説明

遮光フード

【課題】取り付け取り外しの操作が容易に行え、使い勝手を高める上で有利な遮光フードを提供する。
【解決手段】遮光フード50は、フレーム52と、複数の係止爪54と、遮光板56などを含んで構成されている。フレーム52の互いに対向する一対の長辺部分の両側に係止爪54がそれぞれ設けられ、一方の長辺部分に設けられた係止爪54はフレーム52に対して固定された固定爪72として形成され、他方の長辺部分に設けられた係止爪54は、前記一方の長辺部分に対して離間接近する方向に移動可能な可動爪74として形成されている。可動爪74を、固定爪72が設けられた前記長辺部分に向けて付勢する付勢手段76が設けられている。固定爪72が設けられた前記長辺部分に向かう方向における可動爪74の限界位置を決定するストッパ78が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイパネルに取り付ける遮光フードに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラなどの撮像装置として、レンズ鏡筒や撮像素子などが組み込まれた本体と、本体の側面に揺動可能に取り付けられ撮像素子で撮像された被写体の画像などを表示するディスプレイパネル(モニタ)とを備えるものが提供されている。
多くの場合、ディスプレイパネルはヒンジ部を介して本体側面に連結されており、ヒンジ部は本体の上下方向に延在する第1の軸線回りにディスプレイパネルを揺動可能に支持すると共に、第1の軸線と直交する第2の軸線回りにディスプレイパネルを揺動可能に支持している。
したがって、ディスプレイパネルは、その表示面を本体の側面に臨ませて重ね合わされて収容された収容位置と、収容位置から開かれて表示面を撮影者側(後方)に向けた第1の使用位置と、表示面を本体の外側方に向けるとともにディスプレイパネルの背面を本体の側面に臨ませて重ね合わされて収容された第2の使用位置とに揺動可能とされている。
ところで、晴れた屋外や明るい室内などで撮影を行う場合、ディスプレイパネルの表示面に外光が当たって反射すると表示面が視認しづらくなるため、ディスプレイパネルに装着することで外光を遮光する遮光フードが提供されている。
このような遮光フードとして、ディスプレイパネルに当接する矩形枠状の基枠部と、基枠部のディスプレイパネルに当接する面と反対側の面に設けられた筒状の遮光フード部と、基枠部に連結された弾性帯状体とを有し、基枠部の一方の面をディスプレイパネルに当て付けた状態で弾性帯状体をディスプレイの背面に掛け回し弾性帯状体の一端を基枠部に掛止することで遮光フードをディスプレイパネルに取り付けるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−10111
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の遮光フードでは、弾性帯状体をディスプレイパネルの背面に掛け回すことからディスプレイパネルに対する着脱操作が煩雑であり、特に、頻繁に移動を繰り返して撮影を行う用途では撮像装置の移動前および移動後において遮光フードの取り付け取り外しの操作に時間がかかり、撮影を円滑に行う上で不利があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、取り付け取り外しの操作が容易に行え、使い勝手を高める上で有利な遮光フードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明は、ディスプレイパネルに取着される遮光フードであって、内側に開口が貫通する枠状のフレームと、前記開口が貫通する方向における前記枠状のフレームの一方の面である前面から前方に突出し前記ディスプレイパネルに係脱する複数の係止爪と、前記開口が貫通する方向における前記枠状のフレームの他方の面である後面から後方に突出する遮光板とを備え、前記複数の係止爪は、前記フレームの互いに対向する箇所に設けられ、前記互いに対向する箇所のうちの一方の箇所に設けられた係止爪は前記フレームに対して固定された固定爪として形成され、前記互いに対向する箇所のうちの他方の箇所に設けられた係止爪は、前記一方の箇所に対して離間接近する方向に移動可能な可動爪として形成され、前記可動爪を前記一方の箇所に向けて付勢する付勢手段が設けられ、前記可動爪の前記一方の箇所に向かう方向における限界位置を決定するストッパが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、遮光フードを固定爪と可動爪を用いてディスプレイパネルに装着するようにしたので、遮光フードのディスプレイパネルに対する装着および取り外しが迅速かつ簡単に行え、使い勝手を高める上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本実施の形態の遮光フード50が取り付けられる撮像装置10について説明する。
図1、図2、図3は撮像装置10の斜視図である。
本実施の形態では、撮像装置10はビデオカメラである。
図1、図2、図3に示すように、撮像装置10の外装を構成するケース12(筐体)は、左右方向の幅よりも大きな寸法の前後方向の長さおよび上下方向の高さを有している。なお、本明細書において左右は、撮像装置10を後方から見た状態でいうものとし、また、光学系の光軸方向で被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
ケース12の上部の前部には、撮影光学系14が組み込まれたレンズ鏡筒16が前後に延在し、その前部がケース12の前面に臨むように設けられ、したがって、被写体像はケース12の前部からケース12の内部に導かれる。
レンズ鏡筒16の後端には撮影光学系14によって導かれた被写体像を撮像する不図示の撮像素子が設けられている。
ケース12の左側部には、前記撮像素子によって撮像された被写体像などを表示するための後述するディスプレイパネル18が開閉可能に設けられている。
ケース12の右側部には、画像データや音声データを記録するディスク状記録媒体が装脱可能に装着されるディスク装着部20が設けられ、ディスク装着部20は開閉蓋22により開閉される。
ケース12の右側面には、前後方向に延在する不図示のグリップベルトが設けられている。
ケース12の上面前部には、音声を収音するためのマイクロフォン24が設けられている。
ケース12の上面後部には、ディスプレイが組み込まれた電子式ビューファインダー装置26が設けられている。
図2に示すように、撮像装置10のケース12には、撮影にまつわる種々の機能を実行するための操作スイッチとして、電源スイッチ28A、静止画撮影用スイッチ28B、ズーム用スイッチ28C、モード切り換え用スイッチ28D、動画撮影用スイッチ28Eなどが設けられている。また、ディスプレイパネル18には、パネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cが設けられている。また、図3に示すように、ケース12の上面でディスク装着部20近傍の箇所には開閉蓋22を開放する際に操作される蓋開放スイッチ32が設けられている。
本実施の形態では、図2に示すように、ケース12の左側面に収容凹部1202が設けられ、収容凹部1202の底面1202Aは、ケース12左側面の一部を構成している。
【0007】
ディスプレイパネル18はディスプレイ装置33とパネル用ケース34とを備え、ディスプレイパネル18の内面とその反対に位置する外面は、枠状のフレーム52の前面52Aと同じ輪郭の長方形で形成されている。
ディスプレイ装置33は、前記撮像素子で撮像された被写体像などの画像を表示するものであり、画像を表示する長方形の表示面3302を有し、この表示面3302はディスプレイパネル18の内面に設けられている。
本実施の形態では、ディスプレイ装置33は液晶ディスプレイ装置で構成されている。なお、ディスプレイ装置33の種類は任意であり、例えば、有機ELディスプレイ装置であってもよい。
【0008】
パネル用ケース34は、ディスプレイ装置33を収容するものであり、ディスプレイ装置33よりも大きい輪郭を有している。
パネル用ケース34は、厚さと、前記厚さよりも大きな寸法の幅と、前記幅よりも大きな寸法の長さを有する長方形板状(矩形板状)を呈し、パネル用ケース34の長さ方向の端部である前端に位置する辺部分が、ヒンジ36を介してケース12の左側面の前部に左右方向に揺動可能に、かつ、回転可能に支持されている。
ヒンジ36は、ケース12とパネル用ケース34とを連結する第1の軸P1(図1参照)と第2の軸P2(図1参照)を含んで構成されている。
さらに詳細に説明すると、図2に示すように、パネル用ケース34の前端は、撮像装置10の上下方向に沿って延在する第1の軸P1を中心に揺動可能に(本実施の形態では90度の範囲で揺動可能に)、かつ、第1の軸P1と直交し水平方向に延在する第2の軸P2を中心に回転可能に(本実施の形態では270度の範囲で回転可能に)支持され、符号O1、O2はそれぞれ第1の軸P1の軸心と第2の軸P2の軸心を示している。
パネル用ケース34は外面3402と内面3404を有している。
内面3404は、表示面3302と平行する同一面上で表示面3302の周囲を囲むように長方形の枠状に延在し、この内面3404に撮影にまつわる操作部材が配置されている。本実施の形態では、操作部材はパネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cである。また、本実施の形態では、図2に示すように、それらスイッチ30A、30B、30Cは、下側の長辺に配置され、図3に示すように、それらスイッチ30A、30B、30Cは後述する第2の使用位置でディスプレイ装置33の上方に位置する。
外面3402は長方形を呈し、前記長方形の短辺の延在方向の中央で前記長方形の長辺の延在方向に平行して延在する中央部が内面3404との間の寸法が最も大きく、前記長方形の短辺の延在方向の両端で前記長方形の長辺の延在方向に平行して延在する両端部が内面3404との寸法が最も小さくなる円筒面で形成されている。本実施の形態では、この湾曲面は、軸心O2と平行する仮想軸を中心とした円筒面であり、外面3402はディスプレイパネル18が後述する収納位置(イ)(図1参照)に位置した状態で、撮像装置10の左側面を構成するものである。
【0009】
ディスプレイパネル18は、収納位置(イ)と、第1の使用位置(ロ)と、第2の使用位置(ハ)との間で移動する。
すなわち、ディスプレイパネル18は、第1の軸P1を中心に揺動してケース12に対して閉じ表示面3302がケース12の収容凹部1202の底面1202A(収納面)に近接する収納位置(イ)となり、収納位置(イ)ではディスプレイパネル18は収容凹部1202に収容される。
また、収納位置(イ)からディスプレイパネル18が第1の軸P1を中心に揺動してケース12に対して直交する方向に開くと、表示面3302が後方を向き視認可能となる第1の使用位置(ロ)(図2参照)となる。
また、第1の使用位置(ロ)において第2の軸P2を中心に180度回転しかつ第1の軸P1を中心に揺動させ、ディスプレイパネル18をケース12に対して閉じると、外面3402が底面1202Aに近接して表示面3302が視認可能となる第2の使用位置(ハ)(図3参照)となる。
【0010】
本実施の形態では、ディスプレイ装置33の表示面3302にタッチパネル19が設けられ、表示面3302に表示されたアイコンに対応するタッチパネル19の箇所を指やスタイラスで触れることにより、種々の操作ができるようになっている。
なお、図2に示すように、収容凹部1202の底面1202Aにスピーカ38、メモリカード用スロット40などが設けられ、それらは収納位置(イ)でディスプレイパネル18により隠される。
【0011】
次に本実施の形態に係る遮光フード50について説明する。
図4は遮光フード50をディスプレイパネル18に取り付ける際の説明図、図5は遮光フード50をディスプレイパネル18に取り付けた状態の説明図、図6、図7は遮光フード50の斜視図、図8は遮光板56の非使用状態の説明図、図9は遮光板56の一部を破断して磁石58、60を露出させた図、図10は遮光フード50が装着されたディスプレイパネル18を第2の使用位置に位置させた状態を示す図である。
遮光フード50は、晴れた屋外や明るい室内などで撮影を行う場合にディスプレイパネル18の表示面3302に外光が当たることを防止し、表示面3302を視認しやすくするためのものである。
遮光フード50は、フレーム52と、複数の係止爪54と、遮光板56などを含んで構成されている。
【0012】
図6、図7に示すように、フレーム52は、長方形の枠状を呈し、その内側に開口5202が貫通している。
開口5202は、ディスプレイ装置33の表示面3302を視認できるように表示面3302に対応した大きさの長方形に形成されている。
開口5202が貫通する方向におけるフレーム52の一方の面である前面52Aは、互いに対向する一対の長辺部分と一対の短辺部分とを有し、それら長辺部分と短辺部分は、開口5202が貫通する方向と直交する同一面上を延在している。
この前面52Aは、図4、図5に示すように、遮光フード50がディスプレイパネル18に装着される際に、ディスプレイケース34の内面3404に合わされる箇所である。
なお、図6に示すように、一対の長辺部分のうちの下方に位置する長辺部分には欠部5204が設けられ、この欠部5204にスポンジ5206が装着されている。それら欠部5204及びスポンジ5206は、遮光フード50がディスプレイパネル18に装着された際に、ディスプレイケース34のパネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cに接触し、それらスイッチの誤動作を防止し、また、それらの箇所から遮光フード50の内部への外光の侵入を阻止するためのものである。
なお、欠部5204を介した外光の侵入がなければ、スポンジ5206を設けず、切り欠き5204を介してパネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cの操作を行えるように切り欠き5204を構成してもかまわない。
【0013】
図7に示すように、開口5202が貫通する方向におけるフレーム52の他方の面である後面52Bは、開口5202が貫通する方向と直交する面上で開口5202の周りを長方形の枠状に延在する4つの後面部5210と、4つの後面部5210の外縁からそれぞれ後方に起立する壁部5212とを含んで構成されている。
長方形の短辺部分に対応する2つの後面部5210の外縁から起立する壁部5212に、板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の一方が設けられている。本実施の形態では、図7に示すように、壁部5212の延在方向の中間部から後方に突出する突出片5213が設けられ、この突出片5213に金属板58が設けられている。
また、長方形の長辺部分に対応する1つの後面部5210に、板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の一方が設けられている。本実施の形態では、壁部5212の延在方向の中間部に、他の壁部5212の部分よりも厚さを大きくした膨出部5215が設けられ、この膨出部5215に金属板60が設けられている。
【0014】
遮光板56はフレーム52の後面52Bに取着され、遮光板56は、図4に示す使用状態(56A)と、図8に示す非使用状態(56B)との2つの姿勢がとられるように構成されている。
遮光板56は、図6、図7に示すように、4つの後面部5210のうちで前記長方形の長辺に対応する1つの後面部5210に設けられ該1つの後面部5210と同じ幅を有する第1遮光板部62と、4つの後面部5210のうちで前記長方形の2つの短辺に対応する2つの後面部5210にそれぞれ設けられ第1遮光板部62の幅方向の両側に折り畳み可能に連結された2つの第2遮光板部64とを備えている。
第1遮光板部62には、図6に示すように、屈曲可能な屈曲部6602を介して取り付け板部66が連結されている。
遮光板56のフレーム52への取り付けは、取り付け板部66が前記長方形の長辺に対応する1つの後面部5210と、この後面部5210の外縁から起立する壁部5212との間に設けられた溝に挿入されてフレーム52に取着されることでなされている。
【0015】
図4、図5に示すように、使用状態において、第1遮光板部62は、前記1つの長辺に対応する後面部5210の外縁から壁部5212の内側に沿って後方に延在し、2つの第2遮光板部64は、前記2つの短辺にそれぞれ対応する後面部5210の外縁から壁部5212の内側に沿って後方に延在している。
図8に示すように、非使用状態において、2つの第2遮光板部64は、使用状態において第1遮光板部62が開口5202に臨む内面に折り畳まれ、2つの第2遮光板部64が折り畳まれた第1遮光板部62は、それら折り畳まれた2つの第2遮光板部64が後面部5210上に位置するように後面部5210上に折り畳まれて開口5202を閉塞している。
なお、非使用状態において、第1遮光板部62は、前後方向において壁部5212の先端よりも開口5202側に位置している。
図7に示すように、遮光板56は、遮光性を有する合成樹脂製の薄板材5602と、その薄板材5602の一方の面に取着された反射防止機能に優れる布5604などで構成され、布5604は、使用状態において、第1遮光板部62および2つの第2遮光板部64が開口5202に臨む薄板材5602の内面に取着されている。また、反射防止機能に優れる布5604としてはトリコットなどが採用可能である。
【0016】
図7に示すように、使用状態において、壁部5212に設けられた金属板58に臨む第2遮光板部64の箇所に、金属板58に吸着される磁石68が設けられている。
また、非使用状態において、壁部5212に設けられた金属板60に臨む第1遮光板部62の箇所に、金属板60に吸着される磁石70が設けられている。本実施の形態では、第1遮光板部62の先端に、遮光板56の開閉を円滑に行うための摘み片63が設けられ、この摘み片63に磁石70が設けられている。なお、摘み片63は、図8に示すように、非使用状態において壁部5212の欠部5220に収容される。
なお、磁石68、70は、図9に示すように、合成樹脂性の薄板材5602の内部に埋め込まれて配設されている。
【0017】
図7に示すように、第1遮光板部62は長方形形状を呈している。
2つの第2遮光板部64は、使用状態において前記長方形の2つの短辺にそれぞれ対応する後面部5210の箇所に当接する前縁6402と、第1遮光板部62の側部に折り畳み可能に連結される上縁6404と、前縁6402の下端と上縁6404の後端とを接続する後縁6406とを備えている。
後縁6406は、前縁6402の下端から後方に直線状に延在する第1の縁部6410と、上縁6404の後端から下方に直線状に延在する第2の縁部6412と、それら縁部6410、6412を接続する傾斜縁6414とを有し、傾斜縁6414は、後方に至るにつれて次第に第1遮光板部62に近づくように傾斜している。
【0018】
図6に示すように、複数の係止爪54は、遮光フード50をディスプレイパネル18に係脱させるためのものであり、フレーム52の前面52Aの互いに対向する箇所に設けられている。
本実施の形態では、フレーム52の互いに対向する一対の長辺部分の両側に係止爪54がそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、一対の長辺部分のうちの一方の長辺部分に設けられた係止爪54はフレーム52に対して固定された固定爪72として形成されている。
また、一対の長辺部分のうちの他方の長辺部分に設けられた係止爪54は、前記一方の長辺部分に対して離間接近する方向に移動可能な可動爪74として形成されている。本実施の形態では、可動爪74は、フレーム52を構成する一対の短辺部分の延在方向と平行する方向に移動する。
可動爪74は、固定爪72よりも前記長辺部分の端部寄りに位置する箇所にそれぞれ設けられ、ディスプレイパネル18に遮光フード50が安定した状態で装着されるように図られている。
そして、可動爪74を、固定爪72が設けられた前記長辺部分に向けて付勢する付勢手段76が設けられている。
また、固定爪72が設けられた前記長辺部分に向かう方向における可動爪74の限界位置を決定するストッパ78が設けられている。
本実施の形態では、他方の長辺部分の両側に、可動爪74を収容するための収容溝80が設けられ、この収容溝80の内部に付勢手段76が配置され、ストッパ78は収容溝80の縁で構成されている。
【0019】
図6に示すように、固定爪72と可動爪74は、共に合成樹脂製であり固定爪72が可動爪74に臨む面と、可動爪74が固定爪72に臨む面とに、それぞれゴムなどからなる弾性部材82が取着されている。このような弾性部材82を固定爪72および可動爪74に設けると、固定爪72および可動爪74を介して遮光フード50がディスプレイパネル18に装着された際に、その装着状態を安定化させる上で有利となる。
固定爪72の先部は、先端に至るにつれて前記他方の長辺部分に近づく方向に湾曲する湾曲部72Aとして形成されている。
可動爪74の先部は、先端に至るにつれて前記一方の長辺部分に近づく方向に湾曲する湾曲部74Aとして形成されている。
固定爪72の湾曲部72Aと可動爪74の湾曲部74Aは、遮光フード50がディスプレイパネル18に取着された状態で、ディスプレイパネル18の外面をなす前記円筒面に係止する。
【0020】
次に遮光フード50の装着について説明する。
遮光フード50をディスプレイパネル18に装着する際には、図4に示すように、ディスプレイパネル18を収容凹部1202から開いて第1の使用位置とする。
そして、遮光板56を使用状態または非使用状態とする。
次に、フレーム52の前面52Aをパネル用ケース34の内面3404に臨ませて2つの可動爪74をパネル用ケース34の下側の長辺部分の下縁に係合させるとともに、その状態でフレーム52を把持して付勢部材76の付勢力に抗して上方に変位させる。
これにより、固定爪72がパネル用ケース34の上縁よりも上方に位置したならば、その状態でフレーム52の前面52Aを内面3404に当て付けて手を離す。
すると、可動爪74は、付勢部材76の付勢力により上方に変位し、2つの固定爪72および2つの可動爪74は、パネル用ケース34の上縁および下縁にそれぞれ係合され、パネル用ケース34を挟持する。この状態は付勢部材76の付勢力によって保持され、したがって、遮光フード50のディスプレイパネル18への装着状態が安定して保持される。
また、図5に示すように、遮光板56(第1遮光板62および2つの第2遮光板64)を使用状態とすることにより、ディスプレイ装置33の表示面3302に対する外光が遮光フード50によって遮光され、表示面3302を視認しやすい状態とすることができる。
ここで、第1の使用位置にあるディスプレイパネル18を第2の軸P2回りに揺動させると、遮光フード50もディスプレイパネル18と一体に揺動するため、ディスプレイパネル18の第2の軸P2回りの回転位置の如何に拘わらず表示面3302の視認性を安定して確保する上で有利となる。
【0021】
また、本実施の形態では、図10に示すように、ディスプレイパネル18を第2の使用位置としパネル用ケース34の外面3402を収容凹部1202に重ね合わせた場合、ディスプレイパネル18の外面3402が円筒面であるため、外面3402の上部および下部と、収容凹部1202の底面1202Aおよび収容凹部1202を囲むケース12の側面部分1210との間にそれぞれ上方および下方に開放状の空間S1、S2が形成される。
ここで、ディスプレイパネル18の外面をなす円筒面に、固定爪72、可動爪74の湾曲部72A、74Aが係止することから、固定爪72、可動爪74が空間S1、S2に収容され、ディスプレイパネル18が第2の使用位置に位置しているにも拘わらず、固定爪72および可動爪74は底面1202Aおよび側面部分1210に干渉しない。すなわち、固定爪72および可動爪74はケース12に干渉しない。
そのため、遮光フード50を装着した状態でディスプレイパネル18を第2の使用位置に位置させることができ、ディスプレイパネル18の第2の使用位置においても遮光フード50が使用可能となる。
さらに、ディスプレイパネル18が第2の使用位置にある状態で、遮光フード50の遮光板56を非使用状態として遮光板56により開口5202を閉塞すれば、遮光フード50をコンパクトにでき、したがって、ディスプレイ装置33の表示面3302の保護を図りつつ遮光フード50を取り外すことなく撮像装置10の運搬を行う上で有利となる。
特に、従来用いられていた、遮光フードをディスプレイパネルに取り付けるために、弾性帯状体をディスプレイパネルの背面に掛け回す構成では、弾性帯状体が邪魔になるためにディスプレイパネルを第2の使用位置に移動させることができず、使い勝手が悪いものであったが、本実施の形態ではそのような不具合を解消することができ有利である。
【0022】
遮光フード50をディスプレイパネル18から取り外す際には、フレーム52を把持して付勢部材76の付勢力に抗して上方に変位させ、固定爪72をパネル用ケース34の上縁から離間させ、その状態でフレーム52の前面52Aを内面3404から離れる方向に動かす。これにより固定爪72がパネル用ケース34の上縁から外れる。次いで、フレーム52を下方に動かし可動爪74をパネル用ケース34の下縁から外し、これにより、遮光フード50がディスプレイパネル18から取り外される。
【0023】
本実施の形態によれば、遮光フード50を固定爪72と可動爪74によってディスプレイパネル18に装着するようにしたので、遮光フード50のディスプレイパネル18に対する装着および取り外しが迅速かつ簡単に行え、使い勝手を高める上で有利となる。
特に、頻繁に移動を繰り返して撮影を行う業務用途で撮像装置10の移動前および移動後において遮光フード50の取り付け取り外しを行う場合であっても、遮光フード50の装着および取り外しに要する時間の短縮化が図れ、業務用途における撮影時の作業性の効率化を図る上で有利となる。
また、固定爪72と可動爪74によって遮光フード50をディスプレイパネル18に装着するようにしたので、ディスプレイパネル18のサイズが異なっている場合であっても、可動爪74の移動ストローク内であれば遮光フード50を装着でき、したがって、複数種類の撮像装置10に遮光フード50を装着でき、遮光フード50の汎用性を高める上で有利となる。
また、遮光フード50がディスプレイパネル18に取り付けられた状態で遮光板56を非使用状態とすると、遮光板56はフレーム52の内側に収容され遮光フード50がコンパクト化されるため、その状態でディスプレイパネル18を第2の使用位置にしても遮光フード50の部分がディスプレイパネル18に近接する撮像装置10のケース12の表面部分に設けられた操作スイッチやコネクタあるいは表示部などを覆わないため、撮像装置10の操作性を確保する上で有利となる。
【0024】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は撮像装置10の形態である。
図11は第2の実施の形態においてディスプレイパネル18に取り付けられた使用状態の遮光フード50を示す斜視図、図12はディスプレイパネル18に取り付けられた非使用状態の遮光フード50を示す斜視図である。以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付して説明する。
図11に示すように、撮像装置80はいわゆる業務用ビデオカメラであり、第1の実施の形態の撮像装置10に比較して大型のものである。
このような撮像装置80においてもケース12の左側面に長方形板状のディスプレイパネル18が開閉可能に連結されている。
したがって、第2の実施の形態においても、図11に示すように、遮光フード50が固定爪72および可動爪74を介してディスプレイパネル18に装着され、ディスプレイパネル18の表示面への外光が遮光され表示面を視認しやすくなっている。
また、図12に示すように、ディスプレイパネル18を第2の使用位置に位置させた状態で遮光フード50の遮光板56を非使用状態として遮光板56により開口5202を閉塞すれば、遮光フード50をコンパクトにでき、したがって、表示面の保護を図りつつ遮光フード50を取り外すことなく撮像装置80の運搬を行う上で有利となることは第1の実施の形態の場合と同様である。
なお、非使用状態において第1遮光板部62が、前後方向において壁部5212の先端よりも開口5202側に位置している状態が図12に明確に示されている。
このような第2の実施の形態の遮光フード50によっても第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
【0025】
なお、本発明に係る遮光フードは、ディスプレイパネルを有するビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置に用いることができることは無論のこと、ディスプレイパネルを有する種々の電子機器に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】撮像装置10の斜視図である。
【図2】撮像装置10の斜視図である。
【図3】撮像装置10の斜視図である。
【図4】遮光フード50をディスプレイパネル18に取り付ける際の説明図である。
【図5】遮光フード50をディスプレイパネル18に取り付けた状態の説明図である。
【図6】遮光フード50の斜視図である。
【図7】遮光フード50の斜視図である。
【図8】遮光板56の非使用状態の説明図である。
【図9】遮光板56の一部を破断して磁石58、60を露出させた図である。
【図10】遮光フード50が装着されたディスプレイパネル18を第2の使用位置に位置させた状態を示す図である。
【図11】第2の実施の形態においてディスプレイパネル18に取り付けられた使用状態の遮光フード50を示す斜視図である。
【図12】第1の実施の形態においてディスプレイパネル18に取り付けられた非使用状態の遮光フード50を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10……撮像装置、18……ディスプレイパネル、50……遮光フード、52……フレーム、52A……前面、52B……後面、5202……開口、54……係止爪、56……遮光板、72……固定爪、74……可動爪、76……付勢手段、78……ストッパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルに取着される遮光フードであって、
内側に開口が貫通する枠状のフレームと、
前記開口が貫通する方向における前記枠状のフレームの一方の面である前面から前方に突出し前記ディスプレイパネルに係脱する複数の係止爪と、
前記開口が貫通する方向における前記枠状のフレームの他方の面である後面から後方に突出する遮光板とを備え、
前記複数の係止爪は、前記フレームの互いに対向する箇所に設けられ、
前記互いに対向する箇所のうちの一方の箇所に設けられた係止爪は前記フレームに対して固定された固定爪として形成され、
前記互いに対向する箇所のうちの他方の箇所に設けられた係止爪は、前記一方の箇所に対して離間接近する方向に移動可能な可動爪として形成され、
前記可動爪を前記一方の箇所に向けて付勢する付勢手段が設けられ、
前記可動爪の前記一方の箇所に向かう方向における限界位置を決定するストッパが設けられている、
ことを特徴とする遮光フード。
【請求項2】
前記固定爪が前記他方の箇所に臨む面と、前記可動爪が前記一方の箇所に臨む面とに、それぞれ弾性部材が取着されている、
ことを特徴とする請求項1記載の遮光フード。
【請求項3】
前記フレームは、長方形の枠状を呈し、
前記固定爪は、前記フレームを構成する一対の長辺部分のうちの一方の長辺部分の両側にそれぞれ設けられ、
前記可動爪は、前記フレームを構成する一対の長辺部分のうちの他方の長辺部分の両側にそれぞれ設けられ、
前記可動爪は、前記フレームを構成する一対の短辺部分の延在方向と平行する方向に移動する、
ことを特徴とする請求項1記載の遮光フード。
【請求項4】
前記フレームは、長方形の枠状を呈し、
前記固定爪は、前記フレームを構成する一対の長辺部分のうちの一方の長辺部分の両側にそれぞれ設けられ、
前記可動爪は、前記フレームを構成する一対の長辺部分のうちの他方の長辺部分の両側で前記固定爪よりも前記長辺部分の端部寄りに位置する箇所にそれぞれ設けられ、
前記可動爪は、前記フレームを構成する一対の短辺部分の延在方向と平行する方向に移動する、
ことを特徴とする請求項1記載の遮光フード。
【請求項5】
前記固定爪の先部は、先端に至るにつれて前記他方の箇所に近づく方向に湾曲する湾曲部として形成され、
前記可動爪の先部は、先端に至るにつれて前記一方の箇所に近づく方向に湾曲する湾曲部として形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の遮光フード。
【請求項6】
前記フレームは、長方形の枠状を呈し、
前記固定爪は、前記フレームを構成する一対の長辺部分のうちの一方の長辺部分の両側にそれぞれ設けられ、
前記可動爪は、前記フレームを構成する一対の長辺部分のうちの他方の長辺部分の両側にそれぞれ設けられ、
前記可動爪は、前記フレームを構成する一対の短辺部分の延在方向と平行する方向に移動し、
前記固定爪の先部は、先端に至るにつれて前記他方の長辺部分に近づく方向に湾曲する湾曲部として形成され、
前記可動爪の先部は、先端に至るにつれて前記一方の長辺部分に近づく方向に湾曲する湾曲部として形成され、
前記ディスプレイパネルが表示面を有する内面とその反対に位置する外面は、前記枠状のフレームの前面とは同じ輪郭の長方形で形成され、
前記ディスプレイパネルの外面は、前記長方形の短辺の延在方向の中央で前記長方形の長辺の延在方向に平行して延在する中央部が前記内面との間の寸法が最も大きく、前記長方形の短辺の延在方向の両端で前記長方形の長辺の延在方向に平行して延在する両端部が前記内面との寸法が最も小さくなる円筒面で形成されており、
前記遮光フードが前記ディスプレイパネルに取着された状態で、前記固定爪の湾曲部と前記可動爪の湾曲部は前記円筒面に係止する、
ことを特徴とする請求項1記載の遮光フード。
【請求項7】
前記フレームの後面には、前記開口が貫通する方向と直交する面上で前記開口の周りを長方形の枠状に延在する4つの後面部と、前記4つの後面部の外縁からそれぞれ後方に起立する壁部とが設けられ、
前記遮光板は、前記4つの後面部のうちで前記長方形の長辺に対応する1つの後面部に設けられ該1つの後面部と同じ幅を有する第1遮光板部と、前記4つの後面部のうちで前記長方形の2つの短辺に対応する2つの後面部にそれぞれ設けられ前記第1遮光板部の幅方向の両側に折り畳み可能に連結された2つの第2遮光板部とを備え、
前記遮光板は、使用状態と非使用状態との2つの姿勢がとられるように構成され、
前記使用状態において、前記第1遮光板部は、前記1つの長辺に対応する前記後面部の外縁から前記壁部の内側に沿って後方に延在し、前記2つの第2遮光板部は、前記2つの短辺にそれぞれ対応する前記後面部の外縁から前記壁部の内側に沿って後方に延在し、
前記非使用状態において、前記2つの第2遮光板部は、前記使用状態において前記第1遮光板部が前記開口に臨む内面に折り畳まれ、前記2つの第2遮光板部が折り畳まれた前記第1遮光板部は、それら折り畳まれた2つの第2遮光板部が前記後面部上に位置するように前記後面部上に折り畳まれて前記開口を閉塞する、
ことを特徴とする請求項1記載の遮光フード。
【請求項8】
前記遮光板の非使用状態において、前記第1遮光板部は、前後方向において前記壁部の先端よりも前記開口側に位置している、
ことを特徴とする請求項7記載の遮光フード。
【請求項9】
前記2つの短辺に対応する2つの後面部の外縁から起立する前記壁部に、板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の一方が設けられ、前記使用状態において前記板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の一方に臨む前記第2遮光板部の箇所に、前記板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の他方が設けられている、
ことを特徴とする請求項7記載の遮光フード。
【請求項10】
前記第1遮光板部が設けられた前記1つの後面部に対向する後面部に、板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の一方が設けられ、前記非使用状態において前記板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の一方に臨む前記第1遮光板部の箇所に、前記板状の磁石または該磁石に吸着される金属板の他方が設けられている、
ことを特徴とする請求項7記載の遮光フード。
【請求項11】
前記第1遮光板部には屈曲可能な屈曲部を介して取り付け板部が連結され、
前記遮光板の前記フレームへの取り付けは、前記取り付け板部が前記長方形の長辺に対応する1つの後面部と、この後面部の外縁から起立する壁部との間に設けられた溝に挿入されて前記フレームに取着されることでなされている、
ことを特徴とする請求項7記載の遮光フード。
【請求項12】
前記遮光板は、遮光性を有する合成樹脂製の薄板材と、前記使用状態において前記薄板材が前記開口に臨む内面に取着された反射防止機能に優れる布とで構成されている、
ことを特徴とする請求項7記載の遮光フード。
【請求項13】
前記2つの第2遮光板部は、使用状態において前記長方形の2つの短辺にそれぞれ対応する前記後面部の箇所に当接する前縁と、前記第1遮光板部の側部に折り畳み可能に連結される上縁と、前記前縁の下端と前記上縁の後端とを接続する後縁とを備え、
前記後縁は、後方に至るにつれて次第に前記第1遮光板部に近づく傾斜縁を有している、
ことを特徴とする請求項7記載の遮光フード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−66835(P2008−66835A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240071(P2006−240071)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】