説明

遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構

【課題】排水が回転ギア機構に侵入しても表面張力による誤作動が発生しない遠隔操作式排水栓装置の回転ギア構造を提供する。
【解決手段】槽体の排水口1と、排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、回転カムリング9の回転及び噛合作用によって弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、前記回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所が点接触とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔的に操作して、排水口の開口/閉口を弁体の上下動によってコントロールする遠隔操作式排水栓装置の、特に回転カム機構に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽や洗面台等に用いられて、開口/閉口を遠隔的に操作する弁体の上下動によってコントロールする遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
本従来例の遠隔操作式排水栓装置は、図9に示す浴室に設けられる浴槽に設けられる。
尚、この浴室は、箱体であって底部に排水口を開口した浴槽と、浴槽を載置して排水用の開口を有した浴槽パンと、使用者が体を洗い、且つ排水トラップが備えられる排水用の開口を有した洗い場パンと、から構成される。また、本従来例では、浴槽パンの開口にエルボ体が接続され、当該エルボ体は洗い場パンの排水トラップに接続されて、エルボ体内部の排水を排水トラップ側へ排水することとなる。また、浴槽の排水口は浴槽パンの開口に接続されているので、浴槽パンの開口は浴槽パン上からの排水と浴槽内部の排水をエルボ体へと排水する。そして、洗い場上の排水は、洗い場パンの開口から排水トラップへと排水され、従って、排水トラップはエルボ体からの排水と洗い場パンからの排水を排水することとなる。
この浴槽に取り付けられる従来の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示すように排水口と、弁体と、操作部と、レリースワイヤと、回転カム機構と、から構成される。
排水口は、浴槽底部に開口された排水用の開口であって、後記する弁体を内部に備え、浴槽内部の排水を下水へと排水する開口である。
操作部は、浴槽上縁に備えられる押しボタンであって、排水口の開口/閉口を使用者により遠隔的に操作する部材である。
弁体は、排水口内部に備えられ、自身が上下動することによって排水口を開閉する。弁体が上昇した際は排水口が開口し、同じく弁体が下降した際は排水口が閉口する。尚、当該弁体の上下動は操作部の操作によってなされる。本従来例では、弁体下面には後記する支持軸にはめ込まれる弁軸が垂下して形成される。
レリースワイヤは、アウターチューブ及びインナーワイヤから成る。アウターチューブは、可撓性を有する中空状の管体である。インナーワイヤは、圧縮スプリング状の金属線であって、アウターチューブ内に進退自在に配置される。また、当該レリースワイヤは操作部から排水口までを連結しており、操作部の押動操作により、レリースワイヤのインナーワイヤが進行したり、退行するようになっている。
回転カム機構は、排水口内部に配置されて、前記インナーワイヤの進退を保持/解除する機構であって、ノック式ボールペンなどに多用されている回転カム機構である。
当該回転カム機構は、軸筒と、固定カムと、回転カムリングと、支持軸と、リターンスプリングと、から構成される。
軸筒は、上部が開放された円筒状で、内周面に先端側が傾斜壁面になった凸条を複数形成する。更に凸条と凸条の間を切り溝状にしてカム溝を構成し、前記凸条の先端部分には傾斜壁面から構成される噛合部Aを形成する。尚、噛合部Aは、傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面を形成する。また、カム溝は、内周面に凸状に飛び出す切り溝状に構成され、後記回転カムリングのカム突起がカム溝に上下動可能に係合されることとなる。また、噛合部Aは、後記回転カムリングのカム突起の噛合部Cと噛み合う。
固定カムは、円筒状であって、前記軸筒の開放端に蓋状に閉塞され、軸筒側には、先端が山形状に飛び出した傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面から成る噛合部Bを形成する。尚、当該噛合部Bの傾斜壁面の傾斜方向は、前記噛合部Aの傾斜方向と対抗して形成される。また、噛合部Bは、後記回転カムリングのカム突起の噛合部Cと噛み合う。
回転カムリングは、固定カムによって閉塞された軸筒内部に回転可能に収納されるリング状の部材であって、リング外周面には外側方向に凸出して形成されるカム突起を複数上面視対向する箇所に構成する。当該カム突起は、上面と下面ともに、一方向に向かって傾斜する傾斜壁面から成る噛合部Cを構成する。噛合部Cは、上面側の傾斜が固定カムの噛合部Bに噛み合い、下面側の傾斜が軸筒の噛合部Aに噛み合うようになる。また、カム突起は前記したように軸筒のカム溝に上下動自在にスライド係合する。
支持軸は、前記回転リング上部に構成される上端内部が空洞の軸体であって、当該内部の空洞部分に前記弁体の弁軸が収納される。そして、支持軸下端はレリースワイヤのインナーワイヤが接続されるため、インナーワイヤの進退動作にあわせて支持軸も軸筒内を進退することとなる。
リターンスプリングは、前記固定リングによって閉塞された軸筒内部に収納される部材であって、常時上下方向に付勢・弾発するように軸筒内に配置される。本従来例では回転カムリングと固定カムの間且つ支持軸外周に配置される。尚、当該リターンスプリングは固定カムと回転カムリング間に常に上下方向へ付勢するよう配置されているから、当該リターンスプリングの付勢力により回転カムリングは常時下側方向へ向かう応力が加わっていることとなる。このリターンスプリングの応力により回転リングは強制的にそれぞれの噛合部と噛み合って回転する。
【0003】
また、上記のように構成された回転カム機構は以下のように動作・作用する。
弁体が開口している時は支持軸が上昇している時であるが、この支持軸が上昇時、回転カムリングのカム突起の噛合部Cは、軸筒内部の噛合部Aに係合係止している状態となる。この状態時、リターンスプリングの付勢力によって、回転カムリングは常時下方向へ向かう応力が加わっているので、噛合の係合が外れるようなことはない。
この状態から支持軸が再度上昇すると、回転カムリングがこの支持軸が上昇した分強制的に押し出されるように上動し、回転カムリングのカム突起上側の噛合部Cの傾斜が、固定カムリングの噛合部Bの傾斜と噛合い、傾斜角度分ずれるように回転する。そして、支持軸の上昇の応力が無くなると、軸筒内のリターンスプリングが作動し、回転カムリングが下方へ下降する応力が加わる。すると回転カムリングのカム突起が、回転後に直下に位置する個所は軸筒のカム溝であるため、カム突起はカム溝に係合しつつ下降する。すると、回転カムリングの下降に併せて支持軸も下降し、弁体は下降した状態となる。
更に、支持軸を上昇させると、支持軸の少々に併せて回転カムリングが上昇し固定カムの噛合部Bの傾斜に回転カムリングのカム突起上側の噛合部Cの傾斜が噛合い、傾斜角度分ずれるようにして回転する。そそて、支持軸の上昇の応力が無くなると、軸筒内のリターンスプリングが作動し、回転カムリングが下方へ下降する応力が加わる。すると回転カムリングのカム突起が、回転後に直下に位置する個所は軸筒内の噛合部Aのため、カム突起の下側の噛合部Cは軸筒内の噛合部Aまで下降する。そうして回転カムリングの噛合部Cの傾斜と軸筒の噛合部Aの傾斜が合致し、噛合部Aの垂直面に回転カムリングのカム突起が噛合係合するため、両者の噛合部が噛合係合かつ合致することとなる。そうすると、支持軸の上昇が保持されることとなるので、支持軸が上昇した分弁体も上昇することとなる。この動作・作用の繰り返しによって、回転カム機構の支持軸の保持/保持解除は繰り返されることとなる。
【0004】
上記のように構成された従来の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は以下のように作動する。
排水口内の弁体が下降して閉口した状態から操作部を使用者が押動操作をすると、レリースワイヤのインナーワイヤが操作部の押動分アウターチューブ内を排水口側へ向かって前進する。すると、インナーワイヤの排水口側に接続された回転カム機構の支持軸が、インナーワイヤの進行にあわせて上昇し、前記したように排水口内部に配置される回転カム機構が作動して、支持軸の上昇を保持する。そうすると支持軸に上昇にあわせて弁体も上昇し、排水口が開口する。その後、使用者が再度操作部を押動操作すると、レリースワイヤのインナーワイヤが少し前進し、回転カム機構の支持軸の保持を解除する。すると前記したように回転カム機構の支持軸の保持が解除されて、支持軸が下降する。従って、支持軸の下降に併せて弁体も下降し、排水口に弁体が着座することによって、排水口が閉口する。この、使用者の操作部の押動操作の繰り返しによって、排水口の開口/閉口を操作することができる。
【0005】
上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置の排水は以下のように排水される。
使用者が操作部を押動操作すると弁体が上昇し、排水口が開口するため、浴槽内の排水が排水口から排水される。排水口から排水された排水は、浴槽パンの開口からエルボ体に流入し、エルボ体から排水トラップへと排水されて、最終的に下水管へと排水される。
また、浴槽パン上に発生した排水は、浴槽パンの開口からエルボ体へと排水されて排水トラップへと排水されて、最終的に下水管へと排水される。
また洗い場パン上に発生した排水は、洗い場パンの開口に取り付けられた排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。尚、排水トラップは、洗い場パン上の排水、浴槽パン上の排水、浴槽内の排水、をとりまとめて最終的には下水管へと排水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−293724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構では以下のような問題点があった。
回転カム機構は、遠隔操作式排水栓装置に使用されることから、排水が回転カム機構内部に流入してしまう。また、排水は通常の水とは違い、例えば洗剤や汚水などで粘性の高い水なども混入するおそれもある。
このように、回転カム機構内に排水が流入すると、噛合部やカム溝、固定カム、回転カムリングが水によって薄膜状に濡れてしまい、可動体である回転カムリングと対象物(噛合部や固定カム、カム溝など)間で表面張力が発生してしまう。当該表面張力は、液体の表面が、自ら収縮して出来るだけ小さな面積をとろうとする力であるため、お互いを引き合って凝縮しようとする力が発生し、回転カム機構の部材の当接面・噛合面が発生する箇所が排水の表面張力同士で引き合ってしまい、正常に回転カムリングの回転動作が作動しないという問題が発生することが多発していた。
このような問題が発生すると、遠隔操作式排水栓装置が正常に作動せず、弁体が開口しない、もしくは閉口しない、といった不具合が発生していた。
従って、本発明は、誤作動が発生しない遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、槽体の排水口1と、排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、回転カムリング9の回転及び噛合作用によって弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、前記回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所が点接触であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【0009】
本発明の請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、槽体の排水口1と、排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、回転カムリング9の回転及び噛合作用によって弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、前記回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所が線接触であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【0010】
本発明の請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、槽体の排水口1と、排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、回転カム機構Kは内部に切り溝状のカム溝72を備えた軸筒7と、回転カムリング9と、固定リングと、支持軸4と、を備え、回転カムリング9、軸筒7内周面に形成されたカム溝72、固定カム8、のいずれかの接触箇所の少なくとも一カ所以上が曲率が異なる面であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【0011】
本発明の請求項4に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、槽体の排水口1と、排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、回転カム機構Kは内部に切り溝状のカム溝72を備えた軸筒7と、回転カムリング9と、固定リングと、支持軸4と、を備え、回転カムリング9、又は軸筒7内周面に形成されたカム溝72、又は固定カム8、又は噛合部の少なくともいずれか一つの表面に、微細な凹凸状の模様を付与したことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【0012】
本発明の請求項5に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、前記遠隔操作式排水栓装置には、操作部2と排水口1まで配置される中空管体であるアウターチューブ52、アウターチューブ52内を進退自在に移動するインナーワイヤ51、から成るレリースワイヤ5と、インナーワイヤ51を操作部2側方向へ常時付勢するリターンスプリング6をレリースワイヤ5内に配置したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0011のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【0013】
本発明の請求項6に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、前記回転カム機構Kを、円筒状の軸筒7と、軸筒7内周面に切り溝状に構成されたカム溝72と、軸筒7内周に構成され、且つ傾斜壁面から成る噛合部A(73)と、前記軸筒7の端部に取付固定され、端部に山形状に飛び出して傾斜壁面から成る噛合部B(81)を備える固定カム8と、前記カム溝72に進退自在に係合するカム突起91を周側部に構成し、且つカム突起91には筒軸内の噛合部A(73)及び固定カム8の噛合部B(81)の両者とその上下面で噛み合う噛合部C(92)を備え、更に筒軸内を回転する回転カムリング9と、から構成したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0012のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【0014】
本発明の請求項7に記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構は、前記回転カム機構Kを、軸筒7内周面に切り溝状に構成されたカム溝72と、軸筒7内周に構成され、且つ傾斜壁面から成る噛合部A(73)と、軸筒7内の中心軸に沿って配置される支持軸4と、前記支持軸4の外周にリング状に固定され、前記カム溝72に進退自在に係合するカム突起91Aを周側部に構成するとともに、リング下端に山形状に飛び出して傾斜壁面から成る噛合部B(81)を備える固定カム8と、前記カム溝72に進退自在に係合するカム突起91を周側部に構成し、且つカム突起91には筒軸内の噛合部A(73)及び固定カム8の噛合部B(81)の両者とその上下面で噛み合う噛合部C(92)を備え、更に筒軸内の支持軸4を中心として回転する回転カムリング9と、から構成されることを特徴とする前記段落0008乃至段落0021のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の本発明は、回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所を点接触としたことから、可動体である回転カムリング9と接触する箇所の面積が点で表面張力が発生する面積を小さくすることができたので、表面張力が発生したとしてもわずかであり、回転カムリング9が表面張力によって誤作動することが無くなった。
請求項2に記載の本発明は、回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所を線接触としたことから、可動体である回転カムリング9と接触する箇所の面積が一本線で表面張力が発生する面積を小さくすることができたので、表面張力が発生したとしてもわずかであり、回転カムリング9が表面張力によって誤作動することが無くなった。
請求項3に記載の本発明は、接触箇所の少なくとも一カ所以上を曲率が異なる面としたことから、可動体である回転カムリング9と接触する箇所の面積を曲率が異なる面として表面張力が発生する面積を小さくすることができたので、表面張力が発生したとしてもわずかであり、回転カムリング9が表面張力によって誤作動することが無くなった。
請求項4に記載の本発明は、回転カムリング9、又は軸筒7内周面に形成されたカム溝72、又は固定カム8、又は噛合部の少なくともいずれか一つの表面に、微細な凹凸状の模様を付与したことから、可動体である回転カムリング9と接触する箇所の面積が微細な凹凸加工で表面張力が発生する面積を小さくすることができたので、表面張力が発生したとしてもわずかであり、回転カムリング9が表面張力によって誤作動することが無くなった。
請求項4に記載の本発明は、インナーワイヤ51を操作部側方向へ常時付勢するリターンスプリング6をレリースワイヤ5内に配置したことから、回転カム機構K内の構造をより簡素化することができる。
請求項6及び請求項7に記載の本発明は、いろんな構造の回転カム構造の表面張力による誤作動の防止を測ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の弁体が閉口時を示す断面図である。
【図2】本発明の弁体が開口時を示す断面図である。
【図3】本発明の回転カム機構が回転する作動を示す、断面斜視図である。
【図4】本発明の回転カム機構の分解断面図である。
【図5】本発明の回転カムリングの点接触を示す上面図及び断面図である。
【図6】本発明の回転カムリングの線接触を示す上面図及び断面図である。
【図7】本発明の回転カムリングの線接触を示す上面図及び断面図である。
【図8】本発明のその他の実施例の回転カム機構の作動を示す断面斜視図である。
【図9】本発明の施工を示す断面図である。
【図10】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図9に示すような浴槽や洗面台等に用いられる。この遠隔操作式排水栓装置は、開口/閉口を遠隔的に操作することによって弁体3を上下動させる装置である。(第一実施例)
本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、浴室に設けられる浴槽に設けられる。
尚、この浴室は、箱体であって底部に排水口1を開口した浴槽と、浴槽を載置して排水用の開口を有した浴槽パンと、使用者が体を洗い、且つ排水トラップが備えられる排水用の開口を有した洗い場パンと、から構成される。また、本実施例では、浴槽パンの開口にエルボ体が接続され、当該エルボ体は洗い場パンの排水トラップに接続されて、エルボ体内部の排水を排水トラップ側へ排水することとなる。また、浴槽の排水口1は浴槽パンの開口に接続されているので、浴槽パンの開口は浴槽パン上からの排水と浴槽内部の排水をエルボ体へと排水する。そして、洗い場上の排水は、洗い場パンの開口から排水トラップへと排水され、従って、排水トラップはエルボ体からの排水と洗い場パンからの排水を排水することとなる。
この浴槽に取り付けられる本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、排水口1と、弁体3と、操作部2と、レリースワイヤ5と、回転カム機構Kと、から構成される。
排水口1は、浴槽底部に開口された排水用の開口であって、後記する弁体3を内部に備え、浴槽内部の排水を下水へと排水する開口である。
操作部2は、浴槽上縁に備えられる押しボタンであって、排水口1の開口/閉口を使用者により遠隔的に操作する部材である。
弁体3は、排水口1内部に備えられ、自身が上下動することによって排水口1を開閉する。弁体3が上昇した際は排水口1が開口し、同じく弁体3が下降した際は排水口1が閉口する。尚、当該弁体3の上下動は操作部2の操作によってなされる。本実施例では、弁体3下面には後記するレリースワイヤ5端部が脱着自在に接続されている。
レリースワイヤ5は、アウターチューブ52及びインナーワイヤ51とから成る。アウターチューブ52は、可撓性を有する中空状の管体である。インナーワイヤ51は、圧縮スプリング状の金属線であって、アウターチューブ52内に進退自在に配置される。また、当該レリースワイヤ5は操作部2から排水口1までを連結しており、操作部2の押動操作により、レリースワイヤ5のインナーワイヤ51が進行したり、退行するようになっている。
回転カム機構Kは図3に示すように、操作部2内に配置されて、前記インナーワイヤ51の進退を保持/解除する機構であって、ノック式ボールペンなどに多用されている回転カム機構Kである。
当該回転カム機構Kは、軸筒7と、固定カム8と、回転カムリング9と、リターンスプリング6と、支持軸4と、から構成される。
軸筒7は、下端が開放された円筒状で、内周面に先端側が傾斜壁面になった凸条71を複数形成する。更に凸条71と凸条71の間を切り溝状にしてカム溝72を構成し、前記凸条71の先端部分には傾斜壁面から構成される噛合部A(73)を形成する。尚、噛合部A(73)は、傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面を形成する。また、カム溝72は、内周面に凸状に複数構成される凸条71間に切り溝状に構成される条溝であって、後記回転カムリング9のカム突起91が当該カム溝72に上下動可能に係合されることとなる。また、噛合部A(73)は、後記回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)と噛み合う。
固定カム8は、円筒状であって、前記軸筒7の開放端に接続される筒状部材であり、本実施例ではアウターチューブ52が接続される。軸筒7側(上端)には先端が山形状に飛び出した傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面から成る噛合部B(81)を形成する。尚、当該噛合部B(81)の傾斜壁面の傾斜方向は、前記噛合部A(73)の傾斜方向と対向して形成される。また、噛合部B(81)は、後記回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)と噛み合う。
回転カムリング9は、固定カム8によって閉塞された軸筒7内部に回転可能に収納されるリング状の部材であって、リング外周面には外側方向に凸出して形成されるカム突起91を複数上面視対向する箇所に構成する。当該カム突起91は、上面と下面ともに、一方向に向かって傾斜する傾斜壁面から成る噛合部C(92)を構成する。また、本実施例においては、カム突起91外側面と噛合部C(92)の上面・下面に、半円形状に凸出して構成される凸部Tをそれぞれ構成する。カム突起91外側面の凸部Tは、軸筒7内のカム溝72と軸筒7内周面とに点接触し、噛合部C(92)の上面側の凸部Tは軸筒7の噛合部A(73)と点接触、噛合部C(92)の下面側の凸部Tは固定カム8の噛合部B(81)と点接触するよう構成される。尚、本発明の点接触とは、二つの物体の接触において、荷重がゼロの状態で1点で接触していることをいう。従って、本実施例では、凸部Tとカム溝72、軸筒7内周面、噛合部A(73)BCの接触する箇所が全て凸部Tによる点接触となる。
噛合部C(92)は、下面側の傾斜が固定カム8の噛合部B(81)に噛み合い、上面側の傾斜が軸筒7の噛合部A(73)に噛み合うようになる。また、カム突起91は前記したように軸筒7のカム溝72に上下動自在にスライド係合する。そして、回転カムリング9は、支持軸4外周に回転可能に取付固定される。本実施例では、抜け止めクイックファスナーと抜け止め鍔で回転自在に固定される。
リターンスプリング6は、前記固定カム8に内蔵されて、その下方に配置される。またインナーワイヤ51外周に配置されており、インナーワイヤ51を常時操作部2側へ付勢するように付勢力が付与された状態で固定カム8内部に配置される。尚、当該リターンスプリング6はインナーワイヤ51が常時操作部2側へ向くよう付勢して配置されているから、当該リターンスプリング6の付勢力により支持軸4は常時操作部2側へ向かって付勢されるため、支持軸4の付勢により回転カムリング9は常時上側方向へ向かう応力が加わっていることとなる。このリターンスプリング6の応力により回転カムリング9は強制的にそれぞれの噛合部と噛み合って回転する。
支持軸4は、前記回転カムリング9がその外周に回転自在に取り付けられて、上端は前記操作部2の押しボタンが取り付けられ、その下端は一部分が筒状になっており、その中空の筒状部分が軸筒7内でレリースワイヤ5のインナーワイヤ51端部が当接している。支持軸4下端はレリースワイヤ5のインナーワイヤ51が接続されるため、インナーワイヤ51の進退動作にあわせて支持軸4も軸筒7内を進退することとなる。
【0018】
また、上記のように構成された回転カム機構Kは以下のように動作・作用する。図3に詳細の作動図を示す。
弁体3が開口している時は支持軸4が下降している時であるが、この支持軸4が下降時、回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)は、軸筒7内部の噛合部A(73)に係合係止している状態となる。このとき、噛合部C(92)の凸部Tは噛合部A(73)に対して点接触となっている為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、噛合部C(92)と噛合部A(73)の接触は凸部Tによる点接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
この状態時、リターンスプリング6の付勢力によって、回転カムリング9は常時上方向(操作部方向)へ向かう応力が加わっているので、噛合の係合が外れるようなことはない。
この状態から支持軸4が再度下降すると、回転カムリング9がこの支持軸4が下降した分強制的に押し出されるように下降し、回転カムリング9のカム突起91下側の噛合部C(92)の傾斜が、固定カム8リングの噛合部B(81)の傾斜と噛合い、傾斜角度分ずれるように回転する。このとき、噛合部C(92)の凸部Tは噛合部A(73)に対して点接触となっている為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、噛合部C(92)と噛合部B(81)の接触は凸部Tによる点接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
そして、支持軸4の下降の応力が無くなると、軸筒7内のリターンスプリング6が作動し、回転カムリング9が上方へ上昇する応力が加わる。すると回転カムリング9のカム突起91が、回転後に直上に位置する個所は軸筒7のカム溝72であるため、カム突起91はカム溝72に係合しつつ上昇する。すると、回転カムリング9の上昇に併せて支持軸4も上昇し、インナーワイヤが支持軸が上昇した分弁体3は下降し、排水口が閉口した状態となる。また、回転カムリング9のカム突起91外側面には凸部Tが構成されているので、回転カムリング9が回転する際には、カム溝72との接触、並びに軸筒7内の凸条71への接触が点接触となる為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、カム溝72との接触、並びに軸筒7内の凸条71への接触は凸部Tによる点接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
更に、支持軸4を下降させると、支持軸4の下降に併せて回転カムリング9が下降し固定カム8の噛合部B(81)の傾斜に回転カムリング9のカム突起91上側の噛合部C(92)の傾斜が噛合い、傾斜角度分ずれるようにして回転する。そして、支持軸4の下降の応力が無くなると、軸筒7内のリターンスプリング6が作動し、回転カムリング9が上方へ上昇する応力が加わる。すると回転カムリング9のカム突起91が、回転後に直上に位置する個所は軸筒7内の噛合部A(73)のため、カム突起91の上側の噛合部C(92)は軸筒7内の噛合部A(73)まで上昇する。そうして回転カムリング9の噛合部C(92)の傾斜と軸筒7の噛合部A(73)の傾斜が合致し、噛合部A(73)の垂直面に回転カムリング9のカム突起91が噛合係合するため、両者の噛合部が噛合係合かつ合致することとなる。そうすると、支持軸4の下降が保持されることとなるので、支持軸4が下降した分弁体3も上昇することとなる。この動作・作用の繰り返しによって、回転カム機構Kの支持軸4の保持/保持解除は繰り返されることとなる。
【0019】
上記のように構成された本実施例の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構Kは以下のように作動する。
排水口1内の弁体3が下降して閉口した状態から操作部2を使用者が押動操作をすると、操作部2側に接続された回転カム機構Kの支持軸4が下降し、レリースワイヤ5のインナーワイヤ51が支持軸4の下降分アウターチューブ52内を排水口1側へ向かって前進する。すると、前記したように操作部2内部に配置される回転カム機構Kが作動して、支持軸4の下降を保持する。そうすると支持軸4の下降にあわせてインナーワイヤ51が前進し、インナーワイヤ51の前進分弁体3が上昇し排水口1が開口する。このとき、回転カム機構Kによりインナーワイヤ51の前進は保持されているので、弁体3が下降することはない。その後、使用者が再度操作部2を押動操作すると、レリースワイヤ5のインナーワイヤ51が少し前進し、回転カム機構Kの支持軸4の保持を解除する。すると前記したように回転カム機構Kの支持軸4の保持が解除されて、リターンスプリング6の付勢力により支持軸4が上昇する。従って、支持軸4の上昇に併せてインナーワイヤ51が後退し、そのインナーワイヤ51の後退に併せて弁体3も下降し、排水口1に弁体3が着座することによって、排水口1が閉口する。この、使用者の操作部2の押動操作の繰り返しによって、排水口1の開口/閉口を操作することができる。
【0020】
上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置の排水は以下のように排水される。
使用者が操作部2を押動操作すると弁体3が上昇し、排水口1が開口するため、浴槽内の排水が排水口1から排水される。排水口1から排水された排水は、浴槽パンの開口からエルボ体に流入し、エルボ体から排水トラップへと排水されて、最終的に下水管へと排水される。
また、浴槽パン上に発生した排水は、浴槽パンの開口からエルボ体へと排水されて排水トラップへと排水されて、最終的に下水管へと排水される。
また洗い場パン上に発生した排水は、洗い場パンの開口に取り付けられた排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。尚、排水トラップは、洗い場パン上の排水、浴槽パン上の排水、浴槽内の排水、をとりまとめて最終的には下水管へと排水される。
【0021】
本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図9に示すような浴槽や洗面台等に用いられる。この遠隔操作式排水栓装置は、開口/閉口を遠隔的に操作することによって弁体3を上下動させる装置である。(第二実施例)
本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、第一実施例と同様の浴室構造に取り付けられる。
また、この浴槽に取り付けられる遠隔操作式排水栓装置は、排水口1と、弁体3と、操作部2と、レリースワイヤ5と、回転カム機構Kと、から構成される。
また、排水口1、弁体3、操作部2、レリースワイヤ5、に関しては第一実施例と同様の構成である。
回転カム機構Kは、操作部2内に配置されて、前記インナーワイヤ51の進退を保持/解除する機構であって、ノック式ボールペンなどに多用されている回転カム機構Kである。
当該回転カム機構Kは、軸筒7と、固定カム8と、回転カムリング9と、リターンスプリング6と、支持軸4と、から構成される。
軸筒7は、下端が開放された円筒状で、内周面に先端側が傾斜壁面になった凸条71を複数形成する。更に凸条71と凸条71の間を切り溝状にしてカム溝72を構成し、前記凸条71の先端部分には傾斜壁面から構成される噛合部A(73)を形成する。尚、噛合部A(73)は、傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面を形成する。また、カム溝72は、内周面に凸状に複数構成される凸条71間に切り溝状に構成される条溝であって、後記回転カムリング9のカム突起91が当該カム溝72に上下動可能に係合されることとなる。また、噛合部A(73)は、後記回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)と噛み合う。
固定カム8は、円筒状であって、前記軸筒7の開放端に接続される筒状部材であり、本実施例ではアウターチューブ52が接続される。軸筒7側(上端)には先端が山形状に飛び出した傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面から成る噛合部B(81)を形成する。尚、当該噛合部B(81)の傾斜壁面の傾斜方向は、前記噛合部A(73)の傾斜方向と対向して形成される。また、噛合部B(81)は、後記回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)と噛み合う。
回転カムリング9は、固定カム8によって閉塞された軸筒7内部に回転可能に収納されるリング状の部材であって、リング外周面には外側方向に凸出して形成されるカム突起91を複数上面視対向する箇所に構成する。当該カム突起91は、上面と下面ともに、一方向に向かって傾斜する傾斜壁面から成る噛合部C(92)を構成する。また、本実施例においては、カム突起91外側面に、外側方向へ向けて薄板が鍔状で飛び出す凸部Tを回転カムリング9上端と平行となるよう構成し、また、噛合部C(92)の上面・下面には、薄板が垂下し凸出して、回転カムリング9の外周と同心円となるよう構成する凸部Tをそれぞれ構成する。カム突起91外側面の凸部Tは、軸筒7内のカム溝72と軸筒7内周面とに線接触し、噛合部C(92)の上面側の凸部Tは軸筒7の噛合部A(73)と線接触、噛合部C(92)の下面側の凸部Tは固定カム8の噛合部B(81)と線接触するよう構成される。尚、本発明の線接触とは、二つの物体の接触において、荷重がゼロの状態で1本の線で接触していることをいう。従って、本実施例では、凸部Tとカム溝72、軸筒7内周面、噛合部A(73)BCの接触する箇所が全て凸部Tによる線接触となる。
噛合部C(92)は、下面側の傾斜が固定カム8の噛合部B(81)に噛み合い、上面側の傾斜が軸筒7の噛合部A(73)に噛み合うようになる。また、カム突起91は前記したように軸筒7のカム溝72に上下動自在にスライド係合する。そして、回転カムリング9は、支持軸4外周に回転可能に取付固定される。本実施例では、抜け止めクイックファスナーと抜け止め鍔で回転自在に固定される。
リターンスプリング6は、前記固定カム8に内蔵されて、その下方に配置される。またインナーワイヤ51外周に配置されており、インナーワイヤ51を常時操作部2側へ付勢するように付勢力が付与された状態で固定カム8内部に配置される。尚、当該リターンスプリング6はインナーワイヤ51が常時操作部2側へ向くよう付勢して配置されているから、当該リターンスプリング6の付勢力により支持軸4は常時操作部2側へ向かって付勢されるため、支持軸4の付勢により回転カムリング9は常時上側方向へ向かう応力が加わっていることとなる。このリターンスプリング6の応力により回転カムリング9は強制的にそれぞれの噛合部と噛み合って回転する。
支持軸4は、前記回転カムリング9がその外周に回転自在に取り付けられて、上端は前記操作部2の押しボタンが取り付けられ、その下端は一部分が筒状になっており、その中空の筒状部分が軸筒7内でレリースワイヤ5のインナーワイヤ51端部が当接している。支持軸4下端はレリースワイヤ5のインナーワイヤ51が接続されるため、インナーワイヤ51の進退動作にあわせて支持軸4も軸筒7内を進退することとなる。
【0022】
また、上記のように構成された回転カム機構Kは以下のように動作・作用する。図3に詳細の作動図を示す。
弁体3が開口している時は支持軸4が下降している時であるが、この支持軸4が下降時、回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)は、軸筒7内部の噛合部A(73)に係合係止している状態となる。このとき、噛合部C(92)の凸部Tは噛合部A(73)に対して線接触となっている為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、噛合部C(92)と噛合部A(73)の接触は凸部Tによる線接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
この状態時、リターンスプリング6の付勢力によって、回転カムリング9は常時上方向(操作部方向)へ向かう応力が加わっているので、噛合の係合が外れるようなことはない。
この状態から支持軸4が再度下降すると、回転カムリング9がこの支持軸4が下降した分強制的に押し出されるように下降し、回転カムリング9のカム突起91下側の噛合部C(92)の傾斜が、固定カム8リングの噛合部B(81)の傾斜と噛合い、傾斜角度分ずれるように回転する。このとき、噛合部C(92)の凸部Tは噛合部A(73)に対して点接触となっている為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、噛合部C(92)と噛合部B(81)の接触は凸部Tによる線接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
そして、支持軸4の下降の応力が無くなると、軸筒7内のリターンスプリング6が作動し、回転カムリング9が上方へ上昇する応力が加わる。すると回転カムリング9のカム突起91が、回転後に直上に位置する個所は軸筒7のカム溝72であるため、カム突起91はカム溝72に係合しつつ上昇する。すると、回転カムリング9の上昇に併せて支持軸4も上昇し、インナーワイヤが支持軸が上昇した分弁体3は下降し、排水口が閉口した状態となる。また、回転カムリング9のカム突起91外側面には凸部Tが構成されているので、回転カムリング9が回転する際には、カム溝72との接触、並びに軸筒7内の凸条71への接触が線接触となる為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、カム溝72との接触、並びに軸筒7内の凸条71への接触は凸部Tによる線接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
更に、支持軸4を下降させると、支持軸4の下降に併せて回転カムリング9が下降し固定カム8の噛合部B(81)の傾斜に回転カムリング9のカム突起91上側の噛合部C(92)の傾斜が噛合い、傾斜角度分ずれるようにして回転する。そして、支持軸4の下降の応力が無くなると、軸筒7内のリターンスプリング6が作動し、回転カムリング9が上方へ上昇する応力が加わる。すると回転カムリング9のカム突起91が、回転後に直上に位置する個所は軸筒7内の噛合部A(73)のため、カム突起91の上側の噛合部C(92)は軸筒7内の噛合部A(73)まで上昇する。そうして回転カムリング9の噛合部C(92)の傾斜と軸筒7の噛合部A(73)の傾斜が合致し、噛合部A(73)の垂直面に回転カムリング9のカム突起91が噛合係合するため、両者の噛合部が噛合係合かつ合致することとなる。そうすると、支持軸4の下降が保持されることとなるので、支持軸4が下降した分弁体3も上昇することとなる。この動作・作用の繰り返しによって、回転カム機構Kの支持軸4の保持/保持解除は繰り返されることとなる。
また、上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置の作動は第一実施例と同様に作動する。
また、上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置の排水は第一実施例と同様に排水される。
【0023】
本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図9に示すような浴槽や洗面台等に用いられる。この遠隔操作式排水栓装置は、開口/閉口を遠隔的に操作することによって弁体3を上下動させる装置である。(第三実施例)
本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、第一実施例と同様の浴室構造に取り付けられる。
また、この浴槽に取り付けられる遠隔操作式排水栓装置は、排水口1と、弁体3と、操作部2と、レリースワイヤ5と、回転カム機構Kと、から構成される。
また、排水口1、弁体3、操作部2、レリースワイヤ5、に関しては第一実施例と同様の構成である。
回転カム機構Kは、操作部2内に配置されて、前記インナーワイヤ51の進退を保持/解除する機構であって、ノック式ボールペンなどに多用されている回転カム機構Kである。
当該回転カム機構Kは、軸筒7と、固定カム8と、回転カムリング9と、リターンスプリング6と、支持軸4と、から構成される。
軸筒7は、下端が開放された円筒状で、内周面に先端側が傾斜壁面になった凸条71を複数形成する。更に凸条71と凸条71の間を切り溝状にしてカム溝72を構成し、前記凸条71の先端部分には傾斜壁面から構成される噛合部A(73)を形成する。尚、噛合部A(73)は、傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面を形成する。また、カム溝72は、内周面に凸状に複数構成される凸条71間に切り溝状に構成される条溝であって、後記回転カムリング9のカム突起91が当該カム溝72に上下動可能に係合されることとなる。また、噛合部A(73)は、後記回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)と噛み合う。具体的には、噛合部C(92)が直線上の傾斜面に対し、噛合部A(73)の傾斜面は、螺旋状にねじられた面を構成しているので、噛合部B(81)と噛合部C(92)の接触面が極小にすることができる。
固定カム8は、円筒状であって、前記軸筒7の開放端に接続される筒状部材であり、本実施例ではアウターチューブ52が接続される。軸筒7側(上端)には先端が山形状に飛び出した傾斜角度を有した面と、垂直面と、更に先の傾斜角度とは相違した角度の傾斜面から成る噛合部B(81)を形成する。尚、当該噛合部B(81)の傾斜壁面の傾斜方向は、前記噛合部A(73)の傾斜方向と対向して形成される。また、噛合部B(81)は、後記回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)と噛み合う。尚、噛合部B(81)の傾斜面は、回転カムリング9の噛合部C(92)の傾斜面と曲率を変更して構成される。具体的には、噛合部C(92)が直線上の傾斜面に対し、噛合部B(81)の傾斜面は、螺旋状にねじられた面を構成しているので、噛合部B(81)と噛合部C(92)の接触面が極小にすることができる。
回転カムリング9は、固定カム8によって閉塞された軸筒7内部に回転可能に収納されるリング状の部材であって、リング外周面には外側方向に凸出して形成されるカム突起91を複数上面視対向する箇所に構成する。当該カム突起91は、上面と下面ともに、一方向に向かって傾斜する傾斜壁面から成る噛合部C(92)を構成する。噛合部C(92)は、下面側の傾斜が固定カム8の噛合部B(81)に噛み合い、上面側の傾斜が軸筒7の噛合部A(73)に噛み合うようになる。また、カム突起91は前記したように軸筒7のカム溝72に上下動自在にスライド係合する。そして、回転カムリング9は、支持軸4外周に回転可能に取付固定される。本実施例では、抜け止めクイックファスナーと抜け止め鍔で回転自在に固定される。
リターンスプリング6は、前記固定カム8に内蔵されて、その下方に配置される。またインナーワイヤ51外周に配置されており、インナーワイヤ51を常時操作部2側へ付勢するように付勢力が付与された状態で固定カム8内部に配置される。尚、当該リターンスプリング6はインナーワイヤ51が常時操作部2側へ向くよう付勢して配置されているから、当該リターンスプリング6の付勢力により支持軸4は常時操作部2側へ向かって付勢されるため、支持軸4の付勢により回転カムリング9は常時上側方向へ向かう応力が加わっていることとなる。このリターンスプリング6の応力により回転カムリング9は強制的にそれぞれの噛合部と噛み合って回転する。
支持軸4は、前記回転カムリング9がその外周に回転自在に取り付けられて、上端は前記操作部2の押しボタンが取り付けられ、その下端は一部分が筒状になっており、その中空の筒状部分が軸筒7内でレリースワイヤ5のインナーワイヤ51端部が当接している。支持軸4下端はレリースワイヤ5のインナーワイヤ51が接続されるため、インナーワイヤ51の進退動作にあわせて支持軸4も軸筒7内を進退することとなる。
【0024】
また、上記のように構成された回転カム機構Kは以下のように動作・作用する。
弁体3が開口している時は支持軸4が上昇している時であるが、この支持軸4が上昇時、回転カムリング9のカム突起91の噛合部C(92)は、軸筒7内部の噛合部A(73)に係合係止している状態となる。このとき、噛合部C(92)の傾斜壁は噛合部A(73)の傾斜面に対して曲率が異なる面となっている為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、噛合部C(92)と噛合部A(73)の接触は曲率が異なる面による接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
この状態時、リターンスプリング6の付勢力によって、回転カムリング9は常時下方向へ向かう応力が加わっているので、噛合の係合が外れるようなことはない。
この状態から支持軸4が再度上昇すると、回転カムリング9がこの支持軸4が上昇した分強制的に押し出されるように上動し、回転カムリング9のカム突起91上側の噛合部C(92)の傾斜が、固定カム8リングの噛合部B(81)の傾斜と噛合い、傾斜角度分ずれるように回転する。このとき、噛合部C(92)の凸部Tは噛合部A(73)に対して曲率が異なる面での接触となっている為、仮に回転カム機構K内に排水が進入して機構内の表面が薄膜状に排水が塗布されていても、噛合部C(92)と噛合部B(81)の接触は曲率が異なる面同士での接触であるから、接触面積が極小で済み、接触面積が小さく成った分排水の表面張力による物体を引っ張る力が小さくなる。従って回転カム機構Kの表面張力による誤作動が無くなる。
そして、支持軸4の上昇の応力が無くなると、軸筒7内のリターンスプリング6が作動し、回転カムリング9が下方へ下降する応力が加わる。すると回転カムリング9のカム突起91が、回転後に直下に位置する個所は軸筒7のカム溝72であるため、カム突起91はカム溝72に係合しつつ下降する。すると、回転カムリング9の下降に併せて支持軸4も下降し、弁体3は下降した状態となる。
更に、支持軸4を上昇させると、支持軸4の少々に併せて回転カムリング9が上昇し固定カム8の噛合部B(81)の傾斜に回転カムリング9のカム突起91上側の噛合部C(92)の傾斜が噛合い、傾斜角度分ずれるようにして回転する。そそて、支持軸4の上昇の応力が無くなると、軸筒7内のリターンスプリング6が作動し、回転カムリング9が下方へ下降する応力が加わる。すると回転カムリング9のカム突起91が、回転後に直下に位置する個所は軸筒7内の噛合部A(73)のため、カム突起91の下側の噛合部C(92)は軸筒7内の噛合部A(73)まで下降する。そうして回転カムリング9の噛合部C(92)の傾斜と軸筒7の噛合部A(73)の傾斜が合致し、噛合部A(73)の垂直面に回転カムリング9のカム突起91が噛合係合するため、両者の噛合部が噛合係合かつ合致することとなる。そうすると、支持軸4の上昇が保持されることとなるので、支持軸4が上昇した分弁体3も上昇することとなる。この動作・作用の繰り返しによって、回転カム機構Kの支持軸4の保持/保持解除は繰り返されることとなる。
また、上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置の作動は第一実施例と同様に作動する。
また、上記のように構成された遠隔操作式排水栓装置の排水は第一実施例と同様に排水される。
【0025】
本発明の実施例は上記のようであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば前記実施例では、点接触の構成を半円形状の凸部Tで構成したが、当該構成は半円形状に限定されるものではなく、円錐、角錐形状で構成してもかまわない。
また、前記実施例では、点接触の凸部Tを当該実施例では回転カムリング9のカム突起91外側面、噛合部C(92)に構成したが、当該構成に限定されるものではなく、カム溝72側、軸筒7部内周面や噛合部A(73)もしくは噛合部B(81)側に構成しても良い。
また、前記実施例では線接触の構成を、回転カムリング9のカム突起91に構成した凸部Tを回転カムリング9の上端と平行となるよう構成されているが、当該構成に限定されるものではなく、回転カムリング9の上端に対し垂直方向に凸部Tを構成してもかまわないし、構成箇所をカム突起91外側面としているが回転カムリング9の外側面であればいずれの箇所に構成してもかまわない。
また、前記実施例では線接触の構成を回転カムリング9の噛合部C(92)に構成した凸部Tを回転カムリング9の外周と同心円状に構成したが、当該構成に限定されるものではなく、回転カムリング9の中心点から放射状に構成したり、渦巻き状に構成してもかまわない。
また、前記実施例では線接触の凸部Tの構成を回転カムリング9に構成しているが、当該構成に限定されるものではなく、カム溝72、軸筒7内周面、噛合部A(73)、噛合部B(81)側に構成してもかまわない。
また前記実施例では曲率が異なる面の構成を、螺旋状の傾斜面としたが、この構成に限定されるものではなく、例えば傾斜角度を相違させたりしてもかまわない。
また、前記実施例では、回転カム機構Kの固定カム8の構成を下端に位置固定した構成であるが、当該構成に限定されるものではなく、図8に示したように、固定カム8の構成を支持軸4に取付構成する構成でもかまわない。
また、図示しないが、軸筒7内、カム溝72、固定カム8、回転カムリング9、支持軸4の少なくともいずれかの表面に、微細な凹凸模様を付与してもかまわない。当該構成は一般的にはブラスト加工やシボ加工と呼ばれる加工技術を付与することで模様を付与することができる。この微細な凹凸によって、回転カム機構K内の部品の接触面積が極小とすることができるので、回転カム機構K内の表面張力が発生することを効果的に予防できる。
【符号の説明】
【0026】
1 排水口
2 操作部
3 弁体
4 支持軸
5 レリースワイヤ
51 インナーワイヤ
52 アウターチューブ
6 リターンスプリング
K 回転カム機構
7 軸筒
71 凸条
72 カム溝
73 噛合部A
8 固定カム
81 噛合部B
9 回転カムリング
91 カム突起
92 噛合部C
T 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体の排水口1と、
排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、
排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、
回転カムリング9の回転及び噛合作用によって弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、
から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、
前記回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所が点接触であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。
【請求項2】
槽体の排水口1と、
排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、
排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、
回転カムリング9の回転及び噛合作用によって弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、
から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、
前記回転カム機構K内部と回転カムリング9の少なくとも一カ所の接触する箇所が線接触であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。
【請求項3】
槽体の排水口1と、
排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、
排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、
弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、
から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、
回転カム機構Kは内部に切り溝状のカム溝72を備えた軸筒7と、回転カムリング9と、固定リングと、支持軸4と、を備え、
回転カムリング9、軸筒7内周面に形成されたカム溝72、固定カム8、のいずれかの接触箇所の少なくとも一カ所以上が曲率が異なる面であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。
【請求項4】
槽体の排水口1と、
排水口1の開閉を遠隔的に操作する操作部2と、
排水口1内に配置されて、排水口1の開閉を自身の上下動によって行う弁体3と、
弁体3の上下動を保持する回転カム機構Kと、
から構成される遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構において、
回転カム機構Kは内部に切り溝状のカム溝72を備えた軸筒7と、回転カムリング9と、固定リングと、支持軸4と、を備え、
回転カムリング9、又は軸筒7内周面に形成されたカム溝72、又は固定カム8、又は噛合部の少なくともいずれか一つの表面に、微細な凹凸状の模様を付与したことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。
【請求項5】
前記遠隔操作式排水栓装置には、操作部2と排水口1まで配置される中空管体であるアウターチューブ52、アウターチューブ52内を進退自在に移動するインナーワイヤ51、から成るレリースワイヤ5と、インナーワイヤ51を操作部2側方向へ常時付勢するリターンスプリング6をレリースワイヤ5内に配置したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。
【請求項6】
前記回転カム機構Kを、
円筒状の軸筒7と、
軸筒7内周面に切り溝状に構成されたカム溝72と、
軸筒7内周に構成され、且つ傾斜壁面から成る噛合部A(73)と、
前記軸筒7の端部に取付固定され、端部に山形状に飛び出して傾斜壁面から成る噛合部B(81)を備える固定カム8と、
前記カム溝72に進退自在に係合するカム突起91を周側部に構成し、且つカム突起91には筒軸内の噛合部A(73)及び固定カム8の噛合部B(81)の両者とその上下面で噛み合う噛合部C(92)を備え、更に筒軸内を回転する回転カムリング9と、
から構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。
【請求項7】
前記回転カム機構Kを、
軸筒7内周面に切り溝状に構成されたカム溝72と、
軸筒7内周に構成され、且つ傾斜壁面から成る噛合部A(73)と、
軸筒7内の中心軸に沿って配置される支持軸4と、
前記支持軸4の外周にリング状に固定され、前記カム溝72に進退自在に係合するカム突起91Aを周側部に構成するとともに、リング下端に山形状に飛び出して傾斜壁面から成る噛合部B(81)を備える固定カム8と、
前記カム溝72に進退自在に係合するカム突起91を周側部に構成し、且つカム突起91には筒軸内の噛合部A(73)及び固定カム8の噛合部B(81)の両者とその上下面で噛み合う噛合部C(92)を備え、更に筒軸内の支持軸4を中心として回転する回転カムリング9と、
から構成されることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置の回転カム機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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