説明

遠隔操作装置、遠隔制御システム、制御プログラムおよび記憶媒体

【課題】電気機器を容易に制御すること。
【解決手段】携帯電話端末(遠隔操作装置)100は、表示部32bと、操作検出部32aと、電気機器から当該電気機器を遠隔制御するための情報を読み取る読取部34と、読取部34によって読み取られた情報に基づいて電気機器を遠隔制御するための制御画面を表示部32bに表示させる制御部22と、制御画面が表示部32bに表示されているときに操作検出部32aで検出された操作に応じて、読取部34によって読み取られた情報に基づいて取得された制御コードを電気機器に送信するコード送信部36とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作装置、遠隔制御システム、制御プログラムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電気機器の遠隔制御に対応する遠隔操作装置が知られている。例えば、特許文献1が開示する携帯電話端末は、電気機器を遠隔制御するための仕様データをデータ通信手段によって取得することにより、複数の電気機器の遠隔制御に対応する遠隔操作装置として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−237925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示されている携帯電話端末を用いる場合、利用者は、電気機器を遠隔制御するための仕様データを取得するために、画面上で電気機器のメーカや製品の種別を選択する必要がある。このような画面操作は手間が掛かり、また、情報処理機器の操作に慣れていない利用者には使いづらい。
【0005】
本発明は、電気機器を容易に制御することができる遠隔操作装置、遠隔制御システム、制御プログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る遠隔操作装置は、表示部と、操作検出部と、電気機器から当該電気機器を遠隔制御するための情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた情報に基づいて前記電気機器を遠隔制御するための制御画面を前記表示部に表示させる制御部と、前記制御画面が前記表示部に表示されているときに前記操作検出部で検出された操作に応じて、前記読取部によって読み取られた情報に基づいて取得された制御コードを前記電気機器に送信するコード送信部とを備える。
【0007】
ここで、前記制御部は、前記読取部によって読み取られた情報の中から前記制御コードを取得することが好ましい。
【0008】
また、前記遠隔操作装置は、通信部をさらに備え、前記制御部は、前記読取部によって読み取られた前記電気機器の識別情報に基づいて、前記制御コードを前記通信部によるデータ通信によって取得することが好ましい。前記識別情報は、前記電気機器の画像情報を含んでもよい。
【0009】
また、前記遠隔操作装置は、撮像部をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像中に前記電気機器を検出した場合に、前記電気機器を遠隔制御するための制御画面を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記読取部によって読み取られた情報に基づいて取得した前記電気機器の形態情報に基づいて前記画像中の前記電気機器を検出することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記電気機器を遠隔制御するための情報を読み取るために撮影された前記電気機器の画像の特徴情報に基づいて前記画像中の前記電気機器を検出することが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像中に検出された複数の電気機器のうち1つの電気機器に対して前記制御コードが送信される場合に、前記コード送信部の指向性を高くすることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像中に検出された複数の電気機器に対して前記制御コードが送信される場合に、前記コード送信部の指向性を低くすることが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像を前記表示部に表示するとともに、前記コード送信部の指向性の変更に合わせて、前記制御コードの送信範囲を前記画像上に示すことが好ましい。
【0015】
また、前記コード送信部は、プロジェクタの投影部であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る遠隔制御システムは、上記のいずれか1つの遠隔操作装置と、遠隔制御するための情報を保持する電気機器とを備え、前記電気機器は、前記遠隔操作装置からの制御コードを受信して、当該制御コードに対応した動作を実行する。
【0017】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る遠隔制御システムは、媒体が付加された電気機器と、前記電気機器とを遠隔制御する遠隔操作装置と、前記電気機器を遠隔制御するための制御コードを記憶するサーバ装置とを有し、前記遠隔操作装置は、前記媒体から前記電気機器の識別情報を読み取る読取部と、前記識別情報に基づいて前記サーバ装置から前記制御コードを取得する通信部と、前記制御コードを前記電気機器に送信するコード送信部とを備える。
【0018】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御プログラムは、遠隔操作装置に、電気機器から当該電気機器を遠隔制御するための情報を読み取るステップと、読み取られた情報に基づいて前記電気機器を制御するための制御コードを取得するステップと、読み取られた情報に基づいて前記電気機器を遠隔制御するための制御画面を表示部に表示するステップと、前記制御画面が前記表示部に表示されているときに検出された操作に応じて、前記制御コードを前記電気機器に送信するステップとを実行させる。
【0019】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る記憶媒体は、電気機器に付加される記憶媒体であって、前記電気機器を遠隔制御するための制御コードを記憶する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、電気機器を容易に制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、第1の実施例に係る遠隔制御システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施例に係る携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図3】図3は、第1の実施例に係る携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、バーコードから読み出される情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、機器識別データの一例を示す図である。
【図6】図6は、制御コードデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、制御画面データの一例を示す図である。
【図8】図8は、制御画面情報に基づいて表示される制御画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、電気機器を遠隔制御するための情報の登録時の携帯電話端末の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、電気機器を遠隔制御する場合の携帯電話端末の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、高指向性の赤外線送信部が制御コードの送信部として選択された場合の画面制御の一例を示す図である。
【図12】図12は、第1の実施例に係る携帯電話端末の変形例を示すブロック図である。
【図13】図13は、第2の実施例に係る遠隔制御システムの構成の一例を示す図である。
【図14】図14は、第2の実施例に係る照明機器の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は、第2の実施例に係る携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、機器識別データの一例を示す図である。
【図17】図17は、電気機器を遠隔制御するための情報の登録時の携帯電話端末の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】図18は、特徴情報の登録時の携帯電話端末の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】図19は、電気機器を遠隔制御する場合の携帯電話端末の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、遠隔制御時の照明機器の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、遠隔操作装置の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、例えば、遠隔制御用の専用端末、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等の各種情報処理装置に対しても本発明は適用できる。
【実施例1】
【0023】
まず、図1を参照しながら、第1の実施例に係る遠隔制御システム1の構成について説明する。図1は、遠隔制御システム1の構成の一例を示す図である。図1に示す遠隔制御システム1は、携帯電話端末100と、照明機器111〜113と、エアコン120と、テレビ130と、音響機器140と、サーバ装置50とを含む。
【0024】
携帯電話端末100は、基地局等を介する通信回線を通じて音声通話や、サーバ装置50等の情報処理装置とのデータ通信を行う。また、携帯電話端末100は、照明機器111等の電気機器を遠隔制御するための遠隔操作装置として機能する。
【0025】
居室R1内に設置される照明機器111〜113、エアコン120、テレビ130および音響機器140は、携帯電話端末100によって遠隔制御される。照明機器111〜113は、携帯電話端末100による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、明るさの変更等を実行する。エアコン120は、携帯電話端末100による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、設定温度の変更、風量の変更等を実行する。テレビ130は、携帯電話端末100による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、チャンネルの切り替え、音量の変更等を実行する。音響機器140は、携帯電話端末100による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、音源の切り替え、音量の変更等を実行する。
【0026】
照明機器111〜113には、それぞれ、タグ111a〜113aが付加される。エアコン120には、タグ120aが付加される。テレビ130には、タグ130aが付加される。音響機器140には、タグ140aが付加される。これらの電気機器に付加されるタグは、対応する電気機器の識別情報或いは識別情報を得るための情報が符号化されたバーコードが表面に印刷または付加された媒体の一種である。なお、バーコードは、1次元コードであってもよいし、2次元コードであってもよい。
【0027】
サーバ装置50は、制御コードデータ50aと、制御画面データ50bと、形態データ50cとを記憶する。制御コードデータ50aは、制御コードが登録されるデータである。制御コードは、電気機器の機能を遠隔制御するために遠隔操作装置から電気機器へ送信されるコードであり、遠隔制御の対象の電気機器の機能毎に予め定められている。制御画面データ50bは、制御画面情報が登録されるデータである。制御画面は、電気機器を制御するための操作を受け付ける画面であり、制御画面情報は、ボタンの配置やボタンと制御コードの対応等の制御画面を実現するための各種定義を含む。形態データ50cは、形態情報が登録されるデータである。形態情報には、形状、色等の電気機器の外観上の特徴を示す情報が含まれる。
【0028】
サーバ装置50は、携帯電話端末100からの問合せに応じて、問い合わされた電気機器を遠隔制御するための情報を携帯電話端末100に提供する。電気機器を遠隔制御するための情報には、制御コード、制御画面情報および形態情報が含まれる。
【0029】
携帯電話端末100は、サーバ装置50から情報の提供を受けることによって任意の電気機器の遠隔制御に対応する。具体的には、携帯電話端末100は、電気機器の画像を撮影し、撮影された画像に含まれるタグのバーコードを復号することによって、その電気機器の識別情報を取得する。そして、携帯電話端末100は、取得した識別情報をサーバ装置50へ送信し、応答として、識別情報に対応する電気機器を遠隔制御するための情報をサーバ装置50から受信する。
【0030】
このように、携帯電話端末100は、撮影した画像に基づいて電気機器を遠隔制御するための情報を取得する。このため、利用者は、電気機器の型番を入力するといった面倒な操作を行うことなく、遠隔制御したい電気機器を携帯電話端末100で撮影することにより、携帯電話端末100を任意の電気機器の遠隔制御に容易に対応させることができる。
【0031】
また、携帯電話端末100は、サーバ装置50から情報の提供を受けた後は、識別情報の取得時に取得した画像やサーバ装置50から取得した形態情報に基づいて、現在撮影されている電気機器を識別し、識別した電気機器に対応する制御画面を表示する。このため、利用者は、携帯電話端末100を多数の電気機器の遠隔制御に対応させた場合でも、遠隔制御したい電気機器を携帯電話端末100で撮影することにより、遠隔制御される電気機器を容易に選択することができる。
【0032】
なお、図1に示した遠隔制御システム1の構成は一例であり、遠隔制御される電気機器の種類および数はこれに限定されない。例えば、携帯電話端末100が、カメラ、録画機器、パソコン、調理機器、冷蔵庫、洗濯機、野外照明機器、自動車のロック等を遠隔制御できるようにしてもよい。また、サーバ装置50は、例えば、電気機器のメーカ毎や機種毎に用意されてもよい。
【0033】
次に、図2および図3を参照しながら、図1に示した携帯電話端末100の構成について説明する。図2は、携帯電話端末100の外観を示す正面図である。図3は、携帯電話端末100の構成を示すブロック図である。図2および図3に示すように、携帯電話端末100は、通信部26と、音声処理部30と、タッチパネル32と、撮像部34と、コード送信部36と、制御部22と、記憶部24とを備える。
【0034】
通信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立する。そして、通信部26は、基地局を通じて他の装置との間で電話通信およびデータ通信を行う。音声処理部30は、マイク15から入力される音声をデジタル信号化して制御部22へ出力する。また、音声処理部30は、制御部22から出力されるデジタル信号を復号してレシーバ16へ出力する。
【0035】
タッチパネル32は、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル32に対して行われる各種操作を検出する。タッチパネル32は、表示部32bと、表示部32bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)32aとを有する。
【0036】
タッチセンサ32aは、指を用いてタッチパネル32に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル32上での位置とともに検出する。タッチセンサ32aが各種操作を検出する方式は、静電容量式、抵抗膜式、感圧式等の任意の方式でよい。タッチセンサ32aによって検出される操作には、タップ操作、ダブルタップ操作、ロングタップ操作、スイープ(スワイプ)操作、フリック操作等が含まれる。
【0037】
タップ操作とは、指をタッチパネル32に接触させた後すぐにタッチパネル32から離す操作である。ダブルタップ操作とは、指をタッチパネル32に接触させた後すぐにタッチパネル32から離す動作を2回繰り返す操作である。ロングタップ操作とは、指をタッチパネル32に接触させ、指がタッチパネル32に接触した状態を一定時間保った後に指をタッチパネル32から離す操作である。スイープ操作とは、指をタッチパネル32に接触させたままで移動させる操作である。スイープ操作は、タッチパネル32に表示されている何らかのオブジェクトがその操作に追随して移動する場合、ドラッグ操作と呼ばれることがある。フリック操作とは、指をタッチパネル32に接触させた後、何かを素早く払うように指を一方方向に高速で移動させる操作である。
【0038】
表示部32bは、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の表示デバイスに、文字、図形、画像等を表示する。表示部32bは、制御部22から入力される制御信号に従って各種情報を表示する。
【0039】
撮像部34は、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いて電子的に画像を撮影する。撮像部34は、撮影した画像を画像信号として制御部22へ出力する。撮像部34は、電気機器に付加されたタグのバーコードを読み取るための読取部としても機能する。
【0040】
電気機器に付加されたタグから撮像部34が読み取るバーコードには、図4に示すように、機種コードと、アドレスとが含まれる。機種コードは、識別情報の一種であり、当該電気機器の機種を識別するために用いられる。機種コードが同一の電気機器は、同一の制御コードを用いて遠隔制御される。アドレスは、サーバ装置50とデータ通信を行うために用いられる。なお、アドレスをバーコードから取得するのではなく、予め記憶部24に記憶されている既知のアドレスを用いてもよい。
【0041】
コード送信部36は、制御部22から入力される制御信号に従って制御コードを送信する。コード送信部36は、赤外線送信部36aと赤外線送信部36bとを含む。赤外線送信部36aおよび赤外線送信部36bは、照射する赤外線の点滅パターンを制御することによって制御コードを送信する。赤外線送信部36aは、指向性が高く、そのため比較的狭い範囲に制御コードを送信する。赤外線送信部36bは、指向性が低く、そのため比較的広い範囲に制御コードを送信する。コード送信部36は、赤外線送信部36aまたは赤外線送信部36bのいずれかを選択し、選択した赤外線送信部に制御コードを送信させる。
【0042】
図2に示すように、撮像部34、赤外線送信部36aおよび赤外線送信部36bは、携帯電話端末100の上部に設けられており、撮像部34の入光部と、赤外線送信部36aおよび赤外線送信部36bの出光部とは、同じ面に面している。すなわち、撮像部34、赤外線送信部36aおよび赤外線送信部36bは、撮像部34が撮影している物体に対して赤外線送信部36aおよび赤外線送信部36bが赤外線を照射できるように配置されている。なお、撮像部34、赤外線送信部36aおよび赤外線送信部36bの配置は、これに限定されず、撮影方向と赤外線の照射方向とが略一致すればよい。
【0043】
制御部22は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメモリとを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、制御部22は、記憶部24に記憶されているプログラムやデータを読み出してメモリに展開し、メモリに展開されたプログラムに含まれる命令をCPUに実行させる。そして、制御部22は、CPUによる命令の実行結果に応じて、メモリおよび記憶部24に対してデータの読み書きを行ったり、通信部26、タッチパネル32、撮像部34、コード送信部36等の動作を制御したりする。CPUが命令を実行するに際しては、メモリに展開されているデータやタッチパネル32等から入力される信号がパラメータとして利用される。
【0044】
記憶部24は、フラッシュメモリ等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部24に記憶されるプログラムおよびデータには、制御プログラム24aと、機器識別データ24bと、制御コードデータ24cと、制御画面データ24dとが含まれる。なお、記憶部24は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体に対して読み書きを行う読み書き装置との組み合わせによって構成されてもよい。この場合、記憶部24に記憶されていることとしたプログラムおよびデータは、可搬の記憶媒体に記憶される。また、記憶部24に記憶されていることとしたプログラムおよびデータは、通信部26による無線通信によってサーバ装置等の他の装置から取得されることとしてもよい。
【0045】
制御プログラム24aは、携帯電話端末100の各部を制御するための機能を提供する。制御プログラム24aによって提供される機能には、携帯電話端末100を遠隔操作装置として動作させる機能が含まれる。携帯電話端末100を遠隔操作装置として動作させる機能の詳細については後述する。
【0046】
機器識別データ24bは、撮像部34によって撮影された画像に含まれる電気機器を識別するために用いられる。機器識別データ24bの一例を図5に示す。図5に示すように、機器識別データ24bでは、機種コードと対応付けて、形態情報と、特徴情報とが登録される。機種コードは、電気機器の機種を識別するための識別情報である。図5に示す例において、「TV11」は、テレビ130の機種を識別するための識別情報である。「AD22」は、音響機器140の機種を識別するための識別情報である。「AC33」は、エアコン120の機種を識別するための識別情報である。「LT44」は、照明機器111〜113の機種を識別するための識別情報である。
【0047】
形態情報は、電気機器の形状、色等の外観上の特徴を示す情報を含む。形態情報は、サーバ装置50から取得される。特徴情報は、電気機器と、電気製品が設置されている周囲の形状、色等の外観上の特徴を示す情報を含む。特徴情報は、電気製品に付加されたタグからバーコードを読み取る際に撮像部34によって撮影された画像に基づいて生成される。特徴情報は、電気製品に付加されたタグからバーコードを読み取る際に撮像部34によって撮影された画像そのものであってもよい。
【0048】
制御コードデータ24cは、電気機器を遠隔制御するための制御コードを保持する。制御コードデータ24cの一例を図6に示す。図6に示すように、制御コードデータ24cでは、機種コード毎かつ機能毎に制御コードが登録される。制御コードは、サーバ装置50から取得される。
【0049】
制御画面データ24dは、電気機器を遠隔制御するための制御画面を定義する制御画面情報を保持する。制御画面データ24dの一例を図7に示す。図7に示すように、制御画面データ24dでは、機種コードと対応付けて制御画面情報が登録される。制御画面情報は、サーバ装置50から取得される。
【0050】
制御画面情報に基づいて表示される制御画面の一例を図8に示す。図8に示す制御画面は、表示部32bの上側半分を占める画像表示領域41と、表示部32bの下側半分を占める操作領域42とからなる。画像表示領域41では、撮像部34によって撮影される画像が表示される。操作領域42では、撮像部34によって撮影される画像に含まれる電気機器を遠隔制御するためのボタンやメッセージ等が表示される。
【0051】
操作領域42に表示される内容は、撮像部34によって撮影される画像に応じて動的に変化する。図8に示す例では、撮像部34によって撮影される画像には照明機器111が含まれる。そのため、操作領域42には、照明機器111の機種コードと対応付けて制御画面データ24dに登録されている制御画面情報に基づいて、電源ONボタン42aと、電源OFFボタン42bと、明るさUPボタン42cと、明るさDOWNボタン42dとが表示されている。
【0052】
制御画面情報では、操作領域42に表示される項目に対する操作が検出された場合の動作も定義されている。例えば、制御部22は、電源ONボタン42aに対するタップ操作がタッチセンサ32aによって検出された場合、制御画面情報の定義にしたがって、制御コードデータ24cから照明機器111の電源をONにするための制御コードを取得し、コード送信部36から送信させる。上述したように撮像部34の撮影方向とコード送信部36の送信方向とは略一致しているため、送信された制御コードは、画像表示領域41に表示されている照明機器111へ向けて送信される。
【0053】
次に、図9および図10を参照しながら、電気機器の遠隔制御に関する携帯電話端末100の動作について説明する。図9は、電気機器を遠隔制御するための情報の登録時の携帯電話端末100の処理手順を示すフローチャートである。図9に示す処理手順は、登録処理の開始を指示する所定の操作がタッチセンサ32aによって検出されたことを契機として、制御プログラム24aに基づいて実行される。
【0054】
図9に示すように、制御部22が、ステップS101として、撮像部34から画像を取得し、ステップS102として、画像を表示部32bに表示する。このとき、制御部22は、画像とともにメッセージを表示部32bに表示する等して、登録処理の対象の電気機器が画像に含まれていれば情報の登録を指示する所定の操作を行うように利用者に促すことが好ましい。そして、制御部22は、ステップS103として、情報の登録を指示する所定の操作が検出されたかを判定する。
【0055】
登録を指示する所定の操作が検出されていない場合(ステップS103,No)、制御部22は、ステップS104として、処理の終了を指示する所定の操作が検出されたかを判定する。処理の終了を指示する所定の操作が検出された場合(ステップS104,Yes)、制御部22は、処理を終了させる。処理の終了を指示する所定の操作が検出されていない場合(ステップS104,No)、制御部22は、ステップS101以降を再実行する。
【0056】
登録を指示する所定の操作が検出された場合(ステップS103,Yes)、制御部22は、ステップS105として、撮像部34から取得した画像を解析する。そして、制御部22は、ステップS106として、画像の解析によって画像中にバーコードが検出されたかを判定する。バーコードが検出されなかった場合(ステップS106,No)、制御部22は、ステップS101以降を再実行する。
【0057】
バーコードが検出された場合(ステップS106,Yes)、制御部22は、ステップS107として、検出されたバーコードの数が1つであるかを判定する。検出されたバーコードの数が1つでない場合、すなわち、登録対象の電気機器を特定することができない場合(ステップS107,No)、制御部22は、ステップS101以降を再実行する。
【0058】
検出されたバーコードの数が1つの場合(ステップS107,Yes)、制御部22は、ステップS108として、撮像部34から取得した画像の特徴情報を取得する。また、制御部22は、ステップS109として、検出されたバーコードを復号して機種コードとアドレスを取得する。そして、制御部22は、ステップS110として、取得した機種コードが機器識別データ24bに登録済であるかを判定する。
【0059】
機種コードが登録済でない場合、すなわち、新たに登録される機種の場合(ステップS110,No)、制御部22は、ステップS111として、アドレスを用いた通信により、機種コードに対応する機種の制御コード、制御画面情報および形態情報を取得する。
【0060】
アドレスを用いた通信とは、例えば、アドレスをURL(Uniform Resource Locator)として用いてHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に従ってサーバ装置50から情報を取得する通信である。この場合、機種コードが、URLまたはCGI(Common Gateway Interface)の一部として、サーバ装置50へ送信されるリクエストに付加される。また、アドレスを用いた通信は、アドレスを送信先メールアドレスとして用いてサーバ装置50へ電子メールを送信し、サーバ装置50が情報を添付して返信した電子メールを受信する通信であってもよい。この場合、機種コードが、ヘッダまたは本文の一部として、サーバ装置50へ送信される電子メールに付加される。
【0061】
続いて、制御部22は、ステップS112として、取得した形態情報と特徴情報とを機種コードと対応付けて機器識別データ24bに登録する。また、制御部22は、ステップS113として、取得した制御コードを機種コードと対応付けて制御コードデータ24cに登録し、ステップS114として、取得した制御画面情報を機種コードと対応付けて制御画面データ24dに登録する。
【0062】
機種コードが登録済の場合(ステップS110,Yes)、制御部22は、ステップS115として、取得した特徴情報を機種コードと対応付けて機器識別データ24bに追加登録する。このように特徴情報を追加登録することにより、様々な角度から電気機器を撮影した複数の画像の特徴情報を1つの機種コードと対応付けることができる。その結果、画像に含まれる電気機器を機器識別データ24bに基づいて検出する精度が向上する。
【0063】
図10は、電気機器を遠隔制御する場合の携帯電話端末100の処理手順を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、電気機器の遠隔制御の開始を指示する所定の操作がタッチセンサ32aによって検出されたことを契機として、制御プログラム24aに基づいて実行される。
【0064】
図10に示すように、制御部22が、ステップS201として、撮像部34から画像を取得し、ステップS202として、画像を表示部32bに表示する。このとき、制御部22は、例えば、画像を制御画面の画像表示領域41に表示し、操作領域42において、現在表示されている電気機器を制御対象として確定するかを利用者に問い合わせる。このように画像を表示しながら制御対象の電気機器の確定を求めることにより、利用者は、容易かつ確実に制御対象の電気機器を選択することができる。
【0065】
続いて、制御部22は、ステップS203として、制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出されたかを判定する。制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出されていない場合(ステップS203,No)、制御部22は、ステップS204として、処理の終了を指示する所定の操作が検出されたかを判定する。処理の終了を指示する所定の操作が検出された場合(ステップS204,Yes)、制御部22は、処理を終了させる。処理の終了を指示する所定の操作が検出されていない場合(ステップS204,No)、制御部22は、ステップS201以降を再実行する。
【0066】
制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出された場合(ステップS203,Yes)、制御部22は、ステップS205として、撮像部34から取得した画像を解析して、画像に含まれる電気機器の検出を試みる。電気機器の検出は、機器識別データ24bに登録されている形態情報および特徴情報を画像と照合することによって実現される。そのため、ステップS205では、機器識別データ24bに情報が登録されている電気機器のみが検出されうる。
【0067】
続いて、制御部22は、ステップS206として、画像の解析によって画像中に登録済みの電気機器が検出されたかを判定する。電気機器が検出されない場合(ステップS206,No)、制御部22は、ステップS201以降を再実行する。
【0068】
電気機器が検出された場合(ステップS206,Yes)、制御部22は、ステップS207として、検出された電気機器の数が1つであるかを判定する。検出された電気機器の数が1つの場合、すなわち、制御対象の電気機器が特定された場合(ステップS207,Yes)、制御部22は、ステップS214として、低指向性の赤外線送信部36bを制御コードの送信部として選択する。低指向性の赤外線送信部36bを送信部として選択することにより、利用者は、制御対象の電気機器を制御コードの送信範囲に容易に含めることができる。
【0069】
続いて、制御部22は、ステップS215として、制御対象の電気機器に対応する制御コードを制御コードデータ24cから取得し、制御対象の電気機器に対応する制御画面情報を制御画面データ24dから取得する。そして、制御部22は、ステップS216として、取得した制御画面情報に基づいて表示部32bに、制御対象の電気機器用の制御画面を表示する。
【0070】
続いて、制御部22は、ステップS217として、制御画面に対する操作が検出されたかを判定する。操作が検出されない場合(ステップS217,No)、ステップS217の判定が再実行される。操作が検出された場合(ステップS217,Yes)、制御部22は、ステップS218として、検出された操作が処理の終了を指示する所定の操作であるかを判定する。検出された操作が処理の終了を指示する所定の操作である場合(ステップS218,Yes)、制御部22は、処理を終了させる。
【0071】
検出された操作が処理の終了を指示する所定の操作でない場合(ステップS218,No)、制御部22は、ステップS219として、検出された操作に対応する制御コードを選択された赤外線送信部から出力する。その後、制御部22は、ステップS217以降を再実行する。
【0072】
また、画像から検出された電気機器が1つでなく複数だった場合(ステップS207,No)、制御部22は、ステップS208として、検出した各電気機器の機種コードを機器識別データ24bから取得する。そして、制御部22は、ステップS209として、取得された機種コードを比較し、それによって、検出した電気機器が同一機種であるかを判定する。
【0073】
検出した電気機器が同一機種でない場合(ステップS209,No)、制御部22は、ステップS210として、制御対象の電気機器を利用者に問い合わせ、利用者によって選択された電気機器を制御対象として決定する。利用者への問合せは、例えば、所定の画面を表示部32bに表示することにより実現される。そして、制御部22は、ステップS211として、高指向性の赤外線送信部36aを制御コードの送信部として選択する。
【0074】
複数の電気機器が画像から検出されたということは、制御対象の電気機器の近くに他の電気機器があり、制御コードの送信によって他の電気機器が誤動作を起こす可能性があることを示している。高指向性の赤外線送信部36aを送信部として選択することにより、利用者は、制御コードの送信範囲が狭まり、制御対象以外の電気機器に制御コードが届きにくくなる。その後、制御部22は、上述したステップS215以降を実行する。
【0075】
検出した電気機器が同一機種であった場合(ステップS209,Yes)、制御部22は、ステップS212として、検出された全ての電気機器を制御するかを利用者に問い合わせる。そして、検出された全ての電気機器を制御することが利用者によって選択された場合(ステップS213,Yes)、制御部22は、ステップS214として、低指向性の赤外線送信部36bを制御コードの送信部として選択する。低指向性の赤外線送信部36bを送信部として選択することにより、利用者は、複数の電気機器を制御コードの送信範囲に含め易くなる。
【0076】
一方、1つの電気機器を制御することが利用者によって選択された場合(ステップS213,No)、制御部22は、ステップS211として、高指向性の赤外線送信部36aを制御コードの送信部として選択する。高指向性の赤外線送信部36aを送信部として選択することにより、制御コードの送信範囲が狭まり、制御対象以外の電気機器に制御コードが届きにくくなる。こうして、制御対象の電気機器が決定された後、制御部22は、上述したステップS215以降を実行する。
【0077】
なお、図10に示した処理手順において高指向性の赤外線送信部36aを制御コードの送信部として選択した場合、制御部22は、利用者が制御対象の電気機器に向けて制御コードを送信し易いように操作画面の表示を変更してもよい。図11は、高指向性の赤外線送信部36aが制御コードの送信部として選択された場合の画面制御の一例を示す図である。
【0078】
図11に示すステップS11は、図10に示したステップS202の場面、すなわち、遠隔制御の対象の電気機器を確定する場面において表示される画面の一例を示している。この例では、ステップS11において、画像表示領域41には、撮像部34によって撮影された画像が表示されている。画像には、照明機器111および112が含まれている。また、操作領域42には、現在表示されている電気機器を制御対象として確定するかを利用者に問い合わせる画面が表示されている。
【0079】
この状態で制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出されると、画像中に同一機種の電気機器が複数含まれるため、制御部22は、ステップS12に示すように、画像に含まれる全ての電気機器を制御するかを利用者に問い合わせる。
【0080】
そして、1つの電気機器のみを制御することが利用者によって選択された場合、制御部22は、ステップS13に示すように、操作領域42に電気機器に対応する制御画面を表示するのに加えて、画像表示領域41の表示態様を変化させる。画像表示領域41の表示態様の変化は、高指向性の赤外線送信部36aの送信範囲に相当する領域41aと、領域41aを除く領域41bとを利用者が容易に区別できるように行われる。
【0081】
図11に示す例では、制御部22は、領域41bの領域の明度を下げることによって表示態様を変化させているが、表示態様の変化のさせ方はこれに限定されない。例えば、制御部22は、領域41bに予め定められた画像を重畳してもよいし、領域41aと領域41bの境に区切り線を描画してもよい。なお、表示態様を変化させた後も、領域41aの視認性が低下しないことが好ましい。また、表示態様を変化させた後も、領域41bにおいて、撮像部34によって撮影された画像を利用者が判別できることが望ましい。また、領域41aの大きさは予め定められた大きさに固定してもよいし、撮像部34の測距機能等を用いて測定した制御対象の電気機器との距離に応じて変化させてもよい。
【0082】
このように画像表示領域41の表示態様を変化させることにより、利用者は、制御コードの送信部の指向性が高くなったことを視覚的に認識することができるとともに、制御対象の電気機器へ向けて制御コードを正確に送信し易くなる。例えば、照明機器111が制御対象の場合、利用者は、ステップS14に示すように、照明機器111が領域41aに収まるように携帯電話端末100の向きを変更することにより、照明機器111に届くように制御コードを送信することができる。
【0083】
なお、図11では、画像中に同一機種の電気機器が複数含まれる場合の例を示したが、画像中に複数の機種の電気機器が含まれる場合にも、利用者が1つの電気機器を正確に遠隔制御できるように、同様の画面制御を行うことが好ましい。
【0084】
上述してきたように、第1の実施例では、携帯電話端末100が電気機器から読み取った識別情報に基づいて電気機器を遠隔制御するための情報をサーバ装置50から取得することとしたので、携帯電話端末100を複数の電気機器の遠隔制御に容易に対応させることができる。また、携帯電話端末100が撮影した画像に基づいて電気機器を識別することとしたので、利用者は、制御対象の電気機器を容易に選択することができる。
【0085】
なお、上述した実施例では、コード送信部の指向性を切り替えるために指向性の異なる2つの送信部をコード送信部が備えることとしたが、コード送信部は、指向性が可変な単一の送信部を備えてもよい。例えば、図12に示す携帯電話端末101が有するコード送信部(赤外線送信部)37は、光源37aと、光学系37bとを備える。光源37aは、赤外線を発光する。光学系37bは、光源37aが発光した赤外線の送信範囲を変化させる。
【0086】
光学系37bは、光源37aが含むレンズと光源37aとの距離を変化させることによって赤外線の送信範囲を変化させてもよい。また、光学系37bは、光源37aが含むミラーの角度を変化させることによって赤外線の送信範囲を変化させてもよい。また、コード送信部37は、プレゼンテーションや画像の投影等に用いられるプロジェクタの投影部であってもよい。コード送信部37として用いられるプロジェクタ投影部は、例えば、光源37aから照射されるレーザー光を光学系37bのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーで反射して画像を描画する方式を採用してもよい。また、コード送信部37として用いられるプロジェクタ投影部は、ハロゲンライト、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)等の光源37aと、LCDやDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む光学系37bとを組み合わせて構成されてもよい。
【0087】
また、上述した実施例では、撮像部34によって撮影された画像に含まれるバーコードから携帯電話端末100が電気機器の識別情報を取得することとしたが、サーバ装置50が画像から電気機器の識別情報を取得することとしてもよい。この場合、携帯電話端末100は、撮像部34によって撮影された画像をサーバ装置50へ送信し、サーバ装置50が、送信された画像に含まれるバーコードの検出を試みる。そして、1つのバーコードが検出された場合は、サーバ装置50がバーコードを復号し、復号された機種コードと、機種コードに対応する制御コード、制御画面情報および形態情報とを携帯電話端末100へ応答する。また、バーコードが検出されない場合および複数のバーコードが検出された場合は、サーバ装置50は、対応するエラー情報を携帯電話端末100へ応答する。
【0088】
また、画像そのものを電気機器の識別情報として用いてもよい。この場合、携帯電話端末100は、撮像部34によって撮影された画像をサーバ装置50へ送信し、サーバ装置50が、送信された画像を形態データ50cと照合することによって画像に含まれる電気機器の機種の特定を試みる。そして、1つの機種が特定された場合は、サーバ装置50は、その機種の機種コードと、機種コードに対応する制御コード、制御画面情報および形態情報とを携帯電話端末100へ応答する。また、機種が特定されない場合および複数の機種が特定された場合は、サーバ装置50は、対応するエラー情報を携帯電話端末100へ応答する。
【0089】
また、画像そのものを電気機器の識別情報として処理する場合、図9に示したような登録処理を行わずに、遠隔制御を実行するたびに制御対象の電気機器の画像を携帯電話端末100がサーバ装置50へ送ることとしてもよい。この場合、サーバ装置50が、送信された画像を形態データ50cと照合することによって画像に含まれる電気機器の機種の特定を試みる。そして、1つの機種が特定された場合は、サーバ装置50は、その機種の制御コードおよび制御画面情報を携帯電話端末100へ応答し、携帯電話端末100は、応答された情報を用いて遠隔制御を実行する。また、機種が特定されない場合および複数の機種が特定された場合は、サーバ装置50は、対応するエラー情報を携帯電話端末100へ応答する。携帯電話端末100とサーバ装置50との間でより詳細な情報をやりとりすることにより、画像に複数の電気機器が含まれる場合に、携帯電話端末100が制御コードの送信範囲を狭めるようにしてもよい。
【実施例2】
【0090】
上記の第1の実施例では、電気機器を遠隔制御するための情報をサーバ装置50が保持する例を示したが、電気機器を遠隔制御するための情報を個々の電気機器が保持してもよい。以下の第2の実施例では、電気機器を遠隔制御するための情報を個々の電気機器が保持する例について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分には、既に説明した部分と同一の符号を付す。また、以下の説明では、既に説明した部分に関する重複する説明を省略することがある。
【0091】
まず、図13を参照しながら、第2の実施例に係る遠隔制御システム2の構成について説明する。図13は、遠隔制御システム2の構成の一例を示す図である。図13に示す遠隔制御システム2は、携帯電話端末200と、照明機器211〜213と、エアコン220と、テレビ230と、音響機器240とを含む。
【0092】
居室内に設置される照明機器211〜213、エアコン220、テレビ230および音響機器240は、携帯電話端末200によって遠隔制御される。照明機器211〜213は、携帯電話端末200による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、明るさの変更等を実行する。エアコン220は、携帯電話端末200による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、設定温度の変更、風量の変更等を実行する。テレビ230は、携帯電話端末200による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、チャンネルの切り替え、音量の変更等を実行する。音響機器240は、携帯電話端末200による遠隔制御に応じて、電源のON/OFF、音源の切り替え、音量の変更等を実行する。
【0093】
照明機器211〜213には、それぞれ、無線ICタグ211a〜213aが付加される。エアコン220には、無線ICタグ220aが付加される。テレビ230には、無線ICタグ230aが付加される。音響機器240には、無線ICタグ240aが付加される。電気機器に付加される無線ICタグは、対応する電気機器を遠隔制御するための制御コード等を電子的に記憶する記憶媒体の一種である。無線ICタグに記憶されている情報は、リーダライタによる近距離無線通信によって読み出される。また、無線ICタグは、リーダライタによる近距離無線通信によって情報を書き込まれることがある。
【0094】
携帯電話端末200は、基地局等を介する通信回線を通じて音声通話や、各種情報処理装置とのデータ通信を行う。また、携帯電話端末200は、照明機器211等の電気機器を遠隔制御するための遠隔操作装置として機能する。携帯電話端末200は、リーダライタを備え、電気機器に付加された無線ICタグから制御コード等をリーダライタで読み出すことによって任意の電気機器の遠隔制御に対応する。
【0095】
このように、携帯電話端末200は、電気機器に付加された無線ICタグから電気機器を遠隔制御するための情報を取得する。このため、利用者は、電気機器の型番を入力するといった面倒な操作を行うことなく、遠隔制御したい電気機器に付加された無線ICタグに記憶された情報を携帯電話端末200に読み取らせることにより、携帯電話端末200を任意の電気機器の遠隔制御に容易に対応させることができる。なお、図13に示した遠隔制御システム2の構成は一例であり、遠隔制御される電気機器の種類および数はこれに限定されない。
【0096】
次に、図13に示した照明機器211の構成について説明する。図13に示した他の電気機器も遠隔制御に関しては、照明機器211と同様の構成を有する。図14は、照明機器211の構成を示すブロック図である。図14に示すように、照明機器211は、無線ICタグ211aと、発光部211cと、調光部211dと、コード受信部211eと、制御部211fとを備える。
【0097】
無線ICタグ211aは、リーダライタと通信するためのアンテナ211bを有する。また、無線ICタグ211aは、自装置(照明機器211)の遠隔制御に関する各種情報を記憶し、要求に応じてそれらの情報をリーダライタへ送信する。無線ICタグ211aが記憶する情報には、機種コード211h、機器ID211i、制御コード211j、制御画面情報211kおよび形態情報211mとが含まれる。無線ICタグ211aが記憶する情報は、有線インターフェースを通じて制御部211fによっても読み出される。
【0098】
機種コード211hは、識別情報の一種であり、照明機器211の機種を識別するために用いられる。機器ID211iは、識別情報の一種であり、照明機器211の個体を識別するために用いられる。すなわち、照明機器211〜213が同一機種の場合、それぞれの電気機器に付加された無線ICタグ211a〜213aが記憶する機種コード211hの値は共通するが、機器ID211iの値は異なる。制御コード211jは、照明機器211の機能を遠隔制御するためのコードである。制御画面情報211kは、照明機器211用の制御画面を実現するための各種定義を含む。形態情報211mは、照明機器211の形状、色等の外観上の特徴を示す情報を含む。
【0099】
発光部211cは、蛍光灯、電球、LED等の光源を発光させる。調光部211dは、発光部211cの明るさを調整する。コード受信部211eは、無線LANやBluetooth(登録商標)等の比較的近距離の無線通信によって制御コードを受信する。
【0100】
制御部211fは、照明機器211を全体制御する。例えば、制御部211fは、コード受信部211eによって受信された制御コードに基づいて調光部211dを制御することより、発光部211cの明るさを変化させる。制御部211fは、コード受信部211eによって制御コードが受信された場合、制御コードとともに受信された機器IDと、無線ICタグ211aに記憶されている機器IDとを比較する。そして、両者が一致しない場合は、制御コードに基づく制御を実行しない。このように機器IDを確認することにより、指向性のない無線通信によって受信された制御コードが照明機器211向けであるかを正しく判定し、誤動作を抑止することができる。
【0101】
次に、図15を参照しながら、図13に示した携帯電話端末200の構成について説明する。図15は、携帯電話端末200の構成を示すブロック図である。図15に示すように、携帯電話端末200は、通信部26と、音声処理部30と、タッチパネル32と、撮像部34と、リーダライタ38と、無線通信部39と、制御部22と、記憶部24とを備える。
【0102】
リーダライタ38は、近距離無線通信を通じて無線ICタグの情報を読み書きする。リーダライタ38は、電気機器に付加された無線ICタグから遠隔制御のための情報を読み取るための読取部としても機能する。無線通信部39は、無線LANやBluetooth等の比較的近距離の無線通信によって他の装置と通信する。無線通信部39は、電気機器に制御コードを送信するコード送信部としても機能する。
【0103】
なお、無線通信部39は、携帯電話端末200が居室内のどこにいても同じ室内の電気機器を遠隔制御することができるように、10m程度の通信可能範囲があることが好ましい。一方、リーダライタ38は、NFC(Near Field Communication)のように10cm程度しか通信可能範囲がなくてもよい。
【0104】
記憶部24に記憶されるプログラムおよびデータには、制御プログラム24eと、機器識別データ24fと、制御コードデータ24cと、制御画面データ24dとが含まれる。制御プログラム24eは、携帯電話端末200の各部を制御するための機能を提供する。制御プログラム24eによって提供される機能には、携帯電話端末200を遠隔操作装置として動作させる機能が含まれる。携帯電話端末200を遠隔操作装置として動作させる機能の詳細については後述する。
【0105】
機器識別データ24fは、制御対象の電気機器を識別するために用いられる。機器識別データ24fの一例を図16に示す。図16に示すように、機器識別データ24fでは、機種コードと対応付けて、形態情報と、機器IDとが登録される。また、機器識別データ24fでは、機器IDと対応付けて特徴情報が登録される。
【0106】
機種コードは、電気機器の機種を識別するための識別情報である。形態情報は、電気機器の形状、色等の外観上の特徴を示す情報を含む。機器IDは、電気機器の個体を識別するための識別情報である。機器識別データ24fでは、同一機種の複数の電気機器が制御対象となっている場合に、1つの機種コードに複数の機器IDが対応付けられる。特徴情報は、電気機器と、電気製品が設置されている周囲の形状、色等の外観上の特徴を示す情報を含む。
【0107】
次に、図17から図19を参照しながら、電気機器の遠隔制御に関する携帯電話端末200の動作について説明する。図17は、電気機器を遠隔制御するための情報の登録時の携帯電話端末200の処理手順を示すフローチャートである。図17に示す処理手順は、利用者が携帯電話端末200を電気機器に付加された無線ICタグにかざす等してリーダライタ38に無線ICタグの情報を読み取らせたことを契機として、制御プログラム24eに基づいて実行される。
【0108】
図17に示すように、制御部22は、ステップS301として、リーダライタ38が無線ICタグから読み出した機種コード、機器ID、制御コード、制御画面情報および形態情報を取得する。そして、制御部22は、ステップS302として、機器識別データ24fを参照し、取得した機器IDが登録済みであるかを判定する。取得した機器IDが登録済みである場合(ステップS302,Yes)、制御部22は、ステップS303として、当該の電気機器が登録済である旨を通知する。
【0109】
取得した機器IDが登録済みでない場合(ステップS302,No)、制御部22は、ステップS304として、機器識別データ24fを参照し、取得した機種コードが登録済みであるかを判定する。取得した機器コードが登録済みでない場合(ステップS304,No)、制御部22は、ステップS305として、取得した形態情報と機器IDとを機種コードと対応付けて機器識別データ24fに登録する。また、制御部22は、ステップS306として、取得した制御コードを機種コードと対応付けて制御コードデータ24cに登録し、ステップS307として、取得した制御画面情報を機種コードと対応付けて制御画面データ24dに登録する。
【0110】
取得した機種コードが登録済みの場合(ステップS304,Yes)、制御部22は、ステップS308として、取得した機種IDを登録済の機種コードと対応付けて機器識別データ24fに追加登録する。
【0111】
図18は、特徴情報の登録時の携帯電話端末200の処理手順を示すフローチャートである。図18に示す処理手順は、特徴情報の登録処理の開始を指示する所定の操作がタッチセンサ32aによって検出されたことを契機として、制御プログラム24eに基づいて実行される。
【0112】
図18に示すように、制御部22が、ステップS401として、撮像部34から画像を取得し、ステップS402として、画像を表示部32bに表示する。このとき、制御部22は、画像とともにメッセージを表示部32bに表示する等して、登録処理の対象の電気機器が画像に含まれていれば電気機器の確定を指示する所定の操作を行うように利用者に促すことが好ましい。そして、制御部22は、ステップS403として、電気機器の確定を指示する所定の操作が検出されたかを判定する。
【0113】
電気機器の確定を指示する所定の操作が検出されていない場合(ステップS403,No)、制御部22は、ステップS404として、処理の終了を指示する所定の操作が検出されたかを判定する。処理の終了を指示する所定の操作が検出された場合(ステップS404,Yes)、制御部22は、処理を終了させる。処理の終了を指示する所定の操作が検出されていない場合(ステップS404,No)、制御部22は、ステップS401以降を再実行する。
【0114】
電気機器の確定を指示する所定の操作が検出された場合(ステップS403,Yes)、制御部22は、ステップS405として、撮像部34から取得した画像を解析して、画像に含まれる電気機器の検出を試みる。電気機器の検出は、機器識別データ24fに登録されている形態情報を画像と照合することによって実現される。そのため、ステップS405では、機器識別データ24fに情報が登録されている電気機器のみが検出されうる。
【0115】
続いて、制御部22は、ステップS406として、画像の解析によって画像中に登録済みの電気機器が検出されたかを判定する。電気機器が検出されない場合(ステップS406,No)、制御部22は、ステップS401以降を再実行する。
【0116】
電気機器が検出された場合(ステップS406,Yes)、制御部22は、ステップS407として、検出された電気機器の数が1つであるかを判定する。検出された電気機器の数が1つでない場合(ステップS407,No)、制御部22は、ステップS401以降を再実行する。
【0117】
検出された電気機器の数が1つの場合、すなわち、制御対象の電気機器が特定された場合(ステップS407,Yes)、制御部22は、ステップS408として、撮像部34から取得した画像の特徴情報を取得する。そして、制御部22は、ステップS409として、検出された電気機器の機種コードを機器識別データ24fから取得する。また、制御部22は、ステップS410として、機種コードに対応する機器IDを機器識別データ24fから取得する。
【0118】
取得した機器IDが複数の場合(ステップS411,Yes)、制御部22は、ステップS412として、取得した機器IDのリストを表示部32bに表示する等して、撮影された電気機器の機器IDを問い合わせる。そして、制御部22は、ステップS413として、機種コードと選択された機器IDとに対応付けて、特徴情報を機器識別データ24fに追加登録する。また、取得した機器IDが1つの場合(ステップS411,No)、制御部22は、ステップS413として、機種コードと取得した機器IDとに対応付けて、特徴情報を機器識別データ24fに追加登録する。
【0119】
図19は、電気機器を遠隔制御する場合の携帯電話端末200の処理手順を示すフローチャートである。図19に示す処理手順は、電気機器の遠隔制御の開始を指示する所定の操作がタッチセンサ32aによって検出されたことを契機として、制御プログラム24eに基づいて実行される。
【0120】
図19に示すように、制御部22が、ステップS501として、撮像部34から画像を取得し、ステップS502として、画像を表示部32bに表示する。このとき、制御部22は、例えば、画像を制御画面の画像表示領域41に表示し、操作領域42において、現在表示されている電気機器を制御対象として確定するかを利用者に問い合わせる。
【0121】
続いて、制御部22は、ステップS503として、制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出されたかを判定する。制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出されていない場合(ステップS503,No)、制御部22は、ステップS504として、処理の終了を指示する所定の操作が検出されたかを判定する。処理の終了を指示する所定の操作が検出された場合(ステップS504,Yes)、制御部22は、処理を終了させる。処理の終了を指示する所定の操作が検出されていない場合(ステップS504,No)、制御部22は、ステップS501以降を再実行する。
【0122】
制御対象の電気機器を確定する所定の操作が検出された場合(ステップS503,Yes)、制御部22は、ステップS505として、撮像部34から取得した画像を解析して、画像に含まれる電気機器の検出を試みる。電気機器の検出は、機器識別データ24fに登録されている形態情報および特徴情報を画像と照合することによって実現される。特徴情報を用いることにより、同一機種の電気機器が複数ある場合でも、それぞれの電気機器を判別することができる。
【0123】
続いて、制御部22は、ステップS506として、画像の解析によって画像中に電気機器が検出されたかを判定する。電気機器が検出されない場合(ステップS506,No)、制御部22は、ステップS501以降を再実行する。
【0124】
電気機器が検出された場合(ステップS506,Yes)、制御部22は、ステップS507として、検出された電気機器の数が1つであるかを判定する。検出された電気機器の数が1つの場合、すなわち、制御対象の電気機器が特定された場合(ステップS507,Yes)、制御部22は、ステップS512として、制御対象の電気機器の機器IDを機器識別データ24fから取得する。また、制御部22は、制御対象の電気機器に対応する制御コードを制御コードデータ24cから取得し、制御対象の電気機器に対応する制御画面情報を制御画面データ24dから取得する。そして、制御部22は、ステップS513として、取得した制御画面情報に基づいて表示部32bに、制御対象の電気機器用の制御画面を表示する。
【0125】
続いて、制御部22は、ステップS514として、制御画面に対する操作が検出されたかを判定する。操作が検出されない場合(ステップS514,No)、ステップS514の判定が再実行される。操作が検出された場合(ステップS514,Yes)、制御部22は、ステップS515として、検出された操作が処理の終了を指示する所定の操作であるかを判定する。検出された操作が処理の終了を指示する所定の操作である場合(ステップS515,Yes)、制御部22は、処理を終了させる。
【0126】
検出された操作が処理の終了を指示する所定の操作でない場合(ステップS515,No)、制御部22は、ステップS516として、検出された操作に対応する制御コードおよび機器IDを無線通信部39から出力する。その後、制御部22は、ステップS514以降を再実行する。
【0127】
また、画像から検出された電気機器が1つでなく複数だった場合(ステップS507,No)、制御部22は、ステップS508として、検出した各機器の機種コードを機器識別データ24fから取得する。そして、制御部22は、ステップS509として、取得された機種コードを比較し、それによって、検出した電気機器が同一機種であるかを判定する。
【0128】
検出した電気機器が同一機種の場合(ステップS509,Yes)、制御部22は、ステップS510として、検出された全ての電気機器を制御するかを利用者に問い合わせる。そして、制御部22は、上述したステップS512以降を実行する。ステップS510において、検出された全ての電気機器を制御することが利用者によって選択された場合、制御部22は、ステップS516において、検出された全ての電気機器向けに制御コードを送信する。複数の電気機器向けに制御コードを送信する場合、制御コードおよび機器IDの送信を複数回繰り返してもよいし、1つの制御コードと複数の機器IDを対応付けて送信してもよい。
【0129】
検出した電気機器が同一機種でない場合(ステップS509,No)、制御部22は、ステップS511として、制御対象の電気機器を利用者に問い合わせ、利用者によって選択された電気機器を制御対象として決定する。利用者への問合せは、例えば、所定の画面を表示部32bに表示することにより実現される。そして、制御部22は、上述したステップS512以降を実行する。
【0130】
次に、図20を参照しながら、遠隔制御に関する照明機器211の動作について説明する。図13に示した他の電気機器も遠隔制御に関しては、照明機器211と同様の動作を実行する。図20は、遠隔制御時の照明機器211の処理手順を示すフローチャートである。図20に示す処理手順は、携帯電話端末200から送信された機器IDおよび制御コードがコード受信部211eで受信されたことを契機として実行される。
【0131】
図20に示すように、制御部211fは、ステップS601として、コード受信部211eが受信した機器IDおよび制御コードを取得する。そして、制御部211fは、ステップS602として、無線ICタグ211aから自装置の機器IDを取得する。受信された機器IDが無線ICタグ211aから取得した機器IDと一致する場合(ステップS603,Yes)、制御部211fは、ステップS604として、受信された制御コードに対応する制御を実行する。受信された機器IDが無線ICタグ211aから取得した機器IDと一致しない場合(ステップS603,No)、制御部211fは、受信された制御コードを無視する。
【0132】
上述してきたように、第2の実施例では、携帯電話端末200が電気機器に付加された無線ICタグから遠隔制御のための情報を取得することとしたので、利用者は、遠隔制御のための情報を携帯電話端末200に容易に登録することができる。また、第2の実施例では、制御コードとともに電気機器を個別に識別するための機器IDを送信することとしたので、利用者は、制御コードの送信方向を気にすることなく、個別の電気機器を遠隔制御することができる。
【0133】
なお、上述した実施例では、電気機器に付加された無線ICタグから携帯電話端末200が機器IDを読み出すこととしたが、携帯電話端末200が、他の電気機器と重複しないように機器IDを発番して無線ICタグに書き込むこととしてもよい。このような構成とすることにより、メーカは個別の電気機器毎にユニークな機器IDを割り当てなくてもよくなり、コストダウンに貢献する。
【0134】
また、上述した実施例では、無線通信部39が制御コードを送信することとしたが、リーダライタ38が十分広い範囲に電波を送信することができ、電気機器に付加された無線ICタグがその電波を受信できる場合、リーダライタ38を制御コードの送信部として利用してもよい。この場合、携帯電話端末200は、無線通信部39を備えていなくてよく、また、照明機器211等の電気機器は、コード受信部211eを備えていなくてもよい。
【0135】
また、上述した各実施例の構成は、適宜組み合わせて用いてもよい。例えば、第2の実施例に示したように無線ICタグから機器IDを読み出し、第1の実施例に示したように赤外線で制御コードを送信するように遠隔操作装置を構成してもよい。
【0136】
また、上述した各実施例の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更してよい。例えば、上述した各実施例では、タッチセンサを備える装置を遠隔操作装置として用いる例を示したが、本発明は、タッチセンサを備えない装置に適用することもできる。例えば、機械式のボタンからなる操作検出部を備える装置を遠隔操作装置として用いる場合、制御画面には、各ボタンに割り当てられる機能を表示すればよい。
【0137】
また、上述した各実施例では、電気機器を制御するための制御コードを赤外線や電波を用いて送信する例を示したが、制御コードを送信する方式はこれに限定されない。例えば、超音波や可視光を用いて制御コードを送信してもよい。
【0138】
また、上述した各実施例では、画像に含まれる電気機器を識別するために形態情報および特徴情報を用いることとしたが、形態情報または特徴情報のいずれか一方を用いて画像に含まれる電気機器を識別することとしてもよい。
【符号の説明】
【0139】
1、2 遠隔制御システム
100、101、200 携帯電話端末
22 制御部
24 記憶部
24a、24e 制御プログラム
24b、24f 機器識別データ
24c 制御コードデータ
24d 制御画面データ
26 通信部
32 タッチパネル
32a タッチセンサ
32b 表示部
34 撮像部
36、37 コード送信部
38 リーダライタ
39 無線通信部
50 サーバ装置
111〜113、211〜213 照明機器
120、220 エアコン
130、230 テレビ
140、240 音響機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
操作検出部と、
電気機器から当該電気機器を遠隔制御するための情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた情報に基づいて前記電気機器を遠隔制御するための制御画面を前記表示部に表示させる制御部と、
前記制御画面が前記表示部に表示されているときに前記操作検出部で検出された操作に応じて、前記読取部によって読み取られた情報に基づいて取得された制御コードを前記電気機器に送信するコード送信部と
を備えることを特徴とする遠隔操作装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記読取部によって読み取られた情報の中から前記制御コードを取得することを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記読取部によって読み取られた前記電気機器の識別情報に基づいて、前記制御コードを前記通信部によるデータ通信によって取得することを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記電気機器の画像情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
撮像部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像中に前記電気機器を検出した場合に、前記電気機器を遠隔制御するための制御画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記読取部によって読み取られた情報に基づいて取得した前記電気機器の形態情報に基づいて前記画像中の前記電気機器を検出することを特徴とする請求項5に記載の遠隔操作装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記電気機器を遠隔制御するための情報を読み取るために撮影された前記電気機器の画像の特徴情報に基づいて前記画像中の前記電気機器を検出することを特徴とする請求項5に記載の遠隔操作装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像中に検出された複数の電気機器のうち1つの電気機器に対して前記制御コードが送信される場合に、前記コード送信部の指向性を高くすることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像中に検出された複数の電気機器に対して前記制御コードが送信される場合に、前記コード送信部の指向性を低くすることを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記撮像部によって取得された画像を前記表示部に表示するとともに、前記コード送信部の指向性の変更に合わせて、前記制御コードの送信範囲を前記画像上に示すことを特徴とする請求項8または9に記載の遠隔操作装置。
【請求項11】
前記コード送信部は、プロジェクタの投影部であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の遠隔操作装置と、遠隔制御するための情報を保持する電気機器とを備え、
前記電気機器は、前記遠隔操作装置からの制御コードを受信して、当該制御コードに対応した動作を実行する遠隔制御システム。
【請求項13】
媒体が付加された電気機器と、
前記電気機器とを遠隔制御する遠隔操作装置と、
前記電気機器を遠隔制御するための制御コードを記憶するサーバ装置とを有し、
前記遠隔操作装置は、
前記媒体から前記電気機器の識別情報を読み取る読取部と、
前記識別情報に基づいて前記サーバ装置から前記制御コードを取得する通信部と、
前記制御コードを前記電気機器に送信するコード送信部と
を備えることを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項14】
遠隔操作装置に、
電気機器から当該電気機器を遠隔制御するための情報を読み取るステップと、
読み取られた情報に基づいて前記電気機器を制御するための制御コードを取得するステップと、
読み取られた情報に基づいて前記電気機器を遠隔制御するための制御画面を表示部に表示するステップと、
前記制御画面が前記表示部に表示されているときに検出された操作に応じて、前記制御コードを前記電気機器に送信するステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項15】
電気機器に付加される記憶媒体であって、
前記電気機器を遠隔制御するための制御コードを記憶することを特徴とする記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−249104(P2012−249104A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119689(P2011−119689)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】