説明

適合検出システム

【課題】個人の不便さを低減し、個人が電磁放射線にさらされる機会を低減することが可能な、検出システム、検出方法、及びコンピュータプログラム製品を提供すること。
【解決手段】
電磁放射線を取得する受動センサと、電磁放射線を放射及び受信する能動センサと、観測領域で人及び人以外の対象物の存在を検出するように構成される検出部と、制御部と、
を備え、人の存在が検出される場合、前記制御部は、少なくとも人が検出される領域から電磁放射線を受信するように前記受動センサを制御し、人以外の対象物の存在が検出される場合、前記制御部は、少なくとも前記対象物が検出される領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信するように前記能動センサを制御する、適合検出システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁センサ、自動セキュリティーチェック、及び密輸検出の分野に関する。本発明は、特に適合検出システム、検出方法及び対応するコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁放射又は電磁場に基づく検出システムは、幅広い分野に利用されていることが知られている。一例としては、私的、公的、又は軍事目的のために、空港、人々の集まり、高安全区域/ビル等のような公的又は私的な場所で、又は当該場所に関連して実行されるナイフ、武器、及び爆弾等のような潜在的に危険な対象物に対する走査が挙げられる。他の例としては、輸入又は輸出が禁止されていたり、国境の駅又は国際空港等のような場所で実行される輸入又は輸出の税金の支払いが行われなければならなかったりする商品に対する走査が挙げられる。また、他の例としては、医用目的に対する走査が挙げられる。上記実行される走査は、撮像によるものであってもよく、撮像によるものでなくてもよい。放射の種類又は利用される分野に依存して、検出システムは、さもなければ電磁放射の可視スペクトルに対して不透明な物質を“透視”することができる。このように、対象物又は特定の物質、衣服の下、バッグの中、若しくは人体の内部の物体又はティッシュを検出し、実質的に可視化することができる。
【0003】
適用される放射線の例は、赤外線放射、交番磁界、及びX線放射を含む。近年、テラヘルツ周波数の領域での放射線が、アンテナ工学及び半導体工学での利点を考慮し走査目的のために利用可能になっている。以下では、ミリ波(mm波)放射という用語が、例えば、0.1mmから10mmの範囲の波長を有する放射を説明するために利用されるが、例えば、100mmを超過する異なる範囲をカバーしていてもよい。mm波は、黒体放射(プランクスペクトル)の一部として、あらゆる物体によって放射される。衣服の下で身体に身に付けて持ち運ばれる金属ナイフは、身体によって放射されるmm波の妨害又は吸収により検出されてもよい。mm波放射線は、水によって強く吸収され、mm波領域で人体によって放射されたパワーは、かなり低い。従って、例えば、濡れたコートを透視することは実質的に不可能である。
【0004】
区別は、能動センサに基づく走査及び受動センサに基づく走査間で行われる。能動的な検出システムでは、能動センサが、(例えば、反射、吸収、変調、及び相転移等の手段によって)走査される対象物と相互作用し、センサによって再び検出(取得)される放射線又は電磁場を生成する。対象物に関する情報(例えば、画像)が取得されるように、検出(取得)される放射線又は磁場は、生成された放射線又は磁場で走査される対象物の特定の相互作用に依存する。能動センサの例としては、X線光源を用いるX線写真用のカメラ、可変の磁場を生成し、磁場の変調を検出する金属検出器、及び(例えば、mm波又はマイクロ波の波長領域の)レーダタイプのセンサが挙げられる。受動センサは、放射線又は電磁場を生成せず、走査される対象物によって生成されるか、当該対象物から放射される磁場又は放射線を検出する。受動センサの例としては、対象物によって放射される黒体放射の一部であるmm波放射線を検出するmm波センサが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、能動的なセンサは、電磁場又は放射線が、磁場又は放射線にさらされる対象物、特に生体に害をもたらすかもしれないという問題を有する。少なくとも、ある周波数領域に対して、センサが生成するかもしれなく、及び/又は人がさらされるかもしれない磁場又は放射線の量及び強度を限定する規則が存在する。既知の検出システムでは、人は構台の中又はセンサの正面で静止していなければならない。このことは、規則的な値を取得することを可能にするが、個人に対し不便さを生じさせる要因となる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、個人の不便さを低減し、個人が電磁放射線にさらされる機会を低減することが可能な、検出システム、検出方法、及びコンピュータプログラム製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電磁放射線を取得する受動的なセンサと、電磁放射線を放射及び受信する能動的なセンサと、観測領域で人及び人以外の対象物の存在を検出するように構成される検出部と、制御部と、を備える、適合検出システムが提供される。人の存在が検出される場合、前記制御部は、少なくとも人が検出される領域から電磁放射線を受信するように前記受動センサを制御し、人以外の対象物の存在が検出される場合、前記制御部は、少なくとも前記対象物が検出される領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信するように前記能動センサを制御する。
【0008】
このように、上記検出された対象物に関して、検出のために適用されるセンサを適合することにより、個人は自由に動き回ることができるので、個人の利便性を増加させ、個人によって認識されない検出を容易なものとする。更に、個人が受動センサで検出されるので電磁放射線に個人をさらす機会は低い。
【0009】
人の存在が検出される場合、前記能動センサは、少なくとも人が検出される領域に電磁放射線を放出することを防止するか、少なくとも前記人が検出される領域に所定のパワー若しくは磁場強度閾値を超える電磁放射線を放出してもよい。このように、非常に強力な放射線が避けられるので、放射線の放出及び人の被曝に関する安全な調整を実現することができる。
【0010】
上記適合検出システムは、画像情報を生成する光学式カメラ又は赤外線カメラを更に備えていてもよく、人及び人以外の対象物の前記検出は、生成される前記画像情報に基づいていてもよい。
【0011】
このように、光学式画像又は赤外線画像を利用することで、安定且つ低コストな人及び人以外の対象物の検出を実現することができる。
【0012】
上記適合検出システムは、温度センサを更に備えていてもよく、人及び人以外の対象物の前記検出は、前記温度センサによって生成される温度情報に基づいていてもよい。
【0013】
このように、温度センサを利用することで、安定且つ低コストな人の検出及び人と人以外の対象物の区別を実現することができる。
【0014】
上記適合システムは、前記受動的なセンサによって少なくとも前記人が検出される前記領域から受信される電磁放射線に基づいて生成されるセンサ情報に応じて、特定の危険、不要、又は禁制な対象物の存在を検出する受動的な密輸発見部を更に備えていてもよい。このように、密輸対象物は、自動的に検出される。
【0015】
前記受動密輸発見部は、特定の対象物の存在が排除されるということを示す第1の検出結果と、特定の対象物の存在が検出されるということを示す第2の検出結果と、特定の対象物の存在が排除及び検出されないということを示す第3の検出結果と、を生成するように構成され、前記受動密輸発見部が前記第3の検出結果を生成する場合に、制御部は、少なくとも特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から電磁放射線を放出及び受信するように能動センサを制御してもよい。このように、上記の検出システムの検出能力は向上し、多くの密輸対象物を検出することにより、セキュリティを向上させ、密輸対象物を検出するために要求される人の労力を低減させることができる。
【0016】
前記第3の検出結果が生成される場合に実行される前記電磁放射線の前記放出は、特定の対象物の存在が排除及び検出されない前記領域に実質的に制限されてもよい。このように、電磁放射線に人がさらされる機会はより低減される。
【0017】
前記画像処理部は、人又は人以外の対象物が検出される領域を決定するように構成され、前記受動密輸検出部は、特定の対象物の存在が排除及び検出されない前記領域を決定するように構成され、前記受動センサは、当該受動センサが進む領域から電磁放射線を受信するように異なる領域に進むように構成され、前記能動センサは、当該能動センサが進む領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信するように異なる領域に進むように構成されてもよい。
【0018】
上記適合検出システムは、検出部を備えていてもよく、特定の対象物の存在を検出するように構成され、所定の対象物が検出される場合に、上記受動センサ及び上記能動センサによって生成されたセンサ情報に基づいて、音による警告、視覚的な警告、又は他の警告を実行するように構成されていてもよい。
【0019】
上記適合検出システムは表示部を備えていてもよく、上記能動センサ及び/又は受動センサは画像情報を生成するように構成されていてもよく、上記表示部は上記能動センサ及び/又は受動センサによって生成される画像情報を表示するように構成されていてもよい。
【0020】
前記能動センサは、電磁放射線のミリメータの波長領域で操作するように構成されていてもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、観測領域で人及び人以外の対象物の存在を検出するステップと、人が検出される場合、受動センサに少なくとも前記人が位置する領域から電磁放射線を受信させるステップと、人以外の対象物を検出される場合、能動的なセンサに少なくとも前記対象物が位置する領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信させるステップと、を含む、適合検出方法が提供される。
【0022】
上記適合検出方法は、光学式カメラ又は赤外線カメラを用いる観測領域に関する画像情報を生成するステップを含んでいてもよく、前記人及び人以外の対象物の存在を検出するステップは、前記生成された画像情報に基づいてもよい。
【0023】
上記適合検出方法は、前記受動センサによって少なくとも前記人が位置する前記領域から受信される前記電磁放射線に基づいて生成されるセンサ情報に応じて、特定の危険、不要、又は禁制な対象物の存在を検出するステップを更に含んでいてもよい。
【0024】
特定の対象物の存在が、排除及び検出されない場合、上記適合検出方法は、少なくとも特定の対象物の前記存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から前記能動的なセンサに放出及び受信させるステップを更に含んでいてもよい。
【0025】
前記人及び人以外の対象物の存在を検出するステップは、人又は人以外の対象物が位置する領域を決定するステップを含んでいてもよく、前記受動センサに少なくとも前記人が位置する領域から電磁放射線を受信させるステップは、前記人が位置する前記決定された領域から電磁放射線を受信するように前記決定された領域に前記受動センサを進ませるステップを含んでいてもよく、前記能動センサに少なくとも前記対象物が位置する領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信させるステップは、前記領域から電磁放射線を送信及び受信するように前記人以外の対象物が位置する前記決定された領域に前記能動的なセンサを進ませるステップを含んでいてもよい。また、前記受動的なセンサによって少なくとも前記人が位置する前記領域から受信される前記電磁放射線に基づいて生成されるセンサ情報に応じて、特定の危険、不要、又は禁制な対象物の存在を検出するステップは、特定の対象物の存在が排除及び検出される領域を決定するステップを含んでいてもよく、少なくとも特定の対象物の前記存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から前記能動的なセンサに放出及び受信させるステップは、前記特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から電磁放射線を放出及び受信するように前記特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域に前記能動的なセンサに進ませるステップを含んでいてもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、制御演算装置によって実行される場合、上記適合検出方法を実行するように構成される、コンピュータプログラム製品が提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、個人の不便さを低減し、個人が電磁放射線にさらされる機会を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る適合検出システムの機能ブロック図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係る適合検出方法を説明するフローチャートである。
【図2B】同実施形態にかかる適合検出方法の補足的な処理を説明するフローチャートである
【図3】同実施形態に係る電磁放射線の放出及び受容に関する様々な例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
図1は、本発明に係る適合検出システム1の一実施形態を示す。適合検出システム1は、例えば、武器、爆弾、及び他の密輸品を検出する検出デバイスとして用いられてもよい。適合検出システム1は、例えば、気付かれずに乗客及び/又は空港職員/航空機搭乗員を検査するために空港の廊下に設置されてもよい。
【0031】
適合検出システム1は、カメラ2、能動センサ4、受動センサ6を含む。カメラ2は、光学式カメラ又は赤外線(IR)カメラであってよい。
【0032】
カメラ2は、観測領域から2次元(2D)又は3次元(3D)の画像を取得することができる。複数のカメラ2が備えられていてもよい。
【0033】
受動センサ6は、個人の一方の側(例えば、正面又は左側)及び当該個人の他方の側(例えば、背面又は右側)に関する画像又はセンサデータを一斉に取得するために、例えば、異なる場所に位置する物理的に複数の検出部を含んでいてもよい。一般的に、受動センサ6は、カメラ2とは異なる波長範囲で作動するセンサであってよく、すなわち、光学式カメラ又は赤外線カメラとは異なるセンサであってよい。受動センサ6は、例えば、マイクロ波センサであってもよい。以下の記載では、受動センサ6は、状況に応じてmm波の電磁放射線を受容し、受容したmm波の放射線に応じて検出結果を生成するように作動可能なmm波センサであってもよい。本実施形態では、ミリメータ波(mm波)の放射線という用語は、0.1mmから10mmの範囲の波長を有する放射線を説明するために用いられる。
【0034】
能動センサ4は、一般的に、カメラ2とは異なる波長で作動するセンサであってよく、すなわち、光学式カメラ又は赤外線カメラとは異なるセンサであってよい。能動センサ4が受動センサ6と同一の波長で作動する場合、放射線又は磁場の受容部分を受動センサ6と分割されてもよい。能動センサ4が受動センサ6とは異なる波長で作動する場合、受動センサ6及び能動センサ4によって用いられる放射線に対して透過ではない物質の範囲が、適合検出システム1から対象物を隠すことがより難しくなるように低減される。能動センサ4は、例えば、反射型又は透過型のX線写真の画像装置又は画像金属検出器に基づかない電磁場であってもよい。他の例としては、マイクロ波又はmm波のセンサが挙げられる。能動センサ4は、例えば、個人の一方の側(例えば、正面側又は左側)及び当該個人の他方の側(例えば、背面側又は右側)に関する画像又はセンサデータを一斉に取得するために、異なる場所に位置する複数の物理的検出部を含んでいてもよい。(異なるセンサの種類の)複数の能動センサ4が提供されてもよい。
【0035】
一般的に、能動センサ4及び受動センサ6は静的なものであってもよく、それらの検出領域は異なる走査領域をカバーするように移動可能であってもよい。以下では、能動センサ4及び受動センサ6は、状況に応じて後者の種類であるものと仮定し、つまり、能動センサ4及び受動センサ6は移動可能なセンサであると仮定する。検出システム1は、能動センサ4及び受動センサ6の作動を制御する制御部8を含む。制御部8は、センサ4、6の作動状態(on/off)及び走査方向(走査領域)を制御し、能動センサ4によって放出される電磁場又は放射線のパワー及び/又は磁場強度を制御する。本実施形態では、もし(純電磁場を含まない)他の利用が明確に記載されておらず、文脈及び/又は当業者の通常の技術水準から導き出すことができないのであれば、純電磁場(すなわち、電場及び磁場)を含むという意味で概念的な電磁放射線を用いる。
【0036】
検出システム1は、カメラ2によって生成される画像情報に基づいて人及び人以外の対象物を検出するように構成される画像処理部10を含む検出部12を含む。以下では、人以外の対象物を人ではない対象物(non−human objects)又は単に対象物と呼んでもよい。人の検出手段により、例えば、受動センサ6が検出することはできないバッグの中にある金属製の武器又は他の対象物を検出するために能動センサ4を用いること、及び人体に身につけられた状態又は人体の身近に置かれた状態で(例えば、ジャケットの中又はポケットの中で)持ち運ばれる場合に、人を電磁放射線にさらすことなく金属製の武器又は他の対象物を検出するために受動センサ6を用いることが可能となる。一般的に、能動センサ4のパワー又は磁場レベルは、人が検出されるか否か(及び人がどこで検出されるかということ)に依存して制御されてもよい。例えば、人が検出され、人の安全規制が人ではない対象物の規制とは異なる10dBmを最大パワーと規定する場合、人に向けられるパワーは、10dBm(10mW)未満になるように制御される。人が検出されない場合、能動センサ4は、標準的な(人が関係しない)規制に応じてより多くのパワーを放出することができる。
【0037】
人の検出は、例えば、顔検出アルゴリズム及び/又は(人)体検出アルゴリズムに基づいていてもよく、ハードウェア及び又はソフトウェアに実装されていてもよい。デジタル静止カメラ及びカムコーダ等のように、顔検出ソリューションに関する技術は現在多くの消費者用製品で見つけられるので、特に顔検出ソリューションは手頃な値段で現在利用することができる。画像処理システム10は、(較正又は処理の習得後等に)観測領域に一時的にもたらされる対象物と観測領域に常に存在する他の対象物(例えば、ビルの壁、備品、家具等)とを区別するように構成されてもよい。前者のみが人ではない対処物として検出される。画像処理部10は、人及び対象物(の動き)を追う。このように、人又は対象物の検出及び走査が2回行われることを防止することができる。追跡は、能動センサ又は受動センサによる人又は対象物の走査の最中に人又は対象物の動きを補う役割を担ってもよく、それにより、(正面及び背面、又は左側及び右側といった2以上の面による走査を含む)対象物又は人の完全な走査の実現を促進する。一時的及び常時ではない対象物間の区別は、機能的に追跡することに基づく。更に、画像処理部10は、人及び対象物の動きを予測するように構成される。予測された動きに基づいて、様々な走査/検出動作を計画することができる。例えば、人が走査領域に入ってくると予測される場合に、能動スキャナ4による走査を中断又は中止してもよい。従って、人が放射線にさらされる機会を低減することができる。
【0038】
以下では、画像処理部10が、検出された人及び/人以外の対象物の位置を決定するように構成されるものと仮定される。一般的に、画像処理部10がこのような決定を実行可能であることは要求されない。上記位置は、例えば、2又は3次元で提供されてもよく、人又は対象物の拡張を反映してもよい。画像処理部10は、例えば、人又は対象物の方向又は空間領域を決定してもよい。
【0039】
検出部12は、更に能動密輸検出部14及び受動密輸検出部16を含む。“能動”及び“受動”という概念は、能動密輸検出部14及び受動密輸検出部16の動作又は構造を限定するものではない。“能動”及び“受動”は、単に夫々が能動センサ4及び受動センサ6に関連していることを示すものである。能動密輸検出部14及び受動密輸検出部16は、能動センサ4及び受動センサ6によって生成されるセンサ情報に基づいて特定の対象物を検出するように構成される。例えば、武器、ナイフ、ボトル、電気回路、金属等のような特定の物質が、検出される“特定の対象物”であってもよい。検出されてもよい対象物の範囲は、検出システムの適用領域に依存し、能動センサ4、受動センサ6、能動密輸検出部14、及び受動密輸検出部16に固有の検出限界を除いて、限定されるものではない。能動密輸検出部14及び受動密輸検出部16によって検出可能な対象物の範囲は、一般的に同じであるが、能動センサ4及び受動センサ6の電磁スペクトルの別のセクションを用いることにより異なってくる。能動センサ4によって生成されるセンサ情報又は受動センサ6によって生成されるセンサ情報から特定の対象物を検出することに加えて、特定の対象物は、積分手法(integral fashion)で能動センサ4によって生成される情報および受動センサ6によって生成される情報を用いる検出部12によって検出されてもよい。
【0040】
カメラ2からの画像情報と、能動センサ4及び受動センサ6からのセンサ情報とが、生成された情報(例えば、人の位置、人以外の対象物の位置、特定の対象物の位置、検出される特定の対象物の種類、不確定領域)と共に提供され、可視化部18に提供される。能動及び受動センサからの上記情報は、画像情報に対応していてもよいが、対応している必要はない。可視化部18は、受信した情報を処理し、表示部20に表示させる。情報はどのような種類のものであっても表示可能である。例えば、カメラ2、能動センサ4、及び受動センサ6に対応する情報の並列表示及び/又は重ね表示が実行されてもよい。可視化及び表示は任意である。
【0041】
更に、物理的警告(例えば、音による警告、振動による警告、視覚的な警告)を生成するために、選択的に警告部22が提供される。上記警告は、特定の対象物が検出されていること及び特定の対象物が検出されている場所を示唆する。視覚的な警告が生成した場合、警告部22は、可視化部及び表示部によって認識されてもよい。例えば、特定の対象物が検出される場合に警告が生成される。また、例えば、金属物質及び特異的な対象物が同一空間で検出される場合、警告が発生される。例えば、赤外線画像又は視覚的な画像が参照として認識される場合、システム1は、参照データと比較して異なるものを検出することができる。
【0042】
本発明に係る実施形態の検出システム1の基本的な操作部を記載したが、本発明に係る検出方法の一実施形態が図2Aと関連して記載される。本実施形態に係る検出方法は、特段の記載がない限り検出システム1によって実行される。
【0043】
ステップS1では、観測領域に対応する画像情報がカメラ2によって生成され、当該画像情報は画像処理部10によって評価される。人が検出される場合、検出プロセスは、ステップS3に進む。人以外の対象物が検出される場合、検出プロセスは、ステップS5に進む。ステップS3又はステップS5に分岐していたとしても、ステップS1は残されず、画像データの生成及び評価は連続しないということは、留意すべき点である。人又は対象物が検出される場合はいつでも、ステップS3及びステップS5で夫々開始する密輸検出プロセスが開始する。
【0044】
ステップS3では、受動センサ6が実行され、検出された人が受動センサ6によって走査される。一般的に、受動センサが全観測領域を走査することは可能である。しかしながら、(要求される時間、走査解像度、要求されるエネルギーの観点から)人が位置する領域のみを実質的に走査することがより効率的である。
【0045】
次のステップS7では、特定の対象物が検出されるか否かが、ステップS3で受動センサによって生成されたセンサ情報に基づいて受動密輸検出部16によって決定される。複数の特定の対象物が検出される場合に、プロセスはステップS9に進み、特定の対象物の検出を示唆する警告を作動させ、その前に検出された人に対するプロセスは、終わっていてもよいが、終わっている必要はない。走査領域で特定の対象物の存在が得られなかった場合、検出された人に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない(S11)。特定の対象物の存在が排除及び検出されない場合、方法は他の走査を適用するためにステップS13に進む。ステップS13に進む代わりに、特定の対象物の存在が排除及び検出されないという警告が発生してもよく、その前に現状検出された人に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない。次いで、人の操作者は、他の行動コースを決定してもよい。要するに、特定の対象物が明確に検出される場合、警告が発生する。生成したセンサ情報が特定の対象物の存在又は最終的な存在に対する示唆を含まない場合、プロセスは終了する。次いで、最終的に、生成したセンサ情報が、特定の対象物の存在又は最終的な存在に対する示唆を含むが、それにもかかわらず特定の対象物は明確に検出可能では場合、他の走査が適用されるか他の種類の警告が発生する。
【0046】
勿論、現実の生活システムで誤検出及び検出漏れが随時起こりうるように、特定の対象物の存在を検出するということが、特定の対象物が実際に存在しているということを暗に示しているわけではなく、特定の対象物の存在を排除するということが、特定の対象物は実際には存在しないということを暗に示しているわけではない。どのような兆候であっても、検出結果が当該検出結果の所望の信頼性、安全性の要求されるレベル、適用領域、公式又は他の規制、及び多くの他の要因に依存するに依存するということをもたらし、用いられる技術固有の検出限界が考慮されなければならない。
【0047】
ステップS13では、能動センサ4が作動し、少なくとも特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域で走査する。特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域は、以下に記載の不確定領域と呼ぶ。上記不確定領域は、複数の非関連領域を含んでいてもよい。このような小領域は、夫々、能動スキャナ4によって走査される。不確定領域の例は、(例えば、mm波の能動センサ4の場合における衣服の上の濡れた領域又は金属性の塗布を)“調べること”又は“見ること”、及び 特定されない“特異的な対象物”を防止するあらゆる領域を含む。センサ4は観測領域の全体を走査してもよいが、特に人の健康に対する潜在的な危険性の観点から、不確定領域にできるだけ接近した走査領域に限定するという利点を有していてもよい。そうすることにより、人を電磁放射線にさらす機会は可能な限り低減される。走査の間、能動センサ4は、電磁放射線の放射についてのあらゆる規制、特に、人を放射線にさらすことについての規制に従うように制御される(例えば、放射パワー、出力密度、磁場強度、放射時間についての閾値に従うということ。)。
【0048】
次のステップS15では、ステップS13で能動センサ4によって生成されたセンサ情報に基づいて、特定の対象物が検出されるか否かが能動密輸検出部14によって決定される。1又は複数の特定の対象物が検出される場合、プロセスは、ステップS17に進み、特定の対象物の検出を示唆する警告が発生し、その前に不確定領域に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない。特定の対象物の存在が含まれない場合、上記不確定領域に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない(S19)。特定の対象物の存在が排除および検出されない場合、プロセスはステップS21に進む。
【0049】
ステップS21では、不確定領域に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない。選択的に、ステップS21では、特定の対象物の存在が排除及び検出されないという警告が発生する。手動的な調査を実行する捜査員を援護するために、上記警告は、特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域又はそのような複数の領域を示唆するものであってもよい。
【0050】
ステップS5では、能動センサ4が作動し、検出された人以外の対象物が能動センサ4によって走査される。一般的に、(例えば、センサが移動しない場合、)能動センサが全観測領域を走査することは可能である。このような場合、人が観測領域にいないということ、又は上述したように人を電磁放射線にさらすことに関する安全規制が遵守されているということが証明される。しかしながら、(要求される時間、走査解像度、要求されるエネルギーの観点から)対象物が位置する領域のみを実質的に走査することがより効率的である。より重要なこととして、この場合、人を電磁放射線にさらす機会が低減される。更に、多くの実在物が同じ時刻に走査されるように、人が存在する場合であっても対象物が走査されてもよい。これにより、以下のシナリオは避けられる。:人の存在により第1の時点で人ではない対象物が走査されないということ。人が存在しない第2の時点で能動スキャナ4の走査範囲から対象物が外れたために、走査されないということ。このように、対象物が全く走査されず、潜在的なセキュリティ脅威を生み出すこと。
【0051】
次のステップS23では、特定の対象物が検出されるか否かが、ステップS5で能動センサによって生成されるセンサ情報に基づいて、能動密輸検出部14によって決定される。1又は複数の特定の対象物が検出される場合、プロセスは、ステップS25に進み、特定の対象物の検出を示唆するアラームが発生してもよく、その前に検出された対象物に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない。特定の対象物の存在が含まれない場合、検出された対象物に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない(S27)。特定の対象物の存在が排除及び検出されない場合、プロセスはステップS29に進む。
【0052】
ステップS29では、検出された対象物に対するプロセスは終わっていてもよいが、終わっている必要はない。選択的に、ステップS29では、特定の対象物の存在が排除及び検出されないということを示唆するアラームが発生していてもよい。手動的な調査を実行する捜査員を援護するために、上記警告は、特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域又はそのような複数の領域を示唆するものであってもよい。
【0053】
上述した実施形態では、走査領域とステップS13及びS5で放出されたパワーにおいて違いがある一方で、このような違いは生成される必要はなく、ステップS13、S15、S17、S19、及びS21は、夫々、ステップS5、S23、S25、S27、及びS29と同様に実行されてもよい。つまり、ステップS13、S15、S17、S19、及びS21は、夫々、ステップS5、S23、S25、S27、及びS29に置き換えられてもよい。この場合、検出された人又は不確定領域は、ステップS5、S23、S25、S27、及びS29についての記載で説明したような検出された人ではない対象物に置き換わる。
【0054】
更に、図3は、一実施例により上記プロセスを説明する。右側には、カメラ2、能動センサ4、及び受動センサ6が示される。左側には、カメラ2の観測領域、画像処理部10によって検出された人と人以外の対象物、及び受動密輸検出部16によって検出された不確定領域が示される。受動センサ6は、ステップS3で実質的に人のみを走査するように駆動する。受動センサ6によって生成されたセンサデータを評価している間、不確定領域が検出される。能動センサ4は、ステップ13で実質的に不確定領域のみを走査するように駆動し、当該不確定領域は人が位置する領域に重複/交差する(含まれる)。能動センサ4は、ステップS5で人とは重複/交差しない人ではない対象物(の一部分)のみを実質的に走査するように駆動する。
【0055】
実際の走査領域が人、人ではない対象物、及び不確定領域に限定される程度は、用いられるセンサ技術、適用領域、及び画像処理部10と受動密輸検出部16との位置決定能力にとりわけ依存する。図3では、セッティングが、1及び2次元の方式で抽象的に記載されており、これは記載及び説明を簡略化するためであり、本発明を限定するものではない。
【0056】
能動センサ4及び受動センサ6は、(ステップS3及びステップS5で)同時に作動するか、能動センサ4及び受動センサ6の一方のみがある時刻において駆動する。疑似的に同時に行われる操作は、能動センサ4及び受動センサ6の作動を即座に切り替えることにより認識されてもよい。これは、例えば、受動センサ6によって放出される放射線が能動センサ4の作動を遅らせたり妨害したりする場合、又は放射線や磁場の受容部が能動センサ4及び受動センサ6によって分割される場合に有用である。
【0057】
ここで、検出システム1及び検出方法の特徴をより詳細に説明し、付加的な特徴を説明する。
【0058】
図1に示すように、検出システム1は、更に、距離センサ24、温度センサ26、距離検出部28、及び温度検出部30を含んでいてもよい。
【0059】
距離センサ24は、人、人ではない対象物、及び不確定領域に移動可能であり、これらの項目と能動センサ4との距離を測定する。(能動センサ4の)複数の物理的検出部が異なる位置に提供される場合、最終的には対応する複数の距離センサ24が提供されてもよい。本実施形態では、夫々の距離センサ24は、対応する物理的検出部までの距離を検出する。上記の距離情報に基づいて、能動センサ4の送信パワー/磁場強度が制御される。出力/強度は、適当な能動センサ情報を提供する程(十分に)高く設定されるべきであるが、できるだけ、又は人を放射線にさらす機会を低減するように少なくとも安全規制を遵守する程度に低く設定されるべきである。距離センサは、人が(観測領域内で)自由に動き回ることが可能である場合、非常に有効である。距離センサ24を用いることにより、能動センサ4によって生成された検出情報の質を低下させることなく、人を電磁放射線及び磁場にさらすことに関するすべての規制された値と、電磁放射線及び磁場の放出領域についての一般的な規制とが遵守される。
【0060】
距離センサ24は、例えば、所望の領域を対象としていくことが可能な(レーザビーム等に基づく)光学式距離センサとして実行されてもよい。しかしながら、必ずしも分離した距離センサ24が提供されなければならないわけではない。カメラ2又は能動センサ4は、距離センサ24として作動してもよい。例えば、カメラのオートフォーカスシステムが距離情報を提供してもよい。また、画像処理部10が距離情報を提供してもよい。(例えば、画像処理部10が、検出された対象物又は人の3D位置を提供する場合に、距離情報は3D位置情報から導き出されてもよい。)また、能動センサ4によって受容される電磁放射線に基づいて距離を決定することが可能であってもよい。上記距離は、例えば、能動センサ4によって放出され、対象物、人、又は特定の対象物によって反射される放射線の相(相情報)に基づいて決定されてもよい。
【0061】
検出された対象物又は人の温度を決定するために作動することが可能なあらゆる種類の温度センサ26が用いられてもよい。温度センサ26は、測定される実在物との接触を要求しない(放射線等に基づく)遠隔センサであってもよい。受動センサ6は、例えば、mm波センサとして用いられる場合、温度センサ26として作動してもよい。
【0062】
図2Bに示されるように、温度センサ26の利用は、人ではない対象物と人の検出及び人ではない対象物と人との区別を援護する。
【0063】
図2Bに示すステップS1は、図2Aに示すステップS1と同じである。ステップS1では、観測領域に対応する画像情報はカメラ2によって生成され、当該画像情報は、画像処理部10によって評価される。人が検出される場合、方法はステップS2に進む。人以外の対象物が検出される場合、検出方法はステップS4に進む。ステップS2又はステップS4に分岐していたとしても、ステップS1は残されず、画像データの生成及び評価は連続しないということは、留意すべき点である。人又は対象物が画像処理部10によって検出される場合はいつでも、ステップS2及びステップS4で夫々開始するプロセスが開始する。
【0064】
ステップS2では、検出された人の温度が決定され、決定された温度が人の温度に対応するか否かが、温度検出部30によって決定される。例えば、決定された温度は、第1の閾値(例えば、37℃未満)を超え、第2の閾値(例えば、37℃超過)に満たない場合、人の温度に対応していてもよい。もし第1の閾値を超え第2の閾値に満たないのであるならば、プロセスは図2AのステップS3に進む。もし第1の閾値を超え第2の閾値に満たないのではないならば、プロセスは図2BのステップS1に進む。このようにして、人の検出についての信頼性が向上する。
【0065】
ステップS4では、検出された人ではない対象物の温度が決定され、温度検出部30によって決定された温度が人の温度に対応するか否かが決定される。もし決定された温度が人の温度に対応するのであれば、プロセスは図2BのステップS1に戻る。もし決定された温度が人の温度に対応しないならば、プロセスは図2AのステップS5に進む。従って、人が気づかずに能動センサ4によって生成される放射線にさらされる機会は低減される。
【0066】
画像データに基づいた人及び人ではない対象物の検出、温度に基づいた人及び人ではない対象物の検出、又は人及び人ではない対象物の他の種類の検出(すなわち、温度、光学式画像、又は赤外線画像以外のセンサデータに基づいた検出)の実行は、図2Aに示すようにステップS1で行われる。本実施形態では、検出は、検出される実在物との接触を必要としない遠隔センサ(例えば、放射線に基づいたセンサ)によって生成されたセンサ情報に基づいていてもよい。
【0067】
また、カメラ2によって生成された画像情報は、人及び人ではない対象物の検出、及び能動センサ4と受動センサ6との作動/制御以外の目的のために用いられてもよい。密輸品の検出は、カメラ2によって生成された画像情報に基づいていてもよい。例えば、カメラ2によって生成された画像情報は、参照データとして機能してもよい。次いで、検出部12は、参照データと能動センサ4、受動センサ6、及び/又は最終的な1又は複数の他のセンサによって生成されたセンサデータとを比較する。データ間に矛盾や、不整合や、不規則性等が見つけられた場合、警告が発生してもよく、(例えば、これまで用いられていないセンサで)他の走査が実行される。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0069】
1 適合検出システム
2 カメラ
4 能動センサ
6 受動センサ
8 制御部
10 画像処理部
12 検出部
14 能動密輸検出部
16 受動密輸検出部
18 可視化部
20 表示部
24 警告部
26 温度センサ
28 距離検出部
30 温度検出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線を取得する受動センサと、
電磁放射線を放射及び受信する能動センサと、
観測領域で人及び人以外の対象物の存在を検出するように構成される検出部と、
制御部と、
を備え、
人の存在が検出される場合、前記制御部は、少なくとも人が検出される領域から電磁放射線を受信するように前記受動センサを制御し、
人以外の対象物の存在が検出される場合、前記制御部は、少なくとも前記対象物が検出される領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信するように前記能動センサを制御する、適合検出システム。
【請求項2】
人の存在が検出される場合、
前記能動センサは、少なくとも人が検出される領域に電磁放射線を放出することを防止するか、少なくとも前記人が検出される領域に所定のパワー若しくは磁場強度閾値を超える電磁放射線を放出することを防止する、請求項1に記載の適合検出システム。
【請求項3】
画像情報を生成する光学式カメラ又は赤外線カメラを更に備え、
人及び人以外の対象物の前記検出は、生成される前記画像情報に基づく、請求項1または2に記載の適合検出システム。
【請求項4】
温度センサを更に備え、
人及び人以外の対象物の前記検出は、前記温度センサによって生成される温度情報に基づく、請求項1〜3のいずれか1項に記載の適合検出システム。
【請求項5】
前記受動センサによって少なくとも前記人が検出される前記領域から受信される電磁放射線に基づいて生成されるセンサ情報に応じて、特定の危険、不要、又は禁制な対象物の存在を検出する受動密輸検出部を更に備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の適合検出システム。
【請求項6】
前記受動密輸検出部は、
特定の対象物の存在が排除されることを示す第1の検出結果と、
特定の対象物の存在が検出されることを示す第2の検出結果と、
特定の対象物の存在が排除及び検出されないことを示す第3の検出結果と、
を生成するように構成され、
前記受動密輸検出部が前記第3の検出結果を生成する場合に、
制御部は、
少なくとも特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から電磁放射線を放出及び受信するように能動センサを制御する、請求項4に記載の適合検出システム。
【請求項7】
前記第3の検出結果が生成される場合に実行される前記電磁放射線の前記放出は、特定の対象物の存在が排除及び検出されない前記領域に実質的に制限される、請求項6に記載の適合検出システム。
【請求項8】
前記検出部は、人又は人以外の対象物が検出される領域を決定するように構成され、
前記受動密輸検出部は、特定の対象物の存在が排除及び検出されない前記領域を決定するように構成され、
前記受動センサは、当該受動センサが進む領域から電磁放射線を受信するように異なる領域に進むように構成され、
前記能動センサは、当該能動センサが進む領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信するように異なる領域に進むように構成される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の適合検出システム。
【請求項9】
前記能動センサは、電磁放射線のミリメータの波長領域で操作するように構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の適合検出システム。
【請求項10】
観測領域で人及び人以外の対象物の存在を検出するステップと、
人が検出される場合、受動センサに少なくとも前記人が位置する領域から電磁放射線を受信させるステップと、
人以外の対象物が検出される場合、能動センサに少なくとも前記対象物が位置する領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信させるステップと、
を含む、適合検出方法。
【請求項11】
光学式カメラ又は赤外線カメラを用いる観測領域に関する画像情報を生成するステップを含み、
前記人及び人以外の対象物の存在を検出するステップは、前記生成された画像情報に基づいている、請求項10に記載の適合検出方法。
【請求項12】
前記受動センサによって少なくとも前記人が位置する前記領域から受信される前記電磁放射線に基づいて生成されるセンサ情報に応じて、特定の危険、不要、又は禁制な対象物の存在を検出するステップを更に含む、請求項10または11に記載の適合検出方法。
【請求項13】
特定の対象物の存在が、排除及び検出されない場合、
少なくとも特定の対象物の前記存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から前記能動センサに放出及び受信させるステップを更に含む、請求項12に記載の適合検出方法。
【請求項14】
前記人及び人以外の対象物の存在を検出するステップは、人又は人以外の対象物が位置する領域を決定するステップを含み、
前記受動センサに少なくとも前記人が位置する領域から電磁放射線を受信させるステップは、前記人が位置する前記決定された領域から電磁放射線を受信するように前記決定された領域に前記受動センサを進ませるステップを含み、
前記能動センサに少なくとも前記対象物が位置する領域に、及び当該領域から電磁放射線を送信及び受信させるステップは、前記領域から電磁放射線を送信及び受信するように前記人以外の対象物が位置する前記決定された領域に前記能動センサを進ませるステップを含み、
前記受動センサによって少なくとも前記人が位置する前記領域から受信される前記電磁放射線に基づいて生成されるセンサ情報に応じて、特定の危険、不要、又は禁制な対象物の存在を検出するステップは、特定の対象物の存在が排除及び検出される領域を決定するステップを含み、
少なくとも特定の対象物の前記存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から前記能動センサに放出及び受信させるステップは、前記特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域に、及び当該領域から電磁放射線を放出及び受信するように前記特定の対象物の存在が排除及び検出されない領域に前記能動センサに進ませるステップを含む、請求項12または13に記載の適合検出方法。
【請求項15】
制御演算装置によって実行される場合、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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