説明

遠隔操作装置

【課題】画面を見ながら遠隔操作装置の操作ボタンを押し操作する煩わしさを回避するとともに、操作ボタンの押し間違いなどの誤操作の発生しにくい操作性に優れた遠隔操作装置を提供すること。
【解決手段】記憶媒体5に記憶されたデータを読み取って映像信号や音声信号に変換し、映像や音声を出力する情報処理装置2を遠隔操作する、以下の要件を備えることを特徴とする遠隔操作装置1。
(イ)上記遠隔操作装置1は上記情報処理装置2を遠隔操作するための操作キー14に加え、印刷物6に印刷された目視不可能な不可視情報bを読み取る読取装置4を備えたこと
(ロ)上記印刷物6は上記記憶媒体5に記憶された情報に関連した情報が目で認識できる可視情報aとして印刷されていること
(ニ)上記不可視情報bは、上記可視情報aに重ねて印刷されるとともに、該可視情報aを視覚的に損なわないように設定されていること

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作装置、詳しくは映像や音声を出力する情報処理装置を遠隔操作する遠隔操作装置で、操作キーを操作することなく情報処理装置を制御することができる遠隔操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、情報処理装置の一つであるDVDプレイヤーで再生するDVDディスクは記録容量が大きく、映画1作品を日本語の字幕、原語の字幕、日本語の音声、原語の音声などと一緒に1枚のディスクに収容することができるので、このDVDディスクをDVDプレイヤーにセットすると、DVDプレイヤーはDVDディスクの再生を開始して、テレビにはメインメニューが表示されるようになっている。ユーザーは表示されたメニューの中から必要な項目をリモートコントローラの操作キーを操作して選択し、決定キーなどの操作キーを押し操作することによって、目的とする映像や音声を再生することができるようになっている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−124069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述のリモートコントローラの場合、画面に表示されたメニューの中から選択したい項目にカーソルキーを操作して項目を選び、決定キーを押すなどの操作をしなければならず、操作が煩雑になり誤操作を招きやすく、誤操作をしたときのリカバリーなど悩まされる事態が発生する恐れがある点であった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、画面を見ながら遠隔操作装置の操作ボタンを押し操作する煩わしさを回避するとともに、操作ボタンの押し間違いなどの誤操作の発生しにくい操作性に優れた遠隔操作装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係る遠隔操作装置は、情報処理装置を遠隔操作する、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記遠隔操作装置は上記情報処理装置を遠隔操作する操作キーに加え、印刷物に印刷された不可視情報を読み取る読取装置を備えたこと
(ロ)上記印刷物は上記情報処理装置に装填される記憶媒体に添付されるもので、該情報処理装置は該記憶媒体に記憶された情報を、映像及び音声の何れか一方又は両方に変換して出力すること
(ハ)上記印刷物には上記記憶媒体に記憶された情報に関連した情報が可視情報として印刷されていること
(ニ)上記不可視情報は、上記可視情報に重ねて印刷され、該可視情報を視覚的に損なわないように設定されていること
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、可視情報に重ねて印刷された不可視情報を読取装置で読み取ることにより、操作キーの操作によらず情報処理装置を遠隔操作することができ、操作性が格段に向上した遠隔装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
記憶媒体に記憶された情報を、映像及び音声の何れか一方又は両方に変換して出力する情報処理装置を遠隔操作する遠隔操作装置は、情報処理装置を遠隔操作する操作キーに加え、印刷物に印刷された不可視情報を読み取る読取装置を備え、上記印刷物は上記情報処理装置に装填される記憶媒体に添付されるもので、上記印刷物には上記記憶媒体に記憶された情報に関連した情報が可視情報として印刷され、上記可視情報に重ねて印刷される上記不可視情報は、上記可視情報を視覚的に損なわないように設定し、操作キーに代えて読み取った不可視情報で情報処理装置を遠隔制御するようにした。
【実施例1】
【0008】
図1は本発明に係る遠隔操作装置1を利用したシステムの一例を示し、この遠隔操作装置1は情報処理装置2を遠隔操作する装置であって、この遠隔操作装置1はディスプレイや各種操作キーを備えた装置本体3と、印刷物6に印刷された目で視認できない不可視情報を読み取る読取装置4とから構成され、読み取った不可視情報から上記操作キーに代えて上記情報処理装置2を制御することができるようにしたものである。
【0009】
本実施例では、上記情報処理装置2をDVDプレイヤーに適応し、上記遠隔操作装置1を上記DVDプレイヤー2を遠隔操作するリモートコントローラに適応した場合について説明する。
【0010】
DVDプレイヤー2は音楽や映画を記録したDVDディスク5をセットし、DVDディスク5に記録されているデータを読み取り、映像信号及び音声信号に変換してテレビ7に出力し、映像と音声とを楽しむことができるようになっているものである。
【0011】
例えば、映画の記録されているDVDディスク5をDVDプレイヤー2にセットすると、図2(a)に示すような、メインメニュー100がテレビ7の画面に表示される。このメインメニュー100には、映画のタイトル101、登場する主人公等の映画の重要な部分の映像102、この画面がメインメニュー画面であることを知らせる表示103のほかに、再生を開始させるための再生キー104、チャプターメニュー画面を表示させるためのチャプターキー105、音声メニュー画面を表示させるための音声キー106、字幕メニュー画面を表示させるための字幕キー107が設定されている。
【0012】
ユーザーは後述するリモートコントローラ1のカーソルキーを操作して、任意のキーを選択し、決定ボタンを押し操作すれば、DVDプレイヤー2は指定されたキーから、ユーザーが希望する処理が何であるかを認識し、指定したキー(再生キー104、チャプターキー105、音声キー106、字幕キー107の何れか)の処理が実行されるようになっていればよい。
【0013】
メインメニューの画面で再生キー104を選択すれば映画が再生され、チャプターキー105を選択すれば、図2(b)に示すような、チャプターメニュー画面が表示され、音声キー106を選択すれば、図2(c)に示すような、音声メニュー画面が表示され、字幕キー107を選択すれば字幕を表示させるのか、表示させるとすればその言語は日本語なのか、英語なのかを選択する字幕メニュー(図示せず)が表示されるようになっている。
【0014】
チャプターメニュー画面では、この画面がメインメニュー画面であることを知らせる表示111、チャプターを選択するためのチャプターキー112〜117、同一画面に表示されるチャプター群を選択するためのチャプター群選択キー118〜122、及びメインメニュー画面に戻るためのメインメニューキー123が表示されるようになっている。
【0015】
上記チャプターキー112〜117には、それぞれチャプターの内容をイメージした画像が嵌め込まれ、この画像からこのチャプター群にはどのような内容の映像があるのかが判るようになっている。例えば、チャプター113をカーソルボタンで選択し、決定ボタンを押すと第2のチャプターから再生が開始されるようになっている。
【0016】
また、チャプター群選択キー118〜122は、チャプター群を選択するためのものであり、各キーには「1−6」〜「25−30」と表示され、例えば、チャプター群選択キー118を選択して決定ボタンを押せば、画面には第1のチャプターから第6のチャプターまでのチャプター選択画面が表示される。また、チャプター群選択キー120を押下すると、第13のチャプターから第18のチャプターまでのチャプター選択画面が表示されるようになっている。
【0017】
音声メニュー画面では、この画面が音声メニュー画面であることを知らせる表示130、音声を日本語で出力するための日本語キー131、音声を英語で出力するための英語キー132、音声をドイツ語で出力するためのドイツ語キー133、音声をイタリア語で出力するためのイタリア語キー134が表示されるように設定されている。
【0018】
この音声メニュー画面には、メインメニュー画面に戻るためのメインメニューキー135、字幕メニュー画面に戻る字幕メニューキー136、及び再生を開始させるための再生キー137が表示されるように設定されている。
【0019】
そして、DVDディスク5に添付される印刷物6である解説書にも、上記画面と同じ画像が可視情報として印刷されている(図3参照)。
【0020】
この解説書6には、画面の表示と同じ画像の可視情報aに重ねて、不可視情報bが印刷されている。
【0021】
可視情報aは、赤外線をほとんど吸収しないインク(例えば、基本の色インク、すなわちシアン、マゼンダ、イエローの組合せ)でカラー印刷され、不可視情報bは可視情報aの上に、赤外線を吸収するインク(例えば、黒の油性インク)で印刷された二次元コードで構成されている。
【0022】
不可視情報bは上記可視情報aを損なわないように、目で視認できないような小さなドット(0.5ミリ角内に6X6個)からなる二次元コード(以下、ドットコードという)で構成されるとともに、6X6のドットコードを1つのデータ単位とし、解説書の可視情報a上に2次元的に連続して印刷されているもので、このドットコードbはヘッダ情報b1とデータ情報b2とから構成され、ヘッダ情報b1はドットコードbを他のドットコードbと切り分ける情報を備え、データ情報b2は可視情報aを特定する情報が表示されているものである。
【0023】
リモートコントローラ1は、前面にディスプレイ10と、数字キー11、カーソルキー12、決定キー13他からなる操作キー14が配置され、押し操作された操作キー14は操作信号に変換され、赤外線送信部15からDVDプレイヤー2に送信できるようになっているもので、このリモートコントローラ1は上記操作キーに加えて印刷物6に印刷された可視情報aの上に重ねて印刷された不可視情報bを読み取る読取装置4がケーブル16を介して接続されている。
【0024】
ペンを模して形成された読取装置(以下、読取ペンという)4の内部には、図5に示すように、赤外線を照射する光源20と、導光体21aと一体に形成されたレンズ21、フィルター22、画像センサー23及び、処理プログラムを内蔵したドットパターン認識CPU24とから構成された読取部25が配置され、この読取部25は光源20から導光体21aを介して印刷物6の表面に赤外線を照射し、照射した赤外線の一部はドットコードbで吸収されるが、吸収されずに反射した反射光はレンズ21で集光されフィルター22を通して画像センサー23に取り込まれ、取り込まれた画像はデジタル信号に変換され、デジタル信号はドットパターン認識CPU24でデータ情報b2からドットコードが解析され、そのドットコードbを構成するドットの組合せが数字コードに変換されるようになっている。
【0025】
装置本体3に配置された制御部26は変換された数字コードに基づいてメモリ27から指定エリアを定義する制御コマンドを読み出し、読み出した制御コマンドをデジタル信号に変換して、操作キーと同様に赤外線送信部15から赤外線信号としてDVDプレイヤー2に向けて送信するようになっている。
【0026】
DVDプレイヤー2は受信した制御コマンドを、カーソルキー12で選択し、決定ボタン13を押し操作したのと同様に判断し、操作ボタンに代えて読取ペン4で読み取った不可視情報に基づいて手入力と同じ処理を行なうようになっていればよい。
【0027】
次に、上記構成のリモートコントローラ1の使用態様について説明する。映画のDVDディスク5をDVDプレイヤー2にセットすると、図2(a)に示すような、メインメニュー100がテレビ7の画面に表示されるので、DVDディスク5に添付されている解説書6を開いて、画面に表示された内容と同じ内容(メインメニュー)が印刷された頁を開く(図3参照)。
【0028】
次に、読取ペン4をメインメニューの中の選択したい処理の処理名又は処理名の前に印刷されているキー部分にタッチする。処理名及びキーにはドットコードbが重ねて印刷されているので、読取ペン4の先端を希望する処理名又はキーにタッチさせると、内装された読取部25がドットコードbを読み込み、ドットパターン認識CPU24でドットコードbが数字コードに変換されて装置本体3に入力されるので、装置本体3の制御部26はその数字コードに基づいて、操作キー14を押し操作したときと同じ制御信号を赤外線送信部15からDVDプレイヤー2に発信する。
【0029】
DVDプレイヤー2は受信した制御信号に基づいて、ユーザーの指定した処理(例えば、チャプター画面表示)を行い、画面にチャプター画面を表示する。ユーザーは、解説書6の頁を画面の表示と同じ表示内容に対応させる。
【0030】
ユーザーは、装置本体3のカーソルキーを操作することなく、画面に表示されたチャプター群選択キー118〜122に相当する、解説書のチャプター群選択キー218〜222の可視情報aに読取ペン4の先端をタッチさせる。可視情報aにはそのチャプター群選択キー218〜222を特定する不可視情報bが印刷されているので、タッチしたチャプター群選択キーに対応したチャプターの内容をイメージした画像が、チャプターキー112〜117に嵌め込まれるので、この画像からこの選択したチャプター群にはどのような内容の映像があるのかが判る。
【0031】
このチャプター群以外のチャプター群の内容が見たければ、新たに解説書のチャプター群選択キー218〜222(可視情報)の印刷されている部分に読取ペン4の先端をタッチさせればよいし、このチャプター群でよければ、どのチャプターから再生したいかによって表示されている画像に対応するチャプターキー112〜117(可視情報)のエリアに読取ペン4の先端をタッチさせればよい。
【0032】
読取ペン4の読取部25が読み取ったドットコードbから、装置本体3の制御部26はどのチャプターキーかを判断し、DVDプレイヤー2に制御信号を送信するので、制御信号を受け取ったDVDプレイヤー2はユーザーが見たいと思うチャプターから再生することができ、リモートコントローラの操作キーを押し操作することなく、画面の表示と解説書の頁とを対応させ、解説書の可視情報に読取ペン4をタッチさせるだけで見たい場所から再生させることができ、操作キーを押しながら画面の状態を確認する必要がなく、操作性を格段に向上させたリモートコントローラを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
なお、上述の遠隔操作装置は記憶媒体であるDVDディスク5を情報処理装置であるDVDプレイヤー2にセットし、これを遠隔操作する場合について説明したが、記憶媒体がDVDディスク5に限定されるものではなく、例えば記憶媒体が音楽を記録したコンパクディスク(CD)で情報処理装置がオーディオコンポであっても構わない。この場合、CDを収容するケースの背面や、CDとともに収容された解説書に記載された曲のタイトルに、不可視情報を重ねて印刷しておき、リモートコントローラ1の読取ペン4を聞きたい曲のタイトルにタッチさせることにより、そのタイトルの曲が再生されるようにしてもよい。このことにより、聴きたい曲の曲名の前に付与された番号を覚え、その番号をリモートコントローラの数字キーを押して入力する必要がなくなり、数字の押し間違いなどのない、確実な曲目の設定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る遠隔操作装置の使用環境を説明する斜視図
【図2】(a)〜(c)はテレビに表示される画面の説明図
【図3】印刷物に印刷された可視情報と不可視情報との関係を説明する説明図
【図4】遠隔操作装置の平面図
【図5】上記遠隔操作装置のブロック図
【符号の説明】
【0035】
1 遠隔操作装置(リモートコントローラ)
2 情報処理装置(DVDプレイヤー)
4 読取装置
5 記憶媒体(DVDディスク)
6 印刷物(解説書)
14 操作キー
a 可視情報
b 不可視情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶されたデータを読み取って映像信号や音声信号に変換し、映像や音声を出力する情報処理装置を遠隔操作する、以下の要件を備えることを特徴とする遠隔操作装置。
(イ)上記遠隔操作装置は上記情報処理装置を遠隔操作するための操作キーに加え、印刷物に印刷された目視不可能な不可視情報を読み取る読取装置を備えたこと
(ロ)上記印刷物は上記記憶媒体に記憶された情報に関連した情報を目で認識できる可視情報が印刷されていること
(ニ)上記不可視情報は、上記可視情報に重ねて印刷されるとともに、該可視情報を視覚的に損なわないように設定されていること

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−79688(P2006−79688A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260697(P2004−260697)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000132998)株式会社タカラ (35)
【Fターム(参考)】