説明

遠隔会議システムの会議装置および遠隔会議システム

【課題】カメラの使用時の位置設定に自由度を持たせることができ、またカメラの装置本体への収納が円滑に行える会議装置、遠隔会議システムを提供する。
【解決手段】カメラを会議装置の装置本体に支持する伸縮自在な支持体と、支持体の外周に巻かれて装置本体とカメラとを電気的に接続するカールコードを有し、支持体を縮めた状態において支持体によりカメラを装置本体に一体的に収納することができるとともに、カメラを、支持体により装置本体に支持された状態と、カールコードの少なくとも一部を支持体の外周から外し装置本体の支持から外れた状態とに配置することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地との間で出席者の画像を含めた会議情報の通信を行なって会議を行う遠隔会議システムの端末装置である会議装置に関し、特に装置本体とカメラの配置のための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地との間で、遠隔会議を行う遠隔会議システムが普及している。
この遠隔会議システムにおいては、会議を行う出席者がいるそれぞれの場所の会議室において、遠隔会議システムの端末装置である会議装置を用いて出席者などの会議室の画像および音声を撮影および集音して、それを電子データに変換して相手方の会議装置に送信し、相手方の会議室のテレビ画面等の表示装置に表示して、実際の会議に近い状態で遠隔地間の会議を行っている。
【0003】
会議装置としては、最近は小型軽量の携帯可能なものが普及してきており、遠隔会議を行うときに会議室に持ち込んでセットするようにしていることが多い。
会議室の画像を撮影するカメラの会議装置本体への取り付けについては、特許文献1にはテレビ会議装置本体の上部にカメラが一体的に設けられたものが示されている。この装置においてはカメラとテレビ会議装置本体との電気的な接続はテレビ会議装置本体の内部で行われるようになっている。
また、特許文献2にはカメラヘッドを多関節式アームを介して会議装置本体ケースに取り付け、撮影アングルを調整できるとともに、持ち運び性を向上させたものが記載されている。
【0004】
なお、特許文献2にはカメラヘッドと会議装置本体との電気的接続の構成については特に記載はないが、ケーブルにより接続することが従来技術して示されている。
【0005】
また、会議装置の分野におけるものではないが、特許文献3には、カメラに接続されたケーブルを電子機器に巻き取る巻き取り式カメラ装置が記載されている。この特許文献3には、カメラ本体と電源部とをフレキシブルシャフトで接続したカメラ装置が従来技術として記載されている。
【0006】
また、一般的な電子装置と可動電子ユニット間の電気的接続については、特許文献4から特許文献6に示されるような技術がある。
【0007】
特許文献4には、二つの電子ユニットの一方を固定、一方を可動とし、この電子ユニットの間をカールコードで接続し、カールコードの空洞部に伸縮棒を配した実装構造が記載されている。
特許文献5には本体装置と、この本体装置に抜き差し自在に設けられる可動機器間に、一端が本体装置に他端が可動機器に支持される伸縮自在な金属筒体を設け、この金属筒体の内部と外部のそれぞれにカールコードを配してなる構造が記載されている。
この構造において具体的には、本体装置の上方に可動機器が配置され、金属筒体は本体装置のフレーム上の支柱と、可動機器下面の支柱に横方向に配置されている。可動機器は水平方向に本体装置から引き出され、本体装置に押し込まれる。可動機器はガイドレールにより本体装置に抜き差し自在となっている(ガイドレールは図示されておらず具体的な記載はない)。
特許文献6にはマイクロフォンポールの内部に伸縮自在ならせん状カールコードを配置した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許4228010号公報
【特許文献2】特許公開2002−262250号公報
【特許文献3】特許公開平9−307801号公報
【特許文献4】実用新案公開昭60−144277号公報
【特許文献5】実用新案公開昭59−75714号公報
【特許文献6】実用新案公告昭3−39854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら特許文献1に記載のものは、カメラの位置が固定であり、撮影範囲が制限されるという問題がある。
また特許文献2に記載のものは、カメラヘッドを多関節式アームを介して会議装置本体ケースに取り付ける構成は記載されているが、カメラヘッドと会議装置本体との間を電気的な接続するケーブルについては構成が記載されておらず、使用時また収納時の取り扱いについての問題が残されている。
【0010】
特許文献3に記載のものはカメラを用いたものではあるが、カメラに接続されたケーブルを電子機器に巻き取る巻き取り式カメラ装置であってカメラ装置を電子機器に取り付ける構成は記載されておらず、またカメラ本体と電源部とをフレキシブルシャフトで接続したカメラ装置については、カメラの位置設定が制限されるという問題がある。そしていずれも会議装置として用いるものではなく、会議装置しての使用と収納の取り扱いについては何も記載されていない。
また、特許文献4から特許文献6に記載の構成は一般的な機器についての構成であり、会議装置におけるカメラの使用時の位置設定と、本体装置への収納という点については何も示されてはいないものである。
【0011】
カメラの会議装置本体への取り付けは、会議装置を小型軽量の携帯可能なものにする場合の重要な事項であるが、上記のように、従来の会議装置においてはカメラの位置設定に自由度を持たせることができ、かつこの場合にカメラと会議装置本体との間を電気的な接続について考慮された構成のものはなく、カメラの使用時また収納時の取り扱いが不便なものであった。
【0012】
本願発明は、このような従来技術の課題を解決して、会議装置におけるカメラの使用および装置本体への収納の利便性を有する会議装置および遠隔会議システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴は次の通りである。
本発明の会議装置は、装置本体と、装置本体に接続されるカメラを有する遠隔会議システムの会議装置において、一端が装置本体に取り付けられ他端にカメラが取り付けられてこのカメラを前記装置本体に支持する伸縮自在な支持体と、前記支持体の外周に巻かれ、一端が前記装置本体に接続され他端が前記カメラに接続されて前記装置本体と前記カメラとを電気的に接続するカールコードを有し、前記カメラは、前記支持体を縮めた状態において前記支持体により前記装置本体に一体的に収納され、前記支持体を伸ばした状態において前記支持体により前記装置本体に支持された状態で前記装置本体から離れた位置に配置されるものであって、前記支持体と前記装置本体または前記カメラとのいずれか一方を着脱可能とするとともに、前記カールコードと前記装置本体または前記カメラとのいずれか一方を着脱可能とし、前記カメラを前記支持体により前記装置本体に支持された状態で配置できるとともに、前記カールコードの少なくとも一部を前記支持体の外周から外し、前記カメラを前記装置本体の支持から外れた状態で配置できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
本発明の会議装置は更に、カールコードが伸びたときの全長が、支持体が伸びたときの全長より長いことを特徴とする。
本発明の会議装置は更に、装置本体に、支持体を縮めた状態で支持体、カールコードおよびカメラを収容する空間を有する収容部が設けられたことを特徴とする。
本発明の会議装置は更に、支持体とカメラとを着脱可能とするとともに、カールコードと本体装置とを着脱可能としたことを特徴とする。
本発明の会議装置は更に、カールコード少なくとも一部を支持体の外周から外し、カメラを装置本体の支持から外れた状態で配置したときに、支持体のみが収容部に収容されることを特徴とする。
本発明の遠隔会議システムは、上記のいずれかの会議装置を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、カメラを会議装置の装置本体に支持する伸縮自在な支持体と、支持体の外周に巻かれて装置本体とカメラとを電気的に接続するカールコードを有し、支持体を縮めた状態において支持体によりカメラを装置本体に一体的に収納することができるとともに、カメラを、支持体により装置本体に支持された状態と、カールコードの少なくとも一部を支持体の外周から外し装置本体の支持から外れた状態とに配置することができるので、カメラの使用時の位置設定に自由度を持たせることができ、またカメラの装置本体への収納が円滑に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の会議装置が用いられる遠隔会議システムの一例の概略図
【図2】本発明の実施形態の会議装置のハードウエア構成図
【図3】本発明の実施形態の会議装置の外形図
【図4】本発明の実施形態の支持棒の構造および取付け構造を示す図
【図5】本発明の実施形態のカールコードと装置本体の接続部を示す図
【図6】本発明の実施形態のカメラを支持棒から外れた状態で配置する場合の説明図
【図7】本発明の実施形態のカメラを装置本体に支持された状態で使用する場合の説明図
【図8】本発明の実施形態のカメラを装置本体の支持から外れた状態で使用する場合の説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態の会議装置が用いられる遠隔会議システムの一例の概略図である。
【0018】
図1において、100は遠隔会議システムの端末装置である会議装置であり、この会議装置100がLAN200、専用線300、インターネット400からなる通信ネットワーク900を介して相互に接続されて、画像データ、音声データ等の送受信が行われる。
【0019】
LAN200は、会社の事業所や建物のようにローカルエリアにおいて構築されたネットワークであり、各LAN200はそのLAN200が位置する地域Aの専用線300を介してその地域A内の他のLAN200と通信可能に接続されている。各専用線300はインターネット400を介して他の地域Aの専用線400と通信可能に接続されている。
例えば、地域Aは日本またはアメリカのような単位に設定されており、LAN200は東京事業所、ニューヨーク事務所のような事業所単位に設定されている。
【0020】
各LAN200および各専用線300にはルータ500が設けられており、このルータ500により各LAN200に接続された遠隔会議を行う会議装置100間の画像データ、音声データ等の通信の最適な経路の選択が行われ、会議装置100間の接続が行われる。
600は中継装置、700は遠隔通信管理システム、800はプログラム提供システムである。
【0021】
中継装置600はLAN200ごとに設けられており、会議の相手先である会議装置100で画像データ等の会議情報の受信に遅延が生じた場合に、中継装置600によって画像データの画像の解像度を変更して情報量を低減してから、相手先の会議装置100へ画像データを送信して、遅延を解消し会議の同時性を確保するためのものである。
【0022】
遠隔通信管理システム700はインターネット400に接続されており、遠隔通信管理用プログラムにもとづき、会議装置100および中継装置600を一元的に管理する。
例えば、遠隔通信管理システム700は、会議装置100および中継装置600とやり取りをおこない、会議装置100の登録管理、会議装置100のID、IPアドレスの管理、使用についての課金管理、各会議装置100が通信可能な他の会議装置100の通知、各会議装置100の使用状態の把握、通信を行う場合に経由する中継装置600の決定等を行う。
【0023】
プログラム提供システム800はインターネット400に接続されており、遠隔会議システムの各構成部において用いられる各種機能または各種手段を実現させるためのプログラムをハードデイスクに記憶し、遠隔会議システムの各構成部に送信するものである。
プログラム提供システム800が記憶、送信するプログラムとしては、例えば、会議装置100において用いる会議装置用プログラム、中継装置600において用いる中継装置用プログラム、遠隔通信管理システム700において用いる遠隔通信管理用プログラムがある。
【0024】
会議装置100は、装置本体110、カメラ130、およびデイスプレイ140から構成される。
【0025】
図2は、本発明の実施形態の会議装置100のハードウエア構成図である。
【0026】
図2に示されているように、会議装置100には、会議装置100全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)111、会議装置用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)112、CPU111のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)113、CPU111の制御にしたがってフラッシュメモリ115のデータの読み出し又は書き込みを行うSSD(Solid State Drive)114、フラッシュメモリ等の記録メディア116aのデータの読み出し又は書き込みを行うメディアドライブ116、会議の相手方の会議装置100の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン117、会議装置100の電源をON/OFFする電源スイッチ118、会議情報のデータ通信をするためのネットワークI/F119を有している。
【0027】
会議装置100には、出席者などの会議室の画像を撮影し画像データを出力するカメラ130、カメラ130との間の接続を行うカメラI/F120、音声を入力するマイク121、音声を出力するスピーカ122、マイク121およびスピーカ122との間で音声信号の入出力を行う音声入出力I/F123、相手方の会議室の画面を映し出す外付けのデイスプレイ140、デイスプレイ140に画像データを出力するデイスプレイI/F124を有している。
【0028】
これらのうち、デイスプレイ140は外付けであり、カメラ130、マイク121、スピーカ122は会議装置100の装置本体110に接続され一体的に収納される。
【0029】
125は、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスラインである。
【0030】
カメラ130は、被写体の画像を動画、または静止画として電子化する素子としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いており、USB規格のデータを出力する。なおCMOSに限らずCCDを用いたものでもよい。
【0031】
このような構成において、遠隔地のエリアの会議装置100間が、LAN200、専用線300およびインターネット400からなる通信ネットワーク900を介して接続され、会議室の画像および音声が、会議装置100のカメラ130およびマイク121により撮影および集音されて相手方の会議装置100へ送られて、遠隔会議が行なわれる。
【0032】
図3は、本発明の実施形態の会議装置100の外形を示している。図3の(A)は会議装置100の平面図、(B)は正面図である。
図3において、110は会議装置100の装置本体、130はカメラ、10はカメラ130を装置本体110に支持する支持体である伸縮自在な支持棒、30は支持体の外周に巻かれ、装置本体とカメラとを電気的に接続して電気信号の伝送および電力供給を行うカールコードである。
この会議装置110は会議室のテーブルの上に載置して使用される。
【0033】
22aは、カールコード30の装置本体110側端部に設けられたUSB端子であり、22bはこれに対応する装置本体110のUSB端子である。
20aは支持棒10を回動可能に支持する支持軸である。
装置本体110内部には図2に示すハードウエア構成のうち、カメラ130およびデイスプレイ140以外の構成が収納されている。デイスプレイ140は装置本体110とは別の外付けであり、図3においては図示を省略している。
【0034】
装置本体110の上面には、支持棒10および支持棒10の外周に巻かれた状態のカールコード30を収納する空間を有する溝状の支持棒収納部40と、カメラ130を支持棒10に取り付けられた状態で収納する空間を有するカメラ収納部50が形成されている。
【0035】
支持棒10は径の異なる3つの筒体が、根元側から大中小の順序で組み合わされて伸縮自在に形成されたものであり、根元側の端部が装置本体110の支持棒収容部40内の端部の位置に、支持軸20aにより回動可能に支持されて取り付けられ、先端にカメラ130が着脱可能に取り付けられている。
【0036】
図4は、支持棒10の構造ならびに支持棒10の装置本体110への取り付けおよび支持棒10へのカメラ130の取付け構造を示すものであり、支持棒10の基部11に筒体12が取り付けられ、筒体12に筒体13が挿入され、筒体13に筒体14が挿入され組み合わされている。
【0037】
筒体14の上端にはカメラ130を取付けるための取付け部材15がネジ16により取り付けられている。
【0038】
筒体12と筒体13の間、および筒体13と筒体14の間には中央部が湾曲した板状のばね部材17a、17b。18a、18bが配置されている。
筒体13の下側の周面の対抗する位置には取付け孔13a、13bが形成され、この取付け孔13a、13bにばね部材17a、17bの湾曲部が中心向きに嵌め込まれて取り付けられる。
【0039】
同様に、筒体13と筒体14の間にも筒体14の取付け孔14a、14bにばね部材18a、18bの湾曲部が中心向きに嵌め込まれて取り付けられる。
これにより、筒体12と筒体13の間、および筒体13筒体14の間には弾性的な圧接力が加えられ、各筒体12.13、14間のがたつきが防止されるとともに、支持棒10を伸ばしたり、縮めたりしたときの必要な位置に各筒体12、13、14がロックされる。
筒体12および筒体13の先端には、内側に傾斜した小径部12c、13cが形成され、支持棒10を伸ばしたときにばね部材17a、17b、18a、18bがこの小径部12c、13cに係止して、筒体13および筒体14の飛び出しによる脱落が防止される。また、ばね部材17a、17bにより縮めたときの筒体14の下限の位置が規制される。
【0040】
基部11はヒンジ19により、装置本体110に回動可能に取り付けられている。
装置本体110には、ヒンジ19の一方である支持軸20aを有する装置本体側ヒンジ20が取り付けられており、基部11にはこの支持軸20aの貫通孔11aが形成され、この支持軸20aの軸受け21aが形成されたヒンジの他方である支持棒側ヒンジ21が内部に取り付けられている。
このヒンジ20の支持軸20aを中心に支持棒10が回動でき、支持棒10を水平に寝かしたり垂直に立てたりすることができる。
【0041】
カメラ130の取付け部材15は、先端部がカメラ130側の取り付け孔131に挿入されて、支持棒10の先端にカメラ130を固定するもので、先端周面の一部に、突起15aおよび解除ボタン15bを有する固定機構が形成されている。
この固定機構においては、取付け部材15の先端部がカメラ130側の取り付け孔131に挿入されたときに、突起15aが取付け孔131内の係合部131aに係合して抜けないようになっており、解除ボタン15bを押して係合を外すことによりカメラ130を支持棒10から取り外すことができる。
【0042】
支持棒10は、支持軸20aを中心とした回動により図3に示すように垂直状態および水平状態の2つの位置をとることができ、水平状態のときには図3の(A)に示すように、支持棒10およびその外周に巻かれたカールコード30が支持棒収納部40に収納されるとともにカメラ130がカメラ収納部50に収納され、垂直位置のときには図3の(B)に示すようにカメラ130が起立して撮影可能な状態となる。
【0043】
この垂直位置において、支持棒10を必要な高さに伸ばして撮影位置を設定する。
本実施形態における支持棒に支持された状態でのカメラの高さは、約30cm以上が好ましい。
会議出席者がPCを使う場合もあり、この場合でも撮影画像に出席者の目線が入るようにするには約30cmの高さが必要であるため、この約30cm以上の高さとするのが好ましい。
【0044】
なお、この実施形態においては、支持棒10は根元側の端部が装置本体110に回動可能に取り付けられたものを示しているが、支持棒10を装置本体110に対して着脱可能とすることもできる。例えば、支持棒10の基部11と筒体12との間に、支持棒10の先端部とカメラ130とを着脱する構成と同様な構成を設けて、支持棒10本体を着脱可能にすることができる。またこれ以外でも通常の着脱機構を用いることができる。
【0045】
図4は、支持棒10の構造ならびに支持棒10の装置本体110への取り付けおよび支持棒10へのカメラ130の取付け構造を示すものであり、支持棒10の基部11に筒体12が取り付けられ、筒体12に筒体13が挿入され、筒体13に筒体14が挿入され組み合わされている。
【0046】
カールコード30のカメラ130側の端部はカメラ130に直接に接続されており、他端は装置本体110に着脱可能に接続される。
装置本体110のUSB端子22bは装置本体110の支持棒10取り付け位置近傍の支持棒収納部40に設けられており、図5に示すように上向きに配置される。
このUSB端子22bに、図5の(A)および(B)に示すように上方からカールコード30のUSB端子22aが挿入され、上方に引き抜くことにより着脱される。
【0047】
カールコード30の全長は支持棒10を最大に伸ばしたときの全長と同じであれば図3の(B)に示すような使用状態には充分であるが、本実施形態ではこの支持棒10を最大に伸ばしたときの全長よりも長くしている。カールコード30は伸縮するものであり、伸ばしたときでもカールを維持した状態で使用されるが、この伸ばしたときの全長を支持棒10を最大に伸ばしたときの全長よりも長くしている。
これについては後述する。
【0048】
図6は、カールコード30を支持棒10の外周から外して、カメラ130を支持棒10の支持から外れた状態で配置する状態を示している。
【0049】
図6の(A)は支持棒10を縮めて支持棒10の先端からカメラ130を取り外した状態を示している。
図6の(B)および(C)は、その後にカールコード30を支持棒10の外周から外した状態を示すもので、(B)は(A)に示す状態においてUSB端子22aを22bから引き抜いてカールコード30を、装置本体110から一旦分離した状態、(C)はその後にUSB端子22aを22bに挿入してカールコード30を装置本体110に接続し、支持棒10を倒して支持棒10のみを装置本体110の支持棒収納部30に収納した状態を示している。
【0050】
図6(C)の状態においては、カメラ130はカールコード30の長さの範囲内において自由に移動したり範囲内の位置に載置したりして撮影位置を設定することができる。
したがってカールコード30の全長を長くすればカメラ130の撮影範囲は拡がる。
上記したように、カールコード30の全長を支持棒10を最大に伸ばしたときの全長よりも長くすれば、支持棒10の長さにかかわらず、カメラの撮影範囲を拡げることができる。
【0051】
本実施形態においては、カールコード30の長さは、カールコード30が最も縮んだときの全長が支持棒10が縮んだときの全長と同じかそれよりも短く、カールコード30が伸びたときの全長が支持棒10が伸びたときの全長よりも長くするようにしている。
カールコードの全長を更に長くしたい場合には、装置本体110の支持棒収納部40の長さを長くすれば、その長さに合わせて支持棒10自体の長さを長くしたり、また支持棒10を少し伸ばした状態にして長くできるので、支持棒10およびカールコード30の収納に支障がないようにしてカールコード30の全長も長くすることができる。
【0052】
図7および図8は使用状態を示すもので、図7はカメラを支持棒により装置本体に支持された状態で使用する場合を示し、図8はカメラを装置本体の支持から外れた状態で使用する場合を示している。
【0053】
このような構成において、会議装置100は使用していないときには、図3(A)に示すように、カメラ130が支持棒10に取り付けられた状態で支持棒10が倒されて、カメラ130がカメラ収納部50に収納され、支持棒10およびカールコード30が支持棒収納部40に収納された一体的な状態となっている。
【0054】
会議装置100を使用する場合には、図3(B)に示すように支持棒100を起こして必要な高さに伸ばしてカメラ130の撮影位置を設定する。この状態で図7に示すように、カメラ130による会議室の撮影を行い、遠隔会議を行なう。
【0055】
カメラ130の高さ、位置を支持棒10による位置以外に変えたい場合には、支持棒10を縮めてカメラ130を支持棒10から取り外す(図6(A)参照)。
そしてカールコード30を装置本体110から一旦分離して(図6(B)参照)、その後カールコード30を装置本体110に再接続し、支持棒10を倒して支持棒10のみを装置本体110の支持棒収納部40に収納する(図6(C)参照)。
【0056】
これにより、カメラ130をカールコード30の長さの範囲内において移動させて、希望する撮影位置を設定する。例えば、図8に示すように会議の資料を撮影する。
この場合、カールコード30の全長を支持棒10を最大に伸ばしたときの全長よりも長くしているので、カメラ130の撮影位置の範囲を拡げることができる。
例えば、装置本体110から離れた位置から、装置本体110方向に向けて撮影を行なったり、特定の出席者を撮影したり、図8に示すように会議で用いる資料や、商品サンプルなどの物を希望する方向や位置から撮影することができる。
このように自由度を持った撮影位置の設定ができる。
収納する場合には上記とは逆の順序で、図3(A)に示す状態に戻す。
【0057】
この図8に示すような支持棒10から外れた状態での使用から、再び図7に示すような指示棒10による撮影位置での使用に変える場合には、指示棒10にカールコード30を巻くことなしに、カメラ130を指示棒10に再度取り付けることのみにより行なうこともできる。
【0058】
通常の遠隔会議システムでは、会議テーブルの上に撮像装置を置いて会議に出席している人を映すため、撮影位置(例えばカメラの位置の高さ)を支持棒などにより固定して使用している。
しかしながら、会議中に例えば図8のように会議の出席者ではなく机の上の紙資料の一部分だけを映したいという要望もある。そしてこのような使用が終わったら再び元に固定位置に戻して撮影する。
【0059】
このように、会議の進行により必要に応じて、図7のような使用と図8のような使用が繰り返し行なうことができるような要望が考えられるが、上記の実施形態によれば、図7の使用状態から図8の使用状態に移行する際に、支持棒10からカメラ130を取り外すだけで容易に撮影位置の範囲変更ができ、撮影位置が固定された状態では撮影しづらい範囲もすぐさま撮影可能となる。
また、図8の使用状態から図7の使用状態に移行する際に、カメラ130を固定した通常の会議の使用状態に戻すことも、カメラ130を支持棒10に取り付けるだけもでき、容易に行なうことができる。
【0060】
なお、撮影は撮影対象物との距離が短い場合等の状況に応じて、図6(A)に示すように、支持棒10を縮めてカメラ130を支持棒10から取り外した状態においても行なうことができる。
また、撮影位置の設定に自由度を持たせるために、カメラ130の位置を拡げるようにするので、カメラ130には撮像素子があればよく信号処理を装置本体110側で行なうようにしてもよい。
また、撮影は動画のみならず、静止画、または静止画が断続的に連続した画像であってもよい。
また、撮影位置を支持棒10による位置以外に変える場合、任意の支持体例えばカメラの三脚等を用いることもできる。この場合カメラ130の取り付け孔131を利用することができる。
【0061】
また上記実施形態においては、カメラ130は装置本体110に形成されたカメラ収納部50の空間内に配置されるような構成になっているが、本発明はこれに限定されず、カメラ収納部50のような特別の空間を設けずに装置本体110の表面に沿うように配置されるようにしてもよい。このように装置本体110の内部でなくても、カメラ130が装置本体110と一体的に持ち運びができるように収納されればよい。
支持棒10についても同様に、支持棒収納部50を設けずに配置されるようにしてもよい。
【0062】
以上のように、本発明においては、自由度を持った撮影位置の設定ができる。
【符号の説明】
【0063】
100 会議装置
110 装置本体
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 SSD
115 フラッシュメモリ
116 メディアドライブ
116a 記録メディア
117 操作ボタン
118 電源スイッチ
119 ネットワークI/F
120 カメラIF
121 マイク
122 スピーカ
123 音声入出力I/F
124 デイスプレイI/F
125 バスライン
130 カメラ
140 デイスプレイ
200 LAN
300 専用線
400 インターネット
A 地域
500 ルータ
600 中継装置
700 遠隔通信管理システム
800 プログラム提供システム
900 通信ネットワーク
10 支持棒
11 基部
11a 貫通孔
12、13、14 筒体
13a、13b、14a、14b取付け孔
12c、13c 小径部
15 取付け部材
15a 突起
15b 解除ボタン
16 ねじ
17a、17b、18a、18b ばね部材
19 ヒンジ
20 装置本体側ヒンジ
20a 支持軸
21 支持棒側ヒンジ
21a 軸受け
22a、22b USB端子
30 カールコード
40 支持棒収納部
50 カメラ収納部
131 取付け孔
131a 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、装置本体に接続されるカメラを有する遠隔会議システムの会議装置において、
一端が装置本体に取り付けられ他端にカメラが取り付けられてこのカメラを前記装置本体に支持する伸縮自在な支持体と、
前記支持体の外周に巻かれ、一端が前記装置本体に接続され他端が前記カメラに接続されて前記装置本体と前記カメラとを電気的に接続するカールコードを有し、
前記カメラは、前記支持体を縮めた状態において前記支持体により前記装置本体に一体的に収納され、前記支持体を伸ばした状態において前記支持体により前記装置本体に支持された状態で前記装置本体から離れた位置に配置されるものであって、
前記支持体と前記装置本体または前記カメラとのいずれか一方を着脱可能とするとともに、前記カールコードと前記装置本体または前記カメラとのいずれか一方を着脱可能とし、
前記カメラを前記支持体により前記装置本体に支持された状態で配置できるとともに、前記カールコードの少なくとも一部を前記支持体の外周から外し、前記カメラを前記装置本体の支持から外れた状態で配置できるようにしたことを特徴とする遠隔会議システムの会議装置。
【請求項2】
請求項1に記載の会議装置において、カールコードが伸びたときの全長が、支持体が伸びたときの全長より長いことを特徴とする遠隔会議システムの会議装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の会議装置において、装置本体に、支持体を縮めた状態で支持体、カールコードおよびカメラを収容する空間を有する収容部が設けられたことを特徴とする会議装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の会議装置において、支持体とカメラとを着脱可能とするとともに、カールコードと本体装置とを着脱可能としたことを特徴とする会議装置。
【請求項5】
請求項4記載の会議装置において、
カールコード少なくとも一部を支持体の外周から外し、カメラを装置本体の支持から外れた状態で配置したときに、支持体のみが収容部に収容されることを特徴とする会議装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の会議装置を用いた遠隔会議システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−151536(P2011−151536A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9999(P2010−9999)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】