説明

選択表示パーツ制御方法、選択表示パーツ制御装置および選択表示パーツ制御システム

【課題】 表示された選択表示パーツに対し、どの選択表示パーツが排他的選択状態にあるか把握できるようにする。
【解決手段】 第1の表示部9は背景画面と選択表示パーツとを表示する。配置入力部11は第1の表示部9に表示された背景画面上への選択表示パーツの配置入力を受け付ける。設定入力部11は、配置された選択表示パーツに対するグループ名およびパーツ表示名称の設定入力を受け付ける。第1のリスト作成部19は、排他的選択状態にある選択表示パーツとこれが属するグループ名とを対応付けるための第1のリスト23を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は選択表示パーツ制御方法、選択表示パーツ制御装置および選択表示パーツ制御システムに係り、電子機器、特に、ブラウザを搭載した複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置を用いるうえで有用な選択表示パーツ制御方法、選択表示パーツ制御装置および選択表示パーツ制御システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機等の画像形成装置においては、機能の豊富化に伴い、それらの機能を実行するうえでの種々の設定が必要であり、画像形成装置本体に配置した操作パネル部においてラジオボタンを複数のグループに分けて配置し、それらラジオボタンを選択設定する等してそれらの機能を実現している。
【0003】
なお、ラジオボタンは、単体では選択状態と非選択状態を持つボタン(画面表示アイコン)であり、通常、複数のラジオボタンを1個のグループにして使用し、グルーピングされたラジオボタン中、常にグループ内の1個のラジオボタンのみが選択状態となる、いわゆる排他的選択状態を提供する選択表示パーツである。
【0004】
そして、画像形成装置を動作させるアプリケーションプログラムにおいて、ラジオボタンを使用する場合に、グルーピングされているラジオボタンのどのラジオボタンが選択されているかを把握し、選択状態にあるラジオボタンに基づく機能実行を確保する必要がある。
【0005】
すなわち、ラジオボタンの設定に基づいて種々の機能を実行させるには、どのラジオボタンが選択されているかの把握が重要である。
【0006】
従来、個々のグルーピング毎にどのラジオボタンが選択されているかを把握する構成としては、例えばグループ毎のラジオボタンリストを予め形成しておき、そのリスト内でラジオボタンの選択非選択状態を登録可能にしており、ラジオボタンのグルーピングを念頭にアプリケーションプログラムを開発している。
【0007】
なお、特開2007−304809号公報(特許文献1)のアプリケーション開発用プログラムは一般的な特許文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−304809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、グループ毎のラジオボタンリストを形成してラジオボタンの選択非選択状態を把握する構成では、例えば、ラジオボタンの表示位置を変更する場合、アプリケーションプログラムにおいてユーザがラジオボタンリストを作成し直す必要があり、ラジオボタン表示位置の変更が困難で、ユーザの望む表示画面を作成し難く、使い勝手が低下し易い。
【0010】
特に、近年、画像形成装置において、出荷した後にユーザがアプリケーションプログラムをカスタマイズし易いよう、製造メーカ側がWeb(World Wide Web)アプリケーションプログラム開発用の作成ツール(SDK:software development kit)を提供するようになってきており、その作成ツールを用いてユーザが種々の機能変更する事例が増加するとともに、そのアプリケーションプログラムをカスタマイズするうえで、ラジオボタンの表示位置変更が容易で、ラジオボタン本来の機能確保を求める要望が強くなっている。
【0011】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、装置に表示された選択表示パーツに対し、そのページ上でグルーピングされているどの選択表示パーツが選択状態にあるかの情報を容易に取得可能であるうえ、カスタマイズに資する選択表示パーツ制御方法、選択表示パーツ制御装置および選択表示パーツ制御システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る選択表示パーツ制御方法は、背景画面と、選択状態および非選択状態の切換え表示機能を有する選択表示パーツとを表示部に表示する表示工程と、表示された背景画面上にその選択表示パーツを配置する配置工程と、配置された選択表示パーツに対してグループ名およびパーツ表示名称を設定する設定工程と、排他的選択状態にある選択表示パーツとこれが属するグループ名とを対応付けるための第1のリストを作成する第1のリスト作成工程と、を具備している。
【0013】
本発明の請求項2に係る選択表示パーツ制御方法は、個々のグループにおいていずれかの選択表示パーツを選択状態に変更する変更工程と、選択状態に変更された選択表示パーツをこれが属するグループにおいて排他的選択状態に変更設定する選択状態変更工程を有し、その第1のリスト作成工程が、排他的選択状態に変更された選択表示パーツとこれが属するグループ名の対応関係をその第1のリストにて更新する構成である。
【0014】
本発明の請求項3に係る選択表示パーツ制御方法は、上記第1のリスト作成工程は、当該選択非選択状態および対応するグループ名の設定された選択表示パーツに基づきその第1のリストを作成又は更新する構成である。
【0015】
本発明の請求項4に係る選択表示パーツ制御装置は、背景画面と、選択状態および非選択状態の切換え表示機能を有する選択表示パーツとを表示する第1の表示部と、この第1の表示部に表示された背景画面上への選択表示パーツの配置入力を受け付ける配置入力部と、配置された選択表示パーツに対するグループ名およびパーツ表示名称を受け付ける設定入力部と、排他的選択状態にある選択表示パーツとこれが属するグループ名とを対応付けるための第1のリストを作成する第1のリスト作成部と、を具備している。
【0016】
本発明の請求項5に係る選択表示パーツ制御装置は、個々のグループにおいていずれかの前記選択表示パーツに対して排他的選択状態への変更入力を受け付ける第1の変更入力部と、選択状態に変更された選択表示パーツをこれが属するグループにおいて排他的選択状態に変更設定する選択状態変更部を有し、上記第1のリスト作成部が、排他的選択状態に変更された選択表示パーツとこれが属するグループ名の対応関係を第1のリストにて更新する構成である。
【0017】
本発明の請求項6に係る選択表示パーツ制御装置は、上記第1のリスト作成部が、当該選択非選択状態および対応するグループ名の設定された選択表示パーツに基づきその第1のリストを作成又は更新する構成である。
【0018】
本発明の請求項7に係る選択表示パーツ制御システムは、上記請求項4記載の選択表示パーツ制御装置とこれにネットワークを介して接続され上記選択表示パーツを表示して動作する画像形成装置とを具備している。
【0019】
上記選択表示パーツ制御装置は、その選択表示パーツを表示させる画面情報であって選択表示パーツに設定された選択非選択状態の設定情報を含む画像情報を画像形成装置に送信するとともに、画像形成装置から選択表示パーツの更新情報を受信する第1の通信部と、受信された更新情報に基づき該当する選択表示パーツに対して排他的選択状態に変更する選択状態変更部とを有し、その第1のリスト作成部が、選択状態変更部の変更に基づき該当する選択表示パーツとこれが属するグループ名の対応関係をその第1のリストにて更新する機能を具備している。
【0020】
上記画像形成装置は、画像データからこれを画像形成する画像形成部と、上記選択表示パーツ制御装置側から画面情報を受信するとともに、選択表示パーツ制御装置へ更新情報を送信する第2の通信部と、その画面情報に基づきグループ毎の選択表示パーツを表示する第2の表示部と、個々のグループにおいていずれかの選択表示パーツに対して排他的選択状態への変更入力を受け付ける第2の変更入力部と、そのグループ名とこれに属する選択表示パーツの選択非選択状態を対応付けた第2のリストを作成する第2のリスト作成部と、その第2の変更入力部からの変更入力に基づき第2のリストを変更するとともに、変更された選択表示パーツを排他的選択状態にする更新情報をその第2の通信部から選択表示パーツ制御装置側に送信制御する変更制御部と、を具備している。
【発明の効果】
【0021】
このような本発明の請求項1、4に係る選択表示パーツ制御方法および選択表示パーツ制御装置では、背景画面と選択表示パーツとを表示部に表示し、表示された背景画面上にその選択表示パーツを配置し、配置された選択表示パーツに対してグループ名およびパーツ表示名称を設定し、設定された選択表示パーツとこれが属するグループ名とを対応付けるための第1のリストを作成するから、表示された選択表示パーツに対し、表示されたページ上でグルーピングされているどの選択表示パーツが選択状態にあるかの情報を容易に取得可能であり、カスタマイズに資する。
【0022】
本発明の請求項2、5に係る選択表示パーツ制御方法および選択表示パーツ制御装置では、個々のグループにおいていずれかの選択表示パーツを排他的選択状態に変更し、選択状態に変更された選択表示パーツをこれが属するグループにおいて排他的選択状態に設定し、変更された選択表示パーツとこれが属するグループ名の対応関係をその第1のリストにて更新するから、排他的選択状態に設定又は変更設定された選択表示パーツの把握が容易である。
【0023】
本発明の請求項3、6に係る選択表示パーツ制御方法および選択表示パーツ制御装置では、選択非選択状態および対応するグループ名の設定された選択表示パーツに基づきその第1のリストを作成又は更新するから、選択表示パーツに選択非選択状態およびグループ名を設定しておけば、排他的選択状態に変更設定された選択表示パーツの把握が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る選択表示パーツ制御方法を実施する選択表示パーツ制御装置を含む選択表示パーツ制御システムを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る選択表示パーツ制御装置の第1の表示部における表示状態を説明する図である。
【図3】本発明に係る選択表示パーツ制御装置の動作を説明する図である。
【図4】本発明に係る選択表示パーツ制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明における画像形成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明における画像形成装置の操作パネル部を説明する図である。
【図7】本発明における画像形成装置の動作を説明する図である。
【図8】本発明に係る選択表示パーツ制御システムの動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明に係る選択表示パーツ制御システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る選択表示パーツ制御方法、選択表示パーツ制御装置は選択表示パーツ制御システムを説明する過程で説明する。
【0026】
図1は本発明に係る選択表示パーツ制御装置の実施の一形態を選択表示パーツ制御システムとともに示す概略ブロック図である。
【0027】
図1において、選択表示パーツ制御システムは、選択表示パーツ制御装置AとこれにネットワークNTを介して接続された画像形成装置Bとを有して構成されている。
【0028】
選択表示パーツ制御装置Aは、CPU(central processing unit)1を中心にしてROM(read only memory)3、RAM(random access memory)5、第1の記憶部7、第1の表示部9、入力部11、第1の通信部13を有し、例えば情報処理装置(コンピュータ)である。情報処理装置としてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0029】
CPU1は、ROM3、RAM5、第1の記憶部7、第1の表示部9、入力部11および第1の通信部13その他を制御する制御部であるが、詳細は後述する。
【0030】
ROM3はCPU1の例えば起動動作プログラムを格納したメモリであり、RAM5はCPU1の動作に伴うプログラムを移してこの実行用および作業用に用いるメモリである。
【0031】
第1の記憶部7は、選択表示パーツ制御装置Aの動作プログラム、Webアプリケーションプログラム作成用の作成ツール(SDK)、後述する第1のリスト等を格納する読み書き可能な例えばハードディスクである。
【0032】
作成ツール(SDK)は、画像形成装置Bを動作させるアプリケーションプログラムをユーザが作成するための作成ツールである。
【0033】
第1の表示部9は、作成ツール(SDK)の動作の下で、選択表示パーツ制御装置Aの動作状態を表示するとともに、例えば図2に示すように、多機能背景画面であるコントロールパネル15と、ラジオボタン17およびその他のアイコン(図示せず。)等を表示する公知のディスプレイであり、CPU1によって表示制御される。
【0034】
図1の入力部11は、例えば公知のキーボードやマウス(図示せず。)であり、CPU1の制御の下、種々の操作の入力を受け付けるとともに、第1の表示部9で表示された背景画面15上へのラジオボタン17の配置入力を受け付ける配置入力部として機能する。
【0035】
すなわち、例えば第1の表示部9にコントロールパネル15、ラジオボタン17が表示された状態において、入力部11の例えばマウスによってカーソル(図示省略)でラジオボタン17を選択(ドラッグ)してコントロールパネル15上にドロップすることにより、ラジオボタン17aがコントロールパネル15上に配置される。必要個数分のラジオボタン17b、17cについても同様にして配置される。
【0036】
入力部11は、コントロールパネル15に配置されたラジオボタン17a〜17cに対してグループ名およびパーツ表示名称の設定入力を受け付ける設定入力部としての機能も有するとともに、後述する個々のグループにおいていずれかのラジオボタン17a〜17cに対して選択状態への変更入力を受け付ける第1の変更入力部としての機能も有している。
【0037】
グループ名およびパーツ表示名称の設定入力は例えばキーボードからの文字入力により設定され、ラジオボタン17a〜17cに対する選択状態への変更入力は、例えばマウスによってカーソルを重ねてクリックしてなされる。
【0038】
図2において、「61歳以上」、「21歳〜60歳」および「20歳未満」がパーツ表示名称であり、作成されたアプリケーションプログラムの実行時に、それら「61歳以上」、「21歳〜60歳」および「20歳未満」のラジオボタン(ラジオボタン1〜3)17a〜17cが選択されて排他的選択状態になる。
【0039】
第1の通信部13は、所定のプロトコルに従い、画像形成装置BからネットワークNTを介して要求メッセージ(HTTP(hypertext transfer protocol)リクエスト)を受信し、要求メッセージに応じた応答メッセージ(HTTPレスポンス)を含む動作画面情報を画像形成装置BにネットワークNTを介して送信する機能を有している。
【0040】
第1の通信部13は、ラジオボタン17a〜17cを表示させる画面情報であってラジオボタン17a〜17cに設定された後述する選択非選択状態等の設定情報を含む画像情報を画像形成装置Bに送信するとともに、画像形成装置Bからラジオボタン17a〜17cの選択情報に係る後述する更新情報を受信する機能を有する。
【0041】
CPU1は、ROM3、RAM5、第1の記憶部7、第1の表示部9、入力部11および第1の通信部13を制御し、受信した要求メッセージ(HTTPリクエスト)に応じた動作画面情報を作成制御するとともに、第1のリスト作成部19および選択状態変更部21としての機能を有している。
【0042】
第1のリスト作成部19は、例えば図3に示すように、各グループにおいてこれに属する個々のラジオボタン17a〜17cについて、これが属するグループ名および選択状態の有無等に係る個別の設定情報(図示せず。)を作成するとともに、各グループ毎に排他的選択状態にあるラジオボタン17a〜17cを対応付けるための第1のリスト23を作成する機能を有している。
【0043】
図3において、第1のリスト23中のグループ1ではラジオボタン1(17a)が、グループ2ではラジオボタン2(17b)が、既に排他的選択状態にあるとして登録されているが、実際は作成されたアプリケーションプログラムの実行時になされるものである。
【0044】
第1のリスト作成部19は、選択状態にされたラジオボタン17a〜17cとこれが属するグループ名の対応関係を第1のリスト23にて更新する機能の他、当該選択非選択状態および対応するグループ名の設定されたラジオボタン17a〜17cの上述した設定情報に基づき第1のリスト23を作成又は更新する機能を有している。
【0045】
選択状態変更部21は、選択状態に変更されたラジオボタン17a〜17cをこれが属するグループにおいて排他的選択状態に変更設定する機能に加えて、後述するように第1の通信部13にて受信された更新情報に基づき該当するラジオボタン17a〜17cに対して排他的選択状態に変更する機能を有している。
【0046】
なお、ラジオボタン17aのコントロールパネル15への配置、グループ名およびパーツ表示名称の設定入力は、作成ツール(SDK)によるアプリケーションプログラム作成過程において実行され、ラジオボタン17a〜17cに対する排他的選択状態への設定又は変更入力は、作成されたアプリケーションプログラムによる選択表示パーツ制御装置A又は画像形成装置Bの動作中になされ、例えば第1の記憶部7にラジオボタン17a〜17cに係る設定情報おび第1のリスト23として記憶される。
【0047】
次に、本発明の選択表示パーツ制御装置Aのみによる動作を簡単に説明する。
【0048】
まず、ステップS1にてCPU1がコントロールパネル15とラジオボタン17とを第1の表示部9に表示し(表示工程)、ステップS2にてコントロールパネル15上にラジオボタン17を入力部11にて配置し(配置工程)、配置されたラジオボタン17a〜17cに対してステップS3にて入力部11からグループ名およびパーツ表示名称を設定する(設定工程)。
【0049】
続くステップS4にて第1のリスト作成部19がラジオボタン17a〜17cとこれが属するグループ名とを対応付けるための第1のリスト23を作成する(第1のリスト作成工程)。
【0050】
この第1のリスト23の作成によって初期のアプリケーションプログラムが作成される。
【0051】
以降は、初回の設定を含めたラジオボタン17a〜17cに対する排他的選択状態の変更工程である。
【0052】
ステップS5にて個々のグループにおいていずれかのラジオボタン17a〜17cを選択状態に設定又は変更すると(変更工程)、ステップS6にて選択状態に変更されたラジオボタン17a〜17cに対して選択状態変更部21が選択状態に設定又は変更設定し(選択状態変更工程)、ステップS7にて第1のリスト作成部19が排他的選択状態に変更されたラジオボタン17a〜17cとこれが属するグループ名の対応関係を第1のリスト23にて設定又は更新して終了する(第1のリスト作成工程)。
【0053】
これらの主要工程が本発明の選択表示パーツ制御方法を構成する。
【0054】
このように、本発明に係る選択表示パーツ制御装置Aは、コントロールパネル15とラジオボタン17a〜17cとを表示する第1の表示部9と、この第1の表示部9に表示されたコントロールパネル15上へのラジオボタン17a〜17cの配置入力を受け付ける配置入力部(入力部)11と、配置されたラジオボタン17a〜17cに対するグループ名およびパーツ表示名称の設定入力部(入力部)11と、排他的選択状態にあるラジオボタン17a〜17cとこれが属するグループ名とを対応付けるための第1のリスト23を作成する第1のリスト作成部19と、個々のグループにおいていずれかの前記選択表示パーツに対して排他的選択状態への変更入力を受け付ける第1の変更入力部(入力部)11と、選択状態に変更されたラジオボタン17a〜17cをこれが属するグループにおいて排他的選択状態に変更設定する選択状態変更部21を有し、上記第1のリスト作成部19が、排他的選択状態に変更されたラジオボタン17a〜17cとこれが属するグループ名の対応関係を第1のリスト23にて更新する構成である。
【0055】
そのため、表示されたラジオボタン17a〜17cに対し、表示されている画面ページ上でグルーピングされているどのラジオボタン17a〜17cが排他的選択状態にあるかの情報を第1のリスト23に容易に登録設定可能であるし、これから取得も可能で、排他的選択状態に変更設定されたラジオボタン17a〜17cの把握も容易であり、アプリケーションプログラムのカスタマイズに有用である。
【0056】
また、第1のリスト作成部19が、当該選択非選択状態および対応するグループ名の設定されたラジオボタン17a〜17cに基づきその第1のリスト23を更新可能であるから、ラジオボタン17a〜17cに選択非選択状態およびグループ名を設定しておけば、排他的選択状態に変更設定されたラジオボタン17a〜17cの把握が容易である。
【0057】
上述した構成は、本発明に係る選択表示パーツ制御装置Aのみによる構成や動作説明であったが、選択表示パーツ制御装置Aには画像形成装置Bを接続して選択表示パーツ制御システムを構成して実施される場合が多いから、以下に選択表示パーツ制御システムを説明する。
【0058】
なお、選択表示パーツ制御装置Aについては既に説明したから、以下では主には画像形成装置Bについて説明する。
【0059】
図5は画像形成装置Bの構成を示す概略ブロック図である。
【0060】
図5において、画像形成装置Bは、主制御部25を中心にして画像読取部27、第2の記憶部29、操作パネル部31、印刷部33および第2の通信部35を有し、例えば複合機(MFP)を構成している。画像形成装置Bとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0061】
主制御部25は、画像読取部27、第2の記憶部29、操作パネル部31、印刷部33および第2の通信部35その他を制御するものである。
【0062】
画像読取部27は、画像形成装置Bにおいて、主制御部25の制御の下、例えば印刷された原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的画像データを生成する公知のスキャナ等であり、生成した画像データが原稿の頁毎に第2の記憶部29に順次記憶されるようになっている。
【0063】
第2の記憶部29は、画像読取部27からの画像データ、主制御部25の動作プログラム、HTML言語文書に基づく画像画面を表示させるプログラムであるブラウザ(例えば、Microsoft社のInternet Explorer(商標))に加えて、後述する第2のリスト47等を格納する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)である。
【0064】
操作パネル部31は、例えば図6に示すように、画像形成装置Bの動作状態を画像画面で表示する第2の表示部としての表示パネル部37と、動作機能を選択入力する第2の変更入力部としてのハードキー39を有しており、主制御部25によって制御される。
【0065】
表示パネル部37は、主制御部25の制御の下、ブラウザの動作に基づき、選択表示パーツ制御装置Aからの動作機能に係る動作画面、その他を表示する例えば液晶表示パネルである。動作画面には、上述したコントロールパネル15上にラジオボタン17a〜17cが配置された状態で表示される。
【0066】
ハードキー39は、表示パネル部37の外周に配置された複数の機構的スイッチであり、予め、デフォルト動作態様に係る動作機能、例えばコピー(画像読取)キーやファクシミリ送受信キー等の動作選択キー39a、印刷枚数等を設定するテンキー39b、機能動作をスタートさせるスタートキー39c、動作をストップさせるストップキー39d等を有しており、それらキー39c〜39dの押下操作によって該当する動作機能(イベント)実行が主制御部25に出力される。
【0067】
表示パネル部37にはタッチスイッチとしての透過性タッチパネル部41(図5では見えない。)が重ねられており、タッチパネル部41のタッチ押下によって該当する動作機能(イベント)実行が主制御部25に出力される。
【0068】
図5の印刷部33は、図示はしないが、主制御部25の制御の下、用紙のセットされる複数の給紙段と、給紙段から1次給紙された用紙を2次給紙するとともに、2次給紙された用紙に対し、第2の記憶部29の画像データに基づき形成したトナー像を転写する画像形成部と、トナー像の転写された用紙を加熱定着する定着部その他を有して形成されている。
【0069】
第2の通信部35は、主制御部25の制御の下、所定のプロトコル例えばHTTP規約に従って表示画面に係る要求メッセージ(HTTPリクエスト)を選択表示パーツ制御装置Aに送信し、選択表示パーツ制御装置Aからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)によるHTML文書を受信して主制御部25に出力する機能を有するとともに、選択情報を選択表示パーツ制御装置Aに送信する機能を有している。
【0070】
第2の通信部35は、ネットワークNTを介して上述した選択表示パーツ制御装置A側から画面情報を受信するとともに、選択表示パーツ制御装置Aへ更新情報を送信する機能を有している。
【0071】
主制御部25は、CPU、このCPUの起動プログラムを格納した作業用メモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、上述した画像読取部27、第2の記憶部29、操作パネル部31、印刷部33および第2の通信部35その他を制御し、選択表示パーツ制御装置Aからの画面情報に基づき動作制御する機能を有している。
【0072】
すなわち、主制御部25は、ブラウザの動作に基づき、第2の通信部35を介して入力した選択表示パーツ制御装置Aからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)にあるHTML文書を解析し、得られた表示画像を表示パネル部37に対し表示制御する機能を有している。
【0073】
さらに、主制御部25は、第2のリスト作成部43および変更制御部45としての機能も有している。
【0074】
第2のリスト作成部43は、上述した画面情報にあるラジオボタン17a〜17cの設定情報に基づき、グループ名とこれに属する選択表示パーツの選択非選択状態を対応付けた第2のリスト47を作成する機能を有している。
【0075】
第2のリスト47は、例えば図7に示すように、各グループ毎の個々のラジオボタン17a〜17cの設定情報を対応付けた一覧である。
【0076】
変更制御部45は、各グループ毎の個々のラジオボタン17a〜17cの設定情報を管理し、操作パネル部(第2の変更入力部)31からの変更入力に基づき個々のラジオボタン17a〜17cの設定情報を変更制御し、第2のリスト47を変更するとともに、変更されたラジオボタン17a〜17cを排他的選択状態に更新するための更新情報を第2の通信部35から選択表示パーツ制御装置A側に送信制御する機能を有している。
【0077】
次に、選択表示パーツ制御システムの使用例を図8および図9を参照して簡単に説明する。
【0078】
なお、図4に示したように、既に第1のリストが作成済みであるとして説明するとともに、選択表示パーツ制御装置Aと画像形成装置B間の動作に係る画面表示については省略する。
【0079】
図8において、動作がスタートすると、ステップS10にて選択表示パーツ制御装置Aにおけるラジオボタン17a〜17cを含む表示画面がCPU1の制御下で読み込まれると、ステップS11にて表示画面の読み込みがラジオボタン17a〜17cの排他的選択状態の変更を伴わないイベント発生によるものか否かCPU1で判別する。
【0080】
初期表示であってステップS11がNOであれば、ステップS12にて各ラジオボタン17a〜17cの選択状態変更部21が設定情報を取得し、ステップS13にて第1のリスト作成部19が第1のリスト23を作成してステップS16に移る。
【0081】
その表示画面の読込みが排他的選択状態の変更を伴うイベント発生によるものであってステップS11がYESであれば、ステップS14にてラジオボタン17a〜17cに係る更新情報に基づき第1のリスト作成部19が第1のリスト23を更新し、ステップS15にて第1のリスト23に基づき選択状態変更部21が各ラジオボタン17a〜17cの設定状態を更新してステップS16に移る。
【0082】
これらステップS14、S15は、例えば、後述する画像形成装置B側でラジオボタン17a〜17cの選択状態を変更動作させた後の処理工程である。
【0083】
ステップS16では設定情報をCPU1が第1の通信部13から画像形成装置Bへ送信制御し、ステップS17にて画像形成装置B側で第2のリスト47を作成し、ステップS18にてラジオボタン17a〜17cを含む表示画面の表示がなされて終了する。
【0084】
次に、画像形成装置B側で表示されたラジオボタン17a〜17cの選択状態を変更する動作を、図9を参照して説明する。
【0085】
動作プログラムがスタートし、ステップS20にて操作パネル部31にて非選択状態にあるラジオボタン17a〜17cのいずれかがクリックされると、ステップS21にてクリックされたラジオボタン17a〜17cの属するグループのラジオボタン17a〜17cの設定情報を第2のリスト47に基づき主制御部25が取得し、ステップS22にて主制御部25が同グループの全てのラジオボタン17a〜17cについて設定状態を順次判別する。
【0086】
ステップS22にて当該グループに属する全てのラジオボタン17a〜17cについて更新確認が終了したか否か判別され、判別が終了せずにステップS22がNOであれば、ステップS23にて主制御部25がクリックされたラジオボタン17a〜17cか否か判別する。
【0087】
クリックされたラジオボタン17a〜17cであってステップS23がYESであれば、ステップS24にて変更制御部45が当該ラジオボタン17a〜17cの設定情報を選択状態に更新してステップS26に移る。
【0088】
クリックされたラジオボタン17a〜17cではなくてステップS23がNOであれば、ステップS25にて変更制御部45が当該ラジオボタン17a〜17cを非選択状態に更新処理してステップS26に移る。
【0089】
続く、ステップS26にてラジオボタン17a〜17cについてその他の設定情報を更新してステップS22に戻り、ステップS22がNOになるまでステップS22〜S26を繰り返し、ステップS22がNOになるとステップS27に移る。
【0090】
ステップS27では主制御部25が選択表示パーツ制御装置Aへの更新情報の選択表示パーツ制御装置Aへの送信の要否を判別し、送信が不要でステップS27がNOであれば終了し、送信が必要でステップS27がYESであればステップS28にて主制御部25が第2の通信部35を制御して更新情報を選択表示パーツ制御装置Aへ送信し、図8のステップS10に移る。
【0091】
このような本発明の選択表示パーツ制御システムは、選択表示パーツ制御装置Aに画像形成装置Bを接続し、選択表示パーツ制御装置Aで動作するアプリケーションプログラムに基づき動作する画像形成装置Bにおいて、表示されたラジオボタン17a〜17cの選択状態を変更することが容易であるうえ、選択状態を変更したラジオボタン17a〜17cについて選択表示パーツ制御装置Aおよび画像形成装置Bの双方で排他的選択状態の把握が容易である。
【0092】
すなわち、本発明の選択表示パーツ制御システムでは、選択表示パーツ制御装置Aにおいて、グループ毎の排他的選択状態にあるラジオボタン17a〜17cを示す第1のリスト23と個々のラジオボタン17a〜17cに選択状態を設定して設定情報を形成する。
【0093】
画像形成装置B側では、選択表示パーツ制御装置Aからの制御によって動作画面を表示する過程で、ラジオボタン17a〜17cの設定情報から第2のリスト47を作成し、ラジオボタン17a〜17cの排他的選択状態を変更する操作(クリック)がなされると、ラジオボタン17a〜17cの設定情報を変更した更新情報を選択表示パーツ制御装置Aへ送信する。
【0094】
選択表示パーツ制御装置Aでは、ラジオボタン17a〜17cの設定情報を更新するとともに第1のリスト23も更新し、この更新による変更画面情報を画像形成装置B側に送信し、画像形成装置B側では第2のリスト47を更新し、ラジオボタン17a〜17cの選択状態について、選択表示パーツ制御装置Aと画像形成装置Bの双方で一致させることが可能である。
【0095】
なお、上述した本発明においては、コントロールパネル15とラジオボタン17a〜17cを例にして説明したが、本発明では、多機能背景画面背景画面と、選択状態および非選択状態の切換え表示機能を有する選択表示パーツとにおいて実施可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 CPU
3 ROM
5 RAM
7 第1の記憶部
9 第1の表示部
11 入力部(配置入力部、設定入力部、第1の変更入力部)
13 第1の通信部
15 コントロールパネル(背景画面)
17 ラジオボタン
17a、17b、17c ラジオボタン(選択表示パーツ)
19 第1のリスト作成部
21 選択状態変更部
23 第1のリスト
23a、23b、23c ソフトキー
25 主制御部
27 画像読取部
29 第2の記憶部
31 操作パネル部(第2の表示部、第2の変更入力部)
33 印刷部(画像形成部)
35 第2の通信部
37 表示パネル部(表示部)
39 ハードキー(第2の変更入力部)
39a 動作選択キー(ハードキー)
39b テンキー(ハードキー)
39c スタートキー(ハードキー)
41 透過性タッチパネル部
43 第2のリスト作成部
45 変更制御部
47 第2のリスト
A 選択表示パーツ制御装置
B 画像形成装置
NT ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景画面と、選択状態および非選択状態の切換え表示機能を有する選択表示パーツとを表示部に表示する表示工程と、
表示された前記背景画面上に前記選択表示パーツを配置する配置工程と、
配置された前記選択表示パーツに対してグループ名およびパーツ表示名称を設定する設定工程と、
排他的選択状態にある前記選択表示パーツとこれが属する前記グループ名とを対応付けるための第1のリストを作成する第1のリスト作成工程と、
を具備することを特徴とする選択表示パーツ制御方法。
【請求項2】
個々の前記グループにおいていずれかの前記選択表示パーツを排他的選択状態に変更する変更工程と、選択状態に変更された前記選択表示パーツをこれが属する前記グループにおいて排他的選択状態に変更設定する選択状態変更工程を有し、
前記第1のリスト作成工程は、排他的選択状態に変更された前記選択表示パーツとこれが属する前記グループ名の対応関係を前記第1のリストにて更新する請求項1記載の選択表示パーツ制御方法。
【請求項3】
前記第1のリスト作成工程は、当該選択非選択状態および対応するグループ名の設定された前記選択表示パーツに基づき前記第1のリストを更新する請求項1記載の選択表示パーツ制御方法。
【請求項4】
背景画面と、選択状態および非選択状態の切換え表示機能を有する選択表示パーツとを表示する第1の表示部と、
この第1の表示部に表示された前記背景画面上への前記選択表示パーツの配置入力を受け付ける配置入力部と、
配置された前記選択表示パーツに対するグループ名およびパーツ表示名称の設定入力を受け付ける設定入力部と、
排他的選択状態にある前記選択表示パーツとこれが属する前記グループ名とを対応付けるための第1のリストを作成する第1のリスト作成部と、
を具備することを特徴とする選択表示パーツ制御装置。
【請求項5】
個々の前記グループにおいていずれかの前記選択表示パーツに対して排他的選択状態への変更入力を受け付ける第1の変更入力部と、選択状態に変更された前記選択表示パーツをこれが属する前記グループにおいて排他的選択状態に変更設定する選択状態変更部とを有し、
前記第1のリスト作成部は、排他的選択状態に変更された前記選択表示パーツとこれが属する前記グループ名の対応関係を前記第1のリストにて更新する請求項4記載の選択表示パーツ制御装置。
【請求項6】
前記第1のリスト作成部は、当該選択非選択状態および対応するグループ名の設定された前記選択表示パーツに基づき前記第1のリストを更新する請求項4記載の選択表示パーツ制御装置。
【請求項7】
前記請求項4記載の選択表示パーツ制御装置とこれにネットワークを介して接続され前記選択表示パーツを表示して動作する画像形成装置とを具備し、
前記選択表示パーツ制御装置は、
前記選択表示パーツを表示させる画面情報であって前記選択表示パーツに設定された前記選択非選択状態の設定情報を含む前記画像情報を前記画像形成装置に送信するとともに、前記画像形成装置から前記選択表示パーツの更新情報を受信する第1の通信部と、
受信された前記更新情報に基づき該当する前記選択表示パーツに対して排他的選択状態に変更する選択状態変更部とを有し、
前記第1のリスト作成部は、前記選択状態変更部の変更に基づき該当する前記選択表示パーツとこれが属する前記グループ名の対応関係を前記第1のリストにて更新する機能を具備し、
前記画像形成装置は、
画像データからこれを画像形成する画像形成部と、
前記選択表示パーツ制御装置側から前記画面情報を受信するとともに、前記選択表示パーツ制御装置へ前記更新情報を送信する第2の通信部と、
前記画面情報に基づき前記グループ毎の前記選択表示パーツを表示する第2の表示部と、
個々の前記グループにおいていずれかの前記選択表示パーツに対して排他的選択状態への変更入力を受け付ける第2の変更入力部と、
前記グループ名とこれに属する前記選択表示パーツの前記選択非選択状態を対応付けた第2のリストを作成する第2のリスト作成部と、
前記第2の変更入力部からの変更入力に基づき前記第2のリストを変更するとともに、変更された前記選択表示パーツを排他的選択状態にする前記更新情報を前記第2の通信部から前記選択表示パーツ制御装置側に送信制御する変更制御部と、
を具備することを特徴とする選択表示パーツ制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−237862(P2011−237862A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106298(P2010−106298)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】