記遠心分離機用ロータを収容するためのロータ室を有することを特徴とする遠心分離機。
【請求項8】
前記遠心分離機用ロータには、着脱可能なカバーが設けられることを特徴とする請求項7に記載の遠心分離機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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