説明

遠隔操作式排水栓装置

【課題】遠隔操作式排水栓装置において、弁部材に急激に応力が加えられても、インナーワイヤなど各部材の破損を防止する緩衝機構が、何ら支障無くスムーズに作動する遠隔操作式排水栓装置を提供する。
【解決手段】遠隔操作式排水栓装置を、操作部2と、排水口1の開閉を行う弁部材3と、操作部2と弁部材3との間を連絡するレリースワイヤと、から成し、更にレリースワイヤを、中空のアウターチューブ5と、アウターチューブ5内部に収納されるインナーワイヤ6と、インナーワイヤ6を操作部2側に付勢する戻りスプリング7と、インナーワイヤ6に対して摺動可能且つ抜脱不能に備えられる弁軸部8と、弁軸部8とインナーワイヤ6との間に配置される緩衝部材10と、より構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗面台、流し台、浴槽などの槽体の底面に設けられた排水口を、遠隔操作により開閉する、遠隔操作式排水栓装置に関するものであって、更に詳しくは、遠隔操作式排水栓装置について、排水口の開口時に弁部材に加えられた応力を緩衝する緩衝機構を備えた遠隔操作式排水栓装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、本発明は洗面台、流し台、浴槽などの槽体の底面には、排水を下水側に排出するために、排水口を備えた排水装置が備えられている。これらのうち、特に排水口から離れた場所に備えた操作部に操作を加えることで、排水口の開閉を行う事が出来る排水装置を、特に、遠隔操作式排水栓装置と呼ぶ。以下に遠隔操作式排水栓装置の従来例を、図12を参照しつつ説明する。
【0003】
図12に図示した第一の従来例の遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載した排水栓本体、弁部材、支持部材、レリースワイヤ、エルボ部材、操作部、ガイド管より構成されてなる。
排水栓本体は、内部に排水口を形成する略円筒形状の部材であって、その外側面に雄ネジを備えてなる。
弁部材は、上記排水口を閉口する円盤状の弁体と、該弁体の下面中央に設けられた嵌合部よりなる。
支持部材は、排水口内に収納固定される部材であって、後述するレリースワイヤの端部を接続固定した状態で、排水口内に収納固定される。
レリースワイヤは、以下に記載したアウターチューブ、インナーワイヤ、弁軸部、戻りスプリング、支持軸、緩衝スプリング、より構成されてなる。
アウターチューブは、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えた中空の管体である。
インナーワイヤは、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えた、コイル状に巻いた金属線であって、上記アウターチューブ内部に収納され、アウターチューブ内を軸方向に摺動自在に動作する。尚、インナーワイヤの排水口側の端部はアウターチューブから露出するが、操作部側の端部はアウターチューブ内に収納配置される。
戻りスプリングは、該インナーワイヤの操作部側に備えられ、アウターチューブに対しインナーワイヤを操作部側に付勢する。
弁軸部は、インナーワイヤの排水口側の端部に備えられ、その先端が上記弁体の嵌合部に嵌合する。
支持軸は、アウターチューブ内に抜け止めされた状態で配置され、アウターチューブ端部に配置される。
緩衝スプリングは、アウターチューブ内であって、支持軸とインナーワイヤとの間に配置される部材である。該緩衝スプリングは、戻りスプリングよりも大きなバネ定数を備えてなり、インナーワイヤが弁部材を押し上げたり、戻りスプリングが伸縮するなど、通常の使用程度の応力が弁軸部から支持軸の間において作用しても、伸縮を生じない。しかしながら、遠隔操作式排水栓装置の通常の使用では生じない、部材の破損を生じかねない程度の応力が弁軸部から支持軸の間において作用した場合には収縮し、応力を吸収して弁軸部から支持軸の間の部材の破損を防止する。
エルボ部材は、排水栓本体の雄ネジと螺合する雌ネジを設けた開口を上方に備えてなり、また、前記排水口から流れ込む排水を下水側に排出するための排出口、及びレリースワイヤを相通する挿通筒を備えてなる。
操作部は、以下に記載する操作部本体と、ロック機構部と、ボタン部材からなる。
操作部本体は、略円筒形状にして、円筒形状の上端部分の外側面には周縁に沿って連続して外側方向に突出した鍔部を設けてなる。
ロック機構部は、円筒形状の本体部分と、該本体部分の中央に配置して本体部分に対し上下動する操作軸を備えた部材であって、その内部にはスラストロック機構と呼ばれる機構を備えてなる。
ロック機構部に備えられた操作軸は、施工完了時レリースワイヤの戻りスプリングの付勢により、常に上向きの付勢を受ける。この状態において、支持軸の上端に押し込み操作を加えると、支持軸は、スラストロック機構により、操作を加える毎に「下方に突出して固定/固定を解除し戻りスプリングの作用により上昇」を交互に繰り返すように構成されてなる。
ロック機構部の下端部分には、施工完了時レリースワイヤのアウターチューブの一端が接続されると共に、その内部に、下端がインナーワイヤに当接する操作軸を備えてなる。
ボタン部材は、操作部本体の内周面よりも若干小径な外径を有した円板状の部材であって、下面中央部分が操作軸上端に先端と嵌合するように構成されてなる。
ガイド管は、側面に可撓性を備えたチューブ管で、一端は操作部本体の下端に、他端はエルボ部材の挿通筒に、それぞれ接続される。
また、上記各部材からなる遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載したような槽体である浴槽に施工される。
浴槽は、上方が開口した箱体であって、底面には排水栓を取り付ける排水栓取付孔を、上方の開口の周縁には操作部を取り付ける操作部取付孔を、それぞれ設けてなる。
【0004】
上記のように構成した従来例の遠隔操作式排水栓装置を、槽体である浴槽に取り付ける場合、まず、浴槽等に設けた排水栓取付孔を介して排水栓本体とエルボ部材を螺合させ、排水栓取付孔に排水栓本体とエルボ部材を取り付け固定する。
次に、浴槽上縁部に設けられた操作部取付孔に操作部本体を取り付け固定した上で、ガイド管の一端を操作部本体の下端に、他端をエルボ部材の挿通筒に、それぞれ接続する。
更にレリースワイヤの一端をロック機構部に接続する。詳細に説明すると、アウターチューブの端部をロック機構の本体部に接続し、操作軸をインナーワイヤの支持軸に当接するようにしてレリースワイヤをロック機構部に接続する。
このようにレリースワイヤをロック機構に接続した後、レリースワイヤの弁軸部側端部を操作部本体内に挿通すると、弁軸部は操作部本体、ガイド管、エルボ部材内部、の順に挿通し、最終的に排水栓本体内に到達する。この状態から、レリースワイヤの端部を支持部材に接続した上で、排水栓本体内部に支持部材を配置固定する。
その後、インナーワイヤ端部の弁軸部を、弁部材の嵌合部に嵌合させ、更に操作軸に、ボタン部材を嵌合させて、遠隔操作式排水栓装置の取り付けが完了する。
【0005】
上記従来例の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部のボタン部材に操作を加えて排水口を閉口した状態、即ちレリースワイヤのインナーワイヤが操作部側に後退し、弁部材が降下した状態とする。この状態よりボタン部材に押し込み操作を加えて、インナーワイヤを排水口側に前進させると、インナーワイヤ先端の弁軸部が上昇して弁部材を押上げ、弁体が上昇して排水口を開口する。この開口状態は、ロック機構部のスラストロック機構によって維持固定される。
この状態よりボタン部材に再度押し込み操作を加えてロック機構部の操作軸の固定状態を解除すると、弁部材の自重や戻りスプリングの作用により、インナーワイヤが操作部側に後退し、弁軸部が下降するため、弁軸部に押し上げられていた弁部材も降下して弁体が排水口を閉口する。以後この操作を繰り返すことで排水口の開閉を自在に操作することができる。
【0006】
また、遠隔操作式排水栓装置において、排水口が開口している状態、即ち弁部材が上昇し、弁体が排水口から離間している状態の際に、弁部材に大きな加重が加えられると、弁部材からインナーワイヤに加重が伝達し、弁部材と比べると強度的に弱いインナーワイヤが折れ曲がるなどの破損を生じてしまう場合がある。この問題を解決するため、上記従来例においては、弁軸部からインナーワイヤを介し支持軸に至る経路上に緩衝スプリングを備え、加重が加えられても緩衝スプリングが収縮し、弁体が排水口に当接することで、インナーワイヤなど遠隔操作式排水栓装置に破損が生じないように構成してなる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−88853号公報(第一実施例)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例において、排水口が開口している状態、即ち弁部材が上昇し、弁体が排水口から離間している状態において、弁部材に大きな加重が加えられると、段落0006に記載したように、緩衝スプリングが収縮することで、インナーワイヤが破損することを防止するように構成されてなる。
ところで、上記従来例において、緩衝スプリングによる緩衝機能が発揮される為には、弁部材及び弁軸部に加わった加重によってインナーワイヤが操作部側に後退する必要がある。しかし、アウターチューブとインナーワイヤの間には摩擦抵抗が存在する。このため、弁部材に急激に応力が加えられ、インナーワイヤとアウターチューブの間の摩擦抵抗によってインナーワイヤの操作部側への後退がスムーズに行われない場合、緩衝スプリングが収縮しないまま、インナーワイヤが破損してしまう場合がある、といった問題があった。
特に浴槽の遠隔操作式排水栓装置の場合、取り付けられる槽体が大きな分、レリースワイヤの全長が、洗面台ボウル等の遠隔操作式排水栓装置のレリースワイヤに比べて長くなる。レリースワイヤのインナーワイヤとアウターチューブとの間の摩擦抵抗は、長さに比例して増大するため、洗面ボウル用遠隔操作式排水栓装置に比べ、浴槽用遠隔操作式排水栓装置の方が、インナーワイヤのスムーズな動作が妨げられる事となる。
また、レリースワイヤは曲がり部分において特に強くインナーワイヤとアウターチューブが擦れるように接触するため、エルボ部材内部で小半径で屈曲したり、浴槽の側面に沿って屈曲して配置される浴槽用遠隔操作式排水栓装置のレリースワイヤでは、特にインナーワイヤのスムーズな動作が妨げられる事となる。
また、浴槽用遠隔操作式排水栓装置の場合、排水口の開口時に、弁部材が浴槽の使用者に踏まれることで、数十キログラム相当の加重が一瞬の間に加えられる場合があり、緩やかに加重を加えた場合と比べてインナーワイヤの摺動がスムーズに起こり難く、そのためインナーワイヤの操作部側への後退動作が完了するよりも早く大きな加重がインナーワイヤに加わり、インナーワイヤに破損が生じる場合があった。
しかしながらレリースワイヤの緩衝スプリングの配置を、レリースワイヤ中の排水口側に配置することも困難であった。これは、スプリングの特性として、スプリングが屈曲した状態で応力が作用すると、スプリングの軸方向への伸縮がスムーズに行うことができず、むしろ折れ曲がって破損してしまう場合があるためである。例えば浴槽用遠隔操作式排水栓装置のレリースワイヤにおいては、エルボ部材内部で小半径で屈曲するため、緩衝スプリングをレリースワイヤ中の排水口側に配置すると、屈曲部分に緩衝スプリングが配置されることとなり、スプリングの軸方向への伸縮がスムーズに行うことができず、折れ曲がって破損してしまう場合がある。
上記は浴槽用遠隔操作式排水栓装置の場合であるが、洗面ボウル用遠隔操作式排水栓装置の場合でも、排水口側のレリースワイヤは、キャビネット内にて180反転して配置されるため、浴槽用遠隔操作式排水栓装置のレリースワイヤと同様の問題を生じる。
結局、従来のレリースワイヤにおいては、施工完了時、比較的直線部分が長く設けられる、操作部側の端部付近に、緩衝用スプリングを配置さぜるを得なかった。
本発明は上記の課題に鑑みて成されたものであり、その目的とする処は、弁部材に急激に応力が加えられても、インナーワイヤなど各部材の破損を防止する緩衝機構が、何ら支障無くスムーズに作動する遠隔操作式排水栓装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、槽体の底面に設けられた排水口1を遠隔的に開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、
遠隔操作式排水栓装置を、排水口1の開閉を操作する操作部2と、上下動することで排水口1の開閉を行う弁部材3と、上記操作部2と弁部材3との間を連絡するレリースワイヤ4と、から成し、
更にレリースワイヤ4を、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えた中空の管体であって、一端を排水口1に対して、他端を操作部2に対して、それぞれ固定する中空のアウターチューブ5と、アウターチューブ5内部に収納され、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えると共に軸方向に摺動自在に動作するインナーワイヤ6と、該インナーワイヤ6の操作部2側に備えられ、アウターチューブ5に対しインナーワイヤ6を操作部2側に付勢する戻りスプリング7と、弁部材3と嵌合する部材であって、インナーワイヤ6の排水口1側端部に、インナーワイヤ6に対して摺動可能且つ抜脱不能に備えられる弁軸部8と、該弁軸部8とインナーワイヤ6との間に配置され、弁軸部8をインナーワイヤ6端部から離間する方向に付勢すると共に、軸方向操作部2側に、戻りスプリング7が収縮する応力よりも大きく、インナーワイヤ6の破損が生じるよりも小さい応力が作用した際に収縮する緩衝部材と、
より構成してなることを特徴とする、遠隔操作式排水栓装置である。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、上記緩衝部材が緩衝用のスプリングであることを特徴とする、段落0009に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、レリースワイヤ4に、筒形状であって、弁軸部8の外周に配置され、弁軸部8を進退自在に収納すると共に、アウターチューブ5端部に接続固定される、カバー部材11を備えたことを特徴とする、段落0009又は段落0010に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、アウターチューブ5の排水口1側端部に条部5bを設け、カバー部材11の下端部分に、上記条部5bに合致する切欠部11aを設けたことを特徴とする、段落0011に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0013】
請求項5に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、アウターチューブ5の排水口1側端部の外側面とカバー部材11内周面が当接するように成すと共に、アウターチューブ5の排水口1側端部に条部5bを設け、且つ条部5bの側面を、アウターチューブ5端部の中心軸と条部5bの中心軸とを結ぶ平面と略平行となるように設け、カバー部材11の下端部分に、上記条部5bに合致する切欠部11aを設けたことを特徴とする、段落0011に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0014】
請求項6に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、条部5bに段部5dを備え、切欠部11aに段部5dに合致する凹部11bを設けたことを特徴とする、段落0012乃又は段落0013に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の本発明は、遠隔操作式排水栓装置において、レリースワイヤではなく弁軸部内に緩衝部材を配置したことで、弁部材に加重を加えられた際に、緩衝部材が収縮を行う為にインナーワイヤが操作部側に動作する必要が無くなり、インナーワイヤとアウターチューブの摩擦等に関係なく、インナーワイヤや弁軸部が破損することを防止することができる。
また、遠隔操作式排水栓装置の排水口を閉口する場合、インナーワイヤを弁軸部から抜脱不能に構成したことで、戻りスプリングがインナーワイヤを操作部側に付勢する力を、弁軸部が降下する力に利用することができ、弁部材及び弁軸部の自重以上の力で確実に排水口を閉口することができる。
請求項2に記載の本発明では、弾性部材の構成を明確化することができる。
請求項3に記載の本発明では、弁軸部を覆うと共にその進退をガイドするカバー部材を備えたことで、弁軸部の進退の方向と、インナーワイヤの端部における軸方向とが良く合致するようにすることができる。弁軸部に組み込んだ緩衝部材により、弁部材に加えられた応力を緩衝することができるようになっても、緩衝部材の収縮の方向と、インナーワイヤの軸の方向とが合致していないと、インナーワイヤの側面方向に緩衝部材に加えられた応力が集中してインナーワイヤが破損してしまう場合がある。弁軸部にカバー部材を備えることで、カバー部材を弁軸部の進退のガイドとして利用することができるようになり、弁軸部の進退方向とインナーワイヤ端部の軸方向とにズレが生じることなく、良く合致するようにすることができ、遠隔操作式排水栓装置の緩衝機構の作用を一層確実なものとすることができる。
請求項4、請求項5に記載の本発明では、アウターチューブ端部とカバー部材との接続方法に工夫を加えた事で、アウターチューブに対してカバー部材が傾斜し難くすることができる。これにより、カバー部材にガイドされる弁軸部の進退の方向と、アウターチューブにガイドされるインナーワイヤの端部における軸方向とが良く合致するようになり、遠隔操作式排水栓装置の信頼性をより向上することができる。
請求項6に記載の本発明では、アウターチューブ端部とカバー部材との接続部分に段部を設けたことで、アウターチューブ端部とカバー部材との接続の際の当接面が増加し、より一層アウターチューブに対してカバー部材が傾斜し難くすることができ、遠隔操作式排水栓装置の信頼性をより向上すること
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例の遠隔操作式排水栓装置を示す断面図である。
【図2】実施例のレリースワイヤを示す断面図である。
【図3】実施例のアウターチューブ端部近傍の部材構成を示す参考図である。
【図4】実施例のアウターチューブ端部近傍の斜視図である。
【図5】実施例の遠隔操作式排水栓装置の、開口状態における排水口近傍の断面図である。
【図6】図5の状態における、レリースワイヤ端部を切り欠いた斜視図である。
【図7】実施例の遠隔操作式排水栓装置の、閉口状態における排水口近傍の断面図である。
【図8】図7の状態における、レリースワイヤ端部を切り欠いた斜視図である。
【図9】実施例の遠隔操作式排水栓装置の、緩衝状態における排水口近傍の断面図である。
【図10】図9の状態における、レリースワイヤ端部を切り欠いた斜視図である。
【図11】アウターチューブの操作部側端部の平面図である。
【図12】従来の遠隔操作式排水栓装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。図1乃至図11に示した本発明の実施例の遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載した排水栓本体12、弁部材3、支持部材13、レリースワイヤ4、エルボ部材14、操作部2、ガイド管15より構成されてなる。尚本文中に記載された「上」「下」は、施工が完了した状態での方向を基準として記載する。
排水栓本体12は、内部に排水口1を形成する略円筒形状の部材であって、その外側面に雄ネジを備えてなる。
弁部材3は、上記排水口1を閉口する円盤状の弁体3aと、該弁体3aの下面中央に設けられた嵌合部3bよりなる。
支持部材13は、排水口1内に収納固定される部材であって、後述するレリースワイヤ4の端部、正確にはカバー部材11を接続固定した状態で、排水口1内に収納固定される。
レリースワイヤ4は、以下に記載したアウターチューブ5、インナーワイヤ6、弁軸部8、戻りスプリング7、支持軸6a、緩衝スプリング10、カバー部材11、より構成されてなる。
アウターチューブ5は、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えた中空の管体である。
また、排水口1側のアウターチューブ5端部には鍔部5aを設け、この鍔部5a外側面とカバー部材11内周面が当接するように構成してなる(鍔部5aはアウターチューブ5の端部の一部であるため、鍔部5aに設けた条部5bはアウターチューブ5端部に設けられる構成である)。
また、アウターチューブ5外側面であって、平面視アウターチューブ5端部の中心軸を中心として対称となる位置二箇所に条部5bを設けてなる。この条部5bの側面は、図11に示したように、アウターチューブ5端部での中心軸と、条部5bの中心軸を結ぶ平面と平行となるように設けてなる。
また、図3等に示したように、この条部5bの下端部分には側面視外方向に突出する段部5dを備えてなる。この段部5dも、その側面は、図11に示したように、アウターチューブ5端部での中心軸と、条部5bの中心軸を結ぶ平面と平行となるように設けてなる。また、条部5bと干渉しない位置に爪部5eを設けて成る。
インナーワイヤ6は、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えた、コイル状に巻いた金属線であって、上記アウターチューブ5内部に収納され、アウターチューブ5内を軸方向に摺動自在に動作する。尚、インナーワイヤ6の排水口1側の端部は後述するように弁軸部8内部に配置され、またその先端にはストッパー9が備えられてなる。
弁軸部8はその先端が上記弁体3aの嵌合部3bに嵌合する部材であって、インナーワイヤ6の排水口1側端部に、インナーワイヤ6に対して摺動可能且つ抜脱不能に備えられる。また、弁軸部8は、その内部に、該弁軸部8とインナーワイヤ6との間に配置され、弁軸部8をインナーワイヤ6端部から離間する方向に付勢すると共に、インナーワイヤ6の軸方向に、戻りスプリング7が収縮する応力よりも大きく、インナーワイヤ6の破損が生じるよりも小さい応力が作用した際に収縮する緩衝部材としての緩衝スプリング10を備えてなる。
弁軸部8の構成について詳述すると、弁軸部8は、有底円筒状で下方に開口した弁軸部本体8aと、弁軸部本体8aの下方の開口を閉塞する弁軸蓋部8bとを備えてなる。
弁軸蓋部8bは平面視円形を成す略円板状の部材で、その中央にインナーワイヤ6を挿通する貫通孔8cを設けてなる。
インナーワイヤ6はこの貫通孔8cを貫通して成り、且つその先端に貫通孔8cからインナーワイヤ6が抜脱することを防止するストッパー9を備えてなる。
本実施例では、図2等に示したように、レリースワイヤ4として組み上げられた状態において、インナーワイヤ6先端のストッパー9と、弁軸部本体8aの上端の壁部下面との間に緩衝スプリング10が配置された上で、弁軸蓋部8bが弁軸部本体8aの下端の開口に対して取り外しできないよう強固に取り付け固定されている。
上記した緩衝スプリング10は、戻りスプリング7よりも大きなバネ定数を備えてなり、インナーワイヤ6が弁部材3を押し上げたり、戻りスプリング7が伸縮するなど、通常の使用程度の応力が弁軸部8から支持軸6aの間において作用しても、伸縮を生じない。しかしながら、遠隔操作式排水栓装置の通常の使用では生じない、部材の破損を生じかねない程度の応力が弁軸部8から支持軸6aの間において作用した場合には収縮し、応力を吸収して弁軸部8から支持軸6aの間の部材の破損を防止する。
上記のように構成したため、ストッパー9の作用により、貫通孔8cからインナーワイヤ6が抜脱することはないが、緩衝スプリング10の軸方向に大きな応力が加えられ、緩衝スプリング10が収縮すれば、インナーワイヤ6は貫通孔8cを摺動し、弁軸部8内に挿入することができる。
戻りスプリング7は、該インナーワイヤ6の操作部2側に備えられ、アウターチューブ5に対しインナーワイヤ6を操作部2側に付勢する。
カバー部材11は、その内周面がアウターチューブ5の鍔部5a外周面に当接するように構成された、略円筒形状を成す部材であって、その下端部分に、上記アウターチューブ5の条部5b及び段部5dに合致する切欠部11a及び凹部11bを設けてなる(鍔部5aはアウターチューブ5の端部の一部であるため、カバー部材11は、その内周面がアウターチューブ5の排水口1側端部の外側面と当接する構成である)。またカバー部材11の先端部分は内周方向に連続する突起を備え、この突起が弁軸部8が進退する際に、弁軸部8外側面に当接することで、弁軸部8をガイドし、弁軸部8が正確にインナーワイヤ6の進退方向と合致するように構成してなる。
また、このカバー部材11はアウターチューブ5端部に設けた爪部5eに対応する爪受穴11cを備えてなり、爪部5eと爪受穴11cの樹脂弾性を利用した嵌合構造により、アウターチューブ5端部にワンタッチにて嵌合接続され固定されてなる。
支持軸6aは、下端がインナーワイヤ6端部に接続固定された状態で配置される。この支持軸6a下端とアウターチューブ5内面との間に戻りスプリング7が配置されることで、インナーワイヤ6はアウターチューブ5に対し、操作部2側に付勢される。
エルボ部材14は、排水栓本体12の雄ネジと螺合する雌ネジを設けた開口を上方に備えてなり、また、前記排水口1から流れ込む排水を下水側に排出するための排出口14a、及びレリースワイヤ4を相通する挿通筒14bを備えてなる。
操作部2は、以下に記載する操作部本体2aと、ロック機構部2bと、ボタン部材2dからなる。
操作部本体2aは、略円筒形状の部材であって、操作部取付孔B2に取り付けられる。
ロック機構部2bは、円筒形状の本体部分と、該本体部分の中央に配置して本体部分に対し上下動する操作軸2cを備えた部材であって、その内部にはスラストロック機構と呼ばれる機構を備えてなる。
操作軸2cは、その下端が施工完了時インナーワイヤ6の上端部分と当接するように配置され、レリースワイヤ4の戻りスプリング7の付勢により、常に上向きの付勢を受ける。この状態において、ボタン部材2dを介し、操作軸2cの上端に押し込み操作を加えると、操作軸2cは、スラストロック機構により、操作を加える毎に「下方に突出して固定/固定を解除し戻りスプリング7の作用により上昇」を交互に繰り返すように構成されてなる。
ボタン部材2dは、操作部本体2aの内周面よりも若干小径な外径を有した円板状の部材であって、下面中央部分が操作軸2c上端に先端と嵌合するように構成されてなる。
ガイド管15は、側面に可撓性を備えたチューブ管で、一端は操作部本体2aの下端に、他端はエルボ部材14の挿通筒14bに、それぞれ接続される。
また、上記各部材からなる遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載したような槽体である浴槽Bに施工される。
浴槽Bは、上方が開口した箱体であって、底面には排水栓を取り付ける排水栓取付孔B1を、上方の開口の周縁には操作部2を取り付ける操作部取付孔B2を、それぞれ設けてなる。
【0018】
上記のように構成した従来例の遠隔操作式排水栓装置を、槽体である浴槽Bに取り付ける場合、まず、浴槽B等に設けた排水栓取付孔B1を介して排水栓本体12とエルボ部材14を螺合させ、排水栓取付孔B1に排水栓本体12とエルボ部材14を取り付け固定する。
次に、浴槽B上縁部に設けられた操作部取付孔B2に操作部本体2aを取り付け固定した上で、ガイド管15の一端を操作部本体2aの下端に、他端をエルボ部材14の挿通筒14bに、それぞれ接続する。
更にレリースワイヤ4の一端をロック機構部2bに接続する。詳細に説明すると、アウターチューブ5の端部をロック機構の本体部に接続し、操作軸2cをインナーワイヤ6の支持軸6aに当接するようにしてレリースワイヤ4をロック機構部2bに接続する。
このようにレリースワイヤ4をロック機構に接続した後、レリースワイヤ4の弁軸部8側端部を操作部本体2a内に挿通すると、弁軸部8は操作部本体2a、ガイド管15、エルボ部材14内部、の順に挿通し、最終的に排水栓本体12内に到達する。この状態から、レリースワイヤ4の端部、正確にはカバー部材11を支持部材13に接続した上で、排水栓本体12内部に支持部材13を配置固定する。
その後、インナーワイヤ6端部の弁軸部8を、弁部材3の嵌合部3bに嵌合させ、更に操作軸2cに、ボタン部材2dを嵌合させて、遠隔操作式排水栓装置の取り付けが完了する。
【0019】
上記従来例の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部2のボタン部材2dに操作を加えて、図3に示したように、排水口1を閉口した状態、即ちレリースワイヤ4のインナーワイヤ6が操作部2側に後退し、弁部材3が降下した状態とする。この状態よりボタン部材2dに押し込み操作を加えて、インナーワイヤ6を排水口1側に前進させると、インナーワイヤ6先端の弁軸部8が上昇して弁部材3を押上げ、図5に示したように、弁体3aが上昇して排水口1を開口する。この開口状態は、ロック機構部2bのスラストロック機構によって維持固定される。
この状態よりボタン部材2dに再度押し込み操作を加えてロック機構部2bの操作軸2cの固定状態を解除すると、弁部材3の自重や戻りスプリング7の作用により、インナーワイヤ6が操作部2側に後退し、弁軸部8が下降するため、弁軸部8に押し上げられていた弁部材3も降下して、図3の状態に戻り、弁体3aが排水口1を閉口する。以後この操作を繰り返すことで排水口1の開閉を自在に操作することができる。
【0020】
また、遠隔操作式排水栓装置において、排水口1が開口している状態、即ち弁部材3が上昇し、弁体3aが排水口1から離間している状態で、弁部材3に大きな加重が加えられると、弁軸部8内の緩衝スプリング10に、軸方向に沿って応力が作用し、図8に示したように、インナーワイヤ6先端のストッパー9と、弁軸部本体8aの上端の壁部下面との間で、緩衝スプリング10が収縮する。これにより、図7に示したように、インナーワイヤ6は排水口1側に突出し且つ破損が無いまま、弁部材3及び弁軸部8が降下し、弁体3aが排水口1を閉口した状態となる。この状態よりも弁部材3が降下することが無いため、浴室使用者が弁部材3を踏みつけてもインナーワイヤ6が破損することが無くなり、遠隔操作式排水栓装置を良好に使用することができる。弁部材3に加わった応力が取り除かれると、緩衝スプリング10は伸張して通常の状態に復帰し、弁部材3及び弁軸が上昇し、排水口1が開口した状態に戻る。
また、本発明の実施例では、上記のように弁部材3に加重が加わって緩衝スプリング10が収縮する際に、インナーワイヤ6が進退する必要はなく、弁部材3に加えられた応力に直接弁軸部8内の緩衝スプリング10が収縮してインナーワイヤ6の破損を防ぐ。従来例のように、インナーワイヤ6がアウターチューブ5内を進退する必要が無く、当然、インナーワイヤ6とアウターチューブ5の間の摩擦によってインナーワイヤ6の進退が良好に行えず、緩衝スプリング10が上手く機能しない、という問題も生じない。
また、緩衝スプリング10は施工完了時屈曲するアウターチューブ5の内部ではなく、常に直線状に配置される弁軸部8内に配置されるため、弁部材3(または弁軸部8)に上方から応力が加わっても緩衝スプリング10の収縮は常にスムーズに行われ、緩衝スプリング10自体が屈曲部分に配置されたことで破損してしまう、という問題が生じない。
【0021】
また、上記従来例では、弁軸部8を覆うと共にその進退をガイドするカバー部材11を備えたことで、弁軸部8の進退の方向と、インナーワイヤ6の端部や緩衝スプリング10の軸方向とが良く合致するようにすることができる。緩衝スプリング10の収縮の方向と、インナーワイヤ6の軸の方向とが合致していないと、インナーワイヤ6や緩衝スプリング10の軸方向と、応力が加えられる方向がずれてしまい、インナーワイヤ6や緩衝スプリング10が破損してしまう場合があるが、本実施例のように、弁軸部8にカバー部材11を備えることで、カバー部材11を弁軸部8の進退のガイドとして利用することができるようになり、弁軸部8の進退方向とインナーワイヤ6端部の軸方向とにズレが生じることなく、良く合致するようにすることができ、遠隔操作式排水栓装置の緩衝機構の作用を一層確実なものとすることができる。
【0022】
また、カバー部材11をガイドとして利用するためには、カバー部材11とアウターチューブ5の端部との接続が、傾くことなく行われる必要がある。上記実施例においては、アウターチューブ5端部に鍔部5aを設け、この鍔部5a外側面とカバー部材11内周面が当接するように成すと共に、アウターチューブ5端部に、平面視インナーワイヤ6を中心として対称となる位置二箇所に段部5dを備えた条部5bを設け、且つ平面視該条部5b及び段部5dの側面を、アウターチューブ5の端部の中心軸と条部5bの中心軸を結ぶ平面と平行となるように設け、カバー部材11の下端部分に、上記条部5b及び段部5dに合致する切欠部11a及び凹部11bを設けて構成している(上記構成により、アウターチューブ5端部での中心軸と、条部5bの中心軸を結ぶ平面とは平行となるように構成されてなる)。このように構成したことにより、カバー部材11とアウターチューブ5の端部との接続が、傾くことなく行われるように構成している。以下に、この傾斜防止の構成について、具体的に詳述する。
施行完了時の弁軸部8を、図11に示したように、二箇所の条部5bを結ぶ線を水平方向に配置するようにして平面視する。
この場合に、上記実施例では、以下の1.乃至4.の方法により、カバー部材11とアウターチューブ5の端部との接続において傾斜は生じない。
1.カバー部材11は、その内周面がアウターチューブ5の鍔部5a外周面に当接しているため、アウターチューブ5端部に対して傾斜は生じにくい。
2.水平方向(図11における横方向)については、条部5bの上端が、切欠部11a上端、及び段部5d上面に合致し、当接しているため、カバー部材11とアウターチューブ5端部との間で傾斜は生じない。
3.垂直方向(図11における上下方向)については、条部5bの側面及び段部5dの側面と上面が、切欠部11a側面、及び凹部11bの側面と下面に合致し、当接しているため、カバー部材11とアウターチューブ5端部との間で傾斜は生じない。
4.水平方向/垂直方向以外の方向に向かう傾斜(図11の斜め方向)は、水平方向及び垂直方向への傾斜の合成によって生じるため、上記2.、上記3.が機能する限り、水平方向/垂直方向以外の方向に向かう傾斜は生じない。
【0023】
本発明の実施例は以上のようであるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記実施例では、排水配管が備えられる槽体を浴槽Bとしているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、洗面台の洗面ボウル、流し台のシンクなど他の槽体に使用してももちろん構わない。
【符号の説明】
【0024】
1 排水口 2 操作部
2a 操作部本体 2b ロック機構部
2c 操作軸 2d ボタン部材
3 弁部材 3a 弁体
3b 嵌合部 4 レリースワイヤ
5 アウターチューブ 5a 鍔部
5b 条部 5c 条部側面
5d 段部 5e 爪部
6 インナーワイヤ 6a 支持軸
7 戻りスプリング 8 弁軸部
8a 弁軸部本体 8b 弁軸蓋部
8c 貫通孔 9 ストッパー
10 緩衝スプリング 11 カバー部材
11a 切欠部 11b 凹部
11c 爪受穴 12 排水栓本体
13 支持部材 14 エルボ部材
14a 排出口 14b 挿通筒
15 ガイド管 B 浴槽
B1 排水栓取付孔 B2 操作部取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体の底面に設けられた排水口1を遠隔的に開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、
遠隔操作式排水栓装置を、
排水口1の開閉を操作する操作部2と、
上下動することで排水口1の開閉を行う弁部材3と、
上記操作部2と弁部材3との間を連絡するレリースワイヤ4と、から成し、
更にレリースワイヤ4を、
側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えた中空の管体であって、一端を排水口1に対して、他端を操作部2に対して、それぞれ固定する中空のアウターチューブ5と、
アウターチューブ5内部に収納され、側面方向に可撓性を備え軸方向に剛性を備えると共に軸方向に摺動自在に動作するインナーワイヤ6と、
該インナーワイヤ6の操作部2側に備えられ、アウターチューブ5に対しインナーワイヤ6を操作部2側に付勢する戻りスプリング7と、
弁部材3と嵌合する部材であって、インナーワイヤ6の排水口1側端部に、インナーワイヤ6に対して摺動可能且つ抜脱不能に備えられる弁軸部8と、
該弁軸部8とインナーワイヤ6との間に配置され、弁軸部8をインナーワイヤ6端部から離間する方向に付勢すると共に、軸方向操作部2側に、戻りスプリング7が収縮する応力よりも大きく、インナーワイヤ6の破損が生じるよりも小さい応力が作用した際に収縮する緩衝部材と、
より構成してなることを特徴とする、遠隔操作式排水栓装置。
【請求項2】
上記緩衝部材が緩衝用のスプリングであることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項3】
上記遠隔操作式排水栓装置において、
レリースワイヤ4に、筒形状であって、弁軸部8の外周に配置され、弁軸部8を進退自在に収納すると共に、アウターチューブ5端部に接続固定される、カバー部材11を備えたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項4】
上記遠隔操作式排水栓装置において、
アウターチューブ5の排水口1側端部に条部5bを設け、カバー部材11の下端部分に、上記条部5bに合致する切欠部11aを設けたことを特徴とする、
請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項5】
上記遠隔操作式排水栓装置において、
アウターチューブ5の排水口1側端部の外側面とカバー部材11内周面が当接するように成すと共に、
アウターチューブ5の排水口1側端部に条部5bを設け、
且つ条部5bの側面を、アウターチューブ5端部の中心軸と条部5bの中心軸とを結ぶ平面と略平行となるように設け、
カバー部材11の下端部分に、上記条部5bに合致する切欠部11aを設けたことを特徴とする、
請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項6】
上記遠隔操作式排水栓装置において、条部5bに段部5dを備え、切欠部11aに段部5dに合致する凹部11bを設けたことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の遠隔操作式排水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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