説明

遠隔測定式の整形外科インプラント

【課題】X線又は侵襲的な手順を必要とせずに、インプラントの状態、骨折の治癒の進行、及び周囲の組織に関わる精密かつ正確な情報を医師及び患者に提供できる計装化された整形外科の外傷インプラントが求められている。
【解決手段】本発明は、インプラント全体にわたって加えられた正確な測定を行う能力を備える髄内(IM)釘などの計装化された整形外科インプラントである。インプラントは、負荷を測定し、センサのデータを外部のリーダに伝送するためのセンサ及び関連する電子部品を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2005年8月23日に出願の米国特許仮出願第60/710,550号、2005年10月19日に出願の米国特許仮出願第60/728,374号、2006年6月27日に出願の米国特許仮出願第60/816,675号の利益を主張するものである。この参照によって、それぞれの出願の開示は、その全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本出願は一般に、整形外科インプラントに関し、より詳細にはデータ取得能力を有する整形外科インプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
髄内(IM)釘、ピン、ロッド、ねじ、プレート、及び、留め具などの外傷用製品は、破損した骨の修復に整形外科の分野で長年の間使用されてきた。これらのデバイスは、多くの場合に十分な機能を果たし、インプラントが全く使用されない場合よりも骨折治癒が予想通りに起こる。しかし場合によっては、不適切な装着、移植の失敗、感染、又は患者が処方された術後の療法に従わないことなどのその他の条件によって、骨折の治癒が損なわれる可能性があり、並びに患者の健康への危険性が高まることがある。
【0004】
医療従事者は、現在、X線などの非侵襲的な方法を使用して、骨折治癒の進行を診察し、移植された骨プレートの状態を評価する。しかし、X線は正確な診断に適切でない可能性がある。X線は、費用がかかり、X線を繰り返して使用すると、患者及び医療従事者の健康に害を与える可能性がある。場合によっては、移植が失敗するまで骨折部の癒着不良が臨床的に検出されないままになる可能性がある。さらに、X線は、軟部組織の状態又はインプラントへの応力を適切に診断するのに使用されない可能性がある。いくつかの例では、十分早い時期に適切な治療措置が実施できるようにインプラントの失敗を診断するために、侵襲的な処置が必要になる。
【0005】
現在市販されている外傷固定インプラントは、周囲の骨折した骨が治癒する間、適切な安定量によって患者の体重を支えることがその主な機能であるので、受動的なデバイスである。たとえばX線撮影法、患者の言明などの治癒過程を評価する現在の方法は、特に治癒の初期段階に、治癒の進行を適切に評価するための十分な情報を医師に提供しない。X線画像は仮骨の幾何学的形状を示すだけであり、強固になりつつある骨の機械的な特性を入手することはできない。したがって、標準的なX線撮影、CT、又は、MRI走査から骨折が治癒する間のインプラントと骨の間の負荷分担を定量化するのは不可能である。残念なことに、骨折が治癒する間、並びに異なる患者及び理学療法活動中に存在する骨格の負荷を定量化する、入手可能な生体内データが全くない。臨床医は、生活様式の変化をもとに患者に助言を与えるため、又は入手可能であれば治療の処置を処方するためにこの情報を使用できた。リハビリテーションの間のインプラントからの連続的かつ正確な情報は、適切に骨折が治癒し、インプラントを保護するための術後の手順を最適化し、外傷治療に重要な価値を加えるのを助ける。さらに、骨折治癒の安全、幾何学的形状、及び速度の向上は、大幅な経済及び社会的な利益をもたらす。したがって、臨床医への入手可能な情報を促進するための外傷インプラント(trauma implants)の主要な機能を増強する機会が存在する。
【0006】
治療介入の前後の患者の健康な状態は、最も重要である。患者の状態を熟知することは、患者及び介護者が必要な場合に至急の様式で相互に交流できることを前提とした場合に、どの処置の形式が必要である可能性があるか介護者が決定するのを助けとなることができる。多くの場合に、介護者は患者になろうとしている人、又は既に存在する患者の状態を知らず、したがって必要になった後にはじめて情報を提供し又は励ますことができる。情報がより早く与えられるほど、介護者はより早く行動を起こすことができる。さらに、より早い情報により、デバイスが一連の入力に基づいて問題を自律的に解決し、遠隔的に処置を行うことができるようになる可能性がある。
【0007】
外科医は歴史的に、継続管理の往診診療中に患者の骨の治癒を評価するのが困難であることが分かっている。医療提供者及び患者が治癒過程を監視することができるようにするデバイスがあれば有益である。さらに、そのようなデバイスが個別化された看護治療及び/又はリハビリテーションの開発を補助することができれば有益である。
【0008】
さらに外科医はこれまでに、患者の情報を管理するのが困難であることが分かっている。全体の病歴ファイル、骨折の詳細、行われた手術、X線画像、製造業者、大きさ、材料等を含むインプラント情報などの患者の情報を記憶した持ち運び式のメモリデバイスが利用可能であれば有益である。さらに、そのような持ち運び式のメモリデバイスが患者の検診及び与えられた処置に関する医療提供者からの所見/注記を記憶できれば有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって当分野では、X線又は侵襲的な手順を必要とせずに、インプラントの状態、骨折の治癒の進行、及び周囲の組織に関わる精密かつ正確な情報を医師及び患者に提供できる計装化された整形外科の外傷インプラントが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題に照らして、本発明が開発された。本発明は、インプラント全体にわたって加えられた正確な測定を行う能力を備える髄内(IM)釘などの計装化された整形外科インプラントである。インプラントは、負荷を測定し、センサのデータを外部のリーダに伝送するためのセンサ及び関連する電子部品を備える。
【0011】
本発明の一態様は、情報が収集及び処理できるようにして、対象の骨の治癒過程に対して確証的な価値のあるデータをもたらすことである。本発明は、治癒過程全体を通じて診断から収集された目的の不偏データを提供することによって、診断から推量を排除する。本発明はメモリ機能を有するので、患者のデータが記憶でき、したがってデータの容易な伝達ができるようになる。データは、個人データ、患者の履歴情報、並びに患者の活動を含むことができる。活動が捕らえられた場合、外科医は患者が術後のリハビリテーションの養生法を正確に行っているかどうか見分けることができる。これにより外科医は、現在既に利用されている技術では実現不可能なさらなる養生法を正確に予測及び処方することができるようになる。
【0012】
本発明の別の態様では、捕らえられた情報は1つ又は複数の反応のためのコマンドを出力するアルゴリズムへの入力としても使用できる。本発明はいくつかの方式で反応できる。デバイスは、外科医が早い治療を助けるために、注入可能なセメント又は脱灰骨基質などの生物学的な材料を使用して増強処置が必要な場合に自律的な治療介入ができるようにし、又は外科医に再手術が必要な可能性があるかどうか知らせる。
【0013】
したがって、上記の目的及び利点を促進するため、本発明は、手短に言えば、遠隔測定式の整形外科インプラントシステムであり、システムは整形外科インプラント及び制御ユニットを備える。整形外科インプラントは、少なくとも1つのセンサと、前記少なくとも1つのセンサを受けるようになされた第1の窪みと、前記少なくとも1つのセンサに電気的に接続された電子部品であって、少なくとも1つの電源、第1の送信機、第1の受信機、及び第1のマイクロプロセッサを備える電子部品と、電子部品を受けるようになされた第2の窪みと、前記第1の窪み及び前記第2の窪みを密封するための注封材料と、前記電子部品に電気的に接続された電源と、前記電子部品に電気的に連結された作動ユニットであって、状態に基づいて機能を実行するようになされた作動ユニットとを備える。制御ユニットは、第2のマイクロプロセッサと、前記第2のマイクロプロセッサに電気的に連結された第2の送信機であって、前記電子部品の前記第1の受信機に信号を送るようになされた第2の送信機と、前記第2のマイクロプロセッサに電気的に連結された第2の受信機であって、前記電子部品の前記第1の送信機からデータを受け取るようになされた第2の受信機とを備える。
【0014】
本発明のさらなる特徴、態様、及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作が、添付の図面を参照して下記に詳細に記載される。
【0015】
明細書に組み込まれ、その一部分を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態での遠隔測定式の整形外科インプラントの斜視図である。
【図2】図1に示されるインプラントの上面図である。
【図3】図1に示されるインプラントの部分側断面図である。
【図4】図1に示されるインプラントの詳細斜視図である。
【図5】第2の実施形態での遠隔測定式の整形外科インプラントの斜視図である。
【図6】図5に示される遠隔測定式の整形外科インプラントの斜視図である。
【図7】インサートの斜視図である。
【図8】第3の実施形態での遠隔測定式の整形外科インプラントの斜視図である。
【図9】図8に示される遠隔測定式の整形外科インプラントの斜視図である。
【図10】有限要素解析の結果を示す遠隔測定式の整形外科インプラントの斜視図である。
【図11】力に対するデータ出力を示すグラフである。
【図12】電子部品及びデータ受信機を示す概略図である。
【図13】手持ち式デバイスを使用している図である。
【図14】制御ユニットを示す図である。
【図15】遠隔測定式の整形外科インプラントシステムを示す概略図である。
【図16】骨折治癒の曲線を示すグラフである。
【図17】癒着不良の骨折治癒の曲線のグラフである。
【図18】人工的な骨折の間隙を示す図である。
【図19】生体外での生体力学試験の設定を示す図である。
【図20】骨折の間隙の深さに対する歪みを負荷の関数として示すグラフである。
【図21】負荷に対する歪みを間隙の大きさの関数として示すグラフである。
【図22】加速度計の時間に対する出力を示すグラフである。
【図23】頻度に対する大きさを示すグラフである。
【図24】頻度に対する大きさを示すグラフである。
【図25】頻度に対する大きさを示すグラフである。
【図26】頻度に対する大きさを示すグラフである。
【図27】歩行を分析する段階を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
「スマートインプラント」は、その周囲環境を感知し、作動が必要であるかどうか決定するための知性を加え、何かを変えるために制御され、有益な様式で感知された情報に基づいて作動することができるインプラントである。スマートインプラント技術の1つの魅力的な用途は、整形外科インプラントに関する負荷を測定することである。たとえば、髄内釘が曲げ、ねじり、及び圧縮の3つのタイプの負荷を受ける。これらの負荷は、整形外科インプラントに取り付けられた一連の歪みゲージのセンサ出力を測定することによって間接的に測定できる。髄内釘の場合には、釘の外面に装着された正反対に対置された歪みゲージがそれぞれ引張り及び圧縮力を受ける。一般に、センサから測定される歪みは、圧縮でなく曲げでインプラントが負荷を受ける場合により高い。
【0018】
歪みゲージの基本パラメータは、ゲージ率(G)として定量的に示される、その歪みに対する感度である。ゲージ率は、長さ(歪み)のわずかな変化に対する電気抵抗のわずかな変化の比率として定義される。
【0019】
【数1】

【0020】
ただし、R=公称抵抗値、ΔR=抵抗に生じる変化、及びε=歪みである。抵抗の変化は、(a)材料の抵抗率の変化、及び(b)材料が変形するときの抵抗の物理的な寸法の変化の2つの重要な要因から生じる。箔歪みゲージに関しては、Gは2.1であることが分かっている。電圧記録は以下の式を使用して歪みに換算される。
【0021】
【数2】

【0022】
ただし、RLはリード抵抗であり、Rgはゲージ製造業者によって指定される公称ゲージ抵抗であり、GFは同様にゲージ製造業者によって指定されるゲージ率であり、Vrは以下の式によって定義される電圧比である。
【0023】
【数3】

【0024】
ただし、VCHは及びVEXは、それぞれ信号電圧及び励起電圧である。
【0025】
歪みはフックの法則を用いて応力に関連付けられ、それはインプラント(F)が受けた圧縮及び曲げ負荷を計算するために再整理される。
E.ε.A = F -------------(4)
【0026】
ただしEはギガパスカル(GPa)でのインプラントの硬さであり、ε=計装化されたインプラントの出力から測定された歪みであり、Aは平方メートル(m)でのインプラントの断面積である。骨への対応する負荷はフォースプレート又は天秤を使用して測定された、リムによって働かされる下方の力の総和からインプラントの負荷を引くことによって推論することができる。
【0027】
センサ及びその他の電子部品を髄内釘などのインプラント可能な医療デバイスに組み込むことにより、その主要な機能が、負荷を支持する受動的なデバイスから患者の活動及びコンプライアンスを記録及び監視する能力を備える、機能に富む「知能を有する」システムに変わる。
【0028】
(遠隔測定式髄内釘)
同様の参照番号が同様の要素を示す添付の図面を参照すると、図1が遠隔測定式の髄内(IM)釘10を示す。遠隔式IM釘10が少なくとも1つのセンサ12を備える。1つの特定のセンサ構成が図1に示される。この実施形態では、センサ12が、IM釘10の近位領域20、中央又は中間のシャフト領域22、及び遠位領域24に配置される。図1に示された実施形態では、遠隔測定式のIM釘10は3つのセンサ12a、12b、12cを備え、1つのセンサが各領域に対応する。しかし、当分野の技術者は、より多くの又はより少ない数のセンサが使用でき、センサはその他の構成で適用できることを理解するであろう。遠隔測定式の釘10は、センサ12から生成された一組の歪み値を連続的に測定する。下記により詳細に説明するように、骨折が治癒するのを妨げずに力の成分を計算するために遠隔式測定のIM釘10が釘からの測定値を読取りデバイスに伝送する。
【0029】
遠隔測定式のIM釘10は釘を骨に固定できるようにする特徴を備えることができる。たとえば、遠隔測定式のIM釘10は、近位の孔26及び/又は遠位の孔28を備えることができる。図1に示された実施形態では、遠隔測定式のIM釘10は2つの近位の穴26、遠位の穴28、及び遠位のスロット28を備えるが、当分野の技術者はより多くの又はより少ない数の孔を設けることができることを理解するであろう。
【0030】
図5で最もよく分かるように、遠隔測定式のIM釘10は、プリント回路基板などの1つ又は複数の電子部品18も備える。電子部品18はセンサ12を備える計装回路を形成する。電子部品18は、関連する信号調整回路、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数のメモリデバイス、電源、及び通信部品を備えることができる。電子部品18は、局部的な環境の変化をその場で測定できるようにする。センサ12と電子部品18の組合せは、上述のアルゴリズムを使用して骨折が強固になることにより、何度も負荷を変える間接的な測定のための強力な器具を提供する。代わって、これらの間接的な測定は、医療的な決断に使用するための環境に関して臨床医に情報を提供するのに使用できる。
【0031】
遠隔測定式のIM釘10の完全性を維持するために、インプラントの設計は部品を保護し、センサとその環境の間に正確かつ安定した連結をもたらし、インプラント自体の機能性を維持しなければならない。生物学的な組織は極端に厳しい環境にあるので、内部のインプラントの構造の中にセンサを組み込むことにより、電子回路の絶縁を維持する「パッケージ問題」が生じる。さらに、一般的な殺菌方法から電子部品18に損傷を与える危険は軽視できない。IM釘10に器械を備えるための設計の検討には、釘の機械的及び物理的特性に何らかの損傷を与えることを最小限に抑え、大規模の製品化及び製造を可能にすることが必要である。いくつかの設計は、計装化前後にIM釘10の曲げ剛性及び疲れ挙動を測定することによって確かなものにできる。
【0032】
図2〜図5で最もよく分かるように、IM釘10は少なくとも1つの窪み14を備える。例として、窪み14は長方形、正方形、円、長円、又はそのいくつかの組合せであることができる。窪み14は、それには限定されないが、機械加工、フライス加工、研削加工、鍛造、鋳造、打ち抜き加工、及び射出成形を含む様々な製造技術を使用して作製できる。窪み14は深さDを有し、それは約0.1mmから約2.0mmの範囲である。窪みの長さLは、約1mmから約100mmの範囲にあることができる。図3に示された実施形態では、窪み14は約0.5mmの厚さで約5mmの長さである。窪み14は、センサ12及び導線16を受ける。窪み14はセンサ12及び導線16を外科的な挿入過程の間の磨耗損傷から保護する。窪み14はセンサ12がそれぞれ引張り力及び圧縮力を受けることができるようにする前面及び後面に配置される。センサ12は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、UV硬化型接着剤、及び医療等級のシアノアクリレートを含む、ある範囲の高い剛性の接着剤を使用して窪み14に固定できる。これらのタイプの固定方法は、センサ12の性能に悪影響を与えない。
【0033】
さらに、遠隔測定式のIM釘10は、電子部品18を受けるために近位領域20に窪み14を備えることができる。窪み14は電子部品18を受けるために寸法を決めることができる。たとえば、電子部品は長さ約56mm、幅約6.2mm、及び厚さ約0.25mmであることができ、窪み14はそれに従って大きさを決められる。窪み14は、電子部品18と同じ大きさのもの、又はそれよりわずかに広いものであることができる。
【0034】
あるいは、歪みゲージ12及びその他の電子部品の装着は、インプラントの長手方向の区画を放電フライス加工し、IM釘10に部品を装着し、チューブセグメントをレーザ溶接するなどのより危険回避的な方法を使用して実施できる。しかし、この手法を使用することにはいくつかの欠点がある。溶接の局所化された熱は、母材の歪みや曲がり、又は溶接領域の周囲の応力を生じる傾向があり、それによってインプラントの耐食性に悪影響を与える可能性がある。さらに、レーザビーム溶接は、溶融金属と溶接部の直近の母材との間に非常に大きな温度差を有する。レーザビーム溶接では、加熱及び冷却率がアーク溶接よりもはるかに高く、熱影響部がはるかに小さい。速い冷却速度が高炭素鋼での割れなどの問題を生じるおそれがある。
【0035】
センサ12及びその他の電子部品を封入するいくつかの方式がある。いくつかの部品は、その他のものより耐性のある封入方法が必要になる可能性がある。たとえは、バッテリ又はその他の危険を伴う可能性があるデバイスが電子回路システムに含まれる場合には、チタンのケースが必要になる可能性がある。あるいは、部品が生物学的に優しい場合、ポリウレタン又はシリコーンなどの単純な注封材料で十分であるとしてよい。当分野の技術者は、注封材料に様々な材料が使用できることを理解するであろう注封材料は電子部品を周囲の環境から分離するための覆いとして作用することが重要である。半田付け及び溶接技術が同様に、計装化された釘10の内側にセンサ12及びその他の電子部品を恒久的に密封するのを助けるのに使用できる。標準的な箔ゲージに代わって白金の歪みゲージを使用することによって、生物学的な流体による殺菌及び攻撃に対する耐久力及び耐性を向上させることもできる。
【0036】
図6の1つの特定の実施形態では、センサ12及び電子部品18は、気密封止を行うためにポリウレタン又はシリコーンなどの生体適合性の注封材料30によって覆われている。センサ12及び電子部品18は患者の組織及び流体から気密封止されているので、遠隔測定式のIM釘10の長期の機能を達成することができる。同時に、非生体適合性又は毒性の材料の漏洩が排除される。注封材料30は、電気的に絶縁性であり、防湿材料であり、液体又はパテ様の形式で供給され、電気及び電子機材の影響を受けやすい領域への保護被覆として使用される。注封材料30は光学的に不透明又は無色であることができる。歪みゲージ12及び導線16は、移植過程に耐え、機械的なエンベロプを回復するために必要な、適切な機械的特徴を備える注封材料30内に覆われる。
【0037】
遠隔測定式の計装化された釘10内の電子部品18の別の配列が図7、図8、及び、図9に示される。この特定の設計では、受動的な電子部品40が近位領域20の窪み14に配置され、電源、マイクロプロセッサ、データ記憶デバイス、及び外部通信デバイスなどの能動的な電子部品42が分離した釘ヘッド挿入部44に収められる。図9で最もよく分かるように、電子部品受動的な電子部品40を気密封止するために受動的な電子部品40を注封材料30によって覆うことができる。この構成では、遠隔測定式のIM釘10は通常の様式で移植され、釘が骨に移植された後に、釘ヘッド挿入部44が遠隔測定式のIM釘10に取り付けられる。たとえば、釘ヘッド挿入部44は穴46にねじ込むことができる(図5で最もよく分かる)。この特定の設計は、任意の影響を受けやすい電子回路が移植プロセスによって損傷するのを回避する。受動的及び能動的な電子部品40、42の間の接続が、誘導的に接続されたリンク又はスリップリングを介した物理的な接続を使用して確立できる。
【0038】
遠隔測定式のIM釘10は、標準的な製造技術を使用して生体適合性材料から構築できる。たとえば、釘は金属から鍛造され、手作りもしくは機械で作られた合成物であり、又は原料から機械加工されたものであることができる。あるいは、遠隔測定式のIM釘10は、鋳造され、射出成形され、又は熱間静水圧処理(HIP)によって圧縮成形される。HIP製造プロセスは、センサ及び電子部品を受けるように設計された前もって成形された窪みを備える釘を生成するのに特に適している。
【0039】
別の実施形態では、遠隔測定式のIM釘10は感知された歪みデータによって分解率が制御される生分解性の成分を使用して構築できる。インプラントの機械的なモジュールが隣接する骨の治癒の程度に従って変化するので、そのようなデバイスは従来の金属のインプラントよりもコンプライアンスを有する。治癒する骨の耐力が増加すると、釘の負荷分担能力を低下させるために、釘の分解率を加速する活性の薬剤の放出が誘発される。一方で、ゆっくりとした治療を行う者にはインプラント材料の分解率を妨げる活性の薬剤の放出が必要になる。活性の薬剤の放出は、釘の分解率を加速又は減速させる要求に応じて化学的マニピュレーション(chemical manipulation)を放出する微小電子機械構造(MEMS)のリザーバシステムを使用して制御できる。計装化された部品は、分解可能な多孔質のシリコンウェーハなどの回復可能な材料を使用して製造できる。そうでない場合には、非分解可能な電子部品が患者の中に残留する可能性があり、場合によってはそれが許容可能である。
【0040】
(センサの最適な位置を決定するためのFEモデリング)
次に図10を参照すると、センサ12は、箔又は半導体の歪みゲージなどの機械的な歪みを測定することが可能なデバイスであることができる。あるいは、センサ12は機械的な負荷を直接的に測定するのに使用されるロードセルであることができる。図1に示された実施形態では、歪みを測定するために箔歪みゲージを使用する。歪みを測定するためのセンサ12の最適な位置は、有限要素(FE)解析によって決定できる。センサ12は、それには限定されないが、たとえばインプラント10の動作領域に配置できる。動作領域は、2つの固定孔26、28の間の領域として定義される。固定孔26、28は、インプラント10を骨に取り付けるねじなどの留め具を受けるようになされる。図10で理解できるように、より暗色の、濃く塗られた領域が応力集中を示す。応力分布は、釘10が患者の股関節によって負荷を加えられ、近位の孔26と整列する釘10の外面に高い曲げ応力を生じる方式で現れる。一般に、応力の50%の低下が、外部の装着ではなく、インプラントの内側に配置されたセンサの間で観測される。
【0041】
(センサ)
遠隔式IM釘10はセンサ12を備える。センサ12は、少なくとも1つの品目、事象、条件等を感知する。センサ12はそれには限定されないが、箔歪みゲージ、半導体歪みゲージ、振動式のビームセンサ、力覚センサ、圧電素子、ファイバブラッググレーティング、ジャイロコンパス、又は巨大磁気インピーダンス(GMI)センサを含む任意の数のタイプであることができる。さらに、センサ12は、それには限定されないが、歪み、pH、温度、圧力、変位、流れ、加速、方向、アコースティックエミッション、電圧、パルス、特定のたんぱく質の表示などのバイオマーカの表示、酸素検出器、酸素ポテンシャル検出器、又は二酸化炭素検出器などによる化学的な存在、代謝活動、又は白血球、赤血球、血小板、成長因子、又はコラーゲンの存在を示すための生物学的な示度を含む任意の種類の条件を示すことができる。最後に、センサ12は画像取込みデバイスであることができる。
【0042】
いくつかの整形外科の用途では、1つ又は複数の品目、事象、又は条件を測定する1つ又は複数のセンサを必要とする可能性がある。したがって、いくつかのインプラントは複数チャネル機能が必要になる。たとえば、遠隔測定式のIM釘10は、6個以上の歪みゲージを備えることができる。センサ12はセンサの配列又は一連の個別のセンサであることができる。遠隔測定式のIM釘10は、負荷をx、y、及び/又はz平面で測定可能にするためのロゼット構成(rosette configuration)で複数軸の歪みゲージによって設計することもできる。センサ12の構成は、患者の骨折の要件を満たすように調整することもできる。センサ12は、インプラントの機能を損なわない様式で設計される。たとえば、センサ12は、目立たない、生体適合性の、インプラントの確立された生体適合性の機能に全く影響しないものでなければならない。インプラントと隣接する骨との間の締りばめを伴う釘が挿入中にかなり変形できることが示されてきた。その結果、選択されたセンサの解像度は8ビット(0.05%)よりも優れている。センサの出力は計装化された釘に軸方向負荷を加えることにより調査できる。
【0043】
負荷の構成は、たとえば近位の留め具を介して釘によって伝達される片寄った負荷などのヒトの大腿骨で一般に観察される負荷パターンと一致するように設計される。2つの歪みセンサ12がそれぞれ中間シャフト領域(釘1)、遠位領域(釘2)、又は近位領域(釘3)で内側(圧縮)面及び外側(引張り)面に配置される、3つの計装化されたIM釘に関する負荷に対する歪みのプロットが図11に示される。全ての場合に、センサの組からの反応は、釘の負荷が500Nに上昇した場合にかなり直線的である。さらに、負荷が釘に加えられ、また釘から除去された場合に観察されるヒステリシスはわずかであるか全くない。
【0044】
(通信)
電子部品18はデータ受信機50と通信している。電子部品18は、センサ12からデータを受け取り、データをデータ受信機50に伝達する。電子部品18は、データを有線又は無線接続によってデータを伝達する。送信は、ZIGBEE(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、Technology Partnership Plc社(TTP)によって開発されたMatrix technology、又はその他の無線周波数(RF)技術などの利用可能な技術を使用することができる。ZigBeeは、個人用無線ネットワーク(WPAN)に関して設計された、公開された規格の組の高レベルの通信プロトコルである。ZIGBEEの商標は、94583 米国カリフォルニア州、San Ramon、Camino Ramon 2400、Suite 375 の ZigBee Alliance Corp社によって所有されている。Bluetoothは無線デバイスの間の短距離通信を促進する技術的な業界標準である。BLUETOOTHの商標は、98004 米国ワシントン州、Bellevue、500 108th Avenue NE、Suite 250 の Bluetooth Sig, Inc.社によって所有されている。RFは、周波数がおよそ0.1MHzの上の信号を使用してデータを送受信するために電磁波を使用する無線通信技術である。大きさ及び出力消費の規制により、遠隔測定式のIM釘10は、通信に関するいくつかの国際的な標準に適合するために、メディカルインプランタブルコミュニケーションズサービス(Medical Implantable Communications Service)(MICS)を利用できる。
【0045】
(計装化システム)
図12は、プリント回路基板などの電子部品18及びデータ受信機50を示す。電子部品18は、送電機32、DC電源34、アナログ/デジタル変換器及びマイクロプロセッサの組合せ36、並びにセンサデータ送信機38を備える。データ受信機50は、センサデータ受信機52及び送電機54を備える。個別の部品として示されるが、当分野の技術者は、送信機及び受信機がトランシーバと呼ばれることもある単一のユニットに結合できることを理解するであろう。図12に示される実施形態では、電力消費及びデータ送信は非接触である。電子部品18は、(1)任意の数の箔歪みゲージ、(2)適合する数の低ノイズ、低電力の計装増幅器、(3)適合する数のホイートストンブリッジ抵抗回路網、(4)適合する数の歪みゲージゼロ調整部、及び、(5)ノイズフィルタを備えるオンボード電源のうちの任意のものを備えることができる。
【0046】
(電力管理)
遠隔測定式のIM釘10は、1つ又は複数の電力管理策を組み込むことができる。電力管理策は、移植された電源又は誘導性の電源を備えることができる。移植された電源は、バッテリなどの何か単純なもの、又は、エネルギースカベンジングデバイス(energy scavenging devices)などの何かより複雑なものであり得る。エネルギースカベンジングデバイスは、運動の動力を与えられた圧電又は電磁発電機、及び、関連する電荷蓄積デバイスを備えることができる。誘電式の電源が誘導結合システム及び無線周波数(RF)電磁野を備える。
【0047】
最後に、遠隔測定式のIM釘10は、蓄積デバイス(図示されない)を組み込むことができる。蓄積デバイスは、誘導/RF結合部又は内部のエネルギースカベンジングデバイスによって充電することができる。蓄積デバイスは、少なくとも一回の測定を行い、それに続いてその結果を処理及び通信するのに十分なエネルギーを蓄積するための十分な容量がなければならない。
【0048】
図13は、患者100の脚102に配置された手持ち式デバイス60を示す。手持ち式デバイス60は電子部品18を励起するRF波を発生する。励起された電子部品18は、蓄積されたセンサ読取り値を取得し、それらを搬送波を介して手持ち式デバイス60に送る。手持ち式デバイス60はセンサの読取り値の直接的な分析のためのプロセッサ(図示されない)を備えることができ、又は手持ち式デバイス60はセンサ読取り値の分析のためのコンピュータに接続できる。
【0049】
(通信)
移植可能な遠隔測定式のシステムに関する要求は厳しく、ロバスト性を有する方法を利用して整形外科インプラントからデータを取り込まなければならない。当分野のこれまでの取り組みでは、信号が計装化された髄内釘に関して必要な範囲で提供されなかった。したがって、遠隔測定式のIM釘10はその最も単純化されたバージョンで有線インターフェースを有する。言い換えれば、電子部品18は電線(図示されない)を介して外部の制御ユニット62に接続される。制御ユニット62は、アームバンド、リストバンド、シースバンド、又はアンクレットブレスレットなどの着用可能なデバイスとして患者100の上に配置できる。あるいは、制御ユニット62は、制御ユニットをキャストの内側に配置し、又は制御ユニットをキャストの外側に取り付けることなどによってキャスト64に連結できる。
【0050】
制御ユニット62は、ディスプレイ66及び/又はスピーカ68を備えることができる。ディスプレイ66は、センサの読取り値を表示し、警告ライト、キャストの除去などの重要な事象を患者が予期できるようにするカウントダウンタイマ、又は時間を費やすための電子ゲームなどの娯楽デバイスを提供するのに使用できる。スピーカ68は予め録音された指示、警告音、又はゲーム音などの音を提供するのに使用できる。
【0051】
患者は、絶えず患者の活動を監視する制御ユニット62を能動的に着用する。外傷性の事故又は基本的な体の機能を失うなどの大きな事象の場合には、制御ユニット62がこの変化を感知し、聴覚及び/又は視覚可能な警報を送出する。警報の代わりに、又は警報に加えて、制御ユニット62は患者の状態を確認する情報について着用者を促すことができる別のデバイスに情報を送ることができる。制御ユニット62は、起こりそうな危険の緊急支援のグループ、及び患者の位置などのその他の患者の情報を知らせるのに使用することもできる。この最後の例では、制御ユニット62は制御ユニット及び患者を配置する全世界測位システム(GPS)モジュールを備えることができる。
【0052】
制御ユニット62は、プラスチック、ゴム、金属、ガラス、セラミック、木、石、長繊維複合材料、短繊維複合材料、非繊維複合材料などの実質的に任意のタイプの材料に収めることができる。ディスプレイ66は、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマディスプレイ、デジタルライトプロセッシング、反射型液晶ディスプレイ(liquid crystal on silicon display)、陰極線管等であることができる。
【0053】
しかし、その他の実施形態では、遠隔測定式のIM釘10は、患者が自由に移動できるようにする無線通信設備を有する。この実施形態は部分的に図12に示される。
【0054】
遠隔測定式のIM釘10はセンサを備えるだけでなく、遠隔測定式のIM釘は、センサの読取り値又は外部のコマンドに基づいたいくつかの機能を行うための作動ユニットを備えることもできる。図15は、遠隔測定式のインプラントシステム10を示す。遠隔測定式のインプラントシステム110は、遠隔測定式の整形外科インプラント112、制御ユニット114、リーダ116、及び計算デバイス118を備える。リーダ116はデータを送受信するために制御ユニット114と無線通信する。リーダ116は有線又は無線で計算デバイス118に接続される。計算デバイス118は、携帯情報端末、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートパッドPC、生体測定監視デバイス、手持ち式コンピュータ、又はサーバなどの任意の数の周知のデバイスであることができる。計算デバイス118は整形外科インプラント112から受信したデータを分析するのに使用される。計算デバイス118は、データを蓄積し、かつ/又は遠隔測定式の整形外科インプラント112をプログラムするために使用できる。リーダ116及び計算デバイス118は単一のデバイスに組み込むことができる。
【0055】
整形外科インプラント112は1つ又は複数のセンサ120、マイクロコントローラ122、1つ又は複数の蓄積された成果物124、1つ又は複数の作動ユニット126を備える。センサ120は、誘発された信号を前置増幅器(図示されない)し、次いで増幅器(図示されない)、次いでフィルタ(図示されない)に出力する。次いで信号はマイクロコントローラ122に伝わり、マイクロコントローラ122はセンサの信号をアルゴリズムを介して処理し、情報を蓄積するか作動ユニット126に送るかを決定する。どのように作動するかを決定するのに使用されるアルゴリズムは、製造業者により、又は外科医の選好によって予めプログラムできる。作動ユニット126は、有線又は無線でマイクロコントローラ122と通信できる。制御ユニット114又はマイクロコントローラ122から信号を受信するとき、作動ユニット126は、それには限定されないが、生物学的マニピュレーション(biological manipulations)、抗生物質、抗炎症剤、痛み止め薬、骨形成の因子、無線マーカ、血管形成の因子、血管拡張薬、及び/又は成長因子を含む蓄積された成果物124を展開する。
【0056】
作動ユニット126は、特定の体積の医薬品又はその他の蓄積された成果物124を分配するポンプなどのMEMSデバイスであることができる。整形外科インプラント112は1つ又は複数のポンプが故障した場合に冗長性を提供するような同じ蓄積された成果物124を全て収容するこれらのポンプのうちのいくつかを備えることができる。ポンプは分配される蓄積された成果物124の1つ又は複数のリザーバを備える。蓄積された成果物124は、ロータリーポンプ、ピストンポンプ、形状記憶材料ポンプ等の任意のタイプの微小流体機構を使用して分配される。
【0057】
制御ユニット114は、発電機128、エネルギー蓄積デバイス130、論理回路132、マイクロコントローラ134、RF検出器コイル136、及びRF負荷スイッチ138を備える。
【0058】
(ユーザインターフェース)
いくつかの実施形態では、計算デバイス118はグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備える。GUIは医療提供者及び/又は患者が、たとえば遠隔測定式の整形外科インプラント112からのたとえば遠隔医療などの局部的又は遠隔的に収集されたデータに基づいて情報を表示できるようにする。GUIは通信するシステムを識別し、使用者にセキュリティ許可に関して促し、セキュリティ許可を確証し、遠隔測定式の整形外科インプラント112又はリーダ116からデータをダウンロードする。次いでデータはさらに処理されて、単純な個別の治癒の進行状態の数又は用語から、患者の歩行サイクル曲線の図表再生、患者の活動、患者のコンプライアンス、患者のデータ、医療提供者の情報、インプラント製造情報、外科的な技術、X線写真情報、コンピュータ断層撮影情報、磁気共鳴画像情報などの複雑な情報まで様々な形にできる。
【0059】
さらに患者には、感知された情報の結果としてGUIによって警告することができる。論理回路132は、遠隔測定式の整形外科インプラント112から受信したデータを監視し、ある変数が予め設定された限界を超えた場合に信号を送るのに使用できる。警告は、医師の治療介入を行うために往診が必要な場合、デバイスが過負荷になり、又は医師の治療介入なしに生じた状態をどのように管理するか使用者に知らせることができる。
【0060】
遠隔測定式のインプラントシステム110は多くの用途を有する。たとえば、患者は受けた負傷又は関節の再建を回復するために外科的な治療介入を受ける可能性があり、その間患者は負傷の回復を助けるために遠隔測定式の整形外科インプラントを受け入れる。インプラントは、1つ又は複数のセンサを使用して患者の回復の様々な側面を監視し、動作を行う必要があるかどうか決定し、そうしてプログラムされたように作動するように設計された電気機械的なシステムを利用することができる。
【0061】
(骨の治癒の早期監視)
固定及び手術が骨の治癒を促進できるが、骨折の治癒は適切な生理学的な治癒をさらに必要とし、その治癒はセンサ及び生体遠隔測定システムを使用してインプラントと周囲の骨の間のその場の負荷分布の変化を連続的に監視することによって達成できる。骨の質量及び構造はそこに加えられる機械的な負荷によって影響を受けることが知られている。内部の整形外科的な固定システムの管理の不足によって生じた応力遮蔽により適切な負荷が失われると、骨の質量が低下し、骨折の治癒が損なわれることになる。遠隔測定式の整形外科インプラントの主な機能は、外科的な配置の直後に負荷を支持することである。たとえば遠隔測定式の整形外科の釘は、髄内の管に外科的に配置した直後に負荷を支持する。骨折の治癒が進行するのに伴って、インプラントと骨の間の負荷分担が変化する。これは、骨折の位置により整形外科インプラント内に最適に配置された歪みゲージを使用して追跡できる。センサは、全ての空間の成分のうちの治癒する骨の負荷の成分を連続的に監視することによって、骨折の場合の接合の進行を監視するのに使用され、それはX線からは得ることが不可能である。定期的な継続管理により、接合が生じるまでの破片の相対運動の漸減を示すグラフがもたらされる。
【0062】
各骨折した患者は自身の固有の治癒曲線を生成するが、治癒曲線の一般的な形状は、骨折が接合状態か非接合状態に進むかどうかを示す。患者から生成される治癒曲線は、骨折のタイプ及び位置、健康状態(根底にある病気)、年齢、活動、リハビリテーション、及び体重がかかるまでの時間を含むいくつかの要因に依存する。
【0063】
計装されたIM釘と周囲の骨の間の負荷分布を示す、治癒時間の曲線に対する仮想の負荷が、図16及び図17に概略的に示される。図16では骨折は接合状態に進んでおり、図17では骨折は非接合状態を維持している。しかし、骨折の治癒はインプラントの負荷を低下させ、釘の残りの負荷は大きく、患者の活動と共に増加することが予測される。骨への負荷がインプラントを除去した後に50%まで増加できることが示唆されている。隣接する骨で測定される負荷は肢節を通って働く負荷からインプラントの負荷を引くことによって決定でき、それはフォースプレート又は天秤を使用して決定される。臨床医は、完全に機能的な肢節に関する基準の測定値を提供するために、反対側に位置する肢節を通って作用する負荷を測定することもできる。
【0064】
治癒曲線はいくつかの異なる方式で使用できる。第1に、能動的な遠隔測定式の整形外科インプラントの場合には、インプラント又は制御ユニットはデータを継続的に記録する。例として髄内釘の場合には、インプラントの歪みは患者の移動として記録される。外科医又はその他の医療提供者はインプラント又は制御ユニットからのデータを医療環境でダウンロードできる。データが処理され、治癒曲線がデータから生成される。図16のグラフと同様にインプラントの歪みが時間と共に減少していくのを外科医が観測すると、これは周囲の硬い組織が負荷の一部分を受け入れ、したがって骨折が治癒していることを暗示する。しかし、図17のグラフと同様にインプラントの歪みが時間と共に変化せず、患者が病院又はその他の医療施設から出されたときとほぼ同じレベルにあると、これは周囲の硬い組織が負荷を支えず、したがって骨折が治癒していないことを暗示する。
【0065】
第2に、遠隔測定式の整形外科インプラントはエネルギー源にさらされた場合を除いて継続的にデータを記録しない、受動的なデバイスであることができる。この実施形態では、病院又は医療施設は、遠隔測定式の整形外科インプラントにエネルギー供給し、データを記録することができるようにするエネルギー源を提供する。この例では、遠隔測定式の整形外科インプラントがエネルギー供給され、インプラントを設定されたレベルにして、影響を受けた骨に負荷がかけられ、センサの読取り値が取り込まれる。たとえば、インプラントは髄内釘であることができ、センサは負荷が加えられたときの釘の歪みを測定できる。感知されたデータはダウンロードされ、処理される。この例では、感知されたデータを前の測定値と比較しなければならない。たとえば、測定値は、日又は週などの所定の期間でとることができる。骨に加えられた負荷が不変で、時間を経て歪みが前の測定値と比較して減少すると、硬い組織が負荷の一部分を負担し、したがって骨折が治癒していることを暗示する。しかし、インプラントの歪みが時間を経て前の測定値と比較して不変のままであると、これは周囲の硬い組織が負荷を支えず、したがって骨折が治癒していないことを意味する。
【0066】
本明細書に述べた種類の遠隔測定式の整形外科インプラントは、骨折が治癒するか、最初の負荷測定での変化率に基づいていないかどうかについて早期の表示を与えるアルゴリズムを利用する。センサによって提供される情報は、強度及び剛性の点で周囲の骨によりコンプライアンスを有する新しい種類の整形外科インプラントを設計するのにも使用できる。
【0067】
遠隔測定式の整形外科インプラントの機能性は、プラスチックの骨折モデルを使用して生体外で実証できる。図18及び図19に示されるこの試験では、遠隔測定式の髄内釘220が手の付けられていない大腿骨のモデル200に挿入され、負荷の関数として歪みの変化を観察しながら、次第に周縁部の骨折の間隙210を生じさせる。このようにして、生体内で一般的に観察される骨折状態を逆行させる。歪みゲージが、釘220の中央及び側面に取り付けられ、骨折の間隙の配置に対応させるように釘のシャフトに配置される。この研究から得られたデータの解釈は、生体内での骨の治癒を測定する能力を表す。釘の構造は、予め定められた増分で0lbfから300lbfの段階別の変位で負荷を加えられ、歪みは各負荷の増分で測定される。第1の一連の歪みの測定は、全く手が付けられていない骨のモデルを用いて行われる。次の一連の歪みの測定が、骨折の間隙210の75%をその代わりに用いて行われる。続いて、第3、第4、及び第5の一連の歪みの測定が、それぞれ骨折の間隙210の50%、25%、及び0%をその代わりに用いて行われる。最終的な一連の歪みの測定が、その元の位置に再挿入される骨折の間隙のセグメントを用いて行われる。骨折の間隙210は約5mmの厚さであり、釘200の動作距離の半分になるように骨のモデルのシャフトに配置され、それは固定用留め具の間の距離の半分であることを意味する。
【0068】
図20は、人工的に誘発された周縁部の間隙を使用する、逆行でシミュレーションされた骨の治癒を示す。図21は、100%(完全に手を付けられていない)、75%、50%、25%、及び0%(完全に骨折した)の骨折の間隙をその代わりに用いてプラスチックの骨折モデルから得られる、歪み曲線に対する負荷を示す。
【0069】
(歩行分析)
本発明は、外部のデバイスがデータにアクセスし、データを患者、外科医、医療提供者、又は理学療法士などの査閲者に示すまで歩行データが集められ、処理され、記憶される、歩行分析器具も備える。遠隔測定式の整形外科インプラントは約1から2000Hzの範囲のサンプリング率で時間を経て変化する加速度を出力できる加速度計を備えることができる。加速度計を着用し、着用者が通常の補助されない歩行を受けることから得られる、グラフで表したデータ出力の例に関しては、図22を参照されたい。次いでセンサの出力データは、分析のために所望したとおりに操作される。1つのそのような方法は、時間領域から周波数領域にデータを変換し、生体測定のマーカ又はパターンを探すことである。図23〜図25は、周波数領域に変換された図22に示されるものと同様のデータを示す。これらの図では、図23〜図25での違いとして見られる着用者の歩行シグニチャ(gait signature)を定義する様々な周波数での個別のピークが見られる。患者の歩行は、時間及び加齢と共に次第に変化し、又は患者が下肢の骨のいずれかに極度の外傷を受けた場合のように急激に変化する。人工的に誘発された鎮痛歩行パターンに関する周波数領域の歩行シグニチャが図26で分かる。
【0070】
歩行分析器具は、基本的な情報が集められ、処理できるようにし、それによって対象の歩行サイクルに対して確実な価値のあるデータを生み出す。このデータは、負傷したときに通常の歩行サイクルを妨げる少なくとも患者の下肢で患者の治癒状態を診断するのに使用できる。歴史的に、患者の骨の治癒過程の段階を決定するために、外科医はX線写真又はその他の撮影技術に依存する必要があった。これらの器具は有用であるが、診断の誤差が生じる。この可能性が生じるいくつかの領域には、それには限定されないが、画質、視差、誤診が含まれる。さらに、これらの診断器具が存在するが、外科医は画像よりも患者の証言により大きく依存する。歩行分析器具は、外科医に治癒過程全体を通じて患者から収集された目的の不偏データを提供することによって、診断から推量を排除する。歩行分析器具は、治癒を早めるために注入可能なセメント又は脱灰骨基質などの生物学的な材料を使用して治療を増強するのに治療介入が必要な場合に、又は再手術が必要な場合に、治療過程で外科医がより早期に理解できるようにする。本明細書で述べられた遠隔測定式の整形外科インプラントはメモリ機能を有するので、患者のデータが記憶でき、したがってデータの容易な伝達ができるようになる。このデータは、個人データ、患者の履歴情報、並びに患者の活動を含む。活動が捕らえられた場合、外科医は患者が術後のリハビリテーションの養生法を正確に行っているかどうか見分けることができる。これにより外科医は、現在既に利用されている技術では実現不可能なさらなる養生法を正確に予測及び処方することができるようになる。
【0071】
図27は、歩行分析を実施するステップを示す。医師又は医療提供者などの実施者は、ステップ310から開始する。ステップ312では、実施者は患者からのデータを読み取る。たとえば、患者はデータを患者の移動として継続的に測定する、能動的な遠隔測定式の整形外科用器具を有することができる。例として髄内釘の場合には、インプラントの加速は患者の移動として記録される。外科医又はその他の医療提供者はインプラント又は制御ユニットからのデータを医療環境でダウンロードできる。データがダウンロードされた後に、それはステップ314でデータを時間領域から周波数領域に変換するために処理される。これによって医師、医療提供者、又はソフトウェアが生体測定のマーカ又はパターンを探すことができるようになる。
【0072】
データが継続的に監視されるので、ステップ312で外部からのデータもダウンロードされる。たとえばデータは患者が着座している場合に記録できる。任意選択のステップ316では、包括的なダウンロード内でピークストライド及びピーク歩調のデータを探すための決定が用いられる。決定316を利用することによって、歩行情報が包括的なデータに存在することを確実にすることができる。歩行情報がない場合には、医師又は医療提供者は包括的なデータを取得するために別のときにステップ312に戻る。
【0073】
ステップ318〜332では、歩行情報が抽出され、分析のグループに配置される。このようにして、医師又は医療提供者はどのようにして歩行が1つのグループから次のグループに変わるかを見ていることを確実にすることができる。たとえば、第1のグループの歩行情報は第1の期間を形成でき、第2のグループの歩行情報は第2の期間を形成できる。
【0074】
ステップ318では、ストライド振幅、歩調振幅、ストライド周期、及び、歩調周期が推定される。ステップ320では、単純化された単一の歩行サイクルのグループが生成される。ステップ322で包括的なデータが分類され、単純化された単一の歩行サイクルのグループと関連付けられる。データはステップ324で反復的に処理される。ステップ326では、関連付けが適応可能な閾値の上にあるかどうか判断が行われる。そうである場合、ステップ330で関連付けられたサイクルは歩行グループとして認識される。そうでない場合、ステップ328でサイクルは非歩行データであると判断される。全てのデータが歩行データ又は非歩行データとして分析されるまで、データは反復的に処理される。歩行サイクルが認識された後に、歩行サイクルはステップ334で分析され、ステップ336でプロセスが完了する。
【0075】
あるいは、歩行データは病院又は医療施設で収集及び分析できる。言い換えれば、医師又は医療提供者の立会いの下に患者が移動し、データが記録される。しかし、このタイプのデータ収集は長期間にわたる分析を可能にすることができない。さらに、患者は病院又は医療施設の外にいるときコンプライアンスがなく、医師又は医療提供者の立会いの下ではコンプライアンスを有する傾向がより強いので、このタイプのデータ収集は、患者のコンプライアンスを測定できるようにすることができない。しかし、別個の期間にとられた歩行データは、骨折が接合状態に進行しているか否かの表示をさらに提供する。
【0076】
(結論)
示された実施形態は特に骨の治癒のために設計された、計装された髄内釘の機能に注目しているが、別の実施形態には、センサ及びその他の電子部品をプレート、骨ねじ、カニューレを挿入されたねじ、ピン、ロッド、ステープル、及びケーブルなどのその他の移植可能な外傷用製品内に組み込むことが含まれる。さらに、本明細書に示された計装は、人工膝関節置換術(TKR)、及び人工股関節置換術(THR)、歯科インプラント、及び頭蓋顎顔面インプラントなどの関節置換インプラントに拡張可能である。
【0077】
患者は無線の計装化された関節再建用製品を受ける。1つ又は複数のセンサを使用して患者の回復を監視し、患者のリハビリテーションに何らかの治療介入が必要かどうかについて決定を行うために、インプラント内の電気機械システムを使用することができる。遠隔測定式の関節交換機器は、インプラントで生成された完全な組の歪み値を継続的に測定し、それらをインプラントの主要な機能を妨げることなく患者から研究所のコンピュータシステムに伝送する。あるいは、患者の外部で着用可能なデバイスの形で有線システムを利用することができる。また、電気機械的なシステムは患者の回復の様々な態様を監視するように設計できる。
【0078】
無線技術は、インプラントの過負荷の早期の検出が可能になるように歯科インプラントに導入できる。インプラントに加えられる長時間の過剰な咬合力が、これらの力に耐えそれに順応する骨インプラント境界面の能力を超えた場合に過負荷が起こり、「オセオディスインテグレーション(osseodisintegration)」と定義されるインプラント境界面での繊維質の交替及び完全なインプラントの破損を生じる。また、外部の供給源からメモリ内の歪みデータに選択的にアクセスするために通信リンクを使用できる。
【0079】
計装化手順に関連する技術は、(たとえば皮膚筋、腱、靭帯、軟骨などの)軟組織の修復を監視し、(腎臓、肝臓、胃、肺、心臓などの)内部器官を修復及び監視するようにも適合できる。
【0080】
従来技術に勝る本発明の利点は、部品を保護する様式で固定デバイス内に部品を組み込み、センサとその周囲環境の間の正確かつ安定した連結を提供し、インプラント自体の機能性を維持することに関し、大規模製造に適している。デバイスは情報が集められ処理できるようにし、患者の骨の治癒過程に対して有用な医療データを生成する。
【0081】
計装化されたデバイスは、治癒過程によって患者から収集された患者の目的の定量的なデータを提供することによって、X線、CT、及びMRI撮影などの従来の診断技術から推量を排除する。現在、骨折が治癒する間、並びに異なる患者及び理学療法活動中に存在する骨格の負荷を定量化するデバイスが全くない。さらに骨折が治癒する間のインプラントと隣接する骨の間の負荷分布も未知である。そのようなデータは、改善された骨折の治癒に関する術後の手順を最適化するのを助ける。本明細書で述べられたデバイスは、オンボードセンサ、及び患者のデータを記憶できるようにし、したがってデータの早期の伝送を可能にするメモリ設備を有することによってこれに対処する。このデータは患者の履歴及び患者の活動を含む。デバイスは、必要である場合に骨の治癒又は再手術を促進/加速するのを助けるために、薬剤の投与、整形外科用生物材料(orthobiologics)、セメント、又は脱灰骨基質の注入などの、外科医による早期の治療介入も可能にする。
【0082】
前述したことを考慮すると、本発明のいくつかの利点が達成及び得られることが分かる。とりわけ、可能性のある医療的な利点には、往診の数の減少、患者が苦しむ痛みの軽減、骨折の治癒に関するデータの改善、及び遅延又は非結合の早期の通知が含まれる。
【0083】
本発明の原理及びその主要な用途を最も良く説明するために実施形態が選択及び説明され、それによって当分野の技術者が企図される特定の用途に適するような様々な実施形態で、また様々な変更形態を使用して本発明を最も良く利用できるようになる。
【0084】
本発明の範囲から逸脱せずに本明細書に説明及び例示された構造及び方法に様々な変更を行うことができるので、前述の説明に含まれ、又は添付の図面に示される全ての事象は、限定でなく例示として解釈されることが意図される。したがって、本発明の広さ及び範囲は、上述の例示の実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきではなく、以下の本明細書に添付された特許請求の範囲及びその等価物にのみ従って定義されるべきである。
【符号の説明】
【0085】
10 髄内(IM)釘
12 センサ
12a センサ
12b センサ
12c センサ
14 窪み
16 導線
18 電子部品
20 近位領域
22 中央又は中間のシャフト領域
24 遠位領域
26 近位の孔
28 遠位の孔
30 注封材料
32 送電機
34 DC電源
36 アナログ/デジタル変換器及びマイクロプロセッサの組合せ
38 センサデータ送信機
40 電子部品
42 電子部品
44 釘ヘッド挿入部
46 穴
50 データ受信機
52 センサデータ受信機
54 送電機
60 手持ち式デバイス
62 制御ユニット
64 キャスト
66 ディスプレイ
68 スピーカ
100 患者
102 脚
110 インプラントシステム
112 整形外科インプラント
114 制御ユニット
116 リーダ
118 計算デバイス
120 センサ
122 マイクロコントローラ
124 蓄積された成果物
126 作動ユニット
128 発電機
130 エネルギー蓄積デバイス
132 論理回路
134 マイクロコントローラ
136 RF検出器コイル
138 RF負荷スイッチ
200 大腿骨のモデル
210 間隙
220 髄内釘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.整形外科インプラントであって、
i. 少なくとも1つのセンサと、
ii. 前記少なくとも1つのセンサを受けるようになされた第1の窪みと、
iii. 前記少なくとも1つのセンサに電気的に接続され、少なくとも1つの電源、第1の送信機、第1の受信機、及び、第1のマイクロプロセッサを備える電子部品と、
iv. 前記電子部品を受けるようになされた第2の窪みと、
v. 前記第1の窪み及び前記第2の窪みを密封するための注封材料と、
vi. 前記電子部品に電気的に接続された電源と、
vii. 前記電子部品に電気的に接続され、条件に基づいて機能を実行するようになされた作動ユニットと、
を備える整形外科インプラントと、
b.制御ユニットであって、
i.第2のマイクロプロセッサと、
ii.前記第2のマイクロプロセッサに電気的に接続され、信号を前記電子部品の前記第1の受信機に送るようになされた第2の送信機と、
iii.前記第2のマイクロプロセッサに電気的に接続され、データを前記電子部品の前記第1の送信機から受けるようになされた第2の受信機と、
を備える制御ユニットと、
を含んでなることを特徴とする、遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項2】
前記整形外科インプラントが髄内釘であることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項3】
前記髄内釘が貫通孔を含んでなることを特徴とする、請求項2に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項4】
前記第1の窪みの深さが約0.1mmから約2.0mmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサが、箔歪みゲージ、半導体歪みゲージ、振動式のビームセンサ、力覚センサ、圧電素子、ファイバブラッググレーティング、及び、巨大磁気インピーダンス(GMI)センサからなるグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットがグラフィカルユーザインターフェースをさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項7】
前記整形外科インプラントがカップインサートをさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項8】
前記第1の送信機及び前記第1の受信機が単一の第1のトランシーバに結合され、第2の送信機及び第2の受信機が単一の第2のトランシーバに結合されることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項9】
手持ち式デバイスをさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項10】
リーダをさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項11】
計算デバイスをさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項12】
歩行分析器具をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項13】
前記機能が蓄積された成果物の分配であることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項14】
前記状態が前記少なくとも1つのセンサによって得られるデータに基づいていることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項15】
前記状態が前記制御ユニットによって提供されるコマンドに基づいていることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサが、歪みゲージ、pHセンサ、温度センサ、圧力センサ、流れセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、音響センサ、電圧センサ、パルスメータ、画像取込みデバイス、バイオマーカ表示器、化学物質検出器、及び、生物学的表示器からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項17】
前記バイオマーカ表示器が特定のたんぱく質表示器であることを特徴とする、請求項16に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項18】
前記化学物質検出器が、酸素検出器、酸素ポテンシャル検出器、及び、二酸化炭素検出器からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項16に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項19】
前記電源が、バッテリ、エネルギースカベンジングデバイス、及び、誘導性の電源からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項20】
前記エネルギースカベンジングデバイスが、運動の動力を与えられた圧電デバイス、及び、電磁発電機からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項19に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。
【請求項21】
前記エネルギースカベンジングデバイスに電気的に接続された電荷蓄積デバイスをさらに含んでなることを特徴とする、請求項19又は20に記載の遠隔測定式の整形外科インプラントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−39444(P2013−39444A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257723(P2012−257723)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2008−528223(P2008−528223)の分割
【原出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】