遠隔操作式排水栓装置
【課題】排水口内部にメカボックスを備える遠隔操作式排水栓装置において、メカボックス内部の支持軸のロック機構の故障や破損を防ぎ、故障のない遠隔操作式排水栓装置を提供する。
【解決手段】槽体1の底面に開口された排水口2と、排水口2に設置されて、自身の上下動によって排水口2の開口/閉口を行う弁蓋6と、排水口2内に支持されて配置され、弁蓋6の上下動の動作を支持するロック機構が内蔵されているメカボックス3と、から構成される遠隔操作式排水栓装置において、前記メカボックス3内部に上下動自在に配置され、且つ弁蓋6がその上部に着脱可能に取り付けられる支持軸31と、前記メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵した遠隔操作式排水栓装置を提供する。
【解決手段】槽体1の底面に開口された排水口2と、排水口2に設置されて、自身の上下動によって排水口2の開口/閉口を行う弁蓋6と、排水口2内に支持されて配置され、弁蓋6の上下動の動作を支持するロック機構が内蔵されているメカボックス3と、から構成される遠隔操作式排水栓装置において、前記メカボックス3内部に上下動自在に配置され、且つ弁蓋6がその上部に着脱可能に取り付けられる支持軸31と、前記メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵した遠隔操作式排水栓装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽や洗面台等の排水口の弁体を遠隔的に開閉する遠隔操作式排水栓装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来から、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体の排水口に弁体を設け、図11に示したように槽体の上縁に構成された操作部の操作により弁体を上下動させ、槽体内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体と、排水口と、排水栓と、弁蓋と、操作部と、メカボックスと、レリースワイヤと、から構成される。
槽体は箱体であって、底部に排水口を開口して成る。また本従来例では浴室に設けられる浴槽を槽体とする。
排水口は、浴槽底部に開口された孔であって、当該排水口より槽体内の排水を行う。また、後記する排水栓を備える。
排水栓は、外周にネジを螺設し、かつ上端に外側方向へ飛び出すフランジを有した部材であり、前記弁蓋の着座面を構成する。また、当該排水栓は排水用配管部材である例えばエルボ部材や排水トラップなどを介して、最終的には下水道管へ接続される。
弁蓋は、排水口及び排水栓を閉栓/開栓する部材であって、弁蓋が排水栓に着座すれば排水口を閉栓し、弁蓋が上昇すれば排水口が開栓するようになっている。
操作部は、浴槽の上縁部に構成される押しボタンであって、使用者が適宜押動操作を行うことにより前記弁蓋が上昇/下降するように構成される。また、操作部には、後述するレリースワイヤのインナーワイヤの操作部の操作による進行を退行させる為のリターンスプリングを内蔵する。このリターンスプリングは、常時伸張方向へ付勢しており、インナーワイヤを常時操作部側へ引き戻すよう備えられる。
レリースワイヤは、操作部から排水口まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブと、アウターチューブ内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤと、から構成される。尚、アウターチューブは操作部から後記するメカボックス下端まで接続され、インナーワイヤは操作部の軸から後記するメカボックスの支持軸まで連結接続されて構成される。
メカボックスは、円筒状の箱体であって、内部に弁蓋に接続される支持軸を内蔵している。メカボックス内部は支持軸の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、当従来例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス内周に切り溝及び回転カム面、メカボックス内面の上方に構成された回転カム面とが構成される。また、メカボックスは、排水栓に取り付けられる固定部材により排水口中心部に配置固定される。
支持軸は、メカボックス内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋に接続され、下端はレリースワイヤのインナーワイヤ先端が接続される。
【0003】
前記した従来の遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
弁蓋が排水口に着座している際に、使用者が操作部を押動すると、操作部の操作に併せてレリースワイヤのインナーワイヤがアウターチューブ内を進行し、排水口のメカボックス支持軸に作用する。すると支持軸はインナーワイヤの進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸の上昇をロックする。そうすると支持軸の上昇に併せて支持軸上端に接続された弁蓋が上昇することになり、排水口が開栓する。またこのとき、操作部のリターンスプリングはインナーワイヤが進行した分圧縮されることとなる。
また、更に使用者が操作部を押動すると、操作部からレリースワイヤのインナーワイヤが少し進行し、インナーワイヤが連結している支持軸が少し上昇し、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されると操作部の圧縮されていたリターンスプリングが外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリングの付勢力によりインナーワイヤが操作部側へ進行していた分後退することとなる。インナーワイヤが後退すると、インナーワイヤ先端に接続された支持軸も下降し、更に支持軸に接続された弁蓋も併せて下降して排水栓(排水口)に着座する。こうして排水口は弁蓋により閉栓することとなる。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋の上下動が繰り返される。
【0004】
前記した従来の遠隔操作式排水栓装置は以下のような排水の流れである。
弁蓋が下降して排水栓に着座し、且つ排水口を閉栓している時は、排水口が閉栓されているので浴槽内に排水が貯水される。また、この状態から使用者が操作部を操作すると排水口の弁蓋が上昇し、排水口が開栓する。すると開栓した排水口から浴槽内の排水は排水されて、浴槽下に配置されるエルボ部材や、洗い場に配置される排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
このようにして浴槽内の排水は下水へと排水される。
【0005】
しかし、従来の遠隔操作式排水栓装置には以下のような問題点があった。
当該遠隔操作式排水栓装置は浴槽や洗面ボウル内の底部にある排水口に弁蓋が構成されるため、当然使用者が踏むことがあったり、例えば清掃時にバケツ等を置くこともある。弁蓋が上昇時に使用者が踏んだり、さらには弁蓋が閉口していたとしても、使用者やバケツなどで弁蓋を踏んだ状態で、操作部の押動操作を行ってしまうことにより、支持軸に過大な応力が加わることがあった。
また、このような過大な応力が発生した際、排水口内部に支持軸のロック機構であるメカボックスを配置していることから、支持軸の応力がメカボックスのロック機構に直接的に加わり、ロック機構自体を応力により破壊してしまっていた。このように、排水口内部にメカボックスが備えられるタイプの従来の遠隔操作式排水栓装置においては、支持軸に対する過大な応力が加えられた際の対策が何らとられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−116213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排水口内部にメカボックスを備える遠隔操作式排水栓装置において、メカボックス内部の支持軸のロック機構の故障や破損を防ぎ、故障のない遠隔操作式排水栓装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、槽体1の底面に開口された排水口2と、排水口2に設置されて、自身の上下動によって排水口2の開口/閉口を行う弁蓋6と、排水口2内に支持されて配置され、弁蓋6の上下動の動作を支持するロック機構が内蔵されているメカボックス3と、から構成される遠隔操作式排水栓装置において、前記メカボックス3内部に上下動自在に配置され、且つ弁蓋6がその上部に着脱可能に取り付けられる支持軸31と、前記メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0009】
請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、当該支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記段落0008に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0010】
請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記段落0008に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0011】
請求項4に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31及び支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記段落0008に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0012】
請求項5に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31を円筒状に形成し、当該支持軸31の内周に適宜収納されるガイド軸33を構成したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0011のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0013】
請求項6に記載の遠隔操作式排水栓槽は、前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、前記支持軸31を常時下方へと付勢するリターンスプリング5を前記メカボックス3内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32を切り離して接続したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0012のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0014】
請求項7に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、前記インナーワイヤ72を操作部8側へと後退させる為のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部もしくは操作部8内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32のいずれか一つとを連結して接続したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0011のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至請求項5に記載の本発明は、メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵したことから、弁蓋6に過大な応力が加わってもショックアブソーバー4で衝撃を吸収することができるので、メカボックス3内部を破損したり故障したりすることがなくなった。
請求項6に記載の本発明は、支持軸31を常時下方へと付勢するリターンスプリング5を前記メカボックス3内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32を切り離して接続したことにより、支持軸31に加わる衝撃が直接的にレリースワイヤ7に作用することがなく、インナーワイヤ72の座屈を防止することができるようになった。
請求項7に記載の本発明は、インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース3232のいずれか一つとを連結して接続したことにより、レリースワイヤ7のリターンスプリング5の戻り力によって支持軸31を引っ張り下降させることができるようになった。したがってリターンスプリング5をメカボックス3内部に配置しなくても良くなり、部材点数減少によるコストダウンがはかれるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図9のA部拡大図であって、第1実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図2】図9のA部拡大図であって、第2実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図3】図9のA部拡大図であって、第3実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図4】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図5】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図6】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図7】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】その他の実施例を示す、メカボックスのA−A断面図である。
【図10】遠隔操作式排水栓装置の施工断面図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施例)本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体1の排水口2に弁体を設け、槽体1の上縁に構成された操作部8の操作により弁体を上下動させ、槽体1内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置である。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体1と、排水口2と、排水栓21と、弁蓋6と、操作部8と、メカボックス3と、レリースワイヤ7と、から構成される。
槽体1は箱体であって、底部に排水口2を開口して成る。また本従来例では浴室に設けられる浴槽を槽体1とする。
排水口2は、浴槽底部に開口された孔であって、当該排水口2より槽体1内の排水を行う。また、後記する排水栓21を備える。
排水栓21は、外周にネジを螺設し、かつ上端に外側方向へ飛び出すフランジを有した部材であり、前記弁蓋6の着座面を構成する。また、当該排水栓21は排水用配管部材である例えばエルボ部材や排水トラップなどを介して、最終的には下水道管へ接続される。
弁蓋6は、排水口2及び排水栓21を閉栓/開栓する部材であって、弁蓋6が排水栓21に着座すれば排水口2を閉栓し、弁蓋6が上昇すれば排水口2が開栓するようになっている。
操作部8は、浴槽の上縁部に構成される押しボタンであって、使用者が適宜押動操作を行うことにより前記弁蓋6が上昇/下降するように構成される。また、操作部には、後述するレリースワイヤ7のインナーワイヤ72の操作部8の操作による進行を退行させる為のリターンスプリング5を内蔵する。このリターンスプリング5は、常時伸張方向へ付勢しており、インナーワイヤ72を常時操作部8側へ引き戻すよう備えられる。
レリースワイヤ7は、操作部8から排水口2まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブ71と、アウターチューブ71内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤ72と、から構成される。尚、アウターチューブ71は操作部8から後記するメカボックス3下端まで接続され、インナーワイヤ72は操作部8の軸から後記するメカボックス3内の支持軸ケース3232下端の窪み34に当接して構成される。また、インナーワイヤ72の戻り専用のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部に内蔵している。
メカボックス3は、内部に支持軸31と、支持軸ケース3232と、ロック機構と、ショックアブソーバー4と、リターンスプリング5を内蔵している。また、当該メカボックス3は上下面に開口が設けられる円筒状の箱体である。また、メカボックス3の上面の開口は支持軸31が挿通し、下面の開口はレリースワイヤ7が挿通する。
支持軸31は、メカボックス3内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋6に接続される。このとき、メカボックス3の上面の開口から支持軸31は上下動可能に挿通するようになっている。その下端は外側方向へ向けて凸出する抜脱不可用のフランジが構成され、後記する支持軸ケース32にその下端が内蔵される。
支持軸ケース3232は、前記支持軸31をガイドするための円筒状ケース体であって、外周には後記ロック機構の回転カム35は構成される。また、後述のショックアブソーバー4を内蔵し、その下端はインナーワイヤ72先端が進行した際に当接する窪み34を構成する。
ロック機構は、支持軸31の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、本実施例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス3内周に切り溝及び回転カム35面、メカボックス3内面の上方に構成されたカム面とが構成される。当該スラストロック機構の作動に関しては、従来より公知のため省略する。
ショックアブソーバー4は、前記支持軸ケース32内に内蔵される常時伸張方向へ付勢するスプリングであって、インナーワイヤ72の上昇の応力では作用しないが、支持軸31に加えられる多大な応力(つまり、弁蓋6に加えられる過大な応力)には作用して圧縮する程度の付勢力を備える。また、ショックアブソーバー4の上端は支持軸31に当接する。
リターンスプリング5は、メカボックス3内に内蔵される支持軸31の戻り用スプリングである。常時伸張方向へ付勢する付勢力が備えられている。このリターンスプリング5の付勢力は、ショックアブソーバー4の付勢力より小さい。本実施例では、支持軸31外周に設置したうえで、支持軸ケース32上端とメカボックス3上面の間に内蔵している。このリターンスプリング5をメカボックス3内部に内蔵しているため、リターンスプリング5の力で支持軸31を下降することができ、インナーワイヤ72を支持軸31に接続せずに縁切りして配置することができる。また、メカボックス3のカム機構により支持軸31がロックされた際にはリターンスプリング5は圧縮され、ロックが解除された際には当リターンスプリング5の付勢力により圧縮が弾発されて支持軸31が下降することとなる。
【0018】
前記した遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
図1(a)のように弁蓋6が排水口2に着座している際に、使用者が操作部8を押動すると、操作部8の操作に併せてレリースワイヤ7のインナーワイヤ72がアウターチューブ71内を進行し、排水口2のメカボックス3内の支持軸ケース32の窪み34に当接する。すると支持軸ケース32と支持軸31はインナーワイヤ72の進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸31の上昇をロックする。このとき、ショックアブソーバー4のスプリングはこの動作に加わる応力程度では全く作用しないため、支持軸ケース32の上昇に合わせて支持軸31を上昇させる動きとなる。そうすると図1(b)に示すように支持軸31の上昇に併せて支持軸31上端に接続された弁蓋6が上昇することになり、排水口2が開栓する。またこのとき、メカボックス3内のリターンスプリング5は支持軸31が上昇した分圧縮されることとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、更に使用者が操作部8を押動すると、操作部8からレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が少し進行し、インナーワイヤ72が支持軸ケース32の窪み34に当接し支持軸ケース32と支持軸31が少し上昇、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されるとメカボックス3内の圧縮されていたリターンスプリング5が外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリング5の付勢力により、支持軸31と支持軸ケース32を下降させることができる。支持軸31が下降すると、図1(a)に示すように弁蓋6も併せて下降して排水栓21(排水口2)に着座する。こうして排水口2は弁蓋6により閉栓することとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋6の上下動が繰り返される。
【0019】
前記した本実施例の遠隔操作式排水栓装置は以下のような排水の流れである。
弁蓋6が下降して排水栓21に着座し、且つ排水口2を閉栓している時は、排水口2が閉栓されているので浴槽内に排水が貯水される。また、この状態から使用者が操作部8を操作すると排水口2の弁蓋6が上昇し、排水口2が開栓する。すると開栓した排水口2から浴槽内の排水は排水されて、浴槽下に配置されるエルボ部材や、洗い場に配置される排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
このようにして浴槽内の排水は下水へと排水される。
【0020】
上記の遠隔操作式排水栓装置のショックアブソーバー4は以下のように作用する。
開栓時、弁蓋6を踏むなどして弁蓋6に過大な応力が加わると、支持軸31に過大な応力が掛かりロック機構に応力が加わる前に、支持軸ケース32内に内蔵しているショックアブソーバー4に応力を伝達する。そうするとショックアブソーバー4が圧縮し、図1(c)に示すように支持軸31が下降して支持軸ケース32内に内包される。すると、支持軸31に接続された弁蓋6も支持軸31が下降した分下降し、弁蓋6に加わった応力・衝撃を吸収することができる。そうすると、ロック機構である回転カム35を備えた支持軸ケース32は下降せずに支持軸31のみ下降することができるので、ロック機構を破損することなくショックアブソーバー4によって衝撃を吸収することができる。
また、応力が無くなると、ショックアブソーバー4内部のスプリングの圧縮が開放されて上下方向に弾発し付勢する。するとショックアブソーバー4の付勢力により支持軸31が上昇し併せて弁蓋6も上昇でき、図1(b)に示すように簡単に開栓状態に復帰することができる。
【0021】
(第2実施例)本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体1の排水口2に弁体を設け、槽体1の上縁に構成された操作部8の操作により弁体を上下動させ、槽体1内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体1と、排水口2と、排水栓21と、弁蓋6と、操作部8と、メカボックス3と、レリースワイヤ7と、から構成される。
また、本実施例のうち槽体1、排水口2、排水栓21、弁蓋6、操作部8に関しては上記段落0017に記載の実施例と同一のため省略する。
レリースワイヤ7は、操作部8から排水口2まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブ71と、アウターチューブ71内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤ72と、から構成される。尚、アウターチューブ71は操作部8から後記するメカボックス3下端まで接続され、インナーワイヤ72は操作部8の軸から後記するメカボックス3内のガイド軸33に当接して構成される。
メカボックス3は、内部に支持軸31と、ガイド軸33と、支持軸ケース32と、ロック機構と、ショックアブソーバー4と、リターンスプリング5を内蔵している。また、当該メカボックス3は上下面に開口が設けられる円筒状の箱体である。メカボックス3の上面の開口は支持軸31が挿通され、下面の開口はレリースワイヤ7が挿通される。
支持軸31は、メカボックス3内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋6に接続される、内部が中空の円筒部材である。このとき、メカボックス3の上面の開口から支持軸31は上下動可能に挿通される。その下端は外側方向へ向けて凸出する抜脱不可用のフランジが構成され、後記する支持軸ケース32にその下端が内蔵される。
ガイド軸33は、後述する支持軸ケース32内に内蔵される内部が中空の円筒部材であって、上端の一部は支持軸31の内部にかかるよう配置される。また、ガイド軸33内部には、レリースワイヤ7端部が配置されるようになっており、インナーワイヤ72の先端が進行した際には、ガイド軸33の内部の上面に当接するよう配置されている。また、衝撃吸収時には、当該ガイド軸33は支持軸31内部に収容(内包)される。
支持軸ケース32は、前記支持軸31とガイド軸33をガイドするための円筒状ケース体であって、外周には後記ロック機構の回転カム35が構成される。また、レリースワイヤ7の挿通用開口を下面に開口構成する。
ロック機構は、支持軸31の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、本実施例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス3内周に切り溝及び回転カム面、メカボックス3内面の上方に構成された回転カム面とが構成される。当該スラストロック機構の作動に関しては、従来より公知のため省略する。
ショックアブソーバー4は、前記支持軸31に内蔵されて、ショックアブソーバー4の下側がガイド軸33上面に載置されて、実質上常時支持軸31内に収納配置されるスプリングである。また常時伸張方向へ付勢するスプリングであって、インナーワイヤ72の上昇の応力では作用しないが、支持軸31に加えられる多大な応力(つまり、弁蓋6に加えられる過大な応力)には作用して圧縮する程度の付勢力を備える。また、ショックアブソーバー4の上端は支持軸31に当接する。
リターンスプリング5は、メカボックス3内に内蔵される支持軸31の戻り用スプリングである。常時伸張方向へ付勢する付勢力が備えられている。このリターンスプリング5の付勢力は、ショックアブソーバー4の付勢力より小さい。本実施例では、支持軸31外周に設置したうえで、支持軸ケース32上端とメカボックス3上面の間に内蔵している。このリターンスプリング5をメカボックス3内部に内蔵しているため、リターンスプリング5の力で支持軸31を下降することができ、インナーワイヤ72を支持軸31に接続せずに縁切りして配置することができる。また、メカボックス3のカム機構により支持軸31がロックされた際にはリターンスプリング5は圧縮され、ロックが解除された際には当リターンスプリング5の付勢力により圧縮が弾発されて支持軸31が下降することとなる。
【0022】
前記した遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
図2(a)のように弁蓋6が排水口2に着座している際に、使用者が操作部8を押動すると、操作部8の操作に併せてレリースワイヤ7のインナーワイヤ72がアウターチューブ71内を進行し、ガイド軸33内部の天井部分に当接する。すると支持軸ケース32と支持軸31、ガイド軸33はインナーワイヤ72の進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸31の上昇をロックする。このとき、ショックアブソーバー4のスプリングはこの動作に加わる応力程度では全く作用しないため、ガイド軸33の上昇に合わせて支持軸31を上昇させる動きとなる。そうすると図2(b)に示すように支持軸31の上昇に併せて支持軸31上端に接続された弁蓋6が上昇することになり、排水口2が開栓する。またこのとき、メカボックス3内のリターンスプリング5は支持軸31が上昇した分圧縮されることとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端とガイド軸33の当接が解除される。
また、更に使用者が操作部8を押動すると、操作部8からレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が少し進行し、インナーワイヤ72がガイド軸33の内部天井に当接し支持軸ケース32、ガイド軸33、支持軸31が少し上昇、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されるとメカボックス3内の圧縮されていたリターンスプリング5が外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリング5の付勢力により、支持軸31、ガイド軸33、支持軸ケース32を下降させることができる。支持軸31が下降すると、図2(a)に示すように弁蓋6も併せて下降して排水栓21(排水口2)に着座する。こうして排水口2は弁蓋6により閉栓することとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋6の上下動が繰り返される。
また、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の排水の流れは段落0019と同一のため省略する。
【0023】
上記の遠隔操作式排水栓装置のショックアブソーバー4は以下のように作用する。
開栓時、弁蓋6を踏むなどして弁蓋6に過大な応力が加わると、支持軸31に過大な応力が掛かりロック機構に応力が加わる前に、支持軸31内に内蔵しているショックアブソーバー4に応力を伝達する。そうするとショックアブソーバー4がガイド軸33上面と支持軸31内部の天井間で圧縮し、図2(c)に示すように支持軸31が下降してガイド軸33をその内部に内包する。すると、支持軸31に接続された弁蓋6も支持軸31が下降した分下降し、弁蓋6に加わった応力・衝撃を吸収することができる。そうすると、ロック機構である回転カム35を備えた支持軸ケース32は下降せずに支持軸31のみ下降することができるので、ロック機構を破損することなくショックアブソーバー4によって衝撃を吸収することができる。
また、応力が無くなると、ショックアブソーバー4内部のスプリングの圧縮が開放されて上下方向に弾発し付勢する。するとショックアブソーバー4の付勢力により支持軸31が上昇し併せて弁蓋6も上昇でき、図2(b)に示すように簡単に開栓状態に復帰することができる。
【0024】
(第3実施例)本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体1の排水口2に弁体を設け、槽体1の上縁に構成された操作部8の操作により弁体を上下動させ、槽体1内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体1と、排水口2と、排水栓21と、弁蓋6と、操作部8と、メカボックス3と、レリースワイヤ7と、から構成される。
また、本実施例のうち槽体1、排水口2、排水栓21、弁蓋6、操作部8に関しては上記段落0017に記載の実施例と同一のため省略する。
レリースワイヤ7は、操作部8から排水口2まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブ71と、アウターチューブ71内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤ72と、から構成される。尚、アウターチューブ71は操作部8から後記するメカボックス3下端まで接続され、インナーワイヤ72は操作部8の軸から後記するメカボックス3内の支持軸ケース32下端の窪み34に当接して構成される。また、インナーワイヤ72の戻り専用のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部に内蔵している。
メカボックス3は、内部に支持軸31と、支持軸ケース32と、ロック機構と、ショックアブソーバー4と、リターンスプリング5を内蔵している。また、当該メカボックス3は上下面に開口が設けられる円筒状の箱体である。メカボックス3の上面の開口は支持軸31が挿通され、下面の開口はレリースワイヤ7が挿通される。
支持軸31は、メカボックス3内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋6に接続される、内部が中空の円筒部材である。このとき、メカボックス3の上面の開口から支持軸31は上下動可能に挿通される。その下端は外側方向へ向けて凸出する抜脱不可用のフランジが構成され、後記する支持軸ケース32にその下端が内蔵される。
支持軸ケース32は、前記支持軸31をガイドするための円筒状ケース体であって、外周には後記ロック機構の回転カム35が構成される。また、下面にはレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が進行した際に当接する窪み34を構成する。
ロック機構は、支持軸31の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、本実施例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス3内周に切り溝及び回転カム面、メカボックス3内面の上方に構成された回転カム面とが構成される。当該スラストロック機構の作動に関しては、従来より公知のため省略する。
ショックアブソーバー4は、前記支持軸31から支持軸ケース32内に内蔵されて、ショックアブソーバー4の下側が支持軸ケース32内部底面に載置されて、上端は支持軸31内部天井に押し当てるように、常時伸張方向へ付勢するスプリングである。またインナーワイヤ72の上昇の応力では作用しないが、支持軸31に加えられる多大な応力(つまり、弁蓋6に加えられる過大な応力)には作用して圧縮する程度の付勢力を備える。
リターンスプリング5は、メカボックス3内に内蔵される支持軸31の戻り用スプリングである。常時伸張方向へ付勢する付勢力が備えられている。このリターンスプリング5の付勢力は、ショックアブソーバー4の付勢力より小さい。本実施例では、支持軸31外周に設置したうえで、支持軸ケース32上端とメカボックス3上面の間に内蔵している。このリターンスプリング5をメカボックス3内部に内蔵しているため、リターンスプリング5の力で支持軸31を下降することができ、インナーワイヤ72を支持軸31に接続せずに縁切りして配置することができる。また、メカボックス3のカム機構により支持軸31がロックされた際にはリターンスプリング5は圧縮され、ロックが解除された際には当リターンスプリング5の付勢力により圧縮が弾発されて支持軸31が下降することとなる。
【0025】
前記した遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
図3(a)のように弁蓋6が排水口2に着座している際に、使用者が操作部8を押動すると、操作部8の操作に併せてレリースワイヤ7のインナーワイヤ72がアウターチューブ71内を進行し、支持軸ケース32の窪み34に当接する。すると支持軸ケース32と支持軸31はインナーワイヤ72の進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸31の上昇をロックする。このとき、ショックアブソーバー4のスプリングはこの動作に加わる応力程度では全く作用しないため、支持軸ケース32の上昇に合わせて支持軸31を上昇させる動きとなる。そうすると図3(b)に示すように支持軸31の上昇に併せて支持軸31上端に接続された弁蓋6が上昇することになり、排水口2が開栓する。またこのとき、メカボックス3内のリターンスプリング5は支持軸31が上昇した分圧縮されることとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の窪み34との当接が解除される。
また、更に使用者が操作部8を押動すると、操作部8からレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が少し進行し、インナーワイヤ72が支持軸ケース32の窪み34に当接し支持軸ケース32、支持軸31が少し上昇、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されるとメカボックス3内の圧縮されていたリターンスプリング5が外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリング5の付勢力により、支持軸31、支持軸ケース32を下降させることができる。支持軸31が下降すると、図3(a)に示すように弁蓋6も併せて下降して排水栓21(排水口2)に着座する。こうして排水口2は弁蓋6により閉栓することとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋6の上下動が繰り返される。
また、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の排水の流れは段落0019と同一のため省略する。
【0026】
上記の遠隔操作式排水栓装置のショックアブソーバー4は以下のように作用する。
開栓時、弁蓋6を踏むなどして弁蓋6に過大な応力が加わると、支持軸31に過大な応力が掛かりロック機構に応力が加わる前に、支持軸31と支持軸ケース32内に内蔵しているショックアブソーバー4に応力を伝達する。そうするとショックアブソーバー4が支持軸31内部の天井と支持軸ケース32内の下面間で圧縮し、図3(c)に示すように支持軸31が下降して支持軸ケース32内に内包する。すると、支持軸31に接続された弁蓋6も支持軸31が下降した分下降し、弁蓋6に加わった応力・衝撃を吸収することができる。そうすると、ロック機構である回転カム35歯を備えた支持軸ケース32は下降せずに支持軸31のみ下降することができるので、ロック機構を破損することなくショックアブソーバー4によって衝撃を吸収することができる。
また、応力が無くなると、ショックアブソーバー4内部のスプリングの圧縮が開放されて上下方向に弾発し付勢する。するとショックアブソーバー4の付勢力により支持軸31が上昇し併せて弁蓋6も上昇でき、図3(b)に示すように簡単に開栓状態に復帰することができる。
【0027】
また、本発明の遠隔操作式排水栓装置の実施例は上記のようであるが、当該実施例に限定されるものではなく、適宜請求項に記載の範囲内において変更は可能である。
例えば、第2実施例においてはショックアブソーバー4の配置を支持軸31とガイド軸33間に配置しているが、図4(a)乃至図4(c)に示したように支持軸31下端と支持軸ケース32内底面間に配置してもかまわない。
また、上記実施例ではインナーワイヤ72先端と支持軸31、支持軸ケース32、ガイド軸33下端を切り離して構成しているが、図5(a)乃至図5(c)に示すようにインナーワイヤ72先端と支持軸31、支持軸ケース32、ガイド軸33下端のいずれかを直接的に連結接続してもかまわない。このように構成すれば、レリースワイヤ7のリターンスプリング5だけ配置すれば良く、メカボックス3内部に支持軸31のリターンスプリング5を構成しなくても良くなる。
また、上記実施例では、リターンスプリング5をメカボックス3内に配置しているが、図6(a)乃至図6(c)に示すように、支持軸ケース32下端にスプリング軸を複数もしくは単数構成し、さらにスプリング軸をメカボックス3下面から上下動自在に挿通するように配置し、当該スプリング軸にリターンスプリング5を配置してもかまわない。このようにすれば、リターンスプリング5分の高さ幅をメカボックス3内に配置せずにすむため、より排水口2の高さを低くすることができ、低床化をはかることができる。
また、上記実施例では、リターンスプリング5をメカボックス3内に配置しているが、図7(a)乃至図7(c)及び図8に示すように、支持軸ケース32の底部を、ギアの形状に合わせて一部凸出して構成し、そこの箇所にリターンスプリング5を配置してもかまわない。このようにすれば、リターンスプリング5分の高さ幅を低くできる。従ってより排水口2の高さを低くすることができ、低床化をはかることができる。
また、図示しないがリターンスプリング5を、下方に向かってすぼまるテーパースプリングと呼ばれるもので構成しても良い。このようにテーパースプリングを備えれば、通常の円筒状のスプリングと同等の付勢力を有しながらも、高さ幅を低くすることができるので、排水口2の高さをより低くすることができる。
また、図9はその他の実施例のメカボックス3の断面図であるが、メカボックス内のギア構造外周にリターンスプリング5を収納する空間を構成することも可能である。当該構成にすれば、リターンスプリング5分の高さをわざわざ別に構成しなくても良いことから、排水口2の高さ幅を低くすることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 槽体
2 排水口
21 排水栓
3 メカボックス
31 支持軸
32 支持軸ケース32
33 ガイド軸
34 窪み34
35 回転カム
4 ショックアブソーバー4
5 リターンスプリング5
6 弁蓋6
7 レリースワイヤ7
8 操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽や洗面台等の排水口の弁体を遠隔的に開閉する遠隔操作式排水栓装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来から、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体の排水口に弁体を設け、図11に示したように槽体の上縁に構成された操作部の操作により弁体を上下動させ、槽体内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体と、排水口と、排水栓と、弁蓋と、操作部と、メカボックスと、レリースワイヤと、から構成される。
槽体は箱体であって、底部に排水口を開口して成る。また本従来例では浴室に設けられる浴槽を槽体とする。
排水口は、浴槽底部に開口された孔であって、当該排水口より槽体内の排水を行う。また、後記する排水栓を備える。
排水栓は、外周にネジを螺設し、かつ上端に外側方向へ飛び出すフランジを有した部材であり、前記弁蓋の着座面を構成する。また、当該排水栓は排水用配管部材である例えばエルボ部材や排水トラップなどを介して、最終的には下水道管へ接続される。
弁蓋は、排水口及び排水栓を閉栓/開栓する部材であって、弁蓋が排水栓に着座すれば排水口を閉栓し、弁蓋が上昇すれば排水口が開栓するようになっている。
操作部は、浴槽の上縁部に構成される押しボタンであって、使用者が適宜押動操作を行うことにより前記弁蓋が上昇/下降するように構成される。また、操作部には、後述するレリースワイヤのインナーワイヤの操作部の操作による進行を退行させる為のリターンスプリングを内蔵する。このリターンスプリングは、常時伸張方向へ付勢しており、インナーワイヤを常時操作部側へ引き戻すよう備えられる。
レリースワイヤは、操作部から排水口まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブと、アウターチューブ内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤと、から構成される。尚、アウターチューブは操作部から後記するメカボックス下端まで接続され、インナーワイヤは操作部の軸から後記するメカボックスの支持軸まで連結接続されて構成される。
メカボックスは、円筒状の箱体であって、内部に弁蓋に接続される支持軸を内蔵している。メカボックス内部は支持軸の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、当従来例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス内周に切り溝及び回転カム面、メカボックス内面の上方に構成された回転カム面とが構成される。また、メカボックスは、排水栓に取り付けられる固定部材により排水口中心部に配置固定される。
支持軸は、メカボックス内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋に接続され、下端はレリースワイヤのインナーワイヤ先端が接続される。
【0003】
前記した従来の遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
弁蓋が排水口に着座している際に、使用者が操作部を押動すると、操作部の操作に併せてレリースワイヤのインナーワイヤがアウターチューブ内を進行し、排水口のメカボックス支持軸に作用する。すると支持軸はインナーワイヤの進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸の上昇をロックする。そうすると支持軸の上昇に併せて支持軸上端に接続された弁蓋が上昇することになり、排水口が開栓する。またこのとき、操作部のリターンスプリングはインナーワイヤが進行した分圧縮されることとなる。
また、更に使用者が操作部を押動すると、操作部からレリースワイヤのインナーワイヤが少し進行し、インナーワイヤが連結している支持軸が少し上昇し、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されると操作部の圧縮されていたリターンスプリングが外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリングの付勢力によりインナーワイヤが操作部側へ進行していた分後退することとなる。インナーワイヤが後退すると、インナーワイヤ先端に接続された支持軸も下降し、更に支持軸に接続された弁蓋も併せて下降して排水栓(排水口)に着座する。こうして排水口は弁蓋により閉栓することとなる。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋の上下動が繰り返される。
【0004】
前記した従来の遠隔操作式排水栓装置は以下のような排水の流れである。
弁蓋が下降して排水栓に着座し、且つ排水口を閉栓している時は、排水口が閉栓されているので浴槽内に排水が貯水される。また、この状態から使用者が操作部を操作すると排水口の弁蓋が上昇し、排水口が開栓する。すると開栓した排水口から浴槽内の排水は排水されて、浴槽下に配置されるエルボ部材や、洗い場に配置される排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
このようにして浴槽内の排水は下水へと排水される。
【0005】
しかし、従来の遠隔操作式排水栓装置には以下のような問題点があった。
当該遠隔操作式排水栓装置は浴槽や洗面ボウル内の底部にある排水口に弁蓋が構成されるため、当然使用者が踏むことがあったり、例えば清掃時にバケツ等を置くこともある。弁蓋が上昇時に使用者が踏んだり、さらには弁蓋が閉口していたとしても、使用者やバケツなどで弁蓋を踏んだ状態で、操作部の押動操作を行ってしまうことにより、支持軸に過大な応力が加わることがあった。
また、このような過大な応力が発生した際、排水口内部に支持軸のロック機構であるメカボックスを配置していることから、支持軸の応力がメカボックスのロック機構に直接的に加わり、ロック機構自体を応力により破壊してしまっていた。このように、排水口内部にメカボックスが備えられるタイプの従来の遠隔操作式排水栓装置においては、支持軸に対する過大な応力が加えられた際の対策が何らとられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−116213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排水口内部にメカボックスを備える遠隔操作式排水栓装置において、メカボックス内部の支持軸のロック機構の故障や破損を防ぎ、故障のない遠隔操作式排水栓装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、槽体1の底面に開口された排水口2と、排水口2に設置されて、自身の上下動によって排水口2の開口/閉口を行う弁蓋6と、排水口2内に支持されて配置され、弁蓋6の上下動の動作を支持するロック機構が内蔵されているメカボックス3と、から構成される遠隔操作式排水栓装置において、前記メカボックス3内部に上下動自在に配置され、且つ弁蓋6がその上部に着脱可能に取り付けられる支持軸31と、前記メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
【0009】
請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、当該支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記段落0008に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0010】
請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記段落0008に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0011】
請求項4に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31及び支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記段落0008に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0012】
請求項5に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31を円筒状に形成し、当該支持軸31の内周に適宜収納されるガイド軸33を構成したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0011のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0013】
請求項6に記載の遠隔操作式排水栓槽は、前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、前記支持軸31を常時下方へと付勢するリターンスプリング5を前記メカボックス3内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32を切り離して接続したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0012のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0014】
請求項7に記載の遠隔操作式排水栓装置は、前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、前記インナーワイヤ72を操作部8側へと後退させる為のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部もしくは操作部8内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32のいずれか一つとを連結して接続したことを特徴とする前記段落0008乃至段落0011のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至請求項5に記載の本発明は、メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵したことから、弁蓋6に過大な応力が加わってもショックアブソーバー4で衝撃を吸収することができるので、メカボックス3内部を破損したり故障したりすることがなくなった。
請求項6に記載の本発明は、支持軸31を常時下方へと付勢するリターンスプリング5を前記メカボックス3内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32を切り離して接続したことにより、支持軸31に加わる衝撃が直接的にレリースワイヤ7に作用することがなく、インナーワイヤ72の座屈を防止することができるようになった。
請求項7に記載の本発明は、インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース3232のいずれか一つとを連結して接続したことにより、レリースワイヤ7のリターンスプリング5の戻り力によって支持軸31を引っ張り下降させることができるようになった。したがってリターンスプリング5をメカボックス3内部に配置しなくても良くなり、部材点数減少によるコストダウンがはかれるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図9のA部拡大図であって、第1実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図2】図9のA部拡大図であって、第2実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図3】図9のA部拡大図であって、第3実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図4】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図5】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図6】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図7】図9のA部拡大図であって、その他の実施例を示す断面図である。(a)弁蓋が閉栓時(b)弁蓋が開栓時(c)衝撃緩衝時
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】その他の実施例を示す、メカボックスのA−A断面図である。
【図10】遠隔操作式排水栓装置の施工断面図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施例)本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体1の排水口2に弁体を設け、槽体1の上縁に構成された操作部8の操作により弁体を上下動させ、槽体1内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置である。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体1と、排水口2と、排水栓21と、弁蓋6と、操作部8と、メカボックス3と、レリースワイヤ7と、から構成される。
槽体1は箱体であって、底部に排水口2を開口して成る。また本従来例では浴室に設けられる浴槽を槽体1とする。
排水口2は、浴槽底部に開口された孔であって、当該排水口2より槽体1内の排水を行う。また、後記する排水栓21を備える。
排水栓21は、外周にネジを螺設し、かつ上端に外側方向へ飛び出すフランジを有した部材であり、前記弁蓋6の着座面を構成する。また、当該排水栓21は排水用配管部材である例えばエルボ部材や排水トラップなどを介して、最終的には下水道管へ接続される。
弁蓋6は、排水口2及び排水栓21を閉栓/開栓する部材であって、弁蓋6が排水栓21に着座すれば排水口2を閉栓し、弁蓋6が上昇すれば排水口2が開栓するようになっている。
操作部8は、浴槽の上縁部に構成される押しボタンであって、使用者が適宜押動操作を行うことにより前記弁蓋6が上昇/下降するように構成される。また、操作部には、後述するレリースワイヤ7のインナーワイヤ72の操作部8の操作による進行を退行させる為のリターンスプリング5を内蔵する。このリターンスプリング5は、常時伸張方向へ付勢しており、インナーワイヤ72を常時操作部8側へ引き戻すよう備えられる。
レリースワイヤ7は、操作部8から排水口2まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブ71と、アウターチューブ71内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤ72と、から構成される。尚、アウターチューブ71は操作部8から後記するメカボックス3下端まで接続され、インナーワイヤ72は操作部8の軸から後記するメカボックス3内の支持軸ケース3232下端の窪み34に当接して構成される。また、インナーワイヤ72の戻り専用のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部に内蔵している。
メカボックス3は、内部に支持軸31と、支持軸ケース3232と、ロック機構と、ショックアブソーバー4と、リターンスプリング5を内蔵している。また、当該メカボックス3は上下面に開口が設けられる円筒状の箱体である。また、メカボックス3の上面の開口は支持軸31が挿通し、下面の開口はレリースワイヤ7が挿通する。
支持軸31は、メカボックス3内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋6に接続される。このとき、メカボックス3の上面の開口から支持軸31は上下動可能に挿通するようになっている。その下端は外側方向へ向けて凸出する抜脱不可用のフランジが構成され、後記する支持軸ケース32にその下端が内蔵される。
支持軸ケース3232は、前記支持軸31をガイドするための円筒状ケース体であって、外周には後記ロック機構の回転カム35は構成される。また、後述のショックアブソーバー4を内蔵し、その下端はインナーワイヤ72先端が進行した際に当接する窪み34を構成する。
ロック機構は、支持軸31の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、本実施例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス3内周に切り溝及び回転カム35面、メカボックス3内面の上方に構成されたカム面とが構成される。当該スラストロック機構の作動に関しては、従来より公知のため省略する。
ショックアブソーバー4は、前記支持軸ケース32内に内蔵される常時伸張方向へ付勢するスプリングであって、インナーワイヤ72の上昇の応力では作用しないが、支持軸31に加えられる多大な応力(つまり、弁蓋6に加えられる過大な応力)には作用して圧縮する程度の付勢力を備える。また、ショックアブソーバー4の上端は支持軸31に当接する。
リターンスプリング5は、メカボックス3内に内蔵される支持軸31の戻り用スプリングである。常時伸張方向へ付勢する付勢力が備えられている。このリターンスプリング5の付勢力は、ショックアブソーバー4の付勢力より小さい。本実施例では、支持軸31外周に設置したうえで、支持軸ケース32上端とメカボックス3上面の間に内蔵している。このリターンスプリング5をメカボックス3内部に内蔵しているため、リターンスプリング5の力で支持軸31を下降することができ、インナーワイヤ72を支持軸31に接続せずに縁切りして配置することができる。また、メカボックス3のカム機構により支持軸31がロックされた際にはリターンスプリング5は圧縮され、ロックが解除された際には当リターンスプリング5の付勢力により圧縮が弾発されて支持軸31が下降することとなる。
【0018】
前記した遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
図1(a)のように弁蓋6が排水口2に着座している際に、使用者が操作部8を押動すると、操作部8の操作に併せてレリースワイヤ7のインナーワイヤ72がアウターチューブ71内を進行し、排水口2のメカボックス3内の支持軸ケース32の窪み34に当接する。すると支持軸ケース32と支持軸31はインナーワイヤ72の進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸31の上昇をロックする。このとき、ショックアブソーバー4のスプリングはこの動作に加わる応力程度では全く作用しないため、支持軸ケース32の上昇に合わせて支持軸31を上昇させる動きとなる。そうすると図1(b)に示すように支持軸31の上昇に併せて支持軸31上端に接続された弁蓋6が上昇することになり、排水口2が開栓する。またこのとき、メカボックス3内のリターンスプリング5は支持軸31が上昇した分圧縮されることとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、更に使用者が操作部8を押動すると、操作部8からレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が少し進行し、インナーワイヤ72が支持軸ケース32の窪み34に当接し支持軸ケース32と支持軸31が少し上昇、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されるとメカボックス3内の圧縮されていたリターンスプリング5が外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリング5の付勢力により、支持軸31と支持軸ケース32を下降させることができる。支持軸31が下降すると、図1(a)に示すように弁蓋6も併せて下降して排水栓21(排水口2)に着座する。こうして排水口2は弁蓋6により閉栓することとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋6の上下動が繰り返される。
【0019】
前記した本実施例の遠隔操作式排水栓装置は以下のような排水の流れである。
弁蓋6が下降して排水栓21に着座し、且つ排水口2を閉栓している時は、排水口2が閉栓されているので浴槽内に排水が貯水される。また、この状態から使用者が操作部8を操作すると排水口2の弁蓋6が上昇し、排水口2が開栓する。すると開栓した排水口2から浴槽内の排水は排水されて、浴槽下に配置されるエルボ部材や、洗い場に配置される排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
このようにして浴槽内の排水は下水へと排水される。
【0020】
上記の遠隔操作式排水栓装置のショックアブソーバー4は以下のように作用する。
開栓時、弁蓋6を踏むなどして弁蓋6に過大な応力が加わると、支持軸31に過大な応力が掛かりロック機構に応力が加わる前に、支持軸ケース32内に内蔵しているショックアブソーバー4に応力を伝達する。そうするとショックアブソーバー4が圧縮し、図1(c)に示すように支持軸31が下降して支持軸ケース32内に内包される。すると、支持軸31に接続された弁蓋6も支持軸31が下降した分下降し、弁蓋6に加わった応力・衝撃を吸収することができる。そうすると、ロック機構である回転カム35を備えた支持軸ケース32は下降せずに支持軸31のみ下降することができるので、ロック機構を破損することなくショックアブソーバー4によって衝撃を吸収することができる。
また、応力が無くなると、ショックアブソーバー4内部のスプリングの圧縮が開放されて上下方向に弾発し付勢する。するとショックアブソーバー4の付勢力により支持軸31が上昇し併せて弁蓋6も上昇でき、図1(b)に示すように簡単に開栓状態に復帰することができる。
【0021】
(第2実施例)本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体1の排水口2に弁体を設け、槽体1の上縁に構成された操作部8の操作により弁体を上下動させ、槽体1内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体1と、排水口2と、排水栓21と、弁蓋6と、操作部8と、メカボックス3と、レリースワイヤ7と、から構成される。
また、本実施例のうち槽体1、排水口2、排水栓21、弁蓋6、操作部8に関しては上記段落0017に記載の実施例と同一のため省略する。
レリースワイヤ7は、操作部8から排水口2まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブ71と、アウターチューブ71内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤ72と、から構成される。尚、アウターチューブ71は操作部8から後記するメカボックス3下端まで接続され、インナーワイヤ72は操作部8の軸から後記するメカボックス3内のガイド軸33に当接して構成される。
メカボックス3は、内部に支持軸31と、ガイド軸33と、支持軸ケース32と、ロック機構と、ショックアブソーバー4と、リターンスプリング5を内蔵している。また、当該メカボックス3は上下面に開口が設けられる円筒状の箱体である。メカボックス3の上面の開口は支持軸31が挿通され、下面の開口はレリースワイヤ7が挿通される。
支持軸31は、メカボックス3内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋6に接続される、内部が中空の円筒部材である。このとき、メカボックス3の上面の開口から支持軸31は上下動可能に挿通される。その下端は外側方向へ向けて凸出する抜脱不可用のフランジが構成され、後記する支持軸ケース32にその下端が内蔵される。
ガイド軸33は、後述する支持軸ケース32内に内蔵される内部が中空の円筒部材であって、上端の一部は支持軸31の内部にかかるよう配置される。また、ガイド軸33内部には、レリースワイヤ7端部が配置されるようになっており、インナーワイヤ72の先端が進行した際には、ガイド軸33の内部の上面に当接するよう配置されている。また、衝撃吸収時には、当該ガイド軸33は支持軸31内部に収容(内包)される。
支持軸ケース32は、前記支持軸31とガイド軸33をガイドするための円筒状ケース体であって、外周には後記ロック機構の回転カム35が構成される。また、レリースワイヤ7の挿通用開口を下面に開口構成する。
ロック機構は、支持軸31の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、本実施例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス3内周に切り溝及び回転カム面、メカボックス3内面の上方に構成された回転カム面とが構成される。当該スラストロック機構の作動に関しては、従来より公知のため省略する。
ショックアブソーバー4は、前記支持軸31に内蔵されて、ショックアブソーバー4の下側がガイド軸33上面に載置されて、実質上常時支持軸31内に収納配置されるスプリングである。また常時伸張方向へ付勢するスプリングであって、インナーワイヤ72の上昇の応力では作用しないが、支持軸31に加えられる多大な応力(つまり、弁蓋6に加えられる過大な応力)には作用して圧縮する程度の付勢力を備える。また、ショックアブソーバー4の上端は支持軸31に当接する。
リターンスプリング5は、メカボックス3内に内蔵される支持軸31の戻り用スプリングである。常時伸張方向へ付勢する付勢力が備えられている。このリターンスプリング5の付勢力は、ショックアブソーバー4の付勢力より小さい。本実施例では、支持軸31外周に設置したうえで、支持軸ケース32上端とメカボックス3上面の間に内蔵している。このリターンスプリング5をメカボックス3内部に内蔵しているため、リターンスプリング5の力で支持軸31を下降することができ、インナーワイヤ72を支持軸31に接続せずに縁切りして配置することができる。また、メカボックス3のカム機構により支持軸31がロックされた際にはリターンスプリング5は圧縮され、ロックが解除された際には当リターンスプリング5の付勢力により圧縮が弾発されて支持軸31が下降することとなる。
【0022】
前記した遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
図2(a)のように弁蓋6が排水口2に着座している際に、使用者が操作部8を押動すると、操作部8の操作に併せてレリースワイヤ7のインナーワイヤ72がアウターチューブ71内を進行し、ガイド軸33内部の天井部分に当接する。すると支持軸ケース32と支持軸31、ガイド軸33はインナーワイヤ72の進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸31の上昇をロックする。このとき、ショックアブソーバー4のスプリングはこの動作に加わる応力程度では全く作用しないため、ガイド軸33の上昇に合わせて支持軸31を上昇させる動きとなる。そうすると図2(b)に示すように支持軸31の上昇に併せて支持軸31上端に接続された弁蓋6が上昇することになり、排水口2が開栓する。またこのとき、メカボックス3内のリターンスプリング5は支持軸31が上昇した分圧縮されることとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端とガイド軸33の当接が解除される。
また、更に使用者が操作部8を押動すると、操作部8からレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が少し進行し、インナーワイヤ72がガイド軸33の内部天井に当接し支持軸ケース32、ガイド軸33、支持軸31が少し上昇、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されるとメカボックス3内の圧縮されていたリターンスプリング5が外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリング5の付勢力により、支持軸31、ガイド軸33、支持軸ケース32を下降させることができる。支持軸31が下降すると、図2(a)に示すように弁蓋6も併せて下降して排水栓21(排水口2)に着座する。こうして排水口2は弁蓋6により閉栓することとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋6の上下動が繰り返される。
また、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の排水の流れは段落0019と同一のため省略する。
【0023】
上記の遠隔操作式排水栓装置のショックアブソーバー4は以下のように作用する。
開栓時、弁蓋6を踏むなどして弁蓋6に過大な応力が加わると、支持軸31に過大な応力が掛かりロック機構に応力が加わる前に、支持軸31内に内蔵しているショックアブソーバー4に応力を伝達する。そうするとショックアブソーバー4がガイド軸33上面と支持軸31内部の天井間で圧縮し、図2(c)に示すように支持軸31が下降してガイド軸33をその内部に内包する。すると、支持軸31に接続された弁蓋6も支持軸31が下降した分下降し、弁蓋6に加わった応力・衝撃を吸収することができる。そうすると、ロック機構である回転カム35を備えた支持軸ケース32は下降せずに支持軸31のみ下降することができるので、ロック機構を破損することなくショックアブソーバー4によって衝撃を吸収することができる。
また、応力が無くなると、ショックアブソーバー4内部のスプリングの圧縮が開放されて上下方向に弾発し付勢する。するとショックアブソーバー4の付勢力により支持軸31が上昇し併せて弁蓋6も上昇でき、図2(b)に示すように簡単に開栓状態に復帰することができる。
【0024】
(第3実施例)本実施例の遠隔操作式排水栓装置は、図10に示したような浴槽や洗面台などの槽体1の排水口2に弁体を設け、槽体1の上縁に構成された操作部8の操作により弁体を上下動させ、槽体1内の排水を排水/止水する遠隔操作式排水栓装置がよく知られている。
この遠隔操作式排水栓装置は以下のようである。
浴槽としての槽体1と、排水口2と、排水栓21と、弁蓋6と、操作部8と、メカボックス3と、レリースワイヤ7と、から構成される。
また、本実施例のうち槽体1、排水口2、排水栓21、弁蓋6、操作部8に関しては上記段落0017に記載の実施例と同一のため省略する。
レリースワイヤ7は、操作部8から排水口2まで接続される部材であって、内部が中空の可撓管のアウターチューブ71と、アウターチューブ71内を進退自在に配置される金属コイル線のインナーワイヤ72と、から構成される。尚、アウターチューブ71は操作部8から後記するメカボックス3下端まで接続され、インナーワイヤ72は操作部8の軸から後記するメカボックス3内の支持軸ケース32下端の窪み34に当接して構成される。また、インナーワイヤ72の戻り専用のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部に内蔵している。
メカボックス3は、内部に支持軸31と、支持軸ケース32と、ロック機構と、ショックアブソーバー4と、リターンスプリング5を内蔵している。また、当該メカボックス3は上下面に開口が設けられる円筒状の箱体である。メカボックス3の上面の開口は支持軸31が挿通され、下面の開口はレリースワイヤ7が挿通される。
支持軸31は、メカボックス3内に上下動自在に配置され、上端は弁蓋6に接続される、内部が中空の円筒部材である。このとき、メカボックス3の上面の開口から支持軸31は上下動可能に挿通される。その下端は外側方向へ向けて凸出する抜脱不可用のフランジが構成され、後記する支持軸ケース32にその下端が内蔵される。
支持軸ケース32は、前記支持軸31をガイドするための円筒状ケース体であって、外周には後記ロック機構の回転カム35が構成される。また、下面にはレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が進行した際に当接する窪み34を構成する。
ロック機構は、支持軸31の上昇/下降をロックするロック機構を内蔵しており、本実施例ではボールペン芯のノック構造で採用されるスラストロック機構が内蔵される。当該スラストロック機構は、メカボックス3内周に切り溝及び回転カム面、メカボックス3内面の上方に構成された回転カム面とが構成される。当該スラストロック機構の作動に関しては、従来より公知のため省略する。
ショックアブソーバー4は、前記支持軸31から支持軸ケース32内に内蔵されて、ショックアブソーバー4の下側が支持軸ケース32内部底面に載置されて、上端は支持軸31内部天井に押し当てるように、常時伸張方向へ付勢するスプリングである。またインナーワイヤ72の上昇の応力では作用しないが、支持軸31に加えられる多大な応力(つまり、弁蓋6に加えられる過大な応力)には作用して圧縮する程度の付勢力を備える。
リターンスプリング5は、メカボックス3内に内蔵される支持軸31の戻り用スプリングである。常時伸張方向へ付勢する付勢力が備えられている。このリターンスプリング5の付勢力は、ショックアブソーバー4の付勢力より小さい。本実施例では、支持軸31外周に設置したうえで、支持軸ケース32上端とメカボックス3上面の間に内蔵している。このリターンスプリング5をメカボックス3内部に内蔵しているため、リターンスプリング5の力で支持軸31を下降することができ、インナーワイヤ72を支持軸31に接続せずに縁切りして配置することができる。また、メカボックス3のカム機構により支持軸31がロックされた際にはリターンスプリング5は圧縮され、ロックが解除された際には当リターンスプリング5の付勢力により圧縮が弾発されて支持軸31が下降することとなる。
【0025】
前記した遠隔操作式排水栓装置は以下のように作動する。
図3(a)のように弁蓋6が排水口2に着座している際に、使用者が操作部8を押動すると、操作部8の操作に併せてレリースワイヤ7のインナーワイヤ72がアウターチューブ71内を進行し、支持軸ケース32の窪み34に当接する。すると支持軸ケース32と支持軸31はインナーワイヤ72の進行に併せて上昇し、スラストロック機構が支持軸31の上昇をロックする。このとき、ショックアブソーバー4のスプリングはこの動作に加わる応力程度では全く作用しないため、支持軸ケース32の上昇に合わせて支持軸31を上昇させる動きとなる。そうすると図3(b)に示すように支持軸31の上昇に併せて支持軸31上端に接続された弁蓋6が上昇することになり、排水口2が開栓する。またこのとき、メカボックス3内のリターンスプリング5は支持軸31が上昇した分圧縮されることとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の窪み34との当接が解除される。
また、更に使用者が操作部8を押動すると、操作部8からレリースワイヤ7のインナーワイヤ72が少し進行し、インナーワイヤ72が支持軸ケース32の窪み34に当接し支持軸ケース32、支持軸31が少し上昇、スラストロック機構のロックを解除する。ロックが解除されるとメカボックス3内の圧縮されていたリターンスプリング5が外側方向へ弾発して付勢し、リターンスプリング5の付勢力により、支持軸31、支持軸ケース32を下降させることができる。支持軸31が下降すると、図3(a)に示すように弁蓋6も併せて下降して排水栓21(排水口2)に着座する。こうして排水口2は弁蓋6により閉栓することとなる。使用者が操作部8の押動をやめると、レリースワイヤ7のリターンスプリング5が作用し、インナーワイヤ72が後退してインナーワイヤ72先端と支持軸ケース32の当接が解除される。
また、当該操作の繰り返しにより弁蓋6の上下動が繰り返される。
また、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の排水の流れは段落0019と同一のため省略する。
【0026】
上記の遠隔操作式排水栓装置のショックアブソーバー4は以下のように作用する。
開栓時、弁蓋6を踏むなどして弁蓋6に過大な応力が加わると、支持軸31に過大な応力が掛かりロック機構に応力が加わる前に、支持軸31と支持軸ケース32内に内蔵しているショックアブソーバー4に応力を伝達する。そうするとショックアブソーバー4が支持軸31内部の天井と支持軸ケース32内の下面間で圧縮し、図3(c)に示すように支持軸31が下降して支持軸ケース32内に内包する。すると、支持軸31に接続された弁蓋6も支持軸31が下降した分下降し、弁蓋6に加わった応力・衝撃を吸収することができる。そうすると、ロック機構である回転カム35歯を備えた支持軸ケース32は下降せずに支持軸31のみ下降することができるので、ロック機構を破損することなくショックアブソーバー4によって衝撃を吸収することができる。
また、応力が無くなると、ショックアブソーバー4内部のスプリングの圧縮が開放されて上下方向に弾発し付勢する。するとショックアブソーバー4の付勢力により支持軸31が上昇し併せて弁蓋6も上昇でき、図3(b)に示すように簡単に開栓状態に復帰することができる。
【0027】
また、本発明の遠隔操作式排水栓装置の実施例は上記のようであるが、当該実施例に限定されるものではなく、適宜請求項に記載の範囲内において変更は可能である。
例えば、第2実施例においてはショックアブソーバー4の配置を支持軸31とガイド軸33間に配置しているが、図4(a)乃至図4(c)に示したように支持軸31下端と支持軸ケース32内底面間に配置してもかまわない。
また、上記実施例ではインナーワイヤ72先端と支持軸31、支持軸ケース32、ガイド軸33下端を切り離して構成しているが、図5(a)乃至図5(c)に示すようにインナーワイヤ72先端と支持軸31、支持軸ケース32、ガイド軸33下端のいずれかを直接的に連結接続してもかまわない。このように構成すれば、レリースワイヤ7のリターンスプリング5だけ配置すれば良く、メカボックス3内部に支持軸31のリターンスプリング5を構成しなくても良くなる。
また、上記実施例では、リターンスプリング5をメカボックス3内に配置しているが、図6(a)乃至図6(c)に示すように、支持軸ケース32下端にスプリング軸を複数もしくは単数構成し、さらにスプリング軸をメカボックス3下面から上下動自在に挿通するように配置し、当該スプリング軸にリターンスプリング5を配置してもかまわない。このようにすれば、リターンスプリング5分の高さ幅をメカボックス3内に配置せずにすむため、より排水口2の高さを低くすることができ、低床化をはかることができる。
また、上記実施例では、リターンスプリング5をメカボックス3内に配置しているが、図7(a)乃至図7(c)及び図8に示すように、支持軸ケース32の底部を、ギアの形状に合わせて一部凸出して構成し、そこの箇所にリターンスプリング5を配置してもかまわない。このようにすれば、リターンスプリング5分の高さ幅を低くできる。従ってより排水口2の高さを低くすることができ、低床化をはかることができる。
また、図示しないがリターンスプリング5を、下方に向かってすぼまるテーパースプリングと呼ばれるもので構成しても良い。このようにテーパースプリングを備えれば、通常の円筒状のスプリングと同等の付勢力を有しながらも、高さ幅を低くすることができるので、排水口2の高さをより低くすることができる。
また、図9はその他の実施例のメカボックス3の断面図であるが、メカボックス内のギア構造外周にリターンスプリング5を収納する空間を構成することも可能である。当該構成にすれば、リターンスプリング5分の高さをわざわざ別に構成しなくても良いことから、排水口2の高さ幅を低くすることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 槽体
2 排水口
21 排水栓
3 メカボックス
31 支持軸
32 支持軸ケース32
33 ガイド軸
34 窪み34
35 回転カム
4 ショックアブソーバー4
5 リターンスプリング5
6 弁蓋6
7 レリースワイヤ7
8 操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体1の底面に開口された排水口2と、
排水口2に設置されて、自身の上下動によって排水口2の開口/閉口を行う弁蓋6と、
排水口2内に支持されて配置され、弁蓋6の上下動の動作を支持するロック機構が内蔵されているメカボックス3と、
から構成される遠隔操作式排水栓装置において、
前記メカボックス3内部に上下動自在に配置され、且つ弁蓋6がその上部に着脱可能に取り付けられる支持軸31と、
前記メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。
【請求項2】
前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、当該支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項3】
前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項4】
前記前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31及び支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項5】
前記支持軸31を円筒状に形成し、当該支持軸31の内周に適宜収納されるガイド軸33を構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項6】
前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、
該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、
前記支持軸31を常時下方へと付勢するリターンスプリング5を前記メカボックス3内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32を切り離して接続したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項7】
前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、
該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、
前記インナーワイヤ72を操作部8側へと後退させる為のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部もしくは操作部8内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32のいずれか一つとを連結して接続したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項1】
槽体1の底面に開口された排水口2と、
排水口2に設置されて、自身の上下動によって排水口2の開口/閉口を行う弁蓋6と、
排水口2内に支持されて配置され、弁蓋6の上下動の動作を支持するロック機構が内蔵されているメカボックス3と、
から構成される遠隔操作式排水栓装置において、
前記メカボックス3内部に上下動自在に配置され、且つ弁蓋6がその上部に着脱可能に取り付けられる支持軸31と、
前記メカボックス3に支持軸31を緩衝するショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。
【請求項2】
前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、当該支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項3】
前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項4】
前記前記支持軸31を上下動自在にガイドする支持軸ケース32を前記メカボックス3内に配置し、前記支持軸31及び支持軸ケース32にショックアブソーバー4を内蔵したことを特徴とする前記請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項5】
前記支持軸31を円筒状に形成し、当該支持軸31の内周に適宜収納されるガイド軸33を構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項6】
前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、
該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、
前記支持軸31を常時下方へと付勢するリターンスプリング5を前記メカボックス3内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32を切り離して接続したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項7】
前記支持軸31の上下動を遠隔的に操作する操作部8と、
該操作部8とメカボックス3までを連絡する中空状の管体から成るアウターチューブ71、アウターチューブ71内に進退自在に配置されるインナーワイヤ72、とから成るレリースワイヤ7と、
前記インナーワイヤ72を操作部8側へと後退させる為のリターンスプリング5をレリースワイヤ7内部もしくは操作部8内に配置すると共に、当該インナーワイヤ72先端と、支持軸31もしくはガイド軸33もしくは支持軸ケース32のいずれか一つとを連結して接続したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−91938(P2013−91938A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233455(P2011−233455)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000157212)丸一株式会社 (158)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000157212)丸一株式会社 (158)
【Fターム(参考)】
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