説明

遮熱断熱屋根構造および遮熱断熱材取付具

【課題】 屋根材と天井材との間に効率よく遮熱断熱材を配設する。
【解決手段】 折板屋根18に吊り下げられた第1吊下げボルト24に遮熱断熱材取付具10が連結されて、該遮熱断熱材取付具10に遮熱シート20が取り付けられる第1野縁28が着脱可能に保持されると共に、該第1野縁28に対して遮熱断熱材取付具10の下方から前記遮熱シート20が取り付けられて、前記遮熱断熱材取付具10に対して垂下するよう連結された第2吊下げボルト26に天井材22が取り付けられる天井下地材50を吊り下げて、前記遮熱シート20から離間した位置で天井材22を支持するよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遮熱断熱材が屋根材と天井材との間に配設された遮熱断熱屋根構造および該遮熱断熱材を保持する遮熱断熱材取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋根裏に断熱材が配設された断熱構造として、天井下地材の上面に断熱材を配設するものが知られている。例えば、特許文献1では、天井下地材の下面に天井材が取り付けられると共に、天井下地材の上面にグラスウール等から形成された断熱材が配設されている。天井下地材は、屋根材を支える垂木から垂下させたボルトの下端に取り付けられた金具に野縁受けが支持されると共に、該野縁受けに対して直交方向に延在するよう野縁が連結されて、格子状に配置された野縁受けおよび野縁の上側に断熱材を載置するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−102670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、断熱材を配設するに際しては、野縁受けおよび野縁の上面側に断熱材が載置されることから、該野縁受けを支持するボルトとの干渉を避けるために、断熱材におけるボルトとの対応位置に予め切欠き等の加工を施して、該断熱材の切欠き部分にボルトを整合させつつ、野縁受けおよび野縁の上面側に設置しなければならず、煩雑な作業を要する欠点がある。また、照明器具や空調器具等を天井に設置する場合は、該照明器具等の設置スペースを確保したり、配線やダクトを接続したりするために断熱材の穴あけなどの加工が必要となる。このような断熱材の加工は、施工現場において作業者が状況に合わせて実施しているため、手間がかかり作業効率が低下してしまう。また、断熱材が切り取られることで断熱効率が低下する問題もある。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、断熱材の穴あけ等の作業負担を軽減すると共に断熱効率の低下を防止し得る遮熱断熱屋根構造および遮熱断熱材取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る遮熱断熱屋根構造は、
屋根材および天井材の間に遮熱断熱材が配置された遮熱断熱屋根構造であって、
前記屋根材に吊り下げられた第1吊下げボルトに遮熱断熱材取付具が連結されて、該遮熱断熱材取付具に遮熱断熱材の設置部材が着脱可能に保持されると共に、該設置部材に対して遮熱断熱材取付具の下方から前記遮熱断熱材が取り付けられ、
前記遮熱断熱材取付具に対して垂下するよう連結された第2吊下げボルトを介して天井材が吊り下げられて、前記遮熱断熱材から離間した位置で天井材を支持するよう構成されたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、屋根材から吊り下げた遮熱断熱材取付具に取り付けられた設置部材に遮熱断熱材を一旦保持すると共に、この遮熱断熱材取付具に天井材が吊り下げられる構造であるため、天井材と遮熱断熱材との間に空調設備のダクト等を設置するスペースを確保することができ、ダクト等に合わせて遮熱断熱材をカットする必要がなく、作業効率を向上させ得る。また、天井材におけるダクト等を設置した部位の上部にも遮熱断熱材を配設することができるため、断熱効率が向上する。また、第1連結部に第1吊下げボルトを螺挿し、第2連結部に第2吊下げボルトを螺挿することで、遮熱断熱材取付具を取り付けることができるため、簡単な構成とし得る。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項2に係る遮熱断熱材取付具は、
屋根材および天井材の間に遮熱断熱材を保持する遮熱断熱材取付具であって、
前記遮熱断熱材の設置部材が着脱可能に取り付けられる支持部と、
前記支持部に設けられ、前記屋根材から吊り下げられた第1吊下げボルトが連結される第1連結部と、
前記支持部に設けられ、前記天井材を吊り下げる第2吊下げボルトが連結される第2連結部とからなり、
前記設置部材に取り付けられる遮熱断熱材より前記第2連結部が上方に位置するよう構成されたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、第1吊下げボルトを第1連結部に連結すると共に、第2連結部に連結した第2吊下げボルトに天井材を吊り下げるようにしたことで、屋根材と天井材の中間位置に遮熱断熱材取付具を設置できる。このため、遮熱断熱材取付具に設けられた設置部材に取り付けた遮熱断熱材を天井材から離間させることができ、遮熱断熱材のカット等の加工を行うことなく天井材と遮熱断熱材との間に空調設備のダクト等を設置するスペースを確保することができる。また、遮熱断熱材が遮熱断熱材取付具と干渉しないため、遮熱断熱材取付具に合わせて遮熱断熱材を加工する必要がなく、作業効率が向上し得る。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記第1連結部および第2連結部は、上下に対向するよう前記支持部に設けられて、該第1連結部および第2連結部に連結された前記第1吊下げボルトおよび第2吊下げボルトが同一直線上に整列するよう構成されたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、第1吊下げボルトおよび第2吊下げボルトが同一直線状に位置するため、第2吊下げボルトに吊り下げられる天井下地材等の重さを屋根材に連結する第1吊下げボルトに直接伝えることができる。すなわち、遮熱断熱材取付具に無理な力が作用するのを防ぎ、遮熱断熱材取付具の変形等を防止し得ると共に、遮熱断熱材取付具により天井材を安定して保持し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遮熱断熱屋根構造および遮熱断熱材取付具によれば、屋根材と天井材との間に天井材から遮熱断熱材を離間させた状態で配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る遮熱断熱屋根構造を示す斜視図であって、遮熱断熱材取付具により遮熱断熱材を屋根材と天井材との間に保持した状態を示す。
【図2】実施例に係る遮熱断熱材取付具を示す斜視図であって、上板を一部破断して示す。
【図3】実施例に係る遮熱断熱材取付具を示す正面図であって、遮熱断熱材取付具の支持部に取り付けられる第1野縁を2点鎖線で示す。
【図4】実施例に係る第1吊下げボルト、遮熱断熱材取付具、第1野縁、遮熱シートおよび第2吊下げボルトを示す分解斜視図である。
【図5】実施例に係る遮熱断熱屋根構造を遮熱断熱材取付具の正面側から視た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遮熱断熱屋根構造および遮熱断熱材取付具について、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下に説明する。実施例では、工場や倉庫等の建物における屋根材としての折板屋根と天井材との間に、遮熱断熱材取付具を用いて遮熱断熱材を施工した場合を示す。以下の説明において、「上」「下」「左」「右」「前」「後」とは、図3に示すように、遮熱断熱材取付具を正面からみた状態を基準として指称する。
【実施例】
【0015】
図1および図5に示すように、実施例に係る遮熱断熱屋根構造は、折板屋根18から吊り下げられた第1吊下げボルト24に遮熱断熱材取付具10が連結されると共に、遮熱断熱材取付具10に対して垂下するように連結された第2吊下げボルト26に天井下地材50が吊り下げられて、該天井下地材50に対して天井材22が固定されている。そして、前記遮熱断熱材取付具10に第1野縁(設置部材)28が着脱可能に保持されると共に、該第1野縁に対して遮熱断熱材取付具10の下方から遮熱シート(遮熱断熱材)20が取り付けられて、遮熱シート20を天井材22から離間した位置で支持するよう構成されている。ここで、実施例に係る遮熱シート20は、空気層を形成したポリエチレンシートの表裏面にアルミニウム薄膜が形成されたシート状物であって、熱線をアルミニウム薄膜で反射する遮熱効果と共に、空気層により熱伝導を抑制する断熱効果を備えたものである。
【0016】
図1に示すように、前記第1吊下げボルト24は、折板屋根18の山部の延在方向および交差方向(すなわち前後および左右方向)に所定の間隔で複数垂下されている。そして、前記遮熱断熱材取付具10が、同一高さ位置で同一姿勢となるよう第1吊下げボルト24の下端側に夫々連結されている。そして、前記折板屋根18の山部の交差方向に整列する複数の遮熱断熱材取付具10(後述する支持部12)に架け渡すよう長尺な第1野縁28が取り付けられて、第1野縁28が複数の遮熱断熱材取付具10によって保持されている。すなわち、前記第1野縁28は、前記折板屋根18の山部の延在方向に所定の間隔毎に複数設けられて、各第1野縁28が夫々平行となるよう構成されている。そして、前記複数の第1野縁28の下面に亘って、遮熱シート20が取り付けられて、折板屋根18の裏側全体を遮熱シート20で覆うよう構成されている。
【0017】
また、遮熱シート20を下側から貫通した前記第2吊下げボルト26の上端側が前記各遮熱断熱材取付具10に連結されており、複数の第2吊下げボルト26が遮熱シート20の下方へ前後左右に一定の間隔で垂下するよう構成されて、該第2吊下げボルト26の下端側に連結された前記天井下地材50に天井材22が設けられている。天井下地材50は、前記第1野縁28と同様に前後方向に延在する長尺の野縁受け52と、該野縁受け52の下方に連結金具62(図5参照)を介して連結されて野縁受け52に直交する左右方向に延在する長尺の第2野縁54とから格子状に形成され、該第2野縁54の下面に、遮熱シート20の下面全体を覆うように天井材22が保持されている。すなわち、概ね第2吊下げボルト26の長さ分だけ、遮熱シート20から離間した位置で前記天井材22が支持されて、遮熱シート20と天井材22との間に空調設備のダクト等を配置可能な空間60を画成するようになっている。実施例では、天井材22は第2野縁54に対してビス66で固定される。
【0018】
本実施例に係る遮熱断熱材取付具10は、一枚の鋼板を切断および曲げ加工して形成された部材であって、図2および図3に示すように、遮熱シート20の取り付けられた第1野縁28が着脱可能に取り付けられる支持部12と、前記折板屋根18から吊り下げられた前記第1吊下げボルト24に連結される第1連結部14と、前記天井材22を吊り下げる前記第2吊下げボルト26が連結される第2連結部16とを備えている。
【0019】
前記支持部12は、上下方向に長尺な矩形状のベース部30と、該ベース部30の前後端部から左方向へ延在し、相互に対向する一対の同形状の横支持板31とを備える。ここで、前記一対の横支持板31の構成は前後対称であるので、前側の横支持板31についてのみ説明し、後側の横支持板31については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。前記横支持板31は、前記ベース部30に接続する略矩形板状の基部32と、該基部32の下端から下方へ延在する係合片部33とから構成されて、該係合片部33に対して前記第1野縁28が着脱可能に係合保持されるようになっている。なお、前記係合片部33は、基部32の下方の中間部に形成されて、基部32の下端が、係合片部33との接続部位から左右の側方へ離間するにつれて僅かに下方傾斜するようになっている。
【0020】
前記係合片部33は、前記基部32の下端中央から下方に延在する接続部33aと、該接続部33aから下方に延在する下方延出部33bとから構成される。前記下方延出部33bは、上辺が長い略台形状に形成されて、該下方延出部33bの上辺が接続部33aの左右側端部から左右に突出しており、該下方延出部33bの突出部分に前記第1野縁(後述する係合縁部28c)が係合するよう構成されている。すなわち、前記下方延出部33bは、接続部33aとの接続部位から左右側方に延出して形成されて、左右の側縁部(傾斜縁部33c)が左右上端から下方へ向けて夫々内側に傾斜している。ここで、前記第1野縁28の構成は、図3および図4に示すように、底板28aの側縁から立ち上がった両側板28b,28bの上端に、逆L字形の係合縁部28cが夫々形成されたチャンネル形状に形成されている。そして、前記係合片部33における各傾斜縁部33cに、前記第1野縁28の係合縁部28cを対応的に当接させたもとで第1野縁を下から押圧することで、当該第1野縁28の両側板28b,28bが弾性的に拡開し、該係合縁部28cが下方延出部33bの上端まで達すると、両側板28b,28bが弾性復帰して該係合縁部28cが下方延出部33bの上端に当接係合して支持部12に第1野縁28が取り付けられる。このとき、前記各係合縁部28cが前記基部32の下端に当接して、第1野縁28の上方向の移動が規制されるようになっている。図5に示すように、複数の第1野縁28における底板28aの下面に、既知の固定接着手段(図示せず)を用いて遮熱シート20が取り付けられる。実施例では、固定接着手段として両面テープを用いたが、これに限られず適宜の接着剤やネジ止めにより固定しても良い。ここで、図3に示すように、第1野縁28に取り付けられた遮熱シート20は、遮熱断熱材取付具10(第2連結部16)の下端より下方に位置している。
【0021】
図2に示すように、前記第1連結部14は、前記ベース部30の上端部から右方向に延在する上板34と、該上板34の下面中央位置に設けられる円筒状の第1筒部36とから構成されて、該第1筒部36に上下に貫通する第1ネジ孔38が螺設されている。そして、前記折板屋根18に連結された第1吊下げボルト24の下端側を、第1連結部14の第1ネジ孔38に螺挿することで、第1吊下げボルト24に遮熱断熱材取付具10が取り付けられる。このとき、前記第1ネジ孔38に対する第1吊下げボルト24のネジ込み量を微調整することで、前記折板屋根18から垂下させた各第1吊下げボルト24に遮熱断熱材取付具10が同一高さ位置で同一姿勢となるよう取り付け得るようになっている。
【0022】
また、前記第2連結部16は、図2に示すように、前記ベース部30の下端部から右方向に延在する下板42と、該下板42の上面中央位置に設けられる円筒状の第2筒部44とから構成されて、該第2筒部44に上下に貫通する第2ネジ孔46が螺設されている。ここで、前記第1野縁28に取り付けられた前記遮熱シート20には、前記第2連結部16の第2ネジ孔46と上下に整列する位置に第2吊下げボルト26を挿通可能な貫通孔20aが形成されており(図4参照)、該遮熱シート20の貫通孔20aに挿通した第2吊下げボルト26を、前記第2連結部16の第2ネジ孔46に螺挿することで、遮熱断熱材取付具10に第2吊下げボルト26が連結される。なお、前記貫通孔20aの直径は、第2吊下げボルト26の直径より小さく設定されており、該第2吊下げボルト26が押し込むようにして貫通孔20aに挿通されることで、遮熱シート20が第2吊下げボルト26に密着するよう構成されている。
【0023】
前記第1連結部14の上板34および第2連結部16の下板42は、図4に示すように、上下に対向するよう形成されて前記第1ネジ孔38および第2ネジ孔46が鉛直線上に整列するよう構成されている。すなわち、前記第1ネジ孔38および第2ネジ孔46に連結された第1吊下げボルト24および第2吊下げボルト26が同一直線上に整列している。
【0024】
(実施例の作用)
次に、実施例に係る遮熱断熱材取付構造および遮熱断熱材取付具10の作用について説明する。遮熱シート20を天井材22から離間して配設したことで、天井材22と遮熱シート20との間に空調設備のダクト等を配設する空間60を確保することができ、ダクト等に合わせて遮熱シート20を予めカットする必要がなく、作業効率が向上する。また、ダクト等を配設した部位の上方にも遮熱シート20を配設することができるため、断熱効率が向上する。また、第1ネジ孔38に第1吊下げボルト24を螺挿し、第2ネジ孔46に第2吊下げボルト26を螺挿ることで、遮熱断熱材取付具10を取り付けることができるため、簡単な構成とし得る。
【0025】
第1吊下げボルト24を第1ネジ孔38に螺挿して連結すると共に、第2ネジ孔46に螺挿した第2吊下げボルト26に天井材22を吊り下げるようにしたことで、折板屋根18と天井材22の中間位置に遮熱断熱材取付具10を設置できる。このため、遮熱断熱材取付具10に設けられた第1野縁28に取り付けた遮熱シート20を天井材22から離間させることができ、遮熱シート20にカット等の加工を行うことなく天井材22と遮熱シート20との間に空調設備のダクト等を配置する空間60を確保することができる。また、遮熱シート20が取り付けられる第1野縁28の下面は、遮熱断熱材取付具10の下端よりも下方に位置する構成であって、遮熱シート20が遮熱断熱材取付具10と干渉しないため、遮熱断熱材取付具10の下方全面に遮熱シート20を敷設することができ断熱効率を向上させることができると共に、遮熱断熱材取付具10に合わせて遮熱シート20を加工する必要がなく作業効率を向上させることができる。また、第1ネジ孔38および第2ネジ孔46に対する第1吊下げボルト24および第2吊下げボルト26のネジ込み量を調節することで、遮熱断熱材取付具10の高さ位置や姿勢の調整を容易に行うことができる。
【0026】
更に、第1吊下げボルト24および第2吊下げボルト26が同一直線状に位置するため、第2吊下げボルト26に吊り下げられる天井材22等の重さを折板屋根18に連結する第1吊下げボルト24に直接伝えることができ、遮熱断熱材取付具10に無理な力が作用するのを防止し、遮熱断熱材取付具10により天井材22を安定して保持し得ると共に、遮熱断熱材取付具10の変形等を防止できる。
【0027】
(変更例)
(1) 実施例では、遮熱断熱材としてポリエチレン等により空気層を有するシート状に形成されると共に表面にアルミ蒸着等により反射層が形成された遮熱シートを採用したが、グラスウール等の繊維系断熱材や、フェノールフォーム等の発泡系断熱材等であってもよい。すなわち、遮熱断熱材としては、伝導や対流によって熱が伝わるのを防止する断熱材や、放射によって熱が伝わるのを防ぐ遮熱材を含み、また断熱材および遮熱材を含む複合材を含む概念である。
(2) 実施例では、遮熱断熱材取付具の支持部、第1連結部および第2連結部を鋼板の切断および曲げ加工により形成したが、支持部、第1連結部および第2連結部の夫々を独立した部材で形成して、各部材を溶接やネジ、リベット等で連結固定して遮熱断熱材取付具を形成するようにしても良い。
(3) 実施例では、遮熱断熱材取付具の支持部をベース部と一対の横支持板とから形成したが、該一対の横支持板が連結したブロック形状とすることも可能である。
(4) 実施例では、遮熱断熱材取付具の支持部(係合片部)に対して、遮熱断熱材の設置部材(すなわち第1野縁)を係合保持するよう構成したが、ネジやその他従来公知の固定手段によって支持部に対して設置部材を着脱可能に取り付けるよう構成することもできる。
(5) 遮熱断熱材取付具における支持部、第1連結部および第2連結部の配置関係は、実施例のものに限られず、支持部に対して設置部材を取り付け可能で、屋根材から吊り下げられた第1吊下げボルトを第1連結部に連結でき、かつ第2連結部材から天井材を吊り下げる第2吊下げボルトを連結可能な配置であれば良い。
(6) 第1吊下げボルトとして、全体に雄ネジが形成された実施例を示したが、これに限られるものではなく、第1連結部との連結部分である下端部にのみ雄ネジが形成されていても良い。
(7) 第1吊下げボルトは、屋根に直接吊り下げられている必要はなく、屋根を支持する垂木等の屋根支持構造に第1連結ボルトを吊り下げるよう構成しても良い。すなわち、本発明の屋根材は、屋根自体だけではなく、屋根を支持する屋根支持構造をも含むものである。また屋根材は、折板屋根に限定されるものではない。
(8) 天井材は、天井下地材を介して第2吊下げボルトに連結されている必要はなく、天井材を第2吊下げボルトで直接吊り下げても良い。
【符号の説明】
【0028】
10 遮熱断熱材取付具,12 支持部,14 第1連結部,16 第2連結部
18 折板屋根(屋根材),20 遮熱シート(遮熱断熱材),22 天井材
24 第1吊下げボルト,26 第2吊下げボルト,28 第1野縁(設置部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材(18)および天井材(22)の間に遮熱断熱材(20)が配置された遮熱断熱屋根構造であって、
前記屋根材(18)に吊り下げられた第1吊下げボルト(24)に遮熱断熱材取付具(10)が連結されて、該遮熱断熱材取付具(10)に遮熱断熱材(20)の設置部材(28)が着脱可能に保持されると共に、該設置部材(28)に対して遮熱断熱材取付具(10)の下方から前記遮熱断熱材(20)が取り付けられ、
前記遮熱断熱材取付具(10)に対して垂下するよう連結された第2吊下げボルト(26)を介して天井材(22)が吊り下げられて、前記遮熱断熱材(20)から離間した位置で天井材(22)を支持するよう構成された
ことを特徴とする遮熱断熱屋根構造。
【請求項2】
屋根材(18)および天井材(22)の間に遮熱断熱材(20)を保持する遮熱断熱材取付具であって、
前記遮熱断熱材(20)の設置部材(28)が着脱可能に取り付けられる支持部(12)と、
前記支持部(12)に設けられ、前記屋根材(18)から吊り下げられた第1吊下げボルト(24)が連結される第1連結部(14)と、
前記支持部(12)に設けられ、前記天井材(22)を吊り下げる第2吊下げボルト(26)が連結される第2連結部(16)とからなり、
前記設置部材(28)に取り付けられる遮熱断熱材(20)より前記第2連結部(16)が上方に位置するよう構成された
ことを特徴とする遮熱断熱材取付具。
【請求項3】
前記第1連結部(14)および第2連結部(16)は、上下に対向するよう前記支持部(12)に設けられて、該第1連結部(14)および第2連結部(16)に連結された前記第1吊下げボルト(24)および第2吊下げボルト(26)が同一直線上に整列するよう構成された請求項2記載の遮熱断熱材取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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