説明

遠隔保守システム

【課題】複数の端末で発生した事象について、優先度に応じた処理順序を制御することが可能となる遠隔保守システムを提供する。
【解決手段】端末に発生した発生事象を識別する制御手段と、第1のネットワークを介して、前記制御手段で識別された前記発生事象を示す情報を含む機器情報を通知する通知手段と、前記通知手段により通知された前記機器情報に基づいて、前記端末に発生した前記発生事象に対する処理順番を判別する判別手段と、前記判別手段で判別された前記処理順番に基づいて前記機器情報を登録した異常処理管理テーブルを記録する記憶手段と、前記記憶手段に記録されている前記管理テーブルに登録されている特定の機器情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記特定の機器情報を通知した端末に対して第2のネットワークを介して通話する通話手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、管理サーバが複数の接続された端末を保守する遠隔保守システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行やコンビニエンスストアなどに設置されている自動現金入出金装置(ATM)や駅などに設置されている発券機などの自動端末には、保守用のインターフォンが設けられている。利用者が端末を利用している際に端末が故障したとき、利用者は、インターフォンを用いてオペレータの呼び出しをすることができる。
【0003】
特許文献1には、通信端末からコールセンターに着信があった場合、制御処理部が対応可能なオペレータ対応装置がないと判断すると、対応可能な通話中のオペレータ対応装置に対して、通話の切断を要求する構成が開示されている。
【0004】
特許文献2には、複数のコールセンタ全体を把握する集中センタを設け、集中センタは、顧客の発信地域情報と複数のコールセンタにおけるオペレータの空き情報を管理する構成が開示されている。集中センタは、発信地域情報および空き情報に応じて顧客に対して効率よくなるようにコールセンタに中継する。
【0005】
特許文献3には、発信元の電話番号情報に基づいて、顧客のデータベースを調べ、着信端末設定部で段階的に選択設定された着信させるべき着信端末の情報を取得し、その情報を基にして着信端末に顧客からの電話を着信させる構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−8748号公報
【特許文献2】特開2000−201224号公報
【特許文献3】特開2000−69169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、特許文献2、特許文献3のすべてにおいて、顧客が設置されている端末の利用中に端末の異常を発見したとき、直接コールセンタに通話することを想定している。そして、コールセンタ側は、顧客から電話がかかってくる順番で顧客およびコールセンタ側に都合がいいようにオペレータに振り分けている。そのため、複数の端末(を使用する端末利用者)から上位センタの保守端末(を使用するオペレータ)に対してサービスコールが発生した場合、発生した事象のレベルに関わらず、端末から上位センタの保守端末間への呼び出しの接続順番に従い、サービスコールに対する処理をしてしまう。そのため、急いで対応すべき事象が発生した場合でも対応処理が遅れる場合が生じる問題がある。
【0007】
この発明の目的は、複数の端末で発生した事象について、優先度に応じた処理順序を制御することが可能となる遠隔保守システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一実施の形態に係る遠隔保守システムは、端末に発生した発生事象を識別する制御手段と、第1のネットワークを介して、前記制御手段で識別された前記発生事象を示す情報を含む機器情報を通知する通知手段と、前記通知手段により通知された前記機器情報に基づいて、前記端末に発生した前記発生事象に対する処理順番を判別する判別手段と、前記判別手段で判別された前記処理順番に基づいて前記機器情報を登録した異常処理管理テーブルを記録する記憶手段と、前記記憶手段に記録されている前記管理テーブルに登録されている特定の機器情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記特定の機器情報を通知した端末に対して第2のネットワークを介して通話する通話手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
通話機能を備えた複数の自動端末およびオペレータが待機する上位センタにてオペレータが操作する保守端末にて構成される遠隔保守システムにおいて、保守端末側が遠隔保守の対象端末を選択することにより、遠隔保守の処理効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明の種々な実施の形態に係る遠隔保守システムの構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遠隔保守システムの概略構成を示す図である。遠隔保守システムは、遠隔地A、遠隔地Bそれぞれに設けられた複数の自動端末とネットワークを介して接続されている上位センタ2で構成されている。遠隔地Aには、自動端末1から自動端末NまでのN台の自動端末が設置されている。上位センタ2は、オペレータが操作する保守端末20を有している。
【0011】
自動端末1の構成について図2を用いて説明する。自動端末Nの構成は、自動端末1の構成と同様である。また、遠隔地Bに設けられている自動端末も同様の構成である。自動端末1は、制御部11、ネットワークインタフェース12、コントロールパネル13、記憶部14、通話部15、通知部16、撮影部17を有している。制御部11は、自動端末1の全体を制御している。また、制御部11は、自動端末1に故障が発生したとき、故障内容を判別する。ネットワークインタフェース12は、ネットワーク(電話回線(またはIP電話回線)およびインターネットまたはイーサネット(登録商標))を介して上位センタ2の保守端末20と接続され、種々の情報を送受信する。コントロールパネル13は、表示部131と入力部132を有している。表示部113は、利用者に対して、手続きを促すための記憶部14から読み出された情報を表示する。入力部132は、例えばタッチパネルであり、利用者は、表示部113に表示された情報に対して入力部132を用いて入力することができる。記憶部14は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)である。記憶部14は、表示部113に表示する内容を記録する。通話部15は、例えば電話やインターフォンである。通話部15は、利用者が、ネットインタフェース12を介して電話回線あるいはVoIP技術によってを用いて上位センタ2の保守端末20を使用するオペレータと通話するときに用いられる。通知部16は、例えばスイッチである。通知部16は、コントロールパネル13の入力部132に含まれていてもよい。通知部16は、利用者が、ネットワークインタフェース12を介してインターネット回線を用いて、上位センタ2の保守端末20に対して自動端末1に故障が発生したなどの異常情報(以下サービスコールと称す)を通知するものである。利用者が通知部16を用いてサービスコールを上位センタ2の保守端末20に送信するとき、制御部11が判別した自動端末1で発生した発生事象情報もあわせて送信する。撮影部17は、例えばビデオカメラである。撮影部17は、自動端末1を利用している利用者が撮影部17の撮影範囲に入る位置に設置されている。また、撮影部17で撮影した影像データは、ネットワークインタフェース12を介してインターネット回線を用いて上位センタ2の保守端末20に送信する。つまり、通話部15は、電話回線を利用して上位センタ2の保守端末20を使用するオペレータと通話可能となり、通知部16は、インターネット回線を利用して上位センタ2の保守端末20に対してサービスコールおよび影像データを送信しており、双方は別々の独立した回線を用いている。
【0012】
上位センタ2の保守端末20の構成について図3を用いて説明する。上位センタ2は、オペレータが操作する保守端末20を有している。また、保守端末20は、制御部201、ネットワークインタフェース202、表示部203、入力部204、記憶部205、通話部206を有している。制御部201は、自動端末1から送信されるサービスコールを基にして、自動端末1に発生した異常に対する異常回避処理を制御する。異常回避処理については後に詳述する。ネットワークインタフェース202は、ネットワークを介して自動端末1と接続され、種々の情報を送受信する。表示部203は、モニタであり、例えば、各種管理テーブルを表示する。また、表示部203は、自動端末1から送信される影像データを表示する。入力部204は、例えば、各種管理テーブルにおける設定をする。記憶部205は、例えばROMやRAMであり、例えば、後述する各種管理テーブルを記録する。また、記憶部205は、自動端末1から送信される影像データを記録することもできる。通話部206は、例えば電話やインターフォンである。通話部206は、上位センタ2の保守端末20を使用するオペレータが自動端末1の通話部15に対して電話呼出をするときに用いられる。
【0013】
次に、図4に示すシーケンス図を用いて、図1に示す遠隔保守システムにおける複数の自動端末(遠隔地Aの自動端末1から自動端末N)と上位センタ2の保守端末20との間の異常回避処理について説明する。自動端末については、遠隔地A、遠隔地Bに設置されたどの自動端末でもよい。
【0014】
はじめに、自動端末1を利用している利用者は、故障等の自動端末1の利用に不都合が生じたとき、通知部16を用いて保守端末20に故障等が発生したことを示すサービスコールを送信する。サービスコールには、制御部11が判別した自動端末1で発生した発生事象情報も含まれている。その後、自動端末2を利用している利用者が、故障等の自動端末2の利用に不都合が生じたとき、保守端末20に同様にサービスコールを送信する。同様にサービスコールには、自動端末2で発生した発生事象情報も含まれている。
【0015】
保守端末20の制御部201は、自動端末1が送信したサービスコールに含まれる発生事象情報から発生事象を判別する。次に、保守端末20の制御部201は、自動端末2が送信したサービスコールに含まれる発生事象情報から、発生事象を判別する。次に、保守端末20の制御部201は、受信した複数のサービスコールに含まれる発生事象情報から判別した発生事象、発生時刻等から異常回避処理を優先的にする必要がある異常処理優先度を順位付けする。そして、保守端末20の制御部201は、表示部203に異常処理優先度を順位付けした管理テーブルを表示することができる。異常処理優先度の順位付けについては、後述する。
【0016】
次に、上位センタ2は、異常回避処理を行う自動端末を選択する。自動端末の選択は、オペレータによる手動選択方式と保守端末20による自動選択方式の2つの方法がある。
【0017】
オペレータは、表示部203に表示されている異常処理優先度を順位付けした管理テーブルに表示されている発生事象の内容を確認して、通話部206を用いて電話をかける自動端末を選択することができる(手動選択方式)。ここでは、オペレータが自動端末1を選択したとする。または、保守端末20の制御部201は、異常処理優先度に従って順位付けした管理テーブルに基づいて、異常処理優先度が1番目の自動端末の連絡先を表示部203に表示することができる。オペレータは、表示部203の表示に従って異常処理優先度が1番目の自動端末に対して電話呼出をすることができる(自動選択方式)。保守端末20の制御部201は、異常処理優先度に従って順位付けした管理テーブルに基づいて、異常処理優先度が1番目の自動端末に電話呼出処理をするようにしてもよい。ここでは、自動端末1の異常処理優先度が1番目と判断されたとする。手動選択方式および自動選択方式は、入力部204等を用いて切り替え可能である。または、併用することもできる。
【0018】
次に、オペレータは、保守端末20から、自動端末1に対して電話呼出をする。自動端末1の利用者は、通話部15で保守端末20を使用しているオペレータからの電話呼出に応答すると、オペレータと通話することが可能となる。オペレータは、自動端末1における発生事象を遠隔操作または、利用者に対する指示によって、異常回避処理をすることができる。異常回避処理が完了すると、オペレータは、自動端末1の利用者との通話を終了する。
【0019】
次に、手動選択方式によって、オペレータが自動端末2を選択したとする。または、自動選択方式によって、自動端末1の異常回避処理が完了したため、自動端末2の異常処理優先度が繰り上がって、1番目と判断されたとする。オペレータは、保守端末20から、自動端末2に対して電話呼出をする。自動端末2の利用者は、オペレータからの電話呼出に応答すると、オペレータと通話することが可能となる。オペレータは、自動端末2における発生事象を遠隔操作または、利用者に対する指示によって、異常回避処理をすることができる。異常回避処理が完了すると、オペレータは、自動端末2の利用者との通話を終了する。
【0020】
このように、上位センタ2の保守端末20と、保守端末20に接続されているすべての自動端末との間の電話回線と自動端末から保守端末20に送信されるサービスコールの通信回線を独立させたことで、自動端末の利用者が上位センタ2は、サービスコールの受信順番にとらわれることなく、緊急性の高いサービスコールを優先的に処理することができる。
【0021】
ここで、管理テーブルおよび異常処理優先度の判断について図5、図6、図7、図8を用いて説明する。管理テーブルは、図5、図6、図7、図8に示す各種テーブルで構成される。図5は、記憶部205に記録されている優先度テーブルを示す図である。図6は、記憶部205に記録されている機器管理テーブルを示す図である。図7は、記憶部205に記録されている異常処理管理テーブル(優先度高)を示す図である。図8は、記憶部205に記録されている異常処理管理テーブル(優先度低)を示す図である。
【0022】
図5に示す優先度テーブルは、発生事象と処理優先度とを対応付けている。保守端末20は、複数の自動端末でから送信されたサービスコールに対して、サービスコールに含まれる発生事象情報の緊急度および発生時刻によって処理順番を判断する。優先度テーブルは、サービスコールに含まれる発生事象情報とそれに対応する処理優先度(高または低)を対応付けて管理している。(発生事象、処理優先度)は、(事象1、高)、(事象2、高)、(事象3、高)、(事象4、低)、(事象5、低)、(事象6、低)、(事象7、低)、(事象8、低)である。例として、事象が自動端末1の制御部11の致命的な故障で緊急を要する場合は、処理優先度を高と設定する。また、事象が自動端末1の処理エラー等で軽微なものは、処理優先度を低と設定する。発生事象と処理優先度の設定は、上位センタ2の管理者が設定可能であり、予め設定されている。上位センタ2の管理者は、発生事象に対する処理優先度を任意に設定可能である。例えば、その日の天候や曜日ごと、時間帯によって変更することができる。
【0023】
図6に示す機器管理テーブルは、エリアと機器名とネットワークアドレス情報(IPアドレス等)と機器番号とを対応付けている。この機器管理テーブルは、上位センタ2の保守端末20とネットワークで接続されているすべての自動端末について予め設定されている。つまり、保守端末20が遠隔保守する自動端末の情報を管理するためのテーブルである。
【0024】
図7に示す異常処理管理テーブル(優先度高)は、待機番号と機器番号と発生事象と発生時刻とを対応付けている。例えば、(待機番号、機器番号、発生事象、発生時刻)が、(1、B−1、事象1、9:45:32)と登録されている。つまり、時刻が9:45:32に遠隔地Bの自動端末1で発生した事象1は、異常処理優先度が高の中で1番目であることを示している。これをサービスコール情報と称する。異常処理管理テーブル(優先度高)は、優先度高の発生事象情報を含むサービスコールを送信した自動端末に対する異常回避処理を行う順番待ちのサービスコール情報を登録している。つまり、異常処理管理テーブル(優先度高)は、異常処理優先度が高の発生事象情報を含むサービスコールを送信した自動端末におけるサービスコール情報を登録している。また、異常処理管理テーブル(優先度高)は、異常処理優先度が低の発生事象情報を含むサービスコールを送信した自動端末におけるサービスコール情報が、異常処理優先度が低の発生事象の発生から所定時間経過した場合も異常処理管理テーブル(優先度高)に登録する(異常処理管理テーブルの更新処理と称す)。異常処理管理テーブルの更新処理については、後述する。
【0025】
また保守端末20による異常回避処理が完了した時点で、保守端末20の制御部201は、異常回避処理を実行した自動端末(自動選択方式の場合は、待機番号1に登録されているサービスコール情報に対応する自動端末、手動選択方式の場合は、オペレータが任意に選択した待機番号に登録されているサービスコール情報に対応する自動端末)におけるサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)から削除する。
【0026】
図8に示す異常処理管理テーブル(優先度低)は、待機番号と機器番号と発生事象と発生時刻とを対応付けている。例えば、(待機番号、機器番号、発生事象、発生時刻)が、(1、A−1、事象5、9:45:35)と登録されている。つまり、時刻が9:45:35に遠隔地Aの自動端末1で発生した事象1は、異常処理優先度が低の中で1番目であるサービスコール情報を示している。異常処理管理テーブル(優先度低)は、優先度低の発生事象情報を含むサービスコールを送信した自動端末に対する異常回避処理を行う順番待ちのサービスコール情報を登録している。つまり、異常処理管理テーブル(優先度低)は、異常処理優先度が低の発生事象情報を含むサービスコールを送信した自動端末におけるサービスコール情報を登録している。
【0027】
また保守端末20による異常回避処理が完了した時点で、保守端末20の制御部201は、異常回避処理を実行した自動端末におけるサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度低)から削除する。
【0028】
異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)は、自動端末から送信されるサービスコール、優先度テーブルおよび機器管理テーブルに基づいて、保守端末20の制御部21がサービスコール情報を登録する。
【0029】
例えば、遠隔地Bの自動端末1から保守端末20に対して、事象1の発生を示す発生事象情報を含むサービスコールが送信されたとする。保守端末20の制御部201は、サービスコールが送信されたIPアドレスと機器管理テーブルから機器番号をB−1と判断する。保守端末20の制御部201は、サービスコールと優先度テーブルから処理優先度を高と判断する。そして、保守端末20は、異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号1に、機器番号としてB−1、発生事象として事象1、発生時刻を登録する。発生時刻は、自動端末1の制御部11が自動端末1で発生した発生事象情報を判別したときに、図示しないカウンタにより発生時刻を特定し、サービスコールに発生時刻を示す情報を含めて送信し、保守端末20の制御部201が、サービスコールから発生時刻を取得する。または、保守端末20の制御部201が、サービスコールの受信時刻を図示しないカウンタから判断することもできる。
【0030】
次に、遠隔地Aの自動端末1から保守端末20に対して、事象5の発生を示す発生事象情報を含むサービスコールが送信されたとする。保守端末20の制御部201は、サービスコールが送信されたIPアドレスと機器管理テーブルから機器番号をA−1と判断する。保守端末20の制御部201は、サービスコールと優先度テーブルから処理優先度を低と判断する。そして、保守端末20は、異常処理管理テーブル(優先度低)の待機番号1に、機器番号としてA−1、発生事象として事象5、発生時刻を登録する。
【0031】
次に、遠隔地Aの自動端末5から保守端末20に対して、事象3の発生を示す発生事象情報を含むサービスコールが送信されたとする。保守端末20の制御部201は、サービスコールが送信されたIPアドレスと機器管理テーブルから機器番号をA−5と判断する。保守端末20の制御部201は、サービスコールと優先度テーブルから処理優先度を高と判断する。そして、保守端末20は、異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号2、機器番号としてA−2、発生事象として事象3、発生時刻を登録する。
【0032】
次に、遠隔地Aの自動端末2から保守端末20に対して、事象2の発生を示す発生事象情報を含むサービスコールが送信されたとする。保守端末20の制御部201は、サービスコールが送信されたIPアドレスと機器管理テーブルから機器番号をA−2と判断する。保守端末20の制御部201は、サービスコールと優先度テーブルから処理優先度を高と判断する。そして、保守端末20は、異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号3に、機器番号としてA−2、発生事象として事象2、発生時刻を登録する。
【0033】
次に、図9および図10を用いて、異常処理管理テーブルの更新処理について説明する。図9は、異常処理管理テーブルの更新処理について説明するフローチャートである。
【0034】
はじめに、保守端末20の制御部201は、図示しないカウンタから現在時刻を取得する(ステップS100)。次に、保守端末20の制御部201は、記憶部205に記録されている異常処理管理テーブル(優先度低)を読み出す(ステップS101)。ここで、異常処理管理テーブルの更新処理は、優先度が低の発生事象を示す発生事象情報を含むサービスコールを送信した自動端末に対する処理遅延を防止するためであり、異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されているサービスコール情報に対しては対象外とする。
【0035】
そして、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)にサービスコール情報が登録されているか否かを判定する(ステップS102)。サービスコール情報が登録されていなければ(ステップS302、NO)、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブルの更新処理を完了する。サービスコール情報が登録されていれば(ステップS302、YES)、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているすべてのサービスコール情報について、待機番号1から順に、現在時刻が発生時刻から一定時間(タイムアウト時間(例えば入力部204で任意に設定可能))経過しているか(つまり、現在時刻>発生時刻+タイムアウト時間)を判定する(ステップS103)。
【0036】
保守端末20の制御部201が、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1のサービスコール情報について、現在時刻が発生時刻+タイムアウト時間以下であると判断すると(ステップS103、NO)、ステップS102に戻り、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)の待機番号2にサービスコールの情報が登録されているか否かを判定する。保守端末20の制御部201が、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1のサービスコール情報について、現在時刻が発生時刻+タイムアウト時間を越えていると判断すると(ステップS103、YES)、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1のサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)に再登録する(ステップS104)。保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1のサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)に再登録する際、異常処理管理テーブル(優先度高)の末尾の待機番号にサービスコール情報を再登録する。あるいは、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されているサービスコール情報の発生時刻を基にして、発生時刻順となるように再登録することができる。
【0037】
次に保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)から異常処理管理テーブル(優先度高)に移動したサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度低)から削除する(ステップS105)。そして、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)の待機番号2にサービスコール情報が登録されていれば、待機番号1に繰り上げて再登録する。そして、ステップS102に戻り、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)の待機番号1にサービスコールの情報が登録されているか否かを判定する。
【0038】
図10は、異常処理管理テーブルの更新処理について具体例を示す図である。図10(a)は、異常処理優先度が順位付けされた異常処理管理テーブル(優先度高)の初期状態を示す図である。図10(b)は、異常処理優先度が順位付けされた異常処理管理テーブル(優先度低)の初期状態を示す図である。図10(c)は、異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)の更新処理が完了した時点での異常処理管理テーブル(優先度高)の状態を示す図である。図10(d)は、異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)の更新処理が完了した時点での異常処理管理テーブル(優先度低)の状態を示す図である。図10(e)は、図10(c)における異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号1のサービスコール情報に対する異常回避処理が完了した時点での異常処理管理テーブル(優先度高)の状態を示す図である。図15(f)は、図10(c)における異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号1のサービスコール情報に対する異常回避処理が完了した時点での異常処理管理テーブル(優先度高)の状態を示す図である。
【0039】
はじめに、図10(a)に示すように異常処理管理テーブル(優先度高)には、保守端末20に対して送信されたサービスコールの中で、保守端末20の制御部201が処理優先度高と判断したサービスコールについて、保守端末20に送信された順番に機器B−1、A−5、A−2に関するサービスコール情報が登録されている。また、図10(b)に示すように異常処理管理テーブル(優先度低)には、保守端末20に対して送信されたサービスコールの中で、保守端末20の制御部201が処理優先度低と判断したサービスコールについて、機器A−1に関するサービスコール情報が登録されている。
【0040】
ここで、保守端末20の制御部201が、異常処理管理テーブルの更新処理を実行する。保守端末20の制御部201は、例えば任意に設定可能な所定時間間隔で異常処理管理テーブルの更新処理を実行するように設定することができる。保守端末20の制御部201が、図10(b)に示す異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1のサービスコール情報(機器番号がA−1、発生事象が事象5、発生時刻が9:45:35)について、現在時刻が発生時刻(ここでは、9:45:35)+タイムアウト時間を越えていると判断すると、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1の機器番号がA−1に対するサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)に再登録する。ここで、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1の機器番号がA−1に対するサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)に再登録する際、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されているサービスコール情報の発生時刻を基にして、発生時刻順となるように再登録する。つまり、図10(c)に示すように、保守端末20の制御部201は、機器番号がA−1に対するサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号2に再登録する。そして、保守端末20の制御部201は、図10(a)に示す状態で待機番号2の機器番号がA−5に対するサービスコール情報を、待機番号3に繰り下げて再登録する。保守端末20の制御部201は、図10(a)に示す状態で待機番号3の機器番号がA−2に対するサービスコール情報を、待機番号4に繰り下げて再登録する。
【0041】
そして、保守端末20の制御部201は、図10(d)に示すように異常処理管理テーブル(優先度低)から異常処理管理テーブル(優先度高)に移動した機器番号A−1に対するサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度低)から削除する。
【0042】
次に保守端末20を使用するオペレータが、自動選択方式にて異常回避処理の対象となる自動端末を選択した場合について説明する。オペレータは、異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号1に登録されているサービスコール情報に対応する自動端末(図10(c)の状態で機器暗号B−1の自動端末)に対して、異常回避処理を実行する。機器暗号B−1の自動端末に対する異常回避処理が完了すると、保守端末20の制御部201は、異常処理管理テーブル(優先度高)の待機番号1に登録されている機器番号A−1に対するサービスコール情報を削除する。そして、図10(d)に示すように、保守端末20の制御部201は、図10(c)に示す状態で待機番号2の機器番号がA−1に対するサービスコール情報を、待機番号1に繰り上げて再登録する。保守端末20の制御部201は、図10(c)に示す状態で待機番号3の機器番号がA−5に対するサービスコール情報を、待機番号2に繰り上げて再登録する。保守端末20の制御部201は、図10(c)に示す状態で待機番号4の機器番号がA−2に対するサービスコール情報を、待機番号3に繰り上げて再登録する。異常処理管理テーブル(優先度低)は、図10(f)に示すように、登録の変更はされない。
【0043】
本実施形態では、図10(a)に示す異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されるサービスコール情報に対応する自動端末に対する異常回避処理を優先して進めることが前提となっている。そのため、図10(b)に示す異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されるサービスコール情報に対応する自動端末に対する異常回避処理は、異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されるサービスコール情報が多ければ多いほど、大幅に遅れてしまう。
【0044】
この問題を回避することを目的として、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているサービスコールを対象とし、サービスコールの発生時刻から一定時間経過した場合には、優先度を低から高に上げることにより、処理の待機時間を短縮させることができる。
【0045】
次に、保守端末20による異常回避処理の対象となる自動端末の選択について図11を用いて説明する。はじめに、保守端末20の制御部201は、上記図9および図10を用いて説明した異常処理管理テーブルの更新処理を、例えば所定間隔で実行する(ステップS200)。
【0046】
そして、保守端末20の制御部201は、表示部203の画面上に図7に示す異常処理管理テーブル(優先度高)および図8に示す異常処理管理テーブル(優先度低)によってすべてのサービスコール情報を表示する(ステップS201)。保守端末20を使用するオペレータは、異常回避処理の対象である自動端末の選択待ち状態となる(ステップS202)。
【0047】
保守端末20の制御部201は、異常回避処理の対象である自動端末の選択について、自動選択方式が設定されているか否かを判断する(ステップS203)。自動選択方式は、異常回避処理の対象である自動端末の選択について、例えば、図7に示す異常処理管理テーブル(優先度高)を基にして、保守端末20の制御部201が、異常回避処理の対象となるサービスコール情報を選択するものである。自動選択方式が設定されていない場合は、手動選択方式となる。手動選択方式は、異常回避処理の対象である自動端末の選択について、例えば、図7に示す異常処理管理テーブル(優先度高)および図8に示す異常処理管理テーブル(優先度低)を基にして、保守端末20を使用するオペレータが、異常回避処理の対象となるサービスコール情報を異常処理優先度に依存しないで選択するものである。
【0048】
自動選択方式が設定されているとき(ステップS203、YES)、保守端末20の制御部201は、サービスコールにおける発生事象の処理優先度および発生時刻に従って登録された異常処理管理テーブル(優先度高)を基にして、待機番号が先頭のサービスコール情報に対応する自動端末を異常回避処理の対象となる自動端末と選択する。そして、保守端末20の制御部201は、を異常回避処理の対象となる自動端末に対応するサービスコール情報を取得し、異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されている当該サービススコール情報を削除する(ステップS204)。
【0049】
自動選択方式が設定されていないとき(ステップS203、YES)、保守端末20を使用するオペレータは、表示部203の画面上に表示された異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているすべてのサービスコール情報から特定のサービスコール情報を入力部204で選択する。選択されたサービスコール情報に対応する自動端末が、異常回避処理の対象となる自動端末である。
【0050】
そして、保守端末20の制御部201は、オペレータが選択したサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)または異常処理管理テーブル(優先度低)から取得し、異常処理管理テーブル(優先度高)または異常処理管理テーブル(優先度低)から、当該サービスコール情報を削除する(ステップS205)。
【0051】
保守端末20の制御部201は、自動選択方式または手動選択方式で選択した異常回避処理の対象となるサービスコール情報に含まれる機器番号と、図6に示す機器管理テーブルの機器番号とを対応付けて、機器管理テーブルから異常回避処理の対象となるサービスコール情報に対応する自動端末のIPアドレス情報等を取得する(ステップS206)。
【0052】
そして、保守端末20の制御部201は、異常回避処理の対象となる自動端末のIPアドレスを表示部203に表示する。保守端末20を使用するオペレータは、表示部203の表示に従って、異常回避処理の対象となる自動端末に対して、電話呼出をする(ステップS207)。または、保守端末20の制御部201が、取得したIPアドレスに対応する自動端末に対して、電話呼出処理をすることもできる。
【0053】
自動端末の利用者が、通話部15で保守端末20を使用しているオペレータからの電話呼出に応答すると、オペレータと通話することが可能となる。オペレータは、自動端末における発生事象を遠隔操作または、利用者に対する指示によって、異常回避処理を実施する(ステップS208)。異常回避処理が完了すると、オペレータは、自動端末1の利用者との通話を終了する(ステップS209)。
【0054】
図12は、保守端末20による異常回避処理の対象となる自動端末の手動選択方式について具体例を示す図である。図12(a)は、異常処理優先度が順位付けされた異常処理管理テーブル(優先度高)の初期状態を示す図である。図12(b)は、異常処理優先度が順位付けされた異常処理管理テーブル(優先度低)の初期状態を示す図である。図12(c)は、手動選択方式でサービスコール情報を選択したときの異常処理管理テーブル(優先度高)の状態を示す図である。図12(d)は、手動選択方式でサービスコール情報を選択したときの異常処理管理テーブル(優先度低)の状態を示す図である。図12(e)は、手動選択方式で図12(c)の状態から、さらにサービスコール情報を選択したときの異常処理管理テーブル(優先度高)の状態を示す図である。図12(f)は、手動選択方式で図12(d)の状態から、さらにサービスコール情報を選択したときの異常処理管理テーブル(優先度低)の状態を示す図である。
【0055】
はじめに、図12(a)に示すように、保守端末20に対して送信されたサービスコールの中で、保守端末20の制御部201が処理優先度高と判断したサービスコールについて、保守端末20に送信された順番に機器B−1、A−5、A−2に関するサービスコール情報が登録されている。また、図10(b)に示すように異常処理管理テーブル(優先度低)には、保守端末20に対して送信されたサービスコールの中で、保守端末20の制御部201が処理優先度低と判断したサービスコールについて、機器A−1に関するサービスコール情報が登録されている。
【0056】
ここで、自動選択方式が設定されておらず、手動選択方式のとき、保守端末20を使用するオペレータは、表示部203の画面上に表示された図12(a)に示す異常処理管理テーブル(優先度高)および図12(b)に示す異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているすべてのサービスコール情報から特定のサービスコール情報を入力部204で選択する。保守端末20を使用するオペレータが、図10(a)に示す異常処理管理テーブル(優先度高)に登録されている待機番号2のサービスコール情報(機器番号がA−5、発生事象が事象2、発生時刻が9:45:40)について、異常回避処理の対象とする自動端末として選択したとする。
【0057】
そして、保守端末20の制御部201は、オペレータが選択したサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度高)から取得し、図12(c)に示すように異常処理管理テーブル(優先度高)から、機器番号A−5に対するサービスコール情報を削除する。そして、図12(c)に示すように、保守端末20の制御部201は、図10(a)に示す状態で待機番号3の機器番号がA−2に対するサービスコール情報を、待機番号2に繰り上げて再登録する。異常処理管理テーブル(優先度低)は、図12(d)に示すように、登録の変更はされない。
【0058】
保守端末20を使用するオペレータと機器番号A−5である自動端末の利用者との間で、異常回避処理完了したとする。次に、保守端末20を使用するオペレータが、表示部203の画面上に表示された図12(c)に示す異常処理管理テーブル(優先度高)および図12(d)に示す異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているすべてのサービスコール情報から特定のサービスコール情報を入力部204で選択する。保守端末20を使用するオペレータが、図10(d)に示す異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている待機番号1のサービスコール情報(機器番号がA−1、発生事象が事象5、発生時刻が9:45:35)について、異常回避処理の対象とする自動端末として選択したとする。
【0059】
そして、保守端末20の制御部201は、オペレータが選択したサービスコール情報を異常処理管理テーブル(優先度低)から取得し、図12(f)に示すように異常処理管理テーブル(優先度低)から、機器番号A−1に対するサービスコール情報を削除する。異常処理管理テーブル(優先度低)は、図12(d)に示すように、登録の変更はされない。
【0060】
次に、保守端末20を使用するオペレータが、手動選択方式で異常処理管理テーブル(優先度高)または異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているすべてのサービスコール情報から特定のサービスコール情報を選択する際の方法について説明する。保守端末20を使用するオペレータは、表示部203の画面上に表示された異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されているすべてのサービスコール情報から特定のサービスコール情報を入力部204で選択する。異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)には、発生事象が表示されているため、オペレータは、どの自動端末に、どのような事象が発生したのか認識することができる。
【0061】
また、自動端末1の撮影部17は、自動端末1を利用している利用者を撮影している。撮影部17が撮影した影像データは、ネットワークインタフェース12を介してインターネット回線を用いて上位センタ2の保守端末20に送信している。保守端末20の制御部201は、受信した影像データを一時的に記憶部205に記憶すると共に、表示部203にリアルタイムに表示することができる。保守端末20を使用するオペレータは、複数の自動端末から送信される複数影像データに対して、例えば入力部204によって任意の影像データを表示部203に表示するように切り替え可能である。保守端末20のオペレータは、異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)と影像データから特定のサービスコール情報を選択することができる。例えば、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている緊急性を要さない発生事象を含んだサービスコール情報であっても、保守端末20を使用するオペレータが、当該サービスコール情報に対応する自動端末から送信される影像データから、利用者が年配者やなどであると認識した場合、保守端末20を使用するオペレータは、当該サービスコール情報を選択することができる。また、異常処理管理テーブル(優先度低)に登録されている緊急性を要さない発生事象を含んだサービスコール情報であっても、保守端末20を使用するオペレータが、当該サービスコール情報に対応する自動端末から送信される影像データから、複数の利用者が並んでいると認識した場合、保守端末20保守端末20を使用するオペレータは、当該サービスコール情報を異常回避処理の対象として選択することで、利用者に対するサービスが向上する効果がある。
【0062】
このような手動選択方式によって、保守端末20を使用するオペレータは、自動端末から送信されたサービスコールにおける発生事象の処理優先度および発生時刻に従って登録された異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)に依存することなく、保守端末20を使用するオペレータが利用者の状況とを総合的に判断して、異常回避処理の順番を選択することができる。
【0063】
この遠隔保守システムでは、自動端末1と保守端末20の間の電話回線では保守端末20側から電話呼出をするため、複数の自動端末から同時にサービスコールを保守端末20に対して送信されているとしても、ネットワーク負荷を軽減することができる。
【0064】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る遠隔保守システムの構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る自動端末の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る保守端末の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態に係る遠隔保守システムにおける処理を示すシーケンス図。
【図5】本発明の一実施形態に係る優先度テーブルを示す図。
【図6】本発明の一実施形態に係る機器管理テーブルを示す図。
【図7】本発明の一実施形態に係る異常処理管理テーブル(優先度高)を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る異常処理管理テーブル(優先度低)を示す図。
【図9】異常処理管理テーブルの更新処理について説明するフローチャート。
【図10】本発明の一実施形態に係る異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)を示す図。
【図11】異常回避処理の対象となる自動端末の選択について説明するフローチャート。
【図12】本発明の一実施形態に係る異常処理管理テーブル(優先度高)および異常処理管理テーブル(優先度低)を示す図。
【符号の説明】
【0066】
1…自動端末、2…保守端末、11…制御部、12…ネットワークインタフェース、13…コントロールパネル、14…記憶部、15…通話部、16…通知部、17…撮影部、20…上位センタ、131…表示部、132…入力部、201…制御部、202…ネットワークインタフェース、203…表示部、204…入力部、205…記憶部、206…通話部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に発生した発生事象を識別する制御手段と、
第1のネットワークを介して、前記制御手段で識別された前記発生事象を示す情報を含む機器情報を通知する通知手段と、
前記通知手段により通知された前記機器情報に基づいて、前記端末に発生した前記発生事象に対する処理順番を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別された前記処理順番に基づいて前記機器情報を登録した異常処理管理テーブルを記録する記憶手段と、
前記記憶手段に記録されている前記管理テーブルに登録されている特定の機器情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記特定の機器情報を通知した端末に対して第2のネットワークを介して通話する通話手段と、
を有することを特徴とする遠隔保守システム。
【請求項2】
前記機器情報は、前記発生事象が発生した発生時刻を有することを特徴とする請求項1記載の遠隔保守システム。
【請求項3】
前記判別手段は、前記通知手段により通知された前記機器情報に含まれる前記発生事象および前記発生時刻を示す情報と、前記複数の発生事象についてそれぞれの優先度が高か低かを対応付けた前記記憶手段に記録されている優先度テーブルとを比較し、前記機器情報を前記優先度が高の場合には異常処理高管理テーブルに登録し、優先度が低の場合には異常処理低管理テーブルに登録することを特徴とする請求項2記載の遠隔保守システム。
【請求項4】
前記判別手段は、前記発生事象の前記発生時刻と、前記異常処理高管理テーブルに登録されている異常処理高機器情報の発生時刻または前記異常処理低管理テーブルに登録されている異常処理低機器情報の発生時刻とを現在時刻と比較し、現在時刻から経過している順序で前記機器情報を前記異常処理高機器情報または前記異常処理高機器情報に登録することを特徴とする請求項3記載の遠隔保守システム。
【請求項5】
前記判別手段は、現在時刻が前記異常処理低管理テーブルに登録された前記異常処理低機器情報の発生時刻に所定時間加えた時刻を越えた経過機器情報がある場合、前記経過機器情報を前記異常処理高管理テーブルに登録することを特徴とする請求項4記載の遠隔保守システム。
【請求項6】
前記判別手段は、前記経過機器情報を前記異常処理高管理テーブルに登録する場合、前記経過機器情報の発生時刻と前記異常処理高管理テーブルに登録されている前記異常処理低機器情報の発生時刻とを比較し、前記現在時刻から経過している順序で前記経過機器情報を前記異常処理低機器情報に登録することを特徴とする請求項5記載の遠隔保守システム。
【請求項7】
前記取得手段は、入力手段による第1の選択設定に基づいて、前記異常処理高管理テーブルに登録されている前記異常処理高機器情報のなかで、前記異常処理高機器情報の発生時刻が現在時刻から最も経過している前記特定の機器情報を取得することを特徴とする請求項6記載の遠隔保守システム。
【請求項8】
前記取得手段は、入力手段による第2の選択設定に基づいて、前記異常処理高管理テーブルに登録されている前記異常処理高機器情報または前記異常処理低管理テーブルに登録されている前記異常処理低機器情報のなかで、前記入力部による前記特定の機器情報の選択により、前記特定の機器情報を取得することを特徴とする請求項6記載の遠隔保守システム。
【請求項9】
端末に発生した発生事象を示す情報を含む機器情報を第1のネットワークを介して受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記機器情報に基づいて、前記端末に発生した前記発生事象に対する処理順番を判別する判別手段と、
前記判別手段で判別された前記処理順番に基づいて前記機器情報を登録した異常処理管理テーブルを記録する記憶手段と、
前記記憶手段に記録されている前記管理テーブルに登録されている特定の機器情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記特定の機器情報を通知した端末に対して第2のネットワークを介して通話する通話手段と、
を有することを特徴とする保守端末。
【請求項10】
前記機器情報は、前記発生事象が発生した発生時刻を有することを特徴とする請求項9記載の保守端末。
【請求項11】
前記判別手段は、前記通信手段で受信した前記機器情報に含まれる前記発生事象および前記発生時刻を示す情報と、前記複数の発生事象についてそれぞれの優先度が高か低かを対応付けた前記記憶手段に記録されている優先度テーブルとを比較し、前記機器情報を前記優先度が高の場合には異常処理高管理テーブルに登録し、優先度が低の場合には異常処理低管理テーブルに登録することを特徴とする請求項10記載の保守端末。
【請求項12】
前記判別手段は、前記発生事象の前記発生時刻と、前記異常処理高管理テーブルに登録されている異常処理高機器情報の発生時刻または前記異常処理低管理テーブルに登録されている異常処理低機器情報の発生時刻とを現在時刻と比較し、現在時刻から経過している順序で前記機器情報を前記異常処理高機器情報または前記異常処理高機器情報に登録することを特徴とする請求項11記載の保守端末。
【請求項13】
前記判別手段は、現在時刻が前記異常処理低管理テーブルに登録された前記異常処理低機器情報の発生時刻に所定時間加えた時刻を越えた経過機器情報がある場合、前記経過機器情報を前記異常処理高管理テーブルに登録することを特徴とする請求項12記載の保守端末。
【請求項14】
前記判別手段は、前記経過機器情報を前記異常処理高管理テーブルに登録する場合、前記経過機器情報の発生時刻と前記異常処理高管理テーブルに登録されている前記異常処理低機器情報の発生時刻とを比較し、前記現在時刻から経過している順序で前記経過機器情報を前記異常処理低機器情報に登録することを特徴とする請求項13記載の保守端末。
【請求項15】
前記取得手段は、入力手段による第1の選択設定に基づいて、前記異常処理高管理テーブルに登録されている前記異常処理高機器情報の中で、前記異常処理高機器情報の発生時刻が現在時刻から最も経過している前記特定の機器情報を取得することを特徴とする請求項14記載の保守端末。
【請求項16】
前記取得手段は、入力手段による第2の選択設定に基づいて、前記異常処理高管理テーブルに登録されている前記異常処理高機器情報または前記異常処理低管理テーブルに登録されている前記異常処理低機器情報のなかで、前記入力部による前記特定の機器情報の選択により、前記特定の機器情報を取得することを特徴とする請求項14記載の保守端末。
【請求項17】
端末に発生した発生事象を示す情報を含む機器情報を第1のネットワークを介して受信し、
受信した前記機器情報に基づいて、前記端末に発生した前記発生事象に対する処理順番を判別し、
判別された前記処理順番に基づいて前記機器情報を登録した異常処理管理テーブルを記録し、
記録されている前記管理テーブルに登録されている特定の機器情報を取得し、
取得した前記特定の機器情報を通知した端末に対して第2のネットワークを介して通話する、
ことを特徴とする遠隔保守方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−199397(P2008−199397A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33865(P2007−33865)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】