説明

遠隔超音波診断被検体側装置、遠隔超音波診断診察者側装置、および遠隔超音波診断システム

被検体側装置10Aは、超音波送受信部12により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリ15を備える。フリーズ後に、病院者側装置20Aで再生対象フレームを指示するポインタを移動させる毎に、被検体側装置の通信回線インターフェース14は、病院者側装置の操作卓24で再送信要求されたフレームをシネメモリから再生して、通信回線30を介して病院側装置の通信回線インターフェース21に再送信し、再送信されたフレームの超音波画像が観測モニタ23に表示される。診察者が遠隔の被検体を通信回線経由で診断する際に、回線のデータレートが低い場合でも、オリジナル画質に比べて画質の低下が十分に抑制された超音波画像を表示することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の超音波診断システムに関し、特に、被検体と診察者(病院の医師)とが物理的に離れていても、診察者の診断に耐え得る超音波画像を提供できる遠隔超音波診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
簡便に被検体の断層画像をリアルタイム超音波動画像として提供する超音波診断装置が小型化するにつれて、かかる超音波診断装置は、超音波検査室以外の場所、例えば病棟のベットサイド、個人診療所、企業内健康管理室、など各種の医療診断や検査時において重要な役割を果たしつつある。
【0003】
しかし、表示された超音波動画像を見て正しく診断できる診察者としての医師の数は限定されており、今後の市場拡大が予測される在宅医療用の装置として超音波診断装置が普及した場合には、超音波画像を読影できる医師の絶対数不足が懸念されている。
【0004】
また、インターネットに代表される通信回線網の高速化が進むにつれて、あらゆるフィールドで通信回線経由の接続が可能となってきているが、例えば飛行中の航空機、航行中の船舶、走行中の列車内などで急病人が発生した場合や、けが人を搬送中の救急車など、患者の近くに医師が不在の場面であっても、通信回線経由で接続された先の病院(の医師)から的確な診断ができる遠隔診断可能な超音波診断装置の開発が期待されている。かかる超音波診断装置として、通信回線を利用した遠隔超音波診断システム(例えば、特許文献1)などが知られている。
【0005】
上述のように、近年、インターネットなどの通信回線に流せるデータレートが飛躍的に高速化されてきているが、超音波診断装置で生成されるリアルタイム超音波動画像を非圧縮の状態で送出できる速度には到達していない。従って、上記従来例では、リアルタイム超音波動画像を送出する際に、通信回線のデータレートの上限値以下に画像情報を圧縮し、かつ画質劣化を極力押さえられるMPEG方式などの高効率なデータ圧縮手法が導入されて、回線のデータレートが低い場合でも極力、原画像に近いリアルタイム超音波動画像を送る努力が続けられている。
【0006】
遠隔超音波診断システムおいて、超音波画像を受信する病院側の装置では、通信回線の速度に起因して、画質を落とす、画像サイズを小さくする、フレームレートを低下させる、などの医療診断にマイナス影響を与える可能性がある要因を排斥することが求められる。
【特許文献1】特開2002−17732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、長時間に渡って安定した通信回線のデータレートを確保できる場合は極めて稀で、回線のデータレートが不足しているような場合には、例えば、原画像が30フレーム/秒の場合でも、受信側は15フレーム/秒などにするような受信側(または送信側)でのコマ落ち欠落を発生させることで、実時間と一致させるような回避策が講じられている。
【0008】
また、臨床現場での超音波診断では、リアルタイムに超音波動画像で診断した後に、画像を一旦フリーズさせて、装置内部のメモリに蓄積された画像データを再生するシネメモリ機能を使って、診断内容を再確認したり、また記録装置に出力したりすることが頻繁に実施されている。更に、心臓など循環器系の診察時では、例えば、原画像が30フレーム/秒であるのに15フレーム/秒にコマ落ち欠落した画像しか再生できないことは、診察者(医師)に対して必要十分な画像情報を提供できない、という問題を有していた。
【0009】
また、データ圧縮には専用のハードウエア(または高速処理ソフトウエア)が必要となることに加え、画像圧縮の方式に依存したタイムラグが発生し、一般的には圧縮率が高くなればタイムラグも大きくなる傾向がある。これにより、遠隔地で診察している医師のストレスが増大し、診断効率を低下させる要因となる。また、高効率であっても非可逆方式の圧縮手法で圧縮された画像情報であるため、病院側の装置に表示される超音波画像の画質がオリジナル画質に比べて低下することは避けられない、という問題を有していた。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、診察者が遠隔の被検体を通信回線経由で診断する際に、回線のデータレートが低い場合でも、オリジナル画質に比べて画質の低下が十分に抑制された超音波画像を表示することが可能な遠隔超音波診断システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムを前提とする。
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の被検体側装置は、電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号から超音波画像データを生成する画像生成部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリと、フリーズ後に前記診察者側装置から再送信要求されたフレームを前記シネメモリから再生して、前記通信回線を介して前記診察者側装置に再送信する通信回線インターフェースとを備える。
【0013】
また、本発明に係る第1の診察者側装置は、フリーズ後に、前記被検体側装置の超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリからの再生対象フレームを指示するポインタを移動させる毎に、前記被検体側装置の通信回線インターフェースに対して前記再生対象フレームの再送信要求を出して、前記通信回線を介して再送信させる通信回線インターフェースと、再送信されたフレームの超音波画像を構築する画像構築部と、前記画像構築部により構築された超音波画像を表示する表示手段とを備える。
【0014】
また、本発明に係る第1の遠隔超音波診断システムは、第1の被検体側装置と第1の遠隔超音波診断診察者側装置とを通信回線を介して接続した構成を有する。
【0015】
この構成により、被検体側装置にシネメモリ機能を持たせて、診察者(病院)側装置がフリーズされた後、病院側装置においてシネメモリ再生目的でフレームポインタを動かす毎に、被検体側装置からポインタで指定された画像を再送信させることで、たとえライブモード時に通信回線の速度不足により断続的にフレームがコマ落ち欠落した場合や、また通信回線の通信障害により連続的に複数フレームがコマ落ち欠落した場合であっても、フリーズ後には、病院側装置でコマ落ち欠落なくシネメモリ再生表示が可能となる。
【0016】
第1の遠隔超音波診断システムにおいて、前記被検体側装置の通信回線インターフェースは、フリーズ後に前記被検体側装置のシネメモリに蓄積された総フレームの少なくとも一部を前記診察者側装置にバックグランドで再送信し、前記診察者側装置は、フリーズ後に再送信されたフレームの超音波画像を格納するシネメモリを備えることが好ましい。
【0017】
この構成により、病院側装置にもシネメモリ機能を持たせ、フリーズ直後から被検体側装置のシネメモリに蓄積された情報を(バックグランドなどで)受信して病院側装置のシネメモリに蓄積すれば、仮に回線状況が悪化して、被検体側と病院側間の回線が切れてしまったような場合でも、病院側装置単独でコマ落ち欠落のないシネメモリ再生表示による診断が可能となる。
【0018】
第1の遠隔超音波診断システムにおいて、前記被検体側装置は、前記診察者側装置に再送信している超音波画像を表示する表示手段を備えることが好ましい。
【0019】
この構成により、病院側装置から再送信要求されているフレームを病院側装置に再送信する際に、被検体側装置の第2の表示手段にも表示すれば、被検体側(の操作者)と病院側(の医師)とで同一画像による診断情報を共有できる。
【0020】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の被検体側装置は、電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号から超音波画像データを生成する画像生成部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリと、フリーズ後に前記被検体側装置において再送信要求されたフレームを前記シネメモリから再生して超音波画像として表示する表示手段と、前記表示手段に表示している超音波画像に対応するフレームを、前記通信回線を介して前記診察者側装置に再送信する通信回線インターフェースとを備える。
【0021】
また、本発明に係る第2の診察者側装置は、フリーズ後に、前記被検体側の通信回線インターフェースから前記通信回線を介して再送信されてきたフレームを受信する通信回線インターフェースと、再送信されたフレームの超音波画像を構築する画像構築部と、前記画像構築部により構築された超音波画像を表示する表示手段とを備える。
【0022】
また、本発明に係る第2の遠隔超音波診断システムは、第2の被検体側装置と第2の診察者側装置とを通信回線を介して接続した構成を有する。
【0023】
この構成により、被検体側装置でシネメモリからの再生機能を使って被検体側装置の表示手段に再生表示する際に、表示されているフレームを病院側装置にも再送信すれば、第3の遠隔超音波診断システムと同様に、被検体側(の操作者)と病院側(の医師)とで同一画像による診断情報を共有できる。
【0024】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第3の被検体側装置は、電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号に対してフィルタリング処理を施して超音波画像データを生成する画像生成部と、前記画像生成部により生成された超音波画像データを、前記通信回線を介して前記診察者側装置に送信する通信回線インターフェースとを備える。
【0025】
また、本発明に係る第3の診察者側装置は、前記被検体側装置の通信回線インターフェースから、前記通信回線を介して送信された超音波画像データを受信する通信回線インターフェースと、受信された超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバート手段と、前記スキャンコンバート手段により走査変換された超音波画像データを表示する表示手段とを備える。
【0026】
また、本発明に係る第3の遠隔超音波診断システムは、第3の被検体側装置と第3の診察者側装置とを通信回線を介して接続した構成を有する。
【0027】
この構成により、遠隔超音波診断システムにおける診察者(病院)側装置の内部回路で最もデータレートが低く(=少なく)なっている、病院側装置のスキャンコンバート手段に入力される直前の超音波画像データに着目し、画像生成部により、超音波画像データを病院側装置のスキャンコンバータ用に最適化するために、フィルタリング処理(または、リサンプリング処理)を施し、最適化された画像データを直接通信回線に送出し、病院側装置では、スキャンコンバート手段により、通信回線を介して受信された超音波画像データの走査線数を変換して画像表示することで、特別な画像圧縮手段が不要、従って圧縮によるタイムラグが発生しない、アルタイム超音波動画像を送受信することが可能となる。
【0028】
第3の遠隔超音波診断システムにおいて、前記診察者側装置の表示手段は、前記被検体側装置から送出されるリアルタイム超音波動画像をリアルタイム超音波動画像として表示する構成を有することが好ましい。
【0029】
この構成により、高圧縮率の画像圧縮手段を用いた場合と同等以下のデータレートでオリジナルの画像データがリアルタイムに送出できるので、通信回線経由で接続された病院側装置では、オリジナル画質を損なわないリアルタイム超音波動画像を受け取ることが可能となる。
【0030】
また、この遠隔超音波診断システムにおいて、前記被検体側装置は、前記画像生成部により生成された超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバート手段と、該スキャンコンバート手段により走査線変換された超音波画像データを表示する表示手段とを備えることが好ましい。
【0031】
この構成により、被検体側装置にもスキャンコンバータを搭載することにより、病院側装置に表示される画像と同一の画像を被検体側装置でもリアルタイム超音波動画像として表示することができ、被検体側(の操作者)と病院側(の医師)とで診断情報を共有できる。
【0032】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第4の被検体側装置は、電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号に対してフィルタリング処理を施して超音波画像データを生成する画像生成部と、前記超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリと、フリーズ後に前記診察者側装置から再送信要求されたフレームを前記シネメモリから再生して、前記通信回線を介して前記診察者側装置に再送信する通信回線インターフェースとを備える。
【0033】
また、本発明に係る第4の診察者側装置は、フリーズ後に、前記被検体側装置の超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリからの再生対象フレームを指示するポインタを移動させる毎に、前記被検体側装置の通信回線インターフェースに対して前記再生対象フレームの再送信要求を出して、前記通信回線を介して再送信させる通信回線インターフェースと、再送信されたフレームの超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバート手段を含み、前記スキャンコンバート手段により超音波画像を構築する画像構築部と、前記画像構築部により構築された超音波画像を表示する表示手段とを備える。
【0034】
また、本発明に係る第4の遠隔超音波診断システムは、第4の被検体側装置と第4の診察者側装置とを通信回線を介して接続した構成を有する。
【発明の効果】
【0035】
本発明の遠隔超音波診断システムによれば、診察者が遠隔の被検体を通信回線経由で診断する際に、回線のデータレートが低い場合でも、オリジナル画質に比べて画質の低下が十分に抑制された超音波画像を表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【図2】通信回線の状況によりコマ落ち欠落が発生する状態を示す模式図
【図3】シネメモリから再生要求されたフレームを再送信する状態を示す模式図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【図8】単密度掃引時における図1の超音波プローブの音響走査線数を例示する模式図
【図9】図1のスキャンコンバータに入力される画像データ数を例示する模式図
【図10】図1の観測モニタに表示されるVGAサイズの超音波画像を例示する模式図
【図11】パーソナルコンピュータを病院側装置として利用した場合の、第5の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの変形例を示す概略ブロック図
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図
【符号の説明】
【0037】
10A、10B、10C、10D、10E、10F 被検体側装置
11 超音波プローブ
12 超音波送受信部
13 画像生成部
14 通信回線インタフェース
15 シネメモリ
16 観測モニタ
17 操作卓
18 画像生成部
20A、20B、20C、20D、20E 病院側装置
21 通信回線インタフェース
22 画像構築部
23、26 観測モニタ
24 操作卓
25 シネメモリ
27 スキャンコンバータ
30 通信回線
40、41 パーソナルコンピュータ
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。被検体側装置10A内の超音波送受信部12で生成された送信パルスは、被検体側装置10Aに接続された超音波プローブ11(電気音響変換手段)を駆動し、超音波プローブ11から被検体内に超音波信号が送信され、同時に受信が開始される。受信された超音波信号は超音波送受信部12で遅延合成されて、画像生成部13で超音波画像データが生成される。また、画像生成部13への入力信号はシネメモリ15(被検体側装置のシネメモリ)へも入力され、シネメモリ15は、超音波送受信部12からの受信信号を画像情報としてフレーム単位で順次格納してゆく。
【0040】
画像生成部13で生成された画像データは、通信回線インタフェース14(被検体側装置の通信回線インタフェース)からインターネットやLANなどの通信回線(ネットワーク)30に送出される。病院側装置20A(診察者側装置)では、被検体側装置10Aから通信回線30を介して送信されてきた画像データを、通信回線インタフェース21(診察者側装置の通信回線インタフェース)で受信して、その画像データを画像構築部22に送り、最終的に観測モニタ23(診察者側装置の表示手段)に超音波画像を表示させる。
【0041】
ここで、図2に示すように、被検体側装置10Aから30フレーム/秒の画像データを病院側装置20Aに送出する際に通信回線のデータレートが不十分である場合には、病院側装置20Aで受信できるフレームには断続的にコマ落ち欠落フレームが発生する。例えば半分のデータレートしか確保できない場合には、15フレーム/秒のフレームについてコマ落ち欠落が発生する。更に、何らかの通信障害が追加発生すれば、連続的に複数枚のフレームがコマ落ち欠落するような場合もあり得る。
【0042】
実際の超音波診断の現場では、ライブモードでリアルタイムに超音波画像を診断した後に、画像を一旦フリーズさせて、装置内部のメモリに蓄積された画像データをフレーム再生するシネメモリ機能を使って、再度診断内容を確認したり、記録装置に出力したりすることが頻繁に実施されている。しかし、フリーズ後の病院側装置20Aには、図2に示すように、1秒間に12フレーム分しか画像データが到着せずコマ落ち欠落している部分が多いので、操作卓24から、例えばフレーム『04』やフレーム『20』に対してシネメモリ再生要求が発生した場合に、図3に示すように、自動的に被検体側装置10Aから指定フレームが再送されて、病院側装置20Aの観測モニタ23に表示される。
【0043】
この場合、フリーズ後であるので、ライブモードでリアルタイムに超音波画像を送受信するには不十分な回線速度であっても、シネメモリ機能によりフレーム再生を要求された1フレーム分の画像データを送受信することが可能となる。これにより、病院側装置20Aの操作者(医師)にとっては、1秒間に被検体側装置10Aで取得した1秒間当たり30フレーム全てがコマ落ち欠落すること無く、シネメモリ再生による診断を実施することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、被検体側装置10Aにシネメモリ機能を持たせて、病院側装置20Aがフリーズされた後、病院側装置20Aでシネメモリ再生目的でフレームポインタを動かす毎に、被検体側装置10Aからポインタで指定された画像を再送信させることで、たとえライブモード時に通信回線の速度不足により断続的にフレームがコマ落ち欠落した場合や、また通信回線の通信障害により連続的に複数フレームがコマ落ち欠落した場合であっても、フリーズ後には、病院側装置20Aでコマ落ち欠落なくシネメモリ再生表示できる優れた遠隔超音波診断システムを提供することが可能となる。
【0045】
なお、病院側装置20Aは、通信回線に接続可能なパーソナルコンピュータを活用してもよい。
【0046】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。図1に示したシステムを構成する要素と同様の要素には同一の参照番号を付して、説明を簡略化する。本実施形態では、病院側装置20B内にもシネメモリ25(診察者側装置のシネメモリ)が設けられている。
【0047】
図4のシステムにおいて、病院側装置20Bの操作卓24からフリーズ要求が掛けられると、観測モニタ23に表示される超音波画像はフリーズする。同時に、通信回線インタフェース21から通信回線30経由で被検体側装置10Aにフリーズ情報が伝達されると共に、シネメモリ15に蓄積された画像データの再送信要求が発行され、シネメモリ15に蓄積されたデータは、画像生成部13、通信回線インタフェース14、通信回線30を経由して、病院側装置20B内のシネメモリ25に送信されて格納される。この時、再送信は、観測モニタ23の表示画像を変えずにバックグランドで実行することが望ましい。
【0048】
画像情報の転送が完了した後に、操作卓24からシネメモリ再生指示が発行されると、ライブモード時にコマ落ち欠落した画像であっても、フリーズ後には、シネメモリ25に全てのフレームが再転送済みであるので、観測モニタ23にはコマ落ち欠落すること無くシネメモリ画像が再生表示できる。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、病院側装置にもシネメモリ機能を持たせ、フリーズ直後から被検体側装置のシネメモリ15に蓄積された情報を(バックグランドなどで)受信して病院側装置のシネメモリ25に蓄積すれば、仮に回線状況が悪化して、被検体側と病院側間の回線が切れてしまったような場合でも、病院側装置20B単独でコマ落ち欠落のないシネメモリ再生表示による診断ができる。
【0050】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。本実施形態では、被検体側装置10B内にも観測モニタ16(被検体側装置の表示手段)が設けられている。
【0051】
図5のシステムにおいて、第1の実施の形態と同様に、操作卓24からシネメモリ再生要求が発生した場合に、通信回線30の回線状況に依存せずに画像フレームが記録されている被検体側装置10B内のシネメモリ15から指定フレームを病院側装置20Aの通信回線インターフェース610に再送信して、画像構築部22を介して観測モニタ23に表示すれば、1秒間当たり30枚の画像フレーム全てがコマ落ち欠落すること無くシネメモリ再生できる。その際に、被検体側装置10B内の観測モニタ16にも、病院側装置20Aに向けて送出されている画像が表示される。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、病院側装置20Aから再送信要求されているフレームを病院側装置20Aに再送信する際に、被検体側装置10Bの観測モニタ16にも表示すれば、被検体側(の操作者)と病院側(の医師)とで同一画像による診断情報を共有できる優れた遠隔超音波診断システムを提供することが可能となる。
【0053】
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。本実施形態では、被検体側装置10C内に操作卓17が設けられている。
【0054】
図6のシステムにおいて、フリーズ後に、被検体側装置10C内の操作卓17でシネメモリ再生要求が発生した場合に、自動的に指定フレームが、シネメモリ15から病院側装置20Cに送出される。その際に、被検体側装置10C内の観測モニタ16に表示されているフレームが、病院側装置20Cの通信回線インターフェース21に再送信され、画像構築部22を介して観測モニタ26に表示される。
【0055】
被検体側装置10Cの観測モニタ16に表示している再送信要求されているフレームを病院側装置20Cに再送信して、病院側装置20Cの観測モニタ26にも表示すれば、被検体側(の操作者)と病院側(の医師)とで同一画像による診断情報を共有できる優れた遠隔超音波診断システムを提供することが可能となる。
【0056】
(第5の実施の形態)
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。図7において、被検体側装置10D内の超音波送受信部12で生成された送信パルスは、128ch型の超音波プローブ11を駆動し、超音波プローブ11から被検体内に超音波信号が送信され、同時に受信が開始される。受信された超音波信号は超音波送受信部12で遅延合成されて、画像生成部18により、フィルタリング処理(または、リサンプリング処理)が施されて、スキャンコンバート用に最適化されたデータ数の超音波画像データに変換される。画像生成部18でフィルタリング処理が施された超音波画像データは、通信回線インタフェース14から通信回線30に送出される。
【0057】
病院側装置20D内の通信回線インタフェース21は、通信回線30を介して送信された超音波画像データを受信して、受信された超音波画像データはスキャンコンバータ27(診察者側装置のスキャンコンバート手段)に入力される。スキャンコンバータ27は、超音波画像データを超音波プローブ11の物理的な形状に合致した画面形状に整形して、観測モニタ23に超音波画像を表示させる。
【0058】
ここで、一般的な超音波診断装置のビデオ出力画像を無加工のまま通信回線経由で遠隔地の病院まで送信することを想定した場合、病院側装置20Dの観測モニタ23にNTSC規格の白黒ビデオ信号を表示させるのであれば、最低でも白黒VGAサイズ(640画素×480ライン)で、30フレーム/秒の8ビットデータが必要となる。そのため、下記の(式1)で表されるように、実効速度で約74Mbpsのデータレートが必要となり、一般的な通信回線で送受信する場合には、情報量として大きすぎることが判る。従って、MPEGなど効率の良い画像圧縮手段が不可欠となる。
【0059】
640×480×30×8=73.7Mbps ・・・(式1)
ここで、本実施の形態では、超音波診断装置におけるスキャンコンバータの役割に着目して、送受信すべき画像データの情報量を最低限度に減少させることを可能とする。
【0060】
すなわち、スキャンコンバータでは、モニタ表示される際に画像の欠落や不自然な不連続部分が発生しないように各種の補間処理が施され、医療診断に最適な画像を提供しているが、その反面、見かけ上の情報量を大幅に増加させてしまっている。そこで、図7に示すように、病院側装置20Dにスキャンコンバータ27を設けることで、通信回線30で送受信するデータレートを大幅に低下させることが可能となる。
【0061】
例えば、被検体側装置10Dに128ch型の超音波プローブ11を接続した場合の音響走査線数は、図8に示すように、標準的な単密度掃引時で100本程度である。このため、スキャンコンバータ27に入力される画像データの本数も音響走査線数と同じ100本となり、図9に示すように、画像生成部18から出力されて通信回線インタフェース14に入力される1フレーム当たりの画像データ数も100本となる。同様に、病院側装置20Dの通信回線インタフェース21で受信する1フレーム当たりの画像データ数も100本である。スキャンコンバータ27では、この100本の画像データからプローブの物理的な形状に合致した画面形状に整形して、図10に示すように、観測モニタ23に1フレームのVGAサイズの超音波画像を表示させる。
【0062】
また、モニタ表示される画像がVGAサイズ(640画素×480ライン)である場合、スキャンコンバータ27に入力される画像データの深さは400ドット程度が最適であるため、30フレーム/秒の8ビットデータを送受信する際に必要なデータレートは、下記の(式2)で表されるように、実効速度で約10Mbpsとなる。
【0063】
100×400×30×8=9.6Mbps ・・・(式2)
つまり、必要最小限度の情報を送受信する図7の構成であれば、自動的に約1/7以下の情報量に圧縮した場合と等価な効果が得られ、高速化が進んでいる通信回線でなら十分に非圧縮の状態で送信できることが判る。当然、更に画像圧縮の専用回路(またはソフトウエア)が不要となるなので、画像圧縮のためのタイムラグが無く、スキャンコンバータ27に入力される画像データには何も圧縮処理が施されておらず、全く画質劣化が発生しない、優れた超音波診断システムを提供することが可能となる。
【0064】
ここまでは白黒モードを例に挙げて説明したが、カラードプラのモードになった場合には、病院側装置20Dの観測モニタ23にカラービデオ信号を表示させることになり、画像サイズは同じでも、30フレーム/秒の24ビットデータが必要となるため、下記の(式3)で表されるように、実効速度で約221Mbpsのデータレートが必要となる。
【0065】
640×480×30×24=221.2Mbps ・・・(式3)
しかし、一般的には超音波診断装置のフレームレートは白黒モードに比べて低下するので、スキャンコンバータ27の直前における画像データのデータレートは変化しない(または、低下する)ので、(式2)で表される実効速度で約10Mbps以上には変化しない。つまり、カラードプラのモードでは、下記の(式4)で表されるように、画像データを約1/23に圧縮した場合と等価な効果が得られる。
【0066】
9.6Mbps/221.2Mbps=1/23 ・・・(式4)
また、図11は、パーソナルコンピュータを病院側装置として利用する例を示している。近年のパーソナルコンピュータの画像処理能力は目覚ましい進歩を遂げており、超音波診断装置のスキャンコンバータ部分をソフトウエアのみで構築することが可能となっている。更に、通信回線(ネットワーク)との接続機能も標準装備となっている。
【0067】
そこで、一般的なパーソナルコンピュータ40に通信回線30との接続機能と、スキャンコンバータ機能をソフトウエアとして組込むことで、病院側装置を一台のパーソナルコンピュータ40で代用することが可能となる。つまり、専用のハードウエアが不要で価格的なメリットが大きい、優れた遠隔超音波診断システムを提供することが可能となる。
【0068】
(第6の実施の形態)
図12は、本発明の第6の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。受信された超音波信号は超音波送受信部12で遅延合成され、画像生成部18によりフィルタリング処理が施されて、スキャンコンバート用に最適化されたデータ数の超音波画像データに変換される。画像生成部18でフィルタリング処理が施された超音波画像データは、通信回線30との接続機能をソフトウエアで組み込んだパーソナルコンピュータ41(被検体側装置の通信回線インタフェース、スキャンコンバート手段、表示手段)に入力され、インターネットやLANなどの通信回線(ネットワーク)30に送出される。
【0069】
同時に、パーソナルコンピュータ41にスキャンコンバータ機能もソフトウエアとして組み込んでおけば、病院側装置であるパーソナルコンピュータ40に表示される超音波画像と同一のリアルタイム超音波動画像を被検体側のパーソナルコンピュータ41の画面に表示することができ、被検体側(の操作者)と病院側(の医師)とが診断情報を共有できるという、優れた遠隔超音波診断システムを提供することが可能となる。
【0070】
(第7の実施の形態)
図13は、本発明の第7の実施の形態に係る遠隔超音波診断システムの一構成例を示す概略ブロック図である。この実施形態は、図1に第1の実施の形態と、図7の第5の実施の形態とを組合わせた構成を有する。病院側装置20E内の画像構築部28には、送信されたフレームの超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバータを含んで構成される。シネメモリ15あるいはスキャンコンバータに関する具体的な動作は、上述の各実施形態について説明したとおりである。シネメモリ15から再送信されるフレームの超音波画像データについても、スキャンコンバータを使用した上述と同様の処理が行われる。
【0071】
なお、以上の各実施形態において説明した被検体側装置と病院側装置について、それぞれ組み合わせて用いることもできる。また通信回線(ネットワーク)が病院内の専用LANであっても良いし、一般的なTCP/IPプロトコルでインターネット網に接続されていても良い。もちろん、中間に画像データがサーバ機能によって中継されることや、病院側装置として複数台に接続すれば多数の医師が同時に診察することも可能で、かつ診断する側の装置もそれぞれが物理的に離れていても同様の遠隔診断を実施することが可能である。逆に、被検体側装置と病院側装置がEthernet(登録商標)用のクロスケーブルなどで直接1対1接続されていても同等の効果が得られる。また、シネメモリに記録する画像データとしてビデオ画像を記録することや、MPEGなどの画像圧縮および画像伸長機能をそれぞれの装置に付加することで更なる効果も得られる。
【0072】
また、本発明の各実施の形態では、遠隔超音波診断システムを例に挙げて説明したが、本発明は、他の医療用画像装置(例えば、X銭CT装置、磁気共鳴イメージング(MRI)装置、核磁気診断装置)にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る遠隔超音波診断システムは、診察者が遠隔の被検体を通信回線経由で診断する際に、回線のデータレートが低い場合でも、オリジナル画質に比べて画質の低下が十分に抑制された超音波画像を表示することが可能である利点を有し、多数の医師が同時に診察できる病院内外および病院間ネットワークシステムなどに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記被検体側装置であって、
電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号から超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリと、
フリーズ後に前記診察者側装置から再送信要求されたフレームを前記シネメモリから再生して、前記通信回線を介して前記診察者側装置に再送信する通信回線インターフェースとを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断被検体側装置。
【請求項2】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記診察者側装置であって、
フリーズ後に、前記被検体側装置の超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリからの再生対象フレームを指示するポインタを移動させる毎に、前記被検体側装置の通信回線インターフェースに対して前記再生対象フレームの再送信要求を出して、前記通信回線を介して再送信させる通信回線インターフェースと、
再送信されたフレームの超音波画像を構築する画像構築部と、
前記画像構築部により構築された超音波画像を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断診察者側装置。
【請求項3】
請求項1記載の遠隔超音波診断被検体側装置と請求項2記載の遠隔超音波診断診察者側装置とを通信回線を介して接続した遠隔超音波診断システム。
【請求項4】
前記被検体側装置の通信回線インターフェースは、フリーズ後に前記被検体側装置のシネメモリに蓄積された総フレームの少なくとも一部を前記診察者側装置にバックグランドで再送信し、前記診察者側装置は、フリーズ後に再送信されたフレームの超音波画像を格納するシネメモリを備えた請求項3記載の遠隔超音波診断システム。
【請求項5】
前記被検体側装置は、前記診察者側装置に再送信している超音波画像を表示する表示手段を備えた請求項3記載の遠隔超音波診断システム。
【請求項6】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記被検体側装置であって、
電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号から超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリと、
フリーズ後に前記被検体側装置において再送信要求されたフレームを前記シネメモリから再生して超音波画像として表示する表示手段と、
前記表示手段に表示している超音波画像に対応するフレームを、前記通信回線を介して前記診察者側装置に再送信する通信回線インターフェースとを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断被検体側装置。
【請求項7】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記診察者側装置であって、
フリーズ後に、前記被検体側の通信回線インターフェースから前記通信回線を介して再送信されてきたフレームを受信する通信回線インターフェースと、
再送信されたフレームの超音波画像を構築する画像構築部と、
前記画像構築部により構築された超音波画像を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断診察者側装置。
【請求項8】
請求項6記載の遠隔超音波診断被検体側装置と請求項7記載の遠隔超音波診断診察者側装置とを通信回線を介して接続した遠隔超音波診断システム。
【請求項9】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記被検体側装置であって、
電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号に対してフィルタリング処理を施して超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された超音波画像データを、前記通信回線を介して前記診察者側装置に送信する通信回線インターフェースとを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断被検体側装置。
【請求項10】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記診察者側装置であって、
前記被検体側装置の通信回線インターフェースから、前記通信回線を介して送信された超音波画像データを受信する通信回線インターフェースと、
受信された超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバート手段と、
前記スキャンコンバート手段により走査変換された超音波画像データを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断診察者側装置。
【請求項11】
請求項9記載の遠隔超音波診断被検体側装置と請求項10記載の遠隔超音波診断診察者側装置とを通信回線を介して接続した遠隔超音波診断システム。
【請求項12】
前記診察者側装置の表示手段は、前記被検体側装置から送出されるリアルタイム超音波動画像をリアルタイム超音波動画像として表示する請求項11記載の遠隔超音波診断システム。
【請求項13】
前記被検体側装置は、前記画像生成部により生成された超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバート手段と、該スキャンコンバート手段により走査線変換された超音波画像データを表示する表示手段とを備えた請求項12記載の遠隔超音波診断システム。
【請求項14】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記被検体側装置であって、
電気音響変換手段を送信パルスで駆動することにより前記電気音響変換手段から発せられ前記被検体内で反射して戻ってくる超音波エコーを受信する超音波送受信部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号に対してフィルタリング処理を施して超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリと、
フリーズ後に前記診察者側装置から再送信要求されたフレームを前記シネメモリから再生して、前記通信回線を介して前記診察者側装置に再送信する通信回線インターフェースとを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断被検体側装置。
【請求項15】
診察者が遠隔の被検体を、通信回線を介して超音波画像を活用して診断するための診察者側装置と、前記被検体側の被検体側装置とを有する遠隔超音波診断システムで用いる前記診察者側装置であって、
フリーズ後に、前記被検体側装置の超音波送受信部により受信された超音波信号をフレーム単位で順次格納するシネメモリからの再生対象フレームを指示するポインタを移動させる毎に、前記被検体側装置の通信回線インターフェースに対して前記再生対象フレームの再送信要求を出して、前記通信回線を介して再送信させる通信回線インターフェースと、
再送信されたフレームの超音波画像データの走査線数を変換するスキャンコンバート手段を含み、前記スキャンコンバート手段により超音波画像を構築する画像構築部と、
前記画像構築部により構築された超音波画像を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする遠隔超音波診断診察者側装置。
【請求項16】
請求項14記載の遠隔超音波診断被検体側装置と請求項15記載の遠隔超音波診断診察者側装置とを通信回線を介して接続した遠隔超音波診断システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【国際公開番号】WO2005/074808
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【発行日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517684(P2005−517684)
【国際出願番号】PCT/JP2005/001464
【国際出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】