説明

遮蔽板の取り付け構造

【課題】遮蔽板を支える支柱が土台に固定された後であっても、遮蔽板の設置位置を容易に調整できるようにする。
【解決手段】第1、第2の支柱と、第1、第2の接続部材と、第1、第2の板よりなる第1の可動部材と、第3、第4の板よりなる第2の可動部材と、端部において第1、第2の屈曲部を形成する遮蔽板とを有し、第1の板に設けた第1の長孔と第1の接続部材に設けた孔とにより第1の可動部材を第1の支柱と第1の長孔の任意の位置で固定し、第3の板に設けた第2の長孔と第2の接続部材に設けた孔とにより第2の可動部材を第2の支柱と第2の長孔の任意の位置で固定し、第1の屈曲部に設けた第3の長孔と第2の板に設けた孔とにより遮蔽板を第1の可動部材と第3の長孔の任意の位置で固定し、第2の屈曲部に設けた第4の長孔と第4の板に設けた孔とにより、遮蔽板を第2の可動部材と第4の長孔の任意の位置で固定するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽板の取り付け構造に関し、さらに詳細には、遮蔽板を所定の位置に精度よく固定する際に用いて好適な遮蔽板の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外部から内部へ及ぼされる影響を遮断したり、あるいは、内部から外部へ影響を及ぼすことがないようにするための遮蔽板として、例えば、金属や木材あるいは樹脂などの各種の材料により形成された板状物体が用いられている。
【0003】

こうした遮蔽板のなかで、ドップラーレーダーを用いた測定などにおいて電波を遮るために用いられるものが知られているが、こうした遮蔽板においては、精度の高い測定結果を保証するために、厳密に測定された設置位置にコンクリートなどを用いてその土台を固定する必要があった。
【0004】
ここで、厳密に測定された設置位置に遮蔽板を固定するには、まず、測定機器を用いて遮蔽板を設置する位置を厳密に決定して位置決めした後に、遮蔽板を位置決めした設置位置に設置し、設置した遮蔽板を支える支柱を固定するために支柱の土台をコンクリートなどで固定する。
【0005】
それから、コンクリートなどにより設置位置に固定された支柱に支えられている遮蔽板が先に位置決めした設置位置に設置されているか否かを、測定機器を用いて確認するようにしていた。
【0006】

しかしながら、設置位置を厳密に位置決めする際の測定ミスや土台を固定するために用いるコンクリートの流し入れミスなどにより、遮蔽板の設置位置が厳密に位置決めされた設置位置からはずれてしまうことがあり、ミスした状態で固定されてしまった遮蔽板はその設置位置を変更することができなかった。
【0007】
このため、従来においては、ミスした状態で遮蔽板が固定されてしまった場合には、改めて位置決め作業からやり直して遮蔽板を設置位置に固定しなければならず、人的、時間的ならびに物質的なコスト高を招来するという問題点があった。
【0008】

なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遮蔽板を支える支柱が土台に固定された後であっても、遮蔽板の設置位置を容易に調整できるようにして、人的、時間的ならびに物質的なコストの低減を図ることを可能にした遮蔽板の取り付け構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、予め位置決めされた所定の位置に固定される遮蔽板の取り付け構造において、土台に固定されて所定の位置に設置される第1の支柱と、土台に固定されて上記第1の支柱と所定の間隔を有して設置される第2の支柱と、上記第1の支柱の所定の位置で固定される第1の接続部材と、上記第2の支柱の所定の位置で固定される第2の接続部材と、第1の方向に延長される第1の板と第2の方向に延長される第2の板よりなる断面L字形状を備え、上記第1の接続部材を上記第1の支柱に対して上記第1の板が係止され、上記第1の支柱と上記第1の方向に所定の範囲で固定可能な第1の可動部材と、上記第1の方向に延長される第3の板と上記第2の方向に延長される第4の板とよりなる断面L字形状を備え、上記第2の接続部材を介して上記第2の支柱に対して上記第3の板が係止され、上記第2の支柱と上記第1の方向に所定の範囲で固定可能な第2の可動部材と、上記第1の方向における一方の端部において任意の長さを有して上記第2の方向に屈曲し上記第2の板と上記第2の方向に所定の範囲で固定可能な第1の屈曲部を形成し、上記第1の方向における他方の端部において任意の長さを有して上記第2の方向に屈曲し上記第4の板と上記第2の方向に所定の範囲で固定可能な第2の屈曲部を形成する遮蔽板とを有するようにしたものである。
【0011】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記第1の可動部材の上記第1の板は、上記第1の方向に延長して複数設けられた第1の長孔を有し、上記第1の接続部材は、上記第1の長孔に対応して設けられた孔を有し、上記第2の可動部材の上記第3の板は、上記第1の方向に延長して複数設けられた第2の長孔を有し、上記第2の接続部材は、上記第2の長孔に対応して設けられた孔を有し、上記第1の屈曲部は、上記第2の方向に延長して複数設けられた第3の長孔を有し、上記第1の可動部材の上記第2の板は、上記第3の長孔に対応して設けられた孔を有し、上記第2の屈曲部は、上記第2の方向に延長して複数設けられた第4の長孔を有し、上記第2の可動部材の上記第4の板は、上記第4の長孔に対応して設けられた孔を有し、上記第1の可動部材の上記第1の板に上記第1の方向に延長して複数設けられた上記第1の長孔と上記第1の接続部材に上記第1の長孔に対応して設けられた上記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記第1の可動部材は上記第1の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定され、上記第2の可動部材の上記第3の板に上記第1の方向に延長して複数設けられた上記第2の長孔と上記第2の接続部材に上記第2の長孔に対応して設けられた上記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記第2の可動部材は上記第2の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定され、上記第1の屈曲部に上記第2の方向に延長して複数設けられた上記第3の長孔と上記第1の可動部材の上記第2の板に上記第3の長孔に対応して設けられた上記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記遮蔽板は上記第3の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定され、上記第2の屈曲部に上記第2の方向に延長して複数設けられた上記第4の長孔と上記第2の可動部材の上記第4の板に上記第4の長孔に対応して設けられた上記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記遮蔽板は上記第4の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定されるようにしたものである。
【0012】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記第1の可動部材の上記第1の板は、上記第1の方向に延長して複数設けられた第1の長孔を有し、上記第1の接続部材は、上記第1の長孔に対応して設けられた第2の長孔を有し、上記第2の可動部材の上記第3の板は、上記第1の方向に延長して複数設けられた第3の長孔を有し、上記第2の接続部材は、上記第3の長孔に対応して設けられた第4の長孔を有し、上記第1の屈曲部は、上記第2の方向に延長して複数設けられた第5の長孔を有し、上記第1の可動部材の上記第2の板は、上記第5の長孔に対応して設けられた第6の長孔を有し、上記第2の屈曲部は、上記第2の方向に延長して複数設けられた第7の長孔を有し、上記第2の可動部材の上記第4の板は、上記第7の長孔に対応して設けられた第8の長孔を有し、上記第1の可動部材の上記第1の板に上記第1の方向に延長して複数設けられた上記第1の長孔と上記第1の接続部材に上記第1の長孔に対応して設けられた上記第2の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記第1の可動部材は上記第1の長孔の長さと上記第2の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定され、上記第2の可動部材の上記第3の板に上記第1の方向に延長して複数設けられた上記第3の長孔と上記第2の接続部材に上記第3の長孔に対応して設けられた上記第4の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記第2の可動部材は上記第3の長孔の長さと上記第4の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定され、上記第1の屈曲部に上記第2の方向に延長して複数設けられた上記第5の長孔と上記第1の可動部材の上記第2の板に上記第5の長孔に対応して設けられた上記第6の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記遮蔽板は上記第5の長孔の長さと上記第6の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定され、上記第2の屈曲部に上記第2の方向に延長して複数設けられた上記第7の長孔と上記第2の可動部材の上記第4の板に上記第7の長孔に対応して設けられた上記第8の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、上記遮蔽板は上記第7の長孔の長さと上記第8の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上説明したように構成されているので、遮蔽板を支える支柱が土台に固定された後であっても、遮蔽板の設置位置を容易に調整することができるようになり、人的、時間的ならびに物質的なコストの低減を図ることが可能になるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による遮蔽板の取り付け構造の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0015】

ここで、図1には本発明の実施の形態の一例を示す遮蔽板の取り付け構造を備えた遮蔽装置の概略構成斜視説明図が示されており、図2(a)(b)(c)(d)(e)(f)には図1における接続部材の概略構成斜視説明図が示されており、図3(a)(b)には図1におけるスライド部材の概略構成斜視説明図が示されており、図4には図1における遮蔽板の概略構成斜視説明図が示されている。
【0016】
この図1に示す本発明による遮蔽板の取り付け構造を備えた遮蔽装置10は、上面部が開口した凹部14aを形成した略箱状体の土台部14と、上面部が開口した凹部18aを形成した略箱状体の土台部18と、土台部14の上面部よりZ軸方向に延長するようにして凹部14a内に挿入されて固定される支柱12と、土台部18の上面部よりZ軸方向に延長するようにして凹部18a内に挿入されて固定される支柱16と、支柱12の所定の位置に係止される接続部材20−1、20−2、20−3と、支柱16の所定の位置に係止される接続部材26−1、26−2、26−3と、ボルト22−1a、22−2a、22−3aとナット22−1b、22−2b、22−3bとよりなる締結部材22−1、22−2、22−3により接続部材20−1、20−2、20−3に固定されて接続部材20−1、20−2、20−3を介して支柱12に接続されるスライド部材24と、ボルト28−1a、28−2a、28−3aとナット28−1b、28−2b、28−3bとよりなる締結部材28−1、28−2、28−3により接続部材26−1、26−2、26−3に固定されて接続部材26−1、26−2、26−3を介して支柱16に接続されるスライド部材30と、ボルト32−1a、32−2a、32−3aとナット32−1b、32−2b、32−3bとよりなる締結部材32−1、32−2、32−3、32−4によりスライド部材24に固定されるとともにボルト34−1a、34−2a、34−3aとナット34−1b、34−2b、34−3bとよりなる締結部材34−1、34−2、34−3、34−4によりスライド部材30に固定される遮蔽板36とを有して構成されている。
【0017】

より詳細には、図2(a)(b)(c)に示すように、接続部材20−1、20−2、20−3は、それぞれ筒部20−1a、20−2a、20−3aからY軸方向に沿って右方側へ延設された板状の凸部20−1b、20−2b、20−3bを有する略筒状の金具である。
【0018】
そして、筒部20−1a、20−2a、20−3aには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置された2つのネジ孔たる孔20−1c、20−2c、20−3cが穿設されており、また、凸部20−1b、20−2b、20−3bには孔20−1d、20−2d、20−3dが穿設されている。
【0019】
同様に、図2(d)(e)(f)に示すように、接続部材26−1、26−2、26−3は、それぞれ筒部26−1a、26−2a、26−3aからY軸方向に沿って左方側に延設された板状の凸部26−1b、26−2b、26−3bを有する略筒状の金具である。
【0020】
そして、筒部26−1a、26−2a、26−3aには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置された2つのネジ孔たる孔26−1c、26−2c、26−3cが穿設されており、また、凸部26−1b、26−2b、26−3bには孔26−1d、26−2d、26−3dが穿設されている。
【0021】

また、図3(a)に示すように、スライド部材24は、Z軸方向に延長された断面L字形状の金属板であり、YZ平面に沿って延設されて接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bと接続される板24aと、板24aと直交するようにしてXZ平面に沿って延設されるとともに遮蔽板36と接続される板24bとより構成されている。
【0022】
そして、板24aには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置されるとともにY軸方向に延長した長さL1を備えた3つの長孔24a−1、24a−2、24a−3が穿設されており、また、板24bには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置された4つの孔24b−1、24b−2、24b−3、24b−4が穿設されている。
【0023】
なお、孔24b−1、24b−2、24b−3、24b−4は、後述する遮蔽板36の長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4と対応した位置に設けられている。
【0024】
同様に、図3(b)に示すように、スライド部材30は、Z軸方向に延長された断面L字形状の金属板であり、YZ平面に沿って延設されて接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bと接続される板30aと、板30aと直交するようにしてXZ平面に沿って延設されるとともに遮蔽板36と接続される板30bとより構成されている。
【0025】
そして、板30aには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置されるとともにY軸方向に延長した長さL1を備えた3つの長孔30a−1、30a−2、30a−3が穿設されており、また、板30bには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置された4つの孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4が穿設されている。
【0026】
なお、孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4は、後述する遮蔽板36の長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4と対応した位置に設けられている。
【0027】

さらに、遮蔽板36は金属板により形成されており、図4に示すように、Y軸方向に延長された略矩形状の板状部36cと、板状部36cの長手方向(Y軸方向)の両側の端部において板状部36cと直交するようにしてX軸方向に沿って屈曲形成された屈曲部36a、36bとより構成されている。
【0028】
そして、屈曲部36aには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置されるとともにX軸方向に延長された長さL2の長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4が穿設されている。
【0029】
同様に、屈曲部36bには、それぞれZ軸方向に沿って上下方向に配置されるとともにX軸方向に延長された長さL2の長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4が穿設されている。
【0030】

ここで、各部材の関係について説明することとするが、まず、接続部材20−1、20−2、20−3と支柱12との関係について説明する。
【0031】
即ち、接続部材20−1、20−2、20−3は、図5(a)に示すように、止めネジよりなる締結部材21−1、21−2、21−3を用いて、支柱12の所定の位置に固定されるものである。
【0032】
より詳細には、接続部材20−1、20−2、20−3の筒部20−1a、20−2a、20−3aに支柱12を挿入し、孔20−1c、20−2c、20−3cに締結部材21−1、21−2、21−3を挿入してネジ込みすることにより、締結部材21−1、21−2、21−3を支柱12の周面に係止させて、接続部材20−1、20−2、20−3を支柱12の周面の所定の位置にそれぞれ固定するようになされている。
【0033】
これにより、接続部材20−1、20−2、20−3を、支柱12におけるZ軸方向の所望の位置でそれぞれ固定することができることとなる。
【0034】
同様に、接続部材26−1、26−2、26−3は、図5(b)に示すように、止めネジよりなる締結部材27−1、27−2、27−3を用いて、支柱16の所定の位置に固定されるものである。
【0035】
より詳細には、接続部材26−1、26−2、26−3の筒部26−1a、26−2a、26−3aに支柱16を挿入し、孔26−1c、26−2c、26−3cに締結部材27−1、27−2、27−3を挿入してネジ込みすることにより、締結部材27−1、27−2、27−3を支柱16の周面に係止させて、接続部材26−1、26−2、26−3を支柱16の周面の所定の位置にそれぞれ固定するようになされている。
【0036】
これにより、接続部材26−1、26−2、26−3を、支柱16におけるZ軸方向の所望の位置でそれぞれ固定することができることとなる。
【0037】

次に、図6を参照しながら、スライド部材24と接続部材20−1、20−2、20−3との関係について説明すると、スライド部材24は接続部材20−1、20−2、20−3を介して支柱12の所定の位置に係止されることになる。
【0038】
より詳細には、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bの裏面20−1ba、20−2ba、20−3baにスライド部材24の板24aの表面24aaを当接させ、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bにそれぞれ設けられた孔20−1d、20−2d、20−3dとスライド部材24の板24aに設けられた長孔24a−1、24a−2、24a−3とを連通した状態で所定の位置に位置合わせする。そして、締結部材22−1、22−2、22−3のボルト22−1a、22−2a、22−3aを連通した状態で所定の位置に位置合わせされた孔20−1d、20−2d、20−3dと長孔24a−1、24a−2、24a−3とに挿入し、締結部材22−1、22−2、22−3のナット22−1b、22−2b、22−3bをボルト22−1a、22−2a、22−3aにネジ込んで、スライド部材24を接続部材20−1、20−2、20−3に一体的に固定するようになされている。
【0039】
ここで、スライド部材24の板24aに設けられた長孔24a−1、24a−2、24a−3はY軸方向に長さL1で延長されているため、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bにそれぞれ設けられた孔20−1d、20−2d、20−3dとスライド部材24の板24aに設けられた長孔24a−1、24a−2、24a−3とを連通した状態で締結部材22−1、22−2、22−3により固定する際には、Y軸方向に長さL1の範囲内で任意の位置に固定することができる。つまり、スライド部材24は、支柱12に対してY軸方向に長さL1の範囲内の所望の位置で固定することができることとなる。
【0040】
同様に、図7を参照しながら、スライド部材30と接続部材26−1、26−2、26−3との関係について説明すると、スライド部材30は接続部材26−1、26−2、26−3を介して支柱16の所定の位置に係止されることになる。
【0041】
より詳細には、接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bの裏面26−1ba、26−2ba、26−3baにスライド部材30の板30aの表面30aaを当接させ、接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bにそれぞれ設けられた孔26−1d、26−2d、26−3dとスライド部材30の板30aに設けられた長孔30a−1、30a−2、30a−3とを連通した状態で所定の位置に位置合わせする。そして、締結部材28−1、28−2、28−3のボルト28−1a、28−2a、28−3aを連通した状態で所定の位置に位置合わせされた孔26−1d、26−2d、26−3dと長孔30a−1、30a−2、30a−3とに挿入し、締結部材28−1、28−2、28−3のナット28−1b、28−2b、28−3bをボルト28−1a、28−2a、28−3aにネジ込んで、スライド部材30を接続部材26−1、26−2、26−3に一体的に固定するようになされている。
【0042】
ここで、スライド部材30の板30aに設けられた長孔30a−1、30a−2、30a−3はY軸方向に長さL1で延長されているため、接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bにそれぞれ設けられた孔26−1d、26−2d、26−3dとスライド部材30の板30aに設けられた長孔30a−1、30a−2、30a−3とを連通した状態で締結部材28−1、28−2、28−3により固定する際には、Y軸方向に長さL1の範囲内で任意の位置に固定することができる。つまり、スライド部材30は、支柱16に対してY軸方向に長さL1の範囲内の所望の位置で固定することができることとなる。
【0043】

次に、図8および図9を参照しながら、遮蔽板36とスライド部材24およびスライド部材30との関係について説明すると、遮蔽板36は、スライド部材24およびスライド部材30に対して、それぞれ締結部材32−1、32−2、32−3、32−4および締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を用いて所定の位置に固定される。
【0044】
即ち、図8に示すように、遮蔽板36は、屈曲部36aにおいて屈曲部36aの裏面36aaとスライド部材24の板24bの表面24baとを当接するようにして、屈曲部36aに設けられた長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4とスライド部材24の板24bに設けられた孔24b−1、24b−2、24b−3、24b−4とを連通した状態で所定の位置に位置合わせする。そして、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4のボルト32−1a、32−2a、32−3a、32−4aを連通した状態で所定の位置に位置合わせされた長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4と孔24b−1、24b−2、24b−3、24b−4とに挿入し、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4のナット32−1b、32−2b、32−3b、32−4bをボルト32−1a、32−2a、32−3a、32−4aにネジ込んで、遮蔽板36を接続部材スライド部材24に一体的に固定するようになされている。
【0045】
ここで、遮蔽板36の屈曲部36aに設けられた長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4はX軸方向に長さL2で延長されているため、スライド部材24の板24bに設けられた孔24b−1、24b−2、24b−3、24b−4と屈曲部36aに設けられた長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4とを連通した状態で締結部材32−1、32−2、32−3、32−4により固定する際には、X軸方向に長さL2の範囲内で任意の位置に固定することができる。つまり、遮蔽板36の屈曲部36aは、スライド部材24の板24bに対してX軸方向に長さL2の範囲内の所望の位置で固定することができることとなる。
【0046】
同様に、図9に示すように、遮蔽板36は、屈曲部36bにおいて屈曲部36bの裏面36baとスライド部材30の板30bの表面30baとを当接するようにして、屈曲部36bに設けられた長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4とスライド部材30の板30bに設けられた孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4とを連通した状態で所定の位置に位置合わせする。そして、締結部材34−1、34−2、34−3、34−4のボルト34−1a、34−2a、34−3a、34−4aを連通した状態で所定の位置に位置合わせされた長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4と孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4とに挿入し、締結部材34−1、34−2、34−3、34−4のナット34−1b、34−2b、34−3b、34−4bをボルト34−1a、34−2a、34−3a、34−4aにネジ込んで、遮蔽板36を接続部材スライド部材30に一体的に固定するようになされている。
【0047】
ここで、遮蔽板36の屈曲部36bに設けられた長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4はX軸方向に長さL2で延長されているため、スライド部材30の板30bに設けられた孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4と屈曲部36bに設けられた長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4とを連通した状態で締結部材34−1、34−2、34−3、34−4により固定する際には、X軸方向に長さL2の範囲内で任意の位置に固定することができる。つまり、遮蔽板36の屈曲部36bは、スライド部材30の板30bに対してX軸方向に長さL2の範囲内の所望の位置で固定することができることとなる。
【0048】
従って、遮蔽板36をスライド部材24およびスライド部材30に固定する際に、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4および締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を固定する固定位置が、長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4および長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4の各長孔の後方側の端部に位置するときは、遮蔽板36は最前方に位置するようになる。
【0049】
一方、遮蔽板36をスライド部材24およびスライド部材30に固定する際に、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4および締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を固定する固定位置が、長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4および長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4の各長孔の前方側の端部に位置するときは、遮蔽板36は最後方、つまり、最も支柱12および支柱16に近づいて位置することとなる。
【0050】
また、遮蔽板36をスライド部材24およびスライド部材30に固定する際に、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4および締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を固定する固定位置が、屈曲部36aおよび屈曲部36bともにX軸方向に対して同じ方向に同じ長さだけ長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4および長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4において移動させた場合には、遮蔽板36はYZ平面方向に対して平行した状態で固定されるようになる。
【0051】
一方、遮蔽板36をスライド部材24およびスライド部材30に固定する際に、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4および締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を固定する固定位置が、屈曲部36aの長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4と屈曲部36bの長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4とでX軸方向に対して異なる方向や異なる長さで長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4および長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4において移動させた場合には、遮蔽板36はXY平面において所定の角度がつけられた状態で固定されるようになる。
【0052】

以上の構成において、遮蔽装置10の遮蔽板36を任意に位置決めされた所定の位置に固定するには、まず、土台14および土台18を予め測定機器により大まかに位置決めされた設置位置に設置し、土台14に支柱12を挿入してZ軸方向に沿って立たせた状態でコンクリートを流し込んで固定するとともに、土台18に支柱16を挿入してZ軸方向に沿って立たせた状態でコンクリートを流し込んで固定する。
【0053】
なお、このとき、土台14および土台18の設置位置は大まかに位置決めされているが、支柱12と支柱16との間隔は厳密に設定されて土台14と土台18とにそれぞれ固定されるものとする。
【0054】
次に、遮蔽板36の屈曲部36aを締結部材32−1、32−2、32−3、32−4を用いてスライド部材24の板24bに取り付けるとともに、遮蔽板36の屈曲部36bを締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を用いてスライド部材30の板30bに取り付ける。
【0055】
そして、スライド部材24の板24aに接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bを締結部材22−1、22−2、22−3を用いて取り付け、また、スライド部材30の板30aに接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bを締結部材28−1、28−2、28−3を用いて取り付ける。
【0056】
さらに、スライド部材24の板24aに取り付けられた接続部材20−1、20−2、20−3の筒部20−1a、20−2a、20−3aを支柱12に挿入して、締結部材21−1、21−2、21−3を用いて支柱12に接続部材20−1、20−2、20−3を取り付け、また、スライド部材30の板30bに取り付けられた接続部材26−1、26−2、26−3の筒部26−1a、26−2a、26−3aを支柱16に挿入して、締結部材27−1、27−2、27−3を用いて支柱16に接続部材26−1、26−2、26−3を取り付ける。
【0057】
上記のようにして、遮蔽板36は大まかに位置決めされた状態で、土台14および土台18にそれぞれ固定された支柱12および支柱16に取り付けられる。
【0058】

次に、大まかに位置決めされた状態で支柱12および支柱16に取り付けられた遮蔽板36の位置調整を行うことになるが、まず、X軸方向における遮蔽板36の取り付け位置を調整する場合には、遮蔽板36の屈曲部36aおよび屈曲部36bにそれぞれ設けられた長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4および長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4の延長方向に沿って、遮蔽板36の屈曲部36aとスライド部材24の板24bとの締結部材32−1、32−2、32−3、32−4による締結位置および遮蔽板36の屈曲部36bとスライド部材30の板30bとの締結部材34−1、34−2、34−3、34−4による締結位置を適宜に移動して調整するようにする。
【0059】
具体的には、大まかに位置決めされた状態で遮蔽板36が支柱12および支柱16に取り付けられたとき、遮蔽板36の屈曲部36aとスライド部材24の板24bとの締結部材32−1、32−2、32−3、32−4による締結位置および遮蔽板36の屈曲部36bとスライド部材30の板30bとの締結部材34−1、34−2、34−3、34−4による締結位置が、例えば、図8および図9に示すように屈曲部36aおよび屈曲部36bにそれぞれ設けられた長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4および長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4の後方側の端部に位置していたとする。
【0060】
この状態において、締結した締結部材32−1、32−2、32−3、32−4のボルト32−1a、32−2a、32−3a、32−4aおよびナット32−1b、32−2b、32−3b、32−4bと締結部材34−1、34−2、34−3、34−4のボルト34−1a、34−2a、34−3a、34−4aおよびナット34−1b、34−2b、34−3b、34−4bとを緩め、遮蔽板36の屈曲部36aおよび屈曲部36bを前方側に移動させ所定の位置で締結部材32−1、32−2、32−3、32−4および締結部材34−1、34−2、34−3、34−4を再度締結することによって、スライド部材24およびスライド部材30に取り付けられた遮蔽板36をX軸方向の前方側へ移動して固定することができる。
【0061】

また、Y軸方向における遮蔽板36の取り付け位置を調整する場合には、スライド部材24の板24aおよびスライド部材30の板30aにそれぞれ設けられた長孔24a−1、24a−2、24a−3および長孔30a−1、30a−2、30a−3の延長方向に沿って、スライド部材24の板24aと接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bとの締結部材22−1、22−2、22−3による締結位置およびスライド部材30の板30aと接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bとの締結部材28−1、28−2、28−3による締結位置を適宜に移動して調整するようにする。
【0062】
具体的には、大まかに位置決めされた状態で遮蔽板36が支柱12および支柱16に取り付けられたとき、スライド部材24の板24aと接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1d、20−2d、20−3dとの締結部材22−1、22−2、22−3による締結位置およびスライド部材30の板30aと接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bとの締結部材28−1、28−2、28−3による締結位置が、例えば、図6および図7に示すようにスライド部材24の板24aおよびスライド部材30の板30aにそれぞれ設けられた長孔24a−1、24a−2、24a−3および長孔30a−1、30a−2、30a−3の左方側の端部に位置していたとする。
【0063】
この状態において、締結した締結部材22−1、22−2、22−3のボルト22−1a、22−2a、22−3aおよびナット22−1b、22−2b、22−3bと締結部材28−1、28−2、28−3のボルト28−1a、28−2a、28−3aおよびナット28−1b、28−2b、28−3bとを緩め、スライド部材24およびスライド部材30を右方側に移動させ所定の位置で締結部材22−1、22−2、22−3および締結部材28−1、28−2、28−3を再度締結することによって、スライド部材24およびスライド部材30に取り付けられた遮蔽板36をY軸方向の右方側へ移動して固定することができる。
【0064】

さらに、Z軸方向における遮蔽板36の取り付け位置を調整する場合には、接続部材20−1、20−2、20−3および接続部材26−1、26−2、26−3をそれぞれ支柱12および支柱16に沿って、接続部材20−1、20−2、20−3と支柱12との締結部材21−1、21−2、21−3による締結位置および接続部材26−1、26−2、26−3と支柱16との締結部材27−1、27−2、27−3による締結位置を適宜に移動して調整するようにする。
【0065】
具体的には、接続部材20−1、20−2、20−3の筒部20−1a、20−2a、20−3aおよび接続部材26−1、26−2、26−3の筒部26−1a、26−2a、26−3aを支柱12および支柱16に沿って上方もしくは下方側の所定の位置に移動させ、その所定の位置で締結部材20−1c、20−2c、20−3cおよび締結部材26−1c、26−2c、26−3cを用いて接続部材20−1、20−2、20−3および接続部材26−1、26−2、26−3を支柱12および支柱16に係止することにより、遮蔽板36をZ軸方向の上方側もしくは下方側へ移動して固定することができる。
【0066】

また、XY平面において設置する角度を調整する場合には、接続部材20−1、20−2、20−3を支柱12の中心軸Oを中心としてZ軸周り方向に所定の角度だけ回転させて調整したり、接続部材26−1、26−2、26−3を支柱16の中心軸Oを中心としてZ軸周り方向に所定の角度だけ回転させて調整したりすればよい。
【0067】
具体的には、例えば、図10(a)において示す遮蔽装置10の接続部材20−1、20−2、20−3を、支柱12の中心軸Oを中心として矢印A方向(時計回り方向)に所定の角度だけ回転させることにより、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bの矢印A方向への回転に伴い、スライド部材24ならびに遮蔽板36が矢印A方向へ回転する。
【0068】
この際に、遮蔽板36の屈曲部36bの位置は、接続部材20−1、20−2、20−3が支柱12の中心軸Oを中心として矢印A方向に回転することによって、前方側に移動するようになる。このため、角度調整前の屈曲部36bとスライド部材30の板30bとの締結部材34−1、34−2、34−3、34−4による締結位置が、長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4の中間付近に位置していたとすると(図11(a)を参照する。)、屈曲部36bに設けられた長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4とスライド部材30の板30bに設けられた孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4との締結部材34−1、34−2、34−3、34−4による締結位置は、図11(a)に示す長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4の中間付近の位置から、図11(b)に示すように長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4の後方側に移動することとなる。
【0069】
こうして、接続部材20−1、20−2、20−3を矢印A方向に回転させる前の遮蔽板36の位置(図10(a)を参照する。)に対して、XY平面において所定の角度だけ角度調整された状態の遮蔽板36(図10(b)を参照する。)が得られる。
【0070】

また、図10(a)において示す遮蔽装置10の接続部材20−1、20−2、20−3を、支柱12の中心軸Oを中心としてB方向(反時計回り方向)に所定の角度だけ回転させることにより、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bの矢印B方向への回転に伴い、スライド部材24ならびに遮蔽板36が矢印B方向へ回転する。
【0071】
この際に、遮蔽板36の屈曲部36bの位置は、接続部材20−1、20−2、20−3が支柱12の中心軸Oを中心として矢印B方向に回転することによって、後方側に移動するようになる。このため、角度調整前の屈曲部36bとスライド部材30の板30bとの締結部材34−1、34−2、34−3、34−4による締結位置が、長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4の中間付近に位置していたとすると(図12(a)を参照する。)、屈曲部36bに設けられた長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4とスライド部材30の板30bに設けられた孔30b−1、30b−2、30b−3、30b−4との締結部材34−1、34−2、34−3、34−4による締結位置は、図12(a)に示す長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4の中間付近の位置から、図12(b)に示すように長孔36b−1、36b−2、36c−3、36d−4の前方側に位置することとなる。
【0072】
こうして、接続部材20−1、20−2、20−3を矢印B方向に回転させる前の遮蔽板36の位置(図10(a)を参照する。)に対して、XY平面において所定の角度だけ角度調整された状態の遮蔽板36(図10(c)を参照する。)が得られる。
【0073】

さらに、遮蔽板36の屈曲部36aとスライド部材24の板24bとを、締結部材32−1、32−2、32−3、32−4によって長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4の後方側の端部から所定の長さL3だけ前方側の位置で固定するとともに、遮蔽板36の屈曲部36bとスライド部材30の板30bとを、締結部材34−1、34−2、34−3、34−4によって長孔36b−1、36b−2、36b−3、36b−4の後方側の端部から長さL3と異なる所定の長さL4だけ前方側の位置で固定すると、遮蔽板36をXY平面において角度をつけた状態で固定することができる。
【0074】
つまり、所定の長さL3が所定の長さL4より大きい場合は、接続部材20−1、20−2、20−3を支柱12の中心軸Oを中心にB方向(反時計回り方向)に回転させたときのような角度調整を行うことができ、また、所定の長さL3が所定の長さL4より小さい場合は、接続部材20−1、20−2、20−3を支柱12の中心軸Oを中心にA方向(時計回り方向)に回転させたときのような角度調整を行うことができるようになる。
【0075】
このように、接続部材20−1、20−2、20−3や接続部材26−1、26−2、26−3を回転させることなく、遮蔽板36の屈曲部36aおよび屈曲部36bとスライド部材24およびスライド部材30との固定位置を調整することにより、遮蔽板36のXY平面において設置する角度を調整することも可能である。
【0076】

なお、設置する角度を調整する際には、スライド部材24と支柱12との設置位置およびスライド部材30と支柱16との設置位置ならびに屈曲部36aとスライド部材24との設置位置および屈曲部36bとスライド部材30との設置位置により、スライド部材24の板24aと板24bとのなす角度やスライド部材30の板30aと板30bとのなす角度および屈曲部36aや屈曲部36bのなす角度が変化する。このため、設置する角度の調整する際には、スライド部材24、30や遮蔽板36の寸法や材質に依存することとなる。
【0077】

以上において説明したように、本発明による遮蔽板の取り付け構造を備えた遮蔽装置10によれば、遮蔽板36を支える支柱12、16が土台14、18に固定された後であっても、遮蔽板36の設置位置を容易に調整することができる。
【0078】
このため、遮蔽板36の設置に伴う人的、時間的ならびに物質的なコストの低減を図ることができる。
【0079】
また、本発明による遮蔽板の取り付け構造を備えた遮蔽装置10によれば、設置位置を大まかに設定した上で微調整を行いながら遮蔽板36を適正な位置に設置することができるため、遮蔽板36を設置する際の作業が容易になる。
【0080】
また、遮蔽板36の設置位置を容易に調整することができるため、測定機器を用いた位置決め作業の際の測定ミスや土台14、18を固めるために用いるコンクリートの流し込みミスなどにより遮蔽板36が位置決めされた設置位置からはずれた際にも、遮蔽板36を所望の位置に容易に調整することができる。
【0081】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形することができるものである。
【0082】
(1)上記した実施の形態においては、遮蔽板36の屈曲部36aおよび屈曲部36bに長孔36a−1、36a−2、36a−3、36a−4、36b−1、36b−2、36b−3、36b−4を設け、スライド部材24の板24bおよびスライド部材30の板30bに孔を設けるようにしたがこれに限られるものではないことは勿論であり、スライド部材24の板24bおよびスライド部材30の板30bに長孔を設け、屈曲部36aおよび屈曲部36bに孔を設けるようにしてもよい。
【0083】
さらに、図13(a)に示すように、遮蔽板36の屈曲部36aおよび屈曲部36bとスライド部材24の板24bおよびスライド部材30の板30bとに長孔を設けるようにしてもよい。このような構成とすることにより、遮蔽板36の設置位置を調整できる範囲が広くなる。
【0084】
(2)上記した実施に形態においては、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bおよび接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bに孔20−1d、20−2d、20−3dおよび26−1d、26−2d、26−3dを設け、スライド部材24の板24aおよびスライド部材30の板30aに長孔24a−1、24a−2、24a−3、30a−1、30a−2、30a−3、を設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bおよび接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bに長孔を設け、スライド部材24の板24aおよびスライド部材30の板30aの孔を設けて締結するようにしてもよい。
【0085】
さらに、図13(b)に示すように、接続部材20−1、20−2、20−3の凸部20−1b、20−2b、20−3bおよび接続部材26−1、26−2、26−3の凸部26−1b、26−2b、26−3bとスライド部材24の板24aおよびスライド部材30の板30aとに長孔を設けるようにしてもよい。このような構成とすることにより、遮蔽板36の設置位置を調整できる範囲が広くなる。
【0086】
(3)上記した実施の形態においては、支柱12および支柱16とスライド部材24および30とを3カ所で固定し、スライド部材24およびスライド部材30と遮蔽板36の屈曲部36aおよび屈曲部36bとを4カ所で固定するようにしていたが、これに限られるものではないことは勿論であり、固定箇所は2カ所以上であればよい。
【0087】
(4)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ドップラーレーダーなどに用いられる遮蔽装置のような各種の電波測定装置における電波を遮蔽するための装置などとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、本発明による遮蔽板の取り付け構造を備えた遮蔽装置の概略構成斜視説明図である。
【図2】図2(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、図1における接続部材の概略構成斜視説明図である。
【図3】図3(a)(b)は、図1におけるスライド部材の概略構成斜視説明図である。
【図4】図4は、図1における遮蔽板の概略構成斜視説明図である。
【図5】図5(a)(b)は、支柱と接続部材との固定方法を示す概略構成斜視説明図である。
【図6】図6は、支柱とスライド部材との固定方法を示す概略構成斜視説明図である。
【図7】図7は、支柱とスライド部材との固定方法を示す概略構成斜視説明図である。
【図8】図8は、スライド部材と遮蔽板との固定方法を示す概略構成斜視説明図である。
【図9】図9は、スライド部材と遮蔽板との固定方法を示す概略構成斜視説明図である。
【図10】図10(a)は、本発明による遮蔽板の取り付け構造を備えた遮蔽装置の概略構成斜視説明図であり、図10(b)(c)は、図10(a)の遮蔽板をXY平面において角度調整した遮蔽装置の概略構成斜視説明図である。
【図11】図11(a)は、角度調整前の遮蔽板とスライド部材との固定位置を示す概略構成斜視説明図であり、図11(b)は、角度調整後の遮蔽板とスライド部材との固定位置を示す概略構成斜視説明図である。
【図12】図12(a)は、角度調整前の遮蔽板とスライド部材との固定位置を示す概略構成斜視説明図であり、図12(b)は、角度調整後の遮蔽板とスライド部材との固定位置を示す概略構成斜視説明図である。
【図13】図13(a)は、スライド部材に設けられた孔の変形例を示す概略構成斜視説明図であり、図13(b)は、接続部材の凸部に設けられた孔の変形例を示す概略構成斜視説明図である。
【符号の説明】
【0090】
10 遮蔽装置
12、16 支柱
14、18 土台
20−1、20−2、20−3、26−1、26−2、26−3 接続部材
20−1c、20−2c、20−3c、20−1d、20−2d、20−3d、26−1c、26−2c、26−3c、26−1d、26−2d、26−3d、24b−1、24b−2、24b−3、24b−4、30b−1、30b−2、30b−3、30b−4 孔
21−1、21−2、21−3、22−1、22−2、22−3、27−1、27−2、27−3、28−1、28−2、28−3、32−2、32−2、32−3、32−4、34−2、34−2、34−3、34−4 締結部材
22−1a、22−2a、22−3a、28−1a、28−2a、28−3a、32−1a、32−2a、32−3a、32−4a、34−1a、34−2a、34−3a、34−4a ボルト
22−1b、22−2b、22−3b、28−1b、28−2b、28−3b、32−1b、32−2b、32−3b、32−4b、34−1b、34−2b、34−3b、34−4b ナット
24、30 スライド部材
24a−1、24a−2、24a−3、30a−1、30a−2、30a−3、36a−1、36a−2、36a−3、36a−4、36b−1、36b−2、36b−3、36b−4 長孔
36 遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め位置決めされた所定の位置に固定される遮蔽板の取り付け構造において、
土台に固定されて所定の位置に設置される第1の支柱と、
土台に固定されて前記第1の支柱と所定の間隔を有して設置される第2の支柱と、
前記第1の支柱の所定の位置で固定される第1の接続部材と、
前記第2の支柱の所定の位置で固定される第2の接続部材と、
第1の方向に延長される第1の板と第2の方向に延長される第2の板よりなる断面L字形状を備え、前記第1の接続部材を前記第1の支柱に対して前記第1の板が係止され、前記第1の支柱と前記第1の方向に所定の範囲で固定可能な第1の可動部材と、
前記第1の方向に延長される第3の板と前記第2の方向に延長される第4の板とよりなる断面L字形状を備え、前記第2の接続部材を介して前記第2の支柱に対して前記第3の板が係止され、前記第2の支柱と前記第1の方向に所定の範囲で固定可能な第2の可動部材と、
前記第1の方向における一方の端部において任意の長さを有して前記第2の方向に屈曲し前記第2の板と前記第2の方向に所定の範囲で固定可能な第1の屈曲部を形成し、前記第1の方向における他方の端部において任意の長さを有して前記第2の方向に屈曲し前記第4の板と前記第2の方向に所定の範囲で固定可能な第2の屈曲部を形成する遮蔽板と
を有することを特徴とする遮蔽板の取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載の遮蔽板の取り付け構造において、
前記第1の可動部材の前記第1の板は、前記第1の方向に延長して複数設けられた第1の長孔を有し、
前記第1の接続部材は、前記第1の長孔に対応して設けられた孔を有し、
前記第2の可動部材の前記第3の板は、前記第1の方向に延長して複数設けられた第2の長孔を有し、
前記第2の接続部材は、前記第2の長孔に対応して設けられた孔を有し、
前記第1の屈曲部は、前記第2の方向に延長して複数設けられた第3の長孔を有し、
前記第1の可動部材の前記第2の板は、前記第3の長孔に対応して設けられた孔を有し、
前記第2の屈曲部は、前記第2の方向に延長して複数設けられた第4の長孔を有し、
前記第2の可動部材の前記第4の板は、前記第4の長孔に対応して設けられた孔を有し、
前記第1の可動部材の前記第1の板に前記第1の方向に延長して複数設けられた前記第1の長孔と前記第1の接続部材に前記第1の長孔に対応して設けられた前記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記第1の可動部材は前記第1の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定され、
前記第2の可動部材の前記第3の板に前記第1の方向に延長して複数設けられた前記第2の長孔と前記第2の接続部材に前記第2の長孔に対応して設けられた前記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記第2の可動部材は前記第2の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定され、
前記第1の屈曲部に前記第2の方向に延長して複数設けられた前記第3の長孔と前記第1の可動部材の前記第2の板に前記第3の長孔に対応して設けられた前記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記遮蔽板は前記第3の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定され、
前記第2の屈曲部に前記第2の方向に延長して複数設けられた前記第4の長孔と前記第2の可動部材の前記第4の板に前記第4の長孔に対応して設けられた前記孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記遮蔽板は前記第4の長孔の長さの範囲の任意の位置で固定される
ことを特徴とする遮蔽板の取り付け構造。
【請求項3】
請求項1に記載の遮蔽板の取り付け構造において、
前記第1の可動部材の前記第1の板は、前記第1の方向に延長して複数設けられた第1の長孔を有し、
前記第1の接続部材は、前記第1の長孔に対応して設けられた第2の長孔を有し、
前記第2の可動部材の前記第3の板は、前記第1の方向に延長して複数設けられた第3の長孔を有し、
前記第2の接続部材は、前記第3の長孔に対応して設けられた第4の長孔を有し、
前記第1の屈曲部は、前記第2の方向に延長して複数設けられた第5の長孔を有し、
前記第1の可動部材の前記第2の板は、前記第5の長孔に対応して設けられた第6の長孔を有し、
前記第2の屈曲部は、前記第2の方向に延長して複数設けられた第7の長孔を有し、
前記第2の可動部材の前記第4の板は、前記第7の長孔に対応して設けられた第8の長孔を有し、
前記第1の可動部材の前記第1の板に前記第1の方向に延長して複数設けられた前記第1の長孔と前記第1の接続部材に前記第1の長孔に対応して設けられた前記第2の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記第1の可動部材は前記第1の長孔の長さと前記第2の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定され、
前記第2の可動部材の前記第3の板に前記第1の方向に延長して複数設けられた前記第3の長孔と前記第2の接続部材に前記第3の長孔に対応して設けられた前記第4の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記第2の可動部材は前記第3の長孔の長さと前記第4の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定され、
前記第1の屈曲部に前記第2の方向に延長して複数設けられた前記第5の長孔と前記第1の可動部材の前記第2の板に前記第5の長孔に対応して設けられた前記第6の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記遮蔽板は前記第5の長孔の長さと前記第6の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定され、
前記第2の屈曲部に前記第2の方向に延長して複数設けられた前記第7の長孔と前記第2の可動部材の前記第4の板に前記第7の長孔に対応して設けられた前記第8の長孔とを連通した状態で締結部材を挿入して固定することにより、前記遮蔽板は前記第7の長孔の長さと前記第8の長孔の長さとの範囲の任意の位置で固定される
ことを特徴とする遮蔽板の取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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