説明

遠心分離装置および細胞分離方法

【課題】細胞へのダメージを抑制しつつ、短時間で細胞分離を行うことができる遠心分離装置および細胞分離方法を提供する。
【解決手段】相対回転可能に支持された軸体31およびハウジング32を有するロータリージョイント30と、軸体31を中心軸線回りに回転駆動するモータ40と、モータ40の回転軸に固定され該回転軸から半径方向外方に延びるアームと、該アームにより軸体31の半径方向外方に接続された消化容器10および洗浄容器20と、洗浄液を貯留する洗浄液バッグ50と、廃液を収容する廃液バッグ51と、これらを接続する流路13,15,23,25,41,42,53,55と、流路41,42に設けられたポンプ45,46と、各流路に設けられた弁61,62,63,64とを備える遠心分離装置1を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離装置および細胞分離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脂肪組織等の生体組織から細胞を分離する方法として、成分の密度差を利用して重力により層分離を行う方法や、フィルタを用いた分離方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/012480号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、重力による層分離を行う方法では、分離処理に長時間を要するという不都合がある。また、フィルタを用いた分離方法では、細胞がフィルタを通過する際に、フィルタのせん断力により、細胞にダメージを与えてしまうという不都合がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞へのダメージを抑制しつつ、短時間で細胞分離を行うことができる遠心分離装置および細胞分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様は、回転軸を有するモータと、該モータの回転軸に固定され該回転軸から半径方向外方に延びるアームと、該アームに周方向に等間隔をあけて半径方向に直交する軸線回りに揺動可能に支持された第1の容器および第2の容器と、該第1の容器および該第2の容器内の底部近傍に両端を開口させた第1の管路と、洗浄液を貯留する洗浄液容器と、該洗浄液容器と前記第1の管路の途中位置とに接続される第2の管路と、前記第1の管路における前記途中位置と前記第2の容器との間に設けられた第1のポンプと、前記第1の容器から前記第2の容器までの流路と前記洗浄液容器から前記第2の容器までの流路とを切り替え可能な流路切替手段と、前記第2の容器の深さ方向の途中位置に一端を開口させた第3の管路と、該第3の管路から流体を吸引する吸引手段とを備える遠心分離装置である。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、第1の容器に脂肪組織と消化酵素液との混合液を導入してモータの作動によりアームを回転させると、該アームに支持された2つの容器が半径方向に直交する軸線回りに揺動させられる。これにより、第1の容器内の混合液が攪拌され、消化酵素液内の消化酵素により脂肪組織が消化されて細胞懸濁液が生成される。細胞懸濁液は、脂肪組織よりも比重が重いので、遠心分離または静置により下層に沈降する。そこで、流路切替手段によって第1の容器から第2の容器までの流路を選択し、第1のポンプを駆動すると、第1の容器の底部近傍に開口する第1の管路を介して、細胞懸濁液が第2の容器へと移動される。
【0008】
そして、モータを作動させて第2の容器内の細胞懸濁液を遠心分離すると、第2の容器の底部最下層には比重の大きな細胞群が集められ、その上層には脂質や血漿等の上清が集められる。遠心分離された上清は、吸引手段により途中位置に開口する第3の管路を介して第2の容器の外部に排出される。そして、流路切替手段によって洗浄液容器から第2の容器までの流路に切り替えて、第1のポンプを駆動すると、洗浄液容器内の洗浄液が第2の管路および第1の管路を介して第2の容器内に導入され、細胞群が洗浄液によって再懸濁される。このように、遠心分離、上清の排出、洗浄液の供給を繰り返すことで、細胞群を洗浄して、含有されている不純物を除去することができる。
【0009】
以上のように、本発明によれば、フィルタ等を用いることなく、細胞懸濁液を細胞群と上清とに分離して、分離した細胞群を洗浄することができ、細胞にダメージを与えることなく、脂肪組織から高純度の細胞群を取り出すことができる。
【0010】
上記態様において、廃液を収容する廃液容器と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第1の容器との間と前記廃液容器とに接続される第4の管路とを備え、前記第3の管路の他端が、前記第1のポンプと前記第2の容器との間において前記第1の管路に接続され、前記流路切替手段は、さらに、前記第2の容器から前記廃液容器までの流路にも切り替え可能であることとしてもよい。
【0011】
このようにすることで、吸引手段として第1のポンプを用いることができ、流路切替手段により第2の容器から廃液容器までの流路に切り替えた状態で第1のポンプを駆動させることにより、第3の管路を介して第2の容器の途中位置から上清等の不要な流体を吸引することができる。
【0012】
上記態様において、前記第3の管路との接続部と前記第2の容器との間における前記第1の管路が、前記第2の容器内への給液方向のみに流体を流通させ、前記第3の管路が、前記第2の容器内からの排液方向のみに流体を流通させることとしてもよい。
【0013】
このようにすることで、第1のポンプの送液方向を切り替えて駆動させることにより、第1の管路を介して第2の容器の底部近傍から洗浄液を供給できるとともに、第3の管路を介して第2の容器の途中位置から上清を吸引することができる。
【0014】
上記態様において、前記第1の管路における前記途中位置と前記第1の容器との間に第2のポンプを備えることとしてもよい。
このようにすることで、第2のポンプを駆動させることにより、洗浄液容器から第2の管路および第1の管路を介して、第1の容器に洗浄液を供給することができる。これにより、第1の容器と第2の容器の重量を等しくして、第2の容器内に移動させた細胞懸濁液を遠心分離する際のバランスを保つことができる。
【0015】
上記態様において、前記第1の管路が、前記第1の容器内の途中位置に開口し前記第1の容器内への給液方向のみに流体を流通させる給液管路と、前記第1の容器内の底部近傍に開口し前記第1の容器内からの排液方向のみに流体を流通させる排液管路とに分岐することとしてもよい。
【0016】
このようにすることで、第2のポンプの送液方向を切り替えて駆動させることにより、給液管路を介して第1の容器の途中位置から洗浄液を供給できるとともに、排液管路を介して第1の容器内の底部近傍から流体を吸引することができる。
【0017】
上記態様において、前記流路切替手段が、前記第2の管路に設けられた第1の弁と、前記第4の管路に設けられた第2の弁と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第2の容器との間に設けられた第3の弁と、前記第1の管路における前記第2のポンプと前記第1の容器との間に設けられた第4の弁とを有することとしてもよい。
【0018】
このようにすることで、第1の弁および第2の弁を閉として第3の弁および第4の弁を開とすることにより、第1の容器から第2の容器までの流路を形成することができる。また、第2の弁および第4の弁を閉として第1の弁および第3の弁を開とすることにより、洗浄液容器から第2の容器までの流路を形成することができる。さらに、第1の弁および第4の弁を閉として第2の弁および第3の弁を開とすることにより、第2の容器から廃液容器までの流路を形成することができる。このように、各弁を開閉動作させることにより、流路を択一的に切り替えることができる。
【0019】
上記態様において、前記流路切替手段が、前記第2の管路に設けられた第1の弁と、前記第4の管路に設けられた第2の弁と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第2の容器との間に設けられた第3の弁と、前記第1の管路における前記第2の管路と前記第1の容器との間に設けられた第4の弁と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第3の弁との間と前記第4の弁と前記第1の容器との間とを接続するバイパス管路と、該バイパス管路に設けられた第5の弁とを有することとしてもよい。
【0020】
このようにすることで、第1の弁、第2の弁、および第5の弁を閉として第3の弁および第4の弁を開とすることにより、第1の容器から第2の容器までの流路を形成することができる。また、第2の弁、第4の弁、および第5を閉として第1の弁および第3の弁を開とすることにより、洗浄液容器から第2の容器までの流路を形成することができる。また、第1の弁、第4の弁、および第5の弁を閉として第2の弁および第3の弁を開とすることにより、第2の容器から廃液容器までの流路を形成することができる。さらに、第2の弁、第3の弁、および第4を閉として第1の弁および第5の弁を開とすることにより、洗浄液容器から第1の容器までの流路を形成することができる。このように、各弁を開閉動作させることにより、流路を択一的に切り替えることができる。
【0021】
本発明の第2の態様は、生体組織を必要成分と不要成分とに遠心分離して該必要成分を抽出する組織分離工程と、該組織分離工程により抽出された必要成分に消化酵素を作用させて細胞懸濁液を生成する組織消化工程と、該組織消化工程により生成された細胞懸濁液を上清と細胞群とに遠心分離して該細胞群を抽出する細胞分離工程と、該細胞分離工程により抽出された細胞群を遠心分離して濃縮する細胞濃縮工程と、該細胞濃縮工程により濃縮された細胞群を洗浄する細胞洗浄工程とを有する細胞分離方法である。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、組織分離工程により、脂肪組織等の生体組織を細胞群等の必要成分とチュメッセント等の不要成分とに遠心分離して、該必要成分を抽出することで、生体組織から不要成分を除去して、必要成分の純度を高めることができる。そして、組織消化工程により必要成分に消化酵素を作用させることで、消化酵素液により生体組織を消化させて、細胞懸濁液を生成することができる。そして、細胞分離工程により細胞懸濁液を脂質等の上清と細胞群とに遠心分離することで、細胞懸濁液から細胞群を抽出することができる。そして、細胞濃縮工程により細胞群を遠心分離して濃縮するとともに、細胞洗浄工程により細胞群を洗浄することで、細胞群に含まれている不要成分を低減して、高純度の細胞群を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、細胞へのダメージを抑制しつつ、短時間で細胞分離を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遠心分離容器の概略構成図である。
【図2】図1の遠心分離容器を用いた細胞分離方法を示すフローチャートである。
【図3】図1の遠心分離容器を用いた細胞分離方法を示すフローチャートである。
【図4】図2の組織分離工程の状態を説明する図である。
【図5】図2の組織分離工程の状態を説明する図である。
【図6】図2の組織消化工程の状態を説明する図である。
【図7】図2の細胞分離工程の状態を説明する図である。
【図8】図2の細胞分離工程の状態を説明する図である。
【図9】図2の細胞濃縮工程の状態を説明する図である。
【図10】図2の細胞濃縮工程の状態を説明する図である。
【図11】図3の細胞洗浄工程の状態を説明する図である。
【図12】図3の細胞洗浄工程の状態を説明する図である。
【図13】図3の細胞洗浄工程の状態を説明する図である。
【図14】図3の細胞洗浄工程の状態を説明する図である。
【図15】図3の細胞取出工程の状態を説明する図である。
【図16】図3の細胞取出工程の状態を説明する図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る遠心分離容器の概略構成図である。
【図18】図17の遠心分離容器を用いた細胞分離方法を示すフローチャートである。
【図19】図17の遠心分離容器を用いた細胞分離方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る遠心分離装置および細胞分離方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る遠心分離装置1は、例えば脂肪組織等の生体組織を成分毎に分離する装置であって、図1に示されるように、相対回転可能に支持された軸体31およびハウジング32を有するロータリージョイント30と、軸体31を中心軸線回りに回転駆動するモータ40と、モータ40の回転軸に固定され該回転軸から半径方向外方に延びるアーム(図示略)と、該アームにより軸体31の半径方向外方に接続された消化容器(第1の容器)10および洗浄容器(第2の容器)20と、洗浄液を貯留する洗浄液バッグ(洗浄液容器)50と、廃液を収容する廃液バッグ(廃液容器)51と、これらを接続する流路13,15,23,25,41,42,53,55と、各流路に設けられた弁(流路切替手段)61,62,63,64と、各部の動作を制御する制御部(図示略)とを主な構成要素として備えている。
【0026】
消化容器10および洗浄容器20は、周方向に等間隔をあけて配置され、アームにより、半径方向に直交する軸線回りに揺動可能に支持されている。したがって、モータ40を作動させてアームをモータ40の中心軸線回りに回転させると、消化容器10および洗浄容器20は、底部が半径方向外方に向かうように回転させられる。これにより、消化容器10および洗浄容器20は、内部に細胞懸濁液等を収容して回転させることで、細胞懸濁液に含まれている成分の比重の差によって、細胞懸濁液を細胞群と上清とに遠心分離するようになっている。
【0027】
消化容器10は、円筒状に形成され、一端が開口し他端がテーパ状に漸次先細になって閉塞された形状を有している。消化容器10は、開口部を閉塞する蓋体18を有している。蓋体18には、脂肪組織Aおよび消化酵素液Bを投入するための投入口17が設けられている。消化容器10の内部には、蓋体18の略中央から消化容器10の軸線に沿って延びた管路11,12が設けられている。管路11は消化容器10の途中位置に開口しており、管路12は消化容器10の底部近傍に開口している。
【0028】
管路11には流路15が、管路12には流路13がそれぞれ接続されている。流路13と流路15とは合流してロータリージョイント30の軸体31に接続されている。流路13,15にはそれぞれ逆止弁14,16が設けられており、流路13は消化容器10からの排液方向のみに、流路15は消化容器10への給液方向のみに流体を流通させるようになっている。
【0029】
洗浄容器20は、消化容器10と同様に、円筒状に形成され、一端が開口し他端がテーパ状に漸次先細になって閉塞された形状を有している。洗浄容器20は、開口部を閉塞する蓋体28を有している。蓋体28には、最終的な生成物である細胞群を取り出すための取出口27が設けられている。洗浄容器20の内部には、蓋体28の略中央から洗浄容器20の軸線に沿って延びた管路21,22が設けられている。管路22は洗浄容器20の途中位置に開口しており、管路21は洗浄容器20の底部近傍に開口している。
【0030】
管路21には流路25が、管路22には流路23がそれぞれ接続されている。流路23と流路25とは合流してロータリージョイント30の軸体31に接続されている。流路23,25にはそれぞれ逆止弁24,26が設けられており、流路23は洗浄容器20からの排液方向のみに、流路25は洗浄容器20への給液方向のみに流体を流通させるようになっている。
【0031】
ロータリージョイント30は、円筒形状の軸体31と、軸体31の外側に同心円に配置された円筒形状のハウジング32と、軸体31およびハウジング32を中心軸線回りに相対回転可能に支持する回転軸受33とを備えている。軸体31の内部には流路34,35が形成されており、これら流路34,35は軸体31およびハウジング32に開口している。
【0032】
流路13および流路15は、合流して軸体31に接続されており、軸体31の内部に形成された流路34を介して、流路42に接続されている。流路23および流路25は、合流して軸体31に接続されており、軸体31の内部に形成された流路35を介して、流路41に接続されている。
【0033】
流路41には弁(第3の弁)63およびポンプ(第1のポンプ)45が設けられており、流路42には弁(第4の弁)64およびポンプ(第2のポンプ)46が設けられている。ポンプ45,46は、双方向に送液ができるようになっている。流路41と流路42は、一旦合流した後に、流路53と流路55とに再度分岐する。
【0034】
流路53は廃液バッグ51に接続されており、その流路中には弁(第2の弁)62が設けられている。流路55は洗浄液バッグ50に接続されており、その流路中には弁(第1の弁)61が設けられている。
モータ40、弁61,62,63,64、およびポンプ45,46は、図示しない制御部によりその動作が制御されるようになっている。
【0035】
上記構成を有する遠心分離装置1において、制御部による各弁等の制御と、該制御により実行される細胞分離方法について、図2および図3に示すフローチャートに従って以下に説明する。
図2および図3に示されるように、本実施形態の遠心分離装置1を用いた細胞分離方法は、脂肪組織を脂肪(必要成分)とチュメッセント等(不要成分)とに遠心分離して脂肪を抽出する組織分離工程S1と、組織分離工程S1により抽出された脂肪に消化酵素を作用させて細胞懸濁液を生成する組織消化工程S2と、組織消化工程S2により生成された細胞懸濁液を脂質と細胞群とに遠心分離して細胞群を抽出する細胞分離工程S3と、細胞分離工程S3により抽出された細胞群を遠心分離して濃縮する細胞濃縮工程S4と、細胞濃縮工程S4により濃縮された細胞群を洗浄する細胞洗浄工程S5と、細胞洗浄工程S5により洗浄された細胞群を取り出す細胞取出工程S6とを主な工程として有している。
【0036】
上記の工程において実行される詳細な動作について以下に説明する。
組織分離工程S1においては、図4に示すように、まず、投入口17から消化容器10内に脂肪組織Aが投入される(S11)。次に、弁61開、弁62閉、弁63開、弁64閉となるように各弁を制御して、ポンプ45を動作させて洗浄液バッグ50から洗浄容器20に、脂肪組織Aと等量の洗浄液Dを供給する(S12)。これにより、消化容器10と洗浄容器20の重量を等しくして、消化容器10内の脂肪組織Aを遠心分離する際のバランスを保つことができる。
【0037】
次に、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う。すなわち、消化容器10内に脂肪組織Aを収容した状態で、消化容器10の底部が半径方向外方に向かうように回転させる。これにより、図5に示すように、脂肪組織Aの成分の比重によって、脂肪組織Aは、消化容器10の中で、脂肪A1、チュメッセントA2、赤血球A3の層に分離される(S13)。
【0038】
次に、図5に示すように、弁61閉、弁62開、弁63閉、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ46を動作させて消化容器10のチュメッセントA2、赤血球A3の層を廃液バッグ51に排液する(S14)。
このようにすることで、脂肪採取時に注入されるチュメッセントA2や脂肪組織Aに含まれている赤血球A3等の不要成分を除去することができ、必要成分である脂肪A1を効率的に分離することができる。
【0039】
組織消化工程S2においては、図6に示すように、まず、弁61開、弁62閉、弁63閉、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ46を動作させて洗浄液バッグ50から消化容器10に洗浄液Dを供給する(S21)。
【0040】
次に、図6に示すように、シリンジ70により、投入口17から脂肪A1を消化するための消化酵素液Bを注入する(S22)。この際、脂肪A1への異物や雑菌等の混入を防止するため、シリンジ70の出口側に滅菌フィルタ71をつけて使用する。
【0041】
次に、モータ40を動作させて、例えば0Gから20Gを1cycle/secで20分間繰り返すことで、消化容器10が揺動させられて、消化容器10の内部が撹拌される(S23)。これにより、消化酵素液Bに含まれている消化酵素により脂肪A1が分解され、細胞が脂肪A1から分離されて細胞懸濁液が生成される。
【0042】
細胞分離工程S3においては、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う。これにより、図7に示すように、消化容器10内の細胞懸濁液の成分の比重によって、細胞懸濁液は、消化容器10の中で、不要物である脂質C1と必要物である細胞群を含む懸濁液C2の層に分離される(S31)。
【0043】
次に、図7に示すように、弁61閉、弁62開、弁63開、弁64閉となるように各弁を制御して、ポンプ45を動作させて洗浄容器20の洗浄液Dを廃液バッグ51に排液する(S32)。
【0044】
次に、図8に示すように、弁61閉、弁62閉、弁63開、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ45およびポンプ46を動作させて消化容器10内の懸濁液C2を洗浄容器20に移動させる(S33)。
【0045】
細胞濃縮工程S4においては、図9に示すように、弁61閉、弁62開、弁63閉、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ46を動作させて消化容器10の脂質C1を廃液バッグ51に排液する(S41)。
【0046】
次に、図10に示すように、弁61開、弁62閉、弁63閉、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ46を動作させて洗浄液バッグ50から消化容器10に懸濁液C2と等量の洗浄液Dを供給する(S42)。これにより、消化容器10と洗浄容器20の重量を等しくして、洗浄容器20内の懸濁液C2を遠心分離する際のバランスを保つことができる。
【0047】
次に、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う。これにより、図10に示すように、懸濁液C2は、懸濁液C2内の成分の比重によって、洗浄容器20の中で、上清C3とペレット状の細胞群C4とに分離される(S43)。
【0048】
細胞洗浄工程S5においては、図11に示すように、弁61閉、弁62開、弁63開、弁64閉となるように各弁を制御して、ポンプ45を動作させて洗浄容器20の上清C3を廃液バッグ51に排液する(S51)。
【0049】
次に、図12に示すように、弁61閉、弁62開、弁63閉、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ46を動作させて消化容器10内の洗浄液Dを廃液バッグ51に排液する(S52)。
【0050】
次に、図13に示すように、弁61開、弁62閉、弁63開、弁64閉となるように各弁を制御して、ポンプ45を動作させて洗浄液バッグ50から洗浄容器20に洗浄液Dを供給する(S53)。このようにすることで、細胞群C4が遠心力によりペレット状に凝集してしまった場合にも、洗浄液Dの流動エネルギによって細胞群C4を攪拌し、ペレット状の細胞群C4が解れて分散させられる。これにより、細胞群C4内に含まれている不要成分を洗浄液D内に解放して放出させることができる。
【0051】
次に、図14に示すように、弁61開、弁62閉、弁63閉、弁64開となるように各弁を制御して、ポンプ46を動作させて洗浄液バッグ50から消化容器10に洗浄容器20と等量の洗浄液Dを供給する(S54)。これにより、遠心分離の際のバランスが保たれる。
【0052】
次に、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う(S55)。これにより、洗浄容器20内の細胞群C4と洗浄液Dとの混合液が、上清Eと細胞群C4とに遠心分離される。
そして、上記の細胞洗浄工程S5を最初から2回繰り返す(S56)。このようにすることで、細胞群に含まれる不要成分をさらに低減することができる。
【0053】
細胞取出工程S6においては、図15に示すように、弁61閉、弁62開、弁63開、弁64閉となるように各弁を制御して、ポンプ45を動作させて洗浄容器20の上清Eを廃液バッグ51に排液する(S61)。
そして、図16に示すように、シリンジ70を用いて取出口27から、最終的に洗浄容器20内に残った細胞群C4を採取する(S62)。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る遠心分離装置1によれば、弁61および弁62を閉として弁63および弁64を開とすることにより、消化容器10から洗浄容器20までの流路を形成することができる。また、弁62および弁64を閉として弁61および弁63を開とすることにより、洗浄液バッグ50から洗浄容器20までの流路を形成することができる。さらに、弁61および弁64を閉として弁62および弁63を開とすることにより、洗浄容器20から廃液バッグ51までの流路を形成することができる。このように、各弁を開閉動作させることにより、流路を択一的に切り替えることができる。
【0055】
このような遠心分離装置1において、消化容器10に脂肪組織Aと消化酵素液Bとの混合液を導入し、モータ40を作動させてアームを回転させると、消化容器10内の混合液が攪拌され、消化酵素液Bにより脂肪組織Aが消化されて細胞懸濁液が生成される。生成された細胞懸濁液は、脂質C1と細胞群を含む懸濁液C2とに遠心分離され、遠心分離された懸濁液C2は、消化容器10の底部近傍に開口する管路12を介して、洗浄容器20へと移動される。
【0056】
洗浄容器20に送られた懸濁液C2は、脂質や血漿等の上清C3と細胞群C4とに遠心分離される。遠心分離された上清C3は、ポンプ63により、途中位置に開口する管路22を介して洗浄容器20から廃液バッグ51に排出される。細胞群C4は、管路21を介して洗浄容器20内に導入された洗浄液Dによって再懸濁される。洗浄容器20内において、遠心分離、上清の排出、洗浄液の供給を繰り返すことで、細胞群C4は洗浄され、含有されていた不純物が除去される。
【0057】
このように、本実施形態に係る遠心分離装置1によれば、フィルタ等を用いることなく、細胞懸濁液を細胞群C4と上清C3とに分離して、分離した細胞群C4を洗浄することができ、細胞にダメージを与えることなく、脂肪組織Aから高純度の細胞群C4を取り出すことができる。
【0058】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る遠心分離装置および細胞分離方法について図17から図19を参照して説明する。
本実施形態に係る遠心分離装置2が第1の実施形態と異なる点は、洗浄液を供給または上清等を排出するポンプを1台で兼用した点である。以下、本実施形態の遠心分離装置2について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、図1と同一の符号を用いて説明する。
【0059】
本実施形態に係る遠心分離装置2は、図17に示されるように、相対回転可能に支持された軸体31およびハウジング32を有するロータリージョイント30と、軸体31を中心軸線回りに回転駆動するモータ40と、モータ40の回転軸に固定され該回転軸から半径方向外方に延びるアーム(図示略)と、該アームにより軸体31の半径方向外方に接続された消化容器(第1の容器)10および洗浄容器(第2の容器)20と、洗浄液を貯留する洗浄液バッグ(洗浄液容器)50と、廃液を収容する廃液バッグ(廃液容器)51と、これらを接続する流路13,15,23,25,41,42,53,55,87と、各流路に設けられた弁(流路切替手段)81,82,83,84,85と、各部の動作を制御する制御部(図示略)とを主な構成要素として備えている。
【0060】
流路41には弁(第4の弁)83が設けられており、流路42には弁(第3の弁)85および双方向に送液可能なポンプ86が設けられている。流路41のロータリージョイント30と弁83との間には分岐点88が設けられ、流路42の弁85とポンプ86との間には分岐点89が設けられている。分岐点88と分岐点89との間には、流路41と流路42とをバイパスする流路(バイパス管路)87が設けられており、該流路87には弁(第5の弁)84が設けられている。
【0061】
流路41と流路42は、一旦合流した後に、流路53と流路55とに再度分岐する。流路53は廃液バッグ51に接続されており、その流路中には弁(第2の弁)82が設けられている。流路55は洗浄液バッグ50に接続されており、その流路中には弁(第1の弁)81が設けられている。
モータ40、弁81,82,83,84,85、およびポンプ86は、図示しない制御部によりその動作が制御されるようになっている。
【0062】
上記構成を有する遠心分離装置2において、制御部による各弁等の制御と、該制御により実行される細胞分離方法について、図18および図19に示すフローチャートに従って以下に説明する。
図2および図3に示されるように、遠心分離装置2を用いた細胞分離方法は、脂肪組織を脂肪(必要成分)とチュメッセント等(不要成分)とに遠心分離して脂肪を抽出する組織分離工程S110と、組織分離工程S110により抽出された脂肪に消化酵素を作用させて細胞懸濁液を生成する組織消化工程S120と、組織消化工程S120により生成された細胞懸濁液を脂質と細胞群とに遠心分離して細胞群を抽出する細胞分離工程S130と、細胞分離工程S130により抽出された細胞群を遠心分離して濃縮する細胞濃縮工程S140と、細胞濃縮工程S140により濃縮された細胞群を洗浄する細胞洗浄工程S150と、細胞洗浄工程S150により洗浄された細胞群を取り出す細胞取出工程S160とを主な工程として有している。
【0063】
上記の工程において実行される詳細な動作について以下に説明する。
組織分離工程S110においては、まず、投入口17から消化容器10内に脂肪組織Aが投入される(S111)。次に、弁81開、弁82閉、弁83閉、弁84開、弁85閉となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄液バッグ50から洗浄容器20に脂肪組織Aと等量の洗浄液Dを供給する(S112)。
【0064】
次に、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う。すなわち、消化容器10内に脂肪組織Aを収容した状態で、消化容器10の底部が半径方向外方に向かうように回転させられる。これにより、脂肪組織Aの成分の比重によって、脂肪組織Aは、消化容器10の中で、脂肪A1、チュメッセントA2、赤血球A3の層に分離される(S113)。
【0065】
次に、弁81閉、弁82開、弁83閉、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて消化容器10のチュメッセントA2、赤血球A3の層を廃液バッグ51に排液する(S114)。
【0066】
組織消化工程S120においては、まず、弁81開、弁82閉、弁83閉、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄液バッグ50から消化容器10に洗浄液Dを供給する(S121)。
【0067】
次に、シリンジにより、投入口17から脂肪A1を消化するための消化酵素液Bを注入する(S122)。この際、脂肪A1への異物や雑菌等の混入を防止するため、シリンジの出口側に滅菌フィルタをつけて使用する。
【0068】
次に、モータ40を動作させて、例えば0Gから20Gを1cycle/S1ecで20分間繰り返すことで消化容器10の内部を撹拌する(S123)。これにより、消化酵素液Bに含まれている消化酵素により脂肪A1が分解され、細胞が脂肪A1から分離されて細胞懸濁液が生成される。
【0069】
細胞分離工程S130においては、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う。これにより、消化容器10内の細胞懸濁液の成分の比重によって、細胞懸濁液は、消化容器10の中で、不要物である脂質C1と必要物である細胞群を含む懸濁液C2の層に分離される(S131)。
【0070】
次に、弁81閉、弁82開、弁83閉、弁84開、弁85閉となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄容器20の洗浄液Dを廃液バッグ51に排液する(S132)。
【0071】
次に、弁81閉、弁82閉、弁83開、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて消化容器10内の懸濁液C2を洗浄容器20に移動させる(S133)。
【0072】
細胞濃縮工程S140においては、弁81閉、弁82開、弁83閉、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて消化容器10の脂質C1を廃液バッグ51に排液する(S141)。
【0073】
次に、弁81開、弁82閉、弁83閉、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄液バッグ50から消化容器10に懸濁液C2と等量の洗浄液Dを供給する(S142)。
【0074】
次に、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う。これにより、懸濁液C2は、懸濁液C2内の成分の比重によって、洗浄容器20の中で、上清C3とペレット状の細胞群C4とに分離される(S143)。
【0075】
細胞洗浄工程S150においては、弁81閉、弁82開、弁83閉、弁84開、弁85閉となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄容器20の上清C3を廃液バッグ51に排液する(S151)。
【0076】
次に、弁81閉、弁82開、弁83閉、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて消化容器10内の洗浄液Dを廃液バッグ51に排液する(S152)。
【0077】
次に、弁81開、弁82閉、弁83閉、弁84開、弁85閉となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄液バッグ50から洗浄容器20に洗浄液Dを供給する(S153)。
【0078】
次に、弁81開、弁82閉、弁83閉、弁84閉、弁85開となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄液バッグ50から消化容器10に洗浄容器20と等量の洗浄液Dを供給する(S154)。これにより、細胞群C4内に含まれている不要成分が洗浄液D内に解放して放出される。
【0079】
次に、モータ40を動作させて、例えば400G、5分の条件で遠心分離を行う(S155)。これにより、洗浄容器20内の細胞群C4と洗浄液Dとの混合液が、上清Eと細胞群C4とに遠心分離される。
そして、上記の細胞洗浄工程S15を最初から2回繰り返す(S156)。このようにすることで、細胞群に含まれる不要成分をさらに低減することができる。
【0080】
細胞取出工程S160においては、弁81閉、弁82開、弁83閉、弁84開、弁85閉となるように各弁を制御して、ポンプ86を動作させて洗浄容器20の上清Eを廃液バッグ51に排液する(S161)。
そして、シリンジを用いて取出口27から、最終的に洗浄容器20内に残った細胞群C4を採取する(S162)。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る遠心分離装置2によれば、弁81、弁82、および弁84を閉として弁85および弁83を開とすることにより、消化容器10から洗浄容器20までの流路を形成することができる。また、弁82、弁83、および第5を閉として弁81および弁85を開とすることにより、洗浄液バッグ50から洗浄容器20までの流路を形成することができる。また、弁81、弁83、および弁84を閉として弁82および弁85を開とすることにより、洗浄容器20から廃液バッグ51までの流路を形成することができる。さらに、弁82、弁85、および第4を閉として弁81および弁84を開とすることにより、洗浄液バッグ50から消化容器10までの流路を形成することができる。このように、各弁を開閉動作させることにより、流路を択一的に切り替えることができる。
【0082】
このような遠心分離装置2においては、ポンプ1台で、消化容器10から洗浄容器20までの懸濁液C2の送液と、洗浄液バッグ50から消化容器10への洗浄液Dの供給と、洗浄液バッグ50から洗浄容器20への洗浄液Dの供給とを行うことができる。これにより、装置構成を簡略化して、装置を小型化するとともに、装置の製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態の構成を示す図17において、ポンプ86と弁83の位置を入れ替えることとしてもよい。
【0083】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、消化容器10および洗浄容器20内に、底部近傍と途中位置とに開口する管路をそれぞれ独立して設けることとして説明したが、各容器内において深さ方向に移動可能な管路を1本ずつ設けることとしてもよい。
【0084】
また、消化容器10と洗浄容器20をそれぞれ1つずつ設けた例を説明したが、一方または両方の容器が2つ以上あってもよい。なお、この場合には、遠心回転した際のバランスを考慮して、各容器を周方向に等間隔をあけて配置することが望ましい。
また、消化容器10および洗浄容器20に対して、洗浄液等を供給する供給手段および上清を吸引する吸引手段として同一のポンプを兼用して用いることとして説明したが、それぞれの手段について専用のポンプを設けることしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
A 脂肪組織
A1 脂肪
A2 チュメッセント
A3 赤血球
B 消化酵素液
C1 脂質
C2 懸濁液
C3 上清
C4 細胞群
D 洗浄液
1,2 遠心分離装置
10 消化容器
11,12,21,22 管路
13,15,23,25,41,42,53,55 流路
20 洗浄容器
30 ロータリージョイント
31 軸体
32 ハウジング
40 モータ
45,46,86 ポンプ
50 洗浄液バッグ
51 廃液バッグ
61,62,63,64,81,82,83,84,85 弁
S1 組織分離工程
S2 組織消化工程
S3 細胞分離工程
S4 細胞濃縮工程
S5 細胞洗浄工程
S6 細胞取出工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するモータと、
該モータの回転軸に固定され該回転軸から半径方向外方に延びるアームと、
該アームに周方向に等間隔をあけて半径方向に直交する軸線回りに揺動可能に支持された第1の容器および第2の容器と、
該第1の容器および該第2の容器内の底部近傍に両端を開口させた第1の管路と、
洗浄液を貯留する洗浄液容器と、
該洗浄液容器と前記第1の管路の途中位置とに接続される第2の管路と、
前記第1の管路における前記途中位置と前記第2の容器との間に設けられた第1のポンプと、
前記第1の容器から前記第2の容器までの流路と前記洗浄液容器から前記第2の容器までの流路とを切り替え可能な流路切替手段と、
前記第2の容器の深さ方向の途中位置に一端を開口させた第3の管路と、
該第3の管路から流体を吸引する吸引手段とを備える遠心分離装置。
【請求項2】
廃液を収容する廃液容器と、
前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第1の容器との間と前記廃液容器とに接続される第4の管路とを備え、
前記第3の管路の他端が、前記第1のポンプと前記第2の容器との間において前記第1の管路に接続され、
前記流路切替手段は、さらに、前記第2の容器から前記廃液容器までの流路にも切り替え可能である請求項1に記載の遠心分離装置。
【請求項3】
前記第3の管路との接続部と前記第2の容器との間における前記第1の管路が、前記第2の容器内への給液方向のみに流体を流通させ、
前記第3の管路が、前記第2の容器内からの排液方向のみに流体を流通させる請求項2に記載の遠心分離装置。
【請求項4】
前記第1の管路における前記途中位置と前記第1の容器との間に第2のポンプを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の遠心分離装置。
【請求項5】
前記第1の管路が、
前記第1の容器内の途中位置に開口し前記第1の容器内への給液方向のみに流体を流通させる給液管路と、
前記第1の容器内の底部近傍に開口し前記第1の容器内からの排液方向のみに流体を流通させる排液管路とに分岐する請求項4に記載の遠心分離装置。
【請求項6】
前記流路切替手段が、
前記第2の管路に設けられた第1の弁と、前記第4の管路に設けられた第2の弁と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第2の容器との間に設けられた第3の弁と、前記第1の管路における前記第2のポンプと前記第1の容器との間に設けられた第4の弁とを有する請求項5に記載の遠心分離装置。
【請求項7】
前記流路切替手段が、
前記第2の管路に設けられた第1の弁と、前記第4の管路に設けられた第2の弁と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第2の容器との間に設けられた第3の弁と、前記第1の管路における前記第2の管路と前記第1の容器との間に設けられた第4の弁と、前記第1の管路における前記第1のポンプと前記第3の弁との間と前記第4の弁と前記第1の容器との間とを接続するバイパス管路と、該バイパス管路に設けられた第5の弁とを有する請求項3に記載の遠心分離装置。
【請求項8】
生体組織を必要成分と不要成分とに遠心分離して該必要成分を抽出する組織分離工程と、
該組織分離工程により抽出された必要成分に消化酵素を作用させて細胞懸濁液を生成する組織消化工程と、
該組織消化工程により生成された細胞懸濁液を上清と細胞群とに遠心分離して該細胞群を抽出する細胞分離工程と、
該細胞分離工程により抽出された細胞群を遠心分離して濃縮する細胞濃縮工程と、
該細胞濃縮工程により濃縮された細胞群を洗浄する細胞洗浄工程とを有する細胞分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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