説明

遠隔操作システムおよび遠隔操作方法および遠隔操作アダプタおよびサービス機器

【課題】携帯電話機から簡単な操作で家庭内の家電品の操作を行うことが可能な遠隔操作システムを実現する。
【解決手段】携帯電話機のインターネットホームページ閲覧機能を利用し、インターネットと公衆回線に接続されホームページを提供するサービス機器を設け、携帯電話機を用いホームページ上で家電製品の操作を指示することにより、家庭に設置された遠隔操作アダプタに公衆回線経由で操作指示を行い、遠隔操作アダプタが家電品を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作システムおよび遠隔操作方法および遠隔操作アダプタおよびサービス機器に係り、特に、インターネットへの接続機能とホームページの閲覧機能(ブラウザ)を有する携帯電話機から、家庭内の各種家電品の制御を行うようにした遠隔操作技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠隔地にある家電製品等の遠隔操作を行う従来のシステムとしては、例えば、特開2000−59867号公報に開示された遠隔操作システムが挙げられる。この公報に記載された遠隔操作システムでは、遠隔地にある電気製品等を操作制御するための操作制御情報を、インターネットを介して配信される電子メールにより前記電気製品等に伝達し、前記電気製品等を操作制御するものである。
【0003】
上記の電子メールを用いた遠隔操作システムでは、ユーザは遠隔操作する機器の名称や操作内容を電子メールに記述し送信する。例えば、VTRの録画操作を行う場合には、「[ビデオ][3/30、21:00〜22:00、3倍速]」といったような記述内容の電子メールを送信する。家庭内に設置された制御装置は、一定時間ごとにメールサーバにアメールの内容をチェックすることにより、遠隔操作を指示する電子メールの場合クセスし、電子メールが届いていた場合には受信する。そして、受信した電子には、その記述内容にしたがって制御装置に接続された電気製品の制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−59867号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特に家庭用電気製品の場合、ユーザは機器に付属するリモコンによる直視的なユーザインタフェースによる操作に慣れている。例えば、エアコンの操作を例にとると、リモコンの「冷房」、「暖房」などのボタンを利用してエアコンの運転を制御し、また設定温度に関しても、リモコンに設けられた液晶表示装置に表示される現在の設定温度を見ながら、リモコンの「アップ」、「ダウン」ボタンなどを利用して設定温度を変更する。これを、前記電子メールを利用したシステムにおいて行うためには、例えば、「[エアコン][冷房、25℃]」などと記述した電子メールを送信することとなる。
【0006】
さて、電子メールを送信するためには、インターネットに接続された環境が必要となる。一般的にはインターネットに接続されたパソコンを使用する場合が多いが、最近では、携帯電話機からもインターネットを利用した電子メールの送信が可能となっている。しかし、例えば前述のエアコンの操作を外出先から行う場合に、勤務先のパソコン等を利用する場合を除けば、インターネットに接続されたパソコンを利用する環境を準備することは難しい。一方、携帯電話機から電子メールを送信する場合であれば、場所を選ばずに電子メールを送信することが可能ではあるが、携帯電話機の場合、その文字入力のための操作インタフェースは基本的にテンキーを利用して行うものであり、電子メールの文書を作成するのに非常に手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記のような外出先から家庭内の家電製品の操作を行うシステムにおける現状の問題点に鑑み、携帯電話機から簡単な操作で家庭内の家電製品の操作を行うことが可能な遠隔操作システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の遠隔操作システムでは、携帯電話事業者が提供するインターネット接続サービスを利用し、インターネット接続機能を持つ携帯電話機を用いて、携帯電話機の画面上に表示されるホームページで家庭内の家電製品の操作を指示することを可能とするものである。
【0009】
具体的には、家庭内に、一般電話回線などの通信回線と接続され、通信回線を通して送られてくるデータに基づき、家庭内の家電製品を制御する機能を有する遠隔操作アダプタを設置する。さらに、サービス提供事業者が、利用登録を行っている携帯電話機の利用者(顧客)に対して、携帯電話事業者の提供するインターネット接続サービスを利用して接続するホームページを提供するとともに、このホームページと連動して、遠隔操作アダプタに対して一般電話回線などの通信回線を利用して、家庭内の家電製品を制御する指示を送信するサービスを実現するものである。
【0010】
かような構成の遠隔操作システムにより、インターネット接続機能を持つ携帯電話機を利用して、携帯電話機の画面に表示されるホームページを見ながら、あるいは、ホームページを利用した対話型ユーザインタフェースを用いて、家庭内の家電製品の遠隔操作を行うことが可能となる。
【0011】
なお、上記以外の本発明の特徴的な構成やその作用効果は、以下の説明から明らかとなる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、携帯電話事業者の提供するインターネット接続サービスを利用することにより、携帯電話機の画面に表示されるホームページを見ながら、あるいはホームページを利用した対話形式のユーザフレンドリーなユーザインタフェースを用いて、家庭内の家電品の操作を、外出先の携帯電話機から簡単、容易に行うことが可能となり、以って、普く普及しつつある携帯電話機を用いて行う、外出先での家電品の遠隔操作の利便性が大いに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る遠隔操作システムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態における、携帯電話機によるインターネット接続サービスの構成を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態における、サービス提供事業者のサービス機器の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における、顧客認証ホームページの構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における、顧客データベースの構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における、顧客別ホームページおよび機器別ホームページの構成例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態における、遠隔操作アダプタの構成例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における、機器制御テーブルの構成例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る遠隔操作システムにおける、処理の流れの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遠隔操作システムの構成を示す図である。
【0015】
図1において、101は携帯電話機、102は携帯電話事業者、103はインターネット、104はサービス機器100を有するサービス提供事業者、105は公衆回線、106は遠隔操作アダプタ、107はネットワーク対応家電品、108はホームネットワーク、121は家電メーカA、122は家電メーカB、123は家電メーカCである。
【0016】
携帯電話機101は、携帯電話事業者102が提供する携帯電話サービスを利用可能な携帯電話機であり、本実施形態においては、携帯電話サービスとして音声による通話、データ通信によるインターネットサービスを利用可能な携帯電話機である。携帯電話事業者102は、図2に示す携帯電話機によるインターネット接続サービスを提供する。
【0017】
インターネット接続サービスの詳細に関しては後述する。携帯電話事業者102はインターネット接続サービスにより、インターネット103に接続される。サービス機器100を有するサービス提供事業者104は、インターネット103に接続される。これにより、携帯電話機101から携帯電話事業者102、インターネット103を通して、サービス提供事業者104の提供するホームページへのアクセスが可能となる。
【0018】
サービス提供事業者104のサービス機器100は、一般電話回線、デジタル電話回線などの公衆回線105を通して、家庭に設置された遠隔操作アダプタ106と接続される。なお、公衆回線105に代替して、専用回線などの他の通信回線を用いてもよい。
【0019】
家庭に設置された遠隔操作アダプタ106には、ホームネットワーク108によりネットワーク対応家電品107が接続される。ホームネットワーク108としては、電灯線によるデータ伝送を利用したものや、無線によるデータ伝送を利用したものなどを用いる。ネットワーク対応家電品は、ホームネットワーク108に接続する機能を有する家電品であり、例えば、エアコン、照明機器、テレビ、VTRなどである。
【0020】
家電メーカA121、B122、C123の情報提供機器は、インターネット接続サービスによりインターネット103に接続され、サービス機器100を有するサービス提供事業者104は、インターネット103を通して、家電メーカの提供するホームページへのアクセスが可能となる。
【0021】
図2に、携帯電話事業者102の提供する携帯電話機によるインターネット接続サービスの構成を示す。携帯電話機101と携帯電話事業者102の間は、無線ネットワーク109で接続される。インターネット接続サービスを利用する場合、携帯電話機101と携帯電話事業者102の間では、携帯電話事業者の定めた独自のプロトコルで通信が行われる。
【0022】
携帯電話機101には、独自のプロトコルで通信を行う手段と、受信したデータをもとに携帯電話機の表示装置にホームページを表示するブラウザ(ここでは、WWWサーバの中身を読み取るためのWWWブラウザ)が搭載される。一方、携帯電話事業者102は、専用線110などによりインターネット103に接続され、同じく専用線などにより接続されたサービス提供事業者104と接続される。
【0023】
携帯電話事業者102とサービス提供事業者104との間では、インターネットにおける一般的な通信プロトコルであるTCP/IP(Transmisson Control Protcol/Internet Protocol)などにより通信が行われる。携帯電話事業者102が、独自プロトコルとTCP/IPとの変換を行うことにより、インターネット103に接続されたサービス提供事業者104の提供するホームページを、携帯電話機101に搭載されたブラウザを利用して閲覧することが可能となる。
【0024】
図3に、本実施形態におけるサービス提供事業者104のサービス機器100の構成を示す。サービス機器100は、WWW(World Wide Web)サーバ201を有し、このWWWサーバ201において、顧客認証ホームページ202、顧客別ホームページ203、および顧客別ホームページ203とリンクした機種別ホームページ(図6で後述)を有するとともに、顧客データベース204、顧客ごとのホームページにリンクした顧客別プログラム205、および公衆回線105に接続するための回線接続手段206などによって構成される。
【0025】
図1において、携帯電話機101から携帯電話事業者102、インターネット103を通して、サービス提供事業者104にアクセスした場合、まず顧客認証ホームページ202が携帯電話機101の画面に表示される。
【0026】
本実施形態において顧客認証ホームページ202は、図4に示すように、利用者IDを入力する領域302、および利用者パスワードを入力する領域303、およびログオンを指示するボタン304により構成される。本遠隔操作サービスの利用者は、携帯電話機101に表示された顧客認証ホームページ202において、利用者ID、利用者パスワードを入力した後、ログオンボタン304を選択することにより、サービス提供事業者104に対して、遠隔操作サービスへのログオンを要求する。
【0027】
サービス提供事業者104では、顧客認証ホームページ202において入力された利用者ID、利用者パスワード、および、携帯電話事業者103から送られて来る携帯電話機101の電話番号をもとに、顧客データベース204によりユーザ認証を行う。
【0028】
図5に示すように、本実施形態においては、顧客データベース204には、少なくとも電話番号305、ID306、パスワード307、ホームページ308、遠隔操作アダプタ電話番号309が一覧表として用意される。電話番号305は携帯電話機101の電話番号であり、前述した通り、携帯電話事業者102から送られて来るものである。
【0029】
ID306、パスワード307は、携帯電話機101を利用して遠隔操作サービスを利用する利用者(顧客)が、顧客認証ホームページ202において入力する、利用者IDと利用者パスワードである。一般的に、ID306に関しては、利用者(顧客)がサービス提供事業者の提供する遠隔操作サービスに加入登録(利用登録)した際に、サービス提供事業者104が決定して予め利用者(顧客)に通知するものであり、パスワード307に関しては、サービス提供事業者104が仮のパスワードを決定して利用者に通知し、利用者がその後、任意のパスワードに変更可能なものである。
【0030】
ホームページ308は、利用者ごとのホームページのURL(Uniform Resource Locator)を示したものであり、このURLをもとに各利用者ごとのホームページのアクセスを行う。また、遠隔操作アダプタ電話番号309は、利用者(顧客)の遠隔操作アダプタ106が接続されている公衆回線の電話番号である。
【0031】
顧客認証ホームページ202において携帯電話機101の利用者が入力した利用者ID、利用者パスワードが、顧客データベース204に保持された内容と一致した場合には、利用者の携帯電話機101に、顧客データベース204が示すホームページ308のURLで指定される顧客別ホームページ203が表示される。
【0032】
なお、携帯電話機101が一度アクセスしたホームページ毎のユーザ識別情報を保持可能で、クッキー(Cookie)やOPS(Open Profiling Standard)に対応可能なものであるなら、サービス提供業者104のサービス機器100は、クッキーやOPSのような仕組みを用いることで、利用者(顧客)の二度目以降のアクセス時に、顧客認証ホームページ202での、利用者(顧客)による利用者IDや利用者パスワードの入力を省かせることも可能である。
【0033】
本実施形態において、顧客別ホームページ203は、図6に示すように、その利用者(顧客)が遠隔操作サービスで遠隔操作を行うことが可能な機器の一覧311、およびパスワード変更312、問合せ313などのサービスメニューによって構成される。ここで、パスワード変更312は、顧客データベース204に保持されるパスワード307の変更を要求するものであり、問合せ313は、遠隔操作サービス関する問合せを、サービス提供事業者104に送信するものである。
【0034】
遠隔操作サービスの利用者は、携帯電話機101に表示された顧客別ホームページ203において、操作したい機器(家電品)、例えばエアコンを選択する。本実施形態においては、顧客別ホームページ203において機器(家電品)の選択は、反転表示されるカーソルにより目的の機器(家電品)を選択し、決定する。いま、顧客別ホームページ203における機器(家電品)の一覧311において、エアコンを選択した場合、顧客別ホームページ203とリンクした、エアコンに対応する機器別ホームページ301が表示される。
【0035】
この機器別ホームページ301はエアコンの操作パネルであり、例えば運転モード(冷房、暖房、換気、切)の一覧315、および運転モードを選択するチェックボックス314、室温設定値の表示317、設定室温の設定値を上げるボタン316、設定室温値を下げるボタン318、顧客別ホームページ203に戻ることを指示するボタン319、設定内容を決定したことを通知する決定ボタン320により構成される。
【0036】
遠隔操作サービスを利用してエアコンを操作する場合、携帯電話機101の利用者は、携帯電話機101に表示される機器別ホームページ301において、運転モードの一覧315の中から所望の運転モードのチェックボックス314にチェックを入れ、さらに、設定室温の設定値を上げるボタン316、設定室温値を下げるボタン318により室温設定値の表示317を所望の室温設定とした後、決定ボタン320を選択する。
【0037】
携帯電話機101で、顧客別ホームページ203あるいは機種別ホームページ301において操作を行うと、サービス提供事業者104では顧客別プログラム205が動作する。顧客別プログラム205は、顧客別ホームページ203あるいは機種別ホームページ301とリンクしており、例えば機種別ホームページ301において設定されたエアコンの設定に従い、回線接続手段206を制御し、公衆回線105を通して、利用者(顧客)の家庭に設置された遠隔操作アダプタ106に、エアコンの操作を指示する。
【0038】
サービス提供事業者104は、顧客の遠隔操作アダプタ106に接続する場合、回線接続手段206を制御し、顧客データベース204によって示された遠隔操作アダプタ電話番号309の示す電話番号に対して発呼を行うことにより、遠隔操作アダプタ106と接続する。
【0039】
ここで、顧客別プログラム205の動作にしたがって、遠隔操作アダプタ106に指示される家電品への制御指示内容は、家電品のメーカ、製品種別などによって異なるものなると考えられる。そこで、サービス提供事業者104は、サービス機器100またはサービス提供事業者の図示せぬホスト機器によって、顧客別プログラム205や機種別ホームページ301を作成するための基礎データとなる家電品の制御仕様データなどを、インターネット103を介して、家電メーカA121、B122、C123などの情報提供機器から入手する。この際、サービス提供事業者104は、情報の提供を受けた家電メーカに対して、対価を支払うようにされる。この対価は、提供を受けた情報量に応じたネット決済システムによる金銭の支払いであっても、あるいは、家電メーカに対して提供する各家電品の制御モニタ情報などであってもよい。
【0040】
図7に、本実施形態における遠隔操作アダプタ106の構成を示す。遠隔操作アダプタ106は、公衆回線105に接続される回線接続手段211、遠隔操作アダプタ106の制御を行う制御部212、遠隔操作アダプタ106に接続されるネットワーク対応家電品107の制御を行うためのデータを格納した機器制御テーブル213、ホームネットワーク108に接続するためのホームネットワークインタフェース214により構成される。
【0041】
前述したように、サービス提供事業者104は、家庭内の家電品を制御するために、公衆回線105を通して機器の制御を行うための指示を行う。遠隔操作アダプタ106は、この指示を公衆回線105から回線接続手段211を通して受け取る。この指示を受け取った制御部212は、その指示内容から機器制御テーブル213を用いて対象の機器を制御するためのコマンドを生成し、ホームネットワークインタフェース214を通して、ホームネットワーク108に接続されたネットワーク対応家電品107を制御する。
【0042】
本実施形態における機器制御テーブル213の構成を、図8に示す。機器制御テーブル213には、機器ID321、機器名322、操作ID323、操作名324、ネットワーク325、機器アドレス326、コマンド327が保持される。
【0043】
機器ID321は操作対象の機器(家電品)を示すID番号であり、家庭内において、言い換えれば遠隔操作アダプタ106の管理する機器内において一意の値を持つ。機器名322は機器(家電品)の名称である。
【0044】
本実施形態の場合、エアコンの機器ID321を「09」として定義している。機器ID321は、サービス提供事業者104が公衆回線105を通して遠隔操作アダプタ106に操作を指示する場合に用いる値である。操作ID323は、操作の内容を示すID番号であり、操作名324は操作の内容を表す。機器ID321と同様、操作ID323も、サービス提供事業者104が遠隔操作アダプタ106に対して操作の指示を行う場合に使用する値である。すなわち、サービス提供事業者104は、機器ID321および操作ID323を用いて、家電品の操作を遠隔操作アダプタ106に対して指示する。
【0045】
本実施形態において、例えば、エアコンの運転モードを冷房に設定する操作の指示を行う場合、サービス提供事業者104は、公衆回線105を通して、機器ID321=09、操作ID323=01という値を、遠隔操作アダプタ106に送信する。
【0046】
ネットワーク325は、機器(家電品)が接続されているホームネットワークを示すID番号である。図7に示す本実施形態の構成図においては、ホームネットワーク108は1種類のみであるが、家庭内で使用されるホームネットワークとしては、複数の種類のネットワークが使用される場合が考えられる。
【0047】
ネットワーク(ネットワークID)325は、このように遠隔操作アダプタ106に複数のネットワークが接続された場合に、どのネットワークに機器が接続されているかを示すものである。図8に示す本実施形態の機器制御テーブル213では、前述したように本実施形態の遠隔操作アダプタ106が接続されるネットワークは図7に示すホームネットワーク108のみであり、ネットワークを示す値として「01」が設定されている。機器アドレス326は、機器(家電品)のネットワーク上でのアドレスを示すものである。
【0048】
コマンド327は、操作対象の機器(家電品)に対して動作を指示するためのコマンドであり、制御部212はこのコマンド327を、ネットワーク325で示されるネットワーク上の機器アドレス326で示される機器(家電品)に対して、ホームネットワークインタフェース214を通して送信することにより、機器(家電品)を制御する。
【0049】
なお、図8に示したネットワーク325、機器アドレス326、コマンド327は、一例であり、一般的にはホームネットワーク108の定める仕様にしたがった値を利用する。
【0050】
図9により、本実施形態を利用した遠隔操作サービスの処理の流れを説明する。まず、携帯電話機101から、携帯電話事業者102のインターネット接続サービスに接続する(ステップ401)。これにより、携帯電話事業者102は、携帯電話機101の表示装置にインターネット接続サービスのメニューの表示を行う(ステップ402)。利用者は、この表示されたメニューから遠隔操作サービスを選択する。これにより、携帯電話機101はサービス提供事業者104と接続される(ステップ403)。この接続は前述した通りで、携帯電話機101は、携帯電話事業者102、インターネット103を通して、サービス提供事業者104と接続される。また、携帯電話機101とサービス提供事業者104との間の接続の詳細は、図2により説明した通りである。
【0051】
サービス提供事業者104は、携帯電話機101から接続されると、図4において説明した顧客認証ホームページ202を、携帯電話機101に送信する(ステップ404)。これにより、携帯電話機101の表示装置に顧客認証ホームページ202が表示され、ユーザは利用者IDおよび利用者パスワードの入力を行い、ログオンボタン304を押す。これにより入力されたID、パスワードがサービス提供事業者104に送信される(ステップ405)。このとき、携帯電話事業者102からは、携帯電話機101の電話番号がサービス提供事業者104に送信される。
【0052】
サービス提供事業者104では、受け取ったID、パスワード、電話番号により顧客認証を行う(ステップ406)。図3において説明した通り、顧客認証は、入力されたID、パスワードおよび携帯電話事業者102から送られた携帯電話機101の電話番号をもとに、顧客データベース204を参照することにより行われる。
【0053】
顧客認証のステップ406において、携帯電話機101の利用者が正規の顧客であることが認証されると、サービス提供事業者104は、公衆回線接続を行う(ステップ407)。図3、図5において説明した通り、サービス提供事業者104は、顧客データベース204に保持された遠隔操作アダプタ電話番号309に電話をかけることにより、公衆回線105を通して、利用者(顧客)の遠隔操作アダプタ106に接続を行う(ステップ408)。これと並行して、サービス提供事業者104は、携帯電話機101に対して顧客別ホームページ203の送信を行う(ステップ409)。これも図3、図5において説明した通り、顧客データベース204に保持されたホームページ308が示すURLに、顧客別ホームページ203を送信することにより行われる。
【0054】
ステップ408により、サービス提供事業者104からの電話を受けた遠隔操作アダプタ106は、認証を行う(ステップ410)。これは、遠隔操作アダプタ106を不正な利用から防御するためのものであり、電話をかけてきた相手、すなわち遠隔操作アダプタ106に接続しようとしている相手が、利用者が利用登録(加入登録)を行っているサービス提供事業者104であることを、確認するためのものである。具体的な認証の方法に関しては、ここでは説明しないが、サービス提供事業者104の電話番号を用いる方法や、一般的なパスワードによる方法などが利用可能である。
【0055】
遠隔操作アダプタ106は、認証のステップ410によって、電話をかけてきた相手がサービス提供事業者104であることが確認できた場合には、遠隔操作アダプタ106に接続されたネットワーク対応家電品107の状況、例えば、エアコンであれば動作状態(冷房運転中か暖房運転中かあるいは停止状態か)や設定されている室温などを、サービス提供事業者104に送信する(ステップ411)。
【0056】
一方、利用者(顧客)は、ステップ409で送信されたきた顧客別ホームページ203により、携帯電話機101で操作したい機器(家電品)を選択する(ステップ412)。図6において説明したように、顧客別ホームページ203では、最初に操作可能な機器の一覧(家電品)が表示される。ユーザはこの中から操作したい機器(家電品)を選択する。
【0057】
サービス提供事業者104は、携帯電話機101から送られた選択された機器(家電品)に対応した機器別ホームページ301を、携帯電話機101に送信する(ステップ413)。このとき、必要に応じて、遠隔操作アダプタ106から送られた機器(家電品)の状況を利用し、機器別ホームページ301を作成する。本実施形態では、図6においてエアコンの機器別ホームページ301について説明したが、このホームページ中、設定されている室温317、および現在の運転状況(冷房か暖房か換気か停止状態(切)か)に関しては、遠隔操作アダプタ106から送られた機器(家電品)の状況にしたがって表示される。
【0058】
利用者(顧客)は、携帯電話機101に表示された機器別ホームページ301により、機器(家電品)の操作を指示する(ステップ414)。これは図6でも説明した通り、例えばエアコンの場合、運転モード、室温の設定をした上で、決定ボタン320を押すことにより、携帯電話機101からサービス提供事業者104に送信される。
【0059】
図3において説明したように、サービス提供事業者104は、携帯電話機101から機器(家電品)の操作の指示を受け取ると、顧客別ホームページ203とリンクした顧客別プログラム205により、公衆回線105を通して、遠隔操作アダプタ106に機器(家電品)の制御の指示を行う(ステップ415)。遠隔操作アダプタ106は、サービス提供事業者104から機器(家電品)の制御を指示された場合、図7において説明したように、ホームネットワーク108に接続されたネットワーク対応家電品107の制御を行う(ステップ416)。
【0060】
遠隔操作アダプタ106は、機器制御のステップ416が終了すると、その結果、例えば正常に終了したか異常終了であるかを、サービス提供事業者104に送信する(ステップ417)。サービス提供事業者104は、遠隔操作アダプタ106から機器制御結果を受け取ると、公衆回線105の切断を行う(ステップ419)。また、サービス提供事業者104は、携帯電話機101に対して、機器制御結果を反映した機器別ホームページを送信する(418)。
【0061】
以上、説明したように本実施形態の遠隔操作システムでは、携帯電話事業者が提供するインターネット接続サービスを利用し、携帯電話機からサービス提供事業者の提供するホームページにアクセスすることにより、各家庭に設置された遠隔操作アダプタに対して、画面上の操作画面を見ながら、遠隔操作アダプタに接続された家電製品の操作の指示を行うことが可能であり、外出先から家庭内の家電製品の操作を簡単に行うことが可能となる。
【0062】
なお、サービス提供事業者による遠隔操作サービスを利用する利用者(顧客)には、サービス提供事業者から課金が行われ、この課金には、所定期間毎の利用実績に応じた課金、または所定期間毎の定額課金、または所定期間毎の利用実績に応じた課金並びに基本金額課金などが、考えられる。
【符号の説明】
【0063】
100 サービス機器
101 携帯電話機
102 携帯電話事業者
103 インターネット
104 サービス提供事業者
105 公衆回線
106 遠隔操作アダプタ
107 ネットワーク対応家電品
108 ホームネットワーク
109 無線ネットワーク
110 専用線
121 家電メーカA
122 家電メーカB
123 家電メーカC
201 WWWサーバ
202 顧客認証ホームページ
203 顧客別ホームページ
204 顧客データベース
205 顧客別プログラム
206 回線接続手段
211 回線接続手段
212 制御部
213 機器制御テーブル
214 ホームネットワークインタフェース
301 機器別ホームページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話網を通してインターネットに接続する機能を有するとともに、ホームページを閲覧する機能を有する携帯電話機と、インターネットと電話回線などの通信回線に接続され、ホームページを提供するサービス機器と、通信回線に接続され家電品を制御する機能を有する遠隔操作アダプタと、により構成される遠隔操作システムであって、
前記サービス機器は、家電品の操作を指示する画面をホームページとして前記携帯電話機に提供するとともに、ホームページで指示された家電品の操作の内容を、通信回線を通して前記遠隔操作アダプタに送信し、前記遠隔操作アダプタは、通信回線から送られてくる前記サービス機器の送信する家電品の操作の内容を受信し、前記遠隔操作アダプタに接続された家電品を制御することを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項2】
請求項1に記載において、
遠隔操作アダプタは、ホームネットワークに接続され、ホームネットワークを通してホームネットワークに接続された家電品を制御することを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載において、
前記サービス機器は、それぞれの利用者に対してその利用者専用の前記ホームページを提供することを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載において、
前記サービス機器による遠隔操作サービスには、所定期間毎の利用実績に応じた課金、または所定期間毎の定額課金、または所定期間毎の利用実績に応じた課金並びに基本金額課金を、伴うことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項5】
携帯電話網を通してインターネットに接続する機能を有するとともに、ホームページを閲覧する機能を有する携帯電話機と、インターネットと電話回線などの通信回線に接続され、ホームページを提供するサービス機器と、通信回線に接続され家電品を制御する機能を有する遠隔操作アダプタとを有し、携帯電話機からの指示に基づき、サービス機器を介して遠隔操作アダプタを制御することにより、家電品を遠隔制御する遠隔操作方法であって、
前記サービス機器は、前記携帯電話機からの遠隔操作サービスへのアクセス要求に応じて、家電品の操作を指示する画面をそれぞれの利用者に対してその利用者専用のホームページとして提供し、このホームページで指示された家電品の操作の内容を、通信回線を通して前記遠隔操作アダプタに送信することを特徴とする遠隔操作方法。
【請求項6】
公衆回線などの通信回線に接続されるとともに、家電品を制御する機能を有し、外部から通信回線を通じて指示された内容にしたがって家電品を制御する遠隔操作アダプタであって、
この遠隔操作アダプタに対して外部から通信回線を通じてアクセス要求があった際に、アクセス要求を行っている相手が利用者が利用登録を行っているサービス提供事業者であるか否かを認証する手段と、アクセス要求を行っている相手が利用者が利用登録を行っているサービス提供事業者である場合には、遠隔操作を指定された家電品の現在の状態をサービス提供事業者に通知する手段とを、具備したことを特徴とする遠隔操作アダプタ。
【請求項7】
インターネットと公衆回線などの通信回線に接続され、インターネットを介してアクセスしてきた携帯電話機に対してホームページを提供する機能と、家電品を制御するための遠隔操作アダプタに対して通信回線を介して操作指令を送信する機能とを有するサービス機器であって、
遠隔操作サービスの利用登録を行っている顧客毎の顧客別ホームページと、顧客別ホームページとリンクした機種別ホームページとを持ち、インターネットを介してアクセスしてきた顧客の携帯電話機に対して該当する前記顧客別ホームページを送信する手段と、遠隔操作対象となる家電品を選択操作するための表示を行っている顧客別ホームページ上で、顧客が選択した機種の家電品に対応する前記機種別ホームページを送信する手段とを、具備したことを特徴とするサービス機器。
【請求項8】
請求項6記載において、
前記顧客別ホームページとリンクした顧客別プログラムを持ち、顧客が前記顧客別ホームページ上または前記機種別ホームページ上で操作した内容を顧客別プログラムによって処理して、前記遠隔操作アダプタに対して制御指令を送信する手段とを、具備したことを特徴とするサービス機器。
【請求項9】
携帯電話網を通してインターネットに接続する機能を有するとともに、ホームページを閲覧する機能を有する携帯電話機と、インターネットと電話回線などの通信回線に接続され、ホームページを提供するサービス提供事業者のサービス機器と、通信回線に接続され家電品を制御する機能を有する遠隔操作アダプタとを有し、携帯電話機からの指示に基づき、サービス機器を介して遠隔操作アダプタを制御することにより、家電品を遠隔制御する遠隔操作システムであって、
前記サービス機器は、前記携帯電話機からの遠隔操作サービスへのアクセス要求に応じて、家電品の操作を指示する画面をそれぞれの利用者に対してその利用者専用のホームページとして提供する手段を有するとともに、このホームページとリンクした顧客別プログラムを持ち、利用者がホームページ上で操作した内容を顧客別プログラムによって処理して、前記遠隔操作アダプタに対して制御指令を送信する手段を有し、
また、前記サービス機器または前記サービス提供事業者のホスト機器は、前記ホームページあるいは前記顧客別プログラムを作成するための基礎データとなる家電品の制御仕様データを、インターネットを介して、家電品メーカーから対価を支払って入手する情報収集手段を有することを特徴とする遠隔操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−239922(P2009−239922A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128417(P2009−128417)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【分割の表示】特願2001−78888(P2001−78888)の分割
【原出願日】平成13年3月19日(2001.3.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】